JP2018070360A - コンクリート製品の吊り上げ具 - Google Patents

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Abstract

【課題】係止突起が係止凹部手前の不安定な位置にとどまってしまうような不具合を防止できるコンクリート製品の吊り上げ具を提供する。
【解決手段】本発明は、定着部材5に取り付けられる取付治具とを備えたコンクリート製品の吊り上げ具を対象とする。取付治具は、挿入軸と、挿入軸の先端に設けられ係止突起とを備え、定着部材5は、筒孔に設けられた突起係止部と、突起係止部を貫通する通孔56と、突起係止部の裏面側に設けられた係止凹部6とを備える。係止突起を通孔56に挿通して回転操作し、係止突起を係止凹部6に係止させることにより、取付治具が定着部材5に抜け止め状態に取り付けられる。突起係止部の通孔56および係止凹部6間の区切り部7の裏面側を区切り部裏面7aとしたとき、区切り部裏面7aが傾斜ガイド面に形成されている。
【選択図】図4

Description

この発明は例えば、暗渠、側溝用の大型コンクリートブロック等の高重量のコンクリート製品を移載、運送、設置するためにクレーン装置等で吊り上げる際に用いられるコンクリート製品の吊り上げ具およびその関連技術に関する。
高重量のコンクリート製品をクレーン装置で吊り上げることにより、コンクリート製品の荷揚げ作業や荷卸し作業、移載作業や設置作業が一般に行われているが、そのような作業を行う場合、クレーン装置の吊りワイヤーのフックをコンクリート製品に掛止するために、コンクリート製品に吊り上げ具が取り付けられる。
一般の吊り上げ具は、コンクリート製品に埋設される雌ねじ部材(定着部材)と、その定着部材にねじ留め固定される雄ねじ部材(取付治具)とを備え、取付治具に設けられたフック受けにクレーン装置のフックを掛止するようにしている。しかしながら、この吊り上げ具では、取付治具を定着部材にねじ込むという面倒な作業が必要であるため、取付治具の取付作業が困難であった。
そこで近年になって下記特許文献1,2に示すように、取付治具を略筒状の定着部材にワンタッチ操作で取り付けることができるコンクリート製品の吊り上げ具が開発されている。
この吊り上げ具における取付治具は、挿入軸の先端に軸心に対し直角方向に突出する係止突起が形成されている。一方、定着部材にはその筒孔に突起係止部が設けられるとともに、その突起係止部に、取付治具の係止突起を挿通可能なスロット状の通孔が形成されている。さらに突起係止部の裏面側には、通孔から周方向に90°位相をずらせて係止凹部が形成されている。そして取付治具の係止突起を定着部材の通孔に挿通して突起係止部の裏面側に配置する。その後、取付治具を周方向に90°回転させて係止突起を上記係止凹部に対応する位置まで移動させて、係止凹部内に嵌め込むことにより、取付治具を定着部材に対し抜け止め状態に取り付けるようにしている。
特許第3336335号 特開2003−182970号
ところで、コンクリート製品を扱う現場は砂、セメント等の粉体が舞い、風雨にもさらされるという不適切な環境の場合があり、そのような不適切な環境下で、取付治具や定着部材が放置されることがある。特に正月休み、お盆休み、ゴールデンウイーク、梅雨時期等の長期間の休みの間、上記不適切な環境下で取付治具等が放置されることもある。このように取付治具等を不適切な環境下で長期間放置した後、オイルやグリースの塗布等、メンテナンスを行わずに使用すると、錆や粉体詰まりの影響により、取付治具に動作不良が発生してしまうおそれがある。例えば取付治具を定着部材の通孔に挿通して回転させる際に、確実に90°回転させることができず、取付治具の係止突起が、係止凹部手前の不安定な位置にとどまった状態となる。このように係止が不十分な状態でクレーンフックを取付治具に掛止して高重量のコンクリート製品を吊り上げてしまうと、吊り上げ途中で取付治具の係止突起が不用意に回転して、取付治具が定着部材から抜け出してしまい、コンクリート製品が落下してしまうおそれがある。
また運良く取付治具の係止突起が不安定な位置でとどまったとしても、高重量のコンクリート製品による多大な荷重が係止突起を介して上記不安定な位置に集中して作用するため、圧壊が発生することがある。そうすると、定着部材の通孔等が押し潰されてしまい、取付治具を定着部材から取り外すことができなくなってしまうおそれがあった。
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、取付治具の係止突起が不安定な位置にとどまってしまうような不具合を防止することができるコンクリート製品の吊り上げ具およびその関連技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を備えるものである。
[1]コンクリート製品に埋設される定着部材と、前記定着部材に着脱自在に取り付けられる取付治具とを備えたコンクリート製品の吊り上げ具であって、
前記取付治具は、挿入軸と、前記挿入軸の先端に設けられ、かつ軸心に対し直交する方向に突出する係止突起とを備え、
前記定着部材は、コンクリート製品の表面において端部が開口する筒孔と、前記筒孔に設けられた突起係止部と、前記突起係止部を軸心方向に貫通するように形成され、かつ前記取付治具の挿入軸および係止突起を挿通可能な通孔と、前記突起係止部の裏面側に設けられ、かつ前記通孔における前記係止突起を挿通する部分である突起挿通部から周方向に位相をずらせた位置に設けられた係止凹部とを備え、
前記取付治具の挿入軸および係止突起を、前記定着部材の通孔に挿通して前記突起係止部の裏面側に配置して、前記取付治具を周方向に沿って正方向に回転操作して、前記係止突起を前記係止凹部に対応させた状態で、前記挿入軸を表面側に移動させて前記係止突起を前記係止凹部に係止させることにより、前記取付治具が前記定着部材に抜け止め状態に取り付けられるように構成され、
前記突起係止部における前記通孔の前記突起挿通部から前記係止凹部までの間に設けられた区切り部の裏面側を区切り部裏面とし、前記係止突起の表面側を係止突起表面としたとき、前記区切り部裏面および前記係止突起表面の少なくともいずれか一方の面が、前記係止突起を前記正方向またはその反対の逆方向に導くための傾斜ガイド面に形成されていることを特徴とするコンクリート製品の吊り上げ具。
[2]前記傾斜ガイド面は、前記正方向側に向かうに従って、または前記逆方向に向かうに従って、表面側に位置するように形成されていることを特徴とするコンクリート製品の吊り上げ具。
[3]前記傾斜ガイド面は、前記正方向に向かうに従って表面側に位置するように形成されている配置されている前項1または2に記載のコンクリート製品の吊り上げ具。
[4]前記区切り部裏面が前記傾斜ガイド面に形成されている前項1〜3のいずれか1項に記載のコンクリート製品の吊り上げ具。
[5]前記係止突起表面が前記傾斜ガイド面に形成されている前項1〜4のいずれか1項に記載のコンクリート製品の吊り上げ具。
[6]前記取付治具の前記係止突起が前記定着部材の前記係止凹部内に適合状態に嵌まり込むように、前記係止凹部の底面が、前記係止突起の前記傾斜ガイド面に対応する傾斜面に形成されている前項5に記載のコンクリート製品の吊り上げ具。
[7]軸心に直交する平面に対する、前記傾斜ガイド面の勾配が5°〜15°に設定されている前項1〜6のいずれか1項に記載のコンクリート製品の吊り上げ具。
[8]挿入軸と、前記挿入軸の先端に設けられ、かつ軸心に対し直交する方向に突出する係止突起とを備えた取付治具が、着脱自在に取り付けられるコンクリート製品の吊り上げ具における定着部材であって、
コンクリート製品に埋設される定着部材本体と、
前記定着部材本体に設けられ、かつコンクリート製品の表面において端部が開口する筒孔と、
前記筒孔に設けられた突起係止部と、
前記突起係止部を軸心方向に貫通するように形成され、かつ前記取付治具の挿入軸および係止突起を挿通可能な通孔と、
前記突起係止部の裏面側に設けられ、かつ前記通孔における前記係止突起を挿通する部分である突起挿通部から周方向に位相をずらせた位置に設けられた係止凹部とを備え、
前記取付治具の挿入軸および係止突起を、前記通孔に挿通して前記突起係止部の裏面側に配置して、前記取付治具を周方向に沿って正方向に回転操作して、前記係止突起を前記係止凹部に対応させた状態で、前記挿入軸を表面側に移動させて前記係止突起を前記係止凹部に係止させることにより、前記取付治具が抜け止め状態に取り付けられるように構成され、
前記突起係止部における前記通孔の前記突起挿通部から前記係止凹部までの間に設けられた区切り部の裏面が、前記係止突起を前記正方向またはその反対の逆方向に導くための傾斜ガイド面に形成されていることを特徴とするコンクリート製品の吊り上げ具における定着部材。
[9]コンクリート製品に埋設される定着部材本体と、前記定着部材本体に設けられ、かつコンクリート製品の表面において端部が開口する筒孔と、前記筒孔に設けられた突起係止部と、前記突起係止部を軸心方向に貫通するように形成され、かつ軸心位置から径方向外側に延びる通孔と、前記突起係止部の裏面側に設けられ、かつ前記通孔の径方向外側の位置から周方向に位相をずらせた位置に設けられた係止凹部とを備えた定着部材に、着脱自在に取り付けられるコンクリート製品の吊り上げ具における取付治具であって、
挿入軸と、
前記挿入軸の先端に設けられ、かつ軸心に対し直交する外径方向に突出する係止突起とを備え、
前記挿入軸および前記係止突起を、前記定着部材の通孔に挿通して前記突起係止部の裏面側に配置して、周方向に沿って正方向に回転操作して、前記係止突起を前記係止凹部に対応させた状態で、前記挿入軸を表面側に移動させて前記係止突起を前記係止凹部に係止させることにより、前記定着部材に抜け止め状態に取り付けられるように構成され、
前記係止突起の表面が、前記係止突起を前記正方向またはその反対の逆方向に導くための傾斜ガイド面に形成されていることを特徴とするコンクリート製品の吊り上げ具における取付治具。
発明[1][2]のコンクリート製品の吊り上げ具によれば、定着部材における区切り部の裏面および取付治具における係止突起の表面のうち、少なくとも一方の面が傾斜ガイド面に形成されているため、係止突起が区切り部裏面の不安定な位置にとどまることなく、傾斜ガイド面によってガイドされて、係止突起が係止凹部または通孔の突起挿通部に導かれる。このように係止突起が区切り部裏面の不安定な位置にとどまってしまうような不具合を防止できるため例えば、コンクリート製品が吊り上げ途中に落下してしまったり、コンクリート製品の荷重が区切り部裏面に集中して区切り部が圧壊してしまうような不具合を確実に防止することができる。
発明[3]のコンクリート製品の吊り上げ具によれば、係止突起が傾斜ガイド面によってガイドされて、係止突起が係止凹部にスムーズに導かれて確実に係止されるようになる。
発明[4][5]のコンクリート製品の吊り上げ具によれば、上記の効果をより確実に得ることができる。
発明[6]のコンクリート製品の吊り上げ具によれば、係止凹部の底面を傾斜面に形成しているため、係止突起が凹部底面に面接触により広範囲で接触する。このためコンクリート製品吊り上げ時に係止突起を介して凹部底面に作用する高荷重を、凹部底面の広範囲で均等に受け止めることができ、高荷重が凹部底面の一部に集中して圧壊してしまうような不具合を確実に防止することができる。
発明[7]のコンクリート製品の吊り上げ具によれば、上記の効果をより確実に得ることができる。
発明[8]のコンクリート製品の吊り上げ具における定着部材によれば、上記と同様に同様の効果を得ることができる。
発明[9]のコンクリート製品の吊り上げ具における取付治具によれば、上記と同様に同様の効果を得ることができる。
図1はこの発明の第1実施形態であるコンクリート製品の吊り上げ具を説明するための図であって、図(a)は取付治具を定着部材に挿入した状態の断面図、図(b)は取付治具を定着部材に対し押し込んだ状態の断面図、図(c)は取付治具を回転操作した直後の状態の断面図、図(d)は取付治具を定着部材に係止した状態の断面図である。 図2は第1実施形態の吊り上げ具における取付治具を示す図であって、図(a)は正面図、図(b)は側面図である。 図3は第1実施形態の吊り上げ具における定着部材を示す図であって、図(a)正面断面図、図(b)は平面図である。 図4は第1実施形態の定着部材における本体の下端部周辺を上下反転状態で拡大して示す一部切欠斜視図である。 図5は第1実施形態の定着部材本体の下端部を示す下面図である。 図6は図5のS1−S1線断面図である。 図7はこの発明の第2実施形態であるコンクリート製品の吊り上げ具における取付治具の下端部を示す図であって、図(a)は正面図、図(b)は側面図、図(c)は水平断面図である。 図8は第2実施形態の吊り下げ具の定着部材における本体の下端部周辺を上下反転状態で拡大して示す一部切欠斜視図である。 図9は第2実施形態の定着部材本体の下端部を示す下面図である。 図10は図9のS2−S2線断面図である。
<第1実施形態>
図1はこの発明の第1実施形態であるコンクリート製品の吊り上げ具を説明するための断面図である。同図に示すように、本第1実施形態の吊り上げ具は、取付治具1と、定着部材5と、付勢手段としてのコイルバネ3とを基本的な構成要素として備えている。なお本実施形態においては、発明の理解を容易にするため、図1の紙面に向かって上方を「上方」、下方を「下方」として説明する。さらに本実施形態においては、「上側」を「開口側」「表面側」または「抜き出し側」と称する場合もあり、「下側」を「奥側」「裏面側」「差込側」または「挿入側」と称する場合もある。
図2は第1実施形態における取付治具1を示す図である。同図に示すように取付治具1は、主として金属製品によって構成されており、略円柱状の治具本体11を備えている。治具本体11の先端(下端)には、先端延長方向(下方)に突出するように挿入軸12が形成されている。挿入軸12の軸心は治具本体11の軸心に一致するように形成されるとともに、挿入軸12の径寸法は治具本体11の径寸法よりも小さく形成されている。また治具本体11の基端(上端)には、径寸法が治具本体11よりも大きい略円柱状ないし略円錐台状のヘッド13が設けられている。さらにヘッド13の上端部には、クレーン装置のフックを掛止可能な環状のフック受け14が一体に形成されている。
また治具本体11の上側半分は、下側半分に比べて径寸法が小さく形成されており、上側の小径部にワッシャ30が外嵌状態に取り付けられている。このワッシャ30の中央孔の内径は、治具本体11の下側の大径部よりも小さく形成されており、治具本体11の大径部の上端に係合することによって、下側への移動が規制されつつ、上側の小径部において軸心方向(上下方向)に沿ってスライド自在に移動できるように構成されている。後述するが、治具本体11の下側の大径部における径寸法は、定着部材5の筒孔52における上端開口の径寸法よりも小さく形成されるとともに、ワッシャ30の外径は、定着部材5の筒孔52における上端開口の径寸法よりも大きく形成されている。
治具本体11の上側の小径部におけるヘッド13およびワッシャ30間には、コイルバネ3が外嵌された状態に取り付けられている。このコイルバネ3は、ワッシャ30が治具本体11(取付治具1)に対し上方に移動することによって圧縮されて畜勢し、取付治具1全体を上方に付勢できるようになっている。
取付治具1における挿入軸12の先端には、軸心方向に対し直交する方向(外径方向)に突出するように2本の係止突起2,2が一体に形成されている。一方の係止突起2は、他方の係止突起2に対し反対方向に突出しており、係止突起2,2を含めた挿入軸12の先端部がT字状(逆T字状)に形成されている。一方の係止突起2の先端から他方の係止突起2の先端までの距離は、上記治具本体11の外径よりも小さく形成されている。つまり下面視(底面視)の状態において、係止突起2,2は治具本体11の外周の範囲内に配置されている。
係止突起2,2は断面四角形状に形成されており、本実施形態において、係止突起2,2の上端面(表面)が後述する係止突起表面2aとして構成されている。
図3〜図6は第1実施形態における定着部材5を示す図である。これらの図に示すように、定着部材5は、主として硬質のプラスチック成形品によって構成されており、コンクリート製品Cに埋設された状態に固定される。定着部材5は、略筒状の定着部材本体51を備え、その定着部材本体51の外周面には周方向に間隔をおいて外径方向に突出する複数の離脱防止用の羽根53が一体に形成されている。
定着部材本体51には軸心に沿って筒孔52が形成されており、この筒孔52の端部(上端)がコンクリート製品Cの表面において開口するように、定着部材5がコンクリート製品C内に配置されている。既述した通り、この筒孔52は、その内径が上記取付治具1の治具本体11の外径よりも大きく形成されており、取付治具1の治具本体11、挿入軸12および係止突起2を挿入できるように構成されている。
定着部材本体51の下端には、筒孔52の端部開口(下端開口)を閉塞するようにキャップ54が取り付けられている。
また定着部材51の奥部(下部)には、筒孔52を部分的に閉塞するようにして突起係止部55が形成されている。この突起係止部55には、取付治具1の挿入軸12および係止突起2に対応し、かつ係止突起2を含めた挿入軸12を挿通可能な通孔56が形成されている。すなわち通孔56は、突起係止部55に軸心方向に沿って貫通し、かつ軸心位置から径方向外側に向けて延びるように形成されており、図3(a)の平面視および図5の下面視(底面視)の状態において略長方形状に形成されている。この通孔56のうち、軸心の部分(中央部)は、挿入軸12を挿通する部分であり、径方向外側の部分は、係止突起2,2を挿通するための突起挿通部57,57として構成されている。
ここで本実施形態においては、図3(a)における平面視の状態において、時計回り方向を正方向D1とし、反時計回り方向を逆方向D2としている。従って図5における下面視(底面視)の状態においては、同図の紙面に向かって時計回り方向が逆方向D2となり、反時計方向回りが正方向D1となる。
突起係止部55の裏面側(下面側)には、通孔56の突起挿通部57,57から周方向に沿って正方向D1に90°位相をずらせた位置に係止凹部6,6がそれぞれ形成されている。突起係止部55における正方向D1に沿って通孔56の突起挿通部57,57から係止凹部6,6までの間には、断面略三角形状の区切り部7,7が設けられるとともに、その区切り部7,7の下端面(裏面)が区切り部裏面7a,7aとして構成されている。
本第1実施形態においては、この区切り部裏面7a,7aが勾配を有する傾斜ガイド面70,70として構成されている。この傾斜ガイド面70,70は、正方向D1側の端縁71,71を最高位置とし、逆方向D2側の端縁72,72における外端点72a,72aを最低位置とするような傾斜面に形成されている。換言すると傾斜ガイド面70,70は、正方向D1に向かうに従って次第に高くなるような傾斜面、つまり正方向D1に向かうに従って次第に表面側に位置するような傾斜面に形成されている。
本第1実施形態において、傾斜ガイド面70の勾配θ1(軸心に対し直交する平面に対する傾斜ガイド面70の傾斜角度)は、5°〜15°に設定されている。すなわちこの勾配θ1が小さ過ぎる場合には、後述する傾斜ガイド面70による係止突起2,2のガイド機能を十分に発揮できず、本発明の所望の効果を十分に得ることができないおそれがあり、好ましくない。また本実施形態のように突起係止部55の裏面側で取付治具1の係止突起2.2を回転させるような構造においては、突起係止部55の区切り部裏面7a,7aに15°を超えるような勾配を形成することは構造的に困難である。
なお本第1実施形態においては、発明の理解を十分にするため、図5に示す傾斜ガイド面70の勾配を誇張して示しており、実際の勾配よりも大きくなるように記載している。
一方、突起係止部55の裏面側において、逆方向D2に沿って通孔56の突起挿通部57,57から係止凹部6,6までの間には、下面視において略三角形状の逆回転規制部76,76が形成されている。この逆回転規制部76,76は、区切り部7,7よりも低くて定着部材本体51の下端位置まで形成されており、後述するように取付治具1の係止突起2,2を係止凹部6,6に係止する際に逆方向D2の回転を防止するためのものである。
本第1実施形態においてコンクリート製品Cに埋設された上記の定着部材5に上記の取付治具1を取り付けるには図1(a)に示すように、取付治具1の係止突起2,2の回転位置を定着部材5の通孔56に対応させた状態で、取付治具1の挿入軸12および係止突起2,2を定着部材5の筒孔52に挿入し、さらに図1(b)に示すように挿入軸12および係止突起2,2を通孔56に挿入しつつ、取付治具1の治具本体11を定着部材5の筒孔52に挿入して、係止突起2,2を突起係止部55の裏面側(下面側)に配置する。この挿入時には、取付治具1のワッシャ30が定着部材5の上端開口周縁部に係止するため、取付治具1をコイルバネ3の付勢力に抗して圧縮しつつ、定着部材5に挿入していく。さらに図1(c)に示すようにこのコイルバネ3を圧縮したままの状態で、取付治具1を軸心回りに正方向D1に90°回転操作することにより、係止突起2,2を定着部材5の係止凹部6,6に対向する位置に配置する。その後図(d)に示すように、取付治具1の押込を解除すれば、取付治具1がコイルバネ3の付勢力によって上方に押し上げられて、係止突起2,2が係止凹部6,6内に収容されて係止し、取付治具1の回転か規制されると同時に抜け止めが図られる。こうして取付治具1が定着部材5に対し取り付けられる。
なお図1(c)に示すように係止突起2,2を通孔56に挿通させた後、誤操作等によって取付治具1を逆方向D2に回転操作しようとしても、その回転は阻止される。すなわち、係止突起2,2の逆回転D2側には、低位まで延びる逆回転規制部76,76が配置されているため、取付治具1を逆方向D2に回転させようとすると、係止突起2,2が逆回転規制部76,76に係止する。従って取付治具1の逆方向D2への回転操作を阻止することができる。
既述したようにして定着部材5に取り付けられた取付治具1のフック受け14に、クレーン装置のフックを掛止して、クレーン装置によってコンクリート製品Cを吊り上げることによりコンクリート製品Cの設置や移載等を行うことができる。
ここで本実施形態においては、取付治具1を定着部材5に取り付ける際に動作不良等により回転操作を確実に行うことできずに係止突起2,2が区切り部裏面7a,7a上の不安定な位置にとどまってしまうような不具合を確実に防止することができる。
すなわち仮に動作不良によって、係止突起2,2が区切り部裏面7a,7aに引っ掛かってとどまったとしても、本第1実施形態においては、区切り部裏面7a,7aが傾斜ガイド面70,70に形成されているため、コイルバネ3の付勢力によって取付治具1に上向きの力が作用した際に、あるいはクレーン装置によってコンクリート製品Cを吊り上げようとして取付治具1に上向きの力が作用した際に、係止突起2,2が傾斜ガイド面70,70に圧接してその傾斜ガイド面70,70によってガイドされて正方向D1に回転移動し、係止凹部6,6内に確実に嵌まり込んで係止する。このため係止突起2,2が区切り部裏面7a,7a上の不安定な位置に配置されたままの状態で、コンクリート製品Cが吊り上げられるような不具合を確実に防止でき、係止突起2,2を係止凹部6,6内に確実に係止した状態でコンクリート製品Cを持ち上げることができる。従って吊り上げ中に取付治具1が定着部材5から外れて、コンクリート製品Cが落下してしまうような不具合を確実に防止することができる。
なお作業完了後に取付治具1を定着部材5から取り外す場合には、上記の逆手順で行えば良い。すなわちコイルバネ3の付勢力に抗して取付治具1を定着部材5に対し押し込んで、係止突起2,2を係止凹部6,6から下側に抜き出し、その状態で取付治具1を逆方向D2に90°回転操作して、係止突起2,2を通孔56の両端部に対応させて配置する。その後、取付治具1を定着部材5に対し引き上げれば、係止突起2,2が通孔56を通過することにより、取付治具1を定着部材5の筒孔52から上方に抜き出すことができる。
以上のように本第1実施形態のコンクリート製品Cの吊り上げ具によれば、定着部材5における通孔56の突起挿通部57,57と係止凹部6,6との間に設けられた区切り部裏面7a,7aを傾斜ガイド面70,70に形成しているため、区切り部裏面7a,7a上の係止突起2,2が傾斜ガイド面70,70にガイドされて係止凹部6,6内にスムーズに係止する。従って取付治具1を定着部材5に確実に取り付けた状態でコンクリート製品Cを吊り上げることができ、吊り上げ中に取付治具1が外れて、コンクリート製品Cが落下してしまうような不具合を確実に防止することができる。
またコンクリート製品Cを吊り上げる際には、係止突起2,2が係止凹部6,6内に確実に係止されているため、換言すると係止突起2,2が区切り部裏面7a,7aに配置されたままの状態でコンクリート製品Cが吊り上げられることがないため、コンクリート製品Cの吊り上げ時における高荷重が係止突起2,2を介して区切り部裏面7a,7aに集中して作用することがなく、区切り部7,7が圧壊してしまうのを防止することができる。従って区切り部7,7の圧壊等によって通孔56がつぶれて、係止突起2,2を通孔56に通過させることができずに、取付治具1を定着部材5から抜き取ることができなくなるような不具合を確実に防止することができる。
なお上記第1実施形態においては、区切り部裏面7a,7aを正方向D1側に向かうに従って次第に表面側(上方側)に位置するような傾斜ガイド面70,70に形成して、傾斜ガイド面70,70によって係止突起2,2を係止凹部6,6側にガイドするように構成しているが、それだけに限られず、本発明においては、区切り部裏面7a,7aを逆方向D2側に向かうに従って次第に表面側に位置するような傾斜ガイド面に形成して、その傾斜ガイド面によって係止突起2,2を逆方向D2にガイドするようにしても良い。例えば図5を参照しつつ説明すると、区切り部裏面7a,7aを、逆方向D2側の端縁72,72を最高位置とし、正方向D1側の端縁71,71の外端点71a,71aを最低位置とするような傾斜面に形成するようにしても良い。この場合仮に、係止突起2,2が区切り部裏面7a,7a上の不安定な位置にとどまろうとしても、コンクリート製品Cを吊り上げる際等に取付治具1に上向きの力が作用すると、係止突起2,2が傾斜ガイド面(区切り部裏面7a,7a)にガイドされて逆方向D2に回転し通孔56の突起挿通部57,57に対応した位置に移動するため、コンクリート製品Cが吊り上げられる前に、係止突起2,2が通孔56を通過して取付治具1が定着部材5から外れてしまう。従って係止突起2,2が区切り部裏面7a,7a上の不安定な位置に配置されたままの状態でコンクリート製品Cが吊り上げられるような不具合がなく、吊り上げ途中にコンクリート製品Cが落下してしまうような不具合を未然に確実に防止することができる。換言すれば係止突起2,2を確実に係止凹部6,6に確実に係止して、取付治具1を定着部材5に確実に取り付けた状態でなければ、コンクリート製品Cを吊り上げることができず、吊り上げ途中にコンクリート製品Cが落下してしまうような不具合を確実に防止することができる。さらにこの変形例の構成においても、係止突起2,2が区切り部裏面7a,7a上に配置されたままの状態でコンクリート製品Cが吊り上げられることがないため上記と同様に、区切り部7,7の圧壊を防止できて、取付治具1を定着部材5から抜き取ることができなくなるような不具合も確実に防止することができる。
<第2実施形態>
図7はこの発明の第2実施形態であるコンクリート製品の吊り上げ具における取付治具1の挿入軸12の先端部を拡大して示す図である。同図に示すようにこの第2実施形態の吊り上げ具における取付治具1は、挿入軸12の先端に形成される係止突起2,2の表面(上端面)2a,2aが傾斜ガイド面20,20に形成されている。
ここで本第2実施形態においては上記第1実施形態と同様に、図7(c)における平面視の状態において、時計回り方向を正方向D1とし、反時計回り方向を逆方向D2としている。そして傾斜ガイド面20は、傾斜ガイド面20の正方向D1側の端縁21を最高位置とし、逆方向D2側の端縁22を最低位置とするような傾斜面に形成されている。換言すると傾斜ガイド面20は、正方向D1側に向かうに従って次第に高くなるような傾斜面、つまり正方向D1側に向かうに従って表面側に位置するような傾斜面に形成されている。そしてこの傾斜ガイド面20によって後述するように区切り部裏面7a上の係止突起2を正方向D1側にガイドするように構成している。
本第2実施形態において、傾斜ガイド面20の勾配θ2(軸心に対し直交する平面に対する傾斜ガイド面20の傾斜角度)は、5°〜15°に設定されている。すなわちこの勾配θ2が小さ過ぎる場合には、後述する傾斜ガイド面20による係止突起2,2のガイド機能を十分に発揮できず、本発明の所望の効果を十分に得ることができないおそれがあり、好ましくない。逆に勾配θ2が大き過ぎる場合には、係止突起2,2の肉厚が部分的に小さくなってしまい、所定の強度を確保できないおそれがあり、好ましくない。
なお本第2実施形態においては上記第1実施形態と同様、発明の理解を容易にするため、図7(a)に示す傾斜ガイド面20の勾配を誇張して示しており、実際の勾配よりも大きくなるように記載している(以下の図9に示す勾配θ3においても同じである)。
図8〜図10は第2実施形態の吊り上げ具における定着部材5の本体51の下端部を示す図であり、上記第1実施形態の図4〜図6に相当する図である。これらの図に示すように、本第2実施形態において定着部材5の区切り部7,7における裏面7a,7aは、傾斜ガイド面ではなく水平面、つまり軸心に対し直交する平面と平行な面に形成されている。さらに係止凹部6の凹部底面60,60は、上記取付治具1における係止突起2,2の傾斜ガイド面20,20に対応する傾斜面に形成されている。すなわち凹部底面60,60は、正方向D1側の端縁61を最高位置とし、逆方向D2側の端縁62を最低位置とするような傾斜面に形成されている。換言すると凹部底面60は、正方向D1に向かうに従って次第に高くなるような(表面側に位置するような)傾斜面に形成されている。
さらに凹部底面60の勾配θ3(軸心に対し直交する平面に対する傾斜角度)も、上記取付治具1の傾斜ガイド面20の勾配θ2とほぼ同じ角度に形成されている。
この第2実施形態の吊り上げ具において他の構成は、上記図1〜図6に示す第1実施形態の吊り上げ具と実質的に同様であるため、同一または相当部分に同一符号を付して重複説明は省略する。
この第2実施形態においても上記第1実施形態と同様に取付治具1を定着部材5に取り付けることができる。すなわちコイルバネ3を圧縮しつつ取付治具1の係止突起2,2を定着部材5の通孔56に通過させて突起係止部55の裏面側に配置する(図1(b)参照)。続いて取付治具1を正方向D1に90°回転させて、係止突起2,2を係止凹部6,6に対応する位置に配置する(図1(c)参照)。その後取付治具1の下方への押込を解除すれば、コイルバネ3の付勢力によって取付治具1が上方に押し上げられて係止突起2,2が係止凹部6,6に係止する(図1(d)参照)。こうして定着部材5に取り付けられた取付治具1にクレーン装置のフックを掛止してコンクリート製品Cを吊り上げる。
この第2実施形態の吊り上げ具において、動作不良等によって係止突起2,2が区切り部裏面7a,7a上の不安定な位置にとどまったとしても、コイルバネ3の付勢力や、コンクリート製品Cの吊り上げ時に取付治具1に作用する上向きの力によって、係止突起2,2の傾斜ガイド面20,20が区切り部裏面7a,7aに圧接することにより、傾斜ガイド面20,20にガイドされて係止突起2,2が回転移動し、係止凹部6,6内に確実に嵌まり込んで係止する。このため係止突起2,2が区切り部裏面7a,7a上の不安定な位置に配置されたままの状態で、コンクリート製品Cが吊り上げられるような不具合を確実に防止でき、係止突起2,2を係止凹部6,6内に確実に係止した状態でコンクリート製品Cを持ち上げることができる。従って吊り上げ中に取付治具1が定着部材5から外れて、コンクリート製品Cが落下してしまうような不具合を確実に防止することができる。
さらにこの第2実施形態においても上記第1実施形態と同様に、係止突起2,2が区切り部裏面7a,7aに配置されたままの状態でコンクリート製品Cが吊り上げられることがないため、高荷重が係止突起2,2を介して区切り部裏面7a,7aに集中して作用することがなく、区切り部裏面7,7が圧壊してしまうのを防止することができる。従って区切り部7,7の圧壊等によって通孔56がつぶれて、係止突起2,2を通孔56に通過させることができずに、取付治具1を定着部材5から抜き取ることができなくなるような不具合を確実に防止することができる。
その上さらに本第2実施形態においては、係止凹部6,6の底面60,60を係止突起2,2の傾斜ガイド面20,20に対応する傾斜面に形成しているため、係止突起2,2が係止凹部6,6の底面60,60に面接触により広範囲で接触することになる。このためコンクリート製品吊り上げ時に係止突起2,2を介して凹部底面60,60に作用する高荷重を、凹部底面60,60の広範囲で均等に受け止めることができる。従って高荷重が凹部底面60,60の一部に集中して作用するのを防止でき、凹部底面60,60の圧壊を防止できるとともに、その圧壊によって取付治具1を定着部材5から抜き取ることができなくなるような不具合も確実に防止することができる。
なお上記第2実施形態においては、係止突起2,2の表面2a,2aを正方向D1に向かうに従って次第に表面側(上方側)に位置するような傾斜ガイド面20,20に形成するようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、係止突起表面2a,2aを逆方向D2側に向かうに従って次第に表面側に位置するような傾斜ガイド面に形成して、この傾斜ガイド面によって、係止突起2,2を逆方向D2側にガイドするようにしても良い。例えば図7を参照しつつ説明すると、係止突起表面2a,2aを、逆方向D2側の端縁22,22を最高位置とし、正方向D1側の端縁21,21を最低位置とするような傾斜面に形成するようにしても良い。この場合仮に、係止突起2,2が区切り部裏面7a,7a上の不安定な位置に配置されていたとしても、コンクリート製品Cを吊り上げる際に取付治具1に上向きの力が作用すると、係止突起2,2が傾斜ガイド面(係止突起表面2a,2a)にガイドされて逆方向D2に回転し通孔56の突起挿通部57,57に対応した位置に移動するため、コンクリート製品Cが吊り上げられる前に、係止突起2,2が通孔56を通過して取付治具1が定着部材5から外れてしまう。従って係止突起2,2が区切り部裏面7a,7a上の不安定な位置に配置されたままの状態でコンクリート製品Cが吊り上げられるような不具合がなく、吊り上げ途中にコンクリート製品Cが落下してしまうような不具合を未然に確実に防止することができる。さらにこの変形例の構成においても、係止突起2,2が区切り部裏面7a,7a上に配置されたままの状態でコンクリート製品Cが吊り上げられることがないため上記と同様に、区切り部7,7の圧壊を防止できて、取付治具1を定着部材5から抜き取ることができなくなるような不具合も確実に防止することができる。
また上記実施形態においては、取付治具1における係止突起2の裏面2aと、定着部材5の区切り部7の裏面7aとのいずれか一方の面を、傾斜ガイド面20,70に形成する場合を例に挙げて説明したが、係止突起裏面2aおよび区切り部裏面7aの双方の面を共に傾斜ガイド面20,70に形成するようにしても良い。この場合には、両傾斜ガイド面20,70を共に、正方向D1側に向かうに従って次第に表面側に位置するような傾斜面に形成するか、または両傾斜ガイド面20,70を共に、逆方向D2側に向かうに従って次第に表面側に位置するような傾斜面に形成するのが好ましい。
もっとも本発明においては、取付治具1の係止突起表面2aと、定着部材5の区切り部裏面7aとの双方にガイド面20,70を形成するに際して、両傾斜ガイド面20,70のうち、一方の傾斜ガイド面を正方向D1側に向かうに従って次第に表面側に位置するような傾斜面に形成するとともに、他方の傾斜ガイド面を逆方向D2側に向かうに従って次第に表面側に位置するような傾斜面に形成することも可能である。この場合においても、回転不良等によって係止突起2が区切り部裏面7a上の不安定な位置に配置されていたとしても、取付治具1に上向きの力が作用すると、係止突起2が、一方または他方のいずれかの傾斜ガイド面によって正方向D1または逆方向D2のいずれかの方向にガイドされるため、係止突起2が区切り部裏面7a上の不安定な位置に配置されたままの状態でコンクリート製品Cが吊り上げられるような不具合を防止することができる。
また上記実施形態においては、係止突起表面2aの傾斜ガイド面20、区切り部裏面7aの傾斜ガイド面70を平坦な傾斜面によって形成する場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においてはこれらの傾斜ガイド面を勾配が途中で変化するような面、例えば断面円弧状の凹状湾曲面や凸状湾曲面に形成するようにしても良い。
また上記実施形態においては、取付治具1として環状のフック受け14が固定されたものを例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明は、フック受け14が回転自在に取り付けられた斜め吊り対応の取付治具1にも適用することができる。
また言うまでもなく、取付治具1や定着部材5の大きさや形状は上記実施形態のものに限定されるものではなく、吊り上げるコンクリート製品Cに合わせた大きさや形状の取付治具および定着部材を採用するようにすれば良い。
この発明のコンクリート製品の吊り上げ具は、作業現場等においてコンクリート製品を吊り上げて移載や設置を行う際に用いることができる。
1:取付治具
12:挿入軸
2:係止突起
2a:係止突起表面
20:傾斜ガイド面
5:定着部材
51:定着部材本体
52:筒孔
55:突起係止部
56:通孔
57:突起挿通部
6:係止凹部
60:凹部底面
7:区切り部
7a:区切り部裏面
70:傾斜ガイド面(区切り部裏面)
C:コンクリート製品
D1:正方向
D2:逆方向
θ1,θ2:傾斜ガイド面の勾配

Claims (9)

  1. コンクリート製品に埋設される定着部材と、前記定着部材に着脱自在に取り付けられる取付治具とを備えたコンクリート製品の吊り上げ具であって、
    前記取付治具は、挿入軸と、前記挿入軸の先端に設けられ、かつ軸心に対し直交する方向に突出する係止突起とを備え、
    前記定着部材は、コンクリート製品の表面において端部が開口する筒孔と、前記筒孔に設けられた突起係止部と、前記突起係止部を軸心方向に貫通するように形成され、かつ前記取付治具の挿入軸および係止突起を挿通可能な通孔と、前記突起係止部の裏面側に設けられ、かつ前記通孔における前記係止突起を挿通する部分である突起挿通部から周方向に位相をずらせた位置に設けられた係止凹部とを備え、
    前記取付治具の挿入軸および係止突起を、前記定着部材の通孔に挿通して前記突起係止部の裏面側に配置して、前記取付治具を周方向に沿って正方向に回転操作して、前記係止突起を前記係止凹部に対応させた状態で、前記挿入軸を表面側に移動させて前記係止突起を前記係止凹部に係止させることにより、前記取付治具が前記定着部材に抜け止め状態に取り付けられるように構成され、
    前記突起係止部における前記通孔の前記突起挿通部から前記係止凹部までの間に設けられた区切り部の裏面側を区切り部裏面とし、前記係止突起の表面側を係止突起表面としたとき、前記区切り部裏面および前記係止突起表面の少なくともいずれか一方の面が、前記係止突起を前記正方向またはその反対の逆方向に導くための傾斜ガイド面に形成されていることを特徴とするコンクリート製品の吊り上げ具。
  2. 前記傾斜ガイド面は、前記正方向側に向かうに従って、または前記逆方向に向かうに従って、表面側に位置するように形成されていることを特徴とするコンクリート製品の吊り上げ具。
  3. 前記傾斜ガイド面は、前記正方向に向かうに従って表面側に位置するように形成されている配置されている請求項1または2に記載のコンクリート製品の吊り上げ具。
  4. 前記区切り部裏面が前記傾斜ガイド面に形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンクリート製品の吊り上げ具。
  5. 前記係止突起表面が前記傾斜ガイド面に形成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンクリート製品の吊り上げ具。
  6. 前記取付治具の前記係止突起が前記定着部材の前記係止凹部内に適合状態に嵌まり込むように、前記係止凹部の底面が、前記係止突起の前記傾斜ガイド面に対応する傾斜面に形成されている請求項5に記載のコンクリート製品の吊り上げ具。
  7. 軸心に直交する平面に対する、前記傾斜ガイド面の勾配が5°〜15°に設定されている請求項1〜6のいずれか1項に記載のコンクリート製品の吊り上げ具。
  8. 挿入軸と、前記挿入軸の先端に設けられ、かつ軸心に対し直交する方向に突出する係止突起とを備えた取付治具が、着脱自在に取り付けられるコンクリート製品の吊り上げ具における定着部材であって、
    コンクリート製品に埋設される定着部材本体と、
    前記定着部材本体に設けられ、かつコンクリート製品の表面において端部が開口する筒孔と、
    前記筒孔に設けられた突起係止部と、
    前記突起係止部を軸心方向に貫通するように形成され、かつ前記取付治具の挿入軸および係止突起を挿通可能な通孔と、
    前記突起係止部の裏面側に設けられ、かつ前記通孔における前記係止突起を挿通する部分である突起挿通部から周方向に位相をずらせた位置に設けられた係止凹部とを備え、
    前記取付治具の挿入軸および係止突起を、前記通孔に挿通して前記突起係止部の裏面側に配置して、前記取付治具を周方向に沿って正方向に回転操作して、前記係止突起を前記係止凹部に対応させた状態で、前記挿入軸を表面側に移動させて前記係止突起を前記係止凹部に係止させることにより、前記取付治具が抜け止め状態に取り付けられるように構成され、
    前記突起係止部における前記通孔の前記突起挿通部から前記係止凹部までの間に設けられた区切り部の裏面が、前記係止突起を前記正方向またはその反対の逆方向に導くための傾斜ガイド面に形成されていることを特徴とするコンクリート製品の吊り上げ具における定着部材。
  9. コンクリート製品に埋設される定着部材本体と、前記定着部材本体に設けられ、かつコンクリート製品の表面において端部が開口する筒孔と、前記筒孔に設けられた突起係止部と、前記突起係止部を軸心方向に貫通するように形成され、かつ軸心位置から径方向外側に延びる通孔と、前記突起係止部の裏面側に設けられ、かつ前記通孔の径方向外側の位置から周方向に位相をずらせた位置に設けられた係止凹部とを備えた定着部材に、着脱自在に取り付けられるコンクリート製品の吊り上げ具における取付治具であって、
    挿入軸と、
    前記挿入軸の先端に設けられ、かつ軸心に対し直交する外径方向に突出する係止突起とを備え、
    前記挿入軸および前記係止突起を、前記定着部材の通孔に挿通して前記突起係止部の裏面側に配置して、周方向に沿って正方向に回転操作して、前記係止突起を前記係止凹部に対応させた状態で、前記挿入軸を表面側に移動させて前記係止突起を前記係止凹部に係止させることにより、前記定着部材に抜け止め状態に取り付けられるように構成され、
    前記係止突起の表面が、前記係止突起を前記正方向またはその反対の逆方向に導くための傾斜ガイド面に形成されていることを特徴とするコンクリート製品の吊り上げ具における取付治具。
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