JP2018069111A - ハニカムフィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】再生時のハニカムフィルタの出口端面の外周部の熱応力を緩和できるハニカムフィルタを提供する。
【解決手段】ハニカムフィルタは、入口端面、出口端面100out、入口端面で閉じられて出口端面100outで開口された複数の出口開放セルOOC、及び、入口端面で開口され又は閉じられてかつ出口端面100outで閉じられた複数の出口閉鎖セルOCCを有するハニカム構造体を備える。出口端面100outにおいて外周Cからの距離が20mm以下となる環状領域ANの開口面積比率をRANとし、出口端面100outにおいて環状領域ANよりも内側のコア領域CRの開口面積比率をRCRとしたときに、1.1≦RAN/RCR≦1.5を満たす。
【選択図】図5
【解決手段】ハニカムフィルタは、入口端面、出口端面100out、入口端面で閉じられて出口端面100outで開口された複数の出口開放セルOOC、及び、入口端面で開口され又は閉じられてかつ出口端面100outで閉じられた複数の出口閉鎖セルOCCを有するハニカム構造体を備える。出口端面100outにおいて外周Cからの距離が20mm以下となる環状領域ANの開口面積比率をRANとし、出口端面100outにおいて環状領域ANよりも内側のコア領域CRの開口面積比率をRCRとしたときに、1.1≦RAN/RCR≦1.5を満たす。
【選択図】図5
Description
本発明は、ハニカムフィルタに関する。
従来より、エンジン排ガス中の煤などの粒子を捕捉するハニカムフィルタが知られている。このようなハニカムフィルタでは、捕集した煤を燃焼する再生が行われる。
しかしながら、従来のハニカムフィルタでは、再生工程において、ハニカムフィルタの出口端面の外周部に過度の熱応力がかかって亀裂が入る場合がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、再生時のハニカムフィルタの出口端面の外周部にかかる熱応力を緩和できるハニカムフィルタの提供を目的とする。
本発明に係るハニカムフィルタは、入口端面、出口端面、前記入口端面で閉じられて前記出口端面で開口された複数の出口開放セル、及び、前記入口端面で開口され又は閉じられてかつ前記出口端面で閉じられた複数の出口閉鎖セルを有するハニカム構造体を備える。そして、前記出口端面において外周からの距離が20mm以下となる環状領域の開口面積比率をRANとし、前記出口端面において前記環状領域よりも内側のコア領域の開口面積比率をRCRとしたときに、1.1≦RAN/RCR≦1.5を満たす。RAN/RCRの下限は1.2であることもできる。また、RAN/RCRの上限は1.4であることができる。
本発明によれば、再生時のハニカムフィルタの出口端面側の環状領域にかかる熱応力を緩和できる。本発明者らはその理由を以下のように考えている。再生時にハニカムフィルタは煤の燃焼によって加熱される。特に、煤の捕集量の多いハニカムフィルタの出口端面側において温度が上がりやすい。しかしながら、出口端面側であってもコア領域に比べて環状領域は外部の温度の影響を受けやすく温度が上がりにくい。したがって、出口端面側において、この外側の環状領域に大きな温度勾配が生じやすく、大きな熱応力がかかりやすいと考えられる。これに対して、本発明によれば、ハニカムフィルタの出口端面において、外周側の環状領域の開口面積比率が、コア領域の開口面積比率よりも十分に大きくされている。したがって、出口端面側において、環状領域の構造の柔軟性が高くなり、温度差が生じても熱応力が緩和されると考えられる。
ここで、前記出口端面において、前記ハニカム構造体の外周にそって全周にわたって前記出口閉鎖セルを1つも含まない前記出口開放セルの第1列が設けられ、
前記第1列の内側に前記第1列の前記出口開放セルに隣接して、前記出口閉鎖セルを1つも含まない前記出口開放セルの第2列が全周にわたって設けられることができる。このようなセルの配置によれば、請求項1の条件を容易に満たすことができる。
前記第1列の内側に前記第1列の前記出口開放セルに隣接して、前記出口閉鎖セルを1つも含まない前記出口開放セルの第2列が全周にわたって設けられることができる。このようなセルの配置によれば、請求項1の条件を容易に満たすことができる。
さらに、前記出口端面において、前記第2列の内側に前記第2列の前記出口開放セルに隣接して、前記出口閉鎖セルを1つも含まない前記出口開放セルの第3列が全周にわたって設けられことができる。
本発明によれば、再生時のハニカムフィルタの出口端面の外周部の熱応力を緩和できるハニカムフィルタが提供される。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態のハニカムフィルタの斜視図である。図1に示されるように、ハニカムフィルタ100Fは入口端面100in及び出口端面100outを有する円柱形状を有するハニカム構造体100STを備えている。ここで、ハニカム構造体100STの軸をCLとする。ハニカム構造体100STは、図2に示すように、ハニカム構造体100STの軸CL方向に延びる多数の貫通孔40を形成するハニカム隔壁100Wと、貫通孔40のいずれか一方の端部を封口する封口部100Pを有する。貫通孔40の出口端面100out側が封口部100Pにより封口されて入口流路52が形成され、貫通孔40の入口端面100in側が封口部100Pにより封口されて出口流路54が形成されている。
ハニカム構造体100STの高さ(すなわち、入口端面100inと出口端面100outとの距離)は、例えば10〜1000mmとすることができる。ハニカム構造体100STの外径は、例えば50〜1000mmとすることできる。
ハニカム隔壁100Wの材料は、多孔質(例えば、空隙率が40〜70%、平均細孔直径が5〜50μm)のセラミクス材料である。セラミクス材料としては、例えば、アルミナ、シリカ、ムライト、コーディエライト、ガラス、チタン酸アルミニウム等の酸化物、シリコンカーバイド、窒化珪素等が挙げられる。チタン酸アルミニウムは、更に、マグネシウム及び/又はケイ素を含むことができる。封口部100Pの材料は、ハニカム隔壁100Wと同様とすることもでき、100Wとは異なる材料であってもよい。
図3は、ハニカム構造体100STの図1のIII−III線に沿った断面の一部拡大図である。図3に示されるように、ハニカム構造体100STのハニカム隔壁100Wは、最外層を形成する円筒状の外部スキン10、外部スキン10より内側に配置された円筒状の内部スキン20、外部スキン10と内部スキン20との間を連結するように延びて四角形の断面を有する複数の外部セル42を形成する複数の外部セル隔壁30、及び、内部スキン20内に複数の内部セル44を形成する複数の内部セル隔壁50とを有している。
外部スキン10の厚みは周方向にわたって概ね一定であり、例えば、0.5〜2.0mmとすることができる。
内部スキン20の厚みは、周方向に渡って概ね一定であり、外部スキン10の厚みより薄くすることができ、例えば、0.15〜0.45mmとすることができる。
外部セル隔壁30は略一定の厚みを有し、その厚みは0.15〜0.45mmとすることができる。外部セル隔壁30の一端及び他端はそれぞれ外部スキン10及び内部スキン20に接続されている。外部セル隔壁30の断面形状は4角形である。
多数の内部セル隔壁50は、内部スキン20よりも内側に多数の多角形の内部セル44を形成する。内部セル隔壁50の厚みは略一定であり0.15〜0.45mmとすることができる。
内部セル44の断面形状は、内部スキン20に近い部分を除いて6角形である。内部スキン20に近い部分を除いて、1つの内部セル44に6つの内部セル44が隣接する。
内部セル44の内、内部スキン20から1列目及び2列目のセルの断面形状は6角形とは限らず、場所により6角形以外の形状、たとえば、4角形、5角形、6角形、または7角形をとる。
続いて、入口端面100inに関する図4及び出口端面100outに関する図5を参照して入口端面100in及び出口端面100outにおける封口部100Pの配置について説明する。ここで、図2に示すように、入口端面100inにおいて封口部100Pで封口され、出口端面100outにおいて開口されたセルを、出口開放セルOOCと呼ぶ。一方、入口端面100inにおいて開口され、出口端面100outにおいて封口部100Pで封口されたセルを、出口閉鎖セルOCCと呼ぶ。
図4及び図5に示すように、全ての外部セル42は出口開放セルOOCとされている。また、内部セル44の内、内部スキン20から1列目及び2列目のセルは全て出口開放セルOOCとされている。
内部セル44の内、内部スキン20から3列目及びそれよりも内側の部分では、図5に示すように、1つの出口開放セルOOCを6つの出口閉鎖セルOCCが取り囲むように出口開放セルOOC及び出口閉鎖セルOCCが配置されている。1つの出口閉鎖セルOCCは、3つの出口開放セルOOC及び3つの出口閉鎖セルOCCで取り囲まれる。
言い換えると、最外周のセル列に該当する外部セル42の全て、最外周から2列目及び3列目の内部セル44の全てが出口開放セルOOCとなっている一方、それより内側のセルでは出口開放セルOOC及び出口閉鎖セルOCCを両方含んでいる。したがって、ハニカムフィルタの出口端面100outにおいて、中央部に比べて外周部側の開口面積比率が大きくなっている。
ここで、図5に示す出口端面100outを、外周Cからの距離が20mm以下となる環状領域ANと、環状領域ANよりも内側のコア領域CRとに区画する。そして、本実施形態に係るハニカムフィルタは、出口端面100outにおいて、環状領域ANの開口面積比率をRANとし、コア領域CRの開口面積比率をRCRとしたときに、1.1≦RAN/RCR≦1.5を満たす。なお、出口端面100outの環状領域AN及びコア領域CRにおけるそれぞれの開口面積比率は、各領域における出口開放セルOOCの断面積の総和を各領域の全面積で除することによりそれぞれ得られる。RAN/RCRの下限は1.2であることもできる。また、RAN/RCRの上限は1.4であることができる。
RANは20〜50%とすることができる。RCRは15〜45%とすることができる。
RANは20〜50%とすることができる。RCRは15〜45%とすることができる。
なお、ハニカム構造体100STにおけるセル密度は200〜500cell/inch2とすることが好適である。また、環状領域ANには、外部スキン10から径方向中央に向かって数えて5〜20個のセルを含むことが好適である。
このようなハニカムフィルタ100Fは、入口端面100inから供給されるガス中の粒子を捕集してガスを浄化するフィルタとして用いられる。すなわち、ハニカムフィルタ100Fの入口端面100inに内燃機関から排出されたガスを供給すると、図4の出口閉鎖セルOCCにガスが供給される。各出口閉鎖セルOCC内に流入したガスは、当該セルの出口端面100outに封口部100Pがあるため、ガスはハニカム隔壁100Wを通過して隣接する出口開放セルOOCに流入し、出口端面100outから排出される。この際に、ガス中の微細な粒子(すす等)がハニカム隔壁100Wの出口閉鎖セルOCC側に捕捉される。
所定量の煤がフィルタ内に溜まると、再生工程が行われ煤が燃焼する。この時に、ハニカムフィルタ100Fは煤の燃焼によって加熱される。特に、煤の捕集量の多いハニカムフィルタの出口端面100out側において温度が上がりやすい。しかしながら、出口端面100out側であってもコア領域CRに比べて環状領域ANは外部の温度の影響を受けやすく温度が上がりにくい。したがって、出口端面100out側において、この外側の環状領域ANに大きな温度勾配が生じやすく、大きな熱応力がかかりやすいと考えられる。しかしながら、本実施形態によれば、ハニカムフィルタ100Fの出口端面100outにおいて、外周側の環状領域ANの開口面積比率RANが、コア領域CRの開口面積比率RCRよりも十分に大きくされている。したがって、出口端面100out側において、環状領域ANの構造の柔軟性が相対的に高くなり熱応力が緩和される。したがって、周辺部での亀裂の発生が抑制されうる。
このようなハニカム構造体100STは以下のようにして製造できる。まず、セラミクス材料を型から上述の図3の断面構造となるよう押し出してグリーン(未焼成)ハニカム隔壁を得る。グリーン体の材料は、セラミクス原料である無機化合物源粉末、メチルセルロース等の有機バインダ、及び必要に応じて添加される添加剤を含み、焼成されるとセラミックを与える。次に、グリーンハニカム隔壁の各セルのいずれか一端を、上記の出口閉鎖セルOCC及び出口開放セルOOCの配置となるように公知の方法によりグリーン体と同様の材料で封口する。最後に、封口済のグリーン体を焼成すればよい。グリーン体焼成後のサンプルに封口(場合によっては再度焼成)する事も可能である。
(第2実施形態)
続いて、第2実施形態に係るハニカムフィルタについて説明する。図6は、第二実施形態に係るハニカムフィルタの出口端面100outの周辺部の拡大図である。第1実施形態との相違点は、環状領域ANにおける、封口部100Pの配置、すなわち、出口開放セルOOC及び出口閉鎖セルOCCの配置のみである。
続いて、第2実施形態に係るハニカムフィルタについて説明する。図6は、第二実施形態に係るハニカムフィルタの出口端面100outの周辺部の拡大図である。第1実施形態との相違点は、環状領域ANにおける、封口部100Pの配置、すなわち、出口開放セルOOC及び出口閉鎖セルOCCの配置のみである。
本実施形態では、外部セル42において出口開放セルOOC及び出口閉鎖セルOCCが1つずつ交互に配置されている。また、内部セル44の内、内部スキン20に隣接するセルの列においても、出口開放セルOOC及び出口閉鎖セルOCCが1つずつ交互に配置されている。このとき、内部スキン20を挟んで半径方向に隣接する一対の外部セル42と内部セル44のそれぞれにおいて、一方が出口開放セルOOCであれば他方が出口閉鎖セルOCCとなるように、それぞれが配置されている。
さらに、環状領域ANにおいて、コア領域CRのように1つの出口開放セルOOCのまわりに6つの出口閉鎖セルOCCが配置されるのではなく、それとは反対に、1つの出口閉鎖セルOCCのまわりに6つの出口開放セルOOCが配置された環状部分PAが外周に沿って1重に配置されている。環状部分PAにおいて、出口開放セルOOCは3つ以下の出口閉鎖セルOCCに取り囲まれる。
これによっても、環状領域ANの出口開放セルOOCの割合が相対的に増えるので、1.1≦RAN/RCR≦1.5を満たすことができる。
(第3実施形態)
続いて、第3実施形態に係るハニカムフィルタについて、説明する。図7は、第3実施形態に係るハニカムフィルタの出口端面100outの周辺部の拡大図である。第2実施形態との相違点は、環状領域ANにおける、封口部100Pの配置、すなわち、出口開放セルOOC及び出口閉鎖セルOCCの配置のみである。
本実施形態では、環状領域ANにおいて、1つの出口閉鎖セルOCCのまわりに6つの出口開放セルOOCが配置された環状部分PAが外周に沿ってかつ径方向に重なり合って2重に配置されている。環状部分PAにおいて、出口開放セルOOCは3つ以下の出口閉鎖セルOCCに取り囲まれる。これによっても、環状領域ANの出口開放セルOOCの割合が相対的に増えるので、1.1≦RAN/RCR≦1.5を満たすことができる。
続いて、第3実施形態に係るハニカムフィルタについて、説明する。図7は、第3実施形態に係るハニカムフィルタの出口端面100outの周辺部の拡大図である。第2実施形態との相違点は、環状領域ANにおける、封口部100Pの配置、すなわち、出口開放セルOOC及び出口閉鎖セルOCCの配置のみである。
本実施形態では、環状領域ANにおいて、1つの出口閉鎖セルOCCのまわりに6つの出口開放セルOOCが配置された環状部分PAが外周に沿ってかつ径方向に重なり合って2重に配置されている。環状部分PAにおいて、出口開放セルOOCは3つ以下の出口閉鎖セルOCCに取り囲まれる。これによっても、環状領域ANの出口開放セルOOCの割合が相対的に増えるので、1.1≦RAN/RCR≦1.5を満たすことができる。
(第4実施形態)
続いて、第4実施形態に係るハニカムフィルタについて説明する。図8は、第4実施形態に係るハニカムフィルタの出口端面100outの周辺部の拡大図である。第1実施形態の図5との第1の相違点は、外部セル隔壁30及び外部スキン10を有さず、内部スキン20が外周面を形成している点、及び、最外の一列のセルの形状のみが内部スキン20の形状に応じて変形している点である。内部スキン20の厚みは、第1実施形態の外部スキン10と同程度とすることができる。
続いて、第4実施形態に係るハニカムフィルタについて説明する。図8は、第4実施形態に係るハニカムフィルタの出口端面100outの周辺部の拡大図である。第1実施形態の図5との第1の相違点は、外部セル隔壁30及び外部スキン10を有さず、内部スキン20が外周面を形成している点、及び、最外の一列のセルの形状のみが内部スキン20の形状に応じて変形している点である。内部スキン20の厚みは、第1実施形態の外部スキン10と同程度とすることができる。
さらに、第2の相違点は、出口端面100outにおける封口部100Pの配置、すなわち、出口開放セルOOC及び出口閉鎖セルOCCの配置である。本実施形態では、コア領域CRでは、第1実施形態と同様に、1つの出口開放セルOOCを6つの出口閉鎖セルOCCが取り囲むように、出口開放セルOOC及び出口閉鎖セルOCCが配置されている。1つの出口閉鎖セルOCCは3つの出口開放セルOOC及び3つの出口閉鎖セルOCCで取り囲まれている。
一方、環状領域ANでは、コア領域CR寄りの部分AN1と内部スキン20寄りの部分AN2とでは配置が異なる。具体的には、コア領域CR寄りの部分AN1では、コア領域CRと同様に出口開放セルOOC及び出口閉鎖セルOCCが配置されている。これに対して、外周寄りの部分AN2では、全てが出口開放セルOOCとされている。具体的には、最外周のセルを含めて最外から2列目までのセルが全て出口開放セルOOCである。また、一部の場所では、最外周のセルを含めて最外から3列目までのセルが全て出口開放セルOOCとなる。
これによっても、環状領域ANの開口面積比率をRANとし、コア領域CRの開口面積比率をRCRとしたときに、1.1≦RAN/RCR≦1.5を満たすことができる。
(第5実施形態)
続いて、第5実施形態に係るハニカムフィルタについて説明する。図9は、第5実施形態に係るハニカムフィルタの出口端面100outの周辺部の拡大図である。第4実施形態との相違点は、環状領域ANにおける封口部100Pの配置、すなわち、出口開放セルOOC及び出口閉鎖セルOCCの配置のみである。
続いて、第5実施形態に係るハニカムフィルタについて説明する。図9は、第5実施形態に係るハニカムフィルタの出口端面100outの周辺部の拡大図である。第4実施形態との相違点は、環状領域ANにおける封口部100Pの配置、すなわち、出口開放セルOOC及び出口閉鎖セルOCCの配置のみである。
本実施形態では、環状領域ANにおける内部スキン20寄りの部分AN2において、コア領域CRの配置とは反対に、1つの出口閉鎖セルOCCに隣接する全てのセルが、出口開放セルOOCとされている。1つの出口開放セルOOCに対して、1つ以上の出口閉鎖セルOCCが隣接する。
これによっても、出口端面100outにおける環状領域ANの出口開放セルOOCの割合が相対的に増えるので、1.1≦RAN/RCR≦1.5を満たすことができる。
(変形態様)
本発明は上記実施形態に限定されず、様々な変形態様が可能である。例えば、出口開放セルOOCと出口閉鎖セルOCCとの配置は、上記実施形態に限定されるものでなく、1.1≦RAN/RCR≦1.5を満たす範囲でいかなる態様をも取ることができる。
本発明は上記実施形態に限定されず、様々な変形態様が可能である。例えば、出口開放セルOOCと出口閉鎖セルOCCとの配置は、上記実施形態に限定されるものでなく、1.1≦RAN/RCR≦1.5を満たす範囲でいかなる態様をも取ることができる。
たとえば、図5に示す第1実施形態では、最外周のセルを含めて最外から3列目までのセルが全て出口開放セルOOCであるが、たとえば、最外周セルを含め最外から2列目、4列目、5列目、又は6列目までのセルを全て出口開放セルOOCとすることも可能である。最外周のセルを含めて最外から3列目、4列目、5列目、又は6列目までのセルを全て出口開放セルOOCとなっている状態が好ましい。
同様に、図8に示す第4実施形態では、最外周のセルを含めて最外から2列目までのセルが全て出口開放セルOOCであるが、3列目、4列目、5列目又は6列目までのセルを全て出口開放セルOOCとすることも可能である。
また、上記各実施形態では、環状領域ANにおける外周寄りの部分の出口開放セルOOC及び出口閉鎖セルOCCの配置を、コア領域CRのそれと異ならせることによって、環状領域AN全体の開口面積比率RANをコア領域CRの開口面積比率RCRよりも高くしているがこれに限られない。たとえば、環状領域ANの全体の出口開放セルOOC及び出口閉鎖セルOCCの配置をコア領域CRのそれと異ならせてもよいし、環状領域ANのコア領域CR寄り部分の出口開放セルOOC及び出口閉鎖セルOCCの配置のみをコア領域CRのそれと異ならせてもよい。
また、上記実施形態では、出口閉鎖セルOCCは、出口端面100out側が封口部100Pにより封口され、入口端面100in側が開口されているが、一部の出口閉鎖セルOCC、特に、形状の不規則なセルなどでは、出口閉鎖セルOCCが入口端面100in及び出口端面100outの両側でそれぞれ封口部100Pで封口された両端閉鎖封口でもよい。
また、上記実施形態では、両端にそれぞれ封口部100Pを有する両端閉鎖セルを含んでいないが、例えば外周領域などには両端閉鎖セルを含んでいてもよい。両端閉鎖セルは、出口閉鎖セルOCCに区分される。
また、上記実施形態では、図2に示すようにプラグ状の封口部100Pによって貫通孔40が封口されているが、図10に示すように、軸CLの方向の端においてハニカム隔壁100Wの壁を折り曲げて接合部Pを形成した構造でもよい。
さらに、各セルの断面形状は、六角形や四角形に限定されず、これら以外の多角形、円形、楕円形、あるいはこれらを混合した形態などであることもできる。
また、セルの角部は若干の丸みを帯びていてもよい。さらに、ハニカム隔壁100Wの外形形状は円柱でなくても、角柱や楕円柱でもよい。内部スキン20の形状も、外部スキン10の形状に合わせて変形することができる。
(計算例1〜3)
第1実施形態〜第3実施形態(図5〜図7)に係るハニカムフィルタの構造体のモデルの再生時の最大応力を構造解析シミュレーション法により求めた。
具体的には、有限要素法シミュレーションを行うソフトウエアとして、ANSYS社製Mechanical(APDL)を用いた。計算には二次元メッシュを使用した。
第1実施形態〜第3実施形態(図5〜図7)に係るハニカムフィルタの構造体のモデルの再生時の最大応力を構造解析シミュレーション法により求めた。
具体的には、有限要素法シミュレーションを行うソフトウエアとして、ANSYS社製Mechanical(APDL)を用いた。計算には二次元メッシュを使用した。
ハニカム構造体の直径を163mm、セル密度を380cell/inch2とし、2cmの環状領域ANには、径方向に概ね15個のセルが並ぶようにした。
(比較計算例1)
図11に示す構造のハニカムフィルタについても、計算例1と同様にシミュレーションを行った。本比較計算例1では、全ての外部セル42が、出口開放セルOOCとされている。また、内部セル44においては、内部スキン20と隣接するセルの列を除いて、1つの出口開放セルOOCを6つの出口閉鎖セルOCCが隣接して取り囲むように、これらのセルが配置されている。1つの出口閉鎖セルOCCに3つの出口開放セルOOC及び3つの出口閉鎖セルOCCが隣接する。なお、内部セル44の内、内部スキン20と隣接するセルにおいては出口閉鎖セルOCCと出口開放セルOOCとが1つづつ繰り返し配置されている。ハニカム構造体の直径及びセル密度は計算例1と同一とした。この条件では、1.1≦RAN/RCRを満たすことはできない。
条件及び結果を表1に示す。
図11に示す構造のハニカムフィルタについても、計算例1と同様にシミュレーションを行った。本比較計算例1では、全ての外部セル42が、出口開放セルOOCとされている。また、内部セル44においては、内部スキン20と隣接するセルの列を除いて、1つの出口開放セルOOCを6つの出口閉鎖セルOCCが隣接して取り囲むように、これらのセルが配置されている。1つの出口閉鎖セルOCCに3つの出口開放セルOOC及び3つの出口閉鎖セルOCCが隣接する。なお、内部セル44の内、内部スキン20と隣接するセルにおいては出口閉鎖セルOCCと出口開放セルOOCとが1つづつ繰り返し配置されている。ハニカム構造体の直径及びセル密度は計算例1と同一とした。この条件では、1.1≦RAN/RCRを満たすことはできない。
条件及び結果を表1に示す。
10…外部スキン、20…内部スキン、30…外部セル隔壁、42…外部セル、44…内部セル、50…内部セル隔壁、100ST…ハニカム構造体、100P…封口部。100F…ハニカムフィルタ。
Claims (3)
- 入口端面、出口端面、前記入口端面で閉じられて前記出口端面で開口された複数の出口開放セル、及び、前記入口端面で開口され又は閉じられてかつ前記出口端面で閉じられた複数の出口閉鎖セルを有するハニカム構造体を備え、
前記出口端面において外周からの距離が20mm以下となる環状領域の開口面積比率をRANとし、前記出口端面において前記環状領域よりも内側のコア領域の開口面積比率をRCRとしたときに、
1.1≦RAN/RCR≦1.5を満たす、ハニカムフィルタ。 - 前記出口端面において、前記ハニカム構造体の外周にそって全周にわたって前記出口閉鎖セルを1つも含まない前記出口開放セルの第1列が設けられ、
前記第1列の内側に前記第1列の前記出口開放セルに隣接して、前記出口閉鎖セルを1つも含まない前記出口開放セルの第2列が全周にわたって設けられた、請求項1記載のハニカムフィルタ。 - 前記出口端面において、前記第2列の内側に前記第2列の前記出口開放セルに隣接して、前記出口閉鎖セルを1つも含まない前記出口開放セルの第3列が全周にわたって設けられた、請求項2記載のハニカムフィルタ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020093183A (ja) * | 2018-12-10 | 2020-06-18 | 株式会社Soken | 排ガス浄化フィルタ |
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2016
- 2016-10-24 JP JP2016207939A patent/JP2018069111A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020093183A (ja) * | 2018-12-10 | 2020-06-18 | 株式会社Soken | 排ガス浄化フィルタ |
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