JP2018069006A - 上肢訓練支援装置 - Google Patents

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Kenji Kiba
健児 木場
喜生 高山
Yoshio Takayama
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Abstract

【課題】 本発明は、脳卒中等脳血管障害による麻痺のため上肢の挙上が困難な患者の訓練を支援する上肢訓練支援装置において、患者の麻痺の状態に応じた介助を提供し、患者のリハビリの効率化を図る上肢訓練支援装置に関するものである。
【解決手段】上肢訓練支援装置は、回動部2の回動トルクを制御する制御部7と回動トルクを計測する計測部5が設けられ、この回動部2の円周方向に取り付けたアーム部3に患者の腕部10を固定することで、前記回動部2の回動により患者の上肢の挙上を介助するものである。この時、事前に患者の上肢挙上能力を計測部5により回動トルクとして測定し、介助すべき力を介助回動トルクとして制御部7に設定することで、患者の上肢挙上能力に応じた介助が可能となり、患者のリハビリの効率化を図ることができるものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、脳卒中等脳血管障害による麻痺のため上肢の挙上が困難な患者の回復訓練を支援する上肢訓練支援装置に関するものである。
従来の上肢訓練支援装置を図4により説明する。図4は従来の上肢訓練支援装置の側面図である。
同図によると、20は上肢訓練支援装置の本体であり、21はこの本体20に設けられた電動モーターであり、患者22はその肩部22aがこの電動モーター21のスピンドル21aと高さが略同じになる位置に座位している。
21bはこのスピンドル21aに取り付けられた保持具である。22bは、前記患者22の肩部22aの上肢訓練の対象となる腕であり、前記保持具21bにベルト21cなどにより固定保持されている。
この上肢訓練支援装置においては、前記患者22は腕22bを真下におろした状態を0度、真上まで持ち上げた状態を180度とし、0度から180度までの任意の角度を設定し前記電動モーター21により任意の角度を往復運動させ、前記患者22の腕22bを強制的に持ち上げる、下ろすといった往復動作を繰り返し、運動機能を回復させようとするものである。
特開平5−277151号 公報
以上に説明した従来の上肢訓練支援装置は、患者22の運動機能すなわち麻痺の状態に関係なく一定の条件での訓練を繰り返すことになる。麻痺の状態が軽く自らの意志と力で、ほぼ腕22bを持ち上げることのできる患者、麻痺の状態が重く全く腕22bの持ち上がらない患者、あるいはその中間で自らの意志と力である程度、腕22bを持ち上げることができる患者といったような様々な状態の患者に合わせた訓練ができないという課題を有するものであった。
上記課題を解決するために、本発明の上肢訓練支援装置は、訓練装置の本体に、回動部の回動トルクを制御する制御部と患者の腕部が装着されるアーム部に回動トルクを計測する計測部を設けたものである。
この計測部は前記アームに患者の腕部を装着して、上肢挙上能力を回動トルクとして測定し、これを基に介助すべき力を介助回動トルクとして制御部に設定するものである。
さらに、第2の解決手段は、前記本体に設けられた前記回動部の中心と前記患者の介助対象の肩関節部(肩部)の高さが略一致するように、本体または患者の座る椅子に高さ調節手段を設けたものである。
さらに、第3の解決手段は、前記回動部を円弧上に回動するアーム部が下方向から上方向まで略180度の円弧を画くように回動するものとするとともに、回動方向が時計方向または反時計方向のいずれかを選択する切換手段を設けたものである。
上記第1の解決手段により、患者の上肢挙上能力を計測部により回動トルクとして測定し、介助すべき力を介助回動トルクとして制御部に設定することで、患者の上肢挙上能力に応じた介助が可能となり、患者のリハビリの効率化を図ることができるものである。
また、第2の解決手段により、本体または患者の座る椅子に高さ調節手段を設けたものにあっては、患者の介助対象の肩関節部(肩部)の高さと前記回動部の中心を容易に合わせることができるものである。
また、第3の解決手段によると、円弧上に回動するアーム部が下方向から上方向まで略180度の円弧を画くように回動するとともに、回動方向が時計方向または反時計方向のいずれかを選択する切換手段を有する構成としたことで、患者の左右のいずれの腕部の屈曲運動(前方向の下方向から上方向)、外転運動(側方向 の下方向から上方向)の介助が1台の本装置で可能となり、装置設置の省スペース化や装置設置コスト削減に寄与できるものである。
以上のように本発明の上肢訓練支援装置は、患者の上肢挙上能力を計測部により回動トルクとして測定し、介助すべき力を介助回動トルクとして制御部に設定することで、患者の上肢挙上能力に応じた介助が可能となり、患者のリハビリの効率化を図ることができるものである。
なお、更に本体または患者の座る椅子に高さ調節手段を設けたものにあっては、患者の座高と装置との差異の調整を極めて容易に行えるものである。
なお、更に円弧上に回動するアーム部が下方向から上方向まで略180度の円弧を画くように回動するとともに、回動方向が時計方向または反時計方向のいずれかを選択する切換手段を有する構成としたものにあっては、患者の左右いずれの腕部の屈曲運動、外転運動の介助が1台の本装置で可能となり、装置設置の省スペース化や装置設置のコスト削減にも寄与できるものとなる。
本発明の上肢訓練支援装置の一実施例の側面図。 同要部である計測部、演算部、制御部の関係を説明するブロック図。 同他の実施例における患者への支援状況を説明する模式図であり、(a)は右腕の屈曲運動を説明する模式図、(b)は左腕の屈曲運動を説明する模式図、(c)は右腕の外転運動を説明する模式図、(d)は左腕の外転運動を説明する模式図。 従来の上肢訓練支援装置の側面図。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図3の実施例により説明する。
まず、図1および図2により本発明の上肢訓練支援装置の一実施例について説明する。
図1によると、1は本体であり、2は本体に設けられた回動部、3はこの回動部2の円周方向に取り付けられ、前記回動部2に連動して円弧状に回動する患者の腕部10が装着され、長さが調節可能なアーム部である。なお、このアーム部3は、アーム部本体3aと長さ調節可能なように装着された前腕保持部3bで構成されている。
また、アーム部本体3aと前腕保持部3bとは後述する挙上動作訓練の屈曲動作と外転動作に応じて、その装着角度は調節できるように構成されている。
なお、前腕保持部3bには前記、患者の腕部10を装着固定する上肢保持ベルト4が設けられている。
また、前記本体1には図2のブロック図に示すように、前記回動部2の回動トルクを計測する計測部5、この回動トルクを前記腕部10の回転トルク上肢挙上能力として演算する演算部6、この演算部6で算出された回転トルク上肢挙上能力をベースに前記回動部2の回動トルクを制御する制御部7が内蔵されている。なお、制御部7には前記上肢挙上能力の値の表示や前記回動部2に回動の条件と訓練の開始・停止等を指示するモニター7aが附属している。
次に、本実施例の構成の詳細を腕部10の屈曲動作(前方向の下方向か上方向への動作訓練)による挙上動作訓練とともに説明する。(挙上動作訓練には、外転動作(側方向の下方向から上方向への動作訓練)等もあるが、説明は省略する。)
まず、患者は上肢挙上能力を測定するため、本体1に並設された椅子11に前記回動部2の回動中心と患者の肩関節部が同じ高さになるように座り、腕部10の長さに合うように長さ調節した前腕保持部3bに腕部10を上肢保持ベルト4により装着固定する。
次に、評価計測モードで患者の現在の状態を計測する。
腕部10を上方に限界まで持ち上げ、この時の角度および回転トルク(持ち上げて脱力した時の下方への回転トルク)を計測部5により計測する。
計測されたこの回転トルクは、演算部6によりアーム部3などの重量が除かれ上肢挙上能力値として制御部7に伝達され、この制御部7に付属するモニター7aに角度とともに表示し記憶される。
以上によって、患者の訓練を行う医師などは患者の上肢挙上能力を把握した上で、患者の挙上動作訓練のメニューを作成、同訓練の進捗に伴う上肢挙上能力の向上に応じて訓練内容を適宜決定できる。
なお、上記実施例においては、計測の対象を主に患者の挙上による回転トルクとして説明したが、挙上動作訓練に必要とされる要素は全て計測の対象となり、制御部7における制御の対象となる。
また、挙上動作訓練中においても、腕部10の挙上角度、挙上停止時間、腕部10を円弧状に振る反復回数等は計測され、制御部7にフィードバックされている。
即ち、円弧状回動するアーム部3の下方からの目標角度、この目標角度まで腕部10を円弧状に振る反復回数、回動部2による介助回動トルク量、また、その介助回動トルクを与えるタイミング(挙上停止時間)等をモニター5aで入力設定し、制御部7で回動部2に所定の動作を行わせるとともに、その結果も把握するものである。
以上のように、患者の上肢挙上能力を計測部5で計測し、患者のこの上肢挙上能力に基づいて挙上動作訓練を繰り返して行えるので、患者のリハビリの効率化を図ることができる。なお、訓練による目標が達成された場合、あるいは未達となる場合においては訓練メニューを再設定し、本訓練を繰り返すことになる。
なお、本実施例においては、本体1に並設された椅子11に前記回動部2の回動中心と患者の肩関節部が同じ高さになるように座ると説明したが、椅子11に既知の上下高さ調節手段(油圧・水圧・空気圧等による上下動調節手段等)を設けたり、本体1に前記回動部2の高さが上下調節可能となる既知の高さ調節手段(本体1の支柱に油圧・水圧・空気圧等による上下動調節手段を設ける等)設けることで、回動中心と患者の肩関節部が同じ高さとすることが極めて素早く容易に行うことが可能となる。
次に図3により、本発明の上肢訓練支援装置の他の実施例について説明する。なお、前記実施例と同一部分には同一番号を付し説明を省略して説明する。
図3によると、3cは回動部2aに設けた回動方向の切換手段(図示せず)により、前方または後方に夫々0〜180度円弧状に動くように構成されているアーム部である。このアーム部3cはアーム部本体3dと長さ調節可能なように装着された前腕保持部3eで構成されている。
図3により本実施例の上肢訓練支援装置による患者の挙上動作支援について説明する。
同図(a)、(b)は、アーム部3cの横方向に患者を配置した場合の挙上動作(屈曲動作)を示し、患者が右方向を向いている場合の(a)は、アーム部3cを時計方向に回動させて右肩の前方への挙上動作を支援し、患者が左方向を向いている場合の(b)は、アーム部3cを反時計方向に回動させて左肩の前方への挙上動作を支援するものである。
また、同図(c)、(d)は、アーム部3cの前方に患者を配置した場合の側方への挙上動作(外転動作)を示し、(c)の場合は、アーム部3cを時計方向に回動させて右肩の側方への挙上動作を支援し、(d)の場合は、アーム部3cを反時計方向に回動させて左肩の側方への挙上動作を支援するものである。
以上のように、回動部2に設けた切換手段により、アーム部3cを時計方向または反時計方向に夫々0〜180度円弧状に回動するように構成したので、アーム部3cに対する患者の配置を変更することで、患者の両肩の屈曲運動、外転運動の支援を一台の装置で可能とし、装置の投資コストの削減と省スペースが図れるものである。
1 本体
2、2a 回動部
3、3c アーム部
5 計測部
7 制御部
10 腕部
11 椅子

Claims (3)

  1. 少なくとも、本体と、本体に設けられた回動部と、この回動部の円周方向に取り付けられ連動して円弧状に回動する患者の腕部が装着されるアーム部とで構成された上肢訓練支援装置であって、前記本体に回動部の回動トルクを制御する制御部と回動トルクを計測する計測部を設け、この計測部は前記アームに患者の腕を装着して、上肢挙上能力を回動トルクとして測定し、これを基に介助すべき力を介助回動トルクとして制御部に設定する上肢訓練支援装置。
  2. 前記本体に設けられた前記回動部の中心と前記患者の介助対象の肩部の高さが略一致するように、本体または患者の座る椅子に高さ調節手段を設けた請求項1に記載の上肢訓練支援装置。
  3. 前記回動部は、前記円弧上に回動するアーム部が下方向から上方向まで略180度の円弧を画くように回動するものであるとともに、回動方向が時計方向または反時計方向のいずれかを選択する切換手段を有する請求項1または請求項2に記載の上肢訓練支援装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109925666A (zh) * 2019-04-29 2019-06-25 合肥工业大学 一种肢体力量训练加载测量装置
CN112237525A (zh) * 2020-09-27 2021-01-19 广西美澳妇产医院有限公司 一种用于呼吸康复的智能化手臂运动设备
CN113680023A (zh) * 2021-09-23 2021-11-23 江苏科凯医疗器械有限公司 一种中风偏瘫患者用上肢力量训练装置

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