JP2018068628A - 入れ歯 - Google Patents

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Abstract

【課題】薬剤の徐放機能を持たせた入れ歯を提供する。【解決手段】入れ歯は、一以上の人工歯2と人工歯2を保持する義歯床3とを備え、人工歯2または義歯床3の一部に、所与の薬剤9を徐放するための薬剤徐放部4を設けている。【効果】口腔内に長時間装着しているという入れ歯の利点を活かして、薬剤徐放機能を付加し、確実な薬剤の投与を実現することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、入れ歯に関し、特に薬剤徐放機能を有する入れ歯に関する。
従来の入れ歯の製作は、歯科医院での患者口腔内の印象採得後、石こう模型を作製するところから始まる。次に、歯科技工所において、石こう模型上でのワックス成形(ワックスアップという)を行った後、ワックス成形体上に人工歯を正確に配置する。さらに、このワックス・人工歯複合体を埋没材と呼ばれる石こう系材料にて埋没した後、加熱軟化しワックスを除去する。ワックス除去部分にレジンを填入し、人工歯とレジンとが一体型となった入れ歯ができあがる。最終的に、この入れ歯を埋没材から取り出し、研磨することで完成する(例えば特許文献1参照)。
この過程で作製される入れ歯は、咀嚼および審美を目的とした入れ歯であり、それら以外の用途に用いられることはない。また、咀嚼と審美を重点的に再現しているため、それら以外の機能を付加するという試みも行われていない。このような入れ歯において、口腔内に長時間装着しているという利点を活かして、入れ歯に咀嚼、審美以外の機能を付加する機運が高まっている。また、装着者のほとんどが高齢者であるということから、高齢者に特化した機能を付加することが望まれている。
また、近年、CAD/CAM技術の進展にともない、歯科修復物製作の自動化が進んでいる。この流れを受けて、入れ歯製作についてもCAD/CAMを用いた自動化が期待されている。このCAD/CAMによる入れ歯製作では、入れ歯に特殊な形態や特殊な構造を付与することが理論的にはそれほど難しくない。
一方、入れ歯装着者の多くは高齢者であり、口腔内における歯牙喪失以外にも基礎疾患を有している場合も多い。基礎疾患を有する患者は、毎日定期的に薬品の服用をしている場合が多いことが知られている。これらの患者には認知症を併発している患者もおり、また、寝たきりなどの状況で、薬剤の服用も困難な場合もある。
さらに一方では、基礎疾患の中には唾液が出にくくなる疾患もあり、このような口腔乾燥症を有す患者の場合、普段の食事における咀嚼、嚥下が困難である。これら患者の場合、人工唾液やゼリー状の唾液分泌誘発物質などの薬剤を利用した咀嚼、嚥下支援が施される。
特開2000−245749号公報
本発明は、従来のこのような課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的の一は、薬剤の徐放機能を持たせた入れ歯を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の一実施例に係る入れ歯によれば、一以上の人工歯2と人工歯2を保持する義歯床3とを備え、人工歯2または義歯床3の一部に、所与の薬剤を徐放するための薬剤徐放部4を設けている。
上記構成により、口腔内に長時間装着しているという入れ歯の利点を活かして、薬剤徐放機能を付加し、確実な薬剤の投与を実現することができる。
本発明の入れ歯は、薬剤徐放部4を、人工歯2または義歯床3の一部に形成された凹部5として、この凹部5に、薬剤9を充填可能とすることができる。上記構成により、薬剤徐放部を人工歯または義歯床に設けた凹部とすることで、薬剤の充填位置を認識しやすくして、高齢者であっても簡単かつ容易に薬剤を所定の位置にセットできる。
本発明の入れ歯は、凹部5を、タブレット状の薬剤9を挿入可能なソケット状に形成することができる。上記構成により、タブレット状の薬剤をソケット状の凹部に挿入することで、極めて簡単に薬剤を凹部に充填できる。
本発明の入れ歯は、凹部5を、薬剤9の外形に沿う形状に形成することができる。上記構成により、凹部を薬剤の外形に沿う形状とすることで、薬剤を凹部の内部に嵌入させて外れないように充填できる。これにより、入れ歯の装着中に薬剤が凹部から脱落するのを有効に防止できる。
本発明の入れ歯は、凹部5を、ゲル状または液状の薬剤9を充填可能なボトル状または球状に形成することができる。上記構成により、凹部の形状をボトル状または球状とすることで、ゲル状または液状の薬剤であっても簡単かつ確実に充填できる。
本発明の入れ歯は、凹部5が、開口部の内径を1〜3mmとすることができる。上記構成により、ボトル状または球状の凹部の開口部の内径を1〜3mmとすることで、ゲル状または液状の薬剤の流出を抑制しながら効果的に徐放できる。
本発明の入れ歯は、凹部5を、人工歯2の付け根部2Xの近傍に設けることができる。上記構成により、薬剤を充填した凹部を人工歯の付け根部の近傍に設けることで、咀嚼の際に凹部に斯かる圧力により凹部内に充填された薬剤を効果的に口腔内に流出させることができる。
本発明の入れ歯は、凹部5を、複数設けることができる。上記構成により、複数の凹部を設けることで、薬剤徐放部に複数種の薬剤を配置して、これ等の薬剤を同時に投与することができる。
本発明の入れ歯は、凹部5を、義歯床2の一部に設けることができる。上記構成により、義歯床に凹部を設けることで、凹部の形成を容易にできる。また、本発明の入れ歯は、凹部5を、人工歯2の一部に設けることができる。
本発明の入れ歯は、人工歯2または義歯床3の表面に所与の薬剤9を塗布して薬剤徐放部4を形成し、入れ歯の使用中に、薬剤9を溶出させることができる。上記構成により、入れ歯の表面に薬剤を塗布することで薬剤徐放部を構成するので、外形上及び外観上において違和感がなく、また入れ歯を装着して使用する状態で表面から溶出して摂取できる。
本発明の入れ歯は、人工歯2または義歯床3の表面にシート状の薬剤9を貼付して薬剤徐放部4を形成し、入れ歯の使用中に、薬剤9を溶出させることができる。上記構成により、入れ歯の表面に簡単に薬剤を配置しながら便利に使用できる。
本発明の入れ歯は、人工歯2または義歯床3を構成する材質の少なくとも表面の一部において所与の薬剤を硬化させて薬剤徐放部4を形成し、入れ歯の使用中に、薬剤9を溶出させることができる。
上記構成により、入れ歯の製造時において、人工歯または義歯床を構成する材質の一部として薬剤を使用し、人工歯または義歯床の表面の一部において薬剤を硬化させるので、入れ歯の使用者が自分自身で薬剤をセットすることなく、経時的に徐放される薬剤の効能を得ることができる。この入れ歯は、口内に装着することで、経時的に薬剤を摂取できるので、認知症や一人暮らしの高齢者であっても確実に薬剤の投与を実現できる。
本発明の入れ歯は、薬剤徐放部4を入れ歯の内側面であって舌側に形成することができる。上記構成により、薬剤徐放部を入れ歯の内側面であって舌側に配置するので、使用者が舌先で薬剤徐放部に接触可能で有り、また、食事中においても食物と接触し易くなるため、薬剤の流出や溶出を促進して短時間での摂取が可能となる。また、薬剤徐放部を凹部とする入れ歯においては、入れ歯の内側に設けることで外部から見えなくできるので、外観をよくできる。また、凹部を備える入れ歯においては、舌先で凹部に触れることで薬剤の有無や溶出状態を自らチェックすることができる。
本発明の入れ歯は、薬剤徐放部4を入れ歯の外側面であって頬側に形成することができる。上記構成により、薬剤徐放部を入れ歯の外側面であって頬側に配置するので、使用者が舌先で薬剤徐放部に接触することが少なく、また、食事中においても食物との接触が少なくなるため、薬剤の流出や溶出を抑制して長時間にわたっての摂取が可能となる。
本発明の入れ歯は、使い捨てタイプの入れ歯とすることができる。上記構成により、入れ歯を使い捨てとすることで、衛生的にも安心して使用できる。
本発明の一実施例にかかる入れ歯の斜視図である。 図1に示す入れ歯の上顎の正面図である。 本発明の他の実施例にかかる入れ歯の上顎の垂直断面図である。 本発明の他の実施例にかかる入れ歯の上顎の拡大端面図である。 本発明の他の実施例にかかる入れ歯の下顎を口内側から見た斜視図である。 図5に示す入れ歯の下顎の断面斜視図である。 本発明の他の実施例にかかる入れ歯の下顎の平面図である。 本発明の他の実施例にかかる入れ歯の下顎の拡大端面図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための入れ歯を例示するものであって、本発明は入れ歯を以下のものに特定しない。さらに、この明細書は、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
図1及び図2は、本発明の一実施例に係る入れ歯1を示している。図1は入れ歯1の上顎と下顎とを噛み合わせた状態を示す斜視図を、図2は図1に示す入れ歯1の上顎の正面図をそれぞれ示している。これ等の図に示す入れ歯1は、複数の人工歯2とこれ等の人工歯2を保持する義歯床3とを備えている。さらに、入れ歯1は、人工歯2または義歯床3の一部に、所与の薬剤9を徐放するための薬剤徐放部4を備えている。
図1と図2に示す入れ歯1は、前歯と臼歯からなる全ての人工歯2を義歯床3に固定している。ただし、本発明の入れ歯は、前歯と臼歯からなる全ての歯を義歯床に固定する構造、すなわち無歯顎者のための総入れ歯(総義歯)に特定しない。入れ歯は、前歯や臼歯の一部の人工歯を義歯床に固定し、あるいは前歯や臼歯のみを義歯床に固定する構造、いいかえると、歯が一部欠損している者に用いられる部分入れ歯(局部床義歯)にも適用することができる。複数の人工歯2は、図示しないが、その一部である付け根部を義歯床3に埋設し、残りの部分を義歯床3から突出するようにして、義歯床3に固定される。
(人工歯2)
人工歯2は、合成樹脂やセラミック、あるいは金属等を天然歯の形状に成形して製作される。人工歯2は、例えば、歯科用硬質レジン、歯科用ハイブリッドセラミックス、ポリ乳酸、ポリ乳酸グリコール酸共重合体、ポリεカプロラクトン、ジルコニア、長石質セラミックス等の材料で所定の形状に製造される。合成樹脂やセラミックで製作される人工歯2は、成形された表面を天然歯の色に着色し、あるいは着色された合成樹脂やセラミックを使用して成形される。人工歯2を成形する合成樹脂には、人工歯2は、金属を鋳造して成形することもできる。金属製の人工歯は、たとえば金合金、金銀パラジウム合金等で製作される。人工歯2は、付け根部分が義歯床3に埋設される状態で固定されて定位置に保持される。
(義歯床3)
義歯床3は、使用者の口腔内の歯肉と同じ形状に外形を成形している。入れ歯1は、必ずしも歯肉に装着されるとは限らない。たとえば、隣の残存歯に連結固定して装着される入れ歯もあるので、義歯床3は装着される構造に最適な形状に成形される。義歯床3は、熱硬化性のアクリル樹脂や熱可塑性のポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、あるいはポリエステル樹脂等の合成樹脂で成形される。このような樹脂材料として、例えば、ポリアクリルアミド、ポリサルフォン、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ジルコニア、ポリ乳酸、ポリ乳酸グリコール酸共重合体、ポリεカプロラクトンが使用できる。義歯床3を成形する合成樹脂は、歯肉色の着色がされており、赤に着色された繊維を混入させたものもある。この義歯床3は、天然の歯肉に極めて近似する表面模様にできる。それは、赤い繊維が、歯肉の血管と同じように見えるからである。
さらに、義歯床3は、一部に金属を使用することもできる。この義歯床は、金属床と呼ばれる床の一部を金属プレートとするが、人工歯と接する顎提部分は人工歯を埋没固定する目的もあり合成樹脂が用いられる。床の一部を形成する金属プレートには、例えば、チタンやコバルトクロム等が使用できる。
義歯床2は、樹脂材料で形成する際に、人工歯2の付け根部が埋設して固定される。入れ歯1は、石膏型(図示せず)に付け根部を埋設する人工歯を仮止めし、この状態でペースト状のプラスチックを充填し、プラスチックを熱硬化あるいは熱可塑性樹脂においては冷却硬化させて製作される。この状態で製作された入れ歯1は、プラスチックで成形される義歯床3に、人工歯2の付け根部が埋設して固定される。
(薬剤徐放部4)
薬剤徐放部4は、使用者が入れ歯1を装着する状態で、所与の薬剤を口腔内に経時的に徐放できるように設けられている。薬剤徐放部4は、人工歯2または義歯床3の一部に薬剤9を配置しており、口腔内において薬剤9が経時的に溶出し、あるいは経時的に流出するようにしている。とくに、人が口を閉じた状態では、口腔内が陰圧に保たれることから、薬剤徐放部4からの薬剤9の溶出や流出が促進される。また、人の口腔内では常に唾液が分泌されており、口腔内に溜まった唾液を反射的に嚥下する行為により、薬剤徐放部4から溶出または流出された薬剤9を確実に摂取することができる。したがって、使用者は、入れ歯を装着することにより、薬剤徐放部4から徐放される薬剤9の成分を無意識のうちに体内に摂取することが可能となる。
薬剤徐放部4は、人工歯2または義歯床3の一部に形成された凹部5として、この凹部5に薬剤9を充填可能とすることができる。図1ないし図4に示す入れ歯1は、義歯床3の一部であって、人工歯2を埋設してなる顎提部分に凹部5を設けて薬剤徐放部4としている。図5と図6に示す入れ歯1は、人工歯2の一部に凹部5を設けて薬剤徐放部4としている。これらの凹部5は、薬剤9を充填できるように、所定の形状と大きさに形成される。凹部5は、充填する薬剤9の種類や状態によって、内形や深さが決定される。このように、薬剤徐放部4を義歯床3または人工歯2に設けた凹部5とする構造は、薬剤9の充填位置を認識しやすくして、高齢者であっても簡単に薬剤9を所定の位置にセットできる特徴がある。
(薬剤9)
薬剤徐放部4に配置される薬剤には、例えば、整腸剤やビタミン剤、漢方薬、人工唾液剤にくわえ、降圧剤、アレルギー薬など医師からの処方薬等が使用できる。整腸剤である薬剤は、食事の際に食物と同時に摂取することで、消化器系の働きを促進して、食物の消化を補助できる。ビタミン剤や漢方薬である薬剤は、食後や食前にセットすることで、食物の有無に関係なく時間を掛けながら摂取することができる。抗ヒスタミン薬などアレルギー用の薬剤は、就寝前にセットすることで、就寝時のアレルギー症状軽減につながる。また、人工唾液系薬剤などは口腔内に徐放されて、口腔内の湿度や細菌のバランスを整えてドライマウス等の症状を抑制できる。口腔内の湿潤状態の回復は、感染症や口内炎、またその他の粘膜疾患の予防につながる。
以上の薬剤9は、タブレット状として薬剤徐放部4に配置され、あるいはゲル状または液状として薬剤徐放部4に配置され、あるいはまた、シート状として薬剤徐放部4に配置される。これらの薬剤9は、図1から図6に示すように、人工歯2または義歯床3の一部に形成された凹部5に充填されて、薬剤徐放部4に配置される。さらに、ゲル状または液状の薬剤9Bは、図7に示すように、入れ歯1の表面に塗布して薬剤徐放部4とし、また、シート状の薬剤9Cは、図6に示すように、入れ歯1の表面に貼付して薬剤徐放部4とすることもできる。さらにまた、薬剤9は、図8に示すように、その薬剤成分を入れ歯1を構成する材質の少なくとも表面の一部において硬化させて薬剤徐放部4を形成することもできる。
タブレット状の薬剤9Aは、粉末状または固形状の薬剤成分を打錠して所定の形状に形成される。タブレット状の薬剤9Aは、さらに、表面を溶解性を有する物質でコーティングすることで、口腔内での溶出状態をコントロールすることができる。また、ゲル状または液状の薬剤9Bは、ゲル状または液状に調製された薬剤成分をそのまま使用し、あるいは、粉末状の薬剤成分を液体に溶解または混練して、ゲル状または液状に調製される。ゲル状または液状の薬剤9Bは、粘性を調整することで、口腔内への流出状態をコントロールすることができる。さらにまた、シート状の薬剤9Cは、ゲル状または液状の薬剤をシート状に成膜した後、水分を蒸発させることでシート状に形成され、あるいは、水で薄めたデンプン糊等の基材に薬剤成分を溶解または混練した後、シート状に成膜して水分を蒸発させることで形成される。シート状の薬剤9Cは、所定の大きさと形状に切断することで、薬剤の量をコントロールできる。
(凹部)
図1と図2に示す入れ歯1は、義歯床3に設けた凹部5を、タブレット状の薬剤9Aを挿入可能なソケット状に形成している。ソケット状の凹部5Aは、タブレット状の薬剤9Aを嵌入できるように、薬剤9Aの外形に沿う内形としている。とくに、薬剤9Aを挿入した状態で、簡単に脱落しないように、開口部の幅を薬剤9Aの外径よりも小さくしている。図1及び図2に示すタブレット状の薬剤9Aは、外形を俵状に形成しているので、凹部5Aは、俵状の薬剤9Aを充填できるように、内面形状を俵状の薬剤9Aの外形に沿うソケット状に形成している。ソケット状の凹部5Aは、開口部の形状をタブレット状の薬剤9Aを所定の姿勢で挿入できる形状としている。図に示す凹部5Aは、俵状の薬剤9Aを横向きの姿勢で、すなわち、薬剤9Aの長手方向が人工歯2の配列方向に沿う姿勢となるように凹部5Aを形成している。
図1及び図2に示す入れ歯1は、義歯床3に設けた1つの凹部5Aに、タブレット状の薬剤9Aを1錠挿入できるようにしている。ただ、入れ歯1は、図3に示すように、1つの凹部5に複数の薬剤9Aを充填することもできる。図に示す凹部5Cは、人工歯2の配列方向に沿って溝状に形成して、複数の薬剤9Aを挿入できるようにしている。この凹部5Cは、複数の薬剤9Aを効率よく充填できる。
さらに、溝状の凹部は、図示しないが、薬剤を挿入する挿入開口の幅を薬剤の外径よりも大きくして薬剤を挿入しやすくすると共に、溝の長さ方向に沿って開口幅を薬剤の外径よりも小さくすることもできる。この凹部は、挿入開口から挿入された薬剤を溝内でスライドさせて溝の奥部に配置することができる。溝の奥部に充填される薬剤は、開口幅を狭くすることで溶出量や溶出時間をコントロールすることができる。この形状の凹部は、複数の薬剤を充填する状態で、挿入開口側の薬剤を速やかに溶融させながら、奥部に充填された薬剤を緩やかに溶出させて摂取することができる。また、凹部に挿入される薬剤が脱落するのを確実に防止できる。以上のように、タブレット状の薬剤9Aを充填する凹部5Aは、義歯床3を形成後に、ドリル等で切削して形成することができる。ただ、この凹部5Aは、義歯床3を成形する成形型(図持せず)に、凹部5Aを形成するための凸部を設けて、義歯床3の成形時に形成することもできる。
さらに、ゲル状または液状の薬剤9Bを充填する凹部5は、ボトル状または球状とすることができる。図3の断面部分に示す凹部5Bは、内部形状を球状とする一例を示している。図の凹部5Bは、液状またはゲル状の薬剤9Bを充填する状態で、経時的に口腔内に流出されて供給されるように開口部5aを狭くしている。ゲル状または液状の薬剤9Bが充填される凹部5Bは、開口部5aの形状や大きさを種々に調整することで、内部に充填される薬剤9Bが口腔内に流出される量を調整することができる。
図3の凹部5Bは、全体の形状を球状としており、内部に薬剤9Bの充填スペース5bを設けると共に、開口部5aを絞って薬剤9Bの流出量を抑制している。この凹部5Bは、開口部5aを大きくすると、内部に充填された薬剤9Bが一度に流出しやすくなる。反対に、開口部5aを小さくすると、充填された薬剤9Bが一度に流出するのを防止できる。ただ、開口部5aが小さすぎると、全ての薬剤を所定の時間内で流出できなくなる虞があると共に、薬剤9Bを凹部5Bの内部に充填するのも難しくなる。さらに、ゲル状または液状の薬剤9Bは、その粘性によっても流出速度が変化する、例えば、粘性の高い薬剤においては、凹部の開口部を大きくすることで効率よく流出される。反対に粘性の低い薬剤においては、開口部を小さくすることで一度に流出されるのが阻止される。したがって、ゲル状または液状の薬剤9Bを充填する凹部5Bは、薬剤9Bの充填量、溶出時間、薬剤9Bの粘性等を考慮して開口部5aの形状や大きさが決定される。
図3の凹部5Bは、開口部5aの内形を、内径が1〜5mm、好ましくは2〜3mmとする円形とし、充填スペース5bの内形を開口部5aの内形よりも大きくしている。図3の凹部5Bは、ドリルで開口部5aをせん孔した後、内部を開口部5aよりも広くなるように切削して所定の形状の充填スペース5bが形成される。この形状の凹部5Bは、充填スペース5bを広くすることで薬剤9Bの充填量を確保しながら、開口部5aを絞ることで理想的に流出量を調整できる。また、図3に示す凹部5Bは、入れ歯1の上顎に設けているが、この形状の凹部5Bは、薬剤9Bが液状であっても表面張力により、開口部5aから滴下するのが防止され、経時的な流出が実現できる。ただ、ゲル状または液状の薬剤9Bを充填する凹部5Bは、入れ歯1の下顎に設けることもできる。
さらに、液状の薬剤9Bを充填する薬剤徐放部4は、図4の拡大端面図に示すように、凹部5Bの開口部5aに弁体6を設けることもできる。図4に示す薬剤徐放部4は、入れ歯1の上顎に設けており、開口部を下向きに開口しているので、内部に充填される液状の薬剤9Bが自重で流出しようとするが、図に示すように凹部5Bの開口部5aに弁体6を設けることで、内部の薬剤9Bが一度に流出するのを防止して、緩やかに流出させることができる。図に示す弁体6は球体で、凹部5Bの開口部5aの内形よりも外形を大きくして、凹部5Bに圧入された状態では凹部5Bから抜けないようにしている。球状の弁体6は、凹部の開口部5aの近傍で回転することにより、内部に充填された液状の薬剤9Bが流出するのを促進する。とくに、図に示す薬剤徐放部4は、義歯床3の顎提部分の内側面であって、舌側に開口部5aを設けているので、この部分を舌先で触ることにより、薬剤9Bの流出を促進できる特徴もある。
なお、ゲル状または液状の薬剤9Bは、図4に示すように、先端部が細く成形された注入部11aを有する注入器11を介して充填することができる。図に示す注入器11はチューブで、先端の注入部11aを凹部5Bの開口部5aから内側に挿入する状態でチューブを押圧することで、凹部5Bの内部に薬剤9Bを充填できる。
される。
以上の入れ歯1は、薬剤徐放部4を義歯床3に設けているが、薬剤徐放部4は人工歯2に設けることもできる。図5と図6に示す入れ歯1は、臼歯である人工歯2の側面に凹部5を設けて薬剤徐放部4としている。図に示す凹部5Aは、前述と同様にブレット状の薬剤9Aを挿入できるソケット状としている。図5に示す凹部5Aは、臼歯を形成する人工歯2の舌側面であって、基底結節2aと切縁2bとの間に位置して形成している。このように臼歯の側面に凹部5Aを備える薬剤徐放部4は、咀嚼に悪い影響を与えることがない。ただ、臼歯である人工歯は、噛合面に凹部を設けることもできる。人工歯2に形成される凹部5Aもドリルで切削して設けられる。
さらに、シート状の薬剤9Cを充填する凹部5は、タブレット状の薬剤5Aを挿入するソケット状の凹部5Aとすることができる。シート状の薬剤9Cは、図5に示すように所定の大きさの短冊状に切断して使用される。短冊状の薬剤9Cは、一端から巻回して全体を筒状に巻いた後、ソケット状の凹部5Aに充填することができる。この薬剤9Cは、巻回された状態からシート状に広がろうとする復元力により、凹部の内部に挿入された姿勢に保持される。
さらに、入れ歯1は、人工歯2や義歯床3の表面に薬剤9を塗布して薬剤徐放部4とすることもできる。図7に示す入れ歯1は、U字状に形成された義歯床3の内側面に薬剤9を塗布している。このような薬剤9には、例えばゲル状または液状の薬剤9Bが使用できる。このように、義歯床3の表面に塗布される薬剤9は、塗布する場所や面積を種々に変更することで投与量が調整できる。また、複雑な形状の義歯床3の表面であっても、簡単に薬剤9を塗布することができる。
さらに、入れ歯1は、表面に薬剤9を塗布するのに代わって、図6に示すように、表面にシート状の薬剤9Cを貼付することもできる。図6に示す薬剤9Cは、シート状の薬剤を所定の大きさの短冊状に切断しており、義歯床3の表面に貼付して薬剤徐放部4としている。シート状の薬剤9Cは、人体に害のない接着剤(例えばデンプン糊)等を介して人工歯2や義歯床3の表面に貼付することができる。さらに、シート状の薬剤9Cは、表面をデンプン等の水溶性と粘性を有する接合部材でコーティングすると共に、このコーティング面に水を触れさせて接合部材を溶解し、溶解された接合部材を介して人工歯や義歯床の表面に貼付することもできる。
以上の入れ歯1は、凹部5に薬剤9を充填し、あるいは表面に薬剤9を塗布し、あるいはまた表面に薬剤9を貼付した状態で、使用者の口腔内に装着されて使用される。薬剤徐放部4に配置される薬剤9は、口腔内において経時的に溶出または流出されて、体内に確実に取り入れられる。患者は、入れ歯1を外した後、薬剤徐放部4に所定の薬剤9を補充し、その後、口内に装着して使用する。これにより、患者は、1日に所定量の薬剤9を所定の回数摂取することができる。したがって、高齢者が薬剤を飲み忘れる等の心配が無く、確実に所定の薬剤を投与できる。以上の入れ歯1は、薬剤徐放部4として薬剤9を繰り返し補充しながら使用できるので、長期間にわたって使用されるタイプの入れ歯として最適である。
さらに、入れ歯1は、人工歯2または義歯床3を構成する材質の少なくとも表面の一部において所与の薬剤を硬化させて薬剤徐放部4を形成することができる。図8に示す入れ歯1は、義歯床の表面において、義歯床3を構成する材質の一部として所与の薬剤を硬化させて薬剤徐放部4を設けている。この薬剤徐放部4は、入れ歯1の使用中に、義歯床の一部を構成する薬剤9を溶出させて投与することができる。この入れ歯は、製造時において、人工歯2や義歯床3を構成する材質の一部として薬剤9を使用するので、入れ歯1の使用者が自分自身で薬剤9をセットすることなく、徐放される薬剤9の効能を得ることができる。
以上のように薬剤徐放部4を備える入れ歯1は、使い捨てタイプの入れ歯とすることができる。使い捨てタイプの入れ歯は、短期間で新しい入れ歯に交換されるので、薬剤が配置される凹部等に雑菌が繁殖するのを有効に防止しながら、安心して使用できる。とくに、人工歯2または義歯床3を構成する材質の少なくとも表面の一部として薬剤9を硬化させて薬剤徐放部4を形成する入れ歯1においては、全ての薬剤9が徐放される期間を入れ歯1の交換時期として認識しながら交換できる。
なお、図1と図2に示す実施例では、平面視U字状の入れ歯1の外側面であって、頬側の側面に薬剤徐放部4を設けている。このように入れ歯1の頬側の面に薬剤徐放部4を設ける構造は、使用者が舌先で直接に薬剤徐放部4に接触するのを低減できる。また、食事中においては、薬剤徐放部4と食物との接触も少なくできる。このため、薬剤の流出や溶出を抑制して長時間にわたっての摂取が可能となる。
また、図3〜図7に示す実施例では、平面視U字状の入れ歯1の内側面であって、舌側の側面に薬剤徐放部4を設けている。このように入れ歯1の舌側の面に薬剤徐放部4を設ける構造は、使用者が舌先で直接に薬剤徐放部4に接触でき、また、食事中においても食物と接触し易くなる。このため、薬剤9の流出や溶出を促進して短時間での摂取が可能となる。また、薬剤徐放部4を凹部5とする入れ歯1においては、凹部5を入れ歯1の内側に設けることで外部から見えなくして外観をよくできる。また、舌先で凹部5に触れることで薬剤9の有無や溶出状態を自らチェックすることもできる。とくに、入れ歯1の下顎の内側に薬剤9を配置する構造は、溶出または流出した薬剤を効率よく舌下に投与できる特徴がある。したがって、舌下に投与する薬剤の配置としては最適である。
本発明の入れ歯は、装着することで所与の薬剤を徐放しながら投与できる入れ歯として、高齢者等に安全且つ安心して使用できる。
1…入れ歯
2…人工歯
2a…基底結節
2b…切縁
3…義歯床
4…薬剤徐放部
5…凹部
5A…凹部
5B…凹部
5C…凹部
5a…開口部
5b…充填スペース
6…弁体
9…薬剤
9A…薬剤
9B…薬剤
9C…薬剤
11…注入器
11a…注入部

Claims (16)

  1. 一以上の人工歯と
    前記人工歯を保持する義歯床と
    を備える入れ歯であって、
    前記人工歯または前記義歯床の一部に、所与の薬剤を徐放するための薬剤徐放部を設けてなる入れ歯。
  2. 請求項1に記載の入れ歯であって、
    前記薬剤徐放部が、前記人工歯または前記義歯床の一部に形成された凹部であり、
    該凹部に、薬剤を充填可能としてなる入れ歯。
  3. 請求項2に記載の入れ歯であって、
    前記凹部が、タブレット状の薬剤を挿入可能なソケット状に形成されてなる入れ歯。
  4. 請求項3に記載の入れ歯であって、
    前記凹部が、薬剤の外形に沿う形状に形成されてなる入れ歯。
  5. 請求項2に記載の入れ歯であって、
    前記凹部が、ゲル状または液状の薬剤を充填可能なボトル状または球状に形成されてなる入れ歯。
  6. 請求項5に記載の入れ歯であって、
    前記凹部が、開口部の内径を1〜5mmとしてなる入れ歯。
  7. 請求項5または6に記載の入れ歯であって、
    前記凹部が、前記人工歯の付け根部の近傍に設けられてなる入れ歯。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の入れ歯であって、
    前記凹部が、複数設けられてなる入れ歯。
  9. 請求項2から8のいずれか一項に記載の入れ歯であって、
    前記凹部が、前記義歯床の一部に設けられてなる入れ歯。
  10. 請求項2から8のいずれか一項に記載の入れ歯であって、
    前記凹部が、前記人工歯の一部に設けられてなる入れ歯。
  11. 請求項1に記載の入れ歯であって、
    前記人工歯または前記義歯床の表面に所与の薬剤が塗布されて前記薬剤徐放部が形成されており、
    当該入れ歯の使用中に、薬剤が溶出するようにしてなる入れ歯。
  12. 請求項1に記載の入れ歯であって、
    前記人工歯または前記義歯床の表面にシート状の薬剤が貼付されて前記薬剤徐放部が形成されており、
    当該入れ歯の使用中に、薬剤が溶出するようにしてなる入れ歯。
  13. 請求項1に記載の入れ歯であって、
    前記人工歯または前記義歯床を構成する材質の少なくとも表面の一部が所与の薬剤が硬化されて前記薬剤徐放部が形成されており、
    前記入れ歯の使用中に、薬剤が溶出するようにしてなる入れ歯。
  14. 請求項1から13のいずれか一に記載の入れ歯であって、
    前記薬剤徐放部が当該入れ歯の内側面であって舌側に形成されてなる入れ歯。
  15. 請求項1から13のいずれか一に記載の入れ歯であって、
    前記薬剤徐放部が当該入れ歯の外側面であって頬側に形成されてなる入れ歯。
  16. 請求項1から15のいずれか一に記載の入れ歯であって、
    当該入れ歯が、使い捨てタイプの入れ歯であることを特徴とする入れ歯。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020188924A (ja) * 2019-05-22 2020-11-26 株式会社スクリエ 使い捨て入れ歯
CN113384369A (zh) * 2021-07-08 2021-09-14 贵阳新洋诚义齿有限公司 一种护龈义齿
CN113440285A (zh) * 2021-06-12 2021-09-28 杭州口腔医院集团有限公司 一种用于口腔修复的义齿及其义齿桥融合方法

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