JP2018068629A - 有床人工歯のデータ生成装置、有床人工歯のデータ生成装置で形成された有床人工歯、有床人工歯の形成方法、有床人工歯のデータ生成装置操作プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体並びに記憶した機器 - Google Patents

有床人工歯のデータ生成装置、有床人工歯のデータ生成装置で形成された有床人工歯、有床人工歯の形成方法、有床人工歯のデータ生成装置操作プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体並びに記憶した機器 Download PDF

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文男 島
松本 卓也
Takuya Matsumoto
卓也 松本
正弘 岡田
Masahiro Okada
正弘 岡田
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Abstract

【課題】異なる用途に適した有床人工歯を形成可能な有床人工歯を提供する。
【解決手段】有床人工歯のデータ生成装置であって、有床人工歯を装着する患者の口腔内形態データを取得するデータ取得部10と、前記データ取得部10で取得した口腔内形態データを、製造対象の有床人工歯の用途に従って修正するためのデータ修正部20と、前記データ修正部20で修正された修正データを出力するためのデータ出力部30とを備える。上記構成により、データ化された歯の形状に基づいて、所望の用途に適した有床人工歯に加工して形成できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、有床人工歯のデータ生成装置、有床人工歯のデータ生成装置で形成された有床人工歯、有床人工歯の形成方法、有床人工歯のデータ生成装置操作プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体並びに記憶した機器に関する。
従来の入れ歯製作は、歯科医院での患者口腔内の印象採得後、石こう模型を作製するところから始まる。印象工程では、トレーを用意し、印象材を練和し、印象材を盛り付け、印象を採得し、石こう模型を作製する。次に、歯科技工所において、石こう模型上でのワックス成形(ワックスアップという)を行ったのち、ワックス成形体上に人工歯を正確に配置する。さらにこのワックス・人工歯複合体を埋没材と呼ばれる石こう系材料にて埋没した後、加熱軟化しワックスを除去する。ワックス除去部分にレジンを填入し、人工歯とレジンとが一体型となった入れ歯が出来上がる。最後に、この入れ歯を埋没材から取り出し、研磨することで人工歯が完成する。
しかしながら、従来の方法で得られた印象に基づいて作製された有床人工歯は、たとえ高精度で印象を採得したとしても、あらゆる用途に完全に対応できる訳ではないことが、本発明者らの研究によって解明されている。すなわち、従来の印象採得による有床人工歯の形成方法によれば、あくまでも印象採得時の口腔内の形状を正確に再現するに止まり、実際に患者が様々な場面で使用する際の形状とは必ずしも一致しないからである。例えば、食事に際しては嚥下の際に口腔内が負圧になるため、印象採取した際の形状から歯茎が若干膨らんだ状態となる。またカラオケなどの発声時には、歯同士の間の隙間から漏れる空気の流れで声が変化するため、この隙間によっては声質が変化する。さらに運動時においても、激しい呼吸で口腔内に空気が取り込まれ、排出される際に、歯の形状や歯同士の隙間によって、空気の流れに変化を生じる。このようなことから、一定の形状に固定された人工歯をあらゆる場面で適切に対応させることは困難である。つまり、日常の様々な口腔活動、用途に応じ、有床人工歯の形態、機能を変化させる必要があるという知見に至った。
特表2015−501663号公報
本発明の目的の一は、異なる用途に適した有床人工歯を形成可能な有床人工歯のデータ生成装置、有床人工歯のデータ生成装置で形成された有床人工歯、有床人工歯の形成方法、有床人工歯のデータ生成装置操作プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体並びに記憶した機器を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の第1の形態に係る有床人工歯のデータ生成装置によれば、有床人工歯を装着する患者の歯、顎堤、歯肉の少なくともいずれかを含む口腔内形態データを取得するデータ取得部と、前記データ取得部で取得した口腔内形態データを、製造対象の有床人工歯の用途に従って修正するためのデータ修正部、前記データ修正部で修正された修正データを出力するためのデータ出力部とを備えることができる。上記構成により、データ化された口腔内の形状に基づいて、所望の用途に適した有床人工歯に加工して形成できる。また、既存の義歯を装着した状態での義歯を含んだ口腔内状態でもデータ化できる。さらに、義歯を装着し咬合した状態での口腔内形態データの取得により、咬合採得データとしても使用できる。
また、第2の形態に係る有床人工歯のデータ生成装置によれば、上記構成に加えて、前記データ修正部が、口腔内形態データの内、歯茎の大きさと、歯同士の間隔の少なくともいずれかを調整可能とできる。上記構成により、印象採得された口腔内形態データから歯茎の大きさや歯の間隔を調整して、食事や発声に適した有床人工歯に加工することが可能となる。
さらに、第3の形態に係る有床人工歯のデータ生成装置によれば、上記いずれかの構成に加えて、前記データ修正部が、口腔内形態データに基づいて、前記データ修正部に出力する修正データを構成する有床人工歯の形態をパーツ部に分割可能に構成することができる。上記構成により、データ修正部が、最終的な有床人工歯の形態を歯や床部などのパーツ部に分割して、後に組み合わせることで再結合可能な結合形態をパーツ部に付与することができる。この結果、データ出力部がデータ修正部で修正された修正データを出力することで、各パーツ部をブロックのように組み立てることで有床人工歯を完成できる。
さらにまた、第4の形態に係る有床人工歯のデータ生成装置によれば、上記いずれかの構成に加えて、前記パーツ部は、歯又は床部を含み、前記床部として、ポリアクリルアミド、ポリサルフォン、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリプロピレン、アクリル、ポリエステル、ポリジメチルシロキサン、ジルコニア、金合金、コバルトクロム合金、チタン合金、ポリ乳酸、ポリ乳酸グリコール酸共重合体、ポリεカプロラクトンおよびそれらの複合体、人工歯部は歯科用硬質レジン、歯科用ハイブリッドセラミックス、ポリ乳酸、ポリ乳酸グリコール酸共重合体、ポリεカプロラクトン、ジルコニア、長石質セラミックスおよびそれらの複合体のいずれかで構成できる。
さらにまた、第5の形態に係る有床人工歯のデータ生成装置によれば、上記いずれかの構成に加えて、前記データ取得部を、患者の口腔内をスキャンする口腔内スキャナ、又は印象採得後作成した模型をスキャンする模型スキャナとできる。
さらにまた、第6の形態に係る有床人工歯のデータ生成装置によれば、上記いずれかの構成に加えて、前記データ取得部で取得する口腔内形態データが、口腔内スキャナで印象採得された電子データとできる。
さらにまた、第7の形態に係る有床人工歯のデータ生成装置によれば、上記いずれかの構成に加えて、形成される有床人工歯がディスポーザブルな有床人工歯とできる。これにより、有床人工歯をディスポーザブル化することで、衛生的な有床人工歯を提供できる上、用途に応じた異なる形状の有床人工歯の複数所有に関しても抵抗感を低減できる。
さらにまた、第8の形態に係る有床人工歯のデータ生成装置によれば、上記いずれかの構成に加えて、形成される有床人工歯が、生理情報収集センサ又は薬剤徐放機能の少なくとも何れかを有する異種部材を収納する異種部材収納部を設けることができる。
さらにまた、第9の形態に係る有床人工歯のデータ生成装置によれば、上記いずれかの構成に加えて、さらに前記データ出力部で出力された修正データに従い、有床人工歯を形成する形成部を備えることができる。
さらにまた、第10の形態に係る有床人工歯のデータ生成装置によれば、上記いずれかの構成に加えて、前記データ修正部が、有床人工歯を複数のブロックに分割可能であり、該分割された各ブロックに対して形状を修正可能に構成できる。
さらにまた、第11の形態に係る有床人工歯は、上記いずれかの構成に加えて、上記の有床人工歯のデータ生成装置で形成された有床人工歯である。
さらにまた、第12の形態に係る有床人工歯の形成方法によれば、有床人工歯を装着する患者の口腔内形態データを取得する工程と、前記取得した口腔内形態データを、製造対象の有床人工歯の用途に従ってデータ修正部で修正する工程と、前記データ修正部で修正された修正データに従い、有床人工歯を形成する工程とを含むことができる。これにより、データ化された有床人工歯の形状に基づいて、所望の用途に適した有床人工歯に加工して形成できる。
さらにまた、第13の形態に係る有床人工歯のデータ生成装置操作プログラムによれば、有床人工歯を装着する患者の口腔内形態データを取得するデータ取得機能と、前記データ取得部で取得した口腔内形態データを、製造対象の有床人工歯の用途に従って修正するためのデータ修正機能と、前記データ修正機能で修正された修正データを出力するためのデータ出力機能とをコンピュータに実現させることができる。上記構成により、データ化された口腔内の形状に基づいて、所望の用途に適した有床人工歯に加工して形成できる。
さらにまた、第14の形態に係るコンピュータで読み取り可能な記録媒体又は記憶した機器は、上記プログラムを格納するものである。記録媒体には、CD−ROM、CD−R、CD−RWやフレキシブルディスク、磁気テープ、MO、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−R、DVD+R、DVD−RW、DVD+RW、Blu−ray(登録商標)、HD DVD(AOD)等の磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリその他のプログラムを格納可能な媒体が含まれる。またプログラムには、上記記録媒体に格納されて配布されるものの他、インターネット等のネットワーク回線を通じてダウンロードによって配布される形態のものも含まれる。さらに記憶した機器には、上記プログラムがソフトウェアやファームウェア等の形態で実行可能な状態に実装された汎用もしくは専用機器を含む。さらにまたプログラムに含まれる各処理や機能は、コンピュータで実行可能なプログラムソフトウエアにより実行してもよいし、各部の処理を所定のゲートアレイ(FPGA、ASIC)等のハードウエア、又はプログラムソフトウエアとハードウェアの一部の要素を実現する部分的ハードウエアモジュールとが混在する形式で実現してもよい。
本発明の実施形態1に係る有床人工歯のデータ生成システムを示すブロック図である。 本発明の実施形態2に係る有床人工歯のデータ生成システムを示すブロック図である。 部分有床人工歯を示す模式図である。 図3の部分有床人工歯部を示す分解平面図である。 図4の部分有床人工歯部を示す分解斜視図である。 変形例に係る有床人工歯部を示す分解平面図である。 全部有床人工歯を示す分解斜視図である。 図7の全部有床人工歯部を示す分解平面図である。 他の連結構造を有する全部有床人工歯を示す分解斜視図である。 図9のX面における断面図である。 床固定部材を付加した人工歯を示す斜視図である。 図11のXII面における断面図である。 異種部材を全部有床人工歯にセットする状態を示す模式図である。 図14Aは他の異種部材を全部有床人工歯にセットした状態を示す斜視図、図14Bは図14Aの異種部材を全部有床人工歯から外した状態を示す分解斜視図、図14Cは異種部材の三面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明は以下のものに特定されない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
本発明の実施例において使用される有床人工歯のデータ生成装置とこれに接続される操作、制御、表示、その他の処理等のためのコンピュータ、プリンタ、外部記憶装置その他の周辺機器との接続は、例えばIEEE1394、RS−232xやRS−422、RS−423、RS−485、USB等のシリアル接続、パラレル接続、あるいは10BASE−T、100BASE−TX、1000BASE−T等のネットワークを介して電気的、あるいは磁気的、光学的に接続して通信を行う。接続は有線を使った物理的な接続に限られず、IEEE802.1x等の無線LANやBluetooth(登録商標)、その他のNFC等の電波、赤外線、光通信等を利用した無線接続等でもよい。さらにデータの交換や設定の保存等を行うための記録媒体には、メモリカードや磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等が利用できる。なお本明細書において有床人工歯のデータ生成装置とは、有床人工歯のデータ生成装置本体のみならず、これにコンピュータ、外部記憶装置等の周辺機器を組み合わせた有床人工歯の生成システムも含む意味で使用する。
(実施形態1)
本発明の実施形態1に係る有床人工歯のデータ生成装置100を図1に示す。この図に示す有床人工歯のデータ生成装置100は、データ取得部10と、データ修正部20と、データ出力部30と、表示部40と、操作部50を備える。この有床人工歯のデータ生成装置100は、印象採得された口腔内形態データに基づいて、これを必要に応じて修正、加工して、有床人工歯を生成する元となる修正データを生成して出力する。出力された修正データは、例えば形成部60に送られて、有床人工歯が形成される。形成部60は、人工歯、床などの有床人工歯を構成するパーツ部を形成するための部材である。この形成部60は、例えば歯科技工士による手作業であったり、あるいは自動切削装置、3Dプリンタ等を用いた自動化された作製としてもよい。また修正データの送信は、例えばインターネットや公衆一般回線、あるいは専用回線などのネットワークを通じて行うことができる。これにより、患者から印象採得して有床人工歯のデータ生成を行う場所と、実際に有床人工歯を作成する場所とが離れていても、迅速にデータのやりとりを行うことができる。
なお有床人工歯のデータ生成装置100は、汎用又は専用のコンピュータに有床人工歯のデータ生成プログラムをインストールして、データ生成装置として機能させてもよい。
(データ取得部10)
データ取得部10は、有床人工歯を装着する患者の口腔内形態データを取得するための部材である。例えば、患者の口腔内をスキャンする口腔内スキャナが該当する。この場合、データ取得部10で取得する口腔内形態データは、口腔内スキャナで印象採得された電子データである。あるいは、取得済みの口腔内形態データを入力する入力インターフェースをデータ取得部10とすることもできる。
(データ修正部20)
データ修正部20は、データ取得部10で取得した口腔内形態データを、製造対象の有床人工歯の用途に従って修正するための部材である。これにより、データ化された歯、顎堤、歯肉の形状に基づいて、所望の用途に適した有床人工歯に加工して形成できる。例えばデータ修正部20は、口腔内形態データの内、歯茎の大きさと、歯同士の間隔を調整することができる。これにより、印象採得された口腔内形態データから歯茎の大きさや歯の間隔を調整して、食事や発声に適した有床人工歯に加工することが可能となる。
またデータ修正部は、有床人工歯を構成する人工歯部や床部の全体形状のみならず、有床人工歯の全体形状のデザインを形成後、複数のブロックに分割してパーツ化することもできる。また分割されたブロックのそれぞれに対して、例えば各パーツ部同士を連結させるための結合形状を付与することも可能である。さらにデータ修正部で、後述する生理情報収集センサや薬剤徐放部等を有する異種部材を収納するための異種部材収納部、例えば収納のための凹部形性や引き出し構造、あるいは異種部材を異種部材収納部と結合するための連結構造の付与などを行うこともできる。このようにデータ修正部が行うデータ修正には、有床人工歯の外観形状の変更のみならず、複数ブロックへの分割や連結構造の付与等の加工も含まれる。
データ修正部20で口腔内形態データを加工する際、例えば表示部40に、有床人工歯のデータ生成装置操作プログラムのユーザインターフェース(GUI)画面を表示させる。GUI画面上に、例えば入力された口腔内形態データや、これを加工した加工後の口腔内形態データを三次元的に表示させる。ユーザは、表示部40の画面上で加工後の口腔内形態データのイメージを参照しながら、操作部50を介して有床人工歯のデータ生成装置を操作し、所望の形状に修正する。
さらに、有床人工歯を薄く、軽く、面積や体積を低減するように加工できる。また材質を、従来品と比べ、軟らかい素材や弾性の素材を粘膜面に使用することができる。さらに、ディスポーザブルな入れ歯とするため、一定期間の使用により物性が低下する入れ歯、一定期間の使用により変色する入れ歯、一定期間の使用により破壊、崩壊、あるいは溶解するように構成してもよい。例えばディスポーサブル入れ歯はその耐久性によって、使用期間を決定してもよい。具体的には、1日、1週間、2週間、1ヶ月等とする。
パーツ部は、人工歯部又は床部を含む。使用材料としては、床部としてポリアクリルアミド、ポリサルフォン、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリプロピレン、アクリル、ポリエステル、ポリジメチルシロキサン、ジルコニア、金合金、コバルトクロム合金、チタン合金、ポリ乳酸、ポリ乳酸グリコール酸共重合体、ポリεカプロラクトンおよびそれらの複合体を含む。
人工歯部として歯科用硬質レジン、歯科用ハイブリッドセラミックス、ポリ乳酸、ポリ乳酸グリコール酸共重合体、ポリεカプロラクトン、ジルコニア、長石質セラミックスおよびそれらの複合体を含む。
また有床人工歯は、生理情報収集センサ又は薬剤徐放機能の少なくとも何れかを有する異種部材を収納する異種部材収納部を設けることもできる。異種部材収納部にセットされる異種部材としては、薬剤保持用パーツ、薬剤導入用パーツやセンサー含有パーツなどの高機能化パーツも含むことができる。
このような有床人工歯を提供することで、入れ歯使用の概念が変わる。つまり、何年、何十年と長期間装着し続ける入れ歯から、一定の短期間で新しいものに変えるのが当然の使用方法となる。この使い捨てが浸透することで、入れ歯の清潔度が増し、患者は変色、変質などの入れ歯に関する弊害から解放される。さらに入れ歯を介した細菌感染症への感染も予防でき、口腔内粘膜疾患の罹患率の減少が期待できる。
予備の入れ歯を常に準備することができ、入れ歯の喪失が大きな問題ではなくなる。
調整後の入れ歯を元にデータ取得していくことで、より適切な形状の入れ歯へとアップデートが可能となる。このような様々な用途に応じて、装着する入れ歯を変えることが当然になると期待される。つまり、患者は異なる用途の入れ歯を複数持つことが可能となる。また、無歯医村など過疎部の患者への郵送による供給なども可能となる。
(入れ歯の用途)
入れ歯の用途として、例えば従来の入れ歯と同様の一般用の他、特定の用途として審美用、食事用、会話用、歌唱用、睡眠時用、スポーツ用、脳活性化・マッサージ用、治療用、モニター用(体調データの取得)などが挙げられる。以下、各用途を具体的に説明する。
一般用とは、従来の入れ歯で使用する人工歯と床を再現したディスポーサブルデンチャーを指す。
審美用とは、一般用デンチャーと比較して、本人の口腔内残存歯との近似(サイズ、形態、色調)などを図り、違和感のないようにしたものである。歯への着色などを施し、より具体的に患者の歯を再現したものも含む。また、床のサイズは一般用よりも小さく、違和感が少ない。
食事用とは、菜食、肉食、餅など粘着性食、など種々の食事時に対応した人工歯形態、人工歯材質を備えるものである。例えば肉食の場合に普段よりも尖った咬頭をもつ咬合面などが考えられる。
会話用とは、会話時には一般に口の動き、さらに舌の動きが大きくなる。そのため、床部体積をできるだけ削減し舌が動けるスペースを設けたもの。また、会話時に吐き出す空気の流れが重要である。そのため、前歯舌側部の凹形態、前歯歯間乳頭部のスペース確保、上顎硬口蓋前方のヒダ形態を付与したものである。
歌唱用とは、歌唱時は会話時よりもさらに口の動きが大きくなるため、一般よりも高い粘膜への吸着性を有するものである。
スポーツ用とは、スポーツ時も歌唱用と同様、口の動きが大きくなるため、一般よりも高い粘膜への吸着性を有するものである。また、口腔内の乾燥に対応する自動唾液分泌機能を有するものも含む。
脳活性化用、マッサージ用とは、食事などをしていない状況において、デンチャーに内蔵された機械が一定タイミングで歯肉への圧を加えることで、歯肉のマッサージ、脳活性化を進めるものである。
モニター用(体調データの取得用)とは、一般医師、歯科医師の要望により、経時的に唾液や呼気、歯肉滲出液などの採取が可能なものが含まれる。また、センサー機能や口腔内カメラを搭載しており、無線でデンチャー装着者の口腔内状態、体調などを検出、管理することができるデンチャーである。
一般に口腔内組織はその状態に応じて、組織変形や組織物性変化が生じる。本発明の有床人工歯は口腔粘膜、口腔内硬組織など様々な生体組織の変形などに対応できる。例えば入れ歯ショップのような店において、恒常的に入れ歯を供給できるシステムが可能となる。この場合、歯科医師からの処方箋(データを含む)により、有床人工歯を製作できるようなシステムとなり、さらに、そこに常駐する歯科医師、歯科技工士が適切な調節を現場でするなど、新しい産業、新しいサービスの供給が可能となる。入れ歯ショップでは様々な付加パーツを店頭で売っており、それを装着することも可能である。
(データ出力部30)
データ出力部30は、データ修正部20で修正された修正データを出力するための部材である。データ出力部30は、例えば形成部60に対してデータを送信するためのデータ通信機器とできる。また、データ取得部10とデータ出力部30を、外部との通信を行うための共通のデータ通信部とすることもできる。
(実施形態2)
あるいはまた、印象採取する場所と、有床人工歯のデータ生成する場所とを異ならせることもできる。例えば、図2に示す有床人工歯のデータ生成システム1000のように、口腔内スキャナ等の印象採取部70で取得した口腔内形態データを、データ取得部10に送出する構成とすれば、有床人工歯のデータ生成装置200は、外部から与えられた口腔内形態データに基づいて、必要に応じて修正を加えて修正データを生成し、さらに形成部60に出力することができる。この場合のデータ取得部10は、印象採得部から送出される口腔内形態データを受信するためのデータ通信部として機能する。この構成であれば、歯科医師等が印象採得する場所と、得られた口腔内形態データを必要に応じて加工する場所と、さらに修正データに基づいて有床人工歯を作成する場所とを任意に設定することができるので、効率良く印象採得とデータ修正と有床人工歯の作成とを行うことができる。特にネットワークでの接続とすることで、データのやりとりにおける手間も簡素化されて、速やかに必要な工程を適切な場所にて進めることができ、効率のよい有床人工歯の提供が実現される。
有床人工歯のデータ生成装置が、データ出力部30から修正データを形成部60に送出する態様においては、形成部60は、例えば自動切削装置、3Dプリンタ等の三次元造型機でもって、修正データに基づき有床人工歯を形成する。有床人工歯は、床部はポリアクリルアミド、ポリサルフォン、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリプロピレン、アクリル、ポリエステル、ポリジメチルシロキサン、ジルコニア、金合金、コバルトクロム合金、チタン合金、ポリ乳酸、ポリ乳酸グリコール酸共重合体、ポリεカプロラクトンおよびそれらの複合体を含む。人工歯部は歯科用硬質レジン、歯科用ハイブリッドセラミックス、ポリ乳酸、ポリ乳酸グリコール酸共重合体、ポリεカプロラクトン、ジルコニア、長石質セラミックスおよびそれらの複合体を含む。
好ましくは、有床人工歯をディスポーザブルな有床人工歯とする。これにより、有床人工歯をディスポーザブル化することで、衛生的な有床人工歯を提供できる上、用途に応じた異なる形状の有床人工歯への交換に関しても抵抗感を低減できる。
(形成部60)
形成部60は、データ出力部30で出力された修正データに従い、有床人工歯を形成するための部材である。形成部60は、CAD/CAM技術を用いた有床人工歯作製装置が利用できる。例えば、自動切削装置、3Dプリンタ等とできる。
従来、入れ歯の製作には、多くの製造工程を経なければならない。しかしながら、製作の工程数が多く、各工程において厳密な操作を心掛ける必要があり、また品質のばらつきが多くなりやすいという欠点がある。さらに当該操作は作業者の熟練に依るところが多く、作業者による製品品質のばらつきが出てくるという弊害もある。一方で、入れ歯製作は歯科医院での来院数にして4〜5回を要し、製作日数としてはトータルで約30日程度かかる。つまり、この間、患者は合わない入れ歯を装着したまま、もしくは入れ歯が無い状態にあり、食べ物をうまく噛めない、食べることができないという不便を強いられる。また、入れ歯作製は長期間を要するため、1度作った入れ歯については何度も修理をしながら、使い続けるという習慣が根付いている。
しかしながら、実際の入れ歯はレジン材料(高分子材料)が主成分であるため、装着期間に応じて物性の変性が生じやすい。また長期の使用にともない、変色が起こりやすくなる。さらに、適切な洗浄を心がけなければカンジダ菌などの増殖が起こることも知られている。実際、高齢者におけるカンジダ症の原因として長期におよぶ入れ歯装着が挙げられる。カンジダ菌だけでなく、歯垢の付着、増殖は恒常的に起こっており、顕微鏡を使った観察の結果、汚い入れ歯を装着している患者は多い。
しかしながら、洗浄を繰り返すことによって、入れ歯物性は低下する。一度破折、人工歯脱離などに対する修理を行った入れ歯は多くの場合、再度補修する必要が出てくる可能性が高くなる。また、高齢者人口の増加にともない、今後も入れ歯装着者数の増加は見込まれており、それにともなう医療費の増加も懸念されている。高齢者人口の増加にともない、老人施設への入居者が増加しており、多くの施設での懸念事項として、入れ歯のまちがいが挙げられる。これは同じような、区別のつかない入れ歯が多数、存在しているからである。
もう1つの大きな懸念事項として、紛失がある。紛失の結果、多くの入れ歯使用者が新しい入れ歯ができるまで、きちんとした食事ができない状況が生じている。現在日本における入れ歯装着者は3000万人と推定されているが、年間の入れ歯製作数は1400万床にものぼっており、単純計算でおよそ2人に1人が毎年新しい入れ歯を製作している。これは精度、品質の十分でない入れ歯が製作された結果、患者が満足できず、短期間のあいだに、新たな入れ歯製作を他院で行っているということを示している。こういったことから、高品質かつ品質のばらつきがない入れ歯製作方法の開発が求められている。また、短期間で簡単に入れ歯を製作できる技術が求められている。また、新しい入れ歯を短期間で供給され続けるという治療システムの開発が求められている。
一方で近年、CAD/CAM技術の進展に伴い、歯科修復物製作の自動化が進んでいる。この流れを受けて、入れ歯製作についてもCAD/CAMを用いた自動化が期待されている。例えば口腔内スキャナを用いて印象データを採取することで、この印象データに基づいて人工歯を製作することが提案されている。
このような流れに沿って、入れ歯をディスポーザブルとすることで、このような衛生面の問題を解消できる。一方で、ディスポーザブルとした入れ歯は、製造を安価にかつ短期間で行う必要がある。このため本実施形態においては、短時間で安価に製造できるように口腔内形態データを電子化して、口腔内スキャナで読み取ることで印象採得を可能としつつ、データの受け渡しをネットワークを介して行うことで、短時間で行えるようにした。加えて、口腔内形態データを加工して、特定の用途に適した形状に調整可能とし、様々な用途に適合した入れ歯の複製を実現可能としている。すなわち、用途別に用意した入れ歯に交換可能とし、さらに入れ歯自体をディスポーザブル化して、入れ歯の使い勝手を改革できる。
このようにして、清潔な有床人工歯をディスポーザブルで提供可能とできる。また、所望の用途に適した有床人工歯を交換できるよう、有床人工歯を人工歯部と床部に分割して、これらを分解、組み立て可能とする結合機構を設けてもよい。このようにして、有床人工歯の人工歯の部分のみを交換可能とし、用途に応じて人工歯を別の形状のものと交換したり、あるいは経年劣化や破損により人工歯を新品に交換するといった作業が可能となる。
(ブロック入れ歯)
このような交換式の有床人工歯を実現する構成の一例として、ブロック入れ歯の構成例を図3〜図12に基づいて説明する。ここでブロック入れ歯とは、モデュラー式に構成したモデュラー入れ歯である。
図3は、部分有床人工歯300の一例を示している。この図に示す部分有床人工歯300は、有床人工歯部310と、バー部320と、このバー部320の両端に設けられ、人工歯を隣の歯等と連結するためのクラスプ部330を備える。これらのバー部320やクラスプ部330は、金属製やセラミックス製とできる。またバー部320とクラスプ部330は、別体で構成して連結する他、削り出しや積層等で一体的に構成することもできる。同様に有床人工歯部310も分割して、削り出しや積層で製作できる。
図3に示す部分有床人工歯300は、有床人工歯部310を分解式としている。有床人工歯部310の分解平面図を図4に、分解斜視図を図5に、それぞれ示す。これらの図に示すように有床人工歯部310は、第一床部311と、人工歯部313と、第二床部312と、床押し込み板314で構成される。
床部は第一床部311と第二床部312に二分割されており、これらの間に人工歯部313を狭持する。なお第一床部311は、クラスプ部330を介してバー部320と接続された部分である。また第一床部311と、人工歯部313と、第二床部312を結合した状態で、床押し込み板314を装着してこれらを固定状態とする。図5の例では、床押し込み板314は板状に形成されており、第一床部311と第二床部312にはそれぞれ、板状の床押し込み板314を嵌入できる大きさのスリットが形成される。また第二床部312と第一床部311は、互いに対向する面において、それぞれ突起を設けており、一方の突起を他方の突起に挿入可能な嵌合構造としている。さらに第二床部312と第一床部311を連結した状態で、人工歯部313をこれらの間に固定できるよう、人工歯部313には突起を貫通できる貫通孔を形成している。このような構成により、人工歯部313を床部に着脱式に固定できる。図5の例では、第一床部311に設けた第一突起311aを、第二床部312に設けた第二突起312aのスリットに挿入する構成としているが、逆に第二突起を第一突起のスリットに設ける構成としてもよい。
なお、図5の嵌合構造は一例であって、有床人工歯を構成する各部材を分解、連結する構成は、他の構造も適宜利用できる。例えば、床押し込み板314を用いない嵌合構造としてもよい。このような例を変形例として図6の分解平面図に示す。この例では、人工歯部613の床部分に貫通孔を設け、第一床部611と第二床部612にそれぞれ設けた第一突起611a、第二突起612aを貫通孔に挿入させつつ、これら突起同士を係合させて連結可能としている。第一突起611a、第二突起612aは、それぞれ一対に離間させて設けている。さらに第一突起611aには、先端部分に側面に突出した爪部611bを形成している。一方第二突起612aは、この爪部611bと対向する位置に、爪部611bを案内する溝部612bを形成している。これにより、人工歯部613の貫通孔に第二床部612の第二突起612aを挿通させた状態で、第一床部611の第一突起611aを第二突起612aの内側に挿入し、第二突起612aの溝部612bに第一突起611aの爪部611bを係合させる。この構成によれば、床押し込み板314を不要としながら人工歯部を床部に着脱式に固定できる。
以上の例では、人工歯部を2本の人工歯を連ねた、部分有床人工歯とした例を説明した。ただ本発明は適用可能な人工歯をこの構成に限定するものでなく、1本の人工歯や3本以上の人工歯をモジュール式に交換可能とすることもできる。次に他の実施例として、多数の人工歯を床部に連結した全部有床人工歯の例を、図7〜図12に基づいて説明する。これらの図に示す全部有床人工歯は、アーチ状に連結された一連の人工歯からなる人工歯部713と、この人工歯部713を固定する床部740で構成される。人工歯部713は、例えば各人工歯にワイヤーを通す等して一体に連結されている。あるいは人工歯部713や床部740は、それぞれ削り出しや積層で作製することもできる。
このようにして得られた人工歯部713と床部740は、連結構造により着脱自在に連結される。図7及び図8に示す例では、床部740側に凸条750を形成し、人工歯部713側の対応する位置に凹部760を形成している。各凸条750を凹部760にそれぞれ嵌入することで、人工歯部713を床部740に連結できる。凸条750は、例えば先端部分を鍔状に断面積を大きくし、凹部760はこの鍔状部分を嵌入できる窪みを形成することで、係止効果を高めることもできる。
また連結構造は、図7及び図8に示す構成に限られない。一例として他の連結構造を、図9の分解斜視図及び図10のX面における断面図に示す。これらの図に示す連結構造も、床部740B側に凸条750Bを形成し、人工歯部713B側の対応する位置に凹部760Bを形成する点は同じである。また凸条750Bの先端部分に鍔状を形成し、同じく凹部760Bにも鍔状部分を嵌合する形状に形成可能な点も同様である。一方で凸条750Bには、突出方向の中間に、周囲に拡開した円板状の弾性部材752Bを設けている。断性部材752Bはゴム製のような弾性を有する部材で構成される。このような弾性部材752Bを、人工歯部713Bと床部740Bの間に介在させることで、人工歯部713Bの緩衝材として機能させることができる。すなわち図10の断面図に示すように、弾性部材752Bが人工歯部713Bの底面に接触することで、緩衝材としての役割を果たす。これにより、この全部有床人工歯を用いた咀嚼時には、天然歯での咀嚼に近い咬合が再現される。
(床固定部材770C)
さらに床部は、有床人工歯を口腔内に固定するための床固定部材を付加してもよい。このような人工歯の例を図11の斜視図に示す。この例では床固定部材770Cとして、底面に粘膜面を有する弾性素材を用いている。例えばシート状の床固定部材770Cを床部740Cの底面に固定することで、有床人工歯を安定的に口腔内に保持できる。ここで床固定部材770Cを床部740Cと着脱式とすることで、例えば床固定部材770Cをディスポーザブルとして衛生的に利用できる。さらに床固定部材770Cを床部740Cの底面に固定する連結構造として、嵌合構造を付加することもできる。例えば上述した人工歯部713Cと床部740Cとの嵌合構造と同様、凸条と凹部の組み合わせや、凸条に鍔部を付加したものなどが適宜利用できる。一例として、図11のXII面における断面図を図12に示す。この例でも図7等同様、床部740C側に凸条750Cを形成し、人工歯部713C側の対応する位置に凹部760Cを形成している。また凸条750Cの先端部分に鍔状を形成し、同じく凹部760Cにも鍔状部分を嵌合する形状に形成している。さらに図11〜図12の例では、床固定部材770Cは適当な距離だけ離間させた各位置に凸条780Cを設けており、床部740Cの対応する位置に設けられた凹部790Cに嵌入させることで、床固定部材770Cを床部740Cの底面に固定している。このようにして、人工歯のみならず、床固定部材770Cも交換式として、長期に渡って衛生的に有床人工歯を利用できる利点が得られる。
(異種部材800)
さらに有床人工歯は、異種部材800を組み込むことが可能である。異種部材800には、薬剤保持用パーツ、薬剤導入用パーツやセンサー含有パーツなどが挙げられる。薬剤保持用パーツや薬剤導入用パーツは、異種部材800内に保持された薬剤を徐放することで、入れ歯装着者の口腔内に確実に薬剤を経口投与でき、例えば高齢者の怠薬や残薬を回避できる利点が得られる。異種部材800には、薬剤をセットして口腔内に徐放するための放出孔を、表出面側に形成している。また投与すべき薬剤の種類等に応じて、口腔内での溶融性等が設定されることはいうまでもない。
一方、センサー含有パーツは、マイクロチップやセンサーなどで構成され、例えば口腔内温度、口蓋脈波、唾液pHといった口腔内生理情報を収集できる。収集したデータは、異種部材800内に組み込まれた半導体メモリに記録したり、あるいは無線で外部とデータ通信を行い出力することもできる。従来、このような口腔内からの生理情報を収集するには、マウスピース型のマルチセンサのような専用の機器を別途用意して装着する必要があったところ、有床人工歯にこのようなセンサ機能を組み込むことで、入れ歯装着者への身体的、心理的負担や違和感を軽減して、口腔内生理情報を収集できる利点が得られる。
また異種部材800は、一の有床人工歯に複数設けてもよい。また、一の異種部材800に、このような薬剤徐放機能とセンサ機能を統合させてもよい。
一例として、このような異種部材800を有床人工歯に組み込むため、床部740Dに異種部材収納部742を形成し、この異種部材収納部742に、異種部材800をセットする様子を図13の模式断面図に示す。この図に示すように、床部540Dには予め一部、例えば入れ歯装着者の正面側に異種部材収納部742をスリット状に開口し、この異種部材収納部742に異種部材800を引き出し式に挿入している。この方式であれば、入れ歯を外さなくとも装着したままで、異種部材800の挿抜が可能となり、例えば薬剤の補充などの作業を省力化できる利点が得られる。
また異種部材収納部は、このような引き出し式に限定されず、他の構成も適宜利用できる。例えば図14A〜図14Cに示すように、床部740Eの一部を着脱式として異種部材800Eを構成してもよい。この場合異種部材800Eは、床部740Eにセットされた状態で床部740Eの一部を構成する。また異種部材収納部742Eは、異種部材800Eと係合される係合面となる。図14A及び図14Bの例では、床部740Eの向かって右側の一部に異種部材収納部742Eを形成しており、着脱構造でもって異種部材800Eを嵌合式に接続される。着脱構造は図14Cに示すように、鉤状の係合片を床部740Eに嵌合させることで実現している。また異種部材800Eには、上述した生理情報収集センサや薬剤徐放機能を組み込んでいる。この構造であれば、交換式の異種部材800E自体を大きく構成できるので、図13と比べて交換すべき部材が微小なサイズとならず、紛失の虞や挿抜時の困難さを低減でき、例えば高齢者であっても比較的扱い易いという利便性を実現できる。
本発明に係る有床人工歯のデータ生成装置、有床人工歯のデータ生成装置で形成された有床人工歯、有床人工歯の形成方法、有床人工歯のデータ生成装置操作プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体並びに記憶した機器は、ディスポーザブルの入れ歯の製造に好適な環境を実現できる。
1000…有床人工歯のデータ生成システム
100、200…有床人工歯のデータ生成装置
10…データ取得部
20…データ修正部
30…データ出力部
40…表示部
50…操作部
60…形成部
70…印象採取部
300…部分有床人工歯
310…有床人工歯部
311…第一床部
311a…第一突起
312…第二床部
312a…第二突起
313…人工歯部
314…床押し込み板
320…バー部
330…クラスプ部
611…第一床部
611a…第一突起
611b…爪部
612…第二床部
612a…第二突起
612b…溝部
613…人工歯部
713、713B、713C、713D、713E…人工歯部
740、740B、740C、740D、740E…床部
742、742E…異種部材収納部
750、750B、750C…凸条
752B…弾性部材
760、760B、760C…凹部
770C…床固定部材
780C…凸条
790C…凹部
800、800E…異種部材

Claims (14)

  1. 有床人工歯のデータ生成装置であって、
    有床人工歯を装着する患者の歯、顎堤、歯肉の少なくともいずれかを含む口腔内形態データを取得するデータ取得部と、
    前記データ取得部で取得した口腔内形態データを、製造対象の有床人工歯の用途に従って修正するためのデータ修正部と、
    前記データ修正部で修正された修正データを出力するためのデータ出力部と
    を備える有床人工歯のデータ生成装置。
  2. 請求項1に記載の有床人工歯のデータ生成装置であって、
    前記データ修正部が、口腔内形態データの内、歯茎の大きさと、歯同士の間隔の少なくともいずれかを調整可能としてなる有床人工歯のデータ生成装置。
  3. 請求項1又は2に記載の有床人工歯のデータ生成装置であって、
    前記データ修正部が、口腔内形態データに基づいて、前記データ修正部に出力する修正データを構成する有床人工歯の形態をパーツ部に分割可能に構成してなる有床人工歯のデータ生成装置。
  4. 請求項3に記載の有床人工歯のデータ生成装置であって、
    前記パーツ部は、歯又は床部を含み、
    前記床部は、ポリアクリルアミド、ポリサルフォン、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリプロピレン、アクリル、ポリエステル、ポリジメチルシロキサン、ジルコニア、金合金、コバルトクロム合金、チタン合金、ポリ乳酸、ポリ乳酸グリコール酸共重合体、ポリεカプロラクトンおよびそれらの複合体、人工歯部は歯科用硬質レジン、歯科用ハイブリッドセラミックス、ポリ乳酸、ポリ乳酸グリコール酸共重合体、ポリεカプロラクトン、ジルコニア、長石質セラミックスおよびそれらの複合体のいずれかである有床人工歯のデータ生成装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の有床人工歯のデータ生成装置であって、
    前記データ取得部が、患者の口腔内をスキャンする口腔内スキャナ、又は印象採得後作成した模型をスキャンする模型スキャナである有床人工歯のデータ生成装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の有床人工歯のデータ生成装置であって、
    前記データ取得部で取得する口腔内形態データが、口腔内スキャナで印象採得された電子データである有床人工歯のデータ生成装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の有床人工歯のデータ生成装置であって、
    形成される有床人工歯がディスポーザブルな有床人工歯である有床人工歯のデータ生成装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の有床人工歯のデータ生成装置であって、さらに、
    形成される有床人工歯が、生理情報収集センサ又は薬剤徐放機能の少なくとも何れかを有する異種部材を収納する異種部材収納部を設けてなる有床人工歯のデータ生成装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の有床人工歯のデータ生成装置であって、さらに、
    前記データ出力部で出力された修正データに従い、有床人工歯を形成する形成部を備える有床人工歯のデータ生成装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の有床人工歯のデータ生成装置であって、
    前記データ修正部が、有床人工歯を複数のブロックに分割可能であり、該分割された各ブロックに対して形状を修正可能に構成してなる有床人工歯のデータ生成装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の有床人工歯のデータ生成装置で形成された有床人工歯。
  12. 有床人工歯の形成方法であって、
    有床人工歯を装着する患者の口腔内形態データを取得する工程と、
    前記取得した口腔内形態データを、製造対象の有床人工歯の用途に従ってデータ修正部で修正する工程と、
    前記データ修正部で修正された修正データに従い、有床人工歯を形成する工程と、
    を含む有床人工歯の形成方法。
  13. 有床人工歯のデータ生成装置操作プログラムであって、
    有床人工歯を装着する患者の口腔内形態データを取得するデータ取得機能と、
    前記データ取得部で取得した口腔内形態データを、製造対象の有床人工歯の用途に従って修正するためのデータ修正機能と、
    前記データ修正機能で修正された修正データを出力するためのデータ出力機能と
    をコンピュータに実現させる有床人工歯のデータ生成装置操作プログラム。
  14. 請求項13に記載のプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体又は記憶した機器。
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