JP2018068177A - アジュバント作用の評価法 - Google Patents

アジュバント作用の評価法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018068177A
JP2018068177A JP2016210271A JP2016210271A JP2018068177A JP 2018068177 A JP2018068177 A JP 2018068177A JP 2016210271 A JP2016210271 A JP 2016210271A JP 2016210271 A JP2016210271 A JP 2016210271A JP 2018068177 A JP2018068177 A JP 2018068177A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cells
cell line
test substance
derived
action
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016210271A
Other languages
English (en)
Inventor
泰生 溝田
Yasuo Mizota
泰生 溝田
克利 大野
Katsutoshi Ono
克利 大野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissin Foods Holdings Co Ltd
Original Assignee
Nissin Foods Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissin Foods Holdings Co Ltd filed Critical Nissin Foods Holdings Co Ltd
Priority to JP2016210271A priority Critical patent/JP2018068177A/ja
Publication of JP2018068177A publication Critical patent/JP2018068177A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、株化細胞においてアレルゲンタンパク質に対する被験物質のアジュバント作用、特にTh2細胞の誘導作用を高感度に評価することを主な課題とする。【解決手段】斯かる課題を解決する発明として、マクロファージ由来の株化細胞とTリンパ球由来の株化細胞を共培養することにより、Th2細胞の分化誘導に関わる代表的な遺伝子の発現変化を高感度に検出できることを見出した。すなわち、本発明は単一の株化細胞を用いる場合と比べて、アレルゲンタンパク質に対する被験物質のアジュバント作用、特にTh2細胞の誘導作用を高感度に評価する方法を提供するものである。【選択図】図3

Description

本発明は、株化細胞を用いて、アレルゲンタンパク質に対する被験物質のアジュバント作用、特にTh2細胞の誘導作用を評価する方法に関する。
感作性物質のアレルギー誘発作用を増強する化学物質をアジュバントと呼び、生活環境中にはアジュバント作用を有する化学物質が数多く存在している。アジュバントの作用としては、アレルギー成立過程において抗原提示細胞に関与するものや、Th2細胞の誘導に関与するものなどが知られている。
近年、環境中に存在するアジュバントはアレルギー疾患の発症要因の一つと考えられており、公衆衛生上の観点からどのような化学物質がアジュバント作用を有するかを評価することが極めて重要になっている。
生体において被験物質のアジュバント作用を評価する方法としては、従来、実験動物に感作性物質と被験物質とを供与し、皮膚等に生じる反応や、生体内におけるサイトカイン、抗体の産生量などを指標として評価する手法が知られている。しかしながら、実験動物を用いる方法は結果を得るまでの試験期間が長く、動物愛護の観点からも動物実験を代替可能な方法の開発が望まれている。
アレルギー成立過程においては、まず抗原提示細胞が感作性物質を抗原として認識し、活性化される。細胞を用いて抗原提示細胞の活性化を評価する方法としては、例えばヒト単核球細胞における感作性マーカーの発現変化を指標とした方法が報告されている(特許文献1、2)。これらによれば、アジュバント活性は感作性物質による感作性マーカーの発現を増強するかどうかを指標に検出することが可能である。
アレルギー成立過程において、抗原提示細胞の活性化に続いて、ナイーブT細胞よりTh2細胞が誘導される。Th2細胞はヘルパーT細胞サブセットの一つであり、Th2細胞の誘導とアレルギー疾患発症は密接に関連している。Th2細胞への誘導を評価する方法としては、Th2型のサイトカイン(IL-4,IL-5,IL-13)の産生、転写因子GATA3の発現の上昇を指標とした方法が報告されている(非特許文献1)。これらによれば、抗原提示細胞の活性化とは別に、Th2細胞を誘導する作用もアジュバント活性と考えられる。
Th2細胞の誘導作用を指標とした被験物質のアジュバント活性評価には、上述の通りナイーブT細胞を用いた方法が一般的であるが、試験に必要な量のナイーブT細胞を得るためには、多数の実験動物が必要となるだけでなく、実験動物の個体差による再現性の問題がある。
一方、株化細胞を用いてTh2細胞の誘導作用を検出することができれば、細胞の入手が容易であり、かつ再現性の高い試験法の構築が可能となる。しかしながら株化細胞を用いて当該作用を感度良く検出できる方法は確立されていないのが現状である。
特許第4270702号 特許第5654531号
手島玲子「環境物質と免疫毒性」, Bull. Natl Inst. Health Sci., 132,47-56(2014)
そこで本発明は、株化細胞においてアレルゲンタンパク質に対する被験物質のアジュバント作用、特にTh2細胞の誘導作用を高感度に評価することを主な課題とする。
本発明者らは、上記目的に鑑み鋭意研究を重ねた結果、マクロファージ由来の株化細胞とTリンパ球由来の株化細胞を共培養することにより、感作成立に関わる代表的な遺伝子の発現変化を高感度に検出できることを見出した。本発明は、斯かる知見に基づいてさらに検討を重ねることにより完成したものである。
すなわち、本発明は下記の発明を包含する:
項1、アレルゲンタンパク質に対する被験物質のアジュバント作用を評価する方法であって、アレルゲンタンパク質と被験物質の存在下でマクロファージ由来の株化細胞とTリンパ球由来の株化細胞を共培養し、Tリンパ球由来の株化細胞のIL-4又はGATA-3の発現を測定する方法。
項2、前記マクロファージ由来の株化細胞が、マウス由来のRAW264.7細胞である、項1に記載の方法。
項3、前記Tリンパ球由来の株化細胞が、マウス由来のEL-4細胞である、項1又は2に記載の方法。
項4、前記アレルゲンタンパク質が、卵白アルブミンである、項1〜3のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、マクロファージ及びTリンパ球由来の株化細胞を利用して、アレルゲンタンパク質に対する被験物質のアジュバント作用を高感度に評価することができる。従って、本発明により、アレルギー症状を増悪しうる化合物を高感度に検出することが可能となる。
図中の略号は、Cont;DMSO(ジメチルスルホキシド、陰性対照)、1% OVA;卵白アルブミン処理、DEHP;Bis(2-ethylhexyl)phthalate)処理、1% OVA+DEHP;1% OVAとDEHPの同時処理、である。
終濃度1% OVA、終濃度30μg/mL DEHPをそれぞれ単独、あるいはすべて含む培地で培養する方法により誘導されるGATA-3遺伝子の発現量を、陰性対照に対する相対値により示す。 終濃度1% OVA、終濃度30μg/mL DEHPをそれぞれ単独、あるいはすべて含む培地で培養する方法により誘導されるIL-4遺伝子の発現量を、陰性対照に対する相対値により示す。 EL-4細胞とRAW264.7細胞との共培養が、終濃度1% OVA、終濃度30μg/mL DEHPのGATA-3遺伝子の発現誘導に対して与える影響を示す。 EL-4細胞とRAW264.7細胞との共培養が、終濃度1% OVA、終濃度30μg/mL DEHPのIL-4遺伝子の発現誘導に対して与える影響を示す。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いるマクロファージ由来細胞とTリンパ球由来細胞は、本発明の目的に沿うものであれば特に限定されないが、具体例としてマウスマクロファージ由来のRAW264.7細胞、及びマウスTリンパ球由来のEL-4細胞が挙げられる。これらの細胞は細胞バンクから容易に入手することができる。
細胞を共培養する方法は、本発明の目的に沿うものであれば特に限定されないが、具体例としてセルカルチャーインサートを用い、インサート内でマクロファージ細胞を、インサート外でTリンパ球細胞を培養することにより同一ウェル内で2種の細胞を維持することができる。
培養細胞を維持するための培地としては常用の任意の培地を使用することができるが、具体例としてRPMI1640、DMEMなどが挙げられる。また、これらの培地には非働化したウシ胎児血清を最終濃度10%となるよう添加しておくことが好ましい。
アレルゲンタンパク質に対する被験物質のアジュバント作用の評価においては、上記マクロファージ細胞とTリンパ球細胞とを共培養し、アレルゲンタンパク質と被験物質を含む培地中で12〜48時間、好ましくは16〜24時間程度CO2インキュベーター内で培養を行う。対照として、アレルゲンタンパク質のみ、あるいは被験物質のみ、あるいは培地のみを添加して共培養を行う。
培養終了後、Tリンパ球のGATA-3又はIL-4発現量を測定する。発現量測定の方法は本発明の目的に沿う限り特に限定されないが、GATA-3 mRNA又はIL-4 mRNAをRT-PCRにより定量する方法、GATA-3タンパク質又はIL-4タンパク質を特異的抗体により免疫測定する方法などが挙げられる。尚、IL-4及びGATAの両方の発現量を測定する方が好ましい。
GATA-3又はIL-4発現量測定の結果、アレルゲンタンパク質のみ、あるいは被験物質のみを添加した場合と比較して、アレルゲンタンパク質と被験物質とを同時に添加することによってGATA-3又はIL-4発現量の増加が認められる場合、被験物質はTh2細胞の誘導作用を有すると判定できる。
以下、本発明の実施例について詳細に説明するが、本発明はそれに限定されるものではない。
[実施例1]DEHPのアジュバント作用の検出
─卵白アルブミン(以下、OVA)+DEHP処理─
EL-4細胞(JCRBから購入)、及びRAW264.7細胞(ATCCから購入)をアレルゲンタンパク質として終濃度1%OVAを含むRPMI1640培地(含10%FBS)で2.5×105cells/mLに調製した。次いで、24穴プレートにEL-4細胞を1mL/穴ずつ播種した後、セルカルチャーインサート(グライナー製、Cat.#662641)を各ウェルに装着し、インサート内にRAW264.7細胞を0.2mLずつ播種した。
アジュバント作用が知られているBis(2-ethylhexyl)phthalate)(以下、DEHP)をセルカルチャーインサート内のRAW264.7細胞、及びセルカルチャーインサート外のEL-4細胞に終濃度30μg/mLとなるよう添加し、CO2インキュベーター内で18hr培養した。
培養後のEL-4細胞からRNeasy mini kit(キアゲン製)を用いて総 RNAを抽出し、High Capacity RNA-to-cDNA Kit(サーモフィッシャーサイエンティフィック製)を用いてcDNAを調製した。得られたcDNAを鋳型として、Viia7 リアルタイムPCRシステム(サーモフィッシャーサイエンティフィック製)によりGATA-3、IL-4、及びGAPDH遺伝子の発現量を測定した。
[比較例1]
─OVA単独処理─
被験物質の代わりにDMSOを終濃度0.1%となるよう添加すること以外、実施例1と同様の操作を行った。
[比較例2]
─DEHP単独処理─
OVAを含まないRPMI1640(含10%FBS)を用いること以外、実施例1と同様の操作を行った。
[比較例3]
─未処理コントロール─
被験物質の代わりにDMSOを終濃度0.1%となるよう添加すること以外、比較例2と同様の操作を行った。
[発現解析]
上記処理を行った細胞におけるGATA-3、及びIL-4遺伝子の発現量をGAPDH遺伝子の発現量で補正した後、未処理コントロールに対する相対発現量を算出した。
[結果]
図1にGATA-3遺伝子の発現解析の結果を示す。GATA-3遺伝子の発現量はOVA単独処理と比較して、OVA+DEHP処理において顕著に増加することが確認できる。
図2にIL-4遺伝子の発現解析の結果を示す。IL-4遺伝子の発現量はOVA単独処理と比較して、OVA+DEHP処理において顕著に増加することが確認できる。
[実施例2]共培養の影響解析
RAW264.7細胞を播種せずに、実施例1、及び比較例3と同様の操作を行った。
[発現解析]
GATA-3、及びIL-4遺伝子の発現量をGAPDH遺伝子の発現量で補正した後、比較例3に対する相対発現量を算出した。
[結果]
図3にGATA-3遺伝子の発現解析の結果を示す。OVA+DEHP処理におけるGATA-3遺伝子の発現増加は、EL-4細胞単独で試験した場合(-RAW264.7)と比較して、RAW264.7細胞と共培養した場合(+RAW264.7)の方が高感度に検出できることが確認できる。
図4にIL-4遺伝子の発現解析の結果を示す。OVA+DEHP処理におけるIL-4遺伝子の発現増加は、EL-4細胞単独で試験した場合(-RAW264.7)と比較して、RAW264.7細胞と共培養した場合(+RAW264.7)の方が高感度に検出できることが確認できる。

Claims (4)

  1. アレルゲンタンパク質に対する被験物質のアジュバント作用を評価する方法であって、
    アレルゲンタンパク質と被験物質の存在下でマクロファージ由来の株化細胞とTリンパ球由来の株化細胞を共培養し、Tリンパ球由来の株化細胞のIL-4又はGATA-3の発現を測定する方法。
  2. 前記マクロファージ由来の株化細胞が、マウス由来のRAW264.7細胞である、請求1に記載の方法。
  3. 前記Tリンパ球由来の株化細胞が、マウス由来のEL-4細胞である、請求1又は2に記載の方法。
  4. 前記アレルゲンタンパク質が、卵白アルブミンである、請求1〜3のいずれかに記載の方法。
JP2016210271A 2016-10-27 2016-10-27 アジュバント作用の評価法 Pending JP2018068177A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016210271A JP2018068177A (ja) 2016-10-27 2016-10-27 アジュバント作用の評価法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016210271A JP2018068177A (ja) 2016-10-27 2016-10-27 アジュバント作用の評価法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018068177A true JP2018068177A (ja) 2018-05-10

Family

ID=62111427

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016210271A Pending JP2018068177A (ja) 2016-10-27 2016-10-27 アジュバント作用の評価法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018068177A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020173511A3 (zh) * 2019-02-28 2020-10-22 艾棣维欣(苏州)生物制药有限公司 一种佐剂生物活性的检测方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020173511A3 (zh) * 2019-02-28 2020-10-22 艾棣维欣(苏州)生物制药有限公司 一种佐剂生物活性的检测方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Kinchen et al. Structural remodeling of the human colonic mesenchyme in inflammatory bowel disease
Chauvin et al. Ribosomal protein S6 kinase activity controls the ribosome biogenesis transcriptional program
Mayer et al. Multimodal single-cell analysis reveals physiological maturation in the developing human neocortex
Dhingra et al. Molecular profiling of contact dermatitis skin identifies allergen-dependent differences in immune response
Evans et al. Myeloid dendritic cells induce HIV-1 latency in non-proliferating CD4+ T cells
Tuomela et al. Identification of early gene expression changes during human Th17 cell differentiation
Dhandapani et al. Preclinical cancer models and biomarkers for drug development: new technologies and emerging tools
Parmentier et al. Human TH2 cells respond to cysteinyl leukotrienes through selective expression of cysteinyl leukotriene receptor 1
Garimilla et al. Differential transcriptome and development of human peripheral plasma cell subsets
Morales-Nebreda et al. Aging imparts cell-autonomous dysfunction to regulatory T cells during recovery from influenza pneumonia
Aravinthan et al. The senescent hepatocyte gene signature in chronic liver disease
BR112013010272B1 (pt) métodos analíticos e arranjos para uso nos mesmos
Zheng et al. MiRNA-155 and miRNA-132 as potential diagnostic biomarkers for pulmonary tuberculosis: A preliminary study
JP5442185B2 (ja) 感作性物質評価方法
Collinge et al. Human lymphocyte activation assay: an in vitro method for predictive immunotoxicity testing
Melliou et al. Regionally defined proteomic profiles of human cerebral tissue and organoids reveal conserved molecular modules of neurodevelopment
Sztein et al. Salmonella enterica serovar Typhi exposure elicits ex vivo cell-type-specific epigenetic changes in human gut cells
Ono et al. Fluorescently activated cell sorting followed by microarray profiling of helper T cell subtypes from human peripheral blood
Vannini et al. Identification of in vitro HSC fate regulators by differential lipid raft clustering
JP2018068177A (ja) アジュバント作用の評価法
Yang et al. Integration analysis of quantitative proteomics and transcriptomics data identifies potential targets of frizzled‐8 protein‐related antiproliferative factor in vivo
CN105452861A (zh) 评估细胞因子风暴反应的体外方法
van Wigcheren et al. Myeloid-derived suppressor cells and tolerogenic dendritic cells are distinctively induced by PI3K and Wnt signaling pathways
Bamidele et al. Interleukin 21 Drives a Hypermetabolic State and CD4+ T-Cell–Associated Pathogenicity in Chronic Intestinal Inflammation
Couturier et al. Single-cell RNA-seq reveals that glioblastoma recapitulates normal brain development