JP2018067165A - 金属蓋および金属蓋用アンテナ並びに金属蓋用icタグ - Google Patents

金属蓋および金属蓋用アンテナ並びに金属蓋用icタグ Download PDF

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久仁浩 井上
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繁 山内
忠 瀬戸口
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Abstract

【課題】金属蓋の利便性を向上させる。【解決手段】貫通スロット31は、金属蓋21の一部に、その上面と下面とを貫通するように構成されている。貫通スロット31には、金属蓋21の固有情報が記録されたICタグ本体およびアンテナ構成部材を含むICタグ部41が嵌め込まれ、金属蓋21に対して地上面に存在するICタグリーダ45−1、および、地下側に存在するICタグリーダ45−2とのICタグ通信を可能とする。また、UHF帯センサー通信装置3が送信した通信電波は、図1中、一点鎖線cで示されるように、電気伝導性のある物質の表面を伝導の経路として、または、図1中、二点鎖線dで示されるように、マンホール内の空間を経由して貫通スロット31に嵌め込まれたICタグ部41に到達し、地上局4に送信される。【選択図】図1

Description

本発明は、金属蓋および金属蓋用アンテナ並びに金属蓋用ICタグに関する。
従来、上下水道管などが設置されたマンホール(人孔、メンテナンスホールとも称される)の維持管理を行うためなどに、マンホール内に様々な情報を取得するセンサーを設置する技術がある。例えば、地震等により上水道管が被災した場合などにおいて被害箇所やその区間の推定を的確に行うために、そのセンサーが収集したデータを無線通信により地上の受信装置が受信することについての研究開発が行われてきた(例えば、非特許文献1)。
図13を用いて、従来におけるマンホール内に設置されたセンサーと地上の受信装置との情報通信について説明する。
マンホール蓋1は、例えば、直径60cmの円形の金属製の蓋であり、後述する側壁部2により地中に形成されるマンホールの上部に、メンテナンスなどの各種作業のために人が出入りすることが可能なように、開閉可能に設置される。マンホール蓋1は、その地表側表面が周辺の地表面とほぼ同一の高さになるように、受枠により支持されて設置される。道路など、人や車両などが通過する場所に設置されるマンホール蓋1は、長期使用に耐えうる強度が求められるため、例えば、鉄、鋳鉄、鉄鋼などを材質とするものがほとんどである。
側壁部2は、例えば、コンクリート、金属、樹脂などの様々な素材を用いて、または、それぞれの素材を層状に重ね合わせて円筒状に形成され、地中の土砂等に縦方向に埋め込まれてマンホールの空間を形成するものである。マンホール中に水道やガスなどの維持管理に必要な各種弁が備えられている場合、側壁部2は、弁筐と称される。
UHF帯センサー通信装置3は、マンホールの空間中のいずれかの位置(例えば、側壁の一部にぶら下げられるなど)に設置され、マンホール内の水位、温度、湿度、その他必要な情報を取得し、300MHz〜3GHzのUHF(Ultra-High Frequency:極超短波)帯の周波数の電波を発信する。なお、ここでは、UHF帯センサー通信装置3を一つの装置として説明しているが、センサー装置とUHF帯通信装置が個別に設けられ、センサーによって取得された情報を通信装置が有線または無線通信により取得し、送信するようにしてもよいことは言うまでもない。
地上局4は、例えば、電柱5などの構造物に取り付けられ、UHF帯センサー通信装置3により送信されたセンサー情報を受信し、必要に応じて、管理センターなどの所定の送信先に受信した情報を供給する。
従来、UHF帯センサー通信装置3が送信した通信電波は、側壁部2が金属など電波を透過しない素材で構成される場合、図中破線aで示される通信電波経路で地上局4に到達する。すなわち、UHF帯センサー通信装置3が送信した通信電波は、マンホール内の空間を経由して、金属製であるマンホール蓋1に到達する。マンホール蓋1の表面と側壁部2との間には、埃、砂粒、または、ゴミなどが介在して生じるわずかな隙間があって、電気的には、これらが絶縁層を形成する場合が多い。したがって、マンホール蓋1に到達した電波は、このわずかな隙間を電波が通る伝導の経路として、地表面側に到達し、地上局4に到達する。また、UHF帯センサー通信装置3を設置するための鎖等の表面や、側壁部2の表面が金属などの電気伝導性のある物質で構成されている場合は、それらの表面を伝導の経路とする場合もある。
また、側壁部2が電波を透過する素材により構成されている場合、UHF帯センサー通信装置3が送信した通信電波は、図中破線aで示される通信電波経路に加え、図中一点鎖線bで示される通信電波経路、すなわち、側壁部2を透過するとともに、砂利等の地中構成物およびアスファルトやコンクリートなどの路面材を透過して、減衰しながらも地表面側に到達し、地上局4に到達する。
なお、図13においては、通信経路の説明のために、マンホール蓋1と側壁部2との間の隙間を強調しているが、実際には、その隙間は非常に小さいものであることは言うまでもない。
また、金属製のマンホール蓋1の個体識別作業は、マンホール表面に構成された識別文字や識別番号を作業員が目視で確認することによって行われていた。しかしながら、この方法では、マンホール蓋1の表面の汚れや摩耗減肉によって識別文字等が目視で確認し難くなることから、ヒューマンエラーが生じるおそれがあった。そのため、目視以外の機械的な読み取り(通信)作業が可能なように、電磁波(電波)を利用してマンホール蓋1の上方から直接に個体識別が可能なICタグ組み込みマンホール蓋1が開発されるようになった(例えば、特許文献1)。
災害時水道管被害推定のための無線データ収集に関する検討(信学総大,B-7-82, 2004.) 特開2015-190254号公報
しかしながら、図13を用いて説明した従来におけるマンホール内に設置されたセンサーと地上の受信装置との情報通信の方式では、非特許文献1に記載のように、マンホール内の通信装置から送信された通信電波の到達可能距離は、不安定になりがちで、非常に短い。また、例えば、弁筐などの側壁部2が金属等の電波を遮蔽する物質で構成されていた場合、図13を用いて説明した図中破線bで示される通信電波経路は遮断されてしまう。さらに、図中破線aで示される通信電波経路は、例えば、雨や雪などの悪天候や、設置場所の各種条件で生じる電波の減衰によって、長い通信距離を確保することができない。そのため、天候やマンホールの構造材料に依存せず、確実に通信を行うには、地上局4を数多く設置しなければならないという課題がある。
また、特許文献1に記載の技術においては、ICタグ組み込みマンホール蓋に組み込まれたICタグの情報は、マンホール蓋の上面(地上側)からしか読み取ることができないため、例えば、マンホール蓋が閉じられた状態でマンホール内の地下側に入った作業者がICタグの情報を読み取ることはできない。また、保守作業中など地上に裏返しに置かれたマンホール蓋1のICタグの情報を作業者がそのままの状態で読み取ることはできないという課題がある。
また、マンホールよりも小さなハンドホール等、地表面に設置された金属製の蓋によって地上空間と遮蔽された地下の一定以上の広さの閉空間に、図13を用いて説明したセンサー通信装置3と同等の装置を設け、センサーにより取得された各種情報を閉空間から送信し、地上空間に設置されている地上局4または受信装置などにより受信させようとした場合、ハンドホール内やハンドホール蓋周辺に大きな通信装置を取り付けるのは困難である。
そこで、本発明は、上記課題を解決すること、すなわち、マンホールやハンドホールなど、一定の広さを有する空間とその外部空間とを遮蔽する金属蓋の利便性を向上させることができる金属蓋および金属蓋用アンテナ並びに金属蓋用ICタグを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の金属蓋の第1の側面は、金属蓋に設けられた貫通孔と、電気伝導体により構成され、その全長が特定通信波長のλ/2となるアンテナ構成部材と、アンテナ構成部材が金属蓋に電気的に接続しないよう、アンテナ構成部材の少なくとも一部を覆う絶縁体とを備え、貫通孔にはアンテナ構成部材の少なくとも一部が封入された絶縁体が装着されていることを特徴とする。
また、本発明の金属蓋の他の側面は、アンテナ構成部材は、金属蓋が遮断する両面側の空間のそれぞれに対して、特定波長のλ/4のダイポールアンテナの機能を有することを特徴とする。
また、本発明の金属蓋の他の側面は、特定通信波長はUHF帯域の波長であることを特徴とする。
また、本発明の金属蓋の他の側面は、アンテナ構成部材と相互誘導結合するように、アンテナ構成部材の中央部に隣接して絶縁体内に封入されるICタグをさらに備えることを特徴とする。
また、本発明の金属蓋の他の側面は、特定通信波長は920MHzであることを特徴とする。
また、本発明の金属蓋の他の側面は、アンテナ構成部材は炭素繊維により構成されていることを特徴とする。
また、本発明の金属蓋の他の側面は、アンテナ構成部材の少なくとも一部は、金属蓋の表面とほぼ平行な面となるように折り曲げられていることを特徴とする。
また、本発明の金属蓋の他の側面は、アンテナ構成部材の折り曲げられた部分の全体は、絶縁体により覆われていることを特徴とする。
また、本発明の金属蓋の他の側面は、アンテナ構成部材の折り曲げられた部分の地上空間側の全体は、絶縁体により覆われ、金属蓋の地上空間側の表面と絶縁体の地上空間側の表面(例えば、地面や路面など)とは、同一平面となることを特徴とする。
また、本発明の金属蓋の他の側面は、アンテナ構成部材の少なくとも一部は、九十九折り状に折り畳まれていることを特徴とする。
また、本発明の金属蓋の他の側面は、アンテナ構成部材の九十九折り状に折り畳まれた部分の全体は、絶縁体により覆われていることを特徴とする。
また、本発明の金属蓋の他の側面は、アンテナ構成部材の九十九折り状に折り畳まれた部分の地上空間側の全体は、絶縁体により覆われ、金属蓋の地上空間側の表面と絶縁体の地上空間側の表面とは、同一平面となることを特徴とする。
また、貫通孔および絶縁体は、金属蓋表面と同一平面における断面積が、地下空間側より地上空間側が大きくなるように構成されていることを特徴とする。
また、本発明の金属蓋の他の側面は、絶縁体の地下空間側の外周の一部は雄ネジ構造であり、金属蓋は、絶縁体の雄ネジ構造に対して嵌合可能な雌ネジ切り欠き部分を有するねじ止め部材をさらに備えることを特徴とする。
また、本発明の金属蓋の他の側面は、貫通孔および絶縁体は、楕円柱形状を有し、アンテナ構成部材は、絶縁体の金属蓋表面と垂直な平面に対して所定の角度を有する平面上に配置されることを特徴とする。
また、本発明の金属蓋の第2の側面は、金属蓋に設けられた貫通孔と、金属蓋の固有情報が記憶されたICタグと、ICタグが金属蓋に電気的に接続しないよう、ICタグを封入する絶縁体とを備え、貫通孔にはICタグが封入された絶縁体が装着されていることを特徴とする。
また、本発明の金属蓋用アンテナの一側面は、電気伝導体により構成され、その全長が特定通信波長のλ/2となるアンテナ構成部材と、アンテナ構成部材が金属蓋に電気的に接続しないよう、アンテナ構成部材の少なくとも一部を封入する絶縁体とを備え、金属蓋に設けられた貫通孔に、アンテナ構成部材の少なくとも一部が封入された絶縁体が装着されることを特徴とする。
また、本発明の金属蓋用ICタグの一側面は、金属蓋の固有情報が記憶されたICタグと、ICタグが金属蓋に電気的に接続しないよう、ICタグを封入する絶縁体とを備え、金属蓋に設けられた貫通孔に、ICタグが封入された絶縁体が装着されることを特徴とする。
本発明によれば、金属蓋の利便性を向上させることができる。
本願発明を適用した場合の通信経路について説明するための図である。 ICタグ部41の第1の形状の例について説明するための図である。 ICタグ部41の第2の形状の例について説明するための図である。 ICタグ部41の第3の形状の例について説明するための図である。 ICタグ部41の第4の形状の例について説明するための図である。 図5のICタグ部41に対応する貫通スロット31の形状の例について説明するための図である。 ICタグ部41の第5の形状の例について説明するための図である。 ICタグ部41の第5の形状の例について説明するための図である。 ICタグ部41の第6の形状の例について説明するための図である。 図9のICタグ部41に対応する貫通スロット31の形状の例について説明するための図である。 ICタグ部41の第7の形状の例について説明するための図である。 図11のICタグ部41に対応する貫通スロット31の形状の例について説明するための図である。 従来の通信経路について説明するための図である。
以下、本発明の一実施の形態の情報送受信システムについて、図1〜図12を参照しながら説明する。
なお、図13における場合と同様の部分については同一の番号を付し、その詳細な説明は省略する。
図1に示される金属蓋21は、マンホールやハンドホールなど、一定以上の広さの地下空間に対して、通常時は遮断して外部空間から地下空間に直接接触ができないように閉じられ、保守メンテナンスなどの必要なときのみに人または手や器具などがその地下空間に入ることができるように、開閉可能に地表面に設置された金属製の蓋である。金属蓋21には小さな貫通孔である貫通スロット31が設けられている。なお、貫通スロット31は、貫通孔に対応する。
貫通スロット31は、金属蓋21の一部に、その上面と下面とを貫通するように構成されている。貫通スロット31は、金属蓋21を、例えば、切り抜くなどの加工を施すことにより形成され、その断面形状は、例えば、金属蓋21を平面視したときに、楕円形状となるように形成されている。なお、貫通スロット31を平面視したときの断面形状は、楕円形状でなくてもよく、例えば、円であっても、多角形であってもよい。
貫通スロット31には、ICタグ部41が嵌め込まれる。ICタグ部41は、金属蓋21の固有情報が記録された後述するICタグ本体52を含み、金属蓋21に対して地上面に存在するICタグリーダ45−1とのICタグ通信、および、地下側に存在するICタグリーダ45−2とのICタグ通信を可能とする。また、ICタグ部41は、後述するアンテナ構成部材51を含み、ICタグ本体52とICタグリーダ45−1および45−2とのICタグ通信の通信性能を向上させるとともに、UHF帯センサー通信装置3により送信された通信電波の地上局4への到達距離を長くすることが可能である。
貫通スロット31の断面積が小さいほど、金属蓋21の機械的強度をより一層確保することができる。しかしながら、貫通スロット31の断面積がUHF帯の電波を通しにくくする特定の寸法(その電波の波長λの1/2)より小さいほど、ICタグ本体52と、金属蓋21の地上側に存在するICタグリーダ45−1および地下側に存在するICタグリーダ45−2との通信感度も低くなってしまう。ICタグ本体52は、一般的な通信装置(例えば、UHF帯センサー通信装置3など)とは異なり、その内部に電源を有さず、リーダ装置から受信する電波の誘導起電力により動作するため、その発信電波は微弱である。そのため、例えば、スロットアンテナを利用することが考えられるが、一般的なICタグに用いられる電波の周波数920MHzに対する共振を最大とするためには、電波の波長λの半分の長さのダイポールアンテナ、すなわち、アンテナ長160mmが必要となり、それより短い場合にはアンテナとして動作しなくなる。また、金属蓋21が、例えば直径20cm程度のハンドホール蓋などの径の小さなものであった場合、アンテナ長160mmのスロットアンテナを構成することにより、金属蓋21の強度を損なう恐れがある。
そこで、図2に示されるように、ICタグ部41−1においては、ICタグ通信に用いられる周波数920MHzの電波の波長λに対して、全長λ/2となるダイポールアンテナと同様の機能を有するアンテナ構成部材51−1を、樹脂部53−1を用いて、金属蓋21の裏側と表側、すなわち、地上側および地下側のそれぞれの空間に貫通するように固定させ、その中央部分に、アンテナ構成部材51−1と相互誘導結合可能なようにICタグ本体52を設けるものとする。この時、アンテナ構成部材51−1は、地上側および地下側のそれぞれの空間において、λ/4のモノポールアンテナとして機能する。
樹脂部53−1は、例えば、楕円柱形状など貫通スロット31の形状と一致するように形成されており、貫通スロット31にぴったりと嵌め込まれて、容易に脱落することがないように構成されている。ICタグ部41−1における金属蓋21表面と平行な断面の大きさは、非常に細いアンテナ構成部材51−1および小型のICタグ本体52を、樹脂部53−1を用いて図2に示されるように封入するのに十分な径を有すれば十分であり、対応する貫通スロット31は、金属蓋21の強度を損なわない充分に小さなものとなる。なお、樹脂部53−1は、絶縁体に対応する。
アンテナ構成部材51−1は、金属の線材、または炭素繊維などの樹脂等の電気伝導性を有する物質を用いて線状に構成され、その長さは、上述したように、ICタグ本体52の通信に用いられる電波の波長λに対してλ/2となる。そして、アンテナ構成部材51−1は、金属蓋21の地上側にλ/4、地下側にλ/4の長さとなるように、その一部が絶縁体である樹脂部53−1に埋め込まれている。
ICタグ本体52は、アンテナ構成部材51−1と電気的に直接接続されているのではなく相互誘導結合した状態で、換言すれば、相互誘導結合可能な厚みで樹脂部53−1の一部がアンテナ構成部材51−1との間に挟まれた状態で、アンテナ構成部材51−1の長さ方向の中央部分に設けられている。ICタグ本体52としては、例えば、日立化成IM5−PK2525などの小型タグ(サイズ2.5mm×2.5mm×0.4mm)などを用いると好適である。ICタグ本体52には、その内部に金属蓋21を固有に識別するために必要な情報など、保守管理に必要な固有情報が記録されたICチップ、および、通信を行うためのコイルアンテナが搭載されている。
ICタグ本体52は、樹脂部53−1を介して地上側および地下側のそれぞれの空間と電波を授受することが可能である。また、更に、地上側および地下側のそれぞれの空間においてアンテナ構成部材51−1がモノポールアンテナとして機能する。これにより、ICタグ本体52は、金属蓋21に対して地上面に存在するICタグリーダ45−1、および、地下側に存在するICタグリーダ45−2とのいずれとも、良好なICタグ通信を行うことが可能となる。
一般にダイポールアンテナの周波数同調範囲は同調周波数の10〜20%に達することがある。なお、一般的に、通信装置はICタグ本体52とは異なり、増幅器を内蔵している場合がほとんどである。このような場合、ダイポールアンテナの周波数同調範囲は同調周波数の50%程度まで拡大する。したがって、ICタグ本体52に対するダイポールアンテナとしての機能を有するアンテナ構成部材51−1は、同調範囲内に入る周波数帯の他の通信装置、すなわち、UHF帯センサー通信装置3に対しても、アンテナとして動作する。
再び図1に戻り、UHF帯センサー通信装置3と地上局4との通信について説明する。
UHF帯センサー通信装置3が送信した通信電波は、図13を用いて説明した2つの経路に加えて、貫通スロット31に嵌め込まれたICタグ部41を経由した通信経路により、地上局4に到達する。
すなわち、UHF帯センサー通信装置3が送信した通信電波は、図1中、二点鎖線eで示されるように、電気伝導性のある物質の表面(例えば、側壁部2の表面が金属である場合は側壁部2表面、また、UHF帯センサー通信装置3を設置するための鎖等が金属製である場合その表面)を経路として、金属蓋21に到達し、金属蓋21の表面を伝導の経路として、貫通スロット31に嵌め込まれたICタグ部41のアンテナ構成部材51に到達する。また、UHF帯センサー通信装置3が送信した通信電波は、図1中、一点鎖線cで示されるように、マンホール内の空間を経由して(側壁部2に反射される場合もある)、金属蓋21に到達するか、直接貫通スロット31に嵌め込まれたICタグ部41のアンテナ構成部材51に到達する。
上述したように、ICタグ本体52に対するダイポールアンテナとしての機能を有するアンテナ構成部材51は、同調範囲内に入る周波数帯の他の通信装置、すなわち、UHF帯センサー通信装置3に対しても、地上局4との通信における中継アンテナとして動作する。すなわち、UHF帯センサー通信装置3と地上局4との通信経路としては、図13を用いて説明した、天候やマンホールの構造材料の影響を受けやすい、いわゆる地中漏れ電波の経路である一点鎖線bの経路や、マンホール蓋(金属蓋21)と受枠との隙間の漏れ電波の経路である破線aの経路のほかに、図1中、一点鎖線cおよび二点鎖線e、並びに、破線dで示されるICタグ部41のアンテナ構成部材51を経由する経路を確保することができる。一点鎖線cおよび二点鎖線e、並びに、破線dで示される通信経路は、天候やマンホールの構造材料に依存しにくい。また、アンテナ構成部材51は中継アンテナとして動作するため、UHF帯センサー通信装置3と地上局4との通信可能距離は飛躍的に向上する。したがって、地上局4の設置数を、従来における場合と比較して減少させ、地上局4の設置にかかるコストを節約することができる。
このようにして、金属蓋21に貫通スロット31を設け、その内部にICタグ本体52と、ICタグ本体52に対するダイポールアンテナとしての機能を有するアンテナ構成部材51を有するICタグ部41を装着することにより、金属蓋21の両面から金属蓋21に内蔵されたICタグ本体52の情報を読み取り可能となる。それに加えて、金属蓋21に対して地下側に存在するUHF帯センサー通信装置3が送信した通信電波の通信可能距離を飛躍的に向上させることが可能となる。
しかしながら、金属蓋21がマンホールやハンドホールの蓋として利用された場合、その地上側表面は、人や車両等が通過する可能性が高く、その場合、図2に示されるICタグ部41のように、アンテナ構成部材51が金属蓋21表面から大きく突出していると、その上部の人や車両等の通行上、不都合が発生してしまう恐れがある。
次に、図3を参照して、ICタグ部41の第2の形状の例について説明する。
図3に示されるICタグ部41−2は、図2を用いて説明した第1の形状の例に対して、金属蓋21の地上側に突出されたアンテナ構成部材51−2の一部分を折り曲げることにより、突出部分を低くし、突出部分があることによる不都合を軽減することができるようにしたものである。また、アンテナ構成部材51−2として、炭素繊維等、柔らかい素材を利用することにより、突出部分があることによる不都合を更に軽減することができる。
ただし、折り曲げられたアンテナ構成部材51−2は、導電性を有する金属蓋21と接触させてはいけないため、金属蓋21とアンテナ構成部材51−2との間には、図示しない絶縁部材(絶縁被覆とも称する)が用いられる。
図2を用いて説明した場合と比較して、アンテナ構成部材51−2のアンテナとしての感度は下がってしまうが、貫通スロット31は、図2を用いて説明した場合と同様に小さくすることができるので、金属蓋21の強度を保つことができる。
なお、図3においては、アンテナ構成部材51−2を地上側のみ折り曲げられた構造を図示したが、アンテナ構成部材51−2の地下側も同様に折り曲げてもよいことは言うまでもない。
しかしながら、図3に示されるICタグ部41−2を有する金属蓋21がハンドホール等の径の小さなものに対して利用された場合、金属蓋21の表面積が小さいため、アンテナ構成部材51−2が金属蓋21の表面端部から地面上にはみ出してしまう恐れがある。
次に、図4を参照して、ICタグ部41の第3の形状の例について説明する。
図4に示されるICタグ部41−3は、図3を用いて説明した第2の形状の例に対して、金属蓋21の地上側に突出されたアンテナ構成部材51−3の少なくとも一部分を九十九折状(ジグザグ状)に折り畳む構造とすることにより、突出部分の金属蓋21の直径方向の長さを減少させ、突出部分があることによる不都合を軽減することができるようにしたものである。
ただし、折り畳まれたアンテナ構成部材51−3は、導電性を有する金属蓋21と接触させてはいけないため、金属蓋21とアンテナ構成部材51−3との間には、図示しない絶縁部材(絶縁被覆とも称する)が用いられる。
図4を用いて説明したICタグ部41−3は、図3を用いて説明した場合と比較して、アンテナ構成部材51−3のアンテナとしての感度はさらに下がってしまうが、貫通スロット31は、図2および図3を用いて説明した場合と同様に小さくすることができるので、金属蓋21の強度を保つことができるとともに、突出部分があることによる不都合を軽減することができる。
図4においては、アンテナ構成部材51−3を地上側のみ九十九折状(ジグザグ状)に折り畳む構造を図示したが、アンテナ構成部材51−3の地下側も同様に九十九折状(ジグザグ状)に折り畳むようにしてもよいことは言うまでもない。
しかしながら、金属蓋21が用いられる環境によっては、アンテナ構成部材51は金属蓋21の表面から突出してしまうことを避けたい場合が考えられる。
次に、図5および図6を参照して、ICタグ部41の第4の形状の例およびその場合における貫通スロット31の形状の例について説明する。
図5に示されるICタグ部41−4は、図3を用いて説明した第2の形状の例に対して、金属蓋21の地上側に突出されたアンテナ構成部材51−4のうちの突出部分をすべて樹脂部53−2で覆う形状を有している。すなわち、樹脂部53−2には、スロット嵌合部54と、平板嵌合部55とが設けられている。そして、平板嵌合部55がアンテナ構成部材51−4を覆っている。なお、平板嵌合部55を平面視したときの面積は、スロット嵌合部54を平面視したときの面積よりも大きく設けられている。
図6は、図5に示されるICタグ部41−4(スロット嵌合部54および平板嵌合部55)を嵌め込むための貫通スロット31−2付近の形状の例を示す断面図である。図6に示すように、金属蓋21の貫通スロット31−2には、小径スロット部32と、凹嵌部33とが設けられている。小径スロット部32は、金属蓋21を貫通する部分であり、上述したスロット嵌合部54を嵌め込む部分である。また、凹嵌部33は、小径スロット部32よりも大面積ではあるが金属蓋21を貫通していない部分である。この凹嵌部33に平板嵌合部55が嵌め込まれ、小径スロット部32にスロット嵌合部54が嵌め込まれる。このとき、ICタグ部41−4の平板嵌合部55の地上側表面が、金属蓋21の地上側表面と同一平面上に位置するように、その形状に合わせて形成されている。これにより、金属蓋21からの地上方向の突出部分をなくすことが可能となる。
図5に示されるICタグ部41−4においては、アンテナ構成部材51−4の突出部分の全体が樹脂部53−2(平板嵌合部55)に封入された状態となるため、導電性を有する金属蓋21と接触しない。また、金属蓋21の使用環境によっては、長年の使用により、貫通スロット31−2に嵌め込まれたICタグ部41−4の地上側表面が摩耗し、アンテナ構成部材51−4の一部が露出してしまう可能性がある。したがって、アンテナ構成部材51−4として、強度を有する金属製のものではなく、炭素繊維などの柔らかい素材を用いるようにすると、アンテナ構成部材51−4が万が一露出してしまっても、金属蓋21の上部を通過する人や車両(例えば、通過する車両のタイヤ)に影響を与えにくいため、好適である。
図5を用いて説明したICタグ部41−4は、図4を用いて説明した場合と比較して、アンテナ構成部材51−4のアンテナとしての感度はさらに下がってしまう。また、凹嵌部33を有する貫通スロット31−2は、図6に示されるように、図2〜図4を用いて説明した場合と比較して、大きくなってしまうため、金属蓋21の強度も下がってしまう。しかしながら、図5を用いて説明したICタグ部41−4は、金属蓋21の地上側表面側に突出しないため、例えば、金属蓋21の上部を人や車両などが通行する場合に好適である。
図5および図6においては、アンテナ構成部材51−4の地上側のみ、アンテナ構成部材51−4を折り曲げてすべて樹脂部53−2(平板嵌合部55)で覆い、ICタグ部41−4の地上側表面が金属蓋21の地上側表面と同一平面上に位置するようにしているが、地下側も同様に、アンテナ構成部材51−4を折り曲げて、樹脂部53−2にて封入してもよいことは言うまでもない。金属蓋21の裏側は、通常、多少の突出部分があっても問題ないので、貫通スロット31−2の形状は図6を用いて説明した場合と同様な形状とし、地下側に突出した折り曲げ部分を樹脂部53−2で覆うようにしてもよい。また、貫通スロット31−2の形状を図6に示された形状から変更して、金属蓋21の地下側表面とICタグ部41−4の地上側表面とが同一平面上に位置するようにしてもよいことは言うまでもない。
しかしながら、図5および図6を用いて説明したICタグ部41−4は、金属蓋21の直径が、ICタグ通信に用いられる電波の波長のλ/4より充分大きい場合にしか用いることができない。
図7および図8を参照して、ICタグ部41の第5の形状の例について説明する。
図7に示されるICタグ部41−5は、図5を用いて説明した第4の形状の例に対して、アンテナ構成部材51−5を九十九折状(ジグザグ状)に折り畳み、すべて樹脂部53−3で覆う形状を有している。貫通スロット31の形状は図2〜図4を用いて説明したICタグ部41が嵌め込まれる場合と同様に形成されており、その大きさは、アンテナ構成部材51−5の折り畳みの幅などによってきまる。これにより、小さな金属蓋21であっても突出部分をなくすことが可能となる。
図7示されるICタグ部41−5においては、アンテナ構成部材51−5の全体が樹脂部53−3に封入された状態となるため、導電性を有する金属蓋21と接触しない。また、金属蓋21の使用環境によっては、長年の使用により、貫通スロット31に嵌め込まれたICタグ部41−5の地上側表面が摩耗し、アンテナ構成部材51−5の一部が露出してしまう可能性がある。したがって、アンテナ構成部材51−5として、強度を有する金属製のものではなく、炭素繊維などの柔らかい素材を用いるようにすると、アンテナ構成部材51−5が万が一露出してしまっても、金属蓋21の上部を通過する人や車両に影響を与えにくいため、好適である。
図7を用いて説明したICタグ部41−5は、図5を用いて説明した場合と比較して、アンテナ構成部材51−5のアンテナとしての感度はさらに下がってしまうが、小さな金属蓋21であっても突出部分をなくすことが可能となる上に、貫通スロット31の断面積を比較的小さくすることができるので、金属蓋21の強度を確保することができる。したがって、図7を用いて説明したICタグ部41−5は、例えば、その上部を人や車両などが頻繁に通行する場合に好適である。
図7においては、アンテナ構成部材51−5の地上側および地下側の両面において、アンテナ構成部材51−5を九十九折状(ジグザグ状)に折りたたむとともにすべて樹脂部53−3で覆い、ICタグ部41−5の地上側表面が金属蓋21の地上側表面と同一平面上に位置するようにしているが、地上側と地下側とは異なる形状としてもよいことは言うまでもない。
次に、図8を用いて、図7を用いて説明したICタグ部41−5におけるアンテナ構成部材51の好適な九十九折状(ジグザグ状)の畳み方について説明する。図8の上図は、ICタグ部41−5におけるアンテナ構成部材51−5の位置を示すための図であって、金属蓋21の地上側上部から見た場合の透過図である。また、図8の下図は、上図に示すIXB−IXB断面によって切断した場合の断面図である。
アンテナは、電界や磁界などの変化に伴い高周波電流(誘導電流)が発生することにより動作を行うが、ICタグ部41−5におけるアンテナ構成部材51−5の九十九折状(ジグザグ状)の折り畳みの回数ができるだけ少ない方が、誘導電流が多く流れる。また、ICタグ部41−5におけるアンテナ構成部材51−5の最も地上側に近い部分と最も地下側に近い部分とができるだけ離れているほうが、誘導電流が多く流れる。
すなわち、図8の上図に示されるように、ICタグ部41−5の金属蓋21表面と同一面となる断面を楕円形状にすることにより、樹脂部53−3の体積を抑えつつ、アンテナ構成部材51−5の九十九折状(ジグザグ状)の折り畳みの回数をできるだけ少なくすることが可能となる。また、図8下図に示されるように、アンテナ構成部材51−5を、IXB−IXB断面および金属蓋21表面のいずれとも垂直な平面にではなく、その面に対して所定の角度を有する平面上に配置することにより、樹脂部53−3の体積を抑えつつ、アンテナ構成部材51−5の最も地上側に近い部分と最も地下側に近い部分との距離を長くすることができる。なお、アンテナ構成部材51−5が配置される平面は、IXB−IXB断面および金属蓋21表面のいずれとも垂直な平面に対して斜めとなるように、例えば、できるだけ45度に近い角度に傾けた平面となるようにすると、アンテナ構成部材51−5の最も地上側に近い部分と最も地下側に近い部分との距離を長くすることができ、好適である。
このように、図8に示されるICタグ部41−5におけるアンテナ構成部材51−5の九十九折状(ジグザグ状)の畳み方は、貫通スロット31−3をできるだけ小さくして金属蓋21の強度を確保しつつ、アンテナ構成部材51に発生する誘導電流をできるだけ大きくすることができ、好適である。
上述したICタグ部41の構成例のいずれの場合においても、アンテナ構成部材51は、その全長が、ICタグ本体52の通信に用いられる電波の波長λに対してλ/2であり、金属蓋21の地上側にλ/4、地下側にλ/4の長さを有していればよく、九十九折状(ジグザグ状)の折り畳みの幅は、金属蓋21の大きさや使用環境に合わせて、金属蓋21に十分な強度を確保できる貫通スロット31の大きさとなるように、適宜設計可能である。また、上述したICタグ部41の構成例の地上側および地下側のアンテナ構成部材51の形状は、適宜組み合わせることも可能である。
また、上述したすべての場合に置いて、ICタグ部41は貫通スロット31に隙間なくぴったり嵌め込まれ、容易に脱落しないようになされているが、金属蓋21は、長期間使用に耐えなければならず、また、その利用環境によっては、金属蓋21の上を頻繁に大きな車両が通過したり、高温によって金属の膨張が発生することなどが考えられる。したがって、ICタグ部41および貫通スロット31の形状を、長期間使用しても、金属蓋21から脱落することがないようなものとすると、更に好適である。
次に、図9および図10を参照して、金属蓋21から地下側に脱落しにくい形状を有するICタグ部41の第6の形状の例およびその場合における貫通スロット31の形状の例について説明する。
図9に示されるICタグ部41−6は、図7を用いて説明した第5の形状の例に対して、アンテナ構成部材51−6の九十九折状(ジグザグ状)の畳み方の幅を、地下側において地上側より幅狭いものとしている。すなわち、樹脂部53―4は、上部樹脂部71−1と、上部樹脂部71−1よりも断面積の小さな下部樹脂部71−2とで構成される。
図10は、図9に示されるICタグ部41−6を嵌め込むための貫通スロット31−4の形状の例を示す断面図である。図10に示すように、貫通スロット31−4には、下部樹脂部71−2が差し込まれる小径スロット部32と、その小径スロット部32よりも断面積の大きな凹嵌部33とが設けられている。また、貫通スロット31−4は、図9のICタグ部41−6の地上側表面が金属蓋21の地上側表面と同一平面上に位置するように、ICタグ部41−6の形状に合わせて形成されている。これにより、貫通スロット31−4の断面積をできるだけ少なくし、金属蓋21からの地上方向の突出部分をなくすとともに、振動や高温による金属蓋21の金属の膨張などの影響により貫通スロット31−4からICタグ部41−6が地下側に脱落してしまうことを防止することができる。
図9に示されるICタグ部41においても、アンテナ構成部材51−6の全体が樹脂部53−4に封入された状態となるため、導電性を有する金属蓋21と接触しない。また、金属蓋21の使用環境によっては、長年の使用により、貫通スロット31−4に嵌め込まれたICタグ部41−6の地上側表面が摩耗し、アンテナ構成部材51−6の一部が露出してしまう可能性がある。したがって、アンテナ構成部材51−6として、強度を有する金属製のものではなく、炭素繊維などの柔らかい素材を用いるようにすると、アンテナ構成部材51−6が万が一露出してしまっても、金属蓋21の上部を通過する人や車両に影響を与えにくいため、好適である。
また、図9に示されるICタグ部41−6においては、上部樹脂部71−1と下部樹脂部71−2との断面積や長さの比は、金属蓋21の大きさや使用環境により求められる強度や、必要とされる通信性能に応じて、適宜設計可能である。
次に、図11および図12を参照して、更に金属蓋21から外れにくい構造を有するICタグ部41の第7の形状の例およびその場合における貫通スロット31の形状の例について説明する。
図11に示されるICタグ部41−7は、図9を用いて説明した第6の形状の例と同様に、樹脂部53−5が上部樹脂部81−1および下部樹脂部81−2を有するとともに、下部樹脂部81−2の一部をネジ状樹脂部81−3とした構成としている。樹脂部53−5のネジ状樹脂部81−3は、その外周が雄ネジ構造となっている。また、図11に図示される雌ネジ部82は、ナット等のようにねじ止め部材として機能するものである。雌ネジ部82は、例えば、樹脂や金属などで構成され、その中央部に雌ネジ切り欠き部83を有し、雌ネジ切り欠き部83とネジ状樹脂部81−3とは嵌合可能である。なお、雌ネジ部82を構成する材質としては、電波を通しやすい樹脂を用いると好適である。
図12は、図11に示されるICタグ部41を嵌め込むための貫通スロット31−5の形状の例を示す断面図である。図12に示すように、貫通スロット31−5には、下部樹脂部81−2が差し込まれる小径スロット部32と、その小径スロット部32よりも断面積の大きな凹嵌部33とが設けられている。このような構成の貫通スロット31−5にICタグ部41−7が嵌め込まれた後、雌ネジ部82の雌ネジ切り欠き部83とICタグ部41−7のネジ状樹脂部81−3とが噛み合う。貫通スロット31−5は、図11のICタグ部41−7の地上側表面が金属蓋21の地上側表面と同一平面上となるように、さらに、ネジ状樹脂部81−3に対して雌ネジ部82を取り付けることが可能なように、それらの形状に合わせて形成されている。すなわち、貫通スロット31−5は、図12に示されるように、図10を用いて説明した場合と同様の形状としてもよいし、貫通スロット31−5に嵌め込まれたICタグ部41−7に雌ネジ部82が取り付けられた状態で、金属蓋21の地下側表面から雌ネジ部82が突出しないような形状にしてもよい。
これにより、貫通スロット31−5の断面積をできるだけ少なくし、金属蓋21からの地上方向の突出部分をなくすとともに、振動や高温による金属蓋21の金属の膨張などの影響により貫通スロット31−5からICタグ部41−7が脱落してしまうことを防止することができる。
図11に示されるICタグ部41−7においても、アンテナ構成部材51−7の全体が樹脂部53−5に封入された状態となるため、導電性を有する金属蓋21と接触しない。また、金属蓋21の使用環境によっては、長年の使用により、貫通スロット31−5に嵌め込まれたICタグ部41−7の地上側表面が摩耗し、アンテナ構成部材51−7の一部が露出してしまう可能性がある。したがって、アンテナ構成部材51−7として、強度を有する金属製のものではなく、炭素繊維などの柔らかい素材を用いるようにすると、アンテナ構成部材51−7が万が一露出してしまっても、金属蓋21の上部を通過する人や車両に影響を与えにくいため、好適である。
また、図11に示されるICタグ部41−7においては、下部樹脂部81−2とネジ状樹脂部81−3との長さの比や、ネジ状樹脂部81−3の高さは、金属蓋21の大きさや使用環境により求められる強度や、必要とされる通信性能に応じて、適宜設計可能である。
以上においては、ICタグ本体52とアンテナ構成部材51を有するICタグ部41について説明したが、金属蓋21にICタグ通信機能を持たせる必要がない場合、ICタグ本体52なしに、上述した場合と同様の形状のアンテナ構成部材51を、樹脂部53を用いて貫通スロット31に嵌め込むことにより、UHF帯センサー通信装置3と地上局4との通信のための中継アンテナ(金属蓋用アンテナ)として機能させるようにすることができる。また、その場合、アンテナ構成部材51の長さは、UHF帯センサー通信装置3から発信される電波の周波数に最適なものを選択することが可能である。また、さらに、地下空間に備え付けられるセンサー通信装置(または通信装置)がUHF帯と大きく異なる周波数である場合、アンテナ構成部材51の長さは、そのセンサー通信装置(または通信装置)から発信される電波の周波数に最適なものを選択することが可能である。
また、一方で、金属蓋21により遮蔽される地下空間にセンサーおよび通信装置を備え付ける必要がない場合、ICタグ本体52のみを樹脂部53に埋設し、その形状に合致した貫通スロット31を金属蓋21に形成して、アンテナ構成部材51を備えないICタグ部(金属蓋用ICタグ)を嵌め込むようにしてもよい。このような金属蓋21も、ICタグリーダ45−1または45−2を用いて、その裏表の両面から、ICタグ本体52に記録された固有情報を読み取ることができることは言うまでもない。
上述した技術は、金属等の電波を遮断する構成物によって空間が遮断される場合の、その一方の空間から他の空間への、各種通信装置の通信精度を向上するために適用することができる。また、上述した技術は、金属等の電波を遮断する構成物によって空間が遮断される場合の、その両方の空間から、金属等の電波を遮断する構成物に埋設されたICタグの情報を読み取る場合に適用することができる。
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
3…UHF帯センサー通信装置、 4…地上局、 21…金属蓋、 31…貫通スロット(貫通孔に対応)、 41…ICタグ部、 51…アンテナ構成部材、 52…ICタグ本体(ICタグに対応)、 53…樹脂部(絶縁体に対応)、 71−1,81−1…上部樹脂部、 71−2,81−2…下部樹脂部、 81−3…ネジ状樹脂部、 82…雌ネジ部(ねじ止め部材に対応)、 83…雌ネジ切り欠き部


Claims (18)

  1. 所定の位置に取り付けられることにより、その両面側の空間を遮断する金属蓋において、
    前記金属蓋に設けられた貫通孔と、
    電気伝導体により構成され、その全長が特定通信波長のλ/2となるアンテナ構成部材と、
    前記アンテナ構成部材が前記金属蓋に電気的に接続しないよう、前記アンテナ構成部材の少なくとも一部を覆う絶縁体と
    を備え、
    前記貫通孔には前記アンテナ構成部材の少なくとも一部が封入された前記絶縁体が装着されている
    ことを特徴とする金属蓋。
  2. 請求項1に記載の金属蓋において、
    前記アンテナ構成部材は、前記金属蓋が遮断する前記両面側の空間のそれぞれに対して、前記特定波長のλ/4のダイポールアンテナの機能を有する
    ことを特徴とする金属蓋。
  3. 請求項1または2に記載の金属蓋において、
    前記特定通信波長はUHF帯域の波長である
    ことを特徴とする金属蓋。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の金属蓋において、
    前記アンテナ構成部材と相互誘導結合するように、前記アンテナ構成部材の中央部に隣接して前記絶縁体内に封入されるICタグ
    をさらに備えることを特徴とする金属蓋。
  5. 請求項4に記載の金属蓋において、
    前記特定通信波長は920MHzである
    ことを特徴とする金属蓋。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の金属蓋において、
    前記アンテナ構成部材は炭素繊維により構成されている
    ことを特徴とする金属蓋。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の金属蓋において、
    前記アンテナ構成部材の少なくとも一部は、前記金属蓋の表面とほぼ平行な面となるように折り曲げられている
    ことを特徴とする金属蓋。
  8. 請求項7に記載の金属蓋において、
    前記アンテナ構成部材の折り曲げられた部分の全体は、前記絶縁体により覆われている
    ことを特徴とする金属蓋。
  9. 請求項7に記載の金属蓋において、
    前記アンテナ構成部材の折り曲げられた部分の前記地上空間側の全体は、前記絶縁体により覆われ、前記金属蓋の前記地上空間側の表面と前記絶縁体の前記地上空間側の表面とは、同一平面となる
    ことを特徴とする金属蓋。
  10. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の金属蓋において、
    前記アンテナ構成部材の少なくとも一部は、九十九折状に折り畳まれている
    ことを特徴とする金属蓋。
  11. 請求項10に記載の金属蓋において、
    前記アンテナ構成部材の九十九折状に折り畳まれた部分の全体は、前記絶縁体により覆われている
    ことを特徴とする金属蓋。
  12. 請求項10に記載の金属蓋において、
    前記アンテナ構成部材の九十九折状に折り畳まれた部分の前記地上空間側の全体は、前記絶縁体により覆われ、前記金属蓋の前記地上空間側の表面と前記絶縁体の前記地上空間側の表面とは、同一平面となる
    ことを特徴とする金属蓋。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の金属蓋において、
    前記貫通孔および前記絶縁体は、前記金属蓋表面と同一平面における断面積が、前記地下空間側より前記地上空間側が大きくなるように構成されている
    ことを特徴とする金属蓋。
  14. 請求項13に記載の金属蓋において、
    前記絶縁体の前記地下空間側の外周の一部は雄ネジ構造であり、
    前記金属蓋は、前記絶縁体の前記雄ネジ構造に対して嵌合可能な雌ネジ切り欠き部分を有するねじ止め部材をさらに備える
    ことを特徴とする金属蓋。
  15. 請求項10〜12のいずれか一項に記載の金属蓋において、
    前記貫通孔および前記絶縁体は、楕円柱形状を有し、
    前記アンテナ構成部材は、前記絶縁体の前記金属蓋表面と垂直な平面に対して所定の角度を有する平面上に配置される
    ことを特徴とする金属蓋。
  16. 所定の位置に取り付けられることにより、その両面側の空間を遮断する金属蓋において、
    前記金属蓋に設けられた貫通孔と、
    前記金属蓋の固有情報が記憶されたICタグと、
    前記ICタグが前記金属蓋に電気的に接続しないよう、前記ICタグを封入する絶縁体と
    を備え、
    前記貫通孔には前記ICタグが封入された前記絶縁体が装着されている
    ことを特徴とする金属蓋。
  17. 所定の位置に取り付けられることにより、その両面側の空間を遮断する金属蓋に取り付けられる金属蓋用アンテナであって、
    電気伝導体により構成され、その全長が特定通信波長のλ/2となるアンテナ構成部材と、
    前記アンテナ構成部材が前記金属蓋に電気的に接続しないよう、前記アンテナ構成部材の少なくとも一部を封入する絶縁体と
    を備え、
    前記金属蓋に設けられた貫通孔に、前記アンテナ構成部材の少なくとも一部が封入された前記絶縁体が装着される
    ことを特徴とする金属蓋用アンテナ。
  18. 所定の位置に取り付けられることにより、その両面側の空間を遮断する金属蓋に取り付けられる金属蓋用ICタグであって、
    前記金属蓋の固有情報が記憶されたICタグと、
    前記ICタグが前記金属蓋に電気的に接続しないよう、前記ICタグを封入する絶縁体と
    を備え、
    前記金属蓋に設けられた貫通孔に、前記ICタグが封入された前記絶縁体が装着される
    ことを特徴とする金属蓋用ICタグ。




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