JP2018066756A - 電子装置及び通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】外部機器との間で無線通信を行う場合に、当該通信の進捗状況を利用者に通知することのできる時計及び通信システムを提供する。【解決手段】時計100は、ケース2と、ケース2の視認側に配置された文字板5を含む時計表示部と、ケース2内かつ文字板5の裏面側に文字板5とほぼ平行に配置されたバーアンテナ7を含み、アンテナコイル92を備えたリーダ/ライタ装置9が、文字板5の一部の上に重なるようにかざされることにより、リーダ/ライタ装置9との間で通信可能に構成されたNFCタグと、文字板5のうちリーダ/ライタ装置9のかざされた側とは反対側の領域により、NFCタグとリーダ/ライタ装置9との通信状態を通知させるように時計表示部の動作を制御する時計制御部とを備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、時計に関し、特に無線通信機能を有する時計及び通信システムに関するものである。
従来、NFC(Near Field Communication、近距離無線通信)等の比較的近距離で通信を行う無線通信技術が広く知られている。 NFCは、非接触ICカードインターフェースの規格としてISO(国際標準化機構)で規定された国際標準の無線通信技術であり、NFCに対応するアンテナを備える機器にリーダ/ライタを内蔵する機器(リーダ/ライタ装置)をかざすことで簡易かつ迅速に近距離での無線通信を行うことができる。
例えば特許文献1等には、このような無線通信を時計(腕時計)と外部機器との間で行うことが提案されている(参照)。
特開2000−286761号公報
しかしながら、NFCに対応するアンテナの設けられている位置や、リーダ/ライタの設けられている位置は、機器の外部から分かりにくい。
このため、NFCによる通信を行おうとした場合に、利用者はどのような位置にリーダ/ライタ装置をかざせばよいかが分かりにくく、通信の成立状況(すなわち、通信が正常に行われているか否か)が確認できないという問題がある。
また、通信が完了したか等の通信の進捗状況は、機器にリーダ/ライタ装置をかざすだけでは分からない。
このため、すでに通信が完了しているのに無駄に長時間リーダ/ライタ装置をかざしていたり、通信が完了していないのに利用者がリーダ/ライタ装置の位置をずらしてしまい、途中で通信が切断されてデータ処理に失敗するおそれがあるとの問題もある。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、外部機器との間で無線通信を行う場合に、当該通信の進捗状況を利用者に通知することのできる時計及び通信システムを提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、本発明に係る時計は、
ケースと、前記ケースの視認側に配置された文字板を含む表示部と、
前記ケース内かつ前記文字板の裏面側に前記文字板とほぼ平行に配置されたアンテナを含み、コイルを備えたリーダ/ライタ装置が、前記文字板の一部の上に重なるようにかざされることにより、前記リーダ/ライタ装置との間で通信可能に構成された通信部と、
前記文字板のうち前記リーダ/ライタ装置のかざされた側とは反対側の領域により、前記通信部と前記リーダ/ライタ装置との通信状態を通知させるように前記表示部の動作を制御する制御部と、
を備えていることを特徴としている。
また、本発明に係る通信システムは、
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の時計と、
前記リーダ/ライタ装置と、
を備えていることを特徴としている。
本発明によれば、外部機器との間で無線通信を行う場合に、当該通信の進捗状況を利用者に通知することができるという効果を奏する。
(a)は、第1の実施形態における時計の正面図である。(b)は、(a)におけるb-b線に沿う時計の断面図である。(c)は、(a)に示す時計に設けられるバーアンテナの平面図である。 (a)は、第1の実施形態の時計とリーダ/ライタ装置との関係を示す図である。(b)は、従来例の時計とリーダ/ライタ装置との関係を示す図である。 (a)は、時計の下側(6時側)からリーダ/ライタ装置を近接させた場合を示す模式図である。(b)は、時計の左側(9時側)からリーダ/ライタ装置を近接させた場合を示す模式図である。(c)は、時計とリーダ/ライタ装置との上下方向の位置関係を示す図である。 (a)は、第1の実施形態の時計及びリーダ/ライタ装置の要部ブロック図である。(b)は、(a)における時計表示部の詳細を示す要部ブロック図である。 (a)は、第1の実施形態の時計及びリーダ/ライタ装置の通信の最適位置を示す図である。(b)は、通信の最適位置を針の動きで示す場合の針の動きと通信の最適位置との関係を示す説明図である。(c)は、通信の最適位置における針の動きの一例を示す図である。(d)は、通信の最適位置を日窓の日付表示で示す場合の日付表示の変化の一例を示す図である。 (a)は、第1の実施形態の時計及びリーダ/ライタ装置の通信の最適位置を示す図である。(b)は、通信の最適位置を光源による照明で示す場合の照明の明るさと通信の最適位置との関係を示す説明図である。(c)から(e)は、リーダ/ライタ装置のかざされる位置と照明の明るさとの関係の一例を示す図である。 (a)は、第2の実施形態における時計及びリーダ/ライタ装置の要部ブロック図である。(b)は、(a)におけるNFCタグ及び時計電源部の詳細を示す要部ブロック図である。 第2の実施形態における時計及びリーダ/ライタ装置における通信及び信号の流れを示すシーケンス図である。 (a)は、R/W表示部に表示される初期画面の一例を示す図である。(b)は、R/W表示部に表示される時刻設定画面の一例を示す図である。(c)は、R/W表示部に表示される時計充電画面の一例を示す図である。 (a)から(e)は、R/W表示部に表示される時計充電画面の一例を示す図である。 (a)は、第3の実施形態における時計の正面図である。(b)は、時計に対して右側(時計の3時側)からリーダ/ライタ装置をかざした場合を示す平面図である。(c)は、時計に対して下側(時計の6時側)からリーダ/ライタ装置をかざした場合を示す平面図である。(d)は、時計に対して左斜め下側(時針が時計の7時半側)からリーダ/ライタ装置をかざした場合を示す平面図である。 (a)は、第3の実施形態におけるNFCタグの要部ブロック図である。(b)は、アンテナに入力される波形をデジタル化して出力する際の信号処理の説明図である。 リーダ/ライタ装置が時計に近づく方向と、NFC縦アンテナ,NFC横アンテナの磁界発生の有無と検波出力及び加算器出力の関係を示す表である。 (a)は、第4の実施形態における時計の正面図である。(b)は、時計に対して右側からリーダ/ライタ装置をかざした場合を示す平面図である。(c)は、時計に対して左側からリーダ/ライタ装置をかざした場合を示す平面図である。(d)は、文字板の右側の一部がリーダ/ライタ装置によって覆われた状態を示す平面図である。(e)は、文字板の左側の一部がリーダ/ライタ装置によって覆われた状態を示す平面図である。 図14(a)に示す時計のNFCタグの要部ブロック図である。 リーダ/ライタ装置が時計に近づく方向と、NFC縦アンテナ,NFC横アンテナの磁界発生の有無と検波出力、加算器出力、及び方向判定出力の関係を示す表である。
[第1の実施形態]
図1から図6を参照しつつ、本発明に係る時計及び通信システムの第1の実施形態について説明する。本実施形態では、時計が腕時計である場合を例として説明する。 なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1(a)は、本実施形態に係る時計の正面図であり、図1(b)は、図1(a)におけるb-b線に沿う断面図であり、図1(c)は、本実施形態の時計に設けられるアンテナの平面図である。
本実施形態に係る時計100は、電気的な駆動により後述する指針53を回転させて時刻等を表示するアナログ方式の時計である。
また、時計100は、時計本体101(図4(a)参照)とNFCに対応するバーアンテナ(アンテナ)7を備えたNFCタグ70とを含み、後述するように、NFCリーダ/ライタ部(以下の説明及び図面において「NFC R/W部」とする。)90を内蔵する機器(リーダ/ライタ装置(R/W装置)9)を時計100の所定位置にかざすことでNFC規格に基づく近距離での無線通信を行うことができるものである(図2(a)、図3(a)、(b)、(c)参照)。
本実施形態の通信システムは、このような時計100と、リーダ/ライタ装置9と、を備えている。
図1(a)及び図1(b)に示すように、時計100は、時計100の各構成部を収納するケース2を備えている。
本実施形態のケース2は、時計100の視認側(表面側、図1(b)において上側)と裏面側(図1(b)において下側)とに開口部22,23を有する中空の短柱形状に形成された枠体21と、この枠体21の裏面側の開口部23を閉塞する裏蓋24とを備えている。
枠体21及び裏蓋24は、例えばSUSやチタン等の金属材料を含んで形成されている。
なお、ケース2の構成は、ここに例示したものに限定されない。
例えば、ケース2は、視認側のみが開口し、枠体21部分と裏蓋24部分とが一体に形成されていてもよい。
また、枠体21及び裏蓋24は、金属材料を含んで形成されているものに限定されず、例えば、ポリアセタール(polyacetal)又はポリオキシメチレン(POM,polyoxymethylene)や、ABS樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート等で形成されていてもよい。
ケース2の視認側開口部には、透明なガラス等の材料で形成された風防部材3が視認側開口部を閉塞するように取り付けられている。
なお、風防部材3を形成する材料はガラスに限定されないが、本実施形態の時計100は、後述するようにNFC受信用のバーアンテナ7を備えているため、風防部材3は、電波の受信を阻害しない材料で形成される。
また、ケース2の外側面には、時計100における12時と6時の位置に、バンド25(図3(a)等参照)が取り付けられている。
ケース2の内部には、モジュール4が配置されている。モジュール4は、例えば指針53を運針させるための輪列機構やモータ等で構成される時計ムーブメント、後述する時計制御部(制御部)11の制御回路等の各種電子部品を搭載した回路基板等(いずれも図示せず)が、樹脂等で形成された図示しないハウジング内に収められたものである。
モジュール4のほぼ中央部には、時計ムーブメント側から上方に向けて突出する時計指針53a(秒針、分針、時針からなる指針53)用の指針軸52aが設けられている。
また、この指針軸52aの両側には、時計ムーブメント側から上方に向けて突出する機能針53b(各種の機能針53bである指針)用の指針軸52bが設けられている。
モジュール4の上には、後述するNFCタグ70(図4(a)参照)を構成するバーアンテナ7が配置されている。
図1(c)に示すように、バーアンテナ7は、アモルファスやフェライト等の磁性材料で形成された薄板状の長尺のアンテナコア75にコイル76を巻回した薄型のアンテナである。
アンテナコア75には、指針軸52(時計指針53a用の指針軸52a及び機能針53b用の指針軸52b)が挿通される貫通孔77が形成されている。
図2(a)は、本実施形態のバーアンテナ7から生ずる磁界と、リーダ/ライタ装置9のアンテナコイル(コイル)92との関係を模式的に示したものである。図2(b)は、従来のNFC受信用のアンテナ700から生ずる磁界と、リーダ/ライタ装置9のアンテナコイル92との関係を模式的に示したものである。
図2(b)に示すように、従来の時計200に設けられるNFC受信用のアンテナ700は、例えばモジュール4の外周面にリング状に巻回されたコイルであり、このようなアンテナ700からは、コイルの巻回方向に直交するように磁界が生ずる。このため、アンテナ700と通信を行うためには、アンテナ700の上方全体と重なるようにリーダ/ライタ装置9のアンテナコイル92を配置する必要があり、通信を行う際には、図2(b)に示すように、リーダ/ライタ装置9によって時計200の視認側(文字板5)のほぼ全面が覆われた状態となる。
これに対して本実施形態のようなバーアンテナ7では、図2(a)に示すように、磁界が、長尺のバーアンテナ7の一端側から出て他端側から入るように廻る。このため、バーアンテナ7と通信を行うためには、バーアンテナ7の一端側の上方のみと重なるようにリーダ/ライタ装置9のアンテナコイル92を配置すればよい。これにより、図2(a)に示すように、NFCタグ70とリーダ/ライタ装置9とが通信中でも、時計100の視認側(文字板5)の一部のみがリーダ/ライタ装置9によって覆われているにすぎず、リーダ/ライタ装置9がかざされていない側では文字板5上で各種の表示(例えば指針53を動かす等)を行うことが可能な状態となる。
図3(a)及び図3(b)は、時計100に設けられるバーアンテナ7の配置方向とリーダ/ライタ装置9をかざす方向との関係を示す平面図である。図3(c)は、バーアンテナ7が設けられた時計100とリーダ/ライタ装置9との上下方向の関係を示す側面図である。
図3(c)に示すように、リーダ/ライタ装置9を上方から時計100に近接させ、時計100の上面の一部(すなわち、図3(a)に示す文字板5の一部)に重なるようにかざすことによって、リーダ/ライタ装置9のNFC R/W部90と時計100に設けられている図4(a)に示すNFCタグ70との間での通信が可能となる。
そして、図3(a)に示すように、バーアンテナ7が時計100の12時と6時を結ぶように縦方向に配置されている場合には、リーダ/ライタ装置9を時計100に対してバーアンテナ7に沿うように縦方向(図3(a)における上下方向)にかざす。この場合、リーダ/ライタ装置9のアンテナコイル92(図2(a)参照)が配置されているNFC R/W部90がバーアンテナ7の長手方向のほぼ半分程度(バーアンテナ7の一端側)と重なるように配置されたときに、もっとも通信状態の良い状態となる。
また、図3(b)に示すように、バーアンテナ7が時計100の9時と3時を結ぶように横方向に配置されている場合には、リーダ/ライタ装置9を時計100に対してバーアンテナ7に沿うように横方向(図3(b)における左右方向)にかざす。この場合にも、リーダ/ライタ装置9のアンテナコイル92(図2(a)参照)が配置されているNFC R/W部90がバーアンテナ7の長手方向のほぼ半分程度(バーアンテナ7の一端側)と重なるように配置されたときに、もっとも通信状態の良い状態となる。
また、本実施形態における時計100は、入射光により発電を行うソーラー発電機能を有しており、ケース2内であってバーアンテナ7の上には、外部から入射光を取り込んで発電を行う光発電部であるソーラーパネル8が配設されている。
図1(a)及び図1(b)に示すように、本実施形態では、ソーラーパネル8は、バーアンテナ7による電波受信を妨げないように、バーアンテナ7の端部よりも内側に配置されている。
なお、ソーラーパネル8の形状や大きさは、図示例に限定されない。発電量を確保するためには、ソーラーパネル8の受光面積をできるだけ大きくすることが好ましく、例えばソーラーパネル8を文字板5の面方向の面積とほぼ同じ程度の大きさとしてもよい。
この場合には、ソーラーパネル8におけるバーアンテナ7の両端側の上部に対応する位置に切り欠きを設けて、ソーラーパネル8によってバーアンテナ7による電波受信を妨げないように構成する。
ソーラーパネル8を文字板5の面方向の面積とほぼ同じ程度の大きさとしつつ、バーアンテナ7の両端側の上部に対応する位置に切り欠きを設けることにより、バーアンテナ7の受信性能を劣化させることなく、ソーラーパネル8を最大限大きく形成してより多くの発電量を確保することができる。
ソーラーパネル8により発電された電力は、後述する二次電池81(図4(a)参照)に送られ、蓄電される。
ケース2の視認側には、非導電性部材により形成された文字板5が設けられている。
本実施形態では、文字板5はソーラーパネル8と風防部材3との間に配置されている。
本実施形態において、文字板5における時計の3時及び9時側には、機能針53bによる各種表示が行われる機能表示部51が配置されている。なお、機能表示部51の配置や数等は図示例に限定されない。また、機能表示部51を設けることは必須の構成ではない。
文字板5のほぼ中央部及び機能表示部51のほぼ中央部には、それぞれ貫通孔が設けられている。
文字板5のほぼ中央部に設けられた貫通孔には時計ムーブメントの内部機構側から時計100の表面側(風防部材3の設けられている視認側:図1(b)において上側)に向けて53aを支持する指針軸52aが挿通されており、指針軸52aには時計指針53aが支持されている。
また、機能表示部51のほぼ中央部に設けられた貫通孔には時計ムーブメントの内部機構側から前面側(風防部材3の設けられている視認側:図1(b)において上側)に向けて機能針53bを支持する指針軸52bが挿通されており、指針軸52bには機能針53bが支持されている。
指針軸52a,52bは、図示しない輪列機構を介して指針駆動モータ56(図4(b)参照)に接続されており、指針53a,機能針53bは、表示用駆動回路55(図4(b)参照)の制御によって指針駆動モータ56が駆動することにより、対応する指針軸52a,52bが回転すると、指針53a,53bが回転する。
図4(a)は、本実施形態における時計100及びリーダ/ライタ装置9の制御構成を示す要部ブロック図であり、図4(b)は、図4(a)に示す時計表示部の構成例を示す要部ブロック図である。
図4(a)に示すように、時計100は、時計制御部(制御部)11、時計電源部12、ソーラーパネル8、二次電池、時計入力部13、時計表示部(表示部)50及びNFCタグ70を備えている。
時計制御部(制御部)11は、例えば図示しないCPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等(いずれも図示せず)で構成される記憶部とを備えるコンピュータである。
時計制御部11は、時計表示部(表示部)50等、時計100各部の動作を制御する。特に本実施形態では、時計制御部(制御部)11は、リーダ/ライタ装置9とNFCタグ70との間の通信状態を利用者等に通知する通信状態通知処理を行うようになっている。
時計制御部11は、通信I/Fを介してNFCタグ70との間で信号の送受信が可能となっており、本実施形態では時計制御部11は、NFCタグ70から、バーアンテナ7が受信した信号(NFC信号)について受信信号の強度を取得する。
時計制御部11は、NFCタグ70から取得したNFC信号について受信信号の強度に基づいて、後述するように、リーダ/ライタ装置9とNFCタグ70との間の通信状態を利用者等に通知する通信状態通知処理を行う。
時計電源部12は、ソーラーパネル8により発電された電力を二次電池81に蓄積させるとともに、二次電池81に蓄積されている電力を時計制御部11、時計表示部(表示部)50、その他時計100各部に電源を供給する。また、時計電源部12は、二次電池81の充電状況等(充電電流や充電電圧等)を時計制御部11に出力する。
二次電池81は、時計電源部12を介して充電されるものであり、繰り返し放充電可能となっている。
時計入力部13は、ケース2の外側面等に設けられた図示しない操作ボタン等で構成されている。
時計入力部13が操作されることで、時計制御部11に操作に応じた信号が入力されるようになっている。
図4(b)に示すように、時計表示部(表示部)50は、指針53a,53bと、指針53a,53bが取り付けられる指針軸52a,52bを回転動作させる指針駆動モータ56と、この指針駆動モータ56の動作を制御する表示用駆動回路55と、を備えている。
時計表示部(表示部)50を構成する表示用駆動回路55や指針駆動モータ56は、時計電源部12からの電力供給を受けて駆動する。
表示用駆動回路55は、時計制御部11からの制御信号に基づいて指針駆動モータ56の動作を制御する。
また、本実施形態では、時計表示部(表示部)50は、文字板5を照明する光源57を備えている。
表示用駆動回路55は、時計制御部11からの制御信号に基づいて光源57の発光(すなわち、照明の明るさや光源57の点滅のパターン等)を制御するようになっている。
本実施形態における時計表示部(表示部)50は、時計100へのリーダ/ライタ装置9のかざし方を事前に利用者に指定することにより、文字板5のうちリーダ/ライタ装置9のかざされた側とは反対側の領域を有効に活用することができる。時計表示部(表示部)50は、このように、文字板5のうちリーダ/ライタ装置9のかざされた側とは反対側の領域を有効に活用することによって、通信部であるNFCタグ70とリーダ/ライタ装置9との通信状態を通知可能に構成された表示部である。
時計表示部(表示部)50は、時計制御部11の制御に従って、通信部であるNFCタグ70とリーダ/ライタ装置9との通信状態の通知を行う。
本実施形態では、指針53の動き、光源57の発光のうち少なくともいずれか一方を制御することで通信状態を通知させるようになっている。
具体的には、時計制御部11は、NFCタグ70により受信された受信信号の強度を取得すると、例えば受信信号の強度が強いほど大きく指針53a,53bを回転させたり、移動させるように時計表示部(表示部)50を制御する。
また、時計制御部11は、受信信号の強度が強いほど光源57の照度を明るくするように時計表示部(表示部)50を制御する。なお、受信信号の強度が一定以上である時は光源57を常時点灯させ、受信信号の強度が弱くなると光源57を点滅させるようにしてもよい。また、受信信号の強度に応じて光源57の発光についてのデューティー比を切り替えることにより、光源57の点灯間隔や点滅速度を変更する(例えば受信強度が強いほど光源57の点滅速度を速める等)等、光源の点滅のパターンを変更してもよい。
また、本実施形態の時計表示部(表示部)50は、NFCタグ70とリーダ/ライタ装置9との通信により時計100の時刻設定(時刻修正)やアラーム設定等が行われた際には、時刻設定(時刻修正)やアラーム設定等が行われる過程を、文字板5のうちリーダ/ライタ装置9のかざされた側とは反対側の領域により表示させる。
具体的には、時差のある地域に移動した際等に、現地の時刻に時刻を合わせるために指針53が回動する様子を文字板5上において表示させる。
これにより、利用者は、NFCタグ70とリーダ/ライタ装置9との間で通信が行われていることを文字板5を見るだけで確認できるとともに、指針53等が実際に移動する様子を見て楽しむことができる。
NFCタグ70は、図示しないICやメモリ等を備えるNFCタグ本体71と、バーアンテナ7とコンデンサ72とを備えて構成されている。
NFCタグ70は、リーダ/ライタ装置9からの電源供給を受けて駆動する。
NFCタグ70は、リーダ/ライタ装置9のNFC R/W部90との間で近距離での無線通信を行い、リーダ/ライタ装置9から各種の情報を取得するものである。
本実施形態においてNFCタグ70のバーアンテナ7によってリーダ/ライタ装置9から受信される情報は例えば時刻情報であり、NFCタグ70によって受信された時刻情報は、通信I/Fを介して時計本体101の時計制御部11に送られる。時計制御部11は送られた情報に基づいて時計表示部(表示部)50を制御し、適宜時刻の修正等を行わせる。
なお、バーアンテナ7によってリーダ/ライタ装置9から受信される情報は時刻情報に限定されず、各種情報を受信して、この受信結果を時計本体101側に反映させることが可能である。
また、NFCタグ本体71は、バーアンテナ7が受信した受信信号の強度を検出して検出結果を時計本体101側の時計制御部11に出力するようになっている。
すなわち、バーアンテナ7によってリーダ/ライタ装置9からの電波が受信されると、この信号受信に伴って電圧が発生する。NFCタグ本体71のICは、バーアンテナ7からのこの出力(電圧信号)を随時モニタリングし、この電圧信号の振幅に基づいて、受信信号の強度を検出する。検出されたバーアンテナ7の受信信号の強度は、通信I/Fを介して時計制御部11に送られる。本実施形態のバーアンテナ7は、前述のように、長手方向における半分程度又はそれ以下の範囲がNFC R/W部90のアンテナコイル92によって覆われることでアンテナコイル92からの信号を好適に受信可能となり、このときに受信信号の強度が最も強くなる。
なお、NFCタグ本体71がバーアンテナ7の受信信号の強度を検出する手法はここに示した例に限定されない。
リーダ/ライタ装置9は、例えばスマートフォン等の携帯端末装置であり、NFC R/W部(NFCリーダ/ライタ部)90を備えている。
NFC R/W部90は、アンテナコイル(コイル)92及びコンデンサ93等を備えて構成されており、リーダ/ライタ装置9の本体側への入力指示等に基づいて適宜NFCタグ70との間でNFC規格に基づいた近距離での無線通信を行う。
本実施形態では、リーダ/ライタ装置9が正確な時刻情報を有している場合に、この時刻情報をNFCタグ70に送信する場合を例として説明する。
次に、図5(a)から図5(d)及び図6(a)から図6(e)を参照しつつ、本実施形態における時計及び通信システムの作用について説明する。
図5(a)は、バーアンテナ7が横方向に配置された時計100にリーダ/ライタ装置9をかざしてNFC R/W部90とNFCタグ70との間で通信を行う場合を示した平面図である。
図5(a)に示すように、NFCタグ70(図4(a)参照)を備える時計100と、携帯端末装置等のリーダ/ライタ装置9と、の間で通信を行う場合には、利用者は、リーダ/ライタ装置9をかざす横方向の位置及び縦方向の位置をずらしながらリーダ/ライタ装置9を時計100に近接させる。
バーアンテナ7が横方向に配置されている場合には、NFC R/W部90が文字板5の右側(又は左側)の一部に重なるようにかざされて、バーアンテナ7の長手方向におけるほぼ半分程度がアンテナコイル92によって隠れた状態となったときに通信状態が最も良好となる。
図5(b)に示すように、NFC R/W部90が通信に適した最適位置に配置されると、NFCタグ70のバーアンテナ7の受信信号の強さが最強となり、この最適位置からずれるほど受信信号の強さが弱くなる。
本実施形態では、この受信信号の強度がNFCタグ本体71(図4(a)参照)によって検出され、検出結果が、時計本体101の時計制御部11に送られる。
時計制御部11は、送られた検出結果に基づいて、時計表示部(表示部)50を制御し、文字板5のうちリーダ/ライタ装置9のかざされた側とは反対側の領域に指針53を回動させた上で、バーアンテナ7の受信信号の強度に応じて指針駆動モータを動作させ、図5(c)に示すように、指針53a,53bを回転させて、通信状態(バーアンテナ7の受信信号の強度)を利用者等に通知させる。
例えば、図5(b)に示すように、受信信号の強度と指針(例えば秒針)53aの指し示す目盛の位置とを予め対応付けて時計制御部11のROM等の記憶部に記憶させておき、受信信号の強度に応じた目盛(例えば受信信号の強度が最強であれば「26」の秒針目盛)を指すように指針(例えば秒針)53aを移動させる。
なお、受信信号の強度に応じて回転・移動させる指針53は、特に限定されず、機能針53bを備える場合には、機能針53bを回転・移動させてもよい(図5(c)参照)。
さらに、時計表示部(表示部)50が、日付表示部を備えていてもよい。
日付表示部は、例えば、周方向に沿って数字が配置された円盤状の日車54a(図5(d)参照)と、この日車54aを回転させる図示しない日付用モータとを備えている。時計表示部(表示部)50が日付表示部を備える場合には、文字板5に、日車54aの数字を1つずつ露出させることが可能な日窓54が形成される。
時計表示部(表示部)50がこのような日付表示部を備える場合には、時計制御部11は、日付用モータを動作させて日車54aを回転させ、図5(d)に示すように、日付表示部の日窓54に表示される日車54aの数字を変化させることによって通信状態(バーアンテナ7の受信信号の強度)を利用者等に通知させてもよい。
また、時計表示部(表示部)50は光源57の発光によって通信状態(バーアンテナ7の受信信号の強度)を利用者等に通知させてもよい。
この場合には、図5(a)と同様、図6(a)に示すように、利用者がリーダ/ライタ装置9をかざす横方向の位置及び縦方向の位置をずらしながらリーダ/ライタ装置9を時計100に近接させた場合の受信信号の強度と光源57(図4(b)参照)による照明の明るさとを、図6(b)に示すように、予め対応付けて時計制御部11のROM等の記憶部に記憶させておき、光源57による照明の程度(%)を、受信信号の強度に応じて変化させるように光源57の発光を制御する。
例えば、リーダ/ライタ装置9の横方向の位置はバーアンテナ7の長手方向の半分程度と重なる位置にあっても、縦方向の位置においてバーアンテナ7がリーダ/ライタ装置9の端部に乗っている程度である場合(例えば図6(c)及び図6(e)に示す場合)には、光源57による照明の程度を50%程度とする。また、リーダ/ライタ装置9が横方向の位置がバーアンテナ7の長手方向の半分程度と重なる位置にあり、縦方向の位置においてバーアンテナ7がリーダ/ライタ装置9のほぼ中央部に乗っている場合(例えば図6(d)に示す場合)には、光源57による照明の程度を100%程度とする。
また、時計制御部11は、バーアンテナ7の受信信号の強度に応じて、光源57の点滅の速度を変化させるように光源57の発光を制御してもよい。
なお、通信部であるNFCタグ70(図4(a)参照)のバーアンテナ7とリーダ/ライタ装置9との通信状態を通知する手法は、上記に示したうちのいずれか1つであってもよいし、例えば、機能針53bを回転させながら光源57による発光も行う等、上記の手法をいくつか組み合わせて行ってもよい。
また、通信状態の通知をどのように行うかは、予め時計本体101の側で設定可能であってもよいし、リーダ/ライタ装置9側で設定し、この設定情報をNFCタグ70を介して時計本体101側に送ってもよい。
また、指針53や光源57等により通信状態を通知させる際には、指針53や光源57等を動作させるための電源は、時計本体101側の二次電池81から供給されてもよいし、リーダ/ライタ装置9側から電源を供給して行ってもよい。また、二次電池81及びリーダ/ライタ装置9の双方から供給されてもよい。
電源供給をどこから行うかは予め時計本体101の側で設定可能であってもよいし、リーダ/ライタ装置9側で設定し、この設定情報をNFCタグ70を介して時計本体101側に送ってもよい。
また、NFCタグ70がリーダ/ライタ装置9と通信することによって、リーダ/ライタ装置9側から時刻情報やアラームの設定情報等、各種の情報を取得した場合には、当該情報が通信I/Fを介して時計制御部11に送られる。
時計制御部11は、送られた情報に基づいて時計表示部(表示部)50等、時計本体101の各部を制御し、時刻の設定(修正)やアラームの設定等を行う。
時刻の設定(修正)等を行う場合には、時計制御部11は、時計表示部(表示部)50を制御して指針53の移動する様子等を文字板5上に表示させる。これにより、利用者はリーダ/ライタ装置9との間で通信が成立していることを視認することができるとともに、時刻の設定(修正)の過程を確認することができる。
以上のように、本実施形態によれば、外部機器(リーダ/ライタ装置9)との間で無線通信可能に構成された通信部であるNFCタグ70を構成するバーアンテナ7が、ケース2内でかつ文字板5の裏面側に文字板5と平行に配置されている。
このため、アンテナコイル92を備えたリーダ/ライタ装置9を文字板5の一部の上に重なるようにかざすことにより、NFCタグ70とリーダ/ライタ装置9との間での通信が可能となる。これにより、文字板5のうちリーダ/ライタ装置9のかざされた側とは反対側の領域(すなわち、リーダ/ライタ装置9によって覆われていない領域)を利用することにより、NFCタグ70とリーダ/ライタ装置9との通信状態を利用者に通知することができ、利用者は、時計の文字板5を見るだけで、通信が正常に行われているか否かを確認することができる。
また、時計表示部(表示部)50は、指針53及び/又は日車54aの文字を表示可能な日窓54を備え、時計制御部11は、指針53及び/又は日車54aによる日付表示の変化を制御することにより通信状態を通知させるようになっている。このように、通信状態に応じて指針53の動きや日車54aによる日付表示の位置等を変えることにより通信状態を示すため、リーダ/ライタ装置9をかざす位置が通信を成立させるのに適した位置か否かを利用者が目視にて簡易に確認することができる。
さらに、本実施形態では、時計表示部(表示部)50は、文字板5を照明する光源57を備え、時計制御部11は、光源57の発光を制御することにより通信状態を通知させる。このため、光源57による照明の明るさの程度や光源57の点滅によってNFCタグ70とリーダ/ライタ装置9との通信状態を利用者に分かり易く伝えることができる。
また、時計100が腕時計である場合、例えばリーダ/ライタ装置9が左方向(9時側)から時計100にかざされるように利用者に指定し、この場合は時計制御部11が、文字板5における0時から6時側の半分の範囲内において通信状態を通知させるように表示部の動作を制御するようにし、NFCタグ70とリーダ/ライタ装置9との通信状態を利用者が確認できるように通信状態を通知させるように時計表示部(表示部)50の動作を制御するようになっている。 また、本実施形態では、ソーラーパネル8が文字板5とバーアンテナ7との間に配置されているが、ソーラーパネル8はバーアンテナ7の端部を覆わない大きさ・形状となっているため、ソーラーパネル8によってバーアンテナ7の受信感度が劣化することを回避できる。
また、本実施形態では、ケース2が、金属材料を含む環状枠と、金属材料を含む裏蓋とを備えている。このため、高級感のある時計100を実現することができる。この場合でも、NFCタグ70とリーダ/ライタ装置9との通信を行うことができ、その通信状態を時計表示部(表示部)50により利用者に通知することができる。
なお、リーダ/ライタ装置9をかざす方向は、左方向(9時側)からに限定されるものではなく、例えば事前の設定により右方向(3時側)からに変更することも可能であり、その場合は文字板5における6時から12時側の半分の範囲内において通信状態を通知させるように時計表示部(表示部)50の動作を制御すればよい。
また、アンテナが縦方向に配置されている場合は、リーダ/ライタ装置9をかざす方向は下側(6時側)又は上側(12時側)である。
この場合にも、リーダ/ライタ装置9を下側(6時側)又は上側(12時側)のいずれの方向からかざすかを事前に選択できるようにし、文字板5における表示は、リーダ/ライタ装置9のかざされた側とは反対側の領域(文字板5の上側(12時側)又は下側(6時側))において行うことができるようにしてもよい。
[第2の実施形態]
次に、図7(a)及び図7(b)から図10(a)〜図10(d)を参照しつつ、本発明に係る時計及び通信システムの第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、時計側のNFCタグとリーダ/ライタ装置との間で通信が成立した際の制御構成が第1の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。
図7(a)は、本実施形態における時計及びリーダ/ライタ装置の要部ブロック図であり、図7(b)は、図7(a)におけるNFCタグ本体及び時計電源部の構成を詳細に示した要部ブロック図である。
本実施形態における時計100のNFCタグ70とリーダ/ライタ装置9とは双方向での通信が可能に構成されている。
本実施形態において、時計100側の各種設定や操作等は、リーダ/ライタ装置9側のアプリケーションによって実現される。
すなわち、リーダ/ライタ装置9側において所定のアプリケーションが起動されると、リーダ/ライタ装置9と時計100側のNFCタグ70との間で通信が行われ、リーダ/ライタ装置9からNFCタグ70のNFCタグ本体71に所定の通信コマンドが送信される。NFCタグ70は、通信I/Fを介して時計本体101側の時計制御部11との間で通信を確立し、リーダ/ライタ装置9から要求されたコマンド処理を行う。
コマンド処理としては、例えば、時計本体101側の時刻をリーダ/ライタ装置9側で設定して時計100側に反映させる時刻設定処理、時計本体101側のアラーム設定をリーダ/ライタ装置9側で行い時計100側に反映させるアラーム設定処理、時計本体101側の二次電池81をリーダ/ライタ装置9側から供給される電力で充電する時計充電処理等がある。なお、コマンド処理はここに例示したものに限定されない。
時計本体101側においてリーダ/ライタ装置9から要求された所定のコマンド処理が行われると、時計本体101側の時計制御部11は、NFCタグ70を介して処理結果をリーダ/ライタ装置9にレスポンスとして送信する。リーダ/ライタ装置9側の制御部は、NFC R/W部90を介してレスポンスを受信すると、R/W表示部95等に所定の表示等を行わせる。
図7(a)に示すように、本実施形態のリーダ/ライタ装置9は、NFC R/W部90の他、リーダ/ライタ入力部(以下の説明及び図面において「R/W入力部」とする。)94、リーダ/ライタ表示部(以下の説明及び図面において「R/W表示部」とする。)95を備えている。
R/W入力部94は、ボタン操作又はタッチパネル等へのタッチ操作により各種指示を入力操作するものである。
R/W表示部95は、リーダ/ライタ装置9の操作状況や、NFC R/W部90の通信先である時計100からフィードバックされた情報等に基づく表示画面を表示させるものである。
図7(b)に示すように、本実施形態のNFCタグ本体71は、整流回路711、変復調回路712、ベースバンド処理部713等を備えて構成されている。
整流回路711は、交流を直流に変換する回路であり、例えばダイオードを使用して交流波形の正の半波のみを通過させ、負の半波は阻止することで交流を直流に変換する。
整流回路711は、リーダ/ライタ装置9から供給される電流を直流に変換してNFCタグ70の電源(NFCタグ電源)に送るようになっており、このNFCタグ70の電源からNFCタグ本体71の各部に電源を供給される。
変復調回路712は、各種データをNFCタグ70から外部に送信するためにデータを搬送波(信号)に載せる「変調」及び外部からNFCタグ70に送信された変調後の搬送波(信号)から元のデータを取り出す「復調」を行う。
なお、信号の「変調」及び「復調」の手法や方式は特に限定されない。
ベースバンド処理部713は、変復調回路712で復調されたデジタル信号からヘッダー信号などを取り去り必要な情報のみをNFCタグ70から外部に出力するものであり、本実施形態では通信I/Fを介して時計側の時計制御部11に信号を出力する。また、ベースバンド処理部713は、時計側の時計制御部11から通信I/Fを介してNFCタグ70に送られた信号にリーダ/ライタ装置9との通信に必要なヘッダー信号などを付加した後、変復調回路712に送るようになっている。
本実施形態では、NFCタグ70が受信した受信電力が整流回路711において直流変換されて、時計本体101側の時計電源部12に送られるようになっている。
この受信電力は、抵抗122、充電スイッチ123及び逆流防止用ダイオード124を介して、時計100の各部に供給される。
また、本実施形態では、リーダ/ライタ装置9側のアプリケーションにおいて時計100の充電を行うように指示する充電指示信号が時計100側に送られるようになっており、時計制御部11は、NFCタグ70を介してこの充電指示信号を受けると、時計電源部12の充電スイッチ123をONとするように制御し、二次電池81への充電を開始させる。
また、時計制御部11は、二次電池81への充電中、充電電流及び充電電圧を随時検出し、充電電圧が、二次電池81に規定されている上限を超えたと判断すると、時計電源部12の充電スイッチ123をOFFとするように制御し、二次電池81への充電を停止させる。
なお、その他の構成は、第1の実施形態と同様であることから、同一部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
次に、図8、図9(a)〜図9(c)及び図10(a)〜図10(e)を参照しつつ、本実施形態における時計及び通信システムの作用について説明する。
図8に示すように、利用者がリーダ/ライタ装置9側のR/W入力部94等を操作することにより時計100との連動を実現するためのアプリケーションを起動させると、リーダ/ライタ装置9のR/W表示部95に初期画面が表示される。
図9(a)にR/W表示部95に表示される初期画面の一例を示す。図9(a)に示すように、初期画面には、例えば、本実施形態で実行可能なコマンド処理としての「時刻設定処理」、「アラーム設定処理」、「時計充電処理」のいずれかを選択させる選択ボタンが表示される。また、NFCの通信状態を「悪い」から「良い」まで8段階で示す通信状態表示欄が表示されている。
利用者がいずれかの選択ボタンを操作することにより、リーダ/ライタ装置9側において、当該操作に対応するアプリケーションが起動する。
利用者がリーダ/ライタ装置9を時計100にかざし、距離が一定以上近接すると、リーダ/ライタ装置9側から時計100のNFCタグ70に対して電力が送信されるとともに、接続要求がなされる。NFCタグ70への電力送信と接続要求は、リーダ/ライタ装置9のアンテナコイル92とNFCタグ70との距離が一定以上近接している限り繰り返され、NFCタグ70に規定以上の電力が供給されると、NFCタグ70が起動して、リーダ/ライタ装置9との間で通信の初期設定が確立される。
NFCタグ70とリーダ/ライタ装置9との間で通信が開始されると、NFCタグ本体71によって受信信号の強度が検出され、検出結果が時計制御部11に送られる。
NFCタグ70と時計制御部11との間で通信I/Fを介して通信が確立されると、時計制御部11とリーダ/ライタ装置9との間では、NFCタグ70を介して受信信号の強度の確認とこれに対するレスポンスが随時行われ、リーダ/ライタ装置9の制御部は、時計制御部11から送られる受信信号の強度に基づいて、随時R/W表示部95の表示画面中の通信状態表示欄の表示を更新する。
また、時計100の文字板5上においても、リーダ/ライタ装置9のかざされている側とは反対側の領域を用いて、指針53や日付表示、光源57の点灯、点滅等により、随時受信信号の強度が利用者に通知される。
リーダ/ライタ装置9側のR/W入力部94から、利用者によって「時刻設定処理」が選択されると、時刻設定命令(コマンド信号)がリーダ/ライタ装置9からNFCタグ70を介して時計制御部11に送られる。コマンド信号を受け取ると、時計制御部11は、時計表示部(表示部)50等を制御して時刻の設定(修正)を行わせる。
時計100側において時刻の設定(修正)が開始されると、リーダ/ライタ装置9側のR/W表示部95には、例えば図9(b)のような時刻設定画面が表示され、時刻が設定される様子(すなわち、正しい時刻を指す位置まで指針等が移動する様子)を時計の指針の動きや日付表示の数字の変化等で表現される。なお、この画面は、時計本体101側の時計表示部(表示部)50における文字板5上の表示と同じとなるようにリンクされていてもよい。
また、利用者によって、「時計充電処理」が選択されると、充電開始命令(コマンド信号)がリーダ/ライタ装置9からNFCタグ70を介して時計制御部11に送られる。コマンド信号を受け取ると、時計制御部11は、充電スイッチ123をONとし、二次電池81の充電を開始させる。そして、NFCタグ70を介してリーダ/ライタ装置9に対し、充電を開始した旨のレスポンスを行う。
また、二次電池81の充電状態(充電量や充電時間等)についても時計100側において文字板5上の指針53の動きや光源57による照明等により表現する場合には、文字板5上において充電が開始された旨を表現する(例えば一定間隔での光源57の点滅)。
充電を開始した旨のレスポンスを受け取ると、リーダ/ライタ装置9のR/W表示部95には、例えば図9(c)のような時計充電画面が表示され、時計100側の二次電池81の充電量が電池のイラスト等、直感的に分かり易い表示で表現される。また、図9(c)に示すように、満充電(充電完了)となるまでの予想時間等も表示されるようにしてもよい。なお、時計100の二次電池81を携帯端末装置等のリーダ/ライタ装置9によって充電する場合、充電量0%の状態から充電完了までの時間は数分程度である。
時計制御部11は、充電中の充電電流及び充電電圧を随時検出する。リーダ/ライタ装置9は、充電中の充電電流及び充電電圧について、NFCタグ70を介して時計制御部11に随時確認し、時計制御部11はこれに随時レスポンスを行う。リーダ/ライタ装置9は、時計制御部11からの応答に基づいて、二次電池81の充電時間や充電量を随時算出し、算出結果に基づいて、R/W表示部95の時計充電画面を随時更新する。
また、通信状態についてもリーダ/ライタ装置9と時計制御部11との間で随時確認と応答が繰り返されており、通信状況や充電状況が変化すると、R/W表示部95の時計充電画面に随時変化が反映される。
例えば、時計充電中に、利用者がリーダ/ライタ装置9を動かしてしまい、通信状態が悪化すると、図10(a)、図10(c)、図10(e)に示すように、R/W表示部95の時計充電画面における通信状態表示欄の評価表示が「悪い」状態となる。また、利用者がリーダ/ライタ装置9を適切な位置にかざし直すと、図10(b)、図10(d)に示すように、通信状態表示欄の評価表示が「良い」状態に更新される。
このようなR/W表示部95の表示を確認することで、利用者は、リーダ/ライタ装置9を通信が適切に行われる位置にかざしているか否かを随時目視にて確認することができる。
時計制御部11は、検出された充電電流及び充電電圧から二次電池81が満充電となった(充電電圧が二次電池81の上限電圧を超えた)ことを検出すると、充電スイッチ123をOFFとして、充電を停止させる。また、リーダ/ライタ装置9からの確認・問い合わせに対して、充電が完了した旨のレスポンスを行う。
そして、二次電池81の充電状態(充電量や充電時間等)について文字板5上の指針53の動きや光源57による照明等により表現している場合には、文字板5上において充電が完了した旨を表現する(例えば一定時間の光源57の点灯、又は充電中点滅していた光源57の消灯等)。
リーダ/ライタ装置9は、時計制御部11から充電完了の応答を受け取ると、時計充電画面において、充電が完了して旨を表示させる。
以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得られる他、以下の効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態では、リーダ/ライタ装置9側の電源によって時計本体101側の二次電池81の充電を行うことができる。このため、例えば日没後等、ソーラーパネル8による発電が行えないような状況下で時計100を使用したい場合に、リーダ/ライタ装置9を時計100にかざすだけで簡易に二次電池81の充電を行い、時計100を使用可能な状態とすることができる。
また、二次電池81の充電状態が時計本体101側の表示部である文字板5上において指針53等を用いて通知可能となっている。このため、充電状態や充電にかかる残り時間等を時計100の文字板5を見ることで容易に確認することができる。
また、時計本体101側とリーダ/ライタ装置9との間で双方向の通信を行うようになっている。これにより、時計本体101側において検出された充電状況等をリーダ/ライタ装置9にフィードバックすることができ、リーダ/ライタ装置9においてもR/W表示部95の表示画面上で充電状況等を確認することができる。
なお、二次電池81の充電や時刻設定(修正)は、リーダ/ライタ装置9側のアプリケーションによって行われるものに限定されない。例えば、リーダ/ライタ装置9を時計100側のNFCタグ70にかざしたときには、特にアプリケーションの起動や設定等を行わなくても自動的に二次電池81の充電や時刻設定(修正)が開始されるようにしてもよい。この場合にも、時計表示部(表示部)50やリーダ/ライタ装置9においてもR/W表示部95において二次電池81の充電状況や時刻設定(修正)される様子が随時表示されるようにすることが好ましい。
また、二次電池81の充電を、リーダ/ライタ装置9側のアプリケーションによって行う場合には、自動的に充電を開始する場合よりも大きな電力を時計100側に送ることで急速充電を可能とするように構成してもよい。
[第3の実施形態]
次に、図11(a)から図11(d)、図12(a)、図12(b)及び図13を参照しつつ、本発明に係る時計及び通信システムの第3の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、バーアンテナの数が第1の実施形態等と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態等と異なる点について説明する。
図11(a)は、本実施形態における時計100の正面図である。また、図11(b)は、時計100に対して右側からリーダ/ライタ装置9をかざした場合を示す平面図である。図11(c)は、時計100に対して下側からリーダ/ライタ装置9をかざした場合を示す平面図である。図11(d)は、時計100に対して左斜め下側からリーダ/ライタ装置9をかざした場合を示す平面図である。
また、図12(a)は、本実施形態におけるNFCタグ70の要部ブロック図である。図12(b)は、バーアンテナ7に入力される波形をデジタル化して出力する際の信号処理の説明図である。
本実施形態の時計100のNFCタグ70は、2つのバーアンテナ7(図12(a)において、NFC縦アンテナ7a,NFC横アンテナ7b)を備えている。
NFC縦アンテナ7a,NFC横アンテナ7bは、図11(a)に示すケース2内であって文字板5の下に、互いに直交するように配置されている。
図12(a)に示すように、本実施形態において、NFCタグ本体71の整流回路711にはダイオードブリッジが形成されている。これによりNFC縦アンテナ7a,NFC横アンテナ7bの磁界の向きが逆になっている場合でもそれぞれから出力される電力を加算することができる。
また、NFCタグ本体71の変復調回路712は、NFC縦アンテナ7a,NFC横アンテナ7bに対応して検波回路714a及び検波回路714bを備えている。また、変復調回路712には、加算器716、スライサ717が設けられている。
検波回路714a,714bは、変調後の搬送波(信号)から元のデータを取り出す「復調」を行う。本実施形態の検波回路714aは、NFC縦アンテナ7aによって受信された信号出力(これを検波波形Aという)を取り出し、検波回路714bは、NFC横アンテナ7bによって受信された信号出力(これを検波波形Bという)を取り出す。
また、加算器716は、検波回路714a及び検波回路714bから出力された検波波形A及び検波波形Bを加算して出力する。
スライサ717は、入力波形における一定電圧レベル以上、かつ一定電圧レベル以下の部分を取り出してデジタル化する回路である。
本実施形態では、NFC縦アンテナ7a,NFC横アンテナ7bから得られた検波波形A及び検波波形Bが図12(b)に示すようなものである場合に、検波波形A及び検波波形Bを加算することで、NFC縦アンテナ7a,NFC横アンテナ7bからの出力を最大限活用して大きな波形を得ることができる。
NFC縦アンテナ7a,NFC横アンテナ7bの磁界の発生の有無及び検波出力A及びBの電圧は、リーダ/ライタ装置9が時計100に近づく方向によって変化する。
図13は、リーダ/ライタ装置9が時計100に近づく方向と、NFC縦アンテナ7a,NFC横アンテナ7bの磁界発生の有無、検波出力電圧、加算器出力の関係を示す表である。
図13に示すように、例えば、図11(b)に示すように、リーダ/ライタ装置9が右側から時計100に近づいた場合には、NFC縦アンテナ7aは磁化せず、NFC縦アンテナ7aから生じる検波出力Aの電圧は0である。これに対して、NFC横アンテナ7bはリーダ/ライタ装置9が右側から時計100に近づいた場合には、NFC横アンテナ7bには磁界が発生し、検波出力Bの電圧はbとなる。その結果、加算器716の出力電圧はbとなる。
また、例えば、図11(c)に示すように、リーダ/ライタ装置9が下側から時計100に近づいた場合には、NFC縦アンテナ7aには磁界が発生し、検波出力Aの電圧はaとなる。これに対して、NFC横アンテナ7bは磁化せず、NFC横アンテナ7bから生じる検波出力Bの電圧は0である。その結果、加算器716の出力電圧はaとなる。
また、例えば、図11(d)に示すように、リーダ/ライタ装置9が左斜め下側から時計100に近づいた場合には、NFC縦アンテナ7a及びNFC横アンテナ7bにはそれぞれリーダ/ライタ装置9が縦または横から近づいた場合の半分程度の磁界が発生し、検波出力A及びBからは0.5a及び0.5b程度の電圧が出力されることとなる。その結果、加算器716の出力電圧は0.5a+0.5bとなる。
なお、その他の構成は、第1の実施形態等と同様であることから、同一部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
次に、本実施形態における時計及び通信システムの作用について説明する。
本実施形態では、時計100にリーダ/ライタ装置9をかざした場合に、NFC縦アンテナ7a,NFC横アンテナ7bからの出力信号から検波回路714a,714bにより検波波形A及び検波波形Bを取得する。
そして、加算器716により加算された波形は、スライサ717によってデジタル化され、ベースバンド処理部713において所定の信号処理が施されて時計制御部11に出力される。
また、NFC縦アンテナ7a,NFC横アンテナ7bから生じた電力はダイオードブリッジが形成された整流回路711において加算され、時計電源部12に送られて、二次電池81が充電される。
なお、その他の点については、第1の実施形態等と同様であることから、その説明を省略する。
以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得られる他、以下の効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態では、2つのバーアンテナ7(NFC縦アンテナ7a,NFC横アンテナ7b)を互いに直交するように配置している。
このため、どのような方向からリーダ/ライタ装置9がかざされても、少なくともいずれか一方のバーアンテナ7との間では通信が成立し、電力や信号の送受信が可能な状況となる。
これにより、時計100の外部からでは位置や向きの分からないバーアンテナ7に対して、特に方向を気にする必要がなく、簡易迅速に時計側のNFCタグ70とリーダ/ライタ装置9との間での通信を行うことができる。
なおリーダ/ライタ装置9のかざす方向はどの方向でもよいが、利用者の使いやすい方向(例えば8分割の方向)に事前設定させることにより、文字板5の表示はそれとは反対側で行うようにすればよい。
[第4の実施形態]
次に、図14(a)から図14(e)、図15、及び図16を参照しつつ、本発明に係る時計及び通信システムの第4の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、バーアンテナ7の数が第3の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第3の実施形態と異なる点について説明する。
第3の実施形態では、2つのバーアンテナ7(NFC縦アンテナ7a,NFC横アンテナ7b)を互いに直交するように配置する場合を例示したが、バーアンテナ7の数はこれに限定されない。
例えば、本実施形態では、図14(a)に示すように、文字板5の径の半分程度の長さを有するバーアンテナ7を文字板5上に4つ配置する場合を例として説明する。
図14(a)では、縦に2つのバーアンテナ7(NFC縦アンテナ7a,NFC縦アンテナ7c)を直列的に配置し、横に2つのバーアンテナ7(NFC横アンテナ7b,NFC横アンテナ7d)を直列的に配置して、4つのバーアンテナ7(バーアンテナ7a〜7d)が縦横にほぼ十字となるように配置する例を示している。
図15は、本実施形態におけるNFCタグ70の要部ブロック図である。本実施形態のように4つのバーアンテナ7(バーアンテナ7a〜7d)を設ける場合、変復調回路712には、4つの検波回路714a〜714dを設けて、各検波回路714a〜714dにより、それぞれNFC縦アンテナ7aによって受信された信号出力(これを検波波形Aという)を検波回路714aにより取り出し、NFC横アンテナ7bによって受信された信号出力(これを検波波形Bという)を検波回路714bにより取り出し、NFC縦アンテナ7cによって受信された信号出力(これを検波波形Cという)を検波回路714cにより取り出し、NFC横アンテナ7dによって受信された信号出力(これを検波波形Dという)を検波回路714dにより取り出す。
そして、加算器716が検波波形A〜Dの加算を行う。そして、加算された波形は、スライサによってデジタル化され、ベースバンド処理部において所定の信号処理が施されて時計制御部11に出力される。
また、各検波回路714a〜714dの出力は、方向判定器715に接続され、方向判定器715は入力された各検波出力A〜Dの電圧の有無に基づきリーダ/ライタ装置9が近づいてきた方向を判定し、その結果は方向判定出力として時計制御部11に出力される。
図16は、リーダ/ライタ装置9が時計100に近づく方向と、NFC縦アンテナ7a,NFC横アンテナ7b、NFC縦アンテナ7c、NFC横アンテナ7dの磁界発生の有無、各検波出力A〜Dの電圧、加算器出力、各検波電圧の有無及び方向判定出力の関係を示す表である。
図16に示すように、例えば、図14(b)に示すように、リーダ/ライタ装置9が右側から時計100に近づいた場合には、NFC縦アンテナ7aは磁化せず、NFC縦アンテナ7aから生じる検波出力Aは0である。また、NFC横アンテナ7bは磁界が発生し、検波出力Bにはbの電圧が発生する。また、NFC縦アンテナ7c及びNFC横アンテナ7dはともに磁化せず、NFC縦アンテナ7c及びNFC横アンテナ7dから生じる検波出力C,Dは0である。このため、加算器716からの出力は、bとなる。また、NFC縦アンテナ7a,NFC横アンテナ7b、NFC縦アンテナ7c、NFC横アンテナ7dからの検波出力A〜Dの電圧レベルの有無を方向判定器715で解析することで、リーダ/ライタ装置9が時計100に近づいた方向は右側であるとの判定がなされる。
また、例えば、図14(c)に示すように、リーダ/ライタ装置9が左側から時計100に近づいた場合には、NFC縦アンテナ7a、NFC横アンテナ7b及びNFC縦アンテナ7cから生じる検出出力A,B,Cは0である。これに対して、NFC横アンテナ7dから生じる検出出力Dにはdの電圧が発生する。このため、加減算器716からの出力は、dとなる。また、NFC縦アンテナ7a,NFC横アンテナ7b、NFC縦アンテナ7c、NFC横アンテナ7dからのこのような検波出力A〜Dの電圧レベルの有無を方向判定器715で解析することで、リーダ/ライタ装置9が時計100に近づいた方向は左側であるとの判定がなされる。
この場合、図14(d)及び図14(e)に示すように、リーダ/ライタ装置9が時計100に近づいた方向とは反対側(すなわち、図14(d)では左側、図14(e)では右側)は、文字板5がリーダ/ライタ装置9によって覆われておらず、利用者に目視可能な状態となっている。本実施形態では、第3の実施形態と同様にリーダ/ライタ装置9が時計100に近づく方向を限定する必要がなく、更にリーダ/ライタ装置9が時計100に近づいた方向を自動的に検出することができるため、リーダ/ライタ装置9が時計100に近づいた方向とは反対側の領域を利用して、指針53等により通信状態、充電状態等、時計100の状態を利用者に通知可能となっている。
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記各実施形態では、リーダ/ライタ装置9側から時計100側に時刻設定や二次電池81の充電等を行う場合を例示したが、リーダ/ライタ装置9のNFC R/W部90と時計100側のNFCタグ70との間での通信によってやり取りできる情報や信号はここに例示したものに限定されない。
例えば、時計100を識別する識別番号等をNFCタグ70からNFC R/W部90に送って時計100の機種や個体認証等を行うことができるようにしてもよい。
また、時計100が、歩数計や距離計、高度計、心拍数計等の機能を有している場合に、歩数計や距離計、高度計、心拍数計等としての計測結果を時計100内部に記憶、蓄積させておき、リーダ/ライタ装置9が時計100にかざされたときに、時計100内部に記憶、蓄積されていたこれらのデータ(履歴等)がリーダ/ライタ装置9の側に転送できるように構成してもよい。
この場合、データ量によってはデータの送受信に多少の時間を要することが考えられるが、文字板5のうちリーダ/ライタ装置9のかざされた側とは反対側の領域により通信状況やデータの転送状況等を通知させることにより、データの転送中に誤って通信が中断してしまう等を防止することができる。また、利用者にとってもどのくらいの間リーダ/ライタ装置9をかざしていればいいのか等の目安が分かり易い。
また、上記各実施形態では、時計100が指針53を備えるアナログ方式の時計である場合を例示したが、時計100はアナログ方式の時計に限定されない。
例えば、時刻やカレンダ情報等の各種情報を文字等により表示させる文字板(例えば、液晶表示部等)を備えるデジタル方式の時計でもよい。また、アナログ方式の表示部及びデジタル方式の表示部の両方を備える文字板を備える時計でもよい。
なお、時計がデジタル方式の表示部を備える場合にも、時計表示部(表示部)50は、文字板5のうちリーダ/ライタ装置9のかざされた側とは反対側の領域に文字等を表示させることにより、NFCタグ70とリーダ/ライタ装置9との通信状態を通知する。
また、上記各実施形態では、時計表示部(表示部)50が、指針53の動きや、日付表示の変化や、光源57の発光を制御することで通信状態を通知させる場合を例示したが、通信状態を通知させる手法は、これに限定されない。例えば時計100が各種機能を実現するディスク針やムーフェイス表示部等を備える場合、これらの表示部を用いて通信状態の通知を行ってもよい。
また、時計表示部(表示部)50が通信状態の通知を行うために指針53や光源57等を動作させる場合の電力は、時計100側の二次電池81から供給されてもよいし、リーダ/ライタ装置9側から供給される電力を用いてもよい。またアプリケーションによる設定等により、両者の電力を選択的又は重畳的に用いてもよい。
また、上記各実施形態では、時計100はバーアンテナ7を備えているとしたが、文字板5とほぼ平行に配置されていればバーアンテナ7以外のアンテナでも構わない。
さらに、上記各実施形態においては、受信信号の強度に基づいて、リーダ/ライタ装置9とNFCタグ70との間の通信状態を利用者等に通知する通信状態の通知処理を行う点や、二次電池の充電状態を通知する点について述べたが、利用者等に通知する内容はこれに限定されず、例えば、通信速度、エラーレート等について通知するようにしてもよい。
以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
ケースと、前記ケースの視認側に配置された文字板を含む表示部と、
前記ケース内かつ前記文字板の裏面側に前記文字板とほぼ平行に配置されたアンテナを含み、コイルを備えたリーダ/ライタ装置が、前記文字板の一部の上に重なるようにかざされることにより、前記リーダ/ライタ装置との間で通信可能に構成された通信部と、
前記文字板のうち前記リーダ/ライタ装置のかざされた側とは反対側の領域により、前記通信部と前記リーダ/ライタ装置との通信状態を通知させるように前記表示部の動作を制御する制御部と、
を備えていることを特徴とする時計。
<請求項2>
前記アンテナはバーアンテナであり、
前記ケースは導電性部材により形成され、前記文字板は非導電性部材により形成されており、
前記バーアンテナは2本設けられており、互いに直交するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の時計。
<請求項3>
前記アンテナはバーアンテナであり、
前記バーアンテナは3本以上設けられ、前記文字板の中心から放射状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の時計。
<請求項4>
前記表示部は、指針及び/又は日車を備え、
前記制御部は、前記指針の動き及び/又は前記日車による日付表示の変化を制御することにより前記通信状態を通知させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の時計。
<請求項5>
前記表示部は、前記文字板を照明する光源を備え、
前記制御部は、前記光源の発光を制御することにより前記通信状態を通知させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の時計。
<請求項6>
前記制御部は、前記文字板における0時から6時側の半分の範囲内において前記通信状態を通知させるように前記表示部の動作を制御することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の時計。
<請求項7>
二次電池を備え、
前記表示部は、前記二次電池の充電状態を通知可能となっていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の時計。
<請求項8>
前記文字板と前記アンテナとの間に配置され、前記アンテナの両端側の上部が切り欠かれた、又は、穴を開けられたソーラーパネルを備えていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の時計。
<請求項9>
前記ケースは、金属材料を含む枠体と、金属材料を含む裏蓋と、を備えていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の時計。
<請求項10>
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の時計と、
前記リーダ/ライタ装置と、
を備えていることを特徴とする通信システム。
5 文字板
7 バーアンテナ(アンテナ)
8 ソーラーパネル
9 リーダ/ライタ装置
11 時計制御部(制御部)
12 時計電源部
50 時計表示部(表示部)
53 指針
55 表示用駆動回路
56 指針駆動モータ
57 光源
70 NFCタグ(通信部)
71 NFCタグ本体
81 二次電池
90 NFC R/W部
92 アンテナコイル(コイル)
100 時計
101 時計本体
123 充電スイッチ
本発明は、電子装置に関し、特に無線通信機能を有する電子装置及び通信システムに関するものである。
前記課題を解決するために、本発明に係る電子装置は、
ケースと、前記ケースに配置された表示部と、
前記表示部の裏面側に配置されたアンテナを含み、リーダ/ライタ装置が、前記表示部の一部の上に重なるようにかざされることにより、前記リーダ/ライタ装置との間で通信を行う通信部と、
記通信部と前記リーダ/ライタ装置との通信状態を通知させるように前記表示部の動作を制御する制御部と、
を備えていることを特徴としている。
また、本発明に係る通信システムは、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子装置と、
前記リーダ/ライタ装置と、
を備えていることを特徴としている。

Claims (10)

  1. ケースと、前記ケースの視認側に配置された文字板を含む表示部と、
    前記ケース内かつ前記文字板の裏面側に前記文字板とほぼ平行に配置されたアンテナを含み、コイルを備えたリーダ/ライタ装置が、前記文字板の一部の上に重なるようにかざされることにより、前記リーダ/ライタ装置との間で通信可能に構成された通信部と、
    前記文字板のうち前記リーダ/ライタ装置のかざされた側とは反対側の領域により、前記通信部と前記リーダ/ライタ装置との通信状態を通知させるように前記表示部の動作を制御する制御部と、
    を備えていることを特徴とする時計。
  2. 前記アンテナはバーアンテナであり、
    前記ケースは導電性部材により形成され、前記文字板は非導電性部材により形成されており、
    前記バーアンテナは2本設けられており、互いに直交するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の時計。
  3. 前記アンテナはバーアンテナであり、
    前記バーアンテナは3本以上設けられ、前記文字板の中心から放射状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の時計。
  4. 前記表示部は、指針及び/又は日車を備え、
    前記制御部は、前記指針の動き及び/又は前記日車による日付表示の変化を制御することにより前記通信状態を通知させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の時計。
  5. 前記表示部は、前記文字板を照明する光源を備え、
    前記制御部は、前記光源の発光を制御することにより前記通信状態を通知させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の時計。
  6. 前記制御部は、前記文字板における0時から6時側の半分の範囲内において前記通信状態を通知させるように前記表示部の動作を制御することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の時計。
  7. 二次電池を備え、
    前記表示部は、前記二次電池の充電状態を通知可能となっていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の時計。
  8. 前記文字板と前記アンテナとの間に配置され、前記アンテナの両端側の上部が切り欠かれた、又は、穴を開けられたソーラーパネルを備えていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の時計。
  9. 前記ケースは、金属材料を含む枠体と、金属材料を含む裏蓋と、を備えていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の時計。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の時計と、
    前記リーダ/ライタ装置と、
    を備えていることを特徴とする通信システム。
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