JP2018066511A - ターボ冷凍機 - Google Patents

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寛一 平井
Kanichi Hirai
寛一 平井
昌樹 弘川
Masaki Hirokawa
昌樹 弘川
吉田 茂
Shigeru Yoshida
茂 吉田
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Abstract

【課題】ターボ圧縮機のサージングを防止しながら、効率的な運転を継続して行うことを可能としたターボ冷凍機を提供する。
【解決手段】ターボ圧縮機3の出側と膨張タービン4の入側とを接続する高圧ライン2aと、膨張タービン3の出側とターボ圧縮機4の入側とを接続する低圧ライン2bとの間で熱交換を行うことで、高圧ライン2aを流れる冷却ガスCGを常温よりも低い所定の低温まで冷却する主熱交換器6と、低圧ライン2b又は高圧ライン2aと冷媒循環ライン101との間で熱交換を行うことで、冷媒CLを冷却する副熱交換器7と、副熱交換器7において、低圧ライン2bと冷媒循環ライン101との間で熱交換を行う第1の冷却状態と、高圧ライン2aと冷媒循環ライン101との間で熱交換を行う第2の冷却状態とを切り替える冷却切替機構9とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ターボ冷凍機に関する。
高温超電導(HTS:High Temperature Superconducting)を利用した変圧器、送電ケーブル、モータなどのHTS機器がある。HTS機器では、超電導状態を維持するために65〜80K程度に冷却する必要がある。このため、最近では2〜10kW程度の冷凍能力を備えた冷却システム(冷凍機)が必要となっている。
HTS機器は、例えば液体窒素によって冷却される。この液体窒素は、サブクール状態で液体窒素循環装置によって循環される。また、液体窒素循環装置で循環される液体窒素は、冷凍機によって冷却される。
ここで、サブクール状態とは、液体温度がその飽和温度よりも低い状態のことを言う。例えば、大気圧下の液体窒素の場合、沸点(約77K)から凝固点(約63K)までの温度範囲にある液体窒素の状態のことを言う。なお、飽和温度とは、ある液体の圧力がその飽和蒸気圧と等しくなる温度のことを言う。
HTS機器で使用される冷凍機では、その大きさはもとより、冷却温度、冷凍能力、冷凍効率などの冷却性能が求められる。例えば、GM冷凍機又はスターリング冷凍機の冷凍能力(65〜80K、0.1〜0.6kW)では、HTS機器の冷却に対応することができない。また、数kW程度の冷凍能力を備えたGM冷凍機又はスターリング冷凍機を開発することは、冷凍機の内部に設けられた熱交換器に問題が生じ易く、非常に困難である。
HTS機器で使用される冷凍機としては、上述したGM冷凍機やスターリング冷凍機の他にも、ブレイトンサイクル冷凍機(Brayton Cycle Refrigerator)がある。例えば、HTS機器を冷却する冷媒(冷却液)として液体窒素を用い、この冷媒を冷却する冷却ガス(動作流体、作動流体)としてネオンガスを用いたブレイトンサイクル冷凍機が提案されている(例えば、下記特許文献1を参照。)。
ブレイトンサイクル冷凍機では、内部を循環するネオンガスと、液体窒素循環装置によって循環される液体窒素とが副熱交換器を介して熱交換することで、液体窒素をサブクール状態まで冷却している。
一方、冷却ガスとして、ネオンガスよりも安価なヘリウムガスを用いる場合がある。しかしながら、ヘリウムは、ネオンよりも分子量が小さい。このため、ターボ圧縮機や膨張タービンなどの回転機を用いるターボブレイトンサイクル冷凍機(以下、ターボ冷凍機という。)では、回転機の回転数が極端に高くなる。また、技術的な難易度が高く、回転機の信頼性も低下するといった懸念がある。このため、HTS機器を冷却するためのターボ冷凍機では、ヘリウムガスよりも高価なネオンガスが採用されている。
特開2015−187525号公報
ところで、上述したターボ冷凍機では、ターボ圧縮機で圧縮された冷却ガスを膨張タービンで断熱膨張させることによって寒冷を発生させる。膨張タービンには、ノズル(固定翼)が内蔵されている。ノズルは、通過する冷却ガスを膨張させながら、冷却ガスの圧力エネルギーを運動エネルギーに変換する役割を果たしている。
ここで、ノズルの入口圧力をP、入口温度をT、出口圧力をPとし、スロートと呼ばれるノズル翼間の最小断面積(ノズルスロート面積)をAとしたときに、ノズルを通過する冷却ガスの質量流量mは、下記式(1)で表される。
Figure 2018066511
なお、上記式(1)中における「Φ」は、ノズルの圧力比「P/P」と冷却ガスの物性値との関数である。上述したターボ冷凍機における膨張タービンの運転圧力比からすると、Φの変化は小さく、Φの値は概略一定と見なすことができる。また、ターボ冷凍機では、設計運転温度T(本例では77K)において必要となる冷却ガスの流量を確保できるように、膨張タービンのノズルスロート面積Aが設計される。
一方、この設計運転温度Tとは異なる温度(例えば常温の300K)では、上記式(1)からわかるように、入口温度Tが77Kから300Kとなる。このため、ノズルを通過できる冷却ガスの流量は、(77/300)1/2≒0.51となる。すなわち、常温での膨張タービンの流量は、約1/2まで減少することになる。したがって、膨張タービンの入口温度が設計点よりも高い状態では、所定の流量を膨張タービンで処理できなくなる。
ターボ圧縮機では、同一の回転数において流量と圧力比に一定の関係がある。さらに、流量が一定値以下になると、圧縮機の羽根車内での逆流によって、サージングと呼ばれる激しい圧力振動が発生してターボ圧縮機の運転継続が困難となる。
ここで、ターボ圧縮機の流量と圧力比との関係を模式化したグラフを図8に示す。図8に示すグラフでは、回転数を一定としたときに、それぞれの回転数に対して1本の曲線が描かれる。また、各回転数のサージングが発生する流量を繋げた線SLをサージラインと呼ぶ。
ターボ圧縮機では、このサージライン(SL)よりも右側の領域で運転する必要がある。このため、ターボ圧縮機は、サージングの発生を抑制するため、一定の流量を確保しながら運転を行う必要がある。
しかしながら、従来のターボ冷凍機では、設計とは異なる状態(常温起動など)のとき、ターボ圧縮機のサージングを防止できる十分な冷却ガスの流量を確保できなくなる。この対策として、ターボ圧縮機で圧縮された冷却ガスの一部を膨張タービンに供給することなく、再びターボ圧縮機に戻すバイパスラインと、このバイパスラインを開閉するバイパス弁とを設けることが行われている。
ターボ冷凍機では、このバイパス弁を開状態とし、膨張タービンでの処理量に加え、バイパスラインにおいて冷却ガスの流れを確保することによって、ターボ圧縮機にサージングが発生することを回避できる。一方、バイパス弁を開けた状態でターボ冷凍機を起動すると、時間の経過と共に膨張タービンの運転温度が低下して設計温度に近づくことで、膨張タービンの流量が設計流量に近づくため、バイパス弁を閉状態とすることができる。
ターボ冷凍機は、被冷却物の温度を一定に維持するために利用されるが、被冷却物からの熱負荷が冷凍能力を超えると、冷却ガスの温度が徐々に上昇する。これに伴って、膨張タービンの運転温度(膨張タービンの入口温度)も上昇し、膨張タービンの流量が減少する。この場合も、ターボ圧縮機でのサージングの発生が懸念される。
これを防止する方法としては、バイパス弁を開状態として、ターボ圧縮機の流量を確保する方法が考えられる。しかしながら、この方法では、ターボ圧縮機で生成した圧力エネルギーを寒冷の発生に寄与しないバイパスラインで消失させることになる。また、バイパス弁を開け過ぎると、ターボ圧縮機の流量が必要以上に増加し、ターボ圧縮機の動力が過大となってオーバーロードが発生する懸念がある。このため、ターボ冷凍機の効率的な運転の観点からは課題が残る。
一方、膨張タービンのノズルを冷却ガスの通過面積が変更できる構造として、冷却ガスの流量を確保すれば、バイパス弁を開ける必要がなくなる。しかしながら、この方法では、膨張タービンの内部構造が複雑となるため、故障などの信頼性の低下が懸念される。
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、ターボ圧縮機のサージングを防止しながら、効率的な運転を継続して行うことを可能としたターボ冷凍機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
(1) 被冷却物を冷却する冷媒が循環される冷媒循環ラインとの熱交換により、前記冷媒を冷却するターボ冷凍機であって、
前記冷媒を冷却する冷却ガスが循環される冷却ガス循環ラインと、
前記冷却ガス循環ラインに配置されて、前記冷却ガスを断熱圧縮させるターボ圧縮機と、
前記冷却ガス循環ラインに配置されて、前記冷却ガスを断熱膨張させる膨張タービンと、
前記冷却ガス循環ラインのうち、前記ターボ圧縮機の出側と前記膨張タービンの入側とを接続する高圧ラインと、前記膨張タービンの出側と前記ターボ圧縮機の入側とを接続する低圧ラインとの間で熱交換を行うことにより、前記高圧ラインを流れる冷却ガスを冷却する主熱交換器と、
前記低圧ライン又は前記高圧ラインと前記冷媒循環ラインとの間で熱交換を行うことにより、前記冷媒を冷却する副熱交換器と、
前記副熱交換器において、前記低圧ラインと前記冷媒循環ラインとの間で熱交換を行う第1の冷却状態と、前記高圧ラインと前記冷媒循環ラインとの間で熱交換を行う第2の冷却状態とを切り替える冷却切替機構とを備えることを特徴とするターボ冷凍機。
(2) 前記冷却切替機構は、前記冷却ガス循環ラインのうち、前記主熱交換器の前記高圧ラインの出側と前記副熱交換器の入側とを接続する第1の接続ラインと、前記副熱交換器の出側と前記主熱交換器の前記低圧ラインの入側とを接続する第2の接続ラインと、前記膨張タービンの入側と前記第1の接続ラインとを接続する第3の接続ラインと、前記膨張タービンの入側と前記第2の接続ラインとを接続する第4の接続ラインと、前記膨張タービンの出側と前記第1の接続ラインとを接続する第5の接続ラインと、前記膨張タービンの出側と前記第2の接続ラインとを接続する第6の接続ラインと、前記第1の接続ラインの前記第3の接続ラインと前記第5の接続ラインとの間に配置される第1の切替バルブと、前記第2の接続ラインの前記第4の接続ラインと前記第6の接続ラインとの間に配置される第2の切替バルブと、前記第3の接続ラインに配置される第3の切替バルブと、前記第4の接続ラインに配置される第4の切替バルブと、前記第5の接続ラインに配置される第5の切替バルブと、前記第6の接続ラインに配置される第6の切替バルブとを有して、
前記第1の冷却状態において、前記第2、第3及び第5の切替バルブを開状態とし、前記第1、第4及び第6の切替バルブを閉状態とすることによって、前記膨張タービンが前記副熱交換器の入側に接続された状態とし、
前記第2の冷却状態において、前記第2、第3及び第5の切替バルブを閉状態とし、前記第1、第4及び第6の切替バルブを開状態とすることによって、前記膨張タービンが前記副熱交換器の入側に接続された状態とすることを特徴とする前記(1)に記載のターボ冷凍機。
(3) 前記第1〜第6の切替バルブのうち、何れか隣接する切替バルブが三方弁により一体に構成されていることを特徴とする前記(2)に記載のターボ冷凍機。
(4) 前記冷却切替機構は、前記ターボ圧縮機においてサージング又はオーバーロードが発生しないように、前記第1の冷却状態と前記第2の冷却状態とを切り替える制御を行うことを特徴とする前記(1)〜(3)の何れか一項に記載のターボ冷凍機。
(5) 前記膨張タービンに流入する冷却ガスの温度を測定する温度測定部を有し、
前記冷却切替機構は、前記温度測定部により測定される冷却ガスの温度が所定の温度以上となったときに、前記第1の冷却状態から前記第2の冷却状態へと切り替える制御を行い、前記温度測定部により測定される冷却ガスの温度が前記所定の温度まで低下したときに、前記第2の冷却状態から前記第1の冷却状態へと切り替える制御を行うことを特徴とする前記(4)に記載のターボ冷凍機。
(6) 前記ターボ圧縮機から流出する冷却ガスの流量を測定する流量測定部を有し、
前記冷却切替機構は、前記流量測定部により測定される冷却ガスの流量が所定の流量以下となったときに、前記第1の冷却状態から前記第2の冷却状態へと切り替える制御を行い、前記流量測定部により測定される冷却ガスの流量が前記所定の流量まで上昇したときに、前記第2の冷却状態から前記第1の冷却状態へと切り替える制御を行うことを特徴とする前記(4)に記載のターボ冷凍機。
(7) 前記冷却切替機構は、前記第1の冷却状態から、前記第6の切替バルブを開状態とする第1の操作と、前記第2及び第5の切替バルブを閉状態とする第2の操作と、前記第1及び第4の切替バルブを開状態とする第3の操作と、前記第3の切替バルブを閉状態とする第4の操作とを、この順で行うことで、前記第2の冷却状態へと切り替え、前記第2の冷却状態から、前記第3の切替バルブを開状態とする第4の逆の操作と、前記第1及び第4の切替バルブを閉状態とする第3の逆の操作と、前記第2及び第5の切替バルブを開状態とする第2の逆の操作と、前記第6の切替バルブを閉状態とする第1の逆の操作とを、この順で行うことで、前記第1の冷却状態へと切り替えることを特徴とする前記(5)又は(6)に記載のターボ冷凍機。
(8) 前記冷却切替機構は、前記各切替バルブの開閉状態を検出する開閉検出部を有し、
前記第1〜第4の操作のうち、前の操作が完了したことを前記開閉検出部が検出した後に、次に操作を行うことを特徴とする前記(7)に記載のターボ冷凍機。
(9) 前記被冷却物が高温超電導機器であり、前記冷媒として液体窒素を用い、前記冷却ガスとしてネオンガス、又は、ネオンガスとヘリウムガスとの混合ガスを用いることを特徴とする前記(1)〜(8)の何れか一項に記載のターボ冷凍機。
以上のように、本発明によれば、ターボ圧縮機のサージングを防止しながら、効率的な運転を継続して行うことを可能としたターボ冷凍機を提供することが可能である。
本発明の第1の実施形態に係るターボ冷凍機の一構成例を示す系統図である。 図1に示すターボ冷凍機において、第1の冷却状態を示す系統図である。 図1に示すターボ冷凍機において、第2の冷却状態を示す系統図である。 図1に示すターボ冷凍機において、第1の冷却状態と第2の冷却状態との切り替えの際に各切替バルブの開閉状態を示すタイミングチャートである。 本発明の第2の実施形態に係るターボ冷凍機の一構成例を示す系統図である。 本発明の第3の実施形態に係るターボ冷凍機の一構成例を示す系統図である。 本発明の第4の実施形態に係るターボ冷凍機の一構成例を示す系統図である。 ターボ圧縮機の流量と圧力比との関係を模式化したグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態として、例えば図1に示すターボ冷凍機1について説明する。なお、図1は、ターボ冷凍機1の概略構成を示す系統図である。
本実施形態のターボ冷凍機1は、図1に示すように、被冷却物である高温超電導(HTS)機器100を冷却する冷媒CLとして液体窒素を用い、冷媒CLを冷却する冷却ガスCGとしてネオンガスを用いたブレイトンサイクル冷凍機である。なお、冷却ガスCGについては、窒素よりも沸点が低いガスであればよく、上述したネオンガスの他にも、ネオンガスとヘリウムガスとの混合ガス等を用いることができる。
HTS機器100としては、例えば40〜77Kの範囲内で使用される変圧器や送電ケーブル、モータなどの超電導電力機器を挙げることができる。冷媒CLは、冷媒循環ライン101内を液体窒素循環装置102により循環されながら、サブクール状態で高温超電導機器HTSを冷却する。なお、HTS機器100、冷媒循環ライン101及び液体窒素循環装置102については、ターボ冷凍機1の構成要素ではないことから、図1中において破線で示すものとする。
ターボ冷凍機1の冷却ガスCGは、後述する副熱交換器7において冷媒循環ライン101と熱交換することにより冷媒CLを冷却する。具体的に、このターボ冷凍機1は、冷却ガスCGが循環される冷却ガス循環ライン2と、この冷却ガス循環ライン2に配置されたターボ圧縮機3及び膨張タービン4とを備えている。
冷却ガス循環ライン2は、ターボ圧縮機3の出側と膨張タービン4の入側とを接続する高圧ライン2aと、膨張タービン4の出側とターボ圧縮機3の入側とを接続する低圧ライン2bとを有している。
また、ターボ冷凍機1は、高圧ライン2aと低圧ライン2bとの間で熱交換を行う主熱交換器6と、低圧ライン2b又は高圧ライン2aと冷媒循環ライン101との間で熱交換を行う副熱交換器7とを備えている。
ターボ圧縮機3は、低圧ライン2bから供給された冷却ガスCGを断熱圧縮(昇圧)させる。これにより、高圧(例えば0.5〜3MPa)とされた冷却ガスCGは、高圧ライン2aを介して膨張タービン4に供給される。
ターボ圧縮機3と主熱交換器6との間の高圧ライン2aには、アフタークーラー5が配置されている。このアフタークーラー5は、ターボ圧縮機3により圧縮されて高温となった冷却ガスCGを常温(例えば5〜35℃)となるように冷却する。常温まで冷却された冷却ガスCGは、主熱交換器6で更に冷却され、高圧ライン2aを介して膨張タービン4に供給される。
膨張タービン4は、高圧ライン2aから供給された冷却ガスCGを断熱膨張させる。これにより、低圧(例えば0.25〜1MPa)且つ低温(例えば40〜77K)とされた冷却ガスCGは、低圧ライン2bを介してターボ圧縮機3に供給される。
ターボ圧縮機3と主熱交換器6との間の高圧ライン2aと、ターボ圧縮機3と主熱交換器6との間の低圧ライン2bとの間には、ターボ圧縮機3で圧縮された冷却ガスCGの一部を膨張タービン4に供給することなく、再びターボ圧縮機3に戻すバイパスライン2cと、このバイパスライン2cを開閉するバイパス弁8とが設けられている。
主熱交換器6は、アフタークーラー5の出側の高圧ライン2aと、ターボ圧縮機3の入側の低圧ライン2bとの間に挿入されて、膨張タービン4で発生される冷熱を回収する。これにより、高圧ライン2aを流れる冷却ガスCGを常温よりも低い所定の低温(例えば83K以下)まで冷却する。
副熱交換器7は、冷媒循環ライン101と、低圧ライン2b又は高圧ライン2aとの間に挿入されて、冷媒CLをサブクール状態まで冷却する。副熱交換器7には、冷媒CLを効率良くサブクール状態とするため、プレートフィン熱交換器を用いることが好ましい。また、プレートフィン熱交換器を用いた場合、小型化が可能である。
ところで、本実施形態のターボ冷凍機1では、副熱交換器7において、膨張タービン4の出側の低圧ライン2bと冷媒循環ライン101との間で熱交換を行う第1の冷却状態(図2を参照。)と、膨張タービン4に冷却ガスCGが流入する前の高圧ライン2aと冷媒循環ライン101との間で熱交換を行う第2の冷却状態(図3を参照。)とを切り替える第1〜第6の接続ライン2c〜2i及び第1〜第6の切替バルブ10a〜10fを含む冷却切替機構9(図1を参照。)を備えている。
具体的に、この冷却切替機構9は、冷却ガス循環ライン2のうち、主熱交換器6の高圧ライン2aの出側と副熱交換器7の入側とを接続する第1の接続ライン2dと、副熱交換器7の出側と主熱交換器6の低圧ライン2bの入側とを接続する第2の接続ライン2eと、膨張タービン4の入側と第1の接続ライン2dとを接続する第3の接続ライン2fと、膨張タービン4の入側と第2の接続ライン2eとを接続する第4の接続ライン2gと、膨張タービン4の出側と第1の接続ライン2dとを接続する第5の接続ライン2hと、膨張タービン4の出側と第2の接続ライン2eとを接続する第6の接続ライン2iとを有している。なお、第3及び第4の接続ライン2f,2gは、互いに接続されて共通のラインとして膨張タービン4の入側に接続されている。同様に、第5及び第6の接続ライン2h,2iは、互いに接続されて共通のラインとして膨張タービン4の出側に接続されている。
また、冷却切替機構9は、第1の接続ライン2dの第3の接続ライン2fと第5の接続ライン2hとの間に配置される第1の切替バルブ10aと、第2の接続ライン2eの第4の接続ライン2gと第6の接続ライン2iとの間に配置される第2の切替バルブ10bと、第3の接続ライン2fに配置される第3の切替バルブ10cと、第4の接続ライン2gに配置される第4の切替バルブ10dと、第5の接続ライン2hに配置される第5の切替バルブ10eと、第6の接続ライン2iに配置される第6の切替バルブ10fとを有している。
冷却切替機構9では、第2、第3及び第5の切替バルブ10b,10c,10eを「開」状態とし、第1、第4及び第6の切替バルブ10a,10d,10fを「閉」状態とすることによって、膨張タービン4が副熱交換器7の上流側に接続された状態(以下、第1の冷却状態という。)とすることができる。
一方、冷却切替機構9では、第2、第3及び第5の切替バルブ10b,10c,10eを「閉」状態とし、第1、第4及び第6の切替バルブ10a,10d,10fを「開」状態とすることによって、膨張タービン4が副熱交換器7の下流側に接続された状態(以下、第2の冷却状態という。)とすることができる。
ここで、ターボ冷凍機1が第1の冷却状態となるときの系統図を図2に示し、ターボ冷凍機1が第2の冷却状態となるときの系統図を図3に示す。なお、図2,3の温度分布は、HTS機器を70Kまで冷却する場合を示している。また、図2,3中の( )内には、HTS機器を75Kまで冷却する場合の各位置での温度を示している。
図2に示すように、ターボ冷凍機1が第1の冷却状態となるとき、主熱交換器6で低温とされた冷却ガスCGは、膨張タービン4で断熱膨張することによって温度が低下する。その後、副熱交換器7で冷媒CLを冷却することによって温度が上昇する。そして、主熱交換器6で冷熱が回収されることによって常温へと戻される。
一方、図3に示すように、ターボ冷凍機1が第2の冷却状態となるとき、主熱交換器6で低温とされた冷却ガスCGは、副熱交換器7で冷媒CLを冷却することによって温度が上昇する。その後、膨張タービン4で断熱膨張することによって温度が低下する。そして、主熱交換器6で冷熱が回収されることによって常温へと戻される。
HTS機器を70Kまで冷却する場合、第1の冷却状態における膨張タービン4の運転温度(入口温度)は、図2に示す温度分布から77Kとなる。一方、第2の冷却状態における膨張タービン4の運転温度(入口温度)は、図3に示す温度分布から72Kとなる。したがって、第2の冷却状態に比べて第1の冷却状態では膨張タービン4の運転温度は5Kだけ高くなる。
一方、ターボ冷凍機1の冷凍効率は、熱力学的関係から検討すると、第2の冷却状態に比べて第1の冷却状態の方が高くなる傾向にある。したがって、ターボ冷凍機1では、通常の運転を第1の冷却状態とすることが効率的な運転を継続する上で好ましい。
これに対して、上述した設計よりもHTS機器100の熱負荷が増大して、ターボ冷凍機1の運転温度が上昇した場合には、膨張タービン4の運転温度が設計温度よりも高くなり、膨張タービン4自体の効率低下の原因となる。
この場合、第1の冷却状態から第2の冷却状態に切り替えることで、膨張タービン4の運転温度を第1の冷却状態よりも低くすることができる。すなわち、冷媒CLの温度が上昇した場合にも、膨張タービン4自体の効率の低下を防ぐことによって、ターボ冷凍機1全体の効率低下を最小限とできる効果が期待できる。また、所定の冷却ガスCGの流量を確保することによって、ターボ圧縮機3のサージングを防止も期待できる。
そこで、本実施形態のターボ冷凍機1では、ターボ圧縮機3においてサージング又はオーバーロードが発生しないように、第1の冷却状態と第2の冷却状態とを切り替える制御を行う。具体的には、このターボ冷凍機1の運転温度が設計温度に近い状態(通常運転)では、第1の冷却状態とする。一方、熱負荷の増大により運転温度が上昇した場合には、第1の冷却状態から第2の冷却状態へと切り替える制御を行う。その後、冷凍機1の運転温度が所定の温度(設計温度)まで低下した場合には、第2の冷却状態から第1の冷却状態へと切り替える制御を行う。
本実施形態のターボ冷凍機1は、このような切替制御を適切に行うため、膨張タービン4に流入する冷却ガスCGの温度(入口温度)を測定する温度測定部11と、この温度測定部11により測定される膨張タービン4の入口温度に基づいて、第1の冷却状態と第2の冷却状態とを切り替える制御部12とを備えている。
温度測定部11は、例えばデータロガーなどの温度計を用いて、第3及び第4の接続ライン2f,2gが接続された共通のラインを流れる冷却ガスCGの温度を測定する。
制御部12は、第1〜第6の切替バルブ10a〜10f及び温度測定部11と電気的に接続されている。制御部12は、温度測定部11により測定された膨張タービン4の入口温度に基づいて、各切替バルブ10a〜10fの開閉を切り替えながら、上述した第1の冷却状態又は第2の冷却状態とするための制御を行う。
ここで、ターボ冷凍機1において、第1の冷却状態と第2の冷却状態との切り替えの際に各切替バルブ10a〜10fの具体的な操作について、図4を参照して説明する。なお、図4は、第1の冷却状態と第2の冷却状態との切り替えの際に各切替バルブ10a〜10fの開閉状態を示すタイミングチャートである。
ターボ冷凍機1では、第1の冷却状態のとき、第2、第3及び第5の切替バルブ10b,10c,10eが「開」状態となり、第1、第4及び第6の切替バルブ10a,10d,10fが「閉」状態となっている。
この状態から、先ず、第6の切替バルブ10fを「開」状態とする操作(以下、第1の操作という。)を行う。このとき、膨張タービン4の出側から第6の接続ライン2iを通じて、冷却ガスCGの一部が第2の切替バルブ10bの下流側へと流れる。これにより、第1の操作を行った後も、ターボ圧縮機3及び膨張タービン4の処理量は変わらないため、これらターボ圧縮機3及び膨張タービン4の運転状態を一定とすることができる。
次に、第6の切替バルブ10fが完全に「開」状態となったことを確認した後に、第2及び第5の切替バルブ10b,10eを「閉」状態とする操作(以下、第2の操作という。)を行う。このとき、膨張タービン4の出側から第6の接続ライン2iを通じて、冷却ガスCGが第6の切替バルブ10fの下流側へと向かう流れが確保されているため、ターボ圧縮機3及び膨張タービン4の運転状態を一定とすることができる。
次に、第2及び第5の切替バルブ10b,10eが完全に「閉」状態となったことを確認した後に、第1及び第4の切替バルブ10a,10dを「開」状態とする操作(以下、第3の操作という。)を行う。このとき、ターボ圧縮機3の出側から第1の接続ライン2d、副熱交換器7、第2の接続ライン2e及び第4の接続ライン2gを通じて、冷却ガスCGの一部が膨張タービン4の入側へと導入される。これにより、副熱交換器7の冷却ガス循環ライン2を高圧状態に充圧することができる。
次に、第1及び第4の切替バルブ10a,10dが完全に「開」状態となったことを確認した後に、第3の切替バルブ10cを「閉」状態とする操作(以下、第4の操作という。)を行う。このとき、ターボ圧縮機3の出側から第1の接続ライン2d、副熱交換器7、第2の接続ライン2e及び第4の接続ライン2gを通じて、冷却ガスCGが膨張タービン4の入側へと向かう流れが確保されているため、ターボ圧縮機3及び膨張タービン4の運転状態を一定とすることができる。
以上のような第1〜第4の操作を経ることによって、ターボ冷凍機1を第1の冷却状態から第2の冷却状態へと切り替えることが可能である。
一方、ターボ冷凍機1を第2の冷却状態から第1の冷却状態へと切り替える際は、上述した第1〜第4の操作とは逆の操作を行えばよい。
すなわち、ターボ冷凍機1では、第2の冷却状態のとき、第2、第3及び第5の切替バルブ10b,10c,10eが「閉」状態となり、第1、第4及び第6の切替バルブ10a,10d,10fが「開」状態となっている。
この状態から、先ず、第3の切替バルブ10cを「開」状態とする操作(以下、第4の逆の操作という。)を行う。このとき、ターボ圧縮機3の出側から第3の接続ライン2fを通じて、冷却ガスCGの一部が膨張タービン4の入側へと導入される経路が確保される。
次に、第3の切替バルブ10cが完全に「開」状態となったことを確認した後に、第1及び第4の切替バルブ10a,10dを「閉」状態とする操作(以下、第3の逆の操作という。)を行う。このとき、ターボ圧縮機3の出側から第3の接続ライン2fを通じて、冷却ガスCGが膨張タービン4の入側へと導入され、この膨張タービン4の出側から第6の接続ライン2iを通じて、冷却ガスCGがターボ圧縮機3の入側へと導入される。
次に、第1及び第4の切替バルブ10a,10dが完全に「閉」状態となったことを確認した後に、第2の切替バルブ10b及び第5の切替バルブ10eを「開」状態とする操作(以下、第2の逆の操作という。)を行う。このとき、第2の切替バルブ10bを「開」状態とする操作を先に行う。これにより、高圧であった第5の接続ライン2h、副熱交換器7及び第2の接続ライン2eの間が低圧となる。そして、この部分が低圧となった後に、第5の切替バルブ10eを「開」状態とする操作を行う。これにより、膨張タービン4の出側から第5の接続ライン2h、副熱交換器7及び第2の接続ライン2eを通じて、冷却ガスCGの一部がターボ圧縮機3の入側へと導入される。
次に、第2及び第5の切替バルブ10b,10eが完全に「開」状態となったことを確認した後に、第6の切替バルブ10fを「閉」状態とする操作(以下、第1の逆の操作という。)を行う。このとき、膨張タービン4の出側から第5の接続ライン2h、副熱交換器7及び第2の接続ライン2eを通じて、冷却ガスCGがターボ圧縮機3の入側へと向かう流れが確保されているため、ターボ圧縮機3及び膨張タービン4の運転状態を一定とすることができる。
以上のような第4〜第1の逆の操作を経ることによって、ターボ冷凍機1を第2の冷却状態から第1の冷却状態へと切り替えることが可能である。
ところで、上記冷却切替機構9では、上述した第1〜第4の操作(又は第4〜第1の逆の操作)のうち、前の操作が完了する前に、次の操作が開始されると、冷却ガスCGの流路が確保されずに、ターボ圧縮機3の流量が減少してしまい、サージングを引き起こす可能性がある。
そこで、本実施形態のターボ冷凍機1では、上述した第1〜第4の操作(又は第4〜第1の逆の操作)を確実に行うため、例えば、各切替バルブ10a〜10fの開閉状態を検出する開閉検出部(図示せず。)を設けた構成としてもよい。開閉検出部としては、各切替バルブ10a〜10fのリミットスイッチなどを用いることができる。
これにより、上述した第1〜第4の操作(又は第4〜第1の逆の操作)のうち、前の操作が完了したことを開閉検出部が検出した後に、次の操作を行うことで、第1の冷却状態から第2の冷却状態へと(又は第2の冷却状態から第1の冷却状態へと)確実に切り替えることが可能である。
また、上記冷却切替機構9では、上述した第1〜第4の操作(又は第4〜第1の逆の操作)のうち、前の操作が完了してから一定の時間(図4中に示すΔT1〜ΔT10)が経過した後に、次の操作を行うようにしてもよい。この場合も、第1の冷却状態から第2の冷却状態へと(又は第2の冷却状態から第1の冷却状態へと)確実に切り替えることが可能である。
以上のように、本実施形態のターボ冷凍機1では、上述した膨張タービン4の入口温度の変化に応じて、第1の冷却状態と第2の冷却状態とを切り替えることで、ターボ圧縮機3のサージングを防止しながら、効率的な運転を継続して行うことが可能であり、より広範囲な温度への対応も可能となる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態として、例えば図5に示すターボ冷凍機1Aについて説明する。なお、図5は、ターボ冷凍機1Aの概略構成を示す系統図である。また、以下の説明では、図1に示すターボ冷凍機1と同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
本実施形態のターボ冷凍機1Aは、図5に示すように、上記温度測定部11の代わりに、ターボ圧縮機3から流出する冷却ガスCGの流量を測定する流量測定部13を設けた構成である。それ以外は、上記ターボ冷凍機1と基本的に同様の構成を有している。
流量測定部13は、ターボ圧縮機3の出側の高圧ライン2aに流量計を配置し、ターボ圧縮機3から流出する冷却ガスCGの流量(出口流量)を測定する。流量計は、制御部12と電気的に接続されている。
制御部12は、流量測定部13により測定される冷却ガスCGの出口流量に基づいて、各切替バルブ10a〜10fの開閉を切り替えながら、上述した第1の冷却状態又は第2の冷却状態とするための制御を行う。
具体的には、ターボ圧縮機3の出口流量が設計流量に近い状態(通常運転)では、第1の冷却状態とする。一方、熱負荷の増大によりターボ圧縮機3の出口流量が所定の流量(設計流量)以下となったときに、ターボ圧縮機3においてサージングが発生しないように、上述した第1の冷却状態から第2の冷却状態へと切り替える制御を行う。その後、熱負荷の減少によりターボ圧縮機3の出口流量が設計流量まで上昇、或いは、これを上回ってオーバーロードが発生する流量付近まで上昇した場合には、第2の冷却状態から第1の冷却状態へと切り替える制御を行う。
以上のように、本実施形態のターボ冷凍機1Aでは、上述したターボ圧縮機3の出口流量の変化に応じて、第1の冷却状態と第2の冷却状態とを切り替えることで、ターボ圧縮機3のサージング又はオーバーロードを防止しながら、効率的な運転を継続して行うことが可能であり、より広範囲な温度への対応も可能となる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態として、例えば図6に示すターボ冷凍機1Bについて説明する。なお、図6は、ターボ冷凍機1Bの概略構成を示す系統図である。また、以下の説明では、図1に示すターボ冷凍機1と同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
本実施形態として図6に示すターボ冷凍機1Bは、上記冷却切替機構9の代わりに、冷却切替機構9Aを備える以外は、上記ターボ冷凍機1と基本的に同様の構成を有している。
冷却切替機構9Aでは、上記第1〜第6の切替バルブ10a〜10fのうち、第3及び第4の切替バルブ10c,10dが第1の三方弁14aにより一体に構成され、第5及び第6の切替バルブ10e,10fが第2の三方弁14bにより一体に構成されている。
本実施形態のターボ冷凍機1Cでは、これら第1の三方弁14a及び第2の三方弁14bを用いることによって、第1〜第6の切替バルブ10a〜10fを構成する切替バルブの数を減らしながら、上述した第1の冷却状態と第2の冷却状態とを切り替える冷却切替機構9Aを構成することが可能である。
また、上記ターボ冷凍機1Bが備える冷却切替機構9Aは、何れも上記ターボ冷凍機1Aが備える冷却切替機構9と置換することが可能である。
以上のように、本実施形態のターボ冷凍機1Bでは、何れも上記ターボ冷凍機1,1Aと同様に、上述した膨張タービン4の入口温度やターボ圧縮機3の出口流量の変化に応じて、第1の冷却状態と第2の冷却状態とを切り替えることで、ターボ圧縮機3のサージングを防止しながら、効率的な運転を継続して行うことが可能であり、より広範囲な温度への対応も可能となる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態として、例えば図7に示すターボ冷凍機1Cについて説明する。なお、図7は、ターボ冷凍機1Cの概略構成を示す系統図である。また、以下の説明では、図1に示すターボ冷凍機1と同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
本実施形態のターボ冷凍機1Cは、上記冷却切替機構9の代わりに、冷却切替機構9Bを備える以外は、上記ターボ冷凍機1と基本的に同様の構成を有している。
冷却切替機構9Bでは、上記第1〜第6の切替バルブ10a〜10fのうち、第1及び第3の切替バルブ10a,10cが第3の三方弁14cにより一体に構成され、第5及び第6の切替バルブ10e,10fが第4の三方弁14dにより一体に構成されている。
本実施形態のターボ冷凍機1Cでは、これら第3の三方弁14c及び第4の三方弁14dを用いることによって、第1〜第6の切替バルブ10a〜10fを構成する切替バルブの数を減らしながら、上述した第1の冷却状態と第2の冷却状態とを切り替える冷却切替機構9Bを構成することが可能である。
また、上記ターボ冷凍機1Cが備える冷却切替機構9Bは、何れも上記ターボ冷凍機1Aが備える冷却切替機構9と置換することが可能である。
以上のように、本実施形態のターボ冷凍機1Cでは、何れも上記ターボ冷凍機1,1Aと同様に、上述した膨張タービン4の入口温度やターボ圧縮機3の出口流量の変化に応じて、第1の冷却状態と第2の冷却状態とを切り替えることで、ターボ圧縮機3のサージングを防止しながら、効率的な運転を継続して行うことが可能であり、より広範囲な温度への対応も可能となる。
なお、上記第3及び第4の実施形態に示すターボ冷凍機1B,1Cは、第1〜第6の切替バルブ10a〜10fのうち、何れか隣接する切替バルブが三方弁により一体化された構成を例示したものである。
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記本実施形態では、上記冷却切替機構9,9A,9Bにおいて、各切替バルブ10a〜10f(第1〜第4の三方弁14a〜14d)の切替制御を自動で行っているが、上述した温度計や流量計の表示に基づいて、各切替バルブ10a〜10f(第1〜第4の三方弁14a〜14d)の切り替えを手動で行うことも可能である。
また、上記実施形態では、HTS機器100を冷却する冷媒として、液体窒素を用いる場合を例示しているが、液体窒素に必ずしも限定されるものではない。すなわち、冷媒に求められる要件は、HTS機器100を冷却する温度において固化しないことであり、例えば、ガス状態又は液体状態のネオン、ヘリウム、水素又はこれらの混合物を用いることも可能である。
また、本発明は、上述した被冷却物である高温超電導(HTS)機器を冷却するターボ冷凍機に好適に用いることができるが、被冷却物については特に限定されるものではなく、本発明が実施可能なターボ冷凍機に対して本発明を幅広く適用することが可能である。
1,1A〜1C…ターボ圧縮機 2…冷却ガス循環ライン 2a…高圧ライン 2b…低圧ライン 2c…バイパスライン 2d〜2i…第1〜第6の接続ライン 3…ターボ圧縮機 4…膨張タービン 5…アフタークーラー 6…主熱交換器 7…副熱交換器 8…バイパス弁 9,9A,9B…冷却切替機構 10a〜10f…第1〜第6の切替バルブ 11…温度測定部 12…制御部 13…流量測定部 14a〜14d…第1〜第4の三方弁 100…高温超電導(HTS)機器(被冷却物) 101…冷媒循環ライン 102…液体窒素循環装置 CL…冷媒 CG…冷却ガス

Claims (9)

  1. 被冷却物を冷却する冷媒が循環される冷媒循環ラインとの熱交換により、前記冷媒を冷却するターボ冷凍機であって、
    前記冷媒を冷却する冷却ガスが循環される冷却ガス循環ラインと、
    前記冷却ガス循環ラインに配置されて、前記冷却ガスを断熱圧縮させるターボ圧縮機と、
    前記冷却ガス循環ラインに配置されて、前記冷却ガスを断熱膨張させる膨張タービンと、
    前記冷却ガス循環ラインのうち、前記ターボ圧縮機の出側と前記膨張タービンの入側とを接続する高圧ラインと、前記膨張タービンの出側と前記ターボ圧縮機の入側とを接続する低圧ラインとの間で熱交換を行うことにより、前記高圧ラインを流れる冷却ガスを冷却する主熱交換器と、
    前記低圧ライン又は前記高圧ラインと前記冷媒循環ラインとの間で熱交換を行うことにより、前記冷媒を冷却する副熱交換器と、
    前記副熱交換器において、前記低圧ラインと前記冷媒循環ラインとの間で熱交換を行う第1の冷却状態と、前記高圧ラインと前記冷媒循環ラインとの間で熱交換を行う第2の冷却状態とを切り替える冷却切替機構とを備えることを特徴とするターボ冷凍機。
  2. 前記冷却切替機構は、前記冷却ガス循環ラインのうち、前記主熱交換器の前記高圧ラインの出側と前記副熱交換器の入側とを接続する第1の接続ラインと、前記副熱交換器の出側と前記主熱交換器の前記低圧ラインの入側とを接続する第2の接続ラインと、前記膨張タービンの入側と前記第1の接続ラインとを接続する第3の接続ラインと、前記膨張タービンの入側と前記第2の接続ラインとを接続する第4の接続ラインと、前記膨張タービンの出側と前記第1の接続ラインとを接続する第5の接続ラインと、前記膨張タービンの出側と前記第2の接続ラインとを接続する第6の接続ラインと、前記第1の接続ラインの前記第3の接続ラインと前記第5の接続ラインとの間に配置される第1の切替バルブと、前記第2の接続ラインの前記第4の接続ラインと前記第6の接続ラインとの間に配置される第2の切替バルブと、前記第3の接続ラインに配置される第3の切替バルブと、前記第4の接続ラインに配置される第4の切替バルブと、前記第5の接続ラインに配置される第5の切替バルブと、前記第6の接続ラインに配置される第6の切替バルブとを有して、
    前記第1の冷却状態において、前記第2、第3及び第5の切替バルブを開状態とし、前記第1、第4及び第6の切替バルブを閉状態とすることによって、前記膨張タービンが前記副熱交換器の入側に接続された状態とし、
    前記第2の冷却状態において、前記第2、第3及び第5の切替バルブを閉状態とし、前記第1、第4及び第6の切替バルブを開状態とすることによって、前記膨張タービンが前記副熱交換器の入側に接続された状態とすることを特徴とする請求項1に記載のターボ冷凍機。
  3. 前記第1〜第6の切替バルブのうち、何れか隣接する切替バルブが三方弁により一体に構成されていることを特徴とする請求項2に記載のターボ冷凍機。
  4. 前記冷却切替機構は、前記ターボ圧縮機においてサージング又はオーバーロードが発生しないように、前記第1の冷却状態と前記第2の冷却状態とを切り替える制御を行うことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のターボ冷凍機。
  5. 前記膨張タービンに流入する冷却ガスの温度を測定する温度測定部を有し、
    前記冷却切替機構は、前記温度測定部により測定される冷却ガスの温度が所定の温度以上となったときに、前記第1の冷却状態から前記第2の冷却状態へと切り替える制御を行い、前記温度測定部により測定される冷却ガスの温度が前記所定の温度まで低下したときに、前記第2の冷却状態から前記第1の冷却状態へと切り替える制御を行うことを特徴とする請求項4に記載のターボ冷凍機。
  6. 前記ターボ圧縮機から流出する冷却ガスの流量を測定する流量測定部を有し、
    前記冷却切替機構は、前記流量測定部により測定される冷却ガスの流量が所定の流量以下となったときに、前記第1の冷却状態から前記第2の冷却状態へと切り替える制御を行い、前記流量測定部により測定される冷却ガスの流量が前記所定の流量まで上昇したときに、前記第2の冷却状態から前記第1の冷却状態へと切り替える制御を行うことを特徴とする請求項4に記載のターボ冷凍機。
  7. 前記冷却切替機構は、前記第1の冷却状態から、前記第6の切替バルブを開状態とする第1の操作と、前記第2及び第5の切替バルブを閉状態とする第2の操作と、前記第1及び第4の切替バルブを開状態とする第3の操作と、前記第3の切替バルブを閉状態とする第4の操作とを、この順で行うことで、前記第2の冷却状態へと切り替え、前記第2の冷却状態から、前記第3の切替バルブを開状態とする第4の逆の操作と、前記第1及び第4の切替バルブを閉状態とする第3の逆の操作と、前記第2及び第5の切替バルブを開状態とする第2の逆の操作と、前記第6の切替バルブを閉状態とする第1の逆の操作とを、この順で行うことで、前記第1の冷却状態へと切り替えることを特徴とする請求項5又は6に記載のターボ冷凍機。
  8. 前記冷却切替機構は、前記各切替バルブの開閉状態を検出する開閉検出部を有し、
    前記第1〜第4の操作のうち、前の操作が完了したことを前記開閉検出部が検出した後に、次に操作を行うことを特徴とする請求項7に記載のターボ冷凍機。
  9. 前記被冷却物が高温超電導機器であり、前記冷媒として液体窒素を用い、前記冷却ガスとしてネオンガス、又は、ネオンガスとヘリウムガスとの混合ガスを用いることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載のターボ冷凍機。
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