JP2018066429A - 低温環境用転がり軸受装置 - Google Patents

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健太郎 壹岐
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【課題】低温環境に置かれる転がり軸受の温度低下による潤滑剤の粘性抵抗上昇を抑えることができ、かつ運転の停止と再稼働に伴う温度変化による結露が防止できる低温環境用転がり軸受装置を提供する。【解決手段】ハウジング2に設置された複数または一つの転がり軸受3からなる軸受組4により回転軸5を支持し、この回転軸5およびハウジング2のいずれか一方または両方が低温環境下に置かれる。転がり軸受3の軸受空間内にハウジング2の外部から不活性ガスを導入する不活性ガス導入経路21と、この不活性ガス導入経路21内を流れる不活性ガスを加熱する加熱装置23とを有する。【選択図】図1

Description

この発明は、極低温用の軸受評価試験機、冷凍倉庫のファン駆動用、冷媒を攪拌する攪拌羽の駆動用、またはその他各種の低温環境で使用される低温環境用転がり軸受装置に関する。
ロケット、サブマージドポンプ等には極低温用軸受が用いられており、軸受の妥当性評価について、例えばロケットでは実機エンジンを用い燃焼試験等で確認されている。しかし、一方では極低温環境下で油やグリースの流動性潤滑剤を使用できないため、摩耗対策と摩擦低減に対する固体潤滑剤適用検討のために要素試験が必須であることから、極低温環境を模擬し自己潤滑性を持つフッ素樹脂(例えばPTFE)製等の保持器、また軸受内・外輪軌道面にPTFE固体潤滑膜を形成させた軸受の単体試験を実施している。
保持器の摩耗・摩擦評価は固体潤滑剤をピンとして形成し、転動体材質をディスクとすることによる所謂ピンオンディスク試験機により保持器材質特性を確認できる(例えば、特許文献1、2)。しかし、軸受全体として評価しようとする場合、冷却容器に収容した軸受を駆動するための回転軸と連結させることが必要であり、高速回転では一般的に駆動源と試験軸受の間に支持軸受を配設する。
前記支持軸受は、例えば図5に示すように転がり軸受であり、ハウジング51に複数設置される。支持軸受52で支持される回転軸53の上端が電動モータ(図示せず)に接続され、下端が試験軸受(図示せず)に接続される。
特開2014−234846号公報 特許第3459927号公報
図5の支持軸受52は、前記評価軸受が置かれる極低温の液体窒素雰囲気下に前記回転軸53が曝されるため、この回転軸53からの熱伝導(冷却)により温度降下する。支持軸受52と試験軸受との距離は、試験における正確な評価のためには短い方が良いが、支持軸受52が評価軸受に近くなるに従って、前記温度降下が著しくなる。そのため、支持軸受52に封入されたグリース等の潤滑剤の粘性抵抗の上昇から、動力源となる電動モータの過電流状態により回転不能となることがあった。この問題は、評価試験機に限らず、低温環境用転がり軸受装置一般に生じる。
また、一般的に、低温環境下で用いられる軸受は、運転時は温度上昇しているが、運転を停止して温度低下した後に再度運転を開始すると、この間の温度差によって結露が生じることかある。この結露は錆の発生に繋がる。そのため、防錆処置として窒素ガス等の不活性ガスを軸受内に導入することがある。軸受空間を不活性カスで充満させると、軸受空間内の水の成分である酸素や水素がなくなるため、結露の問題が解消される。しかし、不活性ガスを導入しても、前述の潤滑剤の粘性抵抗の上昇を抑えることはできない。
この発明の目的は、低温環境に置かれる転がり軸受の温度低下による潤滑剤の粘性抵抗上昇を抑えることができ、かつ運転の停止と再稼働に伴う温度変化による結露が防止できる低温環境用転がり軸受装置を提供することである。
この発明の低温環境用転がり軸受装置は、ハウジングに設置された複数または一つの転がり軸受からなる軸受組により回転軸を支持し、前記回転軸およびハウジングのいずれか一方または両方が低温環境下に置かれる転がり軸受装置であって、
前記転がり軸受の軸受空間内に前記ハウジングの外部から不活性ガスを導入する不活性ガス導入経路と、この不活性ガス導入経路内を流れる不活性ガスを加熱する加熱装置とを有する。
この構成によると、回転軸およびハウジングのいずれか一方または両方が低温環境下に置かれるため、熱伝導により、軸受組の転がり軸受の温度が低下する。しかし、加熱された不活性ガスが軸受空間内に導入されるため、転がり軸受が加熱された不活性ガスと熱交換されて、転がり軸受内の潤滑剤の温度低下が緩和され、潤滑剤の粘性抵抗の増大が防止される。このため、動力源の過電流状態により回転不能となるような不具合が発生しない。また、不活性ガスが軸受空間内を満たすことで、軸受空間内の水の成分である酸素や水素がなくなるため、転がり軸受の運転停止と運転再開とにより発生する結露の問題が解消される。このように、加熱された不活性ガスを用いることで、転がり軸受内の潤滑剤の温度低下による粘性抵抗の増大と結露の問題との両方が共に解消される。
この発明において、前記回転軸が立姿勢であり、前記ハウジング内の前記軸受組を設置した軸受収容空間における前記軸受組の下側に前記不活性ガス導入経路の前記軸受収容空間へのガス入口が開口し、前記軸受収容空間における前記軸受組よりも上側でかつ前記ガス入口に対し対角となる位置にガス出口が開口するようにしても良い。
このようにガス入口およびガス出口を配置することで、前記軸受収容空間に設置された転がり軸受の軸受空間を前記不活性ガスが効率良く均等に流れる。そのため、転がり軸受の潤滑剤の温度上昇と、軸受空間を不活性ガスで満たすことによる結露防止とがより一層効果的に行える。
この発明において、前記回転軸が前記低温環境下に置かれる低温環境用転がり軸受装置であっても良い。
このような回転軸が低温環境下に置かれる構成の場合に、この発明における転がり軸受の温度低下による潤滑剤の粘性抵抗上昇の抑制と、温度変化により生じる結露の防止とが効果的に行われる。
この発明の低温環境用転がり軸受装置において、極低温用の軸受評価試験機に用いられ、前記軸受評価試験機が、冷却容器内の液体窒素雰囲気下に配置された試験軸受を電動モータで駆動される駆動軸により回転させて試験を行うものであり、前記電動モータと前記駆動軸との間に連結される軸が前記回転軸であっても良い。
このような軸受評価試験機に適用した場合、この発明の粘性抵抗上昇の抑制の効果によって適正な回転が維持できて、精度、信頼性の高い試験が行える。また、結露防止の効果により、軸受評価試験機の耐久性が向上する。
この発明において、冷凍倉庫における冷凍室外に設置された電動モータに連結されて前記冷凍室内のファンを回転駆動する軸が前記回転軸であっても良い。
このような環境においても、転がり軸受の温度低下による潤滑剤の粘性抵抗の上昇が抑えられ、かつ結露が防止される。
この発明において、冷却装置における冷媒を攪拌する攪拌羽の軸またはこの軸と連結された軸が前記回転軸であっても良い。
このような環境においても、転がり軸受の温度低下による潤滑剤の粘性抵抗の上昇が抑えられ、かつ結露が防止される。
この発明において、前記ハウジング内の前記軸受組を構成する複数の転がり軸受の間に内蔵モータを備えていても良い。
この構成の場合、軸受装置と電動モータとでなる全体構成がコンパクトされ、またこの構成の場合も、前述の転がり軸受の温度低下による潤滑剤の粘性抵抗の上昇が抑えられ、かつ結露が防止される。
この発明の低温環境用転がり軸受装置は、ハウジングに設置された複数または一つの転がり軸受からなる軸受組により回転軸を支持し、前記回転軸およびハウジングのいずれか一方または両方が低温環境下に置かれる転がり軸受装置であって、前記転がり軸受の軸受空間内に前記ハウジングの外部から不活性ガスを導入する不活性ガス導入経路と、この不活性ガス導入経路内を流れる不活性ガスを加熱する加熱装置とを有するため、低温環境に置かれる転がり軸受の温度低下による潤滑剤の粘性抵抗上昇を抑えることができ、かつ運転の停止と再稼働に伴う温度変化による結露が防止できる。
この発明の第1の実施形態に係る低温環境用転がり軸受装置の断面図である。 同低温環境用転がり軸受装置を適用した極低温用の軸受評価試験機の一部破断正面図である。 同低温環境用転がり軸受装置を用いた冷凍倉庫のファン回りを示す断面図である。 他の実施形態に係る低温環境用転がり軸受装置を用いた攪拌装置の例を示す破断正面図である。 従来例の断面図である。
この発明の第1の実施形態を図1と共に説明する。この低温環境用転がり軸受装置1は、ハウジング2に設置された軸受組4により回転軸5を支持していて、前記回転軸5およびハウジング2のいずれか一方または両方が低温環境下に置かれる。軸受組4は、図示の例では複数、具体的には2つの転がり軸受3,3からなるが、一つの転がり軸受3で構成されていても良い。各転がり軸受3は、この例ではアンギュラ玉軸受であって、内輪6と外輪7との間に保持器8に保持されたボールからなる転動体9が介在しており、2つの転がり軸受3,3は、背面合わせに設置されている。
ハウジング2は、立姿勢の円筒状のハウジング本体2aと、このハウジング本体2aの上端開口における回転軸5の周囲を閉じる平板のリング状のカバー2bとを有し、カバー2bはボルト等の固定具10で固定されている。ハウジング本体2aの内周に上下2つのスリーブ11,11が嵌合し、これら上下のスリーブ11,11の内周の上側および下側にそれぞれ設けられた切欠状部分に、上下の転がり軸受3,3の外輪7,7が嵌合している。上下のスリーブ11,11間には皿ばね12があり、下側のスリーブ11は、ハウジング本体2aの下端の内周に突出する内鍔部2aaに係合している。
回転軸5は、ハウジング2を上下に貫通し、上端が電動モータ等に接続され、下端が各種の機器に対する駆動付与部となる。回転軸5は、上下の転がり軸受3,3の内輪6,6の内周に嵌合し、回転軸5の上部の外周に設けられた外鍔部5bが上方の転がり軸受3の内輪6の上面に係合する。上下の転がり軸受3,3の内輪6,6間には内輪間座13が介在する。回転軸5の下部には、環状部材14が嵌合し、回転軸5に形成されたねじ部に螺合するナット15と前記外鍔部5bとの間に、上下の転がり軸受3,3の内輪6,6と内輪間座13と前記環状部材14とが締め付け状態に保持されている。前記環状部材14は、回転軸5の外周に嵌合する筒状部14aと、この筒状部14aの下端から外周に延びるフランジ部14bとがあり、フランジ部14bの外周面は、ハウジング本体2aaの前記内鍔部2aaの外周面に近接している。
前記ハウジング2の外部に、転がり軸受3,3内の軸受空間に不活性ガスを導入する不活性ガス導入経路21と、この不活性ガス導入経路21内を流れる不活性ガスを室温よりも高い温度に強制的に加熱する加熱装置23とが設けられている。前記不活性ガスは、例えば窒素ガスであるが、この他にアルゴンやヘリウム等が使用できる。不活性ガス導入経路21は、ガスボンベ等の不活性ガス供給源(図示せず)から導かれている。
不活性ガス導入経路21は、この例では配管で構成され、この配管は、ハウジング2内の軸受組4を設置した軸受収容空間Sにおける前記軸受組4の下側の部分Sa、すなわち下側の転がり軸受3と環状部材14との間の空間部分に突出し、その突出端が軸受収容空間Sへのガス入口21aとなる。前記軸受収容空間Sにおける軸受組4よりも上側でかつ前記ガス入口21aに対し対角となる位置に、不活性ガス導出経路22のガス出口22aが開口する。不活性ガス導出経路22は配管からなり、その内端が、前記軸受収容空間Sにおける軸受組4の上側の部分Sb、すなわち上側の転がり軸受3と前記カバー2bとの間に突出し、前記ガス出口22aとなる。不活性ガス導出経路22は、不活性ガス回収空間(図示せず)に導かれている。前記不活性ガス導入経路21における前記加熱装置23とハウジング2との間の部分は、断熱材24で被覆されている。ハウジング2の剛性および精度が確保される場合は、ハウジング2と、カバー2bと、環状部材14のハウジング2内周側にも断熱材(図示せず)を配設しても良い。
前記加熱装置23は、例えば不活性ガス導入経路21を蛇行させ、その蛇行部分の外周に設けられた電気ヒータ等からなるが、不活性ガスを強制加熱できる装置であれば良く、熱交換機や、その他の構成の装置が採用できる。前記加熱装置23および前記不活性ガス供給源は、前記ハウジング2の近傍に配置されていても、まだ遠方に配置されていても良い。
この構成によると、回転軸5およびハウジング2のいずれか一方または両方が低温環境下に置かれるため、熱伝導により、軸受組4の転がり軸受3の温度が低下する。しかし、加熱された不活性ガスが転がり軸受3の軸受空間内に導入されるため、転がり軸受3が加熱された不活性ガスと熱交換されて、転がり軸受3内のグリース等の潤滑剤の温度低下が緩和され、潤滑剤の粘性抵抗の増大が防止される。このため、回転軸5に接続される動力源の過電流状態により回転不能となるような不具合が発生しない。また、不活性ガスが軸受空間内を満たすことで、軸受空間内の水の成分である酸素や水素がなくなるため、転がり軸受3の運転停止と運転再開とにより発生する結露の問題が解消される。このように、加熱された不活性ガスを用いることで、転がり軸受3内の潤滑剤の温度低下による粘性抵抗の増大と結露の問題との両方が共に解消される。
また、ハウジング2における不活性ガスのガス入口21aおよびガス出口22aが軸受収容空間Sにおける対角に配置されているため、前記軸受収容空間Sに設置された転がり軸受3の軸受空間を前記不活性ガスが効率良く均等に流れる。そのため、転がり軸受3の潤滑剤の温度上昇と、軸受空間を不活性ガスで満たすことによる結露防止とがより一層効果的に行える。ガス入口21aとガス出口22aの上下の位置関係は、図示の例と逆であっても良いが、図示の例のようにガス入口21aが下に、ガス出口22aが上にあると、温度の高い不活性ガスの上方向への流れと、ガス入口21aとガス出口22aを合わせて配置できるため、温度の高い不活性ガスを効率良く循環させることができる。
また、不活性ガスが軸受空間内で冷却される時間を短くすることができ、比較的大きな軸受空間にも対応できる。
さらに、温度の低い気体は自然に下方向へ流れるため、特に装置を必要とせずに、温度の高い不活性ガスと温度の低い気体を分離し、温度の低い気体が前記軸受空間に流入することを防止でき、軸受空間を温度の高い不活性ガスで充満させることができる。
図2は、図1の実施形態に係る低温環境用転がり軸受装置を適用した極低温用の軸受評価試験機の一例を示す。この軸受評価試験機30は、冷却容器31内の試験軸受32を、動力源である電動モータ33で駆動される駆動軸34により回転させて試験を行うものである。前記電動モータ33の出力軸33aと前記駆動軸34との間に、前記低温環境用転がり軸受装置1の回転軸5が連結される。回転軸5は、上端がカップリング35で前記出力軸33aに、下端が前記駆動軸34にカップリング36で連結される。冷却容器31は液体窒素の供給源(図示せず)に接続されており、内部が液体窒素雰囲気にある。なお、冷却容器31に接続した液体窒素の供給源は、前記不活性ガス導入経路21に接続した不活性ガス供給源とは別の物である。冷却容器31は、例えば上部に設けられた開閉蓋31aを開けて試験軸受32の交換が可能とされている。
この構成によると、低温環境用転がり軸受装置1に支持された回転軸5は、カップリング36を介して試験軸受32を回転させる。試験軸受32は、冷却容器31内の液体窒素雰囲気にあり、200°前後の極低温環境にある。低温環境用転がり軸受装置1の転がり軸受3には試験軸受32からの熱伝導により冷却されるが、加熱装置23(図1参照)により昇温した不活性ガスが不活性ガス導入経路21から転がり軸受3内の軸受空間に流されるため、温度低下が抑制される。これにより、転がり軸受3におけるグリース等の潤滑剤の粘性抵抗の増大が防止される。そのため、動力源である電動モータ33の渦電流状態により回転不能となるような不具合が発生しない。また、試験軸受32の回転は試験時のみであり、転がり軸受3は回転駆動と停止とが繰り返されるが、前述と同様に、転がり軸受3内の結露が防止される。
図3は、図1の実施形態に係る低温環境用転がり軸受装置を適用した冷凍倉庫の例を示す。冷凍倉庫41の冷凍室42の外に設置された電動モータ43の出力軸43aにより、回転軸5,44を介して冷凍室42内のファン46が回転駆動される。電動モータ43は、具体的には冷凍室42の天井42aの上面に設置されている。ファン46が取付けられた回転軸44は、低温環境用転がり軸受装置1の転がり軸受3に支持された回転軸5と一体であっても、別体であって連結されていても良い。回転軸5は前記出力軸43aとカップリング45で連結されている。
この構成の場合、冷凍倉庫41で使用されるファン46は、冷気の攪拌のために低温環境で使用される。それを駆動させる前記回転軸5を支持する転がり軸受3は、ファン46およびその回転軸44からの熱伝導により冷却される。このような環境においても、前記転がり軸受3の温度低下が不活性ガス導入経路21から導入される加熱された不活性ガスにより抑制され、また転がり軸受3内での結露も防止される。
図4は、低温環境用転がり軸受装置1Aを、冷却装置51に適用した例を示す。冷却装置51は、冷却容器52内の冷媒53内に被冷却物54を浸して被冷却物54を冷却する装置であり、冷媒54を攪拌させる攪拌羽55を備えている。前記冷媒53は例えば液体のメタノールである。前記攪拌羽55は、回転軸56における冷媒53内に漬かる下端に取付けられている。前記回転軸56は、前記低温環境用転がり軸受装置1Aの回転軸5Aに連結されている。この回転軸5Aに前記攪拌羽55が取付けられていても良い。
同図の実施形態では、前記低温環境用転がり軸受装置1Aは、回転軸5Aの外周に設けられたロータ17とハウジング2Aの内周に設けられたステータ18とでなる内蔵モータ19を備えている。前記ロータ17の上方および下方に位置して、前記回転軸5Aを支持する一対の転がり軸受3,3がハウジング2Aに設置されている。ハウジング2Aは、ステータ18の外周に位置するハウジング本体2Aaと、このハウジング本体2Aaの上下面に取付けられた端部ハウジング2Ab,2Acとでなる。これら端部ハウジング2Ab,2Acの内周に、軸受組4を構成する前記一対の転がり軸受3,3が設置されている。
ハウジング2A内の軸受収容空間Sは、前記ロータ17とステータ18との間の隙間からなる部分Saと、端部ハウジング2Ab,2Ac内の部分Sb,Scとを有し、これら端部ハウジング2Ab,2Ac内の部分Sb,Scに不活性ガス導入経路21における軸受収容空間Sへの入口21aと、不活性ガス導出経路22のガス出口22aとがそれぞれ開口している。この低温環境用転がり軸受装置1Aにおけるその他の構成は、図1と共に前述した実施形態と同様である。
このような冷却装置51の場合も、図2の軸受評価試験機試験装置30や図3の冷凍倉庫41の場合と同様に、回転軸56からの熱伝導による転がり軸受3の冷却が起こるが、この加熱装置23で加熱された不活性ガスを導入する不活性ガス導入経路22を設けた構成であれば、転がり軸受3の温度低下が抑制され、温度低下に伴うグリース等の潤滑剤の粘性抵抗の増大が防止される。また、転がり軸受3内や内蔵モータ19内での結露も防止される。
また、この実施形態の低温環境用転がり軸受装置1Aの場合、内蔵モータ19と回転軸5Aを支持する転がり軸受3,3とが一体化され、いわば駆動モータに不活性ガス導入経路22の入口22aおよび不活性ガス導出経路22のガス出口22aを持つため、低温環境用転がり軸受装置1Aおよびモータを設けた構成がコンパクト化される。
なお、図2,図3における低温環境用転がり軸受装置1についても、図4のモータ内蔵の低温環境用転がり軸受装置1Aを適用することができる。
以上、実施形態に基づいてこの発明を実施するための形態を説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…低温環境用転がり軸受装置
1A…低温環境用転がり軸受装置
2…ハウジング
2A…ハウジング
3…転がり軸受
4…軸受組
5…回転軸
17…ロータ
18…ステータ
19…内蔵モータ
21…不活性ガス導入経路
21a…ガス入口
22…不活性ガス導出経路
22a…ガス出口
23…加熱装置
30…極低温用軸受評価試験機
33…電動モータ
34…駆動軸
41…冷凍倉庫
42…冷凍室
43…電動モータ
44…回転軸
46…ファン
51…冷却装置
53…冷媒
55…攪拌羽
S…軸受収容空間

Claims (7)

  1. ハウジングに設置された複数または一つの転がり軸受からなる軸受組により回転軸を支持し、前記回転軸およびハウジングのいずれか一方または両方が低温環境下に置かれる転がり軸受装置であって、
    前記転がり軸受の軸受空間内に前記ハウジングの外部から不活性ガスを導入する不活性ガス導入経路と、この不活性ガス導入経路内を流れる不活性ガスを加熱する加熱装置とを有する低温環境用転がり軸受装置。
  2. 請求項1に記載の低温環境用転がり軸受装置において、前記回転軸が立姿勢であり、前記ハウジング内の前記軸受組を設置した軸受収容空間における前記軸受組の下側に前記不活性ガス導入経路の前記軸受収容空間へのガス入口が開口し、前記軸受収容空間における前記軸受組よりも上側でかつ前記ガス入口に対し対角となる位置にガス出口が開口する低温環境用転がり軸受装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の低温環境用転がり軸受装置において、前記回転軸が前記低温環境下に置かれる低温環境用転がり軸受装置。
  4. 請求項3に記載の低温環境用転がり軸受装置において、極低温用の軸受評価試験機に用いられ、前記軸受評価試験機が、冷却容器内の液体窒素雰囲気下に配置された試験軸受を電動モータで駆動される駆動軸により回転させて試験を行うものであり、前記電動モータと前記駆動軸との間に連結される軸が前記回転軸である低温環境用転がり軸受装置。
  5. 請求項3に記載の低温環境用転がり軸受装置において、冷凍倉庫における冷凍室外に設置された電動モータに連結されて前記冷凍室内のファンを回転駆動する軸が前記回転軸である低温環境用転がり軸受装置。
  6. 請求項3に記載の低温環境用転がり軸受装置において、冷却装置における冷媒を攪拌する攪拌羽の軸またはこの軸と連結された軸が前記回転軸である低温環境用転がり軸受装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の低温環境用転がり軸受装置において、前記ハウジング内の前記軸受組を構成する複数の転がり軸受の間に、内蔵モータを備える低温環境用転がり軸受装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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