JP2018064720A - 皮膚残留薬剤計測装置及び皮膚残留薬剤計測方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光増感反応を用いた治療の副作用である光線過敏症を、非侵襲的な方法で、簡易に、信頼性,再現性良く検査することが可能な皮膚残留薬剤計測装置及び皮膚残留薬剤計測方法を提供する。【解決手段】生体の皮膚組織に残留した光感受性物質の量を計測する皮膚残留薬剤計測装置Sである。生体の被測定部に巻回されて被測定部を圧迫するためのカフ10を備え、カフ10には、被測定部の皮膚組織に励起光を照射する照射手段23と、励起光の照射に応じて皮膚組織で放出される蛍光の強度を検出する検出手段24,32と、が設けられ、検出手段24,32で検出された蛍光の強度の値を用いて、皮膚組織に残留した光感受性物質の推定量を算出する推定残留薬剤量の算出手段51と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、生体の皮膚組織に残留した光感受性物質量を計測する皮膚残留薬剤計測装置及び皮膚残留薬剤計測方法に関する。
光線力学的治療(Photodynamic Therapy:PDT、光化学治療ともいう)は、癌治療や頻脈性不整脈の治療等に用いられている。
癌の光線力学的治療では、光感受性物質を静脈注射等により投与し、癌組織に選択的に吸収・集積させた後、レーザ光等の光線を照射することにより癌組織を治療する。
つまり、癌組織に取り込まれた光感受性物質を光線照射により励起すると、励起された光感受性物質のエネルギーは、癌組織内に存在する酸素に移乗して、一重項酸素を生成し、この一重項酸素がその強力な酸化力により組織病変部の細胞を壊死させる。
癌の光線力学的治療は、光感受性物質が組織病変部へ選択的に集積する性質と、光により増感される性質を、利用したものである。
光増感反応を用いた治療における最大の副作用は光線過敏症であり、細胞外光増感反応を利用した頻脈性不整脈に対する光線力学アブレーションにおいても光感受性薬剤タラポルフィンナトリウムを投与するため、光線過敏症発症の可能性は避けられない。
現在、タラポルフィンナトリウムを用いた早期肺癌および原発性悪性脳腫瘍に対する光線力学的治療においては光線過敏症発症回避のために設定されている2週間の遮光期間および発症リスク判断方法は薬剤代謝の最も遅い例に対して定められたものであり、不要な遮光入院を強いられる場合や、遮光入院期間の設定が医師の判断によって管理されているといった課題が残る。
一方で、頻脈性不整脈に対するカテーテルアブレーション治療においては、入院期間はおよそ3〜5日である。タラポルフィンナトリウムを用いた光線力学アブレーションによる頻脈性不整脈治療においても、通常のアブレーション治療と同等あるいはそれ以下の入院期間であることが望ましい。
タラポルフィンナトリウムの代謝速度は患者によって大きく異なることから、薬剤代謝が速く早期に光線過敏症発症のリスクがなくなる患者群に不要な遮光入院を強いる必要はなく、代謝の速い患者に対しては医師判断に基づいて早期退院を指示することで入院期間を短縮できる可能性がある。
光線過敏症は表皮に残留する光感受性薬剤による光増感反応によるものであるから、表皮に残留する光感受性薬剤量に関する情報を提供できれば、光線過敏症のリスク判断が可能となり、安全な早期退院の医師判断の支援になり得る。
そこで、光線過敏症のリスク判断を目的として、皮膚光感受性試験が行われている。皮膚光感受性試験は、患者に、穴をあけた日光曝露用の手袋を装着させ、直射日光を曝露後、手袋を外して発赤や水泡等の光線過敏反応の有無をチェックすることにより行う(例えば、非特許文献1)。この試験で光線過敏反応が認められた場合は、反応が消失するまで同様の試験が繰り返され、反応が消失した時点で、患者の退院が可能となる。
非特許文献1に記載された皮膚光感受性試験は、単純で簡単な方法ではあるが、侵襲性があり、非定量的である。
そこで、本発明者らは、プラスチック光ファイバからなる、励起光照射用及び受光用の一対の拡散チップを、タラポルフィンナトリウムを投与した豚の皮膚上に配置して、励起光照射用の拡散チップから励起光を豚の皮膚組織に照射し、受光用の拡散チップで蛍光を受光する方法により、皮膚組織における光線過敏反応を起こすに足る光感受性薬剤の有無のチェックができるかどうかを検討した(非特許文献2)。
その結果、タラポルフィンナトリウム投薬からの時間経過に伴って蛍光スペクトルのピーク強度は徐々に減少傾向が見られ、蛍光スペクトルのうちタラポルフィンナトリウム蛍光のピークを含む波長660〜690nmの範囲における蛍光ピーク面積Sfluoは、指数関数的に減衰することが分かった。
しかし、非特許文献2では、蛍光スペクトルのピーク強度に、経時的に減少する傾向があることが示されたものの、皮膚組織中の光感受性薬剤の残留量を数値で推定する方法の確立までは至っておらず、患者の退院判断の指標として用いることができない。
患者の退院判断の指標とすることを目的として光感受性薬剤の残留量を測定する方法であって、操作が簡単で、信頼性,再現性があり、かつ、侵襲性のない方法は、知られていなかった。
日本脳神経外科光線力学学会ガイドライン委員会,「原発性悪性脳腫瘍に対する光線力学的療法施行の安全ガイドライン」,2014年3月13日 M. Takahashi et al., Fluorescence sensing system by Soret-band LED light excitation for estimating relativetalaporfin sodium concentration in skin, Photodiagnosis PhotodynTher. 2014 Dec;11(4):586-94.
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、光増感反応を用いた治療の副作用である光線過敏症を、非侵襲的な方法で、簡易に、信頼性,再現性良く検査することが可能な皮膚残留薬剤計測装置及び皮膚残留薬剤計測方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、光増感反応を用いた治療の後の患者の退院判断の評価指標として利用可能な皮膚残留薬剤計測装置及び皮膚残留薬剤計測方法を提供することにある。
前記課題は、本発明によれば、生体の皮膚組織に残留した光感受性物質の量を計測する皮膚残留薬剤計測装置であって、前記生体の被測定部に巻回されて該被測定部を圧迫するためのカフを備え、該カフには、前記被測定部の前記皮膚組織に励起光を照射する照射手段と、前記励起光の照射に応じて前記皮膚組織で放出される蛍光の強度を検出する検出手段と、が設けられ、前記検出手段で検出された前記蛍光の強度の値を用いて、前記皮膚組織に残留した光感受性物質の推定量を算出する推定残留薬剤量の算出手段と、を備えること、により解決される。
このように、皮膚残留薬剤計測装置が、生体の被測定部に巻回されて被測定部を圧迫するカフを備えるため、被測定部を、皮膚の外面から垂直方向に押圧可能となる。その結果、被測定部内を通る血管を圧迫して押し潰すことが可能となり、皮膚組織の蛍光計測値に血管中残留薬剤の蛍光計測値が含まれる比率を低減し、蛍光の計測値のノイズを低減できる。
また、カフを用いているため、上腕内側などの被測定部に位置決めがし易く、装着,被測定部の圧迫,取り外しが簡易であると共に、短時間で測定可能で、医療関係者及び患者にとって操作性のよい皮膚残留薬剤計測装置を提供できる。
カフは、被測定部を大きな表面積をもって被覆するため、照射手段及び検出手段を備えたプローブ部分を、皮膚に対して面で接触させることができ、計測精度が向上する。照射手段及び検出手段を備えたプローブ部分と皮膚との間に空気が入ると反射が起こり、正確な計測ができなくなるが、カフによりプローブ部分を皮膚側に押し付けているため、空気が入ることに起因した反射を抑制できる。
このとき、更に、前記カフによる前記被測定部の圧迫圧力を、前記被測定部の静脈圧以上でかつ前記被測定部の動脈圧よりも小さい圧力に調整する圧力調整手段を備え、前記照射手段及び前記検出手段は、前記被測定部の静脈圧以上でかつ前記被測定部の動脈圧よりも小さい前記圧力で、前記被測定部が前記カフに圧迫されている状態において、前記励起光を照射し、前記蛍光の強度を検出すると好適である。
このように、静脈圧以上の圧力で被測定部が圧迫されているため、被測定部の静脈が押し潰された状態で蛍光を計測することができ、静脈中の光感受性物質が原因となる蛍光計測値のノイズを低減し、皮膚組織の蛍光をより正確に計測可能となる。
また、動脈圧より小さい圧力で被測定部が圧迫されるため、被測定部にある動脈は押し潰されていない状態で蛍光を計測できる。従って、動脈を流れる光感受性物質による蛍光に起因するノイズは発生するが、動脈の血流を止めないので、皮膚組織に光感受性物質が運搬されない状態となることはない。つまり、皮膚組織に光感受性物質を運搬する動脈が流れている状態で計測するため、皮膚組織内の光感受性物質の量を、実際の状態に即した条件で計測可能となる。
一般に、動脈よりも流速の遅い静脈は、動脈よりも容積が大きいため、被測定部における静脈からのノイズを除外することにより、血管からの影響のうち半分より少し多い程度の影響を、削減できる。
被測定部の静脈圧以上でかつ被測定部の動脈圧よりも小さい圧力で、被測定部がカフに圧迫されている状態では、末梢の静脈は押し潰されているが、動脈は開いている状態となる。毛細血管のループは圧力がかかっていないので、毛細血管は圧排されている状態となる。
このとき、更に、前記算出手段で算出した値を表示する表示手段を備え、前記算出手段は、前記蛍光の強度の値を用いて、前記蛍光の蛍光スペクトルを取得し、該蛍光スペクトルにおける、前記光感受性物質の蛍光のピークを含む波長帯のピーク面積,前記光感受性物質の蛍光ピーク強度,前記光感受性物質の蛍光ピーク強度と前記照射手段及び前記検出手段の自家蛍光強度との比,及び前記ピーク面積と前記照射手段及び前記検出手段の自家蛍光のある波長範囲の蛍光強度面積の比からなる群から選択された少なくとも一つを、前記推定残留薬剤量の指標として算出し、前記表示手段は、前記推定残留薬剤量の指標を表示すると好適である。
これらの指標を算出して表示するように構成しているので、皮膚組織中の光感受性薬剤の残留量を、ユーザが知ることが可能となる。
このとき、前記蛍光スペクトルを表示すると好適である。
蛍光の計測時に、皮膚残留薬剤計測装置と皮膚との間に空気が存在すると、反射が生じて、正しい計測ができないが、本発明では、このように、蛍光スペクトルを表示するため、ユーザは、蛍光スペクトルに、光感受性物質のピークが表れていなければ、皮膚との間の空気が原因で正しい計測ができなかったことを、すぐに知ることができる。皮膚残留薬剤計測装置による計測は、非常に短時間で行うことができるため、カフの空気圧を再調整し、再計測すればよい。
また、前記課題は、本発明によれば、生体の皮膚組織に残留した光感受性物質の量を計測する皮膚残留薬剤計測方法であって、前記生体の被測定部に巻回され、該被測定部を圧迫するカフに設けられた照射手段から、前記被測定部の前記皮膚組織に励起光を照射すると共に、前記カフに設けられた検出手段から、前記励起光の照射に応じて前記皮膚組織で放出される蛍光の強度を検出する照射・検出手順と、該検出手順で検出した前記蛍光の強度の値を用いて、前記皮膚組織に残留した光感受性物質の推定量を算出する推定残留薬剤量の算出手順と、を実行することにより解決される。
本発明によれば、皮膚残留薬剤計測装置が、生体の被測定部に巻回されて被測定部を圧迫するカフを備えるため、被測定部を、皮膚の外面から垂直方向に押圧可能となる。その結果、被測定部内を通る血管を圧迫して押し潰すことが可能となり、皮膚組織における蛍光の計測値に、血管中の残留薬剤の蛍光の計測値が含まれる比率を低減し、蛍光の計測値のノイズを低減できる。
また、カフを用いているため、上腕内側などの測定部位に位置決めがし易く、装着,被測定部の圧迫,取り外しが簡易であると共に、短時間で測定ができる、医療関係者及び患者にとって操作性のよい皮膚残留薬剤計測装置を提供できる。
カフは、被測定部を大きな表面積をもって被覆するため、照射手段及び検出手段を備えたプローブ部分を、皮膚に対して確実に面で接触させることができ、計測精度が向上する。照射手段及び検出手段を備えたプローブ部分と皮膚との間に空気が入ると反射が起こり、正確な計測ができなくなるが、カフによりプローブ部分を皮膚側に押し付けているため、空気が入ることに起因した反射を抑制できる。
本発明の一実施形態に係る皮膚残留薬剤計測装置の概略全体構成図である。 本発明の一実施形態に係るカフの展開図である。 図2のB−B断面図である。 患者の上腕に本発明の一実施形態のカフを装着し、膨張袋を膨張させた状態を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る皮膚残留薬剤計測装置の制御装置の表示部に表示される画面を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る皮膚残留薬剤計測装置の制御部で実行される皮膚残留薬剤計測処理のフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る皮膚残留薬剤計測装置の制御部で実行される皮膚残留薬剤計測処理のフローチャートである。 本発明の皮膚残留薬剤計測装置及び皮膚残留薬剤計測方法の計測精度を検討するために行った実験例1の結果を示すグラフである。 蛍光ピーク面積Sfluoを、皮膚組織中の光感受性物質残留量の指標とできるか否かについて検討した実験例2の結果を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態に係る皮膚残留薬剤計測装置S及び皮膚残留薬剤計測方法について、図1〜図9を参照しながら説明する。
光線過敏症とは、光感受性薬剤投与後皮膚組織に残留する光感受性薬剤が日光曝露によって励起されて生じる症状であり、主に、光増感剤によって吸収される400nm帯又は紫外(UV)光が透過する65〜130μmの深さの真皮で起こる。光線過敏症の症状は、掻痒,紅斑,真皮の浮腫,水疱等であり、真皮細胞の変質と皮膚の炎症反応により引き起こされる。
光線力学的治療には、光感受性薬剤が治療対象組織の細胞内に集積する癌の光線力学的治療(消化器科,呼吸器科,脳外科,皮膚科を含む),動脈硬化の光線力学的治療を含む。また、治療対象組織内の細胞外の間質,血管中に光感受性薬剤を充分量分布させて行う頻脈性不整脈に対する光線力学アブレーション、感染症に対する光線力学的治療等の、細胞外光線力学的治療も含む。
本発明の皮膚残留薬剤計測装置S及び皮膚残留薬剤計測方法は、光線力学的治療で静脈注射等により光感受性物質が投与された後に、経皮的な光学計測を利用して、皮膚組織に残留する光感受性薬剤量が、所定の量以下まで低減したかを確認し、医師による患者の退院判断の評価指標とするために用いられる。
<皮膚残留薬剤計測装置S>
本発明の一実施形態に係る皮膚残留薬剤計測装置Sを、図1に示す。
本実施形態の皮膚残留薬剤計測装置Sは、患者の上腕Aに巻回されるカフ10と、カフ10の内側の面に固定された照射用光拡散体21及びモニタ用光拡散体22と、制御装置30と、を主要構成要素とする。
カフ10は、図2に示すように、カフ10のボディを構成するカフ本体11と、カフ本体11内側の長尺方向の一端側に配設された面ファスナー12と、カフ本体11外側の他端側に配設され、面ファスナー12と対になる面ファスナー13と、カフ本体11の内部に固定された膨張袋14と、を備えている。
カフ本体11は、帯状に形成された内布11iと、内布11iと略同形状の外布11oとを重ね合せて縁部を縫合した帯状且つ袋状に形成されている。内布11iと外布11oとの間のカフ本体11の内部空間には、軟質で可撓性を有する素材からなる気密の膨張袋14が固定されている。
膨張袋14の長尺方向中央付近で、長尺方向に垂直な幅方向の一端付近には、膨張袋14内に空気を流入,排出させるための不図示の開口が設けられ、この開口に、コネクタ16が固定されている。コネクタ16には、空気を流入,排出させるための配管17が接続されている。
カフ10は、患者の上腕Aに巻回して用いられる。上腕内側は、日焼けをしていないこと、角層が薄いことから蛍光計測に適している。また、本実施形態ではカフ10を備えているので、計測プローブを設置することが容易である。
カフ本体11の内布11iの長尺方向中央付近には、図2及び図3に示すように、照射用光拡散体21及びモニタ用光拡散体22が、カフ本体11の長尺方向に対して垂直な幅方向に延長するように固定されている。照射用光拡散体21及びモニタ用光拡散体22のカフ本体11逆側には、照射用光拡散体21及びモニタ用光拡散体22を被覆するように、無色透明で厚さ1.0±0.4mm,縦3〜5cm,横10〜15cmの長方形シート状のウレタンゲル15が固定されている。なお、ウレタンゲル15の代わりに、他の軟質性素材からなる無色透明のクッション材を用いてもよい。
計測時に、照射用光拡散体21及びモニタ用光拡散体22と皮膚との間に空気が存在すると、空気相との界面において反射が生じ、求めるスペクトルが得られない。そこで、図4に示すように、ウレタンゲル15と照射用光拡散体21,モニタ用光拡散体22を備えたプローブの部分が皮膚に密着するよう、照射用光拡散体21及びモニタ用光拡散体22は、ウレタンゲル15に密着している。
また、計測時における外乱光の混入を防ぐため、図3に示すように、照射用光拡散体21及びモニタ用光拡散体22のカフ本体11側の面には、照射用光拡散体21及びモニタ用光拡散体22を覆うように、遮光テープ25が貼られている。
遮光テープ25は、図3に示すように、照射用光拡散体21とモニタ用光拡散体22を、一つにまとめて被覆している。このとき、照射用光拡散体21とモニタ用光拡散体22は、相互に接触してウレタンゲル15上に平行に配置されている。遮光テープ25の照射用光拡散体21とモニタ用光拡散体22の長さ方向に垂直な幅方向における両端部25eは、ウレタンゲル15に接着され、照射用光拡散体21とモニタ用光拡散体22が、ウレタンゲル15と遮光テープ25とに包まれている。
そして、遮光テープ25は、照射用光拡散体21及びモニタ用光拡散体22がウレタンゲル15に接触する位置よりも僅かにモニタ用光拡散体22又は照射用光拡散体21逆側の位置A25a1,25a2から、最もウレタンゲル15から遠い位置B25b1,25b2まで、照射用光拡散体21及びモニタ用光拡散体22に接着されている。
照射用光拡散体21及びモニタ用光拡散体22の長尺方向の先端の他端側は、図2に示すように、それぞれ、プラスチック光ファイバ23,24に連続している。
照射用光拡散体21とプラスチック光ファイバ23、モニタ用光拡散体22とプラスチック光ファイバ24とは、それぞれ、単一のプラスチック光ファイバの長尺体からなり、それぞれ、照射手段及び検出手段に該当する。
プラスチック光ファイバ23,24は、長尺円柱状の不図示のコアの周囲が不図示のクラッドで被覆されて構成されている。コアは、ポリメタクリル酸メチル(PMMA),ポリスチレン,ポリカーボネート等から構成され、クラッドは、フッ素化ポリマー等から構成されており、プラスチック光ファイバ23,24は、曲げに強いプラスチック製の光ファイバで構成されている。
照射用光拡散体21とプラスチック光ファイバ23、モニタ用光拡散体22とプラスチック光ファイバ24とは、全長1〜2mのプラスチック光ファイバの先端から4〜6cmを、サンドペーパーにてクラッドを研磨した拡散チップとして形成されている。研磨加工により、照射用光拡散体21,モニタ用光拡散体22の長さ方向に対して角度を持った側方への出射光の光放射分布が均一化されている。
皮膚表面には、汗孔や黒子、毛根などが存在しており光学特性が均一ではないため、光学計測時には影響がある可能性があり(W. Montagna et al., vol. 1, pp. 8-24, 1992.)、皮膚残留薬剤計測装置Sは、計測部位のばらつきが補償できる仕様となっている必要がある。
そこで、本実施形態では、皮膚表面から受光する蛍光の光学特性による影響を補償し、蛍光計測を平均化して行うために、光照射および受光素子として、長さ4〜6cmのプラスチック光ファイバから成る拡散チップである照射用光拡散体21及びモニタ用光拡散体22を採用し、サンプリング長さを大きくする設計としている。
なお、これに限定されるものではなく、照射用光拡散体21,モニタ用光拡散体22は、中央に中空部を設けてその内面に光反射ミラーを設けたり、内面に刻み目を設けたりすることによって、側方への出射光が均一化されていてもよい。
また、本実施形態では、研磨加工により拡散体を形成しているが、これに限定されるものではなく、他のキズ加工(サンドブラスト、スタンピング、溶剤処理など)、ファイバブラッググレーティング(Fiber Bragg Grating:FBG)、マイクロベンディング等の伝送式漏洩方式のほか、コア/クラッド内に拡散物質を入れる方式、コアを露出させて被覆内に拡散物質を入れる方式などにより、拡散体を形成してもよい。また、プラスチック光ファイバ23,24のコアとは別の光学素子(例えば、照射用光拡散体21として、多面体プリズム、セルフォック(登録商標)レンズ(屈折率分布型レンズ)等)を用いることにより、照射用光拡散体21,モニタ用光拡散体22を構成してもよい。
クラッドが研磨された先端の拡散チップの部分が、照射用光拡散体21,モニタ用光拡散体22を構成し、その他の部分が、プラスチック光ファイバ23,24を構成している。
制御装置30は、カフ圧制御及び照射用光拡散体21及びモニタ用光拡散体22による光照射及び蛍光検出の制御を行う装置である。
制御装置30は、照射用光拡散体21に所定の波長の光を送る光源31と、モニタ用光拡散体22に接続された計測光学系32と、膨張袋14に接続された圧力センサ41,圧力調整手段としての空気ポンプ44,空気バルブ45と、算出手段としての制御部51,操作部52,表示手段としての表示部53,記憶部54を、主要構成要素とする。
光源31は、PDT薬剤を励起させる励起光を、プラスチック光ファイバ23を介して照射用光拡散体21に出力する。光源31が出力する光の波長は、PDT薬剤のソーレー帯(Soret band)の吸収波長と等しい。本実施形態では、PDT薬剤にタラポルフィンナトリウムを使用するため、光源31として、波長400〜700nm、好ましくは、ソーレー帯と呼ばれる390〜500nm帯,より好ましくは390〜430nm帯の青色光を出力する装置が用いられる。但し、PDT薬剤にタラポルフィンナトリウム以外の薬剤を用いる場合には、光源31から出力される光の波長は、これに限定されない。
光線過敏症は主に表皮で生じる光増感反応によるものであるから、表皮に残留するPDT薬剤を評価する必要がある。
表皮の厚みは65〜130μmであるため(W. Meyer et al., Ann Anat, vol. 189, pp. 143-156, 2007.)、光学計測の際には表皮厚みと同等の光侵達長を有する光源を用いることが妥当である。
そこで、本実施形態では、PDT薬剤としてタラポルフィンナトリウムを用いる場合における蛍光計測のための励起光源として、タラポルフィンナトリウムのソーレー帯ピークに相当する波長400nm帯の青色光を採用している。皮膚における400nm帯光の光侵達長は90〜300μmであることから、表皮に残留するタラポルフィンナトリウム量の評価が可能となる(R. R. Anderson et al., J Invest Dermatol, vol. 77, pp. 13-19, 1981., W. F. Cheong et al., IEEE J Quant Electron, vol. 26, pp. 2166-2185, 1990., A. N. Bashkatov et al, J Phys D: Appl Phys, vol. 38, pp. 2543-2555, 2005.)。また、タラポルフィンナトリウムのソーレー帯吸収ピークは、600〜900nmのQ帯吸収ピークよりも約2倍大きくモル吸光係数が1.8×105M-1cm-1であることから、微量の皮膚残留タラポルフィンナトリウムの検出に適している。
光源31には、半導体レーザ装置等のレーザ装置、発光ダイオードまたはランプ光源が使用される。
計測光学系32は、プラスチック光ファイバ24を介してモニタ用光拡散体22から受光した戻り光をスペクトル計測するために用いられ、ロングパスフィルタ33及び分光器34を備えている。
ロングパスフィルタ33は、カットオン波長が600nmで、600nmよりも長い波長の蛍光を透過して、分光器34に導く。
本実施形態では、PDT薬剤にタラポルフィンナトリウムを使用するため、ロングパスフィルタ33として、上記の通りの波長の光を透過するものを用いているが、PDT薬剤にタラポルフィンナトリウム以外の薬剤を用いる場合には、これに限定されない。
圧力センサ41は、配管17を介して膨張袋14に接続された公知の空気圧センサからなり、膨張袋14の圧力値を検出する。以下、圧力センサ41で検出される膨張袋14の圧力を、「カフ圧」と称する。圧力センサ41は、ローパスフィルタ42に接続されており、圧力センサ41から圧力信号がローパスフィルタ42に出力される。ローパスフィルタ42は、圧力信号に基づいてカフ10の圧迫圧を表すカフ圧信号を生成する。カフ圧信号は、A/D変換部43を介して制御部51に出力される。
空気ポンプ44は、配管17を介して膨張袋14に接続された公知の空気ポンプからなり、制御部51の駆動又は停止の指令に基づき、膨張袋14に空気を圧送する。配管17の空気ポンプ44と膨張袋14との間には、公知の空気バルブ45が接続され、制御部51からの指令に基づき、開閉される。
制御部51は、CPUを備え、光源31,空気ポンプ44,空気バルブ45等、制御装置30の各部を制御する。
また、制御部51は、制御装置30の各部から電気信号を取得し、各種情報処理を行う。制御部51は、分光器34から取得した電気信号を元に、蛍光強度を算出し、皮膚組織内の光感受性物質の残留量に関する数値を算出する。
また、制御部51は、A/D変換部43から取得したカフ圧に関する電気信号を元に、空気ポンプ44,空気バルブ45の制御を行う。
制御部51は、算出結果を表示するための表示命令を表示部53に出力する。
操作部52は、ユーザからの入力操作による命令を受け付け、受け付けた命令を制御部51に出力する。命令とは、例えば、光源31が出力する励起光のオン・オフや波長,強度の切り替え,カフ圧の設定値等に関する命令等である。
表示部53は、液晶表示器等を用いた表示デバイスである。表示部53は、制御部51から表示命令を取得すると、表示命令に含まれる表示情報に基き、例えば、カフ圧や励起光の波長,強度、蛍光強度,皮膚組織内に残留する光感受性物質の量度に関する情報及び時間情報等を、不図示の表示画面に表示する。
記憶部54は、不揮発性メモリであり、例えばフラッシュメモリ,HDD,その他の固体メモリである。
<皮膚内光感受性物質計測の手順及び皮膚残留薬剤計測方法>
次に、皮膚残留薬剤計測装置Sを用いて、遮光入院中の患者に対して皮膚内光感受性物質の量を推測する手順について説明する。以下の手順は、医療関係者等のユーザによって実施される。光感受性薬剤を投与した光増感反応を用いた治療を受けた後、遮光入院している患者の皮膚組織内に残留した光感受性物質の量を推測し、医師が退院判断の評価指標として利用するために実施される。
本実施形態では、光感受性物質として、光感受性薬剤であるタラポルフィンナトリウムを用いるが、これに限定されるものでなく、クロリン骨格を有するクロリン系薬剤であるATX−S10(670nm)(Iminochlorin aspartic acid誘導体、(東洋薄荷工業株式会社、平成12年株式会社光ケミカル研究所に権利譲渡、特開平6−80671号公報)、NPe6(664nm)(タラポルフィンナトリウム、レザフィリン(登録商標)、mono-L-aspartyl chlorin e6、特許第2961074号公報)、mTHPC(652nm)、SnET2(660nm)(tin etiopurpurin、ミラバント・メディカル・テクノロジーズ)、AlPcS(675nm)(chloro aluminium sulphonated phthalocyanine)、BPD−MA(690nm)(benzoporphyrin derivative monoacid ring A、QLT社)、Lu−tex(732nm)(Lutetium Texaphyrin)等の他の光感受性物質を用いてもよい。
まず、ユーザは、患者の動脈圧及び静脈圧を、患者の上腕Aで測定する。
動脈圧の測定は、公知の非観血の血圧計のカフを上腕Aに巻回し、最低血圧(拡張期血圧)を測定することにより行う。非観血の血圧計としては、脈の振動を検出するオシロメトリック法の血圧計や、聴診器を使用して音を聞く聴診法(コロトコフ法)の血圧計を用いることができる。
静脈圧の測定は、圧迫器具と、エコープローブと、空気圧測定器を備えた非観血の静脈圧測定装置を用い、エコープローブで皮下の表在静脈を観察しながら圧迫器具で静脈を徐々に強く圧迫し、静脈が完全に押し潰されたときの圧を圧力測定器で測定することにより、測定できる。例えば、2007年にChristoph Thalhammerらが発表した非観血的静脈圧測定装置(Christoph Thalhammer,et al. J Am Coll Cardiol. 2007 Oct 16;50(16):1584-9.)を用いることができる。
次いで、ユーザが、図1のカフ10のプラスチック光ファイバ23,24及び配管17を、制御装置30側の不図示のコネクタに接続し、制御装置30の不図示の電源を入れると、制御部51は、表示部53に、図5に示す画面60を表示する。
画面60は、計測条件を設定する設定入力欄として、事前に測定した動脈圧及び静脈圧をそれぞれ入力する動脈圧入力欄61,静脈圧入力欄62と、患者に投与された光感受性物質を励起する励起光の波長を入力する励起光波長入力欄64,計測において励起光を照射する期間を入力する照射時間入力欄65を備えている。
また、カフ圧表示欄63は、動脈圧入力欄61及び静脈圧入力欄62に入力された動脈圧及び静脈圧に基づき、制御部51により算出された、動脈圧よりも小さく静脈圧以上の圧力の値が表示される。
画面60は、計測を開始させるための測定スタートボタン66を備えている。
更に、画面60には、計測結果を表示する結果表示欄として、励起光波長入力欄64等で設定された条件で励起光を皮膚に照射して計測を行ったときの蛍光スペクトルを表示する蛍光スペクトル表示欄71,蛍光スペクトル表示欄71で表示された蛍光スペクトルの蛍光ピーク面積Sfluoを表示する蛍光ピーク面積表示欄72,蛍光ピーク面積表示欄72に表示された蛍光ピーク面積Sfluoから推定される皮膚組織内の光感受性物質の濃度を表示する推定濃度表示欄73を備えている。
ユーザは、測定した動脈圧及び静脈圧を、動脈圧入力欄61,静脈圧入力欄62にそれぞれ入力し、励起光波長入力欄64に、患者が投与された光感受性物質に対応する励起光の波長を入力する。照射時間入力欄65には、デフォルトで、2秒等の照射時間が予め入力されている。
次いで、ユーザは、患者の上腕Aの内側に照射用光拡散体21,モニタ用光拡散体22を位置させて、カフ10を上腕Aに巻回する。上腕A内側は、角層厚みが20μm程度と薄いため、精度の高い計測が可能となる。画面60にて測定スタートボタン66を押し下げる。
画面60において測定スタートボタン66が押されると、図6の皮膚残留薬剤計測処理のフローチャートの処理がスタートする。図6のフローチャートの処理は、皮膚残留薬剤計測方法を実行するものであって、制御部51によって制御される。
まず、ステップS1で、動脈圧入力欄61,静脈圧入力欄62,励起光波長入力欄64,照射時間入力欄65の入力欄に入力漏れがあるか判定する。
入力漏れがある場合(ステップS1:Yes)、メッセージ欄74に、「○○が入力されていません。○○を入力して、再度測定スタートボタンを押して下さい」等のエラーメッセージを表示し、処理を終了する。
入力漏れがない場合(ステップS1:No)、ステップS3で、動脈圧入力欄61,静脈圧入力欄62に入力された動,静脈圧値に基づき、動脈圧値−静脈圧値>1であるか判定する。
動脈圧値−静脈圧値>1でない場合(ステップS3:No)、動脈圧値と静脈圧値が略同じ値であるか、動脈圧値の方が静脈圧値よりも低く、入力された値に誤りがあるとして、ステップS4で、「動脈圧,静脈圧の入力値に誤りがあります。正しい値を入力して、再度測定スタートボタンを押して下さい」とのエラーメッセージを表示し、処理を終了する。
動脈圧値−静脈圧値>1であるである場合、ステップS5で、空気バルブ45の開指令を送信して空気バルブ45を開放させると共に空気ポンプ44を駆動させる。
ステップS6で、圧力センサ41の圧力の検出値が、静脈圧入力欄62に入力された静脈圧値よりも小さいか判定する。
圧力の検出値が静脈圧値よりも小さい場合(ステップS6:Yes)、カフ圧が、患者の上腕Aの静脈圧に達していないものとして、ステップS6で、圧力センサ41の圧力の検出値が、静脈圧入力欄62に入力された静脈圧値よりも小さいか判定する。つまり、圧力の検出値が静脈圧値以上の値になるまで、ステップS6を繰り返す。
圧力の検出値が静脈圧値よりも小さくない場合(ステップS6:No)、カフ圧が、患者の上腕Aの静脈圧以上になったとして、ステップS7で、圧力センサ41の圧力の検出値が、動脈圧入力欄61に入力された動脈圧値よりも小さいか判定する。
圧力の検出値が動脈圧値よりも小さくない場合(ステップS7:No)、カフ圧が、患者の上腕Aの動脈圧以上になったとして、ステップS8で、静脈圧値≦圧力の検出値<動脈圧値を満たすように、カフ圧を調整する処理を行う。このステップS8では、圧力センサ41の圧力の検出値を参照しながら、検出値に応じて空気バルブ45に開指令,閉指令を送信し、空気バルブ45を開閉することにより、静脈圧値≦圧力の検出値<動脈圧値を満たすようなカフ圧に調整する。
次いで、ステップS9で、空気バルブ45の閉指令を送信して空気バルブ45を閉め、空気ポンプ44の駆動を停止させる。このステップS9の処理により、カフ圧が、静脈圧値≦カフ圧<動脈圧値となるように、維持される。
圧力の検出値が動脈圧値よりも小さい場合(ステップS7:Yes)、カフ圧が、患者の上腕Aの動脈圧より低くなったとして、ステップS9で、空気バルブ45の閉指令を送信して空気バルブ45を閉め、空気ポンプ44の駆動を停止させる。ステップS6及びS7の判定の結果より、静脈圧値≦圧力の検出値<動脈圧値を満たしているためである。
その後、図6のAを経て図7のAに進み、ステップS10で、光源31を駆動し、励起光波長入力欄64で入力された波長の励起光を、照射時間入力欄65で入力された期間照射させると共に、計測光学系32を作動させて、蛍光の測定を行う。また、ステップS10では、蛍光測定中の圧力センサ41の圧力の検出値を取得し、蛍光測定中のカフ圧として、記憶部54に保存する。
次いで、ステップS11で、蛍光測定データから、蛍光の波長に対し相対的な蛍光強度をプロットする公知の方法で、蛍光スペクトルを作成し、記憶部54に保存する。
ステップS12で、皮膚組織内の残留光感受性物質量の指標となる蛍光ピーク面積Sfluoを算出し、記憶部54に保存する。
この処理では、蛍光スペクトルのうち、投与された光感受性物質の蛍光のピークを含む波長x〜ynmの範囲における蛍光ピーク面積Sfluoをベースライン法により算出する。計測した蛍光スペクトルにおいて、波長x nmとy nmを通る2点を結ぶ直線をベースラインf(λ)とすると、f(λ)は次の(式1)のように書ける。
Figure 2018064720
ここで、fluoyとfluoxは、波長x nmおよびy nmにおける蛍光強度である。波長x〜y nmにおけるタラポルフィンナトリウム蛍光のピーク面積Sfluoは次の(式2)で算出できる。
Figure 2018064720
本実施形態では、光感受性物質としてタラポルフィンナトリウムを用いているため、蛍光ピークを含む波長x〜y nmは、660〜690nmである。従って、タラポルフィンナトリウムを投与した本実施形態では、上記(式1)のf(λ)及び(式2)のSfluoは、それぞれ、次の(式3)(式4)となり、(式4)により、蛍光ピーク面積Sfluoを算出する。
Figure 2018064720
Figure 2018064720
次いで、ステップS13において、ステップS12で算出した蛍光ピーク面積Sfluoの値を、皮膚内光感受性物質残留量とSfluoとの相関式に代入して、皮膚内光感受性物質の推定濃度を算出し、記憶部54に保存する。
次いで、ステップS14において、ステップS10〜S13で得たカフ圧,蛍光スペクトル,蛍光ピーク面積Sfluo,推定濃度を、それぞれ、図5のカフ圧表示欄63,蛍光スペクトル表示欄71,蛍光ピーク面積表示欄72,推定濃度表示欄73に表示し、処理を終了する。
以上で、皮膚残留薬剤計測方法の処理が完了する。
本実施形態では、ステップS12で蛍光ピーク面積Sfluoの値を算出し、ステップS13で、この蛍光ピーク面積Sfluoの値から、皮膚内光感受性物質の推定濃度を算出して、蛍光ピーク面積Sfluo,推定濃度を表示するが、これに限定されるものではなく、蛍光ピーク面積Sfluoの代わりに、又は、蛍光ピーク面積Sfluoに加えて、光感受性物質の蛍光ピーク強度,光感受性物質の蛍光ピーク強度とプラスチック光ファイバ23,24の自家蛍光強度との比,ピーク面積とプラスチック光ファイバ23,24の自家蛍光のある波長範囲の蛍光強度面積の比を算出し、画面60に表示してもよい。
ここで、プラスチック光ファイバ23,24の自家蛍光とは、コアがポリメタクリル酸メチル(PMMA)等からなるプラスチック製光ファイバの自家蛍光をいい、プラスチック光ファイバ23,24に由来するバックグラウンド蛍光と同義である。
自家蛍光とは、蛍光顕微鏡等を用いた観察において、観察対象以外の器具や試料中に含まれる物質が発する蛍光を意味する。自家蛍光は、バックグラウンド蛍光の原因ともなる。
バックグラウンド蛍光とは、蛍光画像において、望ましくない部分に観察される蛍光シグナルであり、ノイズとも称される。バックグラウンド蛍光には、大きく分けて、装置の設定および関連パラメータに由来するバックグラウンド蛍光(励起光源からの光、カメラノイズ及び周辺光等)と、サンプル,容器及び観察媒体の自家蛍光又は特定の標的に結合していない蛍光色素に由来する蛍光とがある。
光感受性物質の蛍光ピーク強度は、ステップS11で作成した蛍光スペクトルから、公知の方法で、蛍光ピーク強度を読み取ることにより取得し、記憶部54に保存する。この処理は、ステップS12の処理の代わりに行ってもよいし、ステップS12の処理の前後に行ってもよい。その後、ステップS14において、蛍光ピーク強度を、画面60に表示する。
光感受性物質の蛍光ピーク強度とプラスチック光ファイバ23,24の自家蛍光強度との比は、以下の通り取得する。
まず、ステップS11で作成した蛍光スペクトルから、公知の方法で蛍光ピーク強度を読み取ることにより、光感受性物質の蛍光ピーク強度を取得する。次いで、ステップS11で作成した蛍光スペクトルから、蛍光を含まない特定の波長(例えば、604nm又は604nm付近)における受光強度を読み取ることにより、プラスチック光ファイバ23,24の自家蛍光強度を取得する。その後、蛍光ピーク強度をプラスチック光ファイバ23,24の自家蛍光強度で除することにより、光感受性物質の蛍光ピーク強度とプラスチック光ファイバ23,24の自家蛍光強度との比を求める。取得した光感受性物質の蛍光ピーク強度とプラスチック光ファイバ23,24の自家蛍光強度との比は、記憶部54に保存する。この処理は、ステップS12の処理の代わりに行ってもよいし、ステップS12の処理の前後に行ってもよい。その後、ステップS14において、光感受性物質の蛍光ピーク強度とプラスチック光ファイバ23,24の自家蛍光強度との比を、画面60に表示する。
ピーク面積とプラスチック光ファイバ23,24の自家蛍光のある波長範囲の蛍光強度面積の比は、以下の通り取得する。
まず、ステップS12で算出した蛍光ピーク面積Sfluoの値を取得する。次いで、プラスチック光ファイバ23,24の自家蛍光のある波長範囲の蛍光強度面積の比を、ステップS11で作成した蛍光スペクトルから、蛍光を含まない特定の波長範囲(例えば、604nm又は604nm付近)における受光強度積分より取得する。その後、蛍光ピーク面積Sfluoをプラスチック光ファイバ23,24の自家蛍光のある波長範囲の蛍光強度面積で除することにより、ピーク面積とプラスチック光ファイバ23,24の自家蛍光のある波長範囲の蛍光強度面積の比を求める。取得したピーク面積とプラスチック光ファイバ23,24の自家蛍光のある波長範囲の蛍光強度面積の比は、記憶部54に保存する。この処理は、ステップS12の処理の代わりに行ってもよいし、ステップS12の処理の前後に行ってもよい。その後、ステップS14において、ピーク面積とプラスチック光ファイバ23,24の自家蛍光のある波長範囲の蛍光強度面積の比を、画面60に表示する。
以下、本発明の皮膚残留薬剤計測装置及び皮膚残留薬剤計測方法の計測精度を検討するために行った実験の結果について説明する。
(実験例1)
実験動物としてイヌを用い、カフ圧を、静脈圧以上でかつ動脈圧よりも低い圧力とした場合とカフ圧を静脈圧以下とした場合とで、得られる蛍光スペクトルに相違があるか否かを確認する実験を、以下の通り行った。なお、イヌの動脈圧の一般的な値は、120〜180mmHgである。
イヌの大腿に、図1及び図2のカフ10を装着し、カフ圧を、静脈圧よりも低い0mmHg及び静脈圧以上でかつ動脈圧よりも低い60mmHgに変化させて、図1の皮膚残留薬剤計測装置Sを用いて、蛍光の計測を行った。
本実験例では、イヌにタラポルフィンナトリウムを2.5mg/kgで投与し、投与40分後にイヌ鼠蹊部に図2のカフ10を装着した。
プラスチック光ファイバ23,24としては、外径1mm、全長1.7mのプラスチック光ファイバ(PGU FB1000;東レ株式会社,東京)を使用し、先端から5cmをサンドペーパー(#280,#1000)にてクラッドを研磨して、それぞれ、照射用光拡散体21,モニタ用光拡散体22を形成した。照射用光拡散体21,モニタ用光拡散体22の研磨は、拡散長5cmが均一な光放射分布となるように、目視確認下で研磨加工が施されている。
カフ圧を、0mmHg及び60mmHgとし、図1の皮膚残留薬剤計測装置Sを用いて、蛍光計測を行った。
励起用の光源31には、タラポルフィンナトリウムのソーレー帯吸収ピークに相当する、中心波長409nm,半値全幅16nmの青色LED光源(LLS-405;Ocean Optics, Inc., Dunedin,FL)を用いた。
計測光学系32には、皮膚組織の自家蛍光および励起光の影響を抑制するためにカットオン波長600nmのロングパスフィルタ33(FEL0600;ソーラボジャパン株式会社,東京)が設置されており、波長400〜800nmの範囲にて蛍光スペクトルを分光器34(FL4000;Ocean Optics, Inc., unedin, FL)により計測する構成である。
カフ圧を0mmHg及び60mmHgとした2回の蛍光計測で得た蛍光スペクトルを、図8に示す。図8の結果では、(b)のカフ圧60mmHgのときに、(a)のカフ圧0mmHgのときに殆ど表れていなかった670nmのピークが表れており、カフ圧を、静脈圧以上でかつ動脈圧よりも低い60mmHgとしたときに、カフ圧を静脈圧以下の0mmHgとしたときと比較して、精度よく670nm帯の皮膚組織内の残留薬剤蛍光を計測できることが分かった。
(実験例2)
実験動物として豚を用い、タラポルフィンナトリウムを投与後に、皮膚残留薬剤計測装置Sの照射用光拡散体21,モニタ用光拡散体22を用いてタラポルフィンナトリウム蛍光を測定して、蛍光ピーク面積Sfluoにより、皮膚組織中のタラポルフィンナトリウム残留量の指標とできるか否かについて検討する実験を、以下の通り行った。
実験動物はLW種雌豚3頭(体重27.7±1.1kg,月齢2ヶ月)を用い、深麻酔状態を維持した。タラポルフィンナトリウム静脈投与ラインとして、頚静脈に5Fr.シース(スーパーシース,メディキット株式会社,東京)を留置した。タラポルフィンナトリウムを生理食塩水(大塚生食,大塚製薬株式会社,東京)に溶解し、濃度2.5mg/kg,全量4mlにて約1 minで単回静脈投与した。
図3に示すウレタンゲル15,照射用光拡散体21,モニタ用光拡散体22及び遮光テープ25を、図3と同様に、相互に固定して作成した不図示の参考例の計測プローブを、豚の下肢に設置し、サージカルテープを用いて固定した。カフ10は本実験では用いなかった。
計測プローブ内の励起光照射用拡散チップに青色LED光を11.0 mW入射し、拡散チップ表面において放射照度4.3 mW/cm2にて光照射を行った。蛍光計測は積算時間2秒、繰り返し計測5回にて計10秒の計測を行った。蛍光計測はタラポルフィンナトリウム投与前および投与後5分間隔にて最大120分まで繰り返し行った (N=3)。
タラポルフィンナトリウム投与から最大120分後までの蛍光スペクトルを得ると共に、波長667nmにタラポルフィンナトリウム由来の蛍光ピークを得た。
受光した蛍光スペクトルのうちタラポルフィンナトリウム蛍光のピークを含む波長660〜690nmの範囲におけるピーク面積をベースライン法により算出し、解析対象とした。計測した蛍光スペクトルにおいて、波長660nmと690nmを通る2点を結ぶ直線をベースラインf(λ)とすると、f(λ)は下式のように書ける。
Figure 2018064720
ここで、fluo690とfluo660は、波長660および690nmにおける蛍光強度である。波長660〜690nmにおけるタラポルフィンナトリウム蛍光のピーク面積Sfluoは下式で算出できる。
Figure 2018064720
計測した蛍光スペクトルにおいてSfluoを算出した。タラポルフィンナトリウム投与後5分におけるSfluoを基準として正規化し、Sfluoの経時変化を、図9にプロットした。
Sfluoの正規化は、Sfluoは皮膚組織表面の非均一性や皮膚色などの個体ごとの光学特性の違いに基づく影響を抑制し補償するねらいである。タラポルフィンナトリウム投薬からの経過時間に伴って蛍光スペクトルのピーク強度は徐々に減少傾向が見られ、Sfluoは指数関数的に減衰することが分かった。
A 上腕
S 皮膚残留薬剤計測装置
10 カフ
11 カフ本体
11i 内布
11o 外布
12,13 面ファスナー
14 膨張袋
15 ウレタンゲル
16 コネクタ
17 配管
21 照射用光拡散体
22 モニタ用光拡散体
23,24 プラスチック光ファイバ
25 遮光テープ
25a1,25a2 位置A
25b1,25b2 位置B
30 制御装置
31 光源
32 計測光学系
33 ロングパスフィルタ
34 分光器
41 圧力センサ
42 ローパスフィルタ
43 A/D変換器
44 空気ポンプ
45 空気バルブ
51 制御部
52 操作部
53 表示部
54 記憶部
60 画面
61 動脈圧入力欄
62 静脈圧入力欄
63 カフ圧表示欄
64 励起光波長入力欄
65 照射時間入力欄
66 測定スタートボタン
71 蛍光スペクトル表示欄
72 蛍光ピーク面積表示欄
73 推定濃度表示欄
74 メッセージ欄

Claims (5)

  1. 生体の皮膚組織に残留した光感受性物質の量を計測する皮膚残留薬剤計測装置であって、
    前記生体の被測定部に巻回されて該被測定部を圧迫するためのカフを備え、
    該カフには、前記被測定部の前記皮膚組織に励起光を照射する照射手段と、前記励起光の照射に応じて前記皮膚組織で放出される蛍光の強度を検出する検出手段と、が設けられ、
    前記検出手段で検出された前記蛍光の強度の値を用いて、前記皮膚組織に残留した光感受性物質の推定量を算出する推定残留薬剤量の算出手段と、を備えることを特徴とする皮膚残留薬剤計測装置。
  2. 更に、前記カフによる前記被測定部の圧迫圧力を、前記被測定部の静脈圧以上でかつ前記被測定部の動脈圧よりも小さい圧力に調整する圧力調整手段を備え、
    前記照射手段及び前記検出手段は、前記被測定部の静脈圧以上でかつ前記被測定部の動脈圧よりも小さい前記圧力で、前記被測定部が前記カフに圧迫されている状態において、前記励起光を照射し、前記蛍光の強度を検出することを特徴とする請求項1記載の皮膚残留薬剤計測装置。
  3. 更に、前記算出手段で算出した値を表示する表示手段を備え、
    前記算出手段は、前記蛍光の強度の値を用いて、前記蛍光の蛍光スペクトルを取得し、該蛍光スペクトルにおける、前記光感受性物質の蛍光のピークを含む波長帯のピーク面積,前記光感受性物質の蛍光ピーク強度,前記光感受性物質の蛍光ピーク強度と前記照射手段及び前記検出手段の自家蛍光強度との比,及び前記ピーク面積と前記照射手段及び前記検出手段の前記自家蛍光のある波長範囲の蛍光強度面積の比からなる群から選択された少なくとも一つを、前記推定残留薬剤量の指標として算出し、
    前記表示手段は、前記推定残留薬剤量の指標を表示することを特徴とする請求項1又は2記載の皮膚残留薬剤計測装置。
  4. 前記表示手段は、前記蛍光スペクトルを表示することを特徴とする請求項3記載の皮膚残留薬剤計測装置。
  5. 生体の皮膚組織に残留した光感受性物質の量を計測する皮膚残留薬剤計測方法であって、
    前記生体の被測定部に巻回され、該被測定部を圧迫するカフに設けられた照射手段から、前記被測定部の前記皮膚組織に励起光を照射すると共に、前記カフに設けられた検出手段から、前記励起光の照射に応じて前記皮膚組織で放出される蛍光の強度を検出する照射・検出手順と、
    該検出手順で検出した前記蛍光の強度の値を用いて、前記皮膚組織に残留した光感受性物質の推定量を算出する推定残留薬剤量の算出手順と、を実行することを特徴とする皮膚残留薬剤計測方法。
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TAKAHASHI, M., ARAI, T.: "Fluorescene sensing system by Soret-band LED light excitation for estimating relative talaporfin sod", PHOTODIAGNOSIS AND PHOTODYNAMIC THERAPY, vol. 11, no. 4, JPN6020041869, December 2014 (2014-12-01), pages 586 - 594, ISSN: 0004380401 *
小野祥太郎 ほか: "光線力学的治療における皮膚残留薬剤濃度の蛍光計測:個人差に関する検討", 日本レーザー医学会誌, vol. 37, no. 2, JPN6020042149, 15 July 2016 (2016-07-15), pages 247, ISSN: 0004380403 *
小野祥太郎 ほか: "光線力学的治療後における新たな皮膚内残留薬剤濃度計測法の探求", 日本レーザー医学会誌, vol. 37, no. 3, JPN6020042148, 30 September 2016 (2016-09-30), pages 372, ISSN: 0004380402 *

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