JP2018064075A - ウェーハの加工方法 - Google Patents
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Landscapes
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Abstract
【課題】ウェーハ裏面に形成された薄化部に供給された液体の排出性を向上させる。【解決手段】表面と、裏面と、該表面から該裏面に至る側面と、を有し、該表面に複数のデバイスを有するデバイス形成領域と、該デバイス形成領域を囲繞する外周余剰領域と、を備えたウェーハの加工方法であって、該デバイス形成領域に対応した該ウェーハの裏面を研削して薄化部を形成するとともに、該外周余剰領域に対応した領域を残存させて環状凸部とする研削ステップと、ウェーハの該側面から該環状凸部の内周壁に至る貫通孔となる孔を形成する貫通孔形成ステップと、を備える。該研削ステップと、該貫通孔形成ステップと、を実施した後、該薄化部に液体を供給する液体供給ステップと、該液体供給ステップを実施した後、該薄化部から該液体を排出する液体排出ステップと、をさらに備え、該液体排出ステップでは、該孔が該液体の排出路として機能してもよい。【選択図】図2
Description
本発明は、半導体等でなるウェーハの加工方法に関する。
IC、LSI等のデバイスを有するチップは、表面に複数のデバイスが形成された略円板形状のウェーハが分割されて形成される。該複数のデバイスは、該ウェーハの表面に格子状に設定された分割予定ラインによって区画される複数の領域のそれぞれに形成される。複数のデバイスが形成された後、ウェーハは研削装置により裏面側から研削されて所定の厚みへと薄化される。薄化された該ウェーハが切削装置等によって分割予定ラインに沿って切削されることで個々のチップへと分割される。
デバイスを有するチップは携帯電話、パソコン等の各種電子機器に搭載され広く利用されている。近年、各種の電子機器に対する小型化や薄型化の要求は高まり続けており、それに伴いチップの小型化や薄型化の要求も著しい。そのため、チップの製造プロセスでは、ウェーハが裏面側から研削され、例えば50μm程度の厚さになるように薄化される。
しかし、ウェーハを薄化すると強度が低下し、該ウェーハの搬送等により欠けや割れ等の破損が生じ易くなるため、取り扱いが困難となる。そこで、ウェーハが薄化されても必要な強度を保てるよう、特許文献1に開示されるウェーハの加工方法が提案された。
この方法では、ウェーハの表面の複数のデバイスが形成された領域(以下、デバイス形成領域)に対応する該ウェーハの裏面を研削してウェーハの一部を所定の厚さへ薄化することで薄化部を形成する。このとき、デバイス形成領域を囲む外周余剰領域に対応する裏面は研削されずに残存して、該薄化部を囲繞する環状凸部となる。形成された該環状凸部は十分な厚みを有し、補強部として機能して薄化されたウェーハを補強するから、ウェーハの取り扱いが容易となる。
ところが、該環状凸部の内周壁の壁面がウェーハの表面や裏面に対して垂直であると、該薄化部に液体を供給して所定の処理を実施しその後に液体を該薄化部から排出するとき、液体の排出が滞って薄化部と該内周壁とで形成される凹部に該液体が残留するとの問題を生じる。
例えば、薄化部が形成されたウェーハの該裏面に再配線層を形成する場合、フォトリソグラフィ工程でレジスト剥離液を使用する。そして、該ウェーハを表面や裏面に対して垂直な軸の周りに回転させることで遠心力を作用させて該レジスト剥離液を排出しようとすると、該壁面が垂直であるために該レジスト剥離液が該薄化部の外に排出されにくいとの問題を生じる。
引用文献2には、そのような問題への対策として、ウェーハの裏面に環状凸部が形成される際、その内周壁の壁面が該ウェーハの表面や裏面に対して傾斜するように環状凸部を形成するウェーハの加工方法が開示されている。環状凸部の内周壁が傾斜していると、上述のように該ウェーハを回転させることで発生する遠心力により薄化部の液体を容易に排出できる。
傾斜した内周壁を有する環状凸部を形成する場合、外周余剰領域に対応する裏面の内周側を除去するようにウェーハ裏面を研削して、内周壁が傾斜した環状凸部を形成する。デバイス形成領域では、その全域においてウェーハをチップの仕上がり厚さ程度の均一な厚さにしておく必要があるため、該傾斜した内周壁をデバイス形成領域と重なる位置には形成できない。
ここで、液体の排出を容易にする効果を十分に発現するには、該環状凸部の内周壁の壁面は十分に傾斜していなければならないが、内周壁の壁面の傾斜角が大きくなるほど該外周余剰領域に対応する該裏面を大きく研削しなければならない。一方で、環状凸部の補強部としての機能が十分に発揮されるように、該裏面のうち研削されない領域をある程度確保する必要があるため、予め外周余剰領域の幅を大きくしておかなければならない。
さらに、ウェーハの外周にはその結晶方位を示すノッチと呼ばれる切り欠き部が形成されている。十分に傾斜した内周壁を有する環状凸部を形成する際に該傾斜した内周壁が該ノッチにかかると問題となるため、特にノッチが形成されている部分の近傍では外周余剰領域の幅を大きくしなければならない。
このように、十分に傾斜した内周壁を有する環状凸部を形成するためには外周余剰領域の幅を十分に確保しなければならないが、ウェーハの外周余剰領域を大きくすると、その分デバイス形成領域が小さくなってしまう。すると、形成できるデバイスの量や、作製できるチップの数を減少させなければならず問題である。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、デバイス形成領域を減少させることなくウェーハ裏面に形成された薄化部に供給された液体の排出性を向上させうるウェーハの加工方法を提供することである。
本発明の一態様によれば、表面と、裏面と、該表面から該裏面に至る側面と、を有し、該表面に複数のデバイスを有するデバイス形成領域と、該デバイス形成領域を囲繞する外周余剰領域と、を備えたウェーハの加工方法であって、該デバイス形成領域に対応した該ウェーハの裏面を研削して薄化部を形成するとともに、該外周余剰領域に対応した領域を残存させて環状凸部とする研削ステップと、ウェーハの該側面から該環状凸部の内周壁に至る貫通孔となる孔を形成する貫通孔形成ステップと、を備えることを特徴とするウェーハの加工方法が提供される。
なお、本発明の一態様において、該研削ステップと該貫通孔形成ステップとを実施した後、該薄化部に液体を供給する液体供給ステップと、該液体供給ステップを実施した後、該薄化部から該液体を排出する液体排出ステップと、をさらに備え、該液体排出ステップでは、該孔が該液体の排出路として機能してもよい。さらに、該孔は、ウェーハの該側面側の一端と、該環状凸部の内周壁側の他端と、を有し、該一端とウェーハの該表面を含む面との距離は、該他端とウェーハの該表面を含む該面との距離とは異なる、としてもよい。
本発明の一態様に係るウェーハの加工方法によると、環状凸部内にウェーハの側面から環状凸部の内周壁に至る貫通孔となる孔が形成される。すると、薄化部に供給された液体を該孔を通して円滑に排出できるようになる。そのため、環状凸部の内周壁を傾斜させるためにデバイス形成領域を小さくし外周余剰領域を大きく確保する必要がなくなる。
貫通孔を形成しない従来の方法で内周壁が傾斜した環状凸部を形成する場合、液体の排出路となる該内周壁の傾斜角を大きくするほど外周余剰領域を広く確保する必要があるため、内周壁の該傾斜角を際限なく大きくすることはできない。一方で、本発明の一態様に係るウェーハの加工方法によると、貫通孔の傾斜角(貫通孔の伸長方向と、ウェーハの表面に垂直な方向と、の成す角)を自由に大きくすることができ、該貫通孔の伸長方向を該表面や該裏面と平行にすることもできる。そして、該貫通孔による液体の排出性を該傾斜角を設定して制御できる。
以上のように、本発明の一態様により、デバイス形成領域を減少させることなくウェーハ裏面に形成された薄化部に供給された液体の排出性を向上させうるウェーハの加工方法が提供される。
本発明に係る実施形態について説明する。図1(A)を用いて本実施形態に係るウェーハの加工方法の被加工物であるウェーハについて説明する。ウェーハ1の表面1aは、格子状に配列された分割予定ライン3で複数の領域に区画されており、区画された各領域にはIC、LSI等のデバイス5が形成されている。ウェーハ1の表面1aの複数のデバイス5が形成されている領域をデバイス形成領域と呼び、ウェーハ1の表面1aの該デバイス形成領域の外側を外周余剰領域と呼ぶ。
ウェーハ1は、研削ステップにおいてデバイス形成領域に対応する裏面1bが研削されて薄化される一方で、外周余剰領域に対応する裏面1bは研削されずに残る。すると、デバイス形成領域に薄化部が形成され、外周余剰領域に対応する裏面1bが該薄化部を取り囲む環状凸部となる。最終的にウェーハ1は該環状凸部が除去され分割予定ライン3に沿って分割されて、複数のチップが形成される。
ウェーハ1は、例えば、シリコン、サファイア等の材料でなる略円板状のウェーハや、ガラス、石英等の材料でなる基板である。半導体材料で構成されるウェーハを用いる場合、デバイス5は該ウェーハ1の一部を用いて形成される。ウェーハ1が半導体材料で構成されない場合、ウェーハ1の表面1aに半導体層を設け、該半導体層を加工してデバイス5を形成する。
次に、本実施形態に係るウェーハの加工方法について説明する。まず、表面1aに複数のデバイス5が形成されたウェーハ1のデバイス形成領域に対応する裏面1bを研削する研削ステップを実施する。図1(B)に、研削ステップを説明する断面模式図を示す。
研削ステップに用いる研削装置2について説明する。研削装置2は、被加工物を切削する切削ユニット2aと、被加工物を吸引保持するチャックテーブル10と、を有する。該チャックテーブル10の上面近傍は多孔質部材により形成され、該多孔質部材の上面が保持面12となる。チャックテーブル10は、一端が吸引源(不図示)と接続された吸引路(不図示)を内部に有し、該吸引路の他端が該多孔質部材に接続されている。
チャックテーブル10は、該多孔質部材を通して該保持面12上に載せ置かれた薄板状の被加工物に該吸引源により生じた負圧を作用させて、被加工物を吸引保持する。チャックテーブル10は保持面12に垂直な軸の周りに回転可能であり、被加工物が研削される際に回転して被加工物を回転させる。
研削ユニット2aは、スピンドルモータ(不図示)によって回転駆動されるスピンドル4に装着された研削ホイール6を有する。被加工物が研削される際、該スピンドルモータが回転駆動してスピンドル4をその長軸の周りに回転させ、研削ホイール6を回転させる。研削ユニット2aは、加工送りユニット(不図示)により上下方向に移動される。研削ユニット2aが被加工物に向けて加工送りされ、回転する研削ホイール6が保持する研削砥石8が被加工物に接触すると、該被加工物が研削される。
研削ステップでは、まず、被加工物であるウェーハ1をチャックテーブル10に吸引保持させる。ウェーハ1の被研削面である裏面1bを上に向け、チャックテーブル10の保持面12上にウェーハ1を載せ置き、吸引源(不図示)により生じた負圧を作用させてウェーハ1をチャックテーブル10に吸引保持させる。
ウェーハ1のデバイス形成領域に対応する裏面1bを研削するように、チャックテーブル10を研削ユニット2aの研削ホイール6の下に配置する。そして、チャックテーブル10と、研削ホイール6と、をそれぞれ、例えば図1(A)中の矢印の方向に回転させ、研削ユニット2aを下方向に送り、研削砥石8を該裏面1bに接触させ研削を開始する。デバイス形成領域におけるウェーハ1が所定の厚さとなるまで研削ユニット2aを加工送りする。
研削ステップが完了すると、該デバイス形成領域に対応した該ウェーハ1の裏面1bが研削されて薄化部が形成される。そして、該外周余剰領域に対応した裏面1bは研削されずに残存して環状凸部となる。ウェーハ1は、裏面の全域が研削されてチップの仕上がり厚さ程度にまで薄化されると強度が低下して搬送が困難となるが、環状凸部が存在すると薄化されたウェーハ1の強度はある程度に維持される。そのため、環状凸部を有するウェーハ1は容易に取り扱うことができる。
次に、本実施形態に係る貫通孔形成ステップについて説明する。図2(A)は、該貫通孔形成ステップにより環状凸部11の内部に形成された貫通孔となる孔13の一例を示す断面模式図である。図2(A)に示す通り、該貫通孔となる孔13の一端はウェーハ1の側面1cに開口し、他端は環状凸部11の内周壁11aに開口する。
貫通孔形成ステップでは、ミーリング加工を用いて貫通孔となる孔13を形成する。ミーリング加工では、まず、ウェーハ1を固定器具により固定し、軸の先端に刃を有する転削工具を回転させながら軸方向に移動させ、該ウェーハ1の側面1cに該刃を当てて転削を開始する。そのまま転削工具を軸方向に移動させて環状凸部11の内部を掘り進ませ、該転削工具の先端が環状凸部11の内周壁11aに至ると、貫通孔となる孔13が形成される。
また、貫通孔形成ステップでは、ミーリング加工以外の手法により貫通孔となる孔13を形成してもよい。例えば、ウェーハ1の側面1cにレーザビームを照射し、アブレーション加工により貫通孔13を形成してもよい。さらに、貫通孔形成ステップでは、環状凸部11の内周壁11a側からウェーハ1の側面1c側に向けて掘り進めて孔13を形成してもよい。
該孔13は、ウェーハ1の裏面1bの薄化部9に供給された液体を薄化部9から排出する際に、該液体の排出路として機能する。該孔13の内径が大きくなるほど、または、形成する該孔13の数を増やすほど、液体の排出性を向上できるが、その一方で、ウェーハ1の強度を維持する環状凸部11の機能(補強部としての機能)は低下する。そこで、環状凸部11の補強部としての機能を十分に確保する一方で液体の排出性を向上できるように、環状凸部11に形成する孔13の内径や数等を決定する。
環状凸部の補強部としての能力は、ウェーハ1の材質、厚さ、及び、環状凸部の幅等により決まるため、孔13の内径や数等もこれらに合わせて適宜設定される。すなわち、ウェーハ1に堅牢な材料が用いられる場合、ウェーハ1の厚い場合、環状凸部の幅が広い場合等には、環状凸部の補強部としての機能は高いため、孔13の内径を大きくでき、また、多くの数の孔13を形成できる。
貫通孔形成ステップで形成される貫通孔となる孔の他の一例を図2(B)に示す。図2(B)に示す通り、孔13aの伸長方向は傾斜していてもよい。その場合、孔13aは、ウェーハ1の側面1c側の一端と、環状凸部11の内周壁11a側の他端と、はそれぞれウェーハ1の表面1aを含む面からの高さ(距離)が異なる。
例えば、図2(B)に示す通り、貫通孔となる孔13aのウェーハ1の側面1c側の一端は、環状凸部11の内周壁11a側の他端と比べ、ウェーハ1の表面1aを含む面から高さ(距離)が大きい。すると、後述の液体供給ステップを実施する際に、ウェーハ1の裏面1b側の薄化部9に液体を供給したときに、該液体が薄化部9と、内壁面11aと、で構成される凹部に貯留されるようになる。
該液体を裏面1bに作用させて所定の処理を行う場合、十分な量の液体が薄化部9になければ該処置を適切に実施できない場合がある。貫通孔となる孔13aがこのように傾斜して形成されると、必要量の液体が該凹部に貯留できるようになる。さらに、図2(A)及び図2(B)に示す通り、貫通孔となる孔13,13aの内周壁11a側の端と、薄化部9と、の間に所定の距離が設けられると、該液体を該凹部に貯留できる。
なお、貫通孔となる孔13,13aの内周壁11a側の端と、薄化部9と、の間に距離を設けなければ、該液体の排出性が極めて高くなり、液体供給ステップにおいて薄化部9に液体が供給されるとそのまま孔13,13aを通じて液体が排出される。例えば、大気中において激しく性質が変化する液体を薄化部9に供給する場合、該孔をこのように形成すると、該凹部に液体が貯留せずに常に新しい該液体を薄化部9に供給できるようになるため、液体の作用を定常化させることができる。
また、図2(B)に示すように孔13aのウェーハ1の側面1c側の一端を、該環状凸部11の内周壁11a側の他端と比べ、ウェーハ1の表面1aを含む面から高さ(距離)を小さくしてもよい。このようにすると、孔13aの液体の排出性が向上できる。
また、貫通孔となる孔13aの伸長方向が傾斜していると、後述の液体排出ステップの最終段階において該凹部からの液体の排出が完了する際に、該孔13aに残る液体が孔13aのいずれかの端に移動して該孔13aの外に出る。もし、該孔13aに液体が残ると、孔13aに予期せぬ作用を生じるおそれや、その後ウェーハ1を搬送等する際に該液体が該孔13aから外に出て薄化部9等に予期せぬ作用を起こすおそれがある。
次に、本実施形態に係る液体供給ステップについて説明する。液体供給ステップは、研削ステップと、該貫通孔形成ステップと、を実施した後に実施される。図3(A)は、液体供給ステップを説明する断面模式図である。液体供給ステップでは、チャックテーブル16の上に保持された被加工物に液体18を供給できる液体供給装置14から、該チャックテーブル16に保持されたウェーハ1の裏面1b側の薄化部9に液体18を供給する。
液体供給装置14が供給する液体18は、ウェーハ1の裏面1bに作用する液体であり、例えば、薄化部9をエッチングするエッチング液や、裏面1bに配線を形成する際に用いられるレジスト剥離液でもよい。ただし、液体18はこれに限定されない。
液体供給ステップでは、まず、その後に実施する液体排出ステップに備えて、上面に垂直な軸の周りに回転可能なチャックテーブル16の上にウェーハ1を吸引保持させる。次に、液体供給装置14からウェーハ1の裏面1b側の薄化部9に液体18を供給し、該裏面1bに液体18を作用させる。なお、チャックテーブル16には、研削ステップで使用されるチャックテーブル10と同様の構成のチャックテーブルが用いられる。
液体供給ステップの次に実施する液体排出ステップについて、図3(B)を用いて説明する。図3(B)は、液体排出ステップを説明する断面模式図である。液体排出ステップでは、液体供給ステップでウェーハ1の裏面1b側の薄化部9に供給され凹部に残存する液体18を排出する。
まず、ウェーハ1を吸引保持するチャックテーブル16をその上面に垂直な軸の周りに回転させる。すると、薄化部9に残存する液体18に遠心力が作用しウェーハ1の外周方向に液体18が移動する。そして、貫通孔形成ステップで形成した孔13を通じて該液体18が排出される。
環状凸部11の内周壁11aに貫通孔13が形成されていない場合、液体18を排出させるには、遠心力を液体18に作用させて該内周壁11aを超えさせなければならない。このとき液体18に作用させる遠心力が小さいと液体18が内周壁11aを超えられない。液体18が内周壁11aを超えられるようチャックテーブルの回転速度を増して遠心力を大きくしても、一部の液体18は薄化部9の底面と内周壁11aとの境界となる角に残留してしまう。
本実施形態に係るウェーハの加工方法においては、貫通孔形成ステップにおいて孔13を形成し液体18の排出性を高めているため、液体18が内周壁11aを超えられる程に該遠心力を大きくしなくても、該貫通孔13を通じて液体18を容易に排出できる。
液体排出ステップを実施した後、ウェーハ1から環状凸部11を除去し、ウェーハ1を分割予定ライン3に沿って分割すると、IC、LSI等のデバイスを有する個々のチップが形成される。
なお、本発明は、上記実施形態の記載に限定されず、種々変更して実施可能である。例えば、上記の実施形態では、研削ステップを実施した後に貫通孔形成ステップを実施する場合について説明したが、研削ステップを実施する前に貫通孔形成ステップを実施してもよい。貫通孔形成ステップを実施した後に研削ステップを実施する場合について、図4(A)及び図4(B)を用いて説明する。
図4(A)は、研削ステップが実施されていないウェーハ1に貫通孔形成ステップを実施する場合について説明する断面模式図である。この場合、ウェーハ1に貫通孔形成ステップを実施して、ウェーハ1の側面1cから貫通孔となる孔13を形成する。このとき貫通孔となる孔13をその後の研削ステップで形成される環状凸部11の内壁面11aに確実に連通させるため、研削ステップで除去される領域に該孔を到達させる。
研削ステップを実施するより前に貫通孔形成ステップを実施すると、貫通孔となる孔13を形成する時点ではウェーハ1は薄化されておらず、ウェーハ1はデバイス形成領域を含め強度が高い。そのため、貫通孔形成ステップでウェーハ1を固定、加工する際に損傷を生じる可能性が低く、比較的容易に貫通孔形成ステップを実施できる。さらに、ウェーハ1に薄化部9が形成されていると実施できないようなウェーハ1にかかる負荷の高い方法、例えば、転削工具の進行速度を速めて貫通孔となる孔13を形成することもできる。
貫通孔形成ステップを実施した後、研削ステップを実施してウェーハ1の裏面1b側に薄化部9を形成する。図4(B)は、該研削ステップの実施中の状態を説明する断面模式図である。貫通孔形成ステップで形成した貫通孔となる孔13の終端部を研削で除去することにより、ウェーハ1の側面1cと、環状凸部11の内周壁11aとが孔13により連通され、該孔13が貫通孔となる。
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
1 ウェーハ
1a 表面
1b 裏面
1c 側面
1d 表面保護部材
3 分割予定ライン
5 デバイス
7 ノッチ
9 薄化部
11 環状凸部
11a 内壁面
13,13a 孔
2 研削装置
2a 研削ユニット
4 スピンドル
6 研削ホイール
8 研削砥石
10 チャックテーブル
12 保持面
14 液体供給装置
16 チャックテーブル
18 液体
1a 表面
1b 裏面
1c 側面
1d 表面保護部材
3 分割予定ライン
5 デバイス
7 ノッチ
9 薄化部
11 環状凸部
11a 内壁面
13,13a 孔
2 研削装置
2a 研削ユニット
4 スピンドル
6 研削ホイール
8 研削砥石
10 チャックテーブル
12 保持面
14 液体供給装置
16 チャックテーブル
18 液体
Claims (3)
- 表面と、裏面と、該表面から該裏面に至る側面と、を有し、該表面に複数のデバイスを有するデバイス形成領域と、該デバイス形成領域を囲繞する外周余剰領域と、を備えたウェーハの加工方法であって、
該デバイス形成領域に対応した該ウェーハの裏面を研削して薄化部を形成するとともに、該外周余剰領域に対応した領域を残存させて環状凸部とする研削ステップと、
ウェーハの該側面から該環状凸部の内周壁に至る貫通孔となる孔を形成する貫通孔形成ステップと、
を備えることを特徴とするウェーハの加工方法。 - 該研削ステップと、該貫通孔形成ステップと、を実施した後、該薄化部に液体を供給する液体供給ステップと、
該液体供給ステップを実施した後、該薄化部から該液体を排出する液体排出ステップと、をさらに備え、
該液体排出ステップでは、該孔が該液体の排出路として機能することを特徴とする請求項1に記載のウェーハの加工方法。 - 該孔は、ウェーハの該側面側の一端と、該環状凸部の内周壁側の他端と、を有し、
該一端とウェーハの該表面を含む面との距離は、該他端とウェーハの該表面を含む該面との距離とは異なることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のウェーハの加工方法。
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