JP2018063857A - 圧着端子及びこの圧着端子を用いた接続構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】電線を損なうことなく、電線の端末を保持することができる圧着端子及びこの圧着端子を用いた接続構造を提供する。【解決手段】 導体接続部2と、芯線加締め接続部6と、電線3を保持する電線被覆押え部8とが連続して設けられた圧着端子1であって、電線被覆押え部8は底板部9と、この底板部9の両側から延設される少なくとも一対のバレル片10、11とで形成され、バレル片10、11は、電線3の被覆7の外周にそれぞれ巻き付けられる一対のバレル本体部12、13と、これらのバレル本体部12、13にそれぞれ設けられて、一対のバレル片10、11が電線3の被覆7外周に巻き付けられた状態で電線3の被覆7の外周上で対向する傾斜側辺14、15と、で形成され、一対のバレル片10、11が電線3の被覆7の外周に巻き付けられた状態で傾斜側辺14、15間に電線3の被覆7が進入する被覆進入空間16が形成される。【選択図】 図7
Description
本発明は、電線の端末に圧着接続される圧着端子及びこの圧着端子を用いた接続構造に関する。
電線の端末に接続される圧着端子は、相手導体と接続される導体接続部と、電線の端末の芯線が加締め接続される芯線加締め接続部と、電線の被覆外周に巻き付けられて電線の端末を圧着端子に保持する電線被覆押え部とが連続して設けられている。電線の端末を保持する電線被覆押え部は、特許文献1、2に開示されているように、電線の端末が載置される底部と、この底部の両側から延設された一対のバレル片とで形成されている。
そして、底部上に電線の端末の被覆部分を載置した状態で、一対のバレル片を、電線の被覆の外周に巻き付けるように圧着する、いわゆるO形圧着により電線の端末を圧着端子に保持させることができる。また、一対のバレル片の先端部を電線の被覆の外周に食い込ませて圧着する、いわゆるF形圧着によっても電線の端末を圧着端子に保持させることができる。
また、電線被覆押え部で、O形圧着あるいはF形圧着によって電線の被覆部分が保持されるとともに、電線の被覆部分から剥き出されている電線の芯線が芯線加締め接続部によって加締められることにより、電線の端末に圧着端子が接続される。
しかしながら、電線被覆押え部での上記O形圧着や上記F形圧着による電線の保持力は十分とはいえず、電線に軸方向の引っ張り力が加わると電線被覆押え部に対して電線が軸方向にずれてしまうおそれがある。特に、電線径が細くなると、O形圧着やF形圧着による電線の保持力は十分ではない。
さらに、上記F形圧着によって電線を保持する場合では、電線の被覆にバレル片の先端部が食い込むため電線被覆(絶縁部材)に亀裂が生じ、電線が損なわれてしまう。
そこで、本発明は、電線を損なうことなく、電線の端末をより強固に保持することができる圧着端子及びこの圧着端子を用いた接続構造の提供を目的とする。
この目的を達成するため、本発明の一態様は、相手導体と接続される導体接続部と、電線端末の芯線が加締め接続される芯線加締め接続部と、電線の被覆外周に巻き付けられて電線を保持する電線被覆押え部とが連続して設けられ、前記電線の端末に圧着接続される圧着端子であって、前記電線被覆押え部は、前記電線の被覆部が載置される底板部と、この底板部の両側から同方向に延設される少なくとも一対のバレル片とで形成され、前記バレル片は、前記電線の被覆の外周にそれぞれ巻き付けられる一対のバレル本体部と、これらのバレル本体部にそれぞれ設けられて、一対のバレル片が前記電線の被覆外周に巻き付けられた状態で前記電線の被覆の外周上で対向する傾斜側辺と、を備え、前記一対のバレル本体部が前記電線の被覆の外周に巻き付けられた状態で前記傾斜側辺間に前記電線の被覆が進入する被覆進入空間が形成されることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、前記一対のバレル本体部は前記電線の被覆の外周に螺旋状に巻き付けられ、一方のバレル本体部と他方のバレル本体部とで前記電線の被覆が捻られることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、前記底板部が、前記一対のバレル本体部が前記電線の被覆の外周に螺旋状に巻き付けられて前記電線の被覆を捻ることで前記電線の被覆の外周全域に密着することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、前記芯線加締め接続部に隣設する一方のバレル本体部の前記傾斜側辺は圧着端子の展開状態で前記底板部に向かって前記芯線加締め接続部から離れる方向に傾斜し、他方のバレル本体部の傾斜側辺は圧着端子の展開状態で前記底板部に向かって前記芯線加締め接続部に近づく方向に傾斜していることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、前記電線被覆押え部の前記底板部が、前記芯線加締め接続部の底板部に対して前記電線の軸方向に直行する方向へオフセットした位置に設けられ、前記電線被覆押え部の底板部と前記芯線加締め接続部の底板部との間に段差が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の圧着端子を用いた接続構造であって、圧着端子の一対のバレル本体部が電線の被覆を緊密状態で捻るように巻き付けられるバレル締め付け部と、前記バレル締め付け部が一対のバレル本体部に締め付けられた状態で一対のバレル本体部の傾斜側辺間の被覆進入空間に進入する被覆進入部と、を有することを特徴とする。
本発明に係る圧着端子に電線の端末を保持するには、電線の被覆部分を電線被覆押え部の底板部上に載置し、一対のバレル片間に電線の被覆部分を位置させる。この状態から、例えばクリンパー等により一対のバレル片を互いに接近する方向、すなわち電線の被覆の外周に向けて折り曲げ、電線の被覆の外周に圧力を付与しつつ巻き付ける。電線の被覆の外周に圧力を付与しつつ巻き付けると一対のバレル片が電線の被覆を押圧し被覆の外周に食い込むと共に、一対のバレル片間の被覆進入空間に電線の被覆の一部が進入する。一対のバレル片間に進入した電線の被覆の一部は、各バレル本体部の傾斜側辺間に挟み込まれる。
この状態では、電線被覆押え部から電線が抜き出る方向の電線の軸方向の力が電線に加わっても、被覆電線進入空間に進入している電線の被覆の一部が傾斜側辺に当たって電線の電線被覆押え部からの抜けが阻止される。また、一対のバレル片は、電線の被覆の外周に圧力を付与しつつ巻き付けているだけなので、電線を損傷させることがない。したがって、電線を損なうことなく、電線の端末をより強固に保持することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る圧着端子及びこの圧着端子を用いた接続構造について説明する。
〔実施の形態の圧着端子の特徴〕
〔実施の形態の圧着端子の特徴〕
図1〜図3に示すように、本実施の形態の形態に係る圧着端子1は、相手導体である芯線5と接続される導体接続部2と、電線3の端末4の芯線5が加締め接続される芯線加締め接続部6と、電線3の被覆7の外周に巻き付けられて電線3を保持する電線被覆押え部8とが連続して一体に設けられ、電線3の端末4が圧着接続される。
電線被覆押え部8は、電線3の被覆7が載置される底板部9と、この底板部9の両側から同方向(成型された状態で)に延設される一対のバレル片10、11とで形成されている。バレル片10、11は、電線3の被覆7の外周にそれぞれ巻き付けられる一対のバレル本体部12、13と、これらのバレル本体部12、13にそれぞれ設けられて、一対のバレル片10、11が電線3の被覆7外周に巻き付けられた状態で電線3の被覆7の外周上で対向する傾斜側辺14、15と、を備え、一対のバレル本体部12、13が電線3の被覆7の外周に巻き付けられた状態で傾斜側辺14、15間に電線3の被覆が進入する被覆進入空間16が形成される。
また、本実施の形態に係る圧着端子1は、一対のバレル本体部12、13は電線3の被覆7の外周に螺旋状に巻き付けられ、一方のバレル本体部12と他方のバレル本体部13とで電線3の被覆7が捻られる。
また、本実施の形態に係る圧着端子1は、底板部9は、一対のバレル本体部12、13が電線3の被覆7の外周に螺旋状に巻き付けられて電線3の被覆7を捻ることで電線3の被覆7の外周全域に密着する。
さらに、本実施の形態に係る圧着端子1は、芯線加締め接続部6に隣設する一方のバレル本体部12の傾斜側辺14は圧着端子1の展開状態で底板部9に向かって芯線加締め接続部6から離れる方向に傾斜し、他方のバレル本体部13の傾斜側辺15は圧着端子1の展開状態で底板部9に向かって芯線加締め接続部6に近づく方向に傾斜している。
また、本実施の形態に係る圧着端子1は、電線被覆押え部8の底板部9は、芯線加締め接続部6の底板部18に対して電線3の軸方向に直交する方向へオフセットした位置に設けられ、電線被覆押え部8の底板部9と芯線加締め接続部6の底板部18との間に段差部21が形成されている。
以下、実施の形態に係る圧着端子1の詳細について図面を用いて説明する。
〔芯線加締め接続部〕
〔芯線加締め接続部〕
図1〜図3に示すように、芯線加締め接続部6は、導体接続部2の外周一部から連続する底板部18と、この底板部18の両側に設けられた一対の側板部19、19とで形成されている。一対の側板部19、19の先端20、20は、図4(a)に示すように、肉厚が次第に薄く形成されている。そして、電線3の複数本の芯線5を底板部18上に載置し、一対の側板部19、19を互いに接近する方向、すなわち底板部18側に折り曲げ、先端20、20を複数本の芯線5内に食い込ませる。これにより、芯線5が芯線加締め接続部6に圧着接続され、電線3が圧着端子1と電気的に接続される。この芯線加締め接続部6に隣設して電線被覆押え部8が一体に延設されている。
〔電線被覆押え部〕
〔電線被覆押え部〕
図1〜図3に示すように、電線被覆押え部8は、芯線加締め接続部6の底板部18から連続する底板部9と、この底板部9の両側部から延設された一対のバレル片10、11とで構成されている。底板部9は、芯線加締め接続部6の底板部18に対して、図3に示すように、下方に位置しており、底板部18と底板部9との間には段差部21が形成されている。
一対のバレル片10、11は、底板部9の両側部からそれぞれ延設された側板部22、23と、これらの側板部22、23からそれぞれ延設された二等辺三角形状のバレル本体部12、13とで形成されている。一方のバレル片10のバレル本体部12は、側板部22の芯線加締め接続部6側から連続して設けられ、他方のバレル片11のバレル本体部13は、圧着端子1の後端側(電線3が引き出される側)から連続して設けられている。
一方のバレル片10の二等辺三角形状のバレル本体部12は、側板部22の電線軸方向の中間部から芯線加締め接続部6側に向けて傾斜する傾斜側辺14が形成されている。また、側板部22の芯線加締め接続部6側からは、電線軸方向に対して略直交する方向に沿う垂直側辺24が形成されている。これらの傾斜側辺14と垂直側辺24とが先端26で連続している。また、図4(b)に示すように、バレル本体部12の先端26は、先端にいくにしたがい薄肉に形成されている。
他方のバレル片11の二等辺三角形状のバレル本体部13も、バレル本体部12と同様に側板部23の電線軸方向の中間部から圧着端子1の後端側に向けて傾斜する傾斜側辺15が形成されている。また側板部23の圧着端子1の後端側から、電線の軸方向に直交する方向に沿う垂直側片25が形成されている。これらの傾斜側辺15と垂直側片25とが先端27で連続している。また、図4(b)に示すように、バレル本体部13の先端27は、先端にいくにしたがい薄肉に形成されている。
そして、図8に示すように、電線3の被覆7を底板部9に載置した状態で、一対のバレル片10、11をクリンパー31により互いに接近する方向へ折り曲げて、電線3の被覆7の外周に圧力を付与しながら巻き付けることにより、図5、6、図7(b)に示すように、電線3の被覆7が、底板部9と、側板部22、23と、一対のバレル片10、11とにより緊密に保持され、圧着される。電線3の被覆7が圧着された状態では、図7(a)に示すように、一対のバレル片10、11の傾斜側辺14、15間に被覆進入空間16が形成される。この被覆進入空間16内には、一対のバレル片10、11を電線3の被覆7に圧着させると、電線3の被覆7の被覆進入部28が進入する。
次に、圧着端子1を電線3の端末4に圧着接続する手順と、一対のバレル片10、11と電線3の被覆の挙動について説明する。電線3の端末4は、予め被覆7が剥かれて芯線5が露出している。この状態の電線3の端末4を、図8に示すように、図示しない圧着装置にセットされた圧着端子1上に載置する。圧着端子1に電線3の端末を載置するとき、露出している芯線5は芯線加締め接続部6の底板部18上に載置し、被覆7は電線被覆押え部8の底板部9上に載置する。このとき、図7(a)に示すように、被覆7の端面外周を、底板部18と底板部9との間に設けられている段差部21に当接させることにより、圧着端子1への電線3の端末4の位置決めを行うことができる。
圧着端子1上に電線3の端末4を載置した状態で、図8に示すように、圧着装置のクリンパー31によってバレル片10、11を互いに接近する方向(第8図矢印D方向)へ、折り曲げ、図5及び図6に示すように被覆7の外周に巻き付ける。一対のバレル片10、11のバレル本体部12、13をさらに押圧すると、図7(a)に示すように、バレル本体部12、13間の被覆進入空間16内に電線3の被覆7が進入する。また、被覆7に被覆された芯線5は、被覆進入空間16内に被覆7が進入することにより、バレル本体部12、13間に位置する部分が被覆進入空間16内に進入した被覆とともに被覆進入空間16側に変形する。
さらに、バレル本体部12、13を押圧すると、バレル本体部12、13は、図5において、矢印A1、A2方向へ向かって移動する。バレル本体部12、13が、図5において矢印A1、A2方向へ向かって移動すると、すなわち、一方のバレル本体部12が、電線3の軸方向に対して傾斜するA1方向に移動し、他方のバレル本体部13が、バレル本体部12と逆方向のA2方向に移動すると、バレル本体部12、13が電線3を絞るように電線3の被覆7の外周に巻き付き、バレル本体部12、13はらせん状に被覆7に巻き付く。
この場合、図5及び図6において、電線3は芯線加締め接続部6側が矢印C方向に捻られ、バレル本体部13側が矢印B方向に捻られて、バレル本体部12、13が被覆7にらせん状に巻き付けられる。この状態では、図9に示すように、底板部9、側板部22、23が被覆7の外周に密着した状態となり、圧着端子1の電線被覆押え部8に密着した状態で圧着される。
この場合、圧着端子1に対して規定の径の電線3よりも細い電線を圧着する場合でも、バレル本体部12、13が電線の被覆にらせん状に巻き付くことにより、底板部9、側板部22、23が細い電線の被覆に巻き付くことにより密着するので、規定の径の電線3よりも細い電線も圧着端子1に圧着接続することができる。
〔実施の形態の圧着端子の効果〕
〔実施の形態の圧着端子の効果〕
以下に、図10〜図16に示す比較例を用いて、本発明の実施の形態に係る圧着端子1の作用、効果について詳細に説明する。
〔比較例1〕
〔比較例1〕
図10〜図15に示す圧着端子30の電線被覆押え部38には、底板部39の両側部から延設された側板部42、43に連続して一対のバレル片40、41が設けられている。電線3の被覆7の外周に巻き付けられた状態では、図12、13に示すように、一対のバレル片40、41間は近接している。この圧着端子30は、いわゆるO形圧着の端子であり、図12(b)に示すように、電線3の被覆の外周にO形に巻き付けられている。また、図12(a)に示すように、一対のバレル片40、41間には、電線3の被覆7は進入していない。
また、この圧着端子30は、一対のバレル片40、41が電線3の被覆7の外周に巻き付けられた状態では、図12(b)に示すように、一対のバレル片40、41と、相手の側板部42、43との間に隙間が存在している。このため、一対のバレル片40、41と側板部42、43との間から電線3の被覆部分がはみ出している。この状態から図13、図14に示すように、さらに一対のバレル片40、41を電線3の被覆7に押圧しながら巻き付けると、一対のバレル片40、41間の隙間が小さくなるとともに、図15(b)に示すように、一対のバレル片40、41の先端部が相手の側板部42、43に当接する。この状態では、一対のバレル片40、41によって電線3の被覆7を押圧状態で巻き付けることができない。また図15(a)に示すように、一対のバレル片40、41間に電線3の被覆7が進入することはない。
〔比較例2〕
〔比較例2〕
図16(a)、(b)に示す圧着端子50は、いわゆるF形圧着端子であって、底板部59の両側から延設された一対のバレル片60、61の先端部を折り曲げて電線3の被覆7に差し込むように、電線3の被覆7に巻き付ける。この圧着端子50では、一対のバレル片60、61の先端部が電線3の被覆7の外周に差し込まれることで電線3が電線被覆押え部58に保持される。
以上説明した比較例1、2に対して、本発明の実施の形態の圧着端子1では、電線被覆押え部8から電線3が抜き出る方向の電線3の軸方向の力が電線に加わっても、被覆進入空間16に進入している電線3の被覆7の一部が傾斜側辺14、15に当たって電線の電線被覆押え部8からの抜けが阻止される。
また、一対のバレル片10、11は、電線3の被覆7の外周に圧力を付与しつつ巻き付けているだけなので、比較例2に対して電線3を損傷させることがない。したがって、電線3を損なうことなく、電線3の端末4をより強固に保持することができる。
また、規定の径の電線3よりも細い電線であっても、一対のバレル本体部12、13が電線の被覆にらせん状に巻き付くことによって、バレル本体部12、13間の被覆進入空間16内に電線3の被覆7が進入し、しかも、底板部9、側板部22、23が電線3の被覆7に密着するので、電線3の端末4をより強固に保持することができる。また、底板部9、側板部22、23が電線3の被覆7に密着するように圧着することができるので、規定の径の電線3よりも細い電線であっても圧着することができるので、圧着することができる電線の径の範囲を広くすることができる。
また、バレル本体部12、13が電線の被覆にらせん状に巻き付いて、圧着した状態では、底板部9、側板部22、23が連続して電線3の被覆7の外周を抑えるため電線3の芯線5の撚りを崩すことなく抑えることができる。また、全周を抑えることで、例えばコアを有する信号線のインピーダンスがずれることを防止できる。特に、自動車用細線(0.75SQmm以下)においては、アルミ撚り線の芯線の撚りを崩すことは電線の撚り線抵抗を増加させる要因となるが、本実施の形態の圧着端子1では、撚り線抵抗の増加を防止することができる。
さらに、本実施の形態では、被覆進入空間16に被覆7が進入すると、芯線5が被覆進入空間16側に変形することにより、電線被覆押え部8から電線3が抜き出る方向の電線3の軸方向の力が電線3に加わった際に、芯線5の変形部分が延びることにより軸方向の力を吸収することができる。これにより電線被覆押え部8から電線3が抜き出る方向の電線3の軸方向の力が電線3に加わっても、芯線5の破損を抑制することができる。また、電線被覆押え部8の底板部9に、バレル本体12、13側に向けて突出する凸部を設けることにより、被覆7を被覆進入空間16により確実に進入させることができ、芯線5もバレル本体部12、13間に向けて変形し易くなる。
〔接続構造〕
〔接続構造〕
次に上記圧着端子1用いた接続構造の実施の形態について説明する。本発明の実施の形態の接続構造は、図5及び図6に示すように、上記実施の形態の圧着端子1の一対のバレル本体部12、13が緊密状態で捻るように巻き付けられる被覆7のバレル締め付け部29と、バレル締め付け部28が一対のバレル本体部12、13に締め付けられた状態で一対のバレル本体部12、13の傾斜側辺14、15間の被覆進入空間16に進入する被覆進入部28と、を有している。
この接続構造によれば、電線被覆押え部8から電線3が抜き出る方向の電線3の軸方向の力が電線3に加わっても、被覆進入空間16に進入している電線3の被覆7の一部が傾斜側辺14、15に当たって電線3の電線被覆押え部8からの抜けを阻止することができる。
また、一対のバレル片10、11が、電線3の被覆7の外周に圧力を付与しつつ巻き付けられているだけなので、電線3の被覆7を損傷させることがない。したがって、電線3を損なうことなく、電線3の端末4をより強固に保持することができる。
なお、上記各実施の形態では、一対のバレル片10、11は、底板部9の両側から延設された側板部22、23にそれぞれ一つずつ設けられているが、二つ以上設けても良い。また、上記各実施の形態では、バレル片10、11が側板部22、23にそれぞれ一つずつ対向して設けられているが、一方の側板部22に2つのバレル片を設け、これらのバレル片の間に挟まれるように他方の側板部23に一つ設けても良い。
さらに、上記各実施の形態では、傾斜側辺14の傾斜方向が側板部22の電線軸方向の中間部から芯線加締め接続部6側に向けて傾斜し、傾斜側辺15が側板部23の中間部から圧着端子1の後端側に向けて傾斜しているが、傾斜側辺14、15の傾斜方向はこれに限らず、バレル片10、11が電線3の被覆7の外周に巻き付けられた状態で、傾斜側辺14、15間に被覆進入空間16が形成されていれば、傾斜側辺14、15の傾斜方向はいずれの方向でも良い。また、少なくとも一対のバレル片10、11が底板部9の両側から設けられ、少なくとも一対のバレル片10、11が傾斜側辺14、15を有していれば、一対のバレル片の組み合わせ、個数、傾斜側辺の傾斜方向は上記各実施の形態以外でも良い。
また、上記各実施の形態では、一対のバレル片10、11に設けた垂直側片24、25は、側板部22、23に対して傾斜する方向に形成されているが、側板部22、23に対して、垂直に形成されていても良い。また、上記各実施の形態では、バレル本体部12、13が略二等片三角形状に形成されているが、少なくとも、傾斜側辺14、15が形成されていれば、この形状に限らなくても良い。
また、上記実施の形態では、撚り線の周囲を被覆7によって被覆した被覆電線の端末に丸孔の圧着端子1を圧着接続する例を示したが、端子の種類は丸形の端子以外にタブ端子や、ピン端子を被覆電線の端末に接続する際にも、本発明を適用することができる。また、被覆電線以外にシールド線の端末に圧着端子を接続する場合にも本発明を適用することができる。
以上、実施の形態について説明したが、この実施の形態の開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
本発明は、電線の端末に被覆電線を接続する際に用いることができ、特に自動車用細線(0.75SQmm以下)を端子に圧着する場合に好適である。
1 圧着端子
2 導体接続部
3 電線
4 端末
5 芯線
6 芯線加締め接続部
7 被覆
8 電線被覆押え部
9 底板部
10、11 バレル片
12、13 バレル本体部
14、15 傾斜側辺
16 被覆進入空間
2 導体接続部
3 電線
4 端末
5 芯線
6 芯線加締め接続部
7 被覆
8 電線被覆押え部
9 底板部
10、11 バレル片
12、13 バレル本体部
14、15 傾斜側辺
16 被覆進入空間
Claims (6)
- 相手導体と接続される導体接続部と、電線の端末の芯線が加締め接続される芯線加締め接続部と、電線の被覆外周に巻き付けられて電線を保持する電線被覆押え部とが連続して設けられ、前記電線の端末に圧着接続される圧着端子であって、
前記電線被覆押え部は、前記電線の被覆が載置される底板部と、この底板部の両側から同方向に延設される少なくとも一対のバレル片とで形成され、
前記バレル片は、前記電線の被覆の外周にそれぞれ巻き付けられる一対のバレル本体部と、これらのバレル本体部にそれぞれ設けられて、一対のバレル片が前記電線の被覆外周に巻き付けられた状態で前記電線の被覆の外周上で対向する傾斜側辺と、で形成され、
前記一対のバレル本体部が前記電線の被覆の外周に巻き付けられた状態で前記傾斜側辺間に前記電線の被覆が進入する被覆進入空間が形成されることを特徴とする圧着端子。 - 前記一対のバレル本体部は前記電線の被覆の外周に螺旋状に巻き付けられ、一方のバレル本体部と他方のバレル本体部とで前記電線の被覆が捻られることを特徴とする請求項1に記載の圧着端子。
- 前記底板部は、前記一対のバレル本体部が前記電線の被覆の外周に螺旋状に巻き付けられて前記電線の被覆を捻ることで前記電線の被覆の外周全域に密着することを特徴とする請求項2に記載の圧着端子。
- 前記芯線加締め接続部に隣設する一方のバレル本体部の前記傾斜側辺は圧着端子の展開状態で前記底板部に向かって前記芯線加締め接続部から離れる方向に傾斜し、
他方のバレル本体部の傾斜側辺は圧着端子の展開状態で前記底板部に向かって前記芯線加締め接続部に近づく方向に傾斜していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の圧着端子。 - 前記電線被覆押え部の前記底板部は、前記芯線加締め接続部の底板部に対して前記電線の軸方向に直行する方向へオフセットした位置に設けられ、前記電線被覆押え部の底板部と前記芯線加締め接続部の底板部との間に段差が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の圧着端子。
- 請求項1から請求項5に記載の圧着端子を用いた接続構造であって、
圧着端子の一対のバレル本体部が電線の被覆を緊密状態で捻るように巻き付けられるバレル締め付け部と、前記バレル締め付け部が一対のバレル本体部に締め付けられた状態で一対のバレル本体部の傾斜側辺間の被覆進入空間に進入する被覆進入部と、を有することを特徴とする接続構造。
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