JP2018063113A - 圧電センサユニット及び圧電センサユニットの製造方法並びに燃焼圧センサ - Google Patents

圧電センサユニット及び圧電センサユニットの製造方法並びに燃焼圧センサ Download PDF

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Abstract

【課題】圧電センサの耐荷重性能及び圧電変換性能を十分に確保しつつ、構造の簡素化を図ると共に、部品点数を低減することができる圧電センサユニットと、その製造方法を提供すること。【解決手段】圧電センサユニット1は、圧電効果によって電圧を発生させる圧電素子2と、圧電素子2に接合された電極板3A、3Bと、電極板3A、3Bを介して圧電素子2に荷重を伝達する絶縁性の荷重伝達部材4A、4Bとを備える。電極板3A、3Bは、圧電素子2に発生した電圧を取り出すために延設するリード部31と、圧電素子2と反対側に向けて突出した保持部32とを有する。荷重伝達部材4A、4Bは、保持部32に保持されている。【選択図】図3

Description

本発明は、圧電センサユニット及び圧電センサユニットの製造方法並びに燃焼圧センサに関する。
圧電素子を用いた圧電センサとしては、例えば特許文献1に開示されたものがある。特許文献1の圧電センサは、圧電素子、圧電素子に圧力を伝達する受圧板、圧電素子と受圧板との間に挟持された電極及び絶縁体(以下、センサ部品という)を積層したセンサ本体を備える。ここで、圧電センサには、圧電素子の耐荷重性能、圧電変換性能が求められる。そのため、受圧板から伝達される圧力が、圧電素子に対して垂直に加わるようにすることが必要である。そこで、特許文献1に記載の圧電センサにおいては、リベットを用いて、センサ部品同士の積層状態が確実に保持できるようにしている。
すなわち、センサ本体の中央部には、積層方向に貫通したリベット孔が設けられている。センサ本体の端面における、リベット孔の周囲に弾性部材を配置した後、リベット孔に、端部に径方向外方に突出した鍔部を有する筒状のリベットを挿通する。リベット孔にリベットを挿通した後、リベットにおける、鍔部を有する端部とは反対側の端部に塞ぎ止め部を形成して、各センサ部品を締結する。弾性部材は、センサ本体の端面とリベットの鍔部との間において、軸方向に弾性圧縮された状態で配される。これにより、弾性部材の弾性力が、積層されたセンサ部品に作用する。そして、リベットによるセンサ本体の積層状態の保持を、確実なものとしている。
特開2003−130740号公報
しかしながら、特許文献1に記載の圧電センサにおいては、各センサ部品を締結するためのリベット及び弾性部材を用いているため、部品点数が多くなるという課題がある。また、センサ本体にリベット孔を設けていると共にそのリベット孔にリベットを挿通して、各センサ部品を締結している。そのため、センサ本体の構造が複雑になるという課題もある。したがって、圧電センサの製造コストが上昇しやすい。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、圧電センサの耐荷重性能及び圧電変換性能を十分に確保しつつ、構造の簡素化を図ると共に、部品点数を低減することができる圧電センサユニットと、その製造方法を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、圧電効果によって電圧を発生させる圧電素子(2)と、
上記圧電素子に接合された電極板(3A、3B)と、
上記電極板を介して上記圧電素子に荷重を伝達する絶縁性の荷重伝達部材(4A、4B)と、を備え、
上記電極板は、上記圧電素子に発生した電圧を取り出すために延設するリード部(31)と、上記圧電素子と反対側に向けて突出した保持部(32)とを有し、
上記荷重伝達部材は、上記保持部に保持されている、圧電センサユニット(1)にある。
本発明の他の態様は、上記圧電センサユニットを製造する方法であって、
複数の上記電極板が連なった多連電極板(7)を形成する形成工程(S1)と、
上記多連電極板における上記電極板に、上記圧電素子を接合する接合工程(S2)と、
上記接合工程よりも後に、上記多連電極板を、個別の上記電極板ごとに切り離す切離工程(S3)と、を備える圧電センサユニットの製造方法にある。
上記圧電センサユニットにおいては、電極板が保持部を有する。そして、荷重伝達部材が、保持部に保持されている。すなわち、電極板が電極としての機能に加え、荷重伝達部材を保持する機能を兼ね備えている。それゆえ、圧電センサユニットの構造の簡素化を図ることができると共に、部品点数を低減することができる。また、電極板に当接する荷重伝達部材は、絶縁性を有する。そのため、荷重伝達部材が接触する電極板以外の部材の間は、荷重伝達部材自体にて電気的に絶縁される。かかる観点からも、圧電センサユニットの部品点数を低減することができる。
また、荷重伝達部材は、電極板に設けた保持部に保持されるため、電極板に対する荷重伝達部材の位置決めも容易かつ正確に行える。それゆえ、荷重伝達部材が受ける圧力は、荷重伝達部材と圧電素子との積層方向に沿って正確に伝達されるため、圧電センサの耐荷重性能及び圧電変換性能を十分に確保することができる。
また、上記圧電センサユニットの製造方法によれば、上記作用効果を有する圧電センサユニットを容易に製造することができる。そして、切離工程よりも前に接合工程を行うことにより、多連電極板における複数の電極板に効率よく複数の圧電素子を連続して接合することができる。これにより、圧電センサユニットの製造を容易に行うことができ、生産性を向上させることができる。
以上のごとく、上記態様によれば、圧電センサの耐荷重性能及び圧電変換性能を十分に確保しつつ、構造の簡素化を図ると共に、部品点数を低減することができる圧電センサユニットと、その製造方法を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、圧電センサユニットを有する燃焼圧センサを示す断面図。 実施形態1における、圧電センサユニット周辺の断面拡大図。 実施形態1における、圧電センサユニットの斜視図 実施形態1における、圧電センサユニットの分解斜視図。 実施形態1における、圧電センサユニットの製造方法の流れを模式的に示した説明図。 実施形態2における、圧電センサユニットの分解斜視図。 実施形態3における、圧電センサユニットの斜視図。 実施形態4における、圧電センサユニット周辺の断面拡大図。 図8における、IX−IX線矢指断面図。 図8における、X−X線矢指断面図。 実施形態5における、他の圧電センサユニット周辺の断面拡大図。 図11における、XII−XII線矢指断面図。 図11における、XIII−XIII線矢指断面図。 実施形態6における、圧電センサユニット及びグローヒータを有する燃焼圧センサを示す断面図。 実施形態6における、圧電センサユニット周辺の断面拡大図。 図15における、XVI−XVI線断面矢指図。
(実施形態1)
以下に、上述した圧電センサユニット及びその製造方法の実施形態につき、図面を参照して説明する。
本実施形態の圧電センサユニット1は、図1に示すように、圧電効果によって電圧を発生させる圧電素子2と、圧電素子2に接合された電極板3A、3Bと、電極板3A、3Bを介して圧電素子2に荷重を伝達する絶縁性の荷重伝達部材4A、4Bとを備える。図2に示すように、電極板3A、3Bは、圧電素子2に発生した電圧を取り出すために延設するリード部31と、圧電素子2と反対側に向けて突出した保持部32とを有する。荷重伝達部材4A、4Bは、保持部32に保持されている。
次に、本形態の圧電センサユニット1及びその製造方法につき、詳説する。
本形態の圧電センサユニット1は、図1に示すように、燃焼圧センサ10に用いられる。燃焼圧センサ10は、エンジンヘッド11の燃焼室12に隣接する有底孔13に取り付けられて、燃焼室12内における燃焼圧を測定する。
図1に示すように、本形態の燃焼圧センサ10においては、有底孔13への挿入方向を軸線方向Xという。また、軸線方向Xにおいて、有底孔13の開口側に位置する側を基端側X1といい、その反対側を先端側X2という。
燃焼圧センサ10は、図1に示すように、圧電センサユニット1の他に、ハウジング14と、中継部材15と、固定部材16とを備える。ハウジング14は、エンジンヘッド11の有底孔13に挿入される筒状の挿入部141と、圧電センサユニット1を収容する筒状のセンサ収容部142とを有する。挿入部141の内側には、円柱形状の中継部材15が配されている。センサ収容部142の内側には、円盤形状の固定部材16が固定されている。センサ収容部142に収容された圧電センサユニット1は、中継部材15の基端側X1であって、固定部材16の先端側X2に配されている。こうして、圧電センサユニット1は、センサ収容部142内において、中継部材15と固定部材16との間に挟持されている。
圧電センサユニット1は、図2に示すように、圧電素子2に電極板3A、3B及び荷重伝達部材4A、4Bを軸線方向Xに沿って積層して形成されている。圧電素子2は、電極板3Aと、軸線方向Xにおいて、電極板3Aに対向して配置された電極板3Bとの間に挟持されている。電極板3Aにおける圧電素子2の反対側には、荷重伝達部材4Aが配置されている。電極板3Bにおける圧電素子2の反対側には、荷重伝達部材4Bが配置されている。荷重伝達部材4Aは、電極板3Aの保持部32に保持されている。そして、荷重伝達部材4Aの先端面41Aが、中継部材15の基端面152に当接している。また、荷重伝達部材4Bは、電極板3Bの保持部32に保持されている。そして、荷重伝達部材4Bの基端面42Bが、固定部材16の先端面161に当接している。
圧電素子2は、直方体形状を有している。圧電素子2は、電極板3A、3B及び荷重伝達部材4A、4Bを介して、ハウジング14に生じる歪みに応じて中継部材15から伝達される圧力を受ける。中継部材15から伝達される圧力に応じた電圧が、圧電素子2に発生する。圧電素子2は、例えば、水晶、PZT(すなわちチタン酸ジルコン酸鉛)、ニオブ酸リチウム、ポリフッ化ビニリデン等の圧電材からなる。
図3、図4に示すように、電極板3A、3Bは、圧電素子2の先端面21及び基端面22にそれぞれ接触配置される本体板部30を有する。本体板部30は、薄板状に形成されている。本形態において、本体板部30は、軸線方向Xから見た平面視において長方形状、より具体的には正方形状に形成されている。電極板3Aの本体板部30は、圧電素子2と、軸線方向Xにおいて、圧電素子2に対向して配置された荷重伝達部材4Aとの間に挟持されている。電極板3Bの本体板部30は、圧電素子2と、軸線方向Xにおいて、圧電素子2に対向して配置された荷重伝達部材4Bとの間に挟持されている。本体板部30の軸線方向Xに直交する断面の面積は、圧電素子2の先端面21又は基端面22の面積よりも大きい。また、本体板部30の軸線方向Xに直交する断面の面積は、荷重伝達部材4A、4Bの圧電素子2側の面の面積と略同一である。
本体板部30の外縁には、リード部31及び保持部32が設けられている。リード部31は、軸線方向Xに直交する横方向Yに延設する第1部分311と、第1部分311から軸線方向Xの基端側X1に延設する第2部分312とによって構成されている。電極板3Aの第1部分311は、電極板3Bの第1部分311の延設方向とは反対側に延設している。図2に示すように、第2部分312は、固定部材16の挿通孔163内に挿通された状態で、固定部材16の基端側X1に引き出されている。なお、第1部分311は、軸線方向X及び横方向Yに直交する縦方向Zに延設してもよい。
図3、図4に示すように、保持部32は、電極板3A、3Bから突出した複数の爪部33からなる。荷重伝達部材4A、4Bは、複数の爪部33によって挟持されている。爪部33は、電極板3A、3Bの本体板部30の各辺からそれぞれ軸線方向Xに突出して形成されている。4本の爪部33のうちの一対の爪部33は、横方向Yに対向している。また、他の一対の爪部33は、縦方向Zに対向している。電極板3Aの爪部33は、軸線方向Xの先端側X2に突出して形成されている。電極板3Bの爪部33は、軸線方向Xの基端側X1に突出して形成されている。
横方向Yに対向して形成された一対の爪部33は、軸線方向Xにおいて本体板部30から爪部33の突出端に向かうに従い、横方向Y内側に傾くよう形成されている。同様に、縦方向Zに対向して形成された他の一対の爪部33は、軸線方向Xにおいて本体板部30から爪部33の突出端に向かうに従い、縦方向Z内側に傾くよう形成されている。なお、爪部33の突出端に向かうに従い内側に傾くよう形成する以外にも、例えば、荷重伝達部材4A、4Bに爪部33が部分的に接触するように、爪部33の一部が荷重伝達部材4A、4Bに向けて突出するよう形成することもできる。
荷重伝達部材4A、4Bは、基端面42A又は先端面41Bを本体板部30に当接させつつ、二対の爪部33に挟持されることにより、電極板3A、3Bに保持されている。ここで、電極板3A、3Bが荷重伝達部材4A、4Bを保持する際に、横方向Yに対向して形成された一対の爪部33が、横方向Y外側に弾性変形して撓む。すなわち、横方向Y内側に傾くよう形成された一対の爪部33が、荷重伝達部材4A、4Bから横方向Y外側に押し広げられるよう荷重を受けることにより、横方向Y外側に弾性変形する。また、縦方向Zに対向して形成された他の一対の爪部33が、上述した横方向Yにおける弾性変形と同様に、縦方向Z外側に弾性変形して撓む。そして、二対の爪部33から荷重伝達部材4A、4Bに横方向Y内側及び縦方向Z内側への付勢力(弾性力)が作用する。こうして、二対の爪部33は、横方向Y及び縦方向Zから荷重伝達部材4A、4Bを挟持している。
圧電素子2と電極板3A、3Bとの間には、両者を接合する導電性接合材5A、5Bが介在している。導電性接合材5Aは、圧電素子2と、軸線方向Xにおいて、圧電素子2に対向して配置された電極板3Aの本体板部30との間に挟持されている。導電性接合材5Bは、圧電素子2と、軸線方向Xにおいて、圧電素子2に対向して配置された電極板3Bの本体板部30との間に挟持されている。導電性接合材5A、5Bは、圧電素子2の先端面21及び基端面22の全面に配されている。導電性接合材5A、5Bは、Agペースト、アルミニウムろう、銀ろう、りん銅ろう等からなる。
次に、本形態の圧電センサユニット1の製造方法について、図5を参照して説明する。
本形態においては、以下に述べる形成工程S1、接合工程S2、切離工程S3、屈曲工程S4及び組付工程S5を行って、圧電センサユニット1を製造する。
形成工程S1では、複数の電極板3Aが連なった多連電極板7を形成する。
接合工程S2では、多連電極板7における電極板3Aに、圧電素子2を接合する。
切離工程S3では、多連電極板7を、個別の電極板3Aごとに切り離す。
屈曲工程S4では、電極板3Aを屈曲させて保持部32を形成する。
組付工程S5では、荷重伝達部材4Aを、保持部32に組み付ける。
切離工程S3は、接合工程S2よりも後に行われる。
組付工程S5は、屈曲工程S4よりも後に行われる。
形成工程S1においては、例えば、金属板をプレス打ち抜きする。これにより、複数の電極板3Aがフレーム70にて連なった状態の多連電極板7を得る。
接合工程S2においては、まず、圧電素子2の先端面21に、導電性接合材5Aを配置する。あるいは、多連電極板7における電極板3Aのそれぞれの本体板部30に、導電性接合材5Aを配置する。次いで、各電極板3Aの本体板部30に、圧電素子2を接合する。その後、電極板3Aと圧電素子2との間に介在した導電性接合材5Aを硬化させる。
切離工程S3においては、例えば、タイバーカット等によって、電極板3Aをフレーム70から切り離す。これにより、圧電素子2が接合された電極板3Aが複数得られる。
屈曲工程S4においては、電極板3Aの一部を屈曲させてリード部31及び複数の爪部33を形成する。複数の爪部33を形成することにより、保持部32が形成される。
組付工程S5においては、荷重伝達部材4Aを、電極板3Aの複数の爪部33の間に挟持させることにより、荷重伝達部材4Aの組み付けが行われる。
その後、圧電素子2の基端面22に、導電性接合材5Bを介して電極板3Bを接合する。また、電極板3Bの複数の爪部33の間に、荷重伝達部材4Bを挟持させる。こうして、図1に示す圧電センサユニット1が製造される。なお、屈曲工程S4及び組付工程S5は、切離工程S3の前に行ってもよい。
次に、燃焼圧センサ10による燃焼圧測定方法について説明する。
図1に示すように、燃焼圧センサ10を有底孔13に取り付ける際には、挿入部141の基端側X2に形成された雄螺子部143を、有底孔13に形成された雌螺子部132に螺合させる。そして、ハウジング14の挿入部141の先端部を有底孔13の底部131に当接させる。こうして、エンジンヘッド11に燃焼圧センサ10が取り付けられる。
燃焼圧に応じてエンジンヘッド11に生じる歪みは、荷重として底部131と雌螺子部132とを介してハウジング14の挿入部141に加わる。そして、挿入部141にも歪みが生じ、挿入部141に生じた歪みが荷重として中継部材15に加わる。この荷重が、中継部材15から電極板3A、荷重伝達部材4Aを介して圧電素子2に加わる。圧電素子2は、電極板3B、荷重伝達部材4Bを介して固定部材16によって移動が阻止されている。それゆえ、挿入部141に生じた歪みは、荷重として荷重伝達部材4Aと荷重伝達部材4Bを介して圧電素子2に加わる。これにより、圧電素子2に作用した圧力が、電極板3A、3Bを通じて電圧として測定される。
また、燃焼室12内の燃焼圧と圧電素子2の圧力の出力との関係は、実際に測定を行って形成したマップ等によって求められている。そして、圧電素子2の圧力の出力に応じて燃焼室12内の燃焼圧を算出することができる。
上述のように、圧電センサユニット1は、燃焼圧センサ10の一部に組み込まれる。燃焼圧センサ10は、より具体的には、図1、図2に示すように、回路基板17と、コネクタ18とを更に備える。回路基板17は、固定部材16の基端側X1において、ハウジング14のセンサ収容部142内に配されている。回路基板17は、圧電素子2の圧電効果によって発生した電圧を増幅するための増幅回路部品171を有する。回路基板17には、電極板3A、3Bのリード部31が接続された電気接合部が設けられている。燃焼圧センサ10の基端部には、ECU等の制御部と接続するためのコネクタ18が配されている。コネクタ18は、回路基板17に接続された複数のコネクタピン181を有する。
次に、本実施形態の作用効果につき説明する。
本形態の圧電センサユニット1においては、電極板3A、3Bが複数の爪部33を有する。そして、荷重伝達部材4A、4Bが、複数の爪部33に挟持されている。すなわち、電極板3A、3Bが電極としての機能に加え、荷重伝達部材4A、4Bを挟持する機能を兼ね備えている。それゆえ、圧電センサユニット1の構造の簡素化を図ることができると共に、部品点数を低減することができる。また、電極板3A、3Bに当接する荷重伝達部材4A、4Bは、絶縁性を有する。そのため、荷重伝達部材4A、4Bが接触する電極板3A、3B以外の部材の間は、荷重伝達部材4A、4B自体にて電気的に絶縁される。かかる観点からも、圧電センサユニット1の部品点数を低減することができる。
また、荷重伝達部材4A、4Bは、電極板3A、3Bに設けた複数の爪部33によって挟持されるため、電極板3A、3Bに対する荷重伝達部材4A、4Bの位置決めも容易かつ正確に行える。それゆえ、荷重伝達部材4A、4Bが受ける圧力は、荷重伝達部材4A、4Bと圧電素子2との積層方向に沿って正確に伝達されるため、圧電センサユニット1を有する燃焼圧センサ10の耐荷重性能及び圧電変換性能を十分に確保することができる。
また、圧電素子2と電極板3A、3Bとは、導電性接合材5A、5Bによって接合されるため、圧電素子2と電極板3A、3Bとの導通を確保しつつ容易に圧電センサユニット1を組み立てることができる。それゆえ、圧電センサユニット1の構造の簡素化を図ることができる。
また、本形態の圧電センサユニット1の製造方法によれば、上記作用効果を有する圧電センサユニット1を容易に製造することができる。そして、切離工程S3よりも前に接合工程S2を行うことにより、多連電極板7における複数の電極板3Aに効率よく複数の圧電素子2を連続して接合することができる。これにより、圧電センサユニット1の製造を容易に行うことができ、生産性を向上させることができる。
以上のごとく、本形態によれば、燃焼圧センサ10の耐荷重性能及び圧電変換性能を十分に確保しつつ、構造の簡素化を図ると共に、部品点数を低減することができる圧電センサユニット1と、その製造方法を提供することができる。
(実施形態2)
本形態の圧電センサユニット1においては、図6に示すように、電極板3A、3Bの複数の爪部33は、荷重伝達部材4A、4Bに向けて突出した鉤状部331を有する。横方向Yに対向して形成された一対の爪部33における鉤状部331は、縦方向Zに沿って形成されている。また、縦方向Zに対向して形成された他の一対の爪部33における鉤状部331は、横方向Yに沿って形成されている。鉤状部331は、荷重伝達部材4A、4Bの側面に当接する。鉤状部331は、突出端が尖った形状を有する。鉤状部331は、軸線方向Xにおける電極板3A、3Bを配した側とは反対側において、鉤状部331の突出端へ向かうほど、電極板3A、3B側に向うように傾斜する傾斜面331aを有する。
その他の構成は、実施形態1と同様である。なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
本形態の圧電センサユニット1においては、二対の爪部33が荷重伝達部材4A、4Bを挟持する際に、鉤状部331は、軸線方向Xに対して垂直な方向の線接触に近い状態にて荷重伝達部材4A、4Bに接触する。そのため、軸線方向Xにおける、荷重伝達部材4A、4Bの移動を阻止しやすい。それゆえ、保持部32による電極板3A、3Bへの荷重伝達部材4A、4Bの保持を、より確実にすることができる。これにより、容易に圧電センサユニット1を組み立てることができ、圧電センサユニット1の構造の簡素化を図ることができる。
また、鉤状部331は、傾斜面331aを有する。そして、二対の爪部33が荷重伝達部材4A、4Bを挟持する際に、荷重伝達部材4A、4Bは、鉤状部331の傾斜面331aに沿いながら保持部32に組み付けられる。そのため、電極板3A、3Bと荷重伝達部材4A、4Bとの寸法公差等により、爪部33と荷重伝達部材4A、4Bとが引っかかることを抑制することができる。それゆえ、保持部32による電極板3A、3Bへの荷重伝達部材4A、4Bの保持状態を、より容易かつ円滑に実現にすることができる。
その他、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
(実施形態3)
本形態の圧電センサユニット1においては、図7に示すように、荷重伝達部材4Aの先端面41Aを球面状としている。すなわち、荷重伝達部材4Aは、圧電素子2と反対側に荷重を受ける当接部43を有する。この当接部43が、球面状に形成されている。当接部43は、中継部材15の基端面152に当接する。これにより、荷重伝達部材4Aは、中継部材15からの荷重を受けることができるよう構成されている。
また、電極板3A、3Bのリード部31には、リード部31の延設方向の外力を吸収する弾性変形部313が形成されている。弾性変形部313は、リード部31の第2部分312に形成されている。弾性変形部313は、横方向Yに凸となるように湾曲して形成されている。電極板3Aの弾性変形部313は、電極板3Bの弾性変形部313の湾曲方向とは反対側に湾曲して形成されている。なお、弾性変形部313は、縦方向Zに凸となるように湾曲して形成されてもよい。本形態の荷重伝達部材4Aは、円柱形状を有している。
その他の構成は、実施形態1と同様である。
本形態の圧電センサユニット1において、荷重伝達部材4Aの当接部43は、球面状に形成されている。そのため、当接部43は、点接触の状態で中継部材15に当接させることができる。したがって、圧電センサユニット1と中継部材15との積層方向が軸線方向Xに対して若干ずれた場合であっても、中継部材15から圧電センサユニット1への荷重を正確に伝達させることができる。それゆえ、燃焼圧センサ10における、中継部材15及び圧電センサユニット1の組付公差を緩和させることができる。これにより、圧電センサユニット1の製造を容易に行うことができ、生産性を向上させることができる。
また、電極板3A、3Bのリード部31には、弾性変形部313が形成されている。これにより、電極板3A、3Bの本体板部30が中継部材15から荷重を伝達された際に、弾性変形部313が延設方向に沿って縮み、リード部31の破損を防止することができる。
また、電極板3A、3Bのリード部31における、弾性変形部313が延設方向に沿って縮む。それゆえ、第2部分312における弾性変形部313よりも軸線方向Xの基端側X1の部分が軸線方向Xに振動することを抑制して、回路基板17の電気接合部に上記振動に伴うストレスが発生することを防止することができる。これにより、電気接合部の耐久性を向上させることができる。
その他、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
なお、当接部43の球面形状は、完全な球面に限らず、上述の作用効果が得られる範囲で、球面から多少ずれた略球面の状態であってもよい。
(実施形態4)
本形態の圧電センサユニット1においては、図8〜図10に示すように、電極板3A、3Bに位置決め孔34が形成されている。すなわち、電極板3A、3Bは、電極板3A、3Bの厚み方向に貫通した複数の位置決め孔34と、複数の位置決め孔34に囲まれた素子搭載部35とを備える。位置決め孔34の内側端縁は、素子搭載部35に搭載された圧電素子2の外形に沿っている。
本形態の電極板3A、3Bの本体板部30は、円盤状に形成されている。この円盤状の本体板部30に、4つの位置決め孔34が形成されている。位置決め孔34は、本体板部30の一部を切り曲げすることによって形成される。位置決め孔34は、軸線方向Xから見た平面視において長方形状に形成されている。位置決め孔34の外側端縁から、爪部33が軸線方向Xに立設している。4個の位置決め孔34のうちの一対の位置決め孔34は、素子搭載部35に対して横方向Yにおける両側に配設されている。また、他の一対の位置決め孔34は、素子搭載部35に対して縦方向Zにおける両側に配設されている。電極板3A、3Bの複数の爪部33は、位置決め孔34の切り曲げ加工に伴って、圧電素子2と反対側に向けて形成されている。これにより、位置決め孔34の周囲に発生したバリが、圧電素子2に接触することを防止することができる。
素子搭載部35は、本体板部30における4つの位置決め孔34の内側に形成されている。素子搭載部35は、略正方形状を有している。電極板3Aの素子搭載部35には、導電性接合材5Aを介して圧電素子2が搭載されている。電極板3Bの素子搭載部35には、導電性接合材5Bを介して圧電素子2が搭載されている。素子搭載部35の軸線方向Xから見たときの形状は、圧電素子2の先端面21又は基端面22の形状と略同一である。
その他の構成は、実施形態1と同様である。
本形態の圧電センサユニット1において、位置決め孔34の内側端縁は、素子搭載部35に搭載された圧電素子2の外形に沿っている。そのため、素子搭載部35に圧電素子2を搭載する際に、位置決め孔34を基準として圧電素子2の位置決めを行うことができる。これにより、圧電素子2、電極板3A、3B、荷重伝達部材4A、4B及び導電性接合材5A、5Bの中心軸線を一致させて、燃焼圧センサ10の耐荷重性能及び圧電変換性能を向上させることができる。
その他、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
(実施形態5)
本形態の圧電センサユニット1においては、図11〜図13に示すように、電極板3A、3Bにおける位置決め孔34の形状が、実施形態4の場合と異なる。本形態において、位置決め孔34は、圧電素子2の外形に沿って伸びる一対の伸長孔341を有している。横方向Yに対向して形成された一対の位置決め孔34のそれぞれにおける一対の伸長孔341は、縦方向Zに伸長している。また、縦方向Zに対向して形成された他の一対の位置決め孔34のそれぞれにおける一対の伸長孔341は、横方向Yに伸長している。電極板3A、3Bの本体板部30に、4つの位置決め孔34のそれぞれから伸びた一対の伸長孔341が形成されることにより、位置決め孔34の内側端縁は、素子搭載部35の外形に沿って長くなる。
これに伴い、本形態の爪部33も、圧電素子2の外形に沿って突出した一対の突出部332を有している。横方向Yに対向して形成された一対の爪部33における一対の突出部332は、縦方向Zに対向している。また、縦方向Zに対向して形成された他の一対の爪部33における一対の突出部332は、横方向Yに対向している。
その他の構成は、実施形態4と同様である。
本形態の圧電センサユニット1においては、電極板3A、3Bの素子搭載部35に導電性接合材5A、5Bを介して圧電素子2を搭載する際に、セルフアライメント効果によって圧電素子2を容易かつ正確に位置決めすることができる。すなわち、流動性のある状態の導電性接合材5A、5Bは、その表面張力によって、素子搭載部35の全体に収まりつつ、自然に圧電素子2を素子搭載部35の外形に沿った位置、姿勢に誘導する。
また、実施形態4の圧電センサユニット1と比較して、位置決め孔34は、一対の伸長孔341を有することにより、圧電素子2の外周における、電極板3A、3Bの本体板部30と荷重伝達部材4A、4Bとが接触する面積が減少する。そのため、圧電素子2の外周に伝達される荷重が減少し、圧電素子2に対する曲げ応力を減少させることができる。それゆえ、圧電センサユニット1を有する燃焼圧センサ10の耐荷重性能及び圧電変換性能を向上させることができる。
その他、実施形態4と同様の効果を得ることができる。
(実施形態6)
本形態の圧電センサユニット1は、図14に示すように、グローヒータ6を一体化してなる燃焼圧センサ10に用いられる。燃焼圧センサ10は、エンジンヘッド11の燃焼室12に挿通する取付孔19に取り付けられて、燃焼室12内における燃焼圧を測定すると共に、グローヒータ6に通電を行って、燃焼室12内における燃料混合気を予熱する。
図15に示すように、圧電センサユニット1は、互いに並列配置された複数の圧電素子2を備える。本形態においては、図16に示すように、4つの圧電素子2が並列配置されている。また、各圧電素子2の先端側X2には、それぞれ荷重伝達部材4Aが配されている。複数の圧電素子2及び複数の荷重伝達部材4Aは、軸線方向Xから見た平面視において、電極板3Aの中心部に形成された中空穴36の周囲に配されている。図15に示すように、複数の圧電素子2は、電極板3Aと、軸線方向Xにおいて、電極板3Aに対向して配置された電極板3Bとの間に挟持されている。電極板3Aは、複数の圧電素子2と反対側に向けて突出した複数の保持部32を有する。複数の荷重伝達部材4Aは、複数の保持部32に保持されている。保持部32は、電極板3Aから突出した複数の爪部33からなる。
実施形態1と異なり、電極板3Bは、保持部32を有していない。電極板3Bの基端側X1には、荷重伝達部材4Bが配置されていない。電極板3Bは、固定部材16に隣接して配置されているため、電極板3Bは、ハウジング14及び固定部材16を介してエンジンのグラウンド電位と同じ電位にある。
図14に示すように、グローヒータ6は、ハウジング14の挿入部141の内側に保持されていると共に、先端側X2へ突出している。グローヒータ6は、セラミックから構成されている。グローヒータ6は、燃焼室12内の燃焼混合気を加熱するよう構成されている。グローヒータ6の基端部からは、通電線61がハウジング14の基端側X1へ延設されている。図15に示すように、通電線61は、電極板3A、3Bの中空穴36内と、中継部材15、固定部材16及び回路基板17のそれぞれの中心部に形成された中空穴内とに挿通された状態で、回路基板17の基端側X1に引き出されている。通電線61の基端部は、接続端子62を介してコネクタ18のコネクタピン181に接続されている。
燃焼圧センサ10を取付孔19に取り付ける際には、図14に示すように、挿入部141の基端側X2に形成された雄螺子部143を、取付孔19に形成された雌螺子部192に螺合させる。そして、エンジンヘッド11の燃焼室12内にグローヒータ6の先端部を突出させつつ、ハウジング14の挿入部141の先端部を取付孔19に当接させる。こうして、エンジンヘッド11に燃焼圧センサ10が取り付けられる。
その他の構成は、実施形態1と同様である。
本形態の燃焼圧センサ10は、グローヒータ6を一体化してなる。それゆえ、エンジン付属部品の部品点数を低減することができる。また、燃焼室12に隣接する有底孔13を、エンジンヘッド11に別途設ける必要がない。これにより、エンジンヘッド11の強度信頼性を向上させることができるとともに、エンジンヘッド11の製造コストを低減することができる。
その他、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態を構成することが可能である。例えば、電極板3A、3Bの保持部32の形状は、適宜変更することができる。
1 圧電センサユニット
10 燃焼圧センサ
2 圧電素子
3A、3B 電極板
4A、4B 荷重伝達部材
5A、5B 導電性接合材
6 グローヒータ
7 多連電極板

Claims (12)

  1. 圧電効果によって電圧を発生させる圧電素子(2)と、
    上記圧電素子に接合された電極板(3A、3B)と、
    上記電極板を介して上記圧電素子に荷重を伝達する絶縁性の荷重伝達部材(4A、4B)と、を備え、
    上記電極板は、上記圧電素子に発生した電圧を取り出すために延設するリード部(31)と、上記圧電素子と反対側に向けて突出した保持部(32)とを有し、
    上記荷重伝達部材は、上記保持部に保持されている、圧電センサユニット(1)。
  2. 上記保持部は、上記電極板から突出した複数の爪部(33)からなり、上記荷重伝達部材は、上記複数の爪部によって挟持されている、請求項1に記載の圧電センサユニット。
  3. 上記複数の爪部は、上記荷重伝達部材に向けて突出した鉤状部(331)を有する、請求項2に記載の圧電センサユニット。
  4. 上記電極板は、上記電極板の厚み方向に貫通した複数の位置決め孔(34)と、上記複数の位置決め孔に囲まれた素子搭載部(35)とを備え、上記位置決め孔の内側端縁は、上記素子搭載部に搭載された圧電素子の外形に沿っている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧電センサユニット。
  5. 上記荷重伝達部材は、上記圧電素子と反対側に荷重を受ける当接部(43)を有し、上記当接部は、球面状に形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧電センサユニット。
  6. 上記圧電素子と上記電極板との間には、両者を接合する導電性接合材(5A、5B)が介在している、請求項1〜5のいずれか1項に記載の圧電センサユニット。
  7. 上記リード部には、上記リード部の延設方向の外力を吸収する弾性変形部(313)が形成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の圧電センサユニット。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の圧電センサユニットを有する、燃焼圧センサ(10)。
  9. グローヒータ(6)を一体化してなる、請求項8に記載の燃焼圧センサ。
  10. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の圧電センサユニットを製造する方法であって、
    複数の上記電極板が連なった多連電極板(7)を形成する形成工程(S1)と、
    上記多連電極板における上記電極板に、上記圧電素子を接合する接合工程(S2)と、
    上記接合工程よりも後に、上記多連電極板を、個別の上記電極板ごとに切り離す切離工程(S3)と、を備える圧電センサユニットの製造方法。
  11. 上記電極板を屈曲させて上記保持部を形成する屈曲工程(S4)と、
    上記屈曲工程の後に、上記荷重伝達部材を、上記保持部に組み付ける組付工程(S5)と、をさらに備える、請求項10に記載の圧電センサユニットの製造方法。
  12. 上記切離工程は、上記組付工程よりも後に行われる、請求項11に記載の圧電センサユニットの製造方法。
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