JP2018062499A - 外用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 皮膚への紫外線ダメージの予防又は改善のための外用組成物を提供すること。【解決手段】 ヒアルロン酸、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として用いて、皮膚への紫外線ダメージの予防又は改善のための外用組成物を調製する。特定の実施形態において、本発明の外用組成物は更に、トラネキサム酸、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として配合することが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、皮膚への紫外線ダメージを予防又は改善するために有用な外用組成物に関する。
紫外線は皮膚に様々な影響を及ぼすことが知られている。例えば、紫外線A波(UVA、315〜400nm)は、波長が長いために肌の奥深くまで到達し、真皮内でコラーゲン変性等を引き起こし易い。また、紫外線の中でも波長が短い紫外線B波(UVB、280〜315nm)は、エネルギーが強いため、肌表面の細胞に炎症を生じさせ易く、それが引き金となって色素沈着を生じさせ易いことが知られている。
皮膚におけるシミ等の色素沈着は種々の原因で起こる。例えば、薬剤やアトピー性皮膚炎等のアレルギー反応による遅延型の色素沈着は、アレルギー反応から誘発されるCXCケモカインの一種であるGROαによりメラノサイトが活性化されることにより引き起こされる。一方、紫外線(UVB)を浴びた皮膚では、肌表面にある角化細胞が傷害を受けることで、角化細胞からプロスタグランジンE2(PGE2)やインターロイキン−1α(IL−1α)等の炎症性サイトカインの産生が促進され、それによりメラノサイトにおけるメラニン産生が活性化され色素沈着が引き起こされることが知られている(非特許文献1、2)。
従来、このような紫外線による皮膚への影響を最小限に抑えるために、紫外線吸収剤や紫外線散乱剤等を配合した日焼け止め剤等が汎用されている。しかし、こまめな塗り直しが適正に行われない等の不適切な使用で十分な効果が得られない場合もあり、紫外線を浴びてしまった際の皮膚におけるダメージを予防及び/又は改善する手段の開発が求められている。
ところで、ヒアルロン酸は、皮膚への保湿効果等を期待して、これまでにも多くの皮膚外用剤に使用されている。そして、ヒアルロン酸を肌の炎症発生抑制のために用いることも提案されている(特許文献1)。しかし、特許文献1は、ヒアルロン酸を食品として経口摂取した場合の効果を確認したものであり、そして紫外線曝露による皮膚におけるPGE2やIL−1α等の炎症性サイトカインの産生に及ぼす影響については一切開示されていない。
特開2015−013852号公報
正木仁、日本化粧品技術者会誌 特集総説47(3)、2013、197−201 楠田文等、FUJIFILM RESEARCH&DEVELOPMENT(No.55−2010)、33−37
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、皮膚への紫外線ダメージを予防又は改善するために有用な外用組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、ヒアルロン酸、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として用いることにより、皮膚への紫外線ダメージを効果的に抑制できることを見出した。更に、本発明者等は検討を進め、特定の平均分子量を有するヒアルロン酸類を用いる場合に、トラネキサム酸、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を組み合わせて用いると、より一層効果的に紫外線ダメージ抑制効果を発揮することができることをも見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に改良を重ねることにより完成したものである。
すなわち、本発明は下記に掲げる外用組成物を提供する。
[項1] ヒアルロン酸、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含有する、皮膚への紫外線ダメージの予防又は改善のための外用組成物。
[項2] 皮膚への紫外線ダメージの予防又は改善が、紫外線曝露による皮膚の炎症を予防又は改善することを含む、項1に記載の外用組成物。
[項3] 紫外線が紫外線B波である、項1又は2に記載の外用組成物。
[項4] 皮膚への紫外線ダメージの予防又は改善が、紫外線曝露による皮膚の炎症に起因するメラニン産生の誘発を予防又は改善することを含む、項1〜3のいずれかに記載の外用組成物。
[項5] 皮膚への紫外線ダメージの予防又は改善が、紫外線曝露による表皮角化細胞におけるPGE2及びIL−1αからなる群より選択される少なくとも1種の産生を抑制することによるものである、項1〜4のいずれかに記載の外用組成物。
[項6] ヒアルロン酸の平均分子量が0.1〜700kDaである、項1〜5のいずれかに記載の外用組成物。
[項7] 更に、トラネキサム酸、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含有する、項1〜6のいずれかに記載の外用組成物。
[項8] ヒアルロン酸、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の成分の総量1重量部に対して、トラネキサム酸、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の成分の総量が0.05〜4000重量部である、項7に記載の外用組成物。
本発明の外用組成物によれば、皮膚への紫外線ダメージを効果的に予防及び/又は改善することができる。
図1は、試験例1のPGE2産生抑制試験の結果を示すグラフである。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書中で使用される用語は、特に他を言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられている点が理解されるべきである。
(1.外用組成物)
本発明の皮膚への紫外線ダメージの予防又は改善のための外用組成物は、ヒアルロン酸、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種(以下、ヒアルロン酸類ともいう)を有効成分として含有することを特徴とする。
(A)ヒアルロン酸、その誘導体、及びそれらの塩:
ヒアルロン酸は、酸性ムコ多糖類の一種であり、グルクロン酸とN−アセチルグルコサミンの二糖を構成単位として含む多糖類である。ヒアルロン酸は、鶏冠や、サメの皮、臍帯、眼球、皮膚、及び軟骨などの動物組織、ストレプトコッカス属微生物等のヒアルロン酸生産微生物、動物細胞もしくは植物細胞の培養物から抽出、回収することができる。また、市販品を購入することもできる。
上記のよう動物組織や微生物等から抽出して得られるヒアルロン酸は一般に、平均分子量が約1000kDa以上といわれ、極めて高分子であることが知られている。本発明には、このような高分子のヒアルロン酸を用いてもよいし、高分子ヒアルロン酸を分解して得られる低分子ヒアルロン酸を用いてもよい。低分子ヒアルロン酸は、高分子ヒアルロン酸を塩酸等の酸又はアルカリの存在下で加水分解する方法、ヒアルロニダーゼなどの酵素を用いて処理する方法、又は超音波や剪断によって物理的に切断する方法等によって得ることができる。また、低分子ヒアルロン酸は、市販品を購入して使用することもできる。本発明の外用組成物では、限定されないが、好ましくは低分子ヒアルロン酸が用いられる。
本発明のヒアルロン酸の平均分子量は、本発明の効果を奏する限り、特に限定されず、例えば、約0.1〜1800kDaであり得る。より一層効果的に本発明の効果を奏することができるという観点から、本発明のヒアルロン酸の平均分子量は、好ましくは約0.1〜700kDaであり、より好ましくは約0.2〜600kDaであり、更に好ましくは約4〜500kDaであり、更により好ましくは約5〜400kDaであり、特に好ましくは約8〜350kDaである。
本明細書において、平均分子量とは、重量平均分子量を意味する。重量平均分子量は、公知の測定方法により求めることができる。具体的には、サイズ排除クロマトグラフィーにより測定することができる。その条件は、(カラム:TSKgel GMPWXL 7.8mm×30cm(東ソー(株)製)、カラム温度:40℃付近の一定温度、検出器:示差屈折率計、移動相:0.2mol/L NaCl、流量:0.3mL/分、注入量:100μL、標準物質:プルラン標準品(STANDARD P−82、昭和電工(株)製))である。
ヒアルロン酸の誘導体としては、薬理学的に又は生理学的に許容される限り特に制限されず、例えば、水酸基がアセチル化されたアセチル化ヒアルロン酸、水酸基が硫酸化された硫酸化ヒアルロン酸、カチオン化されたカチオン化ヒアルロン酸、疎水化された加水分解ヒアルロン酸アルキル(C12−13)グリセリルなどを挙げることができる。好ましくは、アセチル化ヒアルロン酸が用いられる。
ヒアルロン酸又はその誘導体の塩もまた、薬理学的に又は生理学的に許容される限り特に制限されず、例えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属、アルミニウムなどの金属との塩などを挙げることができる。好ましくは、ヒアルロン酸又はその誘導体の塩として、ナトリウム塩、カリウム塩が用いられる。
本発明の外用組成物において、ヒアルロン酸、その誘導体、及びそれらの塩は1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用することも好ましい。
本発明に用いるヒアルロン酸、その誘導体、及びそれらの塩は、市販のものを用いることができる。例えば、ヒアルロン酸としては、商品名「ヒアルロン酸ナトリウムHA12N」(資生堂株式会社)平均分子量1100〜1600kDa、商品名「ヒアルロン酸FCH−150」(キッコーマンバイオケミファ株式会社)平均分子量1400〜1800kDa、商品名「バイオヒアルロン酸ナトリウムSZE](資生堂株式会社)平均分子量1100〜1600kDa、商品名「ヒアルロン酸FCH−120」(キッコーマンバイオケミファ株式会社)平均分子量1000〜1400kDa、商品名「ヒアルロンサンHA−LQ」(キユーピー株式会社)平均分子量600〜1200kDa、商品名「ヒアルロン酸FCH−SU」(キッコーマンバイオケミファ株式会社)平均分子量50〜110kDa、商品名「ヒアルロン酸(L)」(株式会社FAPジャパン)平均分子量50kDa以下、商品名「ヒアロオリゴ」(キユーピー株式会社)平均分子量10kDa以下、商品名「ヒアルロン酸(SL)」(株式会社FAPジャパン)平均分子量10kDa以下等を挙げることができる。ヒアルロン酸の誘導体としては、商品名「アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム」(資生堂株式会社)平均分子量10〜100kDa、商品名「ヒアロベール」(キューピー株式会社)平均分子量500〜800kDa、商品名「ヒアロリペア」(キューピー株式会社)平均分子量10kDa以下等の市販品が例示できる。本発明の外用組成物には、例えば、ナノ化ヒアルロン酸又は浸透型ヒアルロン酸等と呼ばれる平均分子量が特に小さいヒアルロン酸類を使用してもよい。
本発明の外用組成物における、ヒアルロン酸類の含有量は、本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、通常、組成物全体に対して0.0001〜2重量%であり、0.0005〜1重量%であることが好ましく、0.001〜0.5重量%であることがより好ましい。
(B)トラネキサム酸、その誘導体、及びそれらの塩:
本発明の外用組成物には、上記ヒアルロン酸類に加えて、トラネキサム酸、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種(以下、トラネキサム酸類ともいう)を更なる有効成分として配合してもよい。とりわけ、ヒアルロン酸の平均分子量が350kDa以下である低分子ヒアルロン酸類を用いる場合には、トラネキサム酸類を組み合わせて用いることで両成分の作用が相俟って、より一層高い皮膚への紫外線ダメージ抑制効果が得られることが分かっている。
トラネキサム酸は、trans−4−(アミノメチル)シクロヘキサン−1−カルボン酸とも称される化合物であり、公知の方法により合成してもよく、市販品として入手することもできる。
トラネキサム酸の誘導体としては、薬理学的に又は生理学的に許容される限り特に制限されず、例えば、トラネキサム酸セチル等のトラネキサム酸エステル誘導体;トラネキサム酸メチルアミド、トラネキサム酸エチルアミド等のトラネキサム酸アミド誘導体等を例示することができる。これらのトラネキサム酸の誘導体は、公知の方法により合成してもよく、市販品として入手することもできる。
トラネキサム酸又はその誘導体の塩もまた、薬理学的に又は生理学的に許容される限り特に制限されず、例えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属、アルミニウムなどの金属との塩;亜鉛塩;鉄塩;アンモニウム塩;アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチンなどの塩基性アミノ酸との塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミンとの塩;塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩などの無機酸との塩;酢酸塩、酪酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩等の有機酸との塩などを挙げることができる。好ましくは、トラネキサム酸又はその誘導体の塩として、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、塩酸塩が用いられる。
本発明の外用組成物にトラネキサム酸類を配合する場合、トラネキサム酸、その誘導体、及びそれらの塩から選択される1種を使用してもよいし、2種以上のトラネキサム酸類を組み合わせて使用してもよい。
本発明の外用組成物にトラネキサム酸類を配合する場合、その含有量は本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、通常、組成物全体に対して0.001〜4重量%であり、0.05〜3.5重量%であることが好ましく、0.1〜3重量%であることがより好ましい。
また、本発明の外用組成物にトラネキサム酸類を配合する場合、ヒアルロン酸類に対する配合比率も特に限定されず、例えば、ヒアルロン酸類の総量1重量部に対して、トラネキサム酸類の総量が0.05〜4000重量部、好ましくは0.1〜3500重量部、より好ましくは0.2〜3000重量部とすることができる。より一層高い皮膚への紫外線ダメージ抑制効果を得ることができるという観点から、なかでも、ヒアルロン酸類の総量1重量部に対して、トラネキサム酸類の総量が7重量部〜4000重量部であることが好ましく、8〜3500重量部であることがより好ましく、10〜3000重量部であることが特に好ましい。
本発明の外用組成物は更に、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の有効成分を含むことができる。有効成分の具体例としては、例えば、ビタミン類(具体的には、アスコルビン酸又はその誘導体(例えば、リン酸L−アスコルビルマグネシウム等)等のビタミンC類;トコフェロール又はその誘導体(例えば、酢酸トコフェロール)等のビタミンE類)、保湿成分、抗炎症成分、抗菌成分、ペプチド又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体、細胞賦活化成分、老化防止成分、血行促進成分、角質軟化成分、美白成分、収斂成分、紫外線防御成分(紫外線吸収剤、紫外線散乱剤)などが挙げられる。なかでも、本発明の外用組成物は、ビタミン類を含有することが好ましく、ビタミンC類及びビタミンE類を含有することが好ましい。これらの他の有効成分は1種単独で、または2種以上を任意に組み合わせて配合することができる。
本発明の外用組成物に、上記のような他の有効成分を配合する場合、その含有量は特に限定されないが、通常、組成物全体に対して0.00001〜15重量%、好ましくは0.0001〜10重量%、より好ましくは0.001〜5重量%程度とするのがよい。
また本発明の外用組成物は、上記各有効成分に加えて用途あるいは剤形に応じて、化粧品、医薬部外品、又は医薬品などの分野に通常使用される成分を適宜配合して調製され得る。配合できる成分としては、特に制限されないが、例えば、基剤又は担体、香料、酸化防止剤、保存剤、pH調整剤、キレート剤、安定化剤、刺激軽減剤、防腐剤、着色剤、分散剤等の添加剤を配合することができる。なお、これらの成分は1種単独で、または2種以上を任意に組み合わせて配合することができる。
基剤又は担体としては、水;エタノール、イソプロパノールのような低級アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルのようなグリコールエーテル;ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、イソプレングリコール、ジグリセリン、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール;流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ゲル化炭化水素(プラスチベースなど)、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー、軽質流動パラフィンのような炭化水素;メチルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、架橋型アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、架橋型ポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性分岐シリコーン、ポリグリセリン変性分岐シリコーン、アクリルシリコン、フェニル変性シリコーン、シリコーンレジンのようなシリコーン油;セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールのような高級アルコール;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース誘導体;ポリビニルピロリドン;カラギーナン;ポリビニルブチラート;ポリエチレングリコール;ジオキサン;ブチレングリコールアジピン酸ポリエステル;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、ホホバ油のようなエステル類;デキストリン、マルトデキストリンのような多糖類;などが挙げられる。好ましくは、水及び低級アルコールであり、より好ましくは水である。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン(以下、POEという)−オクチルドデシルアルコールやPOE−2−デシルテトラデシルアルコール等のPOE−分岐アルキルエーテル;POE −オレイルアルコールエーテルやPOE−セチルアルコールエーテル等のPOE−アルキルエーテル;ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート及びソルビタンモノラウレート等のソルビタンエステル;POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノイソステアレート、及びPOE−ソルビタンモノラウレート等のPOE−ソルビタンエステル;グリセリンモノオレエート、グリセリンモノステアレート、及びグリセリンモノミリステート等のグリセリン脂肪酸エステル;POE−グリセリンモノオレエート、POE−グリセリンモノステアレート、及びPOE−グリセリンモノミリステート等のPOE−グリセリン脂肪酸エステル;POE−ジヒドロコレステロールエステル、POE−硬化ヒマシ油、及びPOE−硬化ヒマシ油イソステアレート等のPOE−硬化ヒマシ油脂肪酸エステル;POE−オクチルフェニルエーテル等のPOE−アルキルアリールエーテル;モノイソステアリルグリセリルエーテルやモノミリスチルグリセリルエーテル等のグリセリンアルキルエーテル;POE−モノステアリルグリセリルエーテル、POE−モノミリスチルグリセリルエーテル等のPOE−グリセリンアルキルエーテル;ジグリセリルモノステアレート、デカグリセリルデカステアレート、デカグリセリルデカイソステアレート、及びジグリセリルジイソステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル等の各種非イオン界面活性剤:あるいはレシチン、水素添加レシチン、サポニン、サーファクチンナトリウム、コレステロール、胆汁酸などの天然由来の界面活性剤等を例示することができる。
可溶化成分としては、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、イソプレングリコール、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エトキシジグリコール等の多価アルコール;水素添加大豆リン脂質、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンステロール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等を挙げることができる。好ましくは、多価アルコールであり、より好ましくはグリセリン、ジグリセリン、1,3−ブチレングリコール、及びジプロピレングリコールである。
粘度調整剤としては、例えば、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、キサンタンガム、デキストラン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト、デキストリン脂肪酸エステル、ペクチン、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、トリイソステアリン酸エチレングリコール、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)メチルグルコシドなどが挙げられる。好ましくは、キサンタンガム、及びカルボキシビニルポリマーである。
防腐剤又は保存剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラベン類(パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ベンジル、パラオキシ安息香酸メチル)、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、ソルビン酸およびその塩、アルカンジオールなどが挙げられる。好ましくは、パラベン類である。
pH調整剤としては、例えば、無機酸(塩酸、硫酸など)、有機酸(乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウムなど)、無機塩基(水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど)、有機塩基(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなど)などが挙げられる。
キレート剤としては、例えば、キレート剤としては、エチレンジアミン4酢酸(エデト酸)、エチレンジアミン4酢酸塩(ナトリウム塩(エデト酸ナトリウム:日本薬局方、EDTA−2Naなど)、カリウム塩など)、フィチン酸、ポリリン酸、メタリン酸などが挙げられる。
安定化剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ビチルヒドロキシアニソールなどが挙げられる。
刺激低減剤としては、例えば、甘草エキス、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。
上記のような添加剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の外用組成物は、化粧品、医薬部外品、又は医薬品等の皮膚に適用する製剤で通常使用される剤形をとることができ、例えば、液剤、半固形剤又は固形剤であり得る。具体的には、液剤、ゲル剤、リポソーム剤、エキス剤、チンキ剤、軟膏剤、ゼリー剤などの公知の形態をとることができる。また、必要に応じてその他の溶媒や通常使用される基剤等を配合することによって液状、懸濁液状、乳液状、クリーム状、ジェル状、シート状(基材担持)、スプレー状、エアゾール状、ペースト状、ムース状などの各種所望の形態に調製することができる。本発明の外用組成物が乳液状又はクリーム状のように乳化組成物である場合、油中水型又は水中油型のいずれであってもよいが、ヒアルロン酸類やトラネキサム酸類が本発明の効果を発揮し易いように製剤的に安定に配合され易いという観点から、好ましくは水中油型である。また皮膚への紫外線ダメージが気になる場合に、日常的に使い易いという点、又はじっくりと皮膚に浸透させて効果を発揮させやすいという点で、本発明の外用組成物は、好ましくは、液状、乳液状、クリーム状、ジェル状又はシート状である。
これらの剤形は、当業界の通常の方法にて製造することができる。例えば、ヒアルロン酸類、並びに、必要に応じてトラネキサム酸類及びその他の上記各任意成分を配合混合し、さらに必要に応じてその他の溶媒や通常使用される外用剤の基剤等を配合することによって、液状、懸濁液状、乳液状、クリーム状、ジェル状、シート状(基材担持)、スプレー状、エアゾール状、ペースト状、ムース状等の各種所望の形態に調製することができる。
本発明の外用組成物は、本発明の効果を発揮し得る限り、任意のpHであり得る。皮膚に対して低刺激性で、使用感がよいという観点から、本発明の外用組成物は、好ましくはpH3〜9程度、より好ましくはpH4〜8.5程度、更に好ましくはpH5〜8程度であることが望ましい。
本発明の外用組成物は、皮膚に適用する形態である限り特に限定されないが、例えば化粧品、医薬部外品又は医薬品等の皮膚に適用する製剤形態であり得る。化粧品としては、例えば、ローション、乳液、クリーム、ジェル、オイル、マスク及びパックなどの基礎化粧料;ファンデーション、口紅、マスカラ、アイシャドウ、アイライナー、眉墨及び美爪料等のメーキャップ化粧料;洗顔料やクレンジング、ボディ洗浄料などの洗浄料;入浴剤などとすることができる。
本発明の外用組成物は、容器詰めされた外用組成物として提供されてもよい。容器の材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン(HDPE、LDPE、及びLLDPEなど)、ABS樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ポリスチレン、ガラス、及び金属(アルミなど)などを例示できるが、これらに限定されない。
本発明の外用組成物の使用方法は、使用対象の皮膚の状態、年齢や性別、求められる効果の高さ、使用環境(例えば、使用時の紫外線の強さ、紫外線量の多さ)、剤形などによって異なるが、一例として、通常1日数回(例えば、1〜5回程度、好ましくは1〜3回程度)、皮膚への紫外線ダメージの予防又は改善効果を発揮させることが望まれる皮膚の部位(例えば、顔、首、腕、手、胴、脚、足等)に適量(例えば、約0.01〜5g程度)を塗布・噴霧する等して適用すればよい。皮膚への浸透性が高くなり、より効果的に本発明の予防又は改善効果が得られ易いという観点から、洗浄後の皮膚(例えば、洗顔後の顔の皮膚等)に直接適用するのが特に好ましい。
本発明の外用組成物は、皮膚への紫外線ダメージの予防又は改善のために用いられる。ここで、皮膚への紫外線ダメージの予防又は改善とは、皮膚の紫外線ダメージからの回復促進又は早期回復を含む。後述の試験例の結果に示されるように、本発明の外用組成物は、紫外線B波(UVB)に曝露した表皮角化細胞におけるプロスタグランジンE2(PGE2)及びインターロイキン−1α(IL−1α)という2つの炎症性サイトカインの過剰産生を高度に抑制することができる。なかでも、本発明の外用組成物は、紫外線曝露後の表皮角化細胞におけるPGE2産生抑制効果に特に優れる。このようなUVB曝露で引き起こされる、表皮角化細胞におけるPGE2やIL−1αの過剰産生は、炎症反応の1つであるサンバーンと呼ばれる短期的な紅斑反応を引き起こすと共に、メラノサイト活性化を誘発し、メラニン色素を産生して色素沈着を引き起こし、皮膚においてシミやくすみ、ソバカス等の紫外線ダメージを生じさせ得る。本発明の外用組成物は、紫外線曝露後の表皮角化細胞におけるPGE2及び/又はIL−1αの過剰産生を抑制できるので、紫外線曝露後の皮膚における炎症とそれに続くメラニン産生のカスケードを早い段階で抑制し、皮膚への紫外線ダメージを効果的に予防又は改善してケアすることができる。そのため、本発明の外用組成物は、紫外線を浴びることにより発生するシミやくすみ、ソバカスを予防又は改善し、透明感のある肌に整え、皮膚の美白状態を保つため又は改善するため等に有益に用いられ得る。
(2.外用組成物の製造における使用)
前述のように、ヒアルロン酸、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として用いることにより、皮膚への紫外線ダメージを効果的に抑制できることが確認されている。
従って、本発明は更に別の観点から、皮膚への紫外線ダメージの予防又は改善のための外用組成物の製造における、ヒアルロン酸、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の使用をも提供する。特定の実施形態では、上記使用において、上記ヒアルロン酸類と共に、トラネキサム酸、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を併用することが好ましい。
より具体的に、上記の使用の態様において、使用される成分の種類やその配合割合、他に配合され得る他の成分やその配合割合、使用方法等については、上記「(1.外用組成物)」と同様である。
(3.皮膚への紫外線ダメージを予防又は改善する方法)
前述のように、ヒアルロン酸、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として用いることにより、皮膚への紫外線ダメージを効果的に抑制できることが確認されている。
従って、本発明は更に別の観点から、ヒアルロン酸、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を皮膚に適用することにより、皮膚への紫外線ダメージを予防又は改善する方法をも提供する。特定の実施形態では、上記方法において、ヒアルロン酸類と共に、トラネキサム酸、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を併用することが好ましい。
より具体的に、上記の方法の態様において、使用される成分の種類やその配合割合、他に配合され得る他の成分やその配合割合、使用方法等については、上記「(1.外用組成物)」と同様である。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(試験例1.PGE2産生抑制試験)
下記の方法に従い、UVB曝露後の表皮角化細胞におけるPGE2産生抑制効果について評価を行った。
まず、ヒト正常表皮角化細胞(NHEK)を、6ウェルカルチャープレート中で培養した。より詳細には、3.0×10細胞/ウェルの密度でプレートに播種し、37℃で、5%炭酸ガスおよび95%空気の環境下で1日間培養を行った。培養液としては、Humedia−KB2(倉敷紡績製)に10μg/mLのインスリン及び0.67μg/mLのハイドロコーチゾンを添加した培地を各ウェルあたり2mLずつ使用した。次いで、培養液を除去し、2mLのPBS(−)(コージンバイオ株式会社製)に培地交換した後、表皮角化細胞に対してUVBを照射した。UVB照射は、紫外線照射装置(デルマレイ−200;東芝医療用品株式会社製)を用いて、培養プレートの蓋を除去した状態で該培養プレートに25mJ/cmでUVBを照射することで実施した。UVB照射後、PBS(−)を除去し、下記表1の実施例1〜3に示す各種のヒアルロン酸を0.001w/v%となるように添加して溶解した2mLの前記培養液に交換して3日間培養した。コントロール(比較例1)として、ヒアルロン酸を含まない以外は同様にして2mLの前記培養液に交換して培養したものを用意した。3日間培養した後、培養液を採取し、培養液中に分泌されたPGE2濃度を酵素結合免疫測定法(PGE2 high sensitivity ELISA kit;Enzo Life Sciences社製)で定量した。なお、下記表1に示す本試験例で用いた各ヒアルロン酸1〜3は全て、Aldrich製の試薬を用いた。この結果として、各実施例及び比較例の定量値から算出した平均値を、表1及び図1に示す。
Figure 2018062499
図1及び表1の結果から明らかなように、各分子量のヒアルロン酸を用いた実施例1〜3では、コントロールの比較例1と比較して、紫外線曝露後の表皮角化細胞におけるPGE2産生を高度に抑制できることが確認された。この結果から、本発明の外用組成物を用いることにより、紫外線曝露による皮膚の炎症とそれに起因するメラニン産生の誘発を初期の段階で効果的に抑制でき、皮膚における紫外線ダメージを高度に予防又は改善できることが分かる。
(試験例2.PGE2産生抑制試験)
上記試験例1と実質的に同様の方法で、UVB曝露後の表皮角化細胞におけるPGE2産生抑制試験を実施した。
本試験例では、下記表2に示す被験薬を用いて試験を行った。本試験例で用いた各ヒアルロン酸1〜3は、試験例1で使用したものと同じである。同じ平均分子量のヒアルロン酸をのみを含む実施例(実施例4、6、8)を用いた場合のPGE2産生量に対する、トラネキサム酸を組み合わせた場合の実施例(実施例5、7、9)を用いたときのPGE2産生量の割合を百分率(%)として、表2に結果を併せて示す。
Figure 2018062499
表2に示されるように、本試験例の結果では、高分子のヒアルロン酸(ヒアルロン酸3)に対してトラネキサム酸を併用しても、紫外線曝露後の表皮角化細胞におけるPGE2産生抑制作用を向上させる効果は認められなかった。一方、平均分子量が350kDa以下のヒアルロン酸(ヒアルロン酸1、ヒアルロン酸2)を用いた場合には、更にトラネキサム酸を併用することでPGE産生量が大幅に低下することが明らかとなった。この結果から、低分子ヒアルロン酸を用いる場合には、トラネキサム酸を組み合わせて配合することにより、紫外線曝露後の表皮角化細胞におけるPGE2産生抑制効果がより一層高まり、皮膚への紫外線ダメージを予防又は改善する作用が増強されることが明らかとなった。
(試験例3.IL−1α産生抑制試験)
下記の方法に従い、UVB曝露後の表皮角化細胞におけるIL−1α産生抑制効果について評価を行った。
まず、ヒト正常表皮角化細胞(NHEK)を、6ウェルカルチャープレート中で培養した。より詳細には、3.0×10細胞/ウェルの密度でプレートに播種し、37℃で、5%炭酸ガスおよび95%空気の環境下で1日間培養を行った。培養液としては、Humedia−KB2(倉敷紡績製)に10μg/mLのインスリン及び0.67μg/mLのハイドロコーチゾンを添加した培地を各ウェルあたり2mLずつ使用した。次いで、培養液を除去し、2mLのPBS(−)(コージンバイオ株式会社製)に培地交換した後、表皮角化細胞に対してUVBを照射した。UVB照射は、紫外線照射装置(デルマレイ−200;東芝医療用品株式会社製)を用いて、培養プレートの蓋を除去した状態で該培養プレートに25mJ/cmでUVBを照射することで実施した。UVB照射後、PBS(−)を除去し、下記表3の実施例10〜12に示す各種のヒアルロン酸を0.001w/v%となるように添加して溶解した2mLの前記培養液に交換して3日間培養した。コントロール(比較例2)として、ヒアルロン酸を含まない以外は同様にして2mLの前記培養液に交換して培養したものを用意した。3日間培養した後、培養液を採取し、培養液中に分泌されたIL−1α濃度を酵素結合免疫測定法(Quantikine ELISA Human IL−1α/IL−1F1;R&D社製)で定量した。なお、下記表3に示す本試験例で用いた各ヒアルロン酸1〜3は、試験例1で使用したものと同じである。この結果として、各実施例及び比較例の定量値から算出した平均値を、表3に併せて示す。
Figure 2018062499
上記表3の結果に示されるように、各分子量のヒアルロン酸を用いた実施例10〜13では、コントロールの比較例2と比較して、紫外線曝露後の表皮角化細胞におけるIL−1α産生を抑制できることが確認された。
(試験例4.ヒト皮膚3次元モデルを使用したPGE2産生抑制試験)
下記の方法に従い、UVB曝露後の正常ヒト皮膚3次元モデルにおけるPGE2産生抑制効果について評価を行った。
まず、正常ヒト皮膚3次元モデル EPI−200(倉敷紡績製)を、6ウェルカルチャープレート中で培養した。より詳細には、培養液としてEPI−100NMM(倉敷紡績製)を各ウェルあたり5mLずつ使用し、37℃で、5%炭酸ガスおよび95%空気の環境下で1日間培養を行った。次いで、各ウェルあたり0.9mLのPBS(−)(コージンバイオ株式会社製)を入れた6ウェルカルチャープレートにヒト皮膚3次元モデルを移した後、UVBを照射した。UVB照射は、紫外線照射装置(デルマレイ−200;東芝医療用品株式会社製)を用いて、プレートの蓋を除去した状態で該培養プレートに120mJ/cmでUVBを照射することで実施した。次いで、EPI−100NMM培養液を各ウェルあたり5mLずつ入れた新しい6ウェルカルチャープレートに、UVB照射後の各ヒト皮膚3次元モデルを移した。この角層側に、下記表4に示す各種の被験薬(実施例13〜15)を添加して溶解した200μLのPBS(+)(Aldrich製)を添加し、1日毎に被験薬溶液を交換して3日間培養した。コントロール(比較例3)として、被験薬を含まない以外は同様にして200μLのPBS(+)で1日毎に液交換して3日間培養したものも用意した。3日間培養後に培養液を採取し、培養液中に分泌されたPGE2濃度を酵素結合免疫測定法(PGE2 high sensitivity ELISA kit;Enzo Life Sciences社製)で定量した。なお、本試験例で用いたヒアルロン酸1は、試験例1で使用したものと同じである。各実施例及び比較例の定量値から算出した平均値の結果を表4に示す。
Figure 2018062499
表4に示されるように本試験例の結果では、平均分子量8〜15kDaの低分子ヒアルロン酸とトラネキサム酸とを併用することで、ヒト皮膚3次元モデルにおいて紫外線曝露後のPGE2産生を高度に抑制できることが確認された。従って、本発明の外用組成物を用いることにより、皮膚への紫外線ダメージを効果的に抑制できることが分かる。
以下に本発明の外用組成物の製剤処方例を示す。
Figure 2018062499

Claims (8)

  1. ヒアルロン酸、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含有する、皮膚への紫外線ダメージの予防又は改善のための外用組成物。
  2. 皮膚への紫外線ダメージの予防又は改善が、紫外線曝露による皮膚の炎症を予防又は改善することを含む、請求項1に記載の外用組成物。
  3. 紫外線が紫外線B波である、請求項1又は2に記載の外用組成物。
  4. 皮膚への紫外線ダメージの予防又は改善が、紫外線曝露による皮膚の炎症に起因するメラニン産生の誘発を予防又は改善することを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の外用組成物。
  5. 皮膚への紫外線ダメージの予防又は改善が、紫外線曝露による表皮角化細胞におけるPGE2及びIL−1αからなる群より選択される少なくとも1種の産生を抑制することによるものである、請求項1〜4のいずれかに記載の外用組成物。
  6. ヒアルロン酸の平均分子量が0.1〜700kDaである、請求項1〜5のいずれかに記載の外用組成物。
  7. 更に、トラネキサム酸、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含有する、請求項1〜6のいずれかに記載の外用組成物。
  8. ヒアルロン酸、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の成分の総量1重量部に対して、トラネキサム酸、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の成分の総量が0.05〜4000重量部である、請求項7に記載の外用組成物。
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