JP2018062372A - インク補給容器 - Google Patents

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一峻 坂本
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繁夫 杉村
忠弘 水谷
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忠弘 水谷
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Abstract

【課題】インクタンクへのインクの注入を行うインク補給容器において、インク補給容器からインクタンクへのインク注入のし易さを向上させると共に、インクの液垂れを防止するインク補給容器を提供する。
【解決手段】インク補給容器15は、インクを収納する胴部105と、胴部105の先端に設けられる肩部104と、肩部104に連続する口部103とを備え、胴部105には薄肉部107が形成され、口部103から上方にノズル部102が形成されている。また、肩部104の直下付近の胴部105には薄肉部107が形成され、薄肉部107の下方の胴部105には厚肉部108が形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、インク補給容器に関する。
従来、インク噴射装置の一例として、記録ヘッドから記録用紙などの記録媒体に向けてインクを吐出することによって、記録媒体にインクで印刷を行うことができるインクジェットプリンターが知られている。このようなインクジェットプリンターには、記録ヘッドに供給されるインクを貯留するインクタンクに、利用者がインクを補給することができるものがある。そして、特許文献1には、インクタンクへのインクの注入に適したボトル(インク補給容器)が開示されている。
従来の一般的なノズル型容器は、ノズル部を有する口部、肩部及び胴部が一体成形で造られており、内容物を注出した後、ノズル容器を元の垂直な位置に戻すと、ノズル部の先端から内容物が、ノズル部の外周面を伝って下方に垂れてくる欠点があった。これは、ボトル型やチューブ型のインク補給容器からインクを押し出した後に、容器内の残圧が内容物の液垂れを誘発するためである。なお、液垂れ防止するノズル型容器は、内容物を収納する胴部と、胴部の先端に設けられる肩部と、肩部から上方へ一様に傾斜した口部及び口部から連続するノズル部とから構成され、ノズル部を有する口部、肩部及び胴部が一体成形で造られている。そして、ノズル部は、吸入口と突出口を有する弁室と、弁室内を往復運動する弁体と、弁体の外周面と接する弁座を有している。そして、内容物を収納する胴部は均一な肉厚で構成されている。このような従来の液垂れ防止用のノズル型容器は、手で容器を保持し容器を傾斜させて押し出すことにより注出し、その後容器を元の垂直位置に戻すと、弁体が速やかに弁室内において、上部から弁座まで落下して、突出口内に残留した内容物の一部を、弁室内に吸引し液垂れを防止している(特許文献2)。
また、従来の容器は、口部にキャップが装着されてシール性が確保されるようになっている。しかし、液垂れの問題はあり、液体を口部から注出するとき、注ぎ出された液体が容器口部の外壁面に沿って外部に垂れ落ちないように、容器口部の撥水性の被膜を設けたものもある。例えば、特許文献3では、容器の口部に酸化スズ又は酸化チタンの被膜を設けることが提案されており、特許文献4では、容器の口部にシリコーンオイルの焼付け被膜を設けることが提案されている。
また、従来のボトル状の容器は、樹脂製の注出用キャップを取り付けたものが知られている。このような流動体注出用キャップにおいては、キャップから容器内の流動体を注ぎ出すときに、キャップの液切り部に流動体が液滴状態で残ってしまうことがある。この液滴状態で残った流動体は落下するおそれがあり、好ましいものではない。このため、この種のキャップにおいては、注ぎ出しの完了時における液切れが良いことが、良品としての条件になる。液切れの良いキャップを得るために、従来においては、キャップにおける流動体の注出部の形状が種々工夫されている(特許文献5)。また、キャップを構成する樹脂に液切れ性を向上させるための添加剤を混合し、この添加剤を樹脂表面に析出するようにしたものも知られている。
また、従来の容器は、内容液が充填された容器の口筒部にヒンジキャップを取り付け、蓋体を開いた後、キャップ本体側に設けたノズルを介して内容液を注出するようにした技術が提案されている(特許文献6)。この種のキャップでは、蓋体を閉じると、蓋体の裏面に設けられた凸状の閉塞栓がノズル内に侵入して密嵌合することにより、液漏れを防止することが可能となっている。また、蓋体の裏面に有頂円筒状の栓部を形成し、蓋体を閉じたときに円筒状の栓部がノズル先端を覆うように被嵌する構成とすることにより封止するタイプのキャップが提案されている(特許文献7)。
また、ペットボトル等の容器の口部に装着されるキャップは、ねじ止めタイプやアンダーカットタイプ等があるが何れも容器の確実な密封を実現する観点からキャップの裏面と容器の口部突端との相互間に押し代をもったパッキンの如きシール部材が配置されており、これによって容器が密封されている。ところで、上記のような従来のシール部材は、キャップの内側に一体又は別体に配置されているのが普通であるところ、その配置に際しては位置ずれが生じることがあり、また、キャップの頻繁な取り付け、取り外しが行われる状況ではシール部材の押し代が次第に減少していきシール性が低下することが懸念されていた。かかる不具合を解消したキャップとしては、キャップの内面にコンタクトリングを設け、このコンタクトリングを容器の注出口天面に形成されたリング溝に適合させて容器の密封性を高めたものが知られている(特許文献8)。
また、従来、流動性材料を有する容器は、流動を制限する中栓と、保管収納を目的としたキャップから構成されている。通常、容器内の液体を排出するためにキャップを外し、容器を傾け中栓を介して必要量の液体を排出後、容器を正立方向に戻すが、その時に中栓吐出口に付着している最後の滴が垂れて容器及び中栓、キャップを汚さないように、中栓の液体排出部分に液垂れ防止形状に工夫されている中栓付き容器類が市販されている。通常は吐出口である口内径が大きく、連続排出で必要量を目感で使用している。
また、従来、天板に注出口部をもつキャップ本体に、注出口部を封止する蓋部が、ヒンジを介して連結するキャップを備える容器において、使用時に、他の容器に注出して使用する、例えば、内容液を収容する容器には、他の容器への注出をし易くするために、天板に注出口部をもち側壁内面に容器の口部に螺合する雌ねじ(係合部)をもつキャップ本体に、注出口部の注出孔を封止するコンタクトリング(嵌挿部)をもつ蓋部が、ヒンジを介して連結しているキャップが使用されていた。
また、従来、容器本体を傾倒させることでノズル部から内容液を吐出させる容器として、スクイズ容器が知られている。スクイズ容器は、内容液が収容された、可撓性を有する合成樹脂製のボトル形状の容器本体を傾倒させると共に、容器本体の口首部に取り付けられたノズルキャップのノズル部の先端吐出口を吐出箇所に向けた状態で、容器本体の胴部をスクイズ(押圧)することにより、内部の圧力を高めて、内容液を先端吐出口から線状に連続吐出させることが可能である(特許文献9)。また、容器本体を傾倒させることで内容液を吐出させるスクイズ容器のノズル部は、相当の長を有する吐出ガイド流路を内部に備えており、この吐出ガイド流路を通過させて内容液をノズル部の先端吐出口から吐出させることにより、内容液を、吐出ガイド流路の延長方向に方向付けさせながら、安定した状態で吐出させることが可能である。
また、従来、スクイズ容器は、容器本体の胴部を手で把持してスクイズ(圧搾)することで容器本体を変形させて、内容液をノズルの先端の吐出口から吐出箇所に向けて所定量吐出させるものである。スクイズ容器は、通常、内容液の補充や交換ができるように、スクイズ変形可能なプラスチックからなる容器本体の口首部に、注出ノズルを有するキャップを着脱可能に取り付けて用いる場合が多い。このようなスクイズ容器では、例えば注出ノズルの先端の吐出口を覆う外蓋を取り外した後に、把持したスクイズ容器を傾倒又は倒立させて吐出口を吐出箇所に向けた状態で、容器本体をスクイズすることにより、内容液を所定量吐出させる。このようなスクイズ容器は、スクイズした状態を開放すると、容器本体の変形が元に戻って内部が負圧になる、いわゆるバックサクション効果によって液が吸引されることにより、注出ノズルの先端の吐出口周囲に残った内容液を容器本体の内部に引き戻すことができる。一方、スクイズ容器は、容器本体の胴部を把持して傾倒又は倒立させると、容器本体の内圧や内容液の自重によって、容器本体をスクイズしなくても、内容液が注出ノズルの先端の吐出口から漏出したり液垂れしたりする場合がある。このような予期しない内容液の漏出や液垂れは、スクイズ容器の外観の汚れや使用時の手の汚れ等の要因になることから、注出ノズルが立設するキャップの天面部の下面側に、中空の有底筒体による液溜め用のトラップルームを設けることで、内容液の漏出や液垂れを防止する技術が開発されている(特許文献10)。
また、従来、外層体と当該外層体内に配設された内層体から構成され、外層体を外側から加圧することで内層体内の内容液を注出し、内容液の注出後には、外層体に形成された外気導入孔を通して外層体と内層体との相互間に外気を取り込むことで、外層体の胴体部分のみを元の形状に復元させる二重構造のスクイズ容器が知られている(特許文献11)。この種の容器は、液体の充填ボトルとして近年幅広い分野で多用されており、内容液の品質保持(内夜物の酸化あるいは成分の揮散防止等)を図る観点から、中栓に形成された中栓開口部を開閉可能に塞ぎ、内容液を注出するときにのみに開放する逆止弁が配置されている。
また、従来、粘稠性の液体内容物を容器に充填して、使用時に容器を傾け、または容器をスクイズして必要量の液体内容物を注出する形式の容器では、ノズルを備えた注出具を容器の口部に装着し、そのノズルを通して液体内容物を注出することがある。このようなノズルを具えた注出具では、必要量の注出が終了した後は、容器を元の姿勢に戻し、若しくは容器のスクイズを停止して容器を解放すると、ノズル内の液体内容物は容器内に戻るのであるが、液体内容物の一部はノズルの先端に付着して残留し、これがノズルの先端の汚損の原因となり、またはノズルから液垂れする原因となる。この液体内容物がノズル先端に残留するのを防ぐためには、容器の傾きを元に戻したり、或いは容器のスクイズから容器を解放したときの容器内部の減圧による空気の吸入を利用して、ノズルから残留液体内容物をサックバックして容器内に回収したりすることが有効であり、従来から、サックバック機能を有効に発揮させるために、ノズルの形状、構造及びボトルの形状、構造について多くの開発がなされて来た(特許文献12,13,14)。
特開2014−88207号公報 特許第3137850号公報 特開2001−97384号公報 特開平9−193937号公報 特開平10−297663号公報 特開平9−286451号公報 特開2001−130600号公報 特開2007−30895号公報 特開2008−24339号公報 特開2003−226377号公報 特開2014−028642号公報 特開2003−47890号公報 実開昭49−95041号公報 特開昭57−133854号公報
特許文献2の容器では、ノズル部の先端に突出口を設け、ノズル部内に弁室を形成し、弁室内に弁体を挿入し、かつ弁室の下に弁座を形成する必要があり、構造が複雑になり部品点数が多くなるため、製造コストが高くなるという欠点がある。
これにより、インクの液垂れを防止できると共に、容器内の残量インクを低減することができ、部品点数が少ない、低コストの容器が望まれていた。
特許文献3,4において、容器の口部に撥水性の被膜を設けるという手段は、液垂れ防止に有効であるものの、容器口部を覆うように格別の材料で被膜を設けなければならないため、コストの増大を招くばかりか、被膜の形成作業も容易ではないという問題がある。特に、容器口部の外周面にキャップ締結用の螺条が形成されている場合には、螺条が容器口部の上端付近にまで延びているため、容器口部上端近傍に凹凸が形成され、上記のような被膜形成が一層困難となり、また被膜厚みにばらつきも生じ易い。この場合、螺条の上端の位置を低い位置に設定すれば、容器口部上端に連なるフラットな側壁面の面積を増大させることができ、被膜の形成を容易に行うことが可能となるが、容器口部やキャップのハイトが必要以上に大きくなってしまうため、望ましい手段とは言えない。特許文献3では、キャップを閉じた時、注出筒の内面にキャップに設けられているインナーリングが密着することによりシール性を確保しているが、インナーリングが密着する部分に多数の微細溝が形成されているため、十分なシール性を確保することができない。
これにより、容器内に収容されている液体を注ぎ出す際の液垂れが、シール性を損なうことなく改善された容器が望まれていた。
また、特許文献5のように、キャップにおける流動体の注出部の形状が種々工夫されているものの、良好な性能を確実に発揮させることができるものは、未だ提案されていない。すなわち、キャップにおける流動体の注出部の形状を工夫して液切れ性を向上させることは、従来において数多く提案されているものの、いずれも十分な効果は得られていない。また、樹脂に添加剤を混合するものでは、コストが高く、また容器内の流動体が食品である場合にはその添加剤が食品中に混入するおそれがある。
これにより、液体注出用キャップの構造を検討することによって、その液切れの良さを格段に向上させることができる容器が望まれていた。
また、打栓式のキャップの場合、キャップ本体に形成されたノズルの先端をシール部材で封止することになるが、特許文献6に記載されているような凸状の閉塞栓でノズルを封止すると、シール部材を破断させてしまう虞がある。特許文献7に記載のキャップにおいては、キャップ本体を容器に打栓したときに、ノズルが上方に突出変形させられることがあり、このときの突出変位量は、キャップ本体と容器側の口筒部の成形精度に左右されやすい。このため、ノズル先端と蓋体の裏面との間に隙間が形成されることになるが、この隙間の寸法を適正に規制しない場合には液漏れが多大になるという問題がある。
これにより、予めノズル先端がシール材で封止され、容器の口筒部に打栓により取り付けられるタイプのキャップにおいて、シール材を剥した後の使用中の液漏れを発生し難くした合成樹脂製キャップをそなえた容器が望まれていた。
特許文献8において、キャップは、容器の口部突端の表面が粗く波を打つような微小変形を起こしている場合(例えば耐熱性を付与するために容器の口部に熱処理(白化処理)を施した場合やアルミシートを熱溶着により貼付する場合あるいはブロー成形に際して容器の口部を仕上げるとき等に起こり得る)には、シール部材との間に隙間が生じて容器の密封性が低下するのが避けられない状況にあった。
これにより、容器の口部突端の表面性状にかかわりなく確実にシールして容器を高い密封状態に保持できる新規な容器用キャップを備えた容器が望まれていた。
従来技術の中栓の液体排出部分は液体を瞬時に排出させることもあり、液体吐出口の口径はある程度大きく取ってあるが、不用意な使用で衣服等に液体を付着させ汚すことも多々あった。また、中栓の液体排出部分に液垂れ防止形状を施した中栓でも、液体排出後容器を正立方向に戻す瞬間、中栓の吐出口部に残った最後の一滴が中栓の吐出口内に戻らず、中栓の外側に零れ出てしまうことから、中栓の側面に液体が流れ落ち、繰り返し使用している間に容器のネジ部まで汚してしまい、恰も液漏れを発生させているようで見苦しく感じる。更には、液体の原液等の少量な計量を必要とするならば、目盛り機能付きのカップ等が必要であった。
これにより、簡単な中栓先端形状を備えた中栓を備えた容器が望まれていた。
キャップは、使用時に使い易いように、注出口部の注出孔が、先端方向にラッパ状に広がったものがあり、内容液を他の容器に注出するとき、流出する内容液が広がって、時には、容器外に飛散し易いことがあった。
これにより、内容液の注出操作が簡単で、注出し易く、しかも、容器外に内容液が飛散しにくい容器が望まれていた。
特許文献9のスクイズ容器を含め、容器本体を傾倒させることで内容液を吐出させるスクイズ容器では、内容液を吐出させる際に、容器本体を傾倒させて収容された内容液が口首部に送られると、送られる際の内容液の勢いによって、積極的に内容液を吐出させるスクイズ操作の前の状態においても、不用意に且つ勢い良く、内容液がノズルキャップのノズル部の先端吐出口から吐出して、周囲のものを汚す場合がある。また、スクイズ容器は、口首部の内側領域に送られて当該内側領域に充填された内容液が、可撓性を有する容器本体の胴部を把持した手や指からの圧力を受けることによって、胴部を積極的に押圧していないスクイズ前の状態においても、不用意に且つ勢い良く、内容液をノズルキャップのノズル部の先端吐出口から吐出させて、周囲のものを汚す場合がある。
これにより、傾倒させることで内容液を吐出させるスクイズ操作が可能な容器本体の口首部に取り付けられた、ノズルキャップのノズル部の先端吐出口から、積極的に内容液を吐出させる操作の前の状態で、内容液が、不用意に且つ勢い良く吐出するのを効果的に抑制できるノズルキャップ付きスクイズ容器が望まれていた。
特許文献10のスクイズ容器に取り付けて用いられるキャップは、トラップルームの存在によって、容器本体をスクイズする前の、予期しない内容液の漏出や液垂れを効果的に回避できる一方で、トラップルームは相当の大きさの中空部となっているため、例えば、容器本体をスクイズした後に内容液が注出ノズルの吐出口から吐出されるまでの時間がかかり過ぎたり、トラップルームに残留した内容液が容器本体に回収されるまでの時間がかかり過ぎたりするといった、種々の使い難さを生じることになる。特に、スクイズ容器を逆さまに倒立させた状態とすることなく、傾倒させたままの状態で容器本体をスクイズして使用する場合には、トラップルームの内部に内容液が流入し難くなって、内容液が吐出されるまでの時間がさらに増大することになる。
これにより、相当の大きさの中空部であるトラップルームを有効利用して容器本体をスクイズする前の内容液の漏出や液垂れを効果的に回避できると共に、容器本体をスクイズしてから内容液が吐出されるまでの時間や、トラップルームに残留した内容液が容器本体に回収される時間を短縮して、使い易さを向上させることのできるキャップを備えた容器が望まれていた。
特許文献11に記載されるような容器では、内容液の種類に応じて、内容液の注出量調整を行う必要がある場合があるが、このような注出量調整を行う一つの手段として、中栓開口部のサイズ調整が挙げられる。ところが、中栓開口部のサイズを拡大した場合、内容液の注出量を増やすことが可能になるものの、中栓開口部のサイズの拡大に伴って、中栓開口部を開閉可能に塞ぐ逆止弁の弁体のサイズについても拡大する必要が生じ、その結果、中栓開口部と弁体との間における相対的な位置や姿勢にズレが生じ易く、逆止弁による密閉性が損なわれ易くなるという問題が生じる。また、中栓開口部のサイズを拡大した場合、内容液の最大注出量が大きくなるため、強い力で外層体を加圧すると一気に内容液が注出してしまう等、外層体を加圧する力の加減が難しくなるという問題が生じる。
これにより、逆止弁による密閉性を確保しつつ、簡便な構造で、内容液の注出量を容易に加減することが可能な逆止弁付き容器用キャップを有する容器が望まれていた。
特許文献12に示されたノズルまたは容器があるが、これは頭髪用フォーム剤等を吐出するノズルに関するもので、ノズルの先端口部に連結する喉部を設け、この喉部の長さや径の選択によって、液体内容物の吐出状態を改善しようとするものであるが、ノズル先端部の開口端部に液垂れ防止用の湾曲または球面状の凹部を設けており、むしろこの凹部が液溜めになって、ノズル先端の汚損や液垂れの原因になり易い。また、特許文献13には、吐出口がノズル中心軸に対して斜面に形成された容器が示されているが、この容器における液体内容物の吐出の断続は喉部の絞りによって制御される。したがって、ノズルは常時、容器内に連通しているのではなく、絞りが開いた時だけ連通するので、容器がスプリングバック可能な構造であることが必要であるばかりでなく、絞りもスプリングバック可能に構成する必要があり、構造的な制約が多くなる。さらに、特許文献14には、小型樽用のビール注ぎ口が示されており、この注ぎ口の先端には下方に向けて湾曲した湾曲部が形成されている。この湾曲部は液体内容物であるビールの吐出方向を下向きに制御するために機能するものであるが、一方で、液体内容物がビールでなくケチャップ等の粘稠性の液体である場合には、湾曲部に残液が滞留し、ノズル部の汚損、液漏れの原因となる。
これにより、ノズル部での残液の滞留の発生を防ぎ、ノズル部の汚損、液漏れの発生を一層良好に防止することができるノズルを有する容器が望まれていた。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、インクタンクへのインクの注入を行うインク補給容器において、インク補給容器からインクタンクへのインク注入のし易さを向上させると共に、インクの液垂れを防止するインク補給容器を提供することを目的とする。この目的を達成するために、本発明は、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係るインク補給容器は、インクを収納する胴部と、胴部の先端に設けられる肩部と、肩部に連続する口部とを備え、胴部には薄肉部が形成され、口部から上方にノズル部が形成されていることを特徴とする。
本適用例のインク補給容器によれば、胴部を部分的に厚肉とすることにより、容器の厚肉に形成した胴部に復元力をもたせて、エアーの吸い込み機能を発生させて、インクの液垂れを防止することにより、液の切れを良くすることができる。
[適用例2]上記適用例に記載のインク補給容器は、肩部の直下付近の胴部には薄肉部が形成され、薄肉部の下方の胴部には厚肉部が形成されていることが好ましい。
本適用例のインク補給容器によれば、肩部直下付近の胴部に薄肉部を形成することにより、傾倒させてインクをインクタンクに注入した際、この薄肉部を押圧することにより、容器内の残量インクを低減させることができる。また、薄肉部の下方の胴部に厚肉部を形成することにより、厚肉部に復元力をもたせることができ、エアーの吸い込み機能を発生させて、インクの液垂れを防止することができる。
[適用例3]上記適用例に記載のインク補給容器は、チューブ容器であることが好ましい。
本適用例のインク補給容器によれば、インクの液垂れを防止できると共に、チューブ容器内の残量インクを低減することができる効果がある。又、部品点数が少なくかつ低コストで製造できる効果がある。
[適用例4]本適用例に係るインク補給容器は、インクが充填される容器と、容器の口部に装着されるキャップとを備え、容器に充填されているインクを注ぎ出すときの注ぎ口となる部分が微細な凹凸部を有しており、凹凸部には、注ぎ出されるインクの流れを塞き止めるように延びている塞き止め面が形成されていることを特徴とする。
本適用例のインク補給容器によれば、容器に収容されているインクを注ぎ出すときの注ぎ口(例えば、容器口部の上端面或いはキャップに設けられている注出筒の上端部)に、微細な凹凸部が形成されており、このような凹凸部により、インクを注ぎ出すときの液切れ性が向上し、注ぎ出されたインクが容器口部の外壁面に沿って外部に垂れ落ちるというインクの液垂れを有効に防止することができる。
即ち、微細な凹凸部を注ぎ口に形成すると、この凹凸部上をインクが流れて注ぎ出されることとなるが、この際、インクは、凹部内の空気と接触しながら流れる。しかるに、インクの空気に対する接触角は、注ぎ口を形成する素材(例えばポリエステルやポリオレフィンなどのプラスチック)に対する接触角よりも大きい。従って、この微細凹凸部は、表面張力を利用した撥液性面として機能し、優れた液切れ性を示し、インクの液垂れを防止することができる。
また、凹凸部には、注ぎ出されるインクの流れを塞き止めるように延びている塞き止め面が形成されている。この結果、インク補給容器のキャップを閉じたとき、凹凸部を通ってのインクの漏れは有効に防止されており、凹凸部の形成によるシール性の低下は有効に回避されている。
[適用例5]本適用例に係るインク補給容器は、注出部に流れ方向の多条の微細溝を有するキャップを備えていることを特徴とする。
本適用例のインク補給容器によれば、注出部に流れ方向の多条の微細溝を有することで、インクの良好な液切れ性を得ることができる。
[適用例6]本適用例に係るインク補給容器は、容器の口筒部に対して打栓による取り付けを可能とする取付部及びインクを注出する中空状のノズルを頂壁に備えたキャップ本体と、ノズル先端に剥離可能に接着されたシール材と、ノズルを備えた頂壁を被嵌する有頂筒状の蓋体と、蓋体がキャップ本体を被嵌する状態を維持する係合手段と、を有する合成樹脂製のキャップを備え、蓋体の天壁部の裏面に、ノズル基端に外側から当接して封止する円筒状の封止周壁と、ノズル先端の外縁部に対向してこの間の流路面積を規制する環状外リブと、ノズル先端の内縁部に対向してこの間の流路面積を規制する環状内リブと、を備えていることを特徴とする。
本適用例のインク補給容器によれば、ノズル先端の外縁部に対向する環状外リブとノズル先端の内縁部に対向する環状内リブとが、流路面積を小さくすることにより、ノズル先端からのインクの液漏れの抑制を達成し得る。更に、例えノズル先端から液漏れが発生したとしても、ノズル基端に外側から当接して封止する円筒状の封止周壁がキャップ外への液漏れを塞き止めることを達成する。このように二重、三重の構成を有することにより、使用中における実質的にインクの液漏れの防止を達成することができる。
[適用例7]本適用例に係るインク補給容器は、容器の口部突端上に位置する天面壁と、天面壁の縁部に一体的につながり容器の口部側壁を全周にわたって取り囲む周壁とからなり、周壁の内面を口部側壁に連係させて容器を密封保持するキャップを備え、天面壁には、容器の口部突端に弾性接触してその相互間を液密状態に保持する環状シール体が設置され、環状シール体は、天面壁の裏面に直接形成されるメインコンタクトと、メインコンタクトに設けられ、メインコンタクトとともに容器の口部突端に弾性接触するサブコンタクトと、からなることを特徴とする。
本適用例のインク補給容器によれば、メインコンタクトの最先端(キャップを装着した時に最初に容器の口部突端に接触する最下部に対応する個所)にサブコンタクトを設け、このサブコンタクトを容器の口部突端の表面に沿わせるように柔軟に変形させることにより、口部突端と環状シール体との間に隙間が形成されることがなくなり単一の部材でもって容器を高い密封状態に保持できる。
[適用例8]本適用例に係るインク補給容器は、インクを収容した容器本体と、容器本体の一端部に形成された容器開口部に圧嵌される中栓とを備え、容器開口部に流量を制限する中栓を嵌合するが、中栓の上部が窄まった形状を成し、その窄まった部分のインクを排出させる中栓の天面の形状が、噴水状形状を成すことにより、排出を終え容器本体を正立の状態に戻す時に排出されるインクが噴水状形状の終端部で断ち切られ、中栓の側面をインクが伝って流れることはないことを特徴とする。
本適用例のインク補給容器によれば、容器本体を正立の状態に戻そうとする時、噴水状形状の位置にある最後のインクは中栓に設けた例えば小孔に戻る場合と、噴水状形状の外側へ垂れ落ちていく場合がある。噴水状形状の外側に垂れた液は中栓の側面を伝うことはなく、終端部でインクの液は切れ落ちる。これにより、インクの液垂れを防止することができる。
[適用例9]本適用例に係るインク補給容器は、天板に注出口部を有するキャップ本体に、注出口部の注出孔を封止する嵌挿部を有する蓋部が、ヒンジを介して連結されたキャップを備え、キャップ本体の注出口部は、注出孔を内面とする第1リング状突起と、第1リング状突起の外側に設けられた第2リング状突起とからなることを特徴とする。
本適用例のインク補給容器によれば、キャップの注出口部の第2リング状突起の外周面を、他の容器の口部や側壁先端部などに当接させて容器を保持してから、インクを注出させるため、注出し易く、しかも、流出するインクの広がりからみて、容器外にインクが飛散する危惧がない。また、インクが第1リング状突起の内面先端の接線の延長線上に下方へ注出されても、第2リング状突起の先端の方が、第1リング状突起の先端よりも高い位置に設けられているため、第2リング状突起の内面に当たり、インクは、さらに第2リング状突起の内面を下降し、第2リング状突起の先端から注出する。このため、容器外へのインクの飛散を防止することができる。
[適用例10]本適用例に係るインク補給容器は、傾倒させることでインクを吐出させるスクイズ操作が可能な容器本体の口首部に、ノズルキャップが取り付けられたノズルキャップ付きのインク補給容器であって、ノズルキャップのノズル部は、キャップ本体の閉塞板部によって支持されて、口首部の内周面から離間した状態で、口首部の軸方向に沿って、閉塞板部から吐出方向前方側に延設して設けられていると共に、インクを案内して先端吐出口から吐出させる吐出ガイド流路を内部に備え、閉塞板部には、吐出ガイド流路への流入口の周囲に、複数の突起が、閉塞板部から吐出方向後方側に突出して設けられていることを特徴とする。
本適用例のインク補給容器によれば、傾倒させることでインクを吐出させるスクイズ操作が可能な容器本体の口首部に取り付けられた、ノズルキャップのノズル部の先端吐出口から、積極的にインクを吐出させる操作の前の状態で、インクが、不用意に且つ勢い良く吐出するのを効果的に抑制することができる。
[適用例11]本適用例に係るインク補給容器は、スクイズ変形可能なプラスチックからなる容器本体の口首部に取り付けて用いられ、容器本体の胴部のスクイズ変形により注出ノズルの先端の吐出口からインクを吐出させるスクイズ容器用のキャップを備え、キャップの注出ノズルが立設する天面部の下面側に、中空の有底筒体による液溜め用のトラップルームが設けられ、有底筒体の底部には、容器本体とトラップルームとの間のインクの流入口及び流出口を兼ねる流入流出口が開口形成され、有底筒体の底部には、注出ノズルへの注出口の直下部分を含む領域において底面よりも高くなった上げ底部が形成されていることを特徴とする。
本適用例のインク補給容器によれば、相当の大きさの中空部であるトラップルームを有効利用して容器本体をスクイズする前のインクの漏出や液垂れを効果的に回避できると共に、容器本体をスクイズしてからインクが吐出されるまでの時間や、トラップルームに残留したインクが容器本体に回収される時間を短縮して、使い易さを向上させることができる。
[適用例12]本適用例に係るインク補給容器は、スクイズ変形可能なプラスチックからなる容器本体の口首部に取り付けて用いられ、容器本体の胴部のスクイズ変形により注出ノズルの先端の吐出口からインクを吐出させるスクイズ容器用のキャップを備え、キャップの注出ノズルが立設する天面部の下面側には、中空の有底筒体による液溜め用のトラップルームが設けられ、有底筒体の底部には、容器本体とトラップルームとの間のインクの流入口及び流出口を兼ねる注出ノズルへの注出口の開口面積の25〜300%の開口面積を有する流入流出口が開口形成され、有底筒体の底部には、容器本体の正立状態において流入流出口に向って下り勾配で傾斜する傾斜面が形成されていると共に、底部の最下部には、流入流出口が開口していることを特徴とする。
本適用例のインク補給容器によれば、相当の大きさの中空部であるトラップルームを有効利用して容器本体をスクイズする前のインクの漏出や液垂れを効果的に回避できると共に、容器本体をスクイズしてからインクが吐出されるまでの時間や、トラップルームに残留したインクが容器本体に回収される時間を短縮して、使い易さを向上させることができる。
[適用例13]本適用例に係るインク補給容器は、容器の口部に配置される逆止弁付きのキャップを備え、キャップは、キャップ部と、中栓と、中栓に装着される逆止弁とを備え、中栓には、少なくとも第1注出口と第2注出口とが形成され、逆止弁は、中栓に装着される基部と、第1注出口を外側から開閉可能に塞ぐ第1開閉弁と、第2注出口を外側から開閉可能に塞ぐ第2開閉弁と、基部および第1開閉弁の間に形成された第1屈曲部と、基部および第2開閉弁の間に形成された第2屈曲部とを備え、第1屈曲部は、第2屈曲部よりも低い強度を有することを特徴とする。
本適用例のインク補給容器によれば、第1注出口および第2注出口を中栓に形成し、互いに異なる強度の屈曲部によって基部に連結された第1開閉弁および第2開閉弁を逆止弁に形成することにより、キャップ部、中栓、および逆止弁の3部品から成る簡素な構造で、容器を加圧する力を加減することで、第1注出口のみを開放した状態、および、第1注出口および第2注出口の両方を開放した状態の2つの状態を使い分けることが可能であるため、部品点数の低減を図りつつ、インクの注出量を容易かつ適切に加減することができる。また、中栓に第1注出口および第2注出口を形成することにより、充分なインクの注出量を確保しつつ、各注出口および各開閉弁のサイズの大型化を回避することが可能であるため、各注出口および各開閉弁との間における相対的な位置や姿勢にズレが生じ難くなる。
[適用例14]本適用例に係るインク補給容器は、容器の口部に配設されてインクの注出を案内するサックバック機能を有するノズル、およびノズルの壁の壁内面によって区画されて形成され、インクの流れを予定された流れの方向に案内して流通させる流路を有し、流路は、ノズルの先端に有する流れの方向に垂直な吐出口と、ノズルの後端に有する容器の内部と連通する導入口と、ノズルの注出姿勢において吐出口のインクが流れ落ちる下端の上方に壁内面に連続する液案内面を先細状に流れの方向若しくは流れの方向よりも下端寄りの方向に沿って吐出口から延長させた延長部と、を備えていることを特徴とする。
本適用例のインク補給容器によれば、ノズルの先端部の構造を、ノズル吐出口の流路の先端に先端延長部を設け、例えば万年筆のペン先のように、ノズル壁内面の周方向の一部分を先細状にして先方に延長させることによって、インクの吐出時にノズル吐出口付近に付着する残留液のうち表面張力によって上の壁内面に付着する分を下の壁内面に付着する分よりも多くし、下の壁内面から下に滴下する分を少なくして、液垂れの発生を防止することができる。また、重力により上の壁内面に付着した残留液が壁面を伝わって下の壁内面に流れ落ちることを利用して、残留液をノズルの壁内面に均等に分布させ、注出動作を終了して手指による容器のスクイズ力が解消し、容器が原形に復元したときにサックバックによりノズルの先端からエアーがノズル内に流れ込む時に、吸引力がノズル内周面の残留液に均等に作用してサックバックが良好に行われる。これによってノズル先端部の汚損が回避される。
実施形態に係るインク噴射システムの主要構成を模式的に示す斜視図。 第1実施形態に係るインク補給容器を示す断面図。 インク補給容器を示す断面図。 第2実施形態に係るインク補給容器を示す断面図。 第3実施形態に係るインク補給容器の要部を示す断面図。 図5のインク補給容器のA部を拡大して示す部分拡大断面図。 図5のインク補給容器の注ぎ口(ボトル口部の上端面)を示す平面図。 注ぎ口に凹凸部が形成されている場合のインクの液切れの状態を示す概断面図。 注ぎ口に凹凸部が形成されていない場合のインクの液切れの状態を示す概断面図。 凹凸部の最適なパターンを示す部分平面図。 凹凸部の他のパターンを示す部分平面図。 凹凸部の他のパターンを示す部分平面図。 インク補給容器の他の例を示す側断面図。 図12のインク補給容器の平面図。 第4実施形態に係るキャップの開蓋状態を示す平面図。 キャップの開蓋状態を示す断面図。 キャップの要部を拡大して示す立体図。 キャップの微細溝の断面形状を示す図。 微細溝が形成された注出部の断面図。 キャップの閉蓋状態を示す断面図。 第5実施形態に係るキャップの開蓋状態を示す斜視図。 開蓋状態にあるキャップを示す平面図。 開蓋状態にあるキャップを示す縦断面図。 閉蓋状態にあるキャップを示す縦断面図。 図22の部分拡大図であり、打栓前の状態を示すキャップの縦断面図。 打栓後の状態を示すキャップの縦断面図。 図24からシール材を剥した状態を示す縦断面図。 第6実施形態に係る容器用のキャップを示す断面図。 キャップの環状シール体の変形状況を示す断面図。 キャップの環状シール体の変形状況を示す断面図。 キャップの環状シール体の変形状況を示す断面図。 第7実施形態に係る中栓の嵌合を示す断面図。 中栓の滴下の瞬間を示す断面図。 中栓の滴下を示す断面図。 中栓の定量滴下を示す断面図。 インク補給容器を示す断面図。 キャップを外した状態のインク補給容器を示す斜視図。 第8実施形態に係るキャップの注出口部を示す断面図。 キャップの一部を切り欠いた部分断面図。 キャップの注出口部をインクタンクの口部先端に引掛けてインクを流出するときの状態を示す説明図。 キャップの注出口部を他のインクタンクの口部先端に引掛けてインクを流出するときの状態を示す説明図。 第9実施形態に係るノズルキャップ付きのインク補給容器の正面図。 ノズルキャップが取り付けられた容器本体の要部断面図。 閉塞板部から複数の突起が突出するノズルキャップの底部分の部分拡大斜視図。 容器本体を傾倒させてノズル部からインクを吐出させる状態の要部略示断面図。 インク補給容器を把持して、ノズル部の先端吐出口をインクタンクに向けていく操作を説明する略示斜視図。 インク補給容器を把持して、ノズル部の先端吐出口をインクタンクに向けていく操作を説明する略示斜視図。 他の形態の複数の突起を例示する要部斜視図。 他の形態の複数の突起を例示する要部斜視図。 さらに他の形態の複数の突起を例示する要部斜視図。 さらに他の形態の複数の突起を例示する要部斜視図。 第10実施形態に係るキャップを取り付けたインク補給容器の断面図。 キャップを構成する有底筒体の断面図。 キャップを構成する有底筒体の斜視図。 容器本体をスクイズすることで、トラップルームを介して注出口から注出ノズルへインクを注出させる状況を説明するキャップの略示断面図。 第1変形例に係るキャップを構成する有底筒体の断面図。 キャップを構成する有底筒体の斜視図。 第2変形例に係るキャップを構成する有底筒体の断面図。 キャップを構成する有底筒体の斜視図。 有底筒体によるトラップルームを介して注出口から注出ノズルへインクを注出させる状況を説明するキャップの略示断面図。 第3変形例に係るキャップを構成する有底筒体の断面図。 キャップを構成する有底筒体の斜視図。 第4変形例に係るキャップを構成する有底筒体の断面図。 キャップを構成する有底筒体の斜視図。 他の変形例の有底筒体を例示する断面図。 キャップを構成する有底筒体の斜視図。 他の変形例の有底筒体を例示する断面図。 キャップを構成する有底筒体の斜視図。 他の変形例の有底筒体を例示する断面図。 キャップを構成する有底筒体の斜視図。 他の変形例の有底筒体を例示する断面図。 キャップを構成する有底筒体の斜視図。 他の変形例の有底筒体を例示する断面図。 キャップを構成する有底筒体の斜視図。 他の変形例の有底筒体を例示する断面図。 キャップを構成する有底筒体の斜視図。 第11実施形態に係るキャップを取り付けたインク補給容器の断面図。 キャップを構成する有底筒体の断面図。 キャップを構成する有底筒体の斜視図。 キャップを構成する有底筒体の断面図。 容器本体をスクイズすることで、トラップルームを介して注出口から注出ノズルへインクを注出させる状況を説明するキャップの略示断面図。 第1変形例に係るキャップを構成する有底筒体の斜視図。 有底筒体によるトラップルームを介して注出口から注出ノズルへインクを注出させる状況を説明するキャップの略示断面図。 他の変形例に係るキャップを例示する断面図。 他の変形例に係るキャップを例示する断面図。 第12実施形態に係るキャップを取り付けた容器を示す断面図。 少量のインクを注出させる際のキャップの様子を示す断面図。 多量のインクを注出させる際のキャップの様子を示す断面図。 残液回収時におけるキャップの様子を示す断面図。 キャップを構成する中栓を示す平面図。 キャップを構成する中栓を示す断面図。 キャップを構成する逆止弁を示す上側の平面図。 キャップを構成する逆止弁を示す断面図。 キャップを構成する逆止弁を示す下側の平面図。 第13実施形態に係るインク補給容器の注出具を示す縦断面図。 注出具の正面部分図。 ノズルの先端部の拡大断面説明図。 ノズルの注出状態を示す縦断面図。 ノズルのサックバック状態を示す縦断面図。 ノズルを示す縦断面図。 ノズルを示す横断面図。 ノズルを示す他の横断面図。 ノズルを示す縦断面図。 ノズルを示す横断面図。 ノズルを示す他の横断面図。 ノズルを示す他の形態のノズルの縦断面図。 他の例のノズルを示す縦断面図。 他の例のノズルを示す縦断面図。 他の例のノズルを示す縦断面図。 他の例のノズルを示す縦断面図。 他の例のノズルを示す縦断面図。 容器に装着したノズルを示す平面図。 容器に装着したノズルを示す側面図。 他の注出具の縦断面図。 他の注出具の正面部分図。 ヒンジキャップでカバーキャップを開いた状態を示す平面図。 ヒンジキャップでカバーキャップを開いた状態を示す縦断面図。 ヒンジキャップでカバーキャップを開いた状態を示す底面図。 カバーキャップを閉じた状態のヒンジキャップを示す正面図。 カバーキャップを閉じた状態のヒンジキャップを示す側面図。 カバーキャップを閉じた状態のヒンジキャップを示す背面図。 カバーキャップを開いた状態のヒンジキャップを示す正面図。 カバーキャップを開いた状態のヒンジキャップを示す側面図。 第14実施形態に係るインク補給容器の全体を示す部分断面図。 インク補給容器におけるインクの吐出時の作用を説明する縦断面図。 インクの吐出後、インク補給容器が復元する時の作用を説明する縦断面図。 オーバーキャップで被蓋した状態の吐出キャップの斜視図。 オーバーキャップを開蓋した状態の吐出キャップの斜視図。 オーバーキャップを開蓋した状態の吐出キャップの側面図。 オーバーキャップを開蓋した状態の吐出キャップの平面図。 オーバーキャップで被蓋した状態の吐出キャップの一部を示す縦断面図。 図92の一部を拡大して示す図。 変形例に係るインク補給容器の全体を示す部分断面図。 インク補給容器の要部を示す縦断面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明を行う。なお、以下の各図においては、説明の便宜上、各部材の尺度を実際とは異ならせて図示している。
図1は、以降での実施形態に係るインク噴射システム1の主要構成を模式的に示す斜視図である。なお、図1は、相互に直交する座標軸であるXYZ軸を付記し、水平面に一致するXY平面にインク噴射システム1を配置した場合の使用状態を図示している。この場合、X軸はキャリッジ7を往復移動させる方向に一致し、Y(Y(+))軸は、記録媒体Pを搬送させる方向に一致し、Z軸はインク噴射システム1の高さ方向に一致している。
本実施形態のインク噴射システム1は、図1に示すように、インク噴射装置の一例であるプリンター2と、インク供給装置3と、を有している。プリンター2は、制御部4と、記録部5と、を有している。プリンター2において、制御部4と記録部5とは筐体6に収容されている。記録部5は、搬送装置(図示省略)でY軸方向に搬送される記録媒体Pに、インクで記録を行う。なお、図示省略する搬送装置は、記録用紙などの記録媒体Pを、Y(+)方向に間欠的に搬送する。記録部5は、移動装置(図示省略)によって、X軸に沿って往復移動可能に構成されている。インク供給装置3は記録部5にインクを供給する。制御部4は上記の各構成の駆動を制御する。
記録部5は、キャリッジ7と記録ヘッド8とを備えている。記録ヘッド8はインク噴射部の一例であり、インクをインク滴として吐出して、記録媒体Pに記録を行う。キャリッジ7は記録ヘッド8を搭載している。なお、記録ヘッド8は制御部4に電気的に接続されている。記録ヘッド8からのインク滴の吐出は、制御部4によって制御される。
インク供給装置3は、インクタンク9を有している。本実施形態のインク供給装置3は、複数の(本実施形態では4つ)インクタンク9を有している。複数のインクタンク9は、筐体10の内部に収容されている。これにより、インクタンク9を筐体10で保護することができる。なお、筐体10と筐体6とは、互いに別体であっても一体であってもよい。筐体10と筐体6とが一体である場合、複数のインクタンク9は、記録ヘッド8やインク供給チューブ12と共に筐体6の内部に収容させることができる。
インクタンク9内部にはインクが収容(貯留)されている。インクタンク9にはインク注入部11が形成されている。インクタンク9には、インク注入部11を介してインクタンク9の外部からインクタンク9の内部にインクを注入(補給)することができる。なお、作業者は、筐体10の外側からインクタンク9のインク注入部11にアクセスすることができる。また、インク注入部11は、蓋(図示省略)で封止されている。作業者は、インクタンク9にインクを注入(補給)する場合、蓋を開けてインク注入部11を開放してから、後述するインク補給容器15によりインクを注入(補給)する。
各インクタンク9には、インク供給チューブ12が接続される。インクタンク9内のインクは、インク供給装置3からインク供給チューブ12を介して記録ヘッド8に供給される。そして、記録ヘッド8に供給されたインクが、記録媒体P側に向けられたノズル(図示省略)からインク滴として吐出される。なお、上記の例では、プリンター2とインク供給装置3とを個別の構成として説明したが、インク供給装置3をプリンター2の構成に含めることもできる。
なお、インク供給装置3は、本実施形態では、プリンター2のX(+)側の側面に設置されている。しかし、インク供給装置3(インクタンク9)の設置位置は、これに限られず、プリンター2のX(−)側の側面や、プリンター2のY(+)側の側面(前面側の側面)などに設置してもよい。
上記の構成を有するインク噴射システム1では、記録媒体PをY軸方向(Y(+)方向)に搬送させ、且つキャリッジ7をX軸に沿って往復移動させながら、記録ヘッド8に所定の位置でインク滴を吐出させることによって、記録媒体Pに記録が行われる。これらの動作は、制御部4によって制御される。
インクは、水性インクと油性インクのいずれか一方に限定されるものではない。また、水性インクは、水性溶媒に染料などの溶質が溶解した構成を有するもの、水性分散媒に顔料などの分散質が分散した構成を有するもののいずれでもよい。また、油性インクは、油性溶媒に染料などの溶質が溶解した構成を有するもの、油性分散媒に顔料などの分散質が分散した構成を有するもののいずれでもよい。
本実施形態では、インクタンク9へのインクの注入に、インク補給容器15が活用される。以下に、インク補給容器15の種々の実施形態を説明する。
〔第1実施形態〕
図2及び図3は、第1実施形態に係るインク補給容器15を示す断面図である。
第1実施形態に係るインク補給容器15は、チューブ容器であり、上方に、インクを出し入れするためのノズル部102を形成した口部103と、口部103から下方へ一様に傾斜したテーパ状の肩部104と、肩部104の下方に続くインクを収容する胴部105とから構成されている。
ノズル部102、口部103及び胴部105は円筒形状をなしている。口部103の外周壁には、キャップ(図示省略)と螺合する雄ネジ106が形成されている。下端部分は、偏平状に潰して口部103に向けて二重又は三重に折り曲げることにより封鎖されている。また、肩部104の直下付近、即ち胴部105の上端位置には、肉厚の薄い薄肉部107が形成されている。
薄肉部107は、肩部104から下方に10〜50mm、好ましくは20mm程度の長さで形成されるのが好ましい。薄肉部107は、t=0.07〜0.15mmであり、好ましくはt=0.09〜0.13mmが適する。また、胴部105の厚肉部108は、T=0.09〜0.17mmであり、好ましくはT=0.11〜0.15mmが好ましい。厚肉部108は薄肉部107より10〜40%厚く構成されることが好ましい。
胴部105の薄肉部107及び厚肉部108の肉厚は、インクの種類、特に粘度によって、適宜に設計変更することができる。すなわち、インク補給容器15は、容器内に充填するインクの種類によって様々な寸法の肉厚のものが考えられる。胴部105の厚肉部108は、薄肉部107より若干厚くするだけで、インクの液垂れ防止効果がある。また、薄肉部107の肉厚に関しては、胴部105を折り畳んだ際に胴部105に破損を生じさせない強度を有するように設計されなければならない。
薄肉部107は、外周壁が段差状になるように形成されているが、必ずしもこの形態に限定されるものではなく、内周壁が段差状になるように薄肉に形成してもよい。このように構成することにより、インク補給容器15の厚肉に形成した胴部に復元力をもたせて、エアーの吸い込み機能を発生させて、インクの液垂れを防止することができる。
また、インク補給容器15を傾倒させて、胴部105内のインクをインクタンク9内に注出する場合、肩部104の直下付近の薄肉部107を押圧したり、薄肉部107を肩部104内に容易に折り畳んだりすることが可能であるため、肩部104内のインクを、押し出すことで、残量インクを低減することが可能となり、インク補給容器15内の残量インクを低減することができる。
本実施形態のインク補給容器15は、金属チューブ、ラミネートチューブ、単層又は多層の樹脂で造られる。素材がアルミニウム等の金属チューブ容器の場合においては、インクによる金属の腐食を防止するために、インク補給容器15の内周面には、内面塗料を塗装することが望ましい。
内面塗料としては熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、ディスパージョン型塗料又は低温硬化型塗料が挙げられ、そのうち1種類又は2種類の内面塗料をチューブ容器の内周面に塗装することで、金属の腐食をより一層効果的に防止することができる。熱硬化性樹脂としてはエポキシフェノール、熱可塑性樹脂としてはビニルオルガノゾル、ディスパージョン型塗料としては酸変性ポリエチレン又は酸変性ポリプロピレン、低温硬化型塗料としてはエポキシメラミンを使用することが非常に効果的であり望ましい。
〔第2実施形態〕
図4は、第2実施形態に係るインク補給容器15Aを示す断面図である。
第2実施形態に係るインク補給容器15Aは、ボトル容器であり、ポリエチレン、ポリプロピレン等の単層又は多層の樹脂チューブで造られる。インク補給容器15Aは、上方に、インクを出し入れするためのノズル部112を形成した口部113と、口部113から下方へ一様に傾斜したテーパ状の肩部114と、肩部114の下方に続くインクを収容する胴部115とから構成されている。
ノズル部112、口部113及び胴部115は円筒形状をなしており、口部113の外周壁にはキャップ(図示せず)と螺合する雄ネジ116が形成されている。肩部114の直下付近、即ち胴部115の上端位置には、肉厚の薄い薄肉部117が形成されている。薄肉部117は、肩部114から下方に10〜50mm、好ましくは20mm程度の長さで形成されるのが好ましい。
薄肉部117は、t=0.05〜0.3mmであり、好ましくはt=0.09〜0.2mmが適する。また、胴部115の厚肉部118の肉厚は、T=0.08〜1.0mmであり、好ましくはT=0.11〜0.6mmが好ましい。厚肉部118は、薄肉部117より10〜40%厚く構成されるのが好ましい。胴部115の薄肉部117及び厚肉部118の肉厚は、インクの種類、特に粘度によって適宜に設計変更することができる。
薄肉部117は、外周壁が段差状になるように形成されているが、必ずしもこの形態に限定されるものではなく、内周壁が段差状になるように薄肉に形成してもよい。このように構成することにより、インク補給容器15Aの厚肉に形成した胴部に復元力をもたせて、エアーの吸い込み機能を発生させて、インクの液垂れを防止することができる。
また、インク補給容器15Aを傾倒させて、胴部115内のインクをインクタンク9内に注出する場合、肩部114の直下付近の薄肉部117を押圧したり、薄肉部117を肩部114内に容易に折り畳んだりすることが可能であるため、肩部114内のインクを、押し出すことで、残量インクを低減することが可能となり、インク補給容器15A内の残量インクを低減することができる。
上述したように、第1、第2実施形態のインク補給容器15、15Aは、インクの液垂れ防止用や残量インクの低減用のボトル容器、又はチューブ容器として広く活用することができる。
なお、第1、第2実施形態のインク補給容器15,15Aにおいて、インクの量が多い場合には、厚肉部108,118を押圧し、インクの量が少なくなった場合には、薄肉部107,117を押圧することが注出において有効および効率的である。そのため、インクの量が多い場合には厚肉部108,118を押圧し、インクの量が少なくなった場合には、薄肉部107,117を押圧することを、作業者が容器を見ることで理解できるように、文字やイラスト等を用いて厚肉部108,118および薄肉部107,117に表示することが好ましい。表示は印刷などで行うことが容易であり適している。
第1、第2実施形態によれば以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態のインク補給容器15,15Aにおいて、胴部105,115を部分的に厚肉とすることにより、容器の厚肉に形成した胴部(厚肉部108,118)に復元力をもたせて、エアーの吸い込み機能を発生させて、インクの液垂れを防止することにより、液の切れを良くすることができる。
(2)本実施形態のインク補給容器15,15Aにおいて、肩部104,114直下付近の胴部105,115に薄肉部107,117を形成することにより、傾倒させてインクをインクタンク9に注入した際、この薄肉部107,117を押圧することにより、容器内の残量インクを低減させることができる。また、薄肉部107,117の下方の胴部105,115に厚肉部108,118を形成(本実施形態では、薄肉部107,117の肉厚より、胴部の厚肉部108,118を10〜40%厚く形成)することにより、厚肉部108,118に復元力をもたせることができ、エアーの吸い込み機能を発生させて、インクの液垂れを防止することができる。
(3)本実施形態のインク補給容器15,15Aは、インクの液垂れを防止できると共に、チューブ容器内の残量インクを低減することができる効果がある。又、部品点数が少なくかつ低コストで製造できる効果がある。
〔第3実施形態〕
図5は、第3実施形態に係るインク補給容器15Bの要部を示す断面図である。
第3実施形態に係るインク補給容器15Bは、口部201を備えたプラスチックボトルと、口部201に装着されたキャップ(螺子キャップ)203とから構成され、プラスチックボトル内には、インクが収容されている。インク補給容器15Bにおいて、プラスチックボトルでは、図示されていないが、口部201の下方は、湾曲した肩部に連なり、この肩部は胴部に連なり、胴部の下端は底部により閉じられている。
このようなプラスチックボトルにおいて、その外面には、キャップ203を保持するための螺条205が形成されており、螺条205の下側には環状突起207が形成され、環状突起207の下方には、搬送時等において、ボトルを保持するためのサポートリング209が形成されている。
一方、キャップ203は、頂板部210と、頂板部210の周縁から降下している筒状側壁211とを有しており、頂板部210の内面(特に周縁部)には、密封用のライナー213が設けられており、筒状側壁211の内面には、ボトルの口部201の螺条205と係合する螺条215が形成されている。
即ち、キャップ203は、螺子係合により口部201に装着され、キャップ203を装着したとき、口部201の上方部分はライナー213に密着し、これにより、ボトル内が密封されることとなる。また、このような密封を確実にするために、ライナー213は、比較的長いインナーリング213aと比較的短いアウターリング213bとを有しており、この間の空間に口部201の上端部分が入り込み、この上端部分の内側側面、上端面及び外側側面の上端部分がライナー213に密着してシール性が確保されるものとなっている。
尚、図5では省略されているが、一般に、キャップ203の筒状側壁211の下端には、破断可能な弱化ラインを介してタンパーエビデンドバンド(TEバンド)が設けられており、このキャップ203を開栓して口部201から採り除くと、TEバンドがキャップ203から脱離するようになっており、これにより、一般の作業者にキャップ203の開封履歴を明示し、いたずらなどの不正使用を防止するようになっている。
このようなTEバンドの構造は周知であり、例えば、TEバンドの内面には、フラップ片などの係止部材が設けられており、このような係止部材は、キャップ203の開栓に伴う上昇により、ボトルの口部201の下方に設けられている環状突起207の下面に当接し、これにより、TEバンドの上昇が制限される。従って、キャップ203を開栓方向にさらに回転させていくと、キャップ203は上昇するがTEバンドは上昇せず、従って、キャップ203とTEバンドを繋いでいる弱化ラインが破断し、開封されたキャップ203からはTEバンドが切り離されていることとなる。
上記のインク補給容器15Bでは、キャップ203をボトルの口部201から取り外した後、ボトルを傾けて口部201からボトル内に収容されているインクの注ぎ出しが行われる。このことから理解されるように、このようなキャップ203(螺子キャップ)が装着されるインク補給容器15Bの注ぎ口は、ボトルの口部201の上端面Xとなる。
図6は、図5のインク補給容器15BのA部を拡大して示す部分拡大断面図である。図7は、図5のインク補給容器15Bの注ぎ口(ボトルの口部201の上端面X)を示す平面図である。
本実施形態のインク補給容器15Bにおいては、インクの注ぎ口となる口部201の上端面X(以降、単に「注ぎ口X」と呼称することがある)は、凹凸部220を有している。凹凸部220は、注ぎ口Xを通して注ぎ出されるインクの流れ方向Yと交差するように、特に直交して延びている交差溝223の列により形成されている。
図8Aは、注ぎ口Xに凹凸部220が形成されている場合のインクの液切れの状態を示す概断面図である。図8Bは、注ぎ口Xに凹凸部220が形成されていない場合のインクの液切れの状態を示す概断面図である。
図8Aに示すように、上記のような交差溝223が多数配列されてなる凹凸部220が、注ぎ口Xに形成されている場合には、注ぎ口Xでの撥液性が高められ、インクをボトルから注ぎ出したとき、その液切れが良好であり、液垂れが有効に防止される。これに対し、図8Bに示すように、注ぎ口Xに凹凸部220が形成されていない場合には、注ぎ口Xでの撥液性が低く(ボトルを形成するプラスチックと同じである)、インクをボトルから注ぎ出したとき、その液切れが悪く、注ぎ出されたインクは、口部201の外面に沿って流れ落ちてしまい、螺条205などを汚してしまうこととなる。
また、上記のような凹凸部220を注ぎ口Xに形成したときには、キャップ203を閉じたとき、ライナー213と注ぎ口Xとのシール性の低下が懸念される。しかるに、上記のような多数の交差溝223の列により凹凸部220が形成されている場合、図6に示すように、その外面側の側面223aが、注ぎ出されるインクの流れを塞き止める塞き止め面(以降、側面223aを塞き止め面223aと呼称することがある)となっており、交差溝223の数に応じて塞き止め面223aが多重に形成されている。
即ち、かかる態様では、注ぎ口Xの内側側面とインナーリング213aとの密着により主としたシール性が確保され、さらに短いアウターリング213bと注ぎ口Xの外側側面との密着がシール性を捕捉していることに加え、上記の塞き止め面223aがインクの漏れを効果的に防止するように機能する。従って、凹凸部220の形成によるシール性の低下は有効に防止されたものとなっている。
上述したインク補給容器15Bにおいて、凹凸部220を形成している交差溝223のピッチpや交差溝223間の凸部の幅wは、良好な液切れ性が確保されるように設定される。即ち、注ぎ口Xをインクが通過する際、インクは、交差溝223内に存在する空気に接触するが、インクと空気との接触角は、インクと該注ぎ口Xを形成するプラスチック素材との接触よりも大きくなる。このように表面張力を利用した凹凸部220の形成により、注ぎ口Xの撥液性が高められることで、液切れ性が向上することとなる。
従って、交差溝223のピッチpや交差溝223間の凸部の幅wは、凹凸部220を流れるインクと交差溝223内の空気と十分に接触して撥液性の向上による液切れ性が確保されるように設定されるべきである。例えば、交差溝223のピッチpと交差溝223間の凸部の幅wの比、p/wは1.0より大きく設定することが好ましく、さらに、wは500μm以下であることが好ましい。wが大きすぎるとインクと空気との接触が不十分となり、撥液性が不十分となる。さらに、交差溝223の深さdは5μm以上であることが好ましく、凹凸部220の幅Lは、50μm以上であることが好ましい。
即ち、交差溝223の深さdが浅すぎると、凹凸部220上をインクが通過する際、流れるインクによって交差溝223の空気が押し出されてしまい、空気との接触による撥液性の向上が十分に発現しないこととなるからである。また、凹凸部220の幅Lが短すぎても、インクと空気との接触が不十分となり、撥液性が不十分となり、液切れ性の向上が不満足となってしまう。
なお、上述した例において、交差溝223の側面223a,223bと水平面とのなす角度θa,θbは、直角に示されているが、後述する交差溝223による凹凸部220を成形する方法上の観点から、側面223a,223bは多少傾斜面となっていてもよく、例えば、角度θa,θbは60〜90度の範囲であって、それぞれ異なる角度を取ってもよい。
また、本実施形態のインク補給容器15Bにおいて、注ぎ口X(ボトルの口部201の上端面X)に形成される凹凸部220は、上記のような交差溝223により形成されるパターンに限定されず、他のパターンにより凹凸部220を形成することも可能である。図9に、そのパターンの最適例を示した。
図9は、凹凸部220の最適なパターンを示す部分平面図である。
図9に示す態様においては、交差溝223がそれぞれ波形形状を有しており、ジグザグに、且つインクの流れ方向Yに直交するように延びている。即ち、この態様では、塞き止め面となる外方側の側面が波打ち状に形成されるため、図7のパターンに比べて、塞き止め面として機能する側面223aの長さが増大しているため、この結果、より高いレベルで液の漏洩を抑制することができ、シール性の低下を防止することができる。
尚、このような波形パターンにおいても、図7のパターンと同様、交差溝223のピッチp、交差溝223間の凸部の幅w、ピッチpと幅wとの比p/w、交差溝223の深さd及び凹凸部220の幅Lは、前述した範囲にあることが望ましい。また、波形の程度であるが、シール性の寄与する波打ちの効果を明確に発現させるためには、波形のピッチPを1000μm以下、波形の高さhを3μm以上程度の範囲とするのがよい。Pが大きすぎ、hが小さすぎると側面223aの増大効果が少なくなり、シール性の低下を防止することが出来なくなる。
更に、凹凸部220を他のパターンで形成することも可能であり、このような他のパターンの例を図10及び図11に示した。
図10、図11は、凹凸部220の他のパターンを示す部分平面図である。
図10及び図11に示す凹凸部220のパターンは、何れも、注ぎ出されるインクの流れ方向Yに平行に延びている平行溝230の列によって、撥液性を高め、液垂れ防止効果を持たせたものである。
例えば、図11では、この平行溝230自体により凹凸部220が形成されている。この場合、平行溝230のボトル外方側に位置する側面230aが塞き止め面として機能するが、その面積が小さくなるため、その漏れ防止能は、図7に示されているパターンと比較すると小さい。
図11では、交差溝223の列と平行溝230の列とにより、凹凸部220が形成されている。この場合、注ぎ出されるインクの流れ方向Yに対して直交して延びている交差溝223では、前述したとおり、ボトル外方側に位置する側面223aが塞き止め面として機能する。勿論、注ぎ出されるインクの流れ方向Yと平行に延びている平行溝230の外方側側面230aも塞き止め面として機能するが、交差溝223の側面223aは、流れ方向Yに直交するように連続して延びているため、平行溝230の側面230aに比してはるかに高い塞き止め作用を示す。
上述した図11のパターンにおいて、交差溝223の列は、平行溝230の列に対してボトル外方側に配置されることが好ましいが、勿論、平行溝230の列のボトル中心側に配置することもできるし、平行溝230の列のボトル外方側と中心側との両方に配置することもできる。また、交差溝223の列の間に、平行溝230の位置させることも可能である。さらに、交差溝223が1本のみ形成されている場合もあるし、さらには、図11の交差溝223も、図9に示されているように、波形形状を有していてもよい。
また、図10及び図11のパターンにおける平行溝230や交差溝223もまた、前述したようなピッチp、凸部の幅w、ピッチpと幅wとの比p/w、深さdを有していることが好適である。
なお、上述した図5〜図11の例においては、ボトルの口部201の上端面Xの任意の位置からインクの注ぎ出しが行われるため、この上端面の全周が注ぎ口Xとなっている。従って、上述したパターンの溝により形成される凹凸部220は、口部201の上端面の全周にわたって形成される。
上述した本実施形態のインク補給容器15Bは、液切れ性を高めるための凹凸部220が注ぎ口Xに限定して選択的に形成されており、シール性に大きく寄与する部分(密封用のライナー213のインナーリング213a、アウターリング213bと密着する部分)には凹凸部220が形成されていないため、特にシール性の低下を回避するには好適である。
更に、上述した例では、ボトルの口部201が注ぎ口Xとなっているが、本実施形態のインク補給容器15Bにおいては、キャップ側に注ぎ口Xが形成されることもある。このようなインク補給容器15Bの例を図12及び図13に示した。
図12は、インク補給容器15Bの他の例を示す側断面図である。図13は、図12のインク補給容器15Bの平面図である。
図12及び図13において、このインク補給容器15Bは、図5に示されているインク補給容器15Bと同様のプラスチックボトルの口部201にキャップ(図において250で示す)を装着することにより形成される。しかし、図5の例では、キャップが螺子係合により口部201に装着される螺子キャップと称されるものであるのに対し、この例で採用されるキャップ250は、所謂ヒンジキャップと称されるものである点で大きく異なっている。
即ち、キャップ250は、ボトルの口部201に嵌め込み等により固定されるキャップ本体251と、ヒンジバンド253を介してキャップ本体251にヒンジ連結されたヒンジ蓋255とから構成されている。
キャップ本体251は、天板261と、天板261の周縁部から降下した筒状側壁263とからなり、天板261の内面には、筒状側壁263とは間隔を置いて下方に延びている環状突起265が設けられている。即ち、打栓により、筒状側壁263と環状突起265との間の空間にボトルの口部201の上方部分が嵌め込まれ、これにより、キャップ本体251はがっちりとボトルの口部201に固定されることとなる。
また、天板261の中央部分には、インクを注ぎ出す時の流路となる開口267が形成されており、天板261の上面には、この開口267を取り囲むようにして注出筒269が立設されている。なお、一般に、インク補給容器15Bが製造され、販売されて使用されるまでは、この開口267は閉塞状態にあり、一般作業者が最初にボトルからインクを注ぎ出す時に、この部分の壁を引き剥がして開口267を形成するようになっている。
一方、ヒンジ蓋255は、頂板部271と、頂板部271の周縁から延びているスカート部273とからなっており、スカート部273の端部がヒンジバンド253に連結されており、このヒンジバンド253が、キャップ本体251の筒状側壁263の上端に連結されている。このヒンジバンド253を支点としての旋回により、ヒンジ蓋255の開け閉めが行われるようになっている。
また、このヒンジ蓋255の頂板部271の内面(図12において上面)には、シールリング275が形成されており、頂板部271のヒンジバンド253とは反対側の端部には、開封用鍔277が設けられている。即ち、ヒンジ蓋255を閉じたとき、シールリング275の外面が注出筒269の内面に密着し、これにより、インクを注ぎ出すための開口267が形成されているときのシール性が確保されるようになっている。また、ヒンジ蓋255を開閉するための旋回を容易に行うことができるように、開封用鍔277は設けられている。
このようなインク補給容器15Bでは、ヒンジ蓋255を開けて注出筒269からのインクの注ぎ出しが行われるため、この注出筒269の上端は、若干ラッパ状に外方に広がった形態を有している。また、この注出筒269の上端部分、特にヒンジバンド253とは反対側に位置する部分が、注ぎ口Xとなる部分である。即ち、ヒンジバンド253が存在する側には、開けられたヒンジ蓋255が存在しているため、ヒンジバンド253が存在している側と反対側にインクが注ぎ出されるからである。
上記の説明から理解されるように、本実施形態のインク補給容器15Bにおいては、注出筒269の上端の少なくとも注ぎ口Xとなる部分に、前述した図7、図9〜図11で示したパターンの凹凸部220が形成されることとなる。また、凹凸部220は、注出筒269の内面下方側に延びていてもよい。
なお、図12及び図13においては、開口267を形成した後のシール性を確保するための部材としてヒンジ蓋255が使用されているが、このヒンジ蓋255の代わりに螺子蓋(図示省略)が使用されている構造のキャップもある。即ち、螺子蓋は、螺子係合によりキャップ本体251に着脱自在に装着されるものであるが、このような場合には、図5〜図11の例と同様、注出筒269の上端の全周が注ぎ口Xとなるため、その全周にわたって凹凸部220が形成されることとなる。
上述した図5〜図13の例において、口部201を有するプラスチックボトルを形成するプラスチック材料は、特に制限されず、公知のプラスチックボトルと同様、各種の熱可塑性樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンテレフタレート(PET)に代表されるポリエステル樹脂で形成されていてよい。特に、このボトルの口部201の上端面が注ぎ口Xとなり、この部分に凹凸部220を形成する場合には、凹凸部220の形態安定性、強度等の観点から、ポリエステル樹脂であることが最も好ましい。なお、キャップ側が注ぎ口Xとなって凹凸部220が形成される場合には、このボトルは、ガラス製或いは金属製であってもよい。
更に、キャップ203、250を形成するプラスチック材料も、特に制限されず、公知のプラスチックキャップと同様、各種の熱可塑性樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂により形成される。また、ボトルが注ぎ口Xとなって凹凸部220が形成される場合には、このキャップは金属製の螺子キャップであってもよい。
さらに、キャップ203などに設けられているライナー213を形成するプラスチック材料も、公知の弾性材料、例えば、エチレン−プロピレン共重合体エラストマーやスチレン系エラストマーなどの熱可塑性エラストマーから形成されている。
なお、上述したインク補給容器15Bにおいて、凹凸部220の形成は、予め成形されたボトルやキャップの注ぎ口となる部分に、凹凸部220に対応するパターンが刻設された剛性材料(例えば各種金属ないし合金)からなるスタンパを加熱して押し当てての転写によるのが最も容易であり、さらには低コストである。
本実施形態のインク補給容器15Bは、インクを注ぎ出す際の液垂れを有効に防止することができるため、液垂れの防止が要求される限り、ボトル以外の容器にも本発明を適用し得るが、液垂れ防止の利点が最も活かされるように容器の形態及びインクの種類を選択することが好ましい。
インクとしては、高粘性のものから低粘性のものまで特に制限されず使用することができる。また、ボトルに、ヘッドスペースを残さず、ほぼ満杯の状態にインクを充填した場合、始めに注ぎ出しを行うときには、容器を僅かに傾けた状態(容器が直立に近い状態)で液の注出が開始されるため、極めて液垂れを生じ易い。本発明では、このような初期注出時においても効果的に液垂れを防止することができる。
また、容器としては、プラスチック製ボトルが最適であり、耐熱性を付与するための熱結晶化によりボトルの口部が白色に形成されていると同時に、インクが有色液体の場合には、液垂れが生じたとき、インクによる口部の汚れが非常に目立ったものとなる。このため、このような場合において、液垂れ防止が効果的に行われる本発明は、極めて有用である。
第3実施形態によれば以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態のインク補給容器15Bにおいて、収容されているインクを注ぎ出すときの注ぎ口X(例えば、口部201の上端面X或いはキャップ203に設けられている注出筒の上端部)に、微細な凹凸部220が形成されており、このような凹凸部220により、インクを注ぎ出すときの液切れ性が向上し、注ぎ出されたインクが口部201の外壁面に沿って外部に垂れ落ちるという液垂れを有効に防止することができる。即ち、微細な凹凸部220を注ぎ口Xに形成すると、この凹凸部220上をインクが流れて注ぎ出されることとなるが、この際、インクは、凹部内の空気と接触しながら流れる。しかるに、インクの空気に対する接触角は、注ぎ口Xを形成する素材(例えばポリエステルやポリオレフィンなどのプラスチック)に対する接触角よりも大きい。従って、この微細凹凸部220は撥液性面として機能し、優れた液切れ性を示し、液垂れを防止することができる。
(2)本実施形態のインク補給容器15Bにおいて、凹凸部220には、注ぎ出されるインクの流れを塞き止めるように延びている塞き止め面223aが形成されている。この結果、インク補給容器15Bのキャップ203,250を閉じたとき、この凹凸部220を通ってのインクの漏れは有効に防止されている。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(1)上記第3実施形態において、交差溝223のピッチpや交差溝223間の凸部の幅w等の各種の値は一例であり、この値には限定されない。凹凸部220の各種の寸法は、インクの種類や粘度等により適正な値に設定することでよい。
(2)上記第3実施形態では、インク補給容器15Bの凹凸部220において、図6に示すように、交差溝223のピッチpや交差溝223間の凸部の幅wは一定に形成されている。しかし、これに限られず、交差溝223のピッチpや幅wは、同一の上端面X(注ぎ口X)において変化させて形成されていてもよい。
(3)上記第3実施形態では、インク補給容器15Bの凹凸部220において、図6に示すように、交差溝223の深さdは一定に形成されている。しかし、これに限られず、交差溝223の深さdは、同一の上端面X(注ぎ口X)において変化させて形成されていてもよい。
(4)上記第3実施形態では、インク補給容器15Bの凹凸部220において、図6に示すように、交差溝223のピッチp、交差溝223間の凸部の幅w、交差溝223の深さdは一定に形成されている。しかし、これに限られず、交差溝223のピッチp、幅w、深さdは、同一の上端面X(注ぎ口X)において変化させて形成されていてもよい。
(5)上記第3実施形態では、インク補給容器15Bの凹凸部220において、図6に示すように、交差溝223は口部201の上端面Xに形成されている。しかし、これに限られず、交差溝223は、上端面Xに加え、上端面Xから下方の螺条205が形成される位置までの間の口部201の外側面部にも形成されていてもよい。この場合の交差溝は、インクの流れ方向Yに直交するように形成されることでよい。
〔第4実施形態〕
図14Aは、第4実施形態に係るキャップ300の開蓋状態を示す平面図である。図14Bは、キャップ300の開蓋状態を示す断面図である。図15は、キャップ300の要部を拡大して示す立体図である。図16は、キャップ300の微細溝311の断面形状を示す図である。図17は、微細溝311が形成された注出部305の断面図である。図18は、キャップ300の閉蓋状態を示す断面図である。
第4実施形態に係る流動体注出用のキャップ300は、図14A〜図18に示すように、ポリプロピレンやポリエチレンなどの樹脂により形成されている。そして、キャップ300は、ガラス瓶や合成樹脂製容器などの容器(図示省略)の開口の部分に装着されることで、インク補給容器15Cを構成している。キャップ300は、容器の開口の部分に装着されるキャップ本体301と、キャップ本体301に形成された注出口302を開閉するための上蓋303とを有した構成である。
キャップ本体301は天面壁304を有し、この天面壁304に、注出口302を形成するための円筒状の注出部305が一体に形成されている。また、天面壁304の周縁から垂下する円筒状の側壁306を有し、この側壁306が容器の開口部に外ばめされるように構成されている。上蓋303は、キャップ本体301の側壁306と同径の円筒状の側壁307を有する。キャップ本体301と上蓋303とは、その側壁306,307どうしが、ヒンジ部308によって一体に連結されている。
注出部305の先端には、液切りとして機能する断面J字形の縁部309が形成されている。上蓋303には、円筒状のインナーリング310が一体に形成されている。このインナーリング310は、図18に示すように、上蓋303をキャップ本体301に被せて閉蓋したときに、注出部305に内ばめされ、これにより注出部305の内面とインナーリング310の外面とが密接することで所要のシールが達成されるように構成されている。
上述したように、注出部305は円筒状に形成されているが、実際の注ぎ出しは、この注出部305の全周で行われるのではなく、ヒンジ部308が形成されている部分とは反対側の部分において主に行われる。
このように、注出部305における実際に注ぎ出しが行われる部分、すなわちヒンジ部308が形成されている部分とは反対側の部分において、その内面には、この注出部305から注ぎ出されるインクの流れの方向に沿って、多条の微細溝311が形成されている。
図15は、詳細には、注出部305における微細溝311が形成されている部分の拡大斜視図であり、図16は、微細溝311の拡大断面図である。この微細溝311は注出部305の基端部から先端にわたって形成されており、特に断面J字形の縁部309の先端まで形成されている。微細溝311は、図16に示すように、略矩形状の溝形状となるように形成されている。
隣り合う微細溝311,311どうしの間隔Wは、300μm以下であることが好ましく、間隔Wの下限値は10μm程度である。間隔Wが300μmよりも広い場合や10μmよりも狭い場合は、いずれも本発明に基づく液切れ性向上の効果を奏しなくなる。
微細溝311の溝深さDは、5μm以上であることが好ましい。溝深さDの上限値は200μm程度である。溝深さDが5μmよりも浅い場合は、本発明に基づく液切れ性向上の効果を奏しなくなる。溝深さDが200μmよりも大きい場合は、微細溝311の内部に却って液が付着しやすくなって、液切れ性が悪化する傾向が生じる。
溝ピッチPは、600μm以下であることが好ましく、溝ピッチPの下限値は20μm程度である。溝ピッチPが600μmよりも大きい場合や20μmよりも小さい場合は、いずれも液切れ性向上の効果を奏しなくなる。
上述したように、微細溝311の断面形状は、矩形状であることが好ましい。矩形状とすることで、液注ぎ時に微細溝311の内部に空気を良好に巻き込むことができ、注出部305に対するインクの接触角を十分大きくすることができ、それにもとづく液切れ性の向上を図ることができるためである。
なお、図16では、微細溝311を模式的に完全な矩形状に描写しているが、実際の微細溝311は、これほど完全な形態にはなりにくく、例えば溝の隅にアール部を有するなど、通常の精度で形成されているものであれば足りる。この点に関し、断面形状が例えば丸みを帯びたU字形である場合には、矩形状である場合ほどの十分な接触角を得ることは困難であるが、それでも本発明の目的を達成し得るだけの接触角を得ることができて所要の液切れ性向上の効果を発揮することができる。
図17に示すように、微細溝311は、断面J字形の縁部309の先端まで、所定の溝深さDで形成されている。これに対し、注出部305の基端部においては、微細溝311の長さ方向に沿って徐々に溝深さDが小さくなるように形成されている。すなわち、いわゆるフェードアウト形状となるように形成されている。フェードアウト形状となる部分をフェードアウト部312として図示している。
この微細溝311を備えた樹脂製のキャップ300を、例えば金型を用いて成形する場合には、この金型に放電加工や切削加工などによって微細な凹凸を形成することが必要になるが、上記のように微細溝311がフェードアウト形状となっていると、金型の凹凸を容易に形成することができる利点がある。
上述したように、注出部305の内面に多条の微細溝311が形成されていることにより、表面張力を利用して良好な液切れ性を達成することができる。
微細溝311は、上述したように、キャップ300を成形するための金型として凹凸を有したものを用いることによって、容易に形成することができる。それ以外にも、例えば切削加工によって注出部305に微細溝311を形成することも可能である。
上述したように、図18に示すごとく上蓋303をキャップ本体301に被せて閉蓋したときには、注出部305の内面とインナーリング310の外面とが密接することで所要のシールが達成される。ところが、縁部309に微細溝311が形成されているため、この微細溝311の底部において注出部305のシールが不完全になる場合が皆無であるとはいえない。そこで、図示のキャップ300においては、インナーリング310を高めに形成し、閉蓋時に注出部305とインナーリング310とが内外に重なるようにして、容器内のインクが縁部309へ到達しにくいように構成している。
なお、上記においては、本実施形態のインク補給容器15Cとして、流動体注出用のキャップ300が、ガラス瓶や合成樹脂製容器などの容器の開口の部分に装着されるものについて説明した。しかし、インク補給容器15Cとして、流動体注出用のキャップ300は、これ以外の、例えば注ぎ口がボトルと一体に形成されたペットボトルなどにおける当該注ぎ口などをも含む概念である。従って、本発明に基づき、注ぎ口がボトルと一体に形成されたペットボトルなどにおける当該注ぎ口に微細溝を形成することが可能である。
第4実施形態によれば以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態のインク補給容器15Cによれば、キャップ300において、注出部305に流れ方向の多条の微細溝311を有するようにしたことで、インクの良好な液切れ性を得ることができる。
〔第5実施形態〕
図19は、第5実施形態に係るキャップ400の開蓋状態を示す斜視図である。図20は、開蓋状態にあるキャップ400を示す平面図である。図21は、開蓋状態にあるキャップ400を示す縦断面図である。図22は、閉蓋状態にあるキャップ400を示す縦断面図である。図23は、図22の部分拡大図であり、打栓前の状態を示すキャップ400の縦断面図である。図24は、打栓後の状態を示すキャップ400の縦断面図である。図25は、図24からシール材440を剥した状態を示す縦断面図である。
第5実施形態に係るキャップ400は、図19〜図21に示すように、合成樹脂材料を射出成形することにより一体に形成されたキャップ本体410、蓋体420及びヒンジ部430を有し、キャップ本体410と蓋体420とがヒンジ部430を介して開閉自在に連結された構成である。そして、キャップ400は、インクを充填した後に、合成樹脂製容器などの容器401の口筒部402に装着されることで、インク補給容器15Dを構成している。
キャップ本体410は、円筒状の取付周壁411と頂壁412とを備えた有頂筒状の部材であり、取付周壁411の内周面411Aには内方向に突出して容器401の口筒部402に嵌着するための取付部413が周設されている。なお、取付部413は周方向に一定の中心角度で形成された縦溝413aにより仕切られている。
取付周壁411と頂壁412との間には周段部414が周設されており、この上端には後述する蓋体420側に形成された係合凸部424に係合可能な係合凹部415が形成されている。
頂壁412の上面側の中心部には、上方に突出する中空状のノズル416が形成されている。ノズル416は、下部側に設けられた円筒状のノズル基端416Aと、上部側のノズル先端416Bとを有し、ノズル基端416Aから上部側のノズル先端416Bに向かって径寸法を徐々に絞り込まれた断面略円弧形状に形成されている。そして、ノズル416の内側には開口部417が形成されている。
また、頂壁412の下面には、インナーリング部418が垂下して設置されている。なお、容器401の口筒部402は、図22に示すように、このインナーリング部418と外側の取付周壁411との間に挟み込まれることになる。
蓋体420は、取付周壁411と同じ径を有する円筒状の周壁421と、周壁421の一端を覆う天壁部422とを有する有頂円筒状である。周壁421の内面421A側の先端には係合凸部424が形成されており、キャップ本体410側の係合凹部415に係合可能となっている。
天壁部422の裏面423には、最も外側となる位置に円筒状に形成された封止周壁425が垂設され、この封止周壁425の内側に環状外リブ426が、さらにこの環状外リブ426の内側に環状内リブ427が同心円状に一体に形成されている。封止周壁425の内径寸法は、ノズル基端416Aをシールできる程度の寸法、つまりはノズル基端416Aの外径寸法と同等の寸法で形成されている。封止周壁425の先端には、閉蓋状態としたときにノズル基端416Aの外面に当接して密嵌合状態を作り出す封止部425aが設けられている。
環状外リブ426の内径寸法は、図23に示すように、ノズル先端416Bの外径寸法よりも若干大きい寸法で形成されている。閉蓋状態としたときには、環状外リブ426は、ノズル先端416Bの外縁部416bと僅かな第1隙間S1を介して対向することになる。
最も内側の環状内リブ427は、図23に示すように、起伏の緩やかな湾曲形状のリブであり、先端の湾曲部427aとその裾野にあたる傾斜部427bを有して形成されている。なお、閉蓋状態としたときには、外側の裾野にあたる傾斜部427bがノズル先端416Bの内縁部416aと僅かな第2隙間S2を介して対向することになる。
また、封止周壁425、環状外リブ426及び環状内リブ427の高さの関係は、最も外側の封止周壁425が最も高く、次に環状外リブ426が高く、最も内側の環状内リブ427が最も低い関係にある。
ノズル先端416Bには、容器401の内圧変動に耐えるシール材440が剥離可能な状態で接着固定される。シール材440は、紙製又は合成樹脂製の薄いシート状の部材であり、その一部にガスバリア性及び遮光性を備えるアルミ箔を積層した構成である。このシール材440には、摘み部441が延設されており、指で摘んだ摘み部441を引き上げることにより、シール材440をノズル先端416Bから剥がすことが可能となっている。
ヒンジ部430は、キャップ本体410の取付周壁411と蓋体420とを一体的に連結する。具体的には、ヒンジ部430は、中央の主腕部431と、その両側の第1補助腕部432及び第2補助腕部433とを有して構成されている。主腕部431は幅広に形成され、第1補助腕部432と第2補助腕部433とは主腕部431から所定の距離離れた両側の位置に主腕部431を挟んだ状態で形成されている。
これら主腕部431、第1補助腕部432及び第2補助腕部433は、キャップ本体410及び蓋体420と一体的に形成されている。なお、第1補助腕部432及び第2補助腕部433は、主腕部431よりも幅細に形成され、主腕部431によるキャップ本体410と蓋体420との連結を補強することにより、蓋体420の開閉動作の安定化を図っている。
そして、図22に示すように、ヒンジ部430を中心として蓋体420を回動させると、蓋体420側の係合凸部424とキャップ本体410側の係合凹部415とを係合させることができる。これにより、蓋体420がキャップ本体410のノズル416を有する頂壁412を被嵌する閉蓋状態に設定される。すなわち、係合凹部415と係合凸部424とは、蓋体420がキャップ本体410を被嵌する状態を維持する係合手段Bとして機能する。
図23に拡大して示すように、キャップ400を容器401に打栓する前の閉蓋状態では、封止周壁425の先端の封止部425aがノズル基端416Aの外面に密嵌合状態に当接する。この閉蓋状態では、ノズル416と封止周壁425との間に貯留空間SPが形成される。またシール材440により封止状態にあるノズル先端416Bは、蓋体420の裏面423から離れた下方の位置(対向距離L)にある。なお、シール材440の摘み部441及びその他の外縁部分は、環状外リブ426によって下方に折り曲げられている。
図22に示すように、キャップ400を容器401の口筒部402に打栓すると、口筒部402がインナーリング部418と取付周壁411との間に進入する。このとき、取付部413が口筒部402の周囲にリング状に形成された掛止凸部403を乗越えて強固に係合することにより、キャップ400を容器401の口筒部402に強固に取り付けることができる。これにより、インク補給容器15Dが構成される。
この際、図22に示すように、口筒部402が、インナーリング部418をキャップ400の中心方向に押圧する。この押圧により、図24に示すように、ノズル416が上方に向かって押し出されるように突出変形させられる。なお、図24では、変形前の状態を破線で示し、変形後の突出状態を実線で示している。
ここで、打栓によるノズル416の突出変位量は、キャップ400の成形精度や容器401の成形精度によるバラツキがあるため、シール材440を剥した後のノズル先端416Bと蓋体420の裏面423との間の対向距離L(図23)はキャップ400を備えた容器ごとに異なるものとなる。
第1隙間S1の隙間寸法W1及び第2隙間S2の隙間寸法W2が共に零の場合には、例えば容器401を加圧して押し潰したとしてもノズル先端416Bからの液漏れを完全に防止することができる。また第1隙間S1の隙間寸法W1及び第2隙間S2の隙間寸法W2を完全に零とすることができなくとも、以下の実施例に示すように所定の寸法内に収めることにより、第1隙間S1や第2隙間S2による流路面積を適正に規制してノズル先端416Bからの液漏れを抑制することが可能である。
例えば、本発明の実施例では、環状外リブ426とノズル先端416Bの外縁部416bとの間の第1隙間S1の隙間寸法W1と、環状内リブ427の傾斜部427bとノズル先端416Bの内縁部416aとの間の第2隙間S2の隙間寸法W2とが、それぞれ平均0.2mmとなるように設定している。これは、シール材440の設計上の厚み寸法が0.15mmであることを考慮すると、シール材440でノズル先端416Bを封止した状態における第1隙間S1の隙間寸法W1及び第2隙間S2の隙間寸法W2は、ほぼシール材440の厚み寸法に相当する寸法である。
この場合、インクは、毛細管現象により第1隙間S1や第2隙間S2内に浸入することになるが、インクは、表面張力の作用により、流路面積の小さい第1隙間S1や第2隙間S2内に留まって保持される。このため、容器401をシャッフルしたり、横倒しさせたりする程度の使用での液漏れを抑制することができる。なお、容器401に大きな外力を与えて押し潰したときには、第1隙間S1や第2隙間S2内に留まっていたインクが貯留空間SPに押し出される場合もあり得るが、その場合においてもノズル基端416Aの外面に密嵌合する封止周壁425がキャップ400の外部へ液漏れを防止することができる。
ここで、隙間寸法W1,W2が0mmの場合にはノズル先端416Bを完全に閉塞することができるため、液漏れの発生を確実に防止することができる。また製造誤差などを考慮し、隙間寸法W1,W2を0.3mm以下とすることにより、通常の使用状態(容器401をシャッフルしたり、横倒しさせたりする程度の使用状態)では液漏れし難いキャップ400とすることが可能である。よって、第1隙間S1の隙間寸法W1及び第2隙間S2の隙間寸法W2は、0mm以上0.3mm以下が好ましい。
なお、図24に示すように、打栓によりノズル416が上方に突出変形すると、ノズル先端416Bが、環状外リブ426と環状内リブ427との間に入り込むことになると同時に、環状内リブ427が開口部417内に僅かに進入する。この際、環状内リブ427の先端がシール材440の表面に当接して強制的にシール材440を下方に押し下げることになるが、環状内リブ427の先端は断面湾曲形状からなる湾曲部427aで形成されているため、シール材440が破断するようなことがない。よって、シール材440を剥離する前、即ち容器401の使用を開始する前段階(流通段階)における液漏れを確実に防止することが可能となっている。
第5実施形態によれば以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態のインク補給容器15Dによれば、キャップ400において、ノズル先端416Bの内縁部416aに環状内リブ427を対向させることにより、この間の隙間による流路面積を適正に規制して液漏れを抑制することができる。またノズル先端416Bの外縁部416bに環状外リブ426を対向させることにより、この間の隙間による流路面積を適正に規制することにより、液漏れをさらに抑制することができる。これにより、容器401をシャッフルしたり、横倒しさせたりした程度の使用では液漏れすることのないキャップ400とすることができる。加えて、ノズル基端416Aに外側から当接して封止する円筒状の封止周壁425により、容器401を加圧して押し潰した場合であっても、キャップ外への液漏れを塞き止めることができる。このよう本発明の主たる構成では、二重、三重の液漏れ防止策を備えることにより、使用時における実質的なインクの液漏れの発生をほぼ完全に防止することができる。
(2)本実施形態のインク補給容器15Dによれば、キャップ400において、打栓後の蓋体420の裏面とノズル先端416Bのシール材440との対向距離が、打栓前の対向距離よりも狭くなる方向に変位したときに、環状外リブ426とノズル先端416Bの外縁部416bとの間の第1隙間S1及び環状内リブ427とノズル先端416Bの内縁部416aとの間の第2隙間S2の少なくとも一方に、シール材440の厚み寸法に相当する隙間寸法が形成される構成とした。これにより、シール材440を剥がした状態において、第1隙間S1と第2隙間S2の一方又は双方の隙間寸法を狭小化することができるため、使用時におけるインクの液漏れの抑制を図ることができる。
(3)本実施形態のインク補給容器15Dによれば、キャップ400において、第1隙間S1の隙間寸法と第2隙間S2の隙間寸法の少なくとも一方を、0mm以上0.3mm以下の範囲とする構成とした。これにより、第1隙間S1又は第2隙間S2に毛細管現象により浸入したインクには表面張力が作用し、インクが第1隙間S1又は第2隙間S2内に保持されて外部へ漏れ出すことがないため、キャップ外へのインクの液漏れを抑制することができる。
(4)本実施形態のインク補給容器15Dによれば、キャップ400において、環状内リブ427の先端を湾曲形状としたとの構成を加えたものでは、打栓したときに環状内リブ427がシール材440を押圧しても、湾曲形状からなる環状内リブ427の先端がシール材440を突き破ることがなく、シール材440の破断を防止することができる。
(5)本実施形態のインク補給容器15Dによれば、キャップ400において、蓋体420がキャップ本体410に対し、ヒンジ部430を介して開閉自在に連結する構成としたことを加えたものでは、いわゆるヒンジキャップを構成することにより、開蓋した蓋体420の亡失を防止することができる。
(6)本実施形態のインク補給容器15Dによれば、キャップ400において、係合手段Bは、キャップ本体410の周段部414と蓋体420の周壁421の内面421Aとの一方に設けられた係合凹部415と、他方に設けられた係合凸部424との組み合わせとする構成とした。これにより、蓋体420がキャップ本体410の上面を被嵌する状態を維持することができるため、閉蓋状態にあるキャップ400が、作業者の意図に反して開蓋状態に至る誤動作の発生を防止することができる。これにより、安全性に優れたキャップ400とすることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(1)上記第5実施形態では、第1隙間S1と第2隙間S2の双方を備える構成を示して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、第1隙間S1と第2隙間S2のいずれか一方のみを備える構成とすることもできる。ただし、外側の第1隙間S1と内側の第2隙間S2の双方を備えた上記構成の方が、液漏れを二重に抑制することが可能であるため、一方の隙間のみを備えた構成に比較してより効果的に液漏れを抑制することができる点で好ましい。
(2)上記第5実施形態では、係合手段Bとして、蓋体420側に係合凸部424を設け、キャップ本体410側に係合凹部415を設けた構成を示して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、蓋体420側に係合凹部を設け、キャップ本体410側に係合凸部を設けた構成としてもよい。
(3)上記第5実施形態では、蓋体420がキャップ本体410に対し、ヒンジ部430を介して開閉自在に連結される合成樹脂製のヒンジ型のキャップ400を示して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、蓋体420がキャップ本体410から離脱するタイプの合成樹脂製のキャップとすることも可能である。
なお、本発明のキャップは、予めノズル先端がシール材で封止され、容器の口筒部に打栓により取り付けられる合成樹脂製のキャップの分野における用途展開をさらに広い領域で図ることができる。
〔第6実施形態〕
図26は、第6実施形態に係るキャップ502を示す断面図である。図27A、図27B、図27Cは、キャップ502の環状シール体503の変形状況を示す断面図である。
第6実施形態に係るインク補給容器15Eは、インクが充填される容器501と、容器501の口部511にねじ止めされるキャップ502とで構成されている。なお、容器用のキャップ502は、ねじ止め以外に、アンダーカットによる係合で口部に装着する構成のものであってもよい。
キャップ502は、容器501の口部突端512上に位置する天面壁521と、この天面壁521の縁部に一体的につながり容器501の口部511を全周にわたって取り囲む周壁522からなる。
キャップ502は、天面壁521の裏面に一体的に設けられ、キャップ502の締め込み(装着)に際して容器501の口部突端512に接触し、その相互間を液密状態に保持する環状シール体503を有している。この環状シール体503は、天面壁521や周壁522と同一の樹脂で一体に成形されているが、ゴムやエラストマーの如き軟質弾性部材をインサート成形することにより構成してもよい。
環状シール体503は、天面壁521に直接形成されるメインコンタクト531と、このメインコンタクト531の最先端(最下端部)に設けられたサブコンタクト532にて構成されている。メインコンタクト531は、外側周壁531aと内側周壁531bとを有し、その接続部を最先端とする逆三角形状をなしている。そして、メインコンタクト531は、天面壁521の裏面に対する外側周壁531aの壁角度θ1が内側周壁531bの壁角度θ2よりも大きくなっている。
また、サブコンタクト532は、柔軟性を確保するため薄肉帯にて構成され、キャップ502の内側へ向かう傾きを有している。なお、サブコンタクト532は、図示の例では、メインコンタクト531の最先端に設けるのが最もよいが、メインコンタクト531の断面形状の変更に応じてサブコンタクト532の設置位置を適宜変更してもよい(最先端には限られない)。
上記の構成になるキャップ502は、メインコンタクト531の弾性接触によるシールと、サブコンタクト532の弾性接触によるシールとの、二重シール構造であり、しかもサブコンタクト532は、図27A〜図27Cに変形状況を示す如く、口部突端512の表面に沿って全ての領域で接触することになる。そのため、キャップ502(インク補給容器15E)は、口部突端512の表面に凹凸等(品質に影響を与えることのない程度の凹凸等)があってもインクの漏れを起こすような隙間が生じることはない。
第6実施形態によれば以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態のインク補給容器15Eによれば、キャップ502のメインコンタクト531の最先端(キャップ502を装着した時に最初に容器501の口部突端512に接触する最下部に対応する個所)にサブコンタクト532を設ける構成とした。そして、このサブコンタクト532を容器501の口部突端512の表面に沿わせるように柔軟に変形させることにより、口部突端512と環状シール体503との間に隙間が形成されることがなくなり単一の部材で容器501を高い密封状態に保持することができる。
(2)本実施形態のインク補給容器15Eによれば、キャップ502のメインコンタクト531を逆三角形状とし、天面壁521の裏面に対する外側周壁531aの壁角度θ1を内側周壁531bの壁角度θ2よりも大きくする構成とした。これにより、メインコンタクト531が容器501の口部511の内側へ向けて変位(メインコンタクト531が内側へ倒れ込むような変形を起こす)することとなり、この倒れ込み状態が容器501の内圧上昇に伴うシール部材の変形(口部511の外側へ向かう変形)を阻止する抵抗になるためシール性が改善される。
(3)本実施形態のインク補給容器15Eによれば、キャップ502のサブコンタクト532に柔軟性をもたせるべく薄肉帯にて成形し、キャップ502の内側へ向かう傾きをもつ配置(外観が漏斗のような先細り形状となる)とすることによりメインコンタクト531とともに口部511の内側への倒れ込むことになり、シール性がより一層改善される。
本実施形態では、環状シール体503として、単一のメインコンタクト531及びサブコンタクト532を設けた場合を例として示したが、これらは適宜複数個設けることもできる。
〔第7実施形態〕
図28は、第7実施形態に係る中栓602の嵌合を示す断面図である。図29は、中栓602の滴下の瞬間を示す断面図である。図30は、中栓602の滴下を示す断面図である。図31は、中栓602の定量滴下を示す断面図である。図32は、インク補給容器15Fを示す断面図である。図33は、キャップ615を外した状態のインク補給容器15Fを示す斜視図である。
第7実施形態に係るインク補給容器15Fは、図32に示すように、ボトル601と中栓602とキャップ615とで構成されている。ボトル601にはインクが収容される。中栓602は、ボトル601の口部611の内面側に圧入して嵌合させる。キャップ615は、口部611の外面に形成される螺条612に螺合する螺条616と、中栓602からの吐出口608に嵌合する嵌合ボス617とを備えて構成される。そして、キャップ615は、中栓602を覆うように被せて、螺条616と螺条612とを螺合することにより、嵌合ボス617が吐出口608に圧入して嵌合する共に、口部611に固定される。これにより、密栓保管状態となる。
以降では、本実施形態の中栓602に関し、図28〜図33に基づいて説明する。
中栓602の吐出口608は、ボトル601を傾けながら倒立の状態にした時、インクが連続して吐出しないような小孔604を中栓602の吐出口奥に有している。吐出口608の液体吐出側に続く嵌合孔605は、インクを止栓するためのキャップ615の嵌合ボス617が圧入される止栓部分である。
吐出口608は、嵌合孔605から連なる天面の形状がカール状となる噴水状形状606を成している。噴水状形状606の最外径の端面は、インクの切れを良くするために、終端部となるエッジ部607を構成しており、且つ、最後のインクが中栓側面603に伝っていかないように液切れを実行する懐部609を構成している。
中栓602の吐出口奥孔の小孔604を小さくすることで、中栓602を嵌合させたボトル601を傾けた時に、ボトル601に収容されているインクは直ぐには吐出されず、狙う所にボトル601の胴部を軽く押すことにより小孔604から嵌合孔605を通して吐出口608からインクが吐出される。傾けることにより直ぐにインクが吐出しないことで、インクで衣服を汚す事故も防止できるという利点もある。
中栓602を嵌合させたボトル601を、図31に示すように、倒立状態とし、ボトル601の胴部を軽く押すことにより、ボトル601内に収容されたインクを一滴ずつ吐出させることが可能となる。この一滴は中栓602の噴水状形状606の最外径寸法で決まり、ほぼ一定量のインクを吐出できる。よって、一滴の滴下量を知っておけば、滴下数によりインク量の計測が可能となる。また、用途に応じてボトル601の胴部を強く押すことによりインクの連続噴流も可能である。
インクを収容して中栓602を嵌合させたボトル601を傾けていくと、ボトル601内のインクが中栓602の中央に設けられた小孔604及び嵌合孔605を通し、また、吐出口608から噴水状形状606を伝って、噴水状形状606最外径のエッジ部607端部から切れ落ちるようにインクが吐出される。なお、エッジ部607の終端位置から、えぐるように懐部609を形成し、よりインクの切れ性能を向上させる構成としている。
吐出されるインクは、滴下寸前には、エッジ部607部分で、ある程度の大きさのインク滴610となっている。従って、裏漏れ防止には、そのインク滴610が中栓602の中栓側面603に接触しないことが必要である。そのため、エッジ部607とその近傍相当位置での中栓側面603との径差寸法は、大きく取っておくことが必要である。また、吐出口608で略決るインク滴610を、中栓602から速やかに切り離すためにも、エッジ部607および懐部609の存在は重要な要素となる。
ボトル601から中栓602を通じてインクを吐出し、吐出後、ボトル601を元の正立位置に戻す際、吐出口608に残ったインクは、外へインク滴610の一滴として吐出するか、一滴未満として噴水状形状606の面を逆流して嵌合孔605及び小孔604を介してボトル601内に戻る。
しかし、中栓602にインクの切れを良くするエッジ部607がない場合や、吐出口608の最外径位置の終端部となるエッジ部607と中栓側面603との外径寸法差がない場合、外にこぼれ落ちるインク滴610が中栓側面603に接触し、中栓側面603を伝い落ちてボトル601のネジ部(螺条612)までインクが垂れていくこととなる。さらに、保管密栓のためキャップ615を締めてもキャップ615のネジ部(螺条616)も汚れ、インクの液漏れを生じた状態のように見え、見苦しくなる。
第7実施形態によれば以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態のインク補給容器15Fにおいて、中栓602は、簡単な中栓構成で、小孔604を小さくすることにより、ボトル601を傾けることで直ぐに生じるインクのボタ落ちがなく、ボタ落ちによる衣服等の汚れもなく、一滴ずつの定量滴下を行うことができる。更に、表面張力を利用すると共に吐出口608が、カール状(噴水状形状606)に外周に向かって開き、終端部がエッジ部607(懐部609も形成)となっている。また、吐出口608の径と中栓側面603の径との寸法差を設けることにより、最後の切れ落ちたインク滴610が、中栓側面603を汚さない裏漏れ防止を達成している。
(2)本実施形態のインク補給容器15Fにおいて、インク補給容器15Fの口部611の側面やボトル601の側面にインクが付着しないことで、インク供給装置3のインクタンク9へのインク注入時に、インクタンク9にインクが付着することを防止することができる。
(3)本実施形態のインク補給容器15Fにおいて、インク補給容器15Fの口部611の側面やボトル601の側面、およびインクタンク9にインクが付着しないことで、インクが乾燥して固形化した物質(異物)がインクに混入することを防止することができる。
〔第8実施形態〕
図34は、第8実施形態に係るキャップ700の注出口部715を示す断面図である。図35は、キャップ700の一部を切り欠いた部分断面図である。図36は、キャップ700の注出口部715をインクタンク9の口部先端に引掛けてインクを流出するときの状態を示す説明図である。図37は、キャップ700の注出口部715を他のインクタンク9の口部先端に引掛けてインクを流出するときの状態を示す説明図である。
第8実施形態に係るインク補給容器15Gは、キャップ700とインクを収容する容器(図示省略)とで構成されている。キャップ700は、キャップ本体710と蓋部720とヒンジ730とを有して構成されている。
キャップ本体710は、天板713に注出口部715を有し、また、側壁711の内面に、容器の口部(図示省略)に螺合する雌ねじ(係合部)712を有する。蓋部720は、注出口部715の注出孔714を密封するコンタクトリング(嵌挿部)721を有している。キャップ700は、ヒンジ730を介して、キャップ本体710と蓋部720とを連結する。この際、蓋部720のコンタクトリング721がキャップ本体710の注出孔714を密封する。
なお、キャップ700は、容器の口部に螺合等により連結される。また、本実施形態のキャップ700は、合成樹脂材料であるポリプロピレンまたはポリエチレンを用いて、射出成形法で作製している。また、インクを収容する容器は、高密度ポリエチレン製のブロー成形で作成されている。なお、キャップ700及び容器の成形材料は、これらの材料に限定されるものではない。
キャップ700は、図34に示すように、注出口部715において、注出孔714を内面とする第1リング状突起716と、この第1リング状突起716の外側に形成される第2リング状突起717とを有している。第2リング状突起717は、外周面に引掛け凹部718を有し、第1リング状突起716の内面側の先端Aの接線の延長線が、第2リング状突起717の内面側の先端Bに接するように形成されている。
図36に示すように、インク補給容器15Gのインクを、インク供給装置3のインクタンク9に注入する場合、キャップ700の注出口部715の第2リング状突起717の外周面の引掛け凹部718を、インクタンク9の口部(インク注入部11)に引っ掛けて、インク補給容器15Gの容器を押圧して、注出口部715よりインクを注出する。この操作は、極めて簡単で、注出し易く、また、注出されたインクは、インクタンク9の外に飛散することを低減することができる。
なお、第2リング状突起717の外周面に設ける引掛け凹部718は、対象とする容器の口部や側壁先端部などに、引掛け易い形状に設計することでよい。
以上、本実施形態のインク補給容器15Gにおいて、キャップ700は、天板713に注出口部715を有するキャップ本体710に、注出口部715の注出孔714を封止する嵌挿部721を有する蓋部720が、ヒンジ730を介して連結される。そして、図34に示すように、キャップ本体710の注出口部715が、注出孔714を内面とする第1リング状突起716と、第1リング状突起716の外側に設けられた第2リング状突起717とから構成されている。
また、図34に示すように、キャップ700には、第2リング状突起717の外周面に引掛け凹部718を設けている。
また、図34に示すように、キャップ700は、第1リング状突起716の内面側の先端Aよりも、第2リング状突起717の内面側の先端Bの方を、高い位置に設けている。
また、図36に示すように、キャップ700は、第2リング状突起717の外周面に設ける引掛け凹部718は、対象とするインクタンク9の口部や側壁先端部などに、引掛け易い形状に設計するものである。
第8実施形態によれば以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態のインク補給容器15Gは、図36に示すように、キャップ700の注出口部715の第2リング状突起717の外周面を、インクタンク9のインク注入部11に当接させて容器を保持してから、インクを注出させるため、注出し易く、しかも、流出するインクの広がりからみて、容器外にインクが飛散する危惧がない。
(2)本実施形態のインク補給容器15Gは、図37に示すように、注出するインクの液圧が低い場合、インクが第1リング状突起716の内面側の先端Aの接線の延長線上に下方へ注出されても、第2リング状突起717の内面側の先端Bの方が、第1リング状突起716の内面側の先端Aよりも高い位置に設けられている。これにより、第2リング状突起717の内面に当たり、インクは、さらに第2リング状突起717の内面を下降し、第2リング状突起717の先端から注出する。このため、インクが、インクタンク9の外に飛散することを低減することができる。
(3)本実施形態のインク補給容器15Gにおいて、キャップ700の注出口部715の第2リング状突起717の外周面には、引掛け凹部718が設けられているため、対象とするインクタンク9のインク注入部11に、キャップ700の注出口部715を引っ掛けて保持し易い。言い換えると、注出時のインク補給容器15Gの姿勢安定性を向上させることができる。これにより、インク補給容器15Gから安定してインクタンク9内にインクを注出させることができる。
(4)本実施形態のインク補給容器15Gにおいて、第2リング状突起717は、注出孔714を内面に有する第1リング状突起716を、取り囲む壁のように形成されている。また、第2リング状突起717の内面側の先端Bの方が、第1リング状突起716の内面側の先端Aよりも高い位置に設けられている。これらにより、注出が終了した際、インク補給容器15Gを傾倒させた状態から正立の状態に戻す場合、第2リング状突起717は、注出口部715(注出孔714)に残ったインクの垂れを防止する構造として機能する。従って、インク補給容器15Gを傾倒させた状態から正立の状態に戻した場合等において、インクの液垂れを防止することができる。
なお、キャップ700の注出口部715の構造は、キャップ本体710と蓋部720とが分離するキャップに対しても使用することが可能である。
〔第9実施形態〕
図38は、第9実施形態に係るノズルキャップ付きのインク補給容器15Hの正面図である。図39は、ノズルキャップ814が取り付けられた容器本体811の要部断面図である。図40は、閉塞板部816aから複数の突起817が突出するノズルキャップ814の底部分の部分拡大斜視図である。図41は、容器本体811を傾倒させてノズル部815からインクを吐出させる状態の要部略示断面図である。図42A、図42Bは、インク補給容器15Hを把持して、ノズル部815の先端吐出口815aをインクタンク9に向けていく操作を説明する略示斜視図である。なお、図42Aは、インク注入部11が真上を向く構造のインクタンク9を示している。これに対して、図42Bは、インク注入部11が斜め上方を向く構造のインクタンク9を示している。図43A、図43Bは、他の形態の複数の突起817A,817Bを例示する要部斜視図である。図44A、図44Bは、さらに他の形態の複数の突起を例示する要部斜視図である。
第9実施形態に係るノズルキャップ付きのインク補給容器15Hは、図38に示すように、インクを収容した合成樹脂製のボトル形状の容器本体811と、この容器本体811の口首部812に取り付けられたノズルキャップ814とを含んで構成される。
また、本実施形態のインク補給容器15Hは、容器本体811の胴部813が、表裏一対の正面壁部813aを互いに近接させる方向に弾性変形させることが可能な、可撓性を備えている。例えば、胴部813を把持して傾倒させた状態で、一対の正面壁部813aを挟み込むようにしてスクイズ(押圧)することで、容器本体811をスクイズ変形させつつ内部に圧力を加えることによって、ノズルキャップ814のノズル部815の先端吐出口815aから、インクを吐出できるようになっている。
さらに、本実施形態のインク補給容器15Hは、例えば、図42A、図42Bに示すように、容器本体811を傾倒させながら、ノズルキャップ814の先端吐出口815aを吐出箇所に向けてゆく操作の途中において、胴部813を積極的に押圧していないスクイズ前の状態で、先端吐出口815aから、インクが不用意に且つ勢い良く吐出するのを効果的に抑制できるようにする機能を備えている。
なお、本実施形態のインク補給容器15Hは、図38に示すように、傾倒させることでインクを吐出させる容器本体811の口首部812に、ノズルキャップ814が取り付けられたスクイズ変形可能な容器である。そして、ノズルキャップ814のノズル部815は、図39に示すように、キャップ本体816の閉塞板部816aによって支持されている。そして、ノズル部815は、口首部812の内周面から離間した状態で、口首部812の軸方向に沿って、閉塞板部816aから吐出方向Xの前方側に延設して設けられていると共に、インクを案内して先端吐出口815aから吐出させる吐出ガイド流路815bを内部に備えている。
図40にも示すように、閉塞板部816aには、吐出ガイド流路815bへの流入口815cの周囲に、複数の突起817が、閉塞板部816aから吐出方向Xの後方側に突出して設けられている。
また、本実施形態では、閉塞板部816aから突出する複数の突起817の突出方向先端部(吐出方向Xの後方側の先端部)における内接円S(図40参照)の内径(直径)D2が、吐出ガイド流路815bへの流入口815cの内径D1(図39参照)と同じか又はこれよりも大きくなっている。
本実施形態では、容器本体811は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂からなるブロー成形品であって、スクイズ変形可能なボトル形状を有している。容器本体811は、図38に示すように、胴部813と、口首部812と、底部823とから構成されている。容器本体811は、底部823を載置面に載置することで、立設させた状態で店頭に陳列したり、家庭内で保管したりすることができるようになっている。
容器本体811の胴部813は、例えば、長軸及び短軸を有する扁平な略楕円又は略長円の中空断面形状を有している。また、胴部813は、底部823とは反対側の上端部分において、その中心位置を胴部813の縦方向中心軸Cから長軸の一方の端部側に偏心させつつ、その中空断面形状を徐々に縮径させた、先絞りの形状の首部813bを有している。
また、容器本体811は、図42Aに示すように、インクタンク9の内壁面91に向けて、インクを吐出させ易い形状として、いわゆる首曲がりボトル形状を備えている。これにより、インクタンク9の内壁面91を伝わるようにインクを注入することができる。特に、図42Bに示すように、インクタンク9のインク注入部11が斜め上方を向く構造とすることで、インクタンク9の内壁面91を伝わるようにインクを注入することが更にできることで、首曲がりボトル形状を備える容器本体811の効果を更に奏することができる。
本実施形態では、容器本体811は、図38に示すように、首部813bの先端に連続する口首部812を、胴部813の縦方向中心軸Cに対して側方に偏心させた位置から、この偏心させた方向とは反対側に傾けて突出させた、首曲がりボトル形状を備えている。
また、本実施形態では、容器本体811は、上端部分の先絞り部となっている首部813bにおいて、首部813bを偏心させた一方の端部側の側面を、縦方向の断面が外側に凸の滑らかな湾曲面となった、湾曲凸面813cを介して口首部812の基端部に接合させた形状を備えている。さらに、容器本体811は、上端部分の先絞り部となっている首部813bにおいて、他方の端部側の側面を、縦方向の断面が内側に凹の滑らかな湾曲面となった、湾曲凹面813dを介して口首部812の基端部に接合させた形状を備えている。
これによって、容器本体811は、斜めに傾いた状態で突出する口首部812が下方に配置されるように、容器本体811を傾倒させた際に(図42A、図42B参照)、容器本体811に収容されたインクを、先絞り部となっている首部813bの湾曲凸面813cの稜線部813eの内側面を介して、滑らかに且つスムーズに流下させるようになっている。それに加えて、ノズルキャップ814が取り付けられた口首部812に向けて、勢い良く送り出すことができるようになっている(図41参照)。
また、本実施形態では、容器本体811は、首部813bを胴部813の縦方向中心軸Cに対して片側に傾けて突出させた、首曲がりボトル形状を備えており、底部823から首部813bにかけて湾曲状の稜線部813eを形成するようになっている。さらに、容器本体811は、胴部813の縦方向中心軸Cに対して、首曲がり側、もしくは反首曲がり側を把持して使用することで、ボトル内のインクが、湾曲状の稜線部813eの形状に沿って流動することにより、ノズル部815に勢いを持って接触するようになっている。
本実施形態では、ノズルキャップ814は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂からなる射出成形品である。ノズルキャップ814は、図39に示すように、円環状嵌込み係合部818と、この円環状嵌込み係合部18の内側壁部818aの下方に延設する内筒壁819と、内筒壁819の下端部に一体として接合されて、内筒壁819と共に口首部812の内側の流出口を閉塞する閉塞板部816aとからなるキャップ本体816を有する。また、ノズルキャップ814は、キャップ本体816の閉塞板部816aによって支持されて、これの中央部分から立設して一体として設けられたノズル部815を有する。
また、本実施形態では、口首部812の内側領域に配置される、円環状嵌込み係合部818の内側壁部818aと、内筒壁819と、閉塞板部816aとによって周囲を囲まれて、ノズル部815の外側には、液溜め凹部824が、口首部812の先端開口面812aの下方に形成されている。
液溜め凹部824には、例えば容器本体811を傾倒させると共に、好ましくはスクイズ変形させて、インクをノズル部815の先端吐出口815aから所定量吐出させた後に、押圧を開放して正立状態に戻した際に、ノズル部815の外周面を伝って下方に液垂れしたインクが液溜めされる。これによって、ノズル部815の外周面を伝って液垂れしたインクが、口首部812の外周面に付着するのを効果的に回避することが可能になる。
円環状嵌込み係合部818は、内側壁部818aと天面壁部818bと外側壁部818cとからなる略コの字断面形状を備えている。外側壁部818cの下端部内周面には、係合凸リブ818dが設けられている。この係合凸リブ818dを、容器本体811の口首部812の先端部外周面に設けられた被係合凸リブ812cに係合することによって、口首部812の先端部を内側壁部818aと外側壁部818cとの間に挟み込むと共に、口首部812の先端面を天面壁部818bの下面に当接させた状態で、ノズルキャップ814が、容器本体811の口首部812に装着固定される。
ノズル部815は、例えば1〜10mm程度の内径を有すると共に、15〜60mm程度の長さを有する、縦長中空の円筒形状部分である。ノズル部815は、これの内部に軸方向に貫通する吐出ガイド流路815bを備えている。ノズル部815は、キャップ本体816の閉塞板部816aによって支持されて、これの中央部分から立設していることで、ノズルキャップ814が容器本体811の口首部812に装着固定された状態で、口首部812の内周面から離間すると共に、ノズル部815の軸方向を、好ましくは容器本体811の口首部812の軸方向と一致又は略一致させて配置される。また、ノズル部815は、本実施形態では、口首部812の軸方向に沿って、閉塞板部816aから吐出方向Xの前方側にのみ延設して設けられている。
ノズル部815の閉塞板部816aの下面には、吐出ガイド流路815bへの円形の流入口815cが、例えば1〜10mm程度の内径(直径)D1で開口している。本実施形態では、閉塞板部816aの下面に開口する流入口815cの周囲を囲んで、複数の突起817が、吐出方向Xの後方側に突出して設けられている。
本実施形態では、流入口815cの周囲を囲んで設けられた複数の突起817は、図40に示すように、例えば1〜15mm程度の直径の円形の断面形状備えた円柱状突起となっている。複数の突起817は、例えば2〜30mm程度の高さで閉塞板部816aから突出していると共に、好ましくは周方向に等角度の中心間ピッチで、流入口815cの周囲を囲んで、例えば2〜15本(本実施形態では8本)設けられている。
また、本実施形態では、複数の突起817は、吐出ガイド流路815bへの流入口815cの開口周縁から外側に僅かに離間した位置から、閉塞板部816aに対して垂直下方に突出して各々設けられている(図39参照)。これによって、複数の突起817の突出方向先端部における内接円S(図40参照)は、これの内径(直径)D2が、流入口815cの内径D1(図39参照)よりも大きくなっている。
複数の突起817の突出方向先端部における内接円Sの内径D2が、流入口815cの内径D1と同じか又はこれよりも大きくなっていることにより、吐出時の圧力損失を生じることなく軽い力で内溶液を吐出できる。そして、インクの一部分が吐出ガイド流路815bへの流入口815cの開口周縁付近の閉塞板部816aと衝突することで、ノズル部815の吐出ガイド流路815bに流入するインクの勢いや流速を効果的に低減させることが可能になる。
さらに、本実施形態では、複数の突起817は、円形の断面形状を備える円柱状突起となっている。そのため、各々の突起817の、流入口815cの中心部を中心とする放射方向外側の略半円の領域の外周面は、隣接する各一対の突起の817の間の隙間817bを放射方向外側から放射方向内側の流入口815cに向けて狭くする、外周傾斜面部817aとして機能することが可能になる。
すなわち、複数の突起817は、円形の断面形状を有していることで、放射方向外側の略半円の領域に、各一対の突起の間の隙間817bを、複数の突起817の外側から内側の流入口815cに向けて狭くする、弧状に湾曲しながら傾斜する外周傾斜面部817aを各々備えることになる。
複数の突起817が、隣接する各一対の突起817の間の隙間817bを、複数の突起817の外側から内側の流入口815cに向けて狭くする、外周傾斜面部817aを備えている。これにより、容器本体811の胴部813を把持してスクイズしてインクを吐出させる際に、複数の突起817で乱流を生じさせることによって、インクが勢いよく吐出するのを効果的に抑制しつつも、インク自体は、外周傾斜面部817aを介することで、複数の突起817の外側から内側の流入口815cに流入し易くなる。
本実施形態のインク補給容器15Hは、図39に示すように、インク補給容器15Hを使用していない時に、ノズルキャップ814のノズル部815を覆って着脱可能に装着される、蓋キャップ820を備えている。蓋キャップ820は、略切頭円錐形状の蓋本体部821と、蓋本体部821の下端部から連続して下方に延設する、略円筒形状の装着スカート部822とからなる。
蓋キャップ820は、例えば装着スカート部822の内側面に設けられた螺合突条822aを、容器本体811の口首部812の外周面に設けられた螺合突条812dに螺着することで、蓋本体部821の天面部内側面によってノズル部815の先端吐出口815aを閉塞した状態で、容器本体811の口首部812を覆って取り付けられる。
また、蓋本体部821の天面部内側面から下方に突出して、インナーリング部821aが設けられている。容器本体811の口首部812を覆って蓋キャップ820が取り付けられた際に、インナーリング部821aが、ノズル部815の先端吐出口815aの内周縁部に沿って嵌め込まれることで、強固に止水した状態で先端吐出口815aを閉塞することが可能になる。
さらに、蓋本体部821の中間部内側面から下方に突出して、当接リング部821bが設けられている。容器本体811の口首部812を覆って蓋キャップ820が取り付けられた際に、当接リング部821bの先端は、ノズルキャップ814の円環状嵌込み係合部818の天面壁部818bを挟んで口首部812の先端面に当接する。これによって、装着スカート部822が口首部812に過度に螺着されて、インナーリング部821aや、ノズル部815の先端部が破損するのを、効果的に回避することが可能になる。
本実施形態では、インク補給容器15Hは、容器本体811にインクが収容されると共に、ノズルキャップ814のノズル部815を覆って蓋キャップ820が装着された状態で、容器製品として製品化される。
そして、上述の構成を備えるインク補給容器15Hによれば、傾倒させることでインクを吐出させる容器本体811の口首部812に取り付けられた、ノズルキャップ814のノズル部815の先端吐出口815aから、積極的にインクを吐出させる操作の前の状態で、インクが、不用意に且つ勢い良く吐出するのを効果的に抑制することが可能になる。
すなわち、本実施形態によれば、ノズルキャップ814のノズル部815は、閉塞板部816aによって支持されて、口首部812の内周面から離間した状態で閉塞板部816aから吐出方向Xの前方側に延設して設けられている。そして、ノズル部815は、吐出ガイド流路815bを内部に備えており、閉塞板部816aには、吐出ガイド流路815bへの流入口815cの周囲に、複数の突起817が、閉塞板部816aから吐出方向Xの後方側に突出して設けられている。
従って、本実施形態のインク補給容器15Hによれば、図41に示すように、容器本体811を傾倒させることでインクを吐出させる際に、容器本体811を傾倒させるのに伴って、インクが勢い良く口首部812及びノズル部815に向けて送り出される。しかし、本実施形態では、送り出されたインクは、吐出ガイド流路815bへの流入口815cの周囲を囲んで設けられた複数の突起817に遮られることで、ノズル部815の流入口815cに直接的に流入し難くなるので、ノズル部815の吐出ガイド流路815bに流入するインクの勢いや流速を、効果的に低減することが可能になる。
また、ノズル部815に向けて送り出されたインクは、複数の突起817の突出方向先端部の内接円部分や、隣接する各一対の突起817の間の隙間817bを介して、複数の突起817によって囲まれる内側領域に流入した後に、流入口815cを介して吐出ガイド流路815bへ流入して行くことになる。
複数の突起817によって囲まれる内側領域に流入したインクは、突出方向先端部の内接円部分や、複数の隣接する突起817の間の隙間817bから流入するインク同士の衝突、及び別の隙間817bへのすり抜け等によって、複数の突起817によって囲まれる内側領域やこれの周囲には、複雑なインクの流れが生じることになる。
また、複数の突起817の突出方向先端部の内接円部分から流入したインクは、複数の隣接する突起817の間の隙間817bを介して、内側領域の外側に流れ出ることが可能なので、ノズル部815の吐出ガイド流路815bに流入するインクの勢いや流速を、さらに効果的に低減することが可能になる。
これらによって、本実施形態のインク補給容器15Hによれば、インクを吐出させる際に、容器本体811を傾倒させて口首部812の内側領域に送られたインクが、積極的にインクを吐出させる操作の前の状態で、不用意に且つ勢い良くノズル部815の先端吐出口815aから吐出して、周囲のものを汚すことになるのを、効果的に回避することが可能になる。
特に、本実施形態では、容器本体811が、インクタンク9の側面の内壁面91に向けて、インクを吐出させ易い形状として(図42A、図42B参照)、いわゆる首曲がりボトル形状を備えるスクイズ容器となっている。また、斜めに傾いた状態で突出する口首部812が下方に配置されるように、容器本体811を傾倒させた際に、容器本体811に収容されたインクが、首部813bの湾曲凸面813cの内側面を介して滑らかに且つスムーズに流下して、口首部812に向けて、さらに勢い良く送り出されるようになっている。
さらに、容器本体811は、首部813bを胴部813の縦方向中心軸Cに対して片側に傾けて突出させた、首曲がりボトル形状を備えており、底部823から首部813bにかけて湾曲状の稜線部813eを形成するようになっている。さらにまた、容器本体811は、胴部813の縦方向中心軸Cに対して、首曲がり側、もしくは反首曲がり側を把持して使用することで、ボトル内のインクが、湾曲状の稜線部813eの形状に沿って流動することにより、ノズル部815に勢いを持って接触するようになっている。
しかしながら、本実施形態によれば、ノズルキャップ814は、上述のような構成を備えているため、容器本体811を傾倒させながら先端吐出口815aを、インクタンク9のインク注入部11に向けて行く操作の途中で、インクが、不用意に且つ勢い良く先端吐出口815aから吐出して、インク注入部11(インクタンク9)の外側に飛び出すのを効果的に回避することが可能になる。
また、ノズルキャップ814は、上述のような構成を備えているので、胴部813を積極的に押圧していないスクイズ前の状態で、インクが、不用意に且つ勢い良く先端吐出口815aから吐出して、インク注入部11(インクタンク9)の外側に飛び出すことを効果的に回避することが可能になる。
図43A、図43Bは、ノズルキャップ814の閉塞板部816aに形成された吐出ガイド流路815bへの流入口815cの周囲に設けられる、複数の突起の他の形態を例示するものである。
図43Aに示すように、突起817Aは、三角形の断面形状として、好ましくは2等辺三角形の断面形状を備える三角柱状突起となっている。三角柱状の突起817Aは、その頂部を流入口815cの中心部を中心とする放射方向外側に、底辺部を放射方向内側に配置して、流入口815cの周囲に等角度の中心間ピッチで複数本設けられている。これによって、三角柱状の突起817Aの両側の斜辺部は、隣接する各一対の突起817Aとの間の隙間817dを、複数の突起817Aの外側から内側の流入口815cに向けて狭くする、外周傾斜面部817cとして機能するようになっている。
図43Bに示すように、突起817Bは、円柱状突起となっている。そして、円柱状の突起817Bは、流入口815cの周囲を囲んで複数本設けられている。各々の円柱状の突起817Bは、突出基端部において流入口815cの開口周縁から外側に相当程度離間した位置から、突出方向先端部に向けて、内側に傾斜した状態で突出して設けられている。複数の突起817Bは、これらの突出方向先端部における内接円S1の内径が、流入口815cの内径D1と同じか又はこれよりも大きくなっている状態を保持して設けられている。
図43A、図43Bに示す複数の突起817A,817Bが設けられたノズルキャップ814を備えるインク補給容器によっても、上記本実施形態のインク補給容器15Hと同様の作用効果が奏される。
第9実施形態によれば以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態のインク補給容器15Hは、容器本体811を傾倒させてインクを吐出させる際に、容器本体811を傾倒させるのに伴って、インクが勢い良く口首部812及びノズル部815に向けて送り出されたとしても、送り出されたインクは、吐出ガイド流路815bへの流入口815cの周囲を囲んで設けられた複数の突起817に遮られる。これにより、インクは、ノズル部815の流入口815cに直接的に流入し難くなるので、ノズル部815の吐出ガイド流路815bに流入するインクの勢いや流速を、効果的に低減することが可能になる。言い換えると、複数の突起817が流入口815cに流れ込むインクに対して抵抗として機能することにより、流れ込むインクの流量や流速を調整することができる。これにより、積極的にインクを吐出させる操作の前の状態で、インクが、不用意に且つ勢い良く吐出するのを効果的に抑制することができる。
(2)本実施形態のインク補給容器15Hは、インクの注入速度を抑制することができことにより、インクをインクタンク9に注入(補給)する際、インクに空気が混入する(巻き込まれる)ことを抑制することができる。これにより、インクタンク9内のインクに気泡が混入することを抑制できることにより、インク噴射システム1(プリンター2)において、記録ヘッド8からインクを吐出する際、ノズル内に気泡が入り空吐出となる所謂ノズル抜けを防止することができる。
(3)本実施形態のインク補給容器15Hは、インクの注入速度を抑制することができことにより、インクをインクタンク9に注入(補給)する際、インクに空気が混入する(巻き込まれる)ことを抑制することができる。これにより、インクタンク9にインクを注入した際にインクタンク9内に泡が発生することや、その泡により体積が増加してインクがインク注入部11からあふれること等を防止することができる。
(4)本実施形態のインク補給容器15Hは、容器本体811が首曲がりボトル形状に構成されている。これにより、インクタンク9の内壁面91を伝わるようにインクを注入することができ、またインクの注入速度を抑制することができる。従って、インクの注入による泡立ちの発生を更に抑えることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(1)吐出ガイド流路への流入口の周囲に設けられる複数の突起は、円形又は三角形の断面形状を備えている必要は必ずしも無く、図44A、図44Bに示すような平板形状等の矩形の断面形状を備える突起817C,817D等、種々の断面形状を備える突起であってもよい。
(2)複数の突起は、流入口の周囲に配置されて、2箇所又は3箇所以上突出して設けられていればよい。
(3)複数の突起の突出方向先端部における内接円は、真円である必要は必ずしも無く、略円形や楕円形等、複数の突起の突出方向先端部に内接させるのに適した形状を採用することができる。
(4)内接円が真円でない場合の内径(直径)は、断面2次半径の2倍である。
(5)容器本体は、首曲がりボトル形状を備えている必要は必ずしもない。また、容器本体に収容されるインクは、記録用(印刷用)のインクの他、記録ヘッドを洗浄する洗浄液であってもよい。
〔第10実施形態〕
図45は、第10実施形態に係るキャップ910を取り付けたインク補給容器15Iの断面図である。図46Aは、キャップ910を構成する有底筒体915の断面図である。図46Bは、キャップ910を構成する有底筒体915の斜視図である。図47は、容器本体912をスクイズすることで、トラップルーム914を介して注出口916から注出ノズル919へインクを注出させる状況を説明するキャップ910の略示断面図である。
図48Aは、第1変形例に係るキャップを構成する有底筒体921の断面図である。図48Bは、キャップを構成する有底筒体921の斜視図である。図49Aは、第2変形例に係るキャップを構成する有底筒体923の断面図である。図49Bは、キャップを構成する有底筒体923の斜視図である。図50は、有底筒体923によるトラップルーム914を介して注出口916から注出ノズル919へインクを注出させる状況を説明するキャップの略示断面図である。図51Aは、第3変形例に係るキャップを構成する有底筒体925の断面図である。図51Bは、キャップを構成する有底筒体925の斜視図である。図52Aは、第4変形例に係るキャップを構成する有底筒体927の断面図である。図52Bは、キャップを構成する有底筒体927の斜視図である。
図53Aは、他の変形例の有底筒体928を例示する断面図である。図53Bは、キャップを構成する有底筒体928の斜視図である。図54Aは、他の変形例の有底筒体930を例示する断面図である。図54Bは、キャップを構成する有底筒体930の斜視図である。図55Aは、他の変形例の有底筒体932を例示する断面図である。図55Bは、キャップを構成する有底筒体932の斜視図である。図56Aは、他の変形例の有底筒体934を例示する断面図である。図56Bは、キャップを構成する有底筒体934の斜視図である。図57Aは、他の変形例の有底筒体936を例示する断面図である。図57Bは、キャップを構成する有底筒体936の斜視図である。図58Aは、他の変形例の有底筒体938を例示する断面図である。図58Bは、キャップを構成する有底筒体938の斜視図である。
第10実施形態に係るインク補給容器15Iは、図45に示すように、スクイズ変形可能なプラスチックからなる容器本体912と、容器本体912の口首部912aに取り付けられるスクイズ容器用のキャップ910とで構成される。なお、キャップ910は、先端に吐出口913aが開口形成された注出ノズル919を有している。
作業者は、最初に、容器本体912の胴部912bを把持してインク補給容器15Iを傾倒又は倒立させることで注出ノズル919の先端の吐出口913aを吐出箇所に向ける。その後、作業者は、容器本体912の胴部912bをスクイズ(圧搾)し、容器本体912を変形させることにより、インクを胴部912bからキャップ910の注出ノズル919に送り出し、吐出口913aから所定量吐出させることができる。
また、キャップ910は、天面部910aの下面側に液溜め用のトラップルーム914を備えることで、注出ノズル919の吐出口913aを吐出箇所に向けた後、容器本体912の胴部912bをスクイズするまでの間に、インクが容器本体912の内圧やインクの自重によって吐出口913aから漏出したり液垂れしたりするのを回避できる機能を備える。さらに、キャップ910は、胴部912bをスクイズした際には、インクをスムーズに吐出させる機能を備えると共に、トラップルーム914に残留したインクを容器本体912にスムーズに回収させる機能を備える。
すなわち、本実施形態に係るキャップ910は、スクイズ変形可能なプラスチックからなる容器本体912の口首部912aに取り付けて用いられ、容器本体912の胴部912bのスクイズ変形により注出ノズル919の先端の吐出口913aからインクを吐出させるキャップである。
キャップ910には、図46A、図46Bにも示すように、キャップ910の注出ノズル919が立設する天面部910aの下面側に、中空の有底筒体915による液溜め用のトラップルーム914が設けられている。また、有底筒体915の底部915aには、容器本体912とトラップルーム914との間のインクの流入口及び流出口を兼ねる流入流出口917が開口形成されている。また、有底筒体915の底部915aには、図46A、図46Bにも示すように、注出ノズル919への注出口916の直下部分を含む領域において底面915cよりも高くなった上げ底部918が形成されている。
また、本実施形態のキャップ910では、注出ノズル919への注出口916は、天面部910aの中央部分に開口形成されており(図45参照)、上げ底部918は、この天面部910aの中央部分の直下部分を通って直径方向に帯状に延設する段部として形成されている(図46B参照)。
さらに、本実施形態のキャップ910では、図45に示すように、注出ノズル919への注出口916が、天面部910aの下面側に突出する注出ノズル919の内側突出部分919aの下端開口として開口している。流入流出口917は、底部915aにおける上げ底部918を挟んだ両側の底面915cに各々開口形成されている。
本実施形態では、容器本体912は、スクイズ変形可能な可撓性を有するボトル形状のプラスチック容器であって、図45に示すように、インクが収容される胴部912bと、胴部912bの上端部から上方に突出して形成されて上端が開口面となった口首部912aとからなる。口首部912aには、キャップ910が、公知の各種の螺合手段や嵌合手段を介して着脱可能に装着される。また、容器本体912は、公知の各種の合成樹脂を用いて、例えばブロー成形によって容易に形成することができる。
キャップ910は、例えばプラスチック製の成形品であって、円形の天面部910aと、天面部910aの周縁部分から一体として下方に延設する円環スカート形状の周壁部910bとを含んで構成される。
天面部910aには、これの中央部分から上方に突出して、注出ノズル919が設けられている。本実施形態の注出ノズル919は、内径が例えば6mm程度の円筒形状のノズルとなっており、天面部910aから垂直に立設すると共に、下端部分が天面部910aを越えて下面側に突出して、内側突出部分919aを形成している。注出ノズル919の中空内部は、インクを注出させる吐出流路913となっている。注出ノズル919の先端には吐出口913aが、内側突出部分919aの下端には注出口916が形成され、双方とも内径が例えば6mm程度の円形開口として形成されている。
なお、注出ノズル919の吐出口913aは、これを開閉可能に覆う公知の各種の蓋体(図示省略)によって、適宜閉塞しておくことが可能である。
また、キャップ910の円環スカート形状の周壁部910bには、例えば内側面に雌ネジ突条が設けられており、この雌ネジ突条が、例えば容器本体912の口首部912aの外周面に設けられた雄ネジ突条に螺合されることにより、キャップ910が着脱可能に口首部912aに装着される。
さらに、周壁部910bの内側には、周壁部910bと同心状に配置されて、天面部910aの下面から下方に向かって突出する装着スリーブ920が一体として設けられている。この装着スリーブ920の内側に、中空の有底筒体915を下方から嵌め込むように装着して係止することで、天面部910aの下面側に、液溜め用のトラップルーム914が形成される。
装着スリーブ920の形状としては、周壁部910bに同心状に配置される環状のスリーブや、複数の係止リブ等を周方向にスリーブ状に連設配置した構造のものとすることができる。また、この装着スリーブ920の下端内側面には、有底筒体915を嵌め込んだ際に、これの下端周縁部が係止される係止用のリブを設けても良い。
トラップルーム914を形成するための有底筒体915は、図46A、図46Bに示すように、例えばプラスチック製の成形品であって、装着スリーブ920の内周面形状と密着可能な外周面形状を備える、直径が例えば30mm程度、高さが例えば10〜20mm程度の大きさの円筒形状の筒体周壁部915bと、流入流出口917が開口形成された底部915aとが一体成形された、上端が開口面となった中空の装着部材である。
なお、有底筒体915の直径および高さは、例えばトラップルーム914でのインクの保留性や容器本体912のスクイズ性、および1回のスクイズ操作により吐出されるべきインクの容量、さらに容器本体912の口首部912aの内径との関係から決めることができる。
本実施形態では、有底筒体915の底部915aには、これの中央部分を直径方向に横断して、矩形断面形状を有する上げ底部918が、両側の底面915cから一段高くなった段部として設けられている。図46Aに示すように、矩形断面形状の上げ底部918の幅Bは、注出口916の直径に対し同じか、少し広いことが好ましい。
例えば、注出口916の内径が6mm程度であって、有底筒体915の直径が30mm程度で高さが10〜20mmであれば、上げ底部918は、幅Bが6〜10mm程度、高さHが5〜10mm程度の矩形断面形状として設けることができる。また、注出ノズル919の内側突出部分919aの下端開口として開口している注出口916と、これの直下部分の上げ底部918の上面との間の間隔P(図45参照)は、例えば3〜10mm程度となるように上下方向に絞られた状態となっている。
また、本実施形態では、上げ底部918を挟んだ両側の、上げ底部918よりも一段低い平坦な底面915cには、筒体周壁部915bに近接する周縁部分に、例えば、図46Bに示すように、円形の流入流出口917が、上げ底部918と垂直に交差する直径方向の両端部分に配設されて、各々開口形成されている。
ここで、本実施形態では、有底筒体915の底部915aに形成された2箇所の流入流出口917の合計の開口面積は、注出ノズル919への注出口916の開口面積の25〜300%の大きさとなっていることが好ましい。有底筒体915の底部915aに形成された流入流出口917の開口面積が注出口916の開口面積と比べて大き過ぎると、容器本体912からトラップルーム914にインクが多量に流入し易くなって、トラップルーム914による液溜め機能が充分に発揮されなくなる。
また、流入流出口917の開口面積が注出口916の開口面積と比べて小さ過ぎると、トラップルーム914にインクが流入し難くなって、容器本体912をスクイズしてもインクをスムーズに吐出させることができなくなると共に、トラップルーム914に残留したインクを容器本体912にスムーズに回収させることができなくなる。
流入流出口917の合計の開口面積と注出口916の開口面積の割合を上記範囲とすることにより、後述するトラップルーム914による液溜め機能と、容器本体912をスクイズした際にインクをスムーズに吐出させる機能と、トラップルーム914に残留したインクを容器本体912にスムーズに回収させる機能とを、バランスよく効果的に発揮させることが可能になる。この観点から、流入流出口917の合計の開口面積は、注出口916の開口面積に対して75〜200%の大きさとなっていることが更に好ましく、100〜150%の大きさとなっていることが特に好ましい。
第10実施形態によれば以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態のインク補給容器15Iによれば、相当の大きさの中空部であるトラップルーム914を有効利用して容器本体912をスクイズする前のインクの漏出や液垂れを効果的に回避することが可能になると共に、容器本体912をスクイズしてからインクが吐出されるまでの時間や、トラップルーム914に残留したインクが容器本体912に回収される時間を短縮して、使い易さを向上させることが可能になる。
(2)本実施形態のインク補給容器15Iによれば、本実施形態のキャップ910は、天面部910aの下面側に有底筒体915によるトラップルーム914が設けられており、有底筒体915の底部915aに流入流出口917が開口形成されており、また有底筒体915の底部915aには、注出ノズル919への注出口916の直下部分を含む領域において底面915cよりも高くなった上げ底部918が形成されている。これにより、インク補給容器15Iの使用時に、例えば注出ノズル919を下方に配置して傾倒させた状態で容器本体912をスクイズすることでインクを吐出させる際に、インク補給容器15Iを傾倒させてからスクイズするまでの例えば1〜3秒程度の僅かな間、容器本体912から注出ノズル919に向かうインクを、流入流出口917を介して適度な流量でトラップルーム914に流入させて、相当の大きさの中空部となっているトラップルーム914に一旦液溜めして滞留させることが可能となる。これにより、容器本体912の内圧やインクの自重による、予期しないインクの漏出や液垂れを効果的に回避することが可能になる。
(3)本実施形態のインク補給容器15Iによれば、容器本体912がスクイズされる時には、インクは、流入流出口917を介して適度な流量でトラップルーム914に流入して、トラップルーム914の内部に相当程度の量が既に滞留している。そして、注出ノズル919への注出口916の直下部分の領域に上げ底部918が形成されていることで、注出口916の直下部分の底部915aとの間の間隔Pが上下方向に絞られた状態となっている。そのため、トラップルーム914の内部に流入したインクは、注出口916へ向かう流入経路が形成され易くなって迅速に注出口916に流入することにより、注出ノズル919の吐出流路913及び吐出口913aを介してインクをスムーズに吐出させることが可能になる。
(4)本実施形態のインク補給容器15Iによれば、スクイズ操作を解放してインク補給容器15Iを再び正立状態に戻した場合、トラップルーム914に残留したインクは、注出ノズル919への注出口916の直下部分の領域に上げ底部918が形成されていることで、底部915aの底面915cに配設された流入流出口917に向けてスムーズに流下して行くとともに、相当の開口面積を有する流入流出口917から容器本体912にスムーズに回収されることになる。
(5)本実施形態のインク補給容器15Iによれば、注出ノズル919への注出口916の直下部分の領域に上げ底部918が形成されていることで、インクは、流入流出口917から上げ底部918に沿う一種の迂回流路を経て注出口916に流れる。また、流入流出口917の位置は、必然的に平面視して注出口916とずれた位置に配設される。従って、インク補給容器15Iの使用時に、インク補給容器15Iを例えば急な傾きで傾倒させたり、逆さまに倒立させたりしても、流入流出口917から注出口916へ直接向うインクの流れが生じるのを回避することが可能になり、これによってトラップルーム914による液溜め機能をより効果的に発揮させることが可能になる。
(6)本実施形態のインク補給容器15Iによれば、注出ノズル919への注出口916が、天面部910aの下面側に突出する注出ノズル919の内側突出部分919aの下端開口として開口している。これにより、流入流出口917から流入したインクは、注出口916へ向かって直接流れ込まずに、トラップルーム914内に留まってから吐出されるために、液垂れを抑制することが可能になる。
〔第1変形例〕
図48A、図48Bは、本発明の第10実施形態の第1変形例に係るスクイズ容器用のキャップを構成する、天面部910aの下面側にトラップルーム914を形成するための有底筒体921を示すものである。
本変形例によれば、キャップは、有底筒体921以外の部分は、上記第10実施形態のキャップ910と同じ構成を備えており、有底筒体921は、上記第10実施形態の有底筒体915と略同様の構成を備えている。
本変形例では、有底筒体921は、底部921aと円筒形状の筒体周壁部921bとが一体成形された中空の装着部材である。また、上げ底部918は、直径方向に帯状に延設する段部として形成されている。そして、本変形例では、流入流出口922は、底面921cに形成されておらず、上げ底部918の両側の側面918aにおける、底面921cに近接する部分である側面基端部に各々開口形成されている。
第1変形例によれば、第10実施形態のインク補給容器15Iと同様の作用効果を奏する他、以下の効果を奏する。
本変形例のインク補給容器15Iおいて、キャップは、流入流出口922が上げ底部918の側面基端部に開口形成されている。そのため、流入流出口922から流入したインクは、有底筒体921内で上げ底部918に沿って回り込むような流路が形成されることによって、上記第10実施形態に比べてトラップルーム914による液溜め機能と、容器本体912をスクイズした際にインクをスムーズに吐出させる機能と、トラップルーム914に残留したインクを容器本体912にスムーズに回収させる機能とを、さらにバランスよく発揮させることが可能になる。
〔第2変形例〕
図49A、図49Bは、本発明の第10実施形態の第2変形例に係るスクイズ容器用のキャップを構成する、天面部910aの下面側にトラップルーム914を形成するための有底筒体923を示すものである。
本変形例によれば、キャップは、有底筒体923以外の部分は、上記第10実施形態のキャップ910と同じ構成を備えており、有底筒体923は、上記第1変形例の有底筒体921と略同様の構成を備えている。
本変形例では、有底筒体923は、底部923aと円筒形状の筒体周壁部923bとが一体成形された中空の装着部材である。また、上げ底部918は、直径方向に帯状に延設する段部として形成されている。また、上げ底部918の両側の側面918aにおける、底面923cに近接する部分である側面基端部に流入流出口922が形成される。そして、上げ底部918から注出ノズル919の内側突出部分919aの下端開口(注出口916)を超える高さ位置まで立設して、一方の流入流出口922と注出口916との間の部分に、障壁924が設けられている。
第2変形例によれば、第10実施形態のインク補給容器15Iと同様の作用効果を奏する他、以下の効果を奏する。
本変形例のインク補給容器15Iおいて、キャップは、一方の流入流出口922と注出口916との間の部分に障壁924が設けられている。これにより、例えば、図50に示すように、障壁924が設けられた側の一方の流入流出口922が上側に配置されるようにインク補給容器15Iを傾倒させて容器本体912をスクイズする際に、一方の流入流出口922から注出口916へ直接向うインクの流れを障壁924によって遮断することで、インク補給容器15Iがスクイズされるまでの間の予期しないインクの漏出や液垂れを、さらに効果的に回避することが可能になる。
〔第3変形例〕
図51A、図51Bは、本発明の第10実施形態の第3変形例に係るスクイズ容器用のキャップを構成する、天面部910aの下面側にトラップルーム914を形成するための有底筒体925を示すものである。
本変形例によれば、キャップは、有底筒体925以外の部分は、上記第10実施形態のキャップ910と同じ構成を備えており、有底筒体925は、上記第2変形例の有底筒体923と略同様の構成を備えている。
本変形例では、有底筒体925は、底部925aと円筒形状の筒体周壁部925bとが一体成形された中空の装着部材である。また、上げ底部918は、直径方向に帯状に延設する段部として形成されている。また、上げ底部918の両側の側面918aにおける、底面925cに近接する部分である側面基端部に流入流出口922が形成されている。
また、一方の流入流出口922と注出口916との間の部分に、障壁924が設けられている。また、直径方向に帯状に延設する上げ底部918の上方空間は、その両端部分で有底筒体925の筒体周壁部925bの内周面が略コの字断面形状を有する内側突出部926として径方向内側に突出していることにより、直径方向の間隔が狭められている。
第3変形例によれば、第10実施形態のインク補給容器15Iと同様の作用効果を奏する他、以下の効果を奏する。
本変形例のインク補給容器15Iにおいて、直径方向に帯状に延設する上げ底部918の上方空間は、その両端部分で内側突出部926が突出していることで直径方向の間隔が狭められている。そのため、注出ノズル919への注出口916の直下部分の空間が小さくなって、トラップルーム914の内部に流入したインクの注出口916へ向かう流入経路がさらに形成され易くなることにより、インクをさらにスムーズに吐出させることが可能になる。
〔第4変形例〕
図52A、図52Bは、本発明の第10実施形態の第4変形例に係るスクイズ容器用のキャップを構成する、天面部910aの下面側にトラップルーム914を形成するための有底筒体927を示すものである。
本変形例によれば、キャップは、有底筒体927以外の部分は、上記第10実施形態のキャップ910と同じ構成を備えており、有底筒体927は、上記第3変形例の有底筒体925と略同様の構成を備えている。
本変形例では、有底筒体927は、底部927aと円筒形状の筒体周壁部927bとが一体成形された中空の装着部材である。また、上げ底部918は直径方向に帯状に延設する段部として形成されている。また、上げ底部918の両側の側面918aにおける、底面927cに近接する部分である側面基端部に流入流出口922が形成される。
そして、直径方向に帯状に延設する上げ底部918の上方空間の両端部分で有底筒体927の筒体周壁部927bの内周面が略コの字断面形状を有する内側突出部926として径方向内側に突出している。そして、一方の流入流出口922と注出口916との間の部分に、障壁924が設けられている。そして、有底筒体927の底部927aの上げ底部918から一段下がった底面927cは、筒体周壁部927b側から上げ底部918の側面基端部の流入流出口922に向けて下り勾配となった傾斜面となっている。また、上げ底部918の上面もまた、障壁924が設けられた側から反対側に向けて下り勾配となった傾斜面となっている。
第4変形例によれば、第10実施形態のインク補給容器15Iと同様の作用効果を奏する他、以下の効果を奏する。
本変形例のインク補給容器15Iにおいて、底部927aの底面927cは、流入流出口922に向けて下り勾配となった傾斜面となっている。また、上げ底部918の上面が傾斜面となっている。これにより、トラップルーム914に残留したインクを流入流出口922に向けてよりスムーズに流下させて、流入流出口922から容器本体912にインクをさらにスムーズに回収することが可能になる。
〔他の変形例〕
本発明は、キャップの注出口916の直下部分に上げ底部918が形成されているのであれば、上記第10実施形態、および第1〜第4変形例に限定されることなく、種々の変更が可能である。例えば、注出ノズルへの注出口は、天面部の中央部分に開口している必要は必ずしもなく、中央部分からずれた位置に開口していてもよい。
さらに、上げ底部は、中央部分の直下部分を通って直径方向に帯状に延設する段部として形成する他に、注出口916の直下部分に形成する態様として、例えば、図53A〜図58Bに示すように、その他の種々の形状に形成することができる。以下に変形例を示す。
例えば、図53A、図53Bに示す有底筒体928では、上げ底部929は、平面円形の有底筒体928の底部の略半円部分の領域に形成されている。また、図54A、図54Bに示す有底筒体930では、上げ底部931は、2段構成で形成されている。また、図55A、図55Bに示す有底筒体932では、上げ底部933は、円弧状に彎曲する断面形状で、平面円形の有底筒体932の底部の略半円部分の領域に形成されている。また、図56A、図56Bに示す有底筒体934では、上げ底部935は、略半円の断面形状で、直径方向に帯状に延設する段部として形成されている。
また、図57A、図57Bに示す有底筒体936では、上げ底部937は、平面円形の有底筒体936の底部の中央部分で、扁平な有天円筒状に突出する段部として形成されている。また、図58A、図58Bに示す有底筒体938では、上げ底部939は、略半円の断面形状で、平面円形の有底筒体938の底部の中央部分において、ドーム状に突出して形成されている。
これらの有底筒体928,930,932,934,936,938によっても、上記第10実施形態、および第1〜第4変形例と同様のキャップ910の一部となって、上記と同様の作用効果が奏される。
〔第11実施形態〕
図59は、第11実施形態に係るキャップ950を取り付けたインク補給容器15Jの断面図である。図60は、キャップ950を構成する有底筒体955の断面図である。図61Aは、キャップ950を構成する有底筒体955の斜視図である。図61Bは、キャップ950を構成する有底筒体955の断面図である。図62は、容器本体952をスクイズすることで、トラップルーム954を介して注出口956から注出ノズル959へインクを注出させる状況を説明するキャップ950の略示断面図である。図63Aは、第1変形例に係るキャップを構成する有底筒体の斜視図である。図63Bは、有底筒体によるトラップルームを介して注出口から注出ノズルへインクを注出させる状況を説明するキャップの略示断面図である。図64Aは、他の変形例に係るキャップを例示する断面図である。図64Bは、他の変形例に係るキャップを例示する断面図である。
第11実施形態に係るインク補給容器15Jは、図59に示すように、スクイズ変形可能なプラスチックからなる容器本体952と、容器本体952の口首部952aに取り付けられるスクイズ容器用のキャップ950とで構成される。なお、キャップ950は、先端に吐出口953aが開口形成された注出ノズル959を有している。
作業者は、最初に容器本体952の胴部952bを把持してインク補給容器15Jを傾倒又は倒立させることで注出ノズル959の先端の吐出口953aを吐出箇所に向ける。その後、作業者は、容器本体952の胴部952bをスクイズ(圧搾)し、容器本体952を変形させることにより、インクを胴部952bからキャップ950の注出ノズル959に送り出し、吐出口953aから所定量吐出させることができる。
また、キャップ950は、天面部950aの下面側に液溜め用のトラップルーム954を備えることで、注出ノズル959の吐出口953aを吐出箇所に向けた後、容器本体952の胴部952bをスクイズするまでの間に、インクが容器本体952の内圧やインクの自重によって吐出口953aから漏出したり液垂れしたりするのを回避できる機能を備える。さらに、キャップ950は、胴部952bをスクイズした際には、インクをスムーズに吐出させる機能を備えると共に、トラップルーム954に残留したインクを容器本体952にスムーズに回収させる機能を備える。
すなわち、本実施形態に係るキャップ950は、スクイズ変形可能なプラスチックからなる容器本体952の口首部952aに取り付けて用いられ、容器本体952の胴部952bのスクイズ変形により注出ノズル959の先端の吐出口953aからインクを吐出させるキャップである。
キャップ950には、図60にも示すように、キャップ950の注出ノズル959が立設する天面部950aの下面側に、中空の有底筒体955による液溜め用のトラップルーム954が設けられている。また、図61A、図61Bにも示すように、有底筒体955の底部955aには、容器本体952とトラップルーム954との間のインクの流入口及び流出口を兼ねる流入流出口957が開口形成されている。
流入流出口957は、注出ノズル959への注出口956の開口面積に対し、25〜300%の開口面積を有している。また、底部955aは、容器本体952の正立状態において流入流出口957に向って下り勾配で傾斜する傾斜面958が形成されていると共に、流入流出口957が底部955aの最下部に開口している。
本実施形態のキャップ950では、流入流出口957は、平面視して天面部950aに開口する注出ノズル959への注出口956とずれた位置に配設されている(図59及び図60の断面図では、流入流出口957と注出口956は、左右方向にずれた位置に配設されている)。さらに、注出ノズル959への注出口956が、天面部950aの下面側に突出する注出ノズル959の内側突出部分959aの下端開口として開口している。
本実施形態では、容器本体952は、スクイズ変形可能な可撓性を有するボトル形状のプラスチック容器であって、図59に示すように、インクが収容される胴部952bと、胴部952bの上端部から上方に突出して形成された、上端が開口面となった口首部952aとからなる。口首部952aにはキャップ950が、公知の各種の螺合手段や嵌合手段を介して着脱可能に装着される。また、容器本体952は、公知の各種の合成樹脂を用いて、例えばブロー成形によって容易に形成することができる。
キャップ950は、図60に示すように、例えばプラスチック製の成形品であって、円形の天面部950aと、天面部950aの周縁部分から一体として下方に延設する、円環スカート形状の周壁部950bとを含んで構成される。天面部950aには、これの中央部分から上方に突出して、注出ノズル959が設けられている。
本実施形態では、注出ノズル959は、内径が例えば6mm程度の円筒形状のノズルとなっており、天面部950aから垂直に立設すると共に、下端部分が天面部950aを越えて下面側に突出して、内側突出部分959aを形成している。注出ノズル959の中空内部は、インクを注出させる吐出流路953となっている。注出ノズル959の先端には吐出口953aが、内側突出部分959aの下端には注出口956が、内径が例えば6mm程度の円形開口として形成されている。
なお、注出ノズル959の吐出口953aは、これを開閉可能に覆う公知の各種の蓋体(図示せず)によって、適宜閉塞しておくことが可能である。
また、キャップ950の円環スカート形状の周壁部950bには、例えば内側面に雌ネジ突条が設けられており、この雌ネジ突条が、例えば容器本体952の口首部952aの外周面に設けられた雄ネジ突条に螺合されることにより、キャップ950が着脱可能に口首部952aに装着される。さらに、周壁部950bの内側に同心状に配置されて、天面部950aの下面から下方に向かって突出する装着スリーブ960が一体として設けられている。
この装着スリーブ960の内側に、中空の有底筒体955を下方から嵌め込むように装着して係止することで、天面部950aの下面側に、液溜め用のトラップルーム954が形成される。装着スリーブ960の形状としては、周壁部950bに同心状に配置される、環状のスリーブや、複数の係止リブ等を周方向にスリーブ状に連設配置した構造のものとすることができる。また、この装着スリーブ960の下端内側面には、有底筒体955を嵌め込んだ際にこれの下端周縁部が係止される係止用のリブを設けても良い。
トラップルーム954を形成するための有底筒体955は、図61A、図61Bに示すように、例えばプラスチック製の成形品であって、装着スリーブ960の内周面形状と密着可能な外周面形状を備える、直径が例えば30mm程度、高さが例えば10〜20mm程度の大きさの円筒形状の周壁部955bと、流入流出口957が開口形成された底部955aとが一体成形された、上端が開口面となった中空の装着部材である。
本実施形態では、有底筒体955の底部955aは、その略全体が、一方向に傾斜する平坦な傾斜面958となっており、傾斜面958の最下部に位置する底部955aの周縁部分に、流入流出口957が開口形成されている。これによって、傾斜面958は、容器本体952の正立状態において流入流出口957に向って下り勾配で傾斜する。
また、流入流出口957は、有底筒体955の底部955aの周縁部分に開口形成されることで、キャップ950の天面部950aの中央部分に開口形成された注出ノズル959への注出口956とは、平面視してずれた位置に配設されると共に、流入流出口957と注出口956とは、互いに対向しないように配置される。
本発明では、有底筒体955の底部955aに形成された流入流出口957の開口面積を注出口956の開口面積の25〜300%の大きさとなっている。有底筒体955の底部955aに形成された流入流出口957の開口面積が注出口956の開口面積と比べて大き過ぎると、容器本体952からトラップルーム954にインクが多量に流入し易くなって、トラップルーム954による液溜め機能が充分に発揮されなくなる。
反対に、流入流出口957の開口面積が注出口956の開口面積と比べて小さ過ぎると、トラップルーム954にインクが流入し難くなって、容器本体952をスクイズしてもインクをスムーズに吐出させることができなくなる。また、トラップルーム954に残留したインクを容器本体952にスムーズに回収させることができなくなる。
有底筒体955の底部955aに形成された流入流出口957の開口面積を注出口956の開口面積に対して上記範囲とすることにより、後述するトラップルーム954による液溜め機能と、容器本体952をスクイズした際にインクをスムーズに吐出させる機能と、トラップルーム954に残留したインクを容器本体952にスムーズに回収させる機能とを、バランスよく効果的に発揮させることが可能になる。
このような観点から、流入流出口957の開口面積は、注出口956の開口面積の50〜250%の大きさとなっていることが好ましく、75〜200%の大きさとなっていることが更に好ましく、インクのスムーズな吐出機能と、トラップルーム954の残留液の容器本体952への回収機能とを、バランスよく効果的に発揮させるために、100〜150%の大きさとなっていることが特に好ましい。
第11実施形態によれば以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態のインク補給容器15Jによれば、相当の大きさの中空部であるトラップルーム954を有効利用して容器本体952をスクイズする前のインクの漏出や液垂れを効果的に回避することが可能になると共に、容器本体952をスクイズしてからインクが吐出されるまでの時間や、トラップルーム954に残留したインクが容器本体952に回収される時間を短縮して、使い易さを向上させることが可能になる。
(2)本実施形態のインク補給容器15Jによれば、本実施形態のキャップ950は、天面部950aの下面側に有底筒体955によるトラップルーム954が設けられている。また、有底筒体955の底部955aに注出ノズル959への注出口956の25〜300%の開口面積を有する流入流出口957が開口形成されている。また、有底筒体955の底部955aには、容器本体952の正立状態で流入流出口957に向って傾斜する傾斜面958が形成されていて、流入流出口957が底部955aの最下部に開口している。この構成により、インク補給容器15Jの使用時に、例えば注出ノズル959を下方に配置して傾倒させた状態で容器本体952をスクイズすることでインクを吐出させる際に、インク補給容器15Jを傾倒させてからスクイズするまでの例えば1〜3秒程度の僅かな間、図62に示すように、容器本体952から注出ノズル959に向かうインクを、流入流出口957を介して適度な流量でトラップルーム954に流入させて、相当の大きさの中空部となっているトラップルーム954に一旦液溜めして滞留させることが可能になる。そのため、容器本体952の内圧やインクの自重による、予期しないインクの漏出や液垂れを効果的に回避することが可能になる。
(3)本実施形態のインク補給容器15Jによれば、容器本体952がスクイズされる時には、インクは、流入流出口957を介して適度な流量でトラップルーム954に流入して、トラップルーム954の内部に相当程度の量が既に滞留している。そのため、容器本体952をスクイズすることで、注出ノズル959への注出口956の周囲にインクが迅速に充填されて注出口956に流入することにより、吐出流路953及び吐出口953aを介してインクをスムーズに吐出させることが可能になる。
(4)本実施形態のインク補給容器15Jによれば、スクイズ操作を解放してインク補給容器15Jを再び正立状態に戻した場合、トラップルーム954に残留したインクは、傾斜面958に沿って底部955aの最下部に配設された流入流出口957に向けてスムーズに流下して行くとともに、相当の開口面積を有する流入流出口957から容器本体952にスムーズに回収されることになる。
(5)本実施形態のインク補給容器15Jによれば、流入流出口957は、平面視して注出ノズル959への注出口956とずれた位置に配設されている。これにより、インク補給容器15Jの使用時に、インク補給容器15Jを例えば急な傾きで傾倒させたり、逆さまに倒立させたりしても、流入流出口957から注出口956へ直接向うインクの流れが生じるのを回避することが可能になり、これによってトラップルーム954による液溜め機能をより効果的に発揮させることが可能になる。
(6)本実施形態のインク補給容器15Jによれば、有底筒体955の底部955aは、その略全体が、一方向に傾斜する平坦な傾斜面958となっており、傾斜面958の最下部に位置する底部955aの周縁部分に、流入流出口957が開口形成されている。これにより、例えば図62に示すように、有底筒体955の底部955aの流入流出口957が下側に配置されるようにインク補給容器15Jを傾倒させて容器本体952をスクイズする際に、注出ノズル959への注出口956より下方部分のトラップルーム954に十分な大きさの液溜り空間を確保することが可能になる。そのため、液溜り空間として寄与しない注出口956より上方部分の空間を小さくすることが可能になり、これによってインクをよりスムーズに吐出させることが可能になる。
(7)本実施形態のインク補給容器15Jによれば、注出ノズル959への注出口956が、天面部950aの下面側に突出する注出ノズル959の内側突出部分959aの下端開口として開口しているので、流入流出口957から流入したインクが、注出口956へ向かって直接流れ込まずに、トラップルーム954内に留まってから吐出されるために、液垂れを抑制することが可能になる。
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。以下に変形例を示す。
〔第1変形例〕
図63Aは、第11実施形態の第1変形例に係るキャップを構成する天面部950aの下面側にトラップルーム954を形成するための有底筒体975を示すものである。
本変形例によれば、キャップの有底筒体975以外の部分は、上記第11実施形態のキャップ950と同様の構成を備えており、有底筒体975は、上記第11実施形態のキャップ950の有底筒体955と略同様の構成を備えている。
本変形例のキャップでは、有底筒体975は、底部955aと周壁部955bとからなる。そして、底部955aは、その略全体が、一方向に傾斜する平坦な傾斜面958となっており、傾斜面958の最下部に流入流出口957が開口形成されている。さらに、図63Bにも示すように、平面視で、ずれた位置に配設された流入流出口957と注出口956との間の部分には、有底筒体975の底部955aから注出ノズル959の内側突出部分959aの下端開口(注出口956)を超える高さ位置まで立設して、好ましくは円弧断面形状を有する障壁961が設けられている。
第1変形例によれば、第11実施形態のインク補給容器15Jと同様の作用効果を奏する他、以下の効果を奏する。
本変形例のインク補給容器15Jにおいて、キャップは、平面視で、ずれた位置に配設された流入流出口957と注出口956との間の部分に障壁961が設けられている。そのため、例えば有底筒体975の底部955aの流入流出口957が上側に配置されるようにインク補給容器15Jを傾倒させて容器本体952をスクイズする際に、流入流出口957から注出口956へ直接向うインクの流れを障壁961によって遮断することで、インク補給容器15Jがスクイズされるまでの間の予期しないインクの漏出や液垂れを、さらに効果的に回避することが可能になる。
〔他の変形例〕
本発明は、上記第11実施形態および第1変形例に限定されることなく、種々の変更が可能である。例えば、注出ノズルへの注出口は、天面部の下面側に突出する内側突出部分に開口している必要は必ずしもない。また、平面視で、ずれた位置に配設された流入流出口と注出口との間の部分に障壁を設ける必要は必ずしもなく、障壁は、円弧断面形状以外の、例えば平坦な断面形状を有するものであっても良い。
さらに、有底筒体の底部に形成された傾斜面は、その略全体が、一方向に傾斜する傾斜面となっている必要は必ずしもなく、底部の最下部に開口する流入流出口は、底部の周縁部分に一箇所に形成される必要は必ずしもない。以下に変形例を示す。
例えば、図64Aに示すように、傾斜面958を有底筒体955の底部955aの周縁から中央部分に向って下り勾配で傾斜するすり鉢状の傾斜面とすると共に、流入流出口957を底部955aの中央部分に開口形成することもできる。図64Aでは、中央部に形成された流入流出口957に対し、注出ノズル959は、キャップ950の円形天面部950aの中央から周縁側にずれた位置に形成されている。
また、例えば、図64Bに示すように、傾斜面958を底部955aの中央から周縁部分に向って下り勾配で傾斜するマウンド状の傾斜面とすると共に、流入流出口957を底部の周縁部分に2箇所に開口形成することもできる。
〔第12実施形態〕
図65は、第12実施形態に係るキャップ130を取り付けた容器190を示す断面図である。図66は、少量のインクを注出させる際のキャップ130の様子を示す断面図である。図67は、多量のインクを注出させる際のキャップ130の様子を示す断面図である。図68は、残液回収時におけるキャップ130の様子を示す断面図である。図69Aは、キャップ130を構成する中栓170を示す平面図である。図69Bは、キャップ130を構成する中栓170を示す断面図である。図70Aは、キャップ130を構成する逆止弁180を示す上側の平面図である。図70Bは、キャップ130を構成する逆止弁180を示す断面図である。図70Cは、キャップ130を構成する逆止弁180を示す下側の平面図である。
第12実施形態に係るインク補給容器15Kは、スクイズ変形可能な二重構造の容器190と、容器190の口部に装着されるキャップ130とから構成される。なお、本実施形態のキャップ130は、逆止弁付きのキャップである。
以下に、キャップ130の装着対象である容器190の具体的構成について説明する。
本実施形態の容器190は、図65に示すように、外容器であるボトル191と、ボトル191内に配設された内容器である内袋195とから構成され。容器190は、ボトル191を外側から加圧することで内袋195内のインクを注出する。
容器190は、インクの注出後に、キャップ本体150の外気導入穴156、キャップ本体150のスカート壁152およびボトル191の口筒部192の間隙、および、ボトル191の外気導入穴194を通して、ボトル191と内袋195との間に外気を取り込むことで、ボトル191の胴体部分のみを元の形状に復元させるように構成されている。容器190は、その不使用時に、キャップ部140側を上にして置かれて保存される。
ボトル191は、スクイズ動作が可能であるように、すなわち、外部からの加圧に対して変形し、加圧力を解除すると弾性により元の形状に復帰可能なように、材料、形状および厚み等が設計されている。ボトル191の口筒部192の外周には、図65に示すように、キャップ本体150の螺旋ネジ部157に螺合する螺旋ネジ部193が形成され、また、螺旋ネジ部193の下側には、外気導入穴194が形成されている。
内袋195は、図65に示すように、ボトル191内に装填され、その口筒部196が、ボトル191の口筒部192に密着固定されている。内袋195は、インクの減少に伴ってボトル191との間の空間の容積が自由に変化可能なように、材料、形状および厚み等が設計されている。
逆止弁付きのキャップ130の具体的構成について、以下に説明する。
逆止弁付きのキャップ130は、図65に示すように、ボトル191の口筒部192に被せられるキャップ部140と、ボトル191の口部に配置される中栓170と、中栓170に装着される逆止弁180とから構成されている。
キャップ部140は、合成樹脂製のヒンジ付きキャップとして構成され、図65や図66に示すように、キャップ本体150と、キャップ本体150に開閉可能に連結される上蓋160と、キャップ本体150および上蓋160を連結するヒンジ連結部141とを一体に有している。
キャップ本体150は、図65に示すように、中央部に開口を有した円板状の頂壁151と、頂壁151の周縁から垂下する円筒状のスカート壁152と、頂壁151の開口縁部から上方に向けて延びる注出筒部153と、頂壁151の下面に形成され中栓170を下方に向けて押圧する環状の押圧突起154とを有している。
キャップ本体150のスカート壁152は、図65に示すように、ボトル191の口筒部192に外嵌し、ボトル191の外気導入穴194よりも下方でボトル191の口筒部192に密に嵌合する。スカート壁152の上部外周には、本体側係止部155が形成されており、この本体側係止部155に上蓋係止部165をスナップ嵌合させることで、閉状態を維持する。スカート壁152の上端には外気導入穴156が形成され、また、スカート壁152の内周には螺旋ネジ部157が形成されている。
上蓋160は、図65に示すように、円板状の天面壁161と、天面壁161の周縁から垂下する円筒状の側壁162とを有している。天面壁161の下面には、封止壁部163が下方に向けて突出形成されており、閉状態の時に封止壁部163の外周をキャップ本体150の注出筒部153の内周側に密着させることで、閉状態の時の密封性を向上させる。
ヒンジ連結部141の反対側、すなわち、ヒンジ連結部141に180°対向した位置において、側壁162の外周には、作業者が上蓋160を開ける際に摘むための開閉用摘み164が形成されている。側壁162の内周の下端には、上蓋係止部165が形成されている。
中栓170は、合成樹脂等から形成され、ボトル191(および内袋195)の口筒部192に装着されるものである。中栓170は、図65や図69A、図69Bに示すように、円板状のベース部171と、ベース部171に形成された第1注出口172および第2注出口173と、ベース部171の上面中央に形成された長細形状の係止突起174と、ベース部171の外縁に形成された薄肉状の空気弁体175と、ベース部171の下面から突出する環状部176とを一体に有している。
第1注出口172および第2注出口173は、図69A、図69Bに示すように、上下軸A1,A2を中心とした円形に形成されている。第1注出口172は、図65に示すように、上蓋160の開閉用摘み164側(換言すると注出方向側)に配置され、第2注出口173は、ヒンジ連結部141側に配置されている。第1注出口172および第2注出口173の内周縁には、図69A、図69Bに示すように、上方から下方に向けて縮径する環状のテーパ部172a,173aが形成されている。
係止突起174は、図70Aに示すように、逆止弁180を中栓170に装着するために、逆止弁180の係止穴181aに挿入されるものである。空気弁体175は、図66から分かるように、外気がボトル191および内袋195の間へ進入する方向のみの流れを許容するように、ボトル191の口筒部192の上端外周とキャップ本体150のスカート壁152の内周とに弾性的に係合している。環状部176は、図65に示すように、内袋195の口筒部196の内周にその外周が密着するように、口筒部192,196内に挿入されている。
逆止弁180は、中栓170の上方に装着されるものであり、ポリエチレンやシリコン系樹脂等の0.9〜0.95g/cm3の比重を有した弾性材料から形成されている。
逆止弁180は、図65や図70A〜図70Cに示すように、中栓170に装着される基部181と、第1屈曲部184を介して基部181に連結される第1開閉弁182と、第2屈曲部185を介して基部181に連結される第2開閉弁183とを一体に有している。
基部181の中央には、図70A〜図70Cに示すように、中栓170の係止突起174を挿入させる係止穴181aが形成されている。この係止穴181aは、中栓170に対する逆止弁180の回転を阻止するために長孔状に形成されている。
第1開閉弁182および第2開閉弁183は、図70A〜図70Cに示すように、上下軸A1,A2を中心とした円形に形成されており、中栓170の第1注出口172および第2注出口173を外側(上側)から開閉可能に塞ぐように配置されている。第1開閉弁182および第2開閉弁183の外周縁には、上下軸A1,A2上に中心を持つ環状のR部(上下軸A1,A2上に中心を持つ球面の一部分)182a,183aが形成されている。
第1屈曲部184および第2屈曲部185の下面には、図70A〜図70Cに示すように、第1切り欠き溝184aおよび第2切り欠き溝185aが形成されている。第1切り欠き溝184aの溝深さは、第2切り欠き溝185aの溝深さよりも深く、これに伴い、第1屈曲部184の強度は、第2屈曲部185の強度よりも低い。
具体的には、第1屈曲部184の強度は、第1屈曲部184を屈曲させた場合にインクの浮力によっては弾性復帰しない強さであり、第2屈曲部185の強度は、第2屈曲部185を屈曲させた場合にインクの浮力に対抗して弾性復帰しようとする強さである。
次に、本実施形態のキャップ130を装着した容器190における、インクの注出方法および注出時における各部の作用について、以下に説明する。
最初に、インクを注出する際には、図66や図67に示すように、上蓋160を開けて、キャップ部140のヒンジ連結部141が上に位置するように容器190を傾けて持つ。
次に、少量のインクを注出させようとする場合には、図66に示すように、ボトル191を比較的小さめの力で加圧することでボトル191を変形させ、その圧力によって第1開閉弁182のみを開放させ、第1注出口172を通して内袋195内のインクを注出させる。この際、第1注出口172は下側に位置しているため、インクをキャップ本体150の内周面(押圧突起154および注出筒部153の内周面)を伝わせて円滑に注出することができる。
他方、多量のインクを注出させようとする場合には、図67に示すように、ボトル191を比較的大きめの力で加圧することでボトル191を変形させ、その圧力によって第1開閉弁182および第2開閉弁183の両方を開放させ、第1注出口172および第2注出口173を通して内袋195内のインクを注出させる。
このように、ボトル191を加圧する力を加減することで、第1注出口172のみを開放した状態、および、第1注出口172および第2注出口173の両方を開放した状態の2つの状態を使い分けることが可能であり、インクの注出量を容易かつ適切に加減することができる。
次に、本実施形態のキャップ130を装着した容器190における、インクの残液回収時における各部の作用について、以下に説明する。
最初に、本実施形態のような容器190においては、インクを注出した後に、図68に示すように、キャップ本体150内における中栓170および逆止弁180の上部空間にインクが残留することがある。
このようなインクの残留が生じた場合、本実施形態では、インクよりも軽い材料から逆止弁180が形成されているとともに、第1屈曲部184を屈曲させた場合にインクの浮力では弾性復帰しない強度で第1屈曲部184が形成されていることから、図68に示すように、残留したインクによって第1開閉弁182が浮き上がり、第1注出口172が開放された状態が維持される。その結果、この開放した第1注出口172を通して内袋195内にインクが回収されることになる。
その後、第1注出口172を通して内袋195内にインクが回収され、第1開閉弁182の外縁と第1注出口172の内縁とが接触するタイミングで、内袋195内外の圧力差によって第1注出口172に対して第1開閉弁182が押され、第1注出口172が第1開閉弁182で確実に塞がれることになる。
なお、本実施形態では、第1開閉弁182の外周縁にR部182aが形成されるとともに、第1注出口172の内周縁にテーパ部172aが形成されていることから、第1開閉弁182の位置や姿勢に多少のズレが生じた場合であっても、第1注出口172の内周縁に対して第1開閉弁182の外周縁を全周に亘って接触させることが可能であるため、第1開閉弁182によって第1注出口172を確実に閉塞することができる。
また、図67に示すように、インクの注出時に、第1注出口172および第2注出口173の両方を開放した場合であっても、第2屈曲部185の強度が、第2屈曲部185を屈曲させた場合にインクの浮力に対抗して弾性復帰しようとする強さで設計されている。従って、前記上部空間に残留したインクによって第2開閉弁183が浮き上がることはない。
第12実施形態によれば以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態のインク補給容器15Kによれば、第1注出口172および第2注出口173を中栓170に形成し、互いに異なる強度の屈曲部(第1屈曲部184、第2屈曲部185)によって基部181に連結された第1開閉弁182および第2開閉弁183を逆止弁180に形成している。これにより、キャップ部140、中栓170、および逆止弁180の3部品から成る簡素な構造で、容器190を加圧する力を加減することで、第1注出口172のみを開放した状態、および、第1注出口172および第2注出口173の両方を開放した状態の2つの状態を使い分けることが可能であるため、部品点数の低減を図りつつ、インクの注出量を容易かつ適切に加減することができる。また、中栓170に第1注出口172および第2注出口173を形成することにより、充分なインクの注出量を確保しつつ、各注出口および各開閉弁のサイズの大型化を回避することが可能であるため、各注出口および各開閉弁との間における相対的な位置や姿勢にズレが生じ難くなる。
(2)本実施形態のインク補給容器15Kによれば、第1開閉弁182を、第1注出口172を上側から塞ぐように配置するとともに、インクよりも軽い比重を有するように形成している。これにより、インクの注出後に中栓170および逆止弁180の上部空間内にインクが残留した場合であっても、インクによって第1開閉弁182が浮き、第1注出口172が開放された状態を維持することが可能であるため、簡便な構造かつ少ない部品点数で、残留したインクを内袋195内に円滑に回収することができる。
(3)本実施形態のインク補給容器15Kによれば、第1開閉弁182を0.9〜0.95g/cm3の比重の材料から形成することにより、中栓170および逆止弁180の上部空間に残留したインクに第1開閉弁182を良好に浮かせることが可能であるため、インクの回収を確実に達成することができる。
(4)本実施形態のインク補給容器15Kによれば、第1開閉弁182を上蓋160に形成された開閉用摘み164側に配置することにより、第2開閉弁183よりも開放され易い第1開閉弁182を、インクを注出する際に下方側にくる位置に形成することで、第1注出口172のみを開放して少量のインクを注出する場合に、インクをスムーズに注出することができる。
(5)本実施形態のインク補給容器15Kによれば、第1屈曲部184の下面に第1切り欠き溝184aを形成することにより、第1屈曲部184が上方側に向けて屈曲し易くなって、第1屈曲部184が中栓170の上部空間内に残留したインクによって浮き上がり易くなる。また、第1屈曲部184および第2屈曲部185の下面に、第1切り欠き溝184a、第2切り欠き溝185aを形成することにより、製造負担の増加を回避しつつ、第1屈曲部184および第2屈曲部185の強度に差を適切に付けることができる。
(6)本実施形態のインク補給容器15Kによれば、第1注出口172および第2注出口173の内周縁に上方から下方に向けて縮径するテーパ部172a,173aを形成するとともに、第1開閉弁182および第2開閉弁183の外周縁に、上下軸A1,A2上に中心を持つR部182a,183aを形成している。これにより、各注出口に対する各開閉弁の位置や姿勢に多少のズレが生じた場合であっても、各注出口の内周縁に対して各開閉弁の外周縁を全周に亘って接触させることが可能であるため、各開閉弁によって各注出口を確実に閉塞することができる。
(7)本実施形態のインク補給容器15Kによれば、ボトル191への加圧量に応じて逆止弁180(開閉弁)を開閉することができ、注出量を加減する。また、注出後の残留インクも回収できると共に、回収後には逆止弁180(開閉弁)が圧力差により注出口を確実に塞ぐことができる。これにより、インクと空気とが触れることを極力抑制することができ、インクの脱気を維持することができる。従って、インク噴射システム1(プリンター2)において、記録ヘッド8からインクを吐出する際、ノズル内に気泡が入り空吐出となる所謂ノズル抜けを防止することができる。
〔変形例〕
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。以下に変形例を示す。
例えば、上述した実施形態では、キャップの装着対象となる容器が、所謂スクイズ容器として構成された二重構造容器であるものとして説明したが、キャップの装着対象となる容器の具体的態様はこれに限定されず、例えば、キャップを一重構造の容器に装着してもよい。なお、一重構造の容器の場合、インクの残存量が少なくなるにつれて容器が縮み、容器が正立状態を保つことが難しくなることから、一重構造の容器の場合には、インクの残存量が少なくなった場合であっても容器の正立状態を保つためのスタンド等の手段を設けるのが好ましい。
また、上述した実施形態では、中栓に注出口が2つ形成されるとともに、逆止弁に開閉弁が2つ形成されているものとして説明したが、注出口および開閉弁の数量は、2つ以上であれば3つや4つ等の如何なるものでもよい。
また、上述した実施形態では、キャップ部と中栓と逆止弁とが別体に形成されているものとして説明したが、これら部品を一体に形成してもよく、例えば、キャップ部と中栓とを一体に形成してもよく、また、中栓と逆止弁とを一体に形成してもよい。
また、上述した実施形態では、逆止弁に形成された係止穴と中栓に形成された係止突起とを嵌合させることで、中栓に対して逆止弁を装着したが、中栓に対する逆止弁の装着態様は例えば接着等の如何なるものでもよい。
また、上述した実施形態では、逆止弁の第1屈曲部の強度と第2屈曲部の強度とを異ならせるために、第1屈曲部の下面に形成された第1切り欠き溝の溝深さと第2屈曲部の下面に形成された第2切り欠き溝の溝深さとに差を付けた。しかしながら、第1屈曲部の強度と第2屈曲部の強度とを異ならせるための具体的手段は上記に限定されず、例えば、第1屈曲部および第2屈曲部の幅や厚みを異ならせてもよい。
また、上述した実施形態では、逆止弁は一体で形成されており、逆止弁の各部の密度(比重)が均一であるものとして説明したが、逆止弁の各部ごとの密度を異ならせてもよく、例えば、第1開閉弁の密度が逆止弁の他部の密度よりも小さくなるようにしてもよい。
〔第13実施形態〕
図71は、第13実施形態に係るインク補給容器15Lの注出具621を示す縦断面図である。図72は、注出具621の正面部分図である。図73は、ノズル625の先端部の拡大断面説明図である。図74は、ノズル625の注出状態を示す縦断面図である。図75は、ノズル625のサックバック状態を示す縦断面図である。
図76Aは、ノズル625を示す縦断面図である。図76Bは、ノズル625を示す横断面図である。図76Cは、ノズル625を示す他の横断面図である。図77Aは、ノズル625を示す縦断面図である。図77Bは、ノズル625を示す横断面図である。図77Cは、ノズル625を示す他の横断面図である。図77Dは、ノズル625を示す他の形態のノズル625の縦断面図である。図78Aは、他の例のノズル625を示す縦断面図である。図78Bは、他の例のノズル625を示す縦断面図である。図78Cは、他の例のノズル625を示す縦断面図である。図79Aは、他の例のノズル625を示す縦断面図。図79Bは、他の例のノズル625を示す縦断面図である。図80Aは、容器に装着したノズル625を示す平面図である。図80Bは、容器に装着したノズル625を示す側面図である。
図81は、他の注出具621の縦断面図である。図82は、他の注出具621の正面部分図である。図83Aは、ヒンジキャップ691でカバーキャップ696を開いた状態を示す平面図である。図83Bは、ヒンジキャップ691でカバーキャップ696を開いた状態を示す縦断面図である。図83Cは、ヒンジキャップ691でカバーキャップ696を開いた状態を示す底面図である。
図84Aは、カバーキャップ696を閉じた状態のヒンジキャップ691を示す正面図である。図84Bは、カバーキャップ696を閉じた状態のヒンジキャップ691を示す側面図である。図84Cは、カバーキャップ696を閉じた状態のヒンジキャップ691を示す背面図である。図84Dは、カバーキャップ696を開いた状態のヒンジキャップ691を示す正面図である。図84Eは、カバーキャップ696を開いた状態のヒンジキャップ691を示す側面図である。
第13実施形態に係るインク補給容器15Lは、図71、図72に示すように、容器622と、注出具621とで構成されている。注出具621は、容器622のネック部623に装着されている。容器622にはインクが充填される。インク補給容器15Lは、注出具621により容器622の開口629を閉じて使用され、注出具621に案内されてインクを注出する。
容器622は、弾性復元力を持つスクイズ容器その他の容器で、主として粘稠性及び流動性のあるインクを収容するものである。注出具621は、容器622のネック部623に装着して開口629を閉じる注出具基部624と、これと一体をなして突出しているノズル625とを有する。このノズル625がこの発明の主な対象となる。
ノズル625はノズル625の壁628内にノズル孔631を貫通させて有する。ノズル孔631は流路626と先端延長部632とからなっている。流路626はインクの流れを拘束して、かつ案内して設計された流れの方向に流通させる通路である。ノズル625の壁628は筒状をなすので、内面633、端面634及び外表面635を有するが、この内面633が流路626の外表面627を区画し、さらにその延長した部分が先端延長部632の外表面636を区画する。
流路626は、先端637に吐出口638を有し、かつ後端641に導入口642を有する。導入口642は容器622の開口629に連通している。
流路626は、図77A〜図77Dに示すように、予定されたインクの流れの方向640に沿った直線状または曲線状の中心線643をもって、図71における導入口642から吐出口638まで直管状(図77A)、または曲管状(図77D)に形成される。流路626は、流れの方向640(中心線643)に垂直な流路626の断面積の一定の直円筒状、または先端637に行くほど断面積が減少する先細状をなしている。吐出口638は流れの方向640に垂直である。
流路626が直円筒状である場合も、テーパ状の先細である場合も、その流れの方向640に垂直な吐出口638の形状は、図76A〜図77Dに示すように、円(図76B、図77B)、縦向きの楕円、横向きの楕円(図76C、図77C)などを採ることができる。
吐出口638は流れの方向640に垂直であり、従って流路626が直円筒状の場合は吐出口638の法線683と中心線643とは平行をなすが、図77Dに示すように、流路626が曲管状の場合は、吐出口638の法線683は中心線643の接線と平行をなす。
図73に示すように、ノズル625の先端延長部632は、流路626の先端の吐出口638のさらに先方に設けられた流路で、この先端延長部632は、吐出口638の中心線643回りの内面633の周方向の他方の側645bからなる液案内面685が吐出口638から先方に行くほど幅が小さくなる先細状に流れの方向640に沿って先方に延長している。
換言すれば、流路626の吐出口638から先端延長部632が、吐出口638の中心線643の方向(流れの方向640)の先方に延長している。すなわち、図73に示すように、吐出口638の一方の径D638方向に対向している一方の側645aと他方の側645bにおいて、一方の側645aよりも他方の側645bの方が吐出口638の流れの方向640の先方に延出している。但し、図73に示すように、他方の側645bを断面で示した場合は、中心線643の方向と他方の側645bとの方向は一致していない。
吐出口638の一方の径D638は吐出口638が円形である場合の直径、楕円形または長円である場合の長径または短径であり、また、矩形の場合は中央の幅の部分である。一方の側645aは吐出口638と一致しているので形状としては吐出口638の先方には延出していない。
注出時の容器622及びノズル625の傾きを考慮すると、一方の側645aは、ノズル625の注出姿勢において吐出口638のインクが流れ落ちる下端681になる部分である。また、他方の側645bは、上になる部分であり、その先端がノズル625の注出姿勢において最も上方に位置する上端682となる部分である。
最終的にインクは、先端延長部632の先端の延長部開口651から吐出される。この延長部開口651の形状を、輪郭から規定される面の形状として把握するときには、延長部開口651は先端(上端682)と下端681を含む面からなっている。
この延長部開口651の形状としては、図78Aに示すように1個の平面または曲面650aで構成してもよい。また、延長部開口651の形状としては、図78Bに示すように、一方の側645aの下端681を含む平面646aと他方の側645bの上端682を含む平面646bとを境界648で隣接させた形状の面650bでもよい。
また、延長部開口651の形状としては、図78Cに示すように、吐出口の一方の側645aも延長して下端681とし、平面646aと平面646bとを下端681、上端682を含まない他の平面647を介して境界649a,649bで接続させた形状の面650cでもよい。
2つの平面646a,646bで構成した先端開口部形状では、流路626内を流れて流路626から拘束を受けていたインクが、吐出口638上の境界648で、拘束を解かれて解放されるので、吐出口638を出た後の流れの状態が安定する。
中間の平面647を用いた図78Cの場合は、流路626を流れるインクが最初に拘束を解かれる部分が中間の平面647であるので、図78Bに示したものより、インクの流れの安定と流量を両立させることができ、こうして、他方の側の壁面645bへのインクの付着の状態を制御することができる。さらには、その先端の延長部開口651の形状としては図79Aに示すように部分球面または図79Bに示すように部分楕円体面のような曲面とすることもできる。
先端部形状を曲面で形成した場合は曲率を選択して、吐出する流れの状態を調節し、他方の側の壁面645bへのインクの付着の状態を制御することができる。
いずれの場合も図73に示すように、ノズル625の先端延長部632の下端681と上端682を結ぶ仮想直線652と、吐出口638の面とのなす角θを15°〜60°にすることによって、他方の側の壁面645bへのインクの付着の状態を制御することができる。また、図78Cのような場合も、点681と点682を含む仮想直線652と、吐出口638の面とのなす角θが15°〜60°であればよい。
次に、このように構成したノズル625におけるインクの注出動作及びサックバック動作について説明する。
図74に示すように、容器622を傾けて注出姿勢を取る場合には、容器622の傾け方向としては、ノズル625の先端延長部632の下端681が下になり、他方の側645bの上端682が上になる。
この状態から、図71に示されている容器622をスクイズすると、インク671は、ノズル625の吐出口638から、流れの方向640で示す方向に押し出される。このとき、吐出流は、先端延長部632の他方の側645bの壁内面である液案内面685に沿って流れる。そして、流れの方向640の力に重力も作用してインク671は矢印672で示すように流れ落ちる。
次に、インクの注出が終わって、容器622のスクイズが解消すると、図75に示すように、ノズル625の先端には吸引力が作用するが、液案内面685は下端681より表面積が大きいので、表面張力によりインク671が残留する。この残留したインク671が下端681に向かって液案内面685を伝わって流れ下る傾向となり、その結果、先端延長部632では内面633にインクが均一に分布することとなり、吸引力が無駄なく均一に作用して矢印673で示すように良好にサックバックする。これによってノズル先端にインクの残留が発生することがない。
次に、他の実施態様について説明する。
前述の通り、図73、図74に示すノズル625の流路626は、先端延長部632の他方の側645bが上になり、一方の側645aが下になるように傾けてインクを注出するときに顕著な効果を発揮する。このように、ノズル625は、効果を発揮するための使用上の方向性を持っている。
この方向性を作業者に知らせるために、図80A、図80Bに示すように、ノズル625には方向性を指示するための標識661を設けることがよい。図80A、図80Bに示す実施例の場合は、矢印662が、ノズル625の上面に表示されている。他にも上下方向の「上」を示す記号や文字でもよい。
上述のように、矢印662や、記号や文字により、使用時の傾きを指示する標識として利用しているが、その他に、容器622の側面部に取っ手(持ち手)などを設置することにより、取っ手を指標として利用することもできる。
次に、ノズル625の先端延長部632を形成するに当たって、ノズル625の先端を平面または曲面でカットして形成した形状を採用した場合は、図71に示すように、ノズル孔631の内面633の先方に、ノズル孔631の端面634及び外表面635がさらに延出していることとなり、ノズル625の最先端は端面634と外表面635との境界線663が構成することになる。
一方、インクの粘性その他の性状にもよるが、この先端延長部632に残留したインクが、内面633から端面634に伝わり、さらに最先端の境界線663を回って外表面635に回り込むことがあり、これが先端延長部632近傍の汚損の原因となることがある。
そこで、図81、図82に示す実施態様でのノズル625では、最先端部分を面取りした形状としている。すなわち、ノズル625の端面634及び外表面635が、内面633と端面634との境界稜線664より後方に後退し、境界稜線664が最先端となっている。これにより先端延長部632の内面633における残液の保持を良好にし、他方の側の壁面645bへのインクの付着の状態を抑制することができる。なお、図78B、図78Cでも、ノズル625の先端は面取りされた形状で示されている。
図83A〜図83C、及び図84A〜図84Eに示す実施態様は、以上説明したノズル625を注出具621としてのヒンジキャップ691に適用したものである。ヒンジキャップ691は、図71に示される容器622の開口629に装着して、開口629を閉じるヒンジキャップ基部694と、ヒンジキャップ基部694の上面を開閉するカバーキャップ696とをヒンジ692で連結している。
ヒンジキャップ基部694には、この発明のノズル625が配設される。そして、前述の通り、ノズル625は、注出時の傾きの方向に方向性を持っている。そのため、ノズル625の機能を十分に発揮させるためには、注出時の傾きの方向を指定する必要がある。
本実施態様では、ノズル625の方向性を指示する標識として、ヒンジ692及びカバーキャップ696を利用している。詳細には、ノズル625は、ヒンジキャップ基部694の中心697から偏心した位置に配置され、また、ヒンジキャップ基部694の中心697と周辺部698との間に配置される。このとき、ノズル625の先端延長部632の一方の側645aが周辺部698寄りとなり、他方の側645bが中心697寄りとなるように向きを定めて配置される。
このように配置することにより、使用時の傾きを指示する別の標識を設けなくても、反対方向に傾けたときにはカバーキャップ696が注出の邪魔となることで、カバーキャップ696を標識として利用することができる。
上述のように、ヒンジキャップ691のカバーキャップ696を、使用時の傾きを指示する標識として利用する場合にも、容器622の側面部に取っ手(持ち手)などを設置することにより、取っ手を指標として利用することもできる。
さらに他の実施態様としては、容器口部に配設されてインクの注出を案内するサックバック機能を有するノズル、および前記ノズルの壁の壁内面によって区画されて形成され、前記インクの流れを予定された流れの方向に案内して流通させる流路を有し、前記流路は、前記ノズルの先端に有する前記流れの方向に垂直な吐出口と、前記ノズルの後端に有する前記容器の内部と連通する導入口と、前記吐出口の前記流れの方向を含む仮想の平面における前記吐出口の一方の端部と他方の端部のうちの前記壁内面の周方向の前記他方の端部を含む一部分から前記壁内面に連続する液案内面を先細状に前記流れの方向若しくは前記流れの方向よりも前記一方の端部寄りの方向に沿って延長させた延長部と、を備えていることを特徴とするインク補給容器がある。
第13実施形態によれば以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態のインク補給容器15Lによれば、ノズルの先端部の構造を、ノズル吐出口の一方の径方向、すなわち、吐出口の直径方向または半径方向に平行な方向における対向する2つのノズル内壁面を、つまり上内壁面と下内壁面のうち、上内壁面を下内壁面よりもノズル中心線方向の先方に延出させている。これにより、インクの吐出時にノズル吐出口付近に付着する残留液のうち表面張力によって上内壁面に付着する分を下内壁面に付着する分よりも多くし、下内壁面から下に流れ落ちる分を少なくして、液垂れの発生を防止することができる。また、重力により上内面に付着した残留液が壁面を伝わって下内壁面に流れ落ちることを利用して、残留液をノズルの内壁面に均等に分布させ、注出動作を終了して手指による容器のスクイズ力が解消し、容器が原形に復元したときに、サックバックによりノズルの先端からエアーがノズル内に流れ込む時に、減圧力がノズル内周面の残留液に均等に作用してサックバックが良好に行われる。これによって、ノズル先端部の汚損を回避することができる。
(2)本実施形態のインク補給容器15Lによれば、ノズル内の流路を、流れの方向に沿って直線、曲線状にすることによって、インクの流れを円滑にし、サックバック効果を良好に発揮させることができる。
(3)本実施形態のインク補給容器15Lによれば、ノズル内の流路の開口断面積の変化率を一定にした直管状または先細のテーパ状にすることによって、インクの流れを円滑にし、サックバック効果を良好に発揮させることができる。
(4)本実施形態のインク補給容器15Lによれば、ノズルの先端面の形状、つまりノズルの切り口の形状を2平面若しくは3平面を隣接させて形成することにより、インクの残留液の保持を良好にすることができて、液垂れの防止、サックバックが良好になる。
(5)本実施形態のインク補給容器15Lによれば、ノズルの先端面の形状を部分球面若しくは部分楕円体面で構成するときは、上の壁内面から下の壁内面に回る残留液の分布を均等にすることが容易で、サックバック効果が一層顕著になる。
(6)本実施形態のインク補給容器15Lによれば、ノズル先端の延長部の開口面と吐出口との角度を15°〜60°にすることによって、インクの吐出状態が円滑になり、液垂れが発生しにくくなり、サックバックも良好に行われる。
(7)本実施形態のインク補給容器15Lによれば、ノズルを容器口部から偏心した位置に設けることにより、注出操作における容器の傾き方向を規定し、ノズルに方向性を与えることができ、液垂れの防止、サックバック効果の発揮が確実となる。
(8)本実施形態のインク補給容器15Lによれば、インクを貯留するインクタンク9のインク注入部11の形状に合せて、ノズルの長さや形状を設定することができるため、インクタンク9に、インク補給容器15Lからインクを補給する場合、ノズルがインク注入部11の奥まで収まる形態とすることで、インクが飛び散ることを防止することができる。特に、インク注入の終了時に発生しやすくなるインクが風船状に膨らみ弾けることによるインクの飛び散りを効率よく防止することができる。
(9)本実施形態のインク補給容器15Lによれば、特に高粘度のインクを用いる場合に、液垂れ防止や、サックバック効果を更に顕著に発揮することができる。
〔第14実施形態〕
図85は、第14実施形態に係るインク補給容器15Mの全体を示す部分断面図である。図86は、インク補給容器15Mにおけるインクの吐出時の作用を説明する縦断面図である。図87は、インクの吐出後、インク補給容器15Mが復元する時の作用を説明する縦断面図である。
図88は、オーバーキャップ336で被蓋した状態の吐出キャップ335の斜視図である。図89は、オーバーキャップ336を開蓋した状態の吐出キャップ335の斜視図である。図90は、オーバーキャップ336を開蓋した状態の吐出キャップ335の側面図である。図91は、オーバーキャップ336を開蓋した状態の吐出キャップ335の平面図である。図92は、オーバーキャップ336で被蓋した状態の吐出キャップ335の一部を示す縦断面図である。図93は、図92の一部を拡大して示す図である。
図94は、変形例に係るインク補給容器15Mの全体を示す部分断面図である。図95は、変形例に係るインク補給容器15Mの要部を示す縦断面図である。
第14実施形態に係るインク補給容器15Mは、図85に示すように、容器本体333、吐出キャップ335、およびオーバーキャップ336等を備えている。容器本体333は、インクが収容されるとともに、インクの減少に伴いしぼみ変形する可撓性に富む内容器331と、内容器331が内装されるとともに弾性変形可能な外容器332とを備えている。吐出キャップ335は、容器本体333の口部333aに装着され、インクを吐出する吐出口334が形成されている。オーバーキャップ336は、吐出キャップ335に着脱自在に配設される。
ここで、容器本体333は有底筒状に形成され、オーバーキャップ336は有頂筒状に形成されている。オーバーキャップ336を吐出キャップ335に装着した被蓋状態において、これら容器本体333およびオーバーキャップ336の各中心軸が共通軸上に位置するように配置されている(図93等参照)。
以下、共通軸を容器軸Oといい、容器軸O方向に沿ってオーバーキャップ336側を上側、容器本体333の図示しない底部側を下側といい、また容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸Oを中心に周回する方向を周方向という。
なお、オーバーキャップ336は、ヒンジ部336aによって、吐出キャップ335に接続されていてもよい(図86等参照)。インクを吐出口334から吐出させる際に、オーバーキャップ336が邪魔にならないよう、このヒンジ部336aは、吐出口334が下方を向くようにインク補給容器15Mを傾けて吐出姿勢にした状態で吐出口334よりも高い位置になるように配置されている。
容器本体333は、内容器331が外容器332の内面に剥離可能に積層された、いわゆるデラミボトルとなっている。容器本体333は、例えば、共押出し成形した二層構造のパリソンをブロー成形することにより成形される。外容器332は、例えばポリエチレン樹脂製やポリプロピレン樹脂製等とされるとともに、内容器331は、例えば外容器332を形成する樹脂に対して相溶性のないポリアミド系の合成樹脂製やエチレンビニルアルコール共重合樹脂製等とされている。
容器本体333の口部333aは、上側に位置する上筒部337と、下側に位置し上筒部337よりも大径に形成された下筒部338と、を備える二段筒状に形成されている(図86等参照)。上筒部337のうち、外容器332で構成された部分(以下、外上筒部337aという)の外周面には雄ねじ部349が形成されている。また、外上筒部337aにおいて、雄ねじ部349より下側に位置する部分には、内容器331との間に外気が吸入される吸気孔339が形成されている(図87等参照)。雄ねじ部349において吸気孔339の上側に位置する部分には、容器軸O方向に延在する連通溝340が形成されている。
外上筒部337aの内周面は円筒面とされ、この内周面に、上筒部337のうち、内容器331で構成された部分(以下、内上筒部337bという)が積層されている(図86等参照)。内上筒部337bの上端部は、径方向の外側に折り返されて外上筒部337aの開口端上に配置されていてもよい。
吐出キャップ335は、容器本体333の口部333aを閉塞する中栓部材341と、中栓部材341を覆うとともに吐出口334が形成された有頂筒状の本体筒部材343と、を備えている(図86等参照)。中栓部材341は、外周縁部が容器本体333の口部333aの開口端上に配置された栓本体367と、栓本体367から立設された連通筒部342と、を備えている。
栓本体367は、内筒部344と、フランジ部345と、外筒部346と、中間筒部347とを備えている(図86等参照)。
内筒部344は、容器本体333の口部333a内に、口部333aとの間に隙間をあけて配置され、有底筒状に形成される。フランジ部345は、内筒部344の上端から径方向の外側に向けて突設され、容器本体333の口部333aの開口端上に配置される。外筒部346は、フランジ部345の外周縁から上方に向けて延設される。中間筒部347は、内筒部344を径方向の外側から囲繞するようにフランジ部345から下方に向けて延設され、容器本体333の口部333a内に液密に嵌合される。
これら、内筒部344、フランジ部345、外筒部346および中間筒部347は、容器軸Oと同軸に配設されている。また外筒部346の下端部には、径方向に貫通し、かつ下方に向けて開口する外気流通孔348が形成されている。
内筒部344の底壁部には、上記の連通筒部342が配設されている。またこの底壁部には、内容器331内および連通筒部342内の双方に開口する貫通孔362が貫設されている。貫通孔362は、例えば容器軸Oを中心として均等に配置された複数の小孔によって構成されている(図86等参照)。
本体筒部材343は、容器軸Oと同軸に配置された有頂筒状に形成されている。この本体筒部材343の周壁部343aの内周面には、容器本体333の口部333aの雄ねじ部349に螺着された雌ねじ部350が形成されている。また周壁部343aのうち、雌ねじ部350が形成されたねじ部分よりも下側に位置する下端部内には、容器本体333の口部333aにおける下筒部338が気密状態で嵌合され、上記ねじ部分よりも上側に位置する上端部内には、中栓部材341の外筒部346が嵌合されている。
吐出キャップ335の天面部351には、インクを吐出する吐出口334が形成されている(図89等参照)。本実施形態のインク補給容器15Mにおいて、この吐出口334は、容器軸Oと同軸となるように形成されているが(図86等参照)、容器軸Oからずれた位置に形成されていてもよい。
さらに、吐出キャップ335の天面部351には、上方に突出する外気導入用突起353が形成され、外気導入用突起353に外気導入孔354が形成されている(図86等参照)。インクが外気導入孔354から吸い込まれるのを回避するため、この外気導入用突起353は、吐出口334からインクを吐出させるためにインク補給容器15Mを傾けて吐出姿勢にした状態で、吐出口334よりも高くなる位置に形成されている(図86等参照)。
例えば本実施形態において、外気導入用突起353は、吐出口334とヒンジ部336aとの間に立設するように形成されて、外気導入孔354は、天面部351よりも高くなる位置に天面部351から空間的距離をおいて配置されている。このため、仮に吐出口334から液垂れしたインクが吐出キャップ335の外面に付着したとしても、液垂れしたインクが外気導入孔354から吸い込まれにくい。また、外気導入孔354は、吐出口334からインクを吐出させるためにインク補給容器15Mを傾けて吐出姿勢にした際、上方に開口した状態、より好ましくは外気導入用突起353の鉛直上方向きに開口した状態となるように形成されている(図86等参照)。
上述した外気導入用突起353の具体的形状は特に限定されないが、例えば本実施形態では、吐出キャップ335の径方向(容器軸Oに垂直な方向)の厚みよりも周方向への長さが長い、吐出口334を中心とした円弧に沿って湾曲した形状に形成されている(図89参照)。
このような形状の外気導入用突起353によれば、液垂れ等して吐出キャップ335の外面に付着したインクが外気導入孔354に近付くのを阻止して外気導入孔354から吸い込まれるのを回避することができる。このような外気導入用突起353は、吐出口334を中心とした円弧に沿って湾曲していることも好ましい。
吐出キャップ335には、被蓋状態時のオーバーキャップ336が係合する係合部352が形成されている。例えば本実施形態では、吐出キャップ335の天面部351の周囲に、径方向に僅かに張り出した段部が形成されており、段部によって、被蓋状態時のオーバーキャップ336が係合する係合部352が形成されている(図86、図89等参照)。
また、天面部351は、平滑に形成されていることが好ましい。例えば本実施形態のインク補給容器15Mにおいては、天面部351のうち、吐出口334が形成されている部位と、外気導入用突起353が形成されている部位とを除く部分が平滑面とされている。この場合、液垂れ等したインクが吐出キャップ335の天面部351に付着したとしても一拭きで拭き取ることができるなど、拭き取りが容易である。
天面部351には、下方に向けて延設され、外径が後述する外嵌筒部360の内径と同等とされる受け筒部355が形成されている。さらに天面部351には、内部が上記吐出口334とされた吐出筒356が貫設されている。
なお、吐出筒356内には、オーバーキャップ336から下方に向けて延設された内シール筒部(シール部)357が嵌合される(図85、図89、図92等参照)。また、内シール筒部357の周囲には、オーバーキャップ336の裏面から下方へ向けて突設された環状突部358が形成されている(図89等参照)。
さらに、オーバーキャップ336には、オーバーキャップ336が吐出キャップ335に装着された状態のとき、外気導入孔354を塞ぐ外気導入孔シール部359が形成されている(図91、図92参照)。インク補給容器15Mの不使用時や搬送時などにおいてオーバーキャップ336を吐出キャップ335に装着した状態としておけば、この外気導入孔シール部359が、外気導入孔354からインクが不意に吸い込まれることを回避する(図91、図92参照)。
ここで中栓部材341と本体筒部材343との間には、中栓部材341の連通筒部342に外嵌された外嵌筒部360が配設されている。外嵌筒部360は、容器軸Oと同軸に配置されており、外嵌筒部360の下端部は、連通筒部342に外嵌されるとともに中栓部材341の内筒部344内に嵌合し、外嵌筒部360の上端部は、本体筒部材343の受け筒部355に外嵌している。
外嵌筒部360の容器軸O方向における中間部分には、径方向の外側に向けて突設された環状の空気弁部361が形成されている(図86、図87参照)。空気弁部361は、弾性変形可能とされ、吸気孔339と外気導入孔354との連通およびその遮断を切り替える。
また中栓部材341には、吐出筒356と内容器331内とを連通する連通凹部363が形成されている。連通凹部363は、連通筒部342の内部により構成され、容器軸Oと同軸に配置されている。これにより、容器軸O方向と、連通凹部363の軸線方向とは一致している。また図示の例では、連通凹部363は、吐出筒356よりも下側、つまり容器軸O方向に沿った内容器331の内側に位置している。さらに連通凹部363の内容積は、吐出筒356の内容積よりも大きくなっている。
中栓部材341の連通筒部342内には、容器軸O方向に沿って摺動可能に嵌合され、容器軸O方向に沿って摺動して連通凹部363を開閉する弁体部364が配設されている。弁体部364は、容器軸Oと同軸に配置された有底筒状に形成され、さらに容器軸O方向の上側端部(上端部)から径方向外方に突設された環状のフランジ部を有する形状に規制されている。
この弁体部364に対し、連通筒部342の環状の上端面が、当該フランジ部と当接して弁体部364を受ける弁座(弁押さえ)として機能する。このとき、弁体部364の外周面と連通凹部363の内周面とが接触しにくい構造としてもよいし、弁体部364の底面が、栓本体367において連通筒部342よりも径方向の内側に位置する部分に当接しないような構造としてもよい。
また、弁体部364の上端は、連通筒部342の上端面に当接するか、あるいは該上端面よりも上側に位置している。そして、図86および図87に示すように、弁体部364の上端には、弁体部364と外嵌筒部360とを連結する連結片365の一端が連結されている。
連結片365は、周方向に間隔をあけて複数、図示の例では3つ設けられており、各連結片365は、周方向に沿って湾曲して延在している。また、連結片365の両端部の容器軸O方向の位置は同等となっている。なお、弁体部364、外嵌筒部360、連結片365および空気弁部361は一体に成形され、連結体368を構成している。
次に、以上のように構成されたインク補給容器15Mの作用について説明する。
図86に示すように、インク補給容器15Mからインクを吐出するときには、まず、吐出キャップ335からオーバーキャップ336を外す。その後、吐出口334が水平面よりも下方を向くようにインク補給容器15Mを傾けて吐出姿勢にした状態で、インク補給容器15Mを径方向の内側に押し込むように加圧してスクイズ変形(弾性変形)させ、内容器331を外容器332とともに変形させ減容させる。
すると、内容器331内の圧力が上昇し、内容器331内のインクが貫通孔362を通して弁体部364を押圧することとなり、連結片365が弾性変形させられて弁体部364が容器軸O方向に沿って内容器331の外側に向けて摺動させられて、連通凹部363が開放される。これにより、内容器331内のインクが、貫通孔362、連通凹部363、外嵌筒部360内および吐出口334を通して外部に吐出される(図86参照)。
その後、インク補給容器15Mの押し込みを停止したり解除したりすることで、内容器331内のインクによる弁体部364への押圧力を弱めると、インク補給容器15Mの弾性復元力により生じる圧力差により、弁体部364が、容器軸O方向に沿って内容器331の内側に摺動する(図87参照)。
このとき図87に示すように、弁体部364が、連通凹部363内に進入すると、弁体部364の外周面が連通凹部363の内周面に摺接して連通凹部363と弁体部364との間の隙間が閉塞される。これにより、本体筒部材343と中栓部材341との間に、内容器331に戻されなかったインクが残存する内空間366が形成される。この内空間366は、吐出口334に連通するとともに弁体部364を画壁の一部とし、弁体部364により連通凹部363との連通が遮断されている。
そして、このように内空間366が形成された後、弁体部364が継続して連通凹部363内を容器軸O方向に沿って摺動すると、摺動に伴って内空間366の内容積が増大することとなる。これにより、吐出口334内のインクを内空間366内に引き込むことが可能になり、吐出口334内に外部から空気Aを吸引することができる。
ここで、弁体部364により連通凹部363が閉塞された状態で容器本体333の押圧を解除すると、内容器331が減容変形したまま外容器332が復元変形しようとする。このとき、内容器331と外容器332との間に負圧が発生し、この負圧が、吸気孔339を通して空気弁部361に作用することにより、空気弁部361が開状態となる。
すると、外気導入孔354、外気流通孔348、連通溝340および吸気孔339を通して外容器332と内容器331との間に外気が吸入される(図87参照)。そして、外容器332と内容器331との間の内圧が大気圧まで上昇すると、空気弁部361が復元変形して吸気孔339と外部とを遮断する。これにより、インクの吐出後に内容器331の減容形状が保持される。
この状態から、再び容器本体333の外容器332をスクイズ変形させると、空気弁部361は遮断状態とされていることから外容器332と内容器331との間の内圧が正圧となり、この正圧によって内容器331が減容変形され、前述の作用によりインクが吐出される。
なお、インクを吐出した後、弁体部364により連通凹部363が閉塞される前に、インク補給容器15Mの押し込みを停止するだけでなく解除もした場合、内容器331が外容器332に追従して復元変形しようとする。すると、内容器331内の圧力が低下し負圧が生じることとなり、この負圧が弁体部364に作用することで、弁体部364が、容器軸O方向に沿って内容器331の内側に向けて円滑に摺動させられることとなる。
第14実施形態によれば以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態のインク補給容器15Mによれば、インクの吐出後、吐出口334内のインクを内空間366内に引き込んで、吐出口334内に外部から空気Aを吸引することができるので、内容器331に戻されなかったインクが吐出口334内に残存するのを抑えることが可能になる。これにより、インクの吐出後、インクが吐出口334から漏出するのを抑制することができる。
(2)本実施形態のインク補給容器15Mによれば、貫通孔362が、連通凹部363よりも小径なので、弁体部364が、意図せずに上記の軸線方向に沿った内容器331の内側に変位しようとしても、弁体部364のフランジ部が、栓本体367において連通筒部342の環状の上端面に当接することとなり、弁体部364の前述の変位を規制することができる。
(3)本実施形態のインク補給容器15Mによれば、インク補給容器15Mの未操作時に、弁体部364が栓本体367に当接している場合には、弁体部364により連通凹部363と貫通孔362との連通を遮断することができる。さらにこの場合、前述のようにインクを吐出して上記の内空間366が形成された後、弁体部364が復元変位するときに、弁体部364が、連通凹部363内を容器軸O方向の全長にわたって摺動することができる。これにより、内空間366の内容積を確実に増大させることが可能になり、前述の作用効果を顕著に奏功させることができる。
(4)本実施形態のインク補給容器15Mによれば、オーバーキャップ336に内シール筒部357が設けられているので、オーバーキャップ336を閉じた状態で吐出口334からインクが不意に漏出するのを抑制することができる。また前述のように、インクの吐出後、内容器331に戻されなかったインクが吐出口334内に残存し難くなっているので、インクの吐出後にオーバーキャップ336を吐出キャップ335に装着させ、内シール筒部357を吐出口334内に嵌合させたときに、内シール筒部357によりインクが吐出口334から外部に押し出されたり、内シール筒部357にインクが付着したりするのを抑制することができる。
(5)本実施形態のインク補給容器15Mによれば、インクと空気とが触れることを極力抑制することができ、インクの脱気を維持することができる。従って、インク噴射システム1(プリンター2)において、記録ヘッド8からインクを吐出する際、ノズル内に気泡が入り空吐出となる所謂ノズル抜けを防止することができる。
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。以下に変形例を示す。
〔変形例〕
第13実施形態の変形例を図94、図95に示す。
この変形例では、内容器331内に予め気体を収容して気体スペースSを形成している。この気体スペースSにおける気体はインクよりも圧縮されやすいので、特にインクが少なくなった段階において、作業者がインクを使い切ろうとしてインク補給容器15Mを加圧した際(スクイズ変形させた際)、インクをより効果的に吐出させるよう作用する。
ここで、気体スペースSの作用について説明する。
気体はインクよりも比重が軽いことから、吐出キャップ335が上を向くようにインク補給容器15Mが置かれた通常状態において、気体スペースSは、インクよりも鉛直方向上方のヘッドスペースとして存在している(図95等参照)。ここで、吐出口334が水平面よりも下方を向くようにインク補給容器15Mを傾けて吐出姿勢にすると、気体スペースSはインク補給容器15Mの底部へ向け内容器331内を移動する。このような吐出姿勢にて作業者がインク補給容器15Mを加圧すると、吐出口334からインクのみが吐出され、気体スペースSを形成する気体は内容器331内に残る。
このインク補給容器15Mにおいては、インクが少なくなるにつれ、インクの残量に対する気体スペースSの割合が大きくなるため、加圧時に圧縮された気体スペースSによるインクの押し出し作用(吐出させる作用)が大きくなる。従って、特にインクが少なくなった段階において、加圧されて圧縮された気体スペースSはインクをより効果的に押し出し吐出させるように作用する。また、最終的には、気体スペースSの気体がインクの代替として内容器331内に残る。従って、インク補給容器15Mによればインクのすべてを吐出させやすく、残留量を従来よりも少なくすることが可能である。
気体は、吐出口334からインクを吐出させるためにインク補給容器15Mを傾けて吐出姿勢にした際、内容器331内を速やかに移動するものであることが好ましい。この場合の気体の移動速度は、気体の容量、内容器331の形状等によって変わりうるが、大きくはインクの粘度に影響される。インクのすべてを吐出させやすくして残留量を少なくするという観点からすれば、インクの粘度は、気体がある速やかに移動しうる範囲内のものであることが好ましい。なお、気体は、窒素ガスなど、インクを酸化させる等の反応性が低いものであることが好ましい。
1…インク噴射システム、2…プリンター、9…インクタンク、11…インク注入部、15…インク補給容器、16…容器、18…容器口部。
15A…インク補給容器、102…ノズル部、103…口部、104…肩部、105…胴部、107…薄肉部、108…厚肉部。
15B…インク補給容器、201…口部、203,250…キャップ、220…凹凸部、223a…塞き止め面、X…注ぎ口。
15C…インク補給容器、300…キャップ、305…注出部、311…微細溝、Y…流れ方向。
15D…インク補給容器、400…キャップ、401…容器、402…口筒部、410…キャップ本体、412…頂壁、413…取付部、416…ノズル、416A…ノズル基端、416a…内縁部、416B…ノズル先端、416b…外縁部、420…蓋体、422…天壁部、423…裏面、425…封止周壁、426…環状外リブ、427…環状内リブ、440…シール材、B…係合手段。
15E…インク補給容器、501…容器、502…キャップ、503…環状シール体、512…口部突端、521…天面壁、522…周壁、531…メインコンタクト、532…サブコンタクト。
15F…インク補給容器、601…容器本体としてのボトル、602…中栓、603…中栓の側面、606…噴水状形状、607…終端部としてのエッジ部、611…容器開口部としての口部。
15G…インク補給容器、700…キャップ、710…キャップ本体、713…天板、714…注出孔、715…注出口部、716…第1リング状突起、717…第2リング状突起、720…蓋部、721…嵌挿部、730…ヒンジ。
15H…インク補給容器、811…容器本体、812…口首部、814…ノズルキャップ、815…ノズル部、815a…先端吐出口、815b…吐出ガイド流路、815c…流入口、816a…閉塞板部、817…突起。
15I…インク補給容器、910…キャップ、910a…天面部、912…容器本体、912a…口首部、912b…胴部、913a…吐出口、914…トラップルーム、915…有底筒体、915a…底部、916…注出口、917…流入流出口、918…上げ底部、919…注出ノズル。
15J…インク補給容器、950…キャップ、950a…天面部、952…容器本体、952a…口首部、952b…胴部、953a…吐出口、954…トラップルーム、955…有底筒体、955a…底部、956…注出口、957…流入流出口、958…傾斜面、959…注出ノズル。
15K…インク補給容器、130…キャップ、140…キャップ部、170…中栓、172…第1注出口、173…第2注出口、180…逆止弁、181…基部、182…第1開閉弁、183…第2開閉弁、184…第1屈曲部、185…第2屈曲部、190…容器、192…口部としての口筒部。
15L…インク補給容器、622…容器、623…口部としてのネック部、625…ノズル、628…ノズルの壁、626…流路、632…延長部(先端延長部)、633…壁の内面、638…吐出口、640…流れの方向、642…導入口、685…液案内面。

Claims (14)

  1. インクを収納する胴部と、該胴部の先端に設けられる肩部と、該肩部に連続する口部とを備え、
    前記胴部には薄肉部が形成され、前記口部から上方にノズル部が形成されていることを特徴とするインク補給容器。
  2. 請求項1に記載のインク補給容器であって、
    前記肩部の直下付近の前記胴部には前記薄肉部が形成され、前記薄肉部の下方の前記胴部には厚肉部が形成されていることを特徴とするインク補給容器。
  3. 請求項1または請求項2に記載のインク補給容器であって、
    前記インク補給容器は、チューブ容器であることを特徴とするインク補給容器。
  4. インクが充填される容器と、該容器の口部に装着されるキャップとを備え、
    前記容器に充填されている前記インクを注ぎ出すときの注ぎ口となる部分が微細な凹凸部を有しており、該凹凸部には、注ぎ出される前記インクの流れを塞き止めるように延びている塞き止め面が形成されていることを特徴とするインク補給容器。
  5. 注出部に流れ方向の多条の微細溝を有するキャップを備えていることを特徴とするインク補給容器。
  6. 容器の口筒部に対して打栓による取り付けを可能とする取付部及びインクを注出する中空状のノズルを頂壁に備えたキャップ本体と、
    ノズル先端に剥離可能に接着されたシール材と、
    前記ノズルを備えた前記頂壁を被嵌する有頂筒状の蓋体と、
    前記蓋体が前記キャップ本体を被嵌する状態を維持する係合手段と、を有する合成樹脂製のキャップを備え、
    前記蓋体の天壁部の裏面に、ノズル基端に外側から当接して封止する円筒状の封止周壁と、
    前記ノズル先端の外縁部に対向してこの間の流路面積を規制する環状外リブと、
    前記ノズル先端の内縁部に対向してこの間の流路面積を規制する環状内リブと、を備えていることを特徴とするインク補給容器。
  7. 容器の口部突端上に位置する天面壁と、該天面壁の縁部に一体的につながり前記容器の口部側壁を全周にわたって取り囲む周壁とからなり、該周壁の内面を前記口部側壁に連係させて前記容器を密封保持するキャップを備え、
    前記天面壁には、前記容器の前記口部突端に弾性接触してその相互間を液密状態に保持する環状シール体が設置され、
    前記環状シール体は、前記天面壁の裏面に直接形成されるメインコンタクトと、該メインコンタクトに設けられ、該メインコンタクトとともに前記容器の前記口部突端に弾性接触するサブコンタクトと、からなることを特徴とするインク補給容器。
  8. インクを収容した容器本体と、前記容器本体の一端部に形成された容器開口部に圧嵌される中栓とを備え、
    前記容器開口部に流量を制限する前記中栓を嵌合するが、前記中栓の上部が窄まった形状を成し、その窄まった部分の前記インクを排出させる前記中栓の天面の形状が、噴水状形状を成すことにより、排出を終え前記容器本体を正立の状態に戻す時に排出される前記インクが前記噴水状形状の終端部で断ち切られ、前記中栓の側面を前記インクが伝って流れることはないことを特徴とするインク補給容器。
  9. 天板に注出口部を有するキャップ本体に、前記注出口部の注出孔を封止する嵌挿部を有する蓋部が、ヒンジを介して連結されたキャップを備え、
    前記キャップ本体の前記注出口部は、前記注出孔を内面とする第1リング状突起と、前記第1リング状突起の外側に設けられた第2リング状突起とからなることを特徴とするインク補給容器。
  10. 傾倒させることでインクを吐出させるスクイズ操作が可能な容器本体の口首部に、ノズルキャップが取り付けられたノズルキャップ付きのインク補給容器であって、
    前記ノズルキャップのノズル部は、キャップ本体の閉塞板部によって支持されて、前記口首部の内周面から離間した状態で、当該口首部の軸方向に沿って、前記閉塞板部から吐出方向前方側に延設して設けられていると共に、前記インクを案内して先端吐出口から吐出させる吐出ガイド流路を内部に備え、
    前記閉塞板部には、前記吐出ガイド流路への流入口の周囲に、複数の突起が、前記閉塞板部から吐出方向後方側に突出して設けられていることを特徴とするインク補給容器。
  11. スクイズ変形可能なプラスチックからなる容器本体の口首部に取り付けて用いられ、該容器本体の胴部のスクイズ変形により注出ノズルの先端の吐出口からインクを吐出させるスクイズ容器用のキャップを備え、
    前記キャップの前記注出ノズルが立設する天面部の下面側に、中空の有底筒体による液溜め用のトラップルームが設けられ、
    前記有底筒体の底部には、前記容器本体と前記トラップルームとの間の前記インクの流入口及び流出口を兼ねる流入流出口が開口形成され、
    前記有底筒体の前記底部には、前記注出ノズルへの注出口の直下部分を含む領域において底面よりも高くなった上げ底部が形成されていることを特徴とするインク補給容器。
  12. スクイズ変形可能なプラスチックからなる容器本体の口首部に取り付けて用いられ、該容器本体の胴部のスクイズ変形により注出ノズルの先端の吐出口からインクを吐出させるスクイズ容器用のキャップを備え、
    前記キャップの前記注出ノズルが立設する天面部の下面側には、中空の有底筒体による液溜め用のトラップルームが設けられ、
    前記有底筒体の底部には、前記容器本体と前記トラップルームとの間の前記インクの流入口及び流出口を兼ねる前記注出ノズルへの注出口の開口面積の25〜300%の開口面積を有する流入流出口が開口形成され、
    前記有底筒体の前記底部には、前記容器本体の正立状態において前記流入流出口に向って下り勾配で傾斜する傾斜面が形成されていると共に、前記底部の最下部には、前記流入流出口が開口していることを特徴とするインク補給容器。
  13. 容器の口部に配置される逆止弁付きのキャップを備え、
    前記キャップは、キャップ部と、中栓と、前記中栓に装着される逆止弁とを備え、
    前記中栓には、少なくとも第1注出口と第2注出口とが形成され、
    前記逆止弁は、前記中栓に装着される基部と、前記第1注出口を外側から開閉可能に塞ぐ第1開閉弁と、前記第2注出口を外側から開閉可能に塞ぐ第2開閉弁と、前記基部および前記第1開閉弁の間に形成された第1屈曲部と、前記基部および前記第2開閉弁の間に形成された第2屈曲部とを備え、
    前記第1屈曲部は、前記第2屈曲部よりも低い強度を有することを特徴とするインク補給容器。
  14. 容器の口部に配設されてインクの注出を案内するサックバック機能を有するノズル、および前記ノズルの壁の壁内面によって区画されて形成され、前記インクの流れを予定された流れの方向に案内して流通させる流路を有し、
    前記流路は、
    前記ノズルの先端に有する前記流れの方向に垂直な吐出口と、
    前記ノズルの後端に有する前記容器の内部と連通する導入口と、
    前記ノズルの注出姿勢において前記吐出口の前記インクが流れ落ちる下端の上方に前記壁内面に連続する液案内面を先細状に前記流れの方向若しくは前記流れの方向よりも前記下端寄りの方向に沿って前記吐出口から延長させた延長部と、
    を備えていることを特徴とするインク補給容器。
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