JP2018062009A - 主軸ユニット及び工作機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワーク排出部材のストローク量を精度良く調整することができる主軸ユニットを提供する。【解決手段】第2の主軸ユニット70は、ワークWを把持しつつ回転させる第2の主軸71と、ワーク排出用サーボモータ74と、ワーク排出用サーボモータ74による回転運動を直線運動に変換する変換機構80と、変換機構80を通じて直線運動することでワークWを第2の主軸71から押し出すワーク排出部材75と、ワーク排出用サーボモータ74を制御することで、ワークWの長さに応じたワーク排出部材75のストローク量Stを設定する制御部と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、主軸ユニット及び工作機械に関する。
従来から、ワークを加工する旋盤等の工作機械が知られている。例えば、特許文献1に記載の工作機械は、ワークを把持する主軸と、主軸に把持されるワークを加工後等に主軸の前方へ押し出すためのワーク排出部材と、ワーク排出部材をストロークさせるエアシリンダと、を備える。
特開2009−172725号公報
ところで、長さが異なる複数のワークを加工する際、その長さに合わせてワーク排出部材のストローク量を変更する必要がある。しかし、上記特許文献1の工作機械では、エアシリンダによりワーク排出部材を動作させているため、ワーク排出部材を途中で停止させることが困難であった。このため、ワーク排出部材におけるストローク量をワークの長さに合わせて精度良く調整することが困難であった。
本発明は、上記実状を鑑みてなされたものであり、ワーク排出部材のストローク量を精度良く調整することができる主軸ユニット及び工作機械を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る主軸ユニットは、ワークを把持しつつ回転させる主軸と、ワーク排出用モータと、前記ワーク排出用モータによる回転運動を直線運動に変換する変換機構と、前記変換機構を通じて前記直線運動することで把持された前記ワークを前記主軸から押し出すワーク排出部材と、前記ワーク排出用モータを制御することで、前記ワークの長さに応じたストローク量にて前記ワーク排出部材を移動させる制御部と、を備える。
また、上記主軸ユニットにおいて、前記ワーク排出部材は内部に流体が通る孔を有する筒状に形成され、前記主軸ユニットは前記ワーク排出部材の前記孔に流体を供給する流体供給部を備える、ようにしてもよい。
また、上記主軸ユニットにおいて、前記変換機構は、前記ワーク排出用モータにより軸回転し、前記ワーク排出部材と平行をなすボールねじと、前記ボールねじの外周に嵌め込まれたボールねじナットと、前記ボールねじナットと一体で移動するロッドと、前記ロッドと前記ワーク排出部材とを連結する連結部と、を備える、ようにしてもよい。
また、上記主軸ユニットにおいて、前記制御部は、前記主軸を通じて前記ワークを把持する際、前記ワーク排出部材を前記ワークの端面に当接させることで、前記ワーク排出部材を前記ワークのストッパとして機能させる、ようにしてもよい。
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る工作機械は、上記主軸ユニットと、前記主軸ユニットにより回転される前記ワークに接することで前記ワークを加工する工具と、を備える。
本発明によれば、ワーク排出部材のストローク量を精度良く調整することができる。
本発明の一実施形態に係る工作機械を模式的に示す正面図である。 本発明の一実施形態に係る図1のA−A線断面図である。 本発明の一実施形態に係る図1の範囲Bの拡大図である。 本発明の一実施形態に係るワークが排出される際の図1の範囲Bの拡大図である。 本発明の一実施形態に係る図2の範囲Cの拡大図である。 本発明の一実施形態に係るワークを加工するための制御部の処理手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態に係る工作機械について、図面を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、工作機械1は、円柱状の被加工物であるワークWの前面及び背面を加工する旋盤である。以下では、加工中のワークWの回転軸に沿った方向を「Z軸方向」といい、そのZ軸方向に直交する鉛直方向を「Y軸方向」といい、Y軸及びZ軸方向に垂直な方向を「X軸方向」という。
(工作機械1の構成)
工作機械1は、工作機械1全体の台であるベッドSと、第1の主軸ユニット10と、第1の工具ユニット55を有する工具移動機構40と、第2の工具ユニット20と、第2の主軸ユニット70と、ローダユニット90と、ワークコンベア97と、制御部300と、操作部301と、を備える。
第1の主軸ユニット10は、ワークWを把持しつつ回転させる。具体的には、第1の主軸ユニット10は、図1に示すように、第1の主軸11と、第1の主軸11を回転可能に支持する第1の主軸台12と、第1の主軸台12をZ軸方向に移動させる第1Z軸スライド機構15と、を備える。
第1の主軸11は、図2に示すように、ワークWをその側周面から把持するチャック(図示せず)を備える。第1の主軸台12には、ワーク回転用モータ(図示せず)が内蔵されている。このワーク回転用モータは、第1の主軸11及び第1の主軸11に把持されるワークWを一体で軸回転させる。なお、第1の主軸11には、そのチャックと反対側から図示しないパーツフィーダを通じて加工前のワークWが供給される。
第1Z軸スライド機構15は、図1に示すように、ベッドS上に位置する軸受部15aと、軸受部15aに軸支されてZ軸方向に伸びるボールねじ15bと、ボールねじ15bを回転させるZ軸モータ15cと、ボールねじ15bに螺合するZ軸ボールねじナット部15dと、を備える。Z軸ボールねじナット部15dには、第1の主軸台12が連結されている。
Z軸モータ15cが駆動することで、ボールねじ15bが回転し、これにより、Z軸ボールねじナット部15dは第1の主軸ユニット10とともにZ軸方向に移動する。従って、第1の主軸ユニット10は、ワークWを軸回転させながらワークWをZ軸方向に移動させることができる。
工具移動機構40は、ワークWを加工するための工具群55aをX軸方向及びY軸方向に移動させるための機構である。具体的には、工具移動機構40は、図1及び図2に示すように、ベッドSに固定された固定台41と、固定台41に取り付けられたX軸移動部42と、X軸移動部42に取り付けられたY軸移動部43と、を備える。固定台41には、Z軸方向に貫通する空洞部41hが設けられている。空洞部41hには、第1の主軸ユニット10の第1の主軸11が挿通可能である。
Y軸移動部43は、図1に示すように、X軸移動部42に設けられる軸受部43aと、軸受部43aに軸支されてY軸方向に伸びるボールねじ43bと、ボールねじ43bを回転させるY軸モータ43cと、ボールねじ43bに螺合するY軸スライド部43dと、を備える。Y軸モータ43cが駆動することで、ボールねじ43bが回転し、これにより、Y軸スライド部43dはY軸方向に移動する。
X軸移動部42は、Y軸移動部43と同様に、図2に示すX軸モータ42c、何れも図示されない軸受部、ボールねじ、及びボールねじナット部を備える。このボールねじはX軸方向に延び、このボールねじナット部はY軸移動部43とともにX軸方向に移動可能である。
Y軸スライド部43dには、第1の工具ユニット55が固定されている。第1の工具ユニット55は、工具保持部55bと、工具保持部55bに保持される工具群55aと、を備える。工具群55aは、バイト又はドリルから構成されている。工具群55aは、X軸方向に沿い、かつ、その刃先が第1の主軸11に把持されるワークWの側周面に向かうように工具保持部55bによって把持される。X軸移動部42及びY軸移動部43により、工具群55aを回転するワークWに接触させることでワークWを切削することができる。
第2の主軸ユニット70は、図1に示すように、Z軸方向に第1の主軸ユニット10と向かい合う位置に設けられている。
第2の主軸ユニット70は、図3に拡大して示される、第2の主軸71と、第2の主軸台72と、ワーク回転用モータ73と、ワーク排出用サーボモータ74と、ワーク排出部材75と、ブラケット76と、変換機構80と、2つの軸受77a,77bと、3つのブッシュ77c,77d,77eと、パイプ78と、ボルト79a,79b,79cと、図1に示される、第2Z軸スライド機構175と、X軸スライド機構176と、を備える。
図1に示すように、第2Z軸スライド機構175及びX軸スライド機構176は、それぞれ上述した第1Z軸スライド機構15と同様に構成される。第2Z軸スライド機構175は、X軸スライド機構176及び第2の主軸ユニット70をZ軸方向に移動させる。X軸スライド機構176は、第2の主軸ユニット70をX軸方向に移動させる。従って、第2Z軸スライド機構175及びX軸スライド機構176により、第2の主軸ユニット70をZ軸方向及びX軸方向に沿う水平方向に移動させることができる。
図3に示すように、第2の主軸台72は中空の略円筒状に形成されている。第2の主軸71は、略円筒状をなすとともに、その先端側が第2の主軸台72から露出するように第2の主軸台72内に収容されている。第2の主軸71は、その先端側に位置するワークWを側周面から把持するチャック71aと、チャック71aを閉じたり開いたりさせるスリーブ71bと、ワークWを保持するガイド71cと、を備える。ワーク回転用モータ73は、第2の主軸台72内における第2の主軸71の外周に位置する。このワーク回転用モータ73は、第2の主軸71及び第2の主軸71に把持されるワークWを一体で軸回転させる。
なお、第2の主軸ユニット70におけるチャック71a側が前側であり、その前側と反対側が後側である。
第2の主軸台72の後側には、ボルト79cを介してブラケット76が固定されている。ブラケット76は、後側の径が小さくなるように、径の異なる2つの円筒が連結された形状をなす。ブラケット76の内周には、略円筒状のブッシュ77eが設けられている。また、ブッシュ77eの内周には、ブッシュ77eよりも長いパイプ78が設けられている。ブッシュ77eにはすり割りが形成され、断面C字状に形成される。また、ブラケット76には、その径方向に延びるボルト79a,79bが挿通される。ボルト79a,79bにより、ブッシュ77eの外周が押されることで、ブッシュ77eは、その径が縮小することでパイプ78を把持する。パイプ78の後側はブッシュ77eにより把持され、パイプ78の前側は第2の主軸71内に位置する。
ワーク排出部材75は、その長手方向に沿って移動可能に、パイプ78内に挿通されている。ワーク排出部材75は、イジェクタ75aと、プッシャ75bと、を備える。
プッシャ75bは、内部に流体が通る孔75b1を有する円筒状に形成され、パイプ78内に設けられている。パイプ78内には、2つのブッシュ77c,77dが固定されている。2つのブッシュ77c,77dは、パイプ78の内周面とプッシャ75bの外周面との間に位置する。これにより、プッシャ75bはその長手方向に沿ってパイプ78内で安定的に移動可能となる。
イジェクタ75aは、プッシャ75bと同軸をなすように、プッシャ75bの前端部に連結されている。イジェクタ75aは、内部に流体が通る孔75a1を有する円筒状をなす。ワーク排出部材75の移動に伴い、イジェクタ75aは、その前端面にてワークWの後端面を押すことができる。イジェクタ75aの孔75a1は、プッシャ75bの孔75b1に連通している。孔75a1,75b1内を通った流体はイジェクタ75aの前端面から放出される。
図5に示すように、ワーク排出用サーボモータ74は、交流電流を受けて回転する出力軸74aと、レゾルバ又はエンコーダ等の検出器74bと、を備える。制御部300は、ワーク排出用サーボモータ74について、検出器74bの検出結果に基づき出力軸74aの回転を制御するフィードバック制御を行う。
変換機構80は、ワーク排出用サーボモータ74の出力軸74aの回転運動を直線運動に変換する機構である。詳しくは、変換機構80は、図5に示される、第1のプーリ81aと、第2のプーリ81bと、ベルト81cと、ボールねじ82と、ボールねじナット83と、ロッド84と、連結部の一例である連結プレート85と、シリンダ86と、パッキン87aと、軸受87bと、ブッシュ87cと、ボルト87dと、図3に示される、ポンプ88と、ブロック89と、を備える。
図5に示すように、第1及び第2のプーリ81a,81bはそれぞれ平歯車から構成される。ベルト81cは、第1及び第2のプーリ81a,81b間で回転力を伝達するべく、第1及び第2のプーリ81a,81bの間に掛け渡されている。第1のプーリ81aは、ワーク排出用サーボモータ74の出力軸74aに連結され、出力軸74aの回転に伴い回転する。第2のプーリ81bは、自身の回転に伴いボールねじ82が軸回転するようにボールねじ82に連結されている。シリンダ86は、円筒状をなし、ボールねじ82が挿通される。軸受87bは、シリンダ86内に位置して、ボールねじ82を回転可能に支持する。ボールねじナット83は、シリンダ86内に位置し、ボールねじ82の外周に螺合される。ボールねじナット83は、ボールねじ82の軸回転によりシリンダ86の内周面に擦れつつZ軸方向に移動する。
ロッド84は、中空の略円筒状をなし、ボールねじ82の後端面に連結されている。ロッド84は、シリンダ86の後端側から延び出る。ロッド84内には、ボールねじ82の先端が位置する。パッキン87aは、シリンダ86の内周面とロッド84の外周面との間に位置し、シリンダ86の内周面に固定されている。ロッド84が移動する際、パッキン87aはロッド84の外周面に摺動する。ボールねじ82の先端側にはブッシュ87cが嵌め込まれている。ロッド84が移動する際、ブッシュ87cはロッド84の内周面に摺動する。パッキン87a及びブッシュ87cにより、ロッド84の安定的な移動が可能となる。
図3に示すように、連結プレート85は、ロッド84の後端とワーク排出部材75の後端とを連結する。このとき、ロッド84とワーク排出部材75は平行をなす。この連結プレート85により、ロッド84とワーク排出部材75が一体で動く。
ブロック89は、直方体で形成されるとともに、連結プレート85にボルト87dを介して固定されている。ブロック89には流体通路89aが形成されている。流体通路89aの一端はブロック89の下面に位置し、流体通路89aの他端はブロック89の前面に位置する。プッシャ75bの後端は、ブロック89を介して連結プレート85に固定されている。プッシャ75bの後端は、流体通路89aのうちブロック89の前面側の端部に嵌め込まれている。
ポンプ88は、流体供給管88aを備え、その流体供給管88a内に流体を供給する。流体供給管88aの端部は流体通路89aのうちブロック89の下面側の端部に嵌め込まれている。ポンプ88により供給される流体は、流体供給管88a、流体通路89a、ワーク排出部材75の孔75a1,75b1を経て、イジェクタ75aの前端から排出される。流体は、空気又は液体である。
図2に示すように、ローダユニット90は、把持部91を備えるアーム部92と、アーム部92を回転可能に支持する本体部93と、を備える。把持部91は、アーム部92の一端に位置し、ワークWを把持し、把持したワークWを離すことができる。本体部93は、アーム部92の他端側を通る回転軸Oを中心に、アーム部92を回転させる。よって、本体部93は、把持部91を、第2の主軸ユニット70のチャック71aに対応する位置と、ワークコンベア97に対応する位置との間で変位させることができる。
図2に示すように、第2の工具ユニット20は、第2の主軸ユニット70に把持されたワークWの前端側を加工するものである。第2の工具ユニット20は、ベッドS上に固定された工具保持部21と、工具保持部21に保持される工具群22と、を備える。工具群22はバイト又はドリルから構成されている。工具群22のうち一部の工具の先端は、Z軸方向における後端側に向けて突出する。工具群22のうち他の工具の先端は、X軸方向における第2の主軸71側に向けて突出する。工具保持部21は、工具群22の各工具を回転させる図示しないモータを備えていてもよい。
図1に示すように、操作部301は、作業者によって操作され、その操作信号を制御部300に出力する。作業者は、操作部301を通じて、加工に係るワークWの長さを設定する。
制御部300は、工作機械1の各部の動作を制御するものであり、例えば、図示しないCPU(Central Processing Unit)、CPUによる処理の手順を定義したプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)等を備える。制御部300は、数値制御(NC(Numerical Control))によって、第1の主軸ユニット10をZ軸方向に移動させ、工具移動機構40をX軸方向及びY軸方向に移動させ、第2の主軸ユニット70をX軸方向及びZ軸方向に移動させ、ワーク排出部材75をZ軸方向に移動させる。
具体的には、制御部300は、ワーク排出用サーボモータ74を制御することで、ワーク排出部材75の位置を制御する。例えば、制御部300は、操作部301からの操作信号を受けて、加工に係るワークWの長さを認識し、そのワークWの長さに応じたストローク量Stを認識する。例えば、ストローク量Stは、図3に示すように、ワークWの長さよりもワークWが第2の主軸71から露出する長さL分だけ短く設定されている。よって、ワークWの長さが長くなるほどストローク量Stも長くなる。そして、制御部300は、第2の主軸ユニット70を通じてローダユニット90からワークWを受け取る際、ワーク排出部材75の前端をストローク量Stの後端位置Peに停止させる。このとき、ワーク排出部材75の前端は、第2の主軸71により把持されるワークWの後端に当接する。このため、ワーク排出部材75はワークWの後端側への移動を制限するストッパとして機能する。制御部300は、図4に示すように、第2の主軸ユニット70からワークWを排出する際、ワーク排出部材75を後端位置Peからストローク量Stだけ前進させて、ワーク排出部材75の前端をストローク量Stの前端位置Psに停止させる。これにより、第2の主軸71からワークWがワーク排出部材75により押し出される。制御部300は、ワークWを排出した後、ワーク排出部材75をストローク量Stの後端位置Peに戻す。
以上のように、制御部300は、ワークWを加工するにあたって、ストローク量Stにおける後端位置Peと前端位置Psの間でワーク排出部材75を往復移動させる。
(工作機械1の動作手順)
次に、工作機械1の動作手順について図6のフローチャートを参照しつつ説明する。このフローチャートは、制御部300に記憶されるプログラムに基づき制御部300によって実行される。
まず、第1の主軸ユニット10は、図示しないパーツフィーダから受け取ったワークWを加工する(S101)。具体的には、制御部300は、ワークWを把持する第1の主軸11を軸回転させつつ、Y軸移動部43及びX軸移動部42を介して工具群55aをワークWの前面側に接触するように移動させる。これにより、ワークWの前面側が切削される。
次に、第2の主軸ユニット70は、そのチャック71aが第1の主軸11にZ軸方向に対向する位置に移動し、第1の主軸ユニット10による加工が完了したワークWを第1の主軸ユニット10から受け取る(S102)。この際、ワーク排出部材75の前端がストローク量Stの後端位置Peに位置するため、ワーク排出部材75がワークWのストッパとして機能する。そして、第2の主軸ユニット70は、第2Z軸スライド機構175及びX軸スライド機構176により、第2の主軸ユニット70が保持するワークWを第2の工具ユニット20の工具群22の何れかの工具に接触する位置まで移動させる。そして、第2の主軸ユニット70は、ワーク回転用モータ73の駆動を通じてワークWを把持する第2の主軸71を回転させることで、ワークWの背面側を加工する(S103)。
次に、第2の主軸ユニット70は、ローダユニット90の把持部91にワークWを渡す(S104)。この際、図3及び図4に示すように、制御部300による制御のもと、チャック71aがワークWから外れた状態で、ワーク排出用サーボモータ74が駆動されることで、ワーク排出部材75の前端を後端位置Peからストローク量Stだけ前進させて、ワーク排出部材75の前端をストローク量Stの前端位置Psに停止させる。ワークWが排出された後、ポンプ88はイジェクタ75aの前端から流体をチャック71a内に供給する(S105)。これにより、チャック71aに付着した切粉が吹き飛ばされる。
そして、ローダユニット90は、ワークWをワークコンベア97に排出する(S106)。この際、ローダユニット90は、第2の主軸ユニット70からワークWを把持部91を通じて受け取った後に、アーム部92を回転させて、アーム部92の把持部91をワークコンベア97の直上に移動させ、その位置にて把持部91からワークWを離す。このワークWは重力によりワークコンベア97に落ちて、その後、ワークWはワークコンベア97により工作機械1の外部に排出される。
以上で、工作機械1による1つのワークWの加工が完了する。複数のワークWの加工を行うべく、図6のフローチャートに係る処理が繰り返される。
(効果)
以上、説明した一実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)第2の主軸ユニット70は、ワークWを把持しつつ回転させる第2の主軸71と、ワーク排出用サーボモータ74と、ワーク排出用サーボモータ74による回転運動を直線運動に変換する変換機構80と、変換機構80を通じて直線運動することでワークWを第2の主軸71から押し出すワーク排出部材75と、ワーク排出用サーボモータ74を制御することで、ワークWの長さに応じたワーク排出部材75のストローク量Stを設定する制御部300と、を備える。
この構成によれば、ワーク排出部材75を直線運動させるためにワーク排出用サーボモータ74が採用されることで、エアシリンダ等が採用される場合に比べて、ワーク排出部材75のストローク量Stを精度良く調整することができる。
また、ワーク排出部材75は、ストローク量Stを精度良く調整できるため、長さの異なるワークWを確実に排出することができる。よって、異なる長さのワークWを同一の工作機械1にて加工することができる。
また、機械的にストッパを配置してストローク量Stを調整する構成と異なり、ストローク量Stを手動にて調整する必要がなく、迅速にストローク量Stを調整することができる。
また、第2の主軸ユニット70において、ワーク排出用サーボモータ74が採用されることで、エアシリンダ等が採用される場合に比べて、ワーク排出部材75の移動速度を高めることができる。よって、ワークWの加工時間を短くすることができる。
(2)ワーク排出部材75は内部に流体が通る孔75a1,75b1を有する筒状に形成される。第2の主軸ユニット70はワーク排出部材75の孔75a1,75b1に流体を供給する流体供給部の一例であるポンプ88を備える。
この構成によれば、ポンプ88を通じて、ワーク排出部材75の前端からチャック71aに流体が供給される。これにより、チャック71aに付着した切粉が吹き飛ばされる。よって、ワークWの加工精度を高めることができる。
また、ワーク排出部材75の前端位置をチャック71aの近傍に精度良く設定することができる。このため、チャック71aに付着した切粉を効率的に吹き飛ばすことができる。
(3)変換機構80は、ワーク排出用サーボモータ74により軸回転し、ワーク排出部材75と平行をなすボールねじ82と、ボールねじ82の外周に嵌め込まれたボールねじナット83と、ボールねじナット83と一体で移動するロッド84と、ロッド84とワーク排出部材75とを連結する連結部の一例である連結プレート85と、を備える。
上記のように変換機構80を構成することで、ワーク排出部材75の長手方向における第2の主軸ユニット70のサイズをよりコンパクトに構成することができる。
(4)制御部300は、第2の主軸71を通じてワークWを把持する際、ワーク排出部材75をワークWの端面に当接させることで、ワーク排出部材75をワークWのストッパとして機能させる。
この構成によれば、ワーク排出部材75に、2つの機能、すなわちワーク排出機能とストッパ機能とを持たせることができる。よって、工作機械1をより簡易に構成することができる。
また、この構成によれば、ワークWが把持される際、ワーク排出部材75がワークWに当接しているため、ワーク排出部材75を前進させることで、ワークWを迅速に第2の主軸ユニット70から排出させることができる。
(変形例)
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
上記実施形態では、変換機構80は第1及び第2のプーリ81a,81bを備えていたが、第1及び第2のプーリ81a,81bを省略してもよい。この場合、ワーク排出用サーボモータ74の出力軸74aは直接にボールねじ82を回転させる。
上記実施形態では、変換機構80はポンプ88を備えていたが、このポンプ88を省略してもよい。この場合、ワーク排出部材75は、孔75a1,75b1を有する円筒状でなく、孔75a1,75b1を有しない円柱状に形成されてもよい。
上記実施形態では、ワーク排出部材75は、イジェクタ75aと、プッシャ75bと、を備えていたが、何れか一方が省略され、何れか他方が長く形成されてもよい。
上記実施形態では、第2の主軸ユニット70は、変換機構80と、ワーク排出部材75と、を備えていたが、第1の主軸ユニット10も同様に、変換機構と、ワーク排出部材と、を備えていてもよい。この場合、第1及び第2の主軸ユニット10,70は、何れも変換機構及びワーク排出部材を備えていてもよいし、第1の主軸ユニット10のみが変換機構及びワーク排出部材を備えていてもよい。
上記実施形態では、工作機械1は、第1及び第2の主軸ユニット10,70を備えていたが、何れかのユニットを省略して、1つの主軸ユニットを備えていてもよい。
上記実施形態では、工作機械1において、ローダユニット90又はワークコンベア97を省略してもよい。
上記実施形態では、ワーク排出部材75はワークWのストッパとしても機能していたが、ストッパとしての機能がなくてもよい。この場合、第2の主軸ユニット70は新たにストッパを備えていてもよい。
上記実施形態において、ワーク排出用サーボモータ74としてサーボモータ以外のモータ、例えばステッピングモータがワーク排出用モータとして採用されてもよい。
上記実施形態においては、第2の主軸ユニット70がローダユニット90にワークWを渡した後に(S104)、ポンプ88が流体を吐出していたが、流体を吐出するタイミングはこれに限らず、例えば、第2の主軸ユニット70によるワークWの加工中に流体を吐出してもよい。例えば、ワークWが円筒状に加工された場合には、吐出された流体により工具群22のドリルを冷却することもできる。また、これにより、ワークWの加工中に切粉が第2の主軸71内に侵入することが抑制される。
上記実施形態において、上記ステップS101の処理が行われている際、すなわち、第1の主軸ユニット10がワークWの前面側を加工している際に、このワークWとは別のワークWについて上記ステップS103〜S106に係る処理が行われてもよい。
1 工作機械
10 第1の主軸ユニット
11 第1の主軸
15 第1Z軸スライド機構
15b,43b,82 ボールねじ
20 第2の工具ユニット
21,55b 工具保持部
22,55a 工具群
40 工具移動機構
41 固定台
42 X軸移動部
42c X軸モータ
43 Y軸移動部
55 第1の工具ユニット
70 第2の主軸ユニット
71 第2の主軸
71a チャック
71b スリーブ
71c ガイド
72 第2の主軸台
73 ワーク回転用モータ
74 ワーク排出用サーボモータ(ワーク排出用モータ)
74a 出力軸
74b 検出器
75 ワーク排出部材
75a イジェクタ
75b プッシャ
76 ブラケット
78 パイプ
80 変換機構
81a 第1のプーリ
81b 第2のプーリ
81c ベルト
83 ボールねじナット
84 ロッド
85 連結プレート
86 シリンダ
87a パッキン
88 ポンプ
89 ブロック
89a 流体通路
90 ローダユニット
97 ワークコンベア
175 第2Z軸スライド機構
176 X軸スライド機構
300 制御部
S ベッド
W ワーク

Claims (5)

  1. ワークを把持しつつ回転させる主軸と、
    ワーク排出用モータと、
    前記ワーク排出用モータによる回転運動を直線運動に変換する変換機構と、
    前記変換機構を通じて前記直線運動することで把持された前記ワークを前記主軸から押し出すワーク排出部材と、
    前記ワーク排出用モータを制御することで、前記ワークの長さに応じたストローク量にて前記ワーク排出部材を移動させる制御部と、を備える、
    ことを特徴とする主軸ユニット。
  2. 前記ワーク排出部材は内部に流体が通る孔を有する筒状に形成され、
    前記主軸ユニットは前記ワーク排出部材の前記孔に流体を供給する流体供給部を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の主軸ユニット。
  3. 前記変換機構は、
    前記ワーク排出用モータにより軸回転し、前記ワーク排出部材と平行をなすボールねじと、
    前記ボールねじの外周に嵌め込まれたボールねじナットと、
    前記ボールねじナットと一体で移動するロッドと、
    前記ロッドと前記ワーク排出部材とを連結する連結部と、を備える、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の主軸ユニット。
  4. 前記制御部は、前記主軸を通じて前記ワークを把持する際、前記ワーク排出部材を前記ワークの端面に当接させることで、前記ワーク排出部材を前記ワークのストッパとして機能させる、
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の主軸ユニット。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載の主軸ユニットと、
    前記主軸ユニットにより回転される前記ワークに接することで前記ワークを加工する工具と、を備える、
    ことを特徴とする工作機械。
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