JP2018061494A - ゲンチオビオースの製造方法 - Google Patents

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修啓 近藤
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【課題】ゲンチオビオースを収率良く、安価に大量生産する方法を提供することを課題とする。【解決手段】(1,3)(1,6)‐βグルカンを調整し、酵素処理を行うことによりゲンチオビオースを製造する方法。(1,3)(1,6)−βグルカンが黒酵母又はパン酵母由来であるゲンチオビオースを製造する方法。前記酵母がβ−1,3−グルカナーゼである、ゲンチオビオース製造方法。【選択図】図2

Description

ゲンチオビオースの製造方法に関する。特に、βグルカンを酵素加水分解することによって、効率良く、ゲンチオビオースを製造する方法に関する。
ゲンチビオースは、グルコース2分子がβ1-6結合で結合した二糖類である。糖類としては珍しく苦味を有し、砂糖と比較して甘味度が低いという性質を備えている。食品に添加した場合に、苦味が「キレ」として感じられることから、フルーツゼリーをはじめ様々な食品に苦味の付与や、キレの改善のために味質改善剤として添加されている。特に、ビール、コーヒーなど、苦味が重要な要素である食品、さらに、近年ではノンアルコールビールなどへも利用されている。また、難消化性であり、ビフィズス菌の増殖効果を有することから、機能性食品としての役割を有することも知られている。
ゲンチオビオースの製造方法は、加水分解による方法、縮合反応による方法など、種々の方法が提案されている。特許文献1には、放線菌によってβ−グルカンを分解させ、グルコースとゲンチオビオースを主成分とする糖液を得た後、グルコースのみを選択的に資化し、ゲンチオビオースを資化しない酵母を培養することによって、高純度にゲンチオビオースを得る方法が開示されている。この方法では高純度のゲンチオビオースが得られるものの、最終的にゲンチオビオースを得るためには、多くの工程を必要とするため、安価に、かつ大量生産をする方法としては適していない。
また、縮合反応を利用した方法としては、高濃度のグルコースに、カビ起源のβ−グルコシダーゼを作用させ、当該酵素が有する縮合・糖転移能を利用してゲンチオオリゴ糖を多量に含むオリゴ糖の生産技術も開示されている(非特許文献1)。しかしながら、この方法によって生産された糖組成物は、ゲンチオビオースをはじめとするゲンチオオリゴ糖の他、種々のオリゴ糖が含まれており、ゲンチオビオースを精製するためには、多くの工程を必要とする。
現在のところゲンチオビオースの工業的生産は、海藻に含まれる多糖ラミナランなどを原料とする酸加水分解法により生産されている。しかし、過分解による収率の低下、その結果生じる類似のダイマー、及びオリゴマーとの分離が容易ではなく、安価に純度の高いゲンチオビオースが生産されるにはいたっていない。
特開昭59−162896号公報
海野剛裕ら、J.Apply.Glycosci.,2005年、52巻、59-64頁 Sato T et al., Polym. J., 1983, Vol.15, p.87-96. T. M.McIntire & D. A. Brant, J. Am. Chem. Soc., 1998, Vol.120, p.6909-6919.
本発明は、ゲンチオビオースを収率良く、安価に大量生産する方法を提供することを課題とする。
本発明は以下に記載するゲンチオビオースの製造方法に関する。
(1)(1,3)(1,6)‐βグルカンを調整し、酵素処理を行うことによるゲンチオビオース製造方法。
(2)前記(1,3)(1,6)‐βグルカンが黒酵母、又はパン酵母由来である(1)記載のゲンチオビオース製造方法。
(3)前記酵素がβ−1,3−グルカナーゼである(1)又は(2)記載のゲンチオビオース製造方法。
(4)(1,3)(1,6)‐βグルカンを含有する溶液を、145℃以上、200℃以下の温度範囲で、処理温度における飽和蒸気圧以上の圧力で、所定時間加熱処理し、酵素処理を行うことによるゲンチオビオース製造方法。
(5)前記酵素がβ−1,3−グルカナーゼである(4)記載のゲンチオビオース製造方法。
(6)前記温度範囲が145℃以上、190℃以下であることを特徴とする(4)又は(5)記載のゲンチオビオース製造方法。
(7)前記温度範囲が145℃以上、180℃以下であることを特徴とする(4)〜(6)いずれか1つ記載のゲンチオビオース製造方法。
(8)前記(1,3)(1,6)‐βグルカンを含有する溶液が、黒酵母Aureobasidium属の培養液であることを特徴とする(4)〜(7)いずれか1つ記載のゲンチオビオース製造方法。
ゲンチオビオースを高濃度に含んだ糖を大量に得ることができるため、純度の高いゲンチオビオースを安価に提供することができる。
pH条件の違いによるゲンチオビオース生成の経時変化を示す図。 βグルカンの由来によるゲンチオビオース生成の違いを示す図。 基質濃度の違いによるゲンチオビオース生成の違いを示す図。 酵素によるゲンチオビオース、グルコースの生成の経時変化を示す図。 HPLCによる分析結果を示す図。
(1,3)(1,6)‐βグルカンを調整し、酵素によって加水分解すれば、ゲンチオビオースを多量に含む分画を得ることができる。βグルカンは、植物、菌類、細菌など、自然界に広く分布することが知られており、特にビール酵母、パン酵母、黒酵母といった酵母の細胞壁に多く含まれている。そのため、βグルカンは、これら酵母を培養して精製されることが多い。特に、黒酵母は(1,3)(1,6)‐βグルカンを多量に含むことから、ゲンチオビオースを製造するのに適した原料である。
しかしながら、黒酵母培養液は、見かけ上は生卵白のようで高粘度である。水溶液中で1%濃度になるとゲル状になり、凝集性を有するため水に溶解することが困難である。そのため、酵素を反応させることができず、黒酵母から酵素処理によってゲンチオビオースを得ることは今まで行われていなかった。
本発明者らは、自然界では三本鎖の三重螺旋構造として存在するβグルカンを一本鎖にする方法を開発した。さらに、本発明者らは、一本鎖βグルカンは水溶性であり、効率よく酵素を反応させることができることを見出し本発明を完成した。
[一本鎖βグルカンの製造方法]
最初に一本鎖βグルカンを得る方法について説明する。なお、以下に詳細に説明する水熱処理による一本鎖βグルカン製造方法だけではなく、アルカリ処理や有機溶媒の添加により得た一本鎖βグルカンを用いてもよい。しかしながら、アルカリ処理や有機溶媒の添加により、一本鎖βグルカンを得た場合には、中和もしくは透析処理を行なって、用いたアルカリや有機溶媒を除去する必要がある。また、アルカリ処理や有機溶媒の添加によって一本鎖βグルカンにした場合には、保存中に三本鎖βグルカンに戻ることが報告されている(非特許文献2、3)。そのため、安定して一本鎖状態のβグルカンを得ることができる水熱処理を用いることが好ましい。また、水熱処理によりβグルカンを得る方法は、化学薬品を使用しない点で安全性の面でも好ましい。
また、ここでは、黒酵母Aureobasidium pullulansを培養して得られた高粘性の培養液を原料として詳細に説明するが、βグルカンの原料としては、黒酵母の培養液だけではなく、同様にβグルカンを産生することが知られている他の酵母の培養液や原料、例えば、大麦、オーツ麦などの穀物類、シイタケ(Lentinus edodes)、スエヒロタケ(Shizophyiium commune)、カワラタケ(Coriolus versicolor)、マイタケ(G.Frondosa)、ハナビラタケ(Sparassis crispa)等の子実体もしくは培養液も好適に使用できることはいうまでもない。
(1)原料
黒酵母培養液には0.5%前後の(1,3)(1,6)‐βグルカンと菌体及び発酵残渣が含まれている。この培養液には黒酵母が培養液中に放出したβグルカンをはじめとする多糖が含まれているため、生卵の卵白様の非常に高い粘性が生じている。黒酵母の培養液はそのまま使用してもよいし、以下の方法で圧搾物として使用してもよい。
黒酵母培養液を圧搾物として使用する場合には、培養液に凝集剤を加えて凝集塊とし、凝集塊をフィルタープレスで圧搾し、発酵残渣及び菌体を除去し、圧搾濾過すればよい。具体的には、黒酵母培養液に硫酸アルミニウム液を終濃度0.1%となるように加え、不溶性の多糖アルミニウム複合体を形成させる。多糖アルミニウム複合体は、室温で30分〜60分ゆっくり撹拌する。形成された多糖アルミニウム複合体をフィルタープレスに導入し、水道水を通水して発酵残渣及び菌体を洗浄除去して圧搾物を得る。圧搾濾過処理により、発酵残渣や菌体がほぼ除去され含水率65〜70%の多糖に富んだ圧搾物が得られる。
(2)水熱処理方法
以下、圧搾物200g(湿重量、固形分含量20%)をスタート物質とした場合の一本鎖βグルカンの製造方法について記載する。黒酵母圧搾物は、720mLの蒸留水を加え、ミキサーで粉砕する。圧搾物が良く粉砕できたら、80mLの1N NaOHを加え、スターラーで良く撹拌する。粉砕溶液のNaOH濃度は終濃度0.1N程度となる。撹拌した試料は、6000rpm、10分遠心分離を行い、上清を回収する。回収した上清に対し、2倍量の無水エタノールを加え沈殿させる。βグルカンはエタノールにより沈殿することから、沈殿物を濾過して回収し、60℃のオーブンの中で1時間程度エタノールを蒸発させる。エタノールを蒸発させた沈殿物は、再度蒸留水を加え溶解しβグルカンを回収した後、0.35%(w/v)になるように、蒸留水で希釈する。次に、pH4.5〜8.0になるように、1N HCl、または1N NaOHで調整する。pH調整した試料は水熱反応装置に入れ、145℃〜200℃の温度範囲で加熱する。
水熱処理装置としては、加圧、加熱ができるものであればどのような装置を用いてもよい。そのような装置としては、例えば、チューブリアクター型水熱反応装置(木村化工株式会社製)などがあるが、高温高圧装置、高温高圧反応試験装置等を使用することができる。
また、処理する温度範囲としては、145℃以上、200℃以下、好ましくは145℃以上、190℃以下、より好ましくは145℃以上、180℃以下の温度範囲がよい。200℃以上の高温で処理すると、試料の褐変が激しく、その後の精製工程を増やす必要がある。さらに、酵素処理による分解効率を解析したところ、190℃以下で水熱処理を行った場合の方が好ましく、180℃以下で水熱処理することがより好ましい。また、この温度範囲で水熱処理を行うことによって、70%以上を一本鎖βグルカンとして回収することができる。また、反応時の圧力は、処理温度時の飽和蒸気圧よりも高い圧力である0.5〜2.0MPaになるように加圧する。
水熱処理に要する時間は、10分以上〜60分未満が好ましい。いずれの処理温度であっても10分よりも短時間の場合には、一本鎖が生じる割合が低下する可能性がある。また、60分よりも長時間処理すると褐変が生じることから、一般食品、食品添加物としてそのまま使用することはできないため、精製工程を増やす必要がある。
(3)水熱処理試料の精製
水熱処理後のβグルカンは以下のようにして精製する。水熱反応後の処理液を、珪藻土を用いた濾過を行い反応残渣物を除去し、減圧濾過方式、加圧濾過方式、遠心濾過方式など、一般的な濾過方法にて濾液を回収する。その後回収した濾液を活性炭フィルターに通液させて脱色した後、必要があれば濃縮を行う。濃縮は凍結乾燥、限外濾過等、どのような方法を用いてもよい。限外濾過を行うのであれば、クロスフロー方式、全量濾過方式などが選択でき、クロスフロー方式についても有機膜型、セラミック型などのモジュールを用いて行う事ができる。限外濾過を行うのであれば、分子量約30,000以下を排除分子量とする限外濾過濃縮を行い、低分子量の糖を除去し濃縮を行えば粗精製を同時に行うことができる。このとき、濃縮されたことの確認は、糖度計を用いて確認すればよい。ここでは、循環側の濃縮液の固形分濃度を糖度計(株式会社アタゴ製、糖度計PAL)で、Brixが1%から5%まで濃縮されることを確認している。その後、凍結乾燥を行い、粉砕処理することで、純度の高い粉末を得ることができる。
また、この方法によらず、一本鎖のβグルカンを純度良く精製することができれば、どのような方法を用いてもよいことは言うまでもない。
[ゲンチオビオースの製造方法]
得られたβグルカン組成物をβ−1,3−グルカナーゼにより処理する。β−1,3−グルカナーゼとしては精製された酵素を用いてもよいが、β−1,3−グルカナーゼ活性を主とするキタラーゼ(和光純薬株式会社製)、ライジングエンザイム(シグマ−アルドリッチ社製)、ウスキザイム(和光純薬株式会社製)などの溶菌酵素を用いてもよい。以下に、酵素の反応条件について、酵素の種類、pH条件等についての検討結果を示すが、この条件に限らず、通常酵素反応で用いられる条件で行えばよい。
(1)pHの違いによるゲンチオビオースの生成
得られた黒酵母一本鎖βグルカンを100mg/mL濃度でpH4.0〜8.0に調整した100mMマッキルベイン緩衝液に溶解し、0.1U/mgのキタラーゼを加え、40℃で酵素反応を行い、HPLCによりゲンチオビオースの割合を経時的に測定した(図1)。なお、ここで用いている酵素の単位、U/mgはβグルカン1mgあたりに添加した酵素のユニット数(U)を示す。
酵素としてキタラーゼを用いた場合には、pH4.0〜pH6.0では非常に収率良くゲンチオビオースを得ることができた。また、この条件では4時間〜6時間程度で反応がプラトーに達しており、短時間の反応でゲンチオビオースを収率良く得ることができる。
(2)基質の違いによるゲンチオビオースの生成
まず、βグルカンの由来による生成するゲンチオビオースの収率について検討を行った。黒酵母、パン酵母由来のβグルカンを30mg/mL濃度、0.1U/mgキタラーゼになるように、pH5.0の100mMマッキルベイン緩衝液で調整し、ゲンチオビオースの生成を経時的に解析した(図2)。なお、パン酵母βグルカンはオリエンタル酵母工業(株)より得た。
この条件では、黒酵母由来のβグルカンは4時間程度で、パン酵母由来のβグルカンは3時間程度で反応がプラトーに達していた。また、黒酵母由来のβグルカンを基質として用いた場合には約40%、パン酵母由来のβグルカンを基質として用いた場合には約20%のゲンチオビオースが生成していた。これは、現在、工業的に生産されているゲンチオビオースの製造方法に比べて非常に高い割合である。
次に、基質濃度によるゲンチオビオースの生成の解析を行った(図3)。黒酵母由来のβグルカンを30mg/mL(3%)、50mg/mL(5%)、100mg/mL(10%)濃度になるようにpH5.0の100mMマッキルベイン緩衝液で調整し、0.1U/mgのキタラーゼを反応させ、経時的に生成するゲンチオビオースの量を測定した。生成するゲンチオビオースの量は、基質として反応時に含まれるβグルカンの量に比例していた。したがって、高濃度のβグルカンを出発物質とすることによって、高濃度のゲンチオビオースを得ることができる。
(3)酵素の違いによるゲンチオビオースの生成
キタラーゼ以外のβ−1,3−グルカナーゼを含む酵素製剤、ライジングエンザイム、ウスキザイムを用いて、ゲンチオビオースの生成の解析を行った。
終濃度30mg/mL濃度の黒酵母βグルカン、2.7U/mgのライジングエンザイム、又は0.83U/mgのウスキザイム、1.0U/mgキタラーゼになるように、pH5.5の150mMマッキルベイン緩衝液で調整し、酵素反応を行った。ライジングエンザイム(図4A)、ウスキザイム(図4B)、キタラーゼ(図4C)で反応を行った結果を示す。なお、酵素は40℃で反応させた。
ライジングエンザイム、キタラーゼを用いた場合には1時間程度で、ウスキザイムを用いた場合には3時間程度でゲンチオビオースの量は最大になった。その後、ゲンチオビオースは減少し、代わりにグルコースの濃度が増加していく。
このように、予め用いる酵素について反応の経時変化を解析しておき、ゲンチオビオースを精製する場合には、ゲンチオビオース濃度が最大になる時点で酵素反応を止め精製すればよい。また、ゲンチオビオース、グルコースの割合が所望の割合になるまで酵素反応を進行させ、ゲンチオビオース、グルコースが混在する糖液を製造することも可能である。ゲンチオビオース、グルコースが混在する糖液は適度な甘味と苦味を有するものとなり、食品添加物として有用である。
(4)酵素反応処理液のゲンチオビオースの純度
酵素反応を行った後の処理液にどのような糖が含まれるかHPLCにより解析を行った。
酵素反応は、終濃度としてβグルカン濃度30mg/mL、キタラーゼ30U、100mM マッキルベン緩衝液、pH5.0となるように調整し、酵素添加後40℃にて反応させた。1時間ごとにサンプリングを行い、反応液を20倍希釈し、10分間煮沸して解析を行った。HPLC分析は、Shodex KS−801カラムを用い、水を溶媒として、カラムオーブン40℃、示差屈折率(RI)検出器を用いて行った。
図5に示すのは、酵素反応開始後1時間のHPLCの解析結果を示している(図4Cの1時間後のポイントに相当する。)。HPLCの解析結果からも、ゲンチオビオースのほかにはグルコースが主たる成分であることは明らかである。また、ゲンチオビオースのピークはシングルピークであり、不純物のピークと重なっていないことから、さらにゲンチオビオースを精製する場合も容易に精製することができるものと考えられる。ここでは結果を示さないが、縮合によって製造されているゲンチオビオースが含有される製品と比較しても、ゲンチオビオースの含有量が高く、不純物が少ないものが得られている。
以上示してきたように、従来の製造方法に比べて、含有量が高く、不純物の少ないゲンチオビオースを得ることができる。また、ゲンチオビオースの他に含まれる主要な糖はグルコースであることから、ゲンチオビオースをさらに精製することが容易であるばかりでなく、ゲンチオビオースとグルコースの混合品として用いても有用である。

Claims (8)

  1. (1,3)(1,6)‐βグルカンを調整し、
    酵素処理を行うことによるゲンチオビオース製造方法。
  2. 前記(1,3)(1,6)‐βグルカンが黒酵母、又はパン酵母由来である請求項1記載のゲンチオビオース製造方法。
  3. 前記酵素がβ−1,3−グルカナーゼである請求項1又は2記載のゲンチオビオース製造方法。
  4. (1,3)(1,6)‐βグルカンを含有する溶液を、
    145℃以上、200℃以下の温度範囲で
    処理温度における飽和蒸気圧以上の圧力で、所定時間加熱処理し、
    酵素処理を行うことによるゲンチオビオース製造方法。
  5. 前記酵素がβ−1,3−グルカナーゼである請求項4記載のゲンチオビオース製造方法。
  6. 前記温度範囲が145℃以上、190℃以下であることを特徴とする請求項4又は5記載のゲンチオビオース製造方法。
  7. 前記温度範囲が145℃以上、180℃以下であることを特徴とする請求項4〜6いずれか1項記載のゲンチオビオース製造方法。
  8. 前記(1,3)(1,6)‐βグルカンを含有する溶液が、
    黒酵母Aureobasidium属の培養液であることを特徴とする請求項4〜7いずれか1項記載のゲンチオビオース製造方法。
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