JP2018060654A - 分離配線可能な平型多芯ハーネス - Google Patents
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Abstract
Description
なぜなら、モニタリングの種別ごとにセンサ配置(箇所や配置数)が異なるためにその対応が必要であることは言うまでもなく、加えて、モニタリング対象者ごとにその身体的特徴(体格や体質)及び肉体的特徴(筋肉の発達度合いなど)等の個体差が存在するために、それらへ向けた配置上の微調整が必要となるからである。
具体的には、まず設定するセンサ数に合わせて同数の導電線を備えたハーネスを製作するが、このとき各導電線のレイアウト(経路や長さ、他導電線との分岐位置など)を決めるためには、衣服中に設定される各センサの配置(モニタリング対象者の個体差に配慮したもの)とモニター装置の配置との間を繋ぐに際して、運動に適した迂回経路を割り出す作業が必要になる。従って、この割り出した導電線のレイアウトに基づいたベース材を個別に形成する作業が必要で、この作業が非常に煩わしいということがあった。
即ち、本発明に係る分離配線可能な平型多芯ハーネスは、長手方向を揃えて並行状態に相隣配置された複数本の導電帯と、複数本の導電帯間に配置されて両側の導電帯同士を連結する非導電帯と、を有しており、前記非導電帯には両側の導電帯を切り離し可能にする切開予定部が帯長手方向の一部又は全長に渡って設けられていることを特徴とする。
少なくとも前記非導電帯は、帯長手方向に沿った伸縮自在性を有する繊維構造に形成されたものとするのがよい。
前記非導電帯に加え、導電帯においても帯長手方向に沿った伸縮自在性を有する繊維構造に形成されたものとするのがよい。
前記導電帯と前記非導電帯との隣接によって形成される1ピース帯が帯幅方向に複数ピース連結されており、2本を超える導電帯相互間に前記切開予定部が挟み込まれて3箇所以上の導電端を分散配置可能とされたものとするのがよい。
図1乃至図4は、本発明に係る平型多芯ハーネス1(以下、「本発明ハーネス1」と言う)の第1実施形態を示している。また図5乃至図8は、第1実施形態の本発明ハーネス1を衣類などに取り付ける際の一例を示している。
図1に示すように、本発明ハーネス1は、長手方向を揃えて並行状態に相隣配置された複数本の導電帯2と、これら複数本の導電帯2の相互間に配置されて両側の導電帯2同士
を連結する非導電帯3と、を有している。
導電帯2及び非導電帯3は、いずれも編組織や織組織などの繊維構造によって帯状(扁平であり且つ帯幅方向よりも帯長手方向に長い形状)に形成されている。
なお、この切開予定部5は、帯状とする他、線状(帯幅方向が極薄で厚さ方向に行き渡る形状)としてもよく、或いは、帯長手方向に沿って破線や一点鎖線などを呈するようなものとしてもよい。
このように、本発明ハーネス1は導電帯2と非導電帯3とが連結されていることを受けて、「ベース無し構造」に形成されたものと言うことができる。更に言えば、ベース無し構造は、前記のように非導電性繊維の一部又は全部を導電性繊維に入れ替えることを主因として導電帯2と非導電帯3とが同一平面上で連結されることを言うのに対して、ベース有り構造は、非導電帯3で使用されている糸使いそのものに導電性繊維を追加して編み立てることになるために、導電性部位が非導電性部位に積層されることを言うものであり、両者には構造上の顕著な違いがある。
なお、本発明ハーネス1は、「ベース無し構造」にすることを限定するものではなく、別部材より成るベース材(図示略)に対して、その上に図2(a)に示した導電帯2と非導電帯3との連結構造体を重ねて形成するような積層構造にしてもよい。或いは、図2(b)に示すように、非導電帯3の形成素材を、作用上のベース材となるように利用して、この形成素材上に導電帯2を重ねて形成するような積層構造にしてもよい。
そしてこの切開予定部5は、基本的には電気的絶縁性が得られるものとするのが好ましいものの、非導電帯3の帯幅方向全部が切開予定部5である場合を除き、(当該切開予定部5に)電気的導通性が得られていてもよいものとする。また切開予定部5の他にも、非導電帯3の帯幅方向内に導電性の領域が設けられる構造を排除しない。
れるものとしてもよいものである。
本発明ハーネス1は、各導電帯2の配線先を途中で分離させたり、導電帯2同士をその全長に渡って分離させたりして使用できるようにすることを主目的としているため、導電帯2の必要最少本数は2本であり、非導電帯3の必要最少本数は、帯幅方向の両側に導電帯2が配置されることを条件として1本である。
これらのことは、導電帯2として、分離不能な複線ペアを備えた構成(図12で後述する第5実施形態を参照)とするか否か、といったことや、分離させた後の各導電帯2においてその帯幅方向両側にどのような副次的作用(例えば外観、強度、伸縮性など)を生じさせるか、などの個々の諸事情に基づいて適宜選択すればよいものである。
本第1実施形態を更に発展させたものとして、図1に二点鎖線で示すように1ピース(5帯)が帯幅方向に複数連結された構成としてもよい。この複数ピース連結の構成を採用することにより、図5に示すように(2ピース連結の場合を例示)、各切開予定部5を帯長手方向の所定長さだけ切開して、この切開により分離独立した導電帯2をそれぞれ異なる配線先へ向けて分離配線させること等が、いとも簡単に、また自由に行えるようになる。
なお、図5では、分離した各導電帯2に付随するようになる非導電帯3に対し、切開予定部5の一部が付着しているように図示した。しかし、切開予定部5の材質(詳細は後述する)により、切開後の切開予定部5が残留するか消失するかの違いがあるため、必ずしも図5のように切開予定部5の一部が残留するというものではない。
可塑性樹脂による熱融着、ミシン又は手縫いなどによる縫着、面ファスナーやホック、ボタンなどによる係着など、適宜の方法を採用可能である。縫着の場合は、縫い糸に弾性糸やウーリー糸を用いることで、身生地本体10の伸縮に本発明ハーネス1の伸縮を馴染ませる(同調させる)ことができ、この点で好適と言える。
このようなデバイス機器等は、身生地本体10に設けたポケット状の物品収容部12等に入れるようにすれば、振動や位置ズレ、脱落等を防止できるうえ、身生地本体10に対する着脱も容易になることから、好適である。とは言え、物品収容部12は必須ではない。例えば、デバイス機器にスナップボタンや面ファスナー等を取り付けておくと共に、身生地本体10にはスナップボタンや面ファスナー等が係合する相手部位(スナップボタンにはボタン穴に相当し面ファスナーの場合は雄部材と雌部材の振り分けとする)を設けておき、デバイス機器を身生地本体10に直接固定できるようにしてもよい。
前記したように、導電帯2や非導電帯3は繊維構造により形成されていることから、その繊維構造自体から奏される組織特性、又は使用する繊維自体の材料特性を活かして、帯長手方向に伸縮自在となっている。例えば本発明ハーネス1を製編によって形成する場合(編組織製とする場合)で言えば、導電帯2や非導電帯3の帯長手方向がコース方向となるようにすればよい。
そのため本発明ハーネス1は、図3に示すように帯長手方向を真っ直ぐに伸縮させることができる。のみならず、導電帯2の両側に配置されている非導電帯3が互いに影響されることなく自由な伸縮を起こすようになるので、図4に示すようにカーブさせる場合には、カーブの内側とカーブの外側とで伸長量を異ならせながら(R1<R2)、折れ曲がりや皺、ウエーブ(波打ち状の大きな皺)等を生じさせることなく、綺麗に平面を維持しつつカーブさせることができる。
ところで、本発明ハーネス1を身生地本体10へ取り付ける場合には、図7に示すように、本発明ハーネス1の表裏両面を覆う非導電性のシーリング層15,16を形成するのが好適とされる。
これらシーリング層15,16は、本発明ハーネス1を身生地本体10に対して取り付ける際に、例えばポリウレタン等の樹脂フィルムを加熱付着させることで形成することができる。この場合、シーリング層15,16が加熱溶融時に自着牲を生起するものであるときには、この自着性を利用して本発明ハーネス1を身生地本体10に取り付けるようにしてもよい。
まず、非導電帯3について説明する。非導電帯3は非導電性の繊維素材により形成することができる。繊維素材の具体例としては、合成繊維(例えばポリエステル繊維やナイロン繊維等)や天然繊維、合成繊維と弾性糸とを混用した素材等を挙げることができる。
なお「弾性糸」は、引っ張り力の無負荷時(非伸長時=常態)では収縮状態を維持し、引っ張り力が負荷されたときには引っ張り力に応じて自由に伸長するものであって、且つ、この引っ張り力を解除して無負荷時に戻せば、伸長状態から元の収縮状態に復元する(収縮する)素材を言う。
このほつれ止め処理とは、非導電帯3の形成に用いた糸が編組織の中で交差している部分を固定させる処理を言う。このほつれ止め処理を施すことで、非導電帯3の外周辺部で並ぶ糸端を不動に固定することができ、異様な浮き上がりや鋭利な突出などを防止して平面性も略フラットな状態に形成できることになる。また、ハサミやカッターなどで切断した際に切断部の処理を放置できる、いわゆる切りっぱなしでもほつれない効果を得ることもできる。
熱融着材料と熱合着材料との差異は、半溶融状態からの冷却により生じる結合力の強弱によって区別すればよく、結合力が強い(熱融着)ものは熱融着材料とし、これよりも結合力が弱い(合着)ものは熱合着材料とする。この区別は明確とは言えず曖昧模糊とした部分を含むが、要は、熱セットによって導電糸の交差部を結合できる材料であればよいものとおく。従って、伸縮性(弾性)に優れ、加熱によって熱融着し、かつ、熱融着部位においては伸縮性(弾性)が失われることなく、高度の伸縮性(弾性)が保有されるものを用いることができる。
更なる具体例をとしては、低融点ポリアミド繊維糸、低融点ポリエステル系繊維糸(低融点ポリエステル共重合体繊維糸、低融点脂肪族ポリエステル繊維糸)等が挙げられる。
前記熱融着性繊維糸の市販品としては、他に、80〜130℃の乾熱や、50〜100℃の湿熱で溶融する低融点ポリアミド繊維糸、例えば、フロール(ユニチカ社製)、エルダー(東レ社製)、ジョイナー(フジボウ社製)等を用いることができる。
前記熱融着性繊維糸を熱処理して熱融着させる手段としては、湿熱または乾熱による熱処理が用いられる。湿熱処理としては、例えば、蒸気や、熱水、染色浴などの熱液体による処理が挙げられる。乾熱処理としては、例えば、熱風乾燥や熱プレスなどによる熱処理などの処理が挙げられる。
糸に対して熱融着材料や熱合着材料を混用させる方法には、熱融着材料を用いたカバリング糸(SCYでもDCYでもよい)を用いる方法や、熱融着材料製又は熱合着材料製の糸を引き揃える(プレーティング編としてもしなくてもよい)方法などがある。
導電帯2に対しても、非導電帯3と同様にほつれ止め処理を施すことができる。導電帯2に対するほつれ止め処理の詳細は非導電帯3の場合と略同様であるので、ここでの説明は省略する。
熱で溶けるもの(溶融糸、溶着糸)の代表例としては、例えば低融点ポリウレタン(日清紡社製のモビロンシリーズ等)を挙げることができる。また水で溶けるものの代表としては、例えばPVA(ニチビ社製のソルブロンシリーズ等)を挙げることができる。
なお、切開予定部5は、ハサミやカッターなどの切断刃により、繊維構造を破壊するこ
とにより両側の導電帯2を切り離す構造として形成することもできる。或いは、引張応力の負荷により、この切開予定部5が優先的に破壊される程度に、非導電帯3内の他部(切開予定部5ではない部位)と比べて力学的強度が最も弱い構造として形成することもできる。
このような構成を備えた本発明ハーネス1は、例えば特開平11―279937号に記載の方法(筒状生地からテープ生地を取り出す方法)等を採用して製造することができる。すなわち、丸編機を用いた筒状生地の製編を行うに際して、複数の給糸口から同時進行で製編する編みを行い、ピース間に熱、水、溶剤などで溶ける繋ぎの糸を入れ、製編後に得られた筒状生地からこの繋ぎの糸を溶かす処理を行うことにより、本発明ハーネス1を螺旋状に分離しつつ取り出すという方法である。
そのため、センサ等(電極や検出子などである場合も含む)11を備えた各種衣類(高精度モニタリング衣類など)を簡単且つ迅速に製作することも可能になる。
図10は、本発明ハーネス1の第3実施形態を示している。本第3実施形態の本発明ハーネス1では、メインの非導電帯3Bにおける帯幅方向の全部にメインの切開予定部5Aが設けられている。すなわち、メインの非導電帯3Bとメインの切開予定部5Aとが同一のものとして形成されている。また同様に、第2非導電帯3Cと第2切開予定部5Bとが同一のものとして形成されている。
図11は、本発明ハーネス1の第4実施形態を示している。本第4実施形態の本発明ハーネス1が第1実施形態と最も異なるところは、分離後の各導電帯2に対してその帯幅方向両側に付随するようになる非導電帯3に対し、補強縁25を設けている点にある。補強縁25は、例えば、ゴム編などの厚みを出せる編組織にする、太い糸を使う、切れ難い糸を使う、度目を極端に細かくする、等の方法を採用して編成することで形成することがで
きる。その他の構成及び作用効果は第1実施形態と略同様であり、ここでの詳説は省略する。
なお、図例では導電帯2が2本一組(ペア)としている場合を示しているが、導電帯2の本数は限定されない。
ところで、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて更に適宜変更可能である。
従って当然に、導電帯2は電力の搬送(入出力)のみならず、信号の送受信、ヒーターなどとして使用することができるものである。
2 導電帯
2A 第1導電帯
2B 第2導電帯
3 非導電帯
3A 第1非導電帯
3B メインの非導電帯
3C 第2導電帯
5 切開予定部
5A メインの切開予定部
5B 第2切開予定部
10 身生地本体
11 センサ等
12 物品収容部
15 シーリング層
16 シーリング層
20 孔
21 不織布製パッチ
25 補強縁
Claims (7)
- 長手方向を揃えて並行状態に相隣配置された複数本の導電帯と、
複数本の導電帯間に配置されて両側の導電帯同士を連結する非導電帯と、
を有しており、
前記非導電帯には両側の導電帯を切り離し可能にする切開予定部が帯長手方向の一部又は全長に渡って設けられていることを特徴とする分離配線可能な平型多芯ハーネス。 - 前記導電帯と前記非導電帯とが同一平面上で連結されてベース無し構造に形成されていることを特徴とする請求項1記載の分離配線可能な平型多芯ハーネス。
- 少なくとも前記非導電帯は、帯長手方向に沿った伸縮自在性を有する繊維構造に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の分離配線可能な平型多芯ハーネス。
- 前記導電帯及び前記非導電帯は、帯長手方向に沿った伸縮自在性を有する繊維構造に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の分離配線可能な平型多芯ハーネス。
- 前記非導電帯が備える切開予定部は、熱、水、薬液のいずれか一つを付加したことにより一部又は全部が消失する構造として形成されている、又は引張応力の負荷によって当該切開予定部が優先的に破壊される程度に前記非導電帯内の他部と比べて力学的強度が最も弱い構造として形成されている、若しくは切断刃による繊維構造の破壊により両側の前記導電帯を切り離す構造として形成されている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の分離配可能な平型多芯ハーネス。
- 少なくとも前記導電帯には、少なくとも一方表面を覆う非導電性のシーリング層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の分離配線可能な平型多芯ハーネス。
- 前記導電帯と前記非導電帯との隣接によって形成される1ピース帯が帯幅方向に複数ピース連結されており、2本を超える導電帯相互間に前記切開予定部が挟み込まれて3箇所以上の導電端を分散配置可能とされていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の分離配線可能な平型多芯ハーネス。
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JP2020174939A (ja) * | 2019-04-19 | 2020-10-29 | グンゼ株式会社 | 電気信号配線構造体 |
JP2022058797A (ja) * | 2017-12-08 | 2022-04-12 | グンゼ株式会社 | シート状電気信号伝達生地及びシート状電気信号伝達生地の製造方法 |
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JP2002539599A (ja) * | 1999-03-12 | 2002-11-19 | シーメンス ヴイディオー オートモーティヴ | 導電性ケーブルからなる層における切り込み止めを構成する方法及び、これに対応する層 |
JP2016129121A (ja) * | 2015-01-09 | 2016-07-14 | ヤマハ株式会社 | 伸縮配線 |
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