JP2018059295A - 桁構造 - Google Patents
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Abstract
Description
この工事桁5で軌框を支持するにあたっては、図9に示すように、バラストBを一部撤去する作業を要する。
図9に示す従来の工事桁5は、レールRの延在方向に沿って配設されている一対のH形鋼(主桁)1と、一対のH形鋼1の間で対向するようにH形鋼1のウェブに固設されたL形鋼(棚板)2と、左右のL形鋼2に架け渡された枕木受桁(横桁)3等を備えて構成されている。
そして、バラストの撤去量が多いと、その撤去作業および移送に要する時間が増大し、それに伴い工期や工費が増大してしまうという問題があった。
レールの延在方向に沿って配設された一対の主桁と、前記一対の主桁に架け渡された横桁とを備え、前記レールを受ける枕木を前記横桁で下方から支持する桁構造であって、
前記主桁は、その上面側に前記横桁が取り付けられているフランジ部と、前記主桁の長さ方向に延在して前記フランジ部の上面に固設されている補強突条部と、を備え、
前記補強突条部は、前記レール上に定められた建築限界を避け、前記レールから離間した位置に設けられているようにした。
特に、フランジ部の曲げ耐力の向上を図るように、フランジ部の上面に固設された補強突条部は、レール上に定められた建築限界を避けた位置にあるので、この桁構造を軌框下に好適に設置することができる。
前記補強突条部は、下端が前記フランジ部の上面に固設されているウェブ部と、前記フランジ部と略平行となるように前記ウェブ部の上端に固設されているサブフランジ部と、を備えているようにする。
補強突条部がウェブ部とサブフランジ部とを備えた構成であれば、主桁はフランジ部とウェブ部とサブフランジ部とを備えた断面視略H形状を呈する部材となる。
主桁が断面視略H形状を呈する部材であれば、その曲げ耐力は強く、この主桁を備えた桁構造で好適に軌框を支えることができる。
前記ウェブ部は、その少なくとも一部が上方へ向かうほど前記レールから離間する方向に傾くように形成されているようにする。
ウェブ部の少なくとも一部がレールから離間する方向に傾いた形状を有していれば、ウェブ部の上端が下端よりもレールから水平方向に離間した位置に配されるので、サブフランジ部をレールから水平方向に離間させ易くなり、建築限界を避けた位置に補強突条部を設け易くなる。
前記主桁は、その長さ方向に連なるように端部同士が突き合わされ、その突き合わされた箇所で前記フランジ部に跨る継目板が取り付けられて繋ぎ合わされており、
前記継目板のない箇所で前記フランジ部の上面に取り付けられる前記横桁と、前記継目板が取り付けられた箇所で前記フランジ部に取り付けられる前記横桁の上面高さを揃えるための高さ調整手段が、前記横桁と前記継目板と前記フランジ部の何れかに設けられているようにする。
横桁と継目板とフランジ部の何れかに設けられている高さ調整手段によって、継目板のない箇所でフランジ部の上面に取り付けられている横桁と、継目板が取り付けられた箇所でフランジ部に取り付けられている横桁の上面高さを揃えた桁構造であれば、軌框の複数の枕木を横桁で好適に下支えすることができ、その軌框を良好に支持することができる。
この桁構造100は、例えば、線路下の開削工事を行う際に、バラストBを一部撤去して設置し、軌框を支持するために使用するものである。
この補強突条部12がフランジ部11の上面に固設されていることによって、フランジ部11の長さ方向の曲げ耐力の向上が図られている。
特に、補強突条部12のウェブ部12aが上方へ向かうほど、レールRから離間する方向に傾くように形成して、ウェブ部12aの上端が下端よりもレールRから水平方向に離間した位置にあるようにすることで、補強突条部12が、レールR上に定められた建築限界Gを避けて、レールRから離間した位置に設けられているようにした。
なお、ウェブ部12aとフランジ部11とがなす角度は、例えば45°以上90°未満であり、対を成す主桁10のサブフランジ部12bが互いに離間する方向に傾いている。
そして、本発明者らは、本実施形態の主桁10と、この主桁10と略同じサイズのH形鋼(例えば、従来技術の工事桁5のH形鋼1)とが、ほぼ同等の耐力・剛性を有していることをFEM解析などによって確認した。
なお、主桁10は、一般的なH形鋼と同じ金属材料で形成されている。
横桁20は、複数の枕木Mを下支えする金属製の部材であり、軌框の枕木Mの間隔に対応させて複数の横桁20が主桁10に取り付けられている。
この横桁20は、例えば図2に示すように、ボルトやナットなどの締結具30によってフランジ部11の上面に取り付けられている。
そして、従来のH形鋼とほぼ同等の耐力・剛性を有している主桁10を備えた桁構造100は、従来技術の工事桁5(図9参照)とほぼ同等の強度を有しており、軌框を好適に支持することができる。
この桁構造100における主桁10は、桁構造100の設置範囲に応じて複数の主桁10が繋ぎ合わされたものである。
具体的に、複数の主桁10がその長さ方向に連なるように端部同士が突き合わされ、その突き合わされた箇所でフランジ部11に跨る継目板40が取り付けられて、主桁10同士が繋ぎ合わされている。
但し、桁構造100の横桁20は、軌框の枕木Mを下支えするための部材であるので、横桁20毎にその取り付け高さに違いがあっては不具合が生じてしまう。
そこで、継目板40のない箇所でフランジ部11の上面に取り付けられる横桁20と、継目板40が取り付けられた箇所でフランジ部11に取り付けられる横桁20の上面高さを揃えるために、以下に説明する高さ調整手段を利用することとした。
なお、フランジ部11の上面と下面にはそれぞれサイズが異なる継目板40が配設されており、それら継目板40でフランジ部11を挟み込むように締結具30で固定されている。同様に、サブフランジ部12bの上面と下面にはそれぞれサイズが異なる継目板40が配設されており、それら継目板40でサブフランジ部12bを挟み込むように締結具30で固定されている。
この張出部11aは、フランジ部11と同じ厚みを有するように、フランジ部11と一体に成形されたものであるので、張出部11aの上面に取り付けた横桁20と、フランジ部11の上面に取り付けた横桁20(図2参照)の上面高さを揃えることができる。
つまり、フランジ部11に設けられた張出部11aは、高さ調整手段として機能するようになっている。
このように、継目板40のない箇所でフランジ部11の上面に取り付けた横桁20と、継目板40が取り付けられた箇所でフランジ部11の一部をなす張出部11aに取り付けた横桁20の上面高さを揃えることができるので、この桁構造100によって軌框の複数の枕木Mを好適に支持することができる。
なお、フランジ部11に張出部11aを設ける位置は、軌框の枕木Mの間隔に対応させた横桁20の取り付け位置に応じて予め設定することができる。
こうすることで、継目板40が取り付けられた箇所であっても、横桁20をフランジ部11の上面に取り付けることが可能になるので、継目板40のない箇所でフランジ部11の上面に取り付けた横桁20と、継目板40が取り付けられた箇所でフランジ部11に取り付けた横桁20の上面高さを揃えることができる。
つまり、継目板40に設けられた切欠40aが、高さ調整手段として機能するようになっている。
このような桁構造100であっても、軌框の複数の枕木Mを好適に支持することができる。
なお、継目板40に切欠40aを設ける位置は、軌框の枕木Mの間隔に対応させた横桁20の取り付け位置に応じて予め設定することができる。
この横桁20の端部下面に形成した切欠20aは、継目板40の厚みに相当するサイズを有しているので、継目板40を介してフランジ部11に載置した横桁20と、継目板40のない箇所でフランジ部11の上面に取り付けた横桁20の上面高さを揃えることができる。
つまり、横桁20に設けられた切欠20aが、高さ調整手段として機能するようになっている。
このような桁構造100であっても、軌框の複数の枕木Mを好適に支持することができる。
そして、継目板40の張出部40bに重ねられた調整材50の上に横桁20を載置し、載置した横桁20を締結具30によって継目板40に固定し、継目板40を介して横桁20をフランジ部11に固定するようにしてもよい。
この調整材50は、フランジ部11と同じ厚みを有しているので、継目板40の張出部40bに重ねられた調整材50の上面に取り付けた横桁20と、フランジ部11の上面に取り付けた横桁20の上面高さを揃えることができる。
つまり、調整材50と継目板40の張出部40bとが、高さ調整手段として機能するようになっている。
このような桁構造100であっても、軌框の複数の枕木Mを好適に支持することができる。
例えば、図7に示すように、本実施形態の桁構造100の主桁10は、ウェブ部12aの一部が上方へ向かうほどレールRから離間する方向に傾くように形成されているものでもよい。
ウェブ部12aの少なくとも一部がレールRから離間する方向に傾いた形状を有していれば、ウェブ部12aの上端が下端よりもレールRから水平方向に離間した位置にあるようにすることができ、レールR上に定められた建築限界Gを避けた位置に主桁10の補強突条部12を設け、その建築限界Gを避けた位置に主桁10を設置することができる。
このような桁構造100であっても、レールR上に定められた建築限界Gを避けた位置に主桁10を設置することができる。
また、補強突条部12のサブフランジ部12bは、フランジ部11と平行であることに限らず、建築限界Gを避けた位置にあればその角度や形状は任意である。
11 フランジ部
11a 張出部(高さ調整手段)
12 補強突条部
12a ウェブ部
12b サブフランジ部
20 横桁
20a 切欠(高さ調整手段)
30 締結具
40 継目板
40a 切欠(高さ調整手段)
40b 張出部(高さ調整手段)
50 調整材(高さ調整手段)
100 桁構造
R レール
M 枕木
B バラスト
G 建築限界
Claims (4)
- レールの延在方向に沿って配設された一対の主桁と、前記一対の主桁に架け渡された横桁とを備え、前記レールを受ける枕木を前記横桁で下方から支持する桁構造であって、
前記主桁は、その上面側に前記横桁が取り付けられているフランジ部と、前記主桁の長さ方向に延在して前記フランジ部の上面に固設されている補強突条部と、を備え、
前記補強突条部は、前記レール上に定められた建築限界を避け、前記レールから離間した位置に設けられていることを特徴とする桁構造。 - 前記補強突条部は、下端が前記フランジ部の上面に固設されているウェブ部と、前記フランジ部と略平行となるように前記ウェブ部の上端に固設されているサブフランジ部と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の桁構造。
- 前記ウェブ部は、その少なくとも一部が上方へ向かうほど前記レールから離間する方向に傾くように形成されていることを特徴とする請求項2に記載の桁構造。
- 前記主桁は、その長さ方向に連なるように端部同士が突き合わされ、その突き合わされた箇所で前記フランジ部に跨る継目板が取り付けられて繋ぎ合わされており、
前記継目板のない箇所で前記フランジ部の上面に取り付けられる前記横桁と、前記継目板が取り付けられた箇所で前記フランジ部に取り付けられる前記横桁の上面高さを揃えるための高さ調整手段が、前記横桁と前記継目板と前記フランジ部の何れかに設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の桁構造。
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