JP2018059151A - ニッケル銅被覆粉体、ニッケル銅被覆粉体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】無機質粉体の表面に銅を被覆し、さらにその銅の表面にニッケル又はニッケル合金を被覆したニッケル銅被覆粉体を、単純な工程で、コストの面でもより効率的に製造することができる方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るニッケル銅被覆粉体の製造方法は、無機質粉体に、酸化銅粉と、さらに融点が700℃以下である銅塩とを混合し、この混合物を還元雰囲気中で350〜800℃の温度で加熱還元することにより、その無機質粉体に銅を付着させて銅被覆粉体を得る銅被覆工程と、銅被覆粉体の表面に、無電解めっき法によりニッケル又はニッケル合金被膜を形成させてニッケル銅被覆粉体を得るニッケル被覆工程と、を有する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係るニッケル銅被覆粉体の製造方法は、無機質粉体に、酸化銅粉と、さらに融点が700℃以下である銅塩とを混合し、この混合物を還元雰囲気中で350〜800℃の温度で加熱還元することにより、その無機質粉体に銅を付着させて銅被覆粉体を得る銅被覆工程と、銅被覆粉体の表面に、無電解めっき法によりニッケル又はニッケル合金被膜を形成させてニッケル銅被覆粉体を得るニッケル被覆工程と、を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、導電性ペースト等の材料として用いられる導電性フィラーに関するものであり、より詳しくは、無機質粉体の表面に銅を被覆し、その表面にニッケル(Ni)又はニッケル合金を被覆することで粉体の導電性を改善させることのできるニッケル銅被覆粉体及びその製造方法に関する。
電子機器における配線層や電極等の形成には、樹脂型ペーストや焼成型ペースト、電磁波シールド塗料のような、銅粉、銀粉等の金属フィラーを使用したペーストや塗料が多く用いられている。銅粉、銀粉等の金属フィラーペーストは、各種基材上に塗布又は印刷され、加熱硬化や加熱焼成の処理を受けて、配線層や電極等となる導電膜を形成する。
例えば、樹脂型導電性ペーストは、金属フィラーと、樹脂、硬化剤、溶剤等からなり、導電体回路パターン又は端子の上に印刷され、100℃〜200℃で加熱硬化させて導電膜として配線や電極を形成する。樹脂型導電性ペーストは、熱によって熱硬化型樹脂が硬化収縮するため、金属フィラーが圧着されて接触することで金属フィラーが重なり、電気的に接続した電流パスが形成される。この樹脂型導電性ペーストは、硬化温度が200℃以下で処理されることから、プリント配線板等の熱に弱い材料を使用している基板に用いられている。
また、焼成型導電性ペーストは、金属フィラーと、ガラス、溶剤等からなり、導電体回路パターン又は端子の上に印刷され、600℃〜800℃に加熱焼成させて導電膜として配線や電極を形成する。焼成型導電性ペーストは、高い温度によって処理することで、金属フィラーが焼結して導通性が確保されるものである。この焼成型導電性ペーストは、焼成温度が高いため、樹脂材料を使用するようなプリント配線基板には使用できないものの、高温処理で金属フィラーが焼結することから低抵抗を実現することが可能となる。そのため、焼成型導電性ペーストは、積層セラミックコンデンサの外部電極等に用いられる。
一方、電磁波シールドは、電子機器からの電磁気的なノイズの発生を防止するために使用されるもので、特に近年では、パソコンや携帯の筐体が樹脂製になったことから、筐体に導電性を確保するために、蒸着法やスパッタ法で薄い金属被膜を形成する方法や、導電性の塗料を塗布する方法、導電性のシートを必要な箇所に貼り付けて電磁波をシールドする方法等が提案されている。その中でも、樹脂中に金属フィラーを分散させて塗布する方法や樹脂中に金属フィラーを分散させてシート状に加工してそれを筐体に貼り付ける方法では、加工工程において特殊な設備を必要とせず、自由度に優れており多用されている。
しかしながら、このような金属フィラーを樹脂中に分散させて塗布する場合やシート状に加工する場合においては、金属フィラーの樹脂中における分散状態が一様にならないため、電磁波シールドの効率を得るために金属フィラーの充填率を高める等の方法が必要となる。ところが、その場合には、多量の金属フィラーの添加することによってシート重量が重くなるとともに、樹脂シートの可撓性を損なう等の問題が発生していた。そのため、例えば特許文献1においては、それらの問題を解決するために平板状の金属フィラーを使用する方法が提案されており、このことによって、電磁波シールド効果に優れ、可撓性も良好な薄いシートを形成することができるとしている。
このような導電性ペーストや電磁波シールド材の金属フィラーとして用いられる金属粉材料としての銅粉は、酸化すると表面が酸化銅で覆われ、焼結性、耐食性、あるいは導電性に悪影響を与える原因となる。このため、銅粉の酸化を防止するために、銅粒子表面にPt、Pd、Ag、Au等の貴金属をコートしたものや、SiO2系の酸化物をコートしたもの、またはニッケルをコートして耐酸化性を高めたもの等が知られている。例えば、特許文献2には、銅粉表面にニッケル(Ni)を被覆したニッケルコート銅粉が開示されている。
一方、電子機器の小型化、高機能化の進展に伴い、対向する多数の電極や配線間の接続のために、異方性導電材料が採用されている。異方性導電材料としては、異方性導電ペースト、異方性導電フィルム、異方性導電シート等がある。これら異方性導電材料は、導電性微粒子をバインダー樹脂等に混合した材料であり、接続時に異方性を発揮するためには、形状が一定の導電性微粒子が必要となる。
一般的に広く用いられている金属粒子では、求める形状の粒子とすることは難しい。そのため、形状を一定にコントロールして製造できる無機質や有機質の粉体の表面に金属を被覆する方法が利用されている。具体的に、例えば特許文献3には、樹脂や無機化合物からなる平均粒子径が0.5μm〜2.5μmの球状粉の表面に貴金属を被覆した導電性微粒子が提案されている。
これら樹脂や無機化合物の表面に金属を被覆する方法としては、無電解めっきによって被覆する方法が従来から用いられている。具体的に、無電解めっき法では、基材を塩化第一ニッケル及び塩化パラジウム溶液、あるいはニッケルとパラジウムのコロイド溶液中に浸漬することにより表面を活性化した後、金属塩、金属錯化剤、pH調整剤、還元剤等を含有する無電解めっき浴に浸漬して金属被膜を形成する。
無電解めっき法により形成される金属被膜の種類は、金属塩の種類により各種あり、導電材、電磁波シールド材として利用可能な金属としては、ニッケル、銅、銀、パラジウム等がある。金属の種類によって、無電解めっき浴中の金属塩、金属錯化剤、pH調整剤、還元剤の種類は異なるが、通常、無電解めっき法による粉体表面への金属被膜の形成においては、粉体を活性化処理した後に、還元剤、あるいは還元剤と金属塩とを除いた無電解めっき浴中に浸漬し、撹拌により粉体を十分に分散させた後に、還元剤、あるいは還元剤と金属塩とを徐々に添加していき、ゆっくりと金属被膜を形成させるようにしている。
ところが、このような方法により粉体表面に金属被膜を形成する場合、粉体表面の活性化工程において、吸着性等の差により、ニッケルあるいはパラジウムの分布に不均一性が生じることがある。すると、無電解めっきの際に、金属被膜が形成しやすい部分と形成しにくい部分とが生じてしまい、被膜形成の進行により、その形成しやすい部分にのみ金属被膜が形成されるため、極端な部分では未析出部が生じ、素材が表面に露出するといった問題が生じることがある。また、無電解めっき液中に含まれる還元剤が、活性化工程により粉体表面に吸着したパラジウムあるいは無電解めっきにより形成された金属による触媒作用で、酸化され、その際に放出される電子によって無電解めっき液中の金属が還元され、金属被膜が形成されてしまうことがある。
還元剤の還元力は、酸化還元電位により表れ、還元剤の種類、濃度、温度、pH等により変化するなどの問題が発生するため、均一で密着性の良い金属被膜を得るためにはそのコントロールが必要となる。例えば特許文献4では、活性化処理後の粉体を、還元剤を含有する溶液中に分散させ、温度及びpHをコントロールした後に還元剤を含まない無電解めっき液中に添加する方法が提案されている。このように、均一で密着性の良い金属皮膜を作製するためには、複雑な管理が必要となる。
また、無電解めっき法においては、上述するように非常に多くの工程を必要とするとともに、無電解めっきで発生する廃液の処理も問題となり、処理に複雑な工程と高いコストが必要となる。
化学大辞典1、p1050、共立出版社、昭和35年3月30日発行
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、無機質粉体の表面に銅を被覆し、さらにその銅の表面にニッケル又はニッケル合金を被覆したニッケル銅被覆粉体を、単純な工程で、コストの面でもより効率的に製造することができる方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上述した目的を達成するために鋭意研究を重ねた。その結果、無機質粉体と酸化銅粉と共に、さらに特定の銅塩を加えて混合し、その混合物を還元処理して銅被膜粉体を製造し、その銅被覆粉体に対して、無電解めっき法によりニッケル又はニッケル合金被膜を形成することで、比較的低温の還元温度で効率的に、密着性の良好なニッケル銅被膜を有するニッケル銅被覆粉体を製造できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下のものである。
(1)本発明の第1の発明は、無機質粉体に、酸化銅粉と、さらに融点が700℃以下である銅塩とを混合し、この混合物を還元雰囲気中で350〜800℃の温度で加熱還元することにより、該無機質粉体に銅を付着させて銅被覆粉体を得る銅被覆工程と、前記銅被覆粉体の表面に、無電解めっき法によりニッケル又はニッケル合金被膜を形成させてニッケル銅被覆粉体を得るニッケル被覆工程と、を有する、ニッケル銅被覆粉体の製造方法である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、前記銅被覆工程では、前記無機質粉体と、前記酸化銅粉と、前記銅塩とを混合する際に、該酸化銅粉を、該無機質粉体に対して金属銅量換算で5質量%以上60質量%以下の割合で添加する、ニッケル銅被覆粉体の製造方法である。
(3)本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記銅被覆工程では、前記無機質粉体と、前記酸化銅粉と、前記銅塩とを混合する際に、該銅塩を、該酸化銅粉に対して金属銅量換算で0.01質量%以上10質量%以下の割合で添加する、ニッケル銅被覆粉体の製造方法である。
(4)本発明の第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記銅塩は、塩化銅である、ニッケル銅被覆粉体の製造方法である。
(5)本発明の第5の発明は、第1乃至第4のいずれかの発明において、前記銅被覆工程では、前記混合物を流動させながら加熱還元する、ニッケル銅被覆粉体の製造方法である。
(6)本発明の第6の発明は、第1乃至第5のいずれかの発明において、前記酸化銅粉は、平均粒子径が20μm以下、比表面積が0.5m2/g以上である、ニッケル銅被覆粉体の製造方法である。
(7)本発明の第7の発明は、第1乃至第6のいずれかの発明において、前記ニッケル被覆工程では、前記銅被覆粉体の表面に対する前記ニッケル又はニッケル合金被膜の被覆量が、ニッケル被膜の場合には、前記銅被覆粉体に対して金属ニッケル量換算で1質量%以上25質量%以下の割合となるように、ニッケル合金被膜の場合には、前記銅被覆粉体に対してニッケル合金量換算で1質量%以上25質量%以下の割合となるように、ニッケル又はニッケル合金被膜を形成する、ニッケル銅被覆粉体の製造方法である。
(8)本発明の第8の発明は、第7の発明において、前記ニッケル被覆工程では、前記銅被覆粉体の表面にニッケル合金被膜の形成する場合、ニッケル合金を構成するニッケル以外の金属元素の含有割合は、前記ニッケル合金被膜全体の質量100%に対して0.1質量%以上20質量%以下である、ニッケル銅被覆粉体の製造方法である。
(9)本発明の第9の発明は、第1乃至第8のいずれかの発明において、前記無機質粉体は、平均粒子径が0.3μm以上500μm以下である、ニッケル銅被覆粉体の製造方法である。
(10)本発明の第10の発明は、第1乃至第9のいずれかの発明において、前記無機質粉体は、金属系粉体以外の無機質材料からなる粉体である、ニッケル銅被覆粉体の製造方法である。
(11)本発明の第11の発明は、第10の発明において、前記無機質粉体は、金属酸化物の粉体である、ニッケル銅被覆粉体の製造方法である。
(12)本発明の第12の発明は、無機質粉体の表面に設けられた銅被膜層と、該銅被膜層の表面に形成されたニッケル又はニッケル合金被膜層とを有するニッケル銅被覆粉体であって、前記銅被膜層を構成する銅量が、当該ニッケル銅被覆粉体全体の質量100%に対して3.5質量%以上40質量%以下であり、ニッケル又はニッケル合金被膜層においては、ニッケル被膜の場合には、ニッケル量が当該ニッケル銅被覆粉体全体の質量100%に対して1質量%以上20質量%以下の割合であり、ニッケル合金被膜の場合には、ニッケル合金量が当該ニッケル銅被覆粉体全体の質量100%に対して1質量%以上20質量%以下の割合であり、該ニッケル合金を構成するニッケル以外の金属元素の含有量が当該ニッケル銅被覆粉体全体の質量100%に対して0.1質量%以上20質量%以下の割合である、ニッケル銅被膜粉体である。
(13)本発明の第13の発明は、第12の発明において、前記ニッケル合金を構成するニッケル以外の金属元素は、亜鉛、パラジウム、コバルト、白金、タングステン、モリブデン、スズ、リン、及びボロンから選ばれる少なくとも1種以上から選ばれる少なくとも1種以上である、ニッケル銅被膜粉体である。
(14)本発明の第14の発明は、第12又は第13の発明において、平均粒子径が0.5μm以上700μm以下である、ニッケル銅被膜粉体である。
(15)本発明の第15の発明は、第12乃至第14のいずれかの発明において、前記無機質粉体は、金属系粉体以外の無機質材料からなる粉体である、ニッケル銅被膜粉体である。
(16)本発明の第16の発明は、第16の発明において、前記無機質粉体は、金属酸化物の粉体である、ニッケル銅被膜粉体である。
本発明によれば、無機質粉体の表面に銅とニッケル又はニッケル合金とが均一に密着性よく被覆されたニッケル銅被覆粉体を、簡易な方法で、コストの面でもより効率的に製造することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について詳細に説明する。なお本発明は、その要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更することができる。また、本明細書にて、「x〜y」(x、yは任意の数値)の表記は、特に断らない限り「x以上y以下」の意味である。
≪1.ニッケル銅被覆粉体の製造方法≫
本実施の形態に係るニッケル銅被覆粉体の製造方法は、無機質粉体の表面に銅とニッケルとを被覆することによってニッケル銅被覆粉体とするものである。
本実施の形態に係るニッケル銅被覆粉体の製造方法は、無機質粉体の表面に銅とニッケルとを被覆することによってニッケル銅被覆粉体とするものである。
具体的には、図1に示すように、無機質粉体と、酸化銅粉とを混合し、還元雰囲気で加熱還元する乾式の製法により銅被覆粉体を得る銅被覆工程と、銅被覆粉体表面に無電解めっき法によりニッケル又はニッケル合金被膜を形成させてニッケル銅被膜粉体を得るニッケル被覆工程と、を有する。
そして、本実施の形態に係るニッケル銅被覆粉体の製造方法では、銅被覆工程において、無機質粉体に、酸化銅粉と、さらに融点が700℃以下である銅塩を添加して混合し、その混合物を還元雰囲気中350℃〜800℃の温度で加熱還元することにより、その無機質粉体の表面に銅を付着させて銅被覆粉体を得るようにしている。また、好ましくは、混合物を流動させながら加熱還元する。
このような方法によれば、還元温度が低温であっても、銅の還元及び拡散反応が効率的に且つ効果的に進行し、無機質粉体の表面に、均一に且つ良好な密着性でもって銅被膜を形成させることができる。また、この銅被覆工程では、乾式方法で処理が行われ、且つ比較的低い還元温度で銅被膜を形成できることから、無電解めっき法で問題となっていた複雑な工程管理が不要となり、廃液の処理等の問題もなく、また加熱に要するエネルギーも少ないため、低コストで効率的に銅被覆粉体を得ることができる。さらに、比較的低温度で反応させることから、還元時における粉体同士の焼結も防止することができる。
また、ニッケル被覆工程においては、得られた銅被覆粉体の表面に、無電解めっき法によりニッケル又はニッケル合金を被覆するようにしていることから、銅被覆粉体の表面に均一に且つ良好な密着性でもってニッケル又はニッケル合金の被膜を形成させることができ、電気的信頼性に優れた良好な導電性も得ることができる。
≪2.ニッケル銅被覆粉体の製造方法における各処理について≫
<2−1.銅被覆工程>
[原料の混合処理]
銅被覆工程においては、無機質粉体に、酸化銅粉を混合すると共に、さらに特定の銅塩を添加して混合する。
<2−1.銅被覆工程>
[原料の混合処理]
銅被覆工程においては、無機質粉体に、酸化銅粉を混合すると共に、さらに特定の銅塩を添加して混合する。
(1)無機質粉体について
無機質粉体としては、特に限定されないが、還元雰囲気中350℃〜800℃の温度で加熱還元するため、その温度でも変質しない材質であることが好ましい。
無機質粉体としては、特に限定されないが、還元雰囲気中350℃〜800℃の温度で加熱還元するため、その温度でも変質しない材質であることが好ましい。
具体的には、アルミナ、酸化チタン、ジルコニア、窒化ケイ素、サイアロン、炭化ケイ素、ムライト、マグネシア等のセラミック系無機材料の粉体や、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、アルミノケイ酸ガラス、カリクリスタルガラス、バリウムクリスタルガラス、チタンクリスタルガラス等のガラス系無機材料の粉体や、ニッケル、コバルト、鉄、アルミニウム、マンガン、亜鉛、タングステンの金属又はそれらの金属合金等の金属系粉体(金属粉)や前述の金属元素の金属間化合物の粉体やカーボン粉等が挙げられる。
これら列記した材料の中でも、金属系粉体(金属粉)以外の無機質材料からなる粉体が好ましく、セラミック系無機材料やガラス系無機材等の金属酸化物の粉体であることがより好ましい。これらの粉体は、金属系粉体(金属粉)よりも比重が小さく、異方性導電フィラーとして導電性ペースト等に用いた場合、その軽量化を図ることができる。また、これらの粉体は、金属系粉体(金属粉)よりも熱的に安定な材料が多く、後述する加熱還元処理が容易となる。さらに、詳しくは後述するが、金属酸化物の粉体は、銅塩が加熱還元時に溶融してその表面に付着する際に、銅塩が濡れ広がりやすく、均一で密着性の高い銅の被膜を形成することができる。
無機質粉体の平均粒子径は、特に限定されないが、0.3μm〜500μm(0.0003mm〜0.5mm)であれば、上述した方法により、無機質粉体の表面に均一で密着性の良好な銅被膜を形成することができる。また、その無機質粉体の平均粒子径は、1μm〜300μm程度であることがより好ましい。
なお、本発明における「平均粒子径」とは、50%平均粒子径(D50、粒度分布曲線における体積積算50%となる粒径)であり、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定することができる。
(2)酸化銅粉について
酸化銅粉は、特に限定されないが、平均粒子径が20μm以下であり、比表面積0.5m2/g以上の粉体であることが好ましい。このように、使用する酸化銅粉として、粒径が小さく、比表面積が大きい粉体を用いることにより、無機質粉体と効率的に混合され、その粉体表面への密着性をより高めることができる。
酸化銅粉は、特に限定されないが、平均粒子径が20μm以下であり、比表面積0.5m2/g以上の粉体であることが好ましい。このように、使用する酸化銅粉として、粒径が小さく、比表面積が大きい粉体を用いることにより、無機質粉体と効率的に混合され、その粉体表面への密着性をより高めることができる。
なお、酸化銅粉の比表面積は、BET法によりJIS Z8830:2013に準拠して測定することができる。
また、酸化銅粉としては、種々の方法により製造されたものを用いることができるが、その中でも、電解銅粉やアトマイズ粉等の銅粉を空気雰囲気で酸化焙焼して酸化銅にした後、ボールミル等の機械的な粉砕方法で粉砕する方法によれば、低コストで製造することができ好ましい。
具体的には、例えば、硫酸銅5水和物(CuSO4・5H2O)が銅濃度で5g/L〜50g/Lであり、遊離硫酸濃度が50g/L〜250g/Lとなる浴組成の電解液を用いて、通電電流密度5A/dm2〜30A/dm2、浴温度が20℃〜60℃の条件で所定時間電解し、陰極上に粉状の電解銅粉を電析させる。次に、得られた電解銅粉を、空気又は純酸素等の酸素を含有する雰囲気下において、400℃〜900℃の温度条件で所定時間加熱して酸化焙焼を行うことによって酸化銅とする。そして、得られた酸化銅を、例えば機械的な粉砕方法により平均粒径が20μm以下程度となるように粉砕することにより、酸化銅粉を製造することができる。
酸化銅粉の混合割合としては、特に限定されないが、無機質粉体の質量に対して金属銅量換算で5質量%〜60質量%であることが好ましく、10質量%〜50質量%であることがより好ましい。酸化銅粉の混合割合が、無機質粉体の質量に対して5質量%未満であると、銅が不足して無機質粉体の表面を均一に且つ完全に被覆できない可能性がある。一方で、無機質粉体の質量に対して60質量%を超えると、銅が必要以上に無機質粉体の表面に付着してしまい、容易に剥がれて遊離しやすくなるため好ましくない。
(3)銅塩について
本実施の形態においては、上述したように、無機質粉体と酸化銅粉とを混合すると共に、さらに特定の銅塩を添加して混合することを特徴としている。
本実施の形態においては、上述したように、無機質粉体と酸化銅粉とを混合すると共に、さらに特定の銅塩を添加して混合することを特徴としている。
具体的に、銅塩としては、融点が700℃以下のものを用いる。例えば、塩化銅(I)、塩化銅(II)、硝酸銅、炭酸銅等を挙げることができる。この中でも、塩化銅(I)又は塩化銅(II)であることが好ましい。その理由は、非特許文献1(化学大辞典1 p1050,共立出版社)に示されるように、塩化銅(I)の融点が422℃、塩化銅(II)の融点が498℃と低いからである。
このように、融点が700℃以下と低い塩化銅等の銅塩を、無機質粉体と酸化銅粉と共に混合することで、その混合物に対する加熱還元処理の段階で、その銅塩が溶融して、それが無機質粉体の表面に濡れることによって、酸化銅が無機質粉体の表面に均一に付着しやすくなるように作用する。そして、この均一に付着した酸化銅が還元されることによって、無機質粉体の表面に銅被膜が均一に形成された銅被覆粉体を得ることができる。
なお、添加した塩化銅等の銅塩は、溶融後に徐々に還元反応が進行して、銅の被膜となる。単純に銅の融点を下げることを目的とすると、亜鉛(Zn)や錫(Sn)等の低融点金属で合金化することが考えられるが、これらは最終的に銅被覆粉体の不純物として含まれることになるため最適な方法ではない。一方、塩化銅の塩素や硝酸銅の硝酸成分等の上述した種々の銅塩における銅以外の成分は、加熱還元に際して分解、揮発してしまうため、無機質粉体の表面の銅中に残留する不純物量としては極めて少ない。なお、粉体表面の銅中に含まれる不純物の量は、銅被覆粉体の導電性を低下させる大きな要因となることから、この点でも銅塩を用いることが有効である。
銅塩の混合割合としては、特に限定されないが、使用する酸化銅粉に対して金属銅量換算で0.01質量%〜10質量%であることが好ましく、0.05質量%〜5質量%であることがより好ましい。銅塩の混合割合が、酸化銅粉の質量に対して0.01質量%未満であると、無機質粉体の表面を濡らす効果が十分に得られにくくなる。一方、酸化銅粉の質量に対して10質量%を超えると、濡れ性等の効果そのものには影響しないが、添加量が多くなることでコストアップの要因になる。
[加熱還元処理について]
上述したように、銅被覆工程では、無機質粉体と、酸化銅粉と、さらに融点が700℃以下である銅塩を添加して混合して得られた混合物に対して、還元雰囲気中で加熱処理を施す。この還元加熱処理により、無機質粉体の表面に酸化銅粉に由来する銅が還元拡散され、銅被膜を形成する。
上述したように、銅被覆工程では、無機質粉体と、酸化銅粉と、さらに融点が700℃以下である銅塩を添加して混合して得られた混合物に対して、還元雰囲気中で加熱処理を施す。この還元加熱処理により、無機質粉体の表面に酸化銅粉に由来する銅が還元拡散され、銅被膜を形成する。
特に、本実施の形態に係る製造方法では、無機質粉体に対して酸化銅粉と共に融点が700℃以下である銅塩を添加して混合していることから、その混合物を加熱することにより、混合物中の銅塩がまず溶融して無機質粉体の表面を濡らしていく。そして、銅塩によって濡れた粉体表面上を酸化銅粉が還元拡散していくことから、銅の還元拡散反応を効率的に且つ効果的に進行させることができ、無機質粉体の表面に均一に酸化銅が付着するようになる。しかも、銅塩によって粉体表面が濡れるため、無機質粉体と銅被膜との密着性を向上させることもできる。
また、無機質粉体が金属酸化物の粉体である場合には、粉体表面の酸化物が銅塩の濡れ広がりをさらに促進させることから、酸化銅粉がより無機質粉体の表面に拡散して付着しやすくなり、均一で密着性の良好な銅被膜が得られやすくなる。
この加熱還元処理では、融点が700℃以下である銅塩を含む混合物に対して処理することにより、銅の還元拡散反応を効率的に且つ効果的に進行させていることから、その加熱温度を比較的低温にすることができる。具体的には、還元雰囲気中で350℃以上800℃以下の温度で処理することができる。これにより、加熱のための熱エネルギーを抑えることができ、コスト面でもより効率的に銅被覆粉体を製造することができる。さらに、比較的低温で反応させることから、還元時における粉体同士の焼結も抑制することができる。
加熱還元処理における温度条件として、熱処理温度が350℃未満であると、銅の還元拡散が十分に進行せず被膜形成が不十分で不均一となり、また被膜にはならない遊離銅粉の残存比率が増大する。一方、熱処理温度が800℃を超えると、粉体同士が焼結して凝集が生じてしまい取り扱いが困難になり、加熱処理後に粉砕等の処理が必要となり、形成した銅被膜の剥離の原因となる。さらに、加熱に要する熱エネルギーが大きくなり、コストアップにつながり効率的な製造が困難となる。
なお、加熱還元処理の温度条件としては、銅塩の融点よりも高いことが好ましい。また、もちろん、熱処理温度が350℃以上800℃以下の範囲内であっても、無機質粉体の融点を超えない温度とし、好ましくは無機質粉体の融点から50℃低い温度以下とする。
加熱還元処理における還元雰囲気の条件は、特に限定されないが、取り扱いの容易さの観点から、不活性ガスと還元性ガスとの混合ガスを供給して還元雰囲気とするのが好ましい。具体的に、不活性ガスとしては、窒素やアルゴンを用いることが好ましい。また、還元性ガスとしては、水素ガスを用いることが好ましく、このように還元性ガスとして水素ガスを用いることで、銅被膜中の不純物量の増大を抑えることができる。
また、還元加熱処理においては、加熱対象である混合物を流動させながら行うことが好ましい。これは、酸化銅粉が還元されることにより銅が拡散して無機質粉体の表面を被覆すると、個々の無機質粉体が焼結して凝集粉となることがあるためであり、流動させながら加熱還元することで焼結による凝集を防止することができる。また、流動させながら加熱還元することで、銅被膜の均一性や、無機質粉体と銅被膜との密着性をさらに向上させることもできる。
具体的に、この還元加熱処理は、ロータリーキルン等の転動炉や流動層還元炉等を用いて行うことができる。その他、混合物を撹拌して流動させながら加熱できる方法であれば、特に限定されない。
以上のように、このような銅被覆工程によれば、乾式で且つ比較的低い熱処理温度で、無機質の粉体の表面に、均一で密着性の良好な銅被膜を形成することができる。さらに、従来の無電解めっき法のように、多くの複雑な工程が不要で、廃液の処理等も問題もなく、また加熱に要するエネルギーも少ないことから、低コストで効率よく、銅被覆粉体を製造することができる。
<2−2.ニッケル被覆工程>
ニッケル被覆工程においては、銅被覆工程にて得られた銅被覆粉体の表面に、ニッケル又はニッケル合金の被膜を形成させる。具体的には、無電解めっき法を用いて、銅被覆粉体の表面にニッケル又はニッケル合金の被膜を形成させてニッケル銅被覆粉体を得る。なお、「ニッケル又はニッケル合金被膜」とは、上述したように、金属ニッケル、あるいはニッケルとニッケル以外の金属元素とを含むニッケル合金からなる被膜をいう。
ニッケル被覆工程においては、銅被覆工程にて得られた銅被覆粉体の表面に、ニッケル又はニッケル合金の被膜を形成させる。具体的には、無電解めっき法を用いて、銅被覆粉体の表面にニッケル又はニッケル合金の被膜を形成させてニッケル銅被覆粉体を得る。なお、「ニッケル又はニッケル合金被膜」とは、上述したように、金属ニッケル、あるいはニッケルとニッケル以外の金属元素とを含むニッケル合金からなる被膜をいう。
[ニッケル又はニッケル合金被膜の被覆量の調整について]
銅被覆粉体の表面に対するニッケル又はニッケル合金被膜の被覆量としては、ニッケル被膜を形成する場合には、銅被覆粉体の質量に対して、金属ニッケル量換算で1質量%〜25質量%となる量であることが好ましく、5質量%〜25質量%となる量であることがより好ましい。また、ニッケル合金被膜を形成する場合には、銅被覆粉体の質量に対して、金属ニッケル合金量換算で1質量%〜25質量%となる量であることが好ましく、5質量%〜25質量%となる量であることがより好ましい。
銅被覆粉体の表面に対するニッケル又はニッケル合金被膜の被覆量としては、ニッケル被膜を形成する場合には、銅被覆粉体の質量に対して、金属ニッケル量換算で1質量%〜25質量%となる量であることが好ましく、5質量%〜25質量%となる量であることがより好ましい。また、ニッケル合金被膜を形成する場合には、銅被覆粉体の質量に対して、金属ニッケル合金量換算で1質量%〜25質量%となる量であることが好ましく、5質量%〜25質量%となる量であることがより好ましい。
ニッケル被覆工程においては、被覆量が上述した範囲であるニッケル又はニッケル合金被膜が銅被覆粉体の表面に形成されるように、ニッケルイオン源を無電解ニッケル液(ニッケルイオン溶液)中に添加する。
ニッケル又はニッケル合金被膜の被覆量に関して、ニッケル被覆量が銅被覆粉体の質量に対して25質量%を超えても、さらなる導電性の向上は見られず、高コストになるだけであり好ましくない。また、ニッケル被覆量が銅被覆粉体の質量に対して1質量%未満であると、被覆前と比較して導電性がほとんど向上しない可能性がある。
[無電解めっき法]
(1)前処理
銅被覆粉体の表面に均一な厚みでニッケル又はニッケル合金を被覆するためには、ニッケルめっき処理の前に洗浄を行うのが好ましく、銅被覆粉体を洗浄液中に分散させ、撹拌しながら洗浄を行うことが好ましい。この洗浄処理としては、酸性溶液中で行うのが好ましく、洗浄後には、銅被覆粉体のろ過、分離と、水洗とを適宜繰り返して、水中に銅被覆粉体が分散した銅被覆粉体スラリーとすることが好ましい。なお、ろ過、分離と、水洗については、公知の方法を用いればよい。
(1)前処理
銅被覆粉体の表面に均一な厚みでニッケル又はニッケル合金を被覆するためには、ニッケルめっき処理の前に洗浄を行うのが好ましく、銅被覆粉体を洗浄液中に分散させ、撹拌しながら洗浄を行うことが好ましい。この洗浄処理としては、酸性溶液中で行うのが好ましく、洗浄後には、銅被覆粉体のろ過、分離と、水洗とを適宜繰り返して、水中に銅被覆粉体が分散した銅被覆粉体スラリーとすることが好ましい。なお、ろ過、分離と、水洗については、公知の方法を用いればよい。
(2)ニッケルめっき
無電解めっき法でニッケルめっきする場合には、銅被覆粉体を洗浄した後に得られた銅被覆粉体スラリーに無電解ニッケルめっき液を加えるか、無電解ニッケルめっき液中に銅被覆粉体スラリーを加え、均一に撹拌する。このような処理によって、銅被覆粉体の表面にニッケル被膜又はニッケル合金被膜をより均一に形成させることができる。
無電解めっき法でニッケルめっきする場合には、銅被覆粉体を洗浄した後に得られた銅被覆粉体スラリーに無電解ニッケルめっき液を加えるか、無電解ニッケルめっき液中に銅被覆粉体スラリーを加え、均一に撹拌する。このような処理によって、銅被覆粉体の表面にニッケル被膜又はニッケル合金被膜をより均一に形成させることができる。
無電解めっき法でニッケルめっきする方法としては、特に限定されない。無電解ニッケルめっき液は、めっき液中のニッケルイオンを還元剤によって還元してニッケル被覆を行うものであり、還元剤の種類としては、次亜リン酸塩、水素化ホウ素化合物、及びヒドラジン化合物が挙げられる。
具体的には、次亜リン酸塩としては、例えば、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸ナトリウム等の次亜リン酸塩、亜リン酸カリウム、亜リン酸ナトリウム等の亜リン酸塩が挙げられる。
また、水素化ホウ素化合物としては、例えば、ジメチルヘキサボラン、ジメチルアミンボラン(DMAB)、ジエチルアミンボラン、モルホリンボラン、ピリジンアミンボラン、ピペリジンボラン、エチレンジアミンボラン、エチレンジアミンビスボラン、t−ブチルアミンボラン、イミダゾールボラン、メトキシエチルアミンボラン、及び水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられる。
また、ヒドラジン化合物としては、ヒドラジン及びその水和物や、例えば硫酸ヒドラジン、塩酸ヒドラジン等のヒドラジン塩や、ピラゾール類、トリアゾール類、ヒドラジド類等のヒドラジン誘導体等を用いることができる。これらのヒドラジン誘導体の中で、ピラゾール類としては、ピラゾールの他に、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチル−5−ピラゾロン等のピラゾール誘導体を用いることができる。また、トリアゾール類としては、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール等を用いることができる。また、ヒドラジド類としては、アジピン酸ヒドラジド、マレイン酸ヒドラジド、カルボヒドラジド等を用いることができる。また、ヒドラジン類としては、特に、硫酸ヒドラジン、塩酸ヒドラジン、アジピン酸ヒドラジド、マレイン酸ヒドラジド、カルボヒドラジド等を用いることができる。
ニッケル源としては、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、酢酸ニッケル、スルファミン酸ニッケル等のニッケル塩が挙げられる。
また、めっき液には、錯化剤、pH緩衝剤、pH調整剤を含有させることができる。
具体的に、錯化剤としては、公知の錯化剤を使用することができる。例えば、グリシン等のアミノ酸、クエン酸ナトリウムやクエン酸アンモニウム等のクエン酸塩、乳酸、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルコン酸等のナトリウム塩又はアンモニウム塩、アンモニア等が挙げられる。
pH緩衝剤としては、公知の錯化剤を使用することができる。例えば、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、ホウ酸、酢酸ナトリウム等が挙げられる。
pH調整剤としては、公知の錯化剤を使用することができる。例えば、酸やアルカリの化合物を使用することができ、例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物,炭酸ニッケル、硫酸、塩酸等が挙げられる。なお、アンモニアを用いる場合、アンモニア水として供給することができる。
また、さらに必要に応じて、消泡剤や分散剤を使用してもよい。
さらに、めっき液の浸透性を向上させるために、界面活性剤を含有させることができる。界面活性剤としては、ノニオン性、カチオン性、アニオン性、両性等の界面活性剤のいずれを用いることができ、1種単独又は2種以上併せて用いることができる。
ここで、無電解めっきによるニッケル被覆では、無電解ニッケルめっき液中の還元剤である次亜リン酸浴塩、水素化ホウ素化合物、及びヒドラジン化合物によって析出するニッケル被膜が異なる。具体的に、還元剤として次亜リン酸浴塩を用いた場合、還元反応中にリンが被膜中に含有されるため、Ni−P合金被膜が形成される。また、還元剤として水素化ホウ素化合物を用いた場合、還元反応中にボロンが被膜中に含有されるため、Ni−B合金被膜が形成される。また、還元剤としてヒドラジン化合物を用いた場合は、不純物の少ない高純度なニッケル被膜が形成される。
さらに、形成するニッケル被膜中にその他の元素が含有されるようにすることで、すなわち、銅被覆粉体の表面に「ニッケル合金」の被膜を形成させることで、そのニッケル銅被覆粉体を用いて、耐熱性、耐食性にも優れた導電性ペースト等を実現することができる。
具体的に、ニッケル合金被膜を形成させる場合、そのニッケル合金被膜中に含有させる元素、つまりニッケル合金を構成するニッケル以外の元素としては、周期表の第6族から第14族の元素が挙げられ、その中でも、亜鉛、パラジウム、コバルト、ロジウム、鉄、白金、イリジウム、タングステン、モリブデン、クロム、及びスズ等が挙げられる。特に、亜鉛、コバルト、タングステン、モリブデン、パラジウム、白金、及びスズから選ばれる1種類以上の元素が好ましく、これらの元素を含有するニッケル合金とすることで導電性に優れかつ耐熱性や耐食性も良好なニッケル合金被膜を形成することができる。
これらニッケル合金を構成する元素の含有量は、導電性や分散性の観点から、ニッケル合金の質量100%に対して0.1質量%〜20質量%であることが好ましく、1質量%〜15質量%であることがより好ましく、2質量%〜10質量%であることがさらに好ましい。なお、上述した還元剤の種類によってそれぞれ形成されるNi−P合金やNi−B合金についても、そのリンやボロンの含有量は、同じくニッケル合金被膜の質量100%に対して0.1質量%〜20質量%であることが好ましく、1質量%〜15質量%であることがより好ましく、2質量%〜10質量%であることがさらに好ましい。
ニッケル合金としたときにニッケル以外の元素の含有量が多くなりすぎると、導電性が低下する原因となることから20質量%以下とすることが好ましい。一方で、含有量が0.1質量%未満では、それらの元素をニッケルと共に含有させてニッケル合金としても耐熱性や耐食性を向上させる効果が十分に得られない。なお、ニッケル合金中の元素の含有量は、例えば高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法により、ニッケル銅被覆粉体を構成する各元素の含有量を換算することによって測定できる。また、エネルギー分散型X線分光(EDX)法やオージェ電子分光(AES)法によって、ニッケル銅被覆粉体の断面等からニッケル合金被膜中の各元素の定量分析することもできる。
ニッケル合金の被膜を形成する方法としては、上述した無電解ニッケルめっき液にコバルト、亜鉛、タングステン、モリブデン、パラジウム、白金、及びスズ等のイオンを添加し、そのめっき液を用いた無電解めっきにより形成することができる。コバルト、亜鉛、タングステン、モリブデン、パラジウム、白金、及びスズ等のイオン源としては、可溶性となるそれぞれの金属塩であれば特に限定されない。
具体的に、コバルトイオン源としては、コバルト化合物としてめっき液に可溶性のものであって、所定の濃度の水溶液が得られるものであれば特に限定されずに使用できる。例えば、硫酸コバルト、塩化コバルト、スルファミン酸コバルト等が挙げられる。これらのコバルト化合物は、1種単独又は2種以上を混合して用いることができる。
亜鉛イオン源としては、亜鉛化合物としてめっき液に可溶性のものであって、所定の濃度の水溶液が得られるものであれば特に限定されずに使用できる。例えば、塩化亜鉛、スルファミン酸亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛等が挙げられる。これらの亜鉛化合物は、1種単独又は2種以上を混合して用いることができる。
タングステンイオン源としては、タングステン化合物としてめっき液に可溶性のものであって、所定の濃度の水溶液が得られるものであれば特に限定されずに使用できる。例えば、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カリウム、タングステン酸アンモニウム等が挙げられる。これらのタングステン化合物は、1種単独又は2種以上を混合して用いることができる。
モリブデンイオン源としては、モリブデン化合物としてめっき液に可溶性のものであって、所定の濃度の水溶液が得られるものであれば特に限定されずに使用できる。例えば、三酸化モリブデン、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸二アンモニウム、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸、リンモリブデン酸、モリブデン酸グルコン酸錯体が挙げられる。これらのモリブデン化合物は、1種単独又は2種以上を混合して用いることができる。
パラジウムイオン源としては、パラジウム化合物としてめっき液に可溶性のものであって、所定の濃度の水溶液が得られるものであれば特に限定されずに使用できる。例えば、硫酸パラジウム、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、ジクロロジエチンレジアミンパラジウム、テトラアンミンパラジウムジクロライド等の水溶性パラジウム化合物を用いることができる。また、パラジウム化合物として、パラジウムを溶液化した、いわゆるパラジウム溶液を使用することもできる。パラジウム溶液としては、例えば、ジクロロジエチレンジアミンパラジウム溶液やテトラアンミンパラジウムジクロライド溶液等を使用することができる。これらのパラジウム化合物は、1種単独又は2種以上を混合して用いることができる。
白金イオン源としては、白金化合物としてめっき液に可溶性のものであって、所定の濃度の水溶液が得られるものであれば特に限定されずに使用できる。例えば、塩化白金、塩化白金酸、塩化白金酸塩、水酸化白金酸、水酸化白金酸塩、ジニトロジアンミン白金錯塩、ジニトロスルフィト白金錯塩、テトラアンミン白金錯塩、ヘキサアンミン白金錯塩が挙げられる。白金化合物は、1種単独又は2種以上混合して用いることができる。
スズイオン源としては、スズ化合物としてめっき液に可溶性のものであって、所定の濃度の水溶液が得られるものであれば特に限定されずに使用できる。例えば、塩化第一スズ、塩化第二スズ、硫酸第一スズ、硫酸第二スズ、ピロ燐酸スズ等のスズの無機酸塩やクエン酸第一スズ、クエン酸第二スズ、シュウ酸第一スズ、シュウ酸第二スズ等のスズのカルボン酸塩やメタンスルホン酸スズ、1−エタンスルホン酸スズ、2−エタンスルホン酸スズ、1−プロパンスルホン酸スズ、3−プロパンスルホン酸スズ等のスズのアルカンスルホン酸塩やメタノールスルホン酸スズ、ヒドロキシエタン−1−スルホン酸スズ、1−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸スズ、ヒドロキシエタン−2−スルホン酸スズ、1−ヒドロキシプロパン−3−スルホン酸スズ等のアルカノールスルホン酸塩、水酸化第一スズ、水酸化第二スズ等のスズの水酸化物、メタスズ酸等が挙げられる。
なお、ニッケル合金被膜を形成する方法としては、上述した無電解めっき法による方法に限定されない。例えば、ニッケルを被覆する前の銅被覆粉体中にニッケル合金を構成するニッケル以外の元素を含有させておき、無電解めっき法によりニッケルのみからなる被膜(ニッケル被膜)を形成させた後に、予め銅被覆粉体に含有させておいた元素をそのニッケル被膜に拡散させることによって、ニッケル合金被膜を形成させることもできる。
≪3.ニッケル銅被覆粉体≫
本実施の形態に係るニッケル銅被覆粉体は、上述した製造方法により製造されるものであり、無機質粉体の表面に設けられた銅被膜層と、その銅被膜層の表面に形成されたニッケル又はニッケル合金被膜層とを有する構成となっている。
本実施の形態に係るニッケル銅被覆粉体は、上述した製造方法により製造されるものであり、無機質粉体の表面に設けられた銅被膜層と、その銅被膜層の表面に形成されたニッケル又はニッケル合金被膜層とを有する構成となっている。
そして、銅被覆層を構成する銅量は、当該ニッケル銅被覆粉体全体の質量100%に対して3.5質量%以上40質量%以下である。また、ニッケル又はニッケル合金被膜層においては、ニッケル被膜の場合には、ニッケル量が当該ニッケル銅被覆粉体全体の質量100%に対して1質量%以上20質量%以下の割合であり、ニッケル合金被膜の場合には、ニッケル合金量が当該ニッケル銅被覆粉体全体の質量100%に対して1質量%以上20質量%以下の割合である。
このようなニッケル銅被覆粉体によれば、無機質粉体に対して、均一で且つ良好な密着性でもってニッケル銅被覆が形成されていることから、安定的に優れた導電性を奏する。
銅被膜層を構成する銅量が、ニッケル銅被膜粉体全体の質量に対して3.5質量%未満であると、銅が不足して無機質粉体の表面を均一に且つ完全に被覆できにくくなる可能性がある。一方で、銅量がニッケル銅被膜粉体全体の質量に対して40質量%を超えると、銅が必要以上に無機質粉体の表面に付着した状態となり、容易に剥がれて遊離しやすくなるため好ましくない。
また、銅被覆層の表面に形成されるニッケル又はニッケル合金被膜層において、ニッケル被膜の場合、ニッケル量がニッケル銅被膜粉体全体の質量に対して1質量%未満であると、被覆前と比較して導電性がほとんど向上せず、一方、20質量%を超えても、更なる導電性の向上はみられず、高コストになるだけであり好ましくない。また、ニッケル合金被膜の場合においても、ニッケル合金量がニッケル銅被膜粉体全体の質量に対して1質量%未満であると、被覆前と比較して導電性がほとんど向上せず、一方、20質量%を超えても、更なる導電性の向上はみられず、高コストになるだけであり好ましくない。
上述したように、銅被覆層の表面に、ニッケル合金の被膜が形成されている場合には、ニッケル以外の金属元素の含有量は、ニッケル銅被覆粉体全体の質量100%に対して0.1質量%〜20質量%であり、2質量%以上10質量%であることが好ましい。なお、残部はニッケルである。ニッケル合金被膜におけるニッケル以外の金属元素としては、亜鉛、パラジウム、コバルト、白金、タングステン、モリブデン、スズ、リン、及びボロンから選ばれる少なくとも1種以上から選ばれる少なくとも1種以上であることが好ましい。
また、本実施の形態に係るニッケル銅被覆粉体は、特に限定されないが、その平均粒子径が0.5μm〜700μm(0.0005〜0.7mm)であることが好ましい。平均粒子径が0.5μm〜700μmであれば、導電性フィラーとして好適である。異方性導電材料として用いる場合には、このニッケル銅被覆粉体の平均粒子径は、1.5μm〜500μmであることがより好ましい。
なお、無機質粉体としては、上述したように、アルミナ、酸化チタン、ジルコニア、窒化ケイ素、サイアロン、炭化ケイ素、ムライト、マグネシア等のセラミック系無機材料の粉体や、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、アルミノケイ酸ガラス、カリクリスタルガラス、バリウムクリスタルガラス、チタンクリスタルガラス等のガラス系無機材料の粉体や、ニッケル、コバルト、鉄、アルミニウム、マンガン、亜鉛、タングステンの金属又はそれらの金属合金等の金属系粉体(金属粉)、上述した金属元素の金属間化合物の粉体、カーボン粉等が挙げられる。
これら列記した材料の中でも、金属系粉体(金属粉)以外の無機材料の粉体がより好ましい。これらの粉体は金属系粉体(金属粉)よりも比重が小さく、導電フィラーとして導電性ペースト等に用いた場合、その軽量化を図ることができる。また、金属系粉体(金属粉)よりも熱的に安定な材料が多く、後述する加熱還元処理が容易となる。さらに、セラミック系無機材料やガラス系無機材料等の金属酸化物の粉体であることが特に好ましい。金属酸化物の粉体は、銅塩が加熱還元時に溶融してその表面に付着する際に、銅塩が濡れ広がりやすく、均一で密着性の高い銅の被膜が形成されたものとなる。
以下に、本発明の実施例を比較例と共に具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
≪ニッケル銅被覆粉体の製造≫
[実施例1−1]
(銅被覆粉体の作製)
無機質粉体として平均粒子径が約0.3mm(300μm)のジルコニアの粉体100gに対して、平均粒子径が約10μm、BET比表面積が0.6m2/gの酸化銅粉を金属銅量換算で20質量%の量となるよう添加して混合した。
[実施例1−1]
(銅被覆粉体の作製)
無機質粉体として平均粒子径が約0.3mm(300μm)のジルコニアの粉体100gに対して、平均粒子径が約10μm、BET比表面積が0.6m2/gの酸化銅粉を金属銅量換算で20質量%の量となるよう添加して混合した。
ここで、酸化銅粉は、以下のようにして製造した。すなわち、硫酸銅5水和物(CuSO4・5H2O)を用いて調製した、銅濃度8g/L、遊離硫酸(H2SO4)濃度55g/Lとなる浴組成の電解液に、カソードにチタン板、アノードに銅板を配して、浴温25℃、電流密度10A/dm2条件で8時間通電し、カソードに電着した銅を掻き落として電解銅粉を製造した。得られた電解銅粉を、空気雰囲気下で800℃、3時間の酸化焙焼を行って酸化銅にした後、小型粉砕機(協立理工(株)製,商品名:サンプルミルSK−M10)で粉砕して酸化銅粉を製造した。
次に、ジルコニアの粉体と酸化銅粉との混合物に、塩化銅(I)(CuCl)を酸化銅粉に対して金属銅量換算で0.05質量%となる量を添加して、均一に混合するために小型粉砕機で5分間撹拌して混合物とした。得られた混合物を、水素濃度2%の窒素−水素混合ガスからなる還元雰囲気で、自作した小型ロータリーキルンを20rpmで回転させて混合物を流動させながら温度500℃の条件で30分間加熱還元を行うことによって、銅被覆粉体を作製した。
(ニッケル銅被覆粉体の作製)
次に、得られた銅被覆粉体を用いて、無電解ニッケルめっきによりその銅被覆粉体の表面にニッケル合金(Ni−B合金)被覆を行い、ニッケル銅被覆粉体を作製した。なお、還元剤が水素化ホウ素化合物である無電解ニッケルめっき液を用いた。
次に、得られた銅被覆粉体を用いて、無電解ニッケルめっきによりその銅被覆粉体の表面にニッケル合金(Ni−B合金)被覆を行い、ニッケル銅被覆粉体を作製した。なお、還元剤が水素化ホウ素化合物である無電解ニッケルめっき液を用いた。
具体的には、無電解ニッケルめっき液として、硫酸ニッケル30g/L、コハク酸ナトリウム50g/L、ホウ酸30g/L、塩化アンモニウム30g/L、ジメチルアミンボラン4g/Lを各濃度で添加し、さらに水酸化ナトリウムを添加してpH6.0に調整しためっき液を500mL用意した。
この無電解ニッケルめっき液に、作製した銅被覆粉体100gを水100mL中に分散させたスラリーを入れ、25℃で10分間撹拌した後、浴温を60℃まで加熱して60分間撹拌した。
反応が終了した後、粉末をろ過、水洗してエタノールを通じて乾燥させたところ、銅被覆粉体の表面にニッケル合金が被覆されたニッケル銅被覆粉体が得られた。
[実施例1−2、1−3]
ジルコニアの粉体と酸化銅粉との混合物に、塩化銅(I)を、それぞれ酸化銅粉に対して金属銅量換算で1質量%(実施例1−2)、10質量%(実施例1−3)の量となるように添加したこと以外は、実施例1−1と同様にしてニッケル銅被覆粉体を作製した。
ジルコニアの粉体と酸化銅粉との混合物に、塩化銅(I)を、それぞれ酸化銅粉に対して金属銅量換算で1質量%(実施例1−2)、10質量%(実施例1−3)の量となるように添加したこと以外は、実施例1−1と同様にしてニッケル銅被覆粉体を作製した。
[実施例1−4]
無機質粉体として平均粒子径が約0.015mm(15μm)のジルコニアの粉体とし、塩化銅(I)の添加量を酸化銅粉に対して金属銅量換算で5質量%となる量とし、加熱還元温度を600℃としたこと以外は、実施例1−1と同様にしてニッケル銅被覆粉体を作製した。
無機質粉体として平均粒子径が約0.015mm(15μm)のジルコニアの粉体とし、塩化銅(I)の添加量を酸化銅粉に対して金属銅量換算で5質量%となる量とし、加熱還元温度を600℃としたこと以外は、実施例1−1と同様にしてニッケル銅被覆粉体を作製した。
[実施例1−5、1−6]
無機質粉体として平均粒子径が約0.03mm(30μm)のソーダ石灰ガラスの粉体とし、塩化銅(I)の添加量を酸化銅粉に対して金属銅量換算でそれぞれ0.05質量%(実施例1−5)、5質量%(実施例1−6)となる量とし、加熱還元温度を400℃としたこと以外は、実施例1−1と同様にしてニッケル銅被覆粉体を作製した。
無機質粉体として平均粒子径が約0.03mm(30μm)のソーダ石灰ガラスの粉体とし、塩化銅(I)の添加量を酸化銅粉に対して金属銅量換算でそれぞれ0.05質量%(実施例1−5)、5質量%(実施例1−6)となる量とし、加熱還元温度を400℃としたこと以外は、実施例1−1と同様にしてニッケル銅被覆粉体を作製した。
[実施例1−7、1−8]
無機質粉体として平均粒子径が0.0005mm(0.5μm)のニッケル粉とし、塩化銅(I)の添加量を酸化銅粉に対して、金属銅量換算でそれぞれ0.05質量%(実施例1−7)、1質量%(実施例1−8)となる量とし、加熱還元温度を800℃としたこと以外は、実施例1−1と同様にしてニッケル銅被覆粉体を作製した。
無機質粉体として平均粒子径が0.0005mm(0.5μm)のニッケル粉とし、塩化銅(I)の添加量を酸化銅粉に対して、金属銅量換算でそれぞれ0.05質量%(実施例1−7)、1質量%(実施例1−8)となる量とし、加熱還元温度を800℃としたこと以外は、実施例1−1と同様にしてニッケル銅被覆粉体を作製した。
[実施例2−1]
(銅被覆粉体の作製)
無機質粉体として平均粒子径が約0.3mm(300μm)のジルコニアの粉体100gに対して、平均粒子径が約10μm、BET比表面積が0.6m2/gの酸化銅粉を金属銅量換算で20質量%の量になるよう添加して混合した。
(銅被覆粉体の作製)
無機質粉体として平均粒子径が約0.3mm(300μm)のジルコニアの粉体100gに対して、平均粒子径が約10μm、BET比表面積が0.6m2/gの酸化銅粉を金属銅量換算で20質量%の量になるよう添加して混合した。
ここで、酸化銅粉は、以下のようにして製造した。すなわち、硫酸銅5水和物(CuSO4・5H2O)を用いて調製した、銅濃度8g/L、遊離硫酸(H2SO4)濃度55g/Lとなる浴組成の電解液に、カソードにチタン板、アノードに銅板を配して、浴温25℃、電流密度10A/dm2条件で8時間通電し、カソードに電着した銅を掻き落として電解銅粉を製造した。得られた電解銅粉を、空気雰囲気下で800℃、3時間の酸化焙焼を行って酸化銅にした後、小型粉砕機(協立理工(株)製,商品名:サンプルミルSK−M10)で粉砕して酸化銅粉を製造した。
次に、ジルコニアの粉体と酸化銅粉の混合物に、塩化銅(I)(CuCl)を酸化銅粉に対して金属銅量換算で5質量%となる量を添加して、均一に混合するために小型粉砕機で5分間撹拌して混合物とした。得られた混合物を、水素濃度2%の窒素−水素混合ガスからなる還元雰囲気で、自作した小型ロータリーキルンを20rpmで回転させて混合物を流動させながら温度500℃の条件で30分間加熱還元を行うことによって、銅被覆粉体を作製した。
(ニッケル銅被覆粉体の作製)
作製した銅被覆粉体を用いて、無電解ニッケルめっきによりその銅被覆粉体表面にニッケル合金(Ni−P合金)被覆を行い、ニッケル銅被覆粉体を作製した。なお、還元剤が次亜リン酸塩である無電解ニッケルめっき液を用いた。
作製した銅被覆粉体を用いて、無電解ニッケルめっきによりその銅被覆粉体表面にニッケル合金(Ni−P合金)被覆を行い、ニッケル銅被覆粉体を作製した。なお、還元剤が次亜リン酸塩である無電解ニッケルめっき液を用いた。
具体的には、無電解ニッケルめっき液として、硫酸ニッケル20g/L、次亜リン酸ナトリウム25g/L、酢酸ナトリウム10g/L、クエン酸ナトリウム10g/Lを各濃度で添加し、さらに水酸化ナトリウムを添加してpH5.0に調整しためっき液を500mL用意した。
この無電解ニッケルめっき液に、作製した銅被覆粉体100gを水100mL中に分散させたスラリーを入れ、25℃で10分間撹拌した後、浴温を90℃まで加熱して60分間撹拌した。
各水溶液の添加が終了した後、粉末をろ過、水洗してエタノールを通じて乾燥させたところ、銅被覆粉体の表面にリン(P)を含むニッケル合金が被覆されたニッケル銅被覆粉体が得られた。
[実施例2−2]
無機質粉体として平均粒子径が約0.03mm(30μm)のソーダ石灰ガラスの粉体とし、塩化銅(I)の添加量を酸化銅粉に対して金属銅量換算で1質量%となる量とし、加熱還元温度を400℃としたこと以外は、実施例2−1と同様にしてニッケル銅被覆粉体を作製した。
無機質粉体として平均粒子径が約0.03mm(30μm)のソーダ石灰ガラスの粉体とし、塩化銅(I)の添加量を酸化銅粉に対して金属銅量換算で1質量%となる量とし、加熱還元温度を400℃としたこと以外は、実施例2−1と同様にしてニッケル銅被覆粉体を作製した。
[実施例2−3]
無機質粉体として平均粒子径が約0.005mm(5μm)のタングステンの粉体とし、塩化銅(I)の添加量を酸化銅粉に対して金属銅量換算で5質量%となる量とし、加熱還元温度を800℃としたこと以外は、実施例2−1と同様にしてニッケル銅被覆粉体を作製した。
無機質粉体として平均粒子径が約0.005mm(5μm)のタングステンの粉体とし、塩化銅(I)の添加量を酸化銅粉に対して金属銅量換算で5質量%となる量とし、加熱還元温度を800℃としたこと以外は、実施例2−1と同様にしてニッケル銅被覆粉体を作製した。
[実施例3−1]
(銅被覆粉体の作製)
無機質粉体として平均粒子径が約0.015mm(15μm)のジルコニアの粉体100gに対して、平均粒子径が約10μm、BET比表面積が0.6m2/gの酸化銅粉を金属銅量換算で20質量%の量になるよう添加して混合した。
(銅被覆粉体の作製)
無機質粉体として平均粒子径が約0.015mm(15μm)のジルコニアの粉体100gに対して、平均粒子径が約10μm、BET比表面積が0.6m2/gの酸化銅粉を金属銅量換算で20質量%の量になるよう添加して混合した。
ここで、酸化銅粉は、以下のようにして製造した。すなわち、硫酸銅5水和物(CuSO4・5H2O)を用いて調製した、銅濃度8g/L、遊離硫酸(H2SO4)濃度55g/Lとなる浴組成の電解液に、カソードにチタン板、アノードに銅板を配して、浴温25℃、電流密度10A/dm2条件で8時間通電し、カソードに電着した銅を掻き落として電解銅粉を製造した。得られた電解銅粉を、空気雰囲気下で800℃、3時間の酸化焙焼を行って酸化銅にした後、小型粉砕機(協立理工(株)製,商品名:サンプルミルSK−M10)で粉砕して酸化銅粉を製造した。
次に、ジルコニアの粉体と酸化銅粉の混合物に、塩化銅(I)(CuCl)を酸化銅粉に対して金属銅量換算で0.05質量%となる量を添加して、均一に混合するために小型粉砕機で5分間撹拌して混合物とした。得られた混合物を、水素濃度2%の窒素−水素混合ガスからなる還元雰囲気で、自作した小型ロータリーキルンを20rpmで回転させて混合物を流動させながら温度600℃の条件で30分間加熱還元を行うことによって、銅被覆粉体を作製した。
(ニッケル銅被覆粉体の作製)
作製した銅被覆粉体を用いて、無電解ニッケルめっきによりその銅被覆粉体表面にニッケル被覆を行い、ニッケル銅被覆粉体を作製した。なお、還元剤がヒドラジン化合物である無電解ニッケルめっき液を用いた。
作製した銅被覆粉体を用いて、無電解ニッケルめっきによりその銅被覆粉体表面にニッケル被覆を行い、ニッケル銅被覆粉体を作製した。なお、還元剤がヒドラジン化合物である無電解ニッケルめっき液を用いた。
具体的に、得られた銅被覆粉体100gを水500mL中で分散させたスラリーに、酢酸ニッケルを濃度12.4g/Lとなるよう添加し、続いてヒドラジン一水和物80質量%水溶液6gをその浴中に60分間にわたり徐々に撹拌しながら滴下した。このとき、浴温は60℃になるように管理した。
反応が終了した後、粉末をろ過、水洗してエタノールを通じて乾燥させたところ、電解銅粉の表面にニッケルが被覆されたニッケル銅被覆粉体が得られた。
[実施例3−2]
無機質粉体として平均粒子径が約0.03mm(30μm)のソーダ石灰ガラスの粉体とし、塩化銅(I)の添加量を酸化銅粉に対して金属銅量換算で10質量%となる量とし、加熱還元温度を400℃としたこと以外は、実施例3−1と同様にしてニッケル銅被覆粉体を作製した。
無機質粉体として平均粒子径が約0.03mm(30μm)のソーダ石灰ガラスの粉体とし、塩化銅(I)の添加量を酸化銅粉に対して金属銅量換算で10質量%となる量とし、加熱還元温度を400℃としたこと以外は、実施例3−1と同様にしてニッケル銅被覆粉体を作製した。
[実施例3−3]
無機質粉体として平均粒子径が約0.005mm(5μm)のタングステンの粉体とし、塩化銅(I)の添加量を酸化銅粉に対して金属銅量換算で10質量%となる量とし、加熱還元温度を800℃としたこと以外は、実施例3−1と同様にしてニッケル銅被覆粉体を作製した。
無機質粉体として平均粒子径が約0.005mm(5μm)のタングステンの粉体とし、塩化銅(I)の添加量を酸化銅粉に対して金属銅量換算で10質量%となる量とし、加熱還元温度を800℃としたこと以外は、実施例3−1と同様にしてニッケル銅被覆粉体を作製した。
[実施例4]
小型ロータリーキルンの回転を止める、すなわち混合物を流動させない状態としたこと以外は、実施例1−2と同様にしてニッケル銅被覆粉体を作製した。
小型ロータリーキルンの回転を止める、すなわち混合物を流動させない状態としたこと以外は、実施例1−2と同様にしてニッケル銅被覆粉体を作製した。
[比較例1]
塩化銅(I)を添加しなかったこと以外は、実施例1−1と同様にしてニッケル銅被覆粉体を作製した。
塩化銅(I)を添加しなかったこと以外は、実施例1−1と同様にしてニッケル銅被覆粉体を作製した。
[比較例2、3]
加熱還元時の温度を、それぞれ、300℃(比較例2)、900℃(比較例3)としたこと以外は、実施例1−2と同様にしてニッケル銅被覆粉体を作製した。
加熱還元時の温度を、それぞれ、300℃(比較例2)、900℃(比較例3)としたこと以外は、実施例1−2と同様にしてニッケル銅被覆粉体を作製した。
≪評価≫
上述のようにして得られた実施例1−1〜1−8、実施例2−1〜2−3、実施例3−1〜3−3、実施例4、比較例1〜3のニッケル銅被覆粉体について、ニッケル又はニッケル合金の被覆量、ニッケル銅被膜の均一性と密着性を評価した。表1〜表3に、これらの結果をまとめて示す。なお、表1〜表3において、ニッケル被覆量の表記(※)に関し、ニッケル合金の場合には、ニッケル銅被覆粉体中のニッケル合金量を示し、( )内に各構成元素のニッケル合金中含有率を示す。
上述のようにして得られた実施例1−1〜1−8、実施例2−1〜2−3、実施例3−1〜3−3、実施例4、比較例1〜3のニッケル銅被覆粉体について、ニッケル又はニッケル合金の被覆量、ニッケル銅被膜の均一性と密着性を評価した。表1〜表3に、これらの結果をまとめて示す。なお、表1〜表3において、ニッケル被覆量の表記(※)に関し、ニッケル合金の場合には、ニッケル銅被覆粉体中のニッケル合金量を示し、( )内に各構成元素のニッケル合金中含有率を示す。
ニッケル又はニッケル合金の被覆量は、ICP発光分光分析により評価した。
ニッケル銅被膜の均一性は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、ニッケル銅被膜が均一、一様に無機質粉体に付着している場合を「○」、一部でも無機質粉体の表面が露出している場合を「×」とした。
ニッケル銅被覆の密着性は、作製したニッケル銅被覆粉体50gに対して、粒子径が1mmのジルコニアビーズ50gをともにステンレス製容器に入れて、小型ボールミル((株)アサヒ理化製作所製、製品名AV−1型)を用いて回転数300rpmで1時間回転し、それを篩分けした後、剥がれたニッケル銅を回収して化学分析でニッケル(合金)及び銅量を測定し、被覆したニッケル(合金)銅量と剥がれたニッケル(合金)銅量の割合から剥離率を求めることで評価した。
なお、無機質粉体の平均粒子径が0.1mm以下であると、篩分けできないため、ニッケル銅被膜の均一性のみを評価した。
表1〜表3に示す結果から、実施例1−1〜1−8、実施例2−1〜2−3、実施例3−1〜3−3のニッケル銅被覆粉体では、均一なニッケル銅被膜が形成されたことが分かる。また、実施例1−1〜1−3及び実施例2−1のニッケル銅被覆粉体の結果から、密着性の良好なニッケル銅被膜が形成されたことが分かる。
また、加熱還元時に混合物を流動させない状態として作製した実施例4のニッケル銅被覆粉体では、ジルコニア表面にニッケル銅被膜が一様に形成され、ジルコニアの露出は確認されなかった。また、実施例4のニッケル銅被覆粉体では、比較例1、2より剥離率が低かった。ただし、SEM像の濃淡からニッケル銅被膜の厚みにばらつきが認められた。
一方で、塩化銅(I)を添加しない条件で作製した比較例1のニッケル銅被覆粉体では、ニッケル銅被膜の均一性がなく、一部にジルコニアが露出していることが確認された。また、その比較例1のニッケル銅被覆粉体では、剥離率が非常に高く、ニッケル銅被膜は粉体に密着していない状態であった。
また、加熱還元温度を350℃〜800℃の範囲外である300℃として作製した比較例2のニッケル銅被覆粉体では、その温度が低くかったためか、還元された銅の拡散が十分に進行せず、ニッケル銅被膜の形成が不均一になったと考えられる。また、加熱還元温度を900℃として作製した比較例3のニッケル銅被覆粉体では、その温度が高かったためか、焼結が進んで粉体が凝集した。
Claims (16)
- 無機質粉体に、酸化銅粉と、さらに融点が700℃以下である銅塩とを混合し、この混合物を還元雰囲気中で350℃〜800℃の温度で加熱還元することにより、該無機質粉体に銅を付着させて銅被覆粉体を得る銅被覆工程と、
前記銅被覆粉体の表面に、無電解めっき法によりニッケル又はニッケル合金被膜を形成させてニッケル銅被覆粉体を得るニッケル被覆工程と、を有する
ニッケル銅被覆粉体の製造方法。 - 前記銅被覆工程では、
前記無機質粉体と、前記酸化銅粉と、前記銅塩とを混合する際に、該酸化銅粉を、該無機質粉体に対して金属銅量換算で5質量%以上60質量%以下の割合で添加する
請求項1に記載のニッケル銅被覆粉体の製造方法。 - 前記銅被覆工程では、
前記無機質粉体と、前記酸化銅粉と、前記銅塩とを混合する際に、該銅塩を、該酸化銅粉に対して金属銅量換算で0.01質量%以上10質量%以下の割合で添加する
請求項1又は2に記載のニッケル銅被覆粉体の製造方法。 - 前記銅塩は、塩化銅である
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のニッケル銅被覆粉体の製造方法。 - 前記銅被覆工程では、
前記混合物を流動させながら加熱還元する
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のニッケル銅被覆粉体の製造方法。 - 前記酸化銅粉は、平均粒子径が20μm以下、比表面積が0.5m2/g以上である
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のニッケル銅被覆粉体の製造方法。 - 前記ニッケル被覆工程では、
前記銅被覆粉体の表面に対する前記ニッケル又はニッケル合金被膜の被覆量が、
ニッケル被膜の場合には、前記銅被覆粉体に対して金属ニッケル量換算で1質量%以上25質量%以下の割合となるように、
ニッケル合金被膜の場合には、前記銅被覆粉体に対してニッケル合金量換算で1質量%以上25質量%以下の割合となるように、
ニッケル又はニッケル合金被膜を形成する
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のニッケル銅被覆粉体の製造方法。 - 前記ニッケル被覆工程では、
前記銅被覆粉体の表面にニッケル合金被膜の形成する場合、
ニッケル合金を構成するニッケル以外の金属元素の含有割合は、前記ニッケル合金被膜全体の質量100%に対して0.1質量%以上20質量%以下である
請求項7に記載のニッケル銅被覆粉体の製造方法。 - 前記無機質粉体は、平均粒子径が0.3μm以上500μm以下である
請求項1乃至8のいずれか1項に記載のニッケル銅被覆粉体の製造方法。 - 前記無機質粉体は、金属系粉体以外の無機質材料からなる粉体である
請求項1乃至9のいずれか1項に記載のニッケル銅被覆粉体の製造方法。 - 前記無機質粉体は、金属酸化物の粉体である
請求項10に記載のニッケル銅被覆粉体の製造方法。 - 無機質粉体の表面に設けられた銅被膜層と、該銅被膜層の表面に形成されたニッケル又はニッケル合金被膜層とを有するニッケル銅被覆粉体であって、
前記銅被膜層を構成する銅量が、当該ニッケル銅被覆粉体全体の質量100%に対して3.5質量%以上40質量%以下であり、
ニッケル又はニッケル合金被膜層においては、
ニッケル被膜の場合には、ニッケル量が当該ニッケル銅被覆粉体全体の質量100%に対して1質量%以上20質量%以下の割合であり、
ニッケル合金被膜の場合には、ニッケル合金量が当該ニッケル銅被覆粉体全体の質量100%に対して1質量%以上20質量%以下の割合であり、該ニッケル合金を構成するニッケル以外の金属元素の含有量が当該ニッケル銅被覆粉体全体の質量100%に対して0.1質量%以上20質量%以下の割合である
ニッケル銅被膜粉体。 - 前記ニッケル合金を構成するニッケル以外の金属元素は、亜鉛、パラジウム、コバルト、白金、タングステン、モリブデン、スズ、リン、及びボロンから選ばれる少なくとも1種以上から選ばれる少なくとも1種以上である
請求項12に記載のニッケル銅被膜粉体。 - 平均粒子径が0.5μm以上700μm以下である
請求項12又は13に記載のニッケル銅被膜粉体。 - 前記無機質粉体は、金属系粉体以外の無機質材料からなる粉体である
請求項12乃至14のいずれか1項に記載のニッケル銅被膜粉体。 - 前記無機質粉体は、金属酸化物の粉体である
請求項15に記載のニッケル銅被膜粉体。
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-
2016
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CN114855130B (zh) * | 2022-04-27 | 2023-11-21 | 鑫合德(清远)智能科技发展有限公司 | 一种低激光反射率铬包铜复合粉体的制备方法及其制备装置 |
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