JP2018058272A - タイヤ把持装置及びタイヤ検査装置 - Google Patents
タイヤ把持装置及びタイヤ検査装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018058272A JP2018058272A JP2016197493A JP2016197493A JP2018058272A JP 2018058272 A JP2018058272 A JP 2018058272A JP 2016197493 A JP2016197493 A JP 2016197493A JP 2016197493 A JP2016197493 A JP 2016197493A JP 2018058272 A JP2018058272 A JP 2018058272A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tire
- chuck
- drive mechanism
- inspection
- gripping device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Tyre Moulding (AREA)
- Tires In General (AREA)
Abstract
【課題】一例としては、タイヤのビード部の開放端部の内側(タイヤの円形開口部の内部)により多くの当接部材を挿入できる構造を備えるタイヤ把持装置を提供する。【解決手段】実施形態にかかるタイヤ把持装置にあっては、タイヤのビード部の開放端部に当接可能な複数の当接部材を円周状に配置したチャック機構と、複数の当接部材のそれぞれをタイヤの径を広げる第一の方向と当該第一の方向と反対の第二の方向に移動可能に支持する複数の第一駆動機構と、複数の当接部材が配置される面と交わる方向に沿って移動して複数の第一駆動機構を第一の方向または第二の方向に移動させる第二駆動機構とを含む駆動機構と、を備える。【選択図】図3
Description
本発明は、タイヤ把持装置及びタイヤ検査装置に関する。
従来、タイヤのビード部の開放端部で形成される円形開口部にチャック装置(タイヤ把持装置)の当接部材(把持部材)を挿入して持ち上げる装置がある。この種の装置は、当接部材をタイヤ径方向に拡大するように移動させて、ビード部を径方向外側に押圧することで把持力を確保する場合がある。このような装置は、検査装置と組み合わせて利用される場合がある。この場合、タイヤを把持して持ち上げて、そのタイヤを中心軸周りに回転させる。持ち上げられたタイヤの周囲には、撮影装置や各種センサが配置され、回転するタイヤの全周を確認したり撮影したりして、品質管理や生産管理のための処理が実行される(例えば、特許文献1)。
上述したように、従来のタイヤ把持装置は、タイヤのビード部内側の円形開口部に挿入される当接部材の数が少ない場合、タイヤのビード部の開放端部の形状(円形開口部の形状)が多角形状になるように拡大されてしまうことがある。例えば、4個の当接部材で把持動作を行う場合、ビード部の開放端部の形状は四角形に近い形状になる。つまり、タイヤの外形もビード部の開放端部の四角形の影響を受けて歪んでしまう場合がある。歪んだ状態でタイヤの検査を行うと、その歪みがノイズの原因になり検査精度を低下させてしまう一因になり得る。当接部材には、タイヤの円形開口部内でビード部の開放端部を拡径させるための種々の機構、例えばスライド機構やリンク機構が付随するので、円形開口部の周方向に配置できる当接部材の数が制限されてしまうという問題があった。
そこで、本発明の課題の一つは、タイヤのビード部の開放端部の内側(タイヤの円形開口部の内部)により多くの当接部材を挿入できる構造を備えるタイヤ把持装置を提供することである。
実施形態のタイヤ把持装置にあっては、一例として、タイヤのビード部の開放端部に当接可能な複数の当接部材を円周状に配置したチャック機構と、前記複数の当接部材のそれぞれを前記タイヤの径を広げる第一の方向と当該第一の方向と反対の第二の方向に移動可能に支持する複数の第一駆動機構と、前記複数の当接部材が配置される面と交わる方向に沿って移動して前記複数の第一駆動機構を前記第一の方向または前記第二の方向に移動させる第二駆動機構とを含む駆動機構と、を備える。
実施形態によれば、一例としては、第一駆動機構を駆動させる第二駆動機構は、複数の当接部材が配置される面と交わる方向に沿って移動する。したがって、第二駆動機構は、当接部材が配置される面とは異なる面に配置可能となり、第一駆動機構およびそれに支持される当接部材の円周方向の配置密度をより高めることができる。
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用及び結果(効果)は、あくまで一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能であるとともに、基本的な構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)を得ることが可能である。
本実施形態において、タイヤ検査装置10は、一例として完成したタイヤの表面、例えばタイヤのトレッド面(接地面)と両サイド面(ショルダー部、サイドウォール部、ビード部等)を検査(表面検査)のために撮影することができる。タイヤ検査装置10は、撮影された画像データに基づき、タイヤの表面形状(例えば変形の有無)や表面状態(例えば傷や汚れの有無)に関する検査を実行する。検査の項目や検査方法(撮影方法や画像情報の処理方法等)は、周知の技術が適用可能であり、その説明は省略する。
図1は、実施形態にかかるタイヤ把持装置を備えるタイヤ検査装置の一例を示す模式的な斜視図である。図1に示されるように、タイヤ検査装置10は、停留ステーションユニット12、タイヤ把持装置14、検査ユニット16(撮影部、検査部)、昇降ユニット18、制御ユニット20等を含んで構成されている。なお、タイヤ検査装置10は、タイヤ22を把持して停留ステーションユニット12から持ち上げた状態で検査ユニット16により検査を行う。そのため、周囲の安全を確保するためにフレーム等でタイヤ検査装置10全体を覆ってもよい。また、検査時に、周囲から外乱光の影響を受けることを抑制するために、タイヤ検査装置10またはフレームをカバー等で覆ってもよい。
停留ステーションユニット12は、検査対象である搬送中のタイヤ22(例えば車両用)をタイヤ把持装置14の直下の位置で一時的に停留させる。停留ステーションユニット12は、搬入側の搬送コンベア24aと搬出側の搬送コンベア24bとの間に設置される。停留ステーションユニット12は、例えば搬送力の伝達と非伝達を切り替え可能な複数のローラ12a群によって構成され、当該停留ステーションユニット12にタイヤ22が進入したこと(搬送されたこと)を各種センサで検出することにより、タイヤ22をタイヤ把持装置14の直下の適切な位置で停留させる。タイヤ22は、例えば平置き状態(寝かされた状態)で搬送コンベア24および停留ステーションユニット12により搬送される。
タイヤ把持装置14は、停留ステーションユニット12に平置き状態で停留したタイヤ22の円形開口部22aに挿入可能でタイヤ幅方向に離間した一対のチャック機構26(26A,26B)を備える。チャック機構26Aは、平置きされたタイヤ22の上側のビード部を押圧するようにタイヤ22の径を広げる方向に動作する。同様に、チャック機構26Bは、平置きされたタイヤ22の下側(搬送面側)のビード部を押圧するようにタイヤ22の径を広げる方向に動作する。このように一対のチャック機構26で幅方向に離間したビード部をそれぞれ押圧することで安定したタイヤ把持力を発生する。
検査ユニット16は、一例としてタイヤ22のトレッド面と両サイド面を撮影可能な撮影部16a〜16c(撮影装置、カメラ)を備える。また検査ユニット16は、撮影部の撮影領域に所定の光を照射する光照射部16d(照明装置)等を含む。撮影部16a〜16cの姿勢は固定でもよいし、個別に撮影位置や撮影角度が変更可能な変更機構を備えてもよい。また、適宜ズームイン、ズームアウトを可能として、より適切な検査データや操作者が注目すべきデータを取得できるように構成されてもよい。撮影部16a〜16cは、例えば、二次元に配列された光電変換素子(光電変換部)を有したエリアセンサ(固体撮像素子、例えば、CCD(charge coupled device)イメージセンサや、CMOS(complementary metal oxide semiconductor)イメージセンサ等)とすることができる。また、光照射部16dは、例えば、ライトシート(シート状の光、平坦なカーテン状の光、スリット光、一例としてはレーザーライトシート)を出射する。
昇降ユニット18は、例えばモータ18a、ボールねじ部18b、ガイドレール18c、キャリア18d等を備える。モータ18aを一方向に回転させることによりボールねじ部18bと噛合するナット(不図示)に固定されたキャリア18dがガイドレール18cに沿って下降する。また、モータ18aを他方向に回転させることによりキャリア18dがガイドレール18cに沿って上昇する。キャリア18dには、タイヤ把持装置14が固定されている。したがって、チャック機構26は、モータ18aの駆動にしたがいタイヤ22の把持/解放位置(停留ステーションユニット12上の位置)と検査ユニット16による検査位置(停留位置の直上位置)との間を移動可能となる。
昇降ユニット18は、タイヤ22の検査終了後(例えば画像の撮影後)、タイヤ22が略水平の姿勢のままでタイヤ把持装置14を下降させて、停留ステーションユニット12上に当該タイヤ22を戻して、その把持を解放する。停留ステーションユニット12は、把持から解放されたタイヤ22を排出側の搬送コンベアに送り出し、次の検査対象のタイヤ22の搬送に待機する。
制御ユニット20には、制御部として機能するCPUやROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、NVRAM(Non Volatile Ram)、センサコントローラ、モータコントローラ、通信インタフェース、表示装置、操作スイッチ(キーボード)等が含まれる。ROMには、後述するタイヤ検査装置10の制御に関する制御プログラムや検査プログラムが保持される。CPUは、ROM等の記憶部に記憶されたコンピュータ読み取り可能な各種プログラムをRAM上で実行すると共に、各種センサからの信号や操作指示にしたがい停留ステーションユニット12、タイヤ把持装置14、検査ユニット16等のモータや撮影部16a〜16c、光照射部16dを制御する。また、撮影された検査画像を用いた検査をROMに保持された検査プログラムにしたがってRAM上で実行する。ROMは、CPUが実行する各種データや、各種プログラムを記憶する。RAMは、CPUが各種プログラムを実行する際に一時的にデータやプログラムを記憶する。また、NVRAMは、電源がオフされた状態でも、各種データを記憶することができる。CPUは、通信インタフェースを介して検査結果やタイヤ検査装置10の稼働状況を上位のシステムに転送することもできる。
制御ユニット20は、表示装置20aを含み、タイヤ検査装置10の稼働状態を示す情報や検査結果(例えば良否判定)、タイヤ検査装置10の起動手順や停止からの復帰手順等の案内メッセージ等を表示することができる。また、CPUは、このメッセージと同様な内容の音声メッセージをスピーカ等から出力してもよい。なお、図1の場合、一例として表示装置20aを制御ユニット20と一体化した例を示しているが、別の構成として、表示装置20aを独立的に配置してもよい。また、制御ユニット20や表示装置20aをタイヤ検査装置10から独立した構成としてもよい。また、制御ユニット20や表示装置20aをタイヤ検査装置10が含まれる、製造工程の全体を制御する制御システムまたは他の装置を制御する制御システムと一体化してもよい。
タイヤ検査装置10には、当該タイヤ検査装置10が稼働中であることを示す運転表示灯やタイヤ22に異常が発見された場合に、報知するエラー表示灯等が備えられてもよい。
図2〜図5を用いてタイヤ把持装置14の詳細構造を説明する。図2は、タイヤ把持装置14の拡大斜視図である。図3は、タイヤ把持装置14の駆動機構および第一調整機構の構成および動作を説明する模式図である。図4は、タイヤ把持装置14の側面図である。図5は、タイヤ把持装置14の一対のチャック機構26のピッチ(軸方向の距離)を変化させるための機構を説明する側面図である。
図2、図3に示されるように、タイヤ把持装置14のチャック機構26A,26Bは、タイヤ22の幅方向に設けられた一対のビード部22bの開放端部に当接可能な複数の当接部材28を円周状に例えば24個配置している。つまり、それぞれのチャック機構26A,26Bは、約15°間隔で24個の当接部材28を備える。当接部材28は、例えば円筒状のコマであり、図3に示されるようにタイヤ22のビード部22bの開放端部に点接触または線接触する。なお、他の実施例では、当接部材28は、ビード部22bとの接触部分およびその近傍のみが曲面形状で、他の部分(ビード部22bと接触しない部分)は、平面形状でもよい。
それぞれの当接部材28は、タイヤ22の径を広げる第一の方向(一例としてタイヤ22の径外方向)に移動することにより、ビード部22bを押圧しタイヤ22の把持力を発生する。つまり、図2においては、円周状に配置された複数の当接部材28が径方向外側に移動する。実質的に同じ部分を示す図3においては、当接部材28が矢印A1方向(第一の方向)に移動することにより、当該複数の当接部材28で形成される外周円が拡径してビード部22bを押圧して把持力を発生させる。逆に、それぞれの当接部材28は、第一の方向とは反対の第二の方向に移動することにより、ビード部22bから離間し、タイヤ22に対する把持力を解放する。つまり、図2においては、円周状に配置された複数の当接部材28が径方向内側に移動する。実質的に同じ部分を示す図3においては、当接部材28が矢印A2方向(第二の方向)に移動することにより、当該複数の当接部材28で形成される外周円が縮径して把持力を解放する。また、チャック機構26は、複数の当接部材28を縮径させることにより、当該チャック機構26をタイヤ22の円形開口部22aに内に挿入して拡径準備姿勢とすることができる。また、チャック機構26は、複数の当接部材28を縮径させることにより、円形開口部22aから抜き出すことができる。
図3を用いて、チャック機構26の構造および拡径/縮径動作の詳細を説明する。なお、チャック機構26A,26Bは、実質的に同じ構成なので、その構造に関しては主としてチャック機構26Aについて説明して、チャック機構26Bの詳細な説明は省略する。また、チャック機構26A,26Bを区別しない場合は、単に「チャック機構26」という。
当接部材28は、調整ブラケット30の端部に固定される。この調整ブラケット30は、スライダ32(第一移動部)上で図中矢印A1方向(第一の方向)、矢印A2方向(第二の方向)に位置調整可能な状態で支持されている。チャック機構26Aのスライダ32は、円盤状のチャックベース34(図2参照)のうち、チャックベース34Aに当該チャックベース34Aの中心から放射状に配置されたガイドレール36によってガイドされる。同様に、チャック機構26Bのスライダ32は、チャックベース34のうち、チャックベース34Bに当該チャックベース34Bの中心から放射状に配置されたガイドレール36によってガイドされる。スライダ32は、図中矢印A1,A2方向に移動可能である。なお、調整ブラケット30とスライダ32とガイドレール36とは、当接部材28を第一の方向(矢印A1方向)と第二の方向(矢印A2方向)に移動可能に支持する第一駆動機構を構成する。
円盤状のチャックベース34Aは、その中心部分に貫通孔34aが設けられ、円盤状のチャックベース34Bは、その中心部分に貫通孔34bが設けられている。貫通孔34aには、チャック駆動用ねじ部材38の順ねじ部38aに同軸で接続された円筒状のスライダシャフト39が挿通されている。また、貫通孔34bには、チャック駆動用ねじ部材38の逆ねじ部38bに同軸で接続された筒状のピッチ変更ブラケット41が挿通されている。スライダシャフト39には、軸方向と直交する方向にピン39aが設けられ、ピッチ変更ブラケット41の外周面には、軸方向に延びるスライド溝部41aが設けられている。ピン39aがスライド溝部41a内を移動可能なように、順ねじ部38aと逆ねじ部38bとが同軸配置されることにより、ピン39aとスライド溝部41aを介して順ねじ部38aに接続されたチャック開閉用モータ44(図2参照)の回転力を逆ねじ部38bに伝達することができる。つまり、チャック開閉用モータ44により順ねじ部38aと逆ねじ部38bを一体的に回転駆動することができる。また、ピン39aがスライド溝部41aの中を移動することにより、順ねじ部38aと逆ねじ部38bとの回転伝達可能な状態を維持したまま順ねじ部38aと逆ねじ部38bとを軸方向に接離させることができる。なお、図3の場合、ピン39aとスライド溝部41aとは1つずつ形成されているが、例えば、周方向に複数組が設けられてもよい。
チャック駆動用ねじ部材38(38a,38b)は、例えば、ボールねじであり、チャック機構26A用のチャックベース34Aの貫通孔34aに挿通される一方側は、順ねじ部38aが形成されている。一方、チャック機構26B用のチャックベース34Bの貫通孔34bに挿通される他方側は、逆ねじ部38bが形成されている。順ねじ部38aには、当該順ねじ部38aに沿って往復移動可能な順ねじ用のボールねじナット40A(第二移動部)が螺合し、逆ねじ部38bには、当該逆ねじ部38bに沿って往復移動可能な逆ねじ用のボールねじナット40B(第二移動部)が螺合している。したがって、チャック駆動用ねじ部材38が一方向、例えば矢印R1方向に回転するとボールねじナット40Aは図中矢印B1方向に移動し、ボールねじナット40Bは図中矢印B2方向に移動する。つまり、チャック駆動用ねじ部材38の矢印R1方向の回転によりボールねじナット40Aとボールねじナット40Bとが互いに接近する方向に移動する。逆にチャック駆動用ねじ部材38が他方向、例えば矢印R2方向に回転するとボールねじナット40Aは図中矢印B2方向に移動し、ボールねじナット40Bは図中矢印B1方向に移動する。つまり、チャック駆動用ねじ部材38の矢印R2方向の回転によりボールねじナット40Aとボールねじナット40Bとが互いに離間する方向に移動する。すなわち、ボールねじナット40A、ボールねじナット40Bは、複数の当接部材28が配置される面と交わる方向(図3の場合は直交する方向)に沿って移動することになる。なお、本実施形態において、チャック駆動用ねじ部材38とチャックベース34Aとチャックベース34Bとは、第二の駆動機構を構成している。
図3に示されるように、スライダ32(第一位動部)とボールねじナット40A(第二位動部)は、アーム状のリンク部材42で接続されている。リンク部材42は、その一端がスライダ32(第一移動部)の一部に回動可能に接続され、他端がボールねじナット40A(第二移動部)の一部に回動可能に接続されている。同様に、リンク部材42は、その一端がスライダ32(第一移動部)の一部に回動可能に接続され、他端がボールねじナット40B(第二移動部)の一部に回動可能に接続されている。前述したように、チャック機構26Aは、その中心、例えばチャック駆動用ねじ部材38を中心としてガイドレール36が放射状に複数固定され、それぞれのガイドレール36には当接部材28を支持するスライダ32が設けられている。本実施形態の場合、ボールねじナット40Aには、24個のリンク部材42が放射状に接続されている。同様に、ボールねじナット40Bには、24個のリンク部材42が放射状に接続されている。
チャック駆動用ねじ部材38が矢印R1方向に回転した場合、ボールねじナット40Aは、矢印B1方向に移動する。スライダ32は、ガイドレール36上で移動可能に支持されているので、ボールねじナット40Aが矢印B1方向に移動すると、リンク部材42の傾斜姿勢が変化する。この場合、リンク部材42の姿勢がよりチャックベース34Aに対して平行になるように変化し、スライダ32を矢印A1方向に押し出す。つまり、当接部材28をタイヤ22の径を広げる第一の方向に移動させてビード部22bに押圧する。前述したように、ボールねじナット40Aの外周部には、複数のリンク部材42が放射状に接続されている。そのため、各リンク部材42の姿勢は、ボールねじナット40Aが矢印B1方向に移動することにより、同様なタイミングで同様な変化量で変化する。その結果、複数の当接部材28は、円周状の配置状態を維持したまま拡径する。したがって、チャック機構26Aが拡径状態(チャック状態、押圧状態)となる。
同様に、ボールねじナット40Bは、チャック駆動用ねじ部材38の矢印R1方向の回転により、矢印B2方向に移動する。すなわち、ボールねじナット40Bとスライダ32とを接続するリンク部材42の姿勢がよりチャックベース34Bに対して平行になるように変化し、スライダ32を矢印A1方向に押し出す。つまり、チャック機構26Bに関してもチャック機構26Aと同様に当接部材28をタイヤ22の径を広げる第一の方向に移動させてビード部22bに押圧する。したがって、チャック機構26Bが拡径状態(チャック状態、押圧状態)となる。チャック機構26(当接部材28)の拡径動作時には、複数のリンク部材42の傾斜姿勢が均一に緩やかになる。例えば、図2に示すような複数のリンク部材42が放射状に配置されて形成された山型の高さが低くなるとともに、山型の裾野が広がるようになる。
逆に、チャック駆動用ねじ部材38の矢印R2方向の回転によりボールねじナット40Aが矢印B2方向に移動した場合、リンク部材42の傾斜姿勢は、チャックベース34Aに対して立ち上がるように変化し、スライダ32を矢印A2方向に引き込む。つまり、当接部材28を第二の方向に移動させてビード部22bから離間して押圧を解除する。したがって、チャック機構26Aが縮径状態(チャック解除状態)となる。また、この縮径状態で、チャック機構26Aがタイヤ22の円形開口部22aに対して進退可能状態となる。チャック機構26Bに関しても同様にチャック駆動用ねじ部材38の矢印R2方向の回転により、ボールねじナット40Bが矢印B1方向に移動した場合、チャック機構26Bが縮径状態(チャック解除状態)となる。チャック機構26(当接部材28)の縮径動作時には、複数のリンク部材42の傾斜姿勢が均一に起き上がる(急峻になる)。例えば、図2に示すような複数のリンク部材42が放射状に配置されて形成された山型の高さが高くなるとともに、山型の裾野が狭くなる。
このように、第二駆動機構は、当該第二移動部を当接部材28が配置される面と直交する方向(矢印B1,B2方向)に移動させてリンク部材42の傾斜姿勢を変化させることで第一駆動機構の第一の方向(矢印A1方向)または第二の方向(矢印A2方向)の駆動状態を決定する。この場合、スライダ32の第一の方向への移動動作、すなわち複数の当接部材28のビード部22bに対する押圧動作は、単一のチャック駆動用ねじ部材38の回動動作によって実現される。その結果、チャック機構26の把持動作および解放動作が容易な制御で実行できる。また、複数のリンク部材42の動作が単一のチャック駆動用ねじ部材38の回動動作に連動するので、一対のチャック機構26が支持する当接部材28の円周状の配列状態を維持したまま拡径動作および縮径動作を高精度に行うことができる。その結果、タイヤ22の把持動作時にビード部22bに不均一な力が加わることを抑制し、タイヤ22の把持時の歪みを低減することができる。
また、本実施形態のタイヤ把持装置14の場合、第一駆動機構を駆動させる第二駆動機構は、複数の当接部材28が配置される面と交わる方向に沿って移動する。したがって、図3に示されるように、当接部材28を支持する第一駆動機構(調整ブラケット30、スライダ32、ガイドレール36)と、第二駆動機構(チャック駆動用ねじ部材38、ボールねじナット40)とは、異なる面に存在するように配置可能となる。つまり、チャックベース34上には、チャック駆動用ねじ部材38を中心として長手方向を放射方向に向けた第一駆動機構(調整ブラケット30、スライダ32、ガイドレール36)を密集配置することができる。その結果、複数の当接部材28を円周方向に高密度で配置することが可能になり、複数の当接部材28で形成する外形輪郭(外形円)を真円に近づけることができる。このように、本実施形態のタイヤ把持装置14は、複数のチャック機構26(当接部材28)をチャックベース34上により密集状態で配置することが可能になる。その結果、複数の当接部材28でビード部22bを押圧してタイヤ22を把持することで、タイヤ22の歪みを効果的に低減することができる。
タイヤ把持装置14は、図2、図4等に示されるように3つの駆動用モータを備える。具体的には、チャック開閉用モータ44とピッチ変更用モータ46と検査回転用モータ48である。また、タイヤ把持装置14は、図4に示されるように、本体ベース50、ギヤブラケット52、ギヤプレート54、開閉モータ支持プレート55、シャフト状の連結部材56、ピッチ変更用ねじ部材58等を含む。
本体ベース50は、略中央部に円形の開口部50aが設けられた板状の部材であり、昇降ユニット18のキャリア18dに固定された本体ブラケット50bと一体化されている。本体ベース50は、昇降ユニット18の昇降にしたがって、チャック機構26(26A,26B)全体を把持/解放位置と検査位置との間を移動させる。本体ベース50は、上面側において開口部50aからずれた位置に検査回転用モータ48を支持(固定)している。
ギヤブラケット52は、図2、図4に示されるように、本体ベース50の下面側で開口部50aの外縁に沿って複数個(例えば4個)固定された断面が略C字形状の部材で、ギヤプレート54を支持するガイド溝部52aを備える。
ギヤプレート54は、略中央部に円形の開口部54aが設けられた略円盤状の部材で、外縁全周に亘ってギヤ(外歯)が形成されている。ギヤプレート54は、開口部50aを介して本体ベース50から一部が露出するように本体ベース50の下面側に設けられて、上面側において開口部54aからずれた位置には、ピッチ変更用モータ46が固定されている。また、ギヤプレート54は、外縁部がギヤブラケット52のガイド溝部52aによって支持され、チャック駆動用ねじ部材38と同軸で周方向に回転可能である。ギヤプレート54のギヤは、本体ベース50上に固定された検査回転用モータ48により回転する駆動ギヤ48aと噛み合う。検査回転用モータ48は、例えばサーボモータであり、検査対象のタイヤ22の種類に応じて、制御ユニット20の制御部のROM等に記憶されたプログラムが実行されて、タイヤ22の検査に適した回転速度、回転角度、回転方向でギヤプレート54を回転制御することができる。
開閉モータ支持プレート55は、開口部54aを介してギヤプレート54から一部が露出するようにギヤプレート54の下面側に設けられて、略中央部には、開口部54aを介して、チャック開閉用モータ44をギヤプレート54から突出させる状態で支持(固定)している。
複数の連結部材56は、ギヤプレート54に固定されるとともに、開閉モータ支持プレート55、チャックベース34Aおよびチャックベース34Bの厚み方向に貫通して設けられた貫通孔に挿通される。つまり、複数の連結部材56は、ギヤプレート54に対して、開閉モータ支持プレート55、チャックベース34Aおよびチャックベース34Bの平行姿勢を維持した状態でチャック駆動用ねじ部材38の軸方向に摺動可能に支持している。また、連結部材56は、検査回転用モータ48によってギヤプレート54が回転した場合、開閉モータ支持プレート55、チャックベース34Aおよびチャックベース34Bをギヤプレート54と一体的に回転させる。つまり、連結部材56は、チャック機構26Aおよびチャック機構26Bを一体的に回転させる。
図5に示されるように、ピッチ変更用ねじ部材58は、チャック駆動用ねじ部材38と同様に、順ねじ部58aと逆ねじ部58bとを備えた例えばボールねじ部材であり、順ねじ部58aには順ねじ用のボールねじナット59aが螺合し、逆ねじ部58bには、逆ねじ用のボールねじナット59bが螺合している。また、ボールねじナット59aは、チャックベース34Aの例えば裏面に固定され、ボールねじナット59bは、チャックベース34Bの例えば表面に固定されている。
したがって、ピッチ変更用ねじ部材58がピッチ変更用モータ46よって一方向に回転させられると、ボールねじナット59aとボールねじナット59bは、例えば互いに離間する方向に移動する。その結果、ボールねじナット59aが固定されたチャックベース34Aとボールねじナット59bが固定されたチャックベース34Bも連結部材56にガイドされつつ、互いに離間する方向に移動する。すなわち、チャックベース34A,34Bの対向ピッチ(チャック駆動用ねじ部材38の軸方向の幅)をタイヤ22の厚み方向に対応して広げることができる。逆に、ピッチ変更用ねじ部材58がピッチ変更用モータ46よって他方向に回転させられると、ボールねじナット59aとボールねじナット59bは、例えば互いに接近する方向に移動する。その結果、ボールねじナット59aが固定されたチャックベース34Aとボールねじナット59bが固定されたチャックベース34Bも連結部材56にガイドされつつ、互いに接近する方向に移動する。すなわち、チャックベース34A,34Bの対向ピッチ(チャック駆動用ねじ部材38の軸方向の幅)をタイヤ22の厚み方向に対応して狭めることができる。
この場合、チャック駆動用ねじ部材38の順ねじ部38aと逆ねじ部38bとは、スライダシャフト39とピッチ変更ブラケット41とにより軸方向に移動可能である。したがって、順ねじ部38aに対するボールねじナット40の位置および逆ねじ部38bに対するボールねじナット40の位置を変化させることなく、チャックベース34Aおよびチャックベース34Bを軸方向に移動させることができる。つまり、チャックベース34のピッチ変更(タイヤ幅方向の位置調整)を行う場合に、チャック機構26が矢印A1,A2方向に開閉してしまうことが防止できる。なお、チャック開閉用モータ44は、本体ベース50やギヤプレート54とは独立して移動可能な開閉モータ支持プレート55に支持されている。したがって、開閉モータ支持プレート55およびチャック開閉用モータ44は、チャックベース34Aの移動とともに移動することになる。
ピッチ変更用モータ46は、例えばサーボモータであり、ピッチ変更用ねじ部材58を回転させて、図5で説明したようにチャック機構26(26A,26B)の軸方向のピッチを変更する。ピッチ変更用モータ46は、検査対象のタイヤ22のタイヤ幅の情報にしたがい回転数制御を行いチャックベース34のピッチ調整を行ってもよいし、停留ステーションユニット12に搬送されたタイヤ22の幅やビード部22bの位置を各種センサにより検出して、ピッチ変更用モータ46を制御してチャックベース34のピッチ調整を行ってもよい。
チャック開閉用モータ44は、例えばサーボモータであり、チャック駆動用ねじ部材38を回転させて、図3で説明したようにチャック機構26(26A,26B)を拡径または縮径させる。なお、チャック開閉用モータ44としてサーボモータを用いる場合、当接部材28がビード部22b(円形開口部22a)に接触すると、そのときの押圧状態に応じて反力が発生するので、チャック開閉用モータ44にトルク変動が生じる。このトルク変動を検出して、当該チャック開閉用モータ44をフィードバック制御することができる。その結果、スライダ32を矢印A1方向へ適切な距離移動させることができる。すなわち、タイヤ把持装置14は、当接部材28によるビード部22bの適切な押圧力を得ることが可能で、押圧不足による把持力不足や過剰押圧によるタイヤ22の変形が発生することを軽減または防止できる。なお、別の実施形態では、タイヤ把持装置14は、別途スライダ32の移動状態を検出する位置センサや当接部材28の押圧状態を検出する圧力センサ等を設けて、チャック開閉用モータ44の制御を行うようにしてもよい。
上述したように、本実施形態のタイヤ把持装置14の場合、複数のリンク部材42(リンク機構)を備え、この複数のリンク部材42のそれぞれにスライダ32が接続されている。したがって、複数のリンク構造をタイヤ把持装置14に組み付ける必要があり、個々のリンク機構で組立誤差が発生することが考えられる。この誤差は、当接部材28の移動量の誤差の原因になり得る。その結果、円周状に配列された複数の当接部材28が矢印A1方向(外周方向)に移動する際に、複数の当接部材28で形成する外形輪郭が歪んでしまう場合がある。この場合、歪んだ状態でチャック機構26の拡径が行われ、把持されたタイヤ22全体に歪みが生じてしまうことが考えられる。そこで、本実施形態のタイヤ把持装置14の第一駆動機構は、矢印A1方向(第一の方向)に移動した当接部材28の位置を個別に調整する第一調整機構を備える。具体的には、図3に示されるように、スライダ32に対して調整ブラケット30を矢印A1,A2方向に進退調整する調整ねじ部材60を備える。調整ねじ部材60は、スライダ32に固定されたねじブラケット60aに回転可能に支持され、調整ブラケット30に固定された調整ナット30aと噛合している。したがって、調整ねじ部材60を回転させることにより、スライダ32とは関係なく調整ブラケット30、すなわち当接部材28を矢印A1,A2方向に移動させることができる。その結果、複数の当接部材28で形成する外形輪郭の形状修正を行うことができる。調整ねじ部材60のねじピッチは、例えば組立誤差の最小値より小さいことが望ましい。調整ねじ部材60による調整ブラケット30(当接部材28)の位置調整は、例えば鉄板等で形成したリング状の基準治具(内径の真円度が許容以内のもの)を準備し、第二機構でチャック機構26を拡径させた状態で個々の当接部材28と基準治具との当接状態を調整ねじ部材60によって調整すればよい。
なお、調整ねじ部材60に、目盛り等を付し個々の調整ブラケット30(当接部材28)の位置管理を行うようにしてもよい。また、位置センサや圧力センサを設けて、その検出結果に基づく管理を行ってもよい。また、調整ねじ部材60による調整は、手動回転により行ってもよいし、モータ等のアクチュエータを用いて行ってもよい。調整ねじ部材60により真円度調整は、例えば、タイヤ把持装置14の組立時のみでもよいし、検査対象となるタイヤ22の種類が変更された場合(円形開口部22aが変更された場合)に、その都度行うようにしてもよい。
本実施形態のタイヤ把持装置14のチャック機構26は、拡径/縮径が可能なため、タイヤ22の径に拘わらず把持動作を行うことができる。例えば、チャック機構26の縮径時の直径を検査対象となるタイヤ22の円形開口部22aのうち最も小さな直径より小さく設定する。また、チャック機構26の拡径時の直径を検査対象となるタイヤ22の円形開口部22aのうち最も大きな直径より僅かに大きく設定する。このような設定により、検査対象の全てのタイヤ22の円形開口部22aに対してチャック機構26の挿入/抜き出しを行うことができるとともに、拡径によって全てのタイヤ22の把持を行うことができる。
ところで、放射状に配置された第一駆動機構は、チャック機構26の拡径が進むに連れて、周方向に隣接する当接部材28同士の周方向の間隔が広くなる。複数の当接部材28で形成する外形輪郭は多角形であるが、周方向に隣接する当接部材28同士の間隔が狭い場合、その輪郭は真円により近い。一方、周方向に隣接する当接部材28同士の間隔が広くなると外形輪郭の直線部分が顕著化され、真円からの誤差が大きくなる。つまり、把持するタイヤ22の歪みの原因になる場合がある。そこで、本実施形態のタイヤ把持装置14の第一駆動機構は、チャック機構26が拡径するのに連れて、周方向に隣接する当接部材28同士の間隔を調整する第二調整機構を備える。
図6に第二調整機構を説明する概略的な模式図を示す。第二調整機構を含まない図3等で説明した構造の場合、チャック機構26の各スライダ32は、当接部材28を固定した調整ブラケット30を1つずつ備えている。一方、第二調整機構を備えるチャック機構26の場合、スライダ32は、チャック機構26の周方向に、当接部材28を移動させるように構成された複数の調整ブラケット62を備える。図6には、2つの調整ブラケット62a,62bを備える例が示されている。調整ブラケット62a,62bの一端は、調整中心軸64に回動可能に支持され、他端に当接部材28が固定されている。また、調整ブラケット62a,62bにおいて、調整中心軸64と当接部材28との間には、それぞれボールねじナット66a,66bが設けられ、各ボールねじナット66a,66bは、ボールねじ部材68と噛合している。ボールねじ部材68は、軸方向の略中央部でねじの向きが逆転し、一方が順ねじ部で他方が逆ねじ部になっている。したがって、ボールねじ部材68が一方向に回転すると、ボールねじナット66a,66bが互いに離間するように移動する。その結果、ボールねじナット66aが設けられた調整ブラケット62aとボールねじナット66bが設けられた調整ブラケット62bが調整中心軸64を中心に離間する。つまり、調整ブラケット62aに固定された当接部材28と調整ブラケット62bに固定された当接部材28とが、周方向に離間する。チャック機構26の拡径によって、隣接する当接部材28の間隔が広くなった場合、縮径時には接近して位置してほぼ同じ位置(接近した位置)で当接部材28を支持し押圧していた調整ブラケット62a,62bが離間する。つまり、縮径時にひとまとまりでほぼ同じ位置を押圧していた当接部材28が、拡径時には、2つに分離するような挙動を示す。その結果、複数の当接部材28により形成する外形輪郭を実質的に2倍の数の当接部材28で形成するようになり、チャック機構26の拡径により広がった当接部材28の間隔を分離した当接部材28により補完して、外形輪郭の直線部分が顕著化することを低減することができる。なお、ボールねじ部材68が他方向に回転して、調整ブラケット62a,62bが接近した場合は、隣接する2つの当接部材28が接近して1つの当接部材28として振る舞いビード部22bを押圧する。
図2、図5等に示すように、チャック機構26において、チャック駆動用ねじ部材38を中心に放射状に配置されるリンク部材42やガイドレール36等は、中心、すなわちチャック駆動用ねじ部材38に近づくほど隣接する部品との間隔が狭くなる。つまり、円周方向に配置できるリンク部材42やガイドレール36の数は制限される。一方、当接部材28が配置されるチャック機構26の外縁側は、隣接する部材との間隔をチャック駆動用ねじ部材38に近い領域より広く確保できる。したがって、図6に示すように、チャック機構26の外縁側に複数の調整ブラケット62a,62bが配置可能となり、例えば、図2の例の2倍の当接部材28が配置可能となる。したがって、リンク部材42が図2と同様に24個の場合、チャック機構26が縮径した場合、図2の例と同様に実質的に24点で真円に近い状態の外形輪郭を形成してビード部22bの把持を行う。また、チャック機構26が拡径した場合は、実質的に48点で真円に近い状態の外形輪郭を形成してビード部22bの把持を行う。その結果、円形開口部22aの大きさに拘わらず(第一駆動機構の駆動状態に拘わらず)、複数の当接部材28で真円に近い状態の外形輪郭を形成して、歪みの発生を低減しつつタイヤ22の把持を行うことが可能になる。
なお、図6の場合、スライダ32に支持される調整ブラケット62aと調整ブラケット62bとが接近時にも隣接状態である例を示しているが、接近時に調整ブラケット62aと調整ブラケット62bとが重なるように構成してもよい。例えば、調整ブラケット62aと調整ブラケット62bおよびそれぞれに設けられた当接部材28を「入れ子構造」として、一方が他方を内包するようにしてもよい。
図7は、第一駆動機構と第二調整機構の連動構造を説明するための模式的な側面図である。なお、図3と同じ部材には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。第二調整機構のボールねじ部材68の一端には、第一ギヤ70が固定されている。一方、チャックベース34Aには、ガイドレール36の長手方向と平行にラック部材72が固定され、第一ギヤ70とラック部材72との間に転動可能な第二ギヤ74が介在している。例えば、チャック駆動用ねじ部材38が矢印R1方向に回転すると、ボールねじナット40Aが矢印B1方向に移動して、リンク部材42の姿勢をチャックベース34Aに対して平行に近づける。その結果、ガイドレール36上をスライダ32が矢印A1方向に移動する。このとき、第二ギヤ74はラック部材72上を転動し、当該第二ギヤ74に第一ギヤ70が従動する。その結果、ボールねじ部材68が回転して、図6で説明したように、調整ブラケット62a,62bが離間するように移動する。第一ギヤ70の従動量、すなわちボールねじ部材68の回転量は、第二ギヤ74の回転量、すなわち、スライダ32の矢印A1方向への移動量と対応する。したがって、チャック機構26Aの拡径状態にしたがって調整ブラケット62a,62bの離間状態が決定されるので、チャック機構26の拡径時に複数の当接部材28による外形輪郭が真円から乖離することが軽減できる。なお、第二ギヤ74の転動は、スライダ32の矢印A1方向への移動が始まったら開始されるようにしてもよいし、スライダ32の矢印A1方向への移動が所定量行われてから開始するようにしてもよい。また、別の実施形態では、ボールねじ部材68をモータ駆動として、スライダ32の移動状態やチャック駆動用ねじ部材38の回転状態にしたがって、ボールねじ部材68の回転量を制御して調整ブラケット62a,62bの離間状態を決定するようにしてもよい。また、このとき調整ねじ部材60をモータ駆動して連動させてもよい。この場合、当接部材28の周方向に移動調整しつつ、その位置がより真円に近い位置に移動するように調整することができる。この場合、調整ねじ部材60を回転させるモータをスライダ32の移動状態やチャック駆動用ねじ部材38の回転状態にしたがって制御すればよい。
上述のように構成されるタイヤ把持装置14を含むタイヤ検査装置10によるタイヤ22の検査手順を図1〜図7を用いて説明する。検査対象であるタイヤ22は、検査ラインを構成する搬入側の搬送コンベア24aを順次搬送されてくる。この場合、検査ラインを搬送されるタイヤ22は、同一種類でもよいし、異なる種類のタイヤ22が混在して搬送されてもよい。同一種類のタイヤ22の場合(円形開口部22aの直径やタイヤ幅が同じ場合)は、タイヤ把持装置14の昇降量やチャック開閉用モータ44、検査回転用モータ48等の制御量は一定とすることができる。一方、複数の種類のタイヤ22が混在する場合は、タイヤ22が停留ステーションユニット12の検査位置に到達するまでに、制御ユニット20の制御部は、検査対象のタイヤ22の情報(例えば、円形開口部22aの直径やタイヤ幅等)を取得する。制御部は、この情報をタイヤ22が搬送コンベア24aにより搬送される間に取得してもよいし、検査計画情報等に基づき上位のシステムから予め取得しておいてもよい。
制御部は、検査対象のタイヤ22が停留ステーションユニット12に投入されたら、検査対象のタイヤ22をタイヤ把持装置14の直下で停留するように、停留ステーションユニット12を制御する。なお、この場合、制御部は、搬入側の搬送コンベア24aの搬送動作を一時的に停止させる。制御部は、タイヤ22がタイヤ把持装置14の直下で停留したことを確認できたら、チャック機構26Aとチャック機構26Bが縮径状態(例えば、最縮径状態)であることを確認する。チャック機構26Aとチャック機構26Bが縮径状態の場合は、制御部は、昇降ユニット18を駆動し、タイヤ把持装置14をタイヤ22に向けて下降させ、チャック機構26Aとチャック機構26Bを円形開口部22aに挿入する。
続いて、制御部は、ピッチ変更用モータ46を駆動し、チャック機構26Aとチャック機構26Bのピッチを検査対象のタイヤ22のビード部22bの間隔に対応するように決定する。なお、同じ種類のタイヤ22が連続して搬送される場合、検査回転用モータ48によるチャック機構26A,26Bのピッチ調整は、初回のみでもよい。続いて、制御部は、チャック開閉用モータ44を駆動し、ボールねじナット40、リンク部材42を介してチャック機構26Aとチャック機構26Bのスライダ32を矢印A1方向に移動させる。つまり、チャック機構26Aとチャック機構26Bを拡径させて、検査対象のタイヤ22のビード部22bを当接部材28で押圧し把持する。前述したように、制御部は、チャック開閉用モータ44のトルク変動に基づき、当該チャック開閉用モータ44をフィードバック制御して、円周状に配置された複数の当接部材28を過不足のない力でビード部22bに押圧する。
制御部は、チャック開閉用モータ44のトルク値等の検出データに基づき、当接部材28がビード部22bを適切な押圧力で押圧していることを確認した場合、昇降ユニット18のモータ18aを駆動して、チャック機構26が把持したタイヤ22を検査ユニット16の検査領域に引き上げる。続いて、制御部は、撮影部16a〜16cおよび光照射部16dを動作させて検査可能状態とするとともに、検査回転用モータ48を駆動して、チャック機構26が把持したタイヤ22を検査領域内で略水平回転させる。検査ユニット16は、品質管理のための形状検査や表面検査等に必要なデータをタイヤ22が水平回転している間に取得するとともに、生産管理に必要な型番やロッドの確認等を取得する。
制御部は、検査ユニット16により所定のデータ取得が完了した場合、昇降ユニット18のモータ18aを駆動し、チャック機構26が把持したタイヤ22を停留ステーションユニット12の搬送面上に下ろす。続いて、制御部は、チャック開閉用モータ44を駆動しチャック駆動用ねじ部材38を矢印R2方向に回転させて、チャック機構26Aとチャック機構26Bを例えば最小径まで縮径させて、タイヤ22の把持を解放する。その後、制御部は、昇降ユニット18のモータ18aを駆動し、タイヤ把持装置14を上昇させてチャック機構26A、26Bを円形開口部22aから抜き取るとともに、次の検査対象のタイヤ22が停留ステーションユニット12に投入されるのを待つ。
制御部は、停留ステーションユニット12の搬送動作を再開させて検査済みのタイヤ22を搬出側の搬送コンベア24bに排出する。なお、制御部は、タイヤ22の検査結果を表示装置20aに表示したり、音声等で通知したりしてもよい。また、検査の結果、不具合が発見された場合、そのタイヤ22を排出側の搬送コンベア24bから分岐するエラーストック領域に排出して、エラー処理を行うようにしてもよい。なお、制御部は、検査ユニット16が取得した測定値と検査結果とを関連付けて検査情報を作成して保存したり、上位のシステムに転送したりしてもよい。
このように、本実施形態のタイヤ把持装置14を搭載するタイヤ検査装置10によれば、当接部材28を支持する第一駆動機構を駆動させる第二駆動機構は、複数の当接部材28が配置される面と交わる方向に沿って移動する。したがって、第二駆動機構は、当接部材28が配置される面とは異なる面に配置可能となり、第一駆動機構およびそれに支持される当接部材の円周方向の配置密度をより高めることができる。そのため、複数の当接部材28で形成するタイヤ把持のための外形輪郭をより真円に近づけやすくなり、タイヤ22を把持する際のビード部22bの歪みを低減できる。その結果、タイヤ検査装置10によるタイヤ22の検査精度を向上することができる。
なお、上述の実施形態において、各移動部材を移動させるねじ部材としてボールねじを用いる例を示したが、これに限らず、例えば台形ねじ等でもよい。台形ねじの場合、バックラッシが大きくなるが、例えば、モータ18aやピッチ変更用モータ46で回転させるねじ部材の場合、鉛直方向に長手方向を向けて配置されているので精度が必要となる下方位置では、移動させる部品の重量によりバックラッシが一方側に詰められるので、移動位置での誤差が低減される。また、チャック開閉用モータ44が回転させるチャック駆動用ねじ部材38の場合、当接部材28がビード部22bを押圧する際の反力が作用してバックラッシを一方側に詰めることができるので移動位置の誤差が低減される。
また、上述の実施形態において、リンク部材42の数(スライダ32やガイドレール36の数)は、一例として24個である例を示したが、その数は、チャック駆動用ねじ部材38を中心に放射状に配置した際の隣接する部材との密集程度によって決めることができる。したがって、リンク部材42、ガイドレール36、スライダ32等の周方向のサイズをより低減できれば、配置数の増加が容易に可能になり、当接部材28の周方向の配置数も容易に増加可能となる。その結果、複数の当接部材28による外形輪郭の真円度を容易に向上し、より歪みの低減可能なタイヤ22の把持が可能になる。
上述した実施形態において、当接部材28は円筒形状、または半円筒形状とする場合を示したが、例えば、ビード部22bをより確実に保持できるように、当接部材28の一部にビード部22bを受け止めるフランジを設けたり、ビード部22bが嵌り込むことができるような溝をもうけたりしてもよい。また、当接部材28の形状を円錐形状として、ビード部22bが上述したフランジ部や溝部に確実かつスムーズに引っ掛かるようにしてもよい。また、当接部材28に表面処理を施し、光照射部16dの光が当たった場合でも反射しないようにして、検出データに外乱が含まれ難くすることが望ましい。
なお、上述したチャック機構26の構成は一例である。複数の当接部材28のそれぞれをタイヤ22の径を広げる第一の方向と当該第一の方向と反対の第二の方向に移動可能に支持する複数の第一駆動機構と、複数の当接部材28が配置される面と交わる方向に沿って移動して複数の第一駆動機構を第一の方向または第二の方向に移動させる第二駆動機構とを含めば、駆動機構のリンク構造とは、適宜変更可能であり、本実施形態と同等の効果を得ることができる。
なお、上述した各工程の制御は、制御ユニット20に含まれるROM等の記憶部に記憶されたコンピュータ上で実行可能なプログラムにしたがって実行される。また、このプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、DVD、磁気ディスク等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態はあくまで一例である。実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、実施形態の構成や形状は、部分的に他の構成や形状と入れ替えて実施することも可能である。また、各構成や形状等のスペック(構造、種類、方向、角度、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
10…タイヤ検査装置、12…停留ステーションユニット、14…タイヤ把持装置、16…検査ユニット、18…昇降ユニット、22…タイヤ、22b…ビード部、26…チャック機構、28…当接部材、32…スライダ、34,34A,34B…チャックベース、38…チャック駆動用ねじ部材、38a…順ねじ部、38b…逆ねじ部、40,40A,40B…ボールねじナット、42…リンク部材、44…チャック開閉用モータ、46…ピッチ変更用モータ、48…検査回転用モータ。
Claims (6)
- タイヤのビード部の開放端部に当接可能な複数の当接部材を円周状に配置したチャック機構と、
前記複数の当接部材のそれぞれを前記タイヤの径を広げる第一の方向と当該第一の方向と反対の第二の方向に移動可能に支持する複数の第一駆動機構と、前記複数の当接部材が配置される面と交わる方向に沿って移動して前記複数の第一駆動機構を前記第一の方向または前記第二の方向に移動させる第二駆動機構とを含む駆動機構と、
を備えるタイヤ把持装置。 - 前記第一駆動機構は、前記第一の方向に移動した前記当接部材の位置を当該当接部材ごとに調整する第一調整機構を備える請求項1に記載のタイヤ把持装置。
- 前記第一駆動機構は、複数の前記当接部材を支持し、前記当接部材の前記第一の方向への移動にしたがい前記複数の当接部材の周方向に離間または接近するように位置調整する第二の調整機構を備える請求項1または請求項2に記載のタイヤ把持装置。
- 前記第一駆動機構は、前記当接部材を支持して前記第一の方向と前記第二の方向に移動可能な第一移動部を備え、
前記第二駆動機構は、前記面と直交する方向に往復移動可能な第二移動部を備え、
一端が前記第一移動部に回動可能に接続され他端が前記第二移動部に回動可能に接続されるリンク部材を備え、
前記第二駆動機構は、前記第二移動部を前記面と直交する方向に移動させて前記リンク部材の傾斜姿勢を変化させることで前記第一駆動機構の前記第一の方向または前記第二の方向の駆動状態を決定する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のタイヤ把持装置。 - 前記チャック機構は、前記タイヤの幅方向に一対で設けられ、
前記第二駆動機構は、軸方向の一方側に順ねじが設けられ、他方側に逆ねじが設けられたねじ部を備え、前記ねじ部の一方向の回転により前記一対のチャック機構の前記第一駆動機構を前記第一の方向に移動させ、前記ねじ部の他方向の回転により前記一対のチャック機構の前記第一駆動機構を前記第二の方向に移動させる請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のタイヤ把持装置。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のタイヤ把持装置と、
タイヤの側面を少なくとも含むタイヤ画像を撮影する撮影部と、
前記タイヤ画像に基づき前記タイヤの表面検査を実行する検査部と、
を備えるタイヤ検査装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016197493A JP2018058272A (ja) | 2016-10-05 | 2016-10-05 | タイヤ把持装置及びタイヤ検査装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016197493A JP2018058272A (ja) | 2016-10-05 | 2016-10-05 | タイヤ把持装置及びタイヤ検査装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018058272A true JP2018058272A (ja) | 2018-04-12 |
Family
ID=61909576
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016197493A Pending JP2018058272A (ja) | 2016-10-05 | 2016-10-05 | タイヤ把持装置及びタイヤ検査装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018058272A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023177068A1 (ko) * | 2022-03-15 | 2023-09-21 | 현대무벡스 주식회사 | 타이어 척킹 장치 |
-
2016
- 2016-10-05 JP JP2016197493A patent/JP2018058272A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023177068A1 (ko) * | 2022-03-15 | 2023-09-21 | 현대무벡스 주식회사 | 타이어 척킹 장치 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10890512B2 (en) | Tire gripping device and tire inspection method | |
JP4265707B2 (ja) | タイヤチャック装置およびタイヤチャック方法 | |
JP4882023B2 (ja) | ワーク検査搬送装置 | |
US11722790B2 (en) | Systems and methods for three-hundred sixty degree inspection of an object | |
KR100976604B1 (ko) | 웨이퍼 에지영역 검사장치, 이를 이용하는 웨이퍼 에지영역검사방법 및 웨이퍼 정렬방법 | |
US20130255057A1 (en) | Mounting head unit, component mounting apparatus, method of manufacturing a substrate, and rotation driving mechanism | |
US20160243894A1 (en) | Rim replacing method for tire testing machine | |
JP6520216B2 (ja) | ワーク検査装置及び転がり軸受の製造方法 | |
JP4632812B2 (ja) | タイヤ側壁部の内部欠陥検査装置 | |
JP2018058272A (ja) | タイヤ把持装置及びタイヤ検査装置 | |
JP6329914B2 (ja) | タイヤ把持装置の制御方法、タイヤ検査方法及びプログラム | |
KR101967082B1 (ko) | 타이어 검사 장치, 및 타이어의 자세 검출 방법 | |
KR20200126368A (ko) | 화상 취득 시스템 및 화상 취득 방법 | |
JP2011211053A (ja) | エキスパンド装置 | |
JP2021135079A (ja) | 検査用ワーク回転装置、当該検査用ワーク回転装置を備えるワーク検査装置、当該ワーク検査装置を用いるワーク検査方法 | |
JP5536624B2 (ja) | 円筒体の検査装置 | |
JP4118148B2 (ja) | 管体の形状測定方法、管体の検査方法 | |
CN212621477U (zh) | 轮毂检测装置 | |
JP6189247B2 (ja) | 筒状部材の検査装置及び検査方法 | |
CN218289275U (zh) | 悬臂轴装置和悬臂轴式机器人 | |
JP5485861B2 (ja) | 円筒体の検査装置 | |
KR20150007390A (ko) | 인라인 로딩장치용 지그 및 이의 정렬방법 | |
JP2008175828A (ja) | 管体の形状測定方法、同装置、管体の検査方法、同装置、管体の製造方法および同システム |