JP2018058215A - 射出成形機 - Google Patents

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Abstract

【課題】金型装置と外部装置との間での物品の受渡を円滑に実施できる、射出成形機の提供。【解決手段】第1プラテンと、前記第1プラテンと協働して金型装置のキャビティ空間を形成する第2プラテンと、前記第1プラテンと間隔をおいて配設される第3プラテンと、前記第1プラテンと前記第3プラテンの間隔を調整する型厚調整機構と、前記型厚調整機構を制御する制御装置と、を有し、前記第1プラテンと前記第2プラテンは、一方が型開閉で移動する可動プラテンであり、他方が固定プラテンであり、前記制御装置は、前記型厚調整機構で前記間隔を変更すると共に、前記間隔の変更量に基づいて、前記可動プラテンの型開距離を変更する、射出成形機。【選択図】図1

Description

本発明は、射出成形機に関する。
特許文献1に記載の射出成形機は、トグルリンク式型締装置を備える。トグルリンク式型締装置は、機台上に固定される固定盤と、機台上に進退変位可能に支持される駆動盤(受圧盤)とを備える。固定盤と駆動盤の間には、四本のタイバーを架設する。各タイバーの前端は固定盤に固定すると共に、各タイバーの後端は駆動盤に取付けられる調整ナットを螺合する。各調整ナットは、駆動盤の位置を調整する型厚調整機構を構成する。型厚調整機構は、金型の加熱温度や外気温等の外乱要因によって型締力が変動した場合に補正処理を行う。
特許第5149584号公報
型厚調整によって型締装置の構成部品の位置がずれ、金型装置と外部装置との間での物品の受渡に支障が生じることがあった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、金型装置と外部装置との間での物品の受渡を円滑に実施できる、射出成形機の提供を主な目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様によれば、
第1プラテンと、
前記第1プラテンと協働して金型装置のキャビティ空間を形成する第2プラテンと、
前記第1プラテンと間隔をおいて配設される第3プラテンと、
前記第1プラテンと前記第3プラテンの間隔を調整する型厚調整機構と、
前記型厚調整機構を制御する制御装置と、を有し、
前記第1プラテンと前記第2プラテンは、一方が型開閉で移動する可動プラテンであり、他方が固定プラテンであり、
前記制御装置は、前記型厚調整機構で前記間隔を変更すると共に、前記間隔の変更量に基づいて、前記可動プラテンの型開距離を変更する、射出成形機が提供される。
本発明の一態様によれば、金型装置と外部装置との間での物品の受渡を円滑に実施できる、射出成形機が提供される。
一実施形態による射出成形機の型開完了時の状態を示す図である。 一実施形態による射出成形機の型締時の状態を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明するが、各図面において、同一の又は対応する構成については同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。
図1は、一実施形態による射出成形機の型開完了時の状態を示す図である。図2は、一実施形態による射出成形機の型締時の状態を示す図である。図1および図2に示すように、射出成形機は、フレームFrと、型締装置10と、射出装置40と、エジェクタ装置50と、制御装置90とを有する。以下の説明では、型閉時の可動プラテン13の移動方向(図1および図2中右方向)を前方とし、型開時の可動プラテン13の移動方向(図1および図2中左方向)を後方として説明する。
型締装置10は、金型装置30の型閉、型締、型開を行う。型締装置10は例えば横型であって、型開閉方向が水平方向である。型締装置10は、固定プラテン12、可動プラテン13、トグルサポート15、タイバー16、トグル機構20、型締モータ25および運動変換機構26を有する。
固定プラテン12は、フレームFrに対し固定される。固定プラテン12における可動プラテン13との対向面に固定金型32が取付けられる。
可動プラテン13は、フレームFrに対し型開閉方向に移動自在とされる。フレームFr上には、可動プラテン13を案内するガイド17が敷設される。可動プラテン13における固定プラテン12との対向面に可動金型33が取付けられる。
固定プラテン12に対し可動プラテン13を進退させることにより、型閉、型締、型開が行われる。固定金型32と可動金型33とで金型装置30が構成される。固定プラテン12と可動プラテン13とが協働して金型装置30のキャビティ空間34を形成する。
トグルサポート15は、固定プラテン12と間隔Lをおいて連結され、フレームFr上に型開閉方向に移動自在に載置される。尚、トグルサポート15は、フレームFr上に敷設されるガイドに沿って移動自在とされてもよい。トグルサポート15のガイドは、可動プラテン13のガイド17と共通のものでもよい。
尚、本実施形態では、固定プラテン12がフレームFrに対し固定され、トグルサポート15がフレームFrに対し型開閉方向に移動自在とされるが、トグルサポート15がフレームFrに対し固定され、固定プラテン12がフレームFrに対し型開閉方向に移動自在とされてもよい。
タイバー16は、固定プラテン12とトグルサポート15とを間隔Lをおいて連結する。タイバー16は、複数本用いられてよい。各タイバー16は、型開閉方向に平行とされ、型締力に応じて伸びる。少なくとも1本のタイバー16には型締力検出器18が設けられる。型締力検出器18は、タイバー16の歪みを検出することによって型締力を検出し、検出結果を示す信号を制御装置90に送る。
尚、型締力検出器18は、歪みゲージ式に限定されず、圧電式、容量式、油圧式、電磁式などでもよく、その取付け位置もタイバー16に限定されない。
トグル機構20は、可動プラテン13とトグルサポート15との間に配設され、トグルサポート15に対し可動プラテン13を型開閉方向に移動させる。トグル機構20は、クロスヘッド21、一対のリンク群などで構成される。各リンク群は、ピンなどで屈伸自在に連結される第1リンク22および第2リンク23を有する。第1リンク22は可動プラテン13に対しピンなどで揺動自在に取付けられ、第2リンク23はトグルサポート15に対しピンなどで揺動自在に取付けられる。第2リンク23は、第3リンク24を介してクロスヘッド21に取付けられる。トグルサポート15に対しクロスヘッド21を進退させると、第1リンク22および第2リンク23が屈伸し、トグルサポート15に対し可動プラテン13が進退する。
尚、トグル機構20の構成は、図1および図2に示す構成に限定されない。例えば図1および図2では、各リンク群の節点の数が5つであるが、4つでもよく、第3リンク24の一端部が、第1リンク22と第2リンク23との節点に結合されてもよい。
型締モータ25は、トグルサポート15に取付けられており、トグル機構20を作動させる。型締モータ25は、トグルサポート15に対しクロスヘッド21を進退させることにより、第1リンク22および第2リンク23を屈伸させ、トグルサポート15に対し可動プラテン13を進退させる。型締モータ25は、運動変換機構26に直結されるが、ベルトやプーリなどを介して運動変換機構26に連結されてもよい。
運動変換機構26は、型締モータ25の回転運動をクロスヘッド21の直線運動に変換する。運動変換機構26は、ねじ軸と、ねじ軸に螺合するねじナットとを含む。ねじ軸と、ねじナットとの間には、ボールまたはローラが介在してよい。
制御装置90は、図1や図2に示すようにCPU(Central Processing Unit)91と、メモリなどの記憶媒体92と、入力インターフェイス93と、出力インターフェイス94とを有する。制御装置90は、記憶媒体92に記憶されたプログラムをCPU91に実行させることにより、各種の制御を行う。また、制御装置90は、入力インターフェイス93で外部からの信号を受信し、出力インターフェイス94で外部に信号を送信する。
型締装置10は、制御装置90による制御下で、型閉工程、型締工程、型開工程などを行う。
型閉工程では、型締モータ25を駆動してクロスヘッド21を設定速度で型閉完了位置まで前進させることにより、可動プラテン13を前進させ、可動金型33を固定金型32にタッチさせる。クロスヘッド21の位置や速度は、例えば型締モータ25のエンコーダ25aなどを用いて検出する。エンコーダ25aは、型締モータ25の回転を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置90に送る。
型締工程では、型締モータ25をさらに駆動してクロスヘッド21を型閉完了位置から型締位置までさらに前進させることで型締力を生じさせる。型締時に可動金型33と固定金型32との間にキャビティ空間34が形成され、射出装置40がキャビティ空間34に液状の成形材料を充填する。充填された成形材料が固化されることで、成形品が得られる。キャビティ空間34の数は複数でもよく、その場合、複数の成形品が同時に得られる。
型開工程では、型締モータ25を駆動してクロスヘッド21を設定速度で型開完了位置まで後退させることにより、可動プラテン13を後退させ、可動金型33を固定金型32から離間させる。その後、エジェクタ装置50が可動金型33から成形品を突き出す。
尚、本実施形態では、型閉工程、型締工程、型開工程において、クロスヘッド21の位置や速度を制御するが、可動プラテン13の位置や速度を制御してもよい。クロスヘッド21および可動プラテン13のうちの、一方の位置や速度を制御すれば、他方の位置や速度を制御したことになる。
ところで、トグル機構20は、型締モータ25による推進力を増幅して可動プラテン13に伝える。その増幅倍率は、トグル倍率とも呼ばれる。トグル倍率は、第1リンク22と第2リンク23とのなす角θ(以下、「リンク角度θ」とも呼ぶ)に応じて変化する。リンク角度θが180°のとき、トグル倍率が最大になる。
金型装置30の交換や金型装置30の温度変化などにより金型装置30の厚さが変化した場合、型締時に所定の型締力が得られるように、型厚調整が行われる。型厚調整では、例えば可動金型33が固定金型32にタッチする型タッチの時点でトグル機構20のリンク角度θが所定の角度になるように、固定プラテン12とトグルサポート15との間隔Lを調整する。
型締装置10は、固定プラテン12とトグルサポート15との間隔Lを調整することで型厚調整を行う型厚調整機構60を有する。型厚調整機構60は、例えば、タイバー16の後端部に形成されるねじ軸61と、トグルサポート15に回転自在に保持されるねじナット62と、ねじ軸61に螺合するねじナット62を回転させる型厚調整モータ63とを有する。
ねじ軸61およびねじナット62は、タイバー16ごとに設けられる。型厚調整モータ63の回転は、ベルトやプーリなどで構成される回転伝達部64を介して複数のねじナット62に伝達されてよい。複数のねじナット62を同期して回転できる。尚、回転伝達部64の伝達経路を変更することで、複数のねじナット62を個別に回転することも可能である。
尚、回転伝達部64は、ベルトやプーリなどの代わりに、歯車などで構成されてもよい。この場合、各ねじナット62の外周に受動歯車が形成され、型厚調整モータ63の出力軸には駆動歯車が取付けられ、複数の受動歯車および駆動歯車と噛み合う中間歯車がトグルサポート15の中央部に回転自在に保持される。
型厚調整機構60は、制御装置90による制御下で、型厚調整工程を行う。型厚調整工程では、型厚調整モータ63を駆動して、ねじナット62を回転させることで、ねじナット62を回転自在に保持するトグルサポート15と固定プラテン12との間隔Lを調整する。
尚、本実施形態では、ねじナット62がトグルサポート15に対し回転自在に保持され、ねじ軸61が形成されるタイバー16が固定プラテン12に対し固定されるが、本発明はこれに限定されない。
例えば、ねじナット62が固定プラテン12に対し回転自在に保持され、タイバー16がトグルサポート15に対し固定されてもよい。この場合、ねじナット62を回転させることで、間隔Lを調整できる。
また、ねじナット62がトグルサポート15に対し固定され、タイバー16が固定プラテン12に対し回転自在に保持されてもよい。この場合、タイバー16を回転させることで、間隔Lを調整できる。
さらにまた、ねじナット62が固定プラテン12に対し固定され、タイバー16がトグルサポート15に対し回転自在に保持されてもよい。この場合、タイバー16を回転させることで間隔Lを調整できる。
型厚調整機構60は、互いに螺合するねじ軸61とねじナット62の一方を回転させることで、間隔Lを調整する。複数の型厚調整機構60が用いられてもよく、複数の型厚調整モータ63が用いられてもよい。
型厚調整工程では、例えばトグル機構20のリンク角度θを所定の角度とし且つ型締モータ25を停止した状態で型厚調整モータ63を駆動し、その駆動中に可動金型33が固定金型32にタッチする型タッチを検出する。型タッチを検出した時点の固定プラテン12とトグルサポート15との間隔Lが目標の間隔とされる。
型厚調整工程では、型タッチを検出するため、間隔Lを狭めることで、金型装置30の型閉を行ってよい。可動金型33が固定金型32にタッチすると、型締力が上昇し始め、また、型厚調整モータ63のトルクが上昇し始める。従って、型締力の変化、および/または型厚調整モータ63のトルクの変化に基づいて、型タッチを検出できる。
尚、型厚調整工程では、型タッチを検出するため、間隔Lを広げることで、金型装置30の脱圧を行ってもよい。金型装置30の脱圧は、型締状態から行われる。この場合も、型締力の変化、および/または型厚調整モータ63のトルクの変化に基づいて、型タッチを検出できる。
ところで、制御装置90は、型閉工程や型締工程、型開工程において、トグルサポート15に対するクロスヘッド21の位置が設定位置になるように、型締モータ25を駆動している。設定位置としては、例えば型閉完了位置、型締位置、型開完了位置などが挙げられる。
型開完了位置は、可動金型33が外部装置110に物品を受け渡す位置、および可動金型33が外部装置110から物品を受け取る位置を兼ねる。外部装置110としては、可動金型33から成形品を受け取る取出機、可動金型33にインサート部品を受け渡すインサート機などが挙げられる。可動金型33は、外部装置110に成形品を受け渡し、外部装置110からインサート部品を受け取る。インサート部品は、キャビティ空間34に充填される成形材料と一体化され、成形品の一部となる。取出機とインサート機とは別々に設けられてもよいが、取出機がインサート機を兼ねることも可能である。外部装置110は、ロボットハンドなどの、物品を把持する把持部を有する。
尚、本実施形態では、物品の受渡は、型開工程の完了後、型閉工程の開始前に行われるが、これに限定されず、例えば型開工程の途中で行われてもよい。この場合、型開工程の途中で、クロスヘッド21が一時停止されてよい。以下、可動金型33が外部装置110に物品を受け渡す位置や可動金型33が外部装置110から物品を受け取る位置を型開位置と呼ぶ。型開位置は、型開完了位置でもよいし、型開完了位置よりも手前の位置でもよい。尚、可動金型33が外部装置110に物品を受け渡す位置と、可動金型33が外部装置110から物品を受け取る位置とは、同じ位置でも、異なる位置でもよい。
型厚調整機構60で固定プラテン12とトグルサポート15の間隔Lを変更すると、フレームFrに対するトグルサポート15の位置が変更される。そのため、トグルサポート15に対するクロスヘッド21の型開位置が変更されない場合、フレームFrに対するクロスヘッド21の型開位置がずれる。その結果、フレームFrに対する可動プラテン13の型開位置がずれ、物品の受渡時の可動金型33と外部装置110との相対位置がずれうる。外部装置110は、型厚調整によってフレームFrに対する位置を変えないためである。外部装置110は、例えばフレームFrが設置される床や固定プラテン12などに設置されている。
そこで、制御装置90は、型厚調整機構60で間隔Lを変更すると共に、間隔Lの変更量に基づいて、トグルサポート15に対するクロスヘッド21の型開位置を変更して、型開工程におけるクロスヘッド21の型開方向への移動距離を変更し、可動プラテン13の型開距離を変更する。
ここで、型開工程におけるクロスヘッド21の型開方向への移動距離とは、クロスヘッド21が型締位置から型開位置まで後退する距離のことである。尚、型開方向への移動距離とは、クロスヘッド21が型閉完了位置から型開位置まで後退する距離のことであってもよい。基準位置は型締位置であってもよいし型閉完了位置であってもよく特に限定されない。基準位置に関係なく、型開方向への移動距離の変更量は同じである。
制御装置90は、間隔Lの変更量を、例えば型厚調整モータ63のエンコーダ63aを用いて検出する。エンコーダ63aは、型厚調整モータ63の回転量や回転方向を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置90に送る。制御装置90は、エンコーダ63aから受信した情報に基づいて、間隔Lの変更量を検出する。
間隔Lが長くなると、フレームFrに対しトグルサポート15が後退する。この場合、制御装置90は、トグルサポート15に対するクロスヘッド21の型開位置を前進させ、型開工程におけるクロスヘッド21の型開方向への移動距離や可動プラテン13の型開距離を短くする。
一方、間隔Lが短くなると、フレームFrに対しトグルサポート15が前進する。この場合、制御装置90は、トグルサポート15に対するクロスヘッド21の型開位置を後退させ、型開工程におけるクロスヘッド21の型開方向への移動距離や可動プラテン13の型開距離を長くする。
型開距離の変更量の大きさは、間隔Lの変更量の大きさと同じであってよい。型厚調整の前後で、フレームFrに対する可動金型33の型開位置を維持でき、物品の受渡時の可動金型33と外部装置110との相対位置を維持できる。よって、可動金型33と外部装置110のいずれか一方から他方へ物品を円滑に受け渡すことができる。
尚、型開距離の変更量の大きさは、可動金型33と外部装置110のいずれか一方から他方へ物品を円滑に受け渡すことができる範囲内で、適宜設定されてもよく、間隔Lの変更量の大きさと同じではなくてもよい。
制御装置90は、トグルサポート15に対するクロスヘッド21の型開位置を変更するとき、トグルサポート15に対するクロスヘッド21の型締位置や型閉完了位置を変更せずに維持する。型締時に、所定の型締力を得るためである。
制御装置90は、トグルサポート15に対するクロスヘッド21の型開位置を変更する代わりに、外部装置110が可動金型33に物品を受け渡す位置や外部装置110が可動金型33から物品を受け取る位置(以下、単に「外部装置110の作業位置」とも呼ぶ。)を変更してもよい。尚、外部装置110が可動金型33に物品を受け渡す位置と、外部装置110が可動金型33から物品を受け取る位置とは、同じ位置でも異なる位置でもよい。
制御装置90は、外部装置110の作業位置を変更するため、間隔Lの変更量を外部装置110に対し送信する。外部装置110と制御装置90とは、インターネット回線やLAN(Local Area Network)などの通信回線120を介して接続されている。外部装置110と制御装置90とは、有線で接続されてもよいし、無線で接続されてもよい。外部装置110は、制御装置90から受信した情報に基づいて、例えばロボットハンドなどの把持部の作業位置を変更する。
間隔Lが長くなると、フレームFrに対しトグルサポート15が後退する。この場合、フレームFrに対する可動プラテン13の型開位置が後退するため、制御装置90はフレームFrに対する外部装置110の作業位置を後退させる。
一方、間隔Lが短くなると、フレームFrに対しトグルサポート15が前進する。この場合、フレームFrに対する可動プラテン13の型開位置が前進するため、制御装置90はフレームFrに対する外部装置110の作業位置を前進させる。
外部装置110の作業位置の変更量の大きさは、間隔Lの変更量の大きさと同じであってよい。型厚調整の前後で、物品の受渡時の可動金型33と外部装置110との相対位置を維持できる。よって、可動金型33と外部装置110のいずれか一方から他方へ物品を円滑に受け渡すことができる。
尚、外部装置110の作業位置の変更量の大きさは、可動金型33と外部装置110のいずれか一方から他方へ物品を円滑に受け渡すことができる範囲内で、適宜設定されてもよく、間隔Lの変更量の大きさと同じではなくてもよい。
本実施形態では、固定プラテン12が特許請求の範囲に記載の第1プラテンに、可動プラテン13が特許請求の範囲に記載の第2プラテンに、トグルサポート15が特許請求の範囲に記載の第3プラテンに、それぞれ対応する。
尚、本実施形態では、固定プラテン12がフレームFrに対し固定され、トグルサポート15がフレームFrに対し型開閉方向に移動自在とされるが、本発明はこれに限定されない。つまり、固定プラテン12がフレームFrに対し型開閉方向に移動自在とされ、トグルサポート15がフレームFrに対し固定されてもよい。
この場合、型厚調整機構60で固定プラテン12とトグルサポート15との間隔Lを調整すると、フレームFrに対する固定プラテン12の位置が変更される。そこで、制御装置90は、型厚調整機構60で間隔Lを変更すると共に、間隔Lの変更量に基づいて、外部装置110の作業位置を変更してよい。固定金型32と外部装置110のいずれか一方から他方へ物品を円滑に受け渡すことができる。
以上、射出成形機の実施形態等について説明したが、本発明は上記実施形態等に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、改良が可能である。
上記実施形態の型締装置10は、型開閉方向が水平方向である横型であるが、型開閉方向が上下方向である竪型でもよい。
竪型の型締装置は、下プラテン、上プラテン、トグルサポート、タイバー、トグル機構、型締モータ、型厚調整機構などを有する。下プラテンと上プラテンのうち、いずれか一方が固定プラテン、残りの一方が可動プラテンとして用いられる。下プラテンには下金型が取付けられ、上プラテンには上金型が取付けられる。下金型と上金型とで金型装置が構成される。下金型は、ロータリーテーブルを介して下プラテンに取付けられてもよい。トグルサポートは、下プラテンの下方に配設される。トグル機構は、トグルサポートと下プラテンとの間に配設される。下プラテンが固定プラテンである場合、トグル機構は下プラテンに対しトグルサポートを昇降させる。一方、下プラテンが可動プラテンである場合、トグル機構はトグルサポートに対し下プラテンを昇降させる。型締モータは、トグル機構を作動させる。タイバーは、鉛直方向に平行とされ、下プラテンを貫通し、上プラテンとトグルサポートとを連結する。
竪型の型厚調整機構は、金型装置の厚さの変化などに応じて、上プラテンとトグルサポートとの間隔を調整することで、型厚調整を行う。この型厚調整では、下金型と上金型とがタッチする型タッチの時点でトグル機構のリンク角度が所定の角度になるように、上プラテンとトグルサポートとの間隔を調整する。型閉完了時にリンク角度を所定の角度に調整でき、型締時に所定の型締力を得ることができる。型厚調整機構は、タイバーに形成されるねじ軸と、上プラテンおよびトグルサポートの一方に保持されるねじナットと、互いに螺合するねじ軸およびねじナットの一方を回転させる型厚調整モータとを有する。型厚調整機構は、上プラテンおよびトグルサポートの他方に保持されるねじナットをさらに有してもよい。
竪型の場合、上プラテンが特許請求の範囲に記載の第1プラテンに、下プラテンが特許請求の範囲に記載の第2プラテンに、トグルサポートが特許請求の範囲に記載の第3プラテンに、それぞれ対応する。
上記実施形態の型締装置10は、トグル機構20およびトグル機構20を作動させる型締モータ25を有するが、型開閉用にリニアモータを、型締用に電磁石を有してもよい。
電磁石式の型締装置は、例えば固定プラテン、可動プラテン、リヤプラテン、タイバー、吸着板、ロッド、および型厚調整機構などを有する。リヤプラテンは、可動プラテンを基準として固定プラテンとは反対側(つまり、可動プラテンの後方)に配設される。タイバーは、固定プラテンとリヤプラテンとを型開閉方向に間隔をおいて連結する。吸着板は、リヤプラテンの後方において、可動プラテンと共に進退自在とされる。ロッドは、リヤプラテンの貫通穴に挿通され、可動プラテンと吸着板とを連結する。リヤプラテンおよび吸着板の少なくとも一方には電磁石が形成され、電磁石による吸着力がリヤプラテンと吸着板との間に作用し、型締力が生じる。
電磁石式の場合、型厚調整機構は、可動プラテンと吸着板との間隔を調整することで、型厚調整を行う。この型厚調整では、可動金型と固定金型とがタッチする型タッチの時点で吸着板とリヤプラテンとの間に所定のギャップが形成されるように、可動プラテンと吸着板との間隔を調整する。型閉完了時に吸着板とリヤプラテンとの間に所定のギャップを形成でき、型締時に所定の型締力を得ることができる。型厚調整機構は、ロッドに形成されるねじ軸と、可動プラテンおよび吸着板の一方に保持されるねじナットと、互いに螺合するねじ軸およびねじナットの一方を回転させる型厚調整モータとを有する。型厚調整機構は、可動プラテンおよび吸着板の他方に保持されるねじナットをさらに有してもよい。
電磁石式の場合、固定プラテンが特許請求の範囲に記載の第2プラテンに、可動プラテンが特許請求の範囲に記載の第1プラテンに、吸着板が特許請求の範囲に記載の第3プラテンに、それぞれ対応する。
リニアモータは、例えば、フレームに対し固定される固定子と、フレームに対し移動する可動子とを備える。可動子は吸着板または可動プラテンに固定される。可動子のコイルに所定の電流が供給されると、コイルを流れる電流によって形成される磁場と、固定子の永久磁石によって形成される磁場との相互作用で、可動子が進退させられ、吸着板や可動プラテンが進退させられる。制御装置は、フレームに対する可動子の位置や速度が予め設定された位置や速度になるように、リニアモータを制御する。尚、コイルと永久磁石の配置は逆でもよく、また、永久磁石の代わりに別のコイルが用いられてもよい。
制御装置は、型厚調整機構で可動プラテンと吸着板との間隔を変更すると共に、間隔の変更量に基づいて、フレームに対する可動子の型開位置を変更することで、可動プラテンの型開距離を変更してよい。これにより、可動金型と外部装置のいずれか一方から他方へ物品を円滑に受け渡すことができる。
また、制御装置は、型厚調整機構で可動プラテンと吸着板との間隔を変更すると共に、間隔の変更量に基づいて、外部装置が金型装置に物品を受け渡す位置や外部装置が金型装置から物品を受け取る位置を変更してもよい。これにより、金型装置と外部装置のいずれか一方から他方へ物品を円滑に受け渡すことができる。
上記実施形態の取出機は、金型装置のキャビティ空間に充填された成形品を金型装置から取出すが、金型装置の入口からキャビティ空間までの通路(所謂、スプールやランナーなど)に充填された成形材料を金型装置から取出してもよい。
10 型締装置
12 固定プラテン
13 可動プラテン
15 トグルサポート
16 タイバー
18 型締力検出器
20 トグル機構
21 クロスヘッド
25 型締モータ
26 運動変換機構
30 金型装置
40 射出装置
50 エジェクタ装置
60 型厚調整機構
61 ねじ軸
62 ねじナット
63 型厚調整モータ
64 回転伝達部
90 制御装置
110 外部装置

Claims (3)

  1. 第1プラテンと、
    前記第1プラテンと協働して金型装置のキャビティ空間を形成する第2プラテンと、
    前記第1プラテンと間隔をおいて配設される第3プラテンと、
    前記第1プラテンと前記第3プラテンの間隔を調整する型厚調整機構と、
    前記型厚調整機構を制御する制御装置と、を有し、
    前記第1プラテンと前記第2プラテンは、一方が型開閉で移動する可動プラテンであり、他方が固定プラテンであり、
    前記制御装置は、前記型厚調整機構で前記間隔を変更すると共に、前記間隔の変更量に基づいて、前記可動プラテンの型開距離を変更する、射出成形機。
  2. 前記第3プラテンに対し前記第2プラテンを相対的に移動させるトグル機構をさらに備え、
    前記トグル機構は、前記第3プラテンに対し型開閉方向に進退させられるクロスヘッドを有し、
    前記制御装置は、前記型厚調整機構で前記間隔を変更すると共に、前記間隔の変更量に基づいて、型開工程における前記クロスヘッドの型開方向への移動距離を変更することで、前記可動プラテンの型開距離を変更する、請求項1に記載の射出成形機。
  3. 第1プラテンと、
    前記第1プラテンと協働して金型装置のキャビティ空間を形成する第2プラテンと、
    前記第1プラテンと間隔をおいて配設される第3プラテンと、
    前記第1プラテンと前記第3プラテンの間隔を調整する型厚調整機構と、
    前記型厚調整機構を制御する制御装置と、を有し、
    前記第1プラテンと前記第2プラテンは、一方が型開閉で移動する可動プラテンであり、他方が型開閉で固定される固定プラテンであり、
    前記制御装置は、前記型厚調整機構で前記間隔を変更すると共に、前記間隔の変更量に基づいて、外部装置が前記金型装置に物品を受け渡す位置、および/または外部装置が前記金型装置から物品を受け取る位置を変更する、射出成形機。
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