JP2018056695A - 通信装置、通信方法、及び、電子機器 - Google Patents

通信装置、通信方法、及び、電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2018056695A
JP2018056695A JP2016188258A JP2016188258A JP2018056695A JP 2018056695 A JP2018056695 A JP 2018056695A JP 2016188258 A JP2016188258 A JP 2016188258A JP 2016188258 A JP2016188258 A JP 2016188258A JP 2018056695 A JP2018056695 A JP 2018056695A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waveguide
communication device
transmission
signal
dielectric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016188258A
Other languages
English (en)
Inventor
崇宏 武田
Takahiro Takeda
崇宏 武田
岡田 安弘
Yasuhiro Okada
安弘 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Semiconductor Solutions Corp
Original Assignee
Sony Semiconductor Solutions Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Semiconductor Solutions Corp filed Critical Sony Semiconductor Solutions Corp
Priority to JP2016188258A priority Critical patent/JP2018056695A/ja
Priority to US16/321,456 priority patent/US20210288693A1/en
Priority to CN201780049420.0A priority patent/CN109565302A/zh
Priority to PCT/JP2017/033204 priority patent/WO2018061793A1/ja
Publication of JP2018056695A publication Critical patent/JP2018056695A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B5/00Near-field transmission systems, e.g. inductive or capacitive transmission systems
    • H04B5/40Near-field transmission systems, e.g. inductive or capacitive transmission systems characterised by components specially adapted for near-field transmission
    • H04B5/48Transceivers
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01PWAVEGUIDES; RESONATORS, LINES, OR OTHER DEVICES OF THE WAVEGUIDE TYPE
    • H01P1/00Auxiliary devices
    • H01P1/04Fixed joints
    • H01P1/042Hollow waveguide joints
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q13/00Waveguide horns or mouths; Slot antennas; Leaky-waveguide antennas; Equivalent structures causing radiation along the transmission path of a guided wave
    • H01Q13/20Non-resonant leaky-waveguide or transmission-line antennas; Equivalent structures causing radiation along the transmission path of a guided wave
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B5/00Near-field transmission systems, e.g. inductive or capacitive transmission systems
    • H04B5/20Near-field transmission systems, e.g. inductive or capacitive transmission systems characterised by the transmission technique; characterised by the transmission medium
    • H04B5/22Capacitive coupling
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B5/00Near-field transmission systems, e.g. inductive or capacitive transmission systems
    • H04B5/20Near-field transmission systems, e.g. inductive or capacitive transmission systems characterised by the transmission technique; characterised by the transmission medium
    • H04B5/24Inductive coupling

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Waveguide Connection Structure (AREA)
  • Near-Field Transmission Systems (AREA)

Abstract

【課題】2つの通信装置間で、筐体を接触又は近接させた状態で通信を行う場合に、筐体外部への電磁波の漏れを抑制する。【解決手段】通信装置は、開口端の周辺にチョーク構造を備え、開口端が他の導波管の開口端と接触又は近接した状態で信号を伝送する導波管と、前記導波管を介して送信信号を送信するとともに、前記送信信号の送信周波数と前記チョーク構造の周波数特性との相対関係を制御する送信部とを備える。本技術は、例えば、ミリ波信号を伝送する通信装置に適用できる。【選択図】図22

Description

本技術は、通信装置、通信方法、及び、電子機器に関し、特に、他の通信装置と筐体を接触又は近接させた状態で通信を行う通信装置、通信方法、及び、電子機器に関する。
2つの通信装置間で、筐体(装置本体)を接触又は近接させた状態で通信を行う通信システムがある。この種の通信システムの一例として、2つの通信装置の一方が携帯端末装置から成り、他方がクレードルと称される無線通信装置から成る通信システムを挙げることができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−65700号公報
2つの通信装置間で筐体(装置本体)を接触又は近接させた状態で通信を行う通信システムでは、伝送特性の観点や他機器への妨害の観点等から、筐体外部に電磁波を漏らさないことが重要となる。しかし、特許文献1に記載された従来例に係る通信システムにあっては、スロットアンテナを用いた無線通信であり、筐体外部へ電磁波が漏れやすいため、伝送特性が劣化するという問題点がある。この点(問題点)については、特許文献1の実施例3では、筐体の周囲に電磁波吸収体を配置して電磁波の漏れを防いでいることからも明らかである。
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、2つの通信装置間で、筐体を接触又は近接させた状態で通信を行う場合に、筐体外部への電磁波の漏れを抑制するようにするものである。
本技術の第1の側面の通信装置は、開口端の周辺にチョーク構造を備え、開口端が第1の他の導波管の開口端と接触又は近接した状態で信号を伝送する第1の導波管と、前記第1の導波管を介して送信信号を送信するとともに、前記送信信号の送信周波数と前記チョーク構造の周波数特性との相対関係を制御する送信部とを備える。
前記送信部には、前記第1の導波管と前記第1の他の導波管との間において漏洩する電磁波である漏洩電磁波のレベル、及び、前記第1の導波管と前記第1の他の導波管との間の距離の少なくとも一方に基づいて、前記送信周波数を調整させることができる。
前記送信部には、前記第1の導波管と前記第1の他の導波管との間の距離において前記チョーク構造による前記漏洩電磁波の低減効果が最も高い周波数近傍に、前記送信周波数を設定させることができる。
前記送信部には、前記漏洩電磁波のレベルに基づいて、さらに前記送信信号を増幅するアンプのゲインを調整させることができる。
開口端が第2の他の導波管の開口端と接触又は近接した状態で信号を伝送する第2の導波管と、前記第2の導波管を介して信号を受信する受信部とをさらに設け、前記送信部には、前記受信部が前記第2の導波管を介して受信した前記漏洩電磁波のレベルに基づいて、前記送信周波数を調整させることができる。
前記漏洩電磁波のレベルを測定する第1の測定部をさらに設けることができる。
前記第1の導波管と前記第1の他の導波管との間の距離を測定する第2の測定部をさらに設けることができる。
前記チョーク構造の溝に、誘電率可変材料からなる誘電体を充填し、前記送信部には、前記誘電体の誘電率を調整させることができる。
前記送信部には、前記第1の導波管と前記第1の他の導波管との間において漏洩する電磁波である漏洩電磁波のレベル、及び、前記第1の導波管と前記第1の他の導波管との間の距離の少なくとも一方に基づいて、前記誘電体の誘電率を調整させることができる。
前記送信部には、前記第1の導波管と前記第1の他の導波管との間の距離及び前記送信周波数において、前記チョーク構造による前記漏洩電磁波の低減効果が最も高い誘電率近傍に、前記誘電体の誘電率を設定させることができる。
前記送信部には、前記漏洩電磁波のレベルに基づいて、さらに前記送信信号を増幅するアンプのゲインを調整させることができる。
開口端が第2の他の導波管の開口端と接触又は近接した状態で信号を伝送する第2の導波管と、前記第2の導波管を介して信号を受信する受信部とをさらに設け、前記送信部には、前記受信部が前記第2の導波管を介して受信した前記漏洩電磁波のレベルに基づいて、前記誘電体の誘電率を調整させることができる。
前記漏洩電磁波のレベルを測定する第1の測定部をさらに設けることができる。
前記第1の導波管と前記第1の他の導波管との間の距離を測定する第2の測定部をさらに設けることができる。
前記送信部には、前記誘電体に印加する電圧を調整することにより前記誘電体の誘電率を調整させることができる。
前記チョーク構造の溝の深さを、前記送信信号の波長の約1/4とすることができる。
前記送信信号を、ミリ波帯の信号にすることができる。
本技術の第2の側面の通信方法は、開口端の周辺にチョーク構造を備える導波管を含む通信装置が、前記導波管の開口端が他の導波管の開口端と接触又は近接した状態で、前記導波管から前記他の導波管に送信信号を送信する場合に、前記送信信号の送信周波数と前記チョーク構造の周波数特性との相対関係を制御する。
本技術の第3の側面の電子機器は、開口端の周辺にチョーク構造を備え、開口端が他の導波管の開口端と接触又は近接した状態で信号を伝送する導波管と、前記導波管を介して送信信号を送信するとともに、前記送信信号の送信周波数と前記チョーク構造の周波数特性との相対関係を制御する送信部とを備える。
本技術の第1の側面又は第3の側面においては、導波管を介して送信信号が送信されるとともに、前記送信信号の送信周波数とチョーク構造の周波数特性との相対関係が制御される。
本技術の第2の側面においては、導波管の開口端が他の導波管の開口端と接触又は近接した状態で、前記導波管から前記他の導波管に送信信号を送信する場合に、前記送信信号の送信周波数と前記チョーク構造の周波数特性との相対関係が制御される。
本技術の第1乃至第3の側面によれば、2つの通信装置間で、筐体を接触又は近接させた状態で通信を行う場合に、筐体外部への電磁波の漏れを抑制することができる。
なお、ここに記載された効果に必ずしも限定されるものではなく、本明細書中に記載されたいずれかの効果であってもよい。また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって、これに限定されるものではなく、また付加的な効果があってもよい。
本技術の第1の実施形態に係る通信装置の一部断面を含む平面図である。 図1の送信部の具体的な構成の一例を示すブロック図である。 図1の受信部の具体的な構成の一例を示すブロック図である。 導波管の伝送路部の構成の一例を示す斜視図である。 第1の実施形態の実施例1に係るコネクタ装置の2つの導波管の各結合部の構成を示す平断面図である。 第1の実施形態の実施例1に係るコネクタ装置の2つの導波管の各結合部の構成を示す矢視断面図である。 第1の実施形態の実施例1に係るコネクタ装置の2つの導波管の各結合部の構成を示す側断面図である。 第1の実施形態の実施例1に係るコネクタ装置の2つの導波管間の伝送特性を示す図である。 第1の実施形態の実施例2に係るコネクタ装置の2つの導波管の各結合部の構成を示す平断面図である。 第1の実施形態の実施例3に係るコネクタ装置の2つの導波管の各結合部の構成を示す平断面図である。 第1の実施形態の実施例4に係るコネクタ装置の2つの導波管の各結合部の構成を示す平断面図である。 第1の実施形態の実施例5に係るコネクタ装置の2つの導波管の各結合部の構成を示す図である。 第1の実施形態の実施例6に係るコネクタ装置の2つの導波管の各結合部の構成を示す図である。 第1の実施形態の実施例5及び実施例6の変形例に係る導波管の構造を示す図である。 第1の実施形態の実施例1に係るコネクタ装置において、2つの結合部の各中心軸間にずれ及び各結合部間にギャップが存在する場合を示す図である。 第1の実施形態の実施例1に係るコネクタ装置において、2つの結合部の各中心軸間にずれ及び各結合部間にギャップが存在する場合の伝送特性を示す図である。 第1の実施形態の実施例7に係るコネクタ装置のチョーク構造の構成の例を示す図である。 第1の実施形態の実施例7に係るコネクタ装置の2つの導波管間の伝送特性を示す図である。 第1の実施形態の実施例8に係るコネクタ装置の2つの導波管の各結合部の他の構成を示す側断面図である。 コネクタ間距離に対するチョーク構造の周波数特性の一例を示すグラフである。 本技術の第2の実施形態に係る通信装置の実施例1の一部断面を含む平面図である。 図21の送信部の具体的な構成の一例を示すブロック図である。 図20の通信装置のノイズ抑制処理の実施例1を説明するためのフローチャートである。 図20の通信装置のノイズ抑制処理の実施例2を説明するためのフローチャートである。 図20の通信装置のノイズ抑制処理の実施例3を説明するためのフローチャートである。 図20の通信装置のノイズ抑制処理の実施例4を説明するためのフローチャートである。 図20の通信装置のノイズ抑制処理の実施例5を説明するためのフローチャートである。 図20の通信装置のノイズ抑制処理の実施例6を説明するためのフローチャートである。 図20の通信装置のノイズ抑制処理の実施例7を説明するためのフローチャートである。 本技術の第2の実施形態に係る通信装置の実施例2の一部断面を含む平面図である。 図30の通信装置のノイズ抑制処理の実施例1を説明するためのフローチャートである。 図30の通信装置のノイズ抑制処理の実施例2を説明するためのフローチャートである。 本技術の第2の実施形態に係る通信装置の実施例3の一部断面を含む平面図である。 コネクタ間距離が1.0mmの場合の誘電体の誘電率に対するチョーク構造の周波数特性の一例を示すグラフである。 コネクタ間距離が1.5mmの場合の誘電体の誘電率に対するチョーク構造の周波数特性の一例を示すグラフである。 コネクタ間距離が2.0mmの場合の誘電体の誘電率に対するチョーク構造の周波数特性の一例を示すグラフである。 本技術の第3の実施形態に係る通信装置の実施例1の一部断面を含む平面図である。 図37の送信部の具体的な構成の一例を示すブロック図である。 図37の可変電源の接続例を示す図である。 図37の通信装置のノイズ抑制処理の実施例1を説明するためのフローチャートである。 図37の通信装置のノイズ抑制処理の実施例2を説明するためのフローチャートである。 図37の通信装置のノイズ抑制処理の実施例3を説明するためのフローチャートである。 図37の通信装置のノイズ抑制処理の実施例4を説明するためのフローチャートである。 図37の通信装置のノイズ抑制処理の実施例5を説明するためのフローチャートである。 本技術の第3の実施形態に係る通信装置の実施例2の一部断面を含む平面図である。 図45の通信装置のノイズ抑制処理の実施例1を説明するためのフローチャートである。 図45の通信装置のノイズ抑制処理の実施例2を説明するためのフローチャートである。 本技術の第3の実施形態に係る通信装置の実施例3の一部断面を含む平面図である。
以下、本技術を実施するための形態(以下、「実施形態」と記述する)について図面を用いて詳細に説明する。なお、本技術は実施形態に限定されるものではなく、実施形態における種々の数値や材料などは例示である。以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は適宜省略する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.本技術の全般に関する説明
2.第1の実施形態
2−1.実施例1
2−2.実施例2(実施例1の変形例:送信側にのみチョーク構造を設ける例)
2−3.実施例3(実施例1の変形例:受信側にのみチョーク構造を設ける例)
2−4.実施例4(実施例1の変形例:チョーク構造に誘電体を充填しない例)
2−5.実施例5(双方向通信が可能な例:導波路が横並びの例)
2−6.実施例6(実施例5の変形例:導波路が縦積みの例)
2−7.2つの結合部間の位置ずれ等に伴う伝送特性が劣化
2−8.実施例7(実施例1の変形例:チョーク構造の変形例)
チョーク構造の変形例)
2−9.実施例8(実施例1の変形例:絶縁層を省略した例)
3.第2の実施形態
3−1.コネクタ間距離に対するチョーク構造の周波数特性
3−2.実施例1
3−3.実施例2(実施例1の変形例:距離センサを用いる例)
3−4.実施例3(実施例1の変形例:受信部を設けた例)
4.第3の実施形態
4−1.コネクタ間距離及び誘電体の誘電率に対するチョーク構造の周波数特性
4−3.実施例1
4−3.実施例2(実施例1の変形例:距離センサを用いる例)
4−4.実施例3(実施例1の変形例:受信部を設けた例)
5.変形例
6.通信システムの具体例
<<1.本技術の全般に関する説明>>
本技術にあっては、2つの通信装置(2つの導波管)間で通信を行う信号として、電磁波、特に、マイクロ波、ミリ波、テラヘルツ波などの高周波の信号を用いる構成とすることができる。高周波の信号を用いる通信システムは、各種の装置相互間の信号の伝送や、1つの装置(機器)における回路基板相互間の信号の伝送などに用いて好適なものである。
なお、2つの通信装置間で通信を行う信号として、高周波の信号のうち、ミリ波帯の信号を用いることが好ましい。ミリ波帯の信号は、周波数が30[GHz]〜300[GHz](波長が1[mm]〜10[mm])の電磁波である。ミリ波帯で信号伝送(通信)を行うことで、Gbpsオーダー(例えば、5[Gbps]以上)の高速な信号伝送を実現することができるようになる。Gbpsオーダーの高速な信号伝送が求められる信号としては、例えば、映画映像やコンピュータ画像等のデータ信号を例示することができる。また、ミリ波帯での信号伝送は、耐干渉性に優れており、装置相互間のケーブル接続における他の電気配線に対して妨害を与えずに済むという利点もある。
<<2.第1の実施形態>>
次に、図1乃至図19を参照して、本技術の第1の実施形態について説明する。
<実施例1>
まず、図1乃至図8を参照して、本技術の第1の実施形態の実施例1について説明する。
図1は、本技術の第1の実施形態に係る通信システムの構成の一例を示す、一部断面を含む平面図である。本例に係る通信システム10は、異なる通信装置(デバイス)間で、具体的には、通信装置11と通信装置12との間で、筐体同士(装置本体同士)を接触又は近接させた状態で、複数系統の伝送路を通して通信を行う構成となっている。本例では、通信装置11を送信側の通信装置とし、通信装置12を受信側の通信装置としている。
通信装置11は、筐体21の内部に送信部22及び導波管23を収納した構成となっている。通信装置12は、筐体221の内部に受信部222及び導波管223を収納した構成となっている。通信装置11の筐体21及び通信装置12の筐体221は、例えば矩形形状を有し、誘電体、例えば、誘電率=3、厚さ=0.2[mm]程度の樹脂から成る。すなわち、通信装置11の筐体21及び通信装置12の筐体221は、樹脂性の筐体である。ただし、筐体21,筐体221は、樹脂性に限られるものではない。
通信装置11及び通信装置12を含む通信システム10は、通信装置11と通信装置12との間において、好ましくは、筐体21及び筐体221の平面同士を接触又は近接させた状態で、高周波の信号、例えばミリ波帯の信号を用いて通信を行う。ここで、「近接」とは、高周波の信号がミリ波帯の信号であるから、ミリ波帯の信号の伝送範囲を制限できる限りにおいてであればよく、典型的には、放送や一般的な無線通信で使用される通信装置相互間の距離に比べて、2つの通信装置11,通信装置12間の距離が短い状態が「近接」させた状態に該当する。より具体的には、「近接」とは、通信装置11と通信装置12との間の距離(間隔)が、10[cm]以下、好ましくは、1[cm]以下の状態を言うものとする。
通信装置11において、筐体21の通信装置12側の壁板に形成された開口部21Aと送信部22の出力端との間には、送信部22から送信されるミリ波帯の信号を伝送する伝送路を形成する導波管23が設けられている。通信装置12においても同様に、筐体221の通信装置11側の壁板に形成された開口部221Aと受信部222の入力端との間には、受信するミリ波帯の信号を伝送する伝送路を形成する導波管223が設けられている。
通信装置11側の導波管23は、送信部22から送信されるミリ波帯の信号を伝送する伝送路部31と、伝送路部31の端部に設けられた結合部32とから成る。結合部32は、筐体21の開口部21Aを通して筐体21の一面に露出した状態で設けられている。このとき、結合部32の開口端の端面は、筐体21の外壁面と面一であることが好ましい。通信装置12側の導波管223は、ミリ波帯の信号を受信部222へ伝送する伝送路部231と、伝送路部231の端部に設けられた結合部232とから成る。結合部232は、筐体221の開口部221Aを通して筐体221の一面に露出した状態で設けられている。このとき、結合部232の開口端の端面は、筐体221の外壁面と面一であることが好ましい。
通信装置11側の導波管23と、通信装置12側の導波管223とは、結合部32の開口端と結合部232の開口端とが互いに接触又は近接した状態で配置される。結合部32及び結合部232の開口端同士が近接した状態では、両開口端の端面間及び筐体21,筐体221の両外壁面間には、図1に示すように、空気層13が介在することになる。
通信装置11において、送信部22は、伝送対象の信号をミリ波帯の信号に変換し、導波管23へ出力する処理を行う。通信装置12において、受信部222は、導波管223を通して伝送されるミリ波帯の信号を受信し、元の伝送対象の信号に戻す(復元する)処理を行う。以下に、送信部22及び受信部222について具体的に説明する。
図2に、送信部22の具体的な構成の一例を示す。
通信装置11において、送信部22は、例えば、伝送対象の信号を処理してミリ波帯の信号を生成する信号生成部51を有している。信号生成部51は、伝送対象の信号をミリ波帯の信号に変換する信号変換部であり、例えば、ASK(Amplitude ShiftKeying:振幅偏移)変調回路から成る構成となっている。具体的には、信号生成部51は、発振器61から与えられるミリ波帯の信号と伝送対象の信号とを乗算器62で乗算することによってミリ波帯のASK変調波を生成し、パワーアンプ63により増幅して出力する構成となっている。送信部22と導波管23との間には、コネクタ装置24が介在している。コネクタ装置24は、例えば、容量結合、電磁誘導結合、電磁界結合、共振器結合などによって、送信部22と導波管23とを結合する。
図3に、受信部222の具体的な構成の一例を示す。
通信装置12において、受信部222は、例えば、導波管223を通して与えられるミリ波帯の信号を処理して元の伝送対象の信号を復元する信号復元部251を有している。信号復元部251は、受信したミリ波帯の信号を、元の伝送対象の信号に変換する信号変換部であり、例えば、自乗(二乗)検波回路から成る構成となっている。具体的には、信号復元部251は、バッファ261を通して与えられるミリ波帯の信号(ASK変調波)を乗算器262で自乗することによって元の伝送対象の信号に変換し、バッファ263を通して出力する構成となっている。導波管223と受信部222との間には、コネクタ装置224が介在している。コネクタ装置224は、例えば、容量結合、電磁誘導結合、電磁界結合、共振器結合などによって、導波管223と受信部222とを結合する。
上述したように、本実施形態に係る通信システム10は、通信装置11と通信装置12との間で、筐体21及び筐体221の平面同士(筐体同士)を接触又は近接させた状態で、ミリ波帯の信号を用いて通信を行う。より具体的には、2つの導波管23の結合部32と導波管223の結合部232との開口端を接触又は近接した状態での通信である。従って、スロットアンテナを用いる無線通信に比べて、導波管23,導波管223の外部へ電磁波が漏れるのを抑制することができる。その結果、電磁波の漏れに起因する伝送特性の劣化を抑えることができる。また、スロットアンテナを用いる無線通信に比べて広帯域な伝送が可能になる。
因みに、通信の形態が、高周波の信号としてミリ波帯の信号を用いた通信、所謂、ミリ波通信であることで、次のような利点がある。
a)ミリ波通信は通信帯域を広く取れるため、データレートを大きくとることが簡単にできる。
b)伝送に使う周波数が他のベースバンド信号処理の周波数から離すことができ、ミリ波とベースバンド信号の周波数の干渉が起こり難い。
c)ミリ波帯は波長が短いため、波長に応じて決まる結合構造並びに導波構造を小さくできる。加えて、距離減衰が大きく回折も少ないため電磁シールドが行ない易い。
d)通常の無線通信では、搬送波の安定度については、干渉などを防ぐために厳しい規制がある。そのような安定度の高い搬送波を実現するためには、高い安定度の外部周波数基準部品と逓倍回路やPLL(位相同期ループ回路)などが用いられ、回路規模が大きくなる。これに対して、ミリ波通信では、容易に外部に漏れないようにできるとともに、安定度の低い搬送波を伝送に使用することができ、回路規模の増大を抑えることができる。
特に、ミリ波通信において、通信装置11及び通信装置12の各々の伝送路を、導波管23,導波管223を用いた導波構造とし、通信装置11と通信装置12とを接触又は近接させた状態で通信を行う通信システムであるため、外部からの余分な信号の入力を抑制できる。これにより、外部から余分な信号が入力された際に当該信号を除去するための、演算回路等の複雑な回路が不要になるため、その分だけ通信装置11や通信装置12の小規模化を図ることができる。
続いて、本技術の第1の実施形態に係るコネクタ装置を構成する通信装置11側の導波管23及び通信装置12側の導波管223の構成について具体的に説明する。本実施形態に係るコネクタ装置は、導波管23と導波管223との組み合わせから成る。
まず、通信装置11側の導波管23の伝送路部31及び通信装置12側の導波管223の伝送路部231の構成について説明する。ここでは、導波管23の伝送路部31の構成について代表して説明するが、導波管223の伝送路部231の構成についても同様である。図4に、導波管23の伝送路部31の構成の一例を示す。
図4に示すように、導波管23の伝送路部31は、例えば、断面矩形の金属製の管81の内部に誘電体82が充填された矩形導波管の構造となっている。ここでは、一例として、金属製の管81の材料として銅を用い、誘電体82として液晶ポリマー(LCP:Liquid crystal polymer)を用いている。より具体的には、本例に係る伝送路部31は、例えば幅2.5[mm}×厚さ0.2[mm]の断面矩形の液晶ポリマーの外周を例えば銅でめっきした、フレキシブルな導波管ケーブルの構造となっている。
ここでは、伝送路部31として、金属製の管81の内部に誘電体82が充填されて成る誘電体導波管を例示したが、これに限られるものではなく、中空導波管であってもよい。また、矩形導波管としては、断面の長辺と短辺との寸法比が2:1の長方形の導波管であることが好ましい。2:1の矩形導波管は、高次モードの発生を防ぎ、効率よく伝送できる利点がある。但し、伝送路部31として、断面形状が長方形以外の導波管、例えば、断面形状が正方形又は円形の導波管の使用を排除するものではない。また、厚さが薄い導波管の場合、例えば厚さが0.2[mm]程度の導波管の場合、単位長さあたりの伝送損失は増えるが、長辺と短辺との寸法比が10:1や15:1というような場合もある。
金属製の管81内に充填する誘電体82として用いる液晶ポリマーは、材料特性が低比誘電率(3.0)、低誘電正接(0.002)であるため、伝送路部31の伝送損失を低減できる利点がある。一般的に、誘電正接が小さいと、伝送損失が低い。また、液晶ポリマーは、吸水性が低いため、高湿度下においても寸法の安定性が良好であるという利点もある。ここでは、誘電体82として液晶ポリマーを例示したが、これに限られるものではない。
液晶ポリマーの他、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE:polytetrafluoroethylene)、シクロオレフィンポリマー(COP:Cyclo-olefin polymer)、又はポリイミド(Polyimide)を誘電体82として用いることもできる。PTFEの材料特性は、比誘電率が2.0、誘電正接が0.0002である。COPの材料特性は、比誘電率が2.3、誘電正接が0.0002である。ポリイミドの材料特性は、比誘電率が3.5、誘電正接が0.01である。
次に、図5乃至図7を参照して、通信装置11側の導波管23の結合部32及び通信装置12側の導波管223の結合部232の具体的な実施例について説明する。
図5は、実施例1に係るコネクタ装置の2つの導波管23,導波管223の各結合部32,結合部232の構成を示す平断面図である。また、図6に、図5のA−A線に沿った矢視断面図を示し、図7に、実施例1に係るコネクタ装置の2つの導波管23,導波管223の各結合部32,結合部232の側断面図を示す。
2つの導波管23,導波管223の各結合部32,結合部232は、アルミニウムなどの金属製の管101,管301内に、誘電体102,誘電体302が充填され、金属製の管101,管301の開口端面が絶縁層103,絶縁層303によって覆われた構成となっている。尚、図5及び図7には、誘電体102,誘電体302が管101,管301内に全体的に充填された構成を図示しているが、必ずしも全体的である必要はなく、誘電体102,誘電体302は、金属製の管101,管301内の少なくとも一部、好ましくは少なくとも開口端部に設けられていればよい。
金属製の管101,管301内に充填する誘電体102,誘電体302としては、伝送路部31の誘電体82と同じ材料、具体的には、液晶ポリマー、PTFE、COP、又はポリイミドを用いることができる。また、これらの材料以外にも、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK:Polyether ether ketone)、ポリフェニレンスルファイド(PPS:Polyphenylene sulfide)、熱硬化性樹脂、又は紫外線硬化樹脂を、誘電体102,誘電体302として用いることができる。PEEKの材料特性は、比誘電率が3.3、誘電正接が0.003である。PPSの材料特性は、比誘電率が3.6、誘電正接が0.001である。
金属製の管101,管301の開口端面を覆う絶縁層103,絶縁層303は、例えば絶縁性材料の塗装から成る。絶縁性の塗装としては、例えばアルミニウム専用のめっき加工処理であるアルマイト加工処理が好適である。アルミニウムは電気を流すが、アルマイト皮膜は絶縁性を有する。尚、ここでは、図5及び図7に示すように、金属製の管101,管301の開口端面のみを絶縁層103,絶縁層303で覆う構成としているが、管101,管301の外表面全体や、誘電体102,誘電体302の露出面を覆う構成としてもよい。
上述したように、本実施形態に係るコネクタ装置は、伝送路部31,伝送路部231及び結合部32,結合部232から成る2つの導波管23,導波管223を有し、結合部32,結合部232の開口端を接触又は近接した状態で結合する構成を採っている。従って、スロットアンテナを用いる無線通信に比べて、外部へ電磁波が漏れるのを抑制できる。特に、結合部32,結合部232が、金属製の管101,管301内に誘電体102,誘電体302が充填され、金属製の管101,管301の開口端面が絶縁層103,絶縁層303によって覆われた構成となっている。これにより、2つの導波管23,導波管223は、接触面に金属が露出しない構造であるため、接続信頼性を向上できるとともに、防水対応が容易である等の利点がある。因みに、金属同士が接触する構造のコネクタ装置にあっては、コネクタ装置の錆による接点不良、多数回の着脱による接点摩耗や接続信頼性の低下、防水対応への難しさと言った問題がある。
2つの導波管23,導波管223の結合部32,結合部232は、金属製の管101,管301の開口端の周辺にチョーク構造104,チョーク構造304を有する構成となっている。これらのチョーク構造104,チョーク構造304は、導波管23,導波管223の中心軸Oの周りに環状に(本例では、矩形環状に)形成された溝111,溝311を有している。チョーク構造104,チョーク構造304の溝111,溝311の深さdは、導波管23,導波管223が伝送する高周波(本例では、ミリ波)の波長λの1/4、即ちλ/4に設定されることが好ましい。ここで、「λ/4」とは、厳密にλ/4である場合の他、実質的にλ/4である場合も含む意味であり、設計上あるいは製造上生ずる種々のばらつきの存在は許容される。
チョーク構造104,チョーク構造304にあっては、溝111,溝311の深さdがλ/4のとき、定常状態では、入射波と溝111,溝311で生じた反射波とが逆相になる。従って、入射波が溝111,溝311で生じた反射波で打ち消されるため、チョーク構造104,チョーク構造304の外側へ進行しなくなる。その結果、導波管23と導波管223とを、各開口端を接触又は近接させた状態で結合するコネクタ装置にあっては、チョーク構造104,チョーク構造304の作用によって外部への電磁波の漏れを抑制することができる。
ここでは、チョーク構造104,チョーク構造304について、溝111,溝311の段数が1段の構成のものを例示したが、1段に限られるものではなく、2段以上の多段であってもよい。チョーク構造104,チョーク構造304にあっては、溝111,溝311の段数が多い方が、外部への電磁波の漏れを抑制する効果が大きい。
上述した作用、効果、即ち溝111,溝311の深さdがλ/4のときの作用、効果は、チョーク構造104,チョーク構造304の各溝111,溝311内が空間の状態にある場合である。一方、本実施例に係るコネクタ装置にあっては、各溝111,溝311の内壁が、金属製の管101,管301の開口端面を覆う絶縁層103,絶縁層303によって覆われるとともに、その内部に誘電体112,誘電体312が充填された構成となっている。
このチョーク構造104,チョーク構造304の誘電体112,誘電体312としては、金属製の管101,管301内に充填する誘電体102,誘電体302と同じ材料、具体的には、液晶ポリマー、PTFE、COP、ポリイミド、PEEK、PPS、熱硬化性樹脂、又は紫外線硬化樹脂を用いることができる。また、これらの材料以外にも、プラスチック、エンジニアリング・プラスチック、又はスーパーエンジニアリング・プラスチックを誘電体112,誘電体312として用いることができる。さらに、例えば、ネマティック液晶等の誘電率可変材料を誘電体112,誘電体312として用いることができる。
ここで、空気中のミリ波の波長をλ0、誘電体内のミリ波の波長をλg、誘電体の比誘電率をεrとすると、空気中のミリ波の波長λ0と誘電体内のミリ波の波長λgとは、次式(1)の関係で表わされる。
λg=λ0/√εr ・・・・・・(1)
式(1)から、チョーク構造104,チョーク構造304において、溝111,溝311内が空間の場合よりも溝111,溝311内に誘電体が充填されている場合の方が波長を短縮できる。この誘電体充填による波長短縮効果により、実施例1に係るコネクタ装置における溝111,溝311の深さdを、誘電体を充填しない場合の深さλ/4よりも浅く(d<λ/4)設定できる。これにより、導波管23,導波管223の中心軸O(図5、図7参照)に沿った方向のサイズを小さくできる。
上述したように、実施例1に係るコネクタ装置にあっては、導波管23,導波管223が開口端の周辺にチョーク構造104,チョーク構造304を有する構成となっているために、当該チョーク構造104,チョーク構造304の作用によって、導波管23,導波管223の外部への電磁波の漏れをより確実に抑制することができる。これにより、電磁波の漏れに起因する導波管23と導波管223との間の伝送特性の劣化を抑えることができる。
図8に、実施例1に係るコネクタ装置の2つの導波管23,導波管223間の伝送特性を示す。実施例1に係るコネクタ装置の場合、例えば−10[dB]のレベルに着目すると、図8の伝送特性から明らかなように、反射特性S11の帯域が47〜73[GHz]程度まで広がる。また、通過特性S21については、反射による損失が抑えられ、全体的に特性がフラットになる。これにより、スロットアンテナを用いる無線通信に比べて、広帯域な伝送が可能となる。
また、実施例1に係るコネクタ装置にあっては、チョーク構造104,チョーク構造304の溝111,溝311に誘電体112,誘電体312を充填した構成を採っているために、誘電体112,誘電体312の充填による上記の波長短縮効果により、溝111,溝311の深さdを浅く(d<λ/4)設計できる。これにより、溝111,溝311の深さdを浅く分だけ導波管23,導波管223の中心軸Oに沿った方向のサイズを小さくできるため、導波管23,導波管223の小型化、ひいてはコネクタ装置の小型化を図ることができる。
<実施例2>
次に、図9を参照して、本技術の第1の実施形態の実施例2について説明する。
実施例2は、実施例1の変形例である。図9は、実施例2に係るコネクタ装置の2つの導波管の各結合部の構成を示す平断面図である。実施例1に係るコネクタ装置では、通信装置11側の導波管23の結合部32及び通信装置12側の導波管223の結合部232の双方に、チョーク構造104,チョーク構造304を設ける構成を採っている。
これに対して、実施例2に係るコネクタ装置では、送信側である、通信装置11側の導波管23の結合部32にのみチョーク構造104を設ける構成を採っている。この構成の場合、送信側及び受信側の双方にチョーク構造104,チョーク構造304を設ける場合よりも、外部への電磁波の漏れを抑制する効果は劣るものの、チョーク構造104を設けない場合よりも外部への電磁波の漏れを抑制することができる。
<実施例3>
次に、図10を参照して、本技術の第1の実施形態の実施例3について説明する。
実施例3は、実施例1の変形例である。図10は、実施例3に係るコネクタ装置の2つの導波管の各結合部の構成を示す平断面図である。実施例1に係るコネクタ装置では、通信装置11側の導波管23の結合部32及び通信装置12側の導波管223の結合部232の双方に、チョーク構造104,チョーク構造304を設ける構成を採っている。
これに対して、実施例3に係るコネクタ装置では、受信側である、通信装置12側の導波管223の結合部232にのみチョーク構造304を設ける構成を採っている。この構成の場合、送信側及び受信側の双方にチョーク構造104,チョーク構造304を設ける場合よりも、外部への電磁波の漏れを抑制する効果は劣るものの、チョーク構造304を設けない場合よりも外部への電磁波の漏れを抑制することができる。
<実施例4>
次に、図11を参照して、本技術の第1の実施形態の実施例4について説明する。
実施例4は、実施例1の変形例である。図11は、実施例4に係るコネクタ装置の2つの導波管の各結合部の構成を示す平断面図である。実施例1に係るコネクタ装置では、チョーク構造104,チョーク構造304の溝111,溝311に誘電体112,誘電体312を充填した構成を採っている。
これに対して、実施例4に係るコネクタ装置では、チョーク構造104,チョーク構造304の溝111,溝311に誘電体112,誘電体312を充填しない構成を採っている。この構成の場合、誘電体112,誘電体312の充填による波長短縮効果は得られないものの、チョーク構造104,チョーク構造304による外部への電磁波の漏れを抑制する効果を得ることができる。溝111,溝311に誘電体112,誘電体312を充填しない場合、先述したように、溝111,溝311の深さdについては、導波管23,導波管223が伝送するミリ波の波長λの1/4、即ちλ/4に設定することが好ましい。これにより、チョーク構造104,チョーク構造304の作用によって外部への電磁波の漏れを抑制することができる。
ここでは、送信側の導波管23の結合部32及び受信側の導波管223の結合部232のチョーク構造104,チョーク構造304の溝111,溝311の双方に誘電体を充填しない構成を例示したが、この構成に限られるものではない。すなわち、溝111,溝311のいずれか一方にのみ誘電体を充填しない構成、換言すれば、溝111,溝311のいずれか一方にのみ誘電体を充填する構成を採ることも可能である。
<実施例5>
次に、図12を参照して、本技術の第1の実施形態の実施例5について説明する。
上記の各実施例では、通信装置11から通信装置12へ高周波の信号を伝送する一方向(片方向)通信の通信システムに適用した場合を例に挙げて説明したが、双方向通信の通信システムにも適用可能である。実施例5に係るコネクタ装置は、双方向通信の通信システムにも適用可能なコネクタ装置である。
図12Aは、実施例5に係るコネクタ装置の2つの導波管の各結合部の側断面図(図12BのB−B線に沿った矢視断面図)であり、図12Bは、当該2つの導波管の各結合部の縦断面図(図5のA−A線に沿った矢視断面図に相当)である。
双方向通信を可能にするために、通信装置11側の導波管23及び通信装置12側の導波管223の少なくとも一方について、以下の構成を採るようにする。ここでは、導波管23の場合を例に挙げて説明するものとする。導波管23は、一対の伝送路部31A,伝送路部31Bと、誘電体102A,誘電体102Bが充填されることによって結合部32を形成する一対の導波路141A,導波路141Bとから成る構造体を備える。この構造体の形成にあたっては、一体形成が好ましい。チョーク構造104は、一対の導波路141A,導波路141Bの各々を囲むように形成される。
実施例5に係るコネクタ装置では、一対の伝送路部31A,伝送路部31B及び一対の導波路141A,導波路141Bを、これら導波路141A,導波路141Bの幅方向において並置した(所謂、横並びにした)構成となっている。このように、伝送路部31A,伝送路部31B及び導波路141A,導波路141Bから成る構造体を一対(2Lane)設けることにより、双方向通信が可能な通信システムを構築することができる。
<実施例6>
次に、図13を参照して、本技術の第1の実施形態の実施例6について説明する。
実施例6は、実施例5の変形例である。図13Aは、実施例5に係るコネクタ装置の2つの導波管の各結合部の側断面図(図13BのC−C線に沿った矢視断面図)であり、図13Bは、当該2つの導波管の各結合部の縦断面図(図5のA−A線に沿った矢視断面図に相当)である。
実施例5に係るコネクタ装置では、双方向通信を可能にする一対の伝送路部31A,伝送路部31B及び一対の導波路141A,導波路141Bを、これら導波路141A,導波路141Bの幅方向において並置した構成を採っている。これに対して、実施例6に係るコネクタ装置では、一対の伝送路部31A,伝送路部31B及び一対の導波路141A,導波路141Bを、これら導波路141A,導波路141Bの厚さ方向に縦積みした構成を採っている。図13Aには、一対の伝送路部31A,伝送路部31Bを離間した状態で図示しているが、これら伝送路部31A,伝送路部31Bは例えば一体化されて送信部11(図1参照)に導かれることになる。
このように、一対の伝送路部31A,伝送路部31B及び一対の導波路141A,導波路141Bが縦積みの構成を採る実施例6に係るコネクタ装置にあっても、実施例5に係るコネクタ装置と同様に、双方向通信が可能な通信システムを構築することができる。
実施例5及び実施例6以外にも、2つの導波管23,導波管223の少なくとも一方について、断面形状が正方形又は円形の導波管とすることによっても双方向通信が可能な通信システムを構築することができる。具体的には、2つの導波管23,導波管223の少なくとも一方として、図14に示すような断面形状が正方形の導波管を用いることで、偏波面が大地に対して水平な水平偏波、及び、垂直な垂直偏波(直交偏波)による双方向通信を実現できる。断面形状が円形の導波管を用いる場合には、電磁波の進行方向に向かって右に回転する右旋円偏波、及び、左に回転する左旋円偏波による双方向通信を実現できる。
<2つの結合部間の位置ずれ等に伴う伝送特性が劣化>
以上説明した各実施例に係るコネクタ装置、特に、実施例1に係るコネクタ装置では、2つの結合部32,結合部232が合致している場合を例に挙げて説明したが、結合部32,結合部232を設置するときの取付誤差等によって両者の中心軸Oが必ずしも合致しているとは限らない。そして、結合部32の中心軸Oと結合部232の中心軸Oとの間にずれが生じると、伝送特性が悪化することが懸念される。
ここで、実施例1に係るコネクタ装置において、例えば、図15A、図15Bに示すように、結合部32の中心軸Oに対して、結合部232の中心軸OがX方向に0.3mm、Y方向に0.3mmの位置ずれが生じ、かつ、Z方向に0.1mmのギャップが存在する場合の伝送特性について考察する。この場合の2つの導波管23,導波管223間の伝送特性を図16に示す。
図16に示す伝送特性から明らかなように、2つの結合部32,結合部232間に、上記の位置ずれ及びギャップが存在する場合、図8に示す通過特性S21のフラットな帯域(略50GHz〜70GHz)の中央部(60GHz)近傍にディップ点が生じ、伝送特性が悪化する。これは、次の理由に起因するものと考えられる。すなわち、中心軸Oがずれることで、結合部32(結合部232)から放射された電磁波が、結合部232(結合部32)のチョーク構造304(チョーク構造104)の溝311(溝211)に大量に侵入して、溝311(溝211)を一周する波長に起因する周波数f1で共振状態となり、通過特性S21のディップ点を誘発する。
<実施例7>
次に、図17及び図18を参照して、本技術の第1の実施形態の実施例7について説明する。
実施例7は、実施例1の変形例、具体的には、実施例1に係るコネクタ装置におけるチョーク構造104,チョーク構造304の変形例である。ここでは、結合部32側のチョーク構造104について説明するが、結合部232側のチョーク構造304についても同様である。
実施例7では、2つの結合部32,結合部232間に位置ずれ等が存在しても良好な伝送特性を維持できるようにするために、図17Aに示すように、結合部32側のチョーク構造104において、溝111の深さに関して、一部の溝部分162を他の溝部分161と異ならせた構成となっている。溝111の深さは、結合部32の開口端面からの深さである。
具体的には、一部の溝部分162は、他の溝部分161の深さdと異なる深さになるように形成されている。換言すれば、一部の溝部分162は、他の溝部分161の深さdに対して浅い場合もあれば、深い場合もあり、その深さ範囲は「0〜(d+α)」である。他の溝部分161の底面は、溝111の底面である。チョーク構造104の構成の一例を示す図17Aの例の場合には、一部の溝部分162の深さは0、即ち、結合部32の開口端面と同じ高さとなっている。
図17Aの例では、結合部32の開口端面に溝111を掘る(形成する)際に、その一部を残すことによって一部の溝部分162が、結合部32と一体的に形成される。すなわち、一部の溝部分162は、結合部32と同じ材料から成り、導電性を有している。これにより、一部の溝部分162は、結合部232から放射され、チョーク構造104の溝111に侵入した電磁波の伝搬を遮断する作用をなす。
一部の溝部分162は、2つ以上、本例では2つ、矩形環状に形成されている溝111の短辺側、即ち、図の左側、右側の短辺部分にそれぞれ設けられている。溝111の短辺側は、導波管23(伝送路部31)の短辺側でもある。導波管23によって高周波の信号を伝送する場合、一般的に、導波管23の短辺に沿った方向に電界が発生する伝送形態がとられる。したがって、一部の溝部分162は、導波官23が高周波の信号を伝送する際に発生する電界の方向に沿った溝部分、即ち導波管23の短辺側の溝部分に設けられることになる。
上述したように、チョーク構造104において、矩形環状の溝111の短辺側に、他の溝部分161と深さが異なる、一部の溝部分162を例えば2つ設けることにより、2つの結合部32,結合部232間に位置ずれ等が存在しても、一部の溝部分162の作用によって伝送特性を良好に維持することができる。一部の溝部分162の作用について、以下に説明する。
図15A、図15Bに示すように、結合部32の中心軸Oに対して、結合部232の中心軸OをX方向に0.3mm、Y方向に0.3mmずらし、かつ、Z方向に0.1mmのギャップを設けたときの、実施例7に係るチョーク構造104の場合の伝送特性を図18に示す。図18から明らかなように、実施例7に係るチョーク構造104によれば、通過特性S21のディップ点を、フラットな帯域の中央部(60GHz)近傍から遠い周波数帯に移動させることができる。
これは次の理由による。すなわち、矩形環状の溝111の短辺側に、他の溝部分161と深さが異なる、一部の溝部分162を例えば2つ設けることで、チョーク構造104の溝111に侵入した電磁波の伝搬に関して、溝111の周方向の長さが1/2になる。これにより、溝111を一周する波長に起因する共振周波数f1に対して、実施例7に係るチョーク構造104に起因する共振周波数は2×f1となるため、ディップ点を伝送帯域の中央部(60GHz)よりも高い周波数帯に移動できる。
図17Aの例では、結合部32の開口端面に溝111を掘る(形成する)際に、その一部を残すことによって一部の溝部分162を結合部32と一体的に形成するとしたが、一部の溝部分162の形成方法についてはこれに限られない。例えば、図17Bに示すように、結合部32の開口端面に溝111を形成した後、導電性部材164を一部の溝部分162として溝111内に埋め込むようにしてもよい。
この場合にも、一部の溝部分162と同様に、導電性部材164を、矩形環状の溝111の短辺側、即ち、図の左側、右側の短辺部分に2つ以上設けるようにする。導電性部材164を設けるに当たっては、必ずしも、左右対称である必要も、回転対称である必要もない。チョーク構造104の効果、即ち、外部への電磁波の漏れを抑制する効果は、電界を切る方向(溝111の長辺方向)が強い。しかし、溝111の長辺側に導電性の一部の溝部分162を設けると、その効果が著しく低下する。
溝111の短辺側に導電性部材164を設けた場合には、チョーク構造104の効果を妨げ難い。このような観点から、溝111の短辺側に導電性部材164を設けることが好ましい。但し、導電性部材164の短辺方向の長さを長くしていくと、徐々にチョーク構造104の効果が低下していくことから、図17Bに破線で囲った領域内、即ち、短辺側の直線領域内の長さに抑えることが好ましい。また、導電性部材164の溝111内の深さ範囲については、図17Aの例における一部の溝部分162の場合と同様に、「0〜(d+α)」とする。
このように、矩形環状の溝111の短辺側に、導電性部材164を例えば2つ設けた場合にも、図17Aの例における一部の溝部分162の場合と同様の作用、効果を得ることができる。すなわち、2つの結合部32,結合部232間に位置ずれ等が存在しても、一部の溝部分162と同様の導電性部材164の作用によって伝送特性を良好に維持することができる。これにより、2つの結合部32,結合部232を設置するときの取付誤差等をある程度許容できるため、設置の自由度を上げることができる。
<実施例8>
次に、図19を参照して、本技術の第1の実施形態の実施例8について説明する。
実施例1に係るコネクタ装置では、金属製の管101,管301の開口端面が絶縁層103,絶縁層303によって覆われた構成となっているが、絶縁層103,絶縁層303で開口端面を覆うことは必須ではない。すなわち、図19に示すように、金属製の管101,管301の開口端面が絶縁層103,絶縁層303によって覆われていない構成であってもよい。この構成の場合でも、絶縁層103,絶縁層303による作用、効果は得られないものの、2つの結合部32,結合部232の開口端が接触又は近接した状態で結合することになるため、外部への電磁波の漏れを抑制する効果を得ることができる。
<<3.第2の実施形態>>
次に、図20乃至図33を参照して、本技術の第2の実施形態について説明する。
<コネクタ間距離に対するチョーク構造の周波数特性>
図7の通信装置11のチョーク構造104の周波数特性は、通信装置11の導波管23の結合部32の開口端と通信装置12の導波管223の結合部232の開口端との間の距離(以下、コネクタ間距離と称する)により変化する。ここで、チョーク構造104の周波数特性とは、通信装置11と導波管23と通信装置12の導波管223との間から通信装置11の筐体21及び通信装置12の筐体221の外部へ漏れる電磁波(以下、漏洩電磁波と称する)である不要輻射によるノイズ(以下、輻射ノイズと称する)のうち、チョーク構造104により抑制される周波数成分の分布を示すものである。
図20は、コネクタ間距離が0.5mm、1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mmの場合のチョーク構造104の周波数特性を示している。グラフの横軸は輻射ノイズの周波数(単位はGHz)を示し、縦軸は輻射ノイズのレベル(単位はdBm)を示している。
このグラフに示されるように、コネクタ間距離により、チョーク構造104が有効に作用する輻射ノイズの周波数が変化する。すなわち、コネクタ間距離により、チョーク構造104により抑制される輻射ノイズの周波数成分が変化する。
例えば、コネクタ間距離が2mmの場合、56GHz付近の周波数の輻射ノイズが最小になる。コネクタ間距離が2.5mmの場合、54.5GHz付近の周波数の輻射ノイズが最小になる。コネクタ間距離が3mmの場合、53GHz付近の周波数の輻射ノイズが最小になる。
従って、伝送する信号の周波数(伝送周波数)を、コネクタ間距離に応じて、チョーク構造104が有効に作用する周波数に調整することにより、輻射ノイズを低減することができる。
<実施例1>
次に、図21乃至図29を参照して、本技術の第2の実施形態の実施例1について説明する。
図21は、本技術の第2の実施形態の実施例1に係る通信システムの構成の一例を示す、一部断面を含む平面図である。なお、図中、図1と対応する部分には同じ符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
図21の通信システム500は、図1の通信システム10と比較して、通信装置11の代わりに通信装置501が設けられている点が異なる。通信装置501は、通信装置11と比較して、送信部22の代わりに、送信部512が設けられ、パワーセンサ511が追加されている点が異なる。
パワーセンサ511は、筐体21の開口部21Aにおいて、結合部32に近接するように設けられている。パワーセンサ511は、通信装置501の結合部32と通信装置12の結合部232との間から漏れた輻射ノイズのレベルを測定し、測定結果を示す測定信号を送信部512に供給する。なお、パワーセンサ511は、結合部32に必ずしも接触させる必要はないが、結合部32にできる限り近い位置に配置することが望ましい。
送信部512は、図1の通信装置11の送信部22と同様に、伝送対象の信号をミリ波帯の信号(以下、伝送信号又は送信信号とも称する)に変換し、導波管23へ出力する処理を行う。また、送信部512は、送信信号の送信周波数と導波管23のチョーク構造104の周波数特性との相対関係を制御し、輻射ノイズを低減させる。具体的には、送信部512は、後述するように、パワーセンサ511の測定結果等に基づいて、送信信号の送信周波数を調整し、輻射ノイズを低減させる。
図22は、送信部512の具体的な構成の一例を示している。なお、図中、図2と対応する部分には同じ符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
送信部512は、図2の送信部22と比較して、信号生成部51の代わりに信号生成部531が設けられている点が異なる。信号生成部531は、信号生成部51と比較して、制御部541が設けられている点が異なる。
制御部541は、送信信号の送信周波数と導波管23のチョーク構造104の周波数特性との相対関係を制御し、輻射ノイズを低減させる。具体的には、制御部541は、後述するように、パワーセンサ511の測定結果等に基づいて、発振器61の発振周波数を調整することにより、送信信号の送信周波数を調整し、輻射ノイズを低減させる。また、制御部541は、パワーセンサ511の測定結果等に基づいて、パワーアンプ63のゲインを調整する。
(ノイズ抑制処理の実施例1)
次に、図23のフローチャートを参照して、通信装置501により実行されるノイズ抑制処理の実施例1について説明する。この処理は、例えば、通信装置501から通信装置12への信号の伝送が開始されるとき、開始される。
ステップS11において、パワーセンサ511は、ノイズレベルを測定する。すなわち、パワーセンサ511は、通信装置501の結合部32と通信装置12の結合部232との間から漏れる輻射ノイズのレベルを測定し、測定結果を示す測定信号を送信部512の制御部541に供給する。
ステップS12において、制御部541は、ノイズレベルが基準値以下であるか否かを判定する。ノイズレベルが基準値を超えていると判定された場合、処理はステップS13に進む。この基準値は、例えば、法令等で定められている輻射ノイズの最大許容レベル以下の値に設定される。
ステップS13において、制御部541は、発振周波数を調整する。具体的には、制御部541は、ノイズレベルが下がる方向に、発振器61の発振周波数を調整することにより、通信装置12へ送信する送信信号の送信周波数(伝送周波数)を調整する。
その後、処理はステップS11に戻り、ステップS12において、ノイズレベルが基準値以下であると判定されるまで、ステップS11乃至ステップS13の処理が繰り返し実行される。
一方、ステップS12において、ノイズレベルが基準値以下であると判定された場合、ノイズ抑制処理は終了する。
このように、送信信号の送信周波数を調整することにより、輻射ノイズのレベルが基準値以下に抑えられる。これにより、周囲の電子機器等に悪影響を及ぼすのを防止したり、伝送特性を安定化させたりすることができる。
また、コネクタ間距離が変化し、通信装置501のチョーク構造104及び通信装置12のチョーク構造304が有効な周波数が変化しても、輻射ノイズのレベルを基準値以下に抑えることができる。従って、使用可能なコネクタ間距離を長くすることができる。
さらに、輻射ノイズの抑制効果が増大されるため、例えば、チョーク構造を簡素化することができる。例えば、通信装置501のチョーク構造104及び通信装置12のチョーク構造304のうちの一方を削除したり、チョーク構造104又はチョーク構造304の多重化数を減らしたりすることができる。
また、通信装置501の導波管23及びチョーク構造104、通信装置12の導波管223及びチョーク構造304の出来等に応じて、送信周波数を調整することができるため、それらの加工精度を高くする必要がなく、加工コストを抑制することができる。
(ノイズ抑制処理の実施例2)
次に、図24のフローチャートを参照して、通信装置501により実行されるノイズ抑制処理の実施例2について説明する。この処理は、例えば、通信装置501から通信装置12への信号の伝送が開始されるとき、開始される。
ステップS31において、制御部541は、パワーアンプ63のゲインを下げる。
ステップS32において、図23のステップS11の処理と同様に、ノイズレベルが測定される。
ステップS33において、図23のステップS12の処理と同様に、ノイズレベルが基準値以下であるか否かが判定される。ノイズレベルが基準値を超えていると判定された場合、処理はステップS34に進む。
ステップS34において、図23のステップS13の処理と同様に、発振周波数が調整される。
その後、処理はステップS32に戻り、ステップS33において、ノイズレベルが基準値以下であると判定されるまで、ステップS32乃至ステップS34の処理が繰り返し実行される。
一方、ステップS33において、ノイズレベルが基準値以下であると判定された場合、処理はステップS35に進む。
ステップS35において、制御部541は、パワーアンプ63のゲインを上げる。
その後、ノイズ抑制処理は終了する。
このように、送信信号の送信周波数の調整が行われている間、パワーアンプ63のゲインが下げられる。これにより、例えば、送信周波数の調整が完了するまでの間に輻射ノイズが大きくなり、周囲の電子機器等に悪影響を及ぼすことが防止される。
(ノイズ抑制処理の実施例3)
次に、図25のフローチャートを参照して、通信装置501により実行されるノイズ抑制処理の実施例3について説明する。この処理は、例えば、通信装置501から通信装置12への信号の伝送が開始されるとき、開始される。
ステップS51において、図23のステップS11の処理と同様に、ノイズレベルが測定される。
ステップS52において、図23のステップS12の処理と同様に、ノイズレベルが基準値以下であるか否かが判定される。ノイズレベルが基準値を超えていると判定された場合、処理はステップS53に進む。
ステップS53において、制御部541は、ノイズレベルが調整範囲内であるか否かを判定する。制御部541は、ノイズレベルが所定の許容値を超えていない場合、ノイズレベルが調整範囲内であると判定し、処理はステップS54に進む。
ステップS54において、図23のステップS13の処理と同様に、発振周波数が調整される。
その後、処理はステップS51に戻り、ステップS52において、ノイズレベルが基準値以下であると判定されるか、ステップS53において、ノイズレベルが調整範囲内であると判定されるまで、ステップS51乃至ステップS54の処理が繰り返し実行される。
一方、ステップS53において、制御部541は、ノイズレベルが所定の許容値を超えている場合、ノイズレベルが調整範囲外であると判定し、処理はステップS55に進む。これは、例えば、通信装置201と通信装置12との間のコネクタ間距離が離れすぎていて、ノイズレベルが所定の許容値を超えている場合等である。
ステップS55において、制御部541は、出力をオフする。例えば、制御部541は、パワーアンプ63のゲインを0に設定し、通信装置501からの信号の送信を停止させる。
その後、ノイズ抑制処理は終了する。
一方、ステップS52において、ノイズレベルが基準値以下であると判定された場合、ノイズ抑制処理は終了する。
このように、ノイズレベルが所定の許容値を超えている場合、通信装置501からの信号の送信が停止され、周囲の電子機器等に悪影響を及ぼすことが防止される。
(ノイズ抑制処理の実施例4)
次に、図26のフローチャートを参照して、通信装置501により実行されるノイズ抑制処理の実施例4について説明する。この処理は、例えば、通信装置501から通信装置12への信号の伝送が開始されるとき、開始される。
ステップS71において、図23のステップS11の処理と同様に、ノイズレベルが測定される。
ステップS72において、図23のステップS12の処理と同様に、ノイズレベルが基準値以下であるか否かが判定される。ノイズレベルが基準値を超えていると判定された場合、処理はステップS73に進む。
ステップS73において、図25のステップS53の処理と同様に、ノイズレベルが調整範囲内であるか否かを判定する。ノイズレベルが調整範囲内であると判定された場合、処理はステップS74に進む。
ステップS74において、図23のステップS13の処理と同様に、発振周波数が調整される。
その後、処理はステップS71に戻り、ステップS73において、ノイズレベルが調整範囲外であると判定されるまで、ステップS71乃至ステップS74の処理が繰り返し実行される。これにより、例えば、通信装置201と通信装置12との間のコネクタ間距離等により、チョーク構造の周波数特性が変化したり、ノイズレベルが変動したりするのに追従して、
ノイズレベルが基準値以下になるように送信周波数がリアルタイムに調整される。
一方、ステップS73において、ノイズレベルが調整範囲外であると判定された場合、処理はステップS75に進む。
ステップS75において、図25のステップS55の処理と同様に、出力がオフされる。
その後、ノイズ抑制処理は終了する。
(ノイズ抑制処理の実施例5)
次に、図27のフローチャートを参照して、通信装置501により実行されるノイズ抑制処理の実施例5について説明する。この処理は、例えば、通信装置501から通信装置12への信号の伝送が開始されるとき、開始される。
ステップS91において、制御部541は、発振器61の周波数調整コードを0に設定する。周波数調整コードとは、発振器61の発振周波数を調整するためのコードであり、1ビット単位で設定することができる。例えば、周波数調整コードを1ビットインクリメントすると、発振周波数が所定の値だけ大きくなる。そして、発振器61は、周波数調整コードに応じた発振周波数の信号を出力する。
ステップS92において、図23のステップS11の処理と同様に、ノイズレベルが測定される。
ステップS93において、制御部541は、周波数調整コードと、パワーセンサ511により測定されたノイズレベルを記録する。
ステップS94において、制御部541は、周波数調整コードを1ビットインクリメントする。
ステップS95において、制御部541は、周波数調整コードが最大値以下であるか否かを判定する。周波数調整コードが最大値以下であると判定された場合、処理はステップS92に戻る。
その後、ステップS95において、周波数調整コードが最大値を超えていると判定されるまで、ステップS92乃至ステップS95の処理が繰り返し実行される。これにより、送信信号の送信周波数を所定の間隔毎に変化させながらノイズレベルが測定され、記録される。
一方、ステップS95において、周波数調整コードが最大値を超えていると判定された場合、処理はステップS96に進む。
ステップS96において、制御部541は、ノイズレベルの最小値が基準値以下であるか否かを判定する。制御部541は、記録したノイズレベルの測定値の中から最小値を検出し、検出した最小値を基準値と比較する。そして、制御部541が、ノイズレベルの最小値が基準値以下であると判定した場合、処理はステップS97に進む。
ステップS97において、制御部541は、ノイズレベルが最小となる周波数調整コードに設定する。すなわち、制御部541は、ノイズレベルの測定値が最小となったときの周波数調整コードに、発振器61の周波数調整コードを設定する。これにより、現在のコネクタ間距離において、チョーク構造104による輻射ノイズの低減効果が最も高い周波数近傍に、送信信号の送信周波数が設定される。そして、輻射ノイズが可能な限り小さくなるように抑制される。
その後、ノイズ抑制処理は終了する。
一方、ステップS96において、ノイズレベルの最小値が基準値を超えていると判定された場合、処理はステップS98に進む。
ステップS98において、図25のステップS55の処理と同様に、出力がオフされる。
その後、ノイズ抑制処理は終了する。
(ノイズ抑制処理の実施例6)
次に、図28のフローチャートを参照して、通信装置501により実行されるノイズ抑制処理の実施例6について説明する。この処理は、例えば、通信装置501から通信装置12への信号の伝送が開始されるとき、開始される。
ステップS111において、制御部541は、パワーアンプ63のゲインをLOWレベルに設定する。
ステップS112において、図23のステップS11の処理と同様に、ノイズレベルが測定される。
ステップS113において、図23のステップS12の処理と同様に、ノイズレベルが基準値以下であるか否かが判定される。ノイズレベルが基準値以下であると判定された場合、処理はステップS114に進む。
ステップS114において、制御部541は、パワーアンプ63のゲインをHIGHレベルに設定する。
その後、処理はステップS116に進む。
一方、ステップS113において、ノイズレベルが基準値を超えていると判定された場合、処理はステップS115に進む。
ステップS114において、制御部541は、パワーアンプ63のゲインをLOWレベルに設定する。
その後、処理はステップS116に進む。
ステップS116において、図27のステップS93の処理と同様に、周波数調整コードとノイズレベルが記録される。
ステップS117において、制御部541は、ノイズレベルが下がった否かを判定する。具体的には、制御部541は、前回のステップS116の処理で記録したノイズレベルと、今回のステップS116の処理で記録したノイズレベルとを比較する。そして、制御部541は、今回のノイズレベルが前回のノイズレベル未満である場合、ノイズレベルが下がったと判定し、処理はステップS118に進む。
ステップS118において、制御部541は、前回と同じ方向に周波数調整コードを1ビット変化させる。具体的には、制御部541は、前回のステップS118又はステップS119の処理で周波数調整コードを1ビットインクリメントした場合、今回も周波数調整コードを1ビットインクリメントする。一方、制御部541は、前回のステップS118又はステップS119の処理で周波数調整コードを1ビットデクリメントした場合、今回も周波数調整コードを1ビットデクリメントする。すなわち、制御部541は、前回の周波数調整コードの調整によりノイズレベルが下がったことを受けて、今回も同じ方向に周波数調整コードを変化させる。
その後、処理はステップS112に戻り、ステップS112以降の処理が実行される。
一方、ステップS117において、制御部541は、今回のノイズレベルの方が前回のノイズレベル以上である場合、ノイズレベルが下がらなかったと判定し、処理はステップS119に進む。
ステップS119において、制御部541は、前回と逆方向に周波数調整コードを1ビット変化させる。具体的には、制御部541は、前回のステップS118又はステップS119の処理で周波数調整コードを1ビットインクリメントした場合、今回は周波数調整コードを1ビットデクリメントする。一方、制御部541は、前回のステップS118又はステップS119の処理で周波数調整コードを1ビットデクリメントした場合、今回は周波数調整コードを1ビットインクリメントする。すなわち、制御部541は、前回の周波数調整コードの調整によりノイズレベルが下がらなかったことを受けて、今回は逆方向に周波数調整コードを変化させる。
その後、処理はステップS112に戻り、ステップS112以降の処理が実行される。
これにより、例えば、通信装置201と通信装置12との間のコネクタ間距離等により、チョーク構造の周波数特性が変化したり、ノイズレベルが変動したりするのに追従して、リアルタイムに送信信号の送信周波数が調整され、輻射ノイズが抑制される。また、ノイズレベルが基準値以下になるように、パワーアンプ63のゲインが調整される。
(ノイズ抑制処理の実施例7)
次に、図29のフローチャートを参照して、通信装置501により実行されるノイズ抑制処理の実施例7について説明する。この処理は、例えば、通信装置501から通信装置12への信号の伝送が開始されるとき、開始される。
ステップS141において、図28のステップS111の処理と同様に、ゲインがLOWレベルに設定される。
ステップS142乃至ステップS146において、図27のステップS91乃至ステップS95と同様の処理が実行される。
ステップS147において、図27のステップS96の処理と同様に、ノイズレベルの最小値が基準値以下であるか否かが判定される。ノイズレベルの最小値が基準値を超えていると判定された場合、処理はステップS142に戻る。
その後、ステップS147において、ノイズレベルの最小値が基準値以下であると判定されるまで、ステップS142乃至ステップS147の処理が繰り返し実行される。
一方、ステップS147において、ノイズレベルの最小値が基準値以下であると判定された場合、処理はステップS148に進む。
ステップS148において、図27のステップS97の処理と同様に、発振器61の周波数調整コードが、ノイズレベルが最小となる周波数調整コードに設定される。
ステップS149において、図28のステップS114の処理と同様に、ゲインがHIGHレベルに設定される。
ステップS150において、図23のステップS11の処理と同様に、ノイズレベルが測定される。
ステップS151において、図23のステップS12の処理と同様に、ノイズレベルが基準値以下であるか否かが判定される。ノイズレベルが基準値を超えていると判定された場合、処理はステップS141に戻る。
その後、ステップS151において、ノイズレベルが基準値以下であると判定されるまで、ステップS141乃至ステップS151の処理が繰り返し実行される。
一方、ステップS151において、ノイズレベルが基準値以下であると判定された場合、処理はステップS152に進む。
ステップS152において、図27のステップS93の処理と同様に、周波数調整コードとノイズレベルが記録される。
ステップS153において、図28のステップS117の処理と同様に、ノイズレベルが下がったか否かが判定される。ノイズレベルが下がったと判定された場合、処理はステップS154に進む。
ステップS154において、図28のステップS118の処理と同様に、前回と同じ方向に周波数調整コードが1ビット変化させられる。
その後、処理はステップS150に戻り、ステップS150以降の処理が実行される。
一方、ステップS153において、ノイズレベルが下がらなかったと判定された場合、処理はステップS155に進む。
ステップS155において、図28のステップS119の処理と同様に、前回と逆方向に周波数調整コードが1ビット変化させられる。
その後、処理はステップS150に戻り、ステップS150以降の処理が実行される。
このノイズ抑制処理の実施例7は、図26のノイズ抑制処理の実施例5と図27のノイズ抑制処理の実施例6とを組み合わせたものである。従って、より迅速かつ適切に輻射ノイズを抑制することができる。
<実施例2>
次に、図30乃至図32を参照して、本技術の第2の実施形態の実施例2について説明する。
図30は、本技術の第2の実施形態の実施例2に係る通信システムの構成の一例を示す、一部断面を含む平面図である。なお、図中、図21と対応する部分には同じ符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
図30の通信システム600は、図21の通信システム500と比較して、通信装置501の代わりに通信装置601が設けられている点が異なる。通信装置601は、通信装置501と比較して、パワーセンサ511の代わりに、距離センサ611が設けられている点が異なる。
距離センサ611は、筐体21の開口部21Aにおいて、結合部32に近接するように設けられている。距離センサ611は、通信装置11と通信装置12との間のコネクタ間距離を測定し、測定結果を示す測定信号を送信部512に供給する。なお、距離センサ611は、結合部32に必ずしも接触させる必要はないが、結合部32にできる限り近い位置に配置することが望ましい。
送信部512は、後述するように、距離センサ611の測定結果に基づいて、送信信号の送信周波数を調整し、輻射ノイズを低減させる。
(ノイズ抑制処理の実施例1)
次に、図31のフローチャートを参照して、通信装置601により実行されるノイズ抑制処理の実施例1について説明する。この処理は、例えば、通信装置601から通信装置12への信号の伝送が開始されるとき、開始される。また、この処理の前に、例えば、通信装置601の出力がオフされた状態に設定される。
ステップS201において、距離センサ611は、コネクタ間距離を測定する。距離センサ611は、測定結果を示す測定信号を送信部512の制御部541に供給する。
ステップS202において、制御部541は、コネクタ間距離が基準値以内であるか否かを判定する。コネクタ間距離が基準値以内であると判定された場合、処理はステップS203に進む。
なお、この基準値は、例えば、送信周波数が所定の範囲内において、輻射ノイズの最小値が、法令等で定められている輻射ノイズの最大許容レベル以下となるコネクタ距離に設定される。
ステップS203において、制御部541は、コネクタ間距離に基づいて、発振周波数を調整する。例えば、制御部541は、各コネクタ間距離において輻射ノイズが最小となる周波数を示すデータを保持している。そして、制御部541は、そのデータに基づいて、現在のコネクタ間距離において輻射ノイズが最小となる周波数を検出し、発振器61の発振周波数を、検出した周波数に調整する。
ステップS204において、制御部541は、出力をオンする。例えば、制御部541は、パワーアンプ63のゲインを0から所定の値に設定する。これにより、通信装置601から送信信号の送信が開始される。
その後、ノイズ抑制処理は終了する。
一方、ステップS202において、コネクタ間距離が基準値を超えていると判定された場合、ステップS203及びステップS204の処理はスキップされ、ノイズ抑制処理は終了する。すなわち、コネクタ間距離が基準値を超えている場合、通信装置601の出力はオフされたままとなる。
このように、パワーセンサ511の代わりに距離センサ611を用いて、図23のノイズ抑制処理と同様の効果を奏することができる。また、コネクタ間距離が基準値を超えている場合、通信装置501からの信号の送信が中止され、高レベルの輻射ノイズが発生することが防止される。
(ノイズ抑制処理の実施例2)
次に、図32のフローチャートを参照して、通信装置601により実行されるノイズ抑制処理の実施例2について説明する。この処理は、例えば、通信装置601から通信装置12への信号の伝送が開始されるとき、開始される。また、この処理の前に、例えば、パワーアンプ63のゲインが0に設定され、通信装置601の出力がオフされた状態に設定される。
ステップS221において、図31のステップS201の処理と同様に、コネクタ間距離が測定される。
ステップS222において、図31のステップS202の処理と同様に、コネクタ間距離が基準値以内であるか否かが判定される。コネクタ間距離が基準値以内であると判定された場合、処理はステップS223に進む。
ステップS223において、図31のステップS203の処理と同様に、コネクタ間距離に基づいて、発振周波数が調整される。
ステップS224において、図31のステップS204の処理と同様に、出力がオンされる。なお、すでに出力がオンされている場合、その状態が維持される。
その後、処理はステップS221に戻り、ステップS221以降の処理が実行される。
一方、ステップS222において、コネクタ間距離が基準値を超えていると判定された場合、処理はステップS225に進む。
ステップS225において、図25のステップS55の処理と同様に、出力がオフされる。
その後、処理はステップS221に戻り、ステップS221以降の処理が実行される。
このようにして、コネクタ間距離の変化に追従して、輻射ノイズを抑制するように送信信号の送信周波数がリアルタイムに調整される。また、コネクタ距離が基準値を超えた場合、信号の伝送が停止され、高レベルの輻射ノイズが発生することが防止される。
<実施例3>
次に、図33を参照して、本技術の第2の実施形態の実施例3について説明する。
図33は、本技術の第2の実施形態の実施例3に係る通信システムの構成の一例を示す、一部断面を含む平面図である。なお、図中、図21と対応する部分には同じ符号を付してあり、その説明は適宜省略する
図33の通信システム700は、図21の通信システム500と比較して、通信装置501及び通信装置12の代わりに、通信装置701a及び通信装置701bが設けらている点が異なる。通信装置701aは、通信装置501と比較して、筐体21の代わりに筐体711が設けられ、受信部721及び導波管722が追加され、パワーセンサ511が削除されている点が異なる。通信装置701bは、通信装置701aと同じ構成を有している。
受信部721は、図1の通信装置12の受信部222とほぼ同じ構成を有している。ただし、受信部721は、導波管722を介して入力される信号のレベルを測定し、測定結果を示す測定信号を送信部512に供給する。従って、受信部721は、図21の通信装置501のパワーセンサ511の代わりに、導波管722を介して入力される輻射ノイズのレベルを測定し、測定結果を示す測定信号を送信部512に供給することができる。
導波管722は、伝送路部731及び結合部732を備えている。伝送路部731及び結合部732は、図1の通信装置12の導波管223の伝送路部231及び結合部232と同様の構成を有している。
通信装置701aと通信装置701bとは、双方向通信を行うことができる。また、通信装置701a及び通信装置701bは、受信部721を図21の通信装置501のパワーセンサ511の代わりに用いることができる。従って、通信装置701a及び通信装置701bは、通信装置501と同様に、輻射ノイズのレベルに基づいて、送信信号の送信周波数を調整し、輻射ノイズを抑制することができる。
<<4.第3の実施形態>>
次に、図34乃至図48を参照して、本技術の第3の実施形態について説明する。
<誘電体の誘電率に対するチョーク構造の周波数特性>
図7の通信装置11のチョーク構造104の周波数特性は、チョーク構造104の誘電体112の誘電率により変化する。
図34乃至図36は、誘電体112の誘電率が2.08(2.6−20%)、2.34(2.6−10%)、2.6、2.86(2.6+10%)の場合のチョーク構造104の周波数特性をシミュレーションした結果の例を示すグラフである。グラフの横軸は輻射ノイズの周波数(単位はGHz)を示し、縦軸は輻射ノイズのレベル(単位はdBm)を示している。
なお、シミュレーションを行う条件として、図6の結合部32の幅が7.4mm、結合部32の高さが6.3mm、誘電体112の枠の幅が1mm、誘電体112の奥行き方向の深さが0.87mmに設定されている。また、誘電体102が充填されず、中空となっており、その中空部分の幅が3.76mm、高さが1.88mmに設定されている。
また、図34は、コネクタ間距離が1.0mmの場合のチョーク構造104の周波数特性を示し、図35は、コネクタ間距離が1.5mmの場合のチョーク構造104の周波数特性を示し、図36は、コネクタ間距離が2.0mmの場合のチョーク構造104の周波数特性を示している。
この例に示されるように、コネクタ間距離だけでなく、誘電体112の誘電率により、チョーク構造104が有効に作用する輻射ノイズの周波数が変化する。すなわち、コネクタ間距離及び誘電体112の誘電率により、チョーク構造104により抑制される輻射ノイズの周波数成分が変化する。
例えば、コネクタ間距離が1.0mmのとき、誘電体112の誘電率を2.6に設定し、コネクタ間距離が1.5mmのとき、誘電体112の誘電率を2.34に設定し、コネクタ間距離が2.0mmのとき、誘電体112の誘電率を2.08に設定することにより、輻射ノイズの周波数が57GHz付近の成分を最小にすることができる。
<実施例1>
次に、図37乃至図44を参照して、本技術の第3の実施形態の実施例1について説明する。
図37は、本技術の第3の実施形態の実施例1に係る通信システムの構成の一例を示す、一部断面を含む平面図である。なお、図中、図21と対応する部分には同じ符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
図37の通信システム800は、図21の通信システム500と比較して、通信装置501の代わりに通信装置801が設けられている点が異なる。通信装置801は、通信装置501と比較して、送信部512の代わりに、送信部811が設けられ、可変電源812が設けられている点が異なる。
送信部811は、図1の通信装置11の送信部22と同様に、伝送対象の信号をミリ波帯の信号に変換し、導波管23へ出力する処理を行う。また、送信部512は、送信信号の送信周波数と導波管23のチョーク構造104の周波数特性との相対関係を制御し、輻射ノイズを低減させる。具体的には、送信部512は、後述するように、パワーセンサ511の測定結果等に基づいて、可変電源812の電圧を調整し、結合部32のチョーク構造104の誘電体112の誘電率を調整することにより、チョーク構造104の周波数特性を調整し、輻射ノイズを低減させる。
可変電源812は、送信部811の制御の下に、結合部32のチョーク構造104の誘電体112に印加するバイアス電圧を調整することにより、誘電体112の誘電率を調整する。従って、通信装置501においては、誘電体112は、ネマティック液晶等の誘電率可変材料からなる。
図38は、送信部811の具体的な構成の一例を示している。なお、図中、図2と対応する部分には同じ符号を付してあり、その説明は適宜量略する。
送信部811は、図2の送信部22と比較して、信号生成部51の代わりに信号生成部831が設けられている点が異なる。信号生成部831は、信号生成部51と比較して、制御部841が設けられている点が異なる。
制御部841は、送信信号の送信周波数と導波管23のチョーク構造104の周波数特性との相対関係を制御し、輻射ノイズを低減させる。具体的には、制御部841は、後述するように、パワーセンサ511の測定結果に基づいて、可変電源812の電圧を調整し、チョーク構造104の誘電体112の誘電率を調整することにより、チョーク構造104の周波数特性を調整し、輻射ノイズを低減させる。また、制御部841は、パワーセンサ511の測定結果等に基づいて、パワーアンプ63のゲインを調整する。
図39は、可変電源812の接続例を示している。なお、図中、図5と対応する部分には同じ符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
可変電源812は、チョーク構造104の誘電体112にバイアス電圧を印加するように接続されている。上述したように、誘電体112は、誘電率可変材料からなり、印加されるバイアス電圧が変化することにより、誘電率が変化する。
(ノイズ抑制処理の実施例1)
次に、図40のフローチャートを参照して、通信装置801により実行されるノイズ抑制処理の実施例1について説明する。
図40のフローチャートを図23のフローチャートと比較すると、ステップS303の処理のみが異なる。すなわち、ステップS303において、制御部841は、バイアス電圧を調整する。具体的には、制御部841は、ノイズレベルが下がる方向に、可変電源812の電圧(バイアス電圧)を調整することにより、チョーク構造104の誘電体112の誘電率を調整する。
従って、図40のノイズ抑制処理においては、チョーク構造104の誘電体112に印加するバイアス電圧を調整することにより、図23のノイズ抑制処理と同様の効果が得られる。
(ノイズ抑制処理の実施例2)
次に、図41のフローチャートを参照して、通信装置801により実行されるノイズ抑制処理の実施例2について説明する。
図41のフローチャートを図24のフローチャートと比較すると、ステップS324の処理のみが異なる。すなわち、ステップS324において、図40のステップS303の処理と同様に、バイアス電圧が調整される。
従って、図41のノイズ抑制処理においては、チョーク構造104の誘電体112に印加するバイアス電圧を調整することにより、図24のノイズ抑制処理と同様の効果が得られる。
(ノイズ抑制処理の実施例3)
次に、図42のフローチャートを参照して、通信装置801により実行されるノイズ抑制処理の実施例3について説明する。
図42のフローチャートを図25のフローチャートと比較すると、ステップS344の処理のみが異なる。すなわち、ステップS344において、図40のステップS303の処理と同様に、バイアス電圧が調整される。
従って、図42のノイズ抑制処理においては、チョーク構造104の誘電体112に印加するバイアス電圧を調整することにより、図25のノイズ抑制処理と同様の効果が得られる。
(ノイズ抑制処理の実施例4)
次に、図43のフローチャートを参照して、通信装置801により実行されるノイズ抑制処理の実施例4について説明する。
図43のフローチャートを図26のフローチャートと比較すると、ステップS364の処理のみが異なる。すなわち、ステップS364において、図40のステップS303の処理と同様に、バイアス電圧が調整される。
従って、図43のノイズ抑制処理においては、チョーク構造104の誘電体112に印加するバイアス電圧を調整することにより、図26のノイズ抑制処理と同様の効果が得られる。
(ノイズ抑制処理の実施例5)
次に、図44のフローチャートを参照して、通信装置801により実行されるノイズ抑制処理の実施例5について説明する。この処理は、例えば、通信装置801から通信装置12への信号の伝送が開始されるとき、開始される。
ステップS381において、制御部841は、可変電源812のバイアス電圧調整コードを0に設定する。バイアス電圧調整コードとは、可変電源812によりチョーク構造104の誘電体112に印加されるバイアス電圧を調整するためのコードであり、1ビット単位で設定することができる。例えば、バイアス電圧調整コードを1ビットインクリメントすると、バイアス電圧が所定の値だけ大きくなる。そして、可変電源812は、バイアス電圧調整コードに応じたバイアス電圧を誘電体112に印加する。
ステップS382において、図23のステップS11の処理と同様に、ノイズレベルが測定される。
ステップS383において、制御部841は、バイアス電圧調整コードと、パワーセンサ511により測定されたノイズレベルを記録する。
ステップS384において、制御部841は、バイアス電圧調整コードを1ビットインクリメントする。
ステップS385において、制御部841は、バイアス電圧調整コードが最大値以下であるか否かを判定する。バイアス電圧調整コードが最大値以下であると判定された場合、処理はステップS382に戻る。
その後、ステップS385において、バイアス電圧調整コードが最大値を超えていると判定されるまで、ステップS382乃至ステップS385の処理が繰り返し実行される。これにより、チョーク構造104の誘電体112に印加するバイアス電圧を所定の間隔毎に変化させながらノイズレベルが測定され、記録される。
一方、ステップS385において、バイアス電圧調整コードが最大値を超えていると判定された場合、処理はステップS386に進む。
ステップS386において、図27のステップS96の処理と同様に、ノイズレベルの最小値が基準値以下であるか否かが判定される。ノイズレベルの最小値が基準値以下であると判定した場合、処理はステップS387に進む。
ステップS387において、制御部841は、ノイズレベルが最小となるバイアス電圧調整コードに設定する。すなわち、制御部841は、ノイズレベルの測定値が最小となったときのバイアス電圧調整コードに、可変電源812のバイアス電圧調整コードを設定する。これにより、現在のコネクタ間距離及び送信周波数において、チョーク構造104による輻射ノイズの低減効果が最も高い誘電率近傍に、誘電体112の誘電率が設定される。そして、輻射ノイズができるだけ小さくなるように抑制される。
その後、ノイズ抑制処理は終了する。
一方、ステップS386において、ノイズレベルの最小値が基準値を超えていると判定された場合、処理はステップS388に進む。
ステップS388において、図25のステップS55の処理と同様に、出力がオフされる。
その後、ノイズ抑制処理は終了する。
<実施例2>
次に、図45乃至図47を参照して、本技術の第3の実施形態の実施例2について説明する。
図45は、本技術の第3の実施形態の実施例2に係る通信システムの構成の一例を示す、一部断面を含む平面図である。なお、図中、図30及び図37と対応する部分には同じ符号を付してあり、その説明は適宜省略する
図45の通信システム900は、図37の通信システム800と比較して、通信装置801の代わりに通信装置901が設けられている点が異なる。通信装置901は、通信装置801と比較して、パワーセンサ511の代わりに、図30の通信装置601と同様に、距離センサ611が設けられている点が異なる。
送信部811は、後述するように、距離センサ611の測定結果に基づいて、可変電源812の電圧を調整することにより、結合部32のチョーク構造104の誘電体112の誘電率を調整し、輻射ノイズを低減させる。
(ノイズ抑制処理の実施例1)
次に、図46のフローチャートを参照して、通信装置901により実行されるノイズ抑制処理の実施例1について説明する。
図46のフローチャートを図31のフローチャートと比較すると、ステップS403の処理のみが異なる。すなわち、ステップS403において、制御部841は、コネクタ間距離に基づいて、バイアス電圧を調整する。例えば、制御部841は、各コネクタ間距離と送信周波数の組み合わせにおいて、輻射ノイズが最小となるチョーク構造104の誘電体112の誘電率を示すデータを保持している。そして、制御部841は、そのデータに基づいて、現在のコネクタ間距離及び送信周波数において輻射ノイズが最小となる誘電体112の誘電率を検出する。また、制御部841は、誘電体112が検出した誘電率になるように、可変電源812のバイアス電圧を調整する。
従って、図46のノイズ抑制処理においては、誘電体112に印加するバイアス電圧を調整することにより、図31のノイズ抑制処理と同様の効果が得られる。
(ノイズ抑制処理の実施例2)
次に、図47のフローチャートを参照して、通信装置901により実行されるノイズ抑制処理の実施例2について説明する。
図47のフローチャートを図32のフローチャートと比較すると、ステップS423の処理のみが異なる。すなわち、ステップS423において、図46のステップS403の処理と同様に、コネクタ間距離に基づいて、バイアス電圧が調整される。
従って、図47のノイズ抑制処理においては、誘電体112に印加するバイアス電圧を調整することにより、図32のノイズ抑制処理と同様の効果が得られる。
<実施例3>
次に、図48を参照して、本技術の第3の実施形態の実施例3について説明する。
図48は、本技術の第3の実施形態の実施例3に係る通信システムの構成の一例を示す、一部断面を含む平面図である。なお、図中、図33及び図37と対応する部分には同じ符号を付してあり、その説明は適宜省略する
図48の通信システム1000は、図33の通信システム700と比較して、通信装置701a及び通信装置701bの代わりに、通信装置1001a及び通信装置1001bが設けられている点が異なる。通信装置1001aは、通信装置701aと比較して、送信部512の代わりに送信部811が設けられ、可変電源812が追加されている点が異なる。
通信装置1001bは、通信装置1001aと同じ構成を有している。
通信装置1001aと通信装置1001bとは、双方向通信を行うことができる。また、通信装置1001a及び通信装置1001bは、受信部721を図37の通信装置801のパワーセンサ511の代わりに用いることができる。従って、通信装置1001a及び通信装置1001bは、図37の通信装置801と同様に、輻射ノイズのレベルに基づいて、チョーク構造104の誘電体112のバイアス電圧を調整し、輻射ノイズを抑制することができる。
<5.変形例>
以上、本技術の好ましい実施形態について説明したが、本技術は上記の実施形態に限定されるものではなく、本技術の要旨の範囲内において、上記の実施形態に種々の変更または改良を加えることが可能である。
例えば、上記の実施形態では、通信装置11等の導波管23及び通信装置12等の導波管223が、所定の長さの伝送路部31及び伝送路部231を有する構成としている。しかし、伝送路部31及び伝送路部231の長さは任意であり、その長さが0、即ち伝送路部31及び伝送路部231が存在しない場合もある。この場合でも、結合部32の入力側の一部の導波路が伝送路部31を兼ね、結合部232の出力側の一部の導波路が伝送路部231を兼ねることになる。
なお、伝送路部31及び伝送路部231を、先端部に結合部32および結合部232を有する導波管と捉えることもできる。この場合、本技術のコネクタ装置は、先端部に結合部(結合部32/結合部232)を有し、先端部に結合部を有する他の導波管と開口端が接触又は近接した状態で配置されて高周波の信号を伝送する導波管(導波管31/導波管231)を備えるコネクタ装置ということになる。
以上は、通信装置701a、通信装置701b、通信装置1001a、及び、通信装置1001bの導波管722についても同様である。
また、本技術の第2の実施形態と第3の実施形態とは、組み合わせることが可能である。すなわち、送信側の通信装置において、送信信号の送信周波数を調整するとともに、導波管のチョーク構造の誘電体の誘電率を調整し、チョーク構造の周波数特性を調整することも可能である。
さらに、本技術の第2の実施形態において、送信側の通信装置及び受信側の通信装置のうち一方の導波管の結合部のチョーク構造を削除することが可能である。また、本技術の第3の実施形態において、受信側の通信装置の導波管の結合部のチョーク構造を削除することが可能である。
また、例えば、本技術の第2の実施形態において、コネクタ間距離、及び、輻射ノイズのレベルの両方に基づいて、送信周波数を調整するようにしてもよい。この場合、例えば、図21の通信装置501、図33の通信装置701a,701bにおいて、距離センサ611が設けられ、コネクタ間距離が測定される。
さらに、例えば、本技術の第3の実施形態において、コネクタ間距離、及び、輻射ノイズのレベルの両方に基づいて、チョーク構造104の誘電体112の誘電率を調整するようにしてもよい。この場合、例えば、図37の通信装置801、図48の通信装置1001a,1001bにおいて、距離センサ611が設けられ、コネクタ間距離が測定される。
<6.通信システムの具体例>
通信装置11と通信装置12、通信装置501と通信装置12、通信装置601と通信装置12、通信装置701aと通信装置701b、通信装置801と通信装置12、通信装置901と通信装置12、又は、通信装置1001aと通信装置1001bを用いた電子機器の組み合わせとしては、次のような組み合わせが考えられる。但し、以下に例示する組み合わせは一例に過ぎず、これらの組み合わせに限られるものではない。尚、2つの通信装置間の信号の伝送方式については、片方向(一方向)の伝送方式であってもよいし、双方向の伝送方式であってもよい。
通信装置12、通信装置701b、又は、通信装置1001bを用いた電子機器が携帯電話機、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ゲーム機、リモートコントローラなどのバッテリ駆動機器である場合には、通信装置11、通信装置501、通信装置601、通信装置701a、通信装置801、通信装置901、又は、通信装置1001aを用いた電子機器は、そのバッテリ充電器や画像処理などを行う、所謂、ベースステーションと称される装置となる組み合わせが考えられる。また、通信装置12、通信装置701b、又は、通信装置1001bを用いた電子機器が比較的薄いICカードのような外観を有する装置である場合には、通信装置11、通信装置501、通信装置601、通信装置701a、通信装置801、通信装置901、又は、通信装置1001aを用いた電子機器は、そのカード読取/書込装置となる組み合わせが考えられる。カード読取/書込装置は更に、例えば、デジタル記録/再生装置、地上波テレビジョン受像機、携帯電話機、ゲーム機、コンピュータなどの電子機器本体と組み合わせて使用される。
また、携帯端末装置とクレードルとの組み合わせとすることもできる。クレードルは、携帯端末装置に対して充電やデータ転送、あるいは、拡張を行うスタンド型の拡張装置である。上述したシステム構成の通信システムにあっては、ミリ波帯の信号の送信を行う送信部22、送信部512、又は、送信部811を含む通信装置11、通信装置501、通信装置601、通信装置701a、通信装置801、通信装置901、又は、通信装置1001aを用いた電子機器がクレードルとなる。また、ミリ波帯の信号の受信を行う受信部222又は受信部721を備える通信装置12、通信装置701b、又は、通信装置1001bを用いた電子機器が携帯端末装置となる。
なお、各通信装置、又は、各通信装置を備える電子機器には、例えば、送信する信号や受信した信号等の処理を行う信号処理部等が設けられる。
また、上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。
なお、ソフトウエアにより実行する場合、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
また、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
さらに、本技術の実施形態は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、本技術は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、他の効果があってもよい。
さらに、例えば、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
開口端の周辺にチョーク構造を備え、開口端が第1の他の導波管の開口端と接触又は近接した状態で信号を伝送する第1の導波管と、
前記第1の導波管を介して送信信号を送信するとともに、前記送信信号の送信周波数と前記チョーク構造の周波数特性との相対関係を制御する送信部と
を備える通信装置。
(2)
前記送信部は、前記第1の導波管と前記第1の他の導波管との間において漏洩する電磁波である漏洩電磁波のレベル、及び、前記第1の導波管と前記第1の他の導波管との間の距離の少なくとも一方に基づいて、前記送信周波数を調整する
前記(1)に記載の通信装置。
(3)
前記送信部は、前記第1の導波管と前記第1の他の導波管との間の距離において前記チョーク構造による前記漏洩電磁波の低減効果が最も高い周波数近傍に、前記送信周波数を設定する
前記(2)に記載の通信装置。
(4)
前記送信部は、前記漏洩電磁波のレベルに基づいて、さらに前記送信信号を増幅するアンプのゲインを調整する
前記(2)又は(3)に記載の通信装置。
(5)
開口端が第2の他の導波管の開口端と接触又は近接した状態で信号を伝送する第2の導波管と、
前記第2の導波管を介して信号を受信する受信部と
をさらに備え、
前記送信部は、前記受信部が前記第2の導波管を介して受信した前記漏洩電磁波のレベルに基づいて、前記送信周波数を調整する
前記(2)乃至(4)のいずれかに記載の通信装置。
(6)
前記漏洩電磁波のレベルを測定する第1の測定部を
さらに備える前記(2)乃至(4)のいずれかに記載の通信装置。
(7)
前記第1の導波管と前記第1の他の導波管との間の距離を測定する第2の測定部を
さらに備える前記(2)乃至(6)のいずれかに記載の通信装置。
(8)
前記チョーク構造の溝に、誘電率可変材料からなる誘電体が充填されており、
前記送信部は、前記誘電体の誘電率を調整する
前記(1)に記載の通信装置。
(9)
前記送信部は、前記第1の導波管と前記第1の他の導波管との間において漏洩する電磁波である漏洩電磁波のレベル、及び、前記第1の導波管と前記第1の他の導波管との間の距離の少なくとも一方に基づいて、前記誘電体の誘電率を調整する
前記(8)に記載の通信装置。
(10)
前記送信部は、前記第1の導波管と前記第1の他の導波管との間の距離及び前記送信周波数において、前記チョーク構造による前記漏洩電磁波の低減効果が最も高い誘電率近傍に、前記誘電体の誘電率を設定する
前記(9)に記載の通信装置。
(11)
前記送信部は、前記漏洩電磁波のレベルに基づいて、さらに前記送信信号を増幅するアンプのゲインを調整する
前記(9)又は(10)に記載の通信装置。
(12)
開口端が第2の他の導波管の開口端と接触又は近接した状態で信号を伝送する第2の導波管と、
前記第2の導波管を介して信号を受信する受信部と
をさらに備え、
前記送信部は、前記受信部が前記第2の導波管を介して受信した前記漏洩電磁波のレベルに基づいて、前記誘電体の誘電率を調整する
前記(9)乃至(11)のいずれかに記載の通信装置。
(13)
前記漏洩電磁波のレベルを測定する第1の測定部を
さらに備える前記(9)乃至(11)のいずれかに記載の通信装置。
(14)
前記第1の導波管と前記第1の他の導波管との間の距離を測定する第2の測定部を
さらに備える前記(9)乃至(13)のいずれかに記載の通信装置。
(15)
前記送信部は、前記誘電体に印加する電圧を調整することにより前記誘電体の誘電率を調整する
前記(8)乃至(14)のいずれかに記載の通信装置。
(16)
前記チョーク構造の溝の深さは、前記送信信号の波長の約1/4である
前記(8)乃至(15)のいずれかに記載の通信装置。
(17)
前記送信信号は、ミリ波帯の信号である、
前記(1)乃至(16)のいずれかに記載の通信装置。
(18)
開口端の周辺にチョーク構造を備える導波管を含む通信装置が、
前記導波管の開口端が他の導波管の開口端と接触又は近接した状態で、前記導波管から前記他の導波管に送信信号を送信する場合に、前記送信信号の送信周波数と前記チョーク構造の周波数特性との相対関係を制御する
通信方法。
(19)
開口端の周辺にチョーク構造を備え、開口端が他の導波管の開口端と接触又は近接した状態で信号を伝送する導波管と、
前記導波管を介して送信信号を送信するとともに、前記送信信号の送信周波数と前記チョーク構造の周波数特性との相対関係を制御する送信部と
を備える電子機器。
10 通信システム, 11 通信装置, 12 通信装置, 22 送信部, 23 導波管, 51 信号生成部, 61 発振部, 63 パワーアンプ, 104 チョーク構造, 111 溝, 112 誘電体, 500 通信システム, 501 通信装置, 511 パワーセンサ, 512 送信部, 532 信号生成部, 541 制御部, 600 通信システム, 601 通信装置, 611 距離センサ, 700 通信システム, 701a,701b 通信装置, 721 受信部, 722 導波管, 732 接続部, 800 通信システム, 801 通信装置, 811 送信部, 812 可変電源, 831 信号生成部, 841 制御部, 900 通信システム, 901 通信装置, 1000 通信システム, 1001a,1001b 通信装置

Claims (19)

  1. 開口端の周辺にチョーク構造を備え、開口端が第1の他の導波管の開口端と接触又は近接した状態で信号を伝送する第1の導波管と、
    前記第1の導波管を介して送信信号を送信するとともに、前記送信信号の送信周波数と前記チョーク構造の周波数特性との相対関係を制御する送信部と
    を備える通信装置。
  2. 前記送信部は、前記第1の導波管と前記第1の他の導波管との間において漏洩する電磁波である漏洩電磁波のレベル、及び、前記第1の導波管と前記第1の他の導波管との間の距離の少なくとも一方に基づいて、前記送信周波数を調整する
    請求項1に記載の通信装置。
  3. 前記送信部は、前記第1の導波管と前記第1の他の導波管との間の距離において前記チョーク構造による前記漏洩電磁波の低減効果が最も高い周波数近傍に、前記送信周波数を設定する
    請求項2に記載の通信装置。
  4. 前記送信部は、前記漏洩電磁波のレベルに基づいて、さらに前記送信信号を増幅するアンプのゲインを調整する
    請求項2に記載の通信装置。
  5. 開口端が第2の他の導波管の開口端と接触又は近接した状態で信号を伝送する第2の導波管と、
    前記第2の導波管を介して信号を受信する受信部と
    をさらに備え、
    前記送信部は、前記受信部が前記第2の導波管を介して受信した前記漏洩電磁波のレベルに基づいて、前記送信周波数を調整する
    請求項2に記載の通信装置。
  6. 前記漏洩電磁波のレベルを測定する第1の測定部を
    さらに備える請求項2に記載の通信装置。
  7. 前記第1の導波管と前記第1の他の導波管との間の距離を測定する第2の測定部を
    さらに備える請求項2に記載の通信装置。
  8. 前記チョーク構造の溝に、誘電率可変材料からなる誘電体が充填されており、
    前記送信部は、前記誘電体の誘電率を調整する
    請求項1に記載の通信装置。
  9. 前記送信部は、前記第1の導波管と前記第1の他の導波管との間において漏洩する電磁波である漏洩電磁波のレベル、及び、前記第1の導波管と前記第1の他の導波管との間の距離の少なくとも一方に基づいて、前記誘電体の誘電率を調整する
    請求項8に記載の通信装置。
  10. 前記送信部は、前記第1の導波管と前記第1の他の導波管との間の距離及び前記送信周波数において、前記チョーク構造による前記漏洩電磁波の低減効果が最も高い誘電率近傍に、前記誘電体の誘電率を設定する
    請求項9に記載の通信装置。
  11. 前記送信部は、前記漏洩電磁波のレベルに基づいて、さらに前記送信信号を増幅するアンプのゲインを調整する
    請求項9に記載の通信装置。
  12. 開口端が第2の他の導波管の開口端と接触又は近接した状態で信号を伝送する第2の導波管と、
    前記第2の導波管を介して信号を受信する受信部と
    をさらに備え、
    前記送信部は、前記受信部が前記第2の導波管を介して受信した前記漏洩電磁波のレベルに基づいて、前記誘電体の誘電率を調整する
    請求項9に記載の通信装置。
  13. 前記漏洩電磁波のレベルを測定する第1の測定部を
    さらに備える請求項9に記載の通信装置。
  14. 前記第1の導波管と前記第1の他の導波管との間の距離を測定する第2の測定部を
    さらに備える請求項9に記載の通信装置。
  15. 前記送信部は、前記誘電体に印加する電圧を調整することにより前記誘電体の誘電率を調整する
    請求項8に記載の通信装置。
  16. 前記チョーク構造の溝の深さは、前記送信信号の波長の約1/4である
    請求項8に記載の通信装置。
  17. 前記送信信号は、ミリ波帯の信号である
    請求項1に記載の通信装置。
  18. 開口端の周辺にチョーク構造を備える導波管を含む通信装置が、
    前記導波管の開口端が他の導波管の開口端と接触又は近接した状態で、前記導波管から前記他の導波管に送信信号を送信する場合に、前記送信信号の送信周波数と前記チョーク構造の周波数特性との相対関係を制御する
    通信方法。
  19. 開口端の周辺にチョーク構造を備え、開口端が他の導波管の開口端と接触又は近接した状態で信号を伝送する導波管と、
    前記導波管を介して送信信号を送信するとともに、前記送信信号の送信周波数と前記チョーク構造の周波数特性との相対関係を制御する送信部と
    を備える電子機器。
JP2016188258A 2016-09-27 2016-09-27 通信装置、通信方法、及び、電子機器 Pending JP2018056695A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016188258A JP2018056695A (ja) 2016-09-27 2016-09-27 通信装置、通信方法、及び、電子機器
US16/321,456 US20210288693A1 (en) 2016-09-27 2017-09-14 Communication device, communication method, and electronic device
CN201780049420.0A CN109565302A (zh) 2016-09-27 2017-09-14 通信装置、通信方法和电子装置
PCT/JP2017/033204 WO2018061793A1 (ja) 2016-09-27 2017-09-14 通信装置、通信方法、及び、電子機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016188258A JP2018056695A (ja) 2016-09-27 2016-09-27 通信装置、通信方法、及び、電子機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018056695A true JP2018056695A (ja) 2018-04-05

Family

ID=61759386

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016188258A Pending JP2018056695A (ja) 2016-09-27 2016-09-27 通信装置、通信方法、及び、電子機器

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20210288693A1 (ja)
JP (1) JP2018056695A (ja)
CN (1) CN109565302A (ja)
WO (1) WO2018061793A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7383468B2 (ja) 2019-12-19 2023-11-20 キヤノン株式会社 通信装置、無線通信システム、及び通信方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110600838A (zh) * 2019-09-20 2019-12-20 盛纬伦(深圳)通信技术有限公司 一种防止电磁波信号泄露的波导接口结构
CN114824707B (zh) * 2022-04-28 2023-09-26 西南科技大学 一种5g毫米波可重构波导滤波器及其通带调节方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4938862B1 (ja) * 1970-04-10 1974-10-21
JP5725222B2 (ja) * 2014-02-18 2015-05-27 ソニー株式会社 無線伝送システム、無線通信装置、無線通信方法
JP6140092B2 (ja) * 2014-03-18 2017-05-31 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 コネクタ装置、通信装置、及び、通信システム
US10374273B2 (en) * 2015-02-27 2019-08-06 Sony Semiconductor Solutions Corporation Connector device, communication device, and communication system

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7383468B2 (ja) 2019-12-19 2023-11-20 キヤノン株式会社 通信装置、無線通信システム、及び通信方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2018061793A1 (ja) 2018-04-05
US20210288693A1 (en) 2021-09-16
CN109565302A (zh) 2019-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6417329B2 (ja) コネクタ装置及び通信システム
JP6140092B2 (ja) コネクタ装置、通信装置、及び、通信システム
US9287903B2 (en) Signal transmission apparatus, electronic instrument and signal transmission method
JP2017046344A (ja) コネクタ装置及び通信装置
Stevens et al. Magnetic metamaterials as 1-D data transfer channels: An application for magneto-inductive waves
US20160056860A1 (en) Waveguide, waveguide manufacturing method, and wireless transmission system
WO2018061793A1 (ja) 通信装置、通信方法、及び、電子機器
Kim et al. High-speed mm-wave data-link based on hollow plastic cable and CMOS transceiver
CN105144467A (zh) 连接器装置和无线传输系统
WO2016136091A1 (ja) コネクタ装置、通信装置、及び、通信システム
US20150236396A1 (en) Dielectric waveguides splitter and hybrid/isolator for bidirectional link
JP6392211B2 (ja) コネクタ装置及び無線伝送システム
WO2017033668A1 (ja) コネクタ装置及び通信装置
Kim et al. Millimeter‐wave diffraction‐loss model based on over‐rooftop propagation measurements
US9497054B1 (en) Electronic devices having interconnect radiation mitigation capabilities
Reynaert et al. Polymer microwave fiber: A new communication concept that blends wireless, wireline and optical communication
Bhardwaj et al. All electronic propagation loss measurement and link budget analysis for 350 GHz communication link
JP2005318557A (ja) 輻射情報管理装置及び通信装置
WO2014174991A1 (ja) コネクタ装置及び無線伝送システム
WO2018061794A1 (ja) 通信装置、通信方法、及び、電子機器
Pelikan et al. Wireless data transfer with mm-waves for future tracking detectors
Mohsin et al. Design and implementation of a UWB six‐port correlator for 6–9 GHz frequency band
JP2014225784A (ja) 受信補助装置
JP2018061081A (ja) 通信装置、通信方法、及び、電子機器
JP2022080991A (ja) 電磁波吸収シート