JP2018055763A - 燃料電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】粘着性の低下等のガスケットの性能の低下を抑制する。
【解決手段】発明の燃料電池の製造方法は、a)搬送用のトレイに載置されたガスケットが、トレイのガスケットの載置用の溝に収まっているか否かを検査するとともに、ガスケットが溝に収まっていない場合に、ガスケットの溝に対するずれ量を求める工程と、(b)予め用意された、ガスケットのずれ量と、ガスケットのずれ量のずれを補正するためにトレイに加えるべき振動の状態を示す振動条件との関係から、工程(a)で求めたガスケットのずれ量に対応する振動条件を決定する工程と、(c)ガスケットがずれている位置に対して対向する溝の対岸位置で、振動条件の振動をトレイに加えることにより、ガスケットを溝に収容させる工程と、を備える。
【選択図】図2
【解決手段】発明の燃料電池の製造方法は、a)搬送用のトレイに載置されたガスケットが、トレイのガスケットの載置用の溝に収まっているか否かを検査するとともに、ガスケットが溝に収まっていない場合に、ガスケットの溝に対するずれ量を求める工程と、(b)予め用意された、ガスケットのずれ量と、ガスケットのずれ量のずれを補正するためにトレイに加えるべき振動の状態を示す振動条件との関係から、工程(a)で求めたガスケットのずれ量に対応する振動条件を決定する工程と、(c)ガスケットがずれている位置に対して対向する溝の対岸位置で、振動条件の振動をトレイに加えることにより、ガスケットを溝に収容させる工程と、を備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、燃料電池の製造方法に関するものである。
一般に、燃料電池は、一つの燃料電池を一つのセルとして複数のセルを積層した燃料電池スタックとして利用される。積層されたセルとセルの間から、各セルに供給される反応ガスや冷媒の漏洩を防止するために、セルの一方の面にガスケットが設けられている。なお、このガスケットは、例えば、特許文献1に記載されているように、射出成形によって成形される(特許文献1参照)。成形されたガスケットは、通常、セルにガスケットを取り付ける工程へのハンドリング性の向上や品質の維持等のために、搬送用のトレイに載置された状態で扱われる。搬送用のトレイには、予め、ガスケットが収められる溝が設けられており、成形されたガスケットは、射出成形型からトレイに移される際に溝に収められる。
ここで、成形されたガスケットを搬送用のトレイに移す際には、ガスケットが溝からずれてはみ出してしまう場合がある。このようにガスケットが決められた位置からずれた状態でトレイに載置されている場合、ガスケットをセルに取り付ける際に、取り付けられるべき位置からずれた状態のままでセルに取り付けられてしまう可能性があり、製造精度の低下を招く。そこで、従来は、トレイに載置されたガスケットを目視により検査し、ずれがあった場合には、そのずれを手作業で補正することが行われていた。
しかしながら、ガスケットのずれ補正を手作業で行なった場合、作業者がガスケットに触れることにより、皮脂等がガスケットに付着して、粘着性の低下等のガスケットの性能の低下を招き、反応ガスや冷媒の漏洩等の要因となる、という問題がある。また、作業者を要するためコスト上昇の要因となるという問題や、手作業のため、作業時間の遅延による生産性の低下を招くという問題もある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、ガスケットを有する燃料電池の製造方法が提供される。この燃料電池の製造方法は、(a)搬送用のトレイに載置された前記ガスケットが、前記トレイの前記ガスケットの載置用の溝に収まっているか否かを検査するとともに、前記ガスケットが前記溝に収まっていない場合に、前記ガスケットの前記溝に対するずれ量を求める工程と;(b)予め用意された、前記ガスケットのずれ量と、前記ガスケットのずれ量のずれを補正するために前記トレイに加えるべき振動の状態を示す振動条件との関係から、前記工程(a)で求めた前記ガスケットのずれ量に対応する振動条件を決定する工程と;(c)前記ガスケットがずれている位置に対して対向する前記溝の対岸位置で、前記振動条件の振動を前記トレイに加えることにより、前記ガスケットを前記溝に収容させる工程と;を備える。
この形態の燃料電池の製造方法では、ガスケットがずれている位置に対して対向する溝の対岸位置でトレイに振動を加えることにより、前記ガスケットを前記溝に収容させて、ガスケットのずれを補正することができる。これにより、課題で説明したガスケットのずれの補正を手作業で行った場合に問題となっていた、粘着性(タック性)の低下等のガスケットの性能の低下や、コスト上昇、作業時間の遅延による生産性の低下、を抑制することができる。
この形態の燃料電池の製造方法では、ガスケットがずれている位置に対して対向する溝の対岸位置でトレイに振動を加えることにより、前記ガスケットを前記溝に収容させて、ガスケットのずれを補正することができる。これにより、課題で説明したガスケットのずれの補正を手作業で行った場合に問題となっていた、粘着性(タック性)の低下等のガスケットの性能の低下や、コスト上昇、作業時間の遅延による生産性の低下、を抑制することができる。
本発明は、種々の形態で実現することも可能であり、例えば、燃料電池の製造方法だけでなく、燃料電池の製造装置の形態で実現することができる。
A.燃料電池の構成:
図1は、燃料電池10を示す概略平面図である。図1は、燃料電池10を一つのセル(単セル)として、複数のセルを積層して燃料電池スタックを構成する際の積層方向の一方の側から見た平面を示している。燃料電池10は、略矩形形状の平面を有しており、燃料電池10の平面の長辺がX方向に平行で、短辺がX方向に垂直なY方向に平行で、平面に垂直な積層方向がZ方向に平行とされている。なお、以下の図は、図1の燃料電池10の方向を基準として示している。
図1は、燃料電池10を示す概略平面図である。図1は、燃料電池10を一つのセル(単セル)として、複数のセルを積層して燃料電池スタックを構成する際の積層方向の一方の側から見た平面を示している。燃料電池10は、略矩形形状の平面を有しており、燃料電池10の平面の長辺がX方向に平行で、短辺がX方向に垂直なY方向に平行で、平面に垂直な積層方向がZ方向に平行とされている。なお、以下の図は、図1の燃料電池10の方向を基準として示している。
燃料電池10は、膜電極接合体(以下、「MEA」(Membrane−Electrode Assembly)と呼ぶ、不図示)の外周に樹脂フレームを有するMEAプレート20と、MEAプレート20を挟んでMEAプレート20と一体に設けられた2つのセパレータ30,40と、を備えている。本例では、一方のセパレータ30はカソード側セパレータであり、他方のセパレータ40はアノード側セパレータである。図1は、アノード側セパレータ40側の平面を示している。アノード側セパレータ40の長手方向の一端縁部には、燃料ガス入口マニホールド開口62と、冷媒出口マニホールド開口54と、酸化剤ガス入口マニホールド開口72と、が上から下へと順に並んで設けられている。これに対して、他端縁部には、酸化剤ガス出口マニホールド開口74と、冷媒入口マニホールド開口52と、燃料ガス出口マニホールド開口64と、が上から下へと順に並んで設けられている。燃料ガス入口マニホールド開口62および燃料ガス出口マニホールド開口64と、酸化剤ガス入口マニホールド開口72および酸化剤ガス出口マニホールド開口74と、冷媒入口マニホールド開口52および冷媒出口マニホールド開口54とは、アノード側セパレータ40の長手方向の両側の外縁部分で互いに対向するように配置されている。なお、各マニホールド開口52,54,62,64,72,74は略矩形状である。但し、各マニホールド開口の形状は、マニホールド開口の機能を果たすことが可能であれば、その形状に特に限定はない。
アノード側セパレータ40の表面(MEAプレート20とは反対側の面)においては、冷媒入口マニホールド開口52と冷媒出口マニホールド開口54との間に、冷媒流路溝44が形成されている。複数の燃料電池10が積層された状態では、冷媒入口マニホールド開口52と、冷媒流路溝44と、冷媒出口マニホールド開口54とが互いに連通して、冷媒流路面12を構成する。アノード側セパレータ40のMEAプレート20側には、MEAのアノード側の部分に燃料ガス(反応ガス)を供給するための燃料ガス流路溝(不図示)が形成されており、燃料ガス入口マニホールド開口62と、燃料ガス流路溝と、燃料ガス出口マニホールド開口64とが互いに連通して、燃料ガス流路面を構成する。
アノード側セパレータ40の表面には、各反応ガスマニホールド開口62,64,72,74および冷媒流路面12それぞれの外縁を並走するようにガスケット(シール部材)80が設けられている。ガスケット80の材料としては、シリコンゴム等の種々のゴムや熱可塑性エラストマー等を用いることができる。なお、図1では、図示の便宜上、ガスケット80にハッチングを付して示している。ガスケット80は、複数の燃料電池10を積層した際に、隣接する他の燃料電池10のカソード側セパレータ30の表面に当接し、2つの燃料電池10の間を密封する機能を有する。具体的には、ガスケット80において、マニホールド開口62,64をそれぞれ囲む部分が燃料ガスの漏洩を抑制するためのものであり、マニホールド開口72,74をそれぞれ囲む部分が酸化剤ガスの漏洩を抑制するためのものであり、冷媒流路面12を囲む部分が冷媒の漏洩を抑制するためのものである。
なお、図示を省略するが、カソード側セパレータ30も、アノード側セパレータ40と同様に、燃料ガス、酸化剤ガス、及び冷媒の各マニホールド開口が設けられている。また、カソード側セパレータ30のMEAプレート20側の面には、MEAのカソード側の部分に酸化剤ガス(反応ガス)を供給するための酸化剤ガス流路溝が形成されており、MEAプレート20とは反対側の面には冷媒流路溝が形成されている。
B.燃料電池の製造方法:
図1に示した燃料電池10は、以下で説明するようにして用意されたガスケット80を、ガスケット80の無い燃料電池10のアノード側セパレータ40の表面に貼り付けることにより形成される。なお、図示および詳細な説明は省略するが、ガスケット80の無い燃料電池10は、MEAプレート20と2つのセパレータ30,40を準備し、MEAプレート20に2つのセパレータ30,40を貼り合せて一体化することにより用意される。
図1に示した燃料電池10は、以下で説明するようにして用意されたガスケット80を、ガスケット80の無い燃料電池10のアノード側セパレータ40の表面に貼り付けることにより形成される。なお、図示および詳細な説明は省略するが、ガスケット80の無い燃料電池10は、MEAプレート20と2つのセパレータ30,40を準備し、MEAプレート20に2つのセパレータ30,40を貼り合せて一体化することにより用意される。
図2は、ガスケット80を用意する工程を示すフローチャートである。まず、第1工程T1では、ガスケット80を成形する。ガスケット80の成形は、成形加工(射出形成,圧縮成形など)や機械加工等の種々の成形方法によって実行することができる。以下の説明では、射出成形によりガスケット80を成形したものとして説明する。
そして、第2工程T2では、成形されたガスケット80を搬送用のトレイ200の載置用の溝220に載置する。
図3は、成形されたガスケット80の搬送用のトレイ200の一例を示す平面図である。トレイ200には、燃料電池10のアノード側セパレータ40の輪郭に対応する輪郭線210で仕切られた燃料電池領域230が設けられている。燃料電池領域230には、輪郭線210を基準として、アノード側セパレータ40に設けられるガスケット80の位置に対応する部分に、ガスケット80を載置するための溝220が形成されている。但し、溝220は、図1におけるガスケット80のアノード側セパレータ40に当接する側の面が上向きに載置されるように、アノード側セパレータ40に設けられた状態のガスケット80(図1)とは左右方向(x方向)の向きを反対向きとしたガスケット80に対応する形状となっている。なお、図3では、溝220を解りやすくするため、溝220以外の領域にハッチングを付して示している。トレイ200は、種々の一般的な樹脂材料を用いて構成される。
図4は、ガスケット80を搬送用のトレイ200の載置用の溝220に載置する方法の一例を示す説明図である。第1工程T1(図2)で用いられた下側の金型260(図4の一番上の図)のキャビティ262内に、射出成形されたガスケット80が存在している。このキャビティ262にトレイ200の溝220を対向させて、金型260とトレイ200とを重ね合わせて配置する(図4の上から2番目の図)。そして、重ね合わせた状態を維持したまま上下を反転させて、振動を与えることにより、キャビティ262内のガスケット80をトレイ200の溝220に落下させ(図4の上から3番目の図)、金型260を上方へ移動させることにより、トレイ200の溝220にガスケット80を載置することができる(図4の一番下の図)。但し、ガスケット80のトレイ200への載置方法は、これに限定されるものではなく、例えば、ガスケット80の全面を真空吸着する吸着盤を有するロボットアームによって、金型260のキャビティ262に存在するガスケット80を、キャビティ262に存在している状態を維持したまま吸着して、吸着されたガスケット80をトレイ200の溝220に重ね合わせて配置し、吸着の解除により溝220にガスケット80を載置するようにしてもよい。
次に、図2の第3工程T3では、トレイ200に載置されたガスケット80のずれの有無を検査し、ガスケット80にずれが有った場合には、そのずれ量を計測する。そして、第4工程T4では、計測したずれ量に応じた振動条件を決定する。
図5は、ガスケット80のずれを検査する検査装置300の一例を示す説明図である。検査装置300は、ドーム型の反射板320と、LED照明310と、CCDカメラ330と、検査部340と、を備える。LED照明310及び反射板320は、CCDカメラ330の下方の予め定められた検査位置に配置されたトレイ200を照明する。なお、検査位置へのトレイ200の配置は、不図示の搬送装置による搬送によって実行される。CCDカメラ330は、検査部340からの指示に従って、ガスケット80が載置されたトレイ200を垂直上方から撮像する。撮像画像はCCDカメラ330から検査部340に送られる。検査部340は、不図示のCPU、ROM、RAM等を備えるコンピュータで構成される。例えば、パーソナルコンピュータに検査用のアプリケーションを実行させることにより構成することができる。また、検査専用に構成されたコンピュータを用いることも可能である。
図6は、ガスケット80がずれている部分の撮像画像を模式的に示す説明図である。検査部340は、撮像画像を画像解析することによって、図6に示すように、ガスケット80が溝220からずれている場所があるか否かを判別し、ずれている場所が有った場合には、そのずれ量を計測する。例えば、図6に示すように、溝220の中心Rcからガスケット80の中心Scが最もずれている位置Psにおいて、溝の中心Rcとガスケット80の中心Scとの差(トレイ200の外側にずれている方向(図6では+X方向を正方向とする)を、そのずれ量Ls(=Sc−Rc)として計測することができる。但し、これに限定されるものではなく、例えば、溝220のガスケット80がずれている側の縁とガスケット80の溝220とは反対側の縁との差を、そのずれ量Lsとしても良い。すなわち、予め定めたずれ量の既定に従って、そのずれ量を計測すれば良い。
また、検査部340は、予め用意されたガスケットのずれ量と振動条件との関係に基づいて、計測したずれ量Lsに応じた振動条件を決定する(第4工程T4)。この振動条件は、後述するガスケット80のずれを補正する工程において、トレイ200に加える振動の状態を示す振動条件である。例えば、振動周波数fs、及び、ずれ量Lsに応じてトレイ200に加える振動の振動力である加振力Fs、が振動条件として設定される。なお、ガスケット80のずれ量と振動条件との関係については、後述する。
そして、図2の第5工程T5では、以下で説明するように、振動条件での振動をトレイ200に加えて、ガスケット80のずれの補正を実行する。
図7及び図8は、ずれ補正装置400によるガスケット80のずれ補正の例を示す説明図である。図7は、図6に示したように、ガスケット80が溝220に対してトレイ200の外側の方向(+X方向)にずれている状態を断面で示し、図8は、図7とは反対に、ガスケット80が溝220に対してトレイ200の内側の方向(−X方向)にずれている状態を断面で示している。
ずれ補正装置400は、補正部410と、XYZテーブル420と、XYZテーブルの下方に取り付けられたバイブレータ430と、を備える。バイブレータ430は、振動部432と、振動部432を振動させる振動付与部434と、を備える。XYZテーブル420は、補正部410からの指示に従って、トレイ200のXY平面に平行な上面の任意の位置にバイブレータ430の振動部432を当接させることができる。そして、バイブレータ430は、補正部410から与えられた振動条件で、振動部432を振動させて、トレイ200にその振動を加えることができ、以下で説明するように、ガスケット80のずれを補正することができる。バイブレータ430としては、エア式バイブレータや電気式バイブレータ等の種々の一般的なバイブレータを用いることができる。本例では、不図示のエアコンプレッサから供給されたエアの圧力により振動付与部434が振動部432を振動させるエア式バイブレータ、例えば、エクセン株式会社製のタービンバイブレータBTP18、を用いるものとする。このタービンバイブレータの場合、供給するエアの圧力を操作することにより、振動周波数fsを153Hz〜414Hzの範囲で変更することができ、振動を発生する力である回転の遠心力を、8N〜61Nの範囲で変更することができる。この遠心力がトレイに加えられる振動力である加振力Fsに対応する。
補正部410は、不図示のCPU、ROM、RAM等を備えるコンピュータで構成される。例えば、パーソナルコンピュータに補正用のアプリケーションを実行させることにより構成することができる。また、補正専用に構成されたコンピュータを用いることも可能である。
図6及び図7に示すように、ガスケット80が溝220に対してトレイ200の外側の方向(+X方向)にずれている場合には、以下のようにガスケット80のずれを補正する。すなわち、ガスケット80がずれている位置に対して対向する溝220の対岸位置である、溝220に対してトレイ200の内側(−X方向)の位置に、バイブレータ430を移動させて、バイブレータ430の振動部432をトレイ200の上面に当接させる。そして、ガスケット80のずれ量に応じた振動条件(振動周波数fs及び加振力Fs)で振動部432を振動させ、予め定めた補正時間Tsの間、トレイ200に振動を加える。これにより、トレイ200は、振動が加えられた位置でその振動に応じて下向き側に大きく撓むため、溝220に対してトレイ200の外側の方向(+X方向)にずれているガスケット80を、振動が加えられている位置の方向、すなわち、溝220のある内側の方向(−X方向)に移動させ、溝220に収まった時点で安定した状態とすることができる。なお、対岸位置は厳密な位置である必要はなく、対岸位置の周辺領域の位置でも良く、ずれたガスケット80を移動させることができる振動を付与することができる位置を含むものである。
図7の状態とは反対に、図8に示すように、ガスケット80が溝220に対してトレイ200の内側の方向(−X方向)にずれている場合には、以下のようにガスケット80のずれを補正する。すなわち、ガスケット80がずれている位置に対して対向する溝220の対岸位置である、溝220に対してトレイ200の外側(+X方向)の位置に、バイブレータ430を移動させて、バイブレータ430の振動部432をトレイ200に当接させる。そして、ガスケット80のずれ量に応じた振動条件で振動部432を振動させ、補正時間Tsの間、トレイ200に振動を加える。この場合にも、図7の場合と同様に、溝220に対してトレイ200の内側の方向(−X方向)にずれているガスケット80を、振動が加えられている位置の方向、すなわち、溝220のある外側の方向(+X方向)に移動させ、溝220に収まった時点で安定した状態とすることができる。
なお、ガスケット80が溝220からずれている箇所が複数ある場合には、各箇所において、同様に、それぞれのずれ量に応じた振動条件で振動を加えることにより、それぞれのずれを補正すればよい。また、第5工程T5における補正の後、再度、検査装置300を用いてガスケット80のずれが解消されていることを確認するようにしてもよい。
以上のように、トレイ200の溝220に収容された状態でガスケット80を用意することができる。そして、トレイ200に載置されたガスケット80を用いて、以下のように、ガスケット80が貼り付けられた燃料電池10を作製することができる。すなわち、ガスケット80が載置されたトレイ200の上に、用意したガスケット80の無い燃料電池10を、アノード側セパレータ40の表面がガスケット80に当接するように、燃料電池領域230(図3)に重ね合わせて配置することにより、アノード側セパレータ40の表面にガスケット80を貼り付ける。そして、重ね合わせた状態を維持したまま上下を反転させてトレイ200と燃料電池10とを分離する。これにより、アノード側セパレータ40にガスケット80が貼り付けられた燃料電池10を作製することができる。なお、ガスケット80の全面を真空吸着する吸着盤を有するロボットアームによって、トレイ200に載置されたガスケット80を吸着して、燃料電池10のアノード側セパレータ40の表面に貼り付けるようにしてもよい。
以下では、図2の第4工程で用いられる、ずれ量Lsと振動条件(振動周波数fs及び加振力Fs)との関係について説明する。
ある一定のずれ量Ls[mm]のガスケット80をある一定の加振力Fs[N]で移動させて、ガスケット80のずれを補正するために要する補正時間Ts[s]は、振動周波数fs[Hz]によって変化する。そこで、ある一定のずれ量Lsにおける加振力Fsと補正時間Tsとの関係を複数の振動周波数fsについて計測すれば、その計測結果に基づいて目標とする補正時間Tsに対して最適な振動周波数fsを決定することができる。
図9は、ずれ量Lsと加振力Fsとの関係を示すグラフである。このグラフは、設定した振動周波数fsで、ずれ量Lsを補正時間Ts以内で補正するのに要する加振力Fs、を計測することによって求めることができる。なお、ガスケット80を移動させるのに必要なエネルギーはずれ量Lsに比例するので、このエネルギーを発生させる加振力Fsは、図9に示すように、ずれ量Lsに比例することになる。そこで、あらかじめ計測したずれ量Lsに対応する加振力Fsの結果から比例式を求めて、その比例式を、ずれ量Lsと加振力Fsとの関係として利用することもできる。例えば、上述した、エクセン株式会社製のタービンバイブレータBTP18を用いるものとし、振動周波数fsを240MHz、補正時間Tsを1秒以下とした場合に、ずれ量Lsが6mmにおける加振力Fsは40Nであった。この時、ずれ量Lsが3mmの場合の加振力Fsは20N、Lsが4mmの場合の加振力Fsは27N、Lsが5mmの場合の加振力Fsは33N、Lsが2mmの場合の加振力Fsは13Nとなる。また、複数のずれ量Lsについて加振力Fsを計測して、求めたデータを格納したテーブルやマップをずれ量Lsと加振力Fsとの関係として利用するようにしてもよい。
上記したように、図2の第4工程T4において、図9に示したずれ量Lsと加振力Fsとの関係から、第3工程T3で計測したずれ量Lsに対応する振動条件として、振動周波数fsにおける加振力Fsを求めることができる。そして、第5工程T5において、振動条件として求めた振動周波数fs及び加振力Fsで、バイブレータ430を振動させて、ガスケット80のずれ量Lsに応じた補正を実行することができる。
ここで、ガスケット80に発生したずれ量Lsの大きさに関わらず、ガスケット80に発生しうる最大のずれ量Lsに対応する加振力Fsで振動させれば、ずれ量Lsに関わらず一定の加振力Fsでずれの補正が可能である。しかしながら、大きなずれ量Lsに対応する大きな加振力Fsは、トレイ200の振動が加えられた部分へのダメージが大きくなる可能性があり、トレイ200の耐久性が低下する可能性がある。そこで、上記したように、本実施形態では、ずれ量Lsに応じた加振力Fsでガスケット80のずれを補正して、トレイ200へのダメージを抑制し、トレイ200の耐久性の低下を抑制することができる。
なお、振動条件としての振動周波数fs及び加振力Fsは、トレイ200の部材や構造、ガスケットの部材や構造等に依存して変化するものである。そこで、これらが決まった後、あらかじめ、適用する振動周波数fsを決めて、図9に示したずれ量Lsと加振力Fsとの関係を求めておくようにすれば良い。
以上説明したように、本実施形態の燃料電池の製造方法では、搬送用のトレイ200に載置したガスケット80にずれが発生していた場合に、ガスケット80に作業者が触れることなく、ガスケット80のずれを補正することができる。これにより、ガスケットのずれの補正を手作業で行った場合に問題となっていた、粘着性の低下等のガスケットの性能の低下や、コスト上昇、作業時間の遅延による生産性の低下を抑制することができる。
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)上記実施形態の各工程を実行するために用いられる各装置は一例であって、各工程の処理を実行することができる機能を有すれば、その構造に特に限定はない。
(2)上記実施形態では、図1に示したように、燃料電池10のアノード側セパレータ40の表面にガスケット80が設けられている構造を例に示したが、カソード側セパレータ30の表面にガスケット80が設けられている構造としてもよい。
(3)上記実施形態のガスケット80の構造は一例であって、燃料電池10の外形形状や、各マニホールド開口の形状及び配置等の構造に応じて、反応ガスや冷媒の漏洩を防止する機能を確保可能な構造であれば良い。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態や変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…燃料電池
12…冷媒流路面
20…MEAプレート
30…セパレータ(カソード側セパレータ)
40…セパレータ(アノード側セパレータ)
44…冷媒流路溝
52…マニホールド開口(冷媒入口マニホールド開口)
54…マニホールド開口(冷媒出口マニホールド開口)
62…マニホールド開口(燃料ガス入口マニホールド開口)
64…マニホールド開口(燃料ガス出口マニホールド開口)
72…マニホールド開口(酸化剤ガス入口マニホールド開口)
74…マニホールド開口(酸化剤ガス出口マニホールド開口)
80…ガスケット
200…トレイ
210…輪郭線
220…溝
230…燃料電池領域
260…金型
262…キャビティ
300…検査装置
310…LED照明
320…反射板
330…CCDカメラ
340…検査部
400…補正装置
410…補正部
420…XYZテーブル
430…バイブレータ
432…振動部
434…振動付与部
Fs…加振力
Ls…ずれ量
Ps…位置
Rc…溝の中心
Sc…ガスケットの中心
T1〜T5…第1〜第5工程
Ts…補正時間
Tt…目標値
fs…振動周波数
f1〜f3…振動周波数の値
X,Y,Z…方向
12…冷媒流路面
20…MEAプレート
30…セパレータ(カソード側セパレータ)
40…セパレータ(アノード側セパレータ)
44…冷媒流路溝
52…マニホールド開口(冷媒入口マニホールド開口)
54…マニホールド開口(冷媒出口マニホールド開口)
62…マニホールド開口(燃料ガス入口マニホールド開口)
64…マニホールド開口(燃料ガス出口マニホールド開口)
72…マニホールド開口(酸化剤ガス入口マニホールド開口)
74…マニホールド開口(酸化剤ガス出口マニホールド開口)
80…ガスケット
200…トレイ
210…輪郭線
220…溝
230…燃料電池領域
260…金型
262…キャビティ
300…検査装置
310…LED照明
320…反射板
330…CCDカメラ
340…検査部
400…補正装置
410…補正部
420…XYZテーブル
430…バイブレータ
432…振動部
434…振動付与部
Fs…加振力
Ls…ずれ量
Ps…位置
Rc…溝の中心
Sc…ガスケットの中心
T1〜T5…第1〜第5工程
Ts…補正時間
Tt…目標値
fs…振動周波数
f1〜f3…振動周波数の値
X,Y,Z…方向
Claims (1)
- ガスケットを有する燃料電池の製造方法であって、
(a)搬送用のトレイに載置された前記ガスケットが、前記トレイの前記ガスケットの載置用の溝に収まっているか否かを検査するとともに、前記ガスケットが前記溝に収まっていない場合に、前記ガスケットの前記溝に対するずれ量を求める工程と、
(b)予め用意された、前記ガスケットのずれ量と、前記ガスケットのずれ量のずれを補正するために前記トレイに加える振動の状態を示す振動条件との関係から、前記工程(a)で求めた前記ガスケットのずれ量に対応する振動条件を決定する工程と、
(c)前記ガスケットがずれている位置に対して対向する前記溝の対岸位置で、前記振動条件の振動を前記トレイに加えることにより、前記ガスケットを前記溝に収容させる工程と、
を備える、燃料電池の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016186361A JP2018055763A (ja) | 2016-09-26 | 2016-09-26 | 燃料電池の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016186361A JP2018055763A (ja) | 2016-09-26 | 2016-09-26 | 燃料電池の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018055763A true JP2018055763A (ja) | 2018-04-05 |
Family
ID=61836831
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016186361A Pending JP2018055763A (ja) | 2016-09-26 | 2016-09-26 | 燃料電池の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018055763A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022244201A1 (ja) * | 2021-05-20 | 2022-11-24 | ファナック株式会社 | セミメタリックガスケット、モータ、およびモータのシール方法 |
-
2016
- 2016-09-26 JP JP2016186361A patent/JP2018055763A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022244201A1 (ja) * | 2021-05-20 | 2022-11-24 | ファナック株式会社 | セミメタリックガスケット、モータ、およびモータのシール方法 |
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