JP2018054448A - スペクトルの測定方法 - Google Patents

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【課題】干渉分光法を利用した近赤外二次元分光像を高い精度で取得可能な方法を提供すること。【解決手段】光源Lから発せられ且つ被験体11に照射された多波長の近赤外光のパワースペクトルA、及び被験体11を透過した多波長の近赤外光のパワースペクトルBを、それぞれ干渉分光法によって測定し、パワースペクトルA及びBから被験体11の透過スペクトルを測定する。被験体11と検出部との間、又は被験体11と光源Lとの間に、観測波長域内の1又は複数の特定波長域の近赤外光を透過させ、且つ観測波長域内の前記特定波長域以外の波長域の近赤外光の透過を減衰させる光学フィルタFを配置する。【選択図】図1

Description

本発明は、近赤外光の反射又は透過スペクトルの測定方法に関する。
美容カウンセリングを行う場合、被験者の顔をカメラで撮影し、その画像を元に顔の輪郭、凹凸、肌の色等を評価することがしばしば行われている。このような顔の撮影においては、顔面の凹凸によって照明の当たり方にむらが生じ、画像に陰影が写り、皮膚表面のシミやソバカス等の正確な評価が妨げられることがある。そこで、被写体の顔等に最適な照明環境を提供するために、顔全体や体全体を筐体やエンクロージャー等によって覆い、その内部において光源を照射する装置が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献2にも、被験者の顔を撮影するために用いられる顔撮影装置が記載されている。この装置は、被写体の顔全体の部分を収容し略球状の空間が形成された筐体と、筐体の空間内に光を照射する少なくとも2つの光源と、光源による光が照射された顔全体の部分を撮影する撮像手段とを有するものである。光源は、球状の面において被写体の左右対称の位置にそれぞれ1又は複数配置されている。
これらの技術とは別に、生体成分を非侵襲で精度よく測定できる分光計測装置が提案されている(特許文献3参照)。同文献においては、手の平を測定対象として近赤外光を照射し、干渉分光法によって分光像を二次元的に取得している。同文献に記載の装置によれば、例えば静脈パターンを認識することで、生体膜表層の血管領域の近赤外二次元分光像をより明確に取得できると、同文献には記載されている。
特開2004−251750号公報 特開2009−245393号公報 特開2008−309707号公報
特許文献1及び2に記載されているような肌の評価技術において、特許文献3に記載されている近赤外二次元分光像を得ようとする場合、干渉分光法では、ある波長領域におけるすべての波長の光を同時に検出するので、特定の波長の光の強度が強い場合、該波長と異なる波長の光の強度が弱い場合には、その光を検出しづらい場合がある。その結果、測定されたスペクトルのSN比が低下することがある。
したがって本発明の課題は、干渉分光法を利用した近赤外二次元分光像を得る技術の改良にある。
前記の課題を解決すべく本発明者が鋭意検討した結果、被験体に照射する近赤外光、又は被験体から検出する近赤外光の強度分布を調整することが有効であることを知見した。
本発明は前記の知見に基づきなされたものであり、光源から発せられ且つ被験体に照射された多波長の近赤外光のパワースペクトルA、及び該被験体を透過した多波長の近赤外光のパワースペクトルBを、それぞれ干渉分光法によって測定し、パワースペクトルA及びBから該被験体の透過スペクトルを測定する方法であって、
被験体と検出部との間、又は被験体と光源との間に、観測波長域内の1又は複数の特定波長域の近赤外光を透過させ、且つ観測波長域内の前記特定波長域以外の波長域の近赤外光の透過を減衰させる光学フィルタを配置する、透過スペクトルの測定方法を提供することにより前記の課題を解決したものである。
また本発明は、光源から発せられ且つ被験体に照射された多波長の近赤外光のパワースペクトルC、及び該被験体にて反射した多波長の近赤外光のパワースペクトルDを、それぞれ干渉分光法によって測定し、パワースペクトルC及びDから該被験体の反射スペクトルを測定する方法であって、
被験体と検出部との間、又は被験体と光源との間に、観測波長域内の1又は複数の特定波長域の近赤外光を透過させ、且つ観測波長域内の前記特定波長域以外の波長域の近赤外光の透過を減衰させる光学フィルタを配置する、反射スペクトルの測定方法を提供することにより前記の課題を解決したものである。
本発明によれば、干渉分光法を利用した近赤外二次元分光像を高い精度で取得することが可能な、スペクトルの測定方法が提供される。
また、本発明によれば 観測波長域内の複数の特定波長域の近赤外光を透過させ、且つ観測波長域内の前記特定波長域以外の波長域の近赤外光の透過を減衰させる光学フィルタが提供される。
図1(a)及び(b)は、本発明の測定方法において透過スペクトルを測定するための測定系を示す模式図である。 図2(a)及び(b)は、本発明の測定方法において反射スペクトルを測定するための別の測定系を示す模式図である。 図3は、本発明で用いられる光学フィルタの近赤外光透過特性を示すグラフである。 図4は、本発明で用いられる光学システムの概略的なシステム構成図である。 図5は、固定ミラー部及び可動ミラー部の反射面における物体光の照射分布を示す図である。 図6(a)は、インターフェログラムを示す図であり、図6(b)は図6(a)に示すインターフェログラムをフーリエ変換したスペクトルの波形図である。 図7(a)ないし(c)はそれぞれ、インターフェログラムの生成原理を説明するための図である。 図8(a)ないし(c)はそれぞれ、位相シフターの動作を示す説明図である。 図9は、実施例で用いた光源のスペクトルを示すグラフである。 図10は、実施例で用いた光源の光が光学フィルタを透過した後のスペクトルを示すグラフである。 図11は、実施例で得られた近赤外光のパワースペクトルを示すグラフである。 図12は、光学フィルタを用いて実施例で得られた吸光度を示すグラフである。 図13は、光学フィルタを用いずに得られた吸光度を示すグラフである。 図14は、実施例で得られた近赤外二次元分光像である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。本発明は、近赤外光を被験体に照射し、反射光又は透過光のスペクトルを測定する方法に関するものである。近赤外光とは波長が約800nmから約2500nmまでの範囲の電磁波のことである。本発明の測定の対象となる被験体の種類に特に制限はなく、生体及び非生体の双方を包含する。生体を測定の対象とする場合、該生体としては、ヒト及びヒト以外の生物が挙げられる。ヒトを測定の対象とする場合には、当該測定は非医療目的で行われる。非医療目的の具体例としては、美容カウンセリング、ユーザーの化粧品の選択、化粧品の開発、おむつや生理用品の開発、衣料の開発、皮膚用洗浄料の開発、及び顧客とのコミュニケーション用の情報交換手段の開発などが挙げられるが、これらに限られない。
被験体は、保形性を有する剛体やゲルやゴムなどの非剛体に加えて、水や油などの液体でもよいが、保形性を有するものであることが好ましい。保形性とは、一定期間にわたり外形を自身で一定に保つことができる性質をいう。生体の皮膚等は保形性を有する非剛体の範疇に属する。
被験体は、その測定対象面となる外面が平面(すなわち二次元形状)であってもよく、あるいは凹凸を有する三次元形状をしていてもよい。本発明の測定方法は、三次元形状を有する測定対象面からの反射スペクトルを精度よく測定することに特に適したものであるが、二次元形状を有する測定対象面からの反射スペクトルの測定に本発明の方法を用いることに何ら差し支えはない。
本発明の測定方法は、被験体に照射された近赤外光の反射スペクトル又は透過スペクトルを測定して、被験体における測定対象面における反射スペクトル又は透過スペクトルを二次元的に取得することに係る。反射スペクトル又は透過スペクトルを二次元的に取得するとは、例えば測定対象面(この面は完全な平面の二次元的な面でもよく、あるいは凹凸を有する三次元的な面でもよい。)の任意の位置での座標を(x、y)とし(iは測定対象面における座標の数を示し、1からnまでの数をとる。)、その座標(x、y)での近赤外光の波長領域での反射スペクトル又は透過スペクトルをPとしたとき、(x、y)から(x、y)までのすべての座標での反射スペクトル又は透過スペクトルPからPまでを取得することをいう。したがって、単位面積に含まれる座標(x、y)の数が多いほど、解像度の高い測定が可能となる。
本発明においては、光源から発せられ且つ被験体に照射された多波長の近赤外光のパワースペクトルA、及び該被験体を透過した多波長の近赤外光のパワースペクトルBを、それぞれ干渉分光法によって測定する。あるいは、光源から発せられ且つ被験体に照射された多波長の近赤外光のパワースペクトルC、及び該被験体にて反射した多波長の近赤外光のパワースペクトルDを、それぞれ干渉分光法によって測定する。そして、パワースペクトルA及びBから被験体の透過スペクトルを測定するか、又はパワースペクトルC及びDから被験体の反射スペクトルを測定する。
パワースペクトルA及びBから被験体の透過スペクトルを測定する場合には、パワースペクトルB/パワースペクトルAの算出式を用いることができる。一方、パワースペクトルC及びDから被験体の反射スペクトルを測定する場合には、パワースペクトルD/パワースペクトルCの算出式を用いることができる。
被験体は、光源から発せられた多波長の近赤外光照明下に配置される。光源としては、多波長の近赤外光の照射が可能なものであれば、その種類に特に制限はない。そのような光源の例としては、近赤外光の波長領域に連続スペクトルを有するハロゲンランプなどが挙げられる。また、照射は直接的な照射(直接照明)であっても、間接的な照射(間接照明)であってもよい。
測定に際しては、光源とともに検出器を含む光学システムが配置され、これらと被験体とで測定系が構成される。測定系の一例を図1及び2に示す。同図に示すとおり、光学システム10における検出器の配置位置は、光源Lから被験体11に照射された近赤外光の反射光又は吸収光を検出可能な位置であれば特に制限はない。一般的には、被験体11に対して、光学システム10を正面の位置に配置することが、正確な反射スペクトル及び透過スペクトルの測定の点から好ましい。光学システム10に備えられる検出器としては、近赤外光の検出が可能な装置として、当該技術分野において知られているものを特に制限なく用いることができ、その例としてはInGaAs検出器やPbSe検出器などが挙げられる。光源Lとしては、例えばリング状光源を用いることができる。この場合、被験体11はリング状光源Lの内部に位置するように、両者の位置関係を調整する。
図1に示すとおり、測定系においては、被験体11と光学システム10との間に光学フィルタFが配置される。光学フィルタFの配置位置は、図1(a)及び図2(a)に示す形態以外に図1(b)及び図2(b)に示す形態であってもよい。図1(b)及び図2(b)に示す形態では、光学フィルタFを被験体11と光源Lとの間に配置している。図2(b)においては、光源Lを、光学システム10に隣接させて一対配置しているので、各光源Lに対応させて一対の光学フィルタFが配置されている。図1(a)及び図2(a)に示す配置位置と、図1(b)及び図2(b)に示す配置位置で、スペクトルの測定結果に本質的な相違は生じない。尤も、図1(a)及び図2(a)に示す配置位置は、図1(b)及び図2(b)に示す配置位置に比べて、光源Lと光学フィルタFとの位置が離れるので、光源Lから生じる熱に起因するダメージを光学フィルタFが受けにくいという利点がある。
光学フィルタFは、観測波長域内の特定波長域の近赤外光を透過させ、且つ観測波長域内の前記特定波長域以外の波長域の近赤外光の透過を減衰させるような光学特性を有するものである。「観測波長域」とは、近赤外光の波長領域の少なくとも一部を含む波長領域のことである。「近赤外光を透過させる」とは、その波長での近赤外光の透過率が40%以上であるような光学特性を有することである。また、「近赤外光の透過を減衰させる」とは、その波長での近赤外光の透過率が40%未満であるような光学特性を有することである。
光学フィルタFにおいて、近赤外光を透過させる「特定波長域」は、被験体11の種類や、スペクトルの測定目的等に応じて任意に設定することができる。特定波長域は一つでもよく、あるいは複数でもよい。例えば被験体における水の存在の有無ないし存在量を測定する場合には、水に特徴的な吸収帯の波長領域を、特定波長域のうちの少なくとも一つに設定することが好ましい。水に特徴的な吸収帯としては、例えば水のOH伸縮倍音を含む波長域や、水のOH伸縮及び変角振動に由来する結合音を含む波長域などが挙げられる。水のOH伸縮倍音を含む波長域は、一般に1400nm以上1600nm以下である。好ましくは少なくとも1450nmを含む1400nm以上1600nm以下の波長域である。一方、水のOH伸縮及び変角振動に由来する結合音を含む波長域は、一般に1800nm以上2000nm以下である。好ましくは少なくとも1900nmを含む1800nm以上2000nm以下の波長域である。この観点から、光学フィルタとして、水のOH伸縮倍音を含む波長域、並びに水のOH伸縮及び変角振動に由来する結合音を含む波長域以外の一部又はすべての近赤外光の透過を減衰させるものを用いることができる。
上述したとおり、光学フィルタFは、近赤外光を透過させる特定波長域を一つ有していてもよく、あるいは複数有していてもよい。上述した水に特徴的な吸収帯の波長領域を特定波長域として設定する場合には、該吸収帯が上述のとおり2つあることから、水を含め、特徴的な吸収帯が複数観察される物質を測定の対象とする場合には、2つ又はそれ以上の異なる波長域の近赤外光を透過させ、それ以外の波長域の近赤外光の透過を減衰させる光学フィルタFを用いることが有利である。光学フィルタFとして、2つ以上の異なる波長域の近赤外光を透過させる透過特性を有するものを用いる場合、一の波長域における近赤外光の透過率と、他の一以上の波長域における近赤外光の透過率とは、同じであってもよく、あるいは異なっていてもよい(以下に述べる図3参照)。
図3には、本発明で用いることのできる光学フィルタの近赤外光の透過特性の一例が示されている。同図に示すとおり、この光学フィルタは、約1000nmを中心とする波長領域A、約1450nmを中心とする波長領域B及び約1900nm以上の波長領域Cの3つの波長領域の近赤外光を透過し、それ以外の波長領域D、E及びFの近赤外光の透過を減衰させる透過特性を有している。つまり、この光学フィルタはいわゆるバンドパスフィルタである。このような近赤外光の透過特性を有する光学フィルタは、上述した水に特徴的な吸収帯の波長領域の近赤外光を透過させるのに適したものである。具体的には、約1450nmを中心とする波長領域Bは、水のOH伸縮倍音を含んでいる。約1900nm以上の波長領域Cは、水のOH伸縮結合音を含んでいる。一方、約1000nmを中心とする波長領域Aには、水に起因する吸収は観察されない。
光学フィルタとして誘電体多層膜型フィルタを用いれば、任意の波長域の透過度を調整することができ、図3に示した近赤外光の透過特性を持つ光学フィルタを容易に調製することができる。また、ロングパスフィルタやノッチフィルタ等を組み合わせて光学フィルタとして用いることにより、図3に示した近赤外光の透過特性を持つ光学フィルタを調製することもできる。具体的には、図3のA、E、B、F及びCの波長領域の光を透過するロングパスフィルタとE、B及びF領域のそれぞれの透過率が図3に記載の透過率であるノッチフィルタとを組み合わせることにより、図3に示した近赤外光の透過特性を持つ光学フィルタを調製することができる。
なお、図3から明らかなとおり、例えば波長領域Bと波長領域A及びCとでは、近赤外光の透過率が相違しており、波長領域Bの方が、波長領域A及びCよりも透過率が低くなっている。この理由は、近赤外光の光源として一般に用いられるものであるハロゲンランプでは、波長領域Bでの光量が、波長領域A及びCでの光量よりも多いことから、波長領域Bでの透過率を低く設定して、波長領域の全域にわたる光量を均一化するためである。
以上のとおり、本発明の測定方法においては、光源から発せられた近赤外光を直接にそのまま被験体に照射するのではなく、特定の透過特性を有する光学フィルタを透過してきた近赤外光を被験体に照射している。それによって被験体に照射する近赤外光の強度分布を調整し、その結果、干渉分光法を利用した近赤外二次元分光像を高い精度で取得することが可能となる。そこで次に、干渉分光法を利用した近赤外二次元分光像の取得について説明する。
干渉分光法を利用した近赤外二次元分光像の取得においては、まず光源から発せられた多波長の近赤外光を被験体に照射し、被験体からの反射スペクトル又は透過スペクトルを二次元的に取得する。なお、上述したパワースペクトルA又はパワースペクトルCを取得する場合には、被験体を配置する位置に、該被験体に代えて鏡、スペクトラロン、硫酸バリウム等の反射板又はスペクトラロン、硫酸バリウム等の透過板を配置すればよい。反射スペクトル又は透過スペクトルの二次元的な取得には、例えば図4に示す光学システム10を用いることができる。同図に示す光学システム10は、光源から被験体に照射された近赤外光の透過又は反射光を、第1及び第2の光に分離する分割光学系と、第1及び第2の光をほぼ同一点に導き干渉像を形成する結像光学系と、第1及び第2の光の光学光路長差を伸縮する光路長差伸縮手段とを備えている。同図に示す光学システム10を用いた反射スペクトルの二次元的な取得方法は以下のとおりである。
図1及び図2に示す光学フィルタFを介して光源Lから被験体11に対して光が照射されることにより該被験体11の一輝点から多様な方向に向かって放射状に生じる散乱光や蛍光発光等の光線群(「物体光」ともいう)は、図4に示す光学システム10を構成する一部材である対物レンズ12に入射し、平行光束へ変換される。対物レンズ12は、レンズ駆動機構13によって光軸方向に移動可能に構成されている。レンズ駆動機構13は、対物レンズ12の合焦位置を走査するためのもので、例えばピエゾ素子により構成することができる。
対物レンズ12を透過した後の光束は完全な平行光束である必要はない。対物レンズ12を透過した後の光束は、一つの輝点から生じた光線群を二分割又はそれ以上に分割できる程度に広げることができればよい。尤も、より高い分光計測精度を得るためにはできるだけ平行光束とすることが望ましい。
対物レンズ12を透過してきた平行光束は位相シフター14に到達する。位相シフター14は光路長差伸縮手段として機能するものである。位相シフター14は、矩形板状の固定ミラー部15と、その中央の開口部(図示せず)に挿入された円柱状の可動ミラー部16とを備えている。固定ミラー部15及び可動ミラー部16の表面は光学的に平坦であり、且つ光学システム10が計測対象とする光の波長帯域を反射可能な光学鏡面となっている。
以下の説明では、位相シフター14に到達した光束のうち固定ミラー部15の反射面に到達して反射される光束を固定光線群、可動ミラー部16の反射面に到達して反射される光束を可動光線群ともいう。これらの部材によって、光源から被験体に照射された近赤外光の透過又は反射光を、第1及び第2の光に分離する分割光学系が構成される。
固定ミラー部15及び可動ミラー部16は、駆動ステージ(図示せず)上に設置されている。駆動ステージは、例えば静電容量センサーを具備する圧電素子から構成されており、制御部17からの制御信号を受けて矢印A方向に沿って進退可能になっている。これにより、可動ミラー部16は光の波長に応じた精度で矢印A方向に沿って移動する。
位相シフター14は、対物レンズ12からの平行光束の光軸に対して固定ミラー部15及び可動ミラー部16の反射面が45度傾くように配置されている。駆動ステージ(図示せず)は、可動ミラー部16の反射面の光軸に対する傾きを45度に維持した状態で可動ミラー部16を移動させる。このような構成により、可動ミラー部16の光軸方向の移動量は、駆動ステージの移動量の1/√2となる。また、固定光線群と可動光線群の二光束間の相対的な位相変化を与える光路長差は、可動ミラー部16の光軸方向の移動量の2倍となる。
このように固定ミラー部15及び可動ミラー部16を斜めに配置すれば、光線を分岐するためのビームスプリッタが不要となるため、物体光の利用効率を高くすることができる。また、可動ミラー部16を傾けたことにより、駆動ステージの移動量に対する可動ミラー部16の光軸方向の移動量が小さくなるため、ステージ移動誤差の分光計測精度への劣化の影響を小さくできる。
位相シフター14に到達し、固定ミラー部15及び可動ミラー部16の反射面で反射された固定光線群及び可動光線群は、それぞれ結像レンズ22により収束されて検出部18の結像面に入る。この部分が、第1及び第2の光をほぼ同一点に導き干渉像を形成する結像光学系を構成する。検出部18は例えば複数の検出素子、例えば複数の画素からなる受光素子を備えた二次元CCDカメラから構成されている。この受光素子が、干渉像の光強度を検出する手段として機能する。受光素子は平面内にわたり二次元的に配置されており、それによって被験体の表面における透過又は反射スペクトルの二次元分布が取得可能になっている。固定ミラー部15の反射面と可動ミラー部16の反射面は、検出部18の結像面で2つの光線群の集光位置がずれない程度の精度で平行に構成されている。
前記構成を有する光学システム10の光学的作用について説明する。まず、蛍光や散乱光など初期位相が必ずしも揃っていない光線群が、対物レンズ12と結像レンズ22を経て検出部18の結像面で位相が揃った波として一つの点に集光し、輝点像(干渉像)を形成する光学モデルに基づいて説明する。
前述したように、被験体11の一輝点から発せられた光線群は、対物レンズ12を経て位相シフター14の固定ミラー部15及び可動ミラー部16の表面に到達する。このとき、図5に示すとおり、固定ミラー部15の表面及び可動ミラー部16の表面に光線群が二分割されて到達する。なお、固定ミラー部15の表面に到達した光線群、すなわち固定光線群と、可動ミラー部16の表面に到達した光線群、すなわち可動光線群の光量がほぼ等しくなるように、可動ミラー部16の表面の面積は設定されているが、固定光線群及び可動光線群の一方あるいは両方の光路に減光フィルタを設置して相対的な光量差を調整し、光量の均等化を行うことも可能である。
固定ミラー部15及び可動ミラー部16の表面で反射された光線群は、それぞれ固定光線群及び可動光線群として結像レンズ22に入射し、検出部18の結像面において干渉像を形成する。このとき、被験体11から発せられる光線群には様々な波長の光が含まれる(且つ各波長の光の初期位相が必ずしも揃っていない)ことから、可動ミラー部16を移動させて固定光線群と可動光線群との光路長差を変化させることにより、図6(a)に示すようなインターフェログラムと呼ばれる結像強度変化(干渉光強度変化)の波形が得られる。つまり、干渉分光法によるインターフェログラムが、検出部18に備えられた画素ごとに取得される。図6(a)は検出部18の一つの画素におけるインターフェログラムである。なお、図6(a)において、横軸は可動ミラー部16の移動に伴う固定光線群と可動光線群間の光路長差を示し、縦軸は結像面上の一点における結像強度を示す。
取得された各インターフェログラムをフーリエ変換することにより、被験体11の一輝点から発せられた光の波長ごとの相対強度である分光特性を画素ごとに取得することができる(図6(b)参照)。そして検出部18のすべての画素において分光特性を得ることで、光源Lから発せられ且つ被験体11に照射された多波長の近赤外光のパワースペクトルA、及び被験体11を透過した多波長の近赤外光のパワースペクトルBの二次元分光計測が行われる。あるいは、光源Lから発せられ且つ被験体11に照射された多波長の近赤外光のパワースペクトルC、及び被験体11にて反射した多波長の近赤外光のパワースペクトルDの二次元分光計測が行われる。前記のインターフェログラムの生成、及び該インターフェログラムのフーリエ変換によるスペクトルの取得は、処理部としての制御部17で行われるか、又は制御部17に接続された演算部(図示せず)によって行われる。
ここで、インターフェログラムの生成原理について説明する。まず、測定波長が単一波長の光の場合の光路長差と干渉光強度との関係について図7(a)ないし(c)を参照しながら説明する。図7(a)ないし(c)において、横軸は可動ミラー部の移動に伴う固定光線群と可動光線群間の相対的な光路長差を示し、縦軸は検出部の一つの画素における結像強度を示している。
図7(a)ないし(c)は波長の長さが異なる3種類の単色光(λa>λb>λc)の光路長差と干渉光強度との関係を示している。図7の中央付近に示す位相シフト原点(図中、一点鎖線で示す)は、図8(b)に示す可動ミラー部16の反射面が固定ミラー部15の反射面と一致している状態をいう。可動ミラー部16と固定ミラー部15の反射面が一致しているときは、固定光線群と可動光線群に相対的な位相差が生じていない。つまり、これら二光線群の光線は結像面において位相が揃って到達するため、互いに強め合う。このため、結像面には明るい輝点が形成され、結像強度が大きくなる。
これに対して、可動ミラー部16を図8(b)に示す位置から移動して固定光線群と可動光線群との間に相対的な光路長差を生じさせると、この光路長差が半波長(λ/2)の奇数倍になった時点で弱め合う干渉条件となるため結像強度は小さくなる。また、光路長差が1波長の整数倍になると、二光束間の干渉条件が強め合う状態となり、結像強度が大きくなる。したがって、可動ミラー部16を図8(a)から(b)を経て(c)の状態へと移動させて光路長差を順次変化させていくと、二光束間の干渉現象による結像強度は周期的に変化することになる。この結像強度変化の周期は、図7(a)ないし(c)に示すように、波長が長い光の場合は長く、波長が短い光の場合は短くなる。
多波長の光を測定する光学システムでは、多様な長さの波長の干渉光強度変化が足し合わされた輝度値変化として検出されることになる。これが図6(a)に示すインターフェログラムである。固定光線群と可動光線群の相対的な光路長差がない位相シフト原点では、波長に依存せずに2光束は強め合うため、多波長の強度変化を足し合わせた測定値においても高い結像強度となる。しかし、光路長差が大きくなると、各波長の強度変化の周期が合わないため、多波長の強度変化を足し合わせても結像強度は大きくならない。このため、インターフェログラムは、光路長差が大きくなるに従い徐々に輝度値が小さくなっていく結像強度変化が観察される。このようにインターフェログラムは、単一波長の単周期結像強度変化が足し合わされた波形であることから、この波形データをフーリエ変換することにより波長ごとの相対強度である分光特性を取得することができる。
このようにして、パワースペクトルA及びB、又はパワースペクトルC及びDが二次元的に取得されたら、被験体11の表面における個々の位置における透過スペクトル又は反射スペクトルを測定する。透過スペクトルの測定には、上述のとおり、パワースペクトルB/パワースペクトルAの算出式を用いることができる。反射スペクトルの測定には、パワースペクトルD/パワースペクトルCの算出式を用いることができる。これによって、透過スペクトル又は反射スペクトルが二次元的に取得される。この操作は、例えば図4に示す光学システム10に備えられた制御部17において行われるか、又は制御部17に接続された演算部(図示せず)において行われる。
このようにして取得された二次元の透過スペクトル情報又は反射スペクトル情報に基づき近赤外二次元分光像を得ることができる。二次元分光像は、透過スペクトル又は反射スペクトル中に観察される、特定の物質又は特定の原子団(官能基)に由来する吸収帯に着目して取得することが有利である。例えば被験体が水を含むものである場合には、被験体の表面での任意の座標(x、y)における透過スペクトル又は反射スペクトルのうち水に特徴的な吸収帯の信号強度に基づき、被験体の座標(x、y)における水の吸光度Aを求める。特に、水に特徴的な吸収帯として、上述した光学フィルタを透過する特定波長域を選択することが、感度の高い測定結果を得られる点から好ましい。
この操作を、被験体の表面における(x、y)から(x、y)までのすべての座標において行い吸光度A,A,・・,Aを取得する。nは、被験体における二次元座標の数を示す。このようにして得られた吸光度Aの二次元的データに基づき近赤外二次元分光像を作成することで、被験体の表面における水の分布や、存在量を可視化することができる。この操作は、例えば図4に示す光学システム10に備えられた制御部17において行われるか、又は制御部17に接続された演算部(図示せず)において行われる。
以上の操作を経ることで、被験体の二次元座標における任意の位置での特定波長における吸光度を求めることができ、二次元座標における吸光度分布が得られる。そして、この分布を可視化することで、近赤外二次元分光像が得られる。しかも、光源から照射される多波長の近赤外光の強度を、光学フィルタによって均一化しているので、吸光度の測定を高精度で行うことができる。その結果、透過スペクトル又は反射スペクトルのS/N比を、従来よりも向上させることができる。つまり本発明は、光源から発せられた多波長の近赤外光を被験体に照射し、干渉分光法によって取得される透過スペクトル又は反射スペクトルのS/N比を向上させるS/N比の向上方法に係るものでもある。
本発明の測定方法は、例えば、ヒト皮膚又はヒト皮膚表面付着物を被験体として、非医療の目的で、皮膚表面付着物又は皮膚水分の分布状態の評価のために、皮膚の反射スペクトルを測定する場合に特に有用なものである。ヒト皮膚表面付着物としては、例えばヒトの皮膚の表面に施された化粧料などが挙げられるが、これに限られない。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態では、近赤外光の光源としてリング状の光源を用いたが、光源の形状はこれに限られない。例えば、先に述べた特許文献1及び2に記載の光源を用いることができる。また、照射は直接的(直接照明)、間接的(間接照明)のいずれも用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
図2(b)及び図4に示す装置を用いて、化粧水(ソフィーナボーテしっとり;花王株式会社製)を筆(水彩筆)に含ませ、両頬部に、水平方向に沿って線状に三本ずつ塗布した後のヒトの顔面の皮膚における水分率を測定した。測定は、近赤外光の波長領域での水の吸光度を二次元的に測定し、測定結果を画像化することで行った。測定装置は以下のとおりである。
・装置:結像型二次元フーリエ光学システム(アオイ電子株式会社製)
・光源:リング照明(ハロゲン電球×20)、光源のスペクトルを図9に示す。
・光学フィルタ:図3に示す透過特性を有するもの(誘電多層膜、朝日分光株式会社製)、光学フィルタを透過後の光源のスペクトルを図10に示す。
・対物レンズ:固定焦点レンズ(F1.4、16mm、エドモンドオプティクス)
・分光系:
共役面格子:開口幅30μm、遮光幅30μm
分光ユニット内のレンズ:φ25mm、焦点距離:100mm
光路長差:70.7μm
サンプリング間隔:108.25nm
・検出系:
カメラ:CV−N800(住友電気工業(株)、320×256pixel)
露光時間:2.5msec、フレームレート:320Hz
積算回数:1回
計測時間:2秒
光学システム、光源、反射板を図2(b)及び図4に示すとおりに配置し、撮影を行い、光源から発せられた多波長の近赤外光のパワースペクトルCを干渉分光法によって測定した。反射板としてはスペクトロラン標準反射板(labsphere製、反射率10%)を用いた。次いで、反射板を取り除き、それに代えて反射板を配置した位置にヒトを配置し、ヒトにて反射した多波長の近赤外光のパワースペクトルDを、干渉分光法によって測定した。任意の一画素における結果を図11に示す。得られたパワースペクトルC及びDから求められた吸光度を図12に示す。また、光学フィルタを用いずに得られた吸光度を比較例として図13に示す。図12と図13との対比から明らかなとおり、光学フィルタを用いた図12においては、水に特徴的な吸収帯である1450nm付近及び1950nm付近の双方に吸収ピークが観察される。これに対して、光学フィルタを用いていない図13においては、1950nm付近に観察されるべき吸収ピークが観察されていない。
次に、図12に示す反射スペクトルを含め、二次元的に取得された反射スペクトルを用い、被験体であるヒトの顔面における波長1450nm付近のピーク強度の分布をイメージ化した。その結果を図14に示す。波長1450nm付近のピークは水に特徴的な吸収帯であり、よって同図においては水の存在量が多い部位(化粧水の塗布部位)ほど色を濃く示している。同図に示す結果から明らかなとおり、本測定方法によれば、ヒトの顔面における水の分布位置及び存在量を可視化できることが判る。
10 光学システム
11 被験体
12 対物レンズ
13 レンズ駆動機構
14 位相シフター
15 固定ミラー部
16 可動ミラー部
17 制御部
18 検出部
F 光学フィルタ
L 光源

Claims (15)

  1. 光源から発せられ且つ被験体に照射された多波長の近赤外光のパワースペクトルA、及び該被験体を透過した多波長の近赤外光のパワースペクトルBを、それぞれ干渉分光法によって測定し、パワースペクトルA及びBから該被験体の透過スペクトルを測定する方法であって、
    被験体と検出部との間、又は被験体と光源との間に、観測波長域内の1又は複数の特定波長域の近赤外光を透過させ、且つ観測波長域内の前記特定波長域以外の波長域の近赤外光の透過を減衰させる光学フィルタを配置する、透過スペクトルの測定方法。
  2. 光源から発せられ且つ被験体に照射された多波長の近赤外光のパワースペクトルC、及び該被験体にて反射した多波長の近赤外光のパワースペクトルDを、それぞれ干渉分光法によって測定し、パワースペクトルC及びDから該被験体の反射スペクトルを測定する方法であって、
    被験体と検出部との間、又は被験体と光源との間に、観測波長域内の1又は複数の特定波長域の近赤外光を透過させ、且つ観測波長域内の前記特定波長域以外の波長域の近赤外光の透過を減衰させる光学フィルタを配置する、反射スペクトルの測定方法。
  3. 干渉分光法によるインターフェログラムを取得し、取得されたインターフェログラムをフーリエ変換することで、近赤外光のパワースペクトルAないしDを得る、請求項1又は2に記載の測定方法。
  4. 被験体の透過スペクトル又は反射スペクトルを測定し、該透過スペクトル又は該反射スペクトルにおける水に特徴的な吸収帯の信号強度に基づき、被験体における水の吸光度を求める請求項1ないし3のいずれか一項に記載の測定方法。
  5. 2つ以上の異なる波長域の近赤外光を透過させ、それ以外の波長域の近赤外光の透過を減衰させる光学フィルタを配置する請求項1ないし4のいずれか一項に記載の測定方法。
  6. 光源がハロゲンランプからなり、
    水のOH伸縮倍音を含む波長域、並びに水のOH伸縮及び変角振動に由来する結合音を含む波長域以外の一部又はすべての近赤外光の透過を減衰させる光学フィルタを配置する請求項5に記載の測定方法。
  7. 皮膚表面付着物又は皮膚水分の分布状態の評価のために、皮膚の反射スペクトルを測定する際に用いられる請求項2ないし6のいずれか一項に記載の測定方法。
  8. 光源から発せられた多波長の近赤外光を被験体に照射し、干渉分光法によって取得される透過スペクトル又は反射スペクトルのS/N比を向上させる方法であって、
    被験体と検出部との間、又は被験体と光源との間に、観測波長域内の特定波長域の近赤外光を透過させ、且つ観測波長域内の上記特定波長域以外の波長域の近赤外光の透過を減衰させる光学フィルタを配置する、透過スペクトル又は反射スペクトルのS/N比の向上方法。
  9. 皮膚表面付着物又は皮膚水分の分布状態の評価のために、皮膚の反射スペクトルを測定する際に用いられる請求項8に記載のS/N比の向上方法。
  10. 多波長の近赤外光の照射が可能な光源と、分光ユニットと、検出部と、処理部とを備え、
    前記分光ユニットが、光源から被験体に照射された近赤外光の透過又は反射光を、第1及び第2の光に分離する分割光学系と、第1及び第2の光をほぼ同一点に導き干渉像を形成する結像光学系と、第1及び第2の光の光学光路長差を伸縮する光路長差伸縮手段とを備え、
    前記検出部が、前記干渉像の光強度を検出する手段を備え、
    前記処理部が、前記光路長差伸縮手段によって光学光路長差を伸縮させることにより前記検出部で検出される光強度変化に基づき、前記被験体のインターフェログラムを求め、このインターフェログラムをフーリエ変換することによりスペクトルを取得する手段を備えた透過又は反射スペクトルの測定装置であって、
    前記被験体と前記検出部との間、又は前記被験体と前記光源との間に配置された、観測波長域内の特定波長域の近赤外光を透過させ、且つ観測波長域内の前記特定波長域以外の波長域の近赤外光の透過を減衰させる光学フィルタを備える、透過又は反射スペクトルの測定装置。
  11. 複数の検出素子が平面内にわたり二次元的に配置された前記検出部を用いることで、被験体表面における透過又は反射スペクトルの二次元分布を取得可能になっている請求項10記載の測定装置。
  12. 皮膚表面付着物又は皮膚水分の分布状態の評価のために、皮膚の反射スペクトルを測定する際に用いられる請求項10又は11に記載の測定装置。
  13. 観測波長域内の複数の特定波長域の近赤外光を透過させ、且つ観測波長域内の前記特定波長域以外の波長域の近赤外光の透過を減衰させる光学フィルタ。
  14. 複数の特定波長域の近赤外光が少なくとも水のOH伸縮倍音を含む波長域、並びに水のOH伸縮及び変角振動に由来する結合音を含む波長域である、請求項13に記載の光学フィルタ。
  15. 水のOH伸縮倍音を含む波長域が、少なくとも1450nmを含む1400nm以上1600nm以下の波長域であり、水のOH伸縮及び変角振動に由来する結合音を含む波長域が少なくとも1900nmを含む1800nm以上2000nm以下の波長域である、請求項14記載の光学フィルタ。
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