本出願に係る電子機器、制御方法、及び制御プログラムを実施するための実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。電子機器は、例えば、スマートフォン、携帯電話機、ウェアラブル装置、タブレット、携帯型パソコン、デジタルカメラ、メディアプレイヤ、電子書籍リーダ、ナビゲータ、及びゲーム機を含むが、これに限定されない。以下の説明において、同様の構成要素について同一の符号を付すことがある。さらに、重複する説明は省略することがある。
図1を参照しつつ、複数の実施形態の一例に係る電子機器1の機能構成の一例を説明する。図1は、電子機器1の機能構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、電子機器1は、タッチスクリーンディスプレイ2と、1もしくは複数のボタン3と、照度センサ4と、近接センサ5と、通信ユニット6と、レシーバ7と、マイク8と、ストレージ9と、コントローラ10と、スピーカ11と、カメラ12と、カメラ13と、コネクタ14と、加速度センサ15と、地磁気センサ16と、角速度センサ17と、GPS(Global Positioning System)レシーバ18と、温度センサ19とを含む。以下の説明において、電子機器1を「自機」と表記する場合がある。
タッチスクリーンディスプレイ2は、ディスプレイ2Aと、タッチスクリーン2Bとを含む。ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bは、例えば、重なって位置してもよいし、並んで位置してもよいし、離れて位置してもよい。ディスプレイ2Aとタッチスクリーン2Bとが重なって位置する場合、例えば、ディスプレイ2Aの1ないし複数の辺は、タッチスクリーン2Bのいずれの辺とも沿っていなくてもよい。
ディスプレイ2Aは、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro−Luminescence Display)、又は無機ELディスプレイ(IELD:Inorganic Electro−Luminescence Display)等の表示デバイスを含む。ディスプレイ2Aは、文字、画像、記号、及び図形等のオブジェクトを画面内に表示できる。
タッチスクリーン2Bは、タッチスクリーン2Bに対する1もしくは複数の指、1もしくは複数のペン、又は1もしくは複数のスタイラスペン等の接触又は近接を検出できる。タッチスクリーン2Bは、1もしくは複数の指、1もしくは複数のペン、又は1もしくは複数のスタイラスペン等がタッチスクリーン2Bに接触又は近接したときのタッチスクリーン2B上の位置を検出できる。タッチスクリーン2Bが検出する指、ペン、及びスタイラスペン等は、「指」と表記する場合がある。ある実施形態において、タッチスクリーン2Bは、検出方式として静電容量方式、抵抗膜方式又は荷重検出方式を適宜採用できる。
コントローラ10は、タッチスクリーン2Bにより検出された検出結果に基づいて、ジェスチャの種別を判別できる。検出結果は、例えば、接触の数、接触が検出された位置、接触が検出された位置の変化、接触が検出された時間的長さ、接触が検出された時間的間隔、及び接触が検出された回数を含む。コントローラ10が行える動作を、コントローラ10を有する電子機器1は実行できる。言い換えると、コントローラ10が行う動作は、電子機器1が行ってもよい。ジェスチャは、指を用いて、タッチスクリーン2Bに対して行われる操作である。タッチスクリーン2Bに対して行われる操作は、タッチスクリーン2Bを有するタッチスクリーンディスプレイ2に対して行われてもよい。コントローラ10が、タッチスクリーン2Bを介して判別するジェスチャには、例えば、タッチ、ロングタッチ、リリース、スワイプ、タップ、ダブルタップ、ロングタップ、ドラッグ、フリック、ピンチイン、及びピンチアウトが含まれるが、これらに限定されない。
ボタン3は、利用者からの操作入力を受け付ける。ボタン3は、利用者からの操作入力を受け付けると、コントローラ10に操作入力を受け付けた旨を通知する。ボタン3の数は、単数であっても、複数であってもよい。
照度センサ4は、照度を検出できる。照度は、照度センサ4の測定面の単位面積に入射する光束の値である。照度センサ4は、例えば、ディスプレイ2Aの輝度の調整に用いてもよい。
近接センサ5は、近隣の物体の存在を非接触で検出できる。近接センサ5は、磁界の変化又は超音波の反射波の帰還時間の変化等に基づいて物体の存在を検出する。近接センサ5は、例えば、ディスプレイ2Aに利用者の顔が接近したことを検出するのに用いてもよい。照度センサ4及び近接センサ5は、1つのセンサとして構成されていてもよい。照度センサ4は、近接センサとして用いられてもよい。
通信ユニット6は、無線により通信できる。通信ユニット6は、無線通信規格をサポートする。通信ユニット6によってサポートされる無線通信規格には、例えば、2G、3G、4G、5G等のセルラーフォンの通信規格と、近距離無線の通信規格とが含まれる。セルラーフォンの通信規格としては、例えば、LTE(Long Term Evolution)、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、WiMAX(登録商標)(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、CDMA2000、PDC(Personal Digital Cellular)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)、PHS(Personal Handy−phone System)等がある。近距離無線の通信規格としては、例えば、IEEE802.11(IEEEは、The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.の略称である)、Bluetooth(登録商標)、IrDA(Infrared Data Association)、NFC(Near Field Communication)、WPAN(Wireless Personal Area Network)等が含まれる。WPANの通信規格には、例えば、ZigBee(登録商標)、DECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunications)、Z−Wave、WiSun(Wireless Smart Utility Network)が含まれる。通信ユニット6は、上述した通信規格の1つ又は複数をサポートしていてもよい。
通信ユニット6は、例えば、道路、交差点等の付近に設置される路側機との通信を可能とするための通信規格をサポートする。交差点は、2本以上の道路が交差する部分を含む。通信規格は、例えば、双方向通信を可能とするDSRC(Dedicated Short Range Communication)を含む。通信ユニット6は、上述したセルラーフォンの通信規格又は近距離無線の通信規格を路側機との通信に利用してもよい。実施形態の1つの例において、通信ユニット6は、路側機が所定の通信エリア内に発信した電波を受信できる。通信ユニット6は、例えば、路側機、他の電子機器等で受信可能な電波を発信できる。所定の通信エリアは、所定のエリアの一例である。所定のエリアは、例えば、道路の近傍のエリアを含んでもよい。所定のエリアは、例えば、交差点、駐車場等のエリアを含んでもよい。
レシーバ7は、コントローラ10から送信される音信号を音として出力できる。レシーバ7は、例えば、電子機器1にて再生される動画の音、音楽の音、及び通話時の相手の声を出力できる。マイク8は、入力される利用者の声等を音信号へ変換してコントローラ10へ送信する。
ストレージ9は、プログラム及びデータを記憶できる。ストレージ9は、コントローラ10の処理結果を一時的に記憶する作業領域として利用してもよい。ストレージ9は、半導体記憶媒体、及び磁気記憶媒体等の任意の非一過的(non−transitory)な記憶媒体を含んでよい。ストレージ9は、複数の種類の記憶媒体を含んでよい。ストレージ9は、メモリカード、光ディスク、又は光磁気ディスク等の記憶媒体と、記憶媒体の読み取り装置との組み合わせを含んでよい。ストレージ9は、RAM(Random Access Memory)等の一時的な記憶領域として利用される記憶デバイスを含んでよい。
ストレージ9に記憶されるプログラムには、フォアグランド又はバックグランドで実行されるアプリケーションと、アプリケーションの動作を支援する基本プログラムとが含まれる。アプリケーションの画面は、例えば、フォアグランドで実行される場合に、ディスプレイ2Aに表示される。基本プログラムには、例えば、OSが含まれる。アプリケーション及び基本プログラムは、通信ユニット6による無線通信又は非一過的な記憶媒体を介してストレージ9にインストールされてもよい。
ストレージ9は、例えば、制御プログラム9A、加速度データ9B、状態データ9C、判別データ9D、位置データ9E、温度データ9F、推定データ9G、及び設定データ9Z等を記憶できる。加速度データ9Bは、加速度センサ15が検出した加速度値に関する情報を含む。状態データ9Cは、電子機器1の移動状態を示す情報を含む。判別データ9Dは、電子機器1の移動状態の判別に用いる情報を含む。位置データ9Eは、GPSレシーバ18が検出した自機の位置に関する情報を含む。温度データ9Fは、温度センサ19が検出した温度に関する情報を含む。設定データ9Zは、電子機器1の動作に関する各種の設定に関する情報を含む。
制御プログラム9Aは、電子機器1を稼働させるための各種制御に関する機能を提供できる。制御プログラム9Aは、例えば、通信ユニット6、レシーバ7、及びマイク8等を制御することによって、通話を実現させる。制御プログラム9Aが提供する機能には、加速度センサ15等を制御することによって、自機の複数の移動状態を判別する機能が含まれる。
例えば、電子機器1の複数の状態は、停止状態、静止状態、歩行状態、走行状態、乗り物での移動状態、自転車での移動状態を含む。停止状態は、自機を携帯している利用者が停止している状態を含む。静止状態は、自機が置かれた状態を含む。歩行状態は、自機を携帯している利用者が歩行している状態を含む。走行状態は、自機を携帯している利用者が走行している状態を含む。乗り物での移動状態は、自機を携帯している利用者が乗り物で移動している状態を含む。乗り物は、例えば、自動車、電車、バス、飛行機、バイク等を含む。自転車での移動状態は、自機を携帯している利用者が自転車で移動している状態を含む。
制御プログラム9Aは、利用者が移動した場所の変化を推定する機能を提供できる。場所の変化は、例えば、利用者が屋外から安全な場所へ移動した場所の変化を含む。安全な場所は、例えば、屋内、車内等を含む。場所の変化は、例えば、利用者が安全な場所から屋外へ移動した場所の変化を含む。屋外は、例えば、安全ではない場所を含む。安全ではない場所は、例えば、利用者が車両との交通事故に遭遇する可能性がある場所を含む。
例えば、屋外にいる利用者は、道路等に飛び出す可能性がある。このため、自動車を運転する運転者は、安全な場所にいない人を危険の対象として注意する必要がある。例えば、道路等の近傍に位置する建物の屋内を移動している利用者は、屋内から道路等に飛び出す可能性がある。このため、運転者は、屋内を移動している利用者も危険の対象として注意すると、より一層交通事故を回避する可能性を向上させることができる。制御プログラム9Aは、交通に係る利用者の情報を、通信ユニット6の近距離無線通信によって他機に送信する機能を提供できる。例えば、交通に係る利用者の情報は、道路に利用者が飛び出す可能性がある旨を報知するための情報を含む。例えば、交通に係る利用者の情報は、利用者の存在を車両の運転者に報知するための情報を含む。
加速度データ9Bは、加速度センサ15の検出結果としてコントローラ10に送信されてくる複数の加速度情報を含む。加速度データ9Bは、複数の加速度情報を時系列で示すことができる。加速度情報は、例えば、時間と、加速度値とを含む。時間は、加速度センサ15によって加速度の方向及び大きさを検出した時間を示す。加速度値は、加速度センサ15によって検出した加速度の方向及び大きさの値を示す。
例えば、コントローラ10には、加速度センサ15の検出結果が送信されてくる。検出結果は、X軸方向の加速度値と、Y軸方向の加速度値と、Z軸方向の加速度値と、各加速度値を合成したベクトル値とを含む。コントローラ10は、加速度センサ15の検出結果をストレージ9の加速度データ9Bにロギングする。コントローラ10は、X軸方向の加速度値、Y軸方向の加速度値、及びZ軸方向の加速度値を演算して合成ベクトル値を計算してもよい。
状態データ9Cは、自機の複数の状態を示す情報を含む。複数の状態は、例えば、停止状態、静止状態、歩行状態、走行状態、乗り物での移動状態、自転車での移動状態を含む。コントローラ10は、自機の状態の変化の検出に応じて状態データ9Cを更新する。
判別データ9Dは、自機の複数の状態ごとに対応する加速度パターンを含む。加速度パターンは、自機の複数の状態ごとに、どのような加速度パターンが加速度センサ15により特徴的に検出されるのかを予め計測し、抽出しておいた加速度パターンを含む。加速度パターンは、上述した合成ベクトル値のロギングしたデータに対応するように記憶される。判別データ9Dは、例えば、停止状態、静止状態、歩行状態、走行状態、乗り物での移動状態、自転車での移動状態等の状態の各々に対応した加速度パターンを含む。
例えば、コントローラ10は、加速度データ9Bの合成ベクトルのパターンと判別データ9Dの加速度パターンとを比較し、一致した加速度パターンに対応付けられた状態を、電子機器1の状態として判別できる。なお、パターンの一致とは、完全に一致している場合、所定の割合で一致している場合を含む。
位置データ9Eは、位置情報を時系列的に記憶できる。位置情報は、例えば、位置を示す値と、検出時間とを含む。位置は、例えば、GPSレシーバ18によって検出した緯度、経度を示す。時間は、例えば、GPSレシーバ18によって位置を検出した時間を示す。位置データ9Eは、例えば、GPSレシーバ18で受信した信号の強度、感度等を示す情報を含んでもよい。例えば、位置データ9Eは、GPSレシーバ18の検出精度が悪化したことを示す情報を含んでもよい。位置データ9Eは、GPSレシーバ18が位置を検出するごとに更新される。
温度データ9Fには、温度情報を時系列的に記憶できる。温度情報は、例えば、時間と、温度の値と、温度の変化量といった項目を含む。時間は、温度センサ19によって温度を検出した時間を示す。温度の値は、温度センサ19によって検出した温度の値を示す。温度の変化量は、温度センサ19によって検出した温度の単位時間当たりの変化量を示す。温度データ9Fは、温度センサ19が温度を検出するごとに更新される。
推定データ9Gは、例えば、コントローラ1又は0が推定した推定結果を示す情報を含む。推定結果は、例えば、利用者が移動した場所の推定結果を含む。推定結果は、例えば、安全な場所であるか否かの推定結果を含む。推定結果は、例えば、利用者が自動車に乗っているか否かの推定結果を含んでもよい。
設定データ9Zは、制御プログラム9Aなどにより提供される機能に基づいて実行される処理に用いられる各種データを含む。設定データ9Zは、利用者が移動した場所の変化を推定するための推定情報を含む。推定情報は、例えば、安全な場所であるか否かを推定するための温度に関する情報を含む。
例えば、自機を携帯する利用者が外気温の低い屋外から暖房の効いた安全な場所へ移動すると、温度センサ19が検出する温度は、急激に上昇して常温となる。例えば、自機を携帯する利用者が外気温の高い屋外から冷房の効いた安全な場所へ移動すると、温度センサ19が検出する温度は、急激に低下して常温となる。すなわち、電子機器1は、温度センサ19の検出結果に基づいて、所定の温度変化を検出したときに、利用者が移動した場所が安全な場所であるか否かを推定することができる。
実施形態の一例に係る推定情報は、所定の温度変化と、推定する場所との対応関係を示す情報を含む。例えば、所定の温度変化が急激な温度の上昇後に常温となる温度変化パターンの場合、推定情報は、当該所定の温度変化に基づいて推定する場所が安全な場所/安全ではない場所(屋外)を示す情報を含む。例えば、所定の温度変化が急激な温度の低下後に常温となる温度変化パターンの場合、推定情報は、当該所定の温度変化に基づいて推定する場所が安全な場所/安全ではない場所(屋外)を示す情報を含む。例えば、推定情報は、所定の温度変化を示す情報として、温度変化パターン、所定の閾値、所定時間当たりの温度の変化量等の情報を含む。例えば、推定情報は、利用者が自機を使用している地域、場所、季節、時間帯、天候等ごとに対応した情報としてもよい。すなわち、推定情報は、所定の温度変化に対応する地域、場所、季節、時間帯、天候等の情報を紐付けてもよい。例えば、大気の温度変化は、1時間当たり2〜3℃変化する場合がある。このため、所定の温度変化は、大気の温度変化を排除している。例えば、所定の温度変化は、日向から日陰へ、及び日陰から日向への移動に応じた温度変化を排除してもよい。
設定データ9Zは、他機への報知機能が有効であるか否かを示す情報を含む。例えば、他機への報知機能が有効である場合、電子機器1は、他機への報知処理を実行する。他機への報知処理は、例えば、コントローラ10が制御プログラム9Aを実行することによって実現される。他機への報知処理は、利用者が存在していることを報知するための報知情報を含む電波を、通信ユニット6を介して自機の近傍に位置する外部の電子機器に送信する処理を含む。報知情報は、例えば、自機の状態を示す情報を含んでもよい。外部の電子機器は、例えば、路側機、車両、車両に搭載された車載器等を含む。例えば、他機への報知機能が無効である場合、電子機器1は、他機への報知処理を実行しない。
コントローラ10は、電子機器1の動作を統括的に制御して各種の機能を実現できる。コントローラ10は、演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、SoC(System−on−a−Chip)、MCU(Micro Control Unit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、及びコプロセッサを含んでもよいが、これらに限定されない。SoCは、通信ユニット6等の他の構成要素が統合されていてもよい。
具体的には、コントローラ10は、ストレージ9に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行できる。コントローラ10は、ストレージ9に記憶されているデータを必要に応じて参照できる。コントローラ10は、データ及び命令に応じて機能部を制御する。コントローラ10は、機能部を制御することによって、各種機能を実現する。機能部は、例えば、ディスプレイ2A、通信ユニット6、レシーバ7、及びスピーカ11を含むが、これらに限定されない。コントローラ10は、検出部の検出結果に応じて、制御を変更することがある。検出部は、例えば、タッチスクリーン2B、ボタン3、照度センサ4、近接センサ5、マイク8、カメラ12、カメラ13、加速度センサ15、地磁気センサ16、角速度センサ17、GPSレシーバ18、及び温度センサ19を含むが、これらに限定されない。
コントローラ10は、例えば、制御プログラム9Aを実行することにより、タッチスクリーン2Bを介して判別されたジェスチャに応じて、ディスプレイ2Aに表示されている情報を変更する等の各種制御を実行できる。
コントローラ10は、制御プログラム9Aを実行することにより、加速度センサ15、地磁気センサ16、角速度センサ17、GPSレシーバ18、及び温度センサ19と協働する。コントローラ10は、加速度センサ15の検出結果に基づき、自機の移動状態を判別する処理を実行する。
スピーカ11は、コントローラ10から送信される音信号を音として出力できる。スピーカ11は、例えば、着信音及び音楽を出力してもよい。レシーバ7及びスピーカ11の一方が、他方の機能を兼ねてもよい。
カメラ12及びカメラ13は、撮影した画像を電気信号へ変換できる。カメラ12は、ディスプレイ2Aに面している物体を撮影するインカメラでもよい。カメラ13は、ディスプレイ2Aの反対側の面に面している物体を撮影するアウトカメラでもよい。カメラ12及びカメラ13は、インカメラ及びアウトカメラを切り換えて利用可能なカメラユニットとして、機能的及び物理的に統合された状態で電子機器1に実装されてもよい。
コネクタ14は、他の装置が接続される端子である。コネクタ14は、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)、ライトピーク(サンダーボルト(登録商標))、イヤホンマイクコネクタのような汎用的な端子であってもよい。コネクタ14は、Dockコネクタのような専用の端子でもよい。コネクタ14に接続される装置は、例えば、外部電源、外部ストレージ、スピーカ、及び通信装置を含むが、これらに限定されない。
加速度センサ15は、電子機器1に作用する加速度の方向及び大きさを検出できる。加速度センサ15は、検出した加速度値をコントローラ10に送出できる。コントローラ10は、加速度センサ15により検出される加速度の方向及び大きさ、又は加速度の方向及び大きさの時系列変化を含む加速度パターンに基づいて、自機の移動状態の変化を検出してもよい。
地磁気センサ16は、例えば、地磁気を計測することにより、電子機器1の向き(方位)を検出できる。地磁気センサ16は、検出した地磁気値をコントローラ10に送出できる。地磁気センサ16は、2軸タイプ及び3軸タイプのいずれであってもよい。地磁気センサ16は、磁界の向き及び大きさを検出してもよい。コントローラ10は、地磁気センサ16により検出される地磁気値に基づいて、利用者の進行方向を検出できる。
角速度センサ17は、例えば、電子機器1の角速度の大きさ及び方向を測定できる。角速度センサ17は、検出した角速度値をコントローラ10に送出できる。コントローラ10は、角速度センサ17により検出される角速度の大きさ及び方向、又は角速度の方向及び大きさの時系列変化を含む角速度パターンに基づいて、電子機器1の向きの変化を検出できる。コントローラ10は、例えば地磁気を検出できない環境等において、電子機器1の方位を電子機器1の向きの変化に基づいて変更できる。
GPSレシーバ18は、電子機器1の現在位置を検出できる。GPSレシーバ18は、GPS衛星からの所定の周波数帯の電波信号を受信し、受信した電波信号の復調処理を行って、処理後の信号をコントローラ10に送出する。本実施形態では、電子機器1は、GPSレシーバ18を有する場合について説明するが、これに限定されない。例えば、電子機器1は、GPS衛星以外の測位衛星からの電波信号を受信するレシーバを備えてもよい。例えば、電子機器1は、通信ユニット6が無線通信を用いる基地局に基づいて、現在位置を検出してもよい。例えば、電子機器1は、複数の方式を併用して、現在位置を検出してもよい。
温度センサ19は、電子機器1の周囲の温度を検出できる。例えば、温度センサ19は、サーミスタ等を含む。例えば、温度センサ19の検出結果は、利用者が安全な場所から屋外へ出たこと、利用者が屋外から安全な場所へ入ったことを検出するのに用いられる。
コントローラ10は、加速度センサ15、地磁気センサ16、及び角速度センサ17の各出力を組み合わせて利用してよい。複数のセンサの出力を組み合わせて利用することで、電子機器1は、自機の動きを高度に反映させた制御をコントローラ10によって実行できる。電子機器1は、加速度センサ15、地磁気センサ16、及び角速度センサ17を組み合わせて利用することで、利用者が歩いた歩数及び方向を検出することができる。
実施形態では、電子機器1は、加速度センサ15、地磁気センサ16、及び角速度センサ17をモーションセンサとして利用する場合について説明するが、これに限定されない。例えば、電子機器1は、加速度センサ15、地磁気センサ16、及び角速度センサ17を、1つのモーションセンサとして利用してよい。
図1においてストレージ9が記憶するプログラム及びデータの一部又は全部は、通信ユニット6による無線通信で他の装置からダウンロードされてもよい。図1においてストレージ9が記憶するプログラム及びデータの一部又は全部は、ストレージ9に含まれる読み取り装置が読み取り可能な非一過的な記憶媒体に記憶されていてもよい。図1においてストレージ9が記憶するプログラム及びデータの一部又は全部は、コネクタ14に接続される装置が読み取り可能な非一過的な記憶媒体に記憶されていてもよい。非一過的な記憶媒体は、例えば、CD(登録商標)、DVD(登録商標)、Blu−ray(登録商標)等の光ディスク、光磁気ディスク、磁気記憶媒体、メモリカード、及びソリッドステート記憶媒体を含むが、これらに限定されない。
図2は、電子機器1による制御の一例の処理手順を示すフローチャートである。図2に示す処理手順は、コントローラ10が制御プログラム9Aを実行することによって実現される。図2に示す処理手順は、コントローラ10によって繰り返し実行される。
図2に示すように、電子機器1のコントローラ10は、ステップS101として、温度センサ19の検出結果から所定の温度変化の有無を解析する。例えば、コントローラ10は、温度データ9Fの検出結果に、設定データ9Zの推定情報が示す所定の温度変化と類似又は一致する温度変化が存在する場合、当該温度変化を検出する。例えば、コントローラ10は、温度データ9Fの検出結果に、設定データ9Zの推定情報が示す所定の温度変化が含まれない場合、所定の温度変化を検出しない。
コントローラ10は、ステップS102として、ステップS101で所定の温度変化を検出したか否かを判定する。コントローラ10は、所定の温度変化を検出していないと判定した場合(ステップS102でNo)、図2に示す処理手順を終了させる。すなわち、コントローラ10は、利用者が移動している場所に変化はないため、処理を終了させる。
コントローラ10は、ステップS101で所定の温度変化を検出したと判定した場合(ステップS102でYes)、処理をステップS103に進める。コントローラ10は、ステップS103として、所定の温度変化に基づき、利用者が移動した場所を推定する。例えば、コントローラ10は、所定の温度変化と一致または類似する推定情報を設定データ9Zから特定し、当該推定情報が示す場所を利用者が移動した安全な場所/安全ではない場所として推定する。コントローラ10は、推定が終了すると、処理をステップS104に進める。
コントローラ10は、ステップS104として、ステップS103の推定結果に基づいて、推定した場所は安全な場所であるか否かを判定する。コントローラ10は、推定した場所は安全な場所であると判定した場合(ステップS104でYes)、処理をステップS105に進める。コントローラ10は、ステップS105として、安全な場所を示す情報を推定データ9Gに設定する。安全な場所を示す情報は、例えば、利用者の自宅、会社、車内、学校等を示す情報としてもよい。コントローラ10は、ステップS105の処理が終了すると、図2に示す処理手順を終了させる。
コントローラ10は、推定した場所は安全な場所ではないと判定した場合(ステップS104でNo)、処理をステップS106に進める。コントローラ10は、ステップS106として、安全ではない場所を示す情報を推定データ9Gに設定する。コントローラ10は、ステップS106の処理が終了すると、図2に示す処理手順を終了させる。
図2に示したように、電子機器1は、温度センサ19の検出結果に基づいて、利用者の移動に応じた場所の変化を推定することができる。その結果、電子機器1は、自機を携帯している利用者の現在の場所を推定することで、利用者の現在の場所に応じた処理の制御を行うことができる。電子機器1は、温度センサ19を用い、かつ複雑な演算処理等が不要なことから、実現性を向上させることができる。
図3は、電子機器1による報知処理に係る処理手順の一例を示すフローチャートである。図3に示す処理手順は、コントローラ10が制御プログラム9Aを実行することによって実現される。図3に示す処理手順は、コントローラ10によって繰り返し実行される。
図3に示すように、電子機器1のコントローラ10は、ステップS1001として、報知タイミングであるか否かを判定する。報知タイミングは、例えば、通信ユニット6によって外部の電子機器から電波を受信したタイミングを含む。報知タイミングは、例えば、GPSレシーバ18によって検出した位置が予め定められた場所に近づいたタイミングを含む。予め定められた場所は、例えば、交差点、交通事故が多発している場所等を含む。コントローラ10は、報知タイミングではないと判定した場合(ステップS1001でNo)、図3に示す処理手順を終了させる。コントローラ10は、報知タイミングであると判定した場合(ステップS1001でYes)、処理をステップS1002に進める。
コントローラ10は、ステップS1002として、ストレージ9から推定データ9Gを取得し、処理をステップS1003に進める。コントローラ10は、ステップS1003として、推定データ9Gの推定結果に基づいて、安全な場所が設定されているか否かを判定する。
コントローラ10は、安全な場所が設定されていると判定した場合(ステップS1003でYes)、処理をステップS1004に進める。コントローラ10は、ステップS1004として、利用者の危険度として第1値を設定する。利用者の危険度は、例えば、車両の運転手に対して通知する利用者の存在を注意する度合いを示している。例えば、運転中の車両の運転者は、交通事故を回避するために、屋内にいる利用者よりも、屋外を歩行している利用者を注意する必要がある。すなわち、利用者の危険度は、運転者が利用者の存在を注意する度合いが高いほど高い値が設定される。コントローラ10は、ステップS1004の処理が終了すると、処理を後述するステップS1006に進める。
コントローラ10は、安全な場所が設定されていないと判定した場合(ステップS1003でNo)、処理をステップS1005に進める。コントローラ10は、ステップS1005として、利用者の危険度として第2値を設定する。第2値は、第1値よりも高い危険度を示す値となっている。コントローラ10は、ステップS1005の処理が終了すると、処理をステップS1006に進める。
コントローラ10は、ステップS1006として、危険度を含む報知情報を作成し、処理をステップS1007に進める。コントローラ10は、ステップS1007として、通信ユニット6による報知情報の送信を制御する。その結果、通信ユニット6は、報知情報を含む電波を自機の外部に向けて送出する。コントローラ10は、ステップS1007の処理が終了すると、図3に示す処理手順を終了させる。
図3に示す処理手順では、電子機器1は、温度変化に基づいて安全な場所と推定した場合も、報知情報を通信ユニット6から送出する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、電子機器1は、温度変化に基づいて安全な場所と推定した場合、報知情報を通信ユニット6から送信しなくてもよい。
図4は、利用者の移動に応じた温度と時間との関係の一例を示す図である。図4に示す例では、屋外温度は、屋内温度よりも高い温度となっている。図4に示す例では、利用者が屋外から屋内へ移動した一例を示している。図4に示す例は、例えば、利用者が酷暑地等で自機を携帯している場合の温度変化パターンの一例を示している。
図4に示す例では、電子機器1は、温度センサ19によって急激な温度の上昇後に常温となる所定の温度変化パターンを検出すると、利用者が安全な場所から屋外へ移動したと推定できる。これに対し、図4に示す例において、電子機器1は、温度センサ19によって急激な温度の低下後に常温となる所定の温度変化パターンを検出すると、利用者が屋外から安全な場所へ移動したと推定できる。
図5は、利用者の移動に応じた温度と時間との関係の他の一例を示す図である。図5に示す例では、屋内温度は、屋外温度よりも高い温度となっている。図5に示す例では、利用者が屋内から屋外へ移動した一例を示している。図5に示す例は、例えば、利用者が寒冷地等で自機を携帯している場合の温度変化パターンの一例を示している。
図5に示す例では、電子機器1は、温度センサ19によって急激な温度の低下後に常温となる所定の温度変化パターンを検出すると、利用者が安全な場所から屋外へ移動したと推定できる。これに対し、図5に示す例において、電子機器1は、温度センサ19によって急激な温度の上昇後に常温となる所定の温度変化パターンを検出すると、利用者が屋外から安全な場所へ移動したと推定できる。
例えば、電子機器1は、温度センサ19の検出結果に基づいて、安全な場所から安全でない場所へ利用者が移動したと推定すると、高い危険度が設定された報知情報を通信ユニット6から外部の電子機器へ送信することができる。その結果、電子機器1は、利用者が安全な場所にいるか否かの推定結果に応じて、報知情報の危険度の値を変更することができる。
以下に実施形態の他の一例に係る電子機器1について説明する。実施形態の他の一例に係る電子機器1は、制御プログラム9Aの機能が異なる点を除いて、図1に示した電子機器1と同様の構成を有する。
図6は、電子機器1による制御の他の一例の処理手順を示すフローチャートである。図6に示す処理手順は、コントローラ10が制御プログラム9Aを実行することによって実現される。図6に示す処理手順は、コントローラ10によって繰り返し実行される。
図6に示す例では、ステップS102からステップS106の処理は、図2に示すステップS102からステップS106の処理と同一であるため、異なる部分のみを説明し、同一部分の説明は省略する。
図6に示すように、電子機器1のコントローラ10は、ステップS201として、GPSレシーバ18から自機の位置情報を取得し、処理をステップS202に進める。コントローラ10は、ステップS202として、自機の位置情報に対応した所定の温度変化を特定する。例えば、自機の位置情報が自宅、会社、学校等の予め登録された第1位置情報である場合、コントローラ10は、当該第1位置情報に紐付けられた所定の温度変化を設定データ9Zから特定する。例えば、自機の位置情報が寒冷地や酷暑地等の予め登録された第2位置情報である場合、コントローラ10は、当該第2位置情報に紐付けられた所定の温度を設定データ9Zから特定する。コントローラ10は、所定の温度変化を特定すると、処理をステップS203に進める。
コントローラ10は、ステップS203として、温度センサ19の検出結果から位置情報に対応した所定の温度変化の有無を解析する。例えば、コントローラ10は、温度データ9Fの検出結果に、ステップS202で特定した所定の温度変化と類似又は一致する温度変化が存在する場合、当該温度変化を検出する。例えば、コントローラ10は、温度データ9Fの検出結果に、ステップS202で特定した所定の温度変化が含まれない場合、所定の温度変化を検出しない。コントローラ10は、所定の温度変化の有無を解析すると、処理を既に説明したステップS102に進める。コントローラ10は、既に説明したステップS102以降の処理が終了すると、図6に示す処理手順を終了させる。
図6に示したように、電子機器1は、温度センサ19の検出結果と利用者の位置情報とに基づいて、利用者の移動に応じた場所の変化を推定することができる。その結果、電子機器1は、利用者の位置情報に対応した所定の温度変化を特定することができる。例えば、位置情報が利用者の自宅、会社、学校等の近傍を示している場合、利用者は、安全ではない場所から安全な場所に移動する可能性が高い。この場合、電子機器1は、当該位置における安全ではない場所から安全な場所に移動する場合の所定の温度変化を特定できる。例えば、位置情報が利用者の自宅、会社、学校等を示している場合、利用者は、安全な場所から安全ではない場所に移動する可能性が高い。この場合、電子機器1は、当該位置における安全な場所から安全ではない場所に移動する所定の温度変化を特定できる。このように、電子機器1は、自機の現在位置に応じた所定の温度変化に基づいて、移動した場所が安全な場所であるか否かの推定を行うことで、推定の精度を向上させることができる。
例えば、電子機器1は、GPSレシーバ18で検出した現在位置が所定の位置である場合に、所定の温度変化の有無に基づいて、利用者が移動した安全な場所を推定するようにしてもよい。所定の位置は、例えば、利用者の自宅、会社、学校等の位置を含む。電子機器1は、例えば、カメラ12又はカメラ13で撮影した画像に基づいて利用者の現在位置を特定してもよい。具体的には、電子機器1は、カメラ12又はカメラ13で電子機器1の周囲を撮影し、撮影した画像に、所定の位置と紐付けられた画像が映っているか否かを判定する。電子機器1は、所定の位置と紐付けられた画像が映っている場合に、現在位置が所定の位置であると判定する。所定の位置と紐付けられた画像の情報は、所定の位置で予め撮影した画像を解析してストレージ9に記録すればよい。電子機器1は、カメラ12又はカメラ13を用いて取得した画像の替わりに、通信ユニット6を介してウェアラブル端末等の他端末と通信して取得した他端末が撮像した画像を用いて、現在位置が所定の位置であると判定してもよい。
図7は、電子機器1による制御の他の一例の処理手順を示すフローチャートである。図7に示す処理手順は、コントローラ10が制御プログラム9Aを実行することによって実現される。図7に示す処理手順は、コントローラ10によって繰り返し実行される。
図7に示す例では、ステップS102からステップS106の処理は、図2に示すステップS102からステップS106の処理と同一であるため、異なる部分のみを説明し、同一部分の説明は省略する。
図7に示すように、電子機器1のコントローラ10は、ステップS301として、GPSレシーバ18から自機の位置情報を取得し、処理をステップS302に進める。コントローラ10は、ステップS302として、通信ユニット6を介して、位置情報に対応した地域の気象情報を外部の電子機器から取得する。例えば、コントローラ10は、自機の現在位置付近、地域等の気温情報を含む気象情報を、予め定められた配信サーバ等から取得する。コントローラ10は、取得処理が終了すると、処理をステップS303に進める。
コントローラ10は、ステップS303として、温度センサ19の検出結果と気象情報とに基づいて、所定の温度変化の有無を解析する。例えば、検出した地域の外気温が35℃である場合、温度センサ19によって検出した温度が25℃であると、利用者は屋内で涼んでいる可能性が高い。このため、コントローラ10は、温度センサ19が検出した温度と、気象情報が示す温度との差分を算出し、当該差分が所定の閾値よりも大きくなった場合に、所定の温度変化を検出する。コントローラ10は、温度センサ19が検出した温度と、気象情報が示す温度との差分を算出し、当該差分が所定の閾値よりも大きくない場合、所定の温度変化を検出しない。コントローラ10は、所定の温度変化の有無を解析すると、処理を既に説明したステップS102に進める。コントローラ10は、既に説明したステップS102以降の処理が終了すると、図7に示す処理手順を終了させる。
図7に示したように、電子機器1は、温度センサ19の検出結果と、自機の現在位置付近の外気温とに基づいて、利用者の移動に応じた場所の変化を推定することができる。その結果、電子機器1は、外気温を基準とした所定の温度変化に基づいて、安全な場所であるか否かの推定を行うことで、推定の精度を向上させることができる。
図8は、電子機器1による制御の他の一例の処理手順を示すフローチャートである。図8に示す処理手順は、コントローラ10が制御プログラム9Aを実行することによって実現される。図8に示す処理手順は、コントローラ10によって繰り返し実行される。
図8に示す例では、ステップS101からステップS106の処理は、図2に示すステップS101からステップS106の処理と同一であるため、異なる部分のみを説明し、同一部分の説明は省略する。
図8に示すように、電子機器1のコントローラ10は、ステップS401として、自機に関する発熱情報を取得する。例えば、発熱情報は、自機のデバイスが発熱しているか否かを判別するための情報を含む。例えば、発熱情報は、コントローラ10の使用率、使用状況等を示す情報を含む。例えば、発熱情報は、自機のデバイスの使用状況に関する情報を含む。コントローラ10は、処理が終了すると、処理をステップS402に進める。
コントローラ10は、ステップS402として、自機は発熱状態であるか否かを判定する。発熱状態は、例えば、温度センサ19の検出結果に影響を与える熱が自機に生じている状態を含む。例えば、温度センサ19は、自機が発熱している場合、その発熱による温度上昇を検出する可能性がある。このため、コントローラ10は、取得した発熱情報が所定の条件を満たす場合、自機は発熱状態であると判定する。所定の条件は、例えば、コントローラ10が発熱する使用状況を判定するための判定条件、発熱するデバイスの使用状況を判定するための判定条件等を含む。コントローラ10は、自機は発熱状態であると判定した場合(ステップS402でYes)、図8に示す処理手順を終了させる。
コントローラ10は、自機は発熱状態ではないと判定した場合(ステップS402でNo)、処理を既に説明したステップS101に進める。コントローラ10は、既に説明したステップS101以降の処理が終了すると、図8に示す処理手順を終了させる。
図8に示したように、電子機器1は、自機が発熱している可能性がある場合、利用者の移動の変化を推定しない。電子機器1は、自機が発熱していない場合に、温度センサ19の検出結果に基づいて利用者の移動に応じた場所の変化を推定することができる。その結果、電子機器1は、自機の発熱の影響を除外することで、温度に基づく場所の変化の推定精度を向上させることができる。
図8に示す処理手順では、自機が発熱状態ではないと、利用者が移動した場所が安全な場所であるか否かを推定する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、図8に示す処理手順は、自機が発熱状態である場合、温度センサ19の検出結果を補正して、利用者が移動した場所が安全な場所であるか否かを推定する処理手順としてもよい。例えば、図8に示す処理手順は、図6に示した自機の位置情報に関する処理手順、図7に示した気象情報に関する処理手順等を組み合わせてもよい。
図9は、電子機器1による制御の他の一例の処理手順を示すフローチャートである。図9に示す処理手順は、コントローラ10が制御プログラム9Aを実行することによって実現される。図9に示す処理手順は、コントローラ10によって繰り返し実行される。
図9に示す例では、ステップS101からステップS106の処理は、図2に示すステップS101からステップS106の処理と同一であるため、異なる部分のみを説明し、同一部分の説明は省略する。
図9に示すように、電子機器1のコントローラ10は、ステップS501として、加速度データ9Bに基づいて自機の状態を判別する。例えば、コントローラ10は、加速度データ9Bの加速度パターンと判別データ9Dの状態ごとの加速度パターンとを比較し、一致する判別データ9Dの加速度パターンに対応した状態を、自機の状態として判別する。コントローラ10は、判別した状態を状態データ9Cに記憶する。
コントローラ10は、ステップS502として、ステップS501で判別した自機の状態が、歩行状態又は走行状態であるか否かを判別する。コントローラ10は、歩行状態又は走行状態ではないと判定した場合(ステップS502でNo)、図9に示す処理手順を終了させる。コントローラ10は、歩行状態又は走行状態であると判定した場合(ステップS502でYes)、処理を既に説明したステップS101に進める。コントローラ10は、既に説明したステップS101以降の処理が終了すると、図9に示す処理手順を終了させる。
図9に示したように、電子機器1は、自機の状態が歩行状態又は走行状態である場合に、温度センサ19の検出結果に基づいて利用者が移動した場所が安全な場所であるか否かを推定することができる。例えば、温度センサ19が検出する温度は、利用者の周囲環境が変化したときに、急激に変化する可能性が高い。このため、電子機器1は、自機が歩行状態又は走行状態のときに場所の変化を推定することで、コントローラ10の処理負担を軽減することができる。
上記の実施形態では、電子機器1は、図6から図9に示す処理手順の各々をコントローラ10で実行する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、図6から図9に示す処理手順は、それらを組み合わせた処理手順としてもよい。図3に示す報知に係る処理手順は、図6から図9に示す処理手順と組み合わせてもよい。
図10は、報知システム100のシステム構成の一例を示すシステム図である。図10を参照しつつ、上記の電子機器1を含む報知システム100の一例について説明する。
図10に示すように、報知システム100は、上記の電子機器1と、路側機200と、車両300と、を備える。路側機200は、所定のエリア又は所定のエリアの近傍に設けられている。所定のエリアは、例えば、道路、交差点、駐車場等のエリアを含む。所定のエリアは、例えば、交通事故が発生する可能性がある箇所を含むエリアとしてもよい。路側機200は、所定のエリアの内部及び近傍の不特定多数の電子機器に電波を送信できる。車両300は、例えば、自動車、トラック、バス、タクシー、緊急車両等を含む。車両300は、車載装置310を備える。車載装置310は、例えば、路側機200からの電波が受信可能なように、車両300に搭載されている。車載装置310は、例えば、ナビゲーション装置、ETC(Electronic Toll Collection System)車載器、コンビネーションメータ、カーオーディオ等の車両300に搭載される車載装置を含む。車載装置310は、例えば、運転者によって車両300に持ち込まれる電子機器としてもよい。車両300に持ち込まれる電子機器は、例えば、携帯電話機、ウェアラブル装置、携帯ゲーム機等を含む。
路側機200及び車載装置310は、通信部を有する。路側機200と車載装置310とは、通信部を介して互いに双方向通信ができるように構成されている。路側機200と車載装置310とは、通信部を介して、屋内及び屋外の電子機器1と近距離無線による双方向通信ができるように構成されている。路側機200は、所定のエリアに関する情報を送信する機能を含む。車載装置310は、受信した情報を利用者に提供する機能を含む。
例えば、電子機器1を携帯する利用者は、屋外を歩行している。この場合、利用者は、自動車、バイク等の車両300との交通事故の可能性がある交通弱者である。電子機器1は、交通弱者を守るために、車両300等の運転者に対して利用者の存在を報知する機能を有している。電子機器1は、利用者が歩行している場合、温度センサ19によって安定した温度を検出することができる。電子機器1は、温度センサ19の検出結果から所定の温度変化を検出していない場合、利用者が安全な場所にいないと推定する。
図10に示すように、電子機器1の近傍に通信可能な路側機200と車載装置310とが存在する場合、電子機器1は、路側機200と車載装置310とに、利用者の存在を報知するための報知情報Dを含む電波を近距離無線によって送信する。例えば、報知情報Dは、利用者が屋外にいる可能性が高い場合、利用者の危険度が80%であることを示す情報を含む。その結果、電子機器1は、利用者の存在を路側機200、車載装置310等に報知できるため、利用者の安全性を向上させることができる。一方、車載装置310は、安全な場所にいない利用者が携帯する電子機器1からの報知情報Dを受信した場合、例えば、飛び出しの危険がある歩行者が近くにいることを運転者に報知することができる。その結果、運転者は、歩行者や自転車等の交通弱者との交通事故を回避できる可能性を向上することができる。また、路側機200は、安全な場所にいない利用者が携帯する電子機器1からの報知情報Dを受信した場合、例えば、路側機200に接近する車両300、車載装置310等に対して当該報知情報Dを転送することができる。その結果、路側機200は、車両300と交通弱者との交通事故の回避に貢献することができる。
例えば、電子機器1を携帯する利用者は、屋外から自宅、会社等の建物500内へ移動している。この場合、屋外の温度は、建物500内の温度よりも高い温度となっている。電子機器1は、温度センサ19の検出結果に基づいて、急激な温度の低下を示す所定の温度変化を検出する。所定の温度変化は、設定データ9Zの推定情報で安全な場所と紐付けられている。この場合、電子機器1は、検出した所定の温度変化に基づいて、利用者の移動した場所が安全な場所であると推定する。電子機器1は、加速度センサ15の検出結果に基づいて、自機の状態が歩行状態であると判別する。例えば、利用者は、建物500内を歩行している場合、建物500から屋外に飛び出す可能性がある。
電子機器1は、建物500の近傍に存在する路側機200、車載装置310等に、報知情報Dを含む電波を近距離無線によって送信する。例えば、報知情報Dは、利用者が屋内を歩行している可能性が高い場合、利用者の危険度が30%であることを示す情報を含む。その結果、電子機器1は、建物500から屋外に飛び出す可能性がある利用者の存在を路側機200、車載装置310等に報知できるため、利用者の安全性を向上させることができる。一方、車載装置310は、電子機器1から受信した報知情報Dの危険度等に基づいて、例えば、建物500から飛び出しの危険がある歩行者が近くにいることを運転者に報知することができる。その結果、運転者は、建物500等から飛び出す交通弱者との交通事故を回避できる可能性を向上することができる。
路側機200は、安全な場所にいる利用者が携帯する電子機器1からの報知情報Dを受信した場合、例えば、路側機200に接近する車両300、車載装置310等に対して当該報知情報Dを転送することができる。その結果、路側機200は、車両300と交通弱者との交通事故の回避に貢献することができる。
上記の実施形態では、電子機器1は、所定の温度変化に基づいて、利用者が移動した場所が安全な場所であるか否かを推定する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、電子機器1は、自機の状態の遷移と、所定の温度変化とに基づいて、利用者が車両300の内部から屋外へ移動したか否かを推定してもよい。例えば、電子機器1は、自機が乗り物での移動状態から歩行状態へ遷移し、当該遷移に応じた所定の温度変化を検出した場合に、乗り物の内部から屋外へ移動したと推定してもよい。
上記の実施形態では、電子機器1は、報知情報Dの危険度に80%又は30%の値を設定する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、電子機器1は、危険度として二段階よりも多くの段階に分割してもよい。
添付の請求項に係る技術を完全かつ明瞭に開示するために特徴的な実施形態に関し記載してきた。しかし、添付の請求項は、上記の実施形態に限定されるべきものでなく、本明細書に示した基礎的事項の範囲内で当該技術分野の当業者が創作しうるすべての変形例及び代替可能な構成を具現化するように構成されるべきである。