JP2018052206A - 車両用サイドドア構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】側面衝突時にセンタピラーとドアベルトライン部の双方に衝突荷重を効率的に伝達できる車両用サイドドア構造を得る。【解決手段】フロントサイドドア12は、車両上下方向においてインパクトビーム34とベルトラインリインフォースメント36の間で、ロックリインフォースメント38の車幅方向外側に荷重伝達部材40が配設されている。荷重伝達部材40は、車幅方向外側に延在するリブ76を備える。したがって、側面衝突により、MDB台車80のバンパ部82からフロントサイドドア12に対して衝突荷重が入力されると、荷重伝達部材40、ロックリインフォースメント38を介してベルトラインリインフォースメント36に伝達される。すなわち、センタピラーだけでなく、ドアベルトライン部にも効率的に衝突荷重を伝達することができる。【選択図】図2

Description

本発明は、車両用サイドドア構造に関する。
特許文献1には、サイドドアの内部に、車両側面視でセンタピラーとオーバーラップする位置に荷重伝達部材を設けることによって、衝突荷重をセンタピラーに効率的に伝達する構造が開示されている。具体的には、ドアインナの車外側にドアインナとの接続部に車内側を向く荷重を伝達可能な補強部と、ドアインナの車体上下方向の一部からセンタピラー側に向けて突出した突出部とを備えている。したがって、衝突時に所定値以上の衝突荷重がサイドドアに入力されることによって、突出部がセンタピラーに衝突して衝突体から補強部、ドアインナ、突出部を介した荷重伝達経路が形成され、衝突荷重がセンタピラーで支持される。
特開2007−022266号公報
上記特許文献1の技術は、ヒンジを経由することなく、ドア(補強体)からピラーに直接衝突荷重を伝達できるものであるが、側面衝突の衝突荷重をセンタピラーとドアベルトラインの両方に効率的に伝達するためには改善の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、側面衝突時にセンタピラーとドアベルトライン部の双方に衝突荷重を効率的に伝達できる車両用サイドドア構造を得ることが目的である。
請求項1記載の本発明に係る車両用サイドドア構造は、サイドドアの車幅方向外側の面を構成するドアアウタパネルと、前記ドアアウタパネルの車幅方向内側に配置され、前記ドアアウタパネルとの間にドア内部空間を形成するドアインナパネルと、前記ドア内部空間の上側に車両前後方向に延在して設けられ、ドアベルトライン部を補強するベルトラインリインフォースメントと、前記ドア内部空間において車両上下方向に延在して設けられ、上部が前記ベルトラインリインフォースメントに結合され、車両側面視でセンタピラーに重なるように配置されたブラケットと、前記ドア内部空間において前記ベルトラインリインフォースメントの車両下方かつ前記ブラケットの車幅方向外側で当該ブラケットに対向して配設されると共に、車幅方向外側に向かって延在する複数のリブを有し、車両前後方向において車幅方向視で前記ブラケットとオーバーラップしない部位にオーバーラップする部位よりも車幅方向内側に突出した突起部が形成された荷重伝達部材と、を備える。
請求項1記載の本発明では、サイドドアにおいて車両上下方向でベルトラインリインフォースメントの下方に側面衝突による衝突荷重が入力されると、ドアアウタパネルが車幅方向内側に変形してベルトラインリインフォースメントよりも下方でブラケットの車幅方向外側にブラケットに対向して配設された荷重伝達部材に当接される。衝突荷重が入力された荷重伝達部材が変位することによりブラケットに当接する。これにより、ブラケットに衝突荷重が入力され、車両上下方向に延在するブラケットの上部が結合されているベルトラインリインフォースメントに衝突荷重が伝達される。すなわち、ドアアウタパネルから荷重伝達部材、ブラケットを介してベルトラインリインフォースメントに至る荷重伝達経路が形成される。
ここで、ドアアウタパネルと荷重伝達部材、荷重伝達部材とブラケットが車幅方向で離間して配設されているように説明したが、それぞれが当接あるいは結合されていても良い。
このように、車幅方向においてドアアウタパネルとブラケットの間に荷重伝達部材を配置したことによって、衝突直後から衝突荷重が上記荷重伝達経路を介してベルトラインリインフォースメントに効率的に伝達される。したがって、サイドドアのドア内部空間の車両上下方向においてベルトラインリインフォースメントよりも下方の位置(高さ)に衝突荷重が入力された場合に、衝突直後に衝突高さのドアアウタパネルの変形のみが進行してベルトラインリインフォースメントに衝突荷重が伝達されないことを抑制する。
また、ブラケットは、車両側面視でセンタピラーに重なるように配置されているため、衝突荷重がブラケットを介してセンタピラーに効率的に入力される。
さらに、荷重伝達部材は、車幅方向に延在するリブが複数設けられているため、車幅方向の荷重入力に対して所定の剛性が確保されている。したがって、側突時に車幅方向の荷重をブラケットに効率的に伝達できる。
また、荷重伝達部材は車両前後方向において車両側面視でブラケットとオーバーラップしていない部位に、オーバーラップする部位よりも車幅方向内側に突出した突起部が形成されている。衝突荷重の入力の仕方によっては、平面視で荷重伝達部材に回転モーメントが作用することがあるが、突起部がブラケットの車幅方向に延在する面に当接することによって、荷重伝達部材の回転運動を防止又は抑制することができる。すなわち、荷重伝達部材とブラケットとの当接状態を安定的に維持して、側突時にサイドドアに入力された荷重を効率的にブラケットに伝達することができる。
請求項1記載の本発明に係る車両用サイドドア構造は、側面衝突時に衝突荷重をセンタピラーに効率的に伝達すると共に、ドアベルトライン部に効率的に伝達することができる。
本実施形態に係るフロントサイドドアのドアインナパネル側の構造を含む車両の要部側面図である。 本実施形態に係るフロントサイドドアとMDB台車の配置を示す縦断面図である。 図1におけるAーA線断面図である。 本実施形態に係るフロントサイドドアにMDB台車のバンパ部が衝突(当接)した際の変形状態を模式的に示した縦断面図であり、(A)はバンパ部が衝突した時点、(B)はバンパ部から荷重伝達部材に荷重が入力された時点、(C)はMDB台車の本体部が衝突した時点を示す縦断面図である。 比較例に係るフロントサイドドアにMDB台車のバンパ部が衝突(当接)した際の変形状態を模式的に示した縦断面図であり、(A)はバンパ部が衝突した時点、(B)はバンパ部によってフロントサイドドアが変形された時点、(C)はMDB台車の本体部が衝突した時点を示す縦断面図である。
次に、図1〜図5を用いて本発明の実施形態に係る車両用サイドドア構造について説明する。なお、車両前後方向前方側を矢印FRで示し、車幅方向外側を矢印OUTで示し、車両上下方向上側を矢印UPで示す。
図1に示すように、本実施形態の車両用サイドドア構造は、フロントサイドドア開口部22を開閉するフロントサイドドア12に適用されている。以下、先ず自動車である車両10の側部の概略の構成について説明し、次いでフロントサイドドア12の構成について説明する。
(車両10の側部の概略構成)
本実施形態の車両10(一部のみ図示)の側部には、車両上部及び下部にそれぞれ配置され車両前後方向に延びるルーフサイドレール14及びロッカ16が設けられている。また、車両10の側部には、ルーフサイドレール14の前端とロッカ16の前端とを車両上下方向に繋ぐフロントピラー18が設けられている。さらに、車両10の側部には、ルーフサイドレール14の前後方向の中間部とロッカ16の前後方向の中間部とを上下方向に繋ぐセンタピラー20及びリヤピラー(図示せず)が設けられている。ルーフサイドレール14、ロッカ16、フロントピラー18及びセンタピラー20によって車両側面視で略矩形状のフロントサイドドア開口部22が形成されている。また、フロントピラー18には、フロントサイドドア12が回動可能に支持されていると共に、センタピラー20の車両上下方向の中間部には、フロントサイドドア12に設けられたドアロック装置(図示せず)が係止される図示しないドアロックストライカが取付けられている。これにより、フロントサイドドア開口部22がフロントサイドドア12によって開閉可能とされている。
また、ルーフサイドレール14、ロッカ16、センタピラー20及びリヤピラーによって車両側面視で略矩形状のリヤサイドドア開口部(図示せず)が形成されている。リヤサイドドア開口部もフロントサイドドア12と同様にサイドドアとしてのリヤサイドドアによって開閉可能とされている。
(フロントサイドドア12の構成)
図2に示すように、サイドドアとしてのフロントサイドドア12は、車幅方向外側の面を構成するドアアウタパネル28と、ドアアウタパネル28の車幅方向内側に配置されたドアインナパネル30と、を含んで構成されたサイドドア本体部32を備えている。ドアアウタパネル28とドアインナパネル30で構成されるドア内部空間31には、図1及び図2に示すように、インパクトビーム34、ベルトラインリインフォースメント36、ロックリインフォースメント38、荷重伝達部材40等が配設されている。
ドアアウタパネル28は、鋼板材にプレス加工が施されることによって形成されたプレス成型品であり、またドアアウタパネル28の前端部、後端部、及び下端部は、ヘミング加工が施されることによってドアインナパネル30の前端部、後端部、及び下端部に接合されている。
ドアインナパネル30は、ドアアウタパネル28と同様に鋼板材にプレス加工が施されることによって形成されている。具体的には、ドアインナパネル30は、図1、図2に示すように、車両前後方向及び上下方向に延在する一般部42を備えている。図1に示すように、一般部42の車両前後方向の中間部には、略矩形状のサービスホール44が形成されている。また、一般部42においてサービスホール44の前方側及び後方側には、インパクトビームブラケット等を介してインパクトビーム34を固定するIBブラケット固定部46、48が設けられている。
また、図3に示すように、ドアインナパネル30は、後端部において、一般部42の後端から車幅方向外側に向けて延びる第1横壁部50と、第1横壁部50の車幅方向外側の端部から車両後方側に向けて延びる第1縦壁部52と、第1縦壁部52の車両後方側の端部から車幅方向外側に向けて延びる第2横壁部54と、第2横壁部54の車幅方向外側の端部から車両後方側に向けて延びる第2縦壁部56とを備えている。この第1縦壁部52及び第2縦壁部56はセンタピラー20と車幅方向で対向して(車両前後方向において車両側面視でオーバーラップして)配置されている。
図1及び図2に示すように、ドアインナパネル30に固定されるインパクトビーム34は鋼管材を用いて形成されており、ドア内部空間31に車両前後方向に延在して配置されている。また、インパクトビーム34は車両後方側に向けて車両下方側に傾斜して配置されている。さらに、インパクトビーム34の前端部及び後端部は上記IBブラケット固定部46、48によってドアインナパネル30に固定されている。
ドア内部空間31の上端部近傍には、図1及び図2に示すように、ベルトラインリインフォースメント36が車両前後方向に延在して配設されている。ベルトラインリインフォースメント36は、図2に示すように、ドアインナパネル30(ロックリインフォースメント38)の車幅方向外側に閉断面を形成することによりサイドドア本体部32のドアベルトライン部を補強しているものである。
また、ベルトラインリインフォースメント36の後端側には、図1に示すように、ブラケットの一例であるロックリインフォースメント38の上端が締結されている。ロックリインフォースメント38は、車両上下方向においてインパクトビーム34よりも上方の位置まで車両上下方向に延在している。
図3に示すように、ロックリインフォースメント38は、ドアインナパネル30の一般部42の後端部に沿って車両前後方向に向けて延びる第1前後壁部58と、第1前後壁部58の車両後方側の端部から車幅方向外側に向けて延びる第1横壁部60と、第1横壁部60の車幅方向外側の端部から車両後方側に向けて延びる第2前後壁部62と、第2前後壁部62の車両後方側の端部から車幅方向外側に向けて延びる第2横壁部64とを備えている。
ロックリインフォースメント38の第1前後壁部58、第1横壁部60、第2前後壁部62、第2横壁部64は、ドアインナパネル30の一般部42、第1横壁部50、第1縦壁部52、第2横壁部54にそれぞれ沿って配置され、ボルト65や溶接等でドアインナパネル30に固定されている。
したがって、ロックリインフォースメント38は、図3に示すように、車両側面視においてセンタピラー20とオーバーラップするように配置されている。
なお、ロックリインフォースメント38は、側面衝突時に衝突荷重が荷重伝達部材40から入力されても変形しない剛性を有する。
さらに、図2に示すように、ドア内部空間31において、ロックリインフォースメント38の下部の車幅方向外側には、荷重伝達部材40が取り付けられている。荷重伝達部材40は、樹脂から形成された所定の剛性を有する部材である。ここで、所定の剛性とは、側面衝突時にドアアウタパネル28とドアインナパネル30(ロックリインフォースメント)とに挟まれて変形しない剛性をいう。
荷重伝達部材40は、図2に示すように、略矩形で車幅方向外側が開口した中空箱形状であり、奥壁(車幅方向内側壁)66と、上壁68と、下壁70と、図3に示す前壁72と、後壁74とを備えている。この上壁68、下壁70との間に奥壁66から車幅方向外側に延在する複数の板状のリブ76が形成されている。リブ76は、車両上下方向を板厚方向とする板体であり、上壁68と下壁70の間に所定間隔をおいて配設されている。
また、前壁72には、図3に示すように、車両前後方向に所定の厚さを有し、奥壁66よりも車幅方向内側に突出した突起部78が形成されている。突起部78は、奥壁66がロックリインフォースメント38の第2前後壁部62にボルト65で締結されることにより、ロックリインフォースメント38の第1横壁部60の車両前方側に配置されている。ここで、車両前後方向において、荷重伝達部材40の奥壁66のうち、ロックリインフォースメント38の第2前後壁部62に当接されている部分が、本発明の車両前後方向において車両側面視でブラケットにオーバーラップする部分に相当し、第2前後壁部62よりも前方の(第2前後壁部62に当接されていない)部分(前壁72等も含む)がブラケットにオーバーラップしていない部分に相当する。
荷重伝達部材40は、図1及び図2に示すように、ロックリインフォースメント38の下部に締結されている。具体的には、図3に示すように、荷重伝達部材40の奥壁66が、ドアインナパネル30の第1縦壁部52とロックリインフォースメント38の第2前後壁部62にボルト65によって共締めされ、荷重伝達部材40の後壁74が、ドアインナパネル30の第2横壁部54とロックリインフォースメント38の第2横壁部64に上下二か所で図示しないボルトによって共締めされている。
これにより、荷重伝達部材40は、図1及び図2に示すように、車両上下方向において、インパクトビーム34とベルトラインリインフォースメント36の間に配置されることになる。本実施形態では、図2に示すように、後述する側面衝突試験用のMDB台車80(Moving Deformable Barrier)のバンパ部82と同一高さに荷重伝達部材40が配設されている。
(本実施形態の作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。図2には、本実施形態に係る車両10と側面衝突試験用のMDB台車80(Moving Deformable Barrier)とが示されている。このMDB台車80は、所謂SUVやミニバン等のように車高が高い自動車を模したものである。このMDB台車80を車両10に対して側面衝突させる側面衝突試験(IIHS MDB)に基づいて本実施形態の作用効果を説明する。この側面衝突試験では、MDB台車80の衝突速度が時速60キロメートルに設定されている。
また、比較例との比較によって本実施形態の作用を説明する。比較例に係る車両サイドドア構造は、図5(A)に模式的に示すように、本実施形態に係る車両サイドドア構造から荷重伝達部材40とロックリインフォースメント38とを取り除いた構成である。なお、比較例に係る車両サイドドア構造について、本実施形態に係る車両サイドドア構造と同一の構成要素には、同一の参照符号に100を足した参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。

また、図5(A)〜(C)は、それぞれ比較例に係るフロントサイドドア112に対してMDB台車80のバンパ部82が衝突(当接)した時点(t=0msとする)、バンパ部82が変形させた時点(t=β(0<β<α)msとする)、本体部84が衝突(当接)した時点(t=αmsとする)におけるフロントサイドドア112の変形状態を模式的に示す縦断面図である。
先ず、図5(A)に示すように、比較例に係るフロントサイドドア112に対して側面からMDB台車80を側面衝突させる。フロントサイドドア112において、MDB台車80のバンパ部82が衝突した車両上下方向高さ(以下、「衝突高さ」という場合がある)はインパクトビーム134とベルトラインリインフォースメント136の間である。
この際、車両側面視でフロントサイドドア112とセンタピラー120がオーバーラップする位置では、衝突高さでドアインナパネル30がセンタピラー120に当接することにより、衝突荷重がセンタピラー120に伝達される。フロントサイドドア112の変形によりバンパ部82から衝突荷重が入力されたセンタピラー120は、フロントサイドドア112よりも剛性が高く、車両上下方向で一体的に車幅方向内側に移動する。
一方、フロントサイドドア112では、図5(B)に示すように、衝突高さがインパクトビーム134とベルトラインリインフォースメント136の間であるため、衝突高さにおいてバンパ部82がドアアウタパネル128を大きく変形させて車幅方向内側に凹部190が形成される。すなわち、バンパ部82からフロントサイドドア112に伝達された荷重は、ドアアウタパネル128の変形に用いられるだけで、車両上下方向に効率的に伝達されない。この結果、フロントサイドドア112は、衝突高さで車幅方向内側に大きく変形されるのに対して、ベルトライン高さでは衝突荷重がほとんど伝達されていないベルトラインリインフォースメント136の車幅方向内側への変形が抑制される。
この結果、衝突高さにおいてバンパ部82がフロントサイドドア112の車幅方向内側に進入し、MDB台車80の本体部84がフロントサイドドア112に当接したタイミング(バンパ部82がフロントサイドドア112に当接したタイミングをt=0msとすると、t=αms)までは、フロントサイドドア112のベルトライン高さでは、ベルトラインリインフォースメント136に衝突荷重が効率的に伝達されず、フロントサイドドア112の変形によりセンタピラー120とドアインナパネル130の間隔d1(図5(B)参照)が当初間隔d0(図5(A)参照)よりも広くなる。
この後、ベルトライン高さでは、DMB台車80の本体部84がフロントサイドドア112を車幅方向内側へ押圧することによってフロントサイドドア112が全体として車幅方向内側に変形する。したがって、t=αmsには、ベルトライン高さにおけるフロントサイドドア112とセンタピラー120との間隔d2(図5(C)参照)が当初間隔d0よりも狭くなる。
このように、フロントサイドドア112では、MDB台車80のバンパ部82がフロントサイドドア112を押圧し始めてから本体部84がフロントサイドドア112に当接するまでの間に(0ms≦t≦αms)、ベルトライン高さにおけるフロントサイドドア112とセンタピラー20との車幅方向の間隔d1が当初間隔d0よりも広がる。このように、ベルトライン高さにおける間隔d1が大きくなるため、本体部84の押圧によるフロントサイドドア112の車幅方向内側への加速度が大きくなり、フロントサイドドア112の進入速度が高くなる。
特に、フロントサイドドア112の車両上下方向において、車両前後方向に延在するインパクトビーム134とベルトラインリインフォースメント136の間にMDB台車80のバンパ部82が衝突(当接)しているため、フロントサイドドア112に入力された衝突荷重を効率的にベルトラインリインフォースメント136に伝達することができない。この結果、ベルトライン高さで、変形途中にフロントサイドドア112とセンタピラー120との間隔d1が当初間隔d0よりも拡大し、車幅方向内側へのフロントサイドドア112の進入速度が増大する。
続いて、本実施形態のフロントサイドドア12の場合について説明する。なお、比較例と同様に、図4(A)〜(C)は、それぞれ本実施形態(本実施例)に係るフロントサイドドア12に対してMDB台車80のバンパ部82が衝突(当接)した時点(t=0msとする)、バンパ部82が荷重伝達部材40に荷重を伝達し始めた時点(t=β(0<β<α)msとする)、本体部84が衝突(当接)した時点(t=αmsとする)、のフロントサイドドア12の変形状態を模式的に示す縦断面図である。
本実施形態に係るフロントサイドドア12は、図1及び図2に示すように、車両上下方向においてインパクトビーム34とベルトラインリインフォースメント36の間で、ロックリインフォースメント38の下部の車幅方向外側に荷重伝達部材40が締結されている。すなわち、車両上下方向でMDB台車80のバンパ部82に対応する高さ(少なくとも一部がバンパ部82にオーバーラップする位置)に荷重伝達部材40が配設されている。
したがって、フロントサイドドア12の側面からMDB台車80のバンパ部82が側面衝突すると、ドアアウタパネル28から荷重伝達部材40、荷重伝達部材40が下部に結合されたロックリインフォースメント38に衝突荷重が伝達される。さらに、衝突荷重は、ロックリインフォースメント38の上部が固定されたベルトラインリインフォースメント36に伝達される。すなわち、ドアアウタパネル28から荷重伝達部材40、ロックリインフォースメント38を介してベルトラインリインフォースメント36に至る荷重伝達経路が形成される。
特に、荷重伝達部材40は、図3に示すように、その奥壁66がロックリインフォースメント38の第2前後壁部62とドアアウタパネル28の第1縦壁部52に共締めされて固定されている。すなわち、荷重伝達部材40は、この部分でロックリインフォースメント38に車両側面視で車両前後方向にオーバーラップしているため、荷重伝達部材40からロックリインフォースメント38に荷重が効率的に伝達され、ベルトラインリインフォースメント36に効率的に荷重を伝達することができる。
また、荷重伝達部材40には、図2に示すように、奥壁66から車幅方向外側に延在するリブ76が上壁68と下壁70の間に所定間隔をおいて複数形成されているため、車幅方向外側からの荷重入力に対する剛性が高く、MDB台車80のバンパ部82からの衝突荷重を効率的にロックリインフォースメント38に伝達できる。
さらに、荷重伝達部材40の奥壁66が、ロックリインフォースメント38の第2前後壁部62の全体に当接されているため、荷重伝達部材40からロックリインフォースメント38に車幅方向内側に荷重伝達される際の面圧を低下させることができる。したがって、ロックリインフォースメント38の局所変形を防止又は抑制することができる。これにより、ロックリインフォースメント38を介してベルトラインリインフォースメント36に一層効率的に荷重を伝達することができる。
また、荷重伝達部材40は、図3に示すように、車両前後方向において、奥壁66がロックリインフォースメント38の第2前後壁部62に当接されていない部分(本発明の車両前後方向でブラケットにオーバーラップされていない部位に相当する)に、奥壁66から車幅方向内側に突出した突起部78が形成されている。この突起部78がロックリインフォースメント38の第1横壁部60の車両前方側に隣接して配置されている。
したがって、側突により荷重伝達部材40に荷重が入力されると、図3に示すように、荷重伝達部材40に回転モーメントMが作用して荷重伝達部材40が平面視で回転するおそれがある。荷重伝達部材40が回転すると、ロックリインフォースメント38に対する荷重伝達部材40の当接状態が変化(当接面積の減少など)して衝突荷重がロックリインフォースメント38に効率的に伝達されないおそれがあった。
しかしながら、本実施形態の車両用サイドドア構造では、突起部78がロックリインフォースメント38の第1横壁部60の車両前方側に隣接して配置されているため、回転モーメントMが作用すると、突起部78がロックリインフォースメント38の第1横壁部60に当接して荷重伝達部材40の回転を防止する。この結果、荷重伝達部材40のロックリインフォースメント38に対する当接状態の変化を防止又は抑制する。すなわち、荷重伝達部材40からロックリインフォースメント38に効率的に荷重が伝達される状態を維持することができる。
したがって、フロントサイドドア12に対してMDB台車80のバンパ部82が当接したタイミング(t=0ms)からMDB台車80の本体部84が当接するタイミング(t=αms)までの間、フロントサイドドア12のベルトライン位置では、ベルトラインリインフォースメント36に効率的に衝突荷重が入力される。この結果、フロントサイドドア12は、ベルトライン高さの部位(ベルトラインリインフォースメント36)も衝突高さの部位と同様に、車幅方向内側に大きく変位する(図4(B)参照)。
この際、車両側面視でフロントサイドドア12とセンタピラー20がオーバーラップする位置では、衝突高さでドアインナパネル30がセンタピラー20に当接することにより、衝突荷重がセンタピラー20に伝達される。フロントサイドドア12の変形によりバンパ部82から衝突荷重が入力されたセンタピラー20は、フロントサイドドア12よりも剛性が高く、車両上下方向で一体的に車幅方向内側に移動する。
このように、ベルトライン高さにおいて、センタピラー20もベルトラインリインフォースメント36も同様に車幅方向内側に変位する。特に、フロントサイドドア12のベルトラインリインフォースメント36には、荷重伝達部材40を介して効率的に荷重が伝達されるため、本体部84がフロントサイドドア12に当接したタイミング(t=αms)より前のタイミング(t=βms)でも、フロントサイドドア12のドアインナパネル30とセンタピラー20との間隔D1(図4(B)参照)が当初間隔D0(=d0)(図4(A)参照)よりも狭くなる。
この後、フロントサイドドア12に本体部84が車幅方向内側に押圧することによってフロントサイドドア12が全体として車幅方向内側に変位する。すなわち、ベルトライン高さにおいて、フロントサイドドア12とセンタピラー20との間隔D2(図4(C)参照)が間隔D1(図4(B)参照)よりもさらに狭くなる。
このように本実施形態に係るフロントサイドドア12では、MDB台車80のバンパ部82が側面衝突すると、衝突荷重がドアアウタパネル28、荷重伝達部材40、ロックリインフォースメント38を介してベルトラインリインフォースメント36に効率的に伝達される。この結果、フロントサイドドア12は、0ms≦t≦αmsのタイミングで、衝突高さの部位とベルトライン高さの部位が一緒になって車幅方向内側に変位する。したがって、側面衝突時にベルトライン高さにおいて、フロントサイドドア12とセンタピラー20との車幅方向間隔が当初間隔D0から間隔D1、D2と徐々に減少される。
すなわち、側面衝突時にベルトライン高さにおいて、フロントサイドドア12がセンタピラー20に当接するまでの車幅方向間隔(空走距離)が抑制され、本体部84に押圧されることによりフロントサイドドア12の車室内に対する車幅方向の進入速度が増加することが抑制される。
なお、本実施形態では、荷重伝達部材40を樹脂からなるものとして説明したが、板金等から形成しても良い。側面衝突時に、変形せずにロックリインフォースメント38に衝突荷重を伝達可能であれば、材料を特に限定するものではない。
また、荷重伝達部材40とベルトラインリインフォースメント36間に荷重を伝達するものとしてロックリインフォースメント38を選択したが、これに限定されるものではない。車両上下方向で荷重伝達部材40からベルトラインリインフォースメント36まで車両上下方向に延在し、所定の剛性を有する部材であれば良い。
さらに、荷重伝達部材40は、車両高さ方向でベルトラインリインフォースメント36とインパクトビーム34の間に配設されたが、これに限定されるものではない。荷重伝達部材40がインパクトビーム34よりも下方に配置される場合には、ロックリインフォースメント38もその位置まで延長される。
また、本実施形態では、荷重伝達部材40のリブ76は、車両上下方向を板厚方向とした板体であったが、板厚方向は特に限定するものではない。例えば、リブ76は、車両前後方向を板厚方向とするものでも良い。
さらに、本実施形態では、フロントサイドドア12について説明したが、リヤサイドドアに適用しても良い。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
12 フロントサイドドア(サイドドア)
20 センタピラー
28 ドアアウタパネル
30 ドアインナパネル
34 インパクトビーム
36 ベルトラインリインフォースメント
38 ロックリインフォースメント(ブラケット)
40 荷重伝達部材
76 リブ
78 突起部

Claims (1)

  1. サイドドアの車幅方向外側の面を構成するドアアウタパネルと、
    前記ドアアウタパネルの車幅方向内側に配置され、前記ドアアウタパネルとの間にドア内部空間を形成するドアインナパネルと、
    前記ドア内部空間の上側に車両前後方向に延在して設けられ、ドアベルトライン部を補強するベルトラインリインフォースメントと、
    前記ドア内部空間において車両上下方向に延在して設けられ、上部が前記ベルトラインリインフォースメントに結合され、車両側面視でセンタピラーに重なるように配置されたブラケットと、
    前記ドア内部空間において前記ベルトラインリインフォースメントの車両下方かつ前記ブラケットの車幅方向外側で当該ブラケットに対向して配設されると共に、車幅方向外側に向かって延在する複数のリブを有し、車両前後方向において車幅方向視で前記ブラケットとオーバーラップしない部位にオーバーラップする部位よりも車幅方向内側に突出した突起部が形成された荷重伝達部材と、
    を備える車両用サイドドア構造。
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