JP2018051721A - 異常検出装置、異常検出方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】精度よく機器の異常を検出することを目的とする。
【解決手段】機器又は機器の周辺において所定の物理量を計測する第1のセンサにより計測された計測値の計測データを取得する取得手段と、異常検出の対象として取得された対象計測データの計測タイミングにおける機器又は機器の周辺の状態を示す情報に基づいて、異常と異なる事象で、第1のセンサの計測値に影響を及ぼす事象である特定事象が、計測タイミングにおいて発生していたか否かを判定する判定手段と、計測タイミングにおいて特定事象が生じていたと判定された場合に、対象計測データを用いた異常検出処理を行わないよう制御し、特定事象が生じていなかったと判定された場合に、対象計測データを用いた異常検出処理を行うよう制御する制御手段と、制御手段の制御に従い、対象計測データに基づいて、異常を検出する異常検出手段とを有する。
【選択図】図4
【解決手段】機器又は機器の周辺において所定の物理量を計測する第1のセンサにより計測された計測値の計測データを取得する取得手段と、異常検出の対象として取得された対象計測データの計測タイミングにおける機器又は機器の周辺の状態を示す情報に基づいて、異常と異なる事象で、第1のセンサの計測値に影響を及ぼす事象である特定事象が、計測タイミングにおいて発生していたか否かを判定する判定手段と、計測タイミングにおいて特定事象が生じていたと判定された場合に、対象計測データを用いた異常検出処理を行わないよう制御し、特定事象が生じていなかったと判定された場合に、対象計測データを用いた異常検出処理を行うよう制御する制御手段と、制御手段の制御に従い、対象計測データに基づいて、異常を検出する異常検出手段とを有する。
【選択図】図4
Description
本発明は、異常検出装置、異常検出方法及びプログラムに関する。
従来、機器の異常の検知や将来の故障発生時期の予測等のために、機器に取り付けたセンサで種々の物理量を計測したデータを解析する方法が知られている(特許文献1参照)。さらに解析方法としては、機械学習を用いるものが知られている。一般的な機械学習の方法は、機器が正常動作している期間の計測データを用いて正常モデルを学習するものであり、正常モデルに従わないデータが計測された場合に、それを機器の異常として検知する。
しかしながら、機器が設置される環境によっては、センサに対する外乱を回避することが困難な場合がある。例えば工場に設置する機器や屋外に設置する機器であれば、車両通過や風雨を原因とする振動や騒音等の外乱が不可避的に存在する。そうした外乱はノイズ源となってセンサの計測データの質を低下させてしまう。
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、外乱が生じ得る状況においても、精度よく機器の異常を検出することを目的とする。
そこで、本発明は、機器の異常を検出する異常検出装置であって、前記機器又は前記機器の周辺において所定の物理量を計測する第1のセンサにより計測された計測値を示す計測データを取得する取得手段と、異常検出の対象として取得された対象計測データの計測タイミングに対応するタイミングにおける前記機器又は前記機器の周辺の状態を示す情報に基づいて、前記異常と異なる事象で、前記第1のセンサの計測値に影響を及ぼす事象である特定事象が、前記計測タイミングにおいて発生していたか否かを判定する判定手段と、前記計測タイミングにおいて特定事象が生じていたと判定された場合に、前記対象計測データを用いた異常検出処理を行わないよう制御し、前記特定事象が生じていなかったと判定された場合に、前記対象計測データを用いた異常検出処理を行うよう制御する制御手段と、前記制御手段の制御に従い、前記対象計測データに基づいて、異常を検出する異常検出手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、外乱が生じ得る状況においても、精度よく機器の異常を検出することができる。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、異常検出システムを示す図である。異常検出システムは、ロボット等の機器を異常検出の対象とする。そして、異常検出システムは、センサ等の計測データに基づいて、機器の異常を検出する。ここで、センサは、機器の状態を示す物理量を計測するものとする。また、異常とは、故障やその予兆等、正常動作時の状態として想定される状態と異なる状態をいう。
(第1の実施形態)
図1は、異常検出システムを示す図である。異常検出システムは、ロボット等の機器を異常検出の対象とする。そして、異常検出システムは、センサ等の計測データに基づいて、機器の異常を検出する。ここで、センサは、機器の状態を示す物理量を計測するものとする。また、異常とは、故障やその予兆等、正常動作時の状態として想定される状態と異なる状態をいう。
生産ロボット101は、アーム型のロボットであり、2本のアームと2つの関節を有し、各関節に内蔵されたモータでアームを駆動する。本実施形態においては、生産ロボット101は、異常検知の対象となる機器である。振動センサ102は、生産ロボット101の関節に設置され、関節に内蔵されたモータや、関節を構成するベアリング等の部品が発生する振動を計測する。ここで、一般に振動センサ102はロボットやモータの物理特性に応じて選択される。
マイク103は、生産ロボット101のモータ及び関節が発する音を計測する。本実施形態においては、マイク103は、生産ロボット101から離れた位置に設置されるものとする。但し、マイク103の設置位置は実施形態に限定されるものではなく、例えば、生産ロボット101のアームや関節に取り付けられてもよい。また、計測する音域に応じて、複数のマイク103を設置してもよい。なお、振動センサ102及びマイク103は、異常検知の対象となる生産ロボット101の状態を示す物理量を計測するセンサの一例である。カメラ104は、生産ロボット101及び生産ロボット101の周辺環境を撮影可能に設置され、振動センサ102とマイク103に対する外乱の要因となり得る事象の発生を撮影する。なお、振動センサ102及びマイク103は、異常検出の対象となる機器である生産ロボット101、又は生産ロボット101の種変において所定の物理量を計測するセンサの一例である。
管理装置120は、本システムを管理するコンピュータである。機器フレーム105を介して生産ロボット101、振動センサ102、マイク103、カメラ104と接続し、各機器の動作を制御する。情報処理装置110は、振動センサ102、マイク103及びカメラ104の出力するデータを処理するコンピュータである。情報処理装置110は、機器フレーム105を介して振動センサ102、マイク103、カメラ104と接続し、各機器からデータを取得し、自装置の記憶装置に格納する。情報処理装置110はまた、取得したデータを解析して生産ロボット101の異常を検出する。なお、情報処理装置110は、異常検出に用いるモデルパラメータの学習も行う。情報処理装置110は、異常検出装置及び学習装置の一例である。
無人運搬機106は、生産ロボット101が組み立てる部品等を運搬する。本システムでは、生産ロボット101の近傍を走行する無人運搬機106が発する振動と音が振動センサ102及びマイク103により検出される。しかし、無人運搬機106が発する振動や音は、生産ロボット101の異常に応じて発生したものではない。このような生産ロボット101の異常に起因しない、外的要素を外乱と称することとする。また、振動センサ102及びマイク103により得られた計測データのうち、外乱に対応した値を示すデータを外乱起因データと称することとする。本実施形態においては、無人運搬機106の振動が外乱となる場合を例に説明する。ただし、外乱要因は、実施形態に限定されるものではない。他の例としては、人や物体の転倒や転落、装置の敷設工事等、撮影データから認識可能な特定の事象であればよい。
図2は、情報処理装置110のハードウェア構成を示す図である。CPU201は、OS(Operating System)及び各種アプリケーションプログラムを実行し、コンピュータ装置各部の制御を行う。ROM202は、CPU201が実行するプログラムや演算用のパラメータのうちの固定的なデータを格納する。RAM203は、CPU201の作業領域やデータの一時記憶領域を提供する。ROM202及びRAM203は、バス204を介してCPU201に接続される。キーボード等の入力装置205、CRT、液晶ディスプレイ等の表示装置206、ハードディスク装置、MO、CD−ROM等の外部記憶装置207は、インタフェース208を介してバス204に接続されている。また、バス204は通信部209を介してネットワークと接続される。
図3は、管理装置のハードウェア構成を示す図である。ロボット制御部301は、生産ロボット101の動作を制御する。センサ制御部302は、振動センサ102とマイク103の動作を制御する。カメラ制御部303は、カメラ104の動作を制御する。通信部304は、機器フレーム105を介して生産ロボット101、振動センサ102、カメラ104と通信する。通信部304はまた、情報処理装置110と通信する。操作部305は、本システムを操作するためのユーザインタフェースであり、教師データの作成をシステムに指示することができる。表示部306は、異常検の結果をユーザに通知するためのユーザインタフェースである。
図4は、情報処理装置110の機能構成を示す図である。計測DB401は、学習用の複数の計測データ、すなわち教師データを記憶している。なお、本実施形態においては、情報処理装置110は、振動センサ102の計測データに基づいて、異常検出を行うものとし、計測DB401には、振動センサ102による計測データが記憶されているものとする。なお、情報処理装置110はセンサの計測データに基づいて異常検出を行えばよく、センサの種類は実施形態に限定されるものではない。他の例としては、情報処理装置110は、マイク103による計測データに基づいて、異常検出を行ってもよい。この場合、計測DB401には、マイク103による計測データが記憶される。また、他の例としては、情報処理装置110は、振動センサ102による計測データ及びマイク103による計測データに基づいて、異常検出を行ってもよい。この場合、計測DB401には、振動センサ102による計測データ及びマイク103による計測データが記憶される。映像DB402は、学習用の映像を記憶している。学習用の映像は、教師データとしての計測データの計測タイミングに対応するタイミングにおいてカメラ104により撮影されたものである。
教師データ及び映像データの生成及び格納は、ユーザ操作に応じて実行される。すなわち、ユーザ操作に応じた指示が入力されると、管理装置120が生産ロボット101、振動センサ102及びカメラ104を稼働し、計測データ及び映像データを得る。なお、この間、ユーザは、生産ロボット101が正常に稼働していることを確認し、正常に稼働している間に得られた計測データ及び映像データを計測DB401及び映像DB402に格納するよう指示する。本指示に従い、情報処理装置110の通信処理部404は、振動センサ102から計測データを受信し、これを計測DB401に格納し、カメラ104から映像データを受信し、これを映像DB402に格納する。通信処理部404は、映像データにオブジェクトを検索可能なインデックスを付与する。
外乱DB403は、外乱特徴量を記憶する。ここで、外乱特徴量は、外乱が生じたと判定する際に参照される特徴量である。なお、外乱DB403には、外乱判定に適切な値が外乱特徴量として予め記憶されている。外乱は、情報処理装置110が検出対象とする生産ロボット101の異常とは異なる事象であり、異常検出のための計測データに対し、ノイズ源となり得る事象である。すなわち、外乱は、特定事象の一例である。また、外乱特徴量は、特定事象の特徴量の一例である。
図5(a)は、振動センサ102及びマイク103に共通の計測データ構造の一例を示す図である。計測データ500は、測定時刻501、計測値502及びタイプ503を含む。なお、測定時刻を計るシステム内の時計は全て同期しているものとする。図5(b)は、外乱特徴量のデータ構造の一例を示す図である。外乱特徴量510は、オブジェクト特徴量511及びオブジェクト速度512を含む。オブジェクト特徴量511は、外乱に関係するオブジェクトである無人運搬機106の撮影画像の画像特徴量である。オブジェクト速度512は、映像データから得られるオブジェクトの速度であり、本実施形態においては、無人運搬機106の走行速度である。
図4に戻り、通信処理部404は、外部装置とデータの送受信を行う。通信処理部404は、計測データや映像データ等を受信する。通信処理部404はまた、異常検出結果を管理装置120に送信する。外乱判定部405は、外乱DB403に記憶されている外乱特徴量に基づいて、外乱の有無を判定する。学習部406は、計測DB401に記憶されている教師データに基づいて、異常検出部407が異常検出処理に利用するモデルパラメータの学習を行う。学習部406は、このとき計測DB401から特定事象の発生時に計測された教師データを除いた教師データ群を用いる。
異常検出部407は、学習部406により設定されたモデルパラメータを用いて、通信処理部404を介して受信した対象計測データに基づいて、異常を検出する。ここで、対象計測データとは、異常検出の対象として入力された計測データである。制御部408は、対象計測データに対する異常検出部407による異常検出処理の実行を制御する。異常検出部407は、制御部408により実行が指示された場合に異常検出処理を行い、制御部408により実行が指示されなかった場合には、対象計測データが入力された場合であっても、対象計測データを用いた異常検出処理を行わない。
図6は、情報処理装置110によるモデル学習処理を示すフローチャートである。モデル学習処理において、情報処理装置110は、異常検出部407が利用するモデルパラメータを学習する。なお、学習処理の開始前に、計測DB401及び映像DB402には、教師データとしての計測データ及び計測データの計測タイミングに対応するタイミングにおいて撮影された映像データが記憶されているものとする。
学習処理においては、まず、S601において、外乱判定部405は、教師データの計測タイミングに対応するタイミングにおける外乱の有無を判定する。具体的には、まず、学習部406が、計測DB401から計測データの教師データを読み込む。学習部406は、読み込んだ教師データを外乱判定部405に渡し、外乱起因データの除去を指示する。外乱判定部405は、外乱DB403から外乱特徴量を取得し、教師データとしての計測データの測定開始時刻、終了時刻及び外乱特徴量を検索条件として、映像DB402のインデックスからオブジェクトを検索する。
この場合の検索条件を図7に示す。外乱判定部405は、教師データの測定開始時刻から終了時刻の間に撮影され(701)、かつオブジェクト(無人運搬装置)を被写体に含む(702)フレームを検索する。なお、撮影タイミングは、教師データの測定開始時刻と終了時刻を基準として定まる時間範囲の値であればよく、必ずしも測定開始時刻から終了時刻の間の値である必要はない。また、外乱判定部405は、オブジェクトとしての無人運搬機106の走行速度に応じて、時間範囲を定めてもよい。また、これを実施するため、オブジェクト速度512を検索条件に加えてもよい。
条件に合致するフレームがヒットした場合、映像DB402は、ヒットしたフレームの撮影時刻を外乱判定部405に返す。外乱判定部405は、撮影時刻が返された場合に、外乱ありと判定する。S602において、学習部406は、外乱ありと判定されたか否かを確認する。学習部406は、外乱ありと判定された場合には(S602でYes)、処理をS603へ進める。学習部406は、外乱なしと判定された場合には(S602でNo)、処理をS605へ進める。
S603において、学習部406は、計測DB401に記憶されている教師データの中から、外乱ありと判定されたフレームの撮影時刻に対応する計測時刻に計測された教師データを外乱起因データとして特定する。すなわち、外乱起因データは、外乱の発生タイミングに対応する計測タイミングにおいて計測された教師データである。次に、S604において、学習部406は、計測DB401に記憶されている教師データのうち外乱起因データを除いた教師データに基づいて、モデル学習を行い、異常検出部407が利用するモデルパラメータを求める。本処理は、発生タイミングに対応するタイミングにおいて計測された教師データ以外の教師データに基づいて、モデルパラメータを学習する学習処理の一例である。学習部406は、S604の処理の後、処理をS606へ進める。ここで、モデル学習は、生産ロボット101の正常動作時に対応する振動センサ102の変動パターンのモデルを学習するものである。なお、1次元の時系列データに対する正常モデルの学習は公知のアルゴリズムを用いて容易に実施可能である。
一方、S605においては、学習部406は、計測DB401に格納されているすべての教師データに基づいて、モデル学習を行い、異常検出部407が利用するモデルパラメータを求める。すなわち、S605においては、外乱起因データを学習対象の教師データから除く処理は行われない。学習部406は、S605の処理の後、処理をS606へ進める。S606において、学習部406は、異常検出部407に対し、モデルパラメータを設定する。以上で学習処理が終了する。以上の処理により、異常検出部407は、振動センサ102の正常モデルを有する検出器となり、異常な計測データの検出が可能となる。
図8は、情報処理装置110による、異常検出処理を示すフローチャートである。S801において、通信処理部404は、異常検出の対象となる対象計測データを受信する。通信処理部404は、対象計測データを受信すると、外乱判定部405に外乱判定の実行を指示する。次に、S802において、外乱判定部405は、外乱判定を行う。ここでは、外乱判定部405は、対象計測データの計測タイミングにおいて外乱が生じたか否かを判定する。すなわち、外乱判定部405は、外乱DB403の外乱特徴量と、対象計測データの計測タイミングと同一のタイミングに得られたフレームと、に基づいて、外乱の有無を判定する。なお、外乱判定の詳細な処理は、図6を参照しつつ説明した判定処理(S602)における処理と同様である。なお、この場合においても、対象計測データの計測タイミングと撮影タイミングは必ずしも同一である必要はなく、対応するタイミングであればよい。ここで、対応するタイミングは、例えば、計測タイミングを基準とした一定範囲のタイミングである。
次に、S803において、制御部408は、外乱ありと判定された場合には(S803でYes)、処理をS804へ進める。制御部408は、外乱なしと判定された場合には(S803でNo)、処理をS805へ進める。S804において、制御部408は、対象計測データは外乱起因データであると判断し、対象計測データを用いた異常検出処理を行わないよう異常検出部407に指示を出す。一方、S805において、制御部408は、対象計測データを用いた異常検出処理を行うよう異常検出部407に指示を出す。次に、S806において、異常検出部407は、制御部408の指示に従い、対象計測データを用いた異常検出処理を行う。
以上のように、情報処理装置110は、対象計測データが外乱起因データである場合には、正しく異常を検出できないため、対象計測データを用いた異常検出処理を行わないよう制御することができる。
以上のように、情報処理装置110は、モデル学習処理時及び異常検出処理時のいずれの場合においても、外乱起因データ以外の計測データのみを処理対象として処理を行う。これにより、外乱が生じ得る状況においても、精度よく機器の異常を検出することができる。また、センサの計測値と外乱の関係は、センサの設置場所や計測対象機器の特性等様々な環境要因に依存するため、一般にセンサの外乱影響をモデル化するのは困難である。これに対し、本実施形態に係る異常検出システムは、設置環境に因らず簡便に外乱を取り扱うことが可能であり、導入障壁とコストの低減が期待できる。
第1の実施形態の第1の変形例としては、情報処理装置110は、外乱起因データについては外乱起因データ以外の計測データと区別して処理を行うこととしてもよい。例えば、情報処理装置110は、モデル学習処理においては、外乱起因データと、外乱起因データ以外の教師データとに異なる重みを与えることにより、外乱起因データを含むすべての教師データを用いてもよい。また、例えば、情報処理装置110は、連続して外乱起因データと判断される場合にのみ、外乱起因データを除外してもよい。
第2の変形例としては、外乱DB403に格納される外乱特徴量は、適宜ユーザ操作に応じて更新されてもよい。例えば、情報処理装置110は、外乱が生じているある状況において得られた計測データを含んだ教師データセットに基づいて、モデル学習を行い、異常検出部407にモデルパラメータをセットする。そして、情報処理装置110は、このモデルパラメータによる異常検出の正解率が一定値以上である場合には、外乱が生じているある状況において得られた映像データの特徴量に基づいて、外乱特徴量を更新する。
これにより、過度に外乱が発生していると判定され、過度に計測データが教師データセットから除外されるのを防ぐことができる。さらには、異常検知の結果をフィードバックすることで、センサの設置場所や計測対象機器の特性等の環境要因を、外乱判定処理に間接的に反映させることが可能となるため、異常検出の精度を漸進的に向上させることも期待できる。
第3の変形例としては、情報処理装置110が対象計測データの計測タイミングにおいて外乱が生じていたと判定した場合には、情報処理装置110は、管理装置120に対し、センサの動作を指示する指示情報を送信してもよい。例えば、情報処理装置110は、振動センサ102の動作を抑制する指示情報を送信する。この場合、管理装置120は、指示情報を受信すると、指示情報に従い、振動センサ102の動きを抑制する。具体的には、管理装置120は、振動センサ102の駆動速度を低下させる。他の例としては、管理装置120は、振動センサ102を停止させてもよい。
また、例えば、情報処理装置110は、振動センサ102以外のセンサで、その計測値が外乱の影響を受けない特定のセンサの動作強度をより高める指示情報を送信する。この場合、管理装置120は、指示情報を受信すると、指示情報に従い、特定のセンサの動作強度を高めるよう制御する。この場合、管理装置120は、指示情報を受信すると、指示情報に従い、特定のセンサの動きの程度を高めるような制御を行う。ここで、特定のセンサは、予め管理装置120に設定されているものとする。
また、指示情報は、振動センサ102と特定のセンサそれぞれに対する上記の指示を示すものであってもよい。この場合、管理装置120は、センサの駆動のために消費される総資源量を一定に保ったまま、高品質なデータを計測が期待できるセンサへの資源の割り当てを増加させるような制御を行うことも可能である。これにより、システム全体で評価したセンサデータの品質劣化を抑制することができる。なお、センサの駆動のために消費する資源は、特に限定されるものではないが、例えばメモリ、通信帯域、CPU負荷等が挙げられる。本処理は、判定結果に基づいて、センサの動作に係る指示情報を送信する送信処理の一例である。
次に、第4の変形例について説明する。実施形態においては、生産ロボット101が異常検出の対象となる機器として用いられ、カメラ104が外乱を特定するための機器として用いられた。すなわち、実施形態においては、異常検出の対象となる機器と外乱を特定する機器が異なっていた。但し、両機器は同一の機器であってもよい。例えば、カメラ104が異常検出の対象機器として用いられ、かつ外乱を特定するための機器として用いられてもよい。映像データは、異常検出の対象機器を撮影したものではなく、異常検出の対象機器がその周辺を撮影したものとなる。本例の最適な適用ユースケースは、監視カメラの異常検出であり、特に屋外に設置され種々の外乱に曝される監視カメラの異常検出である。
本実施形態の外乱判定部も、前記の実施形態と同様、撮影映像から外乱の有無を判定する。本実施形態では、車両や群衆の通過等の間接的な外乱要因に加えて、カメラ104自体に直接作用する外乱要因を扱う。そのような外乱要因の一例は、雨粒の衝突による振動と音の発生である。そこで、本例の外乱判定部は、カメラ104のレンズ面に付着する雨粒の量や頻度を計測して外乱の有無を判定する。なお、雨粒の付着を検出する技術は公知であり、本実施形態はそれら公知技術を利用することで実施可能である。
第5の変形例としては、外乱判定に利用される情報は、映像データに限定されるものではない。他の例としては、情報処理装置110は、自動ドアの開閉記録に基づいて建物の振動や気流の変化を推測する方法を用いることができる。また、他の例としては、情報処理装置110は、太陽黒点の観測結果に基づいて電磁波センサへの影響を推測する方法を用いることができる。
また、第6の変形例としては、情報処理装置110と管理装置120は1つの装置として設けられていてもよい。また、本実施形態においては、情報処理装置110がモデル学習処理と異常検出処理とを行うものとしたが、モデル学習処理を行う装置と異常検出処理を行う装置はそれぞれ独立した異なる装置であってもよい。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
110 情報処理装置
405 外乱判定部
405 学習部
407 異常検出部
408 制御部
405 外乱判定部
405 学習部
407 異常検出部
408 制御部
Claims (13)
- 機器の異常を検出する異常検出装置であって、
前記機器又は前記機器の周辺において所定の物理量を計測する第1のセンサにより計測された計測値を示す計測データを取得する取得手段と、
異常検出の対象として取得された対象計測データの計測タイミングに対応するタイミングにおける前記機器又は前記機器の周辺の状態を示す情報に基づいて、前記異常と異なる事象で、前記第1のセンサの計測値に影響を及ぼす事象である特定事象が、前記計測タイミングにおいて発生していたか否かを判定する判定手段と、
前記計測タイミングにおいて特定事象が生じていたと判定された場合に、前記対象計測データを用いた異常検出処理を行わないよう制御し、前記特定事象が生じていなかったと判定された場合に、前記対象計測データを用いた異常検出処理を行うよう制御する制御手段と、
前記制御手段の制御に従い、前記対象計測データに基づいて、異常を検出する異常検出手段と
を有することを特徴とする異常検出装置。 - 前記判定手段は、前記機器又は前記機器の周辺の撮影画像に基づいて、前記特定事象の有無を判定することを特徴とする請求項1に記載の異常検出装置。
- 前記判定手段は、前記特定事象の特徴量と、前記撮影画像の特徴量と、に基づいて、前記特定事象の有無を判定することを特徴とする請求項2に記載の異常検出装置。
- 前記特定事象の特徴量は、前記撮影画像のオブジェクトの画像特徴量であることを特徴とする請求項3に記載の異常検出装置。
- 前記判定手段による判定結果に基づいて、前記第1のセンサの動作を抑制する指示情報を送信する送信手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の異常検出装置。
- 前記判定手段による判定結果に基づいて、計測値が前記特定事象の影響を受けない第2のセンサの動作強度をより高くする指示情報を送信する送信手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の異常検出装置。
- 前記特定事象の特徴量を設定する設定手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の異常検出装置。
- 前記異常検出手段は、異常検出のモデルパラメータを利用して、前記異常を検出し、
前記判定手段は、前記第1のセンサにより計測された計測データである教師データの計測タイミングに対応するタイミングにおける前記機器又は前記機器の周辺の状態を示す情報に基づいて、前記教師データの計測タイミングにおいて前記特定事象が発生していたか否かを判定し、
前記特定事象の発生タイミングに対応する計測タイミングにおいて計測された教師データを特定する特定手段と、
前記取得手段が取得した教師データのうち、前記特定手段により特定された教師データ以外の教師データに基づいて、前記モデルパラメータを学習する学習手段と
を有することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の異常検出装置。 - 機器の異常検出に利用されるモデルパラメータの学習装置であって、
前記機器又は前記機器の周辺において所定の物理量を計測する第1のセンサにより計測された計測データを教師データとして取得する取得手段と、
前記教師データの計測タイミングに対応するタイミングにおける前記機器又は前記機器の周辺の状態を示す情報に基づいて、前記異常と異なる事象で、前記第1のセンサの計測値に影響を及ぼす事象である特定事象が、前記計測タイミングにおいて発生していたか否かを判定する判定手段と、
前記特定事象の発生タイミングに対応する計測タイミングにおいて計測された教師データを特定する特定手段と、
前記取得手段が取得した教師データのうち、前記特定手段により特定された教師データ以外の教師データに基づいて、前記モデルパラメータを学習する学習手段と
を有することを特徴とする学習装置。 - 機器の異常を検出する異常検出装置が実行する異常検出方法であって、
前記機器又は前記機器の周辺において所定の物理量を計測する第1のセンサにより計測された計測値を示す計測データを取得する取得ステップと、
異常検出の対象として取得された対象計測データの計測タイミングに対応するタイミングにおける前記機器又は前記機器の周辺の状態を示す情報に基づいて、前記異常と異なる事象で、前記第1のセンサの計測値に影響を及ぼす事象である特定事象が、前記計測タイミングにおいて発生していたか否かを判定する判定ステップと、
前記計測タイミングにおいて特定事象が生じていたと判定された場合に、前記対象計測データを用いた異常検出処理を行わないよう制御し、前記特定事象が生じていなかったと判定された場合に、前記対象計測データを用いた異常検出処理を行うよう制御する制御ステップと、
前記制御ステップにおける制御に従い、前記対象計測データに基づいて、異常を検出する異常検出ステップと
を含むことを特徴とする異常検出方法。 - 機器の異常検出に利用されるモデルパラメータの学習装置が実行する学習方法であって、
前記機器又は前記機器の周辺において所定の物理量を計測する第1のセンサにより計測された計測データを教師データとして取得する取得ステップと、
前記教師データの計測タイミングに対応するタイミングにおける前記機器又は前記機器の周辺の状態を示す情報に基づいて、前記異常と異なる事象で、前記第1のセンサの計測値に影響を及ぼす事象である特定事象が、前記計測タイミングにおいて発生していたか否かを判定する判定ステップと、
前記特定事象の発生タイミングに対応する計測タイミングにおいて計測された教師データを特定する特定ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された教師データのうち、前記特定ステップにおいて特定された教師データ以外の教師データに基づいて、前記モデルパラメータを学習する学習ステップと
を含むことを特徴とする学習方法。 - 機器の異常を検出する異常検出装置のコンピュータを、
前記機器又は前記機器の周辺において所定の物理量を計測する第1のセンサにより計測された計測値を示す計測データを取得する取得手段と、
異常検出の対象として取得された対象計測データの計測タイミングに対応するタイミングにおける前記機器又は前記機器の周辺の状態を示す情報に基づいて、前記異常と異なる事象で、前記第1のセンサの計測値に影響を及ぼす事象である特定事象が、前記計測タイミングにおいて発生していたか否かを判定する判定手段と、
前記計測タイミングにおいて特定事象が生じていたと判定された場合に、前記対象計測データを用いた異常検出処理を行わないよう制御し、前記特定事象が生じていなかったと判定された場合に、前記対象計測データを用いた異常検出処理を行うよう制御する制御手段と、
前記制御手段の制御に従い、前記対象計測データに基づいて、異常を検出する異常検出手段と
して機能させるためのプログラム。 - 機器の異常検出に利用されるモデルパラメータの学習装置のコンピュータを、
前記機器又は前記機器の周辺において所定の物理量を計測する第1のセンサにより計測された計測データを教師データとして取得する取得手段と、
前記教師データの計測タイミングに対応するタイミングにおける前記機器又は前記機器の周辺の状態を示す情報に基づいて、前記異常と異なる事象で、前記第1のセンサの計測値に影響を及ぼす事象である特定事象が、前記計測タイミングにおいて発生していたか否かを判定する判定手段と、
前記特定事象の発生タイミングに対応する計測タイミングにおいて計測された教師データを特定する特定手段と、
前記取得手段が取得した教師データのうち、前記特定手段により特定された教師データ以外の教師データに基づいて、前記機器の異常検出に利用されるモデルパラメータを学習する学習手段と
して機能させるためのプログラム。
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