JP2018050726A - 指固定機構及び描画装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】様々な大きさの指を一定の適度な締め付け具合で確実に固定することができる指固定機構及び描画装置を提供する。
【解決手段】指を載置する指載置部材36と、指載置部材36の指載置側に対向して設けられ、指載置部材36との間で指を挟んで固定するカバー部材34と、指載置部材36におけるカバー部材34に対向する面に設けられた第1の磁石と、カバー部材34における第1の磁石に対応する位置に設けられ、第1の磁石と互いに引き合う第2の磁石と、指載置部材36をカバー部材34側に向かって付勢させる付勢部材38とを備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、指固定機構及び描画装置に関するものである。
従来、爪にネイルデザインを描画する描画装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、描画を施す爪の指を単に載置台上に載せただけでは、手が不安定な状態にあるため、描画中に指が動いて描画位置がずれてしまうことがあり、ネイルプリントが美しく仕上がらないおそれがある。
そこで、従来、爪にネイルデザインを描画する描画装置において、描画中に印刷指が動かないように、ホルダ等の指固定具によって印刷指を固定するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特表2003−534083号公報
しかしながら、人の指は、親指から小指まで、その種類によって大きさや太さが異なっている。また、同じ種類の指であっても人によってその大きさ等は様々である。
このため、一台の装置で複数の指に対して描画を施したり、複数のユーザが一台の装置を利用して描画を行おうとした場合に、同じ指固定具を用いて指を固定しようとしても、サイズが合わず、例えば親指のような太い指ではきつく締め付けすぎてユーザに苦痛を与えるおそれがあり、逆に小指のような細い指では十分な固定ができずに描画中の位置ずれが生じてしまうおそれがあるとの問題もあった。
仮に指固定具において指の締め付け具合を調整できるようにしても、ネイルプリントを行う度にユーザが適切な締め付け具合になるように調整を行うことは手間がかかり不便である。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、様々な大きさの指を一定の適度な締め付け具合で確実に固定することができる指固定機構及び描画装置を提供することを利点とするものである。
前記課題を解決するために、本発明の指固定機構は、
指を載置する指載置部材と、
前記指載置部材の指載置側に対向して設けられ、前記指載置部材との間で前記指を挟んで固定するカバー部材と、
前記指載置部材における前記カバー部材に対向する面に設けられた第1の磁石と、
前記カバー部材における前記第1の磁石に対応する位置に設けられ、前記第1の磁石と互いに引き合う第2の磁石と、
前記指載置部材を前記カバー部材側に向かって付勢させる付勢部材と、
を備えていることを特徴としている。
本発明によれば、様々な大きさの指を一定の適度な締め付け具合で確実に固定することができる。そして、このような指固定機構に固定された状態で指に描画を施すことで、爪への精緻なネイルプリントを行うことができる。
(a)は、本実施形態における描画装置の正面図であり、(b)は、(a)に示された描画装置の内部構成を示す側面図である。 (a)は、本実施形態の指固定機構を斜め上から見た斜視図であり、(b)は、本実施形態の指固定機構を斜め下から見た斜視図である。 (a)は、斜め上から見た指固定機構の分解斜視図であり、(b)は、斜め上から見た指固定機構の分解斜視図である。 指の種類と本実施形態の指固定機構における指の固定力との対応関係を説明する表である。 (a)は、細い指が挿入された場合の指固定機構の模式的正面図であり、(b)は、太い指が挿入された場合の指固定機構の模式的正面図である。 本実施形態に係る描画装置の制御構成を示した要部ブロック図である。 (a)は、細い指が挿入される場合の指固定機構の斜視図であり、(b)は、(a)の指固定機構に細い指が挿入された状態を示す斜視図である。 (a)は、中程度の太さの指が挿入される場合の指固定機構の斜視図であり、(b)は、(a)の指固定機構に中程度の太さの指が挿入された状態を示す斜視図である。 (a)は、太い指が挿入される場合の指固定機構の斜視図であり、(b)は、(a)の指固定機構に太い指が挿入された状態を示す斜視図である。
図1(a)及び図1(b)から図9を参照しつつ、本発明に係る指固定機構及び指固定機構を備えるネイルプリント装置(描画装置)の一実施形態について説明する。
なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
また、以下の実施形態では、ネイルプリント装置1は手の指の爪を描画対象として、これに描画するものとして説明するが、本発明の描画対象は手の指の爪に限るものではなく、例えば足の指の爪を描画対象としてもよい。
図1(a)は、ネイルプリント装置の内部構成を示す正面図であり、図1(b)は、図1(a)に示されたネイルプリント装置の内部構成を示す側面図である。
図1(a)及び図1(b)に示すように、本実施形態におけるネイルプリント装置1は、描画ヘッド43が描画用具であるペン41とインクジェットヘッド71とを備え、プロッタ方式とインクジェット方式とを併用して爪Tに描画を施す描画装置である。
このネイルプリント装置1は、ケース本体2と、このケース本体2に収容される装置本体10とを備えている。
図1(b)に示すように、ケース本体2には、その上面から上部前面にかけて、後述する描画部40のペン41及びインクジェットヘッド71を交換するために開閉可能に構成された蓋部23が設けられている。蓋部23は、例えばヒンジ等を介して、図1(b)に示すように閉状態から開状態まで回動自在となっている。
ケース本体2の上面(天板)には操作部25(図6参照)が設置されている。
操作部25は、ユーザが各種入力を行う入力部である。
操作部25には、例えば、ネイルプリント装置1の電源をONする電源スイッチ釦、動作を停止させる停止スイッチ釦、爪Tに描画するデザイン画像を選択するデザイン選択釦、描画開始を指示する描画開始釦等、各種の入力を行うための図示しない操作釦が配置されている。
また、ケース本体2の上面(天板)のほぼ中央部には表示部26が設置されている。
表示部26は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイその他のフラットディスプレイ等で構成されている。
本実施形態において、この表示部26には、例えば、印刷指U1を撮影して得た爪画像(爪Tの画像を含む指画像)、この爪画像中に含まれる爪Tの輪郭線等の画像、爪Tに描画すべきデザイン画像を選択するためのデザイン選択画面、デザイン確認用のサムネイル画像、各種の指示を表示させる指示画面等が適宜表示される。
なお、表示部26の表面に各種の入力を行うためのタッチパネルが一体的に構成されていてもよい。
装置本体10は、ほぼ箱状に形成され、ケース本体2の内部下方に設置された下部機枠11と、この下部機枠11の上方で且つケース本体2の内部上方に設置されている上部機枠12とを備えている。
まず、下部機枠11について説明する。
下部機枠11は、背面板111、底板112、左右一対の側板113a,113b、X方向移動ステージ収容部114、Y方向移動ステージ収容部115及び隔壁116を有する。
側板113a,113bの下端部は、底板112の左右両端部にそれぞれ連結され、側板113a,113bが底板112に対して立てられた状態に設けられている。
背面板111の下部は、前方(指挿入方向手前側)に向かって2段に窪むように形成されている。背面板111の下端部は底板112の前端部に連結されており、背面板111は、底板112と側板113a,113bによって囲われた領域を前後に区切っている。
この窪んだ背面板111の後ろ側に形成される空間がX方向移動ステージ収容部114、Y方向移動ステージ収容部115(図1(b)参照)となっている。X方向移動ステージ収容部114内には、描画部40が前方(指挿入方向手前側)に移動した際に描画部40のX方向移動ステージ45が収容される。また、Y方向移動ステージ収容部115内には、描画部40のY方向移動ステージ47が配置されている。
また、隔壁116は、下部機枠11の内部前方側の空間(背面板111、底板112及び側板113a,113bによって囲われた指挿入方向手前側の空間)を上下に区切るように下部機枠11の内側に設けられている。隔壁116はほぼ水平に設けられ、隔壁116の左右両端部が側板113a,113bにそれぞれ連結され、隔壁116の後端部が背面板111に連結されている。
この下部機枠11には、指固定部30(図1(b)参照)が一体的に設けられている。
指固定部30は、描画を施す爪T(すなわち描画対象)に対応する指(以下、これを「印刷指U1」という。)を受け入れる指挿入部31と、この印刷指U1以外の指(以下、これを「非印刷指U2」という。)を退避させる指退避部32と、から構成されている。
指挿入部31は、隔壁116の上側であって、例えば、下部機枠11の幅方向のほぼ中央に配置されている。また、隔壁116によって下部機枠11の下側に区分けられた空間が指退避部32を構成している。
例えば、薬指の爪Tに描画を施す場合には、指挿入部31に印刷指U1としての薬指を挿入し、非印刷指U2であるその他の4指(親指、人差し指、中指、小指)を指退避部32に挿入する。
隔壁116の上面であって下部機枠11の前面側の両側部には、下部機枠11の前面側を塞ぐ前壁31f(図1(a)参照)が立設されている。また、隔壁116の上面には、この前壁31fの中央部寄りの端部から指挿入部31に向けて狭窄し、印刷指U1を指挿入部31内に案内する一対のガイド壁31g(図1(a)参照)が立設されている。
本実施形態において、指挿入部31には印刷指U1を固定する指固定機構3が設けられている。
ここで、図2(a)、図2(b)及び図3(a)、図3(b)を参照しつつ、本実施形態における指固定機構3の構成について詳細に説明する。
図2(a)は、本実施形態における指固定機構を斜め上方向から見た場合の斜視図であり、図2(b)は、本実施形態における指固定機構を斜め下方向から見た場合の斜視図である。また、図3(a)は、斜め下方向から見た指固定機構の分解斜視図であり、図3(b)は、斜め上方向から見た指固定機構の分解斜視図である。
指固定機構3は、印刷指U1を載置する指載置部材36と、カバー部材34と、指載置部材36をカバー部材34側に向かって付勢する付勢部材38とを備えている。
本実施形態では、指固定機構3は、図2(a)、図2(b)及び図3(a)、図3(b)に示すように、ほぼ箱形に形成された上ケースであるカバー部材34と、同様にほぼ箱形に形成された下ケース35とで形成される空間内部に、付勢部材38によって付勢される指載置部材36が配設されている。
カバー部材34の下面側は開口部341となっており、この開口部341の周縁に沿って外向きフランジ部342が形成されている。外向きフランジ部342にはカバー部材34の両側2か所ずつにねじ孔343が形成されている。
また、下ケース35の上面側は開口部351となっており、この開口部351の周縁に沿って外向きフランジ部352が形成されている。外向きフランジ部352には下ケース35の両側2か所ずつにねじ孔353が形成されている。
本実施形態では、カバー部材34をその開口部341が下側になった状態で下ケース35の上に嵌め合わせるようになっており、両者を嵌め合わせた際にカバー部材34と下ケース35の外向きフランジ部342,352が互いに重ね合わされるようになっている。
図2(a)に示すように、本実施形態では、隔壁116における指挿入部31に対応する位置には、切欠き部116bが形成されており、この切欠き部116bの周囲は隔壁116の上面よりも一段下がった段部116cとなっている。
切欠き部116bには下ケース35が嵌め込まれるようになっており、下ケース35の上にカバー部材34を嵌め合わせた状態において、隔壁116の段部116cに外向きフランジ部342,352が配置され、カバー部材34の外向きフランジ部342の上面が隔壁116の上面とほぼ面一となるようになっている。このような嵌め込み状態において、外向きフランジ部342,352のねじ孔343,353に図示しないねじを挿通させてねじ止めすることにより、カバー部材34及び下ケース35が隔壁116に固定される。
本実施形態において、下ケース35の内部底面であって印刷指挿入方向の手前側には、第1の係止部354が設けられており、第1の係止部354よりも印刷指挿入方向の奥側には、第2の係止部355が設けられている。
第2の係止部355には、印刷指U1の指先側を支持する指支持部材39が取り付けられている。
指支持部材39は、下端部が第2の係止部355に対してねじ止め等により係止されており、これにより、指支持部材39は下ケース35内に固定される。なお、指支持部材39の固定の仕方や配置等はここに例示したものに限定されない。
指支持部材39において、印刷指挿入方向の奥側に配置される部分は、印刷指U1の爪Tを載置する爪載置部391となっている。
爪Tがこの爪載置部391に載置された状態において、爪Tは描画部40のペン41及びインクジェットヘッド71による描画を適切に行うことができる描画可能位置に配置される。
指挿入部31内に挿入した印刷指U1の爪Tをこの爪載置部391に載置することによって、爪Tを描画に適した所定の高さ位置に容易に位置決めすることができる。
なお、指支持部材39及び爪載置部391の形状や配置等は図示例に限定されない。
爪載置部は、指支持部材39に設けられている場合に限定されず、例えば下ケース35内に一体的に設けられていてもよい。
下ケース35内の第1の係止部354には、筒状部材37が係止されている。具体的には筒状部材37の一端部には係止突起371が形成されており、第1の係止部354にはこの係止突起371が係止されるようになっている。筒状部材37の係止突起371を、第1の係止部354に係止させることで、筒状部材37が下ケース35の内部底面に係止される。
筒状部材37の自由端側(図2(a)等において上側)には、付勢部材38の一端側が係止されている。
付勢部材38の他端側は、指載置部材36の裏面側(すなわち指載置面とは逆側の面、図2(a)等において下側の面)に設けられた係止突起361に係止されている。
本実施形態において、付勢部材38はコイルバネである。
付勢部材38は、外力が加わっていない状態においてバネが伸びてフリーな状態となっている。そして、付勢部材38は外力によって押し縮められると、元に戻ろうとする復元力によって、外力に抗して押し戻そうとする力(付勢力)が働く。
なお、付勢部材38はコイルバネに限定されず、弾性変形可能で復元力のあるものであれば適用することができる。
本実施形態における付勢部材38は、カバー部材34と指載置部材36との距離が所定の距離離間したとき(後述するように、指載置部材36に設けられている第1の磁石363とカバー部材34に設けられている第2の磁石348との吸引力が所定以下となる位置まで指載置部材36とカバー部材34とが離間したとき)に、指載置部材36をカバー部材34側に向かって付勢するようになっている。
すなわち、コイルバネである付勢部材38は、指固定機構3に挿入された印刷指U1によって指載置部材36が下方に押し下げられると押し縮められて変位する。
付勢部材38(コイルバネ)が変位すると、付勢部材38は元に戻る方向にバネ荷重(付勢力)を生じる。
付勢部材38として、どの程度押し下げられたときにどの程度の変位を生じ、それによってどの程度のバネ荷重を生じるものを適用するかは、装置の仕様や、後述する第1の磁石363及び第2の磁石348の吸引力との関係等に応じて適宜設定可能である。
本実施形態では、後述するように、付勢部材38(コイルバネ)がフリーとなっている状態から4mm程度押し下げられたときに2mm程度の変位を生じ、これによって50gf程度のバネ荷重を生じるものであって、変位量が大きくなるにしたがってバネ荷重も大きくなるものを付勢部材38として用いている(図4参照)。
指載置部材36は、爪Tに対して描画を行う際に、描画対象となる爪Tの指(印刷指U1)を載置するものであり、板状の部材である。
印刷指U1を載置する面である指載置部材36の指載置面(図2(a)等において上側の面)は、図2(a)、図2(b)及び図3(a)、図3(b)に示すように、印刷指U1を載置した際に、その形状に馴染むように断面弧状となる形状に形成されていることが好ましい。
指載置部材36における幅方向の両側部には、係止突起362が突出して形成されている。係止突起362は、後述するカバー部材34のガイド溝344に沿って上下方向(図2(a)等における上下方向)に移動可能となっている。
このように、係止突起362がガイド溝344に沿って案内されることで、指載置部材36は、カバー部材34に対して接離する方向(すなわち、図2(a)等における上下方向)に移動可能となっている。
また、前述のように、指載置部材36の裏面側(すなわち指載置面とは逆側の面、図2(a)等において下側の面)には、係止突起361が設けられており、この係止突起361には、付勢部材38の他端側が係止されている。
また、指載置部材36におけるカバー部材34に対向する面、すなわち、指載置部材36の指載置面の両側(指載置面に載置される印刷指U1の幅方向における両側)には、それぞれ第1の磁石363が設けられている。
第1の磁石363としては、例えばネオジウム磁石等が適用可能である。なお、第1の磁石363は、ネオジウム磁石に限定されず、それ以外の磁石であっても構わない。
第1の磁石363は、例えば接着固定等により指載置部材36に固定されている。なお、第1の磁石363を指載置部材36に固定する手法が特に限定されず、接着固定以外の手法によってもよい。
カバー部材34は、後述する指載置部材36の指載置側に対向して設けられ、指載置部材36との間で印刷指U1を挟んで固定するものである。
図2(a)及び図2(b)に示すように、カバー部材34及び下ケース35が隔壁116に固定された状態におけるカバー部材34の印刷指挿入方向手前側は開口している。
また、カバー部材34の上面であって印刷指挿入方向の奥側は、指挿入部31に挿入された印刷指U1の爪Tを露出させるための窓部345となっており、カバー部材34の上面であって印刷指挿入方向の手前側は、印刷指U1の高さが上がり過ぎるのを防ぐ指押え部346となっている。
図3(a)に示すように、本実施形態の指押え部346の内側面には凹部346aが形成されており、この凹部346a内には、係止突起346bが設けられている。
凹部346a内には、例えばシリコーン等の柔軟性のある軟質の樹脂等で形成された緩衝部材347が配置されている。
図3(b)に示すように、緩衝部材347における一面であって凹部346a内の係止突起346bに対応する位置には、係止凹部347aが形成されており、緩衝部材347を凹部346a内に配置した際、係止突起346bが係止凹部347aに嵌め込まれることで緩衝部材347が凹部346a内に固定されるようになっている。
なお、緩衝部材347を凹部346a内に固定する手法はここに例示したものに限定されない。例えば、緩衝部材347側に係止突起を設け、凹部346a内にこの係止突起と嵌り合う係止凹部を設けてもよい。
また、単に接着剤や両面テープ等によって緩衝部材347を凹部346a内に固定してもよい。
指押え部346における印刷指U1の上側が当接する部分(すなわち、カバー部材34の上面である指押え部346の内側の面)に緩衝部材347を設けることにより、印刷指U1が押し上げられ指押え部346に突き当てられたときに衝撃や痛みを感じにくくなり、好ましい。
なお、指押え部346の構成はここに例示したものに限定されず、緩衝部材347等を備えない単なる板状の部であってもよい。
図3(a)に示すように、指押え部346の内側面であって緩衝部材347が配置される凹部346aの両側(印刷指U1の幅方向における両側)には、それぞれ第2の磁石348が設けられている。
第2の磁石348は、カバー部材34における第1の磁石363に対応する位置に設けられ、第1の磁石363と互いに引き合う磁石である。すなわち、例えば第1の磁石363としてS極の極性を持つ磁石を用いた場合には、第2の磁石348としてN極の極性を持つ磁石を用いるようにする。
第2の磁石348としては、第1の磁石363と同様に、例えばネオジウム磁石等が適用可能である。なお、第2の磁石348は、ネオジウム磁石に限定されず、それ以外の磁石であっても構わない。
第2の磁石348は、例えば接着固定等により指押え部346の内側面に固定されている。なお、第2の磁石348を指押え部346の内側面に固定する手法が特に限定されず、接着固定以外の手法によってもよい。
また、図2(a)及び図2(b)に示すように、カバー部材34の内部両側面(すなわち、第2の磁石348が設けられた面と直交する側面)には、指載置部材36が昇降する際に指載置部材36を上下方向(図2(a)及び図2(b)における上下方向)にガイドするガイド溝344が形成されている。
ガイド溝344は、カバー部材34の上下方向(縦方向)に延在するとともに、その下端部(すなわち、カバー部材34から一番離間した位置)が印刷指挿入方向の手前側に延出するほぼL字状となっており、印刷指挿入方向の手前側に延出する部分は、指載置部材36の係止突起362を係止させる突起係止部344aとなっている。
指載置部材36の係止突起362は、ガイド溝344の上端部まで移動したときに当該位置で係止され、それ以上上に上がらないようになっており、ガイド溝344は指載置部材36の最上点を規定するストッパーとしても機能する。本実施形態では、ガイド溝344は、係止突起362がガイド溝344の上端部まで移動したときに、指載置部材36に設けられた第1の磁石363とカバー部材34に設けられた第2の磁石348との間に2〜3mm程度の間隔を保持できる位置で止まる位置に配置されている。
前述のように、指載置部材36は付勢部材38によってカバー部材34に向かって上方向に付勢されており、さらに、指載置部材36に設けられた第1の磁石363とカバー部材34に設けられた第2の磁石348とは、互いに引き合うものであるため、指載置部材36の第1の磁石363とカバー部材34の第2の磁石348とが接触すると、これを引き離すことが難しくなる。この点、ガイド溝344が指載置部材36の最上点を規定するストッパーとして機能することにより、第1の磁石363と第2の磁石348とが接触せず、指載置部材36がカバー部材34から離れなくなる不具合を回避することができる。
また、ガイド溝344は、突起係止部344aの設けられた下端部に向かって徐々に傾斜する形状となっており、指載置部材36が最下点まで下降した際に、指載置部材36の係止突起362がガイド溝344の溝に沿って突起係止部344a内に案内されるようになっている。
指載置部材36の係止突起362が突起係止部344a内に配置されることにより、付勢部材38の付勢力に抗して指載置部材36が最下点まで下降した位置に保持され、印刷指U1を指挿入部31内に挿入する際、挿入口を広く確保できるようになっている。
このように、本実施形態では、指載置部材36に設けられた係止突起362と、カバー部材34に設けられ係止突起362を係止する突起係止部344aとによって、指載置部材36をカバー部材34から離間した位置に係止するロック機構が構成されている。
図4及び図5(a)、図5(b)を参照しつつ、本実施形態における指固定機構3による印刷指U1の固定力について具体的に説明する。
図4は、指の種類と、第1の磁石363、第2の磁石348の吸引力の設定値、付勢部材38のバネ荷重等の設定値の関係を示した表である。なお、図4では、国立研究開発法人産業技術総合研究所(AIST)による日本人の指のデータを参考とし、また、指の第一関節部分の厚みをもって指の厚みとしている。なお、人差し指、中指、薬指の厚みは、男女による差異が比較的少ないため、男女による分類を行わずにデータ化している。
また、図5(a)は、指挿入部31の指固定機構3に細い指が挿入された場合の第1の磁石363、第2の磁石348の磁石間距離や付勢部材38の状態を模式的に示す説明図であり、図5(b)は、指挿入部31の指固定機構3に太い指が挿入された場合の第1の磁石363、第2の磁石348の磁石間距離や付勢部材38の状態を模式的に示す説明図である。
第1の磁石363と第2の磁石348との吸引力と付勢部材38の付勢力は、指載置部材36とカバー部材34との距離が人の指の厚み程度であった場合に、第1の磁石363と第2の磁石348との吸引力と、付勢部材38の付勢力と、の合成力が略等しくなるように調整されている。
具体的には、付勢部材38は、指載置部材36とカバー部材34との離間に伴う第1の磁石363と第2の磁石348との吸引力の低下と相補的に、その付勢力が増加するようになっている。
そして、第1の磁石363及び第2の磁石348の吸引力と付勢部材38の付勢力であるバネ荷重は、両者を合わせて適度な固定力(合成力)を確保することができるような値に設定される。
本実施形態では、図4に示すように、第1の磁石363、第2の磁石348の磁石間距離が6mmのときに一対の第1の磁石363、第2の磁石348の吸引力が200gf(すなわち、左右二対の第1の磁石363、第2の磁石348の吸引力が400gf)となり、第1の磁石363、第2の磁石348の磁石間距離が12mmのときに一対の第1の磁石363、第2の磁石348の吸引力が78gf(すなわち、左右二対の第1の磁石363、第2の磁石348の吸引力が156gf)となり、第1の磁石363、第2の磁石348の磁石間距離が18mmのときに一対の第1の磁石363、第2の磁石348の吸引力が41gf(すなわち、左右二対の第1の磁石363、第2の磁石348の吸引力が83gf)となるような強さの磁石を第1の磁石363及び第2の磁石348として用いている。
また、付勢部材38としては、指の厚みが10mmのときに2mm押し下げられて(すなわちバネ変位2mm)、50gfの付勢力(バネ荷重)が発生し、指の厚みが14mmのときに6mm押し下げられて(すなわちバネ変位6mm)、150gfの付勢力(バネ荷重)が発生し、指の厚みが20mmのときに10mm押し下げられて(すなわちバネ変位10mm)、250gfの付勢力(バネ荷重)が発生するようなコイルバネを用いている。
このような第1の磁石363、第2の磁石348と付勢部材38とを組み合わせて印刷指U1の固定を行うことにより、どのような大きさの指が挿入された場合でも、適度な固定力で印刷指U1を固定することができる。
図5(a)は、指挿入部31の指固定機構3に小指等の細い指が挿入されて、指載置部材36が最上点又はその近傍まで上がっている状態を図示している。
この場合、指載置部材36の上面とカバー部材34の指押え部346の下面との間は、挿入された指の厚み分だけ離間し、第1の磁石363、第2の磁石348の磁石間距離は、この指の厚みよりも2mm程度小さい距離だけ離間している。
このように指載置部材36が最上点又はその近傍まで上がっている状態では、付勢部材38は伸び切ったフリーの状態となり、バネ変位はない。この状態では、付勢部材38は指載置部材36をカバー部材34側に押し上げる付勢力を発揮せず、バネ荷重もない。
この状態は、図4における女性と男性の小指の場合に相当する。
例えば女性の小指の場合(図4の一番上の列参照)、指の第一関節部分の厚みは8mm程度であり、第1の磁石363と2の磁石348との磁石間距離は指の厚みよりも2mm程度小さい6mm程度となる。
そして、図4に示す例では、第1の磁石363及び第2の磁石348との磁石間距離が6mmのときの磁石同士の吸引力が200gf程度(左右一対では400gf程度)となる磁石を第1の磁石363及び第2の磁石348として適用している。
この場合には、前述のように付勢部材38は変位せず。付勢部材38による付勢力は働かない状態であるため、印刷指U1を固定する総合固定力は、左右一対の磁石同士の吸引力のみとなり、図4に示す例では400gf程度となる。
男性の小指等、太い小指であっても、上記AISTによる日本人の指のデータによれば、
第一関節部分の指の厚みは、12mm以下であり、例えば、指の厚みは、10mmである場合(図4の上から二番目の列参照)、図4に示す例では、このときの磁石間距離は8mmとなり、指の厚みが大きくなった分磁石間距離も大きくなる。
磁石の吸引力は、磁石間距離の二乗に反比例し、距離が離れるほど吸引力が小さくなっていく。例えば、上記のように磁石間距離が8mmになると、左右一対の第1の磁石363及び第2の磁石348による吸引力は278gfとなる。他方このように10mmの厚みの指が挿入された場合、未だ付勢部材38であるコイルバネは押し下げられず、バネ変位を生じない。このため、バネ荷重も発生しないが、250gf程度の固定力があれば印刷指U1を固定するための固定力としては十分であり、上記の場合、磁石の吸引力(278gf)のみで十分に印刷指U1を固定するための固定力を確保することができる。
また、図5(b)は、指載置部材36の指挿入部31の指固定機構3に親指等の太い指が挿入されて、指載置部材36が下方に押し下げられている状態を図示している。
この場合も、指載置部材36の上面とカバー部材34の指押え部346の下面との間は、挿入された指の厚み分だけ離間し、第1の磁石363、第2の磁石348の磁石間距離は、この指の厚みよりも2mm程度小さい距離だけ離間している。
このように指載置部材36が下方に押し下げられている状態(図5(b)において黒矢印で示す)では、付勢部材38は圧縮された状態となり、大きく変位する。この状態では、付勢部材38は指載置部材36をカバー部材34側に押し上げる付勢力(図5(b)において白抜き矢印で示す)を発揮して、大きなバネ荷重が生じる。
この状態は、図4における女性と男性の親指の場合に相当する。
例えば男性の親指の場合(図4の一番下の列参照)、指の第一関節部分の厚みは20mm程度であり、第1の磁石363と2の磁石348との磁石間距離は指の厚みよりも2mm程度小さい18mm程度となる。このように、大きな指を固定する場合には、小指を固定する場合と比較して指の厚みが大きくなった分磁石間距離も大きくなる(例えば男性の小指を固定する場合における磁石間距離8mmに対して2.2倍程度の距離となる)。
図4に示すように、本実施形態で用いられる第1の磁石363及び第2の磁石348は、磁石間距離が18mmのときに磁石同士の吸引力が41gf程度(左右一対では83gf程度)となる。
なお、このときの左右一対の磁石の吸引力は下記の式で導くことができる。
(200/2.2)×2=82.6gf(図4においておよそ83gf)
この場合には、左右一対の磁石同士の吸引力だけでは印刷指U1を固定するのに足りないが、図4に示す例では、付勢部材38の付勢力であるバネ荷重が250gfとなるため、これと磁石同士の吸引力である83gfとを合せることで総合的な固定力としては333gfとなる。
また、中間的な太さの指である人差し指、中指、薬指を固定する場合を想定すると、例えば、指の厚みが、16mmである薬指の場合(図4の下から三番目の列参照)、図4に示す例では、このときの磁石間距離は14mmとなり、小指を固定する場合と比較して指の厚みが大きくなった分磁石間距離も大きくなる(例えば男性の小指を固定する場合における磁石間距離8mmに対して1.8倍程度の距離となる)。
図4に示すように、本実施形態で用いられる第1の磁石363及び第2の磁石348は、磁石間距離が14mmのときに磁石同士の吸引力が62gf程度(左右一対では123g
f程度)となる。
なお、このときの左右一対の磁石の吸引力は下記の式で導くことができる。
(200/1.8)×2=123.4gf(図4においておよそ123gf)
他方、指載置部材36は下方に押し下げられることで付勢部材38は圧縮され、6mm変位する。この状態では、付勢部材38は指載置部材36をカバー部材34側に押し上げる付勢力を発揮して、図4に示す例では150gfのバネ荷重が得られる。
この結果、磁石の吸引力123gfと付勢部材38の付勢力(バネ荷重)150gfとを合わせた273gfが印刷指U1を固定する総合的な固定力となる。
なお、本実施形態では、磁石間距離が6mm程度のときには400gfという高い吸引力を得られるような磁石を第1の磁石363、第2の磁石348として用い、女性や男性の小指のような細い指の場合には、磁石の吸引力のみで印刷指U1を固定し、その他の指では、磁石の吸引力と付勢部材38の付勢力(バネ荷重)とを相互に作用させることによって、ユーザにとって苦痛でなく、かつ適度な固定性、固定感を得られる固定力である250gf前後の固定力(図4に示す例では254gf〜333gf)を各厚みの指において実現できるように構成されている。
なお、図4に示した適度な固定力の範囲は一例であり、装置の仕様その他に応じて適宜調整可能である。
下部機枠11の上面であって、指挿入部31の側方(ケース本体2の媒体挿出口24に対応する位置であり、本実施形態では、図1(a)において左側)には、後述する描画ヘッド43による描画可能範囲内に、後述するペン41のペン先(先端部)413の書き出し時のかすれ等を無くすための慣らし書きを行う慣書部61が設けられている。
慣書部61は、平板状の部分であり、前述のケース本体2の媒体挿出口24から挿入された図示しない描画媒体が載置されるようになっている。
慣書部61に載置される描画媒体は、ペン先(先端部)413の慣らし書きを行うことができるものであればよく、例えば紙片である。
下部機枠11の上面であって、指挿入部31を挟んで慣書部61の逆側(本実施形態では、図1(a)において右側)には、後述する描画ヘッド43の移動可能範囲内に、後述するペンホルダ42に対応する数(本実施形態では1つ)だけペンキャップ62が設置されている。
ペンキャップ62は、例えばゴムによって形成されており、描画部40にペン41が装着されている状態で描画を行っていないとき(非描画時)には、ペン41を下降させて、ペン先413をペンキャップ62に収容することにより、ペン先413の乾燥を防止するようになっている。
また、ペン先413がペンキャップ62に収容されたときにインクジェットヘッド71が配置される位置に対応する位置には、インクジェット保守部63が設けられている。インクジェット保守部63は、例えば後述するインクジェットヘッド71のインク吐出部(ノズル面)をクリーニングするためのクリーニング機構やインク吐出部(ノズル面)の保湿状態を保つためのキャップ機構等(いずれも図示せず)で構成されている。
なお、ペンキャップ62、インクジェット保守部63等の配置はここで例示したものに限定されない。
描画部40は、描画ヘッド43、描画ヘッド43を支持するユニット支持部材44、描画ヘッド43をX方向(図1(a)におけるX方向、描画装置1の左右方向)に移動させるためのX方向移動ステージ45、X方向移動モータ46、描画ヘッド43をY方向(図1(b)におけるY方向、描画装置1の前後方向)に移動させるためのY方向移動ステージ47、Y方向移動モータ48等を備えて構成されている。
図1(a)及び図1(b)に示すように、本実施形態の描画ヘッド43には、ペン41を保持するペンホルダ42とインクジェットヘッド71を保持するインクジェットホルダ72とが隣り合って配置されている。
インクジェットヘッド71は、例えば、イエロー(Y;YELLOW)、マゼンタ(M;MAGENTA)、シアン(C;CYAN)のインクに対応する図示しないインクカートリッジと各インクカートリッジにおける描画対象(爪T)に対向する面(本実施形態では、図1(a)等における下面)に設けられた図示しないインク吐出部とが一体に形成されたインクカートリッジ一体型のヘッドである。インク吐出部は、それぞれの色のインクを噴射する複数のノズルからなるノズルアレイを備えており、インクジェットヘッド71は、インクを微滴化し、インク吐出部から描画対象(爪T)の被描画面に対して直接にインクを吹き付けて描画を行う。なお、インクジェットヘッド71は、上記3色のインクを吐出させるものに限定されない。その他のインクを貯留するインクカートリッジ及びインク吐出部を備えていてもよい。
本実施形態のペンホルダ42には、1本のペン41が装着可能となっている。
ペン41は、爪Tの表面を描画対象面とし、先端部が描画対象面である爪Tの表面に接触して描画を施す描画用具である。
図1(a)及び図1(b)に示すように、ペン41は、棒状のペン軸部411の先端側(図1(a)及び図1(b)において下側)にペン先413が設けられたものである。
ペン軸部411の内部は、各種インクを収容するインク収容部となっている。
ペン軸部411の内部に収容されるインクとしては、各種のインクが適用可能である。インクの粘度や色材の粒径(粒子の大きさ)等は特に限定されず、例えば、金銀のラメ入りのインクや白色のインク、UV硬化型のインクやジェルネイル、アンダーコート用インク、トップコート用インクやマニキュア液等も用いることができる。
本実施形態において、ペン41は、例えばペン先413を爪Tの表面に押し当てることでペン軸部411内に収容されているインクが染み出して描画する、ペン先413がボールペンタイプとなったペンである。
なお、ペン41は、ボールペンタイプのものに限定されない。例えばフェルト状のペン先にインクを染み込ませて描画するサインペン(フェルトペン)タイプや、束ねた毛にインクを染み込ませて描画する筆ペンタイプのもの等であってもよい。
また、ペン先413の太さも各種のものを用意することができる。
ペン41はペンホルダ42に上方から挿通するだけで保持されている。このため、ケース本体2に設けられている蓋部23を開けて、例えば手やピンセットでペン軸部411の上端部を摘み上げ引き出す等により、容易に交換が可能である。
これにより、ユーザは、ペンホルダ42に装着するペン41を、描画したいネイルデザインに応じて色やペン先413の種類やインクの種類の異なるペン41に適宜入れ替えることで、幅広いネイルデザインを実現することができる。
ペンホルダ42の近傍には、ステッピングモータからなるペン上下用モータ426(図3参照)等、ペン41を動作させるための機構が設けられており、ペン41は、このペン上下用モータ426の駆動によって上下方向に移動可能に構成されている。
また、ユニット支持部材44は、X方向移動ステージ45に取り付けられたX方向移動部451に固定されている。X方向移動部451は、X方向移動モータ46の駆動によりX方向移動ステージ45上を図示しないガイドに沿ってX方向に移動するようになっており、これにより、ユニット支持部材44に取り付けられている描画ヘッド43が、X方向(図1(a)におけるX方向、ネイルプリント装置1の左右方向)に移動するようになっている。
また、X方向移動ステージ45は、Y方向移動ステージ47のY方向移動部471に固定されている。Y方向移動部471は、Y方向移動モータ48の駆動によりY方向移動ステージ47上を図示しないガイドに沿ってY方向に移動するようになっており、これにより、ユニット支持部材44に取り付けられている描画ヘッド43が、Y方向(図1(b)におけるY方向、ネイルプリント装置1の前後方向)に移動するようになっている。
なお、本実施形態において、X方向移動ステージ45及びY方向移動ステージ47は、X方向移動モータ46、Y方向移動モータ48と、図示しないボールネジ及びガイドとを組み合わせることで構成されている。
本実施形態では、X方向移動モータ46及びY方向移動モータ48等により、ペン41を備える描画ヘッド43をX方向及びY方向に駆動するXY駆動部としてのヘッド移動部49が構成されている。
描画部40におけるペン上下用モータ426、インクジェットヘッド71、X方向移動モータ46、Y方向移動モータ48は、後述する制御装置80の描画制御部814(図6参照)に接続され、該描画制御部814によって制御されるようになっている。
また、描画ヘッド43の側方には、乾燥部90が配置されている。
本実施形態では、乾燥部90は、ヘッド移動部49によって描画ヘッド43とともに移動可能に構成されている。
乾燥部90は、熱を発生させるためのヒータ91(図6参照)と、送風のためのファン92(図6参照)とを備え、指挿入部31に置かれた印刷指U1の爪Tにファン92によって生じた風を当て、爪T上に施されたインクジェットヘッド71によるインクジェット描画、又はペン41によるプロッタ描画を乾燥させる機能を有する。
なお、乾燥部90のヒータ91は、用途に応じてON/OFF切り替えが可能となっており、ヒータ91をOFFした状態でファン92のみを回転させることもできるように構成されることが好ましい。
また、図1(a)及び図1(b)に示すように、上部機枠12に固定されている基板13には撮影部50が設けられている。撮影部50は、撮像装置51と、照明装置52とを備えている。
すなわち、上部機枠12には基板13が設置されており、この基板13の下面であって指挿入部31のほぼ上方位置に、2つの撮像装置51が設置されている。
撮像装置51は、例えば200万画素程度以上の画素を有するものであることが好ましい。
この撮影部50は、指挿入部31内に挿入されて上部の開口(すなわち、窓部345)から見える印刷指U1の爪Tを照明装置52によって照明する。そして、撮像装置51によってその印刷指U1を撮影して、印刷指U1の爪Tの撮影画像である爪画像(爪画像を含む指の画像)を取得するものである。
2つの撮像装置51のうちの一方は、指挿入部31の底面に対向して設けられており、爪Tを真上から撮影するものである。
また、撮像装置51のうちの他方は、指挿入部31の底面に対して僅かに傾けて配置されており、爪Tを斜め上方向から撮影するものである。
このように、2つの撮像装置51を異なる位置・角度に配置することにより、少なくとも2つの異なる位置・角度から爪Tを撮影することができる。
本実施形態では、異なる位置・角度に設けられた2つの撮像装置51により、異なる位置・角度から撮影された爪画像を少なくとも2枚取得する。
そして、撮像装置51によって取得されたこれらの撮影画像(爪画像)に基づいて、後述する爪形状検出部812が、xy平面上における爪Tの位置や、爪Tの輪郭(爪Tの形状)、爪Tの曲率(すなわち爪Tの湾曲形状)、爪Tの垂直位置等の爪情報を検出する。なお、異なる位置・角度から爪Tを撮影して複数枚の撮影画像(爪画像)を取得することにより、特に印刷指U1の爪Tの湾曲形状を正確に検出することが可能となる。
照明装置52は、例えば白色LED(Light Emitting Diode)等の光源である。
本実施形態において照明装置52は、基板13上であって撮像装置51の近傍に配置されており、撮像装置51による撮影の際に印刷指U1の爪Tを照明する。
なお、照明装置52を設ける数や具体的な配置等は図示例に限定されない。
撮影部50は、後述する制御装置80の撮影制御部811(図6参照)に接続され、該撮影制御部811によって制御されるようになっている。
撮影部50によって撮影された画像の画像データは、後述する記憶部82の爪画像記憶領域821(図6参照)に記憶される。
制御装置80は、例えば上部機枠12に配置された基板13等に設置されている。
図6は、本実施形態における制御構成を示す要部ブロック図である。
制御装置80は、図6に示すように、図示しないCPU(Central Processing Unit)により構成される制御部81と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等(いずれも図示せず)で構成される記憶部82とを備えるコンピュータである。
記憶部82には、ネイルプリント装置1を動作させるための各種プログラムや各種データ等が格納されている。
具体的には、記憶部82のROMには、爪画像(撮影画像)から爪Tの形状(輪郭)、幅方向における湾曲形状、爪の幅や長さ等の各種の爪情報を検出するための爪情報検出プログラム、描画データを生成するための描画データ生成プログラム、描画処理を行うための描画プログラム等の各種プログラムが格納されており、これらのプログラムが制御装置80によって実行されることによって、ネイルプリント装置1の各部が統括制御されるようになっている。
また、本実施形態において記憶部82には、撮影部50によって取得されたユーザの印刷指U1の爪Tの爪画像(撮影画像)を記憶する爪画像記憶領域821、爪形状検出部812によって検出された爪情報(爪Tの形状(輪郭)や爪Tの湾曲形状等)が記憶される爪情報記憶領域822、及び爪Tに描画されるネイルデザインの画像データを記憶するネイルデザイン記憶領域823等が設けられている。
制御部81は、機能的に見た場合、撮影制御部811、爪形状検出部812、描画データ生成部813、描画制御部814、表示制御部815、乾燥制御部816等を備えている。これら撮影制御部811、爪形状検出部812、描画データ生成部813、描画制御部814、表示制御部815、乾燥制御部816等としての機能は、制御部81のCPUと記憶部82のROMに記憶されたプログラムとの協働によって実現される。
撮影制御部811は、撮影部50の撮像装置51及び照明装置52を制御して撮像装置51により、指挿入部31に挿入された印刷指U1の爪Tの画像を含む指の画像である爪画像(撮影画像)を撮影させるものである。
本実施形態では、撮影制御部811が、2つの撮像装置51によって爪Tの幅方向における複数の位置・角度(例えば、爪Tの真上と爪Tの斜め上方等)から爪Tを撮影して、複数枚の爪画像(撮影画像)を取得させる。
なお、1つの爪Tについて何枚の撮影画像を取得させるかは特に限定されないが、爪Tの幅方向における異なる位置において2枚以上の撮影画像を取得させた方が爪Tの湾曲形状まで精密に検出することが可能となるため好ましい。
撮影部50により取得された爪画像の画像データは、記憶部82の爪画像記憶領域821に記憶される。
爪形状検出部812は、撮像装置51によって撮影された指挿入部31に挿入された印刷指U1の爪Tの画像(撮影画像)に基づいて、印刷指U1の爪Tについての爪情報を検出するものである。
本実施形態において、爪形状検出部812は、撮影画像に基づいて、例えば爪Tの形状(輪郭)や爪Tの水平位置のXY座標、爪Tの高さ(爪Tの垂直方向の位置、以下「爪Tの垂直位置」又は単に「爪Tの位置」ともいう。)、爪Tの幅方向における形状、すなわち、爪Tの表面の、XY平面に対する傾斜角度(爪Tの湾曲形状、爪Tの傾斜角度)等を検出する。なお、爪形状検出部812によって検出される内容はこれに限定されない。
爪形状検出部812によって取得された爪情報は、記憶部82の爪情報記憶領域822に記憶される。
描画データ生成部813は、爪形状検出部812により検出された爪情報に基づいて、描画ヘッド43により印刷指U1の爪Tに施される描画用の描画データを生成する。
具体的には、描画データ生成部813は、爪形状検出部812により検出された爪Tの形状(輪郭形状)等に基づいてネイルデザインの画像データを拡大、縮小、切出し等することにより爪Tの形状に合わせ込む合せ込み処理を行う。
また、描画データ生成部813は、爪形状検出部812により検出された爪Tの湾曲形状に応じて、爪Tに描画するように指定されたネイルデザインの画像データに適宜曲面補正等を行う画像データ補正部としても機能する。
これにより、ペン41やインクジェットヘッド71によって描画されるネイルデザインの描画用のデータが生成される。
描画制御部814は、描画データ生成部813によって生成された描画データに基づいて描画部40に制御信号を出力し、爪Tに対してこの描画データにしたがった描画を施すように描画部40のX方向移動モータ46、Y方向移動モータ48、ペン上下用モータ426、インクジェットヘッド71等を制御する制御部である。
具体的には、描画制御部814は、ペン41の非描画時にはペン41の先端部(ペン先413)が爪Tの表面に接しない高さまで上がった状態を維持し、描画時にはペン41の先端部(ペン先413)が爪Tの表面に当接する高さまで下がるようにペン上下用モータ426の動作を制御する。
また、適宜X方向移動モータ46、Y方向移動モータ48を動作させることにより、描画ヘッド43をX方向、Y方向に移動させながら、爪T上の所定位置に順次描画を施す。
表示制御部815は、表示部26を制御して表示部26に各種の表示画面を表示させるものである。本実施形態では、表示制御部815は、例えばネイルデザインの選択画面やデザイン確認用のサムネイル画像、印刷指U1を撮影して取得した爪画像、各種の指示画面、操作画面等を表示部26に表示させるようになっている。
乾燥制御部816は、乾燥部90の乾燥動作を制御して、指挿入部31に挿入され、描画が施された爪Tについて乾燥部90による乾燥処理を行わせる。
具体的には、乾燥制御部816は、乾燥部90のヒータ91及びファン92のON/OFFを適宜切り替える。また、乾燥制御部816は、適宜ヒータ91の温度制御を行い、必要に応じて、ヒータ91をOFFしてファン92のみを動作させることも可能となっている。
次に、本実施形態における指固定機構及びこれを備えるネイルプリント装置(描画装置)1の作用について説明する。
このネイルプリント装置1により描画を行う場合、ユーザはまず、電源スイッチを入れて制御装置80を起動させる。
表示制御部815は、表示部26にデザイン選択画面を表示させ、ユーザは操作部25の操作釦等を操作して、デザイン選択画面に表示された複数のネイルデザインの中から所望のネイルデザインを選択する。これにより、操作部25から選択指示信号が出力されて爪Tに描画すべきネイルデザインが選択される。
ユーザが印刷指U1を指挿入部31に挿入し、非印刷指U2を指退避部32に挿入する。
印刷指U1を挿入する前の初期状態において、指固定機構3の指載置部材36は、その係止突起362が突起係止部344aに係止され、付勢部材38が押し縮められた状態となっている。この状態では指載置部材36が低い位置(カバー部材34から離間した位置)にあるため、指挿入部31の挿入口部分が大きく確保され、ユーザは円滑に印刷指U1を指固定機構3の指載置部材36内に挿入することができる。
ユーザが指載置部材36の上に印刷指U1を載置して、指載置部材36を少し装置奥側に押し込むようにすると、指載置部材36の係止突起362が突起係止部344aから外れ、ガイド溝344に沿って上下方向(図2(a)等における上下方向)に移動可能な状態となる。これにより押し縮められていた付勢部材38が解放され、付勢部材38の付勢力によって指載置部材36が上方向(すなわち、カバー部材34に接近する方向)に押し上げられる。そして、印刷指U1の上面がカバー部材の指押え部346の緩衝部材347に突き当たると、印刷指U1が指載置部材36とカバー部材34との間で挟まれて固定される。
この固定状態において、爪Tは、指支持部材39の爪載置部391に載置され、これによって爪Tの位置がペン41やインクジェットヘッド71による描画に適した位置に位置決めされる。
前述のように、本実施形態では、付勢部材38が伸び切ってフリーとなった状態では付勢部材38の付勢力(バネ荷重)が働かず、付勢部材38がある程度押し縮められて変位した状態で付勢力(バネ荷重)が発揮されるようになっている。
付勢部材38は、指載置部材36とカバー部材34との距離が離れるほど押し縮められ、上方向に指載置部材36を押し戻そうとする付勢力(バネ荷重)が働く。
本実施形態では、指載置部材36とカバー部材34との距離が離れるほど、指載置部材36に設けられた第1の磁石363とカバー部材34に設けられた第2の磁石348との距離も離間して吸引力が弱くなり、他方で付勢部材38による付勢力(バネ荷重)は強くなるという関係にある。そして、この磁石の吸引力と付勢部材38の付勢力(バネ荷重)とを組み合わせることで、印刷指U1を固定する固定力をできるだけ一定になるようにしている。
このため、本実施形態では、図4に示したような関係となるような磁石及びコイルバネが、第1の磁石363及び第2の磁石348、付勢部材38として適用されており、第1の磁石363と第2の磁石348との吸引力が所定以下となる位置まで指載置部材36とカバー部材34とが離間したときに、付勢部材38が指載置部材36をカバー部材34側に向かって付勢するようになっている。
ここで、図7(a)及び図7(b)から図9(a)及び図9(b)を参照しつつ、各種の大きさの指が印刷指U1として指固定機構3に挿入された場合における磁石の吸引力と付勢部材38の付勢力(バネ荷重)との関係について説明する。なお、図7(b)、図8(b)図9(b)では、印刷指U1及びその爪Tを二点鎖線で示している。
図7(a)及び図7(b)は、小指等の細い指が印刷指U1として指固定機構3に挿入される場合を示すものであり、図7(a)は、印刷指U1が挿入されていない状態を図示し、図7(b)は、印刷指U1が挿入された状態を図示している。
図7(a)及び図7(b)に示すように、指挿入部31の指固定機構3に小指等の細い指が挿入される場合には、指載置部材36の上面とカバー部材34の指押え部346の下面との間の距離は小さく、第1の磁石363、第2の磁石348の磁石間距離も小さい。このため、磁石同士の吸引力も大きく、例えば、第一関節部分の指の厚みが10mm程度の男性の小指が挿入される場合、左右一対の第1の磁石363及び第2の磁石348の吸引力は278gfである(図4の上から2番目の列参照)。
このとき、付勢部材38であるコイルバネにはバネ変位が生じず、付勢部材38は付勢力(バネ荷重)を発揮しない。このため、第一関節部分の指の厚みが10mm程度の細い指が挿入されたときには、磁石の吸引力のみによって印刷指U1が固定される。
次に、図8(a)及び図8(b)は、中指等の中程度の太さの指が印刷指U1として指固定機構3に挿入される場合を示すものであり、図8(a)は、印刷指U1が挿入されていない状態を図示し、図8(b)は、印刷指U1が挿入された状態を図示している。
図8(a)及び図8(b)に示すように、指挿入部31の指固定機構3に中指等の中程度の太さの指が挿入される場合には、指載置部材36の上面とカバー部材34の指押え部346の下面との間の距離は小指等が挿入される場合よりも大きく、第1の磁石363、第2の磁石348の磁石間距離も広がる。これにより、磁石同士の吸引力は磁石間距離に反比例して小さくなり、例えば、第一関節部分の指の厚みが14mm程度の中指が挿入される場合、左右一対の第1の磁石363及び第2の磁石348の吸引力は156gfである(図4の上から4番目の列参照)。
このとき、図4に示すように、付勢部材38であるコイルバネには4mmのバネ変位が生じ、付勢部材38は100gfの付勢力(バネ荷重)を発揮する。このため、第一関節部分の指の厚みが14mm程度の指が挿入されたときには、磁石の吸引力156gfと付勢部材38の付勢力(バネ荷重)100gfを合わせた256gfの固定力によって印刷指U1が固定される。
また、図9(a)及び図9(b)は、親指等の太い指が印刷指U1として指固定機構3に挿入される場合を示すものであり、図9(a)は、印刷指U1が挿入されていない状態を図示し、図9(b)は、印刷指U1が挿入された状態を図示している。
図9(a)及び図9(b)に示すように、指挿入部31の指固定機構3に太い指が挿入される場合には、指載置部材36の上面とカバー部材34の指押え部346の下面との間の距離は中指等が挿入される場合よりもさらに大きくなり、第1の磁石363、第2の磁石348の磁石間距離も広がる。これにより、磁石同士の吸引力は磁石間距離に反比例してより小さくなり、例えば、第一関節部分の指の厚みが20mm程度の親指が挿入される場合、左右一対の第1の磁石363及び第2の磁石348の吸引力は83gfである(図4の一番下の列参照)。
このとき、図4に示すように、付勢部材38であるコイルバネには10mmのバネ変位が生じ、付勢部材38は250gfの付勢力(バネ荷重)を発揮する。このため、第一関節部分の指の厚みが20mm程度の太い指が挿入されたときには、磁石の吸引力83gfと付勢部材38の付勢力(バネ荷重)250gfを合わせた333gfの固定力によって印刷指U1が固定される。
印刷指U1が固定され、ユーザが操作部25の図示しない描画スイッチを操作すると、描画開始指示が制御装置80に入力される。
描画スイッチから制御装置80に指示が入力されると、描画動作を開始する前に、まず撮影制御部811が撮影部50の撮像装置51及び照明装置52を制御して、撮像装置51により印刷指U1を撮影させ、爪画像(撮影画像)を取得させる。
爪画像(撮影画像)が取得されると、爪形状検出部812は、爪画像(撮影画像)に基づいて爪Tの外形形状である輪郭形状を検出する。また、爪形状検出部812は、爪画像(撮影画像)に基づいて、爪Tの湾曲形状、その他の爪情報を検出する。
次いで、描画データ生成部813は、爪形状検出部812により検出された爪情報に基づいて、ユーザによって選択されたネイルデザインをユーザのTに描画するための描画用データ(ネイルデザインの描画データ)を生成する。
描画用データが生成されると、描画制御部814は、この描画用データを描画部40に出力し、ヘッド移動部49を動作させて適宜描画ヘッド43を移動させながら、ペン41やインクジェットヘッド71により爪Tにインクを塗布したり各種絵柄を描画する等の描画処理を行わせる。
描画処理が終了すると、乾燥制御部816が乾燥部90の動作を制御して爪Tに塗布されたインクを乾燥させる乾燥処理を行わせる。
なお、ペン41による描画処理の後、さらにインクジェットヘッド71による描画を行う場合のように爪Tに対して複数回繰り返して描画処理を行う場合には、所定時間乾燥処理を行った後、再び撮影制御部811が撮影部50を制御して、撮像装置51により爪画像(撮影画像)を取得させる。そして、爪形状検出部812が爪画像(撮影画像)から爪Tの輪郭形状等の爪情報を検出し、この爪情報に基づいて、描画データ生成部813が次の描画処理を行うための描画用データを生成し、生成された描画用データに基づいて、次の描画処理が行われる(例えばインクジェットヘッド71による絵柄の描画)。そして、当該描画処理が終了すると、再び乾燥処理が行われる。さらに異なる色のインク等で描画を行う場合には、爪画像の撮影、爪情報の検出、描画データの生成、描画処理、乾燥処理といった上記一連の処理を繰り返す。
所定時間乾燥処理が行われると、表示部26等に当該爪Tについての描画処理が終了した旨のメッセージが表示され、ユーザに描画処理が終了した旨を報知する。なお、描画処理が終了した旨を報知する手法は表示部26へのメッセージ表示に限定されない。例えば、ネイルプリント装置にスピーカを備えて、スピーカからアラームや音声案内等を出力させるようにしてもよい。
ユーザはメッセージ表示等にしたがって印刷指U1の固定を解除して、描画処理を終了する。
具体的には、印刷指U1によって指載置部材36をガイド溝344の最下端に係止突起362が突き当たるまで下方向に押し下げる。そして、さらに、指載置部材36を少し手前側に引くことで係止突起362が突起係止部344aに嵌り込んで係止される。
この状態において、指載置部材36はカバー部材34から離間した低い位置で固定されるため、指挿入部31の挿入口部分が大きく確保され、ユーザは円滑に印刷指U1を指固定機構3の指載置部材36内から取り出すことができる。
以上のように、本実施形態によれば、印刷指U1を載置する指載置部材36と、その指載置側に対向して設けられたカバー部材34との間で印刷指U1を挟んで固定する場合に、指載置部材36におけるカバー部材34に対向する面に第1の磁石363を設け、この第1の磁石363と互いに引き合う第2の磁石348をカバー部材34における第1の磁石363に対応する位置に設け、第1の磁石363と第2の磁石348との吸引力が所定以下となる位置まで指載置部材36とカバー部材34とが離間したときに、付勢部材38によって指載置部材36をカバー部材34の側に向かって付勢するように構成している。
これにより、第1の磁石363と第2の磁石348との吸引力と、付勢部材38の付勢力とを組み合わせて、印刷指U1の固定を行うことができる。
印刷指U1の大きさは、ユーザの性別や指の種類等によって様々である。このため、一律に同じ固定部材によって固定したのでは、太い指では固定力が強すぎて指に痛みや不快感を感じるおそれがあり、細い指では十分な固定ができずに描画中等に指が動いてしまうおそれがある。各種の指に対応するように指ごとに固定部材等を変更したり調整することも考えられるが、このような作業はユーザにとって手間である。
この点、本実施形態のように、指載置部材36とカバー部材34との距離が近い場合には主として磁石の吸引力によって印刷指U1を固定し、指載置部材36とカバー部材34との距離が離れて磁石の吸引力が弱まってくると、指載置部材36を押し上げる付勢部材38の付勢力(バネ荷重)と磁石の吸引力とを合わせた総合的な固定力で印刷指U1を固定する。
このため、どのようなサイズの指の爪Tに描画を施す場合でも、適度な力で印刷指U1を固定することができる。
また、本実施形態の指固定機構3では、指載置部材36をカバー部材34から離間した位置に係止するロック機構として、指載置部材36に係止突起362を備え、カバー部材34に係止突起362を係止する突起係止部344aを備えている。
これにより、係止突起362を突起係止部344aに係止することで印刷指U1を指固定機構3に挿入する開口部を広く確保することができ、指固定機構3への印刷指U1の挿入、取り出しを容易かつ円滑に行うことができる。
また、本実施形態の指固定機構3では、印刷指U1が固定された際に当該印刷指U1の爪Tを位置決めする爪載置部391を備えている。
このため、印刷指U1を固定して爪Tを爪載置部391に載置するだけで、爪Tの高さ方向及び幅方向の位置が描画に適した位置に爪Tが配置され、簡易かつ適切に爪Tの位置決めを行うことができる。
そして、上記のような指固定機構3を描画装置であるネイルプリント装置1に備えることで、ユーザに負担を掛けずに爪Tに高精細な描画を行うことができる。
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態では、指載置部材36の指載置面(図2(a)等において上側の面)における指の幅方向の両側に長尺な平板状の第1の磁石363を設け、カバー部材34の指押え部346の裏面側(図2(a)等において下側の面)における指の幅方向の両側に長尺な平板状の第2の磁石348を設ける場合を例示したが、第1の磁石363及び第2の磁石348の形状や配置等はここに例示したものに限定されない。
例えば、長尺な平板状の磁石ではなく小さな磁石を複数並べても構成してもよい。
また、第1の磁石及び第2の磁石は、電磁石であってもよい。
この場合には、付勢部材38との組み合わせたときに最適な吸引力となるように、コイルの巻き方を調整することで磁力を調整する。
なお、第1の磁石及び第2の磁石を電磁石によって構成した場合には、通電しない限り第1の磁石と第2の磁石とが引き付け合うことがないため、指載置部材36をカバー部材34から離間した位置に係止するロック機構を備えない構成としてもよい。
また、上記実施形態では、指載置部材36をカバー部材34から離間した位置に係止するロック機構として、指載置部材36に係止突起362を備え、カバー部材34に係止突起362を係止する突起係止部344aを備えている場合を例示したが、ロック機構は指載置部材36をカバー部材34から離間した位置に係止することができるものであればよく、実施形態に示した構成に限定されない。
例えば、ロックカム機構やハートカム機構等によって、指載置部材36を指で押し下げることで下ケースの底面に指載置部材36がロックされ、再度指載置部材36を指で押し下げることで当該ロックが外れるように構成してもよい。
また、上記実施形態では、ネイルプリント装置(描画装置)1の描画ヘッド43に描画用のペン41を保持するペンホルダ42とインクジェットヘッド71とを備える構成としたが、ペン41とインクジェットヘッド71との両方を備えることは必須の構成ではなく、いずれか一方のみを備えて描画を行う描画装置であってもよい。
また、上記実施形態では、描画ヘッド43にペンホルダ42を1つ備えている場合を例示したが、描画ヘッド43に設けられるペンホルダ42の数は1つに限定されない。例えば2つ以上のペンホルダ42を備え、描画用のペン41が2本以上保持されていてもよい。
また、上記実施形態では、ペンホルダ42に保持させるペン41を、ユーザが適宜手動で交換する場合を例示したが、例えば、ホームエリア60等にペン41を待機させておく待機スペースを設けて、図示しないペン交換機構により必要なペン41を自動的に待機スペース内から取得してペンホルダ42に差し替えるようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、装置の上部に撮像装置51や照明装置52が固定配置されている場合を例示したが、撮像装置51や照明装置52を設ける位置はこれに限定されない。
例えば、描画ヘッド43に撮像装置51や照明装置52を搭載して、ヘッド移動部49によりXY方向に移動可能に構成されていてもよい。
また、例えば描画ヘッド43を移動させる機構とは別に撮影部50を移動させる機構を別途設けてもよい。
このように、撮像装置51や照明装置52を移動可能に構成した場合には、撮像装置51を1つだけ設けて、移動させることで複数の異なる位置や角度から撮影を行うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、指を1本ずつ装置に挿入して順次描画を行うネイルプリント装置1を例としたが、複数本の指に対して、各指を抜き差しすることなく、連続的に描画を行うことのできる構成とすることも可能である。
この場合には、指挿入部31に挿入される数だけ指固定機構3を設ける。
以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
指を載置する指載置部材と、
前記指載置部材の指載置側に対向して設けられ、前記指載置部材との間で前記指を挟んで固定するカバー部材と、
前記指載置部材における前記カバー部材に対向する面に設けられた第1の磁石と、
前記カバー部材における前記第1の磁石に対応する位置に設けられ、前記第1の磁石と互いに引き合う第2の磁石と、
前記指載置部材を前記カバー部材側に向かって付勢させる付勢部材と、
を備えていることを特徴とする指固定機構。
<請求項2>
前記指載置部材と前記カバー部材との離間に伴う前記第1の磁石と前記第2の磁石との吸引力の低下と相補的に、前記付勢部材の付勢力が増加することを特徴とする請求項1に記載の指固定機構。
<請求項3>
前記指載置部材を、前記カバー部材から離間した位置に係止するロック機構を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の指固定機構。
<請求項4>
前記指載置部材は、係止突起を有し、
前記カバー部材は、前記第2の磁石が設けられた面と直交する側面にガイド溝を有し、
前記ガイド溝は、前記カバー部材から一番離間した位置に突起係止部が設けられており、
前記指載置部材は、前記係止突起が前記ガイド溝に沿うように、前記カバー部側に向かって移動可能であり、
前記ロック機構は、前記係止突起を前記突起係止部に係止するものであることを特徴とする請求項3に記載の指固定機構。
<請求項5>
前記指載置部材と前記カバー部材との距離が人の指の厚み程度であった場合、
前記第1の磁石と前記第2の磁石との吸引力と、前記付勢部材の付勢力と、の合成力が略等しくなるように前記吸引力と前記付勢力とが調整されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の指固定機構。
<請求項6>
前記指が固定された際に当該指の爪を位置決めする爪載置部を備えていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の指固定機構。
<請求項7>
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の指固定機構と、
前記指固定機構により固定された前記指の爪に描画を施す描画部と、
を備えていることを特徴とする描画装置。
1 ネイルプリント装置(描画装置)
3 指固定機構
31 指挿入部
34 カバー部材
36 指載置部材
38 付勢部材
40 描画部
41 ペン
43 描画ヘッド
49 ヘッド移動部
50 撮影部
81 制御部
82 記憶部
344 ガイド溝
344a 突起係止部
346 指押え部
348 第2の磁石
362 係止突起
363 第1の磁石
T 爪
U1 印刷指

Claims (7)

  1. 指を載置する指載置部材と、
    前記指載置部材の指載置側に対向して設けられ、前記指載置部材との間で前記指を挟んで固定するカバー部材と、
    前記指載置部材における前記カバー部材に対向する面に設けられた第1の磁石と、
    前記カバー部材における前記第1の磁石に対応する位置に設けられ、前記第1の磁石と互いに引き合う第2の磁石と、
    前記指載置部材を前記カバー部材側に向かって付勢させる付勢部材と、
    を備えていることを特徴とする指固定機構。
  2. 前記指載置部材と前記カバー部材との離間に伴う前記第1の磁石と前記第2の磁石との吸引力の低下と相補的に、前記付勢部材の付勢力が増加することを特徴とする請求項1に記載の指固定機構。
  3. 前記指載置部材を、前記カバー部材から離間した位置に係止するロック機構を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の指固定機構。
  4. 前記指載置部材は、係止突起を有し、
    前記カバー部材は、前記第2の磁石が設けられた面と直交する側面にガイド溝を有し、
    前記ガイド溝は、前記カバー部材から一番離間した位置に突起係止部が設けられており、
    前記指載置部材は、前記係止突起が前記ガイド溝に沿うように、前記カバー部側に向かって移動可能であり、
    前記ロック機構は、前記係止突起を前記突起係止部に係止するものであることを特徴とする請求項3に記載の指固定機構。
  5. 前記指載置部材と前記カバー部材との距離が人の指の厚み程度であった場合、
    前記第1の磁石と前記第2の磁石との吸引力と、前記付勢部材の付勢力と、の合成力が略等しくなるように前記吸引力と前記付勢力とが調整されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の指固定機構。
  6. 前記指が固定された際に当該指の爪を位置決めする爪載置部を備えていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の指固定機構。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の指固定機構と、
    前記指固定機構により固定された前記指の爪に描画を施す描画部と、
    を備えていることを特徴とする描画装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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