JP2018050359A - モータ - Google Patents

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森澤 文晴
Fumiharu Morisawa
文晴 森澤
佐々木 愛一郎
Aiichiro Sasaki
愛一郎 佐々木
岡 宗一
Soichi Oka
宗一 岡
枚田 明彦
Akihiko Hirata
明彦 枚田
加々見 修
Osamu Kagami
修 加々見
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Abstract

【課題】低消費電力、低コスト、省スペースのモータを提供する。【解決手段】開ループコイル21に近接して閉ループコイル22を配置し、開ループコイル21と閉ループコイル22の共振周波数が一致するように開ループコイル21と閉ループコイル22に接続するキャパシタC1,C2の容量を設定する。これにより、開ループコイル21と閉ループコイル22との間で磁気的に結合して磁界が共振し、閉ループコイル22に入力した電流よりも大きな電流が流れて、より大きな磁界が発生するので、低消費電力でロータ3を回転させることができる。また、特定の周波数の正弦波を共振現象によって得られるので、正弦波を生成する回路を簡略化できる。【選択図】図1

Description

本発明は、電磁力で回転するモータに関する。
ブラシレスDCモータは、ブラシ付きDCモータの欠点であったブラシと整流子を不要にし、寿命、騒音、制御性に優れているため、様々な製品で利用されている。例えば、HDDのスピンドルモータや廃熱のファンモータ等の小型機器、ミシン、冷蔵庫、エアコン、洗濯機等の大型家電、あるいは産業機器等で実績がある。
"1−3−2 ブラシレスDCモータ"、[online]、日本電産株式会社、[平成28年4月1日検索]、インターネット〈 URL:http://www.nidec.com/ja-JP/technology/motor/basic/00005/〉 "1−3−6 超音波モータ"、[online]、日本電産株式会社、[平成28年4月1日検索]、インターネット〈 URL:http://www.nidec.com/ja-JP/technology/motor/basic/00009/〉 "正弦波駆動とは"、[online]、株式会社東芝、[平成28年4月1日検索]、インターネット〈 URL:http://toshiba.semicon-storage.com/jp/design-support/e-learning/brushless_motor/chap3/1274521.html〉 "速度シーケンス"、[online]、株式会社東芝、[平成28年4月1日検索]、インターネット〈 URL:http://toshiba.semicon-storage.com/jp/design-support/e-learning/brushless_motor/chap4/1274647.html〉
しかしながら、従来のブラシレスDCモータには以下の課題がある。
第1に、ブラシレスDCモータは、入力電圧によりトルク、回転数が決まるので、より高いトルクや回転数を得るためには、入力電圧を上げる必要がある。入力電圧を上げると消費電力が大きくなってしまうという課題があった。また、入力電圧を使用する電源電圧以上とする場合には昇圧回路が必要になるという課題があった。
第2に、高効率、低振動、低騒音を実現するには、入力電圧に正弦波を用いることが理想であるが、制御された正弦波を生成するための回路を組み込む必要があり、コストが増大し、スペースも必要であるという課題があった。
上記の課題は、ブラシレスDCモータに限らず、ステッピングモータやACモータにも同様のことが言える。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、低消費電力、低コスト、省スペースのモータを提供することを目的とする。
本発明に係るモータは、回転するロータと前記ロータを回転させる力を発生するステータを備えたモータであって、前記ステータに配置された開ループコイルと、前記開ループコイルに近接して前記ステータに配置された閉ループコイルと、前記開ループコイルに接続された第1キャパシタと、前記第1キャパシタに直列に接続された第1抵抗と、前記閉ループコイルに接続された第2キャパシタと、前記第2キャパシタに直列に接続された第2抵抗と、を有し、前記第1キャパシタの容量と前記第2キャパシタの容量は、前記開ループコイルと前記閉ループコイルの共振周波数が一致するように設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、低消費電力、低コスト、省スペースのモータを提供することができる。
本実施形態のブラシレスDCモータを軸方向から見た断面図である。 開ループコイルと閉ループコイルで構成される電気回路図を示す図である。 コイルに流れる電流の波形の例とホール素子が検出する波形の例を示す図である。 回転速度を変化させる制御シーケンスを示すフローチャートである。 本実施形態の別のブラシレスDCモータを軸方向から見た断面図である。 本実施形態のステッピングモータを軸方向から見た断面図である。 図6のステッピングモータに入力する波形を示す図である。 本実施形態の別のステッピングモータを軸方向から見た断面図である。 本実施形態のACモータを軸方向から見た断面図である。 図9のACモータの開ループコイルに入力する波形を示す図である。 本実施形態の別のACモータを軸方向から見た断面図である。 可変キャパシタ制御を行う電気回路図である。 可変キャパシタの設定例を示す図である。 開ループコイルと閉ループコイルの配置例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
[ブラシレスDCモータ]
図1は、本実施形態のブラシレスDCモータを軸方向から見た断面図である。
図1に示すモータ1は、外周の内側にステータ2A,2B,2Cを固定し、ステータ2A,2B,2Cの内側にロータ3を配置したインナーロータ型のブラシレスDCモータである。
ステータ2A,2B,2Cのそれぞれには、開ループコイル21A,21B,21C(以下、「開ループコイル21」と称する)と閉ループコイル22A,22B,22C(以下、「閉ループコイル22」と称する)が近接して巻かれている。開ループコイル21は制御回路5に電気的に接続されて、電流が入力される。閉ループコイル22は短絡されて閉ループとなっている。図1では図示していないが、開ループコイル21と閉ループコイル22のそれぞれには、所定の値の抵抗とキャパシタが直列に接続されている。
ロータ3は、永久磁石を備え、軸を中心として回転可能である。
モータ1の内部には、ロータ3の回転角度を検出するためのホール素子4A,4B,4Cが配置される。
制御回路5はマイコンを備え、ホール素子4A,4B,4Cによって検出されるロータ3の回転角度に応じて各開ループコイル21A,21B,21Cに流れる電流の大きさと向きを変化させる。開ループコイル21に電流が流れると、開ループコイル21と閉ループコイル22の間で磁気的に結合し、磁界が共振する。この共振現象によって、閉ループコイル22により大きな電流が流れ、閉ループコイル22で発生した磁界が主要因となってロータ3を回転させる。
なお、本発明は、コイルの数、永久磁石の磁極の数、ホール素子の数には依存しない。また、開ループコイル21A,21B,21C間を接続する結線方式には依存せず、一般的なブラシレスDCモータで使われるΔ結線、Y字結線を適用できる。
図2に開ループコイル21と閉ループコイル22で構成される電気回路図を示す。なお、以降で説明する他のモータについても同様の電気回路図が適用できる。
開ループコイル21には抵抗R1とキャパシタC1が直列に接続される。閉ループコイル22には抵抗R2とキャパシタC2が直列に接続される。開ループコイル21と閉ループコイル22との間の共振周波数を一致させる。開ループコイル21に交流電流が流れることにより発生した磁場の振動が、同じ周波数で共振する閉ループコイル22に伝わり、閉ループコイル22にはより大きな電流が流れる。閉ループコイル22からは開ループコイル21で発生する磁界よりも大きな磁界が発生し、その磁界が主要因となってロータ3が回転する。
閉ループコイル22に流れる特定の周波数の正弦波の電流は共振現象によって自動的に生成される。したがって、正弦波を出力するための回路を簡略化することが可能になる。
開ループコイル21と閉ループコイル22は結合度を高くすると、共振したときに閉ループコイル22に流れる電流が大きくなるので、できるだけ近接させて中心位置を一致させるとよい。
なお、抵抗R1,R2、キャパシタC1,C2は、モータ1内部に配置するとよいが、利用者が所望の共振周波数を設定できるようにモータ1に接続端子を設けて、抵抗R1,R2、キャパシタC1,C2を外付け可能にしてもよい。また、抵抗R1,R2は、入力源の内部抵抗もしくはコイル自身の抵抗に代替することが可能である。
本実施形態では、ブラシレスDCモータに磁界共鳴の考え方を適用し、共振によって得られるより大きな電流により高回転数・高トルクを実現する。従来のモータにおいて、電圧源に接続されたコイルの抵抗値を小さくすることによって大きな電流を流すことが考えられる。一般的に電圧源は数10Ωの内部抵抗がある。そのため、内部抵抗を含めた電気回路で考えると、低抵抗を実現することは極めて困難であり、大きな電流を流すことができない。本実施形態の電気回路構成をとることによって、低抵抗の電気回路が実現可能になり、さらに、正弦波も生成可能である。
続いて、キャパシタC1,C2の容量について説明する。
次式は、所望の周波数で磁界を共振させるために必要なキャパシタC1,C2を導出する式である。
Figure 2018050359
ここで、C1は開ループコイル21に接続するキャパシタの容量、C2は閉ループコイル22に接続するキャパシタの容量、R1は開ループコイル21に接続する抵抗の値、R2は閉ループコイル22に接続する抵抗の値、fはモータ1の1秒当たりの回転数、Lは開ループコイル21及び閉ループコイル22のインダクタンスである。開ループコイル21と閉ループコイル22のインダクタンスLを一致させる。
式(1)のルート内の成分は正の値をとる必要がある。以下の式(2)を満たすときに、開ループコイル21と閉ループコイル22の間で磁界の共振が発生する。
Figure 2018050359
この時、開ループコイル21に印加する入力電圧をVinとすると、開ループコイル21と閉ループコイル22のそれぞれに流れる電流I1,I2は次式(3)となる。
Figure 2018050359
抵抗R1,R2の比が大きいほど閉ループコイル22に流れる電流I2は大きくなるが、開ループコイル21及び閉ループコイル22のインダクタンスLを大きくする必要がある。
ブラシレスDCモータの回転数は利用用途によって異なるが、一般的に1秒当たり250回転程度までの回転数とする。
例えば、1秒当たりの回転数fを200回/秒、閉ループコイル22に流れる電流I2を電流I1の10倍とするモータ1を設計する。抵抗R1の値を100Ω、抵抗R2の値を1Ωとすると、式(2)よりインダクタンスLの値は8.0mHとなる。開ループコイル21と閉ループコイル22のインダクタンスLが8.0mH以上となるようにコイルの巻き数を設定するとよい。安定性を考慮してインダクタンスLを10.0mHとすると、式(1)より、キャパシタC1の容量は9.0μF、キャパシタC2の容量は60μFとなる。開ループコイル21と閉ループコイル22は200Hz近傍で共振し、回転数fは200回/秒となる。開ループコイル21と閉ループコイル22の共振周波数とロータ3の回転周波数は必ずしも一致させなくても電流増強効果を得られるが、共振周波数と回転周波数を一致させると良い。
次に、本実施形態のモータの制御について説明する。
図3(a)は、コイルに流れる電流の波形の例を示す図であり、図3(b)は、ホール素子4A,4B,4Cが検出する波形の例を示す図である。
制御回路5は、ロータ3の位置に応じて、互いに120度ずつ位相をずらした正弦波の電流が閉ループコイル22に流れるように開ループコイル21A,21B,21Cのそれぞれに電流を入力する。正弦波でモータを駆動する場合は、矩形波を利用する場合と比べて、高効率、低振動、低騒音となる。
ホール素子4A,4B,4Cで60度毎にロータ3の位置を検出し、制御回路5は、検出したロータ3の位置にあった正弦波電圧を出力する。
図4は、回転速度を変化させる制御シーケンスを示すフローチャートである。
現在のロータ3の回転速度を求める(ステップS1)。3個のホール素子4A,4B,4Cのパターンが変化する時間、つまりロータ3が60度回転する時間をタイマで計測する。
目標の回転速度を求める(ステップS2)。目標とする1秒間の回転数から60度だけ回転する時間を求める。
現在の回転速度と目標の回転速度を比較する(ステップS3)。ステップS1,S2で求めた回転速度を比較する。
制御回路5は、ステップS3の結果に基づいて、電圧と周波数を変更する(ステップS4)。現在の回転速度が目標より速い場合は電圧を下げ、遅い場合は電圧を上げる。モータ1の駆動はインバータ回路を使い、電圧はPWM(Pulse Width Modulation)制御で電圧波形を変化させて回転数を制御する。
開ループコイル21及び閉ループコイル22に流れる電流は式(3)で決まり、入力電圧を下げれば閉ループコイル22に流れる電流が減り、入力電圧を上げれば閉ループコイル22に流れる電流が増える。つまり、一般的なDCモータと同様にトルクを電圧で変更できる。
本実施形態のモータ1は、ブラシレスDCモータに必要なホール素子によるロータの位置の検出や、電流量の制御については、従来のマイコン及び制御回路をそのまま適用することができる。この場合、制御回路の出力段の駆動方式は、ユニポーラ駆動方式、バイポーラ駆動方式のどちらも適用できる。
次に、本実施形態の別のブラシレスDCモータについて説明する。
図5は、本実施形態の別のブラシレスDCモータを軸方向から見た断面図である。
図5に示すモータ1は、内側にステータ2A,2B,2Cを配置し、ステータ2A,2B,2Cの外側にロータ3を配置したアウターロータ型のブラシレスDCモータである。
ステータ2A,2B,2Cのそれぞれには、開ループコイル21と閉ループコイル22が近接して巻かれている。開ループコイル21は制御回路(図示せず)に電気的に接続されて、電流が入力される。閉ループコイル22は短絡されて閉ループとなっている。図5では図示していないが、開ループコイル21と閉ループコイル22のそれぞれには、所定の値の抵抗とキャパシタが直列に接続されている。
ロータ3は、永久磁石を備え、回転可能である。
モータ1の内部には、ロータ3の回転角度を検出するためのホール素子4A,4B,4Cが配置される。
図5のモータ1は、図1のモータ1と同様に、制御回路によって制御される。
ブラシレスDCモータの内部構造には依存せずに、図5のアウターロータ型のブラシレスDCモータにおいても図1のインナーロータ型のブラシレスDCモータと同様の効果を得ることができる。
[ステッピングモータ]
図6は、本実施形態のステッピングモータを軸方向から見た断面図である。
図6に示すモータ1は、外周の内側にステータ2A〜2Fを固定し、ステータ2A〜2Fの内側に永久磁石のロータ3を配置したPM型ステッピングモータである。
ステータ2A〜2Fのそれぞれには、ブラシレスDCモータと同様に、開ループコイル21と閉ループコイル22が近接して巻かれている。開ループコイル21は制御回路(図示せず)に電気的に接続されて、電流が入力される。閉ループコイル22は短絡されて閉ループとなっている。図6では図示していないが、開ループコイル21と閉ループコイル22のそれぞれには、所定の値の抵抗とキャパシタが直列に接続されている。
ステッピングモータでは、開ループコイル21へ印加する電圧パターンを切り替えることによって、ロータ3がステップ状に回転する。
開ループコイル21A〜21Fのそれぞれに、図7に示す波形を入力すると、電圧値が遷移するごとに、ロータ3は30度回転し、その位置を保持する。ステッピングモータは電圧パターンの切り替え回数と回転角度が正確に比例するため、ブラシレスDCモータに必要であったロータ3の位置を推定する機構は不要である。
ステッピングモータは設置されるコイルの数が多く、消費電力が大きくなり、トルクが小さいという課題があった。本実施形態では、開ループコイル21で発生した磁場の振動が同じ周波数で共振する閉ループコイル22に伝わり、閉ループコイル22にはより大きな電流が流れる。その結果、同じ入力電圧で考えた場合、従来よりも大きな磁界を発生させて、トルクを強くすることができる。
図8は、本実施形態の別のステッピングモータを軸方向から見た断面図である。
図8に示すモータ1は、外周の内側にステータ2A〜2Fを固定し、ステータ2A〜2Fの内側に歯車状のロータ3を配置したVR型ステッピングモータである。
ステータ2A〜2Fのそれぞれには、図6のステッピングモータと同様に、開ループコイル21と閉ループコイル22が近接して巻かれている。開ループコイル21は制御回路(図示せず)に電気的に接続されて、電流が入力される。閉ループコイル22は短絡されて閉ループとなっている。図8では図示していないが、開ループコイル21と閉ループコイル22のそれぞれには、所定の値の抵抗とキャパシタが直列に接続されている。
VR型ステッピングモータは電流によって励磁されたステータ2A〜2Fがロータ3の歯と磁力によって整列する原理を利用する。例えば、図8のステータ2A〜2Fとロータ3の歯数の比率が6:4の場合、位置決め分解能は30度になる。
このように、開ループコイル21と閉ループコイル22の構成はステッピングモータにも適用できる。また、ステッピングモータの内部構造には依存しない。
[ACモータ]
図9は、本実施形態のACモータを軸方向から見た断面図である。
図9に示すモータ1は、外周の内側にステータ2A〜2Dを固定し、ステータ2A〜2Dの内側にかご型のロータ3を配置した誘導型ACモータである。
ステータ2A〜2Dのそれぞれには、ブラシレスDCモータ及びステッピングモータと同様に、開ループコイル21と閉ループコイル22が近接して巻かれている。開ループコイル21は交流電源6に電気的に接続されて、電流が入力される。閉ループコイル22は短絡されて閉ループとなっている。図9では図示していないが、開ループコイル21と閉ループコイル22のそれぞれには、所定の値の抵抗とキャパシタが直列に接続されている。
誘導型ACモータでは、閉ループコイル22から発生した磁界による磁界結合によりかご型のロータ3に誘導電流を発生させて、ロータ3を回転させる。交流電源6は図10の実線で示す波形を出力する。主巻線である開ループコイル21A,21Cには、交流電源6から出力されたままの位相で入力される。補助巻線である開ループコイル21B,21Dには、キャパシタによって90度位相が変化した波形(図10の点線)が入力される。電圧値が遷移するごとにロータ3は90度回転する。
なお、ロータ3の構造には依存せず、巻線による巻線形ロータ等にも適用できる。また、極数、相数にも依存しない。
図11は、本実施形態の別のACモータを軸方向から見た断面図である。
図11に示すモータ1は、外周の内側にステータ2A〜2Cを固定し、ステータ2A〜2Cの内側に永久磁石のロータ3を配置した同期型ACモータである。
ステータ2A〜2Cのそれぞれには、図9のモータと同様に、開ループコイル21と閉ループコイル22が近接して巻かれている。開ループコイル21は交流電源(図示せず)に電気的に接続されて、電流が入力される。閉ループコイル22は短絡されて閉ループとなっている。図11では図示していないが、開ループコイル21と閉ループコイル22のそれぞれには、所定の値の抵抗とキャパシタが直列に接続されている。
同期型ACモータでは、3相交流を開ループコイル21に入力することで生じる回転磁界によってロータ3を回転させる。
このように、開ループコイル21と閉ループコイル22の構成はACモータにも適用できる。また、ACモータの内部構造には依存しない。
[モータの速度及びトルクの変更]
これまで説明したモータの速度及びトルクを動的に変更する方法としては、可変キャパシタを用いる方法、可変抵抗を用いる方法、及び閉ループコイルを切断する方法がある。以下、これらの3つの方法について説明する。
まず、可変キャパシタを用いる方法について説明する。
図12は、可変キャパシタ制御を行う電気回路図である。図12(a)は、開ループコイル21に可変キャパシタを接続した電気回路図であり、図12(b)は、閉ループコイル22に可変キャパシタを接続した電気回路図である。
図12(a)に示すように、開ループコイル21に複数のキャパシタC1−1〜C1−4を並列に接続し、スイッチ制御回路7で各キャパシタC1−1〜C1−4に直列に接続されたスイッチS1−1〜S1−4のオンオフを切り替える。開ループコイル21のキャパシタC1の容量は、スイッチS1−1〜S1−4がオンのキャパシタC1−1〜C1−4を並列接続したときの一般的な計算式によって求めることができる。
図12(b)の閉ループコイル22についても同様に、複数のキャパシタC2−1〜C2−4を並列に接続し、スイッチ制御回路7でスイッチS2−1〜S2−4のオンオフを切り替えることで、閉ループコイル22のキャパシタC2の容量を設定する。
図13は、可変キャパシタの設定例を示す図であり、R1=10Ω、R2=1Ω、L=60mHとしたときに、式(1)によって得られるC1,C2を図示している。横軸は、開ループコイル21と閉ループコイル22の共振周波数を表しており、モータ1の回転速度に等しい。キャパシタC1,C2の容量を変更して共振周波数を変更すれば、モータ1の回転速度を変えることができる。例えば、モータ1を10Hzで安定的に回転させたいときは、スイッチ制御回路7によりキャパシタC1,C2の容量がそれぞれ図13の10Hzの位置の値になるように設定する。モータ1を100Hzで安定的に回転させたいときは、キャパシタC1,C2の容量がそれぞれ図13の100Hzの位置の値になるように設定する。可変キャパシタの設定値を増やせば、回転速度をより連続的に変更できる。
ここで、回転速度を変更できることの効果について説明する。
直列共振回路のQ値は次式(4)で表すことができる。
Figure 2018050359
一般的に、Q値が大きいと帯域幅が小さくなり、Q値が小さいと帯域幅が大きくなる特徴がある。本実施形態では、電流が多く流れる閉ループコイル22のQ値が重要である。閉ループコイル22のQ値が高いと、モータ1が停止状態から動作し始める初動時に十分な回転トルクが得られない場合があることを意味する。
共振周波数fを小さくするにはキャパシタCを大きくするとよい。それとともに、Q値も小さくなり、√のオーダーで帯域幅を大きくすることができる。つまり、共振周波数の低下と帯域幅の拡大により始動時の回転を安定させることができる。
続いて、可変抵抗を用いる方法について説明する。
共振周波数を変更せずに、初動のトルクを変更すれば良い用途においては、可変抵抗を用いる方法が適用できる。
開ループコイル21及び閉ループコイル22に可変抵抗を接続し、マイコン等により可変抵抗の値を変更可能にする。可変抵抗は、可変キャパシタと同様に、複数の抵抗とスイッチによって構成できる。開ループコイル21のみに可変抵抗を接続してもよいし、閉ループコイル22のみに可変抵抗を接続してもよい。
式(3)において、Vinを5V、R1を10Ω、R2を1Ωとすると、I1は0.25A、I2は0.79Aとなる。R1を100Ωに変更すると、I1は0.025A、I2は0.25Aとなる。閉ループコイル22に流れる電流I2の方が開ループコイル21に流れる電流I1よりも大きいので、モータ1のトルクは電流I2によって生成される磁界が支配的になる。可変抵抗を制御することにより、閉ループコイル22に流れる電流I2の大きさが変わり、結果としてモータ1のトルクを変更できる。
式(4)によると、可変キャパシタを用いる方法では√のオーダーでQ値を下げることができ、可変抵抗を用いる方法では1次のオーダーでQ値を下げることができる。つまり、可変抵抗を用いる方法はQ値をより変更しやすいと言える。
なお、可変キャパシタを用いる方法と可変抵抗を用いる方法を併用してもよい。
続いて、閉ループコイルを切断する方法について説明する。
閉ループコイル22の抵抗及びキャパシタと直列にスイッチを接続し、マイコン等によりスイッチのオンオフを切り替える。
例えば、ファンモータ等のような一定速度で安定して動作する必要があるモータの場合、始動時や停止時に閉ループコイル22に接続したスイッチをオフに切り替えて閉ループコイル22を切断し、閉ループを形成しないようにする。
モータ1の回転速度が所定の速度に到達するとスイッチをオンに切り替えて、開ループコイル21と閉ループコイル22が共振するように閉ループコイル22を短絡させる。
始動時に閉ループコイル22を切断しておくと、開ループコイル21と閉ループコイル22との間で共振が発生しないため、開ループコイル21に流す電流でモータ1を始動させることになる。共振が発生しないので帯域幅は広く、制御回路5から初動に適した波形、例えば従来のモータを制御するときと同様の波形を入力することができる。
可変キャパシタ及び可変抵抗を用いる方法は、可変キャパシタと可変抵抗の分解能に応じた制御しかできず、分解能が低いと設定した周波数が離散的になり、始動時から安定するまでの回転速度の推移が階段状になる場合がある。一方、閉ループコイルを切断する方法では、閉ループコイルを切断している間は連続的な周波数制御が可能であり、回転速度の推移を線形にすることができる。
[開ループコイルと閉ループコイルの配置]
図14は、開ループコイル21と閉ループコイル22の配置例を示す図である。
開ループコイル21と閉ループコイル22は近接していれば磁界の共振現象が起こるため、図14(a)に示すように、開ループコイル21と閉ループコイル22とを並列させてもよいし、図14(b)に示すように、開ループコイル21で閉ループコイル22を挟み込んでもよいし、図14(c)に示すように、閉ループコイル22を開ループコイル21に内包してもよい。図14の配置例において、開ループコイル21と閉ループコイル22の位置関係が逆になってもよい。
開ループコイル21と閉ループコイル22は、同じ方向で同じ大きさの磁気モーメントとなるように巻くと大きな効果が得られる。大きさや磁気モーメントが多少異なる場合であっても、磁界の共振現象は起こるので同等の効果は得られる。
なお、本発明は、ステータ2の構造に依存しないので、一般的な分布巻ステータ、集中巻ステータ、誘導子型ステータ、永久磁石型ステータなどを適用できる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、開ループコイル21に近接して閉ループコイル22を配置し、開ループコイル21と閉ループコイル22の共振周波数が一致するように開ループコイル21と閉ループコイル22に接続するキャパシタC1,C2の容量を設定することにより、開ループコイル21と閉ループコイル22との間で磁気的に結合して磁界が共振し、閉ループコイル22に入力した電流よりも大きな電流が流れる。その結果、より大きな磁界が発生するので、低消費電力でロータ3を回転させることができる。入力電圧で考えた場合、本実施形態のモータ1は、より大きな磁界を発生できるので、トルクを強くすることができる。また、特定の周波数の正弦波を共振現象によって得られるので、正弦波を生成する回路を簡略化できる。
なお、本実施形態は、ブラシレスDCモータ、ステッピングモータ、ACモータに適用できる。本実施形態のモータ1は、ファンモータなどのように変速せずに一定速度で連続動作する用途に特に有効である。本実施形態のモータ1は、低消費電力であるので、例えば、排熱用のファンモータに使用すれば、モバイルデバイス及びウェアラブルデバイスの連続使用時間を長くできる。
本実施の形態によれば、開ループコイル21と閉ループコイル22に可変キャパシタを接続し、可変キャパシタの容量を変えることで、ロータ3の回転速度を変更することができる。
本実施の形態によれば、開ループコイル21と閉ループコイル22の少なくとも一方に可変抵抗を接続することで、閉ループコイル22に流れる電流の大きさを変えてトルクを変更することができる。
本実施の形態によれば、閉ループコイル22にスイッチを接続することで、閉ループコイル22のスイッチをオフにして閉ループコイル22を切断したときは、開ループコイル21に入力する電圧を変化させることで連続的に回転速度を変更することができる。
1…モータ
2,2A〜2F…ステータ
21,21A〜21F…開ループコイル
22,22A〜22F…閉ループコイル
3…ロータ
4A,4B,4C…ホール素子
5…制御回路
6…交流電源
7…スイッチ制御回路

Claims (4)

  1. 回転するロータと前記ロータを回転させる力を発生するステータを備えたモータであって、
    前記ステータに配置された開ループコイルと、
    前記開ループコイルに近接して前記ステータに配置された閉ループコイルと、
    前記開ループコイルに接続された第1キャパシタと、
    前記第1キャパシタに直列に接続された第1抵抗と、
    前記閉ループコイルに接続された第2キャパシタと、
    前記第2キャパシタに直列に接続された第2抵抗と、を有し、
    前記第1キャパシタの容量と前記第2キャパシタの容量は、前記開ループコイルと前記閉ループコイルの共振周波数が一致するように設定されていることを特徴とするモータ。
  2. 前記第1キャパシタ及び前記第2キャパシタの容量は可変であることを特徴とする請求項1に記載のモータ。
  3. 前記第1抵抗及び前記第2抵抗の少なくとも一方が可変であることを特徴とする請求項1又は2に記載のモータ。
  4. 前記閉ループコイルにスイッチを備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のモータ。
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