JP2018049082A - ポリマークラッドファイバおよびポリマークラッドファイバの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】局所的な発熱を抑制しつつクラッドモード光を除去可能なポリマークラッド光ファイバを提供する。【解決手段】ポリマークラッドファイバは、コア1aおよびコア1aを囲むガラスクラッド1bを有する光ファイバ裸線1と、ガラスクラッド1bの屈折率よりも低い屈折率を有する樹脂により形成された、光ファイバ裸線1を覆うポリマークラッド層2と、を備える。波長915nmにおける励起損失は、0.1dB/m以上となるように構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、ポリマークラッドファイバおよびポリマークラッドファイバの製造方法に関する。
ファイバレーザに使用される光ファイバは、高密度な光を伝送する必要がある。近年、ファイバレーザの高出力化が進められており、金属の切断や溶接などに使用されるようなkW級の光出力を持つファイバレーザが製品化されている。
ファイバレーザに使用される増幅用の光ファイバは、コアとガラスクラッドとを備えている。コア内は、出力光と同一の光(信号光)が伝搬する。ガラスクラッドはコアの周囲に形成されており、ガラスクラッド内は信号光を増幅させるための光(励起光)が伝搬する。ガラスクラッド内を伝搬する励起光がコアと鎖交する際に、励起光はコア内にエネルギーとして吸収され、信号光が増幅される。励起光は、コア内に全て吸収されるのが望ましい。しかし、実際には一部の励起光がガラスクラッド内に残留し、信号光の励起に寄与しないスキュー光となる。このスキュー光は、ガラスクラッド内を伝搬し続けるクラッドモード光となる。また、コア内を伝搬する信号光の一部も、光ファイバに加わる外乱によってガラスクラッド内に漏洩し、クラッドモード光となる。
クラッドモード光は、ファイバレーザのビーム品質を悪化させる原因となる。そこで下記特許文献1は、クラッドモード光を除去する漏洩光処理構造を開示している。この漏洩光処理構造は、ガラスクラッドの周囲に設けられた漏洩光ガイド部材を通して、クラッドモード光を光ファイバの外部に放出する。
特開2008−268747号公報
ところで、上記特許文献1に記載の構造では、クラッドモード光が特定の部分から集中して光ファイバの外部に放出される。このため、クラッドモード光が放出される部分が局所的に発熱し、光ファイバが焼損してしまうおそれがあった。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、局所的な発熱を抑制しつつクラッドモード光を除去可能なポリマークラッド光ファイバを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るポリマークラッドファイバは、コアおよび前記コアを囲むガラスクラッドを有する光ファイバ裸線と、前記ガラスクラッドの屈折率よりも低い屈折率を有する樹脂により形成された、前記光ファイバ裸線を覆うポリマークラッド層と、を備え、波長915nmにおける励起損失が0.1dB/m以上となるように構成されている。
上記態様に係るポリマークラッドファイバによれば、励起損失が0.1dB/m以上であるため、長手方向にわたって徐々にクラッドモード光を除去することができる。これにより、クラッドモード光を特定の部分から集中して放出する場合と比較して、局所的な発熱を抑えることができる。
また、上記態様に係るポリマークラッドファイバは、前記ポリマークラッド層を覆う保護被覆層を備え、前記保護被覆層は熱硬化型樹脂により形成されていてもよい。
この場合、保護被覆層が熱硬化型樹脂により形成されているため、ポリマークラッドファイバの製造時に、高温で保護被覆層が熱膨張した状態で硬化した後、冷却される際に、保護被覆層が熱収縮する。硬化した保護被覆層の熱収縮により、ポリマークラッド層に側圧が印加され、励起損失を容易に増大させることができる。
また、保護被覆層の膜厚が、前記ポリマークラッド層の膜厚以上であってもよい。
この場合、保護被覆層の膜厚が大きいため、保護被覆層が熱収縮する際に割れなどが発生するのを抑えて、ポリマークラッド層に確実に側圧を印加することができる。
また、前記保護被覆層を形成する熱硬化型樹脂のタイプD硬度が50以上であってもよい。
この場合、保護被覆層の硬度が大きいため、保護被覆層が熱収縮する際に、ポリマークラッド層に確実に側圧を印加することができる。
また、本発明の一態様に係るポリマークラッドファイバの製造方法は、コアと、前記コアを囲むガラスクラッドと、を有する光ファイバ裸線に、前記ガラスクラッドの屈折率よりも低い屈折率を有する樹脂を塗布してポリマークラッド層を形成する工程を有し、波長915nmにおける励起損失が0.1dB/m以上であるポリマークラッドファイバを製造する。
上記態様に係るポリマークラッドファイバの製造方法によれば、励起損失が0.1dB/m以上のポリマークラッドファイバを製造する。このポリマークラッドファイバは、長手方向にわたって徐々にクラッドモード光を除去可能である。このため、クラッドモード光を特定の部分から集中して放出する場合と比較して、局所的な発熱を抑えることができる。
また、上記ポリマークラッドファイバの製造方法は、前記ポリマークラッド層の周囲に熱硬化型樹脂を塗布した後、前記熱硬化型樹脂を加熱して硬化させて保護被覆層を形成する工程を有していてもよい。
この場合、ポリマークラッドファイバの製造時に、保護被覆層となる熱硬化型樹脂が熱膨張した状態で硬化した後、冷却される際に熱収縮する。硬化した保護被覆層の熱収縮により、ポリマークラッド層に側圧が印加され、励起損失を容易に増大させることができる。
また、前記保護被覆層を形成する工程では、前記保護被覆層となる前記熱硬化型樹脂を300℃以上の温度で硬化させてもよい。
この場合、保護被覆層となる熱硬化型樹脂が300℃以上の高温で熱膨張した状態で硬化するため、冷却時に保護被覆層の熱収縮量が大きくなり、ポリマークラッド層に確実に側圧を印加することができる。
本発明の上記態様によれば、局所的な発熱を抑制しつつクラッドモード光を除去可能なポリマークラッド光ファイバを提供することができる。
本実施形態に係るポリマークラッドファイバ10の製造工程を示す模式図である。 励起損失の測定装置の模式図である。 膜厚比と励起損失との関係を示したグラフである。
以下、本実施形態に係るポリマークラッドファイバについて、図1〜図3を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、縮尺を適宜変更している。
図1(a)〜(f)は、本実施形態に係るポリマークラッドファイバ10の製造工程を示す模式図である。このうち、図1(f)は、製造されたポリマークラッドファイバ10の断面図である。
図1(f)に示すように、ポリマークラッドファイバ10は、光ファイバ裸線1、ポリマークラッド層2、および保護被覆層3を備えている。ポリマークラッド層2は、光ファイバ裸線1を覆っている。保護被覆層3は、ポリマークラッド層2を覆っている。
光ファイバ裸線1は、例えば石英系ガラスなどにより形成されている。光ファイバ裸線1は、コア1aおよびガラスクラッド1bを備えている。ガラスクラッド1bは、コア1aを覆っている。
ポリマークラッド層2の材質は、UV硬化型樹脂でもよく、熱硬化型樹脂であってもよい。ポリマークラッド層2は、ガラスクラッド1bの屈折率よりも低い屈折率を有する材質により形成されている。
保護被覆層3は、熱硬化型樹脂により形成されている。保護被覆層3の材質としては、例えばエポキシ変性シリコーン樹脂を用いることができる。エポキシ変性シリコーン樹脂は、硬度、粘度、および硬化速度の観点から保護被覆層3の材質として適している。なお、保護被覆層3を形成する材質の線膨張係数は、光ファイバ裸線1およびポリマークラッド層2を形成する材質の線膨張係数よりも大きい。
保護被覆層3は、後述するように、製造時に熱膨張した状態で硬化した後、熱収縮することでポリマークラッド層2に側圧を印加する。このため、保護被覆層3は、ある程度硬い材質により形成されていることが望ましい。具体的には、保護被覆層3を形成する材質は、JIS−K−6253に基づいて測定されるタイプDデュロメータでの硬度(以下、本明細書では「タイプD硬度」などと表記する)が50以上であることが望ましい。また、タイプD硬度が70以上の材質を用いて保護被覆層3を形成すると、より確実にポリマークラッド層2に側圧を印加することができる。
次に、ポリマークラッドファイバ10の製造工程について説明する。
ポリマークラッドファイバ10を製造する際、まず、光ファイバ裸線1を成形する(図1(a))。光ファイバ裸線1は、例えば2000℃程度に熱したガラス母材を引き出して、所望の外径(例えば数百μm程度)にする。
次に、光ファイバ裸線1の周囲に、ポリマークラッド層2となる樹脂を塗布する(図1(b))。その後、塗布した樹脂をUV光の照射もしくは加熱により硬化させて、ポリマークラッド層2を形成する。
次に、ポリマークラッド層2の周囲に保護被覆層3となる熱硬化型樹脂を塗布する(図1(c))。
次に、電熱炉などの架橋装置によってポリマークラッドファイバ10を加熱する(図1(d))。これにより、熱硬化型樹脂が硬化して保護被覆層3が形成される。熱硬化型樹脂を硬化させる際の温度は、例えば300℃以上である。このとき、保護被覆層3は熱膨張した状態で硬化する(図1(e))。
次に、ポリマークラッドファイバ10を常温まで冷却する。これにより、保護被覆層3が熱収縮する(図1(f))。
ここで、保護被覆層3は硬化した状態で熱収縮するため、ポリマークラッド層2に圧縮方向の側圧が作用する。この側圧により、ポリマークラッド層2の励起損失を増大させることができる。なお、励起損失とは、ガラスクラッド1b内を伝搬する励起光の伝送損失である。励起損失は、例えば図2に示す測定装置100を用いて、カットバック法により測定することができる。
図2は励起損失の測定装置100の模式図である。測定装置100は、光源101と、カロリメータ102とを備えている。
光源101は、レーザーダイオード103、NA変換部104、およびダミーファイバ105を備えている。レーザーダイオード103は、測定用レーザ光を出射する。測定用レーザ光は、レーザーダイオード103の口出しファイバ103aを介してNA変換部104に入射する。NA変換部104は、口出しファイバ103aのNAを、測定対象となるポリマークラッドファイバ10のNAと同等となるように変換する。ダミーファイバ105は、NA変換部104と測定対象のポリマークラッドファイバ10とを接続する。ダミーファイバ105と測定対象のポリマークラッドファイバ10とは、互いに融着接続される。カロリメータ102は、測定対象のポリマークラッドファイバ10から出射された光の出力パワーを測定する。
励起損失を測定する際、測定装置100に測定対象のポリマークラッドファイバ10をセットし、レーザーダイオード103から波長915nmの光を出射する。この際にポリマークラッドファイバ10から出射される光の出力パワーPを、カロリメータ102により測定する。次に、測定対象のポリマークラッドファイバ10を所定量切断(カットバック)し、その後の出力パワーPを測定する。カットバック長(P測定時のファイバ長さからP測定時のファイバ長さを引いた差分)をLとすると、以下の数式(1)により、ポリマークラッドファイバ10の励起損失が算出される。
励起損失=|10log(P/P)|/L …(1)
次に、保護被覆層3の膜厚などが異なる複数のポリマークラッドファイバ10を作成し、励起損失を測定した試験の結果について説明する。
(試験例1)
光ファイバ裸線1の外径を125μmとした。ポリマークラッド層2の材質として、屈折率が1.41の熱硬化型シリコーン樹脂を用いた。保護被覆層3の材質として、タイプD硬度が75の熱硬化型シリコーン樹脂を用いた。
以上の条件のもと、ポリマークラッド層2および保護被覆層3の膜厚を異ならせたポリマークラッドファイバ10を複数作成した。作成したポリマークラッドファイバ10のポリマークラッド層2および保護被覆層3の膜厚は、表1に示す通りである。なお、表1および表2の膜厚比とは、ポリマークラッド層2の膜厚に対する保護被覆層3の膜厚の比である。例えばポリマークラッド層2の膜厚が25μmで、保護被覆層3の膜厚が37.5μmである場合、膜厚比は37.5μm÷25μm=1.5となる。
試験例1では、各ポリマークラッドファイバ10の膜厚比は、0.2〜1.5の範囲となった。また、各ポリマークラッドファイバ10の励起損失は、0.003〜0.13dB/mの範囲となった。
Figure 2018049082
Figure 2018049082
(試験例2)
試験例2では、保護被覆層3の材質として、タイプD硬度が50の熱硬化型シリコーン樹脂を用いた。作成したポリマークラッドファイバ10のポリマークラッド層2および保護被覆層3の膜厚は、表1に示す通りである。その他の条件は、試験例1と同様である。
試験例2では、各ポリマークラッドファイバ10の膜厚比は、0.2〜1.5の範囲となった。また、各ポリマークラッドファイバ10の励起損失は、0.0027〜0.131dB/mの範囲となった。
(試験例3)
試験例3では、光ファイバ裸線1の外径を80μmとした。作成したポリマークラッドファイバ10のポリマークラッド層2および保護被覆層3の膜厚は、表1に示す通りである。その他の条件は、試験例1と同様である。
試験例3では、各ポリマークラッドファイバ10の膜厚比は、0.2〜1.5の範囲となった。また、各ポリマークラッドファイバ10の励起損失は、0.0015〜0.13dB/mの範囲となった。
(試験例4)
試験例4では、光ファイバ裸線1の外径を400μmとした。作成したポリマークラッドファイバ10のポリマークラッド層2および保護被覆層3の膜厚は、表2に示す通りである。その他の条件は、試験例1と同様である。
試験例4では、各ポリマークラッドファイバ10の膜厚比は、0.2〜2.0の範囲となった。また、各ポリマークラッドファイバ10の励起損失は、0.0028〜0.145dB/mの範囲となった。
(試験例5)
試験例5では、保護被覆層3の材質として、タイプD硬度が20の熱硬化型シリコーン樹脂を用いた。作成したポリマークラッドファイバ10のポリマークラッド層2および保護被覆層3の膜厚は、表2に示す通りである。その他の条件は、試験例1と同様である。
試験例5では、各ポリマークラッドファイバ10の膜厚比は、0.4〜2.0の範囲となった。また、各ポリマークラッドファイバ10の励起損失は、0.01〜0.09dB/mの範囲となった。
(試験例6)
試験例6では、保護被覆層3の材質として、タイプA硬度が80の熱硬化型シリコーン樹脂を用いた。作成したポリマークラッドファイバ10のポリマークラッド層2および保護被覆層3の膜厚は、表2に示す通りである。その他の条件は、試験例1と同様である。
試験例6では、各ポリマークラッドファイバ10の膜厚比は、0.5〜2.6の範囲となった。また、各ポリマークラッドファイバ10の励起損失は、0.0029〜0.075dB/mの範囲となった。
図3は、上記試験例1〜6のポリマークラッドファイバ10について、膜厚比と励起損失との関係を示したグラフである。横軸は膜厚比であり、縦軸は励起損失(dB/m)である。
図3に示すように、膜厚比が大きいほど励起損失が増大する。これは、保護被覆層3が厚いほど、保護被覆層3が硬化して熱収縮する際に、確実にポリマークラッド層2に側圧を印加するためである。
次に、試験例1〜6で作成したポリマークラッドファイバ10について、励起光(クラッドモード光)が充分に除去されているかを確認した実験の結果を説明する。
本実験では、試験例1〜6で作成したポリマークラッドファイバ10をファイバレーザの出力ファイバとして10m接続し、その下流にクラッドモード除去部を形成した。クラッドモード除去部として、特許第5850992号公報に記載された光デバイスを用いた。この光デバイスの被覆除去区間における温度を測定し、温度上昇の有無を判定した。この判定結果を、表1および表2に示す「クラッドモード除去部での温度上昇」の欄に記載した。ここで、○は温度上昇が無かったことを示し、△はわずかに温度上昇があったことを示し、×は顕著な温度上昇があったことを示す。温度上昇が無い場合、ポリマークラッドファイバ10による励起光の除去が充分であることが推測できる。
表1および表2から、励起損失が大きいほどクラッドモード除去部での温度上昇が抑えられることがわかる。詳しくは、励起損失が0.065dB/m以下の範囲では顕著な温度上昇があった。励起損失が0.07〜0.09dB/mの範囲では、わずかな温度上昇があった。励起損失が0.1dB/m以上の範囲では、温度上昇が無かった。
以上の結果から、ポリマークラッドファイバ10の励起損失を0.1dB/mとすることにより、クラッドモード光を十分に除去することができる。
次に、ポリマークラッドファイバ10の励起損失を0.1dB/m以上とするための条件について考察する。
表1および表2に示すように、保護被覆層3を形成する材質の硬度が比較的小さい試験例5および試験例6については、励起損失が0.1dB/m以上のポリマークラッドファイバ10が得られなかった。一方、タイプD硬度が50以上である試験例1〜4については、励起損失が0.1dB/m以上となるポリマークラッドファイバ10が得られた。
以上のことから、タイプD硬度が50以上の材質を保護被覆層3として用いることが、励起損失を0.1dB/m以上とするための条件である。
なお、保護被覆層3の硬度が大きいほど励起損失が増大するのは、保護被覆層3が熱収縮する際、強固に硬化しているほどポリマークラッド層2に印加する側圧が増大するためである。
次に、励起損失を0.1dB/m以上とするための膜厚比について考察する。試験例1〜4のうち、励起損失が0.1dB/m以上となっているのは、膜厚比が1.0以上の場合である(表1および表2参照)。従って、膜厚比を1.0以上とすること、すなわち保護被覆層3の膜厚をポリマークラッド層2の膜厚以上とすることが、励起損失を0.1dB/m以上とするための条件である。
以上説明したように、本実施形態のポリマークラッドファイバ10によれば、励起損失を0.1dB/m以上とすることにより、長手方向にわたって徐々にクラッドモード光を除去することができる。これにより、クラッドモード光を特定の部分から集中して放出する場合と比較して、局所的な発熱を抑えることができる。
また、保護被覆層3が熱硬化型樹脂により形成されているため、ポリマークラッドファイバ10の製造時に、高温で保護被覆層3が熱膨張した状態で硬化した後、冷却される際に、保護被覆層3が熱収縮する。硬化した保護被覆層3の熱収縮により、ポリマークラッド層2に側圧が印加され、ポリマークラッド層2の励起損失を容易に増大させることができる。
また、保護被覆層3の膜厚を、ポリマークラッド層2の膜厚以上とした場合には、保護被覆層3が熱収縮する際に割れなどが発生するのを抑えて、ポリマークラッド層2に確実に側圧を印加することができる。
また、保護被覆層3を形成する熱硬化型樹脂のタイプD硬度が50以上である場合には、保護被覆層3が熱収縮する際に、ポリマークラッド層2に確実に側圧を印加することができる。
また、保護被覆層3を形成する工程で、保護被覆層3となる熱硬化型樹脂が300℃以上の高温で熱膨張した状態で硬化させた場合には、冷却時に保護被覆層3の熱収縮量が大きくなり、ポリマークラッド層2に確実に側圧を印加することができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では、保護被覆層3を熱硬化型樹脂で形成することによってポリマークラッドファイバ10の励起損失を0.1dB/m以上とする方法について説明した。しかし、本発明はこれに限られず、他の手法によって励起損失を0.1dB/m以上としてもよい。例えば、ガラスクラッド1b中に泡などの散乱源を付与することで、ポリマークラッドファイバ10の励起損失を0.1dB/m以上としてもよい。
また、前記実施形態では、タイプD硬度が50以上の熱硬化型樹脂で保護被覆層3を形成することでポリマークラッドファイバ10の励起損失を0.1dB/m以上とする方法について説明した。しかし、本発明はこれに限られない。例えば、膜厚比を大きくすることによって、タイプD硬度が50未満の熱硬化型樹脂で保護被覆層3を形成しつつ、励起損失が0.1dB/m以上となるようにポリマークラッドファイバ10を構成してもよい。
また、前記実施形態では、膜厚比を1.0以上とすることでポリマークラッドファイバ10の励起損失を0.1dB/m以上とする方法について説明した。しかし、本発明はこれに限られない。例えば、タイプD硬度が大きい熱硬化型樹脂を用いて保護被覆層3を形成することによって、膜初比を1.0未満としつつ、励起損失が0.1dB/m以上となるようにポリマークラッドファイバ10を構成してもよい。
また、前記実施形態では保護被覆層3となる熱硬化型樹脂を300℃以上の温度で硬化させると説明した。しかし、本発明はこれに限られず、300℃未満の温度で保護被覆層3となる熱硬化型樹脂を硬化させてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
1…光ファイバ裸線 1a…コア 1b…ガラスクラッド 2…ポリマークラッド層 3…保護被覆層 10…ポリマークラッドファイバ

Claims (7)

  1. コアおよび前記コアを囲むガラスクラッドを有する光ファイバ裸線と、
    前記ガラスクラッドの屈折率よりも低い屈折率を有する樹脂により形成された、前記光ファイバ裸線を覆うポリマークラッド層と、を備え、
    波長915nmにおける励起損失が0.1dB/m以上である、
    ポリマークラッドファイバ。
  2. 前記ポリマークラッド層を覆う保護被覆層を備え、
    前記保護被覆層は熱硬化型樹脂により形成されている、請求項1に記載のポリマークラッドファイバ。
  3. 前記保護被覆層の膜厚が、前記ポリマークラッド層の膜厚以上である、請求項2に記載のポリマークラッドファイバ。
  4. 前記保護被覆層を形成する熱硬化型樹脂のタイプD硬度が50以上である、請求項2または3に記載のポリマークラッドファイバ。
  5. コアと、前記コアを囲むガラスクラッドと、を有する光ファイバ裸線に、前記ガラスクラッドの屈折率よりも低い屈折率を有する樹脂を塗布してポリマークラッド層を形成する工程を有し、
    波長915nmにおける励起損失が0.1dB/m以上であるポリマークラッドファイバを製造する、
    ポリマークラッドファイバの製造方法。
  6. 前記ポリマークラッド層の周囲に熱硬化型樹脂を塗布した後、前記熱硬化型樹脂を加熱して硬化させて保護被覆層を形成する工程を有する、
    請求項5に記載のポリマークラッドファイバの製造方法。
  7. 前記保護被覆層を形成する工程では、前記保護被覆層となる前記熱硬化型樹脂を300℃以上の温度で硬化させる、
    請求項6に記載のポリマークラッドファイバの製造方法。
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