JP2018048659A - フィルタユニットおよびアクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【課題】捕捉した残渣の流出を阻止できるフィルタユニットの提供であり、システムの信頼性を向上できるアクチュエータの提供である。【解決手段】本発明のフィルタユニットF1は、流路に設けられて流路の一方側から他方側へと向かう流体の流れのみを許容するフィルタ用チェック弁FCと、流路のフィルタ用チェック弁FCより他方側に設けられる流体フィルタFFとを備える。また、アクチュエータA1は、駆動部Cおよびポンプ4とリザーバRの間に設けた流体圧回路H中にフィルタユニットF1,F2を設けるか、駆動部C1と双方向吐出ポンプ31との間にフィルタユニットF2を設ける。【選択図】図1
Description
本発明は、フィルタユニットおよびアクチュエータに関する。
ポンプを有し、ポンプから供給される油圧で駆動する駆動部を備えたアクチュエータでは、油圧回路を流れる作動油に含まれるゴミや金属粉等の異物を残渣として濾過して取り除いて作動油の清浄度を保つために、回路中に油圧フィルタを設けている。
油圧フィルタは、たとえば、シリンダとシリンダ内に移動自在に挿入されてシリンダ内に圧力室を区画するピストンを備えた直動型の油圧シリンダと、タンクとの間に設けられた戻り管路の途中に設けられており、ポンプから吐出されて油圧シリンダを経た後にタンクへ戻される戻り管路にて作動油を濾過するようになっている。
アクチュエータでは、ポンプから吐出された作動油が油圧シリンダからタンクへ戻されたのち、ポンプがタンクから作動油を吸込んで圧力室へ供給する。このように、作動油は、ポンプ、油圧シリンダにおける圧力室およびタンクを循環するので、油圧回路中の作動油は循環過程において必ず濾過されるので、作動油を清浄に保てるのである(たとえば、特許文献1参照)。よって、アクチュエータに設けられた電磁弁や油圧シリンダの動作不良の心配がなく、システムの信頼性が向上する。
前記したアクチュエータがポンプから吐出される作動油によって駆動される分には、作動油の流れは戻り管路を油圧シリンダ側からタンク側へ向かう一方通行となるため、前記フィルタを戻り管路に設けておけば、残渣を捕捉して作動油を清浄に保てる。
しかしながら、アクチュエータが車両のサスペンション等に使用され、油圧シリンダが外力で強制的に伸縮される使用状況が見込まれる場合には、以下の問題が生じる。
油圧シリンダが外力で強制的に伸縮させられる場合、油圧シリンダで必要となる流量がポンプの吐出可能な流量を超えると、不足分の作動油をタンクからポンプを経ずして油圧シリンダへ供給する必要がある。このような場合、従来のアクチュエータの回路構成では、戻り管路を作動油がタンクから油圧シリンダへ作動油が逆流するようになる。すると、この作動油の逆流によって、折角、フィルタで捉えた残渣が油圧シリンダ側へ戻されてしまうため、残渣を含んだ作動油が油圧シリンダ内に拡散してしまい、システムの信頼性を損なってしまう。
そこで、本発明は、前記問題を改善するために創案されたものであって、その目的は、捕捉した残渣の流出を阻止できるフィルタユニットの提供であり、また、他の目的は、システムの信頼性を向上できるアクチュエータの提供である。
前記した目的を解決するために、本発明のフィルタユニットは、流路に設けられて流路の一方側から他方側へと向かう流体の流れのみを許容するフィルタ用チェック弁と、流路のフィルタ用チェック弁より他方側に設けられる流体フィルタとを備え、流路のフィルタ用チェック弁と流体フィルタとの間に残渣を閉じ込める。このように構成されたフィルタユニットは、捕捉した残渣がフィルタ用チェック弁と流体フィルタとの区間から他所へ流出するのを阻止できる。
また、請求項2のフィルタユニットは、さらに、フィルタ用チェック弁より一方側と流体フィルタより他方側とを接続する迂回流路と、迂回流路の途中に設けられて流路の他方側から一方側へ向かう流体の流れのみを許容する並列チェック弁とを備えている。このように構成されたフィルタユニットは、液体が双方向に流れる流路にも設置が可能であり、設置箇所の制約が少なくフィルタユニットの設置設およびフィルタユニットを用いる流体圧回路の設計の自由度が向上する。
請求項3のアクチュエータは、流体の供給によって作動する駆動部と、リザーバと、ポンプと、ポンプおよびリザーバと駆動部との間に設けられて駆動部の動作を制御する流体圧回路と、前述のフィルタユニットとを備えて構成される。このようにアクチュエータが構成されると、ポンプからだけでなくリザーバからも流体が駆動部へ供給されるような状況が生じるアクチュエータに適用されても、流体圧回路内の流体を常に清浄に保てる。よって、フィルタユニットを適用したアクチュエータにおけるシステムの信頼性を向上できる。
請求項4のアクチュエータは、内部に二つの作動室を有して作動室への流体の供給によって作動する駆動部と、作動室同士を接続する環状通路と、環状通路の途中に設けられる双方向吐出ポンプと、環状通路を流路として双方向吐出ポンプと各作動室の間にそれぞれ設けられる請求項2のフィルタユニットとを備えて構成されている。このようにアクチュエータが構成されると、ポンプからだけでなくリザーバからも流体が駆動部へ供給されるような状況が生じるアクチュエータに適用されても、流体圧回路内の流体を常に清浄に保てる。よって、フィルタユニットを適用したアクチュエータにおけるシステムの信頼性を向上できる。
本発明のフィルタユニットは、捕捉した残渣の流出を阻止できる。本発明のアクチュエータにあっては、システムの信頼性を向上できる。
以下、図に示した第一および第二の実施の形態に基づき、本発明を説明する。第一の実施の形態のフィルタユニットF1はアクチュエータA1に適用され、また、第二の実施の形態のフィルタユニットF2はアクチュエータA1およびアクチュエータA2に適用されていて、フィルタユニットF1,F2およびアクチュエータA1,A2にて共通の符号が付された部材、部品は、同一の構成を備える。よって、同一部品、同一部材の説明については、説明の重複を避けるため、フィルタユニットF1およびアクチュエータA1の説明中で詳細に説明し、フィルタユニットF2およびアクチュエータA2の説明では詳しい説明を省略する。
<第一の実施形態>
第一の実施形態におけるフィルタユニットF1は、図1に示すように、アクチュエータA1に適用されており、アクチュエータA1におけるポンプ通路14を流路として、このポンプ通路14に設けられたフィルタ用チェック弁FCと流体フィルタFFとを備えて構成されている。
第一の実施形態におけるフィルタユニットF1は、図1に示すように、アクチュエータA1に適用されており、アクチュエータA1におけるポンプ通路14を流路として、このポンプ通路14に設けられたフィルタ用チェック弁FCと流体フィルタFFとを備えて構成されている。
他方、アクチュエータA1は、図1に示すように、駆動部としての液圧シリンダCと、ポンプ4と、ポンプ4の吸込側に接続されるリザーバRと、流体圧回路としての液圧回路Hを備えている。液圧回路Hは、本例では、ポンプ4の吐出側に接続される供給路5と、リザーバRに接続される排出路6と、液圧シリンダCの伸側室R1に接続される伸側通路7と、液圧シリンダCの圧側室R2に接続される圧側通路8と、方向切換弁9と、供給路5と排出路6との間に設けた電磁弁Vとを備えて構成されている。
このアクチュエータA1にあっては、液圧シリンダCは、シリンダ1と、シリンダ1内に移動自在に挿入されてシリンダ1内を伸側室R1と圧側室R2とに区画するピストン2と、シリンダ1内に移動自在に挿入されてピストン2に連結されるロッド3を備えている。このロッド3が伸側室R1内のみに挿通されていて、液圧シリンダCは、所謂、片ロッド型の液圧シリンダとされている。なお、液圧シリンダCは、伸側室R1および圧側室R2にロッド3が挿通される、所謂、両ロッド型の液圧シリンダとされてもよい。
アクチュエータA1の液圧シリンダCは、図2に示すように、シリンダ1を車両のばね上部材Boとばね下部材Wのうち一方に連結し、ロッド3をばね上部材Boとばね下部材Wのうち他方に連結して、ばね上部材Boとばね下部材Wとの間に介装される。
また、リザーバRは、本例では、内部が気室と液室とに区画されており、気室内の気体により液室を加圧する加圧密閉型のリザーバとされており、液圧シリンダC内を加圧できるようになっている。なお、リザーバRは、本例では、液圧シリンダCとは独立して設けられているが、液圧シリンダCにおけるシリンダ1の外周側に配置される外筒を設けてシリンダ1と外筒との間の環状隙間でリザーバRを形成してもよい。そして、液圧シリンダCにおける伸側室R1および圧側室R2には液体として、たとえば、作動油等が充満され、リザーバR内にも液体と気体が充填される。伸側室R1、圧側室R2およびリザーバR内に充填される液体は、作動油以外にも、たとえば、水、水溶液といった液体を使用できる。また、本発明では、伸長行程時に圧縮される室を伸側室R1とし、収縮行程時に圧縮される室を圧側室R2としてある。
ポンプ4は、吸込側から液体を吸い込んで吐出側から液体を吐出する一方向吐出型に設定され、モータ13によって駆動されるようになっている。モータ13には、直流、交流を問わず、種々の形式のモータ、たとえば、ブラシレスモータ、誘導モータ、同期モータ等を採用できる。
そして、ポンプ4の吸込側はポンプ通路14によってリザーバRに接続されており、吐出側は供給路5に接続されている。したがって、ポンプ4は、モータ13によって駆動されると、リザーバRから液体を吸い込んで供給路5へ液体を吐出する。なお、供給路5は、一端が前述したようにポンプ4に接続されるほか、他端が方向切換弁9に接続されている。
フィルタユニットF1は、前述の通り、本例では、ポンプ通路14を流路として、この流路に設けたフィルタ用チェック弁FCと流体フィルタFFとで構成されている。フィルタ用チェック弁FCは、ポンプ通路14の一方側であるリザーバR側から他方側であるポンプ4側へ向かう液体の流れのみを許容する。流体フィルタFFは、通過する液体を濾過する濾材を有しており、液体中に混入しているごみや金属粉などといった異物を残渣として捕捉するものである。ポンプ通路14に設けたフィルタ用チェック弁FCによって、ポンプ通路14は、リザーバR側を上流とし、ポンプ4側を下流する一方通行の流路に設定され、流体フィルタFFを通過する液体は、常に、フィルタ用チェック弁FC側からポンプ4側へ移動する方向に流れる。よって、フィルタ用チェック弁FCを通過して流体フィルタFFへ向かい、さらに、流体フィルタFFを通過する液体は、流体フィルタFFによって濾過され、液体に含まれる異物は流体フィルタFFによって残渣として捕捉される。このように捕捉された残渣は、流体フィルタFFを通過できず、また、フィルタ用チェック弁FCが流体フィルタFF側からリザーバR側へ向かう液体の流れを阻止するため、ポンプ通路(流路)14のフィルタ用チェック弁FCと流体フィルタFFとの間に閉じ込められる。このように構成されたフィルタユニットF1は、捕捉した残渣がポンプ通路14のフィルタ用チェック弁FCと流体フィルタFFとの区間から他所へ流出するのを阻止できる。フィルタ用チェック弁FCと流体フィルタFFとの区間の流路は、アクチュエータA1の液圧回路Hの他所へ接続されずに閉じられていればよい。なお、フィルタ用チェック弁FCと流体フィルタFFとの区間の流路から残渣が他所へ流出しないようになっていればよいので、途中に、他から独立したアキュムレータやタンクが接続されるのは構わない。また、本例では、作動媒体が液体である場合について説明しているが、フィルタユニットF1は、気体を濾過する用途に使用されてもよい。
排出路6は、一端がリザーバRへ接続されるとともに、他端が方向切換弁9に接続されている。排出路6は、液圧シリンダCから排出される液体、或いはポンプ4から吐出される液体のうち余剰分をリザーバRへ戻すほか、液圧シリンダCで液体が不足する場合にリザーバRから液圧シリンダCへ液体を供給する機能も発揮する。
伸側通路7は、一端が液圧シリンダCの伸側室R1に接続されるとともに、他端が方向切換弁9に接続されている。本例では、伸側通路7の途中には、伸側室R1から方向切換弁9に向かう液体の流れに対し抵抗を与え、反対向きの液体の流れを許容する伸側減衰要素VEが設けられている。
伸側減衰要素VEは、伸側室R1から方向切換弁9に向かう液体の流れに対し抵抗を与える伸側減衰弁15と、当該伸側減衰弁15に並列されて方向切換弁9から伸側室R1へ向かう液体の流れのみを許容する伸側チェック弁16とを備えて構成されている。よって、伸側室R1から方向切換弁9へ向けて液体が流れる場合、伸側チェック弁16が閉じるため、液体は、伸側減衰弁15のみを通過して方向切換弁9側へ向かって流れる。反対に、方向切換弁9から伸側室R1へ向けて液体が流れる場合、伸側チェック弁16が開弁する。伸側チェック弁16は、伸側減衰弁15に比較して液体の流れに与える抵抗が小さいので、液体は、伸側チェック弁16を優先的に通過して伸側室R1側へ向かって流れる。伸側減衰弁15は、双方向流れを許容する絞り弁とされてもよいし、伸側室R1から方向切換弁9に向かう液体の流れのみを許容するリーフバルブやポペット弁といった減衰弁とされてもよい。
圧側通路8は、一端が液圧シリンダCの圧側室R2に接続されるとともに、他端が方向切換弁9に接続されている。本例では、圧側通路8の途中には、圧側室R2から方向切換弁9に向かう液体の流れに対し抵抗を与え、反対向きの液体の流れを許容する圧側減衰要素VCが設けられている。
圧側減衰要素VCは、圧側室R2から方向切換弁9に向かう液体の流れに対し抵抗を与える圧側減衰弁17と、当該圧側減衰弁17に並列されて方向切換弁9から圧側室R2へ向かう液体の流れのみを許容する圧側チェック弁18とを備えて構成されている。よって、圧側室R2から方向切換弁9へ向けて液体が流れる場合、圧側チェック弁18が閉じるため、液体は、圧側減衰弁17のみを通過して方向切換弁9側へ向かって流れる。反対に、方向切換弁9から圧側室R2へ向けて液体が流れる場合、圧側チェック弁18が開弁する。圧側チェック弁18は、圧側減衰弁17に比較して液体の流れに与える抵抗が小さいので、液体は、圧側チェック弁18を優先的に通過して圧側室R2側へ向かって流れる。圧側減衰弁17は、双方向流れを許容する絞り弁とされてもよいし、圧側室R2から方向切換弁9に向かう流れのみを許容するリーフバルブやポペット弁といった減衰弁とされてもよい。
方向切換弁9は、4ポート2位置の電磁切換弁とされている。具体的には、弁体9aと、弁体9aを附勢するばね9dと、前記ばね9dに対抗する推力を弁体9aに与えるソレノイド9eとを備えている。弁体9aは、ポートAとポートPとを連通するとともにポートBとポートTを連通する伸側供給ポジション9bと、ポートAとポートTとを連通するとともにポートBとポートPを連通する圧側供給ポジション9cとを備えて構成されている。そして、ソレノイド9eへ電力供給しない非通電時には、弁体9aは、ばね9dによって附勢されて伸側供給ポジション9bを採り、ソレノイド9eへ通電すると弁体9aはソレノイド9eからの推力で押されて、圧側供給ポジション9cを採るようになっている。
そして、方向切換弁9のポートPは、供給路5を介してポンプ4の吐出側へ接続され、ポートTは、排出路6を介してリザーバRへ接続され、ポートAは伸側通路7を介して伸側室R1へ接続され、ポートBは圧側通路8を介して圧側室R2へ接続されている。
したがって、方向切換弁9が伸側供給ポジション9bを採る場合、供給路5が伸側通路7を通じて伸側室R1に連通されるとともに、排出路6が圧側通路8を通じて圧側室R2に連通される。この状態でポンプ4を駆動すると伸側室R1に液体が供給されて圧側室R2からリザーバRへ液体が排出されるため、液圧シリンダCに外力が作用しない場合、液圧シリンダCは収縮する。他方、方向切換弁9が圧側供給ポジション9cを採る場合、供給路5が圧側通路8を通じて圧側室R2に連通されるとともに、排出路6が伸側通路7を通じて伸側室R1に連通される。この状態でポンプ4を駆動すると圧側室R2に液体が供給されて伸側室R1からリザーバRへ液体が排出されるため、液圧シリンダCに外力が作用しない場合、液圧シリンダCは伸長する。このように、方向切換弁9は、供給路5を伸側通路7と圧側通路8の一方に選択して連通させるとともに、排出路6を伸側通路7と圧側通路8の他方に連通する。
また、ポンプ4から供給路5へ液体が吐出されるが、本例では、アクチュエータA1の液圧シリンダCが発生する推力の大きさを制御するために、電磁弁Vが設けられている。具体的には、電磁弁Vは、供給路5と排出路6を接続する制御通路19に設けられており、本例では、開弁圧を調節して電磁弁Vの上流側である供給路5の圧力を制御できるようになっている。
電磁弁Vは、この例では、電磁圧力制御弁とされており、制御通路19の途中に設けた弁体20aと、弁体20aに供給路5側である上流側の圧力をパイロット圧として弁体20aを開弁方向に作用させるパイロット通路20bと、弁体20aに推力を与えるソレノイド20cとを備えている。ソレノイド20cは、図示しないばねとコイルとで構成されている。ソレノイド20cにおけるばねは、常に弁体20aを開弁方向へ附勢しており、対して、ソレノイド20cは、通電時には、弁体20aを附勢するばねに対抗する推力を発生できるようになっている。よって、ソレノイド20cへの通電量を調節して電磁弁Vの開弁圧を高低調節でき、供給路5の圧力を電磁弁Vの開弁圧に制御できる。
この電磁弁Vにあっては、ソレノイド20cへ供給する電流量に比例した開弁圧を得られるようになっており、電流量を大きくすればするほど開弁圧が大きくなり、電流を供給しない場合には開弁圧が最小になるようになっている。なお、電磁弁Vは、供給電流に応じて供給路5の圧力を調整可能となっているが、前記した電磁弁Vの具体的構成は一例であってこれに限定されるものではなく、電磁弁Vの上流と下流の差圧力を制御する電磁絞り弁とされてもよい。
さらに、供給路5と排出路6とを接続する吸込通路10が制御通路19に対して並列に設けられている。この吸込通路10の途中には、排出路6から供給路5へ向かう液体の流れのみを許容する吸込チェック弁11が設けられており、吸込通路10が排出路6から供給路5へ向かう液体の流れのみを許容する一方通行の通路に設定されている。
供給路5の途中であって電磁弁Vとポンプ4との間には供給側チェック弁12が設けられている。より詳しくは、供給路5の途中であって制御通路19および吸込通路10の接続点よりもポンプ4側に供給側チェック弁12が設けられており、供給側チェック弁12は、ポンプ4側から電磁弁V側へ向かう流れのみを許容し、その反対の流れを阻止する。よって、ポンプ4の吐出圧より方向切換弁9側の圧力が高圧となっても、供給側チェック弁12が閉じてポンプ4側へ液体の逆流が阻止される。
アクチュエータA1は、以上のように構成されており、続いて、その作動について説明する。まず、モータ13、ポンプ4、方向切換弁9および電磁弁Vを正常に動作できる通常時における作動を説明する。
基本的には、ポンプ4をモータ13によって駆動し、方向切換弁9によって伸側室R1と圧側室R2のうちポンプ4に接続する室にポンプ4が吐出する流体を供給しつつ排出路6を通じて他方の室をリザーバRに連通させ、液圧シリンダCを積極的に伸長或いは収縮させてアクチュエータとして機能させる。液圧シリンダCに発生させる推力が液圧シリンダCの伸長方向である場合には、方向切換弁9を圧側供給ポジション9cとして、圧側室R2を供給路5へ接続し伸側室R1をリザーバRへ接続する。反対に、液圧シリンダCに発生させる推力が液圧シリンダCの収縮方向である場合には、方向切換弁9を伸側供給ポジション9bとして、伸側室R1を供給路5へ接続し圧側室R2をリザーバRへ接続する。そして、電磁弁Vによって供給路5の圧力を調節して、液圧シリンダCの伸長方向或いは収縮方向の推力の大きさを制御する。
推力の制御のため、本例では、図1に示すように、電磁弁V、方向切換弁9およびモータ13へ与える電流量を決定するコントローラCoと、コントローラCoから指令を受けて電磁弁V、方向切換弁9およびモータ13へ電流を供給するドライバ装置Drを備えている。
コントローラCoは、車両の振動抑制に適する制御則に必要な車両の振動状況を把握できる情報から前記制御則に則って液圧シリンダCに発生させるべき目標推力を求める。さらに、コントローラCoは、目標推力通りに液圧シリンダCに推力を発生させるために必要な電磁弁Vに与える電流量と方向切換弁9における伸側供給ポジション9bと圧側供給ポジション9cの選択およびポンプ4を駆動するモータ13へ与える電流量を決定する。なお、車両の振動状況を把握できる情報としては、たとえば、ばね上部材Boやばね下部材Wの上下方向の加速度、速度といった情報や、液圧シリンダCの伸縮速度や伸縮加速度といった情報等の車両情報のように前記制御側で要求される情報とされればよい。
ドライバ装置Drは、たとえば、電磁弁Vおよび方向切換弁9におけるソレノイド20cおよびソレノイド9eをPWM駆動する駆動回路と、モータ13をPWM駆動する駆動回路を備えている。そして、ドライバ装置Drは、コントローラCoからの指令を受けると、コントローラCoで決定した通りにソレノイド20c、ソレノイド9eおよびモータ13へ電流を供給する。なお、ドライバ装置Drにおける各駆動回路は、PWM駆動を行う駆動回路以外の駆動回路であってもよい。
液圧シリンダCに発生させる目標推力が液圧シリンダCの伸長方向の場合、コントローラCoは、方向切換弁9について圧側供給ポジション9cを選択する。反対に、液圧シリンダCに発生させる目標推力が液圧シリンダCの収縮方向の場合、コントローラCoは、方向切換弁9について伸側供給ポジション9bを選択する。ドライバ装置Drは、方向切換弁9に前述のように選択されたポジションへ切換えるべく、ソレノイド9eへ電流の供給或いは停止する。
具体的には、本例では、液圧シリンダCを伸長作動させる場合には、圧側室R2へ液体を供給し伸側室R1から液体をリザーバRへ排出させるために、圧側供給ポジション9cを採るように方向切換弁9におけるソレノイド9eへ電流を供給すればよい。また。液圧シリンダCを収縮作動させる場合には、伸側室R1へ液体を供給し圧側室R2から液体をリザーバRへ排出させるため、伸側供給ポジション9bを採るように方向切換弁9におけるソレノイド9eへは電流を供給せず非通電とすればよい。アクチュエータA1における推力の制御に用いる制御則については、車両に適するものを選択すればよく、たとえば、スカイフック制御等といった車両の振動抑制に優れる制御則を採用すればよい。また、この場合、コントローラCoとドライバ装置Drを別体として説明しているが、コントローラCoとドライバ装置Drの機能を有する一つの制御装置でアクチュエータA1を制御するようにしてもよい。また、繰り返しになるが、コントローラCoに入力する情報は、コントローラCoで採用する制御則に適した情報であればよく、図示はしないが、当該情報についてはセンサ等で検知してコントローラCoに入力すればよい。
以上、液圧シリンダCを積極的に伸縮させる場合の作動について説明したが、車両走行中には、液圧シリンダCが路面の凹凸により外乱を受けて伸縮するので、以下に、液圧シリンダCが外乱を受けて伸縮する際の作動について説明する。
最初に、ポンプ4を駆動して供給路5へ液体を吐出している状態についての作動を説明する。液圧シリンダCが外乱を受けて伸縮する場合、液圧シリンダCが推力を発生する方向と液圧シリンダCの伸縮方向で場合分けすると、四つのケースが考えられる。
まず、ピストン2を下方に押し下げる推力をアクチュエータA1に発揮させる場合であって、液圧シリンダCが外力によって伸長作動している場合について説明する。液圧シリンダCに発生させる推力の方向は、ピストン2を下方に押し下げる方向であり、伸側室R1へ液体を供給する必要があるので、伸側供給ポジション9bを採るように方向切換弁9を切換えて、伸側室R1を供給路5へ接続するとともに、排出路6を通じて圧側室R2をリザーバRへ連通させる。
ポンプ4は、フィルタユニットF1を介してリザーバRから液体を吸込むので、フィルタユニットF1によって浄化された液体を供給路5へ吐出する。液圧シリンダCが伸長作動しているときには、伸側室R1の容積が減少するため、減少分の液体は、伸側減衰弁15を通じて伸側室R1から排出され、さらに、供給路5を介して電磁弁Vを通過してリザーバRへ流れる。他方の圧側室R2では容積が増大するので、液体は、リザーバRから圧側室R2へ供給される。なお、供給側チェック弁12が設けられているので、動的に供給路5の圧力がポンプ4の吐出圧よりも高くなっても、液体は、ポンプ4側に逆流しない。他方、容積が増大する圧側室R2には、排出路6を介してリザーバRから容積拡大分に見合う液体が供給される。
このように、アクチュエータA1にあっては、リザーバRからフィルタユニットF1を介さずに液圧シリンダCへ液体が供給される状況が生じ得るが、フィルタユニットF1におけるフィルタ用チェック弁FCが逆流を防止するので、液体を濾過して捕捉した残渣がリザーバR側へ流出しない。よって、フィルタユニットF1によって浄化された液体は、残渣によって再度汚染された状態で、ポンプ4、液圧シリンダC、電磁弁V、方向切換弁9、伸側減衰要素VEおよび圧側減衰要素VCへ供給されたりしない。
戻って、供給路5の圧力は、電磁弁Vによって、電磁弁Vの開弁圧に制御されているため、伸側室R1の圧力は、伸側室R1から排出される液体が伸側減衰弁15を通過する際に生じる圧力損失分だけ供給路5の圧力よりも高くなる。この場合の伸側室R1は、電磁弁Vの開弁圧に伸側減衰弁15による圧力損失分を重畳した圧力分だけリザーバRの圧力よりも高くなる。この場合、液圧シリンダCの推力は、ピストン2の伸側室R1に面する面積(ピストン2の面積からロッド3の断面積を引いた面積)を受圧面積として、ピストン2の受圧面積と伸側室R1の圧力との積となる。このように、圧側室R2の圧力とピストン2の圧側室R2に面する受圧面積の積である力がピストン2を押し上げる推力として発生するが、圧側室R2はリザーバRと等圧であり、伸側室R1の圧力をリザーバRの圧力との差圧として捉えているので、ピストン2を押し上げる推力は0とみなせる。
続いて、ピストン2を下方に押し下げる推力をアクチュエータA1に発揮させる場合であって、液圧シリンダCが外力によって収縮作動している場合について説明する。液圧シリンダCに発生させる推力の方向は、ピストン2を下方に押し下げる方向であるので、伸側室R1へ液体を供給する必要がある。この場合も伸側供給ポジション9bを採るように方向切換弁9を切換えて、伸側室R1を供給路5へ接続するとともに、排出路6を通じて圧側室R2をリザーバRへ連通させる。
液圧シリンダCが収縮作動しているときには、伸側室R1の容積が増大するが、ポンプ4の吐出流量がこの単位時間当たりの伸側室R1の容積増大量以上である場合、伸側室R1で必要となる流量よりポンプ4の吐出流量が多い。この場合、ポンプ4から吐出された液体は、伸側チェック弁16を通じて伸側室R1へ流入するとともに、ポンプ4の吐出流量のうち伸側室R1で吸収されずに余った液体が電磁弁Vを通じてリザーバRへ流れる。したがって、伸側室R1の圧力は、供給路5の圧力と等圧となり、電磁弁Vの開弁圧に制御される。他方の容積が減少する圧側室R2では、圧側減衰弁17および排出路6を介して圧側室R2から容積減少分の液体がリザーバRへ排出される。圧側室R2の圧力は、圧側室R2から排出される液体が圧側減衰弁17を通過する際の生じる圧力損失分だけリザーバRの圧力よりも高くなる。したがって、このような状況では、伸側室R1の圧力は電磁弁Vの開弁圧に等しくなるが、圧側室R2の圧力は圧側減衰弁17による圧力損失分だけリザーバRの圧力よりも高くなり、圧側室R2から排出される流量が多くなるとそれだけ圧力損失も大きくなる。よって、液圧シリンダCの推力は、伸側室R1の圧力とピストン2の伸側室R1側の受圧面積の積から圧側室R2の圧力とピストン2の圧側室R2側の受圧面積の積を差し引いた力となる。ここで、圧側室R2から排出される流量が多くなるとそれだけ圧力損失も大きくなって、液圧シリンダCの推力が小さくなる。
これに対して、液圧シリンダCの収縮速度が高いと、ポンプ4の吐出流量が単位時間当たりの伸側室R1の容積増大量を下回って、ポンプ4からの液体供給が伸側室R1の単位時間当たりの容積増大量に追いつかなくなる。ポンプ4から吐出される液体が全て伸側室R1で吸収されてしまうようになると、電磁弁Vには液体が流れなくなり、伸側室R1で不足する量の液体は、吸込チェック弁11が開いて、リザーバRから排出路6および吸込通路10を介して供給される。
このような状況となると、伸側室R1の圧力はほぼリザーバRの圧力に等しくなるが、圧側室R2の圧力は圧側減衰弁17による圧力損失分だけリザーバRの圧力よりも高くなるため、液圧シリンダCは、ピストン2を下方に押し下げる方向へは推力を発揮できなくなり、反対の方向へ、つまり、ピストン2を上方へ押し上げる方向へ推力を発揮する。以上から、ピストン2を下方に押し下げる推力をアクチュエータA1に発揮させようとする場合で、液圧シリンダCが外力によって収縮作動している場合にあって、ポンプ4の吐出流量が伸側室R1の単位時間当たりの容積増大量未満である場合、ピストン2を下方に押し下げる方向へ推力を発揮できなくなる。
次に、ピストン2を上方に押し上げる推力をアクチュエータA1に発揮させる場合であって、液圧シリンダCが外力によって収縮作動している場合について説明する。液圧シリンダCに発生させる推力の方向は、ピストン2を上方に押し上げる方向であり、圧側室R2へ液体を供給する必要があるので、圧側供給ポジション9cを採るように方向切換弁9を切換えて、圧側室R2を供給路5へ接続するとともに、排出路6を通じて伸側室R1をリザーバRへ連通させる。
液圧シリンダCが収縮作動しているときには、圧側室R2の容積が減少するため、減少分の液体は、圧側減衰弁17を通じて圧側室R2から排出され、さらに、供給路5を介して電磁弁Vを通過してリザーバRへ流れる。他方、容積が増大する伸側室R1には、排出路6を介してリザーバRから容積拡大分に見合う液体が供給される。
供給路5の圧力は、電磁弁Vによって、電磁弁Vの開弁圧に制御されているため、圧側室R2の圧力は、圧側室R2から排出される液体が圧側減衰弁17を通過する際に生じる圧力損失分だけ供給路5の圧力よりも高くなる。この場合、伸側室R1の圧力とピストン2の伸側室R1の受圧面積の積である力がピストン2を押し下げる推力として発生するが、伸側室R1はリザーバRと等圧であり、圧側室R2の圧力をリザーバRの圧力との差圧として捉えているので、ピストン2を押し下げる推力は0とみなせる。
さらに、ピストン2を上方に押し上げる推力をアクチュエータA1に発揮させる場合であって、液圧シリンダCが外力によって伸長作動している場合について説明する。液圧シリンダCに発生させる推力の方向は、ピストン2を上方に押し上げる方向であるので、圧側室R2へ液体を供給する必要がある。よって、この場合、圧側供給ポジション9cを採るように方向切換弁9を切換えて、圧側室R2を供給路5へ接続するとともに、排出路6を通じて伸側室R1をリザーバRへ連通させる。
液圧シリンダCが伸長作動しているときには、圧側室R2の容積が増大するが、ポンプ4の吐出流量がこの圧側室R2の単位時間当たりの容積増大量以上である場合、圧側室R2で必要となる流量よりポンプ4の吐出流量が多い。そのため、ポンプ4から吐出された液体は、圧側チェック弁18を通じて圧側室R2へ流入するとともに、ポンプ4の吐出流量のうち圧側室R2で吸収されずに余った液体が電磁弁Vを通じてリザーバRへ流れる。したがって、圧側室R2の圧力は、供給路5の圧力と等圧となり、電磁弁Vの開弁圧に制御される。他方の容積が減少する伸側室R1には、伸側減衰弁15および排出路6を介して伸側室R1から容積減少分の液体がリザーバRへ排出される。伸側室R1の圧力は、伸側室R1から排出される液体が伸側減衰弁15を通過する際の生じる圧力損失分だけリザーバRの圧力よりも高くなる。したがって、このような状況では、圧側室R2の圧力は電磁弁Vの開弁圧に等しくなるが、伸側室R1の圧力は伸側減衰弁15による圧力損失分だけリザーバRの圧力よりも高くなり、伸側室R1から排出される流量が多くなるとそれだけ圧力損失も大きくなる。よって、液圧シリンダCの推力は、圧側室R2の圧力とピストン2の圧側室R2側の受圧面積の積から伸側室R1の圧力とピストン2の伸側室R1側の受圧面積の積を差し引いた力となる。また、伸側室R1から排出される流量が多くなるとそれだけ圧力損失も大きくなって、液圧シリンダCの推力が小さくなる。
これに対して、液圧シリンダCの伸長速度が高いと、ポンプ4の吐出流量が圧側室R2の単位時間当たりの容積増大量を下回って、ポンプ4からの液体供給が圧側室R2の単位時間当たりの容積増大量に追いつかなる。そして、ポンプ4から吐出される液体が全て圧側室R2で吸収されてしまうようになると、電磁弁Vには液体が流れなくなり、圧側室R2で不足する量の液体は、吸込チェック弁11が開いて、リザーバRから排出路6および吸込通路10を介して供給される。このような状況となると、圧側室R2の圧力はほぼリザーバRの圧力に等しくなるが、伸側室R1の圧力は伸側減衰弁15による圧力損失分だけリザーバRの圧力よりも高くなるため、液圧シリンダCは、ピストン2を上方に押し上げる方向へは推力を発揮できなくなり、反対の方向へ、つまり、ピストン2を下方へ押し下げる方向へ推力を発揮する。以上から、ピストン2を上方に押し上げる推力をアクチュエータA1に発揮させようとする場合であって、液圧シリンダCが外力によって伸長作動している場合にあって、ポンプ4の吐出流量が圧側室R2の単位時間当たりの容積増大量未満である場合、ピストン2を上方に押し上げる方向へ推力を発揮できなくなる。
前述のように、本例のアクチュエータA1にあっては、リザーバRからフィルタユニットF1を介さずに液圧シリンダCへ液体が供給される状況が生じるが、フィルタユニットF1が捕捉した残渣は、フィルタユニットF1により閉じ込められており、リザーバR側へ流出せず、液圧回路H内の液体は清浄に保たれる。
引き続き、ポンプ4を駆動しない停止状態にした場合のアクチュエータA1の作動を説明する。この場合についても、液圧シリンダCが外乱を受けて伸縮する方向と液圧シリンダCが推力を発生する方向とで場合分けすると、四つのケースが考えられる。
まず、ピストン2を下方に押し下げる推力をアクチュエータA1に発揮させる場合であって、液圧シリンダCが外力によって伸長作動している場合について説明する。液圧シリンダCに発生させる推力の方向は、ピストン2を下方に押し下げる方向である。よって、伸側供給ポジション9bを採るように方向切換弁9を切換えて、伸側室R1を供給路5へ接続するとともに、排出路6を通じて圧側室R2をリザーバRへ連通させる。
液圧シリンダCが伸長作動しているときには、伸側室R1の容積が減少するため、減少分の液体は、伸側減衰弁15を通じて伸側室R1から排出され、供給路5を介して電磁弁Vを通過してリザーバRへ流れる。なお、供給側チェック弁12が設けられているので、ポンプ4側に液体が流れない。他方、容積が増大する圧側室R2には、排出路6を介してリザーバRから容積拡大分に見合う液体が供給される。
供給路5の圧力は、電磁弁Vによって、電磁弁Vの開弁圧に制御されているため、伸側室R1の圧力は、伸側室R1から排出される液体が伸側減衰弁15を通過する際に生じる圧力損失分だけ供給路5の圧力よりも高くなる。したがって、この場合の伸側室R1は、電磁弁Vの開弁圧に伸側減衰弁15による圧力損失分を重畳した圧力分だけリザーバRの圧力よりも高くなり、液圧シリンダCの推力は、ピストン2の伸側室R1の受圧面積と伸側室R1の圧力との積となる。なお、この場合、圧側室R2の圧力とピストン2の圧側室R2に面する受圧面積の積である力がピストン2を押し上げる推力として発生するが、圧側室R2はリザーバRと等圧であり、伸側室R1の圧力をリザーバRの圧力との差圧として捉えているので、ピストン2を押し上げる推力は0とみなせる。
続いて、ピストン2を下方に押し下げる推力をアクチュエータA1に発揮させる場合であって、液圧シリンダCが外力によって収縮作動している場合について説明する。ポンプ4が停止状態であってポンプ4から液体は供給されないが、液圧シリンダCに発生させる推力の方向は、ピストン2を下方に押し下げる方向である。よって、伸側供給ポジション9bを採るように方向切換弁9を切換えて、伸側室R1を供給路5へ接続するとともに、排出路6を通じて圧側室R2をリザーバRへ連通させる。
液圧シリンダCが収縮作動しているときには、伸側室R1の容積が増大するが、ポンプ4が液体を吐出していないので、電磁弁Vには液体が流れなくなり、伸側室R1で不足する量の液体は、吸込チェック弁11が開いて、リザーバRから排出路6および吸込通路10を介して供給される。この状況では、伸側室R1の圧力はほぼリザーバRの圧力に等しくなる。他方の容積が減少する圧側室R2は、圧側減衰弁17および排出路6を介して圧側室R2から容積減少分の液体がリザーバRへ排出される。圧側室R2の圧力は、圧側室R2から排出される液体が圧側減衰弁17を通過する際の生じる圧力損失分だけリザーバRの圧力よりも高くなる。そのため、液圧シリンダCは、ピストン2を下方に押し下げる方向へは推力を発揮できず、反対の方向へ、つまり、ピストン2を上方へ押し上げる方向へ推力を発揮する。これは、減衰力可変ダンパにおいて、圧側減衰力を最も低い減衰力に制御しているのと同等の効果をもたらしている。
次に、ピストン2を上方に押し上げる推力をアクチュエータA1に発揮させる場合であって、液圧シリンダCが外力によって収縮作動している場合について説明する。液圧シリンダCに発生させる推力の方向は、ピストン2を上方に押し上げる方向である。よって、圧側供給ポジション9cを採るように方向切換弁9を切換えて、圧側室R2を供給路5へ接続するとともに、排出路6を通じて伸側室R1をリザーバRへ連通させる。
液圧シリンダCが収縮作動しているときには、圧側室R2の容積が減少するため、減少分の液体は、圧側減衰弁17を通じて圧側室R2から排出され、供給路5を介して電磁弁Vを通過してリザーバRへ流れる。なお、供給側チェック弁12が設けられているので、ポンプ4側に液体が流れない。他方、容積が増大する伸側室R1には、排出路6を介してリザーバRから容積拡大分に見合う液体が供給される。
供給路5の圧力は、電磁弁Vによって、電磁弁Vの開弁圧に制御されているため、圧側室R2の圧力は、圧側室R2から排出される液体が圧側減衰弁17を通過する際に生じる圧力損失分だけ供給路5の圧力よりも高くなる。したがって、この場合の圧側室R2は、電磁弁Vの開弁圧に圧側減衰弁17による圧力損失分を重畳した圧力分だけリザーバRの圧力よりも高くなり、液圧シリンダCの推力は、ピストン2の圧側室R2の受圧面積と圧側室R2の圧力との積となる。なお、この場合、伸側室R1の圧力とピストン2の伸側室R1に面する受圧面積の積である力がピストン2を押し下げる推力として発生するが、伸側室R1はリザーバRと等圧であり、圧側室R2の圧力をリザーバRの圧力との差圧として捉えているので、ピストン2を押し下げる推力は0とみなせる。
続いて、ピストン2を上方に押し上げる推力をアクチュエータA1に発揮させる場合であって、液圧シリンダCが外力によって伸長作動している場合について説明する。ポンプ4が停止状態であってポンプ4から液体は供給されないが、液圧シリンダCに発生させる推力の方向は、ピストン2を上方に押し上げる方向である。よって、圧側供給ポジション9cを採るように方向切換弁9を切換えて、圧側室R2を供給路5へ接続するとともに、排出路6を通じて伸側室R1をリザーバRへ連通させる。
液圧シリンダCが伸長作動しているときには、圧側室R2の容積が増大するが、ポンプ4が液体を吐出しておらず、電磁弁Vには液体が流れなくなり、圧側室R2で不足する量の液体は、吸込チェック弁11が開いて、リザーバRから排出路6および吸込通路10を介して供給される。この状況では、圧側室R2の圧力はほぼリザーバRの圧力に等しくなる。他方の容積が減少する伸側室R1には、伸側減衰弁15および排出路6を介して伸側室R1から容積減少分の液体がリザーバRへ排出される。伸側室R1の圧力は、伸側室R1から排出される液体が伸側減衰弁15を通過する際の生じる圧力損失分だけリザーバRの圧力よりも高くなる。そのため、液圧シリンダCは、ピストン2を上方に押し上げる方向へは推力を発揮できず、反対の方向へ、つまり、ピストン2を下方へ押し下げる方向へ推力を発揮する。以上から、ピストン2を上方に押し上げる推力をアクチュエータA1に発揮させようとする場合で、液圧シリンダCが外力によって伸長作動している場合にあって、ポンプ4が停止している場合、ピストン2を上方に押し上げる方向へ推力を発揮できない。これは、減衰力可変ダンパにおいて、伸側減衰力を最も低い減衰力に制御しているのと同等の効果をもたらしている。
通常、セミアクティブサスペンションにあっては、減衰力可変ダンパを用いてカルノップ則に従ってスカイフック制御を実行する場合、伸側減衰力(ピストンを押し下げる方向の力)が必要であると、伸長作動時には減衰力可変ダンパの減衰力が目標推力を得られる減衰力に制御され、収縮作動時には、伸側減衰力が得られないから圧側へ最も低い減衰力を発揮するように制御される。他方、圧側減衰力(ピストンを押し上げる方向の力)が必要であると、収縮作動時には減衰力可変ダンパの減衰力が目標推力を得られる減衰力に制御され、伸長作動時には、圧側減衰力が得られないから伸側へ最も低い減衰力を発揮するように制御される。
これに対して、本発明のアクチュエータA1にあっては、ポンプ4を停止している状態では、液圧シリンダCにピストン2を下方に押し下げる推力を発揮させる場合、伸長作動時には液圧シリンダCの推力が電磁弁Vの開弁圧の調整によって出力可能範囲内で制御され、収縮作動時には、液圧シリンダCにピストン2を下方に押し下げる推力を発揮させようとしても液圧シリンダCはピストン2を上方に押し上げる推力のうち最も低い推力を発揮する。反対に、液圧シリンダCにピストン2を上方に押し上げる推力を発揮させる場合、収縮作動時には液圧シリンダCの推力が電磁弁Vの開弁圧の調整によって出力可能範囲内で制御され、伸長作動時には、液圧シリンダCにピストン2を上方に押し上げる推力を発揮させようとしても液圧シリンダCはピストン2を下方に押し下げる推力のうち最も低い推力を発揮する。したがって、本発明のアクチュエータA1では、ポンプ4を停止中である場合、自動的に、セミアクティブサスペンションと同じ機能を発揮する。このように、ポンプ4が駆動中であってもポンプ4の吐出流量が拡大する伸側室R1或いは圧側室R2の容積増大量未満となると、自動的に、アクチュエータA1は、セミアクティブサスペンションとして機能する。
このように、ポンプ4を停止させてアクチュエータA1に推力を発揮させる場合も、リザーバRからフィルタユニットF1を介さずに液圧シリンダCへ液体が供給される状況が生じるが、フィルタユニットF1が捕捉した残渣を閉じ込めるので、残渣がリザーバR側へ流出せず、液圧回路H内の液体は清浄に保たれる。
最後に、アクチュエータA1のモータ13、方向切換弁9および電磁弁Vへの通電が何らかの異常により通電不能な失陥時におけるアクチュエータA1の作動について説明する。こうした失陥には、たとえば、モータ13、方向切換弁9および電磁弁Vへの通電ができない場合のほか、コントローラCoやドライバ装置Drに異常が見られた場合にモータ13、方向切換弁9および電磁弁Vへの通電を停止する場合も含まれる。
失陥時には、モータ13、方向切換弁9および電磁弁Vへの通電が停止されるか、或いは通電不能な状態であり、ポンプ4は停止し、電磁弁Vは開弁圧が最小となり、方向切換弁9は、ばね9dに附勢されて伸側供給ポジション9bを採った状態となる。
この状態で、液圧シリンダCが外力によって伸長作動する場合、伸側室R1の容積が減少するため、減少分の液体は、伸側減衰弁15を通じて伸側室R1から排出され、供給路5を介して電磁弁Vを通過してリザーバRへ流れる。なお、供給側チェック弁12が設けられているので、液体は、ポンプ4側には流れない。他方、容積が増大する圧側室R2には、排出路6を介してリザーバRから容積拡大分に見合う液体が供給される。
伸側室R1から排出された液体は電磁弁Vを通過するが、電磁弁Vが非通電時に通過する流れに対しほとんど抵抗を与えない特性になっているため、供給路5の圧力は、ほぼリザーバRの圧力と等圧となる。よって、伸側室R1の圧力は、伸側室R1から排出される液体が伸側減衰弁15を通過する際に生じる圧力損失分だけ供給路5の圧力よりも高くなるから、当該圧力損失分だけリザーバRの圧力よりも高くなる。
したがって、液圧シリンダCの推力は、伸側減衰弁15による圧力損失に見合う圧力にピストン2の伸側室R1の受圧面積を乗じた力となる。なお、この場合、圧側室R2の圧力とピストン2の圧側室R2に面する受圧面積の積である力がピストン2を押し上げる推力として発生するが、圧側室R2はリザーバRと等圧であり、伸側室R1の圧力をリザーバRの圧力との差圧として捉えているので、ピストン2を押し上げる推力は0とみなせる。
反対に、液圧シリンダCが外力によって収縮作動する場合、圧側室R2の容積が減少するため、減少分の液体は、圧側減衰弁17を通じて圧側室R2から排出され、リザーバRへ流れる。他方、容積が増大する伸側室R1には、排出路6を介してリザーバRから吸込通路10、吸込チェック弁11を通じて容積拡大分に見合う液体が供給される。なお、供給側チェック弁12が設けられているので、液体は、ポンプ4側には流れない。
よって、圧側室R2の圧力は、圧側室R2から排出される液体が圧側減衰弁17を通過する際に生じる圧力損失分だけリザーバRの圧力よりも高くなる。
したがって、液圧シリンダCの推力は、圧側減衰弁17による圧力損失に見合う圧力にピストン2の圧側室R2の受圧面積を乗じた力となる。なお、この場合、伸側室R1の圧力とピストン2の伸側室R1に面する受圧面積の積である力がピストン2を押し下げる推力として発生するが、伸側室R1はリザーバRと等圧であり、圧側室R2の圧力をリザーバRの圧力との差圧として捉えているので、ピストン2を押し下げる推力は0とみなせる。
このようにアクチュエータA1が失陥した状態では、液圧シリンダCはパッシブなダンパとして機能して、ばね上部材Boおよびばね下部材Wの振動を抑制するので、失陥時にはフェールセーフ動作が確実に行われる。
このように、アクチュエータA1が失陥した場合も、リザーバRからフィルタユニットF1を介さずに液圧シリンダCへ液体が供給される状況が生じるが、フィルタユニットF1が捕捉した残渣を閉じ込めるので、残渣がリザーバR側へ流出せず、液圧回路H内の液体は清浄に保たれる。
また、本例のアクチュエータA1では、液圧シリンダCを積極的に伸縮させてアクティブサスペンションとして機能できるだけでなく、セミアクティブサスペンションとしての推力の発揮が期待される場面では、ポンプ4の駆動が必須ではなく、ポンプ4の駆動が必要なときにのみ駆動すればよいので、エネルギ消費が少なくなる。よって、このアクチュエータA1は、アクティブサスペンションとして機能でき、エネルギ消費を低く抑え得る。
また、本実施の形態のアクチュエータA1にあっては、伸側減衰要素VEが伸側室R1から切換手段としての方向切換弁9に向かう流れに対し抵抗を与える伸側減衰弁15と、伸側減衰弁15に並列されて方向切換弁9から伸側室R1へ向かう流れのみを許容する伸側チェック弁16とを有し、圧側減衰要素VCが圧側室R2から方向切換弁9に向かう流れに対し抵抗を与える圧側減衰弁17と、圧側減衰弁17に並列されて方向切換弁9から圧側室R2へ向かう流れのみを許容する圧側チェック弁18とを有している。よって、ポンプ4から伸側室R1或いは圧側室R2へ液体を供給する際には、伸側チェック弁16或いは圧側チェック弁18を介してほとんど抵抗なく液体を伸側室R1或いは圧側室R2へ供給でき、液圧シリンダCの伸縮方向と発生させる推力の方向とが一致する際にポンプ4の負荷を軽減できる。また、伸側室R1或いは圧側室R2から液体が排出される場合には、伸側減衰弁15或いは圧側減衰弁17が通過する液体の流れに抵抗を与えるので、伸側室R1或いは圧側室R2の圧力を電磁弁Vの開弁圧以上にして大きな推力を得られるから、電磁弁Vにおけるソレノイド20cの推力を小さくしてもアクチュエータA1は大きな推力を発生できる。なお、伸側減衰要素VEおよび圧側減衰要素VCが液体の流れる方向にかかわりなく液体の流れに抵抗を与えるものであってもよい。また、伸側減衰弁15および圧側減衰弁17が双方向流れを許容するものであれば伸側チェック弁16および圧側チェック弁18の省略も可能であって、その場合でも、アクチュエータA1がセミアクティブサスペンションとしての推力の発揮が期待される場面ではポンプ4の駆動が必須ではないからエネルギ消費が少なくなる。
そして、本例のフィルタユニットF1は、リザーバRを加圧密閉して液圧回路Hを閉回路構成とするとともにポンプ4から液体が駆動部に供給されるだけでなく、リザーバRからも液体が駆動部へ供給されるような状況が生じるアクチュエータA1に適用されても、液圧回路H内の液体を常に清浄に保てる。よって、フィルタユニットF1を適用したアクチュエータA1におけるシステムの信頼性を向上できる。
なお、供給路5の電磁弁Vよりも上流であってポンプ4の吐出側に流体フィルタFFよりフィルタ用チェック弁FCをポンプ4側に配置してフィルタユニットF1を設けると、ポンプ4から吐出された液体を濾過して残渣を閉じ込め、液圧シリンダC側からポンプ4側への液体の逆流も防止できる。よって、この場合は、供給側チェック弁12を廃止できる。
<第二の実施形態>
つづいて、第二の実施の形態のフィルタユニットF2について説明する。フィルタユニットF2は、図3に示すように、前述の第一の実施の形態のフィルタユニットF1の構成に迂回流路BPと、迂回流路BPの途中に設けた並列チェック弁PCを加えた構成とされている。
つづいて、第二の実施の形態のフィルタユニットF2について説明する。フィルタユニットF2は、図3に示すように、前述の第一の実施の形態のフィルタユニットF1の構成に迂回流路BPと、迂回流路BPの途中に設けた並列チェック弁PCを加えた構成とされている。
また、第二の実施の形態のフィルタユニットF2は、第一の実施の形態のフィルタユニットF1の代わりにアクチュエータA1に適用されており、アクチュエータA1の排出路6の電磁弁Vおよび吸込チェック弁11より下流であってリザーバRより上流に設けられている。
フィルタユニットF2は、具体的には、排出路6を流路として、この流路に設けたフィルタ用チェック弁FCおよび流体フィルタFFと、排出路6のフィルタ用チェック弁FCより一方側となる液圧シリンダC(駆動部)側と流体フィルタFFより他方側となるリザーバR側とを接続する迂回流路BPと、迂回流路BPの途中に設けられており排出路のリザーバR側から液圧シリンダC側へ向かう流体の流れのみを許容する並列チェック弁PCとを備えている。
フィルタ用チェック弁FCは、流路としての排出路6の一方側である液圧シリンダC側から他方側であるリザーバR側へ向かう液体の流れのみを許容する。よって、排出路6のフィルタ用チェック弁FCと流体フィルタFFとの間の区間は、フィルタ用チェック弁FCによって、液圧シリンダC側を上流としリザーバR側を下流する一方通行の流路に設定される。
他方の並列チェック弁PCは、排出路6の他方側であるリザーバR側から一方側である液圧シリンダC側へ向かう液体の流れのみを許容する。よって、迂回流路BPは、並列チェック弁PCによって、リザーバR側を上流とし液圧シリンダC側を下流する一方通行の流路に設定される。
したがって、第二の実施の形態のフィルタユニットF2では、液体が液圧シリンダC側からリザーバR側へ流れる場合、並列チェック弁PCは閉じて迂回流路BPを遮断し、フィルタ用チェック弁FCは開いて液体の流体フィルタFFの通過を許容する。反対に、液体がリザーバR側から液圧シリンダC側へ流れる場合、フィルタ用チェック弁FCは閉じてフィルタ用チェック弁FCと流体フィルタFFとの間の区間を遮断し、並列チェック弁PCは開いて液体の迂回流路BPの通過を許容する。
よって、このように構成されたフィルタユニットF2は、液体が液圧シリンダC側からリザーバR側へ流れる場合には、液体を流体フィルタFFで濾過して残渣を捕捉でき、反対に、液体がリザーバR側から液圧シリンダC側へ流れる場合には、残渣を前記区間に閉じ込めるとともに迂回流路BPを介しての液体の流れを許容する。つまり、フィルタユニットF2は、捕捉した残渣が排出路6のフィルタ用チェック弁FCと流体フィルタFFとの区間から他所へ流出するのを阻止しつつ、反対側への液体の流れも許容する。
フィルタ用チェック弁FCと流体フィルタFFとの区間の流路は、アクチュエータA1の液圧回路Hの他所へ接続されずに閉じられていればよい。なお、フィルタ用チェック弁FCと流体フィルタFFとの間の流路から残渣が他所へ流出しないようになっていればよいので、途中に、他から独立したアキュムレータやタンクが接続されるのは構わない。また、本例では、作動媒体が液体である場合について説明しているが、フィルタユニットF2は、気体を濾過する用途に使用されてもよい。
そして、このフィルタユニットF2は、アクチュエータA1の排出路6に設けられているが、前述したように、フィルタユニットF2は、液圧シリンダC側からリザーバR側への液体の流れに対して液体を濾過し、反対向きの液体の流れに対しては残渣の流出を防止しつつ液体の流れを許容するので、アクチュエータA1の液圧回路H中で液体が双方向に流れる流路にも設置が可能である。よって、第二の実施の形態のフィルタユニットF2にあっては、双方向の流れを許容する流路にも設置が可能であり、設置箇所の制約が減少するのでフィルタユニットF2の設置および液圧回路Hの設計の自由度が向上する。
なお、アクチュエータA1の作動は、前述のとおりであり、フィルタユニットF1の代わりにフィルタユニットF2を設けても、作動が変わるところはない。
また、フィルタユニットF2は、双方向流れを許容する流路に設置可能であるので、図4に示すアクチュエータA2に適用できる。
アクチュエータA2は、内部に二つの作動室としての伸側室R3と圧側室R4を有して、これら伸側室R3と圧側室R4への流体の供給によって作動する駆動部としての液圧シリンダC1と、流体圧回路としての液圧回路H1とを備える。液圧回路H1は、伸側室R3と圧側室R4とを接続する環状通路30と、環状通路30の途中に設けられる双方向吐出ポンプ31と、環状通路30を流路として双方向吐出ポンプ31と伸側室R3の間、双方向吐出ポンプ31と圧側室R4の間のそれぞれ設けられるフィルタユニットF21,F22とを備えている。
フィルタユニットF21,F22は、ともにフィルタユニットF2と同じ構成であり、説明の便宜上、区別できるように、符号の末尾に添え数字を付してある。フィルタユニットF21,F22は、ともに環状通路30を流路とし、駆動部側としての液圧シリンダC1側を一方側とし双方向吐出ポンプ31側を他方側としてアクチュエータA2に設置されている。
つまり、フィルタユニットF21,F22は、ともに、液圧シリンダC1側から双方向吐出ポンプ31側へ向かう液体の流れに対しては、流体フィルタFFで液体を濾過し、反対の流れに対しては迂回流路BPを介して液体の流れを許容しつつ流体フィルタFFで捕捉した残渣を閉じ込める。
液圧シリンダC1は、シリンダ41と、シリンダ41内に移動自在に挿入されてシリンダ41内を液体が充填される作動室である伸側室R3と圧側室R4とに区画するピストン42と、シリンダ41内に移動自在に挿入されてピストン42に連結されるロッド43と、シリンダ41内に摺動自在に挿入されてシリンダ41内を作動室と気体が充填される気室Gとに区画するフリーピストン44とを備えている。この液圧シリンダC1にあっては、伸縮時にロッド43がシリンダ41に出入りする際の作動室の総容積変動および液体の温度変化による体積変化を気室Gの拡大および縮小によって補償している。
このように構成されたアクチュエータA2にあっては、双方向吐出ポンプ31を駆動して圧側室R4から伸側室R3へ液体を移動させると収縮し、反対に伸側室R3から圧側室R4へ液体を移動させると伸長する。
この双方向吐出ポンプ31の駆動による液体の移動の際に、双方向吐出ポンプ31は、必ずフィルタユニットF21或いはフィルタユニットF22によって濾過された液体を吸い込んで吐出するので、駆動を続けると液体の浄化が進む。フィルタユニットF21,F22は、捕捉した残渣を閉じ込めて、残渣が双方向吐出ポンプ31および液圧シリンダC1へ流出するのを阻止するので、アクチュエータA2の駆動を繰り返すたびに、液体の清浄度が高まっていく。よって、フィルタユニットF2を適用したアクチュエータA2におけるシステムの信頼性を向上できる。
なお、前述した二つの実施の形態のフィルタユニットF1,F2が適用されたアクチュエータA1,A2における作動媒体は液体とされているが、フィルタユニットF1,F2は気体を作動媒体とするアクチュエータへ利用できる。また、アクチュエータA1,A2では、車両のサスペンションへの適用に適するために駆動部を直動型の液圧シリンダC,C1としていたが、駆動部は、直動型以外のものを使用でき、たとえば、回転型のロータリアクチュエータとされてもよい。さらに、フィルタユニットF1,F2は、残渣の閉じ込めが可能であるので、加圧密閉型のリザーバRを備えた閉回路構成の流体圧回路であって、ポンプ4からだけでなく、リザーバRから駆動部へ流体が供給される状況が生じる流体圧回路に用いるのが効果的ではあるが、リザーバRが大気開放される大気開放型の流体圧回路や一方通行の流路に適用されても残渣の閉じ込めを可能としつつフィルタ機能を発揮できる。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されない。
4・・・ポンプ、5・・・供給路、6・・・排出路、14・・・ポンプ通路(流路)、30・・・環状通路、31・・・双方向吐出ポンプ、A1,A2・・・アクチュエータ、BP・・・迂回流路、C,C1・・・液圧シリンダ(駆動部)、F1,F2,F21,F22・・・フィルタユニット、FC・・・フィルタ用チェック弁、FF・・・流体フィルタ、H,H1・・・液圧回路(流体圧回路)、PC・・・並列チェック弁、R・・・リザーバ、R1,R3・・・伸側室(作動室)、R2,R4・・・圧側室(作動室)
Claims (4)
- 流路に設けられて前記流路の一方側から他方側へと向かう流体の流れのみを許容するフィルタ用チェック弁と、
前記流路の前記フィルタ用チェック弁より他方側に設けられる流体フィルタとを備え、
前記流路の前記フィルタ用チェック弁と前記流体フィルタとの間に残渣を閉じ込める
ことを特徴とするフィルタユニット。 - 前記流路の前記フィルタ用チェック弁より一方側と前記流体フィルタより他方側とを接続する迂回流路と、
前記迂回流路の途中に設けられており、前記流路の他方側から一方側へ向かう流体の流れのみを許容する並列チェック弁とを備えた
ことを特徴とする請求項1に記載のフィルタユニット。 - 流体の供給によって作動する駆動部と、
リザーバと、
前記リザーバにポンプ通路を介して接続されており、流体を前記リザーバから吸込んで吐出するポンプと、
前記ポンプに接続される供給路と、前記リザーバに接続される排出路とを有し、前記駆動部に接続されて、前記駆動部の動作を制御する流体圧回路と、
請求項1または2に記載のフィルタユニットとを備え、
前記ポンプ通路を前記流路とするか、前記排出路を前記流路とする
ことを特徴とするアクチュエータ。 - 内部に二つの作動室を有して前記作動室への流体の供給によって作動する駆動部と、
前記作動室同士を接続する環状通路と、
前記環状通路の途中に設けられる双方向吐出ポンプと、
前記環状通路を前記流路として前記双方向吐出ポンプと各作動室の間にそれぞれ設けられる請求項2に記載のフィルタユニットとを備え、
前記駆動部側を前記各フィルタユニットにおける前記流路の一方側とし、前記双方向吐出ポンプ側を前記各フィルタユニットにおける前記流路の他方側とした
こと特徴とするアクチュエータ。
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JP2016182619A JP2018048659A (ja) | 2016-09-20 | 2016-09-20 | フィルタユニットおよびアクチュエータ |
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Family Applications (1)
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JP2016182619A Pending JP2018048659A (ja) | 2016-09-20 | 2016-09-20 | フィルタユニットおよびアクチュエータ |
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JPH0719538Y2 (ja) * | 1989-09-07 | 1995-05-10 | 日立建機株式会社 | フルフローフイルタ |
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2016
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2017
- 2017-09-13 WO PCT/JP2017/032981 patent/WO2018056132A1/ja active Application Filing
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