JP2018048585A - 排気浄化装置の劣化判定システム - Google Patents

排気浄化装置の劣化判定システム Download PDF

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真雄 大串
洋孝 齋藤
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洋孝 齋藤
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Abstract

【課題】本発明は、可及的に高い精度でNOx触媒の劣化判定を行うことを目的とする。
【解決手段】内燃機関の排気浄化装置の劣化判定システムにおいて、NOx触媒に流入するNOx流量が所定流量以下で且つNOx触媒に吸着しているアンモニア量が所定吸着量以下である場合に、還元剤の供給を所定の供給条件で開始させ、排気中のアンモニア濃度の濃度増加率について、該濃度増加率が略ゼロとなる所定第一状態から該濃度増加率が略ゼロよりも大きくなる所定第二状態となった後、該濃度増加率が所定増加率よりも小さくなる所定第三状態となると、該還元剤の供給を停止させる制御手段と、制御手段が還元剤の供給を開始させてから停止させるまでの期間に供給された該還元剤の供給量に基づいて第一パラメータを算出する算出手段と、第一パラメータに基づいてNOx触媒の劣化判定を行う劣化判定手段と、を備える。
【選択図】図8

Description

本発明は、排気浄化装置の劣化判定システムに関する。
アンモニアを還元剤として内燃機関からの排気中に含まれるNOxを還元する選択還元型NOx触媒(以下、単に「NOx触媒」と称する場合もある。)と、排気中にアンモニアの前駆体またはアンモニアを還元剤として供給する還元剤供給装置と、を備えた排気浄化装置が知られている。
また、特許文献1には、NOx触媒の劣化診断装置において、NOx触媒に吸着しているアンモニア量であるアンモニア吸着量に基づいてNOx触媒の劣化状態を判定する技術が開示されている。
特開2012−255397号公報
従来、NOx触媒に吸着しているアンモニアのほぼすべてがNOxの還元に寄与すると考えられてきたため、従来技術ではこのようなアンモニア吸着量に基づいてNOx触媒の劣化判定が行われている。これに対して、本発明者は、NOx触媒に吸着しているアンモニアについて、NOxの還元に寄与するアンモニアと寄与しないアンモニアとに区分してNOx触媒の劣化判定を行う技術を新たに見出した。
本発明は、排気浄化装置の劣化判定システムにおいて、可及的に高い精度でNOx触媒の劣化判定を行うことを目的とする。
上記課題を解決するために本発明に係る排気浄化装置の劣化判定システムは、内燃機関の排気通路に設けられ、該排気通路内にアンモニアの前駆体またはアンモニアを還元剤として供給する還元剤供給装置と、前記還元剤供給装置よりも下流側の排気通路に設けられ、前記還元剤によって排気中のNOxを還元する選択還元型NOx触媒と、前記選択還元型NOx触媒よりも下流側の排気中のアンモニア濃度を検出する検出手段と、を備える排気浄化装置の劣化判定システムである。そして、前記劣化判定システムは、前記選択還元型NOx触媒に流入するNOx流量が所定流量以下で且つ前記選択還元型NOx触媒に吸着しているアンモニア量が所定吸着量以下である場合に、前記還元剤供給装置からの前記還元剤の供給を所定の供給条件で開始させ、前記検出手段によって検出される排気中のアンモニア濃度の単位時間当たりの増加量である濃度増加率について、該濃度増加率が略ゼロとなる所定第一状態から該濃度増加率が略ゼロよりも大きくなる所定第二状態となった後、該濃度増加率が所定増加率よりも小さくなる所定第三状態となると、該還元剤の供給を停止させる制御手段と、前記制御手段が前記還元剤の供給を開始させてから停止させるまでの期間に前記還元剤供給装置によって供給された該還元剤の供給量に基づいて、該期間に前記選択還元型NOx触媒に吸着するアンモニア量に関連するパラメータである第一パラメータを算出する算出手段と、前記算出手段によって算出された前記第一パラメータに基づいて前記選択還元型NOx触媒の劣化判定を行う劣化判定手段と、を備える。
本発明によれば、排気浄化装置の劣化判定システムにおいて、可及的に高い精度でNOx触媒の劣化判定を行うことができる。
本発明の実施例に係る内燃機関とその吸排気系の概略構成を示す図である。 ゼオライト触媒におけるゼオライト破壊について説明するための図である。 NOx触媒の劣化度合と、アンモニア吸着量と、の関係を示す第一の図である。 NOx触媒に吸着しているアンモニア量の時間推移を示す図である。 本発明の実施例に係るSCRフィルタの模式図およびNOx触媒のコート層へのアンモニアの吸着の概念を示す図である。 NOx触媒の劣化度合と、アンモニア吸着量と、の関係を示す第二の図である。 NOx触媒へ供給されるアンモニア濃度およびSCRフィルタから流出するアンモニア濃度の推移を示す第一の図である。 本発明の実施例に係るNOx触媒の劣化判定の制御フローを示すフローチャートである。 NOx触媒へ供給されるアンモニア濃度およびSCRフィルタから流出するアンモニア濃度の推移を示す第二の図である。 本発明の実施例の変形例に係るNOx触媒の劣化判定の制御フローを示すフローチャートである。 本発明の実施例の変形例に係る劣化判定システムにおける、NOx触媒へ供給されるアンモニア濃度およびSCRフィルタから流出するアンモニア濃度、SCRフィルタから流出するアンモニアの濃度増加率、およびアンモニア吸着量の時間推移を示す図である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<実施例>
以下、図面を用いて本発明の実施例について説明する。図1は、本実施例に係る内燃機関とその吸排気系の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、圧縮着火式の内燃機関(ディーゼルエンジン)である。ただし、本発明は、ガソリン等を燃料とする火花点火式の内燃機関にも適用することができる。
(概略構成)
内燃機関1は、気筒2内へ燃料を噴射する燃料噴射弁3を備えている。なお、内燃機関1が火花点火式の内燃機関である場合は、燃料噴射弁3は、吸気ポートへ燃料を噴射するように構成されてもよい。
内燃機関1は吸気通路4と接続されている。吸気通路4には、エアフローメータ40およびスロットル弁41が設けられている。エアフローメータ40は、吸気通路4内を流れる吸気(空気)の量(質量)に応じた電気信号を出力する。スロットル弁41は、吸気通路4におけるエアフローメータ40よりも下流側に配置されている。スロットル弁41は、吸気通路4内の通路断面積を変更することで、内燃機関1の吸入空気量を調整する。
内燃機関1は排気通路5と接続されている。排気通路5には排気の流れに従って順に、燃料供給弁53、酸化触媒50、尿素水添加弁54、SCRフィルタ51、温度センサ55、NOxセンサ56、アンモニアセンサ57、およびアンモニアスリップ触媒52が設けられている。SCRフィルタ51は、多孔質の基材により形成されたウォールフロー型のフィルタに、選択還元型NOx触媒(以下、「NOx触媒」と称する場合もある。)51aが担持されて構成されている。フィルタは、排気中のPMを捕集する機能を有する。NOx触媒51aは、アンモニアを還元剤として排気中のNOxを還元する機能を有する。そのため、SCRフィルタ51は、PM捕集機能およびNOx浄化機能を有している。ここで、SCRフィルタ51よりも上流側に設けられている燃料供給弁53は、排気通路5内を流れる排気中に燃料を添加する。また、SCRフィルタ51よりも上流側に設けられている尿素水添加弁54は、排気通路5内を流れる排気中に尿素水を添加し、該尿素水がSCRフィルタ51に供給される。つまり、SCRフィルタ51に、アンモニアの前駆体である尿素が供給される。SCRフィルタ51においては、供給された尿素が加水分解されることで生成されたアンモニアがNOx触媒51aに吸着する。そして、このNOx触媒51aに吸着したアンモニアを還元剤として、排気中のNOxが還元される。なお、尿素水添加弁54に代えて、アンモニアガスを排気中に添加するアンモニア添加弁を設けてもよい。そして、本実施例においては尿素水添加弁54またはアンモニア添加弁が、本発明における還元剤供給装置に相当する。
また、温度センサ55は排気の温度に応じた電気信号を出力する。NOxセンサ56は排気のNOx濃度に応じた電気信号を出力する。アンモニアセンサ57は排気のアンモニア濃度に応じた電気信号を出力する。また、アンモニアスリップ触媒52は酸化機能を有する触媒である。アンモニアスリップ触媒52は、酸化触媒であってもよいし、酸化機能を有する他の触媒であってもよい。アンモニアスリップ触媒52は、排気中のHC、CO、およびアンモニアを酸化させる。なお、本実施例においてはアンモニアセンサ57が、本発明における検出手段に相当する。ここで、NOxセンサ56によって排気のアンモニア濃度を検出することができる場合には、NOxセンサ56を本発明における検出手段としてもよい。
そして、内燃機関1には電子制御ユニット(ECU)10が併設されている。ECU10は、内燃機関1の運転状態等を制御するユニットである。ECU10には、上記のエアフローメータ40、温度センサ55、NOxセンサ56、アンモニアセンサ57に加え、アクセルポジションセンサ7、およびクランクポジションセンサ8等の各種センサが電気的に接続されている。アクセルポジションセンサ7は、図示しないアクセルペダルの操作量(アクセル開度)に相関した電気信号を出力するセンサである。クランクポジションセンサ8は、内燃機関1の機関出力軸(クランクシャフト)の回転位置に相関する電気信号を出力するセンサである。そして、これらのセンサの出力信号がECU10に入力される。ECU10は、アクセルポジションセンサ7の出力信号に基づいて内燃機関1の機関負荷を導出し、クランクポジションセンサ8の出力信号に基づいて内燃機関1の機関回転速度を導出する。また、ECU10は、エアフローメータ40の出力値に基づいてNOx触媒51aに流入する排気の流量(以下、「排気流量」と称する場合もある。)を推定し、温度センサ55の出力値に基づいてNOx触媒51aの温度(以下、「触媒温度」と称する場合もある。)を推定する。
また、ECU10には、燃料噴射弁3、スロットル弁41、燃料供給弁53、および尿素水添加弁54等の各種装置が電気的に接続されている。ECU10によって、これら各種装置が制御される。
(NOx触媒51aの劣化とアンモニア吸着量との関係)
ここで、NOx触媒51aの劣化形態について説明する。本実施例に係るNOx触媒5
1aは、例えば、ゼオライト触媒である。ただし、本実施例ではNOx触媒51aをゼオライト触媒に限定する意図はなく、周知の選択還元型NOx触媒を用いることができる。そして、NOx触媒51aとしてゼオライト触媒を用いた場合の触媒の劣化形態を、NOx触媒51aの劣化形態の一例として以下に説明する。図2は、ゼオライト骨格の構造が破壊されるゼオライト破壊について説明するための図である。ゼオライト触媒は、他の選択還元型NOx触媒と比べて優れた耐熱性を有する傾向があるものの、HOと熱とによってゼオライト破壊が生じ得る。図2に示すように、HOと熱とに起因するゼオライト破壊では、先ずブレンステッド酸点において格子欠陥が発生する。そして、格子欠陥が発生すると当該格子欠陥から結晶破壊が起き、ゼオライト構造からAlが脱離することになる。このようにゼオライト破壊が起こると、アンモニアが吸着し得る活性点の一つであるブレンステッド酸点が消失していくため、ゼオライト触媒におけるNOx還元能力が低下していくことになる。つまり、ゼオライト触媒が劣化していくことになる。
また、ゼオライト触媒には、例えばCuイオンがイオン交換担持される。この場合には、担持されたCuイオンにアンモニアが吸着し得ることになる。そして、このようなゼオライト触媒において、担持されたCuイオンがゼオライト外へ遊離してしまうと、ゼオライト触媒におけるNOx還元能力が低下してしまうことになる。ゼオライト触媒からのCuイオンの遊離は、ゼオライト触媒においてアンモニアが吸着し得る活性点の数が減少することを意味しているからである。また、遊離したCuイオンはゼオライトの結晶外でCuOとなる傾向がある。そして、このCuOは高温時にアンモニアを酸化する傾向がある。このことは、ゼオライト触媒からCuイオンが遊離すると、特に高温時においてゼオライト触媒におけるNOx還元能力が低下してしまうことを意味している。
以上のように、ゼオライト触媒が劣化するとアンモニアが吸着し得る活性点の数が減少することになる。そして、ゼオライト触媒に限らず周知の選択還元型NOx触媒においても、当該NOx触媒が劣化すると活性点の数が減少することになる。
また、従来から、NOx触媒51aの劣化度合(以下、「劣化度」と称する場合もある。)が大きくなるとNOx触媒51aに吸着しているアンモニア量(以下、「アンモニア吸着量」と称する場合もある。)の飽和量(以下、「飽和アンモニア吸着量」と称する場合もある。)が減少することが知られている。図3は、NOx触媒51aにおける劣化度とアンモニア吸着量との関係を示す図である。図3において、実線はアンモニア吸着量を示し、破線は飽和アンモニア吸着量を示している。また、劣化度D0はNOx触媒51aがほとんど劣化していない状態を示し、劣化度D1はNOx触媒51aの劣化は進行しているもののその劣化度は比較的小さい状態を示し、劣化度D2は劣化度が比較的大きい状態を示している。
図3に示すように、劣化度が大きくなるのに応じて飽和アンモニア吸着量が少なくなる。また、劣化度D1のときにはアンモニア吸着量は飽和アンモニア吸着量M1よりも少ない吸着量M2とされていて、このように定められるアンモニア吸着量はNOx触媒51aに流入するNOxを還元可能とするアンモニア吸着量として定義されている。そして、劣化度D2のときには飽和アンモニア吸着量が吸着量M2となり、劣化度がD2以上となるとアンモニア吸着量は飽和アンモニア吸着量と等しい量になる。このように、アンモニア吸着量が飽和アンモニア吸着量と等しい量になると、劣化度と飽和アンモニア吸着量との相関に基づいて劣化度を推定することが可能となるものの、劣化度がD2よりも小さいときにはアンモニア吸着量は飽和アンモニア吸着量よりも少ないため、アンモニア吸着量に基づいて劣化度を精度良く推定することが困難である。そこで、本発明者は鋭意検討を行い、NOx触媒51aに吸着しているアンモニアについて、NOxの還元に寄与するアンモニアと寄与しないアンモニアとに区分してNOx触媒51aの劣化判定を行うことによって、可及的に高い精度でNOx触媒51aの劣化判定を行うことができることを新たに
見出した。
(NOx触媒51aにおけるアンモニア吸着過程)
本発明に係る排気浄化装置の劣化判定システムが実行するNOx触媒51aの劣化判定について説明するために、先ず、NOx触媒51aにおけるアンモニア吸着過程について図4および図5に基づいて説明する。図4は、アンモニア吸着量の時間推移を示す図である。図4には、アンモニア吸着量が略0となっているNOx触媒51aに対して、当該NOx触媒51aへ供給されるアンモニア濃度が一定となるようにアンモニアを継続して供給した場合のアンモニア吸着量の時間推移を示している。なお、このときには、NOx触媒51aに流入するNOx流量(以下、「流入NOx流量」と称する場合もある。)が略0となっているものとする。
図4に示すように、時刻t0から時刻t1にかけてアンモニア吸着量は増加し、その増加率は図4に示す傾きaとなっている。また、時刻t1から時刻t2にかけてアンモニア吸着量は図4に示す傾きbの増加率で増加し、時刻t2から時刻t3にかけてアンモニア吸着量は図4に示す傾きcの増加率で増加し、時刻t3以降はアンモニア吸着量はほとんど増加しない。そして、時刻t0から時刻t1までの期間(以下、「第一期間」と称する場合もある。)におけるアンモニア吸着量の増加率(図4に示す傾きa)は、時刻t1から時刻t2までの期間(以下、「第二期間」と称する場合もある。)におけるアンモニア吸着量の増加率(図4に示す傾きb)よりも大きくて、第二期間におけるアンモニア吸着量の増加率(図4に示す傾きb)は、時刻t2から時刻t3までの期間(以下、「第三期間」と称する場合もある。)におけるアンモニア吸着量の増加率(図4に示す傾きc)よりも大きい。
また、上記の図4に示したアンモニア吸着量の時間推移について、図5に示すSCRフィルタ51の模式図に基づいて説明する。SCRフィルタ51は、隔壁511と栓体512とを有し、隔壁511は多孔質体により形成されている。そして、排気は、隔壁511の細孔513を通ってSCRフィルタ51の上流側から下流側へ流れる。詳しくは、多孔質体の隔壁511においてはその細孔513によって流路が画定され、排気は当該流路を通って流れることになる。そして、排気がこのようにSCRフィルタ51の上流側から下流側へ流れることで、排気中のPMが主に隔壁511の表面および壁内(細孔513)に捕集される。ここで、図5に示すように、細孔513によって画定される流路においては、排気が流れやすい主流部515と排気が流れにくい閉塞部516とが形成されている。また、隔壁511の細孔513にはNOx触媒51aのコート層514が形成されている。
そして、図5には、コート層514へのアンモニアの吸着の概念を併せて示している。図5に示すように、主流部515および閉塞部516のいずれにも形成されているコート層514にはアンモニアが吸着する活性点517が存在する。ここで、活性点517は、排気に接しやすい部分に存在する活性点517aと排気に接しにくい部分に存在する活性点517bとに略区分される。そして、このように区分される活性点517においては、アンモニアがほとんど吸着していない活性点517に排気とともにアンモニアが達すると、当該アンモニアは活性点517aに吸着され易くなる傾向がある。また、活性点517aに多量のアンモニアが吸着し当該活性点517aへアンモニアが吸着する余地が少なくなっている活性点517に排気とともにアンモニアが達すると、当該アンモニアは濃度拡散によって活性点517bに吸着され易くなる傾向がある。以下、活性点517へのアンモニアの吸着過程について、上記の図4および図5に基づいて説明する。
先ず、上記の図4に示した第一期間には、アンモニア吸着量が比較的少ないため、排気とともに活性点517へ達するアンモニアは、主流部515近傍の活性点517a、51
7b、および閉塞部516近傍の活性点517a、517bのいずれにも吸着し得ることになるものの、上述したように主流部515は排気が流れやすい流路であるため、当該アンモニアは主流部515近傍の活性点517aへ相対的に多く吸着されることになる。このときには、上記の図4に示したようにアンモニア吸着量の増加率が比較的大きくなる。そして、アンモニア吸着量が量M1となる時刻t1には、主流部515近傍の活性点517aに多量のアンモニアが吸着し当該活性点517aへアンモニアが吸着する余地が少なくなっている状態となる。
そして、上記の図4に示した第二期間には、主流部515近傍の活性点517aにアンモニアが吸着し難い状態となっている。ここで、第一期間には、アンモニアは主流部515近傍の活性点517a、517b、および閉塞部516近傍の活性点517a、517bのいずれにも吸着することができ特に主流部515近傍の活性点517aへの吸着が比較的活発に行われるのに対して、第二期間には主流部515近傍の活性点517aにアンモニアが吸着し難い状態となりアンモニアは主流部515近傍の活性点517bや閉塞部516近傍の活性点517a、517bに主に吸着し得ることになるため、第二期間におけるアンモニアのNOx触媒51aへの吸着は第一期間におけるアンモニアのNOx触媒51aへの吸着と比べて緩慢になる。このときには、上記の図4に示したように第二期間におけるアンモニア吸着量の増加率が第一期間におけるアンモニア吸着量の増加率よりも小さくなる。そして、アンモニア吸着量が量M2となる時刻t2には、主流部515および閉塞部516近傍の活性点517aに多量のアンモニアが吸着し当該活性点517aへアンモニアが吸着する余地が少なくなっている状態となる。
そして、上記の図4に示した第三期間には、主流部515および閉塞部516近傍の活性点517aにアンモニアが吸着し難い状態となっている。ここで、第三期間にはアンモニアは主流部515近傍の活性点517bや閉塞部516近傍の活性点517bに主に吸着し得ることになるため、第三期間におけるアンモニアのNOx触媒51aへの吸着は第二期間におけるアンモニアのNOx触媒51aへの吸着と比べて緩慢になる。このときには、上記の図4に示したように第三期間におけるアンモニア吸着量の増加率が第二期間におけるアンモニア吸着量の増加率よりも小さくなる。そして、アンモニア吸着量が量M3となる時刻t3には、SCRフィルタ51におけるNOx触媒51aのコート層514全体の活性点517は吸着したアンモニアでほぼ飽和した状態となり、時刻t3以降はアンモニア吸着量はほとんど増加しない。
以上のようなNOx触媒51aにおけるアンモニア吸着過程から、本発明者は、NOx触媒51aに吸着しているアンモニアについて、NOxの還元に寄与するアンモニアと寄与しないアンモニアとに区分できることを見出した。詳しくは、コート層514における排気に接しやすい部分に存在する活性点517aに吸着しているアンモニアはNOxの還元に寄与するアンモニアであって、コート層514における排気に接しにくい部分に存在する活性点517bに吸着しているアンモニアはNOxの還元に寄与しないアンモニアであることを見出した。なぜなら、活性点517bに吸着しているアンモニアは排気中のNOxと接触し難くなっているため、そのようなアンモニアはNOxの還元に寄与しないと考えることができるからある。
(NOx触媒51aの劣化と第一吸着量との関係)
次に、NOx触媒51aの劣化と上記のNOxの還元に寄与するアンモニアとの関係について説明する。ここで、上述したように、NOx触媒51aが劣化すると活性点の数が減少する。そして、このことは、上記の図5においてコート層514に含まれる活性点517の数が減少することに相当する。そして、活性点517の数が減少すると、排気に接しやすい部分に存在する活性点517aの数も減少することになる。つまり、NOx触媒51aが劣化すると、NOx触媒51aにおいてNOxの還元に寄与するアンモニアが減
少し得ることになる。
ここで、アンモニア吸着量のうち、NOxの還元に寄与するアンモニアの吸着量を「第一吸着量」と称し、NOxの還元に寄与しないアンモニアの吸着量を「第二吸着量」と称すると、NOx触媒51aの劣化度が大きくなるほど第一吸着量が減少することになる。図6は、このことを説明するための図であって、NOx触媒51aにおける劣化度とアンモニア吸着量との関係を示す図である。図6において、実線はアンモニア吸着量を示し、破線は飽和アンモニア吸着量を示し、ハッチング領域は第一吸着量を示している。ここで、第一吸着量はNOx触媒51aにおけるNOxの還元に寄与するアンモニアの吸着量の最大量を示しているものとする。以下の説明においても同様とする。図6に示すように劣化度が大きくなるほど第一吸着量が減少すると、例えば、劣化度D3のときは劣化度D0のときよりもNOx触媒51aにおけるNOx浄化率が低下し得る。従来から、NOx浄化率に基づいてNOx触媒51aの劣化判定を行う技術が知られているが、NOx浄化率は触媒温度に応じて変化してしまうため、劣化判定時のNOx浄化率は必ずしもNOx触媒51aの劣化状態に対応しているとはいえない場合がある。ここで、仮に第一吸着量を算出することができれば、例えば、第一吸着量がM3のときには劣化度がD3であると推定することができる。つまり、第一吸着量に基づいてNOx触媒51aの劣化判定を行うことによって、好適にNOx触媒51aの劣化判定を行うことができる。
(NOx触媒51aの劣化判定)
本発明に係る排気浄化装置の劣化判定システムは、第一吸着量と相関するパラメータである第一パラメータに基づいてNOx触媒51aの劣化判定を行う。ここで、第一パラメータ算出の概要について、図7に基づいて説明する。本実施例では、NOx触媒51aの劣化判定の実行条件が成立すると、尿素水添加弁54により排気通路5内を流れる排気中に尿素水を所定の供給条件で供給し、このときのアンモニアセンサ57の出力の変化を検出する。そして、アンモニアセンサ57の出力の変化から推定されるNOx触媒51aのアンモニア吸着特性に基づいて第一パラメータを算出する。図7は、NOx触媒51aへ供給されるアンモニア濃度およびSCRフィルタ51から流出するアンモニア濃度の推移を示す図である。なお、図7には、上記の図4と同様に、アンモニア吸着量が略0となっているNOx触媒51aに対して、当該NOx触媒51aへ供給されるアンモニア濃度が一定となるようにアンモニアを継続して供給した場合のNOx触媒51aへ供給されるアンモニア濃度、およびこのときにSCRフィルタ51から流出するアンモニア濃度の推移を示している。また、このときには、流入NOx流量が略0となっている。また、図7に示す第一期間、第二期間、第三期間は、上記の図4に示した第一期間、第二期間、第三期間に相当する。
図7に示すように、時刻t0から時刻t3にかけて濃度C1のアンモニアが継続してNOx触媒51aへ供給されているのに対して、第一期間にはSCRフィルタ51から流出するアンモニア濃度は略0となっている。すなわち、第一期間にはNOx触媒51aへ供給されるアンモニアのほぼ全てがNOx触媒51aに吸着することになる。そして、時刻t1を経過するとSCRフィルタ51からアンモニアが流出し始め、時刻t2には濃度C2のアンモニアがSCRフィルタ51から流出し、濃度C1−C2に相当する量のアンモニアがNOx触媒51aに吸着することになる。そして、時刻t3にはNOx触媒51aへ供給されるアンモニアのほぼ全てがSCRフィルタ51から流出する。このことから、図7に示すハッチング領域は、NOx触媒51aへ供給されるアンモニアに対するNOx触媒51aに吸着するアンモニアの割合を示しているということができる。
ここで、上記の図4および図5に示したように、第一期間および第二期間には、アンモニアは排気に接しにくい部分に存在する活性点517bにも吸着され得るものの大部分は排気に接しやすい部分に存在する活性点517aに吸着される。一方、第三期間にNOx
触媒51aに吸着するアンモニアの大部分は排気に接しにくい部分に存在する活性点517bに吸着される。そして、第一期間および第二期間にNOx触媒51aに吸着するアンモニアについて考察すると、このときのアンモニア吸着量のうちの大部分はNOxの還元に寄与するアンモニア量である第一吸着量が占めることになり、第二吸着量は可及的に少なくなっている。そして、第一期間および第二期間にNOx触媒51aへ供給したアンモニア量から第二期間にSCRフィルタ51から流出したアンモニア量を減算することによって算出される、第一期間および第二期間にNOx触媒51aに吸着するアンモニア量は、第一吸着量に可及的に少ない量となっている第二吸着量を加算した量を示している。
そこで、本発明に係る排気浄化装置の劣化判定システムは、尿素水添加弁54からの尿素水の供給について、SCRフィルタ51から流出するアンモニアの濃度を示すアンモニアセンサ57の出力の変化に基づいて、その供給を制御する。詳しくは、SCRフィルタ51から流出するアンモニアの濃度の単位時間当たりの増加量(以下、「濃度増加率」と称する場合もある。)について、濃度増加率が略0となる所定第一状態から濃度増加率が略0よりも大きくなる所定第二状態となった後、濃度増加率が所定増加率よりも小さくなる所定第三状態となると、尿素水の供給を停止する。ここで、所定第一状態、所定第二状態、および所定第三状態は、図7の第一期間、第二期間、および第三期間における濃度増加率についての状態に相当し、所定増加率は図7の傾きdに相当する。そして、当該尿素水の供給の開始から停止までの期間に供給された当該尿素水の供給量に基づいて、第一パラメータを算出する。例えば、当該尿素水の供給量に基づいて算出されるアンモニア吸着量を第一パラメータとして算出する。ただし、第一パラメータを当該尿素水の供給量に基づいて算出されるアンモニア吸着量そのものに限定する意図はなく、第一パラメータは当該アンモニア吸着量に関連するパラメータであればよい。そして、このように算出される第一パラメータは第一吸着量と相関を有することになる。以下、本実施例に係るNOx触媒51aの劣化判定の制御フローについて、図8に基づいて説明する。
図8は、上記制御フローを示すフローチャートである。本実施例では、ECU10によって、本フローが内燃機関1の運転中に実行される。ここで、本フローが実行されるときの前提条件として、アンモニアセンサ57が正常であるものとする。また、S101およびS102の処理を実行しているときには、尿素水添加弁54から尿素水は供給されていないものとする。なお、ECU10が本フローを実行することで、本発明に係る制御手段、算出手段、および劣化判定手段として機能する。
本フローでは、先ず、S101において、本制御フローの実行条件が成立しているか否かが判別される。S101では、NOx触媒51aの劣化判定の実行条件が成立しているか否かが判別される。このような判別は周知の技術に基づいて行うことができる。
更に、S101では、内燃機関1の運転状態が所定状態であるか否かが判別される。上述したように、本発明に係る排気浄化装置の劣化判定システムは、アンモニアセンサ57の出力の変化に基づいて、尿素水添加弁54からの尿素水の供給を制御するため、アンモニアセンサ57の出力に影響を及ぼす排気流量が安定していることが好ましい。したがって、前記所定状態は、排気流量が比較的安定している運転状態として定義される。例えば、前記所定状態とは、機関回転速度や燃料噴射弁3からの燃料噴射量が定常となっている運転状態である。また、例えば、内燃機関1の運転中に燃料噴射弁3からの燃料噴射を停止する燃料カット処理を実行している運転状態である。
更に、S101では、アンモニア吸着量が所定吸着量以下であるか否かが判別される。上記の図7に示したように、濃度増加率は、第一期間に略0となり(このときが所定第一状態に相当する)、第二期間に略0よりも大きくなり(このときが所定第二状態に相当する)、第三期間に所定増加率(傾きd)よりも小さくなる(このときが所定第三状態に相
当する)。そして、本発明の劣化判定システムは、この濃度増加率の変化を取得するものである。よって、前記所定吸着量は、後述するS103の処理によって尿素水添加弁54からの尿素水の供給が所定の供給条件で開始されても、供給当初は濃度増加率が0となるアンモニア吸着量として定義される。ここで、アンモニア吸着量は、周知の技術を用いて推定することができる。
仮に、推定されたアンモニア吸着量がECU10のROMに記憶されている所定吸着量よりも多い場合には、S101とは異なる処理において、周知の技術を用いて触媒温度を所定温度範囲内とすることでNOx触媒51aに吸着しているアンモニアを脱離させ、アンモニア吸着量を所定吸着量以下とすることができる。このようにアンモニアを脱離させることによって、好ましくはアンモニア吸着量が略0にされる。
更に、S101では、流入NOx流量が所定流量以下であるか否かが判別される。この流入NOx流量は、内燃機関1から排出されるNOx流量(以下、「排出NOx流量」と称する場合もある。)と略同一の量となる。そして、排出NOx流量は、内燃機関1の運転状態と相関を有する。したがって、この相関を予め実験またはシミュレーション等により求めておけば、内燃機関1の運転状態から排出NOx流量、すなわち流入NOx流量を推定することができる。また、SCRフィルタ51よりも下流側の排気通路5に設けられるNOxセンサ56とともに、SCRフィルタ51よりも上流側の排気通路5にもNOxセンサが設けられる場合には、当該センサによって検出されるNOx濃度と、排気流量と、に基づいて流入NOx流量が算出される。
ここで、前記所定流量について、上記の図7および図9を用いて説明する。図9は、上記の図7と同様にNOx触媒51aへ供給されるアンモニア濃度およびSCRフィルタ51から流出するアンモニア濃度の推移を示す図である。そして、図9では流入NOx流量が略0となっていないことが上記の図7と相違する。すなわち、図9はNOx触媒51aへNOxが流入しているときの上記推移を示す図である。なお、図9に示す第四期間、第五期間、第六期間は、上記の図7に示した第一期間、第二期間、第三期間と、図9に示す傾きd´、傾きe´は、上記の図7に示した傾きd、傾きeと、対応している。図9に示す推移では、第四期間は第一期間よりも、第五期間は第二期間よりも、第六期間は第三期間よりも長くなっている。また、傾きd´は傾きdよりも、傾きe´は傾きeよりも小さくなっている。これは、NOx触媒51aへ供給されるアンモニア(NOx触媒51aに吸着したアンモニアを含む)がNOx触媒51aに流入するNOxの還元に使用されることで、アンモニア吸着量の増加が阻害されるからである。そして、第四期間および第五期間が長くなると、濃度増加率が傾きd´から傾きe´に変化するまでに要する尿素水の供給量が多くなる。また、図9に示す推移では、傾きd´と傾きe´との傾きの差分が小さくなる。本発明の劣化判定システムは、濃度増加率が所定増加率よりも小さくなると(上記の図7において傾きdから傾きeに変化すると)、尿素水添加弁54からの尿素水の供給を停止するため、図9に示すように傾きd´が比較的小さくなり、傾きd´と傾きe´との傾きの差分も小さくなると、濃度増加率の変化からNOx触媒51aのアンモニア吸着特性を推定することが困難となる。このことは、本制御フローによる第一パラメータ算出の精度(すなわち、NOx触媒51aの劣化判定の精度)が低下する虞があることを意味している。したがって、前記所定流量は、例えば、第一パラメータ算出の精度を低下させることのない流入NOx流量として定義される。そして、好ましくは、燃料カット処理を実行しているときに本制御フローが実行されると、原則として流入NOx流量が0となる。以上より、本フローではS101において、燃料カット処理の実行中であるか否かが判別されるものとする。なお、燃料カット処理の実行中である場合には、流入NOx流量が所定流量以下となるので流入NOx流量について肯定判定され、また、この場合には排気流量が比較的安定しているので内燃機関1の運転状態について肯定判定されることになる。
以上に説明したNOx触媒51aの劣化判定の実行条件、内燃機関1の運転状態、アンモニア吸着量、および流入NOx流量について肯定判定される場合に、S101において、本制御フローの実行条件が成立していると判別される。つまり、肯定判定される。そして、S101において肯定判定された場合には、ECU10はS102の処理へ進み、S101において否定判定された場合には、本フローの実行が終了される。
S101において肯定判定された場合、次に、S102において、吸着状態判定フラグflagが1に設定される。吸着状態判定フラグflagは濃度増加率に基づいて設定され、濃度増加率が0である場合(所定第一状態)に1に設定され、濃度増加率が0よりも大きくなる場合(所定第二状態)に2に設定される。上述したように、本制御フローはアンモニア吸着量が所定吸着量以下である場合(尿素水添加弁54からの尿素水の供給当初は濃度増加率が0となる場合)に実行されるので、S102では、吸着状態判定フラグflagが1に初期化される。
次に、S103において、尿素水添加弁54からの尿素水の供給が所定の供給条件で開始される。ここで、前記所定の供給条件とは、例えば上記の図7に示したように、NOx触媒51aへ供給されるアンモニア濃度が濃度C1で一定となる供給条件である。このときには、S103において尿素水の供給が開始されると、後述するS111において尿素水の供給が停止されるまで、尿素水添加弁54はNOx触媒51aへ供給されるアンモニア濃度が一定となるように尿素水の供給を継続する。また、前記所定の供給条件は、後述するS110の処理において濃度増加率Ramが所定増加率Ramspよりも小さくなったか否かの判断を可能とするものであれば、このようにNOx触媒51aへ供給されるアンモニア濃度が一定となるように尿素水を供給するものでなくてもよい。なお、本制御フローの実行中における尿素水添加弁54からの尿素水の噴射率は予め定められECU10のROMに記憶されている。
S103の処理の後、またはS110の処理の後に、S104において、アンモニア濃度Camが取得される。S104では、アンモニアセンサ57によってSCRフィルタ51から流出する排気のアンモニア濃度Camが検出される。また、NOxセンサ56によって排気のアンモニア濃度を検出することができる場合には、S104では、NOxセンサ56によってアンモニア濃度Camが検出されてもよい。そして、取得されたアンモニア濃度Camはそのときの時刻とともにECU10のROMに記憶される。ここで、S110の処理の後にS104の処理が行われる場合には、今回取得されたアンモニア濃度Cam(以下、「濃度現在値Camn」と称する場合もある。)およびそのときの時刻(以下、「現在時刻tn」と称する場合もある。)は、前回取得されECU10のROMに記憶されているアンモニア濃度Cam(以下、「濃度過去値Camo」と称する場合もある。)およびそのときの時刻(以下、「過去時刻to」と称する場合もある。)とともに、ECU10のROMに記憶される。また、S103の処理の後にS104の処理が行われる場合には、濃度現在値Camnおよび現在時刻tnのみがECU10のROMに記憶される。
次に、S105において、濃度増加率Ramが算出される。S105では、S104で取得しECU10のROMに記憶されるアンモニア濃度Camに基づいて濃度増加率Ramが算出される。詳しくは、濃度増加率Ram=(濃度現在値Camn−濃度過去値Camo)/(現在時刻tn−過去時刻to)として算出される。ここで、濃度過去値Camoおよび過去時刻toがECU10のROMに記憶されていない場合には、上記によらず濃度増加率Ramは0とされる。
次に、S106において、S105で算出した濃度増加率Ramが0よりも大きいか否
かが判別される。そして、S106において肯定判定された場合には、ECU10はS107の処理へ進み、S107において、吸着状態判定フラグflagが2に設定される。つまり、このときには、所定第一状態から所定第二状態となっている。一方、S106において否定判定された場合には、ECU10はS108の処理へ進む。
S106において否定判定された場合、またはS107の処理の後に、S108において、今回NOx触媒51aに吸着するアンモニアの量(以下、「今回吸着量」と称する場合もある。)ADnowが算出される。S108では、ECU10のROMに記憶されている尿素水添加弁54からの尿素水の噴射率に基づいてNOx触媒51aへ供給したアンモニア供給量を算出し、S104で取得したアンモニア濃度Camと排気流量とに基づいてSCRフィルタ51から流出したアンモニア流出量を算出し、アンモニア供給量からアンモニア流出量を減算することによって今回吸着量ADnowを算出する。また、S108では、尿素水添加弁54からの尿素水の供給量と、周知の技術と、に基づいて今回吸着量ADnowを算出することもできる。
次に、S109において、アンモニア吸着量ADが算出される。S109では、アンモニア吸着量の前回値ADoldにS108で算出した今回吸着量ADnowを加算することによって、アンモニア吸着量ADが算出される。ここで、S109の処理は、S110の処理の後に繰り返し実行され得る。そして、S110の処理の後に繰り返しS109の処理が実行されている場合には、アンモニア吸着量の前回値ADoldは、前回のS109で算出したアンモニア吸着量ADの値が用いられる。また、本制御フローにおけるS109の処理が初回である場合には、アンモニア吸着量の前回値ADoldは、S101で推定されたアンモニア吸着量の値が用いられる。すなわち、S109の処理は、S101で推定されたアンモニア吸着量にS108で算出した今回吸着量ADnowを積算していくものである。
次に、S110において、吸着状態判定フラグflagが2であって且つS105で算出した濃度増加率Ramが所定増加率Ramspよりも小さいか否かが判別される。所定増加率Ramspは、上記の図7に示した傾きdに相当する濃度増加率であって、実験またはシミュレーション等により予め定められECU10のROMに記憶されている。そして、S110において肯定判定された場合、この場合は所定第二状態から所定第三状態となる場合(上記の図7において濃度増加率が傾きdから傾きeに変化した場合)に相当し、ECU10はS111の処理へ進む。一方、S110において否定判定された場合、ECU10はS104の処理へ戻る。
S110において肯定判定された場合、次に、S111において、尿素水添加弁54からの尿素水の供給が停止される。
次に、S112において、第一パラメータPara1が算出される。S112では、S103において尿素水の供給を開始してからS111において尿素水の供給を停止するまでの期間に供給された尿素水の供給量に基づいて、第一パラメータPara1が算出される。本実施例では、S109で算出したアンモニア吸着量ADが第一パラメータPara1として算出される。このときのアンモニア吸着量ADは、第一吸着量に可及的に少ない量となっている第二吸着量を加算した量となっているため、例えば、第一パラメータPara1がS109で算出したアンモニア吸着量ADとされると、第一パラメータPara1は主に第一吸着量に基づいて算出されていることになる。ただし、上述したように、第一パラメータPara1をS109で算出したアンモニア吸着量ADそのものに限定する意図はなく、第一パラメータPara1はアンモニア吸着量ADに関連するパラメータであればよい。
次に、S113において、S112で算出した第一パラメータPara1が判定閾値Parathよりも大きいか否かが判別される。ここで、判定閾値Parathは、第一パラメータPara1が判定閾値Parath以下となるときにNOx触媒51aが劣化していると判定すべき閾値として設定される値であって、ECU10のROMに予め記憶されている。そして、S113において肯定判定された場合には、ECU10はS114の処理へ進み、S113において否定判定された場合には、ECU10はS115の処理へ進む。
S113において肯定判定された場合、次に、S114において、NOx触媒51aが正常であると判定される。そして、S114の処理の後、本フローの実行が終了される。また、S113において否定判定された場合、次に、S115において、NOx触媒51aが劣化していると判定される。そして、S115の処理の後、本フローの実行が終了される。なお、本フローによってNOx触媒51aが劣化していると判定される場合には、排気浄化装置の異常を警告するMILを点灯しユーザに早期に対策を促すことができる。なお、周知の技術を用いて第一パラメータPara1に基づいたNOx触媒51aの劣化判定が行われてもよい。
本実施例に係るECU10が、上述した制御フローを実行することによって、第一吸着量と相関するパラメータである第一パラメータPara1に基づいてNOx触媒51aの劣化判定を行うことが可能となり、以て可及的に高い精度でNOx触媒51aの劣化判定を行うことができる。
[変形例]
以下、本発明の変形例について図10および図11に基づいて説明する。上述した実施例において実行されるNOx触媒51aの劣化判定の制御フローを示す上記の図8において、仮に、SCRフィルタ51から流出するアンモニア流出量の瞬間的な変動等に起因して濃度増加率Ramが所定増加率Ramspよりも小さくなりS110において肯定判定されてしまった場合には、NOxの還元に寄与するアンモニアを吸着する余地が比較的多く残されているにもかかわらず(上記の図3に示した活性点517aへアンモニアが吸着する余地が比較的多く残されているにもかかわらず)、尿素水添加弁54からの尿素水の供給が停止されてしまう虞がある。このときには、第一吸着量と相関するパラメータである第一パラメータPara1を好適に算出することができない。そこで、本変形例では、以下に説明するNOx触媒51aの劣化判定の制御フローが実行される。なお、本変形例において、上述した実施例と実質的に同一の構成、実質的に同一の制御処理については、その詳細な説明を省略する。
図10は、本変形例におけるNOx触媒51aの劣化判定の制御フローを示すフローチャートである。本変形では、上記の図8に示した実施例と同様に、ECU10によって、本フローが内燃機関1の運転中に実行される。
図10に示すフローでは、S110の処理の後に、S301において、カウント数Nに1が加算される。ここで、カウント数NはS110で肯定判定された回数をカウントするものであって、本フローの実行前に0に初期化されている。
次に、S302において、カウント数Nが所定カウント数Nthと等しいか否かが判別される。そして、S302において肯定判定された場合、ECU10はS111の処理へ進み、S302において否定判定された場合、ECU10はS104の処理へ戻る。このような処理を行うことによって、仮に、SCRフィルタ51から流出するアンモニア流出量の瞬間的な変動等に起因して濃度増加率Ramが所定増加率Ramspよりも小さくなりS110において肯定判定されてしまった場合であっても、カウント数Nが所定カウン
ト数Nthに達しないうちは尿素水添加弁54からの尿素水の供給は停止されない。そして、前記所定カウント数Nthは、仮に上記のような事態が生じても、アンモニア吸着量ADがNOx触媒51aにおけるNOxの還元に寄与するアンモニアの吸着量の最大量を示す第一吸着量よりも少ない量に算出されることを抑制できるカウント数として定義される。例えば、前記所定カウント数Nthは、後述する図11に示す期間Δtに相当するカウント数である。
ここで、図10に示すフローを実行しているときの、NOx触媒51aへ供給されるアンモニア濃度およびSCRフィルタ51から流出するアンモニア濃度、SCRフィルタ51から流出するアンモニアの濃度増加率、およびアンモニア吸着量の時間推移を図11に示す。
図11に示すように、時刻t0において本制御フローの実行条件が成立すると、尿素水添加弁54からの尿素水の供給が開始されNOx触媒51aへ供給されるアンモニア濃度が濃度C1となる。そして、時刻t1を経過するとSCRフィルタ51からアンモニアが流出し始め、時刻t1から時刻t2までの濃度増加率は増加率dとなる。また、時刻t2において濃度増加率が増加率dから増加率eとなる。上述した実施例では、濃度増加率が増加率dから増加率eとなると尿素水添加弁54からの尿素水の供給を停止する。これに対して、本変形例では、時刻t2から期間Δt経過した時刻t23において尿素水添加弁54からの尿素水の供給を停止する。
このような制御フローでは、S111の処理の後のS112において、例えば、図11に示すアンモニア吸着量M23が第一パラメータPara1として算出される。ここで、図11に示すアンモニア吸着量M23は、アンモニア吸着量M2(第一吸着量に可及的に少ない量となっている第二吸着量を加算した量)よりも多い。すなわち、例えば、図11に示すアンモニア吸着量M23が第一パラメータPara1として算出されると、仮に上述した事態が生じても第一パラメータPara1が第一吸着量の値よりも大きな値に算出され易くなる。
本変形例に係るECU10が、上述した制御フローを実行することによっても、可及的に高い精度でNOx触媒51aの劣化判定を行うことができる。
1・・・・内燃機関
3・・・・燃料噴射弁
4・・・・吸気通路
5・・・・排気通路
10・・・ECU
40・・・エアフローメータ
51・・・SCRフィルタ
51a・・NOx触媒
54・・・尿素水添加弁
55・・・温度センサ
56・・・NOxセンサ
57・・・アンモニアセンサ

Claims (1)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられ、該排気通路内にアンモニアの前駆体またはアンモニアを還元剤として供給する還元剤供給装置と、
    前記還元剤供給装置よりも下流側の排気通路に設けられ、前記還元剤によって排気中のNOxを還元する選択還元型NOx触媒と、
    前記選択還元型NOx触媒よりも下流側の排気中のアンモニア濃度を検出する検出手段と、
    を備える排気浄化装置の劣化判定システムにおいて、
    前記選択還元型NOx触媒に流入するNOx流量が所定流量以下で且つ前記選択還元型NOx触媒に吸着しているアンモニア量が所定吸着量以下である場合に、前記還元剤供給装置からの前記還元剤の供給を所定の供給条件で開始させ、前記検出手段によって検出される排気中のアンモニア濃度の単位時間当たりの増加量である濃度増加率について、該濃度増加率が略ゼロとなる所定第一状態から該濃度増加率が略ゼロよりも大きくなる所定第二状態となった後、該濃度増加率が所定増加率よりも小さくなる所定第三状態となると、該還元剤の供給を停止させる制御手段と、
    前記制御手段が前記還元剤の供給を開始させてから停止させるまでの期間に前記還元剤供給装置によって供給された該還元剤の供給量に基づいて、該期間に前記選択還元型NOx触媒に吸着するアンモニア量に関連するパラメータである第一パラメータを算出する算出手段と、
    前記算出手段によって算出された前記第一パラメータに基づいて前記選択還元型NOx触媒の劣化判定を行う劣化判定手段と、
    を備える、排気浄化装置の劣化判定システム。
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