JP2018048572A - 内燃機関 - Google Patents

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弘一 浅田
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弘一 浅田
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Abstract

【課題】内燃機関の放射音を低減できる樹脂製のシリンダヘッドカバーを備える内燃機関を提供する。【解決手段】シリンダヘッド3の上方を覆うシリンダヘッドカバー5を備える内燃機関1であって、シリンダヘッドカバー5は、樹脂製であり、その内部に内燃機関1を冷却する冷却液の流路を備える。流路を流れる冷却液によってシリンダヘッドカバー5の重量が増大し、シリンダヘッドカバー5の透過損失が高くなることで、内燃機関1の放射音を低減することができる。加えて、冷却液によって放射音を減衰することができ、放射音を低減することができる。また、冷却液によって樹脂製のシリンダヘッドカバー5が冷却されるので、シリンダヘッドカバー5の熱変形を抑制でき、熱変形によるシリンダヘッドカバー5からのオイルの漏れを抑制できる。【選択図】図1

Description

本発明は、シリンダヘッドの上方を覆うシリンダヘッドカバーを備える内燃機関に関する。
例えば特許文献1に記載のように、内燃機関はシリンダブロックとその上部に設けられるシリンダヘッドを備える。シリンダブロックとシリンダヘッドには、それらを冷却する冷却液の流路が形成されている。さらに、内燃機関にはシリンダヘッドの上方を覆うシリンダヘッドカバーが取り付けられている。シリンダヘッドカバーは、シリンダヘッドに設けられる動弁系の保護や、内燃機関外への動弁系のオイルの漏れを抑制する機能を有している。
シリンダヘッドカバーのさらに上方に、内燃機関の上面を覆う意匠カバーを設ける場合もある。意匠カバーは、ボンネットを開放したときの内燃機関の見栄えの向上、内燃機関の上方への放射音の低減といった機能を有している。
特開平11−303679号公報
近年では、車両の軽量化などを目的として、シリンダヘッドカバーを樹脂製とすることが提案されている。しかし、樹脂製のシリンダヘッドカバーは、金属製のシリンダヘッドカバーに比べて、透過損失(遮音性能の一評価基準)に劣る。そのため、樹脂製のシリンダヘッドカバーに加えて意匠カバーを設置することが望ましいが、車両の製造コストの問題や設置スペースの制約があり、全ての車種に意匠カバーを設置できるわけではない。
また、樹脂製のシリンダヘッドカバーには、シリンダヘッドの熱などによって変形する恐れがあるという問題もある。シリンダヘッドカバーが変形すると、シリンダヘッドカバーからオイルが漏れる恐れがある。
さらに、シリンダヘッドカバーの内部にはブローバイガスを回収するブローバイガス通路が形成されている。冬場などはシリンダヘッドカバーのブローバイガス通路に結露が発生し易いという問題もある。結露が発生すると、結露水がオイルと混ざってオイルが白濁して劣化したり、白濁したオイルによりブローバイガス通路を閉塞したりする恐れがある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、内燃機関の放射音を低減できる樹脂製のシリンダヘッドカバーを備える内燃機関を提供することにある。また、本発明の別の目的は、シリンダヘッドの熱などによって変形し難い樹脂製のシリンダヘッドカバーを備える内燃機関を提供することにある。さらに、本発明の他の目的は、シリンダヘッドカバー内の結露を防止できるシリンダヘッドカバーを備える内燃機関を提供することにある。
本発明の一態様に係る内燃機関は、シリンダヘッドの上方を覆うシリンダヘッドカバーを備える内燃機関であって、前記シリンダヘッドカバーは、樹脂製であり、その内部に前記内燃機関を冷却する冷却液の流路を備える。
上記構成によれば、シリンダヘッドカバーの内部に形成される流路を流れる冷却液によってシリンダヘッドカバーの重量が増大し、シリンダヘッドカバーの透過損失が高くなることで、内燃機関の放射音を低減することができる。加えて、冷却液によって放射音を減衰することができ、内燃機関に意匠カバーを設けた場合と同等程度に放射音を低減することができる。
また、上記構成によれば、冷却液によって樹脂製のシリンダヘッドカバーが冷却されるので、シリンダヘッドカバーの熱変形を抑制でき、熱変形によるシリンダヘッドカバーからのオイルの漏れを抑制できる。
さらに、上記構成によれば、樹脂製のシリンダヘッドカバーの内部に冷却液が存在することによって、一年を通じてシリンダヘッドカバーの内部の温度を所定の温度範囲に維持することができる。その結果、シリンダヘッドカバー内のブローバイガス通路における結露を抑制でき、オイルに結露水が混じり、オイルが白濁することを抑制できる。オイルへの結露水の混合を抑制することで、オイルの劣化を抑制したり、白濁したオイルによるブローバイガス通路の閉塞を防止できる。
実施形態に示す内燃機関の概略斜視図である。 実施形態に示す内燃機関に備わるシリンダヘッドカバーの分解斜視図である。 図1のIII−III断面図である。 図1のIV−IV断面図である。
以下、図面を参照して、実施形態に係る内燃機関を具体的に説明する。なお、本発明は、これらの例示に限定されず、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<実施形態1>
図1は、ラジエター9が接続された内燃機関1の概略斜視図である。この図1を含む以降の図面では、車両前方側をFRで、車両後方側をRRで、車両右方側をRHで、車両左方側をLHで、車両上方側をUPで、車両下方側をLWRで示す。なお、本例における内燃機関1の設置の向きは一例に過ぎず、例えば図1の内燃機関1を90°あるいは180°水平回転させた向きに内燃機関1が設置されていても構わない。
図1に示す内燃機関1は、シリンダブロック2と、シリンダヘッド3と、オイルパン4と、シリンダヘッドカバー5とを備える。シリンダヘッド3には、主供給配管90と主回収配管91を介してラジエター9が繋がっており、ラジエター9で冷却された冷却液がシリンダヘッド3とシリンダブロック2に供給され、これらが冷却される。シリンダブロック2やシリンダヘッド3の熱で高温となった冷却液の一部は、図示しないヒータユニットに供給される。冷却液は図示しないポンプで循環される。図1では冷却液の流れを塗潰し矢印で示す。この内燃機関1の特徴の一つとして、シリンダヘッドカバー5が樹脂製であり、シリンダヘッドカバー5にも冷却液の流路を形成したことが挙げられる。
≪シリンダヘッドカバー≫
シリンダヘッドカバー5は、上面から見たときの形状が概略U字型に形成されており、シリンダヘッド3の上面に列設される点火プラグユニット30を避けるようにシリンダヘッド3の上方を覆っている。つまり、シリンダヘッドカバー5から点火プラグユニット30は露出した状態にある。シリンダヘッドカバー5の高さは、内燃機関1に意匠カバーを設けた場合と同等かそれ以下となるように設定することが好ましい。
本例のシリンダヘッドカバー5は、図2に示すように、シリンダヘッド3(図1)に接触するロアカバー6と、ロアカバー6に融着されるアッパーカバー7とで構成されている。ロアカバー6とアッパーカバー7との融着部分をクロスハッチング、または45°のハッチングで示す。クロスハッチングは、図2上で見える位置にある融着部分の位置を示しており、45°のハッチングは、アッパーカバー7の内側にある融着部分のうち、図2上で見えない位置にある融着部分を示している。
[ロアカバー]
ロアカバー6には、シリンダヘッド3の動弁系の上方を覆う複雑形状の本体部60と、本体部60の外縁部に設けられるフランジ部61とを備える。
本体部60は、フランジ部61の上面から車両上方側UPに突出するベース部60Aと、ベース部60Aの上面における車両前後方向の中央部から車両上方側UPに突出する中央突出部60Bと、中央突出部60Bの車両前方側FR、車両後方側RR、および車両右方側RHを取り囲むU字壁部60Cとを備える。本体部60の内周面形状は、外周面形状にほぼ沿った形状となっている。つまり、本体部60の内部は中空となっている。
中央突出部60Bは、車両上方側UPと車両左方側LHとが開口した箱状に形成されており、車両上方側UPから見たときの形状と、車両左方側LHからみたときの形状が共に概略U字状になっている。中央突出部60Bにおける箱の底の部分には、図1の点火プラグユニット30を貫通させる貫通孔部60hが設けられており、中央突出部60Bにおける箱の内周面に相当する部分は、図1に示すように、概略U字状のシリンダヘッドカバー5の内周面を構成する。
U字壁部60Cは、車両上方側UPから見たときの形状が概略U字状に形成されており、中央突出部60Bの外周に一体に形成されている。U字壁部60Cの車両左方側LHの部分は、先端に向うに従って車両下方側LWRに下がるスロープ状に形成されている。後述するように、このU字壁部60Cの車両前方側FRの部分と車両後方側RRの部分が、図1のシリンダヘッド3の内部に配置される動弁系の外周を覆う。このU字壁部60Cの車両右方側RHの部分には、オイルキャップ52を備えるエンジンオイルの導入部が設けられている。
一方、本体部60の外縁部に設けられるフランジ部61は、車両前方側FRと車両後方側RRにそれぞれ三つずつ設けられた固定部61sを備える。固定部61sは、車両の前後方向に円弧状に張り出すことで形成されており、ボルトなどの固定部材を貫通させる貫通孔を備える。固定部61sは、ガスケット(図示略)を介してシリンダヘッドカバー5をシリンダヘッド3に固定する際に利用される。
[アッパーカバー]
アッパーカバー7は、ロアカバー6の本体部60を内部に収納する箱状の本体部70と、本体部70の外縁部に設けられるフランジ部71とを備える。
箱状の本体部70には、車両上方側UPの上面から車両左方側LHの側面に至る切欠き部70hが設けられている。アッパーカバー7とロアカバー6とを接合したとき、切欠き部70hには、ロアカバー6の中央突出部60Bの内周面に相当する部分が露出する(図1を合わせて参照)。また、本体部70には、ラジエターキャップ51、および冷却液の入口管70Aと出口管70Bとが設けられている。入口管70Aと出口管70Bにはそれぞれ、図1の副供給配管95と副回収配管96が取り付けられる。入口管70Aは、内燃機関1(図1)の排気側の動弁系が配置される側に設けることが好ましい。排気側の動弁系の方が、吸気側の動弁系よりも高温となり易いからである。また、出口管70Bには、冷却液の流路内の圧力が高くなったときに流路内から外部に余剰の気体を排出するブリーザーバルブを設けることが好ましい。
一方、本体部70の外縁部に設けられるフランジ部71は、車両前方側FRと車両後方側RRにそれぞれ三つずつ設けられた固定部71sを備える。固定部71sは、ロアカバー6の固定部61sに対応する位置に設けられており、固定部61sと同様にシリンダヘッドカバー5をシリンダヘッド3に固定する際に利用される。
[シリンダヘッドカバーの材質]
シリンダヘッドカバー5を構成する樹脂は特に限定されない。但し、シリンダヘッドカバー5のうち、アッパーカバー7は、シリンダヘッドカバー5内の冷却液の量が確認できるように透明、または半透明の樹脂で構成することが好ましい。
[シリンダヘッドカバー内の冷却液の流路]
図2に示すロアカバー6とアッパーカバー7のクロスハッチング部分を熱融着させてシリンダヘッドカバー5を作製する。ロアカバー6の内部にバッフルプレート65(後述する図3参照)を設置し、そのシリンダヘッドカバー5をシリンダヘッド3にボルトなどで取り付ける。そして、アッパーカバー7の入口管70Aと出口管70Bにそれぞれ、副供給配管95と副回収配管96を接続する。本例の副供給配管95のラジエター9側の端部は、ラジエター9のアッパータンクに接続されており、副回収配管96のラジエター9側の端部は主供給配管90の途中に接続されているが、このような接続関係に限定されるわけではない。例えば、副供給配管95の端部はラジエター9のロアタンクや主供給配管90に接続されていても良い。また、副回収配管96の端部は、ラジエター9のアッパータンクやロアタンクに接続されていても良い。
シリンダヘッド3に取り付け、配管95,96を接続したシリンダヘッドカバー5の内部には、冷却液の流路が形成される。その流路の構成を図3,4に示すシリンダヘッドカバー5の部分断面図を参照して説明する。
図3,4に示すように、シリンダヘッドカバー5は、ロアカバー6とアッパーカバー7の二重構造になっており、ロアカバー6の外周面とアッパーカバー7の内周面との間に冷却液の流路50が形成される。図4に示すように、入口管70Aから流路50に導入された冷却液は、図1に示すように、排気側の動弁系(ラジエターキャップ51がある側)を冷却し、車両右方側RHでUターンして出口管70Bからシリンダヘッドカバー5外に排出される。
一方、図3に示すように、ロアカバー6の内部には、上記冷却液の流路50とは独立したブローバイガス通路35が形成される。ブローバイガス通路35は、部材間の隙間から漏れ出した未燃焼の燃料を含むブローバイガスを回収する通路である。ブローバイガスは、例えば内燃機関1の吸気管に還流させて燃焼させる。上述したように本例のシリンダヘッドカバー5を取り付けた内燃機関1にはブローバイガス通路35が形成されるため、ブローバイガスの処理を適切に行なうことができる。ここで、ロアカバー6の内部に設置されるバッフルプレート65によって、動弁系のオイルがブローバイガス通路35に持ち去られることを抑制できる。
≪効果≫
上記内燃機関1によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)内燃機関1の上方への放射音を低減できる。
シリンダヘッドカバー5の内部に冷却液の流路50が形成されているため、冷却液の分だけシリンダヘッドカバー5の重量が増大し、シリンダヘッドカバー5の透過損失が高くなる。加えて、冷却液が放射音を減衰させるため、本例のシリンダヘッドカバー5によれば、放射音を低減することができる。また、シリンダヘッドカバー5で放射音を十分に低減できるため、意匠カバーを省略することができ、車両の製造コストを低減できる。なお、本例の構成は意匠カバーの設置を否定するものではなく、シリンダヘッドカバー5の上部にさらに意匠カバーを設けても構わない。
(2)シリンダヘッドカバー5の熱変形によるオイルの漏れを抑制できる。
シリンダヘッドカバー5の内部に流れる冷却液によってシリンダヘッドカバー5が冷却されるため、シリンダヘッドカバー5が熱変形し難い。そのため、シリンダヘッドカバー5の気密性が維持され易く、シリンダヘッドカバー5からオイルが漏れることを抑制することができる。
(3)ブローバイガス通路の結露を抑制できる。
樹脂製のシリンダヘッドカバー5の内部に冷却液が存在することによって、一年を通じてシリンダヘッドカバー5の内部の温度を所定の温度範囲に維持することができる。その結果、シリンダヘッドカバー5内のブローバイガス通路35における結露を抑制でき、オイルに結露水が混じり、オイルが白濁することを抑制できる。オイルへの結露水の混合を抑制することで、オイルの劣化を抑制したり、白濁したオイルによるブローバイガス通路35の閉塞を防止したりできる。
(4)冷却水を循環させるポンプのエア噛みを防止できる。
シリンダヘッドカバー5の位置に設けられる流路50は、冷却液の流路の中でも最も高い位置にある。そのため、例えば出口管70Bの位置にブリーザーバルブを設けることで、冷却液の循環系路からエア抜きを行ない易くなり、冷却水の流路にエアが混入するエア噛みを抑制できる。また、ブリーザーバルブを設けることで、冷却液の補充作業時に冷却液の流路からエアを抜き易く、補充作業の工数や時間を低減することができる。
(5)冷却液のリザーバタンクを省略できる。
本例の構成は、シリンダヘッドカバー5にリザーバタンクが設置されている構成に等しいと言える。リザーバタンクの設置を省略できる分だけ、エンジンルームのスペースに余裕ができる。余裕のできたスペースに何らかの機器を設置しても良いし、余裕ができた分だけ車両をコンパクトにしても良い。
(6)冷却液の視認性が良い。
シリンダヘッドカバー5が樹脂製であるため、冷却液の残量を視認し易い。特に、シリンダヘッドカバー5のアッパーカバー7を透明度の高い樹脂で構成することで、冷却液の残量を容易に視認することができる。
本発明の内燃機関は、水冷式の内燃機関に好適に利用できる。
1 内燃機関
2 シリンダブロック
3 シリンダヘッド
30 点火プラグユニット 35 ブローバイガス通路
4 オイルパン
5 シリンダヘッドカバー
50 流路 51 ラジエターキャップ 52 オイルキャップ
6 ロアカバー
60 本体部 60A ベース部 60B 中央突出部 60C U字壁部
60h 貫通孔部
61 フランジ部 61s 固定部 65 バッフルプレート
7 アッパーカバー
70 本体部 70A 入口管 70B 出口管 70h 切欠き部
71 フランジ部 71s 固定部
9 ラジエター
90 主供給配管 91 主回収配管 95 副供給配管 96 副回収配管

Claims (1)

  1. シリンダヘッドの上方を覆うシリンダヘッドカバーを備える内燃機関であって、
    前記シリンダヘッドカバーは、樹脂製であり、その内部に前記内燃機関を冷却する冷却液の流路を備える内燃機関。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020084941A (ja) * 2018-11-29 2020-06-04 ダイハツ工業株式会社 自動車用内燃機関

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