JP2018048082A - ケラチン繊維用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】組成物が水を含む場合でも、ケラチン繊維に向上又は改善された化粧効果、例えばまつ毛に対するカール維持及び濃さ増加効果、並びに抗皮脂効果を与えることができる、ケラチン繊維用組成物を提供すること。【解決手段】本発明は、(a)少なくとも1種のアクリルラテックスと、(b)水とを含む、ケラチン繊維用組成物であって、組成物中の(a)アクリルラテックスの量は、組成物の全質量に対して、8質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは12質量%以上であり、0〜20/sの範囲のせん断速度での組成物の最大応力値は100/sのせん断速度での組成物の応力値より高い、組成物に関する。本発明による組成物は、ケラチン繊維に向上又は改善された化粧効果、例えばまつ毛に対するカール維持及び濃さ増加効果並びに抗皮脂効果を与えることができる。【選択図】なし

Description

本発明は、ケラチン繊維用組成物、好ましくは化粧用組成物、より好ましくはメイクアップ化粧用組成物、特にマスカラに関する。また本発明は、前記組成物に関する方法及び使用に関する。
マスカラは、一般的に、2種類のワックス系製剤、つまり、クリームマスカラとして知られる、水中ワックス型のエマルジョンの形態である水性マスカラと、ウォータープルーフマスカラとして知られる、揮発性有機溶媒中ワックス型の分散体の形態である無水マスカラ又は低水分含量のマスカラとして調製される。
水性マスカラについては、FR-A-2528699及びEP-A-655234に特に詳細に記載されているように、ワックスと共に、水性媒体に溶解又は分散されていてもよい膜形成ポリマーを使用することも既知の手法である。
しかしながら、上記のマスカラから得られるメイクアップ膜は、十分な化粧効果、例えば、ケラチン繊維に対するカール維持及び濃さ増加効果を示さない場合があるが、その理由は、ワックスにより、メイクアップ膜が脆くなりやすいことによる。更に上記メイクアップ膜は、摩擦、特に指による摩擦に対して、及び/又は皮脂に対して、例えば、皮脂を含む汗に接触すると、十分に耐性でない場合がある。従って、マスカラによるメイクアップ膜は、経時的に擦り減る傾向があり、粒が沈着し、シミが目の周りに残る。上記傾向は、マスカラ中のワックスの量が増加するにつれて大きくなる。メイクアップは耐性が不十分であるため、あまり長くは持続せず、1日を超えて保持することができない。従って、使用者は、まつ毛に対する満足なメイクアップ結果を維持するために、毎日マスカラを塗布しなければならない。
従って、ケラチン繊維に対する向上された化粧効果、例えば、まつ毛に対するカール維持及び濃さ増加効果、並びに抗皮脂効果を有する、改善された化粧用組成物が必要とされている。
FR-A-2528699 EP-A-655234 米国特許出願公開第2003/0215476号 米国特許出願公開第2004/0136937号 FR-A-2792190 FR-A-2232303 仏国特許第2796529号 仏国特許第2761959号 仏国特許第2792618号
刊行物Van de Hulst、H. C.、「Light Scattering by Small Particles」、第9及び10章、Wiley、New York、1957 「Microemulsions Theory and Practice」、L. M. Prince Ed.、Academic Press (1977) 21〜32頁
本発明の目的は、組成物が水を含む場合でも、ケラチン繊維に向上又は改善された化粧効果、例えばまつ毛に対するカール維持及び濃さ増加効果、並びに抗皮脂効果を与えることができる、ケラチン繊維用組成物を提供することである。
上記目的は、
(a)少なくとも1種のアクリルラテックスと、
(b)水と
を含む、ケラチン繊維用組成物であって、
組成物中の(a)アクリルラテックスの量は、組成物の全質量に対して、ポリマー活性物質として8質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは12質量%以上であり、0〜20/sの範囲のせん断速度での組成物の最大応力値は、100/sのせん断速度での組成物の応力値より高い、ケラチン繊維用組成物によって達成することができる。
(a)アクリルラテックスは、ポリウレタン/ポリ(メタ)アクリレートグラフトコポリマーラテックスを含むことが好適であり得る。
本発明による組成物中の(a)アクリルラテックスの量は、組成物の全質量に対して、ポリマー活性物質として、50質量%以下、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下であり得る。
本発明による組成物中の(b)水の量は、組成物の全質量に対して、10〜80質量%、好ましくは20〜70質量%、より好ましくは30〜60質量%であり得る。
本発明による組成物は、(c)少なくとも1種のワックスを更に含み得る。
本発明による組成物中の(c)ワックスの量は、組成物の全質量に対して、3質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり得る。
本発明による組成物は、(d)少なくとも1種の陰イオン性界面活性剤、好ましくはC16〜C24脂肪酸と組み合わせた2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオールを更に含み得る。
本発明による組成物は、(e)少なくとも1種の追加の膜形成ポリマーを更に含み得る。
本発明による組成物は、化粧用組成物、好ましくはメイクアップ化粧用組成物、より好ましくはマスカラであり得る。
本発明は更に、ケラチン繊維をコーティングするための方法であって、
ケラチン繊維上に本発明による組成物を塗布して、ケラチン繊維上に少なくとも1つのコーティングを形成する工程
を含み、コーティングは、水及び/又は石鹸を使用してケラチン繊維から除去可能である、方法に関する。
上記方法は、好ましくは、ケラチン繊維のカールを維持するため、より好ましくは、ケラチン繊維の濃さを増加させるための化粧方法であり得る。
本発明は更に、本発明による組成物を調製するための方法であって、
(a)少なくとも1種のアクリルラテックスと、(b)水、及び組成物の任意選択的成分とを、45℃以上、好ましくは50℃以上、より好ましくは55℃以上の温度で混合する工程
を含む、方法に関する。
本発明の別の態様は、ケラチン繊維用化粧用組成物、好ましくはメイクアップ化粧用組成物、より好ましくはマスカラの、ケラチン繊維に対するカール維持効果、ケラチン繊維に対する抗皮脂及び/又は濃さ増加効果を改善するための方法であって、
(a)少なくとも1種のアクリルラテックスを、化粧用組成物中に、45℃以上、好ましくは50℃以上、より好ましくは55℃以上の温度で添加する工程
を含み、
化粧用組成物は、(b)水を含み、
(a)アクリルラテックスの添加量は、添加後の組成物の全質量に対して、8質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは12質量%以上であり、
(a)アクリルラテックスの添加後の0〜20/sの範囲のせん断速度での化粧用組成物の最大応力値は、100/sのせん断速度での応力値より高い、方法に関する。
本発明の別の態様は、ケラチン繊維用化粧用組成物、好ましくはメイクアップ化粧用組成物、より好ましくはマスカラにおける、(a)少なくとも1種のアクリルラテックスの使用であって、
化粧用組成物は、(b)水を含み、
化粧用組成物中の(a)アクリルラテックスの量は、組成物の全質量に対して、8質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは12質量%以上であり、
0〜20/sの範囲のせん断速度での化粧用組成物の最大応力値は、100/sのせん断速度での化粧用組成物の応力値より高い、
化粧用組成物の、ケラチン繊維に対するカール維持効果、並びに抗皮脂及び/又は濃さ増加効果を改善するための、使用に関する。
本発明の別の態様は、ケラチン繊維用化粧用組成物、好ましくはメイクアップ化粧用組成物、より好ましくはマスカラの、ケラチン繊維に対するカール維持効果、ケラチン繊維に対する抗皮脂及び/又は濃さ増加効果の改善に使用するためのアクリルラテックスであって、
化粧用組成物は、水を含み、
化粧用組成物中のアクリルラテックスの量は、組成物の全質量に対して、8質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは12質量%以上であり、
0〜20/sの範囲のせん断速度での化粧用組成物の最大応力値は、100/sのせん断速度での化粧用組成物の応力値より高い、アクリルラテックスに関する。
鋭意検討の結果、本発明者は、特別の条件で特別の膜形成ポリマーを使用することにより、組成物が水を含む場合でも、ケラチン繊維に向上又は改善された化粧効果、例えばまつ毛に対するカール維持及び濃さ増加効果並びに抗皮脂効果を与えることができるケラチン繊維用組成物を提供し得ることを発見した。
従って、本発明による組成物は、
(a)少なくとも1種のアクリルラテックスと、
(b)水と
を含む、ケラチン繊維用組成物であって、
組成物中の(a)アクリルラテックスの量は、組成物の全質量に対して、8質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは12質量%以上であり、
0〜20/sの範囲のせん断速度での組成物の最大応力値は、100/sのせん断速度での組成物の応力値より高い、ケラチン繊維用組成物である。
本発明による組成物は、ケラチン繊維に向上又は改善された化粧効果又は特性、例えばまつ毛に対するカール維持及び濃さ増加効果並びに抗皮脂効果を与えることができる。
本発明による組成物は、O/Wエマルジョンの形態であることが好ましい。用語「O/Wエマルジョン」又は「水中油型エマルジョン」は、連続した水又は水性相と、前記水又は水性相に液滴の形態で分散されている油相(例えば、オイル及び/又はワックスが含まれる)とを含む、巨視的に均一な任意の組成物を意味する。
以下、本発明による組成物並びに方法及び使用を、更に詳細に説明する。
[アクリルラテックス]
本発明による組成物は、(a)少なくとも1種のアクリルラテックスを含む。2種以上のアクリルラテックスが使用される場合、同じ又は異なる種類であり得る。
アクリルラテックスは、アクリル(コ)ポリマーの分散体である。
アクリル(コ)ポリマーは、膜形成ポリマーとして、より好ましくは疎水性膜形成ポリマーとして機能し得る。
本明細書において、用語「膜形成ポリマー」は、それ自体で又は補助的な膜形成剤の存在下で、支持体、特にケラチン物質、例えばまつ毛に付着する連続膜を形成し得るポリマーを意味する。
ラテックスの水性媒体、例えば水に分散されているアクリル(コ)ポリマーの粒子は、一般的に10nm〜200nm、好ましくは20nm〜150nm、更には50nm〜100nmの範囲であり得るサイズを有し得る。
本発明により使用され得るアクリル(コ)ポリマーは、α,β-エチレン性カルボン酸、そのエステル、そのアミドから選択されるエチレン性不飽和を含有する少なくとも1種のモノマーとビニルモノマー、並びに必要であれば任意の他のコモノマーとの重合により生じ得る。
使用し得るα,β-エチレン性不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、シトラコン酸、フマル酸、及びイタコン酸が挙げられる。(メタ)アクリル酸及びクロトン酸が好ましくは使用され、より好ましくは(メタ)アクリル酸が使用される。用語「(メタ)アクリル」及びその変形は、本明細書で使用するとき、アクリル又はメタクリルを意味する。
これらのカルボン酸のエステルは、(メタ)アクリル酸エステル[(メタ)アクリレートとしても知られる]、特に、アルキル、特にC1〜C30、好ましくはC1〜C20アルキルの(メタ)アクリレート、アリール、特にC6〜C10アリールの(メタ)アクリレート、及びヒドロキシアルキル、特にC2〜C6ヒドロキシアルキルの(メタ)アクリレートから選択され得る。
アルキル(メタ)アクリレートは、非限定的な例によれば、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、イソヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、イソヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート及びラウリルメタクリレート等であり得る。アルキル(メタ)アクリレートの中で言及し得るものは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート及びシクロヘキシルメタクリレートである。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、非限定的な例によれば、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6,ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートであり得る。ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの中で言及し得るものは、ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート及び2-ヒドロキシプロピルメタクリレートである。
アリール(メタ)アクリレートの中で言及し得るものは、ベンジルアクリレート及びフェニルアクリレートである。
エチレン性不飽和を含有するモノマーの追加的及び非限定的な例としては、C1〜C8アルコキシ(メタ)アクリレート、例えば、メトキシ(メタ)アクリレート、エトキシ(メタ)アクリレート、プロピルオキシド(メタ)アクリレート、イソプロピルオキシド(メタ)アクリレート、ブチルオキシド(メタ)アクリレート、tert-ブチルオキシド(メタ)アクリレート、ペンチルオキシド(メタ)アクリレート、イソペンチルオキシド(メタ)アクリレート、ネオペンチルオキシド(メタ)アクリレートが挙げられる。
エチレン性不飽和を含有するモノマーの追加的及び非限定的な例としては、アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノジメチルプロピル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(diethyleaminoethyl)(メタ)アクリレート、及びN,N,N-トリメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、並びにエチレン性アミンの塩が挙げられる。
モノマーのアルキル基は、フッ素置換又は全フッ素置換されていてもよい、例えば、アルキル基の一部又は全部の水素原子がフッ素原子に置換されていてもよい。モノマーは、フッ素含有モノマー、例えば、非限定的な例によれば、トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3-テトラフルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,3,4,4-ヘキサフルオロブチルメタクリレート、パーフルオロオクチルメタクリレート及びパーフルオロオクチルアクリレート、並びにシリコーンマクロモノマーであり得る。
エチレン性不飽和を含有するモノマーの追加的及び非限定的な例としては、N-アルキル(メタ)アクリルアミド、特にN-(C1〜C12)アルキル(メタ)アクリレート、例えば、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-t-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-t-オクチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド及びN-ジアセトン(メタ)アクリルアミド並びに任意のそれらの組み合わせが挙げられる。
ビニルモノマーとしては、限定されないが、ビニルシアニド化合物、例えばアクリロニトリル及びメタアクリロニトリル、ビニルエステル、例えばビニルホルメート、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルネオデカノエート、ビニルピバレート、ビニルベンゾエート及びビニルt-ブチルベンゾエート、トリアリルシアヌレート;ビニルハライド、例えばビニルクロリド及びビニリデンクロリド;芳香族モノ又はジビニル化合物、例えばスチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、アルキルスチレン、ジビニルベンゼン及びジアリルフタレート並びにそれらの組み合わせを挙げることができる。他の非限定的なイオン性モノマーとしては、パラ-スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルスルホン酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロピルスルホン酸が挙げられ得る。
述べるまでもなく、これらのモノマーの混合物を使用してもよい。
アクリル(コ)ポリマーは、好ましくはC1〜C4アルキルアクリレート、C1〜C4アルキルメタクリレート、アクリル酸及びメタクリル酸から構成される(コ)ポリマーであってもよく、より好ましくはこれらのモノマーの少なくとも2つから構成されるコポリマー、更により好ましくはいわゆるアクリレートコポリマーであり得る。
少なくともある特定の非限定的な例示的実施形態において、アクリルラテックスは、メタクリル酸/エチルアクリレートコポリマーの水性分散体(INCI:アクリレーツコポリマー、例えばBASF社のLUVIFLEX(登録商標)SOFT)から選択され得る。
(ポリウレタン/ポリ(メタ)アクリレートグラフトコポリマー)
本発明による組成物は、好ましくは、(a)アクリルラテックスとして、ラテックスの形態の少なくとも1種のポリウレタン/ポリ(メタ)アクリレートグラフトコポリマーを含み得る。2種以上のポリウレタン/ポリ(メタ)アクリレートグラフトコポリマーが使用される場合、同じ又は異なる種類であり得る。
ポリウレタン/ポリ(メタ)アクリレートグラフトコポリマーは、ポリウレタンとポリ(メタ)アクリレートとの相互貫入ポリマーネットワーク(interpenetrated polymer network、IPN)としても参照され得る。本明細書で使用するとき、表現「相互貫入ポリマーネットワークは、2種類のモノマーの同時重合及び/又は橋架けによって得られた、2つの絡み合わされたポリマーのブレンドであって、単一のガラス転移温度を有するブレンドを指す。そのようなIPNは、特に、Air Products社からHybridurの名称で市販されているものである。特に好ましいIPNは、例えば90〜110nmの質量平均サイズ及び約80nmの数平均サイズを有する粒子の水性分散体の形態である。このIPNは、好ましくは、約-60℃〜+100℃の範囲のガラス転移温度Tgを有する。この種のIPNは、Air Products社から、Hybridur 875(INCI名称:ポリウレタン-2(及び)ポリメチルメタクリレート)の商品名で利用可能である。Air Products社から、Hybridur X-01602及びX18693-21の名称で利用可能なポリウレタン/ポリ(メタ)アクリルは、米国特許出願公開第2003/0215476号及び同第2004/0136937号に開示されている。
本発明のIPNは、以下の一般的構造を有するポリウレタン/ポリ(メタ)アクリレートグラフトコポリマーであり得る:
Figure 2018048082
式中、
Figure 2018048082
上記式において、
R1、R2、R3、R4、R5及びR7は、それぞれ独立して、脂肪族炭化水素を表し、
mは、ゼロ又は正の整数を表し、
R6は、水素又はメチルを表し、
x、y及びzは、それぞれ独立して、正の整数を表す。
ポリウレタン/ポリ(メタ)アクリレートグラフトコポリマーは、ポリメチルメタクリレートを含むことが好適であり得る。
ラテックスの形態のポリウレタン/ポリ(メタ)アクリレートグラフトコポリマーは、膜形成ポリマー、より好ましくは疎水性膜形成ポリマーとして機能し得る。
ラテックスの形態のポリウレタン/ポリ(メタ)アクリレートグラフトコポリマーは、水性媒体、好ましくは水の中に、ポリウレタン/ポリ(メタ)アクリレートグラフトコポリマーの粒子を含む。ラテックスの形態のポリウレタン/ポリ(メタ)アクリレートグラフトコポリマーの使用は、水を使用してケラチン繊維の表面から除去可能な膜の調製を容易にすることができる。
(アクリルラテックスの量)
本発明による組成物中の(a)アクリルラテックスの量は、組成物の全質量に対して、ポリマー活性物質として、8質量%以上、好ましくは10質量%以上(特に、10質量%超)、より好ましくは12質量%以上、より一層好ましくは14質量%以上、更により好ましくは16質量%以上である。
上記の量は、(a)アクリルラテックス中のアクリル(コ)ポリマーに基づく。別言すると、(a)アクリルラテックスの量は、(a)アクリルラテックスのポリマー活性物質に基づく。従って、(a)アクリルラテックス中の水等の水性媒体の量は、(a)アクリルラテックスの量を決定するとき、計算に含まれない。
本発明による組成物中の(a)アクリルラテックスの量は、組成物の全質量に対して、ポリマー活性物質として、50質量%以下、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更により好ましくは20質量%以下であり得る。
一実施形態において、本発明による組成物中の(a)アクリルラテックスの量は、組成物の全質量に対して、ポリマー活性物質として、8〜50質量%、好ましくは10〜40質量%、より好ましくは12〜30質量%、より好ましくは14〜25質量%、更により好ましくは16〜20質量%の範囲であり得る。
[水]
本発明による組成物は、(b)水を含む。
本発明による組成物がO/Wエマルジョンの形態である場合は、(b)水がO/Wエマルジョンの外側連続相を構成することが好ましい。
本発明による組成物中の(b)水の量は、組成物の全質量に対して、10〜80質量%、好ましくは20〜70質量%、より好ましくは30〜60質量%、更により好ましくは40〜55質量%であり得る。
[ワックス]
本発明による組成物は、少なくとも1種の(c)ワックスを含み得る。2種以上の(c)ワックスが使用される場合、同じ又は異なる種類であり得る。
本明細書で使用されるワックスは、一般的に室温(25℃)で固体である親油性化合物であり、固体/液体の状態の可逆的変化が可能であり、融点が30℃以上(上限は場合により120℃まで)の化合物である。
ワックスを液体状態にすること(溶融)によって、オイルと混和させ、微視的に均一な混合物を形成することができるが、混合物を室温に冷却すると、混合物のオイル中でワックスが再結晶したものが得られる。例えば、本明細書で使用し得るワックスは、45℃を超える融点、例えば50℃以上、更には例えば55℃以上の融点を有し得る。ワックスの融点は、示査走査熱量計(DSC)、例えばDSC30の名称でMettler社より販売されている熱量計を使用して測定し得る。測定プロトコルは、以下の通りである。
るつぼの中に配置した15mgの生成物の試料に、0℃から120℃までの第1の温度上昇を加熱速度10℃/分で施し、次いで120℃から0℃までの冷却を冷却速度10℃/分で行い、最後に、0℃から120℃までの第2の温度上昇を加熱速度5℃/分で施す。第2の温度上昇の間の、空のるつぼにより吸収された力と生成物の試料を入れたるつぼにより吸収された力との差の変化を、温度の関数として測定する。化合物の融点は、吸収された力の差の変化を温度の関数として表した曲線のピークの頂上部に対応する温度の値である。
本明細書による組成物で使用し得るワックスは、室温で固体であって堅く、動物、植物、鉱物若しくは合成起源のワックス及びそれらの混合物から選択される。
ワックスはまた、例えば、0.05MPa〜30MPaの範囲(例えば、6MPa〜15MPa)の硬度を有し得る。硬度は、圧縮強度を測定することによって決定され、20℃で、直径2mmのステンレス鋼シリンダーを備えるテクスチュロメータ(TA-TX2iの名称でRheo社より販売)を使用して、ステンレス鋼シリンダーを測定速度0.1mm/sで移動させ、ワックス内に貫通深さが0.3mmとなるように貫通させて測定を行う。測定プロトコルは、以下の通りである。
ワックスを、ワックスの融点+20℃に等しい温度で溶融させる。溶融ワックスを、直径30mm、深さ20mmの容器中に注ぐ。ワックスを、室温(25℃)で24時間かけて再結晶化し、次いで20℃で少なくとも1時間保管してから、硬度測定を行う。硬度の値は、測定される最大圧縮強度をワックスと接触したテクスチュロメータシリンダの面積で割った値である。
炭化水素系ワックス、例えば、ミツロウ、ラノリンワックス、イボタロウ、ヌカロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、オーリクリーワックス、エスパルトグラスワックス、コルクファイバーワックス(cork fibre wax)、サトウキビワックス、ハゼロウ、モクロウ、モンタンワックス、微結晶ワックス、パラフィン及びオゾケライト、ポリエチレンワックス、Fischer-Tropsch合成により得られるワックス、並びにワキシーコポリマー及びそのエステル等が使用し得る。
また例えば、線状又は分岐状のC8〜C32脂肪鎖を有する動物又は植物オイルの触媒的水素添加によって得られるワックスも使用し得る。
これらのオイルの中では、例えば、水添ホホバオイル、異性化ホホバオイル[例えば、Desert Whale社により商品名Iso-Jojoba-50(登録商標)で製造又は販売されているトランス異性化部分水添ホホバオイル]、水添ヒマワリオイル、水添カスターオイル、水添ココナッツオイル、水添ラノリンオイル、ビス(1,1,1-トリメチロールプロパン)テトラステアレート[「Hest 2T-4S」の名称でHeterene社より販売]、及びビス(1,1,1-トリメチロールプロパン)テトラベヘネート[「Hest 2T-4B」の名称でHeterene社より販売]が言及し得る。
例えば、シリコーンワックス及びフッ素ワックスも使用し得る。
更に、例えば、ステアリルアルコールでエステル化したオリーブオイルの水添によって得られるワックス[「Phytowax Olive 18 L 57」の名称で販売]、又はセチルアルコールでエステル化したカスターオイルの水添によって得られるワックス[「Phytowax Ricin 16L64 and 22L73」の名称でSophim社より販売]も使用し得る。そのようなワックスは、仏国特許出願FR-A-2792190に記載されている。
一実施形態において、本明細書による組成物は、少なくとも1種の「粘着性(tacky)」ワックス、即ち、0.7N.s以上の粘着度(tack)と3.5MPa以下の硬度とを有するワックスを含み得る。粘着性ワックスを使用することにより、例えば、ケラチン繊維へ容易に塗布され、ケラチン繊維に良好に接着し、滑らかで均一で濃いメイクアップをもたらす組成物を得ることができる。使用される粘着性ワックスは、例えば0.7N.s〜30N.s(1N.s以上等、例えば1N.s〜20N.s、更には、2N.s以上等、例えば、2N.s〜10N.s、更には例えば2N.s〜5N.s)の範囲の粘着度を有し得る。ワックスの粘着度は、45°の角度を形成する円錐型のアクリルポリマー製スピンドルを備えるテクスチュロメータ[「TA-TX2i(登録商標)」の名称でRheo社より販売]を使用して、力の変化(圧縮力又は伸縮力)を時間の関数として20℃で測定することによって決定される。測定プロトコルは、以下の通りである。
ワックスを、ワックスの融点+10℃に等しい温度で溶融させる。溶融ワックスを、直径25mm、深さ20mmの容器中に注ぐ。ワックスを室温(25℃)で24時間かけて再結晶化させ、ワックスの表面を平坦で滑らかにし、次いでワックスを、20℃で少なくとも1時間保管してから、粘着度を測定する。
テクスチュロメータスピンドルを0.5mm/sの速度で移動させ、次いで貫通深さが2mmとなるようにワックスに貫通させる。スピンドルが2mmの深さまでワックスに貫通したら、スピンドルを1秒間保持し(緩和時間に対応)、次いでスピンドルを0.5mm/sの速度で引き出す。
緩和時間の間に、力(圧縮力)は、ゼロになるまで大きく減少し、その後、スピンドルを引き出す間に、力(伸縮力)はマイナスになり、次いで再び値ゼロまで上昇する。粘着度は、力(伸縮力)のマイナスの値に対応する曲線の部分に対する時間の関数としての力の曲線の積分に相当する。粘着度の値は、N.sで表される。
使用し得る粘着性ワックスは、一般に、例えば、3.5MPa以下の硬度、例えば、0.01MPa〜3.5MPa、更には0.05MPa〜3MPa等、より更には0.1MPa〜2.5MPaの硬度を有する。
硬度は、上記のプロトコルに従って測定される。
使用し得る粘着性ワックスとしては、C20〜C40アルキル(ヒドロキシステアリルオキシ)ステアレート(アルキル基が20〜40個の炭素原子を含む)の単独又は混合物が挙げられ、例えば、以下に示す式:
Figure 2018048082
(式中、mは18〜38の範囲の整数である)、
のC20〜C40アルキル12-(12'-ヒドロキシステアリルオキシ)ステアレート又はその化合物の混合物等である。
そのようなワックスは、例えば、「Kester Wax K 82 P(登録商標)」及び「Kester Wax K 80 P(登録商標)」の名称でKoster Keenan社により販売されている。
上述のワックスは、一般的に、例えば、45℃未満の開始融点(starting melting point)を有する。
本明細書による組成物は、組成物の全質量に対して、例えば1質量%〜50質量%、例えば5質量%〜40質量%、更には10質量%〜35質量%、より更には10質量%〜30質量%等の範囲(これらの間の全ての範囲及び部分範囲を含む)の合計量のワックスを含み得る。
本明細書に開示されるとき、平均「有効」体積径D[4,3]として表したサイズで例えば0.5〜30マイクロメータ、例えば1〜20マイクロメータ、更には5〜10マイクロメータ等の範囲のサイズの小粒子の形態で供給されるワックスを使用することもでき、この形態のワックスを、本明細書では、「マイクロワックス」として使用する。
粒子サイズは、様々な技術で測定することができ、例えば、光散乱技術(動的又は静的)、コールターカウンター法、沈降速度測定[ストークスの法則によるサイズに関連]、及び顕微鏡による検査が言及し得る。これらの技術により、粒子径を測定することができ、一部の技術では、粒度分布を測定することができる。
本明細書による組成物の粒子のサイズ及び粒度分布は、例えば一般的な粒度計(例えば、MalvernによるMasterSizer 2000)を使用した静的光散乱により測定される。データは、Mie散乱理論に基づいて処理される。この理論は、等方性粒子に適合するものであり、非球形粒子の場合の「有効」粒子径を決定することを可能にする。この理論は、例えば、刊行物Van de Hulst、H. C.、「Light Scattering by Small Particles」、第9及び10章、Wiley、New York、1957に記載されている。
本明細書で使用されるマイクロワックスは、以下の様式:
Figure 2018048082
(式中、Viは、有効径diを有する粒子の体積である)
で定義される体積による平均「有効」径D[4,3]によって特徴づけられる。このパラメータD[4,3]は、例えば、粒度計の技術文書に記載されている。
測定は、希薄な粒子分散に対して25℃で行われ、以下の様式:1)水で100倍に希釈する、2)溶液を均一にする、3)溶液を18時間、静置する、4)やや白い均一な上清を回収する
によって、マイクロワックスから得られる。
「有効」径は、水に対する屈折率を1.33とし、粒子に対する平均屈折率を1.42とすることによって得られる。
本明細書による組成物において使用し得るマイクロワックスで言及し得るものは、例えば、カルナウバマイクロワックス[例えば、「MicroCare 350(登録商標)」の名称でMicro Powders社により販売されている製品]、合成マイクロワックス[例えば、「MicroEase 114S(登録商標)」の名称でMicro Powders社から販売されている製品]、カルナウバワックスとポリエチレンワックスとの混合物からなるマイクロワックス[例えば、「Micro Care 300(登録商標)」及び「Micro Care 310(登録商標)」の名称でMicro Powders社から販売されている製品]、カルナウバワックスと合成ワックスとの混合物で構成されるマイクロワックス[例えば、「Micro Powders 325(登録商標)」の名称でMicro Powders社から販売されている製品]、ポリエチレンマイクロワックス[例えば、「Micropoly 200(登録商標)」、「Micropoly 220(登録商標)」、「Micropoly 220L(登録商標)」及び「Micropoly 250S(登録商標)」の名称でMicro Powders社から販売されている製品]、及びポリテトラフルオロエチレンマイクロ粉末[例えば、「Microslip 519(登録商標)」及び「Microslip 519L(登録商標)」の名称でMicro Powders社により販売されている製品]が挙げられる。
ワックス(粘着性ワックスを含む)は、ワックスの水性微粒分散の形態で存在し得る。用語「ワックスの水性微粒分散」は、ワックス粒子のサイズが1μm以下であるワックス粒子の水性分散を意味する。
ワックス微粒分散は、コロイド状ワックス粒子の安定な分散物であり、例えば、「Microemulsions Theory and Practice」、L. M. Prince Ed.、Academic Press (1977) 21〜32頁に記載されている。
例えば、これらのワックス微粒分散は、ワックスを、界面活性剤及び任意選択で一部の水の存在下で溶融し、次いで撹拌しながら熱水を穏やか徐々に添加することによって得ることができる。油中水型エマルジョンの中間的形成が観察されたら、次いで相反転を行い、最終的な水中油型マイクロエマルジョンを生成する。冷却すると、安定な固形ワックスコロイド状粒子の微粒分散が得られる。
ワックス微粒分散は、ワックス、界面活性剤及び水の混合物を、超音波高圧ホモジナイザー又はターボミキサー等の撹拌ツールを使用して撹拌することにより、得ることもできる。
ワックス微粒分散の粒子は、例えば、1μm未満(0.02μm〜0.99μmの範囲等)、例えば0.5μm以下(0.06μm〜0.5μmの範囲等)の平均サイズを有する。
これらの粒子は、本質的に、ワックス又はワックスの混合物からなる。しかしながら、当該粒子には、少量のオイル状及び/又はペースト状脂肪添加剤、界面活性剤及び/又は一般的な脂溶性添加剤/活性剤が含まれていてもよい。
ワックス又はワックスの混合物が、本発明による組成物中に粒子の水性分散体の形態で存在するとき、粒子のサイズ、つまり、上記で定義される平均「有効」体積径D[4,3]は、例えば1μm以下、例えば0.75μm以下であり得る。
ワックス粒子は、様々な形状を有し得る。例えば、ワックス粒子は球状であり得る。
組成物中の(c)ワックスの量は、組成物の全質量に対して、3質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり得る。
本発明による組成物中の(c)ワックスの量は、組成物の全質量に対して、30質量%以下、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下であり得る。
一実施形態において、本発明による組成物中の(c)ワックスの量は、組成物の全質量に対して、3〜30質量%、好ましくは5〜25質量%、より好ましくは10〜20質量%であり得る。
[陰イオン性界面活性剤]
本発明による組成物は、(d)少なくとも1種の陰イオン性界面活性剤を含み得る。2種以上の(d)陰イオン性界面活性剤が使用される場合、同じ又は異なる種類であり得る。
(d)陰イオン性界面活性剤は、好ましくは少なくとも1種のC16〜C24脂肪酸と組み合わせた2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオールである。2種以上の脂肪酸を使用し得る。
本明細書において用語「脂肪酸」は、脂肪族炭素の長鎖を有するカルボン酸を意味する。好ましくは、脂肪酸は、任意の飽和又は不飽和、線状又は分岐状の脂肪酸から選択される。
これらの中で言及し得るものは、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸、ヘンエイコシル酸、ベヘン酸、トリコシル酸、リグノセリン酸、及びそれらの混合物である。
ステアレートと組み合わせた2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオールが、本発明に関して特に最も適した陰イオン性界面活性剤であり得る。そのような陰イオン性界面活性剤は、一般に、ステアリン酸と2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオールとを単に混合することによって得られ得る。
本発明によると、本発明による組成物は、上述の脂肪酸及びアミンから誘導される脂肪酸塩以外に、少なくとも1種の陰イオン性界面活性剤を更に含み得る。そのような陰イオン性界面活性剤の非限定的な例としては、より詳細には、
- ポリオキシエチレン化脂肪酸塩、特にアミン若しくはアルカリ金属塩、及びそれらの混合物から誘導されるもの、
- リン酸エステル及びその塩、例えば、「DEAオレス-10リン酸(DEA oleth-10 phosphate)」(Croda社による「Crodafos N 10N」)、
- スルホサクシネート、例えば、「PEG-5クエン酸ラウリルスルホコハク酸二ナトリウム(Disodium PEG-5 citrate lauryl sulfosuccinate)」及び「リシノールアミドMEAスルホコハク酸二ナトリウム(Disodium ricinoleamido MEA sulfosuccinte)」、
- アルキルエーテルスルフェート、例えば、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、
- イセチオネート、
- アシルグルタメート、例えば、「水添タロウグルタミン酸二ナトリウム」(「Amisoft HS-21 R」としてAjinomoto社より販売)、並びに、
- それらの混合物
が言及し得る。
(d)陰イオン性界面活性剤は、本発明による組成物に、組成物の全質量に対して、0.01質量%〜10質量%、好ましくは0.1質量%〜5質量%、より好ましくは0.5〜3質量%(これらの間の全ての範囲及び部分範囲を含む)の量で存在し得る。
(d)陰イオン性界面活性剤(好ましくはC16〜C24脂肪酸と組み合わせた2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール)の量/粒子の形態の(a)ポリウレタン/ポリ(メタ)アクリレートグラフトコポリマー、及び存在する場合、後述の任意の他の膜形成ポリマーの量の質量比は0.01〜0.3、より好ましくは0.05〜0.2、更により好ましくは0.1〜0.15(これらの間の全ての範囲及び部分範囲を含む)が好適であり得る。
上記質量比が上記範囲内である場合には、本発明による組成物は、いずれかの化粧性能、例えばまつ毛をカール、伸長及び濃くする性能、並びに良好な「にじみプルーフ」特性又は「除去しやすい」特性を更に改善し得る。更に本発明による組成物は、より安定であり得、良好な乳化特性を有し得る。
[追加の膜形成ポリマー]
本発明による組成物は、(a)アクリレート-ラテックス以外の(e)少なくとも1種の追加の膜形成ポリマーを含み得る。2種以上の(e)追加の膜形成ポリマーが使用される場合、同じ又は異なる種類であり得る。
本明細書において用語「膜形成ポリマー」は、それ自体で又は補助的な膜形成剤の存在下で、支持体(特にケラチン材料、例えばまつ毛)に付着する連続膜を形成し得るポリマーを意味する。
(e)追加の膜形成ポリマーは、水性相に分散している粒子の形態、特にラテックスの形態で存在していることが好ましい。
上記(e)追加の膜形成ポリマーとして本発明の組成物中で使用され得る膜形成ポリマーの中では、フリーラジカル型又は重縮合型の合成ポリマー、天然起源のポリマー及びそれらの混合物が言及し得る。
本発明による(e)追加の膜形成ポリマーは、ビニル(コ)ポリマー、(メタ)アクリル酸(コ)ポリマー、ウレタン(コ)ポリマー、及びそれらの混合物から選択し得る。有利には、膜形成ポリマーは、スチレン-(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸コポリマー、酢酸ビニル及び(メタ)アクリル酸コポリマー、並びにそれらの混合物から選択される。
フリーラジカル型の膜形成ポリマーは、例えば、ビニルポリマー又はコポリマーから、例えばアクリルポリマーから選択し得る。
ビニル膜形成ポリマーは、少なくとも1種のエチレン性不飽和と少なくとも1種の酸性基を含むモノマー、及び/又はこれらの酸性モノマーのエステル及び/又はこれらの酸性モノマーのアミドの重合から生じ得る。
少なくとも1種の酸基を含むモノマーとして使用し得るものは、例えば、α,β-エチレン性不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸又はイタコン酸が挙げられる。例えば、(メタ)アクリル酸及びクロトン酸が使用され得る。一実施形態においては、(メタ)アクリル酸が使用される。
酸性モノマーのエステルは、例えば、(メタ)アクリレートとしても知られる(メタ)アクリル酸エステル、例えばアルキル(例えば、C1〜C30アルキル{C1〜C20アルキル等})の(メタ)アクリレート、アリール(例えば、C6〜C10アリール)の(メタ)アクリレート、及びヒドロキシアルキル(例えば、C2〜C6ヒドロキシアルキル)の(メタ)アクリレートから選択される。
言及し得るアルキル(メタ)アクリレートの中で、例としては、メチルメタクリレート、メタクリル酸エチル、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート及びシクロヘキシルメタクリレートが挙げられる。
言及し得るヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの中では、例として、ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシメタクリル酸エチル及び2-ヒドロキシプロピルメタクリレートが挙げられる。
言及し得るアリール(メタ)アクリレートの中で、例としては、ベンジルアクリレート及びフェニルアクリレートが挙げられる。
使用し得る(メタ)アクリル酸エステルは、例えば、アルキル(メタ)アクリレートである。
本明細書で開示するとき、エステルのアルキル基は、フッ素置換又は全フッ素置換されていてもよい、即ち、アルキル基の一部又は全部の水素原子がフッ素原子に置換されていてもよい。
言及し得る酸モノマーのアミドの例としては、(メタ)アクリルアミド、例えば、C2〜C12アルキルのN-アルキル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。言及し得るN-アルキル(メタ)アクリルアミドの中で、例としては、N-エチルアクリルアミド、N-t-ブチルアクリルアミド、N-t-オクチルアクリルアミド及びN-ウンデシルアクリルアミドが挙げられる。
ビニル膜形成ポリマーは、ビニルエステルとスチレンモノマーとから選択されるモノマーの単独重合又は共重合からも生じ得る。例えば、これらのモノマーは、酸モノマー及び/又はそのエステル及び/又はそのアミド(例えば上述のもの等)と共に重合され得る。
言及し得るビニルエステルの例としては、酢酸ビニル、ネオデカン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル及びt-ブチル安息香酸ビニルが挙げられる。言及し得るスチレンモノマーとしては、スチレン及びα-メチルスチレンが挙げられる。
言及し得る膜形成重縮合物の中では、例として、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエステルアミド、ポリアミド、エポキシエステル樹脂、及びポリウレアが挙げられる。
ポリウレタンは、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性、又は両性のポリウレタン、ポリウレタン/ポリ(メタ)アクリレートグラフトコポリマー以外のポリウレタン-アクリル、ポリウレタン-ポリビニルピロリドン、ポリエステル-ポリウレタン、ポリエーテル-ポリウレタン、ポリウレア、及びポリウレア-ポリウレタン、並びにそれらの混合物から選択し得る。
ポリエステルは、知られている様式に従って、ジカルボン酸とポリオール(例えばジオール)との重縮合によって得られ得る。
ジカルボン酸は、脂肪族、脂環族又は芳香族のジカルボン酸であり得る。言及し得るそのような酸の例としては、シュウ酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、2,2-ジメチルグルタル酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、ドデカンジオン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,5-ノルボルナンジカルボン酸、ジグリコール酸、チオジプロピオン酸、2,5-ナフタレン-ジカルボン酸及び2,6-ナフタレンジカルボン酸が挙げられる。これらのジカルボン酸モノマーは、単独で、又は少なくとも2種のジカルボン酸モノマーの組み合わせとして、使用し得る。これらのモノマーの中で、例えば、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸が使用し得る。
ジオールは、脂肪族、脂環族又は芳香族のジオールから選択し得る。使用されるジオールは、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、シクロヘキサンジメタノール及び4-ブタンジオールから選択される。使用し得る他のポリオールとしては、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール及びトリメチロールプロパンが挙げられる。
ポリエステルアミドは、ポリエステルと同様の様式で、二酸とジアミン又はアミノアルコールとを重縮合することによって、得ることができる。使用し得るジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、及び、メタ-又はパラ-フェニレンジアミンが挙げられる。使用し得るアミノアルコールは、例えば、モノエタノールアミンである。
またポリエステルは、少なくとも1つの-SO3M基[式中、Mは、水素原子、アンモニウムイオンNH4 +、及び金属イオン(例えば、Na+、Li+、K+、Mg2+、Ca2+、Cu2+、Fe2+又はFe3+イオン)から選択される]を有する少なくとも1種のモノマーを含み得る。例えば、そのような-SO3M基を含む二官能性芳香族モノマーが使用し得る。
上述の-SO3M基も含む二官能性芳香族モノマーの芳香核は、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ビフェニル、オキシビフェニル、スルホニルビフェニル、及びメチレンビフェニル核から選択し得る。-SO3M基も含む二官能性芳香族モノマーの中では、例えば、スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、スルホフタル酸、4-スルホナフタレン-2,7-ジカルボン酸が言及し得る。
使用されるコポリマーは、例えば、イソフタレート/スルホイソフタレートベースのポリマー、例えば、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、イソフタル酸及びスルホイソフタル酸の縮合により得られるコポリマーである。
本発明による組成物の一実施形態によれば、(e)追加の膜形成ポリマーは脂溶性ポリマーであり得る。
言及し得る脂溶性ポリマーの例としては、ビニルエステル(ここで、ビニル基はエステル基の酸素原子に直接結合しており、ビニルエステルは、エステル基のカルボニルに結合している飽和で線状又は分岐状の1〜19個の炭素原子の炭化水素系基から選択される基を含む)と、少なくとも1種の他のモノマーとのコポリマーが挙げられ、他のモノマーは、ビニルエステル(既に存在しているビニルエステルとは異なるもの)、α-オレフィン(8〜28個の炭素原子を含むもの)、アルキルビニルエーテル(アルキル基が2〜18個の炭素原子を含むもの)、又はアリル若しくはメタリルエステル(エステル基のカルボニルに結合している飽和で線状又は分岐状の1〜19個の炭素原子の炭化水素系基から選択される基を含むもの)であり得る。
これらのコポリマーは、ビニル型、又はアリル型若しくはメタリル型のいずれかであり得る架橋剤、例えば、テトラアリルオキシエタン、ジビニルベンゼン、ジビニルオクタンジオエート、ジビニルドデカンジオエート及びジビニルオクタデカンジオエートを使用して架橋されていてもよい。
言及し得るこれらのコポリマーの例としては、以下のコポリマー:酢酸ビニル/ステアリン酸アリル、酢酸ビニル/ラウリン酸ビニル、酢酸ビニル/ステアリン酸ビニル、酢酸ビニル/オクタデセン、酢酸ビニル/オクタデシルビニルエーテル、プロピオン酸ビニル/ラウリン酸アリル、プロピオン酸ビニル/ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル/1-オクタデセン、酢酸ビニル/1-ドデセン、ステアリン酸ビニル/エチルビニルエーテル、プロピオン酸ビニル/セチルビニルエーテル、ステアリン酸ビニル/酢酸アリル、2,2-ジメチルオクタン酸ビニル/ラウリン酸ビニル、2,2-ジメチルペンタン酸アリル/ラウリン酸ビニル、ジメチルプロピオン酸ビニル/ステアリン酸ビニル、ジメチルプロピオン酸アリル/ステアリン酸ビニル、0.2%ジビニルベンゼンで架橋されたプロピオン酸ビニル/ステアリン酸ビニル、0.2%ジビニルベンゼンで架橋されたジメチルプロピオン酸ビニル/ラウリン酸ビニル、0.2%テトラアリルオキシエタンで架橋された酢酸ビニル/オクタデシルビニルエーテル、0.2%ジビニルベンゼンで架橋された酢酸ビニル/ステアリン酸アリル、0.2%ジビニルベンゼンで架橋された酢酸ビニル/1-オクタデセン、及び0.2%ジビニルベンゼンで架橋されたプロピオン酸アリル/ステアリン酸アリルが挙げられる。
また言及し得る脂溶性膜形成ポリマーの例としては、例えば、9〜22個の炭素原子を含むビニルエステル、又は10〜20個の炭素原子を含むアルキル基のアルキルアクリレート又はメタクリレートの共重合から得られる脂溶性コポリマーが挙げられる。
そのような脂溶性コポリマーは、例えば、ポリビニルステアレート、ジビニルベンゼン、ジアリルエーテル又はフタル酸ジアリルを用いて架橋されたポリビニルステアレートコポリマー、ポリステアリル(メタ)アクリレート、ポリビニルラウレート及びポリラウリル(メタ)アクリレートのコポリマーから選択することができ、これらのポリ(メタ)アクリレートは、エチレングリコールジメタクリレート又はテトラエチレングリコールジメタクリレートを用いて架橋されていてもよい。
上記で定義される脂溶性コポリマーは知られており、例えば、仏国特許出願FR-A-2232303に記載されている。それらのコポリマーは、質量平均分子量が、例えば2,000〜500,000(例えば4,000〜200,000)の範囲であり得る。
また本明細書で使用され得る脂溶性膜形成ポリマーの中では、例えば、ポリアルキレン(例えば、C2〜C20アルケンのコポリマー、例えばポリブテン)、線状又は分岐状で飽和又は不飽和のC1〜C8アルキル基のアルキルセルロース(例えばエチルセルロース及びプロピルセルロース)、ビニルピロリドン(VP)のコポリマー(例えば、ビニルピロリドンとC2〜C40アルケン{C3〜C20アルケン等}とのコポリマー)も言及し得る。本明細書で使用し得るVPコポリマーの中では、例えば、VP/酢酸ビニルのコポリマー、VP/メタクリル酸エチルのコポリマー、ブチル化ポリビニルピロリドン(PVP)、VP/メタクリル酸エチル/メタクリル酸、VP/エイコセン、VP/ヘキサデセン、VP/トリアコンテン、VP/スチレン又はVP/アクリル酸/メタクリル酸ラウリルが言及し得る。
いくつかの実施形態において、膜形成ポリマーは、50℃未満のTg(ガラス転移温度)値を有する。
使用し得る膜形成ポリマーの水性分散体は、アクリル分散体[「Neocryl XK-90(登録商標)」、「Neocryl A-1070(登録商標)」、「Neocryl A-1090(登録商標)」、「Neocryl BT-62(登録商標)」、「Neocryl A-1079(登録商標)」及び「Neocryl A-523(登録商標)」の名称でAvecia-Neoresins社より、「Dow Latex 432(登録商標)」としてDow Chemical社より、「Daitosol 5000 AD(登録商標)」又は「Daitosol 5000 SJ」としてDaito Kasey Kogyo社より、「Syntran 5760」としてInterPolymer社より販売されている分散体]、又は、ポリウレタンの水性分散体[「Neorez R-981(登録商標)」及び「Neorez R-974(登録商標)」の名称でAvecia-Neoresins社より、「Avalure UR-405(登録商標)」、「Avalure UR-410(登録商標)」、「Avalure UR-425(登録商標)」、「Avalure UR-450(登録商標)」、「Sancure 875(登録商標)」、「Sancure 861(登録商標)」、「Sancure 878(登録商標)」及び「Sancure 2060(登録商標)」としてGoodrich社より、「Impranil 85(登録商標)」としてBayer社より、及び「Aquamere H-1511(登録商標)」としてHydromer社より、販売されている分散体]、ビニル分散体[例えば「Mexomer PAM」]、及びイソドデカン中のアクリル分散体[例えばChimex社による「Mexomer PAP」]が挙げられる。
本発明による組成物中の(e)追加の膜形成ポリマーの量は、組成物の全質量に対して、0.1〜50質量%、好ましくは1〜40質量%、より好ましくは5〜30質量%であり得る。
[繊維]
本発明による組成物は、少なくとも1種の繊維を含み得る。2種以上の繊維が使用される場合、同じ又は異なる種類であり得る。
いくつかの実施形態において、本発明による組成物は、ケラチン繊維に対する伸長効果を改善させるために、少なくとも1種の繊維を更に含み得る。本発明で有用な繊維は、剛性又は非剛性繊維から選択され得、天然又は合成繊維であり得る。天然繊維としては、限定されないが、綿、絹、羊毛、及び他のケラチン繊維が挙げられる。合成繊維としては、限定されないが、ポリエステル、レーヨン、ナイロン及び他のポリアミド繊維が挙げられる。いくつかの実施形態において、繊維は、非剛性繊維[例えばポリアミド{ナイロン(登録商標)}繊維]からなるものであってもよく、又は剛性繊維[例えばポリイミド-アミド繊維、例えば商品名「Kermel」及び「Kermel Tech」でRhodiaにより販売されているもの、又はポリ(p-フェニレンテレフタルアミド)(又はアラミド)繊維、特にKevlar(登録商標)の名称でDuPont de Nemoursにより販売されているもの]からなるものであってもよい。
繊維は、本発明による組成物中に、一般に、組成物の全質量の0.01質量%〜10質量%、好ましくは0.1質量%〜5質量%の範囲(これらの間の全ての範囲及び部分範囲を含む)の量で存在し得る。
[賦形剤]
本発明による組成物は、少なくとも1種の賦形剤を含み得る。2種以上の賦形剤が使用される場合、同じ又は異なる種類であり得る。
いくつかの実施形態において、本発明による組成物は、当業者にとってよく知られており、化粧用組成物において一般に使用されるものから選択される賦形剤を更に含み得る。賦形剤は、ラメラ状又は非ラメラ状の、無機又は有機の粒子を意味すると理解されなければならない。これらの成分の代表的な例としては、雲母、シリカ、カオリン、酸化鉄、二酸化チタン、ポリアミド粉末、例えばナイロン(登録商標)(AtochemによるOrgasol)、ポリ-アラニン粉末、ポリエチレン粉末、テトラフルオロエチレンポリマー粉末、例えばテフロン(登録商標)、ラウロイルリシン、澱粉、窒化ホウ素、中空ポリマーミクロスフェア(例えば、ポリ塩化ビニリデン/アクリロニトリルのミクロスフェア[例えば Expancel(登録商標)(Nobel Industrie)]、アクリル粉末[例えば、Polytrap(登録商標)(Dow Corning)]、ポリメチルメタクリレート粒子とシリコーン樹脂とのマイクロビーズ[例えばToshibaによるTospearls(登録商標)]、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、中空シリカミクロスフェア[MaprecosによるSilica Beads(登録商標)]、ガラス又はセラミックのマイクロカプセル、8〜22個の炭素原子、好ましくは12〜18個の炭素原子を有する有機カルボン酸から誘導される金属石鹸(例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛、又はミリスチン酸マグネシウム)が挙げられる。
賦形剤は、本発明による組成物中に、一般に、組成物の全質量の0.1質量%〜25質量%、好ましくは1質量%〜20質量%の範囲(これらの間の全ての範囲及び部分範囲を含む)の量で存在し得る。
[染色物質]
本発明による組成物は、少なくとも1種の染色物質を含み得る。2種以上の染色物質が使用される場合、同じ又は異なる種類であり得る。
適切な染色物質としては、限定されないが、粉末状染色物質、脂溶性染料、及び水溶性染料が挙げられる。
粉末状染色物質は、顔料及び真珠光沢剤から選択され得る。
本発明に従って使用し得る顔料は、白色、着色、無機、有機、重合性、非重合性、被覆及び非被覆の顔料から選択され得る。無機顔料の代表的な例は、二酸化チタン(任意選択で表面処理されているもの)、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄、酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、クロム水和物、及びフェリックブルーである。有機顔料の代表的な例としては、カーボンブラック、D&C型の顔料、並びに、コチニールカーマイン、バリウム、ストロンチウム、カルシウム及びアルミニウムを基にするレーキが挙げられる。
本発明に従って使用し得る真珠光沢剤は、白色真珠光沢性顔料、例えば、チタン又はオキシ塩化ビスマスで被覆された雲母、着色真珠光沢性顔料、例えば、酸化鉄を有する雲母チタン、フェリックブルー又は酸化クロムを有する雲母チタン、上述のものから選択される有機顔料を有する雲母チタン、及び、オキシ塩化ビスマスを基にする真珠光沢性顔料から選択され得る。
本発明に従って使用し得る代表的な脂溶性染料としては、スーダン赤色、DC赤色17号、DC緑色6号、β-カロテン、ダイズオイル、スーダン茶色、DC黄色11号、DC紫色2号、DC橙色5号、アナトー及びキノリンイエローが挙げられる。
本発明に従って使用し得る水溶性染料としては、赤ビーツジュース、メチレンブルー、ポンソーの二ナトリウム塩、アリザリングリーンの二ナトリウム塩、キノリンイエロー、アマランスの三ナトリウム塩、タートラジンの二ナトリウム塩、ローダミンの一ナトリウム塩、フクシンの二ナトリウム塩、及びキサントフィルが挙げられる。
染色物質は、本発明による組成物中に、一般に、組成物の全質量の0.01質量%〜20質量%、好ましくは0.1質量%〜10質量%の範囲(これらの間の全ての範囲及び部分範囲を含む)の量で存在し得る。
[他の添加剤]
本発明による組成物は、化粧分野で通常使用される任意の他の添加剤、例えば、オイル、上記(d)以外の界面活性剤、溶剤、ガム、樹脂、親水性増粘剤、例えばヒドロキシプロピルセルロース、疎水性増粘剤、例えばジメチコンクロスポリマー、分散剤、酸化防止剤、精油、保存剤、例えばフェノキシエタノール、芳香剤、中和剤、pH調節剤、例えばトリエタノールアミン、殺菌剤、UV遮蔽剤、化粧活性剤、例えばビタミン、保湿剤、皮膚軟化剤又はコラーゲン保護剤、並びにそれらの混合物から選択される添加剤も含み得る。
本発明による組成物は、少なくとも1種の水混和性溶媒、例えば、1〜5個の炭素原子、C3〜C4ケトン、又はC3〜C4アルデヒドを含有する低級モノアルコール等も含み得る。好ましく使用し得る水混和性溶媒は、エタノールである。水混和性溶媒の含量は、組成物の全質量に対して、0.1質量%〜15質量%、更に好ましくは、1質量%〜8質量%であり得る。
本発明による組成物中に存在しうる上記の任意選択的添加剤の性質及び量を、所望の化粧特性が影響を受けないように調整することは、当業者にとって、定常的操作事項である。
[化粧用組成物]
本発明による組成物は、化粧用組成物、好ましくはメイクアップ化粧用組成物(特に、アイメイクアップ化粧用組成物)、より好ましくはマスカラであり得る。
本発明による化粧用組成物は、ケラチン繊維、例えば毛髪、眉毛及びまつ毛の化粧処置、好ましくは、メイクアップのために使用することができる。
マスカラは、ウォッシャブル又はウォータープルーフとして製剤化され得る。用語ウォッシャブルマスカラは、本明細書で使用されるとき、水及び/又は石鹸で除去され得る組成物を指す。これらの製剤は、典型的にはエマルジョン(例えば、水中ワックス型のエマルジョン)、例えばクリームであり、いくつかの場合にはゲル又はケークである。除去のためにオイルの使用を必要とするウォータープルーフマスカラは、一般的には、有機溶媒、例えば、イソドデカン及び石油蒸留物中のワックスの分散体の形態である。
本発明による組成物は、水で、好ましく温水で、例えば、30〜45℃、好ましくは、35〜37℃の温度の水で、石鹸を用いて又は用いずに除去可能であることが好ましい。
本発明による化粧用組成物は、化粧用組成物を含む少なくとも1つの区画を定める容器を含み、その容器が閉鎖部材により閉鎖される化粧製品に、詰めることができる。
容器は、好ましくは、アプリケータ、特にねじれたワイヤによって維持されるブリッスルの構成を含むブラシの形態のアプリケータが組み合わされたものである。そのようなねじれたブラシは、特に米国特許第4887622号に記載されている。アプリケータは、複数の塗布部材を含み、特に成型によって得られるコームの形態であってもよい。そのようなコームは、例えば仏国特許第2796529号に記載されている。アプリケータは、例えば仏国特許第2761959号に記載されるように、容器に一体的に結合されていてもよい。有利には、アプリケータは、閉鎖部材に一体的に結合しているロッドに一体的に結合している。
閉鎖部材は、ねじりによって容器に結合されていてもよい。或いは、閉鎖部材と容器との間の結合は、ねじり以外の方法、特にバヨネット機構(bayonet mechanism)を介して、又はクリック固定(click-fastening)若しくは締付け(tightening)によって達成されてもよい。用語「クリック固定」は、ある部分、特に閉鎖部材の弾性変形によって材料のビーズ又はコードを交差させ、次いで、ビーズ又はコードの交差後の前記部分が弾性的に拘束されない位置へ戻ることを含む任意のシステムを特に意味する。
容器は、少なくとも一部が熱可塑性物質で作製されていてもよい。言及し得る熱可塑性物質の例としては、ポリプロピレン又はポリエチレンが挙げられる。
或いは、容器は、非熱可塑性物質、特にガラス又は金属(若しくは合金)で作製される。
容器は、好ましくは、容器の開口領域に配置された水切りを備える。そのような水切りにより、アプリケータ、及び可能であればアプリケータと一体的に結合し得るロッドを、拭くことができる。そのような水切りは、例えば仏国特許第2792618号に記載されている。
[調製]
本発明による組成物は、上記の必須及び任意選択的成分を混合することによって調製され得る。
例えば、本発明による組成物は、
(a)少なくとも1種のアクリルラテックスと、(b)水、及び組成物の他の任意選択的成分とを、45℃以上、好ましくは50℃以上、より好ましくは55℃以上の温度で混合する工程
を含む方法によって、調製され得る。上記任意選択的成分のいずれかを更に混合することが好ましい。
[方法及び使用]
本発明による組成物は、ケラチン繊維をコーティングするために使用され得る。
例えば、本発明による組成物は、
ケラチン繊維をコーティングするための方法であって、
ケラチン繊維上に本発明による組成物を塗布して、ケラチン繊維上に少なくとも1つのコーティングを形成する工程
を含み、コーティングは、水及び/又は石鹸を使用してケラチン繊維から除去可能である、方法に使用され得る。
上記方法は、好ましくはケラチン繊維のカールを維持するための、より好ましくはケラチン繊維の濃さを増加させるための、化粧方法であり得る。
本発明の技術的特徴の1つは、(b)水を含む組成物中で(a)アクリルラテックスを使用して、0〜20/sの範囲のせん断速度での最大応力値が100/sのせん断速度での応力値より高いレオロジープロファイルを有する組成物を提供することである。
上記レオロジープロファイルは、300μmのギャップを有する25mm径の平滑プラスチックプレートを備えたレオメータ(ARES-RFS)により、せん断速度を2分間に0から100/sに直線的に変化させながら25℃で測定される。0〜20/sの範囲のせん断速度での最大応力値及び100/sのせん断速度での応力値を決定される。
上記技術的特徴は、本発明による組成物が、メイクアップ化粧用組成物、好ましくはケラチン繊維、好ましくはまつ毛用のマスカラとして使用される場合、組成物の、ケラチン繊維に対するカール維持効果、抗皮脂及び/又は濃さ増加効果を改善させることができる。
加えて、上記レオロジープロファイルは、ケラチン繊維への塗布が容易な本発明による組成物を提供することができる。
従って、本発明の一態様は、ケラチン繊維用化粧用組成物、好ましくはメイクアップ化粧用組成物、より好ましくはマスカラの、ケラチン繊維に対するカール維持効果、ケラチン繊維に対する抗皮脂及び/又は濃さ増加効果を改善するための方法であって、
(a)少なくとも1種のアクリルラテックスを、化粧用組成物中に、45℃以上、好ましくは50℃以上、より好ましくは55℃以上の温度で添加する工程
を含み、
化粧用組成物は、(b)水を含み、
(a)アクリルラテックスの添加量は、添加後の組成物の全質量に対して、8質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは12質量%以上であり、
(a)アクリルラテックスの添加後の0〜20/sの範囲のせん断速度での化粧用組成物の最大応力値は、100/sのせん断速度での化粧用組成物の応力値より高い、方法である。
本発明の別の態様は、ケラチン繊維用化粧用組成物、好ましくはメイクアップ化粧用組成物、より好ましくはマスカラにおける、(a)少なくとも1種のアクリルラテックスの使用であって、
化粧用組成物は、(b)水を含み、
化粧用組成物中の(a)アクリルラテックスの量は、組成物の全質量に対して、8質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは12質量%以上であり、
0〜20/sの範囲のせん断速度での化粧用組成物の最大応力値は、100/sのせん断速度での化粧用組成物の応力値より高い、
化粧用組成物の、ケラチン繊維に対するカール維持効果、抗皮脂及び/又は濃さ増加効果を改善するための、使用に関する。
更に本発明の別の態様は、ケラチン繊維用化粧用組成物、好ましくはメイクアップ化粧用組成物、より好ましくはマスカラの、ケラチン繊維に対するカール維持効果、ケラチン繊維に対する抗皮脂及び/又は濃さ増加効果の改善に使用するためのアクリルラテックスであって、
化粧用組成物は、水を含み、
化粧用組成物中のアクリルラテックスの量は、組成物の全質量に対して、8質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは12質量%以上であり、
0〜20/sの範囲のせん断速度での化粧用組成物の最大応力値は、100/sのせん断速度での化粧用組成物の応力値より高い、アクリルラテックスに関する。
本発明を、実施例により、更に詳細に説明する。しかしながら、これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。下記実施例は、本発明の分野における非限定的な例として提示される。
実施例1〜3及び比較例1〜3
[調製]
表1に示す実施例1〜3及び比較例1〜3による以下の組成物を、表1に示す成分を混合することにより調製した。表1に示す成分の質量についての数値は、他に指示しない限り、活性原材料としての「質量%」に基づくものである。
詳細には、ポリウレタン-2(及び)ポリメチルメタクリレート等の膜形成ポリマーを除く成分を、ミキサー(ROBOMIX)を用いて2000rpmで10分間、90℃で混合した。そのように得られた混合物を、撹拌しながら、45℃に冷却した。最後にポリウレタン-2(及び)ポリメチルメタクリレート等の膜形成ポリマーを、冷却された混合物に45℃で添加し、実施例1〜3及び比較例1〜3による組成物を調製した。
Figure 2018048082
[評価]
(In vitroカール)
実施例1〜3及び比較例1〜3による各組成物を、まつ毛カーラーで先にカールさせていた1cmの長さの毛髪の束上に、マスカラブラシで同様の様式で30回塗布した。
上記の塗布から30秒後(T30秒)及び1時間後(T1時間)のカール角度を測定した。上記の塗布前(T0)のカール角度は先に測定しておいた。塗布前及び塗布後のカール角度の差異を計算した。
上記操作を3回繰り返した。差異の平均を表1に示すように平均角度差として決定した。
平均角度差(T30秒〜T0)が小さいほど、即時カール効果が良好である。平均角度差(T1時間〜T0)が小さいほど、カール持続効果が良好である。
結果を表1に示す。
(皮脂プルーフ)
実施例1〜3及び比較例1〜3による各組成物を、試料としての人工まつ毛(Beaulux)上にマスカラブラシで同様の様式で30回塗布した。10分後、同じ塗布を再度実施した。試料を2時間乾燥させた後、試料をオレイン酸中に室温(25℃)で浸した。その後、試料を取り出し、試料の表面を指でスワイプした。にじみ(黒色)が指の上で観察されるまでの時間を測定した。
上記操作を3回繰り返した。時間の平均を平均時間として決定し、以下の基準に従って評価した。
良好:40秒超
可:20秒〜40秒
不良:20秒未満
結果を表1に示す。
(ウォッシャビリティ)
実施例1〜3及び比較例1〜3による各組成物を同じ量で、試料としての人工まつ毛(Beaulux)上にマスカラブラシで30回塗布した。10分後、同じ塗布を再度実施した。試料を2時間乾燥させた後、試料を温水中に35〜37℃で浸した。その後、試料を温水から取り出し、試料の表面をスパチュラでスワイプした。組成物が試料から完全に除去されるまでの時間を測定した。
上記操作を3回繰り返した。時間の平均を平均時間として決定し、以下の基準に従って評価した。
良好:30秒未満
可:30秒〜60秒
不良:60秒超
上記評価結果を表1に示す。
(ボリューム)
実施例1〜3及び比較例1〜3による各組成物を、試料としての人工まつ毛(Beaulux)上にマスカラブラシで同様の様式で30回塗布した。10分後、同じ塗布を再度実施した。試料を2時間乾燥させた後、試料のボリュームを、パネリストにより、以下の基準に従って評価した。
良好:塗布された人工まつ毛が非常に濃くなった
可:塗布された人工まつ毛が濃くなった
不良:塗布された人工まつ毛が濃くならなかった
上記評価結果を表1に示す。
(応力最大0〜20/s及び応力100/s)
実施例1〜3及び比較例1〜3による各組成物の応力プロファイル(Pa)を、300μmのギャップを有する25mm径の平滑プラスチックプレートを備えたレオメータ(ARES-RFS)を用いて、せん断速度を2分間に0から100/sに直線的に変化させながら、25℃で測定した。
0〜20/sの範囲でのせん断速度での応力プロファイルの最大値(応力最大0〜20/s)及び100/sのせん断速度での応力の値(応力100/s)を測定した。
表1に示すように、アクリルラテックスを含み、応力100/sより高い応力最大0〜20/sを有する実施例1〜3による組成物は、比較例1〜3による組成物よりも、ケラチン繊維に対してより良好なカール維持効果又は特性並びに抗皮脂及び濃さ増加効果又は特性を示しうることは明らかである。
特に、ラテックスの形態のポリウレタン/ポリ(メタ)アクリレートグラフトコポリマー及びアクリレートコポリマーをそれぞれ含む実施例1及び3による組成物は、ケラチン繊維に対するカール維持効果又は特性並びに抗皮脂及び濃さ増加効果又は特性の観点で、最も優れた性能を示すことができた。
応力最大0〜20/sと応力100/sとの間の差異は、ラテックスの形態のポリウレタン/ポリ(メタ)アクリレートグラフトコポリマーを含む実施例1で最も大きかった。従って、実施例1による組成物は、ケラチン繊維への塗布が最も容易であることが分かった。
一方で、比較例1〜3による組成物は、ケラチン繊維に対するカール維持効果又は特性並びに抗皮脂及び濃さ増加効果又は特性の全てに良好な性能を示すことはできなかった。

Claims (15)

  1. (a)少なくとも1種のアクリルラテックスと、
    (b)水と
    を含む、ケラチン繊維用組成物であって、
    組成物中の(a)アクリルラテックスの量は、組成物の全質量に対して、ポリマー活性物質として8質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは12質量%以上であり、
    0〜20/sの範囲のせん断速度での組成物の最大応力値は、100/sのせん断速度での組成物の応力値より高い、ケラチン繊維用組成物。
  2. (a)アクリルラテックスが、ポリウレタン/ポリ(メタ)アクリレートグラフトコポリマーラテックスを含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 組成物中の(a)アクリルラテックスの量が、組成物の全質量に対して、ポリマー活性物質として、50質量%以下、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 組成物中の(b)水の量が、組成物の全質量に対して、10〜80質量%、好ましくは20〜70質量%、より好ましくは30〜60質量%である、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. (c)少なくとも1種のワックスを更に含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 組成物中の(c)ワックスの量が、組成物の全質量に対して、3質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. (d)少なくとも1種の陰イオン性界面活性剤、好ましくはC16〜C24脂肪酸と組み合わせた2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオールを更に含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. (e)少なくとも1種の追加の膜形成ポリマーを更に含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 化粧用組成物、好ましくはメイクアップ化粧用組成物、より好ましくはマスカラである、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. ケラチン繊維をコーティングするための方法であって、
    ケラチン繊維上に請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物を塗布して、ケラチン繊維上に少なくとも1つのコーティングを形成する工程
    を含み、コーティングは、水及び/又は石鹸を使用してケラチン繊維から除去可能である、方法。
  11. 好ましくはケラチン繊維のカールを維持するための、より好ましくはケラチン繊維の濃さを増加させるための、化粧方法である、請求項10に記載の方法。
  12. 請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物を調製するための方法であって、
    (a)少なくとも1種のアクリルラテックスと、(b)水、及び、組成物の任意選択的成分とを、45℃以上、好ましくは50℃以上、より好ましくは55℃以上の温度で混合する工程
    を含む、方法。
  13. ケラチン繊維用化粧用組成物、好ましくはメイクアップ化粧用組成物、より好ましくはマスカラの、ケラチン繊維に対するカール維持効果、ケラチン繊維に対する抗皮脂及び/又は濃さ増加効果を改善するための方法であって、
    (a)少なくとも1種のアクリルラテックスを、化粧用組成物中に、45℃以上、好ましくは50℃以上、より好ましくは55℃以上の温度で添加する工程
    を含み、
    化粧用組成物は、(b)水を含み、
    (a)アクリルラテックスの添加量は、添加後の組成物の全質量に対して、8質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは12質量%以上であり、
    (a)アクリルラテックスの添加後の0〜20/sの範囲のせん断速度での化粧用組成物の最大応力値は、100/sのせん断速度での化粧用組成物の応力値より高い、方法。
  14. ケラチン繊維用化粧用組成物、好ましくはメイクアップ化粧用組成物、より好ましくはマスカラにおける、(a)少なくとも1種のアクリルラテックスの使用であって、
    化粧用組成物は、(b)水を含み、
    化粧用組成物中の(a)アクリルラテックスの量は、組成物の全質量に対して、8質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは12質量%以上であり、
    0〜20/sの範囲のせん断速度での化粧用組成物の最大応力値は、100/sのせん断速度での化粧用組成物の応力値より高い、
    化粧用組成物の、ケラチン繊維に対するカール維持効果、抗皮脂及び/又は濃さ増加効果を改善するための、使用。
  15. ケラチン繊維用化粧用組成物、好ましくはメイクアップ化粧用組成物、より好ましくはマスカラの、ケラチン繊維に対するカール維持効果、ケラチン繊維に対する抗皮脂及び/又は濃さ増加効果の改善に使用するためのアクリルラテックスであって、
    化粧用組成物は、水を含み、
    化粧用組成物中のアクリルラテックスの量は、組成物の全質量に対して、8質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは12質量%以上であり、
    0〜20/sの範囲のせん断速度での化粧用組成物の最大応力値は、100/sのせん断速度での化粧用組成物の応力値より高い、アクリルラテックス。
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