JP2018047634A - 液体噴出ヘッド及び液体噴出ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体噴出ヘッド及び液体噴出ヘッドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱や外力等が加わったとしても貫通孔から貫通配線がはみ出すことを抑制できる液体噴出ヘッド及び液体噴出ヘッドの製造方法を提供する。【解決手段】圧電素子が設けられた圧力室形成基板29と、圧力室形成基板29が第2の面36に接続された封止板33と、を備えた液体噴出ヘッドであって、封止板33は、封止板33を板厚方向に貫通した貫通部44、及び、貫通部44の内部に形成された導体からなる貫通配線45を備え、貫通部44及び貫通配線45の第1の面36に平行な面における断面積は、封止板33の板厚方向における途中から第1の面36に向けて大きくなっている。【選択図】図3

Description

本発明は、液体噴出ヘッド及び液体噴出ヘッドの製造方法に関するものである。
一般的に、液体噴出ヘッドを備え、この噴出ヘッドから各種の液体を噴出する液体噴出装置が知られている。この液体噴出装置としては、例えば、インクジェット式プリンターやインクジェット式プロッター等の画像記録装置があるが、最近ではごく少量の液体を所定位置に正確に着弾させることができるという特長を生かして各種の製造装置にも応用されている。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターを製造するディスプレイ製造装置、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極形成装置、バイオチップ(生物化学素子)を製造するチップ製造装置に応用されている。そして、画像記録装置用の記録ヘッドでは液状のインクを噴出し、ディスプレイ製造装置用の色材噴出ヘッドではR(Red)・G(Green)・B(Blue)の各色材の溶液を噴出する。また、電極形成装置用の電極材噴出ヘッドでは液状の電極材料を噴出し、チップ製造装置用の生体有機物噴出ヘッドでは生体有機物の溶液を噴出する。
上記の液体噴出ヘッドは、ノズルに連通する圧力室が形成された圧力室形成基板、圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる圧電素子(アクチュエーターの一種)、及び、当該圧電素子に対して間隔を開けて配置された封止板(インターポーザ板ともいう。)等が積層されている。そして、上記の圧電素子は、駆動IC(ドライバーICともいう。)から供給される駆動信号により駆動される。このような駆動ICは、封止板の上面(圧電素子とは反対側の面)に接続されるTCP(テープ・キャリア・パッケージ)に搭載され、或いは、封止板の上面に直接搭載され、封止板に形成された配線を介して駆動信号を圧電素子に供給する。この駆動ICと圧電素子とを中継する配線は、封止板の上面及び下面に形成された表面配線、並びに、封止板を貫通する貫通孔内に形成された貫通配線等から構成されている(例えば、特許文献1)。
ところで、上記した封止板の貫通孔内に貫通配線を形成する方法としては、例えば、スパッタリング法等により貫通孔内に導体との密着性を向上させる密着層(シード層)を製膜し、電解めっき法により密着層が製膜された貫通孔内に導体(金属)を成長させる方法がある。しかし、液体噴出ヘッドの小型化に伴い、貫通孔の内径が小さくなり、貫通孔のアスペクト比(貫通孔の開口径Dに対する貫通孔の長さL(又は基板厚)の比、すなわちL/D)が大きくなると、貫通孔の内部に密着層を形成することが困難になっていた。このため、特許文献2では、比較的大きいアスペクト比の貫通孔でも、この内部にまでカバレッジ(被覆)率の良い密着層を形成できるスパッタリング法が開示されている。
特開2012−126028号公報 特開2012−111996号公報
しかしながら、液体噴出ヘッドの小型化が更に進み、貫通孔のアスペクト比がより一層大きくなると、特許文献2に開示された方法でも十分な密着層が形成できない虞がある。すなわち、貫通孔内の内部における密着層のカバレッジ(被覆)率が悪化する虞がある。その結果、貫通孔内に形成される導体と貫通孔の内壁との密着性が悪化し、その後の製造工程や製品の仕様環境等により熱が加わると、封止板と導体との熱膨張率の差により貫通孔内の導体が貫通孔から外側にはみ出したり(突出したり)、抜け落ちたりする虞があった。また、たとえ貫通孔内に密着層が形成できたとしても、封止板と導体との熱膨張の差が大きいと、導体の抜け落ちが起きる虞があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱や外力等が加わったとしても貫通孔から貫通配線が抜け落ちるのを抑制できる液体噴出ヘッド及び液体噴出ヘッドの製造方法を提供することにある。
[適用例1]本適用例に係る液体噴出ヘッドは、圧電素子が設けられた第1の基板と、前記第1の基板が第1の面に接続された第2の基板と、を備えた液体噴出ヘッドであって、前記第2の基板は、当該第2の基板を板厚方向に貫通した貫通部、及び当該貫通部の内部に形成された導体からなる貫通配線を備え、前記貫通部は、前記第2の基板の第1の面とは反対側の第2の面に設けられた第1凹部と、前記第1凹部と連通し前記第1の面側に貫通する貫通孔とを有し、平面視において、前記貫通孔は前記第1凹部に内包するようにオーバーラップしており、前記貫通孔と前記第1凹部との間が前記第1凹部から前記貫通孔に向かう方向に対し傾斜を有する面で連通していることを特徴とする。
本適用例によれば、第1凹部と第1凹部から連通する傾斜面によって貫通孔の内壁面と貫通配線との接触面積が増大し、貫通孔の内壁面と貫通配線との密着力を向上させることができる。また、貫通配線を第1凹部の内側に設けることで、横断面積を増大させて配線抵抗を低減することができる。また、電界や応力が集中し易い角を減らすことが出きる。
[適用例2]上適用例に記載の液体噴出ヘッドにおいて、前記貫通部は、前記第1の面に設けられた第2凹部をさらに有し、平面視において、前記貫通孔は前記第2凹部に内包するようにオーバーラップしており、前記貫通孔と前記第2凹部との間が前記第2凹部から前記貫通孔に向かう方向に対し傾斜を有する面で連通していることが好ましい。
本適用例によれば、貫通孔の開口を大きくすることなく、第1凹部と第2凹部とによって貫通孔と貫通配線との接触面積をさらに増大させて、密着力を向上させることができる。
[適用例3]上適用例に記載の液体噴出ヘッドにおいて、前記第2の基板は、シリコン基板から成ることが好ましい。
本適用例によれば、貫通部の一部をウェットエッチング法により作成できるため、第2の基板の製造が容易になる。また、第1の面又は第2の面に対して傾斜した方向にエッチングが進むため、第1凹部又は第2凹部と貫通孔とを連通する傾斜面を容易に作製することができる。
[適用例4]上適用例に記載の液体噴出ヘッドにおいて、前記貫通配線は、前記第1の面に垂直な方向に延設されていることが好ましい。
本適用例によれば、貫通配線の形成が容易になり、第2の基板の製造が一層容易になる。
[適用例5]本適用例に係る液体噴出ヘッドの製造方法は、圧電素子が設けられた第1の基板と、前記第1の基板が第1の面に接続された第2の基板と、を備えた液体噴出ヘッドの製造方法であって、前記第2の基板の前記第1の面とは反対側の第2の面に第1凹部を形成する第1凹部形成工程と、前記第1凹部と連通し前記第2基板の前記第1の面側に貫通する貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、前記貫通孔及び前記第1凹部と連通し前記第1凹部から前記貫通孔に向かう方向に対し第1傾斜部を形成する第1傾斜部形成工程と、電解めっき法により前記第1凹部、前記貫通孔、前記第1傾斜部の内部に導体を形成する貫通配線形成工程と、を含むことを特徴とする。
本適用例によれば、第1の面に平行な面における断面積が第2の基板の板厚方向における途中から第2の面に向けて大きくなった導体(すなわち貫通配線)を容易に作成できる。また、電解めっき法により導体を形成するため、貫通路のアスペクト比が高い場合でも、貫通路内に導体を確実に形成できる。
[適用例6]上適用例に記載の液体噴出ヘッドの製造方法において、前記貫通孔と連通し前記第2の基板の前記第2の面に第2凹部を形成する第2凹部形成工程と、前記貫通孔及び前記第2凹部と連通し前記第2凹部から前記貫通孔に向かう方向に対し第2傾斜部を形成する第2傾斜部形成工程と、を含むことが好ましい。
本適用例によれば、第1の面に平行な面における断面積が第2の基板の板厚方向における途中から第1の面及び第2の面に向けて大きくなった導体(すなわち貫通配線)を容易に作成できる。
プリンターの構成を説明する斜視図である。 記録ヘッドの構成を説明する断面図である。 封止板の要部を拡大した断面図である。 貫通配線の構成を説明する断面図である。 貫通配線の製造工程を説明する断面図である。 貫通配線の製造工程を説明する断面図である。 貫通配線の製造工程を説明する断面図である。 貫通配線の製造工程を説明する断面図である。 貫通配線の製造工程を説明する断面図である。 第2実施形態における記録ヘッドの封止板の要部を拡大した断面図である。 第2実施形態における貫通配線の製造工程を説明する断面図である。 第2実施形態における貫通配線の製造工程を説明する断面図である。 第2実施形態における貫通配線の製造工程を説明する断面図である。 第2実施形態における貫通配線の製造工程を説明する断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、液体噴出ヘッドの一種であるインクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッド3)、及び、これを搭載した液体噴出装置の一種であるインクジェット式プリンター(以下、プリンター1)を例に挙げて説明する。
(第1実施形態)
<液体噴出装置(プリンター)>
プリンター1の構成について、図1を参照して説明する。図1は、プリンター1の構成を説明する斜視図である。プリンター1は、記録紙等の記録媒体2(着弾対象の一種)の表面に対してインク(液体の一種)を噴出して画像等の記録を行う装置である。このプリンター1は、記録ヘッド3、この記録ヘッド3が取り付けられるキャリッジ4、キャリッジ4を主走査方向に移動させるキャリッジ移動機構5、記録媒体2を副走査方向に移送する搬送機構6等を備えている。ここで、上記のインクは、液体供給源としてのインクカートリッジ7に貯留されている。このインクカートリッジ7は、記録ヘッド3に対して着脱可能に装着される。なお、インクカートリッジ7がプリンター1の本体側に配置され、当該インクカートリッジからインク供給チューブを通じて記録ヘッド3に供給される構成を採用することもできる。
上記のキャリッジ移動機構5はタイミングベルト8を備えている。そして、このタイミングベルト8はDCモーター等のパルスモーター9により駆動される。したがってパルスモーター9が作動すると、キャリッジ4は、プリンター1に架設されたガイドロッド10に案内されて、主走査方向(記録媒体2の幅方向)に往復移動する。キャリッジ4の主走査方向の位置は、位置情報検出手段の一種であるリニアエンコーダー(図示せず)によって検出される。リニアエンコーダーは、その検出信号、即ち、エンコーダーパルス(位置情報の一種)をプリンター1の制御部に送信する。
<液体噴出ヘッド(記録ヘッド)>
次に、記録ヘッド3について、図2を参照して説明する。図2は、記録ヘッド3の構成を説明する断面図である。図3は、封止板33の要部を拡大した断面図である。図4は、貫通配線45の構成を説明する断面図である。
本実施形態における記録ヘッド3は、図2に示すように、圧電デバイス14及び流路ユニット15が積層された状態でヘッドケース16に取り付けられている。なお、便宜上、各部材の積層方向を上下方向として説明する。
ヘッドケース16は、合成樹脂製の箱体状部材であり、その内部には後述する共通液室25にインクを供給する液体導入路18が形成されている。この液体導入路18は、後述する共通液室25と共に、複数並設された圧力室30に共通なインクが貯留される空間である。本実施形態では、2列に並設された圧力室30の列に対応して2つ形成されている。また、2つの液体導入路18の間には、ヘッドケース16の下面側からヘッドケース16の高さ方向の途中まで直方体状に窪んだ収容空間17が形成されている。この収容空間17内には、連通基板24上に積層された圧電デバイス14(圧力室形成基板29、封止板33等)が収容されている。
ヘッドケース16の下面に接合された流路ユニット15は、連通基板24及びノズルプレート21を有している。連通基板24は、シリコン製の板材であり、本実施形態では、表面(上面及び下面)の結晶面方位を(110)面としたシリコン単結晶基板から作製されている。この連通基板24には、図2に示すように、液体導入路18と連通し、各圧力室30に共通なインクが貯留される共通液室25と、この共通液室25を介して液体導入路18からのインクを各圧力室30に個別に供給する個別連通路26とが、エッチング(ウェットエッチング法又はドライエッチング法)により形成されている。共通液室25は、ノズル列方向に沿った長尺な空部であり、2列に並設された圧力室30の列に対応して2列に形成されている。個別連通路26は、共通液室25の圧力室30に対応する位置に複数開口されている。すなわち、個別連通路26は、圧力室30の並設方向に沿って複数形成されている。この個別連通路26は、連通基板24と圧力室形成基板29とが接合された状態で、対応する圧力室30の長手方向における一側の端部と連通する。
また、連通基板24の各ノズル22に対応する位置には、連通基板24の板厚方向を貫通したノズル連通路27が形成されている。すなわち、ノズル連通路27は、ノズル列に対応して当該ノズル列方向に沿って複数形成されている。このノズル連通路27によって、圧力室30とノズル22とが連通する。本実施形態のノズル連通路27は、連通基板24と圧力室形成基板29とが接合された状態で、対応する圧力室30の長手方向における他側(個別連通路26とは反対側)の端部と連通する。
ノズルプレート21は、連通基板24の下面(圧力室形成基板29とは反対側の面)に接合されたシリコン製の基板(例えば、シリコン単結晶基板)である。本実施形態では、このノズルプレート21により、共通液室25となる空間の下面側の開口が封止されている。また、ノズルプレート21には、複数のノズル22が直線状(列状)に開設されている。本実施形態では、2列に形成された圧力室30の列に対応して、ノズル列が2列形成されている。この並設された複数のノズル22(ノズル列)は、一端側のノズル22から他端側のノズル22までドット形成密度に対応したピッチで、主走査方向に直交する副走査方向に沿って等間隔に設けられている。なお、ノズルプレート21を連通基板24における共通液室25から内側に外れた領域に接合し、共通液室25となる空間の下面側の開口を例えば可撓性を有するコンプライアンスシート等の部材で封止することもできる。このようにすれば、ノズルプレート21を可及的に小さくできる。
本実施形態の圧電デバイス14は、図2に示すように、圧力室形成基板29、振動板31、圧電素子32、封止板33、及び駆動IC34が積層されてユニット化され、収容空間17内に収容されている。
圧力室形成基板29は、シリコン製の硬質な板材であり、本実施形態では、表面(上面及び下面)の結晶面方位を(110)面としたシリコン単結晶基板から作製されている。この圧力室形成基板29には、エッチングにより一部が板厚方向に完全に除去されて、圧力室30となるべき空間がノズル列方向に沿って複数並設されている。この空間は、下方が連通基板24により区画され、上方が振動板31により区画されて、圧力室30を構成する。また、この空間、すなわち圧力室30は、2列に形成されたノズル列に対応して2列に形成されている。各圧力室30は、ノズル列方向に直交する方向に長尺に形成され、長手方向の一側の端部に個別連通路26が連通すると共に、他側の端部にノズル連通路27が連通する。
振動板31は、弾性を有する薄膜状の部材であり、圧力室形成基板29の上面(連通基板24側とは反対側の面)に積層されている。この振動板31によって、圧力室30となるべき空間の上部開口が封止されている。換言すると、振動板31によって、圧力室30の上面が区画されている。この振動板31における圧力室30(詳しくは、圧力室30の上部開口)に対応する部分は、圧電素子32の撓み変形に伴ってノズル22から遠ざかる方向あるいは近接する方向に変位する変位部として機能する。すなわち、振動板31における圧力室30の上部開口に対応する領域が、撓み変形が許容される駆動領域となる。この駆動領域(変位部)の変形(変位)により、圧力室30の容積は変化する。一方、振動板31における圧力室30の上部開口から外れた領域が、撓み変形が阻害される非駆動領域となる。なお、圧力室形成基板29及びこれに積層された振動板31が本発明における第1の基板に相当する。
本実施形態における圧電素子32は、所謂撓みモードの圧電素子である。この圧電素子32は、例えば、振動板31上における各圧力室30に対応する領域に、下電極層、圧電体層及び上電極層が順次積層されてなる。このように構成された圧電素子32は、下電極層と上電極層との間に両電極の電位差に応じた電界が付与されると、ノズル22から遠ざかる方向あるいは近接する方向に撓み変形する。また、各圧電素子32は、ノズル列方向に沿って2列に並設された圧力室30に対応して、当該ノズル列方向に沿って2列に形成されている。さらに、図2に示すように、各圧電素子32からは、駆動配線37が圧電素子32より外側(すなわち、非駆動領域)まで引き回されている。この駆動配線37は、圧電素子32を駆動するための駆動信号を当該圧電素子32に供給する配線であり、圧電素子32からノズル列方向(すなわち、圧電素子32の並設方向)に直交する方向に沿って振動板31の端部まで延設されている。
図2及び図3に示すように、封止板33(本発明における第2の基板に相当)は、下面である第1の面35と振動板31(或いは、圧電素子32)との間に空間が形成されるように、振動板31に接続された平板状の基板である。本実施形態では、封止板33と圧力室形成基板29(本発明における第1の基板に相当する、詳しくは、振動板31が積層された圧力室形成基板29)とは、熱硬化性及び感光性の両方の特性を有する感光性接着剤43により接合されている。また、封止板33は、シリコン基板としての表面(上面及び下面)の結晶面方位を(110)面としたシリコン単結晶基板から作製されている。なお、封止板33の表面は、例えば、SiO2やSiN等からなる絶縁膜39に覆われている。
この封止板33の上面である第2の面36(第1の面35(圧電素子32側の面)とは反対側の面)には、圧電素子32を駆動するための駆動信号を出力する駆動IC34が配置されている。また、封止板33の第1の面35には、駆動IC34からの駆動信号を圧電素子32側に出力する複数の樹脂コアバンプ40が形成されている。この樹脂コアバンプ40は、図2に示すように、一方の圧電素子32の列から延設された一方の駆動配線37に対応する位置、及び、他方の圧電素子32の列から延設された他方の駆動配線37に対応する位置に、それぞれノズル列方向に沿って複数形成されている。そして、各樹脂コアバンプ40は、それぞれ対応する駆動配線37に接続されている。
本実施形態における樹脂コアバンプ40は、弾性を有しており、封止板33の駆動配線37(具体的には、駆動配線37の端子部)に対向する領域において振動板31側に向けて突設されている。具体的には、図2及び図3に示すように、樹脂コアバンプ40は、封止板33の第1の面35に形成(突設)された弾性体からなる樹脂部40a(本発明における樹脂に相当)と、当該樹脂部40aの振動板31側の表面に沿って形成された電極層40b(本発明における電極端子に相当)と、を備えている。本実施形態における樹脂部40aは、封止板33の下面においてノズル列方向に沿って突条に形成されている。また、電極層40bは、ノズル列方向に沿って並設された圧電素子32に対応して、当該ノズル列方向に沿って複数形成されている。すなわち、樹脂コアバンプ40は、ノズル列方向に沿って複数形成されている。
そして、樹脂部40a及び電極層40bの駆動配線37に対向する側の面(樹脂コアバンプ40の下面)は、ノズル列方向に直交する方向における断面視で圧力室形成基板29側に向けて円弧状に湾曲して形成されている。このような樹脂コアバンプ40は、その下面の円弧状の部分が対応する駆動配線37(駆動配線37の端子部)に押し当てられて弾性変形することで、圧力室形成基板29上の駆動配線37と導通する。すなわち、封止板33と圧力室形成基板29との間に(両者が近づく方向に)加重を加えて樹脂部40aが弾性変形した状態で、電極層40bと駆動配線37(駆動配線37の端子部)とが電気的に接続する。要するに、電極層40bは、封止板33側の配線(下面側配線47)と圧力室形成基板29側の配線(駆動配線37)との電気的な接続を行う電極端子として機能する。このように、樹脂部40aが弾性変形することで、少ない加重でも電極層40bを確実に接続することができる。
なお、樹脂コアバンプ40の樹脂部40aは、封止板33に樹脂をパターニングした後、熱を加えることで作成される。具体的には、封止板33の第1の面35に樹脂膜を製膜し、エッチング等により樹脂部40aとなる位置に樹脂をパターニングする。その後、例えば、約250℃に加熱し、その角を丸めて先端部が湾曲した樹脂部40aを形成する。なお、樹脂部40aとしては、例えば、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等からなる弾性を有する樹脂が用いられる。また、電極層40bとしては、例えば、金(Au)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、又は、これらの合金等からなる金属が用いられる。
また、各電極層40bは、封止板33の第1の面35(下面)において、樹脂部40a上からノズル列方向に直交する方向に沿って内側(圧電素子32側)に外れて延設され、下面側配線47となる。この下面側配線47は、樹脂コアバンプ40と貫通配線45(後述)とを接続する配線であり、樹脂部40a上の電極層40bとなる位置から貫通配線45に対応する位置まで延設されている。換言すると、封止板33の第1の面35に形成された下面側配線47の一部は、貫通配線45に対応する位置からノズル列方向に直交する方向に沿って樹脂部40a上まで延設されて、樹脂コアバンプ40の電極層40bを形成する。
さらに、図2に示すように、封止板33の第2の面36(上面)における中央部(樹脂コアバンプ40に対応する領域から外れた領域)には、駆動IC34に電源電圧等(例えば、VDD1(低電圧回路の電源)、VDD2(高電圧回路の電源)、VSS1(低電圧回路の電源)、VSS2(高電圧回路の電源))を供給する電源配線53が複数(本実施形態では4つ)形成されている。この電源配線53は、封止板33の第2の面36に埋め込まれた上面側埋設配線50と、当該上面側埋設配線50を覆うように積層された上面側配線46とからなる。この電源配線53の上面側配線46上に、対応する駆動IC34の電源バンプ電極56が電気的に接続される。なお、上面側埋設配線50は、銅(Cu)等の金属(導体)からなる。
また、封止板33の上面における両端側の領域(詳しくは、電源配線53が形成された領域から外側に外れた領域であって、樹脂コアバンプ40に対応する領域)には、図2及び図3に示すように、駆動IC34の駆動バンプ電極57が接続されて、当該駆動IC34からの信号が入力される接続端子54が形成されている。この接続端子54は、圧電素子32に対応して、ノズル列方向に沿って複数形成されている。各接続端子54からは、内側(圧電素子32側)に向けて上面側配線46が延設されている。この上面側配線46は、貫通配線45を介して、対応する下面側配線47と接続されている。なお、貫通配線45の構成に関し、詳しくは後述する。
封止板33上に配置される駆動IC34は、圧電素子32を駆動するための信号を出力するICチップであり、異方性導電フィルム(ACF)等の接着剤59を介して封止板33の第2の面36上に積層されている。図2及び図3に示すように、この駆動IC34の封止板33側の面には、電源配線53に接続される電源バンプ電極56、及び、接続端子54に接続される駆動バンプ電極57が、ノズル列方向に沿って複数並設されている。電源バンプ電極56は、電源配線53からの電圧(電力)を駆動IC34内の回路に取り込む端子である。また、駆動バンプ電極57は、各圧電素子32を駆動する信号を出力する端子である。本実施形態の駆動バンプ電極57は、2列に並設された圧電素子32の列に対応して、電源バンプ電極56の両側に2列形成されている。
そして、上記のような構成の記録ヘッド3では、インクカートリッジ7からのインクを液体導入路18、共通液室25、及び個別連通路26を介して圧力室30に導入する。この状態で、駆動IC34からの駆動信号を、封止板33に形成された各配線を介して圧電素子32に供給することで、圧電素子32を駆動させて圧力室30に圧力変動を生じさせる。この圧力変動を利用することで、記録ヘッド3はノズル連通路27を介してノズル22からインク滴を噴出する。
次に、貫通配線45の構成について、図3及び図4を参照して詳しく説明する。貫通配線45は、図3及び図4に示すように、封止板33の第1の面35と第2の面36(具体的には、下面側配線47と上面側配線46)との間を中継する、第1の面35に垂直な方向(すなわち、板厚方向)に延設された配線である。この貫通配線45は、金属等の導体からなり、封止板33を板厚方向に貫通した貫通部44の内部に充填されている。換言すると、貫通配線45は、封止板33を板厚方向に貫通した貫通部44の内部に形成された導体からなる。なお、本実施形態の貫通配線45となる導体は、電解めっき法により容易に作製できることから、銅(Cu)が用いられている。
図4に示すように、貫通部44の第1の面35に平行な面(すなわち、第1の面35の面方向、或いは板厚方向に対して垂直な面)における断面積は、封止板33の板厚方向における途中から第2の面36に向けて大きくなっている。換言すると、貫通部44の第2の面36から板厚方向の所定の範囲(後述する第1凹部61の形成範囲)までの断面積は、貫通部44の残りの範囲(後述する貫通孔63の形成範囲)における断面積よりも大きくなっている。このため、この貫通部44に充填される貫通配線45の第1の面35に平行な面における断面積も、封止板33の板厚方向における途中から第2の面36に向けて大きくなっている。具体的には、図4に示すように、貫通部44は、封止板33の第2の面36における一部を板厚方向の途中まで除去した第1凹部61と、第1の面35に平行な面(板厚方向に対して垂直な面)における断面積が第1凹部61よりも小さい貫通孔63と、第1凹部61と貫通孔63とを連通する第1傾斜部62と、を備えている。本実施形態における第1凹部61は、第2の面36に垂直な方向に延在した側壁により区画されている。第1傾斜部62は、第2の面36側の開口から貫通孔63に向けて次第に縮径するような傾斜を有する面(傾斜面)であり、貫通孔63は、この第1傾斜部62と連通する縦長な孔である。本実施形態における貫通孔63の上端は平面視において第1凹部61に内包するようにオーバーラップするよう開口している。
そして、この貫通部44の内部に充填される貫通配線45は、第1凹部61及び第1傾斜部62内に形成される第1接続配線67と、貫通孔63内に形成される第2接続配線68と、からなる。すなわち、貫通配線45は、封止板33の第2の面36から板厚方向の途中まで延在した第1接続配線67と、第1の面35から第1接続配線67までを繋ぐ第2接続配線68と、を備えている。そして、第2接続配線68の第1の面35に平行な面における断面積は、第1接続配線67の第1の面35に平行な面における断面積よりも小さく形成されている。
なお、本実施形態における貫通部44の長さL(すなわち、封止板33の厚さ)は、例えば、約300μm〜約400μmに設定される。また、貫通部44の開口径D(第1凹部61の開口径)は、例えば、約20μm〜約30μmに設定される。すなわち、貫通部44のアスペクト比L/Dは、約10以上に設定される。なお、貫通部44の内壁(すなわち、第1凹部61の側壁及び第1傾斜部62、並びに、貫通孔63の側壁)は、封止板33の表面と同様に絶縁膜39で覆われている。そして、貫通配線45は、この絶縁膜39上に形成されている。すなわち、貫通配線45と貫通部44との間には、絶縁膜39が形成されている。そして、貫通配線45のうち第1凹部61の開口部に露出した部分は、対応する上面側配線46により被覆されている。また、貫通配線45のうち第1の面35側に露出した第2接続配線68は、対応する下面側配線47により被覆されている。すなわち、この貫通配線45により、接続端子54から延設された上面側配線46と、これに対応する樹脂コアバンプ40から延設された下面側配線47とが電気的に接続されている。
このように、貫通部44及び貫通配線45の断面積が第2の面36に向けて大きくなっているため、熱や外力等が封止板33に加わったとしても貫通配線45が貫通部44から外側に抜け落ちるのを抑制できる。例えば、封止板33に樹脂コアバンプ40の樹脂部40aを形成する際における加熱処理において、貫通配線45と封止板33との熱膨張率(線膨張率)の違いにより、貫通配線45を貫通部44から排出させる方向に力が働く虞がある。このような力が働いたとしても、第1凹部61内に充填された貫通配線45の導体部分が貫通孔63に入らないため、抜け止めとなり、貫通配線45が貫通部44から外側に抜け落ちるのを抑制できる。また、貫通部44の形状により、貫通配線45を密着させる密着層の面積を広く確保できるため、貫通孔63内への密着層を形成する必要が無い。特に、貫通部44のアスペクト比L/Dが大きく、貫通孔63の内部に密着層を形成できない場合でも、貫通部44内に貫通配線45を安定して定着させることができる。さらに、貫通配線45は、第1の面35に垂直な方向に延設されたので、貫通配線45の形成が容易になり、封止板33の製造が一層容易になる。
<液体噴出ヘッド(記録ヘッド)の製造方法>
次に、第1実施形態に係る液体噴出ヘッドの製造方法として、貫通配線45の製造方法について、図5〜図9を参照して説明する。図5〜図9は、貫通配線45の製造工程を説明する断面図である。
まず、図5に示すように、第1凹部形成工程において、シリコン単結晶基板からなる封止板33の第2の面36における一部を板厚方向の途中まで除去して第1凹部61を形成する。具体的には、露光工程及び現像工程を経て、封止板33の第2の面36に、第1凹部61等に対応する位置が開口したマスク層を形成し、その後、ドライエッチング法により封止板33を掘り進めて第1凹部61を形成する。第1凹部61が形成されたならば、マスク層を除去する。
封止板33に、第1凹部61が形成されたならば、図6に示すように、貫通孔形成工程において、第1凹部61に連通する貫通孔63を形成する。ここで貫通孔63は、第1の面35に平行な面(板厚方向に対して垂直な面)における断面積が第1凹部61よりも小さくなるように形成される。このような貫通孔63は、例えば、深掘りRIE(Deep RIE)等のドライエッチングやレーザーにより形成できる。本実施形態では、アスペクト比の高い貫通孔63を容易に作製できることから、レーザー加工法を用いている。
封止板33に、第1凹部61および貫通孔63が形成されたならば、図7に示すように、第1傾斜部形成工程において、第1凹部61と貫通孔63を連通する第1傾斜部62を形成する。すなわち、貫通部44を形成する。このような第1傾斜部62は、表面の結晶面方位を(110)面としたシリコン単結晶基板をウェットエッチング法により掘り進めるため、第2の面36から貫通孔63側に向けて縮径した第1傾斜部62が形成される。貫通部44が形成されたならば、図8に示すように、封止板33の第1の面35、第2の面36、および貫通部44の内壁に絶縁膜39を形成する。本実施形態における絶縁膜39は、熱酸化膜(SiO2)からなり、熱酸化処理を行うことで形成される。
そして、最後に、図9に示すように、貫通配線形成工程において、電解めっき法により貫通部44(すなわち、第1凹部61、第1傾斜部62、及び貫通孔63)の内部に貫通配線45となる導体(本実施形態では、銅(Cu))を形成する。また、本実施形態では、貫通孔63の内部に密着層(シード層)を形成することなく、貫通配線45を形成する。このような方法としては、種々の方法が採用できる。例えば、貫通部44の第1の面35側開口縁に、スパッタリング法等により密着層(シード層)を形成し、電解めっき法により、この密着層上に導体を成長させて、密着層が形成された開口縁を導体で塞ぐ。そして、この開口縁を塞いだ導体を核として、電解めっき法により、第1凹部61まで導体を成長させることで、貫通部44内を導体で充填する。なお、封止板33の第2の面36よりも外側に析出した導体は、CMP(化学機械研磨)法等を用いて除去される。これにより、図9に示すような貫通配線45が形成される。
このような方法により、第1の面35に平行な面における断面積が封止板33の板厚方向における途中から第2の面36に向けて大きくなった貫通配線45を容易に作成できる。その結果、その後の製造過程やプリンター1の仕様環境等において、熱や外力等が封止板33に加わったとしても貫通配線45が貫通部44から外側に抜け落ちるのを抑制できる。また、電解めっき法により貫通配線45を形成したので、貫通孔63のアスペクト比が高い場合でも、貫通孔63内に導体を確実に形成できる。さらに、ドライエッチング法により第1凹部61を形成したので、第1凹部61を精度良く形成できる。そして、上記のような電解めっき法により貫通配線45を形成したので、貫通孔63の内部に密着層を形成することなく、貫通配線45を形成できる。その結果、アスペクト比が高く、貫通部44内に密着層が形成し難い場合であっても、貫通配線45を安定して形成することができる。
特開2011−111996にも開示されるように、従来の貫通孔63では、アスペクト比が3以上の場合に、カバレッジ(被覆)率の良い密着層を形成することが困難となっていた。その結果、電解めっき法により貫通孔63内に貫通配線45を形成したとしても密着力を確保できず、熱や外力等が封止板に加わった際に貫通配線45が貫通孔63から外側にはみ出す虞があった。このため、アスペクト比L/Dが3以上の貫通孔63に貫通配線45を形成する場合に、本発明を適用することが望ましい。また、第2接続配線68のアスペクト比L’/D’(L’は第2接続配線68の長さ、D’は第2接続配線68の開口径:図4参照)が3以上の場合に、上記した密着層を形成しない電解めっき法を用いて貫通配線45を形成することが望ましい。
さらに、たとえ貫通孔63内に密着層が形成できたとしても、アスペクト比L/Dの高い貫通孔63内に導体を成長させた場合、貫通配線45内にボイドが発生する虞がある。しかしながら、本実施形態においては、密着層を形成しない電解めっき法により貫通部44の内部に貫通配線45を形成したので、このようなボイドの発生を抑制できる。また、この様な方法で形成したとしても、貫通配線45の断面積が封止板33の板厚方向における途中から第2の面36に向けて大きくなるように構成し、さらに第1傾斜部62の傾斜面の構成により貫通部44内のめっき液の交換率を向上させているので、貫通配線45内のボイドの発生を抑制でき、貫通配線45を貫通部44内に安定して定着させることができる。
ところで、貫通部44及び貫通配線45の形状は、上記した第1の実施形態に限られない。上記した第1の実施形態では、第1の面35と平行な面における断面積が封止板33の板厚方向における途中から第2の面36に向かい大きくなるよう形成したが、貫通部44及び貫通配線45の第1の面35に平行な面における断面積が封止板33の板厚方向における途中から第1の面35および第2の面36に向けて大きくなっていても良い。すなわち、貫通部44の第1の面35から板厚方向の所定の範囲までの断面積および第2の面36から板厚方向の所定の範囲までの断面積は、貫通孔63の断面積よりも大きくなっている。このため、この貫通部44に充填される貫通配線45の第1の面35に平行な面における断面積も、封止板33の板厚方向における途中から第1の面35及び第2の面36に向けて大きくなっている。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る液体噴出ヘッド及び液体噴出ヘッドの製造方法について、図10〜図14を参照して説明する。
<液体噴出ヘッド(記録ヘッド)>
図10は、第2の実施形態における封止板33aの要部を拡大した断面図であり、図11〜図14は、第2の実施形態における貫通配線45aの製造工程を説明する断面図である。
図10に示すように、本実施形態における封止板33aの貫通部44aは、封止板33aの第2の面36における一部を板厚方向の途中まで除去した第1凹部61と、第1の面35における一部を板厚方向の途中まで除去した第2凹部64と、第1の面35に平行な面における断面積が第1凹部61や第2凹部64よりも小さい貫通孔63aと、第1凹部61と貫通孔63aとを連通する第1傾斜部62と、第2凹部64と貫通孔63aと、を連通する第2傾斜部65を備えている。そして、この貫通部44aの内部に充填される貫通配線45aは、第1凹部61及び第1傾斜部62内に形成される第1接続配線67と、第2凹部64及び第2傾斜部65内に形成される第3接続配線69と、貫通孔63a内に形成される第2接続配線68と、からなる。また、貫通孔63aは、平面視において、第1凹部61や第2凹部64に内包するようにオーバーラップしている。なお、その他の構成は、上記した第1の実施形態と同じであるため、説明を省略する。
これにより、第1の実施形態における貫通部44及び貫通配線45と比べて、貫通部44aの内壁に形成される密着層の面積を増やすことができる。その結果、貫通配線45aの密着力をさらに増やすことができ、封止板33aの信頼性を向上させることができる。
<液体噴出ヘッド(記録ヘッド)の製造方法>
次に、第2実施形態に係る液体噴出ヘッドの製造方法として、貫通配線45aの製造方法について、図11〜図14を参照して説明する。図11〜図14は、貫通配線45aの製造工程を説明する断面図である。
まず、図11に示すように、第1実施形態同様、第1凹部形成工程において、第1凹部61を形成する。その後、第2凹部形成工程において、封止板33aの第1の面35における一部を板厚方向の途中まで除去して第2凹部64を形成する。具体的には、露光工程及び現像工程を経て、封止板33aの第1の面35に、第2凹部64等に対応する位置が開口したマスク層を形成し、その後、ドライエッチング法により封止板33aを掘り進めて、第2凹部64を形成する。第2凹部64が形成されたならば、マスク層を除去する。なお、第1凹部形成工程と第2凹部形成工程とは、何れの工程を先に行っても良い。
封止板33aに、第1凹部61及び第2凹部64が形成されたならば、第1の実施形態と同様に、図12に示すように、貫通孔形成工程において、第1凹部61及び第2凹部64を連通する貫通孔63aを形成する。本実施形態では、第1凹部61の底部の中心部と第2凹部64の底部の中心部と、を貫通する貫通孔63aを形成する。なお、貫通孔63aの形成方法は、第1の実施形態と同様である。これにより、第1の面35に平行な面(板厚方向に対して垂直な面)における断面積が、第1凹部61及び第2凹部64よりも小さくなった貫通孔63aが形成される。その後、図13に示すように、第1傾斜部形成工程と第2傾斜部形成工程において、第1傾斜部62と第2傾斜部65を形成する。第1傾斜部62と第2傾斜部65の形成方法は、第1実施形態と同様、表面の結晶面方位を(110)面としたシリコン単結晶基板をウェットエッチング法により掘り進める。そのため、第1傾斜部62は、第2の面36側の開口から貫通孔63aに向けて次第に縮径するように構成され、第2傾斜部65は第1の面35側の開口から貫通孔63aに向けて縮径するよう形成される。貫通部44aが形成されたならば、封止板33aの第1の面35、第2の面36、及び貫通部44aの内壁に絶縁膜39を形成する。本実施形態でも、熱酸化処理を行うことで絶縁膜39が形成される。最後に、図14に示すように、貫通配線形成工程において、電解めっき法により貫通部44a(すなわち、第1凹部61、第1傾斜部62、第2凹部64、第2傾斜部65、及び貫通孔63a)の内部に貫通配線45a(すなわち、第1接続配線67、第2接続配線68、第3接続配線69)となる導体(本実施形態では、銅(Cu))を形成する。なお、電解めっき法により貫通部44a内に導体を形成する方法は、上記した第1の実施形態と同じであるため、説明を省略する。
また、上記した本実施形態では、貫通部44,44aの内壁と導体である貫通配線45,45aとの間に、絶縁膜39のみを設けたが、これには限られない。例えば、貫通配線45,45aと絶縁膜39との間に、導体の拡散を防止する拡散防止膜を形成しても良い。この拡散防止膜は、例えば窒化チタン(TiN)等により形成される。なお、製品の仕様等により、絶縁膜39による拡散防止能力で十分な場合には、本実施形態のように、拡散防止膜を設けなくても良い。
さらに、圧電デバイス14の構成は、本実施形態のように封止板33,33aに駆動IC34が積層された構成に限られない。例えば、封止板33,33aに駆動IC34が積層されず、封止板33,33aの表面に直接駆動回路を形成した構成を採用することもできる。換言すると、駆動回路が形成された駆動IC34を、封止板33,33aとして用いることができる。その他、駆動IC34が搭載されたTCP(テープ・キャリア・パッケージ)等を、封止板33,33aの上面に接続する構成を採用することもできる。
そして、以上では、液体噴出ヘッドの一種として、記録ヘッド3を例に挙げて説明したが、本発明は、基板を貫通する貫通配線を備えたものであれば、その他の液体噴出ヘッドにも適用することができる。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴出ヘッド、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材噴出ヘッド、バイオチップ(生物化学素子)の製造に用いられる生体有機物噴出ヘッド等にも本発明を適用することができる。
1…プリンター、2…記録媒体、3…記録ヘッド、4…キャリッジ、5…キャリッジ移動機構、6…搬送機構、7…インクカートリッジ、8…タイミングベルト、9…パルスモーター、10…ガイドロッド、14…圧電デバイス、15…流路ユニット、16…ヘッドケース、17…収容空間、18…液体導入路、21…ノズルプレート、22…ノズル、24…連通基板、25…共通液室、26…個別連通路、27…ノズル連通路、29…圧力室形成基板、30…圧力室、31…振動板、32…圧電素子、33,33a…封止板、34…駆動IC、35…第1の面、36…第2の面、37…駆動配線、39…絶縁膜、40…樹脂コアバンプ、40a…樹脂部、40b…電極層、43…感光性接着剤、44,44a…貫通部、45,45a…貫通配線、46…上面側配線、47…下面側配線、50…上面側埋設配線、53…電源配線、54…接続端子、56…電源バンプ電極、57…駆動バンプ電極、59…接着剤、61…第1凹部、62…第1傾斜部、63,63a…貫通孔、64…第2凹部、65…第2傾斜部、67…第1接続配線、68…第2接続配線、69…第3接続配線。

Claims (6)

  1. 圧電素子が設けられた第1の基板と、
    前記第1の基板が第1の面に接続された第2の基板と、を備えた液体噴出ヘッドであって、
    前記第2の基板は、当該第2の基板を板厚方向に貫通した貫通部、及び当該貫通部の内部に形成された導体からなる貫通配線を備え、
    前記貫通部は、前記第2の基板の第1の面とは反対側の第2の面に設けられた第1凹部と、
    前記第1凹部と連通し前記第1の面側に貫通する貫通孔とを有し、
    平面視において、前記貫通孔は前記第1凹部に内包するようにオーバーラップしており、
    前記貫通孔と前記第1凹部との間が前記第1凹部から前記貫通孔に向かう方向に対し傾斜を有する面で連通していることを特徴とする液体噴出ヘッド。
  2. 前記貫通部は、前記第1の面に設けられた第2凹部をさらに有し、
    平面視において、前記貫通孔は前記第2凹部に内包するようにオーバーラップしており、
    前記貫通孔と前記第2凹部との間が前記第2凹部から前記貫通孔に向かう方向に対し傾斜を有する面で連通していることを特徴とする請求項1に記載の液体噴出ヘッド。
  3. 前記第2の基板は、シリコン基板から成ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体噴出ヘッド。
  4. 前記貫通配線は、前記第1の面に垂直な方向に延設されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体噴出ヘッド。
  5. 圧電素子が設けられた第1の基板と、
    前記第1の基板が第1の面に接続された第2の基板と、を備えた液体噴出ヘッドの製造方法であって、
    前記第2の基板の前記第1の面とは反対側の第2の面に第1凹部を形成する第1凹部形成工程と、
    前記第1凹部と連通し前記第2の基板の前記第1の面側に貫通する貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
    前記貫通孔及び前記第1凹部と連通し前記第1凹部から前記貫通孔に向かう方向に対し第1傾斜部を形成する第1傾斜部形成工程と、
    電解めっき法により前記第1凹部、前記貫通孔、前記第1傾斜部の内部に導体を形成する貫通配線形成工程と、
    を含むことを特徴とする液体噴出ヘッドの製造方法。
  6. 前記貫通孔と連通し前記第2の基板の前記第2の面に第2凹部を形成する第2凹部形成工程と、
    前記貫通孔及び前記第2凹部と連通し前記第2凹部から前記貫通孔に向かう方向に対し第2傾斜部を形成する第2傾斜部形成工程と、
    を含むことを特徴とする請求項5に記載の液体噴出ヘッドの製造方法。
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