JP2018046636A - 高調波共振防止装置及びその方法 - Google Patents

高調波共振防止装置及びその方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018046636A
JP2018046636A JP2016179032A JP2016179032A JP2018046636A JP 2018046636 A JP2018046636 A JP 2018046636A JP 2016179032 A JP2016179032 A JP 2016179032A JP 2016179032 A JP2016179032 A JP 2016179032A JP 2018046636 A JP2018046636 A JP 2018046636A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resonance
cable
transformer
circuit configuration
harmonic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016179032A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6672115B2 (ja
Inventor
亜希子 椎野
Akiko Shiino
亜希子 椎野
山本 捷敏
Katsutoshi Yamamoto
捷敏 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba Energy Systems and Solutions Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Energy Systems and Solutions Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Energy Systems and Solutions Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2016179032A priority Critical patent/JP6672115B2/ja
Publication of JP2018046636A publication Critical patent/JP2018046636A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6672115B2 publication Critical patent/JP6672115B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/40Arrangements for reducing harmonics

Landscapes

  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)

Abstract

【課題】系統における高調波共振を自動的に回避することのできる高調波共振防止装置及びその方法を提供する。
【解決手段】第1の変圧器6、電力ケーブル11及び高調波電圧検出継電器8を備えた系統に設けられ、第1の変圧器6の運転台数を判定する変圧器運転台数判定部91と、電力ケーブル11の運転回線数を判定するケーブル運転回線数判定部92と、変圧器運転台数判定部91及びケーブル運転回線数判定部92の判定結果から系統の回路構成を判定する回路構成判定部93と、系統における高調波電圧が、系統に設けられた高調波電圧検出継電器8の整定値以上となった場合に、系統の共振周波数が、奇数次高調波の共振を起こす共振周波数領域から外れた回路構成に変更する回路構成変更部94と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、系統における高調波共振を防止する高調波共振防止装置及びその方法に関する。
送配電系統に発生する高調波電圧の許容限度については、電気技術指針JEAG−9702−2013「高調波抑制対策指針」にて、総合ひずみ率の限度値として“特別高圧系統にて3%”、また、“配電系統にて5%”という高調波環境目標レベルが記載されている。系統には通常0.1%〜3%以下の高調波電圧が存在しているが、共振が発生するとその数倍から20倍程度に拡大する。
高調波の過電圧が発生した場合の不具合としては、ケーブルの過熱、調相用コンデンサの過熱、また過電圧値によっては各種機器の絶縁の損傷が発生する。一般に、交流送電系統に発生する高調波としては、第3次・第5次・第7次などの奇数次高調波が存在し、偶数次調波はない。したがって、交流送電系統においては、奇数次高調波との共振を回避する必要がある。
数十kmに及ぶ長距離ケーブル送電系統では、高調波共振が発生する可能性が大きい。例えば、本州から数十kmも離れた島(以下では離島と呼ぶ)への送電は、架空送電線では実現できないため、海底に敷設する電力ケーブルを利用することになる。すなわち、数十kmの長距離海底ケーブルを利用することになる。
このような長距離ケーブル系統の特徴は、インダクタンスおよび静電容量が非常に大きくなることである。このため、系統の共振周波数は、通常の架空送電線系統では数kHzであるのに対し、長距離ケーブル系統ではかなり低くなる。例えば、60Hzの長距離ケーブル系統では、第3次から第9次(180Hzから540Hz)の高調波に共振しやすくなる。
阿南文政、外6名、「長距離ケーブル系統の特殊現象の概要と体系化」、平成18年電気学会全国大会、2006年、7−127、p.189−p.190 飯山和彦、外6名、「わが国最長の交流長距離ケーブル系統における高調波共振とその対策」、平成18年電気学会全国大会、2006年、7−128、p.191−p.192
特開2013−74691号公報
離島への長距離海底ケーブルを使用した送電系統は、すでに実現されている。このような系統において、変圧器の漏れインダクタンスを標準より大きくすることによって高調波による共振を防止する技術が知られている。また、直列リアクトルを設置することによって共振を防止する方法が知られている。
このように従来技術では、主要変圧器又は直列リアクトルのインダクタンスの大きさを、共振が防止できるように大きくしている。しかし、この場合、インダクタンスが大きくなるために系統における電圧変動が大きくなり、多大の費用を要する電圧調整装置の採用が必要になる。或いは、送電が不可能なまで、電圧変動が大きくなってしまう。電力の品質面から許容される電圧変動(電圧ひずみ率)は±3%以下である。電圧ひずみ率の大きさが3%超では、各種の障害が発生するから送電を停止、すなわち停電させる必要性も生じ得る。
本実施形態に係る高調波共振防止装置及びその方法は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、系統における高調波共振を自動的に回避することのできる高調波共振防止装置及びその方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本実施形態の高調波共振防止装置は、変圧器、ケーブル及び高調波電圧検出継電器を備えた系統に設けられ、次の構成を備える。
(1)前記変圧器の運転台数を判定する変圧器運転台数判定部。
(2)前記ケーブルの運転回線数を判定するケーブル運転回線数判定部。
(3)前記変圧器運転台数判定部及び前記ケーブル運転回線数判定部の判定結果から前記系統の回路構成を判定する回路構成判定部。
(4)前記系統における高調波電圧が、前記系統に設けられた高調波電圧検出継電器の整定値以上となった場合に、前記系統の共振周波数が、奇数次高調波の共振を起こす共振周波数領域から外れた回路構成に変更する回路構成変更部。
また、本実施形態を系統の高調波共振防止方法として捉えることもできる。
第1の実施形態に係る高調波共振防止装置が適用された系統の単線結線図である。 第1の実施形態に係る高調波共振防止装置の機能ブロック図である。 系統の回路構成パターンを示す図である。 共振周波数領域を説明するための図である。 図1の系統の等価回路図である。 (a)は、図1の系統の簡略化した等価回路図である。(b)は、(a)を更に簡略化した等価回路図である。 各回路構成に対するケーブル70kmの場合の共振周波数を示す図である。 従来技術を説明するための図であり、従来技術による直列リアクトルを設けた場合の単線結線図である。 第1の実施形態に係る高調波共振防止装置が適用された変形例1の系統の単線結線図である。 図9の系統(ケーブル50km)における各回路構成に対する共振周波数を示す図である。 第1の実施形態の系統において、ケーブル長を50kmとした場合の各回路構成に対する共振周波数を示す図である。 回路構成(A)〜(D)の全てで第3次高調波にも第5次高調波にも共振しないようにした場合の各回路構成に対する共振周波数を示す図である。 第1の実施形態に係る高調波共振防止装置が適用された変形例2の系統の単線結線図である。 第1の実施形態に係る高調波共振防止装置が適用された変形例3の系統の単線結線図である。 第1の実施形態に係る高調波共振防止装置が適用された変形例4の系統の単線結線図である。
[1.第1の実施形態]
以下では、図1〜図8を参照しつつ、本実施形態の高調波共振防止装置について説明する。
[1−1.構成]
図1は、本実施形態に係る高調波共振防止装置が適用された系統の単線結線図である。本実施形態の系統は、長距離ケーブル系統であり、電源1、第1の変電所3、電力ケーブル11、第2の変電所12を有する。
電源1は、例えば三相交流電源である。電源1の電力は、電源送電線2を介して第1の変電所3に送電される。第1の変電所3は、受電した電力を降圧し、電力ケーブル11を介して第2の変電所12に送電する。第2の変電所12は、配電系統16と接続されており、受電した電力を降圧して配電系統16に送電する。以下、各構成について詳細に説明する。
第1の変電所3は、高圧側母線4a、低圧側母線4b、高圧側遮断器5a、低圧側遮断器5b、第1の変圧器6を有している。高圧側母線4aは、電源送電線2と接続される母線であり、低圧側母線4bは、電力ケーブル11と接続される母線である。第1の変圧器6は、母線4a、4b間に、ここでは2台並列に設けられ、受電した電力を降圧する。高圧側遮断器5aは、各第1の変圧器6の高圧側である母線4aと第1の変圧器6の間に設けられ、低圧側遮断器5bは、各第1の変圧器6の低圧側である母線4bと第1の変圧器6の間に設けられている。遮断器5a、5bは、第1の変圧器6を系統からの遮断又は接続を切り替える。
電力ケーブル11は、数十kmの長距離ケーブルであり、例えば、離島へ送電するための長距離海底ケーブル、陸上ケーブルである。電力ケーブル11は、ここでは2回線であり、低圧側母線4bと後述する第2の変電所12の母線13との間に並列に設けられている。低圧側母線4bと電力ケーブル11の送電端との間にはケーブル回線用遮断器10aが設けられ、電力ケーブル11の受電端と母線13との間にはケーブル回線用遮断器10bが設けられている。遮断器10a、10bは、電力ケーブル11を系統からの遮断又は接続を切り替える。
第2の変電所12は、母線13、配電系統用母線15、第2の変圧器14を有している。母線13は、電力ケーブル11の受電端と接続され、配電系統用母線15は配電系統16と接続されている。このため、母線13は、第2の変電所12において高圧側に設置され、配電系統用母線15は低圧側に設置されている。第2の変圧器14は、母線13、15間に複数並列に設けられ、受電した電力を降圧する。配電系統用母線15を経由した電力は配電系統16に送られ、配電系統16に接続された図示しない負荷に送電される。
図1では、開閉設備の一部、すなわち、遮断器と直列に接続される断路器やメンテナンスのための接地開閉器、送電線の電圧を検出する計器用変圧器、回路に流れる電流を検出するための変流器などを省略しているが、別途設けるようにしても良い。
本実施形態では、低圧側母線4bには、計器用変圧器7を介して高調波電圧検出継電器8が接続され、高調波電圧検出継電器8には、高調波共振防止装置9が設けられている。計器用変圧器7は、低圧側母線4bの母線電圧を高調波電圧検出継電器8で高調波電圧が検出できる程度に変圧する。
高調波電圧検出継電器8は、高調波電圧が所定時間整定値以上か否かを検出する。奇数次高調波電圧が所定時間整定値以上である場合は、動作信号を高調波共振防止装置9に出力する。一方、奇数次高調波電圧が所定時間整定値を下回る場合は、復帰信号を高調波共振防止装置9に出力する。ここにいう復帰とは、高調波検出継電器8の、高調波電圧が所定時間整定値以上か否かの検出ができる状態に戻ることをいう。整定値及び所定時間は、適宜設計変更可能である。整定値は、例えば、系統が特別高圧系統である場合は3%に、系統が配電系統である場合は5%とし、安全率や裕度など必要な係数を乗除した値としても良い。ここでは整定値は3%とする。所定時間は例えば1秒とする。
図2は、本実施形態に係る高調波共振防止装置9の機能ブロック図である。高調波共振防止装置9は、高調波検出継電器8からの動作信号の入力を契機として、系統の回路構成を変更するための装置である。具体的には、高調波共振防止装置9は、第1の変圧器6の運転台数を判定する変圧器運転台数判定部91、電力ケーブル11の運転回線数を判定するケーブル運転回線数判定部92と、両判定部91、92の判定結果から系統の回路構成を判定する回路構成判定部93と、回路構成を変更する回路構成変更部94と、高調波電圧検出継電器8の復帰信号を検出する復帰検出部95と、警報を発する警報部96と、を有する。
判定部91、92の判定は、遮断器5a、5b、10a、10bのパレットスイッチなどを用いて、各遮断器の接続又は遮断状態を示す情報を取得することで容易に判定できる。例えば、変圧器運転台数判定部91は、遮断器5a、5bからパレットスイッチ動作信号を取得し、ケーブル運転回線数判定部92は、遮断器10a、10bからパレットスイッチ動作信号を取得することで、現在の第1の変圧器6の運転台数、電力ケーブル11の運転回線数を判定することができる。判定部91、92の判定をより確実にするには、遮断器5a、5b、10a、10bと直列に接続されている、不図示の断路器のパレットスイッチを取得しても良い。
回路構成判定部93は、高調波電圧検出継電器8の動作信号の入力を契機として、各判定部91、92の判定結果を受けて、現在の系統の回路構成を判定する。本実施形態では、系統に第1の変圧器6が2台、電力ケーブル11が2本設けられており、送電可能な回路構成としては、下記及び図3に示すように、4通りある。回路構成判定部93は、現在の回路構成が(A)〜(D)の何れであるかを判定する。
回線構成(A):第1の変圧器6、電力ケーブル11の全設備が運転している状態[2B+2C]
回線構成(B):第1の変圧器6が1バンク停止した状態[1B+2C]
回線構成(C):電力ケーブル11が1回線停止した状態[2B+1C]
回線構成(D):第1の変圧器6が1バンク、電力ケーブル11が1回線停止した状態[1B+1C]
回路構成判定部93は、例えば、系統に設けられた第1の変圧器6の台数、及び電力ケーブル11の回線数を予め記憶装置に記憶させておくことで、判定部91、92の判定結果を受けて、現在の系統の回路構成を判定することができる。
回路構成変更部94は、高調波電圧が高調波電圧検出継電器8で設定された整定値以上となった場合、つまり高調波電圧検出継電器8の動作信号の入力を契機として、現在の回路構成を、系統の共振周波数が、奇数次高調波の共振を起こす共振周波数領域から外れた回路構成に変更する。共振とは、系統電圧に含まれる奇数次の高調波電圧が数倍〜数十倍に拡大される現象をいう。図4に示すように、共振周波数領域とは、奇数次高調波の共振周波数を中心とした所定幅の周波数領域である。共振周波数領域は、例えば、奇数次高調波の共振周波数±15Hzとすることができる。この所定幅は適宜設計変更可能である。このように領域としているのは、高調波共振は、共振周波数に完全に一致しなくても、その周辺のある範囲で発生するからである。
系統の共振周波数が奇数次高調波の共振を起こす共振周波数領域から外れた回路構成は、次のように予め知ることができる。すなわち、高調波共振に影響を与えるのは、第1の変圧器6及び電力ケーブル11であり、その運転台数、運転回線数が決まれば、その系統における共振周波数を求めることができる。この共振周波数を、後述する図7のように、予め設定した共振周波数領域と重ね合わせることで、共振周波数が共振周波数領域から外れた回路構成を割り出すことができる。従って、高調波共振防止装置9に設けられる記憶装置に、各回路構成とその回路構成が共振周波数領域から外れた回路構成の該当、非該当の情報を、予め記憶させておくことができる。回路構成の変更には、当該情報を用いることができる。
回路構成変更部94は、系統の回路構成を変更する場合、ここでは第1の変圧器6又は電力ケーブル11を遮断する場合に、警報信号を警報部96に出力する。ここでは、後述の遮断決定部94aが警報信号を出力する。
回路構成変更部94は、系統から遮断させる第1の変圧器6又は電力ケーブル11を決定する遮断決定部94aと、遮断決定部94aで決定された遮断対象となる第1の変圧器6又は電力ケーブル11に対する遮断器5a、5b又は遮断器10a、10bを遮断させる遮断指令を生成する遮断指令生成部94bと、を有する。
遮断決定部94aは、候補となる回路構成として、系統の共振周波数が奇数次高調波の共振を起こす共振周波数領域から外れた回路構成が、複数ある場合には、その優先順位を決定する。遮断決定部94aは、この優先順位に従って、遮断する第1の変圧器6又は電力ケーブル11を決定する。つまり、優先順位が最も高い順位に基づいて決定した第1の変圧器6又は電力ケーブル11を遮断しても、何らかの原因で共振が継続している場合は、その次の順位に基づいて遮断する第1の変圧器6又は電力ケーブル11を決定する。この動作は、共振が防止されるまで、すなわち、復帰検出部95が高調波電圧検出継電器8の復帰信号を検出するまで繰り返すことができる。
優先順位の決定方法としては、例えば、遮断決定部94aは、運転中の第1の変圧器6の台数と電力ケーブル11の回線数とを比較し、運転中の数が多い方を遮断対象とする。但し、優先順位の決定方法は、これに限られず、適宜設計変更可能である。
遮断決定部94aは、回路構成判定部93が、運転中の第1の変圧器6が1台で系統に接続状態にある電力ケーブル11が1回線であると判定する場合に、共振が発生しているときは、当該第1の変圧器6及び電力ケーブル11の両方又はその何れかを遮断するように決定しても良い。
遮断指令生成部94bは、生成した遮断指令を対象となる遮断器5a、5b又は遮断器10a、10bに出力する。遮断指令生成部94bは、第1の変圧器6の遮断用の回路と、電力ケーブル11の遮断用の回路とで構成することができる。
復帰検出部95は、高調波電圧検出継電器8の復帰信号の入力を受けて当該検出部8の復帰を検出する。復帰検出部95は、復帰信号の検出により、高調波電圧検出部8の復帰、すなわち、高調波共振が解消したことが確認できる。復帰検出部95は、遮断指令生成部94bが遮断指令を出力した後、所定時間復帰信号を受信しない場合、高調波共振が解消していないと判断し、再度遮断する対象を決定するよう要求する信号を遮断決定部94aに出力する。
警報部96は、回路構成変更部94が系統の回路構成を変更する場合、ここでは第1の変圧器6又は電力ケーブル11が遮断される場合に、外部に警報を発する。警報の対象は、音で知らせても良いし、表示画面上に警告を表示させるようにしても良い。
[1−2.作用]
図5〜図8を用いて、高調波共振防止装置9の作用について説明する。その前準備として、系統の共振周波数及び系統の共振周波数が系統の回路構成によって変化することを説明する。
(1)系統の共振周波数
図5は、図1に示した系統の等価回路であり、図1の送電系統において、高調波共振に関して主要な電気的要素を示したものである。図5に示すように、この送電系統は、電源1から電源系統のインダクタンス2L、第1の変圧器6のインダクタンス6L、電力ケーブル11のインダクタンス11L、電力ケーブル11の対地静電容量11C、第2の変電所12の第2の変圧器14のインダクタンス14Lと、順次接続されている。実際には、架空送電線にも対地静電容量や抵抗があるが、共振現象に及ぼす影響が小さいので図示は省略している。
以上のような要素を有する系統の簡略化した等価回路は、図6(a)のようになる。共振現象に重要な役割を果たすのは、第1の変圧器6の台数および電力ケーブル11の回線数である。図6(a)では、第1の変圧器6は2台、電力ケーブル11の回線数は2回線である。
図6(a)中の電源系統の静電容量C、第1の変圧器6の静電容量CTR、第2の変圧器14の静電容量Cは、電力ケーブル11の静電容量Cに比べて十分に小さく無視可能である。従って、図6(a)は、更に図6(b)のように簡略化できる。なお、Lは、回路全体の合成したインダクタンス、Cは回路全体の合成した静電容量である。
図6(b)の回路の共振周波数fは、式(1)で表される。
Figure 2018046636
(2)系統の共振周波数の回路構成の依存性
長距離ケーブル系統の共振周波数は、系統の回路構成によって変化する。上記の通り本実施形態では、第1の変圧器6は2台、電力ケーブル11は2回線で構成されているので、回路構成は図3の通り、回路構成(A)〜(D)の4種類ある。これに伴って、以下に述べる通り、この系統の共振周波数も4種類になる。すなわち、各回路構成(A)〜(D)の共振周波数は、式(1)のL・Cにそれぞれの回路構成のL・Cを代入することで得られる。
回路構成(A):
Figure 2018046636
Figure 2018046636
:回路全体の合成したインダクタンス
:電源系統のインダクタンス
TR:第1の変圧器6の漏れインダクタンス
:電力ケーブル11のインダクタンス
:回路全体の合成した静電容量
:電力ケーブル11の対地静電容量
回路構成(B):
Figure 2018046636
Figure 2018046636
回路構成(C):
Figure 2018046636
Figure 2018046636
回路構成(D):
Figure 2018046636
Figure 2018046636
これらの回路構成について、下記の解析条件1における系統の共振周波数の解析結果を、図7に示す。図7において、横軸は回路構成(A)〜(D)を示し、縦軸は共振周波数を示している。系統の各回路構成の共振周波数は、式(1)〜式(9)によって求めても良いし、電子計算機によって電磁過渡解析プログラム(Electro−magnetic Transients Program、以下ではEMTPと略す)などによって求めても良い。ここでは、系統の各回路構成の共振周波数は、予め高調波共振防止装置9以外の他の計算機によって計算されているものとし、その結果を高調波共振防止装置9で用いるものとする。
(解析条件1)
(1)電源系統の電圧:220kV
(2)定格周波数:60Hz
(3)電源系統の短絡容量: 9500MVAとする。短絡電流は25kA、66kV側から見たインダクタタンスLGは、1.21mHとなる。
(4)低圧側母線の電圧:66kV
(5)第1の変圧器の定格容量:100MVA
(6)第1の変圧器のバンク数:2バンク
(7)第1の変圧器の1次/2次定格電圧:220/66kV
(8)第1の変圧器の短絡インピーダンス:15%とする。従って、66kV側から見たインダクタンスLTR=17.33mHとなる。
(9)長距離ケーブルの電圧および長さ:66kV、70km
(10)長距離ケーブルの回線数:2回線
(11)長距離ケーブルの種別:架橋ポリエチレンケーブル、325mm、3心、海底ケーブルとする。対地静電容量は0.201μF/km、70kmでは14.07μFである。インダクタンスは0.330mH/km、70kmでは23.10mHとなる。
(12)第1の変圧器の台数とケーブル回線数の組合せ:図3のとおり4種類
ところで、計画段階の設備と実設備との間には、種々の誤差が生じる。具体的には、ケーブルや架空送電線の長さには敷設誤差があり、また、製造上の誤差によるインダクタンスや静電容量の誤差がある。変電所に設置される主要変圧器にも、製造上の誤差やタップ切換えに伴うインダクタンスの変化がある。さらに、各設備に関する定数などを求める際の計算誤差もある。高調波による共振を防止する対策を立てる場合には、これらの誤差を考慮する必要がある。そこで、計算結果に±10%の幅を考慮する。そのため、図7において、各ケースの共振周波数に±10%の幅を持たせている。また、高調波共振は、共振周波数に完全に一致していなくても、その周辺のある範囲で発生するので、図7に示すように、奇数次高調波±15Hzを共振領域とした。
図7は次のことを示している。すなわち、回路構成(A)[2B+2C]は平常運転形態であり、その共振周波数は240Hz近傍で、第3次高調波にも第5次高調波にも共振しない。回路構成(B)[1B+2C]は、変圧器1台・ケーブル2回線の形態であり、第3次高調波180Hzに共振する。回路構成(C)[2B+1C]は、変圧器2台・ケーブル1回線の形態であり、第5次高調波300Hzに共振する。回路構成(D)[1B+1C]は、変圧器1台・ケーブル1回線の形態であり、その共振周波数は240Hz近傍で、奇数次高調波に共振しない。従って、回路構成(B)と(C)とは、共振を防止するための対策が必要になる。
(3)高調波共振防止装置9の動作
ここで、高調波共振防止装置9の動作について説明する。以下では、高調波共振防止装置9の動作フローを説明するが、その動作順序はその順序に限定されない。
まず、高調波電圧検出継電器8が、奇数次高調波が所定時間整定値以上になったことを検出した場合、高調波電圧検出継電器8により動作信号が高調波共振防止装置9に出力される。
高調波共振防止装置9は、その動作信号の入力を契機として、変圧器運転台数判定部91、ケーブル運転回線数判定部92が、遮断器5a、5b、10a、10bのパレットスイッチの情報を取得し、現在の第1の変圧器6の運転台数および電力ケーブル11の運転回線数を判定する。そして、その判定結果を受けて、回路構成判定部93により系統の現在の回路構成を判定する。すなわち、図3の回路構成(A)〜(D)の何れであるかを判定する。以下では、例として、現在の回路構成が回路構成(B)であると判定された場合、現在の回路構成が回路構成(C)であると判定された場合について説明する。
(パターン1):現在の回路構成が回路構成(B)である場合
ここでは、一例として、回路構成判定部93は、現在の回路構成が回路構成(B)であると判定したものとして説明する。図7に示すように、回路構成(B)の共振周波数は、第3次高調波の共振領域に含まれており、共振を防止するため、回路構成を変更する必要がある。回路構成判定部93は、現在の回路構成が回路構成(B)である旨を回路構成変更部94に通知する。
ここで、回路構成変更部94は、高調波電圧検出継電器8の動作信号の入力を契機として、系統の共振周波数が奇数次高調波の共振を起こす共振周波数領域から外れた回路構成に変更する。図7に示すように、当該領域から外れた回路構成は(A)、(D)であるが、ここでは、回路構成変更部94は、回路構成(B)から回路構成(D)に変更する。
すなわち、遮断決定部94aにより、遮断対象を電力ケーブル11の1回線に決定し、その旨の信号を遮断指令生成部94bに出力する。遮断指令生成部94bにより、当該電力ケーブル11に対応する遮断器10a、10bを遮断させる遮断指令を生成する。そして、遮断指令生成部94bは、当該遮断器10a、10bに遮断指令を出力して、当該遮断器10a、10bを動作させ、当該電力ケーブル11を系統から切り離し、回路構成(D)に変更する。
図7に示すように、回路構成(D)の共振周波数は、240Hz近傍であり、第3次高調波共振を防止することができる。復帰検出部95は、高調波電圧検出継電器8の復帰信号を受信したことをもって、高調波共振が解消したと確認し、高調波共振防止装置9の動作を終了する。
このとき、一旦は第3次高調波共振が発生し、ケーブル1回線を遮断するという異常な状態になったので、回路構成変更部94は警報信号を警報部96に出力し、警報部96が外部に警報を発する。
(パターン2):現在の回路構成が回路構成(C)である場合
基本的な動作は、上記のパターン1と同じであるので、異なる部分のみ説明する。現在の回路構成が回路構成(C)である場合、回路構成判定部93は、現在の回路構成が回路構成(B)である旨を回路構成変更部94に通知する。
ここで、回路構成変更部94は、共振周波数領域から外れた回路構成(A)、(D)のうち、回路構成(D)に変更する。すなわち、遮断決定部94aにより、遮断対象を第1の変圧器6の1台に決定し、その旨の信号を遮断指令生成部94bに出力する。遮断指令生成部94bにより、当該第1の変圧器6に対応する遮断器5a、5bを遮断させる遮断指令を生成する。そして、遮断指令生成部94bは、当該遮断器5a、5bに遮断指令を出力して、当該遮断器5a、5bを動作させ、当該第1の変圧器6を系統から切り離し、回路構成(D)に変更する。これにより、図7に示すように、共振周波数が240Hz近傍になるので、第5次高調波共振を防止できる。
ところで、上記パターン1、2において、回路構成(D)に変更した後も、復帰検出部95が、高調波電圧検出継電器8の復帰信号を所定時間受信していない場合は、共振が継続していると判断する。この場合は、回路構成変更部94は、回路構成判定部93が、運転中の第1の変圧器6が1台、電力ケーブル11の回線数が1回線であり、共振が発生しているときであるので、当該第1の変圧器6及び電力ケーブル11の両方又はその何れかを遮断する。送電を停止し、共振の継続を回避するためである。この場合も、遮断決定部94aが警報信号を警報部96に出力し、警報部96により警報を発する。本来は、変圧器1台でケーブル1回線という回路構成の場合には、変圧器のインピーダンス値や直列リアクトルを利用することにより、共振が発生しないようにしておくが、この送電停止は、想定外の原因で共振が発生した場合のバックアップ処置である。
上記の通り、本実施形態においては、回路構成が(B)又は(C)になったことをもって、直ちに回路構成(D)に変更せず、高調波電圧検出継電器8の動作を待って変更している。その理由は、たとえ共振状態またはそれに近い状態になっても、電圧ひずみ率が整定値である3%以上になるとは限らないからである。すなわち、上記の通り、共振領域を奇数次高調波共振周波数±15Hzの領域としており、例えば共振により10倍に拡大するとしても、系統の残留高調波電圧が0.1%とすると高調波電圧は1%にしかならない。また、重負荷や回路の抵抗値が大きい場合には、拡大倍数は小さくなる。これらの状態であれば、回路構成を変更する必要がない。そのため、高調波電圧検出継電器8に高調波が整定値以上になったことを検出させており、これを契機として回路構成を変更させているのである。
また、回路構成(B)は回路構成(D)に、回路構成(C)も回路構成(D)に変更するようにしており、共振が防止できるにも関わらず回路構成(A)にしていない。その理由は、回路構成(B)又は(C)において、変圧器1台又はケーブル1回線が停止している原因は、事故や故障或いは点検などであり、それを直ちに運転して回路構成(A)とすることは通常困難な状況にあるからである。回路構成(D)であれば、運転中の2回線のケーブル中の1回線、又は、2台の変圧器中の1台を継続して使用することになり、何ら支障は生じない。停止していた第1の変圧器6や電力ケーブル11が運転できる状態になれば、回路構成(A)、すなわち全設備運転状態にすれば良い。
(4)本実施形態の高調波共振防止装置9の作用と従来技術による作用の差異
図8は、従来技術による直列リアクトルを設けた場合の単線結線図である。図8に示すように、回路構成(A)〜(D)までの全ての回路構成において、第3次及び第5次高調波共振が発生しないようにする直列リアクトルが、ケーブル回線用遮断器10aと電力ケーブル11の送電端との間に直列リアクトル17として挿入されている。
すなわち、図7に示すように、最高の共振周波数となる回路構成は(C)であることが分かるので、その共振周波数を第3次高調波180Hzよりも15Hz低い165Hz未満、すなわち164Hz以下にする。これにより、他の回路構成では、図9に示すとおり、それ以下の共振周波数にすることができ、共振を防止することができる。
しかし、そのインダクタンスの大きさは、59mHであり、第1の変圧器6のインピーダンスが15%、すなわち17.33mHであるのに対し、51%となる。第1の変圧器6の3.4倍もの大きさとなる。電圧変動はインダクタンスに比例するので、大きな電圧変動が発生する。これに対し、本実施形態では、直列リアクトルは不要であるので回路のインダクタンスは小さく抑えられ、電圧変動も小さく抑えることができる。
[1−3.効果]
(1)本実施形態の高調波共振防止装置9は、第1の変圧器6、電力ケーブル11及び高調波電圧検出継電器8を備えた系統に設けられ、第1の変圧器6の運転台数を判定する変圧器運転台数判定部91と、電力ケーブル11の運転回線数を判定するケーブル運転回線数判定部92と、変圧器運転台数判定部91及びケーブル運転回線数判定部92の判定結果から系統の回路構成を判定する回路構成判定部93と、系統における高調波電圧が、系統に設けられた高調波電圧検出継電器8の整定値以上となった場合に、系統の共振周波数が、奇数次高調波の共振を起こす共振周波数領域から外れた回路構成に変更する回路構成変更部94と、を備えるようにした。
これにより、系統における高調波共振を自動的に回避することができる。特に、高調波電圧検出継電器の動作を契機として回路構成を変更するので、不必要な変更を防止できる。また、共振による電圧歪みが生じても、回路を自動的に変更するので、想定していなかった条件での共振も防止することができる。
さらに、従来技術のように変圧器の漏れインダクタンスを大きくしたり、或いは直列リアクトルを設置したりする必要が無いので、電圧変動を小さくすることが可能であるとともに、多額の費用を必要とする電圧調整装置も小規模のもので済むなど、経済性、スペース、および工期の面でも優れている。
(2)系統には、第1の変圧器6又は電力ケーブル11を系統から遮断する遮断器5a、5b、10a、10bを設け、回路構成変更部94は、系統から遮断させる第1の変圧器6又は電力ケーブル11を決定する遮断決定部94aと、遮断決定部94aで決定された遮断対象となる第1の変圧器6又は電力ケーブル11に対する遮断器5a、5b、10a、10bを遮断させる遮断指令を生成し、当該遮断器5a、5b、10a、10bに遮断指令を出力する遮断指令生成部94bと、を備えるようにした。
これにより、系統の回路構成を第1の変圧器6又は電力ケーブル11を遮断することにより変更することができ、変更後の回路構成の共振周波数が奇数次高調波共振を起こす共振周波数領域から外れた回路構成となるので、停電となるような高調波共振を防止することができる。特に、遮断された第1の変圧器6又は電力ケーブル11は、事故や故障、点検などの状態にあると推定されることから、これらの第1の変圧器6又は電力ケーブル11を系統に接続して使用する場合には、正常に使用することができるかを確かめる必要があるが、他の第1の変圧器6又は電力ケーブル11を遮断することにより回路構成を変更するのでその必要がなくなる。さらに、一部の第1の変圧器6又は電力ケーブル11を遮断することで自動的に共振を防止できるので、共振による停電を伴わずに送電又は配電を継続することができる。
(3)遮断決定部94aは、候補となる回路構成が複数ある場合は、その優先順位を決定するようにした。これにより、優先順位が最上位の回路構成に変更した後も何らかの原因で共振が回避できない場合でも、その次の順位の回路構成に速やかに変更することができる。
(4)遮断決定部94aは、運転中の第1の変圧器6の台数と電力ケーブル11の回線数とを比較し、数の多い方を遮断対象とするようにした。これにより、運転中の第1の変圧器6と電力ケーブル11とを少なくとも一対確保することができ、送電又は配電を継続することができる。例えば、電力ケーブル11が2回線ともに運転可能状態にあるが、第1の変圧器6を2台停止させるような事態を回避することができる。
(5)高調波電圧検出継電器8からの復帰信号を検出する復帰検出部95を備え、遮断指令生成部94bが遮断指令を出力した後、復帰検出部95が、所定時間前記復帰信号を受信しない場合、遮断決定部94aは、優先順位に従って遮断対象となる第1の変圧器6又は電力ケーブル11を決定し、遮断指令生成部94bは、決定された第1の変圧器6又は電力ケーブル11に対する遮断器5a、5b、10a、10bに遮断指令を出力するようにした。これにより、回路構成の変更後もなお、何らかの原因で共振が回避できていなかったとしても、その状況から脱することができ、共振による停電を回避することができる。
(6)回路構成変更部94は、回路構成判定部93が、運転中の前記変圧器が1台で前記系統に接続状態にある前記ケーブルが1回線であると判定する場合に、共振が発生しているときは、当該変圧器及びケーブルの両方又はその何れかを遮断するようにした。
通常は第1の変圧器6が1台、電力ケーブル11が1回線という回路構成の場合には、第1の変圧器6のインピーダンス値や直列リアクトルを利用することにより共振が発生しないようにしておくが、このような回路構成において想定外の原因で共振が発生した場合に、バックアップ処置として、第1の変圧器6及び電力ケーブル11の両方又はその何れかを遮断することにより、送電を停止し、事故を未然に防ぐことができる。
(7)回路構成変更部94aが系統の回路構成を変更する場合に、警報を発する警報部96を備えるようにした。回路構成を変更する場合は、高調波電圧が高調波電圧検出継電器8の整定値以上となっている状態であり、それを解消するために第1の変圧器6又は電力ケーブル11を遮断しなければならないという異常な状態であるので、警報を発することにより監視員に注意を喚起することができる。
(8)警報部96は、運転中の第1の変圧器6又は系統と接続された電力ケーブル11がない場合に警報を発するようにした。これにより、この場合も異常な状態であるので、監視員に注意を喚起し、対策を促すことができる。
[2.第1の実施形態の変形例]
第1の実施形態の変形例1〜5について説明する。各変形例は、第1の実施形態の基本構成と同じである。以下では、第1の実施形態と異なる点のみを説明し、第1の実施形態と同じ部分については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
(1)変形例1
[構成]
上記では、第1の実施形態に係る高調波共振防止装置と従来技術との作用の相違を説明したが、第1の実施形態に対して直列リアクトルを設けることを妨げない。すなわち、複数の電力ケーブル11のうち、少なくとも何れかの電力ケーブル11の送電端と遮断器10aとの間に直列リアクトル17を設けるようにしても良い。直列リアクトル17は、系統の第1の変圧器6及び電力ケーブル11が全て運転する回路構成(A)を含めた複数の回路構成で共振が発生しないインダクタンスを有する。
図9は、第1の実施形態の系統に直列リアクトル17を設けた場合の単線結線図である。本変形例1では、下記解析条件2の通り、電力ケーブル11のケーブル長を50kmとしており、第1の実施形態の電力ケーブル11のケーブル長70kmと異なっている。
図10は、下記の解析条件2で解析した場合の図9の系統(ケーブル50km)における各回路構成に対する共振周波数を示す図である。
(解析条件2)
解析条件2は、解析条件1とケーブル長が異なり、その他は同一である。
(9)長距離ケーブルの長さ:50km
図10に示すように、回路構成(A)、(D)の共振周波数は、共振領域から外れており、直列リアクトル17が、複数の回路構成で共振が発生しないインダクタンスを有することが分かる。
[作用・効果]
本変形例1の作用、効果について説明する。その前段階として、まず、電力ケーブル11のケーブル長が変わることで共振周波数が変わることを説明し、従来技術の直列リアクトルを全ての回路構成に適用する場合のデメリットを説明する。
図11は、直列リアクトル17を設けない第1の実施形態において、ケーブル長を50kmとした場合の、各回路構成に対する共振周波数を示す図である。なお、各回路構成の共振周波数は、上記の通り、EMTP又は式(1)〜式(9)によって求めることができる。
図11に示すように、回路構成(A)及び(D)では、第5高調波共振が発生する。これに対し、ケーブル長が70kmである図7と比較して明らかなように、第1の実施形態では回路構成(A)および(D)で共振周波数が共振領域から外れている。このことから、ケーブル長が変わると共振周波数が変わることが確認できる。
ところで、回路構成(A)及び(D)では、第5高調波共振が発生し、送電ができない。特に、回路構成(A)は、全設備運転状態であり、回路構成(A)が送電可能な構成とすることは、系統の設計上不可欠である。そのため、回路構成(A)で送電可能な構成とする必要がある。
ここで、図9に示すように、直列リアクトル17を、遮断器10aと電力ケーブル11の送電端との間にそれぞれ直列に設けることを考える。直列リアクトルを挿入することによって、共振周波数が変えることができるからである。
図12は、回路構成(A)〜(D)の全てで第3次高調波にも第5次高調波にも共振しないようにした場合の各回路構成に対する共振周波数を示す図である。この場合、図11に示すように共振周波数が最も高い回路構成(C)の共振周波数を、第3次高調波180Hzよりも15Hz低い165Hz未満、少なくとも164Hzにする必要がある。そのために必要な直列リアクトル17のインダクタンスは、190mHである。第1の変圧器6の短絡インピーダンス15%から漏れインダクタンスを求めると17.3mHであるので、190mHは、その11倍、165%に達する。これは、変圧器定格容量である100MVAを仮に送電した場合には、165%の電圧降下が発生することを意味し、現実には送電できない。すなわち、共振はなくなるが、電圧降下が大きくなり、送電できない。
そこで、本変形例1では、系統には、複数の電力ケーブル11のうち、少なくとも何れかの電力ケーブル11の端部に直列に直列リアクトル17が設けられ、直列リアクトル17は、第1の変圧器6及び電力ケーブル11が全て運転する回路構成(A)を含めた複数の回路構成(A)、(D)で共振が発生しないインダクタンスを有するようにした。
具体的には、回路構成(A)及び(D)で共振を発生しないインダクタンスを有する直列リアクトル17を設置するようにした。系統が回路構成(B)又は(C)であり、電圧ひずみ率が大きくなった場合、第1の実施形態と同様に回路構成を回路構成(D)に変更して共振を防止できる。
必要とされる直列リアクトル17のインダクタンスは、回路構成(D)の共振周波数を第5次高調波300Hzよりも15Hz低い285Hz未満、すなわち、少なくとも284Hzにできる大きさであり、式(1)、(8)、(9)から16mHである。これは、第1の変圧器6の漏れインダクタンス17.3mHよりも小さく、かつ、図12のケースの190mHに比べれば約1/12である。そのため、電圧降下も小さく100MVAの送電が可能となる。
従って、本変形例1によれば、全設備運転状態となる回路構成での送電又は配電を確保することができるとともに、共振が発生しても、共振を回避することができ、かつ、送電可能な回路構成にすることができる。
(2)変形例2
図13は、第1の実施形態に係る高調波共振防止装置が適用された変形例2の系統の単線結線図である。図13に示すように、第2の変電所12の母線13には、電力ケーブル18がケーブル回線用遮断器10bを介して接続されている。変形例2の想定例は、第2の変電所12が離島に設けられ、更に当該離島から電力ケーブル18が延び、他の離島などに電力を送配電する場合である。すなわち、離島は1つとは限らず、離島間を海底に敷設する電力ケーブル18で接続する場合が挙げられる。
電力ケーブル18が設けられていることで、式(1)におけるインダクタンス及び静電容量が第1の実施形態の場合に比べて大きい値になるので、共振周波数は小さくなる。そのため、図7や図10に示した共振周波数より小さくなり、回路構成(A)及び(D)は第3次高調波に共振する可能性がある。
そのように共振が発生した場合には、第1の実施形態と同様に、高調波電圧検出継電器8が動作し、回路構成変更部94により、回路構成を変更し、共振が発生しないようにする。この場合、回路構成(B)又は(C)に変更しても良いし、電力ケーブル18を切り離すようにしても良い。離島への送電を継続する観点からは、遮断決定部94aは、電力ケーブル18を遮断対象とする優先度を、回路構成(B)又は(C)よりも下げるように優先順位を決定しても良い。
(3)変形例3
第1の実施形態の適用範囲は、離島送電に限定されない。図14は、洋上風力発電所からの長距離ケーブル系統に高調波共振防止装置9を適用した場合の単線結線図である。第2の変電所12を洋上変電所21としている。すなわち、図14に示すように、洋上発電所19からの電力を、送電線20を経由して洋上変電所21の母線22に送り、変圧器23を介して電力ケーブル11から第1の変電所3へと送電する。
また、洋上発電所19に代えて、太陽光発電所とするようにしても良い。
(4)変形例4
図15は、第1の実施形態に係る高調波共振防止装置が適用された変形例4の系統の単線結線図である。変形例4の想定例としては、第1の変電所3が本土に設置され、第2の変電所12が離島に設置され、本土側から離島側へ送電するケースである。図15に示すように、第1の変電所3の低電圧側母線4bだけでなく、第2の変電所12の配電系統用母線15にも計器用変圧器7を介して高調波電圧検出継電器8(以下、第2の継電器8といい、第1の変電所3に設けた高調波電圧検出継電器8を第1の継電器8という。)を設けており、本土側及び離島側の高調波電圧を監視する。
第1の継電器8の整定値は、特別高圧系統であれば3%以上とし、第2の継電器8の整定値は、配電系統であれば5%以上とする。
高調波共振防止装置9は、第1の実施形態と同様に1台であり、第2の継電器8と接続されている。すなわち、第2の継電器8の動作信号及び復帰信号は、第1の変電所3の高調波共振防止装置9に出力される。
高調波共振防止装置9は、第1の継電器8及び第2の継電器8の双方から動作信号の入力があり得るが、何れの動作信号を契機にして回路構成変更部94が動作しても良い。
上記の通り、各変電所に継電器8を設けることにより、それぞれの変電所での高調波電圧を監視できるので、より確実に共振を防止することができる。例えば、特別高圧系統で高調波電圧が第1の継電器8の整定値未満であっても、配電系統ではその電圧ひずみ率が加算される傾向があるため、配電系統における高調波電圧が第2の継電器8の整定値を超える場合もあり、こうした場合でも、回路構成を変更でき、共振しないようにすることができる。
(5)変形例5
第1の実施形態では、第1の変圧器6の台数、電力ケーブル11の回線数は、各2組としたが、その台数、回線数は任意である。その場合には、1つ以上の回路構成で共振が発生しないように設計しておけば良い。
[3.その他の実施形態]
本明細書においては、本発明に係る複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。以上のような実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
例えば、警報部96が警報を発するための警報信号は、回路構成変更部94が生成すれば良く、遮断決定部94a、遮断指令生成部94bの何れが生成しても良い。
また、各部の形態は、各部の処理をコンピュータに実行させる高調波共振防止プログラムとしても捉えることができる。
1…電源
2…電源送電線
3…第1の変電所
4a…高圧側母線
4b…低圧側母線
5a…高圧側遮断器
5b…低圧側遮断器
6…第1の変圧器
7…計器用変圧器
8…高調波電圧検出継電器
9…高調波共振防止装置
10a、10b…ケーブル回線用遮断器
11…電力ケーブル
12…第2の変電所
13…母線
14…第2の変圧器
15…配電系統用母線
16…配電系統
17…直列リアクトル
18…電力ケーブル
19…洋上発電所
20…送電線
21…洋上変電所
22…母線
23…変圧器
91…変圧器運転台数判定部
92…ケーブル運転回線数判定部
93…回路構成判定部
94…回路構成変更部
94a…遮断決定部
94b…遮断指令生成部
95…復帰検出部
96…警報部

Claims (10)

  1. 変圧器、ケーブル及び高調波電圧検出継電器を備えた系統に設けられ、
    前記変圧器の運転台数を判定する変圧器運転台数判定部と、
    前記ケーブルの運転回線数を判定するケーブル運転回線数判定部と、
    前記変圧器運転台数判定部及び前記ケーブル運転回線数判定部の判定結果から前記系統の回路構成を判定する回路構成判定部と、
    前記系統における高調波電圧が、前記系統に設けられた高調波電圧検出継電器の整定値以上となった場合に、前記系統の共振周波数が、奇数次高調波の共振を起こす共振周波数領域から外れた回路構成に変更する回路構成変更部と、
    を備えたことを特徴とする高調波共振防止装置。
  2. 前記系統には、前記変圧器又は前記ケーブルを前記系統から遮断する遮断器が設けられ、
    前記回路構成変更部は、
    前記系統から遮断させる前記変圧器又は前記ケーブルを決定する遮断決定部と、
    前記遮断決定部で決定された遮断対象となる前記変圧器又は前記ケーブルに対する遮断器を遮断させる遮断指令を生成し、当該遮断器に遮断指令を出力する遮断指令生成部と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の高調波共振防止装置。
  3. 前記遮断決定部は、候補となる回路構成が複数ある場合は、その優先順位を決定することを特徴とする請求項2記載の高調波共振防止装置。
  4. 前記遮断決定部は、運転中の前記変圧器の台数と前記ケーブルの回線数とを比較し、数の多い方を遮断対象とすること、
    を特徴とする請求項2又は3記載の高調波共振防止装置。
  5. 前記高調波電圧検出継電器からの復帰信号を検出する復帰検出部を備え、
    前記遮断指令生成部が遮断指令を出力した後、前記復帰検出部が、所定時間前記復帰信号を受信しない場合、前記遮断決定部は、前記優先順位に従って遮断対象となる前記変圧器又は前記ケーブルを決定し、
    前記遮断指令生成部は、決定された前記変圧器又は前記ケーブルに対する遮断器に遮断指令を出力すること、
    を特徴とする請求項3記載の高調波共振防止装置。
  6. 前記回路構成変更部は、前記回路構成判定部が、運転中の前記変圧器が1台で前記系統に接続状態にある前記ケーブルが1回線であると判定する場合に、共振が発生しているときは、当該変圧器及びケーブルの両方又はその何れかを遮断すること、
    を特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の高調波共振防止装置。
  7. 前記回路構成変更部が前記系統の回路構成を変更する場合に、警報を発する警報部を備えること、
    を特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の高調波共振防止装置。
  8. 前記警報部は、運転中の前記変圧器又は前記系統と接続された前記ケーブルがない場合に警報を発すること、
    を特徴とする請求項7記載の高調波共振防止装置。
  9. 前記系統には、複数の前記ケーブルのうち、少なくとも何れかの前記ケーブルの端部に直列に直列リアクトルが設けられ、
    前記直列リアクトルは、前記変圧器及び前記ケーブルが全て運転する回路構成を含めた複数の回路構成で共振が発生しないインダクタンスを有すること、
    を特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の高調波共振防止装置。
  10. 変圧器、ケーブル、及び高調波電圧検出継電器を備えた系統の高調波共振を防止する高調波共振防止方法であって、
    前記変圧器の運転台数を判定する変圧器運転台数判定ステップと、
    前記ケーブルの運転回線数を判定するケーブル運転回線数判定ステップと、
    前記変圧器運転台数判定ステップ及び前記ケーブル運転回線数判定ステップの判定結果から前記系統の回路構成を判定する回路構成判定ステップと、
    前記系統における高調波電圧が、前記系統に設けられた高調波電圧検出継電器の整定値以上となった場合に、前記系統の共振周波数が、奇数次高調波の共振を起こす共振周波数領域から外れた回路構成に変更する回路構成変更ステップと、
    を備えたことを特徴とする高調波共振防止方法。
JP2016179032A 2016-09-13 2016-09-13 高調波共振防止装置及びその方法 Expired - Fee Related JP6672115B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016179032A JP6672115B2 (ja) 2016-09-13 2016-09-13 高調波共振防止装置及びその方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016179032A JP6672115B2 (ja) 2016-09-13 2016-09-13 高調波共振防止装置及びその方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018046636A true JP2018046636A (ja) 2018-03-22
JP6672115B2 JP6672115B2 (ja) 2020-03-25

Family

ID=61696116

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016179032A Expired - Fee Related JP6672115B2 (ja) 2016-09-13 2016-09-13 高調波共振防止装置及びその方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6672115B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112072662A (zh) * 2020-08-28 2020-12-11 武汉大学 避免一个频段的间谐波并联谐振的方法
JP7414661B2 (ja) 2020-07-20 2024-01-16 株式会社東芝 風力発電システムおよび風力発電システム用保護・制御装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7414661B2 (ja) 2020-07-20 2024-01-16 株式会社東芝 風力発電システムおよび風力発電システム用保護・制御装置
CN112072662A (zh) * 2020-08-28 2020-12-11 武汉大学 避免一个频段的间谐波并联谐振的方法
CN112072662B (zh) * 2020-08-28 2022-02-22 武汉大学 避免一个频段的间谐波并联谐振的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6672115B2 (ja) 2020-03-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2128951B1 (en) Electronic active earthing system for use in high-voltage distribution networks
KR101440492B1 (ko) 전기화재 예방 및 과부하 차단기능을 구비한 수배전반
KR101923993B1 (ko) 중성점 접지저항에 의한 전력계통의 보호시스템 및 그 설계방법
JP5814716B2 (ja) 交流送電系統の高調波共振回避システム
US20220107351A1 (en) Apparatus and method for operating arc suppression coil
JP5561831B2 (ja) 変圧器内部故障検出装置
Tugay The resonance overvoltages in EHV network
WO2021074812A1 (en) High voltage overhead electric transmission line equipped with switchgear unit
JP6672115B2 (ja) 高調波共振防止装置及びその方法
KR101907951B1 (ko) Hvdc 시스템 및 그의 제어 방법
KR101227537B1 (ko) 중성선 복구 기능이 구비된 분배전반
JP2016034183A (ja) 3相送電保護方法および装置
US11398725B2 (en) Circuit for reducing fire hazard risk in a power distribution network
JP2001258145A (ja) 保護継電システム
CN102684153A (zh) 控制线路变压器组的断路器联动的装置
RU2400764C1 (ru) Способ контроля состояния изоляции фидеров трехфазной сети
Beltz et al. Application considerations for high resistance ground retrofits in pulp and paper mills
KR101084104B1 (ko) 결상검출 선택차단기능을 갖는 고·저압 배전반
KR100532925B1 (ko) 배전자동화기반의 비접지계 지락고장구간 검출방법
JP7414661B2 (ja) 風力発電システムおよび風力発電システム用保護・制御装置
JP6786423B2 (ja) 送電システム
US11862961B2 (en) Apparatus and method for operating electric power network
KR100691612B1 (ko) 한류리액터 단선 감시시스템
KR200398633Y1 (ko) 한류리액터 단선 감시장치
JP2009183121A (ja) 配電線補償リアクトルシステムおよび配電線補償リアクトル設定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20171204

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20171204

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190213

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191203

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200304

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6672115

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees