JP2018045950A - 接続構造体及びその製造方法、端子付き電極の製造方法並びにこれに用いられる導電粒子、キット及び転写型 - Google Patents

接続構造体及びその製造方法、端子付き電極の製造方法並びにこれに用いられる導電粒子、キット及び転写型 Download PDF

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Abstract

【課題】電気的に互いに接続すべき回路部材の接続箇所が微小であっても絶縁信頼性及び導通信頼性の両方が優れる接続構造体の製造方法を提供する。【解決手段】本発明は、第一の電極を有する第一の回路部材を準備すること;第二の電極を有する第二の回路部材を準備すること;金属表面を有する複数の導電粒子を準備すること;第一の電極の表面に複数の導電粒子を配置すること;上記金属の融点よりも高い温度に加熱することによって第一の電極に導電粒子を融着させること;第一の回路部材の一方の面であって導電粒子が融着した第一の電極を有する面と、第二の回路部材の一方の面であって第二の回路を有する面との間に絶縁樹脂層を形成すること;第一の回路部材と絶縁樹脂層と第二の回路部材と含む積層体を押圧及び加熱することによって第一及び第二の電極を電気的に接続し且つ第一及び第二の回路部材を接着することを含む。【選択図】図4

Description

本発明は、接続構造体及びその製造方法、端子付き電極の製造方法並びにこれに用いられる導電粒子、キット及び転写型に関する。
液晶表示用ガラスパネルに液晶駆動用ICを実装する方式は、COG(Chip−on−Glass)実装と、COF(Chip−on−Flex)実装との二種に大別することができる。COG実装では、導電粒子を含む異方導電性接着剤を用いて液晶駆動用ICを直接ガラスパネル上に接合する。一方、COF実装では、金属配線を有するフレキシブルテープに液晶駆動用ICを接合し、導電粒子を含む異方導電性接着剤を用いてそれらをガラスパネルに接合する。ここでいう「異方性」とは、加圧方向には導通し、非加圧方向では絶縁性を保つという意味である。
ところで、近年の液晶表示の高精細化に伴い、液晶駆動用ICの回路電極である金属バンプは狭ピッチ化及び狭面積化しており、そのため、異方導電性接着剤の導電粒子が隣接する回路電極間に流出してショートを発生させるおそれがある。特にCOG実装ではその傾向が顕著である。隣接する回路電極間に導電粒子が流出すると、金属バンプとガラスパネルとの間に捕捉される異方導電性接着剤中の導電粒子数が減少し、対面する回路電極間の接続抵抗が上昇する接続不良を起こすおそれがある。このような傾向は、単位面積あたり2万個/mm未満の導電粒子を投入すると、より顕著である。
これらの問題を解決する方法として、導電粒子(母粒子)の表面に複数の絶縁粒子(子粒子)を付着させ、複合粒子を形成させる方法が提案されている。例えば、特許文献1,2では導電粒子の表面に球状の樹脂粒子を付着させる方法が提案されている。更に単位面積あたり7万個/mm以上の導電粒子を投入した場合であっても、絶縁信頼性に優れた絶縁被覆導電粒子が提案されており、特許文献3では、第1の絶縁粒子と、第1の絶縁粒子よりもガラス転移温度が低い第2の絶縁粒子が導電粒子の表面に付着された絶縁被覆導電粒子が提案されている。
特許第4773685号公報 特許第3869785号公報 特開2014−17213号公報
ところで、電気的に互いに接続すべき回路部材の接続箇所が微小(例えばバンプ面積2000μm未満)である場合、安定した導通信頼性を得るために導電粒子を増やすことが好ましい。このような理由から、単位面積あたり10万個/mm以上の導電粒子を投入する場合もでてきている。しかしながら、このように接続箇所が微小である場合、特許文献1〜3に記載の絶縁被覆導電粒子を用いたとしても、導通信頼性と絶縁信頼性のバランスを取ることは難しく、未だ改善の余地があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、電気的に互いに接続すべき回路部材の接続箇所が微小であっても、絶縁信頼性及び導通信頼性の両方が優れる接続構造体及びその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、上記接続構造体を製造するのに有用な端子付き電極の製造方法並びにこれに用いられる導電粒子、キット及び転写型を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者らは従来の手法では絶縁抵抗値が低下する理由について検討した。その結果、特許文献1,2に記載の発明では、導電粒子の表面に被覆されている絶縁粒子の被覆性が低く、単位面積あたり2万個/mm程度又はこれ未満の導電粒子の投入量であっても、絶縁抵抗値が低下しやすいことが分かった。
特許文献3に記載の発明においては、特許文献1,2に記載の発明の欠点を補うため、第1の絶縁粒子と、第1の絶縁粒子よりもガラス転移温度が低い第2の絶縁粒子を導電粒子の表面に付着させている。これにより、導電粒子の投入量が単位面積あたり7万個/mm程度であれば絶縁抵抗値が十分に高い状態を維持できる。しかし、導電粒子の投入量が単位面積あたり10万個/mm以上ともなると絶縁抵抗値が不十分となる可能性があることが分かった。
本発明は本発明者らの上記知見に基づいてなされたものである。本発明は接続構造体の製造方法を提供する。すなわち、本発明に係る接続構造体の製造方法は以下の工程を含む。
・第一の基板と、第一の基板に設けられた第一の電極とを有する第一の回路部材を準備すること。
・第一の電極と電気的に接続される第二の電極を有する第二の回路部材を準備すること。
・粒径2.0〜40μmであり且つ金属からなる表面を有する複数の導電粒子を準備すること。
・第一の電極の表面に上記複数の導電粒子を配置すること。
・第一の電極の表面に配置された上記複数の導電粒子を上記金属の融点よりも高い温度に加熱することによって第一の電極に導電粒子を融着させること。
・第一の回路部材の一方の面であって上記導電粒子が融着した第一の電極を有する面と、第二の回路部材の一方の面であって第二の回路を有する面との間に絶縁樹脂層を形成すること。
・第一の回路部材と絶縁樹脂層と第二の回路部材と含む積層体を当該積層体の厚さ方向の押圧した状態で加熱することによって第一の電極と第二の電極とを導電粒子を介して電気的に接続し且つ第一の回路部材と第二の回路部材と接着すること。
上記接続構造体の製造方法によれば、第一の電極の表面に複数の導電粒子を融着させることで、電気的に互いに接続すべき第一の電極と第二の電極との間のみに導電粒子を配置することができる。これにより、第一の電極と第二の電極の接続箇所が微小であっても、絶縁信頼性及び導通信頼性の両方が優れる接続構造体を十分に効率的且つ安定的に製造することができる。すなわち、第一の電極の表面に融着された導電粒子がバンプ(接続用突起)の役割を果たすことで、従来技術のように異方性導電材料に含まれる無数の導電粒子が絶縁性を確保すべき隣接する電極間に流出することによって当該電極間でショートが発生することを高度に抑制できる。
本発明は端子付き電極の製造方法を提供する。すなわち、本発明に係る端子付き電極の製造方法は以下の工程を含むものである。
・基板と、基板に設けられた電極とを有する回路部材を準備すること。
・粒径2.0〜40μmであり且つ金属からなる表面を有する複数の導電粒子を準備すること。
・電極の表面に上記複数の導電粒子を配置すること。
・電極の表面に配置された上記複数の導電粒子を上記金属の融点よりも高い温度に加熱することによって電極に導電粒子を融着させること。
上記端子付き電極の製造方法によれば、電極の表面に複数の導電粒子を融着させることでこれらの導電粒子がバンプ(接続用突起)の役割を果たすことができる。これにより、この電極と、この回路部材と電気的に接続すべき他の回路部材の電極の接続箇所が微小であっても、絶縁信頼性及び導通信頼性の両方が優れる接続構造体を十分に効率的且つ安定的に製造するのに有用である。
本発明において、電極(第一の電極)に複数の導電粒子を配置するとともに、これらをその位置に融着させるために、転写型を使用してもよい。すなわち、本発明に係る接続構造体の製造方法又は端子付き電極の製造方法は、電極(第一の電極)における複数の導電粒子が配置される位置に対応する位置に複数の開口部を有する転写型を準備すること;複数の開口部に導電粒子を収容することを更に含み、回路部材(第一の回路部材)と転写型とを重ね合せることにより、電極(第一の電極)の表面に転写型の開口部にそれぞれ収容されている導電粒子を配置し、回路部材(第一の回路部材)と転写型とを重ね合せた状態で複数の導電粒子を上記金属の融点よりも高い温度に加熱することによって電極(第一の電極)に導電粒子を融着させてもよい。
本発明は上記転写型を提供する。すなわち、本発明に係る転写型は上記接続構造体の製造方法又は上記端子付き電極の製造方法において使用されるものであって、電極表面における複数の導電粒子が配置される位置に対応する位置に複数の開口部を有する。この転写型によれば、電極表面の所定の位置に微細な複数の導電粒子(粒径2.0〜40μm)を効率的に配置し且つ融着できる。
転写型の開口部は、当該開口部の奥側から転写型の表面側に向けて開口面積が拡大するテーパ状に形成されていることが好ましい。また転写型は可撓性を有する樹脂材料からなることが好ましい。これらの構成を採用することで、導電粒子の粒度分布にある程度の幅があっても、これよりも粒度分布の幅が狭い複数の導電粒子を容易に選択し、これらを電極表面に配置することができる。すなわち、転写型の開口部のサイズよりも小さい導電粒子は開口部に一旦収容されたとしても例えば開口部が形成されている面を下に向ければ落下し、一方、開口部のサイズよりも大きい導電粒子は開口部に収容されない。開口部のサイズに合う導電粒子が開口部に嵌り込み、この状態を維持したまま、転写型の開口部が形成されている面を電極表面に当接させることで電極表面に複数の導電粒子を開口部の形成パターンに則して配置することができる。
本発明は導電粒子を提供する。すなわち、本発明に係る導電粒子は、上記接続構造体の製造方法又は上記端子付き電極の製造方法において使用されるものであって、粒径2.0〜40μmであり且つ融点120〜250℃の金属からなる表面を有する。複数の導電粒子を電極表面に配置した状態において、導電粒子の表面を構成する金属の融点よりも高い温度に加熱することで、複数の導電粒子は電極表面の所定の位置にそれぞれ融着される。
本発明は接続構造体を提供する。すなわち、本発明に係る接続構造体は、第一の基板と、第一の基板に設けられた第一の電極とを有する第一の回路部材と;第一の電極と電気的に接続されている第二の電極を有する第二の回路部材と、第一の電極と第二の電極との間に介在し且つ少なくとも第一の電極に融着している上記導電粒子と、第一の回路部材と第二の回路部材との間に設けられ、第一の回路部材と第二の回路部材と接着している絶縁樹脂層とを備える。この接続構造体によれば、第一の電極の表面に融着している導電粒子がバンプ(接続用突起)の役割を果たしているため、第一の電極と第二の電極の接続箇所が微小であっても、絶縁信頼性及び導通信頼性の両方を十分高水準に達成できる。
本発明は端子付き電極を製造するためのキットを提供する。すなわち、本発明に係るキットは、上記導電粒子と、電極表面における複数の導電粒子が配置される位置に対応する位置に複数の開口部を有する転写型とを備える。このキットによれば、電極表面の所定の位置に微細な複数の導電粒子(粒径2.0〜40μm)を効率的に配置できる。
本発明において、導電粒子は、基材粒子と、基材粒子の表面に形成された金属層とを備えることが好ましい。この場合、金属層は、基材粒子の表面を覆う第一金属層と、導電粒子の最外層を構成する第二金属層とを少なくとも有する多層構造であり、第一金属層の融点が第二金属層の融点よりも高いことが好ましい。複数の導電粒子を電極表面に配置した状態において、第一金属層の融点よりも低く且つ第二金属層の融点よりも高い温度に加熱することで、第一金属層が基材粒子を覆っている状態が十分に維持され、これにより優れた接続信頼性が得られるとともに、電極表面の所定の位置に融解した第二金属層によって複数の導電粒子を融着させることができる。
上記基材粒子の粒径は、例えば、1.5〜10μmであればよい。上記基材粒子は樹脂からなることが好ましい。樹脂からなる基材粒子は、回路接続体の接続部分に衝撃が加わった場合にその衝撃を吸収しやすく、回路接続体の接続信頼性の向上に寄与する。
導電粒子が第一金属層を有する場合、高い融点及び導電性の観点から、第一金属層はニッケル又はニッケル合金を含む層であることが好ましい。ニッケル又はニッケル合金を含む第一金属層を安定的に残存させて十分に優れた接続信頼性を得る観点から、第一金属層のニッケル含有率は85〜98質量%であることが好ましい。
導電粒子が第二金属層を有する場合、低い融点の観点から、第二金属層はスズ又はスズ合金を含む層であることが好ましく、第二金属層のスズ含有率は30〜100質量%であることが好ましい。第二金属層を構成する金属として、In−Sn、In−Sn−Ag、Sn−Bi、Sn−Bi−Ag、Sn−Ag−Cu、Sn−Cu等のスズ合金を採用してもよい。第二金属層はスパッタ又は電解めっきによって形成することができる。
金属層は、第一金属層と第二金属層との間にパラジウム又はパラジウム合金を含む第三金属層を含むものであってもよい。この場合、第三金属層のパラジウム含有率は90質量%以上であることが好ましい。例えば、第一金属層としてニッケル又はニッケル合金を含む層を採用し且つ第二金属層としてスズ又はスズ合金を含む層を採用した場合、これらの層の間に第三金属層(パラジウム又はパラジウム合金を含む層)を設けることで、第一金属層に含まれるニッケルと第二金属層に含まれるスズとが反応してSn−Ni系化合物がこれらの層間に形成されることを十分に抑制できる。より具体的には、導電粒子の金属層が上記第三金属層を有することで、第三金属層に含まれるパラジウムが第二金属層中に拡散し、更にSn−Ni系化合物中に一部取り込まれ、Sn−Ni−Pd系化合物となる。これにより、第一金属層と第二金属層との間にSn−Ni系化合物からなる層が厚く形成されることを抑制でき、導電粒子の信頼性を良好に保つことができる。なお、Sn−Ni系化合物は、ニッケルとスズが近接した位置にある場合(第三金属層が存在しない場合)であって100℃の環境下に曝される生じ得るものであり、導電粒子の信頼性低下を招来する。
第一金属層としてニッケル又はニッケル合金を含む層を採用し且つ第二金属層としてスズ又はスズ合金を含む層を採用した場合、第一金属層はリン及びホウ素の少なくとも一方を含んでもよい。第一金属層に含まれるリン及び/又はホウ素は、第二金属層からのスズが第一金属層に拡散することを抑制する。これにより、第一金属層が薄くなることを抑制できるとともに、第一金属層と第二金属層との間にSn−Ni系化合物が生じることを抑制できる。これらの事項は導電粒子の信頼性を良好に保つことに寄与する。
第一の回路部材の第一の電極を構成する材料として、銅、ニッケル、パラジウム、金、銀及びこれらの合金、並びに、インジウムスズ酸化物が挙げられる。
本発明によれば、電気的に互いに接続すべき回路部材の接続箇所が微小であっても、絶縁信頼性及び導通信頼性の両方が優れる接続構造体及びその製造方法が提供される。また、本発明によれば、上記接続構造体を製造するのに有用な端子付き電極の製造方法並びにこれに用いられる導電粒子、キット及び転写型が提供される。
図1は本発明に係る導電粒子の一実施形態を模式的に示す断面図である。 図2は本発明に係る導電粒子の他の実施形態を模式的に示す断面図である。 図3は本発明に係る導電粒子が電極表面に融着した状態を模式的に示す断面図である。 図4は本発明に係る接続構造体の一部を拡大して示す図であって、導電粒子によって第一の電極と第二の電極が電気的に接続された状態の一例を模式的に示す断面図である。 図5は本発明に係る接続構造体の一部を拡大して示す図であって、導電粒子によって第一の電極と第二の電極が電気的に接続された状態の他の例を模式的に示す断面図である。 図6は本発明に係る接続構造体の一実施形態を模式的に示す断面図である。 図7(a)〜図7(c)は第一の回路部材に端子付き電極を形成する過程の一例を模式的に示す断面図である。 図8(a)は本発明に係る転写型の一実施形態を模式的に示す平面図であり、図8(b)は図8(a)に示すb−b線における断面図である。 図9は転写型の凹部(開口部)に導電粒子が捕捉された状態を模式的に示す断面図である。 図10(a)は転写型の一例を示すSEM写真であり、図10(b)は図10(a)に示す転写型の複数の開口部に導電粒子がそれぞれ配置された状態を示すSEM写真であり、図10(c)は転写型に配置されていた複数の導電粒子が融着工程を経て基板上に固定された状態を示すSEM写真である。 図11(a)〜図11(d)は図7(c)に示す端子付き電極が形成された第一の回路部材と、第二の回路部材とを備える接続構造体を形成する過程の一例を模式的に示す断面図である。 図12(a)及び図12(b)は図7(c)に示す端子付き電極が形成された第一の回路部材と、第二の回路部材とを備える接続構造体を形成する過程の他の例を模式的に示す断面図である。 図13は各電極に計八個の導電粒子が融着した回路部材を模式的に示す平面図である。 図14は各電極に計四個の導電粒子が融着した回路部材を模式的に示す平面図である。
以下、本発明に実施形態について説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、以下で例示する材料は、特に断らない限り、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
<導電粒子>
図1に示す導電粒子10Aは、基材粒子1と、基材粒子1の表面に形成された二層構造の金属層3とを備えた球状の粒子である。導電粒子10Aは、回路接続に先立って電極表面に融着されて使用されるものである。したがって、特許文献1〜3に記載の従来の異方導電性接着剤に配合される導電粒子と異なり、粒子表面に絶縁粒子が付着していないものである。なお、本明細書でいう球状とは、真球だけでなく、楕円体、任意の回転体等も含み、例えば、アスペクト比としては、0.5以上であってもよく、0.8以上であってもよい。
導電粒子10Aの粒径は、例えば2.0〜40μmであり、3〜20μm又は3.5〜10μmであってもよい。導電粒子10Aの粒径が2.5μm以上であれば、導電粒子に衝撃が加わっても導電粒子がその衝撃を十分に吸収できる傾向にあり、他方、粒径が15μm以下であれば、導電粒子の粒径のばらつきを十分に小さくでき、これにより導通信頼性及び絶縁信頼性を両立させやすい。導電粒子10Aの粒径は、走査電子顕微鏡(以下、SEM)を用いた観察により測定することができる。すなわち、導電粒子の平均粒径は、任意の導電粒子300個についてSEMを用いた観察により粒径の測定を行い、それらの平均値をとることにより得られる。
[基材粒子]
基材粒子1は、球状であり且つ非導電性の材料からなる。基材粒子1の粒径は例えば1.5〜10μmであり、2〜10μmであってもよい。粒径が1.5μm以上であれば、導電粒子に衝撃が加わっても基材粒子1がその衝撃を十分に吸収できる傾向にあり、他方、粒径が10μm以下であれば、基材粒子1の粒径のばらつきを十分に小さくできる傾向にある。基材粒子1の粒径は、SEMを用いた観察により測定することができる。基材粒子1の平均粒径は、任意の基材粒子300個についてSEMを用いた観察により粒径の測定を行い、それらの平均値をとることにより得られる。
基材粒子1の材質としては、特に限定されないが、樹脂又はシリカを採用できる。これらの具体例としては、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート等のアクリル樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン樹脂;ガラス;シリカなどが挙げられる。基材粒子1として樹脂粒子を採用する場合、例えば、架橋アクリル粒子、架橋ポリスチレン粒子等を使用可能である。はんだによるリフロー接続を行うことを想定すると、基材粒子1のガラス転移点(Tg)は、はんだの融点よりも高いことが好ましい。一般的に普及しているSn−3質量%Ag−0.5質量%Cuを例にとると、その融点は217〜219℃であることから、基材粒子1としてはTgが例えば220℃以上の材料を採用すればよい。かかる材料を採用することで、リフロー接続のためにはんだを溶融させても、その温度が基材粒子1のTg未満であれば、基材粒子1の変形が十分に抑制されるため、導電粒子10A,10Bに含まれる基材粒子1が優れた寸法安定性を示し、これにより良好な接続信頼性と絶縁信頼性を得られる傾向にある。
[金属層]
図1に示すように金属層5は二層構造であり基材粒子1を被覆している。金属層3Aは、基材粒子1側から順に、ニッケル又はニッケル合金を含む第一金属層3aと、スズ又はスズ合金を含む第二金属層3bとを有する。なお、金属層3Aは基材粒子1の全体を必ずしも被覆していなくてもよく、基材粒子1の表面の好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上を被覆していればよい。
(第一金属層)
第一金属層3aは、ニッケル又はニッケル合金を含む層であり、基材粒子1の表面を被覆している。第一金属層3aのニッケル含有量は、例えば85〜98質量%であり、87〜96質量%又は90〜95質量%であってもよい。ニッケル含有量が85〜98質量%であれば、後述の第二金属層3b(スズ又はスズ合金を含む層)が電極と接合した後(図4参照)、第一金属層3aが安定的に残存し、これにより高い接続信頼性を維持できる傾向にある。なお、第一金属層3aは基材粒子1の表面全体を必ずしも被覆していなくてもよく、基材粒子1の表面の好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上を被覆していればよい。
第一金属層3aの厚さは例えば0.05〜5μmの範囲であり、0.1〜3μm又は0.2〜2μmの範囲であってもよい。第一金属層3aの厚さが0.05μm以上であれば、後述の第二金属層3b(スズ又はスズ合金を含む層)が電極と接合した後(図4参照)、第一金属層3aが安定的に残存し、これにより高い接続信頼性を維持できる傾向にある。なお、第一金属層3aの厚さが0.05μm未満であると、第二金属層3bが電極と接合した後に、第一金属層3aに含まれるニッケルが第二金属層3bに含まれるスズ又はスズ合金中に拡散し、これにより不連続膜が形成され、その結果、接続信頼性が低下する傾向にある。
第一金属層3aは、リン及びホウ素の少なくとも一方を含んでいてもよく、特にリンを含んでいてもよい。これにより、第二金属層3bが電極と接合した後、第一金属層3aに含まれるニッケルが第二金属層3bに含まれるスズ又はスズ合金中に拡散することを抑制することができ、その結果、第一金属層3aの厚さが減少することを十分に抑制できる。
第一金属層3aは無電解ニッケルめっきにより形成することができる。無電解ニッケルめっきによる第一金属層3aの形成は、公知の方法で実施すればよく、例えば基材粒子1の表面をパラジウム触媒化処理した後、無電解ニッケルめっきを実施すればよい。より好適には、無電解ニッケルめっきのための還元剤として次亜リン酸ナトリウム等のリン含有化合物を用いることで、リンを共析させることができ、ニッケル及びリンを含む合金(ニッケル−リン合金)が含まれる第一金属層3aを形成することができる。あるいは、還元剤として、例えば、ジメチルアミンボラン、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム等のホウ素含有化合物を用いることで、ホウ素を共析させることができ、ニッケル及びホウ素を含む合金(ニッケル−ホウ素合金)が含まれる第一金属層3aを形成することができる。
(第二金属層)
第二金属層3bは、スズ又はスズ合金を含む層であり、第一金属層3aの表面を被覆しており、はんだの役割を果たす層である。なお、第二金属層3bは第一金属層3aの表面全体を必ずしも被覆していなくてもよく、第一金属層3aの表面の好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上を被覆していればよい。第二金属層3bが導電粒子10Aの最外層を構成しており、電極と接合する(図4参照)。
第二金属層3bを構成するスズ合金として、例えば、In−Sn、In−Sn−Ag、Sn−Bi、Sn−Bi−Ag、Sn−Ag−Cu、Sn−Cu等を採用することができ、以下に具体例を挙げる。
・In−Sn(In52質量%、Bi48質量% 融点118℃)
・In−Sn−Ag(In20質量%、Sn77.2質量%、Ag2.8質量% 融点175℃)
・Sn−Bi(Sn43質量%、Bi57質量% 融点138℃)
・Sn−Bi−Ag(Sn42質量%、Bi57質量%、Ag1質量% 融点139℃)
・Sn−Ag−Cu(Sn96.5質量%、Ag3質量%、Cu0.5質量% 融点217℃)
・Sn−Cu(Sn99.3質量%、Cu0.7質量% 融点227℃)
接続する温度に応じて、上記スズ合金を選択することができる。例えば、低温で接続したい場合、第二金属層3bを構成するスズ合金としてIn−Sn又はSn−Biを用いることにより150℃以下で接続することができる。第二金属層3bを構成するスズ合金として融点の高い材料(例えばSn−Ag−Cu又はSn−Cu)を用いることにより第二金属層3bが電極と接合した状態において、高温放置後においても、高い信頼性を達成できる傾向にある。スズ又はスズ合金を含む層は、必要に応じてNi、Mn、Sb、Al、Zn等の金属を微量含むこともできる。
第二金属層3bの厚さは例えば0.03〜10μmの範囲であり、0.05〜5μm又は0.1〜2μmの範囲であってもよい。第二金属層3bの厚さが0.03μm以上であれば、この第二金属層3bが電極と接合した状態において高い信頼性を達成できる傾向にある。導電粒子10A同士の凝集を抑制するとともに、導電粒子10Aを効率的に製造する観点から、第二金属層3bの厚さの上限値は上記のとおり10μm程度とすればよい。
第二金属層3bは、Ag、Cu、Ni、Bi、Zn、Pd、Pb、Au、P、B又はこれらから選べる二種以上の合金を含んでもよく、これらのうち以下の観点からAg又はCuを含んでもよい。すなわち、第二金属層3bがAg又はCuを含むことで、第二金属層3bの融点を220℃程度まで低下させることができる、電極との接合強度が向上することによって良好な接続信頼性を得られるという効果が奏される。
第二金属層3bのCu含有率は例えば0.05〜10質量%であり、0.1〜5質量%又は0.2〜3質量%であってもよい。Cu含有率が0.05質量%以上であれば、良好なはんだ接続信頼性を得られやすく、他方、10質量%以下であれば融点が低くなり、はんだの濡れ性が向上し、結果として接合部の接続信頼性が良好となりやすい。
第二金属層3bのAg含有率は例えば0.05〜10質量%であり、0.1〜5質量%又は0.2〜3質量%であってもよい。Ag含有率が0.05質量%以上であれば、良好なはんだ接続信頼性を得られやすく、他方、10質量%以下であれば融点が低くなり、はんだの濡れ性が向上し、結果として接合部の接続信頼性が良好となりやすい。第二金属層3bがAgを含有することで、第二金属層3b内においてAgSnが形成され、これがはんだ中に分散することではんだの衝撃に対する強度が向上する。
第二金属層3bは、スパッタ、無電解めっき又は電解めっきによって形成することができる。これらのうち、膜厚の均一性の点からスパッタ又は無電解めっきが好ましい。また、電解めっきでは、粒径が小さくなるにしたがって、電解めっき時に粒子同士が凝集しやすいため、この点からもスパッタ又は無電解めっきが好ましい。なお、無電解めっきによって第二金属層3bを形成した場合、第二金属層3bのスズ含有量が99%以上となりやすい。このため、第二金属層3bにおける他金属の含有量をコントロールするには、スパッタ又は電解めっきによって第二金属層3bを形成すればよい。
無電解スズめっきには置換型と還元型があり、これらのうち還元型の無電解スズめっきによって第二金属層3bを形成することが好ましい。還元型の無電解スズめっき液を用いた場合、下地層の腐食が抑制された状態で被膜が形成されるため、第一金属層3aと皮膜(第二金属層3b)との密着性が保たれ、良好なはんだ接続信頼性を得られやすい。
無電解スズめっきに使用されるめっき液は酸を含む。この酸はpH調整剤及びスズイオンの安定化剤として機能する。この酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、ホウフッ化水素酸、リン酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸等のカルボン酸;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等のアルカンスルホン酸;ベンゼンスルホン酸、フェノールスルホン酸、クレゾールスルホン酸等の芳香族スルホン酸などの水溶性有機酸を挙げることができる。このうち、第二金属層3bの形成速度、及びスズ化合物の溶解性等の点から硫酸又は塩酸であってもよい。酸の濃度は例えば1〜50質量%であり、5〜40質量%又は10〜30質量%の範囲であってもよい。上記範囲内であれば、銅−スズ合金層、ニッケル−スズ合金層を容易に形成できる傾向にある。
無電解スズめっき液に含まれるスズ化合物は、酸性溶液に可溶性のものである限り、スズ塩、スズ酸化物等の中から特に制限なく使用できるが、その溶解性の観点から、上記酸との塩類であってもよい。例えば、硫酸第一スズ、硫酸第二スズ、ホウフッ化第一スズ、ホウフッ化第二スズ、フッ化第一スズ、フッ化第二スズ、硝酸第一スズ、硝酸第二スズ、塩化第一スズ、塩化第二スズ、ギ酸第一スズ、ギ酸第二スズ、酢酸第一スズ、酢酸第二スズ等の第一スズ塩又は第二スズ塩が使用できる。無電解スズめっき液におけるスズ化合物の濃度は、0.05〜10質量%の範囲であってもよく、0.1〜5質量%の範囲であってもよく、0.5〜3質量%の範囲であってもよい。上記範囲内であれば、銅−スズ合金層、ニッケル−スズ合金層を容易に形成できる傾向にある。
無電解スズめっき液に含まれる錯化剤は、第一金属層3aに配位してキレートを形成することで、表面にスズめっき層を形成しやすくするものである。例えば、チオ尿素、1,3−ジメチルチオ尿素、1,3−ジエチル−2−チオ尿素、チオグリコール酸等のチオ尿素誘導体などが使用できる。無電解スズめっき液における錯化剤の濃度は、1〜50質量%の範囲であってもよく、5〜40質量%であってもよく、10〜30質量%の範囲であってもよい。この範囲内であれば、スズめっき層の形成速度を低下させずに、第二金属層3bとの接着性を確保できる傾向にある。
無電解スズめっき液は、上記成分の他、安定化剤、界面活性剤等の添加剤を含んでもよい。安定化剤は、第一金属層3aの表面の近傍において、反応に必要な各成分の濃度を維持するための添加剤である。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、セロソルブ、カルビトール、ブチルカルビトール等のグリコールエーテル類などが例示できる。無電解スズめっき液における安定化剤の濃度は、1〜80質量%であってもよく、5〜60質量%であってもよく、10〜50質量%の範囲であってもよい。上記範囲内であれば、第一金属層3a表面の近傍において、反応に必要な各成分の濃度を容易に維持できる傾向にある。界面活性剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤等が例示できる。
電解めっきによって第二金属層3bを形成する場合、市販の電解用スズめっき液を使用すればよい。めっき装置としては、バレルめっき装置であれば特に限定するものではないが、斜め型のバレルめっき装置が粒子同士の凝集を抑制できる傾向にある。
スパッタによって第二金属層3bを形成する場合、市販のスパッタ装置を使用することが可能で特に限定しないが、バレル方式によるスパッタ装置であれば特に限定するものではない。円筒状、斜め状、多角形状等のバレルスパッタ装置が粒子同士の凝集を抑制できる傾向にある。
(第三金属層)
図2に示す導電粒子10Bは、基材粒子1と、基材粒子1の表面に形成された金属層3Bとを備えた球状の粒子である。図2に示すとおり、導電粒子10Bの金属層3Bが三層構造である点、すなわち、第一金属層3aと第二金属層3bとの間に第三金属層3cを更に有する点において、二層構造の金属層3Aを備える導電粒子10Aと相違する。以下、主にこの相違点に係る構成について説明する。
図2に示す導電粒子10Bの粒径は、導電粒子10Aと同様、例えば2.0〜40μmであり、3〜20μm又は3.5〜10μmであってもよい。導電粒子10Bの粒径が2.0μm以上であれば、導電粒子10Bに衝撃が加わっても導電粒子10Bがその衝撃を十分に吸収できる傾向にあり、他方、粒径が40μm以下であれば、導電粒子10Bの粒径のばらつきを十分に小さくでき、これにより導通信頼性及び絶縁信頼性を両立させやすい。導電粒子10Bの粒径は導電粒子10Aと同様、SEMを用いた観察により測定することができる。
第三金属層3cはパラジウム又はパラジウム合金を含む層である。第三金属層3cは、例えばパラジウムめっき工程を経て形成することができ、無電解めっき型のパラジウム層であることが好ましい。無電解パラジウムめっきは、置換型(還元剤の入っていないタイプ)、還元型(還元剤の入ったタイプ)のいずれを用いて行ってもよい。無電解パラジウムめっきの例としては、還元型ではAPP(石原薬品工業、商品名)等があり、置換型ではMCA(株式会社ワールドメタル製、商品名)等がある。置換型と還元型を比較した場合、還元型はボイドが少なくなりやすいため特に好ましい。内側の金属を溶解させながら析出する置換型と比較して、還元型は被覆面積が上がりやすいため好ましい。
第三金属層3cが多層構造を有していてもよい。すなわち、第三金属層3cは、第一金属層3aの外側に設けられた第一パラジウムめっき被膜と、この被膜の外側に設けられた第二パラジウムめっき被膜とを有してもよい。第一パラジウムめっき被膜は純度99質量%以上の置換又は無電解パラジウムめっき被膜であり且つ第二パラジウムめっき被膜は純度90質量%以上99質量%未満の無電解パラジウムめっき被膜であることが好ましい。この理由は以下のとおりである。
すなわち、第三金属層3cとして、純度99質量%以上の置換型又は還元型の無電解パラジウムめっき被膜を単独で形成した場合、Sn−Cu−Ni系化合物又はSn−Ni系化合物にPdが含まれることによって、これらの化合物の成長を抑制する効果が得られるものの、純度90質量%以上99質量%未満の還元型の無電解パラジウムめっき被膜の方がこれらの化合物の成長を抑制する効果が高い。一方、第三金属層3cとして、純度90質量%以上99質量%未満の還元型の無電解パラジウムめっき被膜を単独で形成した場合、無電解パラジウムめっき被膜におけるリン含有率を高めることができるという利点がある。その反面、第一金属層3aが表面に形成された基材粒子1の全てに均一な厚さで被膜を析出させることは困難であり、リンを含む被膜(無電解パラジウム−リン被膜)が形成されない粒子又は被膜が著しく薄い粒子が生じやすい。この現象は導電粒子の粒径が小さくなるほど現れやすくなる傾向がある。その結果、純度90質量%以上99質量%未満の還元型の無電解パラジウムめっき被膜を単独で形成した場合、パラジウム−リン合金めっき被膜が第一金属層3aの保護層として機能しなくなるおそれがある。他方、純度99質量%以上の置換又は還元型の無電解パラジウムめっき被膜は、純度90質量%以上99質量%未満の還元型の無電解パラジウムめっき被膜よりも、第一金属層3aへの析出が起こりやすく、第一金属層3aが表面に形成された基材粒子1の全てに十分に均一な厚さで析出が起こり、また、基材粒子1の粒径に依存しないで析出する。純度99質量%以上の置換又は還元型の無電解パラジウムめっき被膜を形成した後においては、その表面に純度90質量%以上99質量%未満の還元型の無電解パラジウムめっき被膜の析出が起こりやすいため、基材粒子1の粒径に依存せず析出が起こる。このような理由から、第三金属層3cは、第一金属層3aの外側に設けられた第一パラジウムめっき被膜(純度99質量%以上の置換又は無電解パラジウムめっき被膜)と、この被膜の外側に設けられた第二パラジウムめっき被膜(純度90質量%以上99質量%未満の無電解パラジウムめっき被膜)とを有することが好ましい。
第三金属層3cは、第二金属層3bが電極と接合した後において、第二金属層3b中にパラジウムが拡散することによって層として残存しなくなってもよい。パラジウムが第二金属層3b(スズ又はスズ合金を含む層)中に拡散することで、Sn−Cu−Ni−Pd系化合物又はSn−Ni−Pd系化合物が第一金属層3aと第二金属層3bとの間に形成することが可能である。これらの化合物におけるPd含有量は、好ましくは0.01〜3質量%であり、より好ましくは0.02〜1質量%であり、更に好ましくは0.05〜0.5質量%である。上記化合物のPd含有量が0.01質量%以上であれば、100℃程度の高温環境下におけるSn−Cu−Ni系化合物又はSn−Ni系化合物の成長を抑制する効果を得やすく、他方、Pd含有量が3質量%以下であれば第三金属層3c(パラジウムめっき被膜)がはんだ中に拡散して消失しやすくなり、耐落下衝撃信頼性が向上する傾向がある。
第三金属層3cは、はんだ(第二金属層3b)の濡れ広がりを確保する層としても機能する。第三金属層3cの厚さは例えば0.01〜0.5μmであり、0.03〜0.4μm又は0.05〜0.3μmであってもよい。第三金属層3cの厚さが0.01μm以上であれば、第二金属層3bが電極と接合した後において、上記のSn−Cu−Ni−Pd系化合物又はSn−Ni−Pd系化合物におけるPd含有量を0.01質量%以上としやすく、その結果、100℃程度の高温環境下におけるSn−Cu−Ni系化合物又はSn−Ni系化合物の成長を抑制する効果を得やすく、他方、0.5μm以下であれば第三金属層3c(パラジウムめっき被膜)がはんだ中に拡散して消失しやすくなり、耐落下衝撃信頼性向上する傾向がある。
<端子付き電極>
図3は、本実施形態に係る端子付き電極35を模式的に示す斜視図である。すなわち、同図は導電粒子10Aが第一の回路部材30の電極32表面に融着した状態を模式的に示したものであり、導電粒子10Aが電極32表面においてバンプ(接続用突起)の役割を果たす。第一の回路部材30は、第一の回路基板31と、その表面31a上に配置された第一の電極32とを備える。図3に示すとおり、導電粒子10Aの第一金属層3aが一旦融解しその後に固化する工程を経て第一の電極32に融着している。本明細書において「融着」とは上記のとおり、第一金属層3aの少なくとも一部が熱によって融解し、その後、これが固化する工程を経ることによって電極の表面に導電粒子が接合された状態を意味する。なお、ここでは導電粒子10Aを採用しているが、これの代わりに導電粒子10Bを採用してもよい。
第一の電極32の具体例としては、銅、銅/ニッケル、銅/ニッケル/金、銅/ニッケル/パラジウム、銅/ニッケル/パラジウム/金、銅/ニッケル/金、銅/パラジウム、銅/パラジウム/金、銅/スズ、銅/銀、インジウム錫酸化物等の電極が挙げられる。第一の電極32は、無電解めっき又は電解めっき又はスパッタで形成することができる。
<接続構造体>
図4は、本実施形態に係る接続構造体50Aの一部を拡大して模式的に示す断面図である。すなわち、同図は第一の回路部材30の電極32と第二の回路部材40の電極42が導電粒子10Aを介して電気的に接続された状態を模式的に示したものである。第二の回路部材40は、第二の回路基板41と、その表面41a上に配置された第二の電極42とを備える。
接続構造体50Aは、図4に示すとおり、第一の回路部材30と、第二の回路部材40と、第一の電極32と第二の電極42との間に介在している導電粒子10Aと、第一の回路部材30と第二の回路部材40との間に設けられた絶縁樹脂層55とを備える。本実施形態においては、導電粒子10Aの第一金属層3aが第一の電極32に融着し且つ第二の電極42の表面に接触している。回路部材30,40の間に充填された絶縁樹脂層55は、第一の回路部材30と第二の回路部材40が接着された状態を維持するとともに、第一の電極32と第二の電極42が電気的に接続された状態を維持する。
図5は、図4に示す接続構造体50Aの変形例を模式的に示す断面図である。この変形例に係る接続構造体50Bにおいては、導電粒子10Aの第一金属層3aが第一の電極32に融着し且つ第二の電極42にも融着している。
回路部材30,40のうちの一方の具体例として、ICチップ(半導体チップ)、抵抗体チップ、コンデンサチップ、ドライバーIC等のチップ部品;リジット型のパッケージ基板が挙げられる。これらの回路部材は、回路電極を備えており、多数の回路電極を備えているものが一般的である。回路部材30,40のうちの他方の具体例としては、金属配線を有するフレキシブルテープ基板、フレキシブルプリント配線板、インジウム錫酸化物(ITO)が蒸着されたガラス基板等の配線基板が挙げられる。
図6に示す接続構造体50Aは、図5に示す導電粒子10Aによる接続部分を複数(図6には三つ図示)備える。互いに対面する電極32,42同士の電気的接続は導電粒子10Aによって確保されるため、異方導電性接着剤を使用しなくてもよく、換言すれば、絶縁樹脂層55は導電粒子を含有しないものを採用すればよい。したがって、本実施形態及びその変形例によれば、狭ピッチ(例えば10μmレベルのピッチ)での絶縁信頼性を大幅に向上させることができる。
接続構造体50A,50Bの適用対象としては、液晶ディスプレイ、パーソナルコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、タブレット等のデバイスが挙げられる。
<端子付き電極の製造方法>
図7〜10を参照しながら、端子付き電極35の製造方法について説明する。ここでは、第一の回路部材30が有する電極32表面に複数の導電粒子10Aを融着させることによって端子付き電極35を製造する方法を説明する。図7(a)〜(c)は第一の回路部材に端子付き電極を形成する過程の一例を模式的に示す断面図である。
(転写型の準備)
まず、複数の導電粒子10Aを電極32の表面に配置及び融着させるための転写型60を準備する。図8(a)は転写型60の平面図であり、図8(b)は図8(a)に示すB−B線における断面図である。図9は、転写型60が有する複数の凹部(開口部)62に導電粒子10Aが収容された状態を示す断面図である。複数の凹部62は、導電粒子10Aが配列されるべき電極32表面の位置に対応する位置にそれぞれ設けられている。
転写型60の凹部62は、凹部62の底部62a側(奥側)から転写型60の表面60a側に向けて開口面積が拡大するテーパ状に形成されていることが好ましい。すなわち、図9に示すように、凹部62の底部62aの幅(図9における幅a)は、凹部62の表面60aにおける開口の幅(図9における幅b)よりも狭いことが好ましい。そして、凹部62のサイズ(テーパ角度及び深さ)は、電極32表面に配列すべき導電粒子10Aのサイズに応じて設定すればよい。すなわち、電極32表面に配列すべき導電粒子10Aを凹部62に収容したとき、凹部62から突出する導電粒子10Aの高さ(転写型60の表面60aから導電粒子10Aの上端部までの距離(図9における距離c))は、電極32の表面により確実に導電粒子10Aを融着させる観点から、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは2μm以上であることが好ましい。
転写型60を構成する材料としては、例えば、シリコン、各種セラミックス、ガラス、ステンレススチール等の金属等の無機材料、並びに、各種樹脂等の有機材料を使用することができる。これらのうち、凹部62に導電粒子10Aを収容した状態で保持する観点から、可撓性を有する樹脂材料からなることが好ましい。転写型60の凹部62は、フォトリソグラフ法等の公知の方法によって形成することができる。
転写型60を使用することで、導電粒子10Aの粒度分布にある程度の幅があっても、これよりも粒度分布の幅が狭い複数の導電粒子10Aを容易に選択し、これらを電極32表面に配置することができる。すなわち、転写型60の凹部62のサイズよりも小さい導電粒子10Aは凹部62に一旦収容されたとしても例えば凹部62が形成されている面を下に向ければ落下し、一方、凹部62のサイズよりも大きい導電粒子10Aは凹部62に収容されない。凹部62のサイズに合う導電粒子10Aが凹部62に嵌り込み、この状態を維持したまま、転写型60の凹部62が形成されている面を電極表面に当接させることで電極32表面に複数の導電粒子10Aを凹部62の形成パターンに則して配置することができる(図7(a)及び図7(b)参照)。なお、ここでは、導電粒子10Aが配置される開口部として凹部62(有底の開口)を例示したが、開口部は転写型の表面から裏面にかけて貫通する孔によって構成されていてもよい。
図10(a)は本発明者らが実際に作製した転写型の一例を示すSEM写真である。図10(b)は図10(a)に示す転写型の複数の開口部に導電粒子がそれぞれ配置された状態を示すSEM写真である。図10(c)は転写型に配置されていた複数の導電粒子が融着工程を経て基板上に固定された状態を示すSEM写真である。図10(a)に示す転写型は、メッシュ状で底がない開口部を有するもののように見えるが、この転写型の開口部は底を有するものである。
(導電粒子の配置及び融着)
図7(a)は各凹部62に導電粒子10Aを収容している転写型60を第一の回路部材30の表面に対面させた状態を模式的に示す断面図である。図7(b)は転写型60の凹部62に収容された導電粒子10Aを第一の電極32の表面に当接させた状態を模式的に示す断面図である。図7(c)は導電粒子10Aが第一の電極32表面に融着した状態を模式的に示す断面図である。図7(b)に示す状態において、導電粒子10Aの第一金属層3aの融点よりも高い温度(例えば120〜250℃)に少なくとも導電粒子10Aを加熱することにより、第一金属層3aを溶融させ、その後、冷却することで第一の電極32の所定の位置に導電粒子10Aを融着させることができる。これにより、端子付き電極35が得られる(図3及び図7(c)参照)。
<接続構造体の製造方法>
図11(a)〜図11(d)を参照しながら、接続構造体50の製造方法について説明する。これらの図は、図7(c)に示す端子付き電極35が形成された第一の回路部材30と、第二の回路部材40とを備える接続構造体を形成する過程の一例を模式的に示す断面図である。本実施形態においては、絶縁性を有する樹脂材料からなる所定の厚さの絶縁樹脂フィルム55pを予め準備し(図11(a))、これを第一の回路部材30の表面にラミネートすることにより、第一の回路部材30の表面(端子付き電極35も含む)を被覆する(図11(b)参照)。ラミネートした絶縁樹脂フィルム55p上に、第二の電極42が形成された面が対面するように第二の回路部材40を配置する(図11(c)参照)。その後、これらの部材の積層体の厚さ方向(図11(d)に示す矢印A及び矢印Bの方向)に加圧することによって電極35を第二の電極42と接触させる。絶縁樹脂フィルムが例えば熱硬化性樹脂からなる場合、矢印A及び矢印Bの方向に加圧する際に全体を加熱することによって熱硬化性樹脂を硬化させることができる。これにより、熱硬化性樹脂の硬化物からなる絶縁樹脂層55が回路部材30,40の間に形成される。このときの加熱温度を導電粒子10Aの第一金属層3aの融点よりも高く設定すれば、図5に示すように、第二の電極42に対しても導電粒子10Aを融着させることができる。なお、ここでは絶縁樹脂フィルム55pを第一の回路部材30の表面に配置する場合を例示したが、これの代わりにペースト状の絶縁樹脂組成物を第一の回路部材30の表面に塗布してもよい。
図12(a)及び図12(b)を参照しながら、接続構造体50の製造方法の変形例について説明する。この変形例においては、端子付き電極35が形成された第一の回路部材30と、第二の回路部材40との間に絶縁樹脂フィルム55pを配置し(図12(a)参照)、その後、これらの部材の積層体の厚さ方向(図12(b)に示す矢印A及び矢印Bの方向)に加圧することによって電極35を第二の電極42と接触させる。絶縁樹脂フィルムが例えば熱硬化性樹脂からなる場合、矢印A及び矢印Bの方向に加圧する際に全体を加熱することによって熱硬化性樹脂を硬化させることができる。これにより、熱硬化性樹脂の硬化物からなる絶縁樹脂層55が回路部材30,40の間に形成される。
本実施形態によれば、接続面積が例えば16〜2000μmあるいは25〜1600μm又は100〜1000μmであるように微小であっても、絶縁信頼性及び導通信頼性の両方が優れる接続構造体及びその製造方法が提供される。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
[導電粒子の作製]
(工程a)前処理工程
平均粒径3.0μmの架橋ポリスチレン粒子(株式会社日本触媒製、商品名「ソリオスター」)2gを、パラジウム触媒であるアトテックネオガント834(アトテックジャパン株式会社製、商品名)を8質量%含有するパラジウム触媒化液100mLに添加し、30℃で30分間攪拌した。次に、φ3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア株式会社製)で濾過した後、水洗を行うことで樹脂粒子を得た。その後、pH6.0に調整された0.5質量%ジメチルアミンボラン液に樹脂粒子を添加し、表面が活性化された樹脂粒子を得た。そして、20mLの蒸留水に、表面が活性化された樹脂粒子を浸漬した後、超音波分散することで、樹脂粒子分散液を得た。
(工程b)第一金属層の形成
工程aを経て得た樹脂粒子分散液を、80℃に加温した水1000mLで希釈した後、めっき安定剤として1g/Lの硝酸ビスマス水溶液を1mL添加した。次に、樹脂粒子を2g含む分散液に、下記組成(下記成分を含む水溶液。1g/Lの硝酸ビスマス水溶液をめっき液1Lあたり1mL添加した。以下同様)の第一金属層形成用無電解ニッケルめっき液500mLを5mL/分の滴下速度で滴下した。滴下終了後、10分間経過した後に、めっき液を加えた分散液を濾過した。濾過物を水で洗浄した後、80℃の真空乾燥機で乾燥した。このようにして、表1に示す0.5μmの膜厚のニッケル−リン合金被膜(ニッケル濃度93質量%、残部リン)からなる第1の層を形成した。第1の層を形成することにより得た粒子Aは6gであり、外径は4μmであった。
(第1の層形成用無電解ニッケルめっき液)
硫酸ニッケル:400g/L
次亜リン酸ナトリウム:150g/L
酢酸:120g/L
硝酸ビスマス水溶液(1g/L):1mL/L
(工程c)第二金属層の形成
第一金属層(ニッケル)を形成した粒子6gに、バレルスパッタにより、Sn−3.0Ag−0.5Cuの組成のはんだ層(第二金属層)を平均で0.5μm形成した。なお、バレルスパッタは、回転駆動部内部にSn−3.0Ag−0.5Cuの組成のターゲットを備えた円筒状のバレルの中に上記第一金属層(ニッケル)を形成した粒子を入れ、バレル内を1×10−4Pa以下に減圧した後、バレル内が1Paになるようアルゴンを一定流速で流した。その後、バレルを回転及び反転させて粒子を転動、攪拌した。更に、粒子に直接振動を加えて、粒子の凝集を抑制した。その後、ターゲットに電圧を印加し、粒子の表面にスパッタ層を形成した。Sn−3.0Ag−0.5Cuの組成のスパッタ層が0.5μmになるまでスパッタを行った後、バレル内を大気圧に戻し、導電粒子を取り出した。第二金属層を形成することにより得た導電粒子は10gであり、外径は5μmであった。粒子を取り出し、メッシュの開口径が8μm角である直径7cmの篩を通すことで、凝集体を取り除いた。
[端子付き電極の作製]
(工程d)
工程cを経て得た導電粒子(外径5μm)を、開口径6μm角、底部径3μm角、深さ5μm(底部径3μm角は、開口部を上面からみると、開口径6μm角の中央に位置するものとする)の転写型の凹部に配置した。転写型のフィルムとして、ポリイミドフィルム(厚さ100μm)を用いた。
銅バンプ(面積15μm×30μm、スペース10μm、高さ:10μm、バンプ数362)付きチップ(1.7×1.7mm、厚さ:0.5mm)と、導電粒子を凹部に配置した転写型を対面させ、銅バンプと導電粒子を接触させた。真空リフローはんだ付け装置[PINK社製(ドイツ)製真空リフローハンダ付け装置VADU100]を用い、ギ酸濃度2質量%、圧力2000Pa、230℃で1分間保持して接合することにより、端子付き電極付きチップ(1.7×1.7mm、厚さ:0.5mm)を得た。より具体的には、図13のように、銅バンプ上に8μmピッチで八個の導電粒子が配置された端子付き電極付きチップC1を得た。これと同様にして、下記の構成のチップC2,C3(1.7×1.7mm、厚さ:0.5mm)を得た。図14は、銅バンプ上に8μmピッチで四個の導電粒子が配置されたチップC2(回路部材)を模式的に示す平面図である。
・チップC1…面積15μm×30μm、スペース10μm、高さ:10μm、バンプ数362、銅バンプ上導電粒子数八個
・チップC2…面積15μm×15μm、スペース10μm、高さ:10μm、バンプ数362、銅バンプ上導電粒子数四個
・チップC3…面積15μm×30μm、スペース6μm、高さ:10μm、バンプ数362、銅バンプ上導電粒子数八個
[接続構造体の作製]
(工程e)
フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製、商品名「PKHC」)100gと、アクリルゴム(ブチルアクリレート40質量部、エチルアクリレート30質量部、アクリロニトリル30質量部、グリシジルメタクリレート3質量部の共重合体、分子量:85万)75gとを、酢酸エチル400gに溶解し、溶液を得た。この溶液に、マイクロカプセル型潜在性硬化剤を含有する液状エポキシ樹脂(エポキシ当量185、旭化成エポキシ株式会社製、商品名「ノバキュアHX−3941」)300gを加え、撹拌して接着剤溶液を得た。得られた接着剤溶液を、セパレータ(シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ40μm)にロールコータを用いて塗布し、90℃で10分間の加熱することにより乾燥して、厚さ10μmの接着フィルム(絶縁樹脂フィルム)をセパレータ上に作製した。
次に、作製した接着フィルムを用いて、端子付き電極付きチップ(1.7×1.7mm、厚さ:0.5mm)と、IZO回路付きガラス基板(厚さ:0.7mm)との接続を、以下に示すi)〜iii)の手順に従って行うことによって接続構造体を得た。
i)接着フィルム(2×19mm)をIZO回路付きガラス基板に、80℃、0.98MPa(10kgf/cm)で貼り付けた。
ii)セパレータを剥離し、チップのバンプとIZO回路付きガラス基板の位置合わせを行った。
iii)190℃、40gf/バンプ、10秒の条件でチップ上方から加熱及び加圧を行い、本接続を行った。作製した導電粒子等の条件を表1にまとめて示した。
<導電粒子の膜厚及び成分の評価>
得られた導電粒子の中心付近を通るようにウルトラミクロトーム法で断面を切り出した。透過型電子顕微鏡装置(以下「TEM装置」と略称する、日本電子株式会社製、商品名「JEM−2100F」)を用いて任意の倍率で観察した。得られた画像から、導電粒子の中心部から半径方向における、各被膜の厚さを測定した。5個の導電粒子について各5箇所測定し、合計25箇所の平均値を、膜厚とした。また、EDXマッピングデータから、各被膜における元素の含有量(純度)を算出した。
[接続構造体の評価]
得られた接続構造体の導通抵抗試験及び絶縁抵抗試験を以下のように行った。
(導通抵抗試験−吸湿耐熱試験)
チップ電極(バンプ)/ガラス電極(IZO)間の導通抵抗に関して、導通抵抗の初期値と吸湿耐熱試験(温度85℃、湿度85%の条件で100、300、500、1000、2000時間放置)後の値を、20サンプルについて測定し、それらの平均値を算出した。なお、前述のチップC1及びチップC2を用いて評価した。得られた平均値から下記基準に従って導通抵抗を評価した。結果を表2に示す。なお、吸湿耐熱試験500時間後に、下記A又はBの基準を満たす場合は導通抵抗が良好といえる。
A:導通抵抗の平均値が2Ω未満
B:導通抵抗の平均値が2Ω以上5Ω未満
C:導通抵抗の平均値が5Ω以上10Ω未満
D:導通抵抗の平均値が10Ω以上20Ω未満
E:導通抵抗の平均値が20Ω以上
(導通抵抗試験−高温放置試験)
チップ電極(バンプ)/ガラス電極(IZO)間の導通抵抗に関して、導通抵抗の初期値と高温放置試験(温度100℃の条件で100、300、500、1000時間放置)後の値を、20サンプルについて測定し、それらの平均値を算出した。なお、前述のチップC1を用いて評価した。得られた平均値から下記基準に従って導通抵抗を評価した。結果を表2に示す。なお、高温放置試験100時間後に、下記A又はBの基準を満たす場合は導通抵抗が良好といえる。
A:導通抵抗の平均値が2Ω未満
B:導通抵抗の平均値が2Ω以上5Ω未満
C:導通抵抗の平均値が5Ω以上10Ω未満
D:導通抵抗の平均値が10Ω以上20Ω未満
E:導通抵抗の平均値が20Ω以上
(絶縁抵抗試験)
チップ電極間の絶縁抵抗に関しては、絶縁抵抗の初期値とマイグレーション試験(温度60℃、湿度90%、20V印加の条件で100、300、500、1000時間放置)後の値を、20サンプルについて測定し、全20サンプル中、絶縁抵抗値が10Ω以上となるサンプルの割合を算出した。なお、前述のチップC1及びチップC3を用いて評価した。得られた割合から下記基準に従って絶縁抵抗を評価した。結果を表2に示す。なお、吸湿耐熱試験500時間後に、下記A又はBの基準を満たした場合は絶縁抵抗が良好といえる。
A:絶縁抵抗値109Ω以上の割合が100%
B:絶縁抵抗値109Ω以上の割合が90%以上100%未満
C:絶縁抵抗値109Ω以上の割合が80%以上90%未満
D:絶縁抵抗値109Ω以上の割合が50%以上80%未満
E:絶縁抵抗値109Ω以上の割合が50%未満
<実施例2>
実施例1の(工程c)において、Sn−3.0Ag−0.5Cuの組成のターゲットの代わりに、表1のSn-Bi(Sn43質量%、Bi57質量%)のターゲットに変更した。また、実施例1の(工程e)において、iii)190℃、40gf/バンプ、10秒の条件でチップ上方から加熱及び加圧する代わりに、150℃、40gf/バンプ、10秒の条件でチップ上方から加熱及び加圧したこと以外は実施例1と同様にして、導電粒子、端子付き電極の作製、接続構造体の作製、並びに、導電粒子及び接続構造体の評価を行った。作製した導電粒子等の条件を表1にまとめて示した。また、評価結果を表2に示す。
<実施例3>
実施例1の工程a及びbを行った後、第一金属層(ニッケル)を形成した粒子6gを、50℃で加温した水200mLで希釈し、めっき安定剤として1g/Lの硝酸ビスマス水溶液を0.2mL添加し、下記組成の第三金属層形成用無電解パラジウムめっき液100mLを、1mL/分の滴下速度で滴下した。滴下終了後、10分間経過した後に、めっき液を加えた分散液を濾過した。濾過物を水で洗浄した後、80℃の真空乾燥機で乾燥した。このようにして、0.1μmの厚さのパラジウムめっき被膜(パラジウムの純度100%)からなる第三金属層を形成した。なお、アクリル粒子の外側に、内側から順に第一金属層(ニッケル)0.5μm、第三金属層(パラジウム)0.1μmを形成することにより得た粒子は7gであり、外径は4.2μmであった。続いて、実施例1の(工程c)と同様の操作を行い、アクリル粒子の外側に、内側から順に第一金属層(ニッケル)0.5μm、第三金属層(パラジウム)0.1μm及び第二金属層(Sn−3.0Ag−0.5Cu)0.5μmを有し、外径が5.2μmの粒子を作製した。これ以降は、実施例1の(工程d)以降と同様の操作を行い、端子付き電極の作製、接続構造体の作製、並びに、導電粒子及び接続構造体の評価を行った。作製した導電粒子等の条件を表1にまとめて示した。また、評価結果を表2に示す。
(無電解パラジウムめっき液)
塩化パラジウム:7g/L
EDTA・2ナトリウム:100g/L
クエン酸・2ナトリウム:100g/L
ギ酸ナトリウム:20g/L
pH:6
<実施例4>
実施例3と同様に、実施例1の工程a及びbを行った後、0.1μmの膜厚のパラジウムめっき被膜(パラジウムの純度100%)からなる第三金属層を形成し、アクリル粒子の外側に、内側から順に第一金属層(ニッケル)0.5μm、第三金属層(パラジウム)0.1μmからなる粒子を作製した。この後、実施例1の(工程c)と同様の操作を行い、Sn−3.0Ag−0.5Cuの組成のターゲットの代わりに、表1のSn-Bi(Sn43質量%、Bi57質量%)のターゲットに変更し、内側から順に第一金属層(ニッケル)0.5μm、第三金属層(パラジウム)0.1μm及び第二金属層[Sn-Bi(Sn43質量%、Bi57質量%)0.5μm]を有し、外径が5.2μmの粒子を作製した。この後、実施例1の(工程d)以降と同様の操作を行い、端子付き電極を得た。この後、iii)190℃、40gf/バンプ、10秒の条件でチップ上方から加熱及び加圧する代わりに、150℃、40gf/バンプ、10秒の条件でチップ上方から加熱及び加圧したこと以外は実施例1(工程e)と同様にして接続構造体の作製を行った。実施例1と同様に導電粒子及び接続構造体の評価を行った。作製した導電粒子等の条件を表1にまとめて示した。また、評価結果を表2に示す。
<実施例5>
実施例3と同様にして、アクリル粒子の外側に、内側から順に第一金属層(ニッケル)0.5μm、第三金属層(パラジウム)0.1μm及び第二金属層(Sn−3.0Ag−0.5Cu)0.5μmを有し、外径が5.2μmの粒子を作製した。続いて、実施例1の(工程d)と同様の操作を行い、実施例1の(工程d)の銅バンプの代わりに、銅バンプに無電解ニッケルめっき(膜厚:0.5μm)、置換金めっき(膜厚:0.05μm)を順次施した(無電解ニッケルめっき・置換金めっき後のバンプの面積、スペース、高さ、バンプ数は、実施例1の銅バンプと同じ)、銅/ニッケル/金バンプを用いた。これ以外は、実施例1と同様にして、端子付き電極の作製、接続構造体の作製、並びに、導電粒子及び接続構造体の評価を行った。作製した導電粒子等の条件を表1にまとめて示した。また、評価結果を表2に示す。
<実施例6>
実施例3と同様にして、アクリル粒子の外側に、内側から順に第一金属層(ニッケル)0.5μm、第三金属層(パラジウム)0.1μm及び第二金属層(Sn−3.0Ag−0.5Cu)0.5μmを有し、外径が5.2μmの粒子を作製した。続いて、実施例1の(工程d)と同様の操作を行い、実施例1の(工程d)の銅バンプの代わりに、銅バンプに無電解ニッケルめっき(膜厚:0.5μm)、無電解パラジウムめっき(膜厚:0.1μm)、置換金めっき(膜厚:0.05μm)を順次施した(無電解ニッケルめっき・パラジウムめっき・置換金めっき後のバンプの面積、スペース、高さ、バンプ数は、実施例1の銅バンプと同じ)、銅/ニッケル/パラジウム/金バンプを用いた。これ以外は、実施例1と同様にして、端子付き電極の作製、接続構造体の作製、並びに、導電粒子及び接続構造体の評価を行った。作製した導電粒子等の条件を表1にまとめて示した。また、評価結果を表2に示す。
<実施例7>
実施例3と同様にして、アクリル粒子の外側に、内側から順に第一金属層(ニッケル)0.5μm、第三金属層(パラジウム)0.1μm及び第二金属層(Sn−3.0Ag−0.5Cu)0.5μmを有し、外径が5.2μmの粒子を作製した。続いて、実施例1の(工程d)と同様の操作を行い、実施例1の(工程d)の銅バンプの代わりに、実施例6と同じ、銅/ニッケル/パラジウム/金バンプを用いた。続いて、実施例1の(工程e)と同様の操作を行い、iii)190℃、40gf/バンプ、10秒の条件でチップ上方から加熱及び加圧の代わりに、230℃、40gf/バンプ、10秒の条件でチップ上方から加熱及び加圧したこと以外は実施例1(工程e)と同様にして接続構造体の作製を行った。実施例1と同様に導電粒子及び接続構造体の評価を行った。作製した導電粒子等の条件を表1にまとめて示した。また、評価結果を表2に示す。
<実施例8>
実施例4と同様に、内側から順に第一金属層(ニッケル)0.5μm、第三金属層(パラジウム)0.1μm及び第二金属層[Sn-Bi(Sn43質量%, Bi57質量%)0.5μm]を有し、外径が5.2μmの粒子を作製した。続いて、実施例1の(工程d)と同様の操作を行い、実施例1の(工程d)の銅バンプの代わりに、実施例6と同じ、銅/ニッケル/パラジウム/金バンプを用いた。これ以降、実施例1(工程e)と同様の操作を行い、接続構造体の作製を行った。実施例1と同様に導電粒子及び接続構造体の評価を行った。作製した導電粒子等の条件を表1にまとめて示した。また、評価結果を表2に示す。
<比較例1>
[導電粒子の作製]
実施例1(工程a)を行った後、実施例1の(工程b)を引き続き行い、無電解ニッケルめっきの液量を100mLとし、表1に示す0.1μmの膜厚のニッケル−リン合金被膜(ニッケル濃度93質量%、残部リン)からなる第1の層を形成した。第1の層を形成することにより得た粒子Aは2.8gであり、外径は3.2μmであった。続いて、実施例3と同一の無電解パラジウムめっき液及び方法により、第一金属層上にパラジウムめっき被膜(パラジウムの純度100%)からなる第三金属層を形成した。第三金属層形成用無電解パラジウムめっき液を100mLから20mLに変更し、パラジウムめっき被膜を0.02μm形成することで、アクリル粒子の外側に、内側から順に第一金属層(ニッケル)0.1μm、第三金属層(パラジウム)0.02μmが形成された、外径3.24μmの導電粒子3gを得た。
[第1の絶縁粒子の作製]
500mlフラスコに入った純水400g中に下に示す配合モル比に従ってモノマーを加えた。全モノマーの総量が、純水に対して10質量%になるように配合した。窒素置換後、70℃で撹拌しながら6時間加熱を行った。攪拌速度は300min−1(300rpm)であった。なお、KBM−503(信越シリコーン社製、商品名)は、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランである。合成することで得た第1の絶縁粒子の平均粒径は315nm、Tgは116℃であった。
(第1の絶縁粒子の配合モル比)
スチレン:600
ペルオキソ二硫酸カリウム:6
メタクリル酸ナトリウム:5.4
スチレンスルホン酸ナトリウム:0.32
ジビニルベンゼン:16.8
KBM−503:4.2
[第2の絶縁粒子の作製]
500mlフラスコに入った純水400g中に下に示す配合モル比に従ってモノマーを加えた。全モノマーの総量が、純水に対して10質量%になるように配合した。窒素置換後、70℃で撹拌しながら6時間加熱を行った。攪拌速度は300min−1(300rpm)であった。合成することで得た第2の絶縁粒子の平均粒径は100nm、Tgは116℃であった。
(第2の絶縁粒子の配合モル比)
スチレン:600
ペルオキソ二硫酸カリウム:6
アクリル酸メチル:270
メタクリル酸ナトリウム:5.4
スチレンスルホン酸ナトリウム:2.0
ジビニルベンゼン:16.8
KBM−503:4.2
第1の絶縁粒子及び第2の絶縁粒子の平均粒径をHITACHI S−4800(日立ハイテク株式会社製、商品名)の画像解析により測定した。第1の絶縁粒子及び第2の絶縁粒子のTgを、DSC(パーキンエルマー社製DSC−7型)を用いて、サンプル量10mg、昇温速度5℃/分、測定雰囲気:空気の条件で測定した。
(シリコーンオリゴマー1の調製)
攪拌装置、コンデンサー及び温度計を備えたガラスフラスコに、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン118gとメタノール5.9gを配合した溶液を加えた。さらに、活性白土5g及び蒸留水4.8gを添加し、75℃で一定時間攪拌した後、重量平均分子量1300のシリコーンオリゴマーを得た。得られたシリコーンオリゴマー1は、水酸基と反応する末端官能基としてメトキシ基又はシラノール基を有するものである。得られたシリコーンオリゴマー溶液にメタノールを加えて、固形分20重量%の処理液を調製した。
なお、シリコーンオリゴマーの重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)法によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算することにより算出した。GPCの条件を以下に示す。
GPC条件
ポンプ:日立 L−6000型((株)日立製作所社製、商品名)
カラム:Gelpack GL−R420、Gelpack GL−R430、Gelpack GL−R440(以上、(株)日立化成社製、商品名)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
測定温度:40℃
流量:2.05mL/分
検出器:日立 L−3300型RI((株)日立製作所社製、商品名)
[絶縁被覆導電粒子の作製]
メルカプト酢酸8mmolをメタノール200mlに溶解させて反応液を調製した。次にアクリル粒子の外側に、内側から順に第1の層(ニッケル)0.1μm、第3の層(パラジウム)0.02μmが形成された、外径3.24μmの導電粒子3gを上記反応液に加え、室温で2時間スリーワンモーターと直径45mmの攪拌羽で攪拌した。メタノールで洗浄後、孔径3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)を用いてろ過することで、表面にカルボキシル基を有する導電粒子を得た。
次に重量平均分子量70,000の30%ポリエチレンイミン水溶液(和光純薬社製)を超純水で希釈し、0.3重量%ポリエチレンイミン水溶液を得た。上記表面にカルボキシル基を有する導電粒子を0.3重量%ポリエチレンイミン水溶液に加え、室温で15分攪拌した。その後、孔径3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)を用いて導電粒子をろ過し、ろ過された導電粒子を超純水200gに入れて室温で5分攪拌した。更に孔径3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)を用いて導電粒子をろ過し、上記メンブレンフィルタ上にて200gの超純水で2回洗浄を行った。これらの作業を行うことにより、吸着していないポリエチレンイミンが除去され、表面がアミノ基含有ポリマーで被覆された導電粒子が得られた。
次に、第1の絶縁粒子をシリコーンオリゴマー1で処理し、表面にグリシジル基含有オリゴマーを有する第1の絶縁粒子のメタノール分散媒を調製した。一方、第2の絶縁粒子も同様にシリコーンオリゴマー1で処理し、表面にグリシジル基含有オリゴマーを有する第2の絶縁粒子のメタノール分散媒を調製した。
上記表面がアミノ基含有ポリマーで被覆された導電粒子をイソプロピルアルコールに浸漬し、第1の絶縁粒子のメタノール分散媒を滴下した。第1の絶縁粒子の被覆率は、第1の絶縁粒子のメタノール分散媒の滴下量で調整した。次いで、第2の絶縁粒子のメタノール分散媒を滴下することで、絶縁被覆導電粒子1を作製した。第2の絶縁粒子の被覆率は、第2の絶縁粒子の滴下量で調整した。第1の絶縁粒子による被覆率は30%、第2の絶縁粒子による被覆率は25%であり、絶縁粒子による被覆率は合計で55%であった。
得られた絶縁被覆導電粒子1を縮合剤とオクタデシルアミンで処理し、洗浄して表面の疎水化を行った。その後80℃で1時間の条件で加熱乾燥させて絶縁被覆導電粒子1を作製した。
[異方導電性接着剤フィルムの作製]
酢酸エチルとトルエンを重量比1:1で混合した溶媒300gに、フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製、商品名:PKHC)100gと、アクリルゴム(ブチルアクリレート40重量部、エチルアクリレート30重量部、アクリロニトリル30重量部、グリシジルメタクリレート3重量部の共重合体、重量平均分子量:85万)75gとを溶解し、溶液を得た。この溶液にマイクロカプセル型潜在性硬化剤を含有する液状エポキシ(エボキシ当量185、旭化成エポキシ株式会社製、商品名:ノバキュアHX−3941)300gと、液状エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ株式会社製、商品名:YL980)400gとを加えて撹拌した。得られた混合液に平均粒径が14nmのシリカを溶剤分散したシリカスラリー(日本アエロジル社製、商品名:R202)を加えて接着剤溶液1を調製した。シリカスラリーは、上記混合液の固形分全量に対してシリカ固形分の含有量が5重量%となるように加えた。
ビーカーに、酢酸エチルとトルエンとを重量比1:1で混合した分散媒10gと、絶縁被覆導電粒子1を入れて超音波分散した。超音波分散の条件は、周波数が38kHZ、エネルギーが400W、体積が20Lの超音波槽(藤本科学、商品名:US107)に上記ビーカーを浸漬して1分間攪拌した。
得られた絶縁被覆導電粒子1の分散液を接着剤溶液1中に分散した。得られた分散液をセパレータ(シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ40μm)にロールコータで塗布し、90℃で10分間乾燥し、厚さ10μmの接着剤フィルムAを作製した。この接着剤フィルムは単位面積当たり7万個/mmの絶縁被覆導電粒子を有する。また、接着剤溶液1をセパレータ(シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ40μm)にロールコータで塗布し、90℃で10分間乾燥し、厚さ3μmの接着剤フィルムBを作製した。さらに、接着剤溶液1をセパレータ(シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ40μm)にロールコータで塗布し、90℃で10分間乾燥し厚さ10μmの接着剤フィルムCを作製した。次に、接着剤フィルムB、接着剤フィルムA、接着剤フィルムCの順番で各接着剤フィルムをラミネートし、三層からなる異方導電性接着剤フィルムDを作製した。
[接続サンプルの作製]
作製した異方導電性接着剤フィルムDを用いて、実施例6と同様の、銅/ニッケル/パラジウム/金バンプ(面積15μm×30μm、スペース10μm、高さ:10μm、バンプ数362)[無電解ニッケルめっき(膜厚:0.5μm)、無電解パラジウムめっき(膜厚:0.1μm)、置換金めっき(膜厚:0.05μm)]付きチップ(1.7×1.7mm、厚さ:0.5mm)と、実施例1(工程e)と同様の、IZO回路付きガラス基板(厚さ:0.7mm)との接続を、以下に示すように行った。
異方導電性接着剤フィルムDを、IZO回路付きガラス基板に温度が80℃、圧力が0.98MPa(10kgf/cm2)の条件で貼り付けた後、セパレータを剥離し、チップに備えている銅/ニッケル/パラジウム/金バンプと電極を備えているガラス基板の位置合わせを行った。次いで、温度が190℃、圧力が39N/バンプ(40gf/バンプ)の条件でチップ上方から10秒間加熱及び加圧を行い、本接続を行った。なお、異方導電性接着剤フィルムDは、接着剤フィルムBがガラス基板側に、接着剤フィルムCが金属バンプ側になるように配置された。
導電粒子の膜厚及び成分の評価、導通抵抗試験および絶縁抵抗試験を実施例1と同様に行った。作製した導電粒子等の条件を表3に示した。また評価結果を表4に示した。
<比較例2>
[導電粒子の作製]
実施例1の工程a及びbを行った後、実施例3と同様に、0.1μmの膜厚のパラジウムめっき被膜(パラジウムの純度100%)からなる第三金属層を形成し、さらに、実施例4と同様に、第三金属層上に第二金属層[Sn-Bi(Sn43質量%、Bi57質量%)0.5μm]を形成することで、アクリル粒子の外側に、内側から順に第一金属層(ニッケル)0.5μm、第三金属層(パラジウム)0.1μm及び第二金属層[Sn-Bi(Sn43質量%、Bi57質量%)0.5μm]を有し、外径が5.2μmの導電粒子2を作製した。
[異方導電性接着剤フィルムの作製]
ビーカーに、酢酸エチルとトルエンとを質量比1:1で混合した分散媒10gと、導電粒子2を入れて超音波分散した。超音波分散の条件は、周波数が38kHZ、エネルギーが400W、体積が20Lの超音波槽(藤本科学、商品名:US107)に上記ビーカーを浸漬して1分間攪拌した。
得られた導電粒子2の分散液を比較例1の接着剤溶液1中に分散した。得られた分散液をセパレータ(シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ40μm)にロールコータで塗布し、90℃で10分間乾燥し、厚さ10μmの接着剤フィルムFを作製した。この接着剤フィルムは単位面積当たり3万個/mmの導電粒子2を有する。また、接着剤溶液1をセパレータ(シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ40μm)にロールコータで塗布し、90℃で10分間乾燥し、厚さ3μmの接着剤フィルムGを作製した。さらに、接着剤溶液1をセパレータ(シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ40μm)にロールコータで塗布し、90℃で10分間乾燥し厚さ10μmの接着剤フィルムHを作製した。次に、接着剤フィルムG、接着剤フィルムF、接着剤フィルムHの順番で各接着剤フィルムをラミネートし、三層からなる異方導電性接着剤フィルムIを作製した。
[接続サンプルの作製]
作製した異方導電性接着剤フィルムIを用いて、実施例6と同様の、銅/ニッケル/パラジウム/金バンプ(面積15μm×30μm、スペース10μm、高さ:10μm、バンプ数362)[無電解ニッケルめっき(膜厚:0.5μm)、無電解パラジウムめっき(膜厚:0.1μm)、置換金めっき(膜厚:0.05μm)]付きチップ(1.7×1.7mm、厚さ:0.5mm)と、実施例1(工程e)と同様の、IZO回路付きガラス基板(厚さ:0.7mm)との接続を、以下に示すように行った。
異方導電性接着剤フィルムIを、IZO回路付きガラス基板に温度が80℃、圧力が0.98MPa(10kgf/cm)の条件で貼り付けた後、セパレータを剥離し、チップに備えている銅/ニッケル/パラジウム/金バンプと電極を備えているガラス基板の位置合わせを行った。次いで、温度が190℃、圧力が39N/バンプ(40gf/バンプ)の条件でチップ上方から10秒間加熱及び加圧を行い、本接続を行った。なお、異方導電性接着剤フィルムIは、接着剤フィルムGがガラス基板側に、接着剤フィルムHが金属バンプ側になるように配置された。導電粒子の膜厚及び成分の評価、導通抵抗試験および絶縁抵抗試験を実施例1と同様に行った。作製した導電粒子等の条件を表3に示した。また評価結果を表4に示した。
1…基材粒子、3A,3B…金属層、3a…第一金属層、3b…第二金属層、3c…第三金属層、10A,10B…導電粒子、30…第一の回路部材、32…第一の電極、35…端子付き電極、40…第二の回路部材、42…第二の電極、50A,50B…接続構造体,55…絶縁樹脂層、60…転写型、60a…表面、62…凹部(開口部)、62a…底部。

Claims (50)

  1. 第一の基板と、前記第一の基板に設けられた第一の電極とを有する第一の回路部材を準備すること;
    前記第一の電極と電気的に接続される第二の電極を有する第二の回路部材を準備すること;
    粒径2.0〜40μmであり且つ金属からなる表面を有する複数の導電粒子を準備すること;
    前記第一の電極の表面に前記複数の導電粒子を配置すること;
    前記第一の電極の表面に配置された前記複数の導電粒子を前記金属の融点よりも高い温度に加熱することによって前記第一の電極に前記導電粒子を融着させること;
    前記第一の回路部材の一方の面であって前記導電粒子が融着した前記第一の電極を有する面と、前記第二の回路部材の一方の面であって前記第二の回路を有する面との間に絶縁樹脂層を形成すること;
    前記第一の回路部材と前記絶縁樹脂層と前記第二の回路部材と含む積層体を前記積層体の厚さ方向の押圧した状態で加熱することによって前記第一の電極と前記第二の電極とを前記導電粒子を介して電気的に接続し且つ前記第一の回路部材と前記第二の回路部材と接着すること;
    を含む接続構造体の製造方法。
  2. 前記導電粒子は、基材粒子と、前記基材粒子の表面に形成された金属層とを備え、
    前記金属層は、基材粒子の表面を覆う第一金属層と、前記導電粒子の最外層を構成する第二金属層とを少なくとも有する多層構造であり、
    前記第一金属層の融点が前記第二金属層の融点よりも高い、請求項1に記載の接続構造体の製造方法。
  3. 前記基材粒子の粒径は1.5〜10μmである、請求項2に記載の接続構造体の製造方法。
  4. 前記基材粒子は樹脂からなる、請求項2又は3に記載の接続構造体の製造方法。
  5. 前記第一金属層はニッケル又はニッケル合金を含む層である、請求項2〜4のいずれか一項に記載の接続構造体の製造方法。
  6. 前記第一金属層はリン及びホウ素の少なくとも一方を含む、請求項5に記載の接続構造体の製造方法。
  7. 前記第一金属層のニッケル含有率が85〜98質量%である、請求項5又は6に記載の接続構造体の製造方法。
  8. 前記第二金属層はスズ又はスズ合金を含む層である、請求項2〜7のいずれか一項に記載の接続構造体の製造方法。
  9. 前記第二金属層のスズ含有率が30〜100質量%である、請求項8に記載の接続構造体の製造方法。
  10. スパッタ又は電解めっきによって前記第二金属層を形成することを含む、請求項2〜9のいずれか一項に記載の接続構造体の製造方法。
  11. 前記金属層は、前記第一金属層と前記第二金属層との間に、パラジウム又はパラジウム合金を含む第三金属層を含む、請求項2〜10のいずれか一項に記載の接続構造体の製造方法。
  12. 前記第三金属層のパラジウム含有率が90質量%以上である、請求項11に記載の接続構造体の製造方法。
  13. 前記第一の電極は、銅、ニッケル、パラジウム、金、銀及びこれらの合金、並びに、インジウムスズ酸化物からなる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の接続構造体の製造方法。
  14. 前記第一の電極における前記複数の導電粒子が配置される位置に対応する位置に複数の開口部を有する転写型を準備すること;
    前記複数の開口部に前記導電粒子を収容すること;
    を更に含み、
    前記第一の回路部材と前記転写型とを重ね合せることにより、前記第一の電極の表面に前記転写型の前記開口部にそれぞれ収容されている前記導電粒子を配置し、
    前記第一の回路部材と前記転写型とを重ね合せた状態で前記複数の導電粒子を前記金属の融点よりも高い温度に加熱することによって前記第一の電極に前記導電粒子を融着させる、請求項1〜13のいずれか一項に記載の接続構造体の製造方法。
  15. 前記開口部は当該開口部の奥側から前記転写型の表面側に向けて開口面積が拡大するテーパ状に形成されている、請求項14に記載の接続構造体の製造方法。
  16. 前記転写型は可撓性を有する樹脂材料からなる、請求項14又は15に記載の接続構造体の製造方法。
  17. 基板と、前記基板に設けられた電極とを有する回路部材を準備すること;
    粒径2.0〜40μmであり且つ金属からなる表面を有する複数の導電粒子を準備すること;
    前記電極の表面に前記複数の導電粒子を配置すること;
    前記電極の表面に配置された前記複数の導電粒子を前記金属の融点よりも高い温度に加熱することによって前記電極に前記導電粒子を融着させること;
    を含む端子付き電極の製造方法。
  18. 前記導電粒子は、基材粒子と、前記基材粒子の表面に形成された金属層とを備え、
    前記金属層は、基材粒子の表面を覆う第一金属層と、前記導電粒子の最外層を構成する第二金属層とを少なくとも有する多層構造であり、
    前記第一金属層の融点が前記第二金属層の融点よりも高い、請求項17に記載の端子付き電極の製造方法。
  19. 前記基材粒子の粒径は1.5〜10μmである、請求項18に記載の端子付き電極の製造方法。
  20. 前記基材粒子は樹脂からなる、請求項18又は19に記載の端子付き電極の製造方法。
  21. 前記第一金属層はニッケル又はニッケル合金を含む層である、請求項18〜20のいずれか一項に記載の端子付き電極の製造方法。
  22. 前記第一金属層はリン及びホウ素の少なくとも一方を含む、請求項21に記載の端子付き電極の製造方法。
  23. 前記第一金属層のニッケル含有率が85〜98質量%である、請求項21又は22に記載の端子付き電極の製造方法。
  24. 前記第二金属層はスズ又はスズ合金を含む層である、請求項18〜23のいずれか一項に記載の端子付き電極の製造方法。
  25. 前記第二金属層のスズ含有率が30〜100質量%である、請求項24に記載の端子付き電極の製造方法。
  26. スパッタ又は電解めっきによって前記第二金属層を形成することを含む、請求項18〜25のいずれか一項に記載の端子付き電極の製造方法。
  27. 前記金属層は、前記第一金属層と前記第二金属層との間に、パラジウム又はパラジウム合金を含む第三金属層を含む、請求項18〜26のいずれか一項に記載の端子付き電極の製造方法。
  28. 前記第三金属層のパラジウム含有率が90質量%以上である、請求項27に記載の端子付き電極の製造方法。
  29. 前記電極は、銅、ニッケル、パラジウム、金、銀及びこれらの合金、並びに、インジウムスズ酸化物からなる、請求項17〜28のいずれか一項に記載の端子付き電極の製造方法。
  30. 前記電極における前記複数の導電粒子が配置される位置に対応する位置に複数の開口部を有する転写型を準備すること;
    前記複数の開口部に前記導電粒子を収容すること;
    を更に含み、
    前記回路部材と前記転写型とを重ね合せることにより、前記電極の表面に前記転写型の前記開口部にそれぞれ収容されている前記導電粒子を配置し、
    前記回路部材と前記転写型とを重ね合せた状態で前記複数の導電粒子を前記金属の融点よりも高い温度に加熱することによって前記電極に前記導電粒子を融着させる、請求項17〜29のいずれか一項に記載の端子付き電極の製造方法。
  31. 前記開口部は当該開口部の奥側から前記転写型の表面側に向けて開口面積が拡大するテーパ状に形成されている、請求項30に記載の端子付き電極の製造方法。
  32. 前記転写型は可撓性を有する樹脂材料からなる、請求項30又は31に記載の端子付き電極の製造方法。
  33. 請求項1〜16のいずれか一項に記載の接続構造体の製造方法又は請求項17に記載の端子付き電極の製造方法において使用される、粒径2.0〜40μmであり且つ融点120〜250℃の金属からなる表面を有する導電粒子。
  34. 前記導電粒子は、基材粒子と、前記基材粒子の表面に形成された金属層とを備え、
    前記金属層は、基材粒子の表面を覆う第一金属層と、前記導電粒子の最外層を構成する第二金属層とを少なくとも有する多層構造であり、
    前記第一金属層の融点が前記第二金属層の融点よりも高い、請求項33に記載の導電粒子。
  35. 前記基材粒子の粒径は1.5〜10μmである、請求項34に記載の導電粒子。
  36. 前記基材粒子は樹脂からなる、請求項34又は35に記載の導電粒子。
  37. 前記第一金属層はニッケル又はニッケル合金を含む層である、請求項34〜36のいずれか一項に記載の導電粒子。
  38. 前記第一金属層はリン及びホウ素の少なくとも一方を含む、請求項37に記載の導電粒子。
  39. 前記第一金属層のニッケル含有率が85〜98質量%である、請求項37又は38に記載の導電粒子。
  40. 前記第二金属層はスズ又はスズ合金を含む層である、請求項34〜39のいずれか一項に記載の導電粒子。
  41. 前記第二金属層のスズ含有率が30〜100質量%である、請求項40に記載の導電粒子。
  42. 前記金属層は、前記第一金属層と前記第二金属層との間に、パラジウム又はパラジウム合金を含む第三金属層を含む、請求項34〜41のいずれか一項に記載の導電粒子。
  43. 前記第三金属層のパラジウム含有率が90質量%以上である、請求項42に記載の導電粒子。
  44. 第一の基板と前記第一の基板に設けられた第一の電極とを有する第一の回路部材と、
    前記第一の電極と電気的に接続されている第二の電極を有する第二の回路部材と、
    前記第一の電極と前記第二の電極との間に介在し且つ少なくとも前記第一の電極に融着している、請求項33〜43のいずれか一項に記載の導電粒子と、
    前記第一の回路部材と前記第二の回路部材との間に設けられ、前記第一の回路部材と前記第二の回路部材と接着している絶縁樹脂層と、
    を備える、接続構造体。
  45. 請求項33〜43のいずれか一項に記載の導電粒子と、
    電極表面における複数の前記導電粒子が配置される位置に対応する位置に複数の開口部を有する転写型と、
    を備える端子付き電極製造用キット。
  46. 前記開口部は当該開口部の奥側から前記転写型の表面側に向けて開口面積が拡大するテーパ状に形成されている、請求項45に記載の端子付き電極製造用キット。
  47. 前記転写型は可撓性を有する樹脂材料からなる、請求項45又は46に記載の端子付き電極製造用キット。
  48. 請求項14〜16のいずれか一項に記載の接続構造体の製造方法又は請求項30〜32のいずれか一項に記載の端子付き電極の製造方法において使用される転写型であって、
    電極表面における複数の前記導電粒子が配置される位置に対応する位置に複数の開口部を有する転写型。
  49. 前記開口部は当該開口部の奥側から当該転写型の表面側に向けて開口面積が拡大するテーパ状に形成されている、請求項48に記載の転写型。
  50. 可撓性を有する樹脂材料からなる、請求項48又は49に記載の転写型。
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