JP2018045005A - トナー - Google Patents
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Abstract
【課題】長期間の使用においても帯電性が維持できるとともに、耐ストレス性を向上させ、高品質な画像を安定的に得られるトナーを提供する。【解決手段】結着樹脂A及び着色剤を含有するトナー粒子と、前記トナー粒子の表面に存在する無機微粒子とを有するトナーであって、前記無機微粒子はシリカ微粒子Cを含み、また、前記シリカ微粒子Cはスルホン酸基またはスルホン酸塩基に由来する部分構造を有する化合物Bを表面に有しており、かつ前記シリカ微粒子Cは熱処理によってトナー粒子表面に固着されていることを特徴とする。【選択図】なし
Description
本発明は、電子写真方式、静電記録方式、静電印刷方式、トナージェット方式に用いられるトナーに関する。
近年、電子写真方式のフルカラー複写機が広く普及するに従い、高温高湿から低温低湿まであらゆる環境においての高画質化の要求が更に高まっている。高画質化のためには、トナーの現像性や転写性を向上させる必要があり、優れた帯電性能を有し、かつ、帯電維持性の高いトナーの開発が求められている。更に、近年では複写機の高速化、出力画像の安定性などが求められており、これまで以上に耐ストレス性の高いトナーの開発が求められている。
トナーが安定した帯電性能を得るために、トナー粒子にはいわゆる外添剤といわれる金属酸化物などの無機微粒子粉末が含まれている。更に、従来から用いられている外添剤の中には、長期使用時にも安定した帯電性を得るために、外添剤表面に荷電制御剤を処理したものが提案されている。
優れた帯電立ち上がり性、及び帯電安定性を高めるために、荷電制御剤と流動化剤を含有する組成物を添加したトナーの提案がなされている(特許文献1)。しかし、荷電制御剤と流動化剤を含有する組成物をトナーに外添した場合、トナーの帯電性能に一定の効果はあるものの、トナーの耐ストレス性には言及されておらず、この点に関してさらなる改善の余地がある。
また、耐ストレス性を高めるために、トナー母粒子100質量部に対して、一次粒子の個数平均粒径35nm以上300nm以下のシリカ0.5質量部以上6.0質量部以下と、一次粒子の個数平均粒径4nm以上30nm以下のシリカ0.1質量部以上3.0質量部以下を添加したのち、加熱処理して球形化したトナーが提案されている(特許文献2)。この場合、トナーの耐ストレス性に一定の効果は見られるが、さらなる高速化対応や、よりトナーへのストレスがかかる二成分現像方式への対応のためには、いまだ改善の余地がある。
トナーが安定した帯電性能を得るために、トナー粒子にはいわゆる外添剤といわれる金属酸化物などの無機微粒子粉末が含まれている。更に、従来から用いられている外添剤の中には、長期使用時にも安定した帯電性を得るために、外添剤表面に荷電制御剤を処理したものが提案されている。
優れた帯電立ち上がり性、及び帯電安定性を高めるために、荷電制御剤と流動化剤を含有する組成物を添加したトナーの提案がなされている(特許文献1)。しかし、荷電制御剤と流動化剤を含有する組成物をトナーに外添した場合、トナーの帯電性能に一定の効果はあるものの、トナーの耐ストレス性には言及されておらず、この点に関してさらなる改善の余地がある。
また、耐ストレス性を高めるために、トナー母粒子100質量部に対して、一次粒子の個数平均粒径35nm以上300nm以下のシリカ0.5質量部以上6.0質量部以下と、一次粒子の個数平均粒径4nm以上30nm以下のシリカ0.1質量部以上3.0質量部以下を添加したのち、加熱処理して球形化したトナーが提案されている(特許文献2)。この場合、トナーの耐ストレス性に一定の効果は見られるが、さらなる高速化対応や、よりトナーへのストレスがかかる二成分現像方式への対応のためには、いまだ改善の余地がある。
本発明の目的は、上記の課題を解決したトナーを提供することにある。具体的には、長期間の使用においても帯電性が維持できるとともに、耐ストレス性を向上させ、高品質な画像を安定的に得られるトナーを提供することである。
本発明は、結着樹脂A及び着色剤を含有するトナー粒子と、前記トナー粒子の表面に存在する無機微粒子とを有するトナーであって、
前記無機微粒子はシリカ微粒子Cを含み、また、前記シリカ微粒子Cはスルホン酸基またはスルホン酸塩基に由来する部分構造を有する化合物Bを表面に有しており、かつ前記シリカ微粒子Cは熱処理によってトナー粒子表面に固着されていることを特徴とするトナーに関する。
前記無機微粒子はシリカ微粒子Cを含み、また、前記シリカ微粒子Cはスルホン酸基またはスルホン酸塩基に由来する部分構造を有する化合物Bを表面に有しており、かつ前記シリカ微粒子Cは熱処理によってトナー粒子表面に固着されていることを特徴とするトナーに関する。
本発明によれば、長期間の使用においても帯電性が維持できるとともに、耐ストレス性を向上させ、高品質な画像を安定的に得られるトナーを提供することができる。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、長期間の使用においても帯電性が維持できるとともに、耐ストレス性を向上させ、高品質な画像を安定的に得られるトナーを提供するためには、特定の構造を持つ化合物を表面に有するシリカ微粒子をトナー表面に固着することが重要であることを見出し、本発明に至った。
すなわち、結着樹脂A及び着色剤を含有するトナー粒子と、前記トナー粒子の表面に存在する無機微粒子とを有するトナーであって、前記無機微粒子はシリカ微粒子Cを含み、また、前記シリカ微粒子Cはスルホン酸基またはスルホン酸塩基に由来する部分構造を有する化合物Bを表面に有しており、かつ前記シリカ微粒子Cは熱処理によってトナー粒子表面に固着されていることが重要である。
前記化合物Bを表面に有したシリカ微粒子Cをトナー粒子表面に固着しているトナーは、これを満たさないトナーに比べ、画質の安定性において優れることが確認された。この効果が発現するメカニズムは完全には明らかになっていないが、本発明者らは次のように推定している。
一般的に、電気陰性度が大きな原子を有する物質は、摩擦係数が小さくなることが知られている。これは、van der Waals力の定義を考えると理解できる。van der Waals力は、2つの原子が近づくことで生じる、電子の揺らぎがもたらす引力である。そのため電気陰性度が大きく電子の揺らぎが発生し難い物質に関しては、van der Waals力が小さくなる。よって、摩擦係数も小さくなる。
本発明では、化合物Bをシリカ微粒子Cの表面に処理することが特徴であり、化合物Bは、スルホン酸基またはスルホン酸塩基に由来する部分構造を有している。このような極性を有する化合物Bは、電気陰性度が大きい原子で構成されているため、相手の物質と接触し易く低摩擦特性を示すと考えている。ゆえに、化合物Bを有したシリカ微粒子Cをトナー表面に固着させることにより、化合物Bを有さないシリカ微粒子Cを用いた場合よりもトナー及び現像剤の流動性が向上する。この化合物Bの含有量は、シリカ微粒子Cに対して、1質量%以上15質量%以下であることが好ましい。
さらに、本発明は、このシリカ微粒子Cを熱処理によって固着させることが特徴である。耐ストレス性の悪化の原因の一つとして、現像器内でのトナー同士やキャリアとの摺擦による影響が考えられる。シリカ微粒子Cをトナー表面に固着させない場合、現像器内でのトナー同士やキャリアとの摺擦により、シリカ微粒子Cがトナー表面の窪み部分に移動する、トナー表面から脱離するなどの現象が発生すると考えられる。その結果、トナー表面におけるシリカ微粒子Cの存在状態が変化してしまい、トナー及び現像剤の流動性が変化し、画質の変化につながってしまう。そこで、このシリカ微粒子Cを熱処理によって固着させることで、トナー表面での移動やトナー表面からの脱離が起こらず、さらにシリカ微粒子Cによる流動性向上効果が長期間の使用においても発現し続けるため、画質の安定性が維持できると考えている。
スルホン酸を置換基として有する化合物Bとしては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、ビニルスルホン酸、メタクリルスルホン酸あるいは、下記式(1)のマレイン酸アミド誘導体、マレイミド誘導体、スチレン誘導体等に由来する樹脂が例示でき、特に2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸由来の部分構造を有することが好ましい。化合物B中の2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸由来の部分構造の含有量は、0.3質量%以上20.0質量%以下が好ましい。
更に、本発明に用いられる化合物Bは、酸価が15mgKOH/mg以上35mgKOH/mg以下であることが好ましい。先述した通り、本発明における摩擦低減効果は、極性を有する置換基によって発現していると考えている。よって酸価が15mgKOH/mg以上であると、良好な摩擦低減効果を発揮できる。また、酸価が35mgKOH/mg以下であると、水分吸着量の増加がないため、かぶり発生の恐れがない。
本発明におけるシリカ微粒子Cの一次粒子の個数平均粒径(D1)は20nm以上200nm以下であることが好ましい。
一次粒子の個数平均粒径(D1)を上記範囲とすることで、シリカ微粒子Cが好適にトナー粒子表面に固着することができ、画質の安定化が保たれる。すなわち、シリカ微粒子Cが20nm以上であることで、トナー粒子表面に固着したシリカ微粒子Cがトナー粒子に埋め込まれることがなく、トナー及び現像剤の流動性の変化が抑えられる。200nm以下であることで、熱処理による固着が十分に進み、脱離するシリカ粒子が多くなることもなく、流動性の変化が大きくなってしまうこともない。
本発明に用いられるシリカ微粒子Cとしては、沈降法、ゾルゲル法等の湿式シリカ、爆燃法、ヒュームド法等の乾式シリカがあるが、形状制御のしやすさから、乾式シリカであることがより好ましい。
乾式シリカは、ケイ素ハロゲン化合物等を原料としている。ケイ素ハロゲン化合物としては、四塩化ケイ素が用いられるが、メチルトリクロロシラン、トリクロロシランなどのシラン類単独、又は四塩化ケイ素とシラン類との混合状態でも原料として使用可能である。
原料は気化した後、酸水素炎中で中間体として生じる水と反応する、いわゆる、火炎加水分解反応によって目的のシリカを得る。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸素、水素中における熱分解酸化反応を利用するもので、反応式は次の様なものである。
SiCl4+2H2+O2→SiO2+4HCl
SiCl4+2H2+O2→SiO2+4HCl
以下に、本発明に用いられる乾式シリカの製造例を説明する。
酸素ガスをバーナーに供給し、着火用バーナーに点火した後、水素ガスをバーナーに供給して火炎を形成し、これに原料である四塩化ケイ素を投入しガス化させた。次に、火炎加水分解反応を行わせ、生成したシリカ粉末を回収した。平均粒径および形状は、四塩化ケイ素流量、酸素ガス供給流量、水素ガス供給流量、シリカの火炎中滞留時間を適宜変えることによって、任意に調整可能である。
本発明のシリカ微粒子Cの添加量としては、トナー粒子100質量部に対して0.5質量部以上10.0質量部以下であることが好ましい。0.5質量部以上であると、シリカ微粒子Cの流動性向上効果が十分に発揮される。10.0質量部以下とすることで、シリカ微粒子Cが必要以上に存在することがないので、トナー表面に固着できないシリカ微粒子Cが生じず、使用中の流動性変化も生じない。
化合物Bをシリカ微粒子C表面に存在させる方法としては、例えば、化合物Bを水または有機溶媒に溶解し、シリカ微粒子Cに対して溶解液を滴下または噴霧により添加して混合後、加熱処理によって水または有機溶媒を除去することで表面処理を行えば良い。これにより、化合物Bを表面に有するシリカ微粒子Cを得ることが出来る。
シリカ微粒子Cの解砕方法としては、例えばアトマイザー(東京アトマイザー製造株式会社製)等の解砕機を用いることが出来る。
<その他の無機微粒子>
本発明のトナーには、必要に応じて無機微粒子をさらに含有させることもできる。無機微粒子は、トナー粒子に内添しても良いし外添剤としてトナー粒子と混合してもよい。外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、チタン酸ストロンチウムの如き無機微粒子が好ましい。無機微粒子は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物の如き疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。
本発明のトナーには、必要に応じて無機微粒子をさらに含有させることもできる。無機微粒子は、トナー粒子に内添しても良いし外添剤としてトナー粒子と混合してもよい。外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、チタン酸ストロンチウムの如き無機微粒子が好ましい。無機微粒子は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物の如き疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。
これらの無機微粒子は、トナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上10.0質量部以下使用されることが好ましい。トナー粒子とその他の無機微粒子との混合は、ヘンシェルミキサーの如き公知の混合機を用いることができる。また、トナー粒子とその他の無機微粒子との混合は、熱処理前及び熱処理後のどちらでもよい。
<結着樹脂>
本発明のトナーに用いられる結着樹脂Aは、ポリエステル樹脂を主成分(結着樹脂中、ポリエステル樹脂が50質量%以上)とすることが好ましい。ポリエステル樹脂のポリエステルユニットに用いられるモノマーとしては、多価アルコール(2価もしくは3価以上のアルコール)と、多価カルボン酸(2価もしくは3価以上のカルボン酸)、その酸無水物又はその低級アルキルエステルとが用いられる。ここで、分岐ポリマーを作製する場合には、結着樹脂の分子内において部分架橋することが有効であり、そのためには、3価以上の多官能化合物を使用することが好ましい。従って、ポリエステルユニットの原料モノマーとして、3価以上のカルボン酸、その酸無水物又はその低級アルキルエステル、及び/又は3価以上のアルコールを含むことが好ましい。
本発明のトナーに用いられる結着樹脂Aは、ポリエステル樹脂を主成分(結着樹脂中、ポリエステル樹脂が50質量%以上)とすることが好ましい。ポリエステル樹脂のポリエステルユニットに用いられるモノマーとしては、多価アルコール(2価もしくは3価以上のアルコール)と、多価カルボン酸(2価もしくは3価以上のカルボン酸)、その酸無水物又はその低級アルキルエステルとが用いられる。ここで、分岐ポリマーを作製する場合には、結着樹脂の分子内において部分架橋することが有効であり、そのためには、3価以上の多官能化合物を使用することが好ましい。従って、ポリエステルユニットの原料モノマーとして、3価以上のカルボン酸、その酸無水物又はその低級アルキルエステル、及び/又は3価以上のアルコールを含むことが好ましい。
ポリエステル樹脂のポリエステルユニットに用いられる多価アルコールモノマーとしては、以下の多価アルコールモノマーを使用することができる。
2価のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また式(A)で表わされるビスフェノール及びその誘導体;
式(B)で示されるジオール類;
3価以上のアルコール成分としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。これらのうち、好ましくはグリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが用いられる。これらの2価のアルコール及び3価以上のアルコールは、単独であるいは複数を併用して用いることができる。
ポリエステル樹脂のポリエステルユニットに用いられる多価カルボン酸モノマーとしては、以下の多価カルボン酸モノマーを使用することができる。
2価のカルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、これらの酸の無水物及びこれらの低級アルキルエステルが挙げられる。これらのうち、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸、n−ドデセニルコハク酸が好ましく用いられる。
3価以上のカルボン酸、その酸無水物又はその低級アルキルエステルとしては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸、これらの酸無水物又はこれらの低級アルキルエステルが挙げられる。これらのうち、特に1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、すなわちトリメリット酸又はその誘導体が安価で、反応制御が容易であるため、好ましく用いられる。これらの2価のカルボン酸等及び3価以上のカルボン酸は、単独であるいは複数を併用して用いることができる。
ポリエステル樹脂を主成分とするならば他の樹脂成分を含有するハイブリッド樹脂であっても良い。例えば、ポリエステル樹脂とビニル系樹脂とのハイブリッド樹脂が挙げられる。ハイブリッド樹脂のような、ビニル系樹脂やビニル系共重合ユニットとポリエステル樹脂の反応生成物を得る方法としては、ビニル系樹脂やビニル系共重合ユニット及びポリエステル樹脂のそれぞれと反応しうるモノマー成分を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方もしくは両方の樹脂の重合反応を行う方法が好ましい。
例えば、ポリエステル樹脂成分を構成するモノマーのうちビニル系共重合体と反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物等が挙げられる。ビニル系共重合体成分を構成するモノマーのうちポリエステル樹脂成分と反応し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
また、本発明では結着樹脂として、ポリエステル樹脂を主成分とするならば、上記のビニル系樹脂以外にも、従来より結着樹脂として知られている種々の樹脂化合物を併用することができる。このような樹脂化合物としては、例えばフェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロインデン樹脂、石油系樹脂等が挙げられる。
また、本発明の結着樹脂Aのピーク分子量は5000以上13000以下であることが、低温定着性と耐ホットオフセット性の観点から好ましい。また、本発明の結着樹脂の酸価は10mgKOH/g以下であることが、高温高湿環境下における帯電安定性の観点から好ましい。
また、本発明の結着樹脂は、低分子量の結着樹脂Eと高分子量の結着樹脂Dを混ぜ合わせて使用しても良い。高分子量の結着樹脂Dと低分子量の結着樹脂Eの含有比率(D/E)は質量基準で10/90以上60/40以下であることが、低温定着性と耐ホットオフセット性の観点から好ましい。
高分子量の結着樹脂Dのピーク分子量は10000以上20000以下であることが、耐ホットオフセット性の観点から好ましい。また、高分子量の結着樹脂の酸価は15mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であることが、高温高湿環境下における帯電安定性の観点から好ましい。
低分子量の結着樹脂Eの数平均分子量は1500以上3500以下であることが、低温定着性の観点から好ましい。また、低分子量の結着樹脂の酸価は10mgKOH/g以下であることが、高温高湿環境下における帯電安定性の観点から好ましい。
<その他の結着樹脂>
本発明のトナーに使用される結着樹脂としては、顔料分散性を向上させたり、トナーの帯電安定性、耐ブロッキング性を改善したりする目的で上記結着樹脂以外に下記の重合体を本発明の効果を阻害しない量で添加することも可能である。
本発明のトナーに使用される結着樹脂としては、顔料分散性を向上させたり、トナーの帯電安定性、耐ブロッキング性を改善したりする目的で上記結着樹脂以外に下記の重合体を本発明の効果を阻害しない量で添加することも可能である。
本発明のトナーの結着樹脂に用いられるその他の樹脂としては、例えば以下の樹脂が挙げられる。ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂等が挙げられる。
また、トナーの可塑効果を促進し、低温定着性を向上させる目的で本発明のトナー粒子に下記の如き結晶性ポリエステル樹脂を添加してもよい。
本発明のトナーにおいて使用される結晶性ポリエステルとしては、炭素数2以上22以下の脂肪族ジオールと、炭素数2以上22以下の脂肪族ジカルボン酸とを主成分として含む単量体組成物を重縮合反応させることにより得られるものが例としてあげられる。
炭素数2以上22以下(より好ましくは炭素数6以上12以下)の脂肪族ジオールとしては、特に限定されないが、鎖状(より好ましくは直鎖状)の脂肪族ジオールであることが好ましい。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブタジエングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、ノナメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコールが挙げられる。これらの中でも、特にエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、及び1,6−ヘキサンジオールの如き直鎖脂肪族、α,ω−ジオールが好ましく例示される。
上記アルコール成分のうち、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上が、炭素数2以上22以下の脂肪族ジオールから選ばれるアルコールである。
本発明において、上記脂肪族ジオール以外の多価アルコール単量体を用いることもできる。該多価アルコール単量体のうち2価アルコール単量体としては、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等の芳香族アルコール;1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。また、該多価アルコール単量体のうち3価以上の多価アルコール単量体としては、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の芳香族アルコール;ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の脂肪族アルコール等が挙げられる。
さらに、本発明において、結晶性ポリエステルの特性を損なわない程度に1価のアルコ−ルを用いてもよい。該1価のアルコールとしては、例えばn−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、ラウリルアルコール、2−エチルヘキサノール、デカノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ドデシルアルコール等の1官能性アルコールなどが挙げられる。
一方、炭素数2以上22以下(より好ましくは炭素数6以上12以下)の脂肪族ジカルボン酸としては、特に限定されないが、鎖状(より好ましくは直鎖状)の脂肪族ジカルボン酸であることが好ましい。具体例としてはシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、グルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸が挙げられ、これらの酸無水物または低級アルキルエステルを加水分解したものなども含まれる。
本発明において、上記カルボン酸成分のうち、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上が、炭素数2以上22以下の脂肪族ジカルボン酸から選ばれるカルボン酸である。
本発明において、上記炭素数2以上22以下の脂肪族ジカルボン酸以外の多価カルボン酸を用いることもできる。その他の多価カルボン酸単量体のうち、2価のカルボン酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族カルボン酸;n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸の脂肪族カルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸が挙げられ、これらの酸無水物または低級アルキルエステルなども含まれる。また、その他のカルボン酸単量体のうち、3価以上の多価カルボン酸としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、等の脂肪族カルボン酸が挙げられ、これらの酸無水物または低級アルキルエステル等の誘導体等も含まれる。
さらに、本発明において、結晶性ポリエステルの特性を損なわない程度に1価のカルボン酸を含有していてもよい。1価のカルボン酸としては、例えばナフタレンカルボン酸、サリチル酸、4−メチル安息香酸、3−メチル安息香酸、フェノキシ酢酸、ビフェニルカルボン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、ステアリン酸などのモノカルボン酸が挙げられる。
本発明における結晶性ポリエステルは、通常のポリエステル合成法に従って製造することができる。例えば、前記したカルボン酸単量体とアルコ−ル単量体とをエステル化反応、またはエステル交換反応せしめた後、減圧下または窒素ガスを導入して常法に従って重縮合反応させることで所望の結晶性ポリエステルを得ることができる。
上記エステル化またはエステル交換反応は、必要に応じて硫酸、チタンブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、酢酸マンガン、酢酸マグネシウムなどの通常のエステル化触媒またはエステル交換触媒を用いて行うことができる。
また、上記重縮合反応は、通常の重合触媒、例えばチタンブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、酢酸スズ、酢酸亜鉛、二硫化スズ、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウムなど公知の触媒を使用して行うことができる。重合温度、触媒量は特に限定されるものではなく、適宜に決めればよい。
エステル化もしくはエステル交換反応または重縮合反応において、得られる結晶性ポリエステルの強度を上げるために全単量体を一括仕込みしたり、低分子量成分を少なくするために2価の単量体を先ず反応させた後、3価以上の単量体を添加して反応させたりする等の方法を用いてもよい。
<着色剤>
トナーに含有できる着色剤としては、以下のものが挙げられる。
トナーに含有できる着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;イエロー着色剤とマゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
マゼンタトナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1の如き油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28の如き塩基性染料。
シアントナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1乃至5個置換した銅フタロシアニン顔料。
シアントナー用染料としては、C.I.ソルベントブルー70がある。
イエロートナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
イエロートナー用染料としては、C.I.ソルベントイエロー162がある。
イエロートナー用染料としては、C.I.ソルベントイエロー162がある。
着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上30質量部以下で使用されることが好ましい。
<現像剤>
本発明のトナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、ドット再現性をより向上させるために、磁性キャリアと混合して、二成分系現像剤として用いることが、また長期にわたり安定した画像が得られるという点で好ましい。
本発明のトナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、ドット再現性をより向上させるために、磁性キャリアと混合して、二成分系現像剤として用いることが、また長期にわたり安定した画像が得られるという点で好ましい。
磁性キャリアとしては、例えば、表面を酸化した鉄粉、或いは、未酸化の鉄粉や、鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き金属粒子、それらの合金粒子、酸化物粒子、フェライト等の磁性体や、磁性体と、この磁性体を分散した状態で保持するバインダー樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)等、一般に公知のものを使用できる。
本発明のトナーを磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用する場合、その際のキャリア混合比率は、二成分系現像剤中のトナー濃度として、2質量%以上15質量%以下、好ましくは4質量%以上13質量%以下にすると通常良好な結果が得られる。
<製造方法>
トナー粒子を製造する方法としては、溶融混練法、乳化転相法、懸濁重合法、乳化凝集法など、従来から公知のいずれの方法により得られたものであってもよい。着色剤粒子を非晶性樹脂中に微分散させるという観点から、結着樹脂と、樹脂組成物と、結晶性ポリエステルを溶融混練し、混練物を冷却後、粉砕及び分級する溶融混練法が好ましい。
トナー粒子を製造する方法としては、溶融混練法、乳化転相法、懸濁重合法、乳化凝集法など、従来から公知のいずれの方法により得られたものであってもよい。着色剤粒子を非晶性樹脂中に微分散させるという観点から、結着樹脂と、樹脂組成物と、結晶性ポリエステルを溶融混練し、混練物を冷却後、粉砕及び分級する溶融混練法が好ましい。
以下、溶融混練法でのトナー製造手順について説明する。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、例えば、結着樹脂及びワックス、着色剤、必要に応じて荷電制御剤等の他の成分を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中にワックス等を分散させる。その溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーの如きバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができ、連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。例えば、KTK型2軸押出機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出機(東芝機械社製)、PCM混練機(池貝鉄工製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。更に、溶融混練することによって得られる樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。
ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルの如き粉砕機で粗粉砕した後、更に、例えば、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボ・ミル(ターボ工業製)やエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)の如き分級機や篩分機を用いて分級し、分級品(トナー粒子)を得る。中でも、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)は、分級と同時にトナー粒子の球形化処理を行うことができ、転写効率の向上という点で好ましい。
本発明のトナーの製造方法においては、熱処理工程の前に、得られたトナー粒子にシリカ微粒子Cを添加することが重要である。トナー粒子にシリカ微粒子Cを添加する方法としては、トナー粒子とシリカ微粒子Cを所定量配合し、ヘンシェルミキサー、メカノハイブリッド(日本コークス社製)、スーパーミキサー、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)等の粉体にせん断力を与える高速撹拌機を外添機として用いて、撹拌・混合する。続いて、得られたトナー粒子を熱処理工程で図1のような熱処理装置を用いてシリカ微粒子Cをトナー粒子表面に熱固着させる。
原料定量供給手段1により定量供給されたトナー粒子とシリカ微粒子Cとの混合物は、圧縮気体調整手段2により調整された圧縮気体によって、原料供給手段の鉛直線上に設置された導入管3に導かれる。導入管を通過した混合物は、原料供給手段の中央部に設けられた円錐状の突起状部材4により均一に分散され、放射状に広がる8方向の供給管5に導かれ熱処理が行われる処理室6に導かれる。
このとき、処理室に供給された混合物は、処理室内に設けられた混合物の流れを規制するための規制手段9によって、その流れが規制される。このため処理室に供給された混合物は、処理室内を旋回しながら熱処理された後、冷却される。
供給された混合物を熱処理するための熱風は、熱風供給手段7から供給され、熱風を旋回させるための旋回部材13により、処理室内に熱風を螺旋状に旋回させて導入される。その構成としては、熱風を旋回させるための旋回部材13が、複数のブレードを有しており、その枚数や角度により、熱風の旋回を制御することができる。
トナー粒子表面にシリカ微粒子Cが熱固着された熱処理トナー粒子は冷風供給手段8から供給される冷風によって冷却され、冷却された熱処理トナー粒子は、処理室の下端にある回収手段10によって回収される。なお、回収手段の先にはブロワー(不図示)が設けられ、それにより吸引搬送される構成となっている。
また、粉体粒子供給口14は、供給された混合物の旋回方向と熱風の旋回方向が同方向になるように設けられており、熱処理装置の回収手段10は、旋回された粉体粒子の旋回方向を維持するように、処理室の外周部に設けられている。さらに、冷風供給手段8から供給される冷風は、装置外周部から処理室内周面に、水平かつ接線方向から供給されるよう構成されている。粉体供給口から供給されるトナーの旋回方向、冷風供給手段から供給された冷風の旋回方向、熱風供給手段から供給された熱風の旋回方向がすべて同方向であることにより、処理室内で乱流が起こらず、装置内の旋回流が強化され、トナーに強力な遠心力がかかり、トナーの分散性が更に向上するため、合一粒子の少ない、形状の揃ったトナーを得ることができる。
本発明のトナーの製造方法では、熱処理後に粗大な粒子が存在する場合、必要に応じて、分級によって粗大粒子を除去する工程を有していても構わない。粗大粒子を除去する分級機としては、分級機としては、ターボプレックス、TSP、TTSP、クリフィス(ホソカワミクロン社製)、エルボージェット(日鉄鉱業社製)等が挙げられる。
更に、熱処理後、必要に応じて、粗粒等を篩い分けるために、例えば、ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);ターボスクリーナー(ターボ工業社製);ハイボルター(東洋ハイテック社製)等の篩分機を用いても良い。
尚、本発明の熱処理工程は上記微粉砕の後であっても良い。
本発明のトナーの平均円形度は0.960以上であることが好ましく、更に好ましくは0.965以上である。トナーの平均円形度が上記の範囲であることにより、トナーの転写効率が向上する。
トナー及び原材料の各種物性の測定法について以下に説明する。
<一次粒子の個数平均粒径(D1)の測定方法>
外添剤の一次粒子の個数平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)「JEM2800」(日本電子製)を用いて測定する。
外添剤の一次粒子の個数平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)「JEM2800」(日本電子製)を用いて測定する。
まず、測定サンプルの調整を行う。外添剤約5mgに対し、イソプロパノール1mlを加え、超音波分散機(超音波洗浄機)で5分間分散させる。次に、TEM用の支持膜付きマイクログリッド(150メッシュ)に上記分散液を1滴たらし、乾燥させることで測定サンプルを準備した。
次に、透過型電子顕微鏡(TEM)により、加速電圧200kVの条件のもと、視野中の外添剤が十分に測長できる倍率(例えば200k〜1M倍)にて画像を取得し、ランダムに100個の外添剤の一次粒子の粒径を測定して個数平均粒径を求める。一次粒子の粒径の測定は手動、または計測ツールを用いても良い。
<樹脂の重量平均分子量の測定方法>
樹脂のTHF可溶分の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定した。
樹脂のTHF可溶分の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定した。
まず、室温で24時間かけて、トナーをテトラヒドロフラン(THF)に溶解した。その後得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得た。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整した。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定した。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用した。
<トナー粒子の重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出した。
トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出した。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行なった。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定した。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定した。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れた。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定した。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なった。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡をあらかじめ除去した。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加えた。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加した。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させた。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整した。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させた。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続した。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節した。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整した。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なった。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出した。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」を重量平均粒径(D4)とした。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なった。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡をあらかじめ除去した。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加えた。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加した。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させた。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整した。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させた。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続した。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節した。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整した。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なった。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出した。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」を重量平均粒径(D4)とした。
<トナー粒子の平均円形度の測定方法>
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000型」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定・解析条件で測定した。
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000型」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定・解析条件で測定した。
フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000型」(シスメックス社製)の測定原理は、流れている粒子を静止画像として撮像し、画像解析を行うというものである。試料チャンバーへ加えられた試料は、試料吸引シリンジによって、フラットシースフローセルに送り込まれる。フラットシースフローに送り込まれた試料は、シース液に挟まれて扁平な流れを形成する。フラットシースフローセル内を通過する試料に対しては、1/60秒間隔でストロボ光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能である。また、扁平な流れであるため、焦点の合った状態で撮像される。粒子像はCCDカメラで撮像され、撮像された画像は、1視野が512画素×512画素であり、1画素あたり0.37×0.37μmの画像処理解像度で画像処理され、各粒子像の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積や周囲長等が計測される。
次に、各粒子像の投影面積Sと周囲長Lを求める。上記面積Sと周囲長Lを用いて円相当径と円形度を求める。円形当径とは、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことであり、円形度は、円形当径から求めた円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割った値として定義され、次式で算出される。
円形度C=2×(π×S)1/2/L
円形度C=2×(π×S)1/2/L
粒子像が真円形の時に円形度は1.000になり、粒子像の外周の凹凸の程度が大きくなるほど円形度は小さい値になる。
各粒子の円形度を算出後、円形度0.2から1.0の範囲を800分割したチャンネルに振り分け、各チャンネルの中心値を代表値として平均値を計算し平均円形度の算出を行う。
具体的な測定方法としては、イオン交換水20mlに、分散剤として界面活性剤、好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.02g加えた後、測定試料0.02gを加え、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散機(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製など)を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とした。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。前記手順に従い調整した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測して、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径2.00μm以上200.00μm以下に限定し、トナーの平均円形度を求めた。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えばDuke Scientific社製5200Aをイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用し、解析粒子径を円相当径2.00μm以上、200.00μm以下に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
<樹脂のガラス転移温度(Tg)の測定>
樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、樹脂約5mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定範囲30乃至200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。一度180℃まで昇温させ10分間保持し、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程で、温度30乃至100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、樹脂のガラス転移温度(Tg)とする。
<酸価の測定>
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。結着樹脂、及び化合物Bの酸価はJIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。結着樹脂、及び化合物Bの酸価はJIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mlに溶かし、イオン交換水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mlに溶かし、イオン交換水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム7gを5mlの水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1lとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/l塩酸25mlを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.1モル/l塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
試料2.0gを200mlの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。尚、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(A)本試験
試料2.0gを200mlの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。尚、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=<(C−B)×f×5.61>/S
A=<(C−B)×f×5.61>/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。
以上本発明の基本的な構成と特色について述べたが、以下実施例に基づいて具体的に本発明について説明する。しかしながら、本発明は何らこれに限定されるものではない。
<結着樹脂Aの製造例>
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:72.0質量部(0.20モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:28.0質量部(0.17モル;多価カルボン酸総モル数に対して100.0mol%)
・2−エチルヘキサン酸錫(エステル化触媒):0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、4時間反応させた。
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:72.0質量部(0.20モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:28.0質量部(0.17モル;多価カルボン酸総モル数に対して100.0mol%)
・2−エチルヘキサン酸錫(エステル化触媒):0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、4時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、180℃まで冷却し、大気圧に戻した(第1反応工程)。
・無水トリメリット酸:1.3質量部(0.01モル;多価カルボン酸総モル数に対して4.0mol%)
・tert−ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度180℃に維持したまま、1時間反応させ、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が120℃に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め(第2反応工程)、Tg=57℃の結着樹脂Aを得た。
・tert−ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度180℃に維持したまま、1時間反応させ、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が120℃に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め(第2反応工程)、Tg=57℃の結着樹脂Aを得た。
<化合物Bの製造例>
<化合物B1の製造例>
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を付した3Lフラスコに純水1000質量部、乳化剤としてドデシル硫酸ナトリウム4質量部を仕込み、窒素置換を30分間行った。ペルオキソ二硫酸カリウム(KPS)2質量部を仕込み、撹拌し溶解した。その後、内容物を窒素導入下80℃に昇温した。80℃に到達した時点でスチレン300質量部、アクリル酸−2−エチルヘキシル(2−EHA)60質量部の混合モノマーと、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)40質量部を純水600質量部に溶解した水溶液を2時間かけて別々に滴下する。その後80℃のまま8時間重合を行い、エマルション溶液を得た。該エマルション溶液を50℃の真空乾燥機で水分が1%以下になるまで乾燥し、スチレン/2−EHA/AMPS共重合体である化合物Bを得た。化合物Bの酸化は21.6mgKOH/g、Mwは18300であった。
<化合物B1の製造例>
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を付した3Lフラスコに純水1000質量部、乳化剤としてドデシル硫酸ナトリウム4質量部を仕込み、窒素置換を30分間行った。ペルオキソ二硫酸カリウム(KPS)2質量部を仕込み、撹拌し溶解した。その後、内容物を窒素導入下80℃に昇温した。80℃に到達した時点でスチレン300質量部、アクリル酸−2−エチルヘキシル(2−EHA)60質量部の混合モノマーと、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)40質量部を純水600質量部に溶解した水溶液を2時間かけて別々に滴下する。その後80℃のまま8時間重合を行い、エマルション溶液を得た。該エマルション溶液を50℃の真空乾燥機で水分が1%以下になるまで乾燥し、スチレン/2−EHA/AMPS共重合体である化合物Bを得た。化合物Bの酸化は21.6mgKOH/g、Mwは18300であった。
<化合物B2乃至5の製造例>
使用するモノマー量を表1のように変更し、重合温度や重合時間を調整することにより分子量を制御すること以外は化合物B1の製造例と同様に行なった。得られた化合物2乃至5の物性を表1に示す。
使用するモノマー量を表1のように変更し、重合温度や重合時間を調整することにより分子量を制御すること以外は化合物B1の製造例と同様に行なった。得られた化合物2乃至5の物性を表1に示す。
<シリカ微粒子原体の製造例>
<シリカ微粒子原体1の製造例>
酸素ガスをバーナーに供給し、着火用バーナーに点火した後、水素ガスをバーナーに供給して火炎を形成し、これに原料である四塩化ケイ素を投入しガス化させることでシリカ微粒子を得た。具体的には、原料の四塩化ケイ素ガス量は130kg/hr、水素ガス50Nm3/hrおよび酸素ガスの量25Nm3/hr、火炎中のシリカ濃度0.50kg/Nm3、滞留時間0.020secとした。得られたシリカ微粒子を電気炉に移し、薄層状に敷きつめた後、900℃で加熱処理を施し焼結させた。シリカ微粒子原体1の物性を表2に示す。
<シリカ微粒子原体1の製造例>
酸素ガスをバーナーに供給し、着火用バーナーに点火した後、水素ガスをバーナーに供給して火炎を形成し、これに原料である四塩化ケイ素を投入しガス化させることでシリカ微粒子を得た。具体的には、原料の四塩化ケイ素ガス量は130kg/hr、水素ガス50Nm3/hrおよび酸素ガスの量25Nm3/hr、火炎中のシリカ濃度0.50kg/Nm3、滞留時間0.020secとした。得られたシリカ微粒子を電気炉に移し、薄層状に敷きつめた後、900℃で加熱処理を施し焼結させた。シリカ微粒子原体1の物性を表2に示す。
<シリカ微粒子原体2乃至6の製造例>
四塩化ケイ素量、酸素ガス量、水素ガス量、シリカ濃度、滞留時間、焼結条件を調整することでシリカ微粒子原体2乃至6を得た。シリカ微粒子原体2乃至6の物性を表2に示す。
四塩化ケイ素量、酸素ガス量、水素ガス量、シリカ濃度、滞留時間、焼結条件を調整することでシリカ微粒子原体2乃至6を得た。シリカ微粒子原体2乃至6の物性を表2に示す。
<シリカ微粒子Cの製造例>
<シリカ微粒子C1の製造例>
シリカ微粒子原体1 100gに対して、化合物B1 5gをトルエンに溶解した液を噴霧し、2時間の撹拌混合によって化合物Bの固定化を行った。その後、200℃で熱処理してトルエンを揮発させ、表面に化合物Bを有するシリカ微粒子原体1/化合物B複合物を得た。次に、得られたシリカ微粒子原体1/化合物B複合物を、微粉砕機アトマイザーTAP−1W(東京アトマイザー製造株式会社製)によって解砕することでシリカ微粒子原体1に化合物Bが表面処理されたシリカ微粒子C1を得た。得られたシリカ微粒子C1の物性を表3に示す。
<シリカ微粒子C1の製造例>
シリカ微粒子原体1 100gに対して、化合物B1 5gをトルエンに溶解した液を噴霧し、2時間の撹拌混合によって化合物Bの固定化を行った。その後、200℃で熱処理してトルエンを揮発させ、表面に化合物Bを有するシリカ微粒子原体1/化合物B複合物を得た。次に、得られたシリカ微粒子原体1/化合物B複合物を、微粉砕機アトマイザーTAP−1W(東京アトマイザー製造株式会社製)によって解砕することでシリカ微粒子原体1に化合物Bが表面処理されたシリカ微粒子C1を得た。得られたシリカ微粒子C1の物性を表3に示す。
<シリカ微粒子C2乃至17の製造例>
シリカ微粒子原体または表面処理剤を表3のように変更した以外はシリカ微粒子C1の製造例と同様に行なった。得られたシリカ微粒子C2乃至17の物性を表3に示す。
シリカ微粒子原体または表面処理剤を表3のように変更した以外はシリカ微粒子C1の製造例と同様に行なった。得られたシリカ微粒子C2乃至17の物性を表3に示す。
<トナー製造例1>
・結着樹脂A 100質量部
・ワックス(フィッシャートロプシュワックス、融点90℃) 5質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 5質量部
上記処方で示した原材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数20s-1、回転時間5minで混合した後、温度125℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。さらに回転型分級機(F−300、ホソカワミクロン社製)を用い、分級を行い、トナー粒子を得た。回転型分級機(F−300、ホソカワミクロン社製)の運転条件は、分級ローター回転数を150.0s-1、分散ローター回転数を125.0s-1の条件で分級を行った。得られたトナー粒子1は、重量平均粒径(D4)が6.5μmであった。
・トナー粒子1 100質量部
・シリカ微粒子C1 4質量部
上記処方で示した原材料をヘンシェルミキサー(FM−10C型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数50s-1、回転時間3minで混合したのち、図1で示す表面処理装置によって熱処理を行ないトナー1を得た。運転条件はフィード量=5kg/hrとし、また、熱風温度=220℃、熱風流量=6m3/min.、冷風温度=5℃、冷風流量=4m3/min.、冷風絶対水分量=3g/m3、ブロワー風量=20m3/min.、インジェクションエア流量=1m3/min.とした。得られたトナー1は、平均円形度が0.964、重量平均粒径(D4)が6.5μmであった。
・結着樹脂A 100質量部
・ワックス(フィッシャートロプシュワックス、融点90℃) 5質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 5質量部
上記処方で示した原材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数20s-1、回転時間5minで混合した後、温度125℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。さらに回転型分級機(F−300、ホソカワミクロン社製)を用い、分級を行い、トナー粒子を得た。回転型分級機(F−300、ホソカワミクロン社製)の運転条件は、分級ローター回転数を150.0s-1、分散ローター回転数を125.0s-1の条件で分級を行った。得られたトナー粒子1は、重量平均粒径(D4)が6.5μmであった。
・トナー粒子1 100質量部
・シリカ微粒子C1 4質量部
上記処方で示した原材料をヘンシェルミキサー(FM−10C型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数50s-1、回転時間3minで混合したのち、図1で示す表面処理装置によって熱処理を行ないトナー1を得た。運転条件はフィード量=5kg/hrとし、また、熱風温度=220℃、熱風流量=6m3/min.、冷風温度=5℃、冷風流量=4m3/min.、冷風絶対水分量=3g/m3、ブロワー風量=20m3/min.、インジェクションエア流量=1m3/min.とした。得られたトナー1は、平均円形度が0.964、重量平均粒径(D4)が6.5μmであった。
<トナー製造例2乃至22>
表4に示す通り、材料の種類、添加部数、熱処理の有無を変更した以外は、トナー製造例1と同様に行った。トナー2乃至22の概要を表4に示す。
表4に示す通り、材料の種類、添加部数、熱処理の有無を変更した以外は、トナー製造例1と同様に行った。トナー2乃至22の概要を表4に示す。
<磁性コア粒子の製造例>
工程1(秤量・混合工程):
・Fe2O3 60.2質量%
・MnCO3 33.9質量%
・Mg(OH)2 4.8質量%
・SrCO3 1.1質量%
となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、ジルコニア(φ10mm)のボールを用いた乾式ボールミルで2時間粉砕・混合した。
工程1(秤量・混合工程):
・Fe2O3 60.2質量%
・MnCO3 33.9質量%
・Mg(OH)2 4.8質量%
・SrCO3 1.1質量%
となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、ジルコニア(φ10mm)のボールを用いた乾式ボールミルで2時間粉砕・混合した。
工程2(仮焼成工程):
粉砕・混合した後、バーナー式焼成炉を用い大気中で1000℃で3時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。フェライトの組成は、下記の通り。
(MnO)a(MgO)b(SrO)c(Fe2O3)d上記式において、a=0.39、b=0.11、c=0.01、d=0.50
粉砕・混合した後、バーナー式焼成炉を用い大気中で1000℃で3時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。フェライトの組成は、下記の通り。
(MnO)a(MgO)b(SrO)c(Fe2O3)d上記式において、a=0.39、b=0.11、c=0.01、d=0.50
工程3(粉砕工程):
クラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、ジルコニア(φ10mm)のボールを用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ボールミルで2時間粉砕した。
クラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、ジルコニア(φ10mm)のボールを用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ボールミルで2時間粉砕した。
そのスラリーを、ジルコニアのビーズ(φ1.0mm)を用いた湿式ビーズミルで4時間粉砕し、フェライトスラリーを得た。
工程4(造粒工程):
フェライトスラリーに、バインダーとして仮焼フェライト100質量部に対してポリビニルアルコール2.0質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、約36μmの球状粒子に造粒した。
フェライトスラリーに、バインダーとして仮焼フェライト100質量部に対してポリビニルアルコール2.0質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、約36μmの球状粒子に造粒した。
工程5(本焼成工程):
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%以下)で、1150℃で4時間焼成した。
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%以下)で、1150℃で4時間焼成した。
工程6(選別工程):
凝集した粒子を解砕した後に、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、磁性コア粒子を得た。
凝集した粒子を解砕した後に、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、磁性コア粒子を得た。
<コート樹脂の製造例>
・シクロヘキシルメタクリレートモノマー 26.8質量部
・メチルメタクリレートモノマー 0.2質量部
・メチルメタクリレートマクロモノマー 8.4質量部
(片末端にメタクリロイル基を有する重量平均分子量5000のマクロモノマー)
・トルエン 31.3質量部
・メチルエチルケトン 31.3質量部
上記材料を、還流冷却器、温度計、窒素導入管及び撹拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコに添加し、窒素ガスを導入して充分に窒素雰囲気にした。その後、80℃まで加温し、2.0質量部のアゾビスイソブチロニトリルを添加して5時間還流し重合させた。得られた反応物にヘキサンを注入して共重合体を沈殿析出させ、沈殿物を濾別後、真空乾燥してコート樹脂を得た。
・シクロヘキシルメタクリレートモノマー 26.8質量部
・メチルメタクリレートモノマー 0.2質量部
・メチルメタクリレートマクロモノマー 8.4質量部
(片末端にメタクリロイル基を有する重量平均分子量5000のマクロモノマー)
・トルエン 31.3質量部
・メチルエチルケトン 31.3質量部
上記材料を、還流冷却器、温度計、窒素導入管及び撹拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコに添加し、窒素ガスを導入して充分に窒素雰囲気にした。その後、80℃まで加温し、2.0質量部のアゾビスイソブチロニトリルを添加して5時間還流し重合させた。得られた反応物にヘキサンを注入して共重合体を沈殿析出させ、沈殿物を濾別後、真空乾燥してコート樹脂を得た。
<磁性キャリア1製造例>
・コート樹脂 20.0質量%
・トルエン 80.0質量%
上記材料をビーズミルで分散混合し、樹脂液を得た。
・コート樹脂 20.0質量%
・トルエン 80.0質量%
上記材料をビーズミルで分散混合し、樹脂液を得た。
該磁性コア粒子100質量部をナウタミキサに投入し、さらに、該樹脂液を樹脂成分として2.0質量部になるようにナウタミキサに投入した。減圧下で温度70℃に加熱し、100rpmで混合し、4時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。その後、得られた試料をジュリアミキサーに移し、窒素雰囲気下、温度100℃で2時間熱処理した後、目開き70μmの篩で分級して磁性キャリア1を得た。得られた磁性キャリアの体積分布基準50%粒径(D50)は、38.2μmであった。
以上のトナー1乃至22と該磁性キャリア1で、トナー濃度が8.0質量%になるようにV型混合機(V−10型:株式会社徳寿製作所)で0.5s-1、回転時間5minで混合し、二成分系現像剤1乃至22を得た。詳細を表5に示す。
〔実施例1〕
画像形成装置として、キヤノン製デジタル商業印刷用プリンターimageRUNNER ADVANCE C9280 PRO改造機を用い、シアン位置または/及びマゼンタ位置の現像器に二成分系現像剤1を入れ、紙上のトナーの載り量が所望になる画像を形成し、後述の評価を行った。改造点としては、プロセススピード、現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧VD、及びレーザーパワーを自由に設定できるように変更した。画像出力評価は、所望の画像比率のFFh画像(ベタ画像)を出力した。FFhとは、256階調を16進数で表示した値であり、00hが256階調の1階調目(白地部)であり、FFhが256階調の256階調目(ベタ部)である。
画像形成装置として、キヤノン製デジタル商業印刷用プリンターimageRUNNER ADVANCE C9280 PRO改造機を用い、シアン位置または/及びマゼンタ位置の現像器に二成分系現像剤1を入れ、紙上のトナーの載り量が所望になる画像を形成し、後述の評価を行った。改造点としては、プロセススピード、現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧VD、及びレーザーパワーを自由に設定できるように変更した。画像出力評価は、所望の画像比率のFFh画像(ベタ画像)を出力した。FFhとは、256階調を16進数で表示した値であり、00hが256階調の1階調目(白地部)であり、FFhが256階調の256階調目(ベタ部)である。
以下の評価方法に基づいて評価し、その結果を表6に示す。
<トナー耐久性評価>
紙:CS−680(68.0g/m2)
(キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)
紙上のトナーの載り量:0.35mg/cm2(FFh画像)
試験環境:高温高湿環境(温度30℃/湿度80%RH(以下H/H))
耐久画像出力試験として、画像比率0.1%のFFh出力の帯チャートを用いて、A4用紙に10,000枚出力を行った。その後、上記A4用紙の中心に10cm2の画像を配置し、出力後の画像濃度を測定した。引き続き、画像比率40.0%のFFh出力の帯チャートを用いて、A4用紙に1,000枚出力を行った後、上記A4用紙の中心に10cm2の画像を配置し、出力後の画像濃度を測定した。上記2つの評価画像の濃度差について、以下の基準により評価した。
紙:CS−680(68.0g/m2)
(キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)
紙上のトナーの載り量:0.35mg/cm2(FFh画像)
試験環境:高温高湿環境(温度30℃/湿度80%RH(以下H/H))
耐久画像出力試験として、画像比率0.1%のFFh出力の帯チャートを用いて、A4用紙に10,000枚出力を行った。その後、上記A4用紙の中心に10cm2の画像を配置し、出力後の画像濃度を測定した。引き続き、画像比率40.0%のFFh出力の帯チャートを用いて、A4用紙に1,000枚出力を行った後、上記A4用紙の中心に10cm2の画像を配置し、出力後の画像濃度を測定した。上記2つの評価画像の濃度差について、以下の基準により評価した。
(評価基準)
A:濃度差が0.10未満(非常に優れている)
B:濃度差が0.10以上0.15未満(良好である)
C:濃度差が0.15以上0.25未満(本発明では問題ないレベルである)
D:濃度差が0.25以上(本発明では許容できない)
A:濃度差が0.10未満(非常に優れている)
B:濃度差が0.10以上0.15未満(良好である)
C:濃度差が0.15以上0.25未満(本発明では問題ないレベルである)
D:濃度差が0.25以上(本発明では許容できない)
<高温高湿下帯電性評価>
高温高湿下での帯電性の評価は、高温高湿環境下(30℃/80%)において、トナー耐久性評価の後、画像印字比率40%の条件で計10,000枚出力後、A3紙全面に00hのベタ画像(ベタ白画像)を印字し、以下の基準で判断した。印字しない紙の6点の平均反射率Dr(%)と、印字した紙の6点の平均反射率Ds(%)とを、リフレクトメータ(東京電色株式会社製の「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」)によって測定し、カブリ率(%)を求めた。
カブリ率(%)=Dr(%)−Ds(%)
高温高湿下での帯電性の評価は、高温高湿環境下(30℃/80%)において、トナー耐久性評価の後、画像印字比率40%の条件で計10,000枚出力後、A3紙全面に00hのベタ画像(ベタ白画像)を印字し、以下の基準で判断した。印字しない紙の6点の平均反射率Dr(%)と、印字した紙の6点の平均反射率Ds(%)とを、リフレクトメータ(東京電色株式会社製の「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」)によって測定し、カブリ率(%)を求めた。
カブリ率(%)=Dr(%)−Ds(%)
(評価基準)
A:カブリ率が0.5%未満(非常に優れている)
B:カブリ率が0.5以上1.5%未満(良好である)
C:カブリ率が1.5以上3.0%未満(本発明として問題ないレベル)
D:カブリ率が3.0%以上(本発明として許容できないレベル)
A:カブリ率が0.5%未満(非常に優れている)
B:カブリ率が0.5以上1.5%未満(良好である)
C:カブリ率が1.5以上3.0%未満(本発明として問題ないレベル)
D:カブリ率が3.0%以上(本発明として許容できないレベル)
〔実施例2乃至18、および比較例1乃至4〕
二成分系現像剤2乃至22を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表6に示す。
二成分系現像剤2乃至22を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表6に示す。
1.原料定量供給手段、2.圧縮気体流量調整手段、3.導入管、4.突起状部材、5.供給管、6.処理室、7.熱風供給手段、8.冷風供給手段、9.規制手段、10.回収手段、11.熱風供給手段出口、12.分配部材、13.旋回部材、14.粉体粒子供給口
Claims (6)
- 結着樹脂A及び着色剤を含有するトナー粒子と、前記トナー粒子の表面に存在する無機微粒子とを有するトナーであって、
前記無機微粒子はシリカ微粒子Cを含み、また、前記シリカ微粒子Cはスルホン酸基またはスルホン酸塩基に由来する部分構造を有する化合物Bを表面に有しており、かつ前記シリカ微粒子Cは熱処理によってトナー粒子表面に固着されていることを特徴とするトナー。 - 前記シリカ微粒子Cの一次粒子の個数平均粒径が、20nm以上200nm以下である請求項1に記載のトナー。
- 前記化合物Bの含有量が、前記シリカ微粒子Cに対して、1質量%以上15質量%以下である請求項1または2に記載のトナー。
- 前記化合物Bの酸価が15mgKOH/mg以上35mgKOH/mg以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記シリカ微粒子Cは、トナー粒子100質量部に対して0.5質量部以上10.0質量部以下添加されている請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトナー。
- 結着樹脂Aが、ポリエステル樹脂を主成分としている請求項1乃至5のいずれか1項に記載のトナー。
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JP2016178115A Pending JP2018045005A (ja) | 2016-09-13 | 2016-09-13 | トナー |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2018045005A (ja) |
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2016
- 2016-09-13 JP JP2016178115A patent/JP2018045005A/ja active Pending
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