JP2018044453A - 内燃機関の排気浄化システム - Google Patents
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Abstract
【課題】目的は、燃費を悪化させることなくかつ還元処理不足の発生が抑制されるように適切な態様で還元処理を行うことができる内燃機関の排気浄化システムを提供すること。【解決手段】排気浄化システムは、リーン雰囲気で排気中のNOxを捕捉し、リッチ雰囲気で捕捉したNOxを還元浄化するLNT触媒を備え、LNT触媒の還元処理を間欠的に実行する。排気浄化システムは、LNT触媒の下流側の排気のNOx濃度を検出するNOxセンサと、第n周期の還元処理の実行中のNOxセンサの検出値の中の最大値を記憶するバッファP(n)と、バッファP(Nrich−1)に記憶された値である前回最大値PV_Nrich−1に基づいて、第Nrich周期の還元処理を継続して実行する時間であるリッチ時間を制御する還元制御手段と、を備える。還元制御手段は、前回最大値PV_Nrich−1が大きいほどリッチ時間を長くする。【選択図】図4
Description
本発明は、内燃機関の排気浄化システムに関する。
リーンバーン運転が可能なリーンバーンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関の排気を、リーンNOx浄化触媒を用いて浄化する排気浄化システムは広く実用化されている。リーンNOx浄化触媒は、排気の空燃比がリーン雰囲気であるときには排気に含まれるNOxを捕捉し、その下流に排出しないようにし、排気の空燃比がリッチ雰囲気であるときにはそれまでに捕捉しておいたNOx及び新たに流入する排気に含まれるNOxを還元浄化する機能がある。
リーンNOx浄化触媒で捕捉できるNOxの量には限りがある。このため、リーンNOx浄化触媒を備えた排気浄化システムでは、リーンNOx浄化触媒における排気を所定期間にわたってリッチ雰囲気に維持し、リーンNOx浄化触媒におけるNOxの還元浄化を促す還元処理が間欠的に行われる(例えば、特許文献1参照)。このような還元処理を間欠的に行うことにより、リーンNOx浄化触媒では、排気中のNOxを捕捉する捕捉ステップと、還元処理を行うことによりそれまで捕捉したNOxを還元浄化する還元浄化ステップと、が交互に実現される。
このように捕捉ステップと還元浄化ステップとを交互に実現することによってリーンNOx浄化触媒のNOx浄化性能を維持する場合、還元浄化ステップでは適切な態様で還元処理を実行することによって、リーンNOx浄化触媒に捕捉されているNOxを十分に還元浄化し、そのNOx捕捉性能を十分に回復させた上で次の捕捉ステップに移行することが好ましいといえる。そこで特許文献1の発明では、リーンNOx浄化触媒の下流側にNOxセンサを設けておき、還元処理の実行中にNOxセンサの検出値が所定の閾値以下まで低下した場合には、リーンNOx浄化触媒に捕捉されていたNOxが十分に還元浄化されたと判断し、実行中の還元処理を終了する。
上述のように従来では、リーンNOx浄化触媒に捕捉されていたNOxが還元処理によって十分に還元浄化されたかどうかを判定する手段として、リーンNOx浄化触媒の下流側に設けたNOxセンサが用いられる場合が多い。しかしながら実際の還元処理の実行中にNOxセンサで検出されるNOx濃度は、還元処理を開始した直後にピーク値を示した後、リーンNOx浄化触媒に捕捉されていたNOxの還元浄化が進行するに伴って低下し、0近傍の所定濃度を示す。
すなわち、従来の排気浄化システムでは、リーンNOx浄化触媒に捕捉されたNOxが十分に還元浄化されたかどうかを判定するためには、NOxセンサの検出値と0近傍の小さな値に設定された閾値とを比較せねばならず、NOxセンサの誤差の影響を受けやすく判定精度が低い。このため、NOxセンサの検出値が閾値を下回ったと判断しても、実際のリーンNOx浄化触媒には還元浄化しきれていないNOxが残留している場合もある。以下では、このように還元処理によってNOx浄化触媒に捕捉されていたNOxが十分に還元浄化しきれなかった状態を、還元処理不足の状態ともいう。特に近年では、浄化性能の高いリーンNOx浄化触媒が開発されており、この場合にはNOxセンサの検出値に対する閾値をさらに小さな値に設定せねばならず、上述のような還元処理不足の状態がさらに発生しやすくなる。以上のように、従来の排気浄化システムでは、還元処理の終期を適切に判断できず、還元処理不足の状態が発生し、リーンNOx浄化触媒のNOx捕捉性能を十分に回復させることができない場合がある。
本発明は、還元処理不足の状態を抑制できるように適切な態様で還元処理を行うことができる内燃機関の排気浄化システムを提供することを目的とする。
(1)内燃機関(例えば、後述のエンジン1)の排気浄化システム(例えば、後述の排気浄化システム2)は、リーンバーン運転が可能な内燃機関の排気通路(例えば、後述の排気管11)に設けられ、リーン雰囲気で排気中のNOxを捕捉し、リッチ雰囲気で捕捉したNOxを還元浄化するNOx浄化触媒(例えば、後述のLNT触媒及びこれを担持する下流触媒コンバータ32)を備え、当該NOx浄化触媒における排気を所定時間継続してリッチ雰囲気にする還元処理を間欠的に実行するものである。この排気浄化システムは、前記NOx浄化触媒の下流側の排気のNOx濃度を検出するNOxセンサ(例えば、後述のNOxセンサ37)と、前記還元処理の実行中の前記NOxセンサによるNOx濃度の検出値を記憶する記憶手段(例えば、後述のECU7及びバッファP(n))と、前記記憶手段に記憶されている検出値のうち前回周期の還元処理の実行中に検出された値である前回検出値(例えば、後述の前回最大値PV_Nrich−1)に基づいて、今回周期(第Nrich周期)の還元処理を継続して実行する時間であるリッチ時間(例えば、後述の図10における時刻t1〜t3)及び今回周期の還元処理の実行中における排気の空燃比であるリッチ空燃比の両方又は何れかを制御する還元制御手段(例えば、後述のECU7)と、を備え、前記還元制御手段は、前記前回検出値が大きいほど前記リッチ時間を長くするリッチ時間制御手段(例えば、後述のECU7)及び前記前回検出値が大きいほど前記リッチ空燃比を小さくするリッチ空燃比制御手段(例えば、後述のECU7)の両方又は何れかを備えることを特徴とする。
なお本発明でリーン雰囲気とは、NOx浄化触媒における排気中の酸素濃度が炭化水素や一酸化炭素等の還元成分の濃度に対して相対的に高い状態をいう。このリーン雰囲気は、具体的には、例えば内燃機関における空燃比をストイキよりリーンにすることによって実現される。また本発明でリッチ雰囲気とは、NOx浄化触媒における排気中の酸素濃度が上記還元成分の濃度に対して相対的に低い状態をいう。このリッチ雰囲気は、具体的には、例えばアフター噴射等を行うことによって内燃機関の空燃比をストイキよりリッチにしたり、ポスト噴射を行ったり排気管に設けられた燃料インジェクタで排気中に燃料を噴射したりすることでNOx浄化触媒へ未燃燃料を供給することによって実現される。
(2)この場合、前記前回検出値は、前回周期の還元処理の実行中の複数の異なるタイミングにおける検出値の中の最大値であることが好ましい。
(3)この場合、前々回周期の還元処理の実行中の複数の異なるタイミングにおける検出値の中の最大値を前々回検出値(例えば、後述の前々回最大値PV_Nrich−2)とし、前記リッチ時間制御手段は、前記前々回検出値から前記前回検出値の増加度(例えば、後述のNOxスリップ増加度Δslip)が大きいほど前記リッチ時間を長くし、前記リッチ空燃比制御手段は、前記増加度が大きいほど前記リッチ空燃比を小さくすることが好ましい。
(1)本発明では、所定時間継続してリッチ雰囲気にする還元処理を間欠的に実行するとともに、NOx浄化触媒の下流側の排気のNOx濃度をNOxセンサで検出し、さらにこの検出値を記憶手段によって記憶する。そして本発明では、今回周期の還元処理におけるリッチ時間及びリッチ空燃比の両方又は何れかを、記憶手段に記憶されている検出値のうち前回周期の還元処理の実行中に検出された値である前回検出値に基づいて制御する。
ここで前回検出値を用いてリッチ時間等を制御することの意義について説明するため、ある周期の還元処理において、NOx浄化触媒に捕捉されたNOxが十分に還元浄化できなかった場合を想定する。この場合、その周期において還元浄化しきれなかったNOxは、NOx浄化触媒に捕捉されたまま、次の周期の還元処理まで還元浄化されずに持ち越されると考えられる。そして、この次の周期における還元処理においてリッチ雰囲気にすると、還元処理不足によって持ち越した分に応じた量だけ余分にNOxがスリップし、NOxセンサではその分だけ高いNOx濃度の排気が検出されると考えられる。これは、過去の周期の還元処理において発生した還元処理不足の程度と、その後の周期の還元処理の実行中におけるNOxスリップ量、すなわち、還元処理の実行中におけるNOxセンサの検出値である前回検出値との間には相関があることを意味する。
本発明では、このような相関関係を利用して、今回周期の還元処理におけるリッチ時間及びリッチ空燃比の両方又は何れかを、上述のように過去に発生した還元処理不足の程度と相関があると考えられる前回検出値を用いて制御する。より具体的には、前回検出値が大きいほど、つまり過去に発生した還元処理不足の程度が大きく、持ち越したNOxが多いと推定されるほど、リッチ時間制御手段によってリッチ時間を長くするか、リッチ空燃比制御手段によってリッチ空燃比を小さくするか、あるいは両方を用いてリッチ時間を長くしかつリッチ空燃比を小さくする。これにより本発明では、過去において還元処理不足の状態が発生した場合には、この過去に発生した還元処理不足の状態を抑制する方向へ現在の還元処理の実行態様(すなわち、リッチ時間やリッチ空燃比)を適正化できる。また本発明によれば、還元処理不足の状態を抑制するように還元処理の実行態様を適正化することにより、還元処理の終了時にはNOx浄化触媒のNOx捕捉性能を十分に回復させることができるので、還元処理の終了後、リーン雰囲気でのNOx浄化触媒によるNOx捕捉性能を高く維持することができる。
また後に図2を参照して説明するように、仮にリッチ時間やリッチ空燃比等の実行態様を一定として還元処理を繰り返し行った場合、NOx浄化触媒には各還元処理で還元浄化しきれなかったNOxが累積的にNOx浄化触媒に溜まってしまい、NOx浄化触媒によるNOx浄化性能が徐々に低下する場合がある。これに対し本発明では、過去に発生した還元処理不足の状態を抑制する方向へ還元処理の実行態様を適正化することにより、NOx浄化触媒におけるNOxの累積的な増加を防止することができる。
(2)上述のように過去の還元処理において還元処理不足が発生した場合、これはその後の還元処理の実行中におけるNOxスリップ量の増加として現れる。また、後に図2を参照して説明するように、発生した還元処理不足の程度が大きくなり、次回の還元処理に持ち越されるNOxの量が多くなるほど、還元処理の実行中にNOxセンサによって検出される検出値の中の最大値が大きくなる傾向がある。本発明では、これを利用して、前回周期の還元処理の実行中の複数の異なるタイミングにおける検出値の中の最大値を前回検出値とし、この前回検出値を用いてリッチ時間制御手段やリッチ空燃比制御手段によって還元処理の実行態様を適正化する。これにより、過去に発生した還元処理不足の状態をより確実に抑制する方向へ、現在の還元処理の実行態様を適正化できる。またNOxセンサの検出値の最大値を前回検出値とすることにより、上述の従来の排気浄化システムようにNOxセンサの検出値と小さな閾値とを比較することで還元処理の終期を判定していた場合に比べ、NOxセンサの要求精度を上げずに還元処理不足の状態を抑制できる。
(3)本発明では、前々回周期の還元処理の実行中の複数の異なるタイミングにおける検出値の中の最大値を前々回検出値とし、前々回検出値から前回検出値の増加度が大きくなるほど、すなわち前々回の周期の還元処理で前回の周期の還元処理に持ち越されるNOxの量が多くなるほど、今回の周期の還元処理におけるリッチ時間を長くしたりリッチ空燃比を小さくしたりする。ここで前回検出値の比較対象となる前々回検出値を一定の値とした場合、例えばNOx浄化触媒の劣化が進行することによってその特性が変化すると、この特性の変化に応じて還元処理の実行態様を適正化することができない場合がある。これに対し本発明では、前回検出値の比較対象となる前々回検出値を、毎回、前々回周期の検出値の最大値で持ち替えることにより、NOx浄化触媒の特性の変化に適応しながら、常に還元処理不足の発生が抑制されるように還元処理の実行態様を適正化することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る内燃機関(以下、「エンジン」という)1及びその排気浄化システム2の構成を示す図である。排気浄化システム2は、エンジン1の排気ポートから延びる排気管11に設けられた触媒浄化装置3と、これらエンジン1及び触媒浄化装置3を制御する電子制御ユニット(以下、「ECU」との略称を用いる)7と、を備える。
図1は、本実施形態に係る内燃機関(以下、「エンジン」という)1及びその排気浄化システム2の構成を示す図である。排気浄化システム2は、エンジン1の排気ポートから延びる排気管11に設けられた触媒浄化装置3と、これらエンジン1及び触媒浄化装置3を制御する電子制御ユニット(以下、「ECU」との略称を用いる)7と、を備える。
エンジン1は、燃焼空燃比をストイキよりもリーンとする所謂リーンバーン運転を基本とし、アクセルペダルが大きく踏み込まれた時などの高負荷運転時には燃焼空燃比をストイキ近傍とする所謂ストイキ運転を間欠的に行うもの、より具体的には例えばディーゼルエンジンやリーンバーンガソリンエンジン等であるが、これに限るものではない。エンジン1には、各シリンダに燃料を噴射する燃料噴射弁17が設けられている。この燃料噴射弁17を駆動するアクチュエータは、ECU7からの制御信号に応じて電磁的に接続されている。ECU7は、図示しない燃料噴射制御の下で燃料噴射弁17からの燃料噴射量や燃料噴射時期を決定し、これが実現されるように燃料噴射弁17を駆動する。
触媒浄化装置3は、それぞれ排気管11に設けられた上流触媒コンバータ31と、下流触媒コンバータ32と、温度センサ33と、空燃比センサ35と、O2センサ36と、NOxセンサ37と、を備える。
上流触媒コンバータ31は、フロースルー型のハニカム構造体を基材として、この基材にPdやPt等の貴金属を含む三元触媒を担持して構成される。三元触媒は、排気の空燃比がストイキ近傍に制御されると、排気に含まれるHC,CO及びNOxを三元浄化反応によって合せて浄化する。また三元触媒は、排気の空燃比がリーン雰囲気に制御されると、排気に含まれるHC及びCOを酸化することによってこれらを浄化する。
下流触媒コンバータ32は、フロースルー型のハニカム構造体を基材として、この基材に排気中のNOxを浄化するNOx浄化触媒としてのLNT触媒を担持して構成される。LNT触媒は、排気の空燃比がリーン雰囲気であるときに排気に含まれるNOxを吸着し、排気の空燃比がリッチ雰囲気であるときに排気中のHCやCOを還元剤として、リーン雰囲気時に吸着しておいたNOx及び新たに流入するNOxを還元することによってこれを浄化する。
このリーン雰囲気においてLNT触媒で吸着できるNOxの量には限りがあり、またNOx吸着量が多くなるほど、LNT触媒におけるNOxの吸着効率も低下する傾向がある。そこでECU7では、後に図3等を参照して説明するように、LNT触媒における排気の空燃比を所定時間継続してリッチ雰囲気にする還元処理を間欠的に実行しており、これによりLNT触媒におけるNOxの吸着効率を高く維持している。
温度センサ33は、例えば、排気管11のうち下流触媒コンバータ32の上流側に設けられる。温度センサ33は、下流触媒コンバータ32に流入する排気の温度を検出し、検出値に応じた信号をEC7に送信する。ECU7では、この温度センサ33の出力信号に基づいて、下流触媒コンバータ32に担持されているLNT触媒の温度(以下、単に「触媒温度」ともいう)を算出する。
空燃比センサ35は、例えば、排気管11のうち上流触媒コンバータ31の上流側に設けられる。空燃比センサ35は、上流触媒コンバータ31に流入する排気の酸素濃度(空燃比)に略比例した検出信号をECU7へ送信する。空燃比センサ35には、その出力信号が、検出箇所における空燃比に略比例したリニアな特性を有する所謂LAFセンサが用いられる。
O2センサ36は、例えば、排気管11のうち下流触媒コンバータ32の下流側に設けられる。O2センサ36は、下流触媒コンバータ32の下流側の排気の酸素濃度(空燃比)を検出し、検出値に応じた検出信号をECU7へ送信する。このO2センサ36から出力される検出信号のレベルは、検出箇所における排気の空燃比がストイキよりリッチであるときにはハイ(例えば、1)になり、ストイキよりリーンであるときにはロー(例えば、0)になるような略2値的な特性がある。以下では、O2センサ36の検出信号がロー(リーン側)からハイ(リッチ側)に切り替わることを、O2センサ36の出力の反転、ともいう。
NOxセンサ37は、例えば、排気管11のうち下流触媒コンバータ32の下流側に設けられる。NOxセンサ37は、下流触媒コンバータ32から流出する排気中のNOx濃度に応じた検出信号をECU7へ送信する。
ECU7は、センサの検出信号をA/D変換するI/Oインターフェース、後述の図3、図4、図9等に示すフローチャートに沿った処理を実行するCPU、この処理の下で決定した態様で各種デバイスを駆動する駆動回路、及び後述の図5〜図8のマップ等の各種データを記憶する記憶領域や、NOxセンサ37の検出値を記憶する後述のバッファP(n)(nは整数)等が設けられたRAMやROM等で構成されるマイクロコンピュータである。
次に、下流触媒コンバータ32に担持されているLNT触媒におけるリーン雰囲気及びリッチ雰囲気でのNOx浄化特性について、図2を参照しながら詳細に説明する。
図2は、所定の運転条件の下でリーンバーン運転を行っている間に、時刻t1、t2、t3、t4、t5において還元処理を間欠的に行った場合におけるLNT触媒の前後のNOx濃度の変化を示す図である。図2には、LNT触媒の前のNOx濃度を破線で示し、LNT触媒の後ろのNOx濃度を実線で示す。なお、各時刻t1〜t5において行った還元処理の実施態様、すなわち還元処理の実行中における排気の空燃比及び還元処理を継続して行う時間は何れも所定値で一定としている。また図2の例では、各還元処理において意図的に還元処理不足の状態が発生するよう、還元処理の実行中における排気の空燃比は還元処理不足が発生しないように定められた理想の空燃比よりもやや大きめ(ややリーン側)に設定し、また還元処理を継続して行う時間も上記のような理想の時間よりもやや短めに設定した。
図2に示すように、時刻t0〜t1及び時刻t1〜t2等、リーンバーン運転を行っている間における排気のNOx濃度は、LNT触媒の前よりも後ろの方が低い。これはリーン雰囲気における排気中のNOxは、LNT触媒に吸着されることを意味する。
また時刻t1,t2等において還元処理を実行すると、図2に示すようにLNT触媒の後ろのNOx濃度が一時的に高くなる。これは還元処理を行い、LNT触媒における排気の空燃比をリッチ雰囲気にすることにより、リーンバーン運転中に貯蔵しておいたNOxの一部がLNT触媒上で還元浄化しきれずにその下流側へスリップすることを意味する。
ここで各時刻t1〜t5では、意図的に還元処理不足の状態が発生するように還元処理が実行される。このため、時刻t1の還元処理で還元浄化しきれなかったNOxは、次の時刻t2における還元処理まで持ち越され、また時刻t2の還元処理で還元浄化しきれなかったNOxは、次の時刻t3における還元処理まで持ち越される。すなわち、各時刻t1〜t5における還元処理では、各時刻の還元処理で還元浄化できなかったNOxが累積的に増加する。このため、図2に示すように、各時刻t1〜t5の還元処理の実行中にLNT触媒の下流側へスリップするNOxの量も累積的に増加する傾向がある。これはすなわち、過去の周期の還元処理において発生した還元処理不足の程度と、その後の周期の還元処理の実行中におけるNOxスリップ量、すなわち還元処理の実行中におけるNOxセンサの検出値との間には相関があることを意味する。
また図2に示すように、NOxスリップ量の累積的な増加は、特に、還元処理の実行中にLNT触媒の下流側に設けられたNOxセンサによって検出されるNOx濃度の検出値の最大値の増加として最も顕著に表れる。これはすなわち、発生した還元処理不足の程度が大きくなり、次回の還元処理に持ち越されるNOxの量が多くなるほど、還元処理の実行中におけるNOxセンサの検出値の最大値が大きくなる傾向があることを意味する。以下に示す図3の処理は、このように過去の還元処理不足の発生と、還元処理の実行中におけるNOxセンサの検出値の最大値との間で認められる相関関係を利用して構築された処理である。
図3は、LNT触媒の還元処理を実行するタイミング及びその実行態様を決定する手順を示すフローチャートである。図3の処理は、例えば、イグニッションスイッチがオンにされエンジンが始動したことに応じてECUにおいて所定の制御周期毎に実行される。
始めにS1では、ECUは、還元リッチフラグF_richが1であるか否かを判定する。このフラグF_richは、現在、LNT触媒の還元処理の実行が要求されていることを示すフラグである。フラグF_richは、後述のS4において1にセットされ、その後S12において0にリセットされるようになっている。
S1の判定がNOである場合、ECUは、S2に移り、LNT触媒の還元処理を開始する時期に達したか否かを判定する。還元処理を開始する時期に達したか否かは、例えば、ECUにおいて、LNT触媒に吸着されているNOxの量を推定し、この推定したNOx吸着量が所定量を超えたか否かによって判定することができる。またLNT触媒に吸着されているNOxの量は、例えば、エンジンの運転状態から推定したLNT触媒へのNOx流入量と、NOxセンサを用いて算出されるLNT触媒の下流側へのNOx排出量との差を用いることによって算出することができる。S2の判定がNOである場合、ECUは、S3に移り、リーンバーン運転を行うか又は運転者の要求に応じてストイキ運転を行い、この処理を終了する。
S2の判定がYESである場合、ECUは、S4に移り、還元リッチフラグF_richの値を1にセットし、LNT触媒の還元処理の実行が要求されている状態であることを明示し、S5に移る。これにより、次の制御周期以降では、S1における判定がYESとなり、所定期間にわたりLNT触媒におけるNOxの還元浄化を促す還元処理が実行される。
S5では、ECUは、整数であるリッチ回数カウンタNrichに1を加算し、S6に移る。このカウンタNrichは、例えば、フラグF_richの値が上述のS4において1にセットされ、これに応じて還元処理を開始してから、その後、後述のS12においてフラグF_richの値が0にリセットされ、これに応じて複数回の制御周期に亘り継続して行われた還元処理を終了するまでを還元処理の単位周期と定義したときに、現在実行中の還元処理の周期数を計数するものである。
S6では、ECUは、図4に示す還元処理の初期設定を行うことによって、今回周期(すなわち、第Nrich周期)の還元処理の実行態様を決定した後、S10に移り、還元処理を開始する。
図4は、初期設定処理の具体的な手順を示すフローチャートである。
始めにS21では、ECUは、ポインタ(Nrich−1)及び(Nrich−2)によって特定されるバッファP(Nrich−1)及びP(Nrich−2)の各々に格納されている値PV_Nrich−1,PV_Nrich−2を読み込み、これらを前回最大値及び前々回最大値として、S22に移る。ここで、バッファP(n)(nは整数)は、ECUに設けられた記憶領域である。また後に図9を参照して説明するNOxスリップ記憶処理によれば、各バッファP(n)には、過去に行った第n周期の還元処理の実行中の複数の異なるタイミングにおけるNOxセンサによるNOx濃度の検出値の中の最大値が格納されるようになっている。従って現在実行中の還元処理を第Nrich周期とした場合、S21において読み込まれる前回最大値PV_Nrich−1は、前回周期(第Nrich−1周期)の還元処理の実行中のNOxセンサによるNOx濃度の検出値の最大値である。また、前々回最大値PV_Nrich−2は、前々回周期(第Nrich−2周期)の還元処理の実行中のNOxセンサによるNOx濃度の検出値の最大値である。
S22では、ECUは、S21で取得した前回最大値PV_Nrich−1から前々回最大値PV_Nrich−2を減算することにより、NOxスリップ増加度Δslipを算出し、S23に移る。ここでNOxスリップ増加度Δslipが正である場合とは、前回最大値PV_Nrich−1が前々回最大値PV_Nrich−2よりも大きな場合であるから、図2を参照して説明したように、過去の還元処理で還元処理不足の状態が発生することにより、還元浄化できずに持ち越されたNOxの量が増加傾向にあることを意味する。
S23では、ECUは、算出したNOxスリップ増加度Δslipを用いて、例えば所定の実効リッチ時間延長係数マップを検索することによって、実効リッチ時間延長係数Kextの値を算出し、S24に移る。この実効リッチ時間延長係数Kextは、今回周期の還元処理を継続して実行する時間であるリッチ時間のうち、LNT触媒が実際にリッチ雰囲気に晒されておりLNT触媒におけるNOxの還元浄化が実際に進行していると考えられる実効リッチ時間を、後述の基準時間に対し増減補正するために用いられる係数であり、0より大きな実数である。
図5は、実効リッチ時間延長係数マップの一例を示す図である。図5のマップによれば、NOxスリップ増加度Δslipが0である場合には、係数Kextは1に設定され、増加度Δslipが正である場合には、係数Kextは1より大きな値に設定され、増加度Δslipが負である場合には、係数Kextは1より小さくかつ0より大きな値に設定される。また増加度Δslipが正である場合、係数Kextは、1より大きな範囲内において、増加度Δslipが大きくなるほど大きな値に設定される。また増加度Δslipが負である場合、係数Kextは、0より大きくかつ1より小さな範囲内において、増加度Δslipが小さくなるほど小さな値に設定される。
図4に戻りS24では、ECUは、LNT触媒の温度TLNTを取得し、この触媒温度TLNTに基づいて、例えば所定の基準空燃比設定マップを検索することによって、還元処理の実行中における排気の空燃比の目標に相当するリッチ空燃比の基準となる基準空燃比KCMDRの値を算出し、S25に移る。
図6は、基準空燃比設定マップの一例を示す図である。図6のマップによれば、基準空燃比KCMDRは、ストイキよりリッチの範囲内において、触媒温度TLNTが高くなるほどリッチになるように設定される。これは、触媒温度が高くなるほどLNT触媒におけるNOxの還元性能が低下する傾向があることを反映させたものである。
図4に戻りS25では、ECUは、触媒温度TLNTに基づいて、例えば所定の基準時間設定マップを検索することによって、実効リッチ時間に対する基準となる基準時間Tim_bsの値を算出し、S26に移る。
図7は、基準時間設定マップの一例を示す図である。図7のマップによれば、基準時間Tim_bsは、触媒温度TLNTが高くなるほど長くなるように設定される。これは、触媒温度が高くなるほどLNT触媒におけるNOx還元性能が低下する傾向があることを反映させたものである。
図4に戻りS26では、ECUは、S25で算出した基準時間Tim_bsに延長係数Kextを乗算することによって実効リッチ時間Tim_richを算出し、S27に移る。図5を参照して説明したように、NOxスリップ増加度Δslipが正である場合、すなわち前々回最大値PV_Nrich−2よりも前回最大値PV_Nrich−1が大きい場合、延長係数Kextは1よりも大きな値に設定される。このため、実効リッチ時間Tim_richは、前回最大値PV_Nrich−1が前々回最大値PV_Nrich−2に対し大きいほど基準時間Tim_bsに対し長く設定される。また実効リッチ時間Tim_richは、前回最大値PV_Nrich−1が前々回最大値PV_Nrich−2に対し小さいほど基準時間Tim_bsに対し短く設定される。
S27では、ECUは、触媒温度TLNTに基づいて、例えば所定の実効リッチ時間上限設定マップを検索することによって、実効リッチ時間に対する上限となる上限時間Tim_rich_limの値を算出し、S28に移る。
図8は、実効リッチ時間上限設定マップの一例を示す図である。図8のマップによれば、上限時間Tim_rich_limは、触媒温度TLNTに対し上に凸の特性がある。これは、LNT触媒で吸着できるNOxの量の上限が、触媒温度TLNTに対し上に凸の特性があることを反映させたものである。すなわち、LNT触媒で吸着できるNOxの量が少なくなる低温又は高温領域では、吸着できるNOxの量が多くなる中温領域と比較して、短時間で吸着されているNOxを還元浄化することができる。このため、上限時間Tim_rich_limの温度特性は、LNT触媒で吸着できるNOx量の上限の温度特性と同じにすることができる。
図4に戻り、S28では、ECUは、S26で算出した実効リッチ時間Tim_richがS27で算出した上限時間Tim_rich_limより大きいか否かを判定する。S28の判定がYESである場合には、上限時間Tim_rich_limをリッチタイマの初期値として設定した後(S29参照)、図4の初期設定処理を終了し、図3のS10に移る。またS28の判定がNOである場合には、S26で算出した実効リッチ時間Tim_richをリッチタイマの初期値として設定した後(S30参照)、図4の初期設定処理を終了し、図3のS10に移る。なお、ここで設定されたリッチタイマの値は、還元処理を開始した後、LNT触媒の下流側に設けられたO2センサの出力が反転してから、すなわちLNT触媒における排気の空燃比が実際にリッチ雰囲気になり、LNT触媒においてNOxの還元浄化が進行すると考えられる状態になってから減算される(図3のS8参照)。したがってここで設定されるリッチタイマの初期値は、今回周期において還元処理を継続して行う全体のリッチ時間のうち、LNT触媒における排気の空燃比がリッチ雰囲気になった状態で還元処理を継続して行う実効リッチ時間に相当する。したがって実効リッチ時間を増減すると、その分だけ全体のリッチ時間も増減する。
図3に戻り、S10では、ECUは、アフター噴射やポスト噴射等を実行することにより、LNT触媒に流入する排気の空燃比をリッチ雰囲気にする還元処理を行い、S11に移る。より具体的には、ECUは、図4の初期設定処理において定めた基準空燃比KCMDRを目標空燃比として、例えば空燃比センサを用いたフィードバック制御によって、LNT触媒に流入する排気の空燃比を目標空燃比に制御する。
S11では、ECUは、還元処理の実行中におけるNOxスリップを検出し、記憶するNOxスリップ記憶処理を実行し、この処理を終了する。
図9は、NOxスリップ記憶処理の具体的な手順を示すフローチャートである。
始めにS31では、ECUは、NOxセンサによるLNT触媒の下流側のNOx濃度の検出値NOx_sensを取得し、S32に移る。
始めにS31では、ECUは、NOxセンサによるLNT触媒の下流側のNOx濃度の検出値NOx_sensを取得し、S32に移る。
S32では、ECUは、現在実行中の還元処理の周期数Nrichをポインタとして特定されるバッファP(Nrich)に格納されている値PV_NrichとS31で取得した検出値NOx_sensとを比較し、検出値NOx_sensが格納値PV_Nrichより大きいか否かを判定する。なお、バッファP(n)(nは整数)に格納されている値PV_nの初期値は0とする。
S32の判定がYESの場合、ECUは、バッファP(Nrich)の格納値PV_Nrichを検出値NOx_sensで上書きし(S33参照)、この処理を終了する。またS32の判定がNOである場合には、バッファP(Nrich)の格納値PV_Nrichを維持したまま、この処理を終了する。以上のような図9のNOxスリップ記憶処理を還元処理の実行中に複数回繰り返し実行することにより、還元処理が終了した後には、バッファP(Nrich)には、第Nrich周期の還元処理の実行中の複数の異なるタイミングにおけるNOxセンサによるNOx濃度の検出値の中の最大値が記憶される。またこのNOxスリップ記憶処理によってバッファP(Nrich)に記憶された最大値は、次回周期である第Nrich+1周期以降の還元処理の初期設定処理(S6参照)において参照される。
図3に戻り、S1の判定がYESである場合には、すなわちS4において還元リッチフラグF_richが1にセットされ、S6における初期設定処理が完了し、S10の還元処理が開始した後である場合には、ECUは、S7に移る。S7では、ECUは、還元処理を開始してからLNT触媒の下流側に設けられたO2センサの出力が反転したか否かを判定する。S7の判定がNOである場合には、ECUは、S10に移り、上述のように還元処理を継続する。S7の判定がYESである場合には、ECUは、S8に移る。
S8では、ECUは、S6の初期設定処理でその初期値が設定されたリッチタイマの値を、前回制御周期から今回制御周期にかけて経過した時間だけ減算し、S9に移る。S9では、ECUは、リッチタイマの値が0以下であるか否か、すなわち、還元処理を開始し、O2センサの出力が反転してからS6の初期設定処理で設定した実効リッチ時間Tim_rich又はその上限時間Tim_rich_limが経過したか否かを判定する。S9の判定がNOである場合には、ECUは、S10に移り、上述のように還元処理を継続する。S9の判定がYESである場合には、ECUは、還元処理が終了したと判断し、還元リッチフラグF_richを0にリセットした後(S12参照)、リーンバーン運転を行うか又は運転者の要求に応じてストイキ運転を行い、この処理を終了する(S3参照)。
図10は、図3のフローチャートに従ってLNT触媒の還元処理を行った場合の一例を示すタイムチャートである。図10には、上段から下段へ向かって順にO2センサの出力、リッチタイマの値、及び目標空燃比[A/F]を示す。
始めに、時刻t0からt1までの間では、リーンバーン運転が行われる。この間、LNT触媒にはリーン雰囲気の排気が流入し、排気中のNOxがLNT触媒に吸着される。
時刻t1では、LNT触媒に吸着されるNOxが所定量を超えたことに応じて、LNT触媒の還元処理を開始する時期に達したと判定され(図3のS2参照)、第Nrich周期の還元処理の初期設定処理が実行され(図3のS6参照)、この初期設定の下で第Nrich周期の還元処理が開始される(図3のS10参照)。この初期設定処理では、リッチタイマの初期値である実効リッチ時間Tim_richは、触媒温度TLNTを用いて設定された基準時間Tim_bsに、過去に行われた第Nrich−1周期及び第Nrich−2周期の還元処理の実行中のNOxセンサによるNOx濃度の検出値の最大値である前回最大値及び前々回最大値を用いて算出された実効リッチ時間延長係数Kextを乗算することによって算出される(図4の初期設定処理参照)。またこの初期設定処理では、還元処理中の目標空燃比KCMDRは、ストイキよりリッチの範囲内において触媒温度TLNTに応じて設定される(図4の初期設定処理参照)。
時刻t1において第Nrich周期の還元処理を開始し、LNT触媒へのリッチ雰囲気の排気の流入を開始した後、時刻t2では、O2センサの出力がロー(リーン側)からハイ(リッチ側)へ反転したと判定される(図3のS7参照)。すなわち、時刻t2においてLNT触媒における排気の空燃比がリッチ雰囲気になり、これによりLNT触媒に吸着されていたNOxの還元及び浄化が開始する。また時刻t2においてO2センサの出力が反転したことに応じて、リッチタイマの減算が開始する(図3のS8参照)。
その後、時刻t3においてリッチタイマの値が0以下になったと判定されたことに応じて(図3のS9参照)、すなわち上述のように設定した実効リッチ時間が経過したことに応じて、第Nrich周期の還元処理が終了し、再びリーンバーン運転に復帰する。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限らない。
例えば上記実施形態では、前回最大値PV_Nrich−1が前々回最大値PV_Nrich−2よりも大きいほど、実効リッチ時間Tim_richを基準時間Tim_bsよりも長くし、これにより第Nrich周期の還元処理における全体のリッチ時間を基準時間Tim_bsによって定められる時間よりも長くしたが、本発明はこれに限らない。例えば、前回最大値PV_Nrich−1が前々回最大値PV_Nrich−2よりも大きいほど、第Nrich周期の還元処理における目標空燃比を、基準空燃比KCMDRよりも小さく、すなわち基準空燃比KCMDRよりもリッチ側に変更するようにしてもよい。また、例えば、前回最大値PV_Nrich−1が前々回最大値PV_Nrich−2よりも大きいほど、第Nrich周期の還元処理におけるリッチ時間を長くしかつ目標空燃比をリッチ側に変更してもよい。
例えば上記実施形態では、前回最大値PV_Nrich−1が前々回最大値PV_Nrich−2よりも大きいほど、実効リッチ時間Tim_richを基準時間Tim_bsよりも長くし、これにより第Nrich周期の還元処理における全体のリッチ時間を基準時間Tim_bsによって定められる時間よりも長くしたが、本発明はこれに限らない。例えば、前回最大値PV_Nrich−1が前々回最大値PV_Nrich−2よりも大きいほど、第Nrich周期の還元処理における目標空燃比を、基準空燃比KCMDRよりも小さく、すなわち基準空燃比KCMDRよりもリッチ側に変更するようにしてもよい。また、例えば、前回最大値PV_Nrich−1が前々回最大値PV_Nrich−2よりも大きいほど、第Nrich周期の還元処理におけるリッチ時間を長くしかつ目標空燃比をリッチ側に変更してもよい。
1…エンジン(内燃機関)
11…排気管(排気通路)
2…排気浄化システム
32…下流触媒コンバータ(NOx浄化触媒)
37…NOxセンサ
7…ECU(記憶手段、還元制御手段、リッチ時間制御手段、リッチ空燃比制御手段)
11…排気管(排気通路)
2…排気浄化システム
32…下流触媒コンバータ(NOx浄化触媒)
37…NOxセンサ
7…ECU(記憶手段、還元制御手段、リッチ時間制御手段、リッチ空燃比制御手段)
Claims (3)
- リーンバーン運転が可能な内燃機関の排気通路に設けられ、リーン雰囲気で排気中のNOxを捕捉し、リッチ雰囲気で捕捉したNOxを還元浄化するNOx浄化触媒を備え、当該NOx浄化触媒における排気を所定時間継続してリッチ雰囲気にする還元処理を間欠的に実行する内燃機関の排気浄化システムであって、
前記NOx浄化触媒の下流側の排気のNOx濃度を検出するNOxセンサと、
前記還元処理の実行中の前記NOxセンサによるNOx濃度の検出値を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている検出値のうち前回周期の還元処理の実行中に検出された値である前回検出値に基づいて、今回周期の還元処理を継続して実行する時間であるリッチ時間及び今回周期の還元処理の実行中における排気の空燃比であるリッチ空燃比の両方又は何れかを制御する還元制御手段と、を備え、
前記還元制御手段は、前記前回検出値が大きいほど前記リッチ時間を長くするリッチ時間制御手段及び前記前回検出値が大きいほど前記リッチ空燃比を小さくするリッチ空燃比制御手段の両方又は何れかを備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。 - 前記前回検出値は、前回周期の還元処理の実行中の複数の異なるタイミングにおける検出値の中の最大値であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化システム。
- 前々回周期の還元処理の実行中の複数の異なるタイミングにおける検出値の中の最大値を前々回検出値とし、前記リッチ時間制御手段は、前記前々回検出値から前記前回検出値の増加度が大きいほど前記リッチ時間を長くし、前記リッチ空燃比制御手段は、前記増加度が大きいほど前記リッチ空燃比を小さくすることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の排気浄化システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016177590A JP2018044453A (ja) | 2016-09-12 | 2016-09-12 | 内燃機関の排気浄化システム |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN111502803A (zh) * | 2019-01-31 | 2020-08-07 | 现代自动车株式会社 | 用于稀燃发动机的后处理系统和后处理方法 |
-
2016
- 2016-09-12 JP JP2016177590A patent/JP2018044453A/ja active Pending
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