JP2018043451A - 耐久的な難燃化処理を施した屋根用木製建材、並びにその製造方法 - Google Patents
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ちなみに、前記木製建材に関して「桧皮材」および「柿板材」の語義を(株)彰国社発行の『建築大辞典』に基いて要約的に説明すると、「桧皮材(ひわだざい)」とは、同辞典の1420頁の左欄の6〜11行には、ヒノキ類の樹皮(厚さ=1.2〜2.0mm、幅90〜150mm,長さ240〜750mm)であり、竹釘や亜鉛メッキした釘を用いて桧皮葺きに使用する屋根葺き用の建材(JASS12-1・2)を意味するとされており、また、「柿板材(こけらいたざい)材」とは、同辞典の566字頁右欄〜567頁の左欄上部に、元来は木削りの板であり、斧や"ちょうな"で削られた細い木片をいうと説明されており、厚さ3mmほど、長さ20〜40cm、ほどで、幅は9cmほどの薄い板であり、木質としては、スギ・サワラ・ヒノキなどの赤みの部分を用いる。「柿葺き(こけらぶき)」に使用するための屋根葺き用の建材とされている。以下、本件明細書の関係で用いる「屋根用の木製建材」の概念には、桧皮葺きに使用する「桧皮材」と柿葺きに使用する「柿板材」とが含まれる。
その対策としては、弘法大師の提案と伝わる天水桶という桶に、雨水を溜めた貯水槽を設置して対策としているのが通例である。しかし、この方法では、文明が進歩した今日の防火対策としては、些か時代遅れであり、文化庁などの官庁の担当官も頭を悩ませている。特に近年、桧皮材や柿板材として使える建築材料が少なくなり、また桧皮材や柿板材を作くる職人の数も減少が著しく、もっと、科学的な対策を必要としているのである。
このような桧皮葺きや柿葺き神社・仏閣への防火対策としては、従来、木質系の建築材料を燃え難くする難燃剤として、リン酸類、ホウ酸類、臭化アンモニウム、硫酸アンモニウム等が提案されている(特許文献1参照)。しかし、これらの難燃剤は一般に水溶性であるため、難燃剤で処理した木材は、時間と共に難燃性が低下し、難燃剤が表面に析出して、白化やべた付きを生じる等の欠点を有していた。更に外構材として使う場合には雨水等により難燃剤の溶出も強く、難燃性が低下してしまうのであった。
しかし、特許文献1の方法では、難燃剤と金属アルコキシドを2回に分けて木材に含浸させ、更に金属アルコキシドを加水分解又は熱分解する工程も必要になり、操作が煩雑で生産性の点であり、実用的とは云えなかった。
それゆえ、従来の水溶性無機難燃剤のレベルと比較して難点が避けられなかった。
それゆえ、本発明においては、木質系材料である桧皮材や柿板材の難燃化に当たり、水に難溶性の有機リン系難燃剤と有機溶剤を組み合わせることによって、長期にわたり使用に耐える難燃化桧皮材の開発と、その製造プロセス作りを目指した。
(1) 水に難溶な有機リン系難燃剤の探索を行った結果、有機リン酸エステル系の化合物に有望な候補があることを見出した。ついで、各種のリン酸エステル化合物およびその混合物について難燃活性を評価し、最適の難燃剤候補群を決定した。
(2) また有機リン酸エステル系化合物を、桧皮材の表層および内部に強固に浸透固結させる方法の検討も試みた。その結果、有機リン酸エステル類を複雑な形状をしている桧皮材の表層および内部に浸透固結するためには、有機リン酸エステル類を溶解することができ、かつ桧皮材への浸透力を有する有機溶剤を選択し、そのリン酸エステル類溶液を調製して、桧皮材に含浸させる方法を採ることにより目的を達し得ることを見出した。
(3) リン酸エステル担持後の桧皮の内部および表層には、水に不溶かつ高難燃性のリン酸
エステルが付着する以外に、桧皮中の抽出成分等が溶媒の介在によりリン酸エステルと相溶状態を形成し強固な固結状態が出現することを期待した。
(1) 非ハロゲンリン酸エステルでは、トリフェニルホスフェート、クレジルホスェート、トリブチルホスフケート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(t−ブチルフェニル)ホスフェート、トリス(i−プロピルフェニル)ホスフェート、2−エチルヘキシルジフエニルホスフェートクレジル2、6キシレニルホスフエート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート。
(2) 非ハロゲン縮合リン酸エステル類では、1,3−フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)[CR−733=商品名]、1,3−フェニレンビス(ジキシレニルホスフェート)[PX−200=商品名]、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート[[CR−741=商品名]
(3) 含ハロゲンリン酸エステル類では、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、
(4) 含ハロゲン縮合リン酸エステル類では、2,2−ビス(クロロメチル)トリメチレンビス(ビス(2−クロロエチル)ホスフェート、ポリオキシアルキレンビスジクロロアルキルホスフェート、[CR−570=商品名]、[DAIGUARD−540=商品名]。
(5) 3価リン酸エステル類では、トリス(2,4−ジターシャリイブチルフェニル)2−エチルヘキシルホスファイト、トリイソデシルホスファイト、トリイソフエニルホスファイト、トリフェニルホスフアイト。
有機溶剤溶液に桧皮材を浸漬させて行った。リン酸エステルをブレンドで使用することにより、難燃性や有機溶剤への溶解性、安定性等の調節等に有効である。
有機溶剤は、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、ハロゲン化物、芳香族等を使用したが、各有機溶剤は、夫々リン酸エステルに対する溶解性や桧皮に対する浸透性が異なる場合があり、溶剤のブレンド使用等も有力な方法である。
これは、有機化合物との相溶性が高いリン酸エステルが、桧皮の空隙部に存在するポリフェノールや低分子フェノール、リグニンなどの抽出成分と相溶化状態を形成し、溶剤の揮散が進むに従い、この空隙部では相溶体の固形化が進行し、水に溶出しにくい担持が実現していくと考えられる。この結果、以下に示すような浸透固結が実現すると考えられる。
(1) 溶剤存在下で担持したリン酸エステルは、36日間水中放置しても溶脱は認められず、担持量、活性の低下は認められなかった。
(2) 耐候劣化の加速試験でも、桧皮材中のリン分濃度の減少率は低くて、難燃性の低下も認められなかった。
難燃剤として、芳香族縮合リン酸エステル(大八化学工業社製 PX−200)と、ハロゲン系縮合リン酸エステル(大八化学工業株式会社製 CR−570)を選び、エタノール、アセトン、酢酸エチル、ジクロルメタン、トルエンの各溶剤について、難燃剤担持溶液を調製し、難燃桧皮材を試作して、その難燃性について評価を行った。
評価の表示は、以下に示す。
◎:発火せず、残塵がなくて炭化
○:加熱直後1秒以下の発火が認められるが、その後発火せず残じんもなく炭化
△:難燃処理無し品より20秒以上 遅れて発火
×:難燃処理無し品とほぼ変わらず
難燃性試験に先立ち、桧皮材中の抽出成分(桧皮中の有機溶剤への溶解成分)の有機溶剤への溶出が認められたので、各溶剤への溶出量を測定した。
測定は、溶剤として、エタノール、アセトン、酢酸エチル、ジクロルメタン、トルエンを選び、溶剤の10重量%に相当する桧皮材を、室温下、24時間浸漬し、溶出量を測定した。抽出成分を溶出した桧皮材について、乾燥後難燃性評価を行ったが発炎燃焼試験をした。
各々の有機溶剤への桧皮材の抽出成分の溶出量は、次の表1−(1)に示す。
難燃剤溶液に桧皮材を浸漬すると、有機溶剤は桧皮材の細部にまで浸透して、桧皮材の抽出成分(桧皮材中の有機溶剤への可溶分)を溶出せしめる一方、難燃成分であるリン酸エステルを桧皮材の表面および細部に広く分散させることになる。
この分散状態は、複数個の難燃化桧皮材のサンプルのリン分測定をした結果、バラツキは少なく良好であった。また、難燃剤溶液浸漬による重量の増加量は、リン酸エステルの担持量にほぼ相当することを、同じくリン成分の分析から確認した。
CR−570では、担持後の重量は4gから4.6gに増加し、燃焼性テストでは発火はなく、チャーの生成が認められ、難燃効果が確認された。
PX−200担持後の重量は4gから5.2gに増加し、発火せず、残じんもなく、チャーの生成が認められ、難燃効果が確認された。
CR−570担持後の重量は4gから5.2gに増加し、発火せず、残塵もなく、チャーの生成が認められ、難燃効果が確認された。
PX−200担持後の重量は4から5.6gに増加し、発火せず、残塵もなく、チャーの生成が認められ、難燃効果が確認された。
CR−570担持後の重量は、4gから5.6gに増加して、発火せず、残塵もなく、チャーの生成が認められ、難燃効果が確認された。
各種リン酸エステルについて、難燃性発現の評価試験を行った。
結果の1部を、 表2−(1),(2),(3),(4)に示す。
各種リン酸エステルの難燃性発現の評価試験は、「実施例1」と同様の操作で難燃化処理サンプルを調製し、難燃性評価を実施した。難燃化処理溶液には酢酸エチル(EA)、エタノール(E)、アセトン(A)等の溶剤を使用した。
難燃性評価試験結果を表2−(1)に示す。
これらのリン酸エステルはTEPを除いてすべて水に対して難溶性であるが、TEPは水に易溶性である。
TEPとTPPについて、難燃処理を行った乾燥品を48時間水中に浸漬後、難燃性評価を実施しところ、TPPは難燃性を保持していたが、TEPの難燃性は大幅に低下し×の評価であった。
難燃性評価試験結果を表2−(2)に示す。
難燃性評価試験結果を表2−(3)に示す。
難燃性評価試験結果を表2−(4)に示す。
亜リン酸エステルは、(1)ラジカルをトラップすることにより、高分子の酸化防止剤、或いは紫外線劣化防止剤としてとして実績を有すること、(2)亜リン酸は酸化により5価のリン酸に変化するから、5価のリン酸エステルと同様の難燃効果も発揮し得ること、等を勘案すると、リン酸エステル系難燃剤の構成原料の一つとして加えることにより、安定剤としての機能も発揮しうる機能強化型難燃剤の可能性も期待出来ると考えられる。
実施例1と同様の方法で、担持量の異なる難燃剤担持桧皮材を調製し、難燃剤担持量と難燃性の関係を測定した。結果を表3に示す。
難燃材の担持量は、溶剤中のリン酸エステル濃度、浸漬時間、など、含浸時間変化させることにより、調節可能である。
水に難溶性のリン酸エステル難燃剤は、[0031]で示したように水中においても短時間では溶脱しなかったので、長期間の溶脱試験を実施した。
実施例1と同様の方法で、CR−570とPX−200を担持した難燃桧皮材を調製し、36日間水中に放置して、難燃剤の水中への溶脱量および難燃性を測定した。
36日間の水中浸漬によっても。水への溶脱による桧皮の減量は誤差範囲内であり、難燃性の低下も認められなかった。
結果を表4に示す。
難燃剤担持桧皮材の雨水による溶脱劣化をさらに長期にわたり予測するためにウエザオメーターによる耐候性試験を実施した。評価には実施例3と同一のCR−570、PX−200の難燃剤担持サンプルを使用した。
試験装置はスーパーキセノンウエザメータ−。試験条件は照度:180w/m2。
結果を表5に示す。
難燃化桧皮材の難燃性をTG/DTA(熱重量分析/示差熱分析)分析により解析・確認した。
(1) 測定サンプル
サンプル1:無処理桧皮
サンプル2:CR-570 20wt%溶液で担持処理 CR-570担持量 15wt%
難燃性評価合格品
(2) 測定条件
測定装置
メトラートレド社製 示差熱天秤
測定の条件
(イ)測定部雰囲気ガス 空気 100ml/min
(ロ)試料容器 アルミニウム製開放容器
(ハ)測定温度範囲 30〜500
(ニ)昇温速度 10 [Kmin-1]
(3) 測定結果
測定結果は、表6に示す。
(1) 重量減少は、125℃までのステップAでは水分蒸発8.1wt%、125℃〜357℃間のステップBの低温部燃焼では44.7wt%、357℃〜500℃間のステップCの高温部燃焼では43.2%、125℃〜500℃間の燃焼合計は87.9wt%、であった。
(2) 上記試験からから測定された燃焼による重量減少開始温度は285.9℃、発熱開始温度は268.0℃であった。
(3) 発熱の大きなピークが330℃及び450℃の2か所に認められた。
「サンプル2」の試験(CR‐570処理液で処理した桧皮)からは
(イ) 重量減少は、127度までのステップAの水分蒸発は5.1wt%、127℃〜322℃間のステップBの低温部燃焼では40.5wt%、322℃〜500℃間のステップCの高温燃焼では21.9wt%、127℃〜500℃間の燃焼合計は62.6wt%、であった。
(ロ) この試験から測定された燃焼による重量減少開始温度は247.4℃、発熱開始温度は257℃であった。
(ハ) 原料の桧皮材に認められた2つの大きな発熱ピークは認められなかった。
(1)原料桧皮材では330℃付近及び450℃付近に大きな発熱ピークの発生と、これに伴う急激な重量減少が認められたが、難燃化桧皮材では二つの大きな発熱ピークが認められず、重量減少も緩やかなものに変化しており、原料桧皮材の重量減少87.9wt%に対し難燃化桧皮材のそれは62.6wt%と、リン酸エステル系難燃剤の難燃効果は明瞭に発現されている。
(2)原料に桧皮材に認められる二つの発熱ピークと、これに対応した急激な重量減少の状況は、セルロースの試験によく似ており、空気存在下での原料桧皮材の熱分解はセルロースの熱分解と同様な過程を経て進行すると思われる。セルロースの熱分解で認められるこの二つのピークについて、低温側は分解生成ガスの燃焼、高温側は残留炭化物の燃焼にとされており、桧皮材もこの二つの性格の異なる燃焼により重量減少と発熱が進行すると考えられる。
(3)桧皮材は、リン酸エステル系の難燃剤で処理されると桧皮材単体とは異なり、急激な温度上昇と大幅な重量減少が抑制される。これはリン酸エステルにより、桧皮材の低温分解と分解ガスによる急激な燃焼が、ステップBの段階でリンを含むチャーの生成により、急激に抑制されると考えられる。このためにステップCの発熱ピークが消失しているものと考えられる。
難燃化桧皮材の難燃性を「建築用薄物材料の難燃性試験法」JIS−1322に準じて評価を行った。
(1) 試験法
45度メッケルバーナー法。(バーナーでの加熱時間 2分)
(2) 試験サンプルの調製
20×30cmの桧皮材を、リン酸エステル溶液に24時間浸漬し、48時間室温で乾燥。
結果を次の表7に示す。
本試験法においても、リン酸エステル類の難燃効果は明瞭に示されている。
図1の(a)(b)にはヒノキ、スギ、サワラ類の樹皮から成る桧皮(ひわだ)材の表面(荒皮)および裏面(甘皮)にまで、難燃化を高める有機リン化合物の有効成分2が浸透して含有固結された状態を表わしている。
図1(a)(b)に示す桧皮材1としては、難燃剤担持溶液として溶剤酢酸エチルを用い、芳香族縮合リン酸エステル(大八化学工業株式会社製のPX−200)を調製して、原皮師から調達した1000gの桧皮材を24時間浸漬して難燃化処理を施した。この様に調製された難燃化剤溶液に浸漬したところ、図1の(a)および(b)に図示されるような状態に桧皮材の細部にまで難燃化剤溶液が浸透し、50℃の温風を吹き付けてエタノール分を飛ばしたところ、桧皮材1は図1(a)および(b)に示すような桧皮材1の表面の荒皮11には、樹皮の間に浸透しているように難燃性のリン成分2が付着固結し、裏面の甘皮12まで浸透した状態になっていた。難燃化処理された桧皮材の重量を測定したところ、桧皮材1の重量は全体で総重量が 1120g に増加していた。
そこで、難燃化処理された当該桧皮材1に対し燃焼性試験に付して、燃焼ガスをバーナーから吹き付けところ、2分間火炎を浴びせても荒皮11の部分が焦げる程度に止どまり、十分の防火効果は確認することができた。
浸漬終了後、室温で48時間乾燥し、難燃桧皮材と同様の燃焼試験を実施した。
難燃化処理を実施した柿板材1‘はいずれの部位も発火せず、残塵もなく炭化を呈した。
ここに「注薬管」とは、減圧及び加圧の可能な浸漬槽内に試料(柿板材と含浸液)を充填し、減圧及び加圧により含浸量を増加させる周知の装置であり、オートクレープに相当するものである。
この試料の実験結果から見ると、サワラ材(柿板材1′)の実験例は、工業規模に拡大して実施しても、十分に実用に供し得るものであり、このようにして製した柿板材を神社・仏閣の柿葺きに使用しても、防火対策として十分と言える。
また、桧皮葺き屋根の外観も些かも変えずに、伝統的な神社仏閣の風格・外観も工事に何ら変更を要しない。
さらに、桧皮葺きや柿葺きの風格ある神社・仏閣の焼失も効果的に防ぐことができて、文化財保護にも実を揚げることができる。
11 表面(=荒皮)
12 裏面=難燃化処理剤を含む被覆層(甘皮)
1′ 柿板材
12′ 難燃化処理剤を含む柿板材の裏面
Claims (9)
- ヒノキ、スギ、サワラ類の樹皮材又は板材の表層および内部に、水に対する溶解性が低く、かつ、難燃性の有機リン化合物が浸透固結していることを特徴とする難燃化処理の屋根用木製建材。
- 屋根用木製建材の表層および内部に、水に対する溶解性が低く、かつ、難燃性の有機リン化合物が0.5重量%以上浸透固結していることを特徴とする請求項1記載の難燃化処理の屋根用木製建材。
- 屋根用木製建材が、桧皮葺き又は柿葺きの屋根に使用する桧皮材又は柿板材であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の難燃化処理の屋根用木製建材。
- 難燃性有機リン化合物と、これを溶解する有機溶剤を含む木製建材の難燃化処理液を調製する工程と、前記難燃化処理液に浸透せしめた木製建材から、前記有機溶剤成分を除去し、難燃性有機リン化合物を当該木製建材の表層および内部に固結せしめることを特徴とする請求項1〜請求項3に記載の難燃化処理の屋根用木製建材の製造方法。
- 難燃性有機リン化合物は、難燃材、安定剤、可塑剤等に使用されている5価及び3価の難燃性有機リン酸エステルであって、リン成分を1重量%以上含有しており、水に難溶であることを特徴とする請求項3又は請求項4の何れかに記載の難燃化処理の屋根用木製建材の製造方法。
- 難燃化処理液は、有機リン酸エステルを単一又は2種以上混合して、有機溶剤に均一に溶解して製造し、リン成分の含有量が0.1重量%以上であることを特徴とする請求項3〜請求項5の何れか一つに記載の難燃化処理の屋根用木製建材の製造方法。
- 有機溶剤としては、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、ハロゲン化物、芳香族類を、単一又は混合溶剤として使用することにより、難燃化処理液を調製することを特徴とする請求項5〜請求項6の何れかに記載する難燃化処理の屋根用木製建材の製造方法。
- 桧皮難燃化処理液を桧皮材に浸漬させて桧皮処理液を含有する木製建材を製造する工程は、最終の木製建材の難燃化成分中のリン成分含量が0.05重量%以上であることを特徴とする請求項5〜請求項7の何れか一つに記載する難燃化処理の屋根用木製建材の製造方法。
- 難燃化処理液を含有する木製建材から溶剤を除去し、さらに木製建材の表層および内部に担持した難燃剤を加熱処理と乾燥処理とを施して、有機リン化合物を木製建材に担持固結せしめる工程を含むことを特徴とする請求項5〜請求項8の何れか一つに記載する難燃化処理の屋根用木製建材の製造方法。
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