JP2018043451A - 耐久的な難燃化処理を施した屋根用木製建材、並びにその製造方法 - Google Patents

耐久的な難燃化処理を施した屋根用木製建材、並びにその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】近隣からの飛び火によっても燃え移らず、さらに素材自体も化学的処理によって燃え難い難燃性の材料に改質された非常に防火性能が高い屋根用木製建材としての桧皮材および柿板材を提供すること。【解決手段】ヒノキ、スギ、サワラ類の樹皮1又は板材にて製作された屋根用の木製建材(桧皮材又は柿板材)の表面11から裏面12全体にわたって、水に対する溶解度が低く、かつ、難燃性の有機リン酸化合物を浸透させて固結せしめるという手段を採用した。【選択図】図1

Description

本発明は、屋根用木製建材(桧皮材および柿板材)つまり(ヒノキ、スギ、サワラ類の樹皮や板材)の表層(表面)およびその内部深くに難燃性の有機リン化合物を安定に含浸固結して長年風雨に曝されても劣化することなく、防火機能を発揮できるように改質された屋根用の木製建材(桧皮材や柿板材をいう)を提供すると共に、防火機能の優れた屋根板用建築材料を工業的に製造する方法に関するものである。
ちなみに、前記木製建材に関して「桧皮材」および「柿板材」の語義を(株)彰国社発行の『建築大辞典』に基いて要約的に説明すると、「桧皮材(ひわだざい)」とは、同辞典の1420頁の左欄の6〜11行には、ヒノキ類の樹皮(厚さ=1.2〜2.0mm、幅90〜150mm,長さ240〜750mm)であり、竹釘や亜鉛メッキした釘を用いて桧皮葺きに使用する屋根葺き用の建材(JASS12-1・2)を意味するとされており、また、「柿板材(こけらいたざい)材」とは、同辞典の566字頁右欄〜567頁の左欄上部に、元来は木削りの板であり、斧や"ちょうな"で削られた細い木片をいうと説明されており、厚さ3mmほど、長さ20〜40cm、ほどで、幅は9cmほどの薄い板であり、木質としては、スギ・サワラ・ヒノキなどの赤みの部分を用いる。「柿葺き(こけらぶき)」に使用するための屋根葺き用の建材とされている。以下、本件明細書の関係で用いる「屋根用の木製建材」の概念には、桧皮葺きに使用する「桧皮材」と柿葺きに使用する「柿板材」とが含まれる。
桧皮葺き屋根や柿板葺きの神社・仏閣は、日本古来の景観を呈する独特の優美な姿をしており、我々日本人の郷愁をそゝる。ところが、桧皮材にしても柿板材にしても、可燃性の油分を含んでいるため、着火し易く一度火が付くと忽ち大火になってしまう。
その対策としては、弘法大師の提案と伝わる天水桶という桶に、雨水を溜めた貯水槽を設置して対策としているのが通例である。しかし、この方法では、文明が進歩した今日の防火対策としては、些か時代遅れであり、文化庁などの官庁の担当官も頭を悩ませている。特に近年、桧皮材や柿板材として使える建築材料が少なくなり、また桧皮材や柿板材を作くる職人の数も減少が著しく、もっと、科学的な対策を必要としているのである。
このような桧皮葺きや柿葺き神社・仏閣への防火対策としては、従来、木質系の建築材料を燃え難くする難燃剤として、リン酸類、ホウ酸類、臭化アンモニウム、硫酸アンモニウム等が提案されている(特許文献1参照)。しかし、これらの難燃剤は一般に水溶性であるため、難燃剤で処理した木材は、時間と共に難燃性が低下し、難燃剤が表面に析出して、白化やべた付きを生じる等の欠点を有していた。更に外構材として使う場合には雨水等により難燃剤の溶出も強く、難燃性が低下してしまうのであった。
即ち、木材を難燃化する場合には、通常、Li、Na、K、N、P、V、As、Sb、F、Cl、Br、I、S、Ti、B、Snなどの元素を含んだ化合物のうち多くのものが防火剤や難燃剤として有効であるとされており、中でも、P、Sb、Cl、Br、B、等の効果は優れていると云われている(非特許文献1・2参照)。特に、リン化合物は高難燃性を発現する無機リン酸塩系の難燃剤を中心として、水溶性の欠点を改良する検討が進められてきた。
例えば、特許文献1には、リン酸類およびホウ酸類等の水溶性薬剤を木材に含浸させ乾燥後に、さらに金属アルコキシドを含浸させ、この金属アルコキシドが加水分解または熱分解して生成する金属酸化物で、リン酸類やホウ酸類を主成分とする難燃剤を包み込んで、リン酸類やホウ酸類の水による溶出を防止する方法が示されている。
しかし、特許文献1の方法では、難燃剤と金属アルコキシドを2回に分けて木材に含浸させ、更に金属アルコキシドを加水分解又は熱分解する工程も必要になり、操作が煩雑で生産性の点であり、実用的とは云えなかった。
同じく水溶液系の難燃性溶液使用の特許文献2においては、無機リン窒素化合物の水溶液にリン酸エステル化合物を総重量に対して、1重量%〜30重量%配合した難燃性水溶液を木材に塗布し難燃木材を得る方法が開示されている。ところが、この水溶液塗付の方法によれば水に可溶なリン酸エステルを使用すると、従来技術と同様、水への溶出が不可避となる。また、水に難溶なリン酸エステル類を選択する場合には、その形状は油状又は固体であるので、水溶液は不均一になって塗布した木材の表面はベタついたり、或いは粉体をまぶした状態となり、時間と共に剥離、離脱が免れず、無機リン窒素会化合物が示す以上の、長期にわたる難燃効果の保持は期待し難い。
それゆえ、従来の水溶性無機難燃剤のレベルと比較して難点が避けられなかった。
特開平5−116107号公報 特開2007−216661号公報
「石原茂久」木材保存;NO.23(1983) 木材保存;Vol.13−4、(1987) 「原田壽郎」:建築知識、No.6、99〜100(2004) 「布村昭夫」材料;Vo.22、No.241、(1973) 「杉原利治」家政学雑誌;Vo1.36,No.9、(1985)
これら先行技術文献に見られるように、水溶性無機化合物を主とする難燃剤を使用した木質系材料の難燃化では、難燃成分の溶脱という弱点が未だ十分には解決されていない。一方、高性能の難燃剤の構成元素として、総合的に考えるとリン酸化合物を凌駕するものは未だ実用化されていない。
それゆえ、本発明においては、木質系材料である桧皮材や柿板材の難燃化に当たり、水に難溶性の有機リン系難燃剤と有機溶剤を組み合わせることによって、長期にわたり使用に耐える難燃化桧皮材の開発と、その製造プロセス作りを目指した。
(1) 水に難溶な有機リン系難燃剤の探索を行った結果、有機リン酸エステル系の化合物に有望な候補があることを見出した。ついで、各種のリン酸エステル化合物およびその混合物について難燃活性を評価し、最適の難燃剤候補群を決定した。
(2) また有機リン酸エステル系化合物を、桧皮材の表層および内部に強固に浸透固結させる方法の検討も試みた。その結果、有機リン酸エステル類を複雑な形状をしている桧皮材の表層および内部に浸透固結するためには、有機リン酸エステル類を溶解することができ、かつ桧皮材への浸透力を有する有機溶剤を選択し、そのリン酸エステル類溶液を調製して、桧皮材に含浸させる方法を採ることにより目的を達し得ることを見出した。
(3) リン酸エステル担持後の桧皮の内部および表層には、水に不溶かつ高難燃性のリン酸
エステルが付着する以外に、桧皮中の抽出成分等が溶媒の介在によりリン酸エステルと相溶状態を形成し強固な固結状態が出現することを期待した。
即ち、本発明が上記の課題を解決するために採用した手段を添附図面に基いて、説明すれば、次のとおりである。本発明は、ヒノキ、スギ、サワラ類から成る樹皮材又は板材の表面11から裏面12全体に、水に対する溶解性が低く、かつ、難燃性の有機リン化合物が浸透固結した、難燃性の屋根用木製建材(桧皮葺きに使用する「桧皮材」と、柿葺きに使用する「柿板材」を含む)を提供するものである。添附図面の図1の(a)・(b)には、その中の「桧皮材」1に本発明を適用した例を示している。図1の(a)・(b)は、桧皮(ひわだ)材の表面11(「荒皮」が視認)および裏面12(「甘皮」が視認)に、非水溶性で難燃性の有機リン酸エステルが浸透固結した状態が示されている。また、図2には、柿板材1′の裏面12′に難燃化処理液を含んだ浸透固結した浸透固結した状態が示されている。詳しくいうと、柿板材1′の表面11および裏面12′に、非水溶性で難燃性の高いリン酸エステルを0.5重量%以上浸透固結させるという技術手段を採用した点に特徴がある。ここに桧皮材1とは、ヒノキ、スギ、サワラ材の樹皮であって、通常は専門の原皮師(げんぴし)が生産する素材で、昨今、原皮師が製する桧皮材は減少して深刻な情況にあり、専門業者により供給される柿板剤1も桧皮剤と同様であり、防火対策は重要とされている。
そこで、本発明の説明では、桧皮材1として用いるヒノキ、スギ、サワラなどの樹皮の表面11や裏面12に難燃性を与える有機リン酸エステル類を浸透固結させる難燃化桧皮材1の製造方法について説明する。まず、第1には、有機溶剤存在下で桧皮材に担持可能な有機リン酸エステルが具備すべき特性は何かを考究することが必要である。有機リン酸エステル分子はリン酸部分とエステルを構成するヒドロキシグループ部分で構成されている。特に、ヒドロキシ部分は、多様な化学構造を持たせることができ、これによりリン酸エステルの耐熱性、難燃特性、耐水性、他の化合物との相溶性、等を変化させることが可能で、現在、合成高分子用の難燃剤の分野では、対象とする高分子の特性や使用条件に適合させた難燃剤が数多く開発され、使用されている。本発明では桧皮材とその内部に存在する抽出成分、難燃剤、溶剤の三者が共存する場合において、親和性、相溶性、難燃性などの関係に着目しつつ、最終的には長期に亘り難燃性が保持される難燃桧皮材の製造を目指して、検討を進めた。
リン酸エステル系難燃剤の難燃化機構の情報は、合成高分子に関しては多く存在するが、木質材料については極めて少ない。セルロースの難燃化の機構に関しては、以下のように言われている。リン化合物で処理されたセルロースが火炎に曝されたとき、リン化合物はリン酸→メタリン酸→ポリメタリン酸へと変化し、ポリメタリン酸は、強力な脱水作用を有するので、その作用により有機物は炭化が促進され、これにリン成分も加わった表層が形成される。この表層部が可燃ガスの再生成を制御し、燃焼のサイクルを断ち切るというものである。この難燃化のメカニズムは、合成高分子の場合にもアルキルホスフェート系難燃剤やアリールホスホェート系難燃剤等で考えられているものと略同様であるので、リン酸エステルの難燃化機構は桧皮材へも適用が可能であると考えた。
桧皮材の難燃剤は、合成高分子の難燃剤、可塑剤、さらには安定剤として使用されている以下のリン酸エステル群から選択して、評価を行った。
(1) 非ハロゲンリン酸エステルでは、トリフェニルホスフェート、クレジルホスェート、トリブチルホスフケート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(t−ブチルフェニル)ホスフェート、トリス(i−プロピルフェニル)ホスフェート、2−エチルヘキシルジフエニルホスフェートクレジル2、6キシレニルホスフエート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート。
(2) 非ハロゲン縮合リン酸エステル類では、1,3−フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)[CR−733=商品名]、1,3−フェニレンビス(ジキシレニルホスフェート)[PX−200=商品名]、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート[[CR−741=商品名]
(3) 含ハロゲンリン酸エステル類では、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、
(4) 含ハロゲン縮合リン酸エステル類では、2,2−ビス(クロロメチル)トリメチレンビス(ビス(2−クロロエチル)ホスフェート、ポリオキシアルキレンビスジクロロアルキルホスフェート、[CR−570=商品名]、[DAIGUARD−540=商品名]。
(5) 3価リン酸エステル類では、トリス(2,4−ジターシャリイブチルフェニル)2−エチルヘキシルホスファイト、トリイソデシルホスファイト、トリイソフエニルホスファイト、トリフェニルホスフアイト。
リン酸エステルの桧皮材への担持は、リン酸エステルを1種、或いは混合物で溶解し
有機溶剤溶液に桧皮材を浸漬させて行った。リン酸エステルをブレンドで使用することにより、難燃性や有機溶剤への溶解性、安定性等の調節等に有効である。
有機溶剤は、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、ハロゲン化物、芳香族等を使用したが、各有機溶剤は、夫々リン酸エステルに対する溶解性や桧皮に対する浸透性が異なる場合があり、溶剤のブレンド使用等も有力な方法である。
リン酸エステルを含有する有機溶剤に桧皮材を浸漬させると、溶剤は桧皮材の空隙部に浸透し抽出成分が一部溶出する。一方、有機溶剤中に溶解しているリン酸エステルは、溶剤と共に桧皮材の空隙部に深く浸透する。この過程は、リン酸エステル溶液に桧皮材を浸漬すると直ちに桧皮材中の着色抽出成分が、溶液中に拡散することからも確認できる。実験を通じて明らかになったとおり、リン酸エステルを担持した桧皮材は、乾燥後、水中に浸漬してもリン酸エステルの水中への溶脱は認められず、難燃性は低下しない。
これは、有機化合物との相溶性が高いリン酸エステルが、桧皮の空隙部に存在するポリフェノールや低分子フェノール、リグニンなどの抽出成分と相溶化状態を形成し、溶剤の揮散が進むに従い、この空隙部では相溶体の固形化が進行し、水に溶出しにくい担持が実現していくと考えられる。この結果、以下に示すような浸透固結が実現すると考えられる。
(1) 溶剤存在下で担持したリン酸エステルは、36日間水中放置しても溶脱は認められず、担持量、活性の低下は認められなかった。
(2) 耐候劣化の加速試験でも、桧皮材中のリン分濃度の減少率は低くて、難燃性の低下も認められなかった。
難燃材の担持は、加圧条件下、加温条件下等での実施も可能で、作業効率の向上と共に、担持状態の安定化を図ることができる。
リン酸エステルを担持させる場合においては、担持液の繰り返し使用等、省エネルギー対策が可能である。
本発明者は、桧皮材と柿板材の難燃化において、(1) 難燃化処理剤液として、水に難溶のリン酸エステル類を選択すると同時に併せて有機溶剤を採択して、(2) 難燃化処理液の桧皮材・柿板材への担持では、桧皮材・柿板材に対する難燃処理剤と有機溶剤との三成分系の相互の親和性、相溶性等に注目しつつ、均一で、かつ、強固な担持を実現する最適の組み合わせを検討した。この結果、長期に亘り難燃処理剤の溶出が抑制され、難燃効果が保持された難燃化桧皮材の製造に成功した。(3)この難燃桧皮材・柿板材の合理的な製造プロセスを構築し、請求項1、請求項2および請求項3、ならびに図1(a)および(b)に図示の難燃化桧皮材、及び図2に図示された柿板材の製造にも成功したのである。
図1の(a)は、本発明の対象である桧皮材の表面(荒皮)側の状態をイメージ的に表した概念図である。図1(a)には、長さが30mm、厚さが10mmサイズに切り揃えられたヒノキ類の樹皮から成る桧皮材1の表面(荒皮)11の肌面を表わしてある。図1の(b)は、同図(a)の裏面側の甘皮12を眺めたイメージの概念図である。 図2は、本発明の別の対象である柿板材1′のイメージを表わした斜視図である。図2には長さが30cm、幅が9cm、厚さが5mmのサイズに切り揃えてあり、ヒノキの赤み部分を用いた高級品の柿板材である。
以下、本発明の対象である桧皮材1と柿板材1′について、これらを難燃化に使用する薬剤、実験の過程等(実施例および比較例)を挙げて本発明の内容を具体的に説明する。
「実施例1」
難燃剤として、芳香族縮合リン酸エステル(大八化学工業社製 PX−200)と、ハロゲン系縮合リン酸エステル(大八化学工業株式会社製 CR−570)を選び、エタノール、アセトン、酢酸エチル、ジクロルメタン、トルエンの各溶剤について、難燃剤担持溶液を調製し、難燃桧皮材を試作して、その難燃性について評価を行った。
この試作に用いた桧皮材は、原皮師から提供を受けた樹皮を桧皮材に加工した原品をそのまま使用した。リン酸エステル類は、メーカーの製品をそのまま使用にした。溶剤は、試薬特級品を使用した。厚さ:10mm×長さ:30mmの桧皮材を4gサンプリングして、20gの難燃剤溶液に浸漬し、室温下で24時間含浸させた後分離し、室温24時間風乾させた後、重量変化量を測定して、難燃性を評価した。
難燃性の評価は、風乾させた難燃化桧皮材を、アルコールランプの真上炎の周囲2mm、の位置で3分間観察して評価を行った。難燃性の評価では溶剤のみを浸漬させたコントロール品の評価も実施して確認した。
評価の表示は、以下に示す。
◎:発火せず、残塵がなくて炭化
○:加熱直後1秒以下の発火が認められるが、その後発火せず残じんもなく炭化
△:難燃処理無し品より20秒以上 遅れて発火
×:難燃処理無し品とほぼ変わらず
難燃性試験に先立ち、桧皮材中の抽出成分(桧皮中の有機溶剤への溶解成分)の有機溶剤への溶出が認められたので、各溶剤への溶出量を測定した。
測定は、溶剤として、エタノール、アセトン、酢酸エチル、ジクロルメタン、トルエンを選び、溶剤の10重量%に相当する桧皮材を、室温下、24時間浸漬し、溶出量を測定した。抽出成分を溶出した桧皮材について、乾燥後難燃性評価を行ったが発炎燃焼試験をした。
各々の有機溶剤への桧皮材の抽出成分の溶出量は、次の表1−(1)に示す。
CR−570及びPX-200についてエタノール、アセトン、酢酸エチル、ジクロルメタン、トルエン等の有機溶剤が難燃性に及ぼす影響を測定した。CR−570 25重量%のエタノール溶液を40g調製し、4gの桧皮材を室温下で24時間含浸した。24時間後、桧皮材は、4gから4.8gに重量増加していた。乾燥後にアルコールランプ法の難燃性テストを実施したところ、発炎せず、残塵もなく、固いチャーの生成が認められて、CR−570の難燃効果が確認された。
難燃剤溶液に桧皮材を浸漬すると、有機溶剤は桧皮材の細部にまで浸透して、桧皮材の抽出成分(桧皮材中の有機溶剤への可溶分)を溶出せしめる一方、難燃成分であるリン酸エステルを桧皮材の表面および細部に広く分散させることになる。
この分散状態は、複数個の難燃化桧皮材のサンプルのリン分測定をした結果、バラツキは少なく良好であった。また、難燃剤溶液浸漬による重量の増加量は、リン酸エステルの担持量にほぼ相当することを、同じくリン成分の分析から確認した。
溶剤をアセトンに変え、PX−200とCR−570の25重量%溶液について同様の難燃性評価サンプルを調製し評価をした。
PX−200担持後の重量は4gから5.0gに増加して、燃焼性テストでは、発火せず、残塵もなく、チャーの生成が認められ、難燃効果が確認された。
CR−570では、担持後の重量は4gから4.6gに増加し、燃焼性テストでは発火はなく、チャーの生成が認められ、難燃効果が確認された。
溶剤を酢酸エチルに変え、PX−200とCR−570について同様の試験を行った。
PX−200担持後の重量は4gから5.2gに増加し、発火せず、残じんもなく、チャーの生成が認められ、難燃効果が確認された。
CR−570担持後の重量は4gから5.2gに増加し、発火せず、残塵もなく、チャーの生成が認められ、難燃効果が確認された。
溶剤をジクロルメタンに変え、PX−200とCR−570につき同様の試験を行った。
PX−200担持後の重量は4から5.6gに増加し、発火せず、残塵もなく、チャーの生成が認められ、難燃効果が確認された。
CR−570担持後の重量は、4gから5.6gに増加して、発火せず、残塵もなく、チャーの生成が認められ、難燃効果が確認された。
溶剤をトルエンに変えて、CR−570の15重量%溶液を使用した以外は、上記実施例1と同様の試験を行った。CR−570担持後の重量は、3.9gから4.3gに増加し、1秒以下の発火が確認されるも、残塵もなく、チャーの生成が認められ、難燃効果が確認された。
難燃剤担持における溶剤の効果を、表1の(2)に示す。
「実施例2」
各種リン酸エステルについて、難燃性発現の評価試験を行った。
結果の1部を、 表2−(1),(2),(3),(4)に示す。
各種リン酸エステルの難燃性発現の評価試験は、「実施例1」と同様の操作で難燃化処理サンプルを調製し、難燃性評価を実施した。難燃化処理溶液には酢酸エチル(EA)、エタノール(E)、アセトン(A)等の溶剤を使用した。
(1) 非ハロゲンリン酸エステル類の難燃性評価
難燃性評価試験結果を表2−(1)に示す。
難燃性評価を行った非ハロゲン系リン酸エステルは、すべて難燃性を発現した。
これらのリン酸エステルはTEPを除いてすべて水に対して難溶性であるが、TEPは水に易溶性である。
TEPとTPPについて、難燃処理を行った乾燥品を48時間水中に浸漬後、難燃性評価を実施しところ、TPPは難燃性を保持していたが、TEPの難燃性は大幅に低下し×の評価であった。
(2) 非ハロゲン縮合リン酸エステルの難燃性評価
難燃性評価試験結果を表2−(2)に示す。
非ハロゲン縮合リン酸も難燃性を示した。
(3) 含ハロゲン縮合リン酸エステルの難燃性評価
難燃性評価試験結果を表2−(3)に示す。
含ハロゲン縮合リン酸エステルも難燃性を示した。
(4) 亜リン酸エステルの難燃性評価
難燃性評価試験結果を表2−(4)に示す。
難燃材として広く利用されているのは5価のリン酸エステルであるが、表2−(4)に示すように3価のリン酸エステル(亜リン酸エステル)も難燃効果を示した。
亜リン酸エステルは、(1)ラジカルをトラップすることにより、高分子の酸化防止剤、或いは紫外線劣化防止剤としてとして実績を有すること、(2)亜リン酸は酸化により5価のリン酸に変化するから、5価のリン酸エステルと同様の難燃効果も発揮し得ること、等を勘案すると、リン酸エステル系難燃剤の構成原料の一つとして加えることにより、安定剤としての機能も発揮しうる機能強化型難燃剤の可能性も期待出来ると考えられる。
「実施例3」
実施例1と同様の方法で、担持量の異なる難燃剤担持桧皮材を調製し、難燃剤担持量と難燃性の関係を測定した。結果を表3に示す。
難燃材の担持量は、溶剤中のリン酸エステル濃度、浸漬時間、など、含浸時間変化させることにより、調節可能である。
「実施例4」
水に難溶性のリン酸エステル難燃剤は、[0031]で示したように水中においても短時間では溶脱しなかったので、長期間の溶脱試験を実施した。
実施例1と同様の方法で、CR−570とPX−200を担持した難燃桧皮材を調製し、36日間水中に放置して、難燃剤の水中への溶脱量および難燃性を測定した。
36日間の水中浸漬によっても。水への溶脱による桧皮の減量は誤差範囲内であり、難燃性の低下も認められなかった。
結果を表4に示す。
「実施例5」
難燃剤担持桧皮材の雨水による溶脱劣化をさらに長期にわたり予測するためにウエザオメーターによる耐候性試験を実施した。評価には実施例3と同一のCR−570、PX−200の難燃剤担持サンプルを使用した。
試験装置はスーパーキセノンウエザメータ−。試験条件は照度:180w/m2
結果を表5に示す。
表5によれば、約1年後では難燃性に低下は認められないと推定された。
「実施例6」
難燃化桧皮材の難燃性をTG/DTA(熱重量分析/示差熱分析)分析により解析・確認した。
(1) 測定サンプル
サンプル1:無処理桧皮
サンプル2:CR-570 20wt%溶液で担持処理 CR-570担持量 15wt%
難燃性評価合格品
(2) 測定条件
測定装置
メトラートレド社製 示差熱天秤
測定の条件
(イ)測定部雰囲気ガス 空気 100ml/min
(ロ)試料容器 アルミニウム製開放容器
(ハ)測定温度範囲 30〜500
(ニ)昇温速度 10 [Kmin-1
(3) 測定結果
測定結果は、表6に示す。
「サンプル1」からは
(1) 重量減少は、125℃までのステップAでは水分蒸発8.1wt%、125℃〜357℃間のステップBの低温部燃焼では44.7wt%、357℃〜500℃間のステップCの高温部燃焼では43.2%、125℃〜500℃間の燃焼合計は87.9wt%、であった。
(2) 上記試験からから測定された燃焼による重量減少開始温度は285.9℃、発熱開始温度は268.0℃であった。
(3) 発熱の大きなピークが330℃及び450℃の2か所に認められた。
「サンプル2」の試験(CR‐570処理液で処理した桧皮)からは
(イ) 重量減少は、127度までのステップAの水分蒸発は5.1wt%、127℃〜322℃間のステップBの低温部燃焼では40.5wt%、322℃〜500℃間のステップCの高温燃焼では21.9wt%、127℃〜500℃間の燃焼合計は62.6wt%、であった。
(ロ) この試験から測定された燃焼による重量減少開始温度は247.4℃、発熱開始温度は257℃であった。
(ハ) 原料の桧皮材に認められた2つの大きな発熱ピークは認められなかった。
原料桧皮材と難燃化桧皮のTG/DTAを用いた試験の比較から以下のことが言える。
(1)原料桧皮材では330℃付近及び450℃付近に大きな発熱ピークの発生と、これに伴う急激な重量減少が認められたが、難燃化桧皮材では二つの大きな発熱ピークが認められず、重量減少も緩やかなものに変化しており、原料桧皮材の重量減少87.9wt%に対し難燃化桧皮材のそれは62.6wt%と、リン酸エステル系難燃剤の難燃効果は明瞭に発現されている。
(2)原料に桧皮材に認められる二つの発熱ピークと、これに対応した急激な重量減少の状況は、セルロースの試験によく似ており、空気存在下での原料桧皮材の熱分解はセルロースの熱分解と同様な過程を経て進行すると思われる。セルロースの熱分解で認められるこの二つのピークについて、低温側は分解生成ガスの燃焼、高温側は残留炭化物の燃焼にとされており、桧皮材もこの二つの性格の異なる燃焼により重量減少と発熱が進行すると考えられる。
(3)桧皮材は、リン酸エステル系の難燃剤で処理されると桧皮材単体とは異なり、急激な温度上昇と大幅な重量減少が抑制される。これはリン酸エステルにより、桧皮材の低温分解と分解ガスによる急激な燃焼が、ステップBの段階でリンを含むチャーの生成により、急激に抑制されると考えられる。このためにステップCの発熱ピークが消失しているものと考えられる。
[実施例6]
難燃化桧皮材の難燃性を「建築用薄物材料の難燃性試験法」JIS−1322に準じて評価を行った。
(1) 試験法
45度メッケルバーナー法。(バーナーでの加熱時間 2分)
(2) 試験サンプルの調製
20×30cmの桧皮材を、リン酸エステル溶液に24時間浸漬し、48時間室温で乾燥。
結果を次の表7に示す。
コントロールとして、桧皮材を溶剤のみで処理し難燃試験実施したが燃焼した。
本試験法においても、リン酸エステル類の難燃効果は明瞭に示されている。
以上、難燃化桧皮材の製造方法の実施例について説明してきたが、本発明の請求項1〜請求項3は、主として難燃化桧皮材に対し特許を請求しているので、難燃化処理された桧皮材の実施例6を図1(a)(b)で、図示例として、その概略を説明する。
図1の(a)(b)にはヒノキ、スギ、サワラ類の樹皮から成る桧皮(ひわだ)材の表面(荒皮)および裏面(甘皮)にまで、難燃化を高める有機リン化合物の有効成分2が浸透して含有固結された状態を表わしている。
図1(a)(b)に示す桧皮材1としては、難燃剤担持溶液として溶剤酢酸エチルを用い、芳香族縮合リン酸エステル(大八化学工業株式会社製のPX−200)を調製して、原皮師から調達した1000gの桧皮材を24時間浸漬して難燃化処理を施した。この様に調製された難燃化剤溶液に浸漬したところ、図1の(a)および(b)に図示されるような状態に桧皮材の細部にまで難燃化剤溶液が浸透し、50℃の温風を吹き付けてエタノール分を飛ばしたところ、桧皮材1は図1(a)および(b)に示すような桧皮材1の表面の荒皮11には、樹皮の間に浸透しているように難燃性のリン成分2が付着固結し、裏面の甘皮12まで浸透した状態になっていた。難燃化処理された桧皮材の重量を測定したところ、桧皮材1の重量は全体で総重量が 1120g に増加していた。
そこで、難燃化処理された当該桧皮材1に対し燃焼性試験に付して、燃焼ガスをバーナーから吹き付けところ、2分間火炎を浴びせても荒皮11の部分が焦げる程度に止どまり、十分の防火効果は確認することができた。
以上において桧皮材の難燃化処理について述べたが、以下、柿板材1′の難燃化処理の具体的内容を説明する。
柿板材1′の難燃化処理材の試作および難燃性評価試験については、以下のように実施した。柿板材として収穫されたサワラ材(サイズが厚さ2mm、幅150mm、長さが750mm)を試料として、この試料20枚を注薬管の中に入れ、前述の桧皮材の実験に用いたハロゲン系縮合リン酸エステル(大八化学工業株式会社製 CR−570)の15wt%エタノール溶液を加え密閉し、減圧下(50mmHg以下)条件で1時間、加圧下(12MPa)条件で3時間の浸漬を行った。
浸漬終了後、室温で48時間乾燥し、難燃桧皮材と同様の燃焼試験を実施した。
難燃化処理を実施した柿板材1‘はいずれの部位も発火せず、残塵もなく炭化を呈した。
ここに「注薬管」とは、減圧及び加圧の可能な浸漬槽内に試料(柿板材と含浸液)を充填し、減圧及び加圧により含浸量を増加させる周知の装置であり、オートクレープに相当するものである。
この試料の実験結果から見ると、サワラ材(柿板材1′)の実験例は、工業規模に拡大して実施しても、十分に実用に供し得るものであり、このようにして製した柿板材を神社・仏閣の柿葺きに使用しても、防火対策として十分と言える。
このように本発明が提供する難燃化桧皮と柿板材は、水に難溶で、かつ、難燃性を長期に保持しうる有機リン酸エステルを、木質系材料にも親和性を有する有機溶剤に溶解し、得られた難燃剤溶液に桧皮材や柿板材を浸漬担持させるだけの作業により、長期に亘る防火性能を発現させ得たものであり、コスト的にも安価に提供することが可能である。
また、桧皮葺き屋根の外観も些かも変えずに、伝統的な神社仏閣の風格・外観も工事に何ら変更を要しない。
さらに、桧皮葺きや柿葺きの風格ある神社・仏閣の焼失も効果的に防ぐことができて、文化財保護にも実を揚げることができる。
1 桧皮材
11 表面(=荒皮)
12 裏面=難燃化処理剤を含む被覆層(甘皮)
1′ 柿板材
12′ 難燃化処理剤を含む柿板材の裏面

Claims (9)

  1. ヒノキ、スギ、サワラ類の樹皮材又は板材の表層および内部に、水に対する溶解性が低く、かつ、難燃性の有機リン化合物が浸透固結していることを特徴とする難燃化処理の屋根用木製建材。
  2. 屋根用木製建材の表層および内部に、水に対する溶解性が低く、かつ、難燃性の有機リン化合物が0.5重量%以上浸透固結していることを特徴とする請求項1記載の難燃化処理の屋根用木製建材。
  3. 屋根用木製建材が、桧皮葺き又は柿葺きの屋根に使用する桧皮材又は柿板材であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の難燃化処理の屋根用木製建材。
  4. 難燃性有機リン化合物と、これを溶解する有機溶剤を含む木製建材の難燃化処理液を調製する工程と、前記難燃化処理液に浸透せしめた木製建材から、前記有機溶剤成分を除去し、難燃性有機リン化合物を当該木製建材の表層および内部に固結せしめることを特徴とする請求項1〜請求項3に記載の難燃化処理の屋根用木製建材の製造方法。
  5. 難燃性有機リン化合物は、難燃材、安定剤、可塑剤等に使用されている5価及び3価の難燃性有機リン酸エステルであって、リン成分を1重量%以上含有しており、水に難溶であることを特徴とする請求項3又は請求項4の何れかに記載の難燃化処理の屋根用木製建材の製造方法。
  6. 難燃化処理液は、有機リン酸エステルを単一又は2種以上混合して、有機溶剤に均一に溶解して製造し、リン成分の含有量が0.1重量%以上であることを特徴とする請求項3〜請求項5の何れか一つに記載の難燃化処理の屋根用木製建材の製造方法。
  7. 有機溶剤としては、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、ハロゲン化物、芳香族類を、単一又は混合溶剤として使用することにより、難燃化処理液を調製することを特徴とする請求項5〜請求項6の何れかに記載する難燃化処理の屋根用木製建材の製造方法。
  8. 桧皮難燃化処理液を桧皮材に浸漬させて桧皮処理液を含有する木製建材を製造する工程は、最終の木製建材の難燃化成分中のリン成分含量が0.05重量%以上であることを特徴とする請求項5〜請求項7の何れか一つに記載する難燃化処理の屋根用木製建材の製造方法。
  9. 難燃化処理液を含有する木製建材から溶剤を除去し、さらに木製建材の表層および内部に担持した難燃剤を加熱処理と乾燥処理とを施して、有機リン化合物を木製建材に担持固結せしめる工程を含むことを特徴とする請求項5〜請求項8の何れか一つに記載する難燃化処理の屋根用木製建材の製造方法。
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