JP2018042894A - 歯冠補綴物作製システム、歯冠補綴物作製方法および歯冠補綴物作製のためのプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】作業者の手間と時間とを削減できる歯冠補綴物作製システム、方法およびプログラムを提供する。【解決手段】歯冠補綴物作製システム100は、フレーム部と、フレーム部を支持するサポート部を有する第1部材の3次元データである第1データと表面部の3次元データである第2データとを作成するデータ作成装置70と、保持部、切削機構および制御部50を備えた切削加工機1と、を備える。保持部は、被加工物として、フレーム部を形成するための第1被加工物を保持できるとともに、第1部材のサポート部を保持可能に構成される。制御部は、第1データに基づき保持部および切削機構を制御して、保持部に保持される第1被加工物を切削することで、第1部材を形成する第1切削制御部52と、第2データに基づき保持部および切削機構を制御して、第1部材のフレーム部に築盛された第2被加工物を切削して、表面部を形成する第2切削制御部54を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、歯冠形の歯冠補綴物を作製する歯冠補綴物作製システムと、歯冠補綴物作製方法および歯冠補綴物作製のためのプログラムとに関する。
歯科用セラミック材料や歯科用樹脂材料等の被加工物を所望の形状に切削することによって、歯冠補綴物(人工歯、人工歯冠等ともいう。)を作製することが行われている。歯冠補綴物の切削は、従来は手作業で行われていたが、近年では、コンピュータ支援設計(Computer-aided design:CAD)およびコンピュータ支援製造(Computer aided manufacturing:CAM)技術の導入により、コンピュータで設計されたデータに基づいて切削装置が加工を行うようになってきている。
このCAD/CAM技術では、一般に、まず、クライアントの歯型を模った支台歯模型をスキャニングして3次元データを取得する。次いでこの3次元データを基に、所望の歯冠補綴物の形状をCADでデザインし、STLデータ化する。また、かかるデザインをCAMにて切削加工データに変換する。そしてこの切削加工データを基に、切削装置が、歯冠補綴物用の被加工材を切削加工する。ここで、被加工材として、近年では、生体親和性が高く高強度のジルコニア系材料が使用されている。しかしながら、高い審美性が要求される前歯部の歯冠補綴物については、ジルコニアの色調が単色のみでは天然歯とは異なる印象を与えてしまう。そのため、CAD/CAM冠レイヤリング法では、歯冠の基礎となるフレーム部のみをジルコニア系材料で作製し、このフレーム部に対して、技工士が、クライアントごとに適切な色調や質感のシェードベース陶材やエナメル陶材を盛り付けること(築盛)で、歯冠補綴物を完成させるようにしている。
他方で、歯冠補綴物には本質的に咬合性が良好なことが求められる。そのため、フレーム部への陶材の築盛は、咬合器に作製中の歯冠補綴物を取り付けて咬合を都度確認しながら進められる。すなわち、陶材の築盛では、単に色調や質感を整えるだけではなく、咬み合わせを考慮した歯冠の最終形態を再現する必要があり、技工士の経験と技量によるところが大きい。したがって、陶材の築盛は非常に多くの手間と時間を要するものであった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、歯冠補綴物の作製に要する作業者の手間と時間とを削減することができる歯冠補綴物作製システムおよび歯冠補綴物作製方法を提供することである。
本発明に係る歯冠補綴物作製システムは、データ作成装置と切削加工機とを備える。データ作成装置は、フレーム部とフレーム部の外表面を覆う表面部とを有する歯冠補綴物のうちのフレーム部と、フレーム部を支持するサポート部と、を有する第1部材についての3次元データである第1データと、表面部についての3次元データである第2データと、を作成する。切削加工機は、被加工物を保持する保持部と、被加工物を切削するための切削機構と、保持部および切削機構の駆動を制御する制御部と、を備える。ここで保持部は、被加工物として、フレーム部を形成するための第1被加工物を保持できるとともに、第1部材のサポート部を保持可能に構成されている。制御部は、第1データに基づき保持部および切削機構を制御して、保持部に保持されている第1被加工物を切削することで、第1部材を形成する第1切削制御部と、第2データに基づき保持部および切削機構を制御して、第1部材のフレーム部に築盛された第2被加工物を切削して表面部を形成する第2切削制御部と、を備える。
本発明に係る歯冠補綴物作製システムによれば、歯冠補綴物のフレーム部を構成するための材料である第1被加工物から、フレーム部にサポート部を結合した形態の第1部材を第1データに基づいて切削加工する。その後、サポート部を除去することなく、サポート部がついたままのフレーム部に対して、人手により、陶材からなる築盛材(第2被加工物)を築盛する。その後、築盛されたフレーム部をサポート部にて保持することにより、築盛された築盛材に対して第2データに基づく切削加工を行う。このことにより、目的の最終形態を備えた歯冠補綴物を作製することができる。この歯冠補綴物作製システムによると、フレーム部のみならず、築盛された築盛材をも、予め設計された咬合を実現する歯冠補綴物として、作製することができる。したがって、陶材の築盛に際して、作業者は、おおよその最終形態を把握して歯冠補綴物の色調調整に努めるだけでよく、最終形態を意識した築盛のための手間を省略することができる。また、歯冠補綴物を3次元データに基づき簡便かつ精確に作製することができる。これによって、従来では一つの歯冠補綴物について丸一日の時間を費やすこともあった築盛を、短時間でより確実に実施することができる。また作業者の経験や熟練度に依らず、咬合性を確保することができる。
本発明によれば、歯冠補綴物の作製に要する作業者の手間と時間とを削減することができる歯冠補綴物作製システムを提供することができる。また、歯冠補綴物の作製に要する作業者の手間と時間とを削減することができる歯冠補綴物作製方法を提供することができる。
最初に、本発明の一実施形態に係る歯冠補綴物作製システム100と歯冠補綴物作製方法とについて説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、本明細書により教示されている技術内容と、当該分野における当業者の一般的な技術常識とに基づいて実施することができる。また、図面は模式的に描かれており、図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を厳密に反映するものではない。
図1に示すように、歯冠補綴物作製システム100は、切削装置1と、データ作成装置70とを備えている。この歯冠補綴物作製システム100は、クライアントの天然歯の一部または全部が欠損した場合に、クライアントの口腔内に設けられた支台歯の少なくとも一部または全部を覆って欠損部を補綴する歯冠補綴物を、天然歯に近い性状と外観とを備えるものとして作製するものである。特に、ここに開示される歯冠補綴物作製システム100は、高い審美性が要求される前歯用の歯冠補綴物を好適に作製し得る。
図2の(a)は、目的とする前歯用の歯冠補綴物CCの正面図であり、(b)はそのb−b断面図である。また、図2の(e)は、歯冠補綴物CCが装着される支台歯C0の正面図であり、(f)はそのf−f断面図である。図2(a)に示すように、歯冠補綴物CCは、天然歯を摸して、デンティン(象牙質)部C1と、このデンティン部C1を覆うエナメル質部C2とから構成されている。図2(c)はデンティン部C1の部分のみを示す正面図であり、(d)はそのd−d断面図である。
本例におけるデンティン部C1は、セラミック材料(典型的には、ジルコニア系歯科用セラミック材料)により構成することができる。CAD/CAM技術を利用した歯冠補綴物CCの作製では、例えば、図2(c)(d)に示すようなデンティン部C1を、切削装置1による切削加工で造形している。ジルコニアを主体とするジルコニア系セラミック材料は、セラミックの有する高強度特性および耐薬品性に加えて、天然歯のような白色と光透過性とを有することから、歯冠補綴材料として好ましく用いられる。そして例えば、外観に晒されることの少ない臼歯用の歯冠補綴物については、このジルコニア系歯科用セラミック材料のみで作製することができる。しかしながら、極めて高い審美性が求められる前歯部については、より天然歯に近く、かつ、見た目に美しい外観が求められる。そこで、前歯用の歯冠補綴物CCについては、強度が求められる歯冠補綴物CCの土台たるフレーム部(コーピングとも言う。)Fを構成する材料として、ジルコニア系歯科用セラミック材料を用いる。そして、このフレーム部Fに、より艶感および透明性の高い異なる色合いの陶材を盛り付ける(築盛する)ことで、陰影をつけたり色調を調整したりする。なお、従来のCAD/CAM技術による前歯用の歯冠補綴物CCの作製では、フレーム部Fのみが切削装置1により作製されていた。ここに開示される技術においては、フレーム部Fの作製(第1切削)の後に築盛された築盛材を第2被加工物5b(図8参照)とし、第2被加工物5bの最終的な形態調整についても切削装置1を用いて切削加工(第2切削)を実施する。
すなわち、ここに開示される歯冠補綴物作製方法は、図3に示すように、本質的に下記の工程S1〜S5を含む。
(S1)3次元データ準備工程
(S2)第1切削工程
(S3)築盛工程
(S4)被加工物のサポート部での保持
(S5)第2切削工程
(S1)3次元データ準備工程
(S2)第1切削工程
(S3)築盛工程
(S4)被加工物のサポート部での保持
(S5)第2切削工程
以下、一実施形態に基づく歯冠補綴物作製方法について説明するとともに、切削装置1とその構成について説明する。なお、図1では、歯冠補綴物作製システム100が一つの切削装置1を備える例を示しているが、切削装置1は複数備えられていてもよい。切削装置1を複数備える場合の各切削装置1の構成はそれぞれ同じであってよい。切削装置1とデータ作成装置70とは、有線通信が可能にラインLにより接続されている。なお、切削装置1とデータ作成装置70とは、無線による通信も可能である。データ作成装置70として、例えば、CAD機能とCAM機能とが組み合わされて備えられているCAD/CAM装置を採用することができる。本例におけるCAD/CAM装置は、パーソナルコンピュータにCAD機能および実現させるためのプラグラムが導入さえることで構成されている。このパーソナルコンピュータには、ディスプレイ70a等からなる表示装置と、キーボードやタッチパネル、マウス等からなる入力装置とが備えられている。ただし、データ作成装置70は、CAD/CAM装置に限定されるものではない。
S1.3次元データ準備工程
データ作成装置70は、切削装置1が読み取り可能な歯冠補綴物CCの作製のための3次元データを作成する。この3次元データは、例えばSTL(Standard Triangulated Language)形式のデータであり得る。データ作成装置70は、具体的には、第1切削工程を実施するための第1データと、第2切削工程を実施するための第2データとを作製する。
データ作成装置70は、切削装置1が読み取り可能な歯冠補綴物CCの作製のための3次元データを作成する。この3次元データは、例えばSTL(Standard Triangulated Language)形式のデータであり得る。データ作成装置70は、具体的には、第1切削工程を実施するための第1データと、第2切削工程を実施するための第2データとを作製する。
第1データにより表される第1部材P1のイメージを、図4(a)に例示した。第1データは、作製対象の歯冠補綴物CCのフレーム部Fにサポート部Sを結合した第1部材P1についての3次元データである。サポート部Sとは、フレーム部Fを形成するための材料である第1被加工物5a(図7参照)からフレーム部Fを削り出すにあたり、切削されたフレーム部Fが落下しないように、フレーム部Fを第1被加工物5aに固定する棒状の部材である。図4(a)においてサポート部Sの先端は自由端のように表されているが、後述の第1切削工程においては、サポート部Sの先端は第1被加工物5aに固定された状態で第1部材P1が削り出される。ここに開示される技術では、サポート部Sは、第1切削工程におけるフレーム部Fの落下防止の機能に加え、第2切削工程における築盛後の第1部材P1を切削装置1に保持させるための保持部分としての機能をも有する。
第1データは、例えば、以下の手順で用意することができる。すなわち、まず、クライアントの口腔内の歯列および支台歯C0の3次元データを基に、作業者が、所望の歯冠補綴物CCのフレーム部F(デンティン部C1であり得る。)の立体形状をCADでデザインし、これをSTLデータに変換する。次いで、このSTLデータをCAMに受け取り、フレーム部Fに対してサポート部Sを付設して第1部材P1の形状を確定するとともに、切削装置1が切削加工を行うために必要な情報を付与することで、切削加工データが用意される。切削装置1が切削加工を行うために必要な情報とは、例えば、切削装置1において使用する切削ツールの設定や、使用する切削ツールごとのツールパス(切削ツールの姿勢および移動経路等)などである。切削加工データの作成の詳細は、本願の本質とは異なるため、更なる詳細な説明は省略する。なお、支台歯C0の3次元データは、クライアントの口腔内の歯列形態を非接触で直接スキャニング(レーザスキャンやCCDセンサによるスキャン)したり、歯列および支台歯C0の模型をスキャニングしたりすることで得ることができる。そこで、データ作成装置70は、歯列および支台歯C0の3次元データを、例えば、インターネット回線を経由して受け取ることができる。データ作成装置70が受領した上記各3次元データが示す画像は、データ作成装置70のディスプレイ70a(図1参照)にて確認することができる。
フレーム部Fは、支台歯C0を覆う冠状に形成される。フレーム部Fは、支台歯C0と嵌まり合うように、支台歯C0の形状に対応した図示しない凹部(図2(d)参照)を有している。なお、フレーム部Fのデザインを毎回一から作製することは手間と労力とを要する。そこでデータ作成装置70は、予め設計されたフレーム部Fに関するひな型を複数用意していてもよい。例えば、図5(a)〜(f)に、形状の異なる複数(本例では6個)のフレーム部Fのひな型の正面図を例示した。このようにひな型を幾つか用意しておき、このひな型を必要に応じて変形、変更することで、簡便にフレーム部Fを設計することができる。また、クライアントあるいは作業者の好みや、周囲の歯とのバランス等を考慮して、より適したデザインのフレーム部Fを設計することができる。なお、具体的には図示しないが、例えば、臼歯用の歯冠補綴物を作成する場合等に備えて、臼歯用のフレーム部のひな型を用意してよいことは言うまでもない。
サポート部Sは、フレーム部Fの外表面から突出する棒状に形成される。なお、従来のサポート部は、切削時にフレーム部Fをよりバランスよく安定的に、かつ、より狭い接続面積で支持し得るよう、1つのフレーム部Fに対して2個から3個程度の複数のサポート部が設けられていた。しかしながら、ここに開示される技術においては、サポート部Sは、1つのフレーム部Fに対して1つのみ設けることが好ましい。データ作成装置70は、サポート部Sについても、予め設計されたひな型を複数用意していてもよい。また、サポート部Sは、歯冠補綴物CCの唇側と舌側のうち、舌側の外表面に立設される。これにより、後のサポート部Sの除去に伴う審美性の低下を抑制することができる。なお、本明細書において「舌側」とは、単に歯列の内側,舌のある側,唇のある側とは反対側、を意味する。したがって、「舌側」は、下顎における舌側に限定されず、上顎における舌側である口蓋側についても含むものとする。
また、サポート部Sは、長手方向に対する断面形状が多角形の棒状に設計されていることが好ましい。従来のサポート部の断面形状は円形であり、サポート部自体は円柱状または円錐台状であった。これに対し、サポート部Sの断面形状を多角形とすることで、後で詳しく説明するが、第2切削工程で保持部で第1部材P1を保持する場合に、第1部材P1の姿勢を精確に制御することができる。多角形の具体的な形状は特に制限されず、三角形、四角形、五角形、六角形等であってよい。かかる多角形は、各辺の長さの等しい正多角形であってもよいし、正多角形でなくてもよい。例えば、正三角形であってもよいし、二等辺三角形であってよい。なお、多角形状は、幾何学的に厳密な多角形に限定されず、例えば、角部をC面やR面で面取りした派生形状等であってもよい。図4(a)に示す例では、サポート部Sは、断面形状が角部を面取り(C面)した正三角形(または六角形)の角柱状に設計されている。このサポート部Sは、例えば、断面が直径4mmの円に内接するように設計されている。面取り前の正三角形は、重心から各辺までの距離が約1.6mmの寸法である。サポート部Sの面取りにより形成された角部(頂点)は、全て直径4mmの円上に配置されている。
また、サポート部Sには、突起部Sbが設けられていてもよい。例えば、サポート部Sは、多角形の棒状部分からなるサポート部本体Saと、サポート部本体Saの長手方向の両端部を除く位置に設けられた断面外側に向けて突出する突起部Sbとから構成されていてもよい。突起部Sbは、サポート部本体Saの長手方向の両端部を除く位置であって、サポート部本体Saの断面(長手方向に直交する横断面)における周縁の一部に設けられていてもよいし、周縁の全部を取り巻くように設けられていてもよい。図4(a)に示す例では、突起部Sbは、サポート部本体Saの断面において、外表面の全部から突出する鍔状に形成されている。サポート部本体SaがC面で面取りした三角形であったのに対応して、突起部Sbは、例えば、断面形状が角部をR面で面取りした三角形の板状に設計されている。面取り前の正三角形は、例えば、重心から各辺までの距離が約3mmの寸法である。このような突起部Sbが設けられることで、第2切削工程において保持部で第1部材P1を保持する際に、簡便に第1部材P1の姿勢を精確に制御することができる。
また、フレーム部Fを形成するための第1被加工物5aとして、完全に焼結されたジルコニア系セラミック材料を用いると、切削加工の効率が著しく低くなってしまう。そこで、第1被加工物5aとしては、焼成により焼結が進行し得る半焼結のバルク状のジルコニア系セラミック材料を好ましく用いることができる。ここで、半焼結のジルコニア系歯科用セラミック材料は、完全に焼結する際に焼き締まるために体積収縮を生じる。したがって、第1データの作製に際しては、本焼成による焼き締まりを考慮して、焼成収縮の分だけ大きい寸法で第1データを作成する。本焼成時の体積収縮量は、第1被加工物5aの組成や原料粒子径、圧縮強度、仮焼成の度合い等によるため一概には言えないが、例えば、17%〜22%程度(典型的には20%程度)と考えることができる。第1被加工物5aの寸法や収縮率等に関する情報は、例えば、第1被加工物5aに付帯されたフラッシュメモリやメモリチップ等から、データ作成装置70に取り込むことができる。また、例えば、第1被加工物5aは、典型的には円盤状(ディスク状)である。第1データには、かかる円盤状の第1被加工物5aのいずれの位置から第1部材P1を切り出すかについての位置情報を含むことができる。このように作製した第1データは、後述する切削装置1の記憶部20(図1参照)に送られる。
なお、第1被加工物5aとしては、全体が均質で、白色かつ単色のジルコニア半焼結体であってもよいし、予め意匠性が高められたジルコニア半焼結体を用いてもよい。意匠性が高められたジルコニア半焼結体としては、全体が均一に着色されたジルコニア半焼結体であってもよい。また或いは、例えば、本焼成後の焼結体の一の方向において明度および色彩の少なくとも1つが連続的に変化するよう構成された、グラデーションブロック(グラデーションディスク)であってもよい。このグラデーションブロックは、例えば、焼成後の明度および/または色彩が少しずつ異なるよう設計された層が厚み方向で複数積層された積層構造を有するものであり得る。本実施形態では、円盤状で、厚み方向で徐々に明度および色彩が変化された4層構造のグラデーションディスクを用いるようにした。を用いることにより、後工程である築盛工程を簡略化した場合であっても、審美性の高い歯冠補綴物CCを作製できるために好ましい。
第2データにより表される第2部材P2のイメージを、図4(b)に例示した。第2部材P2は、第1部材P1の表面の少なくとも一部を覆うように配置される表面部である。例えば、第2部材P2は、エナメル質部C2に相当する部材であり得る。第1部材P1が焼成により収縮する材料の場合、第2部材P2は焼成後の(すなわち収縮した)第1部材P1の表面に一体的に配置されるように構成される。第1部材P1と第2部材P2とが一体的に組み合わされることで、目的の歯冠補綴物CC(ただしサポート部S付き)が形成される。また、サポート部Sは、第1部材P1との相対関係が維持される。第1部材P1が焼成により収縮する材料の場合、サポート部Sについても焼成後の収縮された形態で設計される。
第2データの外形は、上記の第1データと同様、例えば、クライアントの口腔内の歯列および支台歯の3次元データに対し、所望の歯冠補綴物CCの立体形状をCADでデザインし、これをSTLデータ化したのち、CAMにて切削装置1が読み取り可能な切削加工データに加工することで用意することができる。この第2データが示す3次元構造は、第1データに基づくフレーム部Fが焼成により収縮したときの焼成物に対して、その外表面に一体的に嵌りあい、歯冠補綴物CCを構成する。なお、第1部材P1と第2部材P2との相対的な配置は、形成される歯冠補綴物CCの咬合性や審美性を確保するために重要である。したがって、第1部材P1と第2部材P2との配置を適切に制御できるよう、第1データおよび第2データには、原点位置情報を含めるようにするとよい。また、第1データおよび第2データの入力および出力に際しては、原点位置情報を含めるようにするとよい。
第2部材P2を形成するための材料は、後述するが、第2被加工物5b(図9参照)として供給される。第2被加工物5bとしては、様々な色合いのエナメル陶材、シェード陶材等と呼ばれる歯科用セラミック材料を用いることができる。なお、第2切削工程後に焼成を行う場合は、かかる第2部材P2についても第2被加工物5bの収縮量を考慮して、第2データを作成すればよい。これにより、より精確な寸法および形状を有する歯冠補綴物CCを作製することができる。ただし、第2被加工物5bの収縮量はさほど大きくないため、焼成収縮量を考慮しなくてよい場合もあり得る。データ作成装置70が作成した上記第2データが示す画像は、データ作成装置70のディスプレイ70aにて確認することができる。このように作製した第2データは、切削装置1の記憶部20に送られる。
図4(a)および(b)に示すように、ここに開示される技術において切削装置1が切削により形成する加工物は、フレーム部Fおよびサポート部Sからなる第1部材P1と、当該第1部材のフレーム部Fの少なくとも一部を覆う第2部材P2と、を含む。第2部材P2は、第1部材のフレーム部Fの外表面を全て覆っていてもよいし、一部のみを覆っていてもよい。また、第2部材P2は、第1部材のフレーム部Fの内表面を全て覆っていてもよいし、一部のみを覆っていてもよいし、内表面は覆っていなくてもよい。
S2.第1切削工程
第1切削工程では、切削装置1を用いて、保持部に保持されている第1被加工物5aを、第1データに基づき切削機構により切削することで、第1部材P1を形成する。
第1切削工程では、切削装置1を用いて、保持部に保持されている第1被加工物5aを、第1データに基づき切削機構により切削することで、第1部材P1を形成する。
まずは、一実施形態に係る切削装置1について説明する。図6は図1の切削装置1のフロントカバー11を開けた状態を示す正面図である。以下の説明で、左、右とは、切削装置1の正面にいる作業者から見た左方、右方をそれぞれ意味する。また、後述するが、切削装置の底壁13は、上記作業者から見て手前から奥に向かうにつれて下方に傾斜している。そこで、この底壁13に沿って上記作業者に近づく方を前方、遠ざかる方を後方とする。また、この底壁13に直交する方向で、上を上方、下を下方とする。図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を表す。X軸は、左右方向に延びる。Y軸は、前後方向に延びる。Z軸は、上下方向に延びる。ただし、これは説明の便宜上の方向に過ぎず、切削装置1の設置態様を何ら限定するものではない。
図1に示すように、切削装置1は、箱状に形成されている。切削装置1は、ケース本体12と、フロントカバー11とを備えている。ケース本体12は、底壁13と、底壁13の左端から上方に延びる左壁14と、底壁13の右端から上方に延びる右壁15と、底壁13の後端から上方に延びる後壁16と、左壁14、右壁15および後壁16の上端を接続する上壁17とを有している。上述のとおり、本例の切削装置の底壁13は、前方から後方に向かうにつれて下方に傾斜している。また、図6に示すように、ケース本体12の前部は開口されている。底壁13、左壁14、右壁15および上壁17に取り囲まれることによって開口18が形成されている。フロントカバー11は、左壁14の前端および右壁15の前端に沿って上下方向に移動することによって開閉自在に構成されている。フロントカバー11が上方に移動することで、ケース本体12の内部と外部とが連通される。フロントカバー11には窓部11aが設けられている。作業者は窓部11aから内部空間を視認することができる。
また、底壁13、左壁14、右壁15、後壁16および上壁17に取り囲まれることによって、内部空間のうちの加工エリア19が形成されている。加工エリア19では、例えば円盤状の被加工物5(図7参照)の切削加工が行われる。被加工物5を切削加工することによって、1つまたは2つ以上の第1部材34aが削り出される。さらに、切削装置1の右壁15の内部には、図示しない制御エリアが設けられている。加工エリア19は制御エリアよりも広い空間となっている。制御エリアには、後述する保持部30やマガジン48の回転や移動を制御する駆動部(図示せず)等が収容されている。右壁15は、着脱可能なカバーにより箱状に区画されることにより、その内部の制御エリアが閉じられた領域に構成される。
また、底壁13の後端には、垂直に配置された図示しない後方内壁が設けられている。後方内壁の上端は上壁17に接続されている。後壁16と後方内壁との間に形成される背面エリアには、後述する制御部50および記憶部20等が収容されている。図6に示すように、加工エリア19には、被加工物5を保持する保持部30と、被加工物5を切削するための切削機構40とが設けられている。
図7に示す例では、被加工物5は円盤状に形成されて、保持部30により保持されている。被加工物5は、例えば、円盤状の第1被加工物5aであり得る。保持部30は、半円弧状に構成された第1保持部本体32を備えている。第1保持部本体32の前部には第1回転軸32aが接続されており、当該第1保持部本体32の後部には第2回転軸32bが接続されている。第1回転軸32aと第2回転軸32bとは、回転軸がY軸方向で同軸である。第1回転軸32aは、第1保持部本体32の前方に設けられた駆動部36に接続されている。駆動部36は、例えばモータである。駆動部36は、第1回転軸32aをY軸周りの方向T1に回転させることができる。これにより、第1保持部本体32を介して被加工物5を方向T1で回転させることができる。
駆動部36の後方の端部には、L字状の第2保持部本体34が連結されている。駆動部36の後方縁部とL字状の第2保持部本体34とで、コの字構造が形成されている。第1保持部本体32は、コの字構造の駆動部36および第2保持部本体34に連結されて支持されている。半円弧状の第1保持部本体32は、駆動部36と第2保持部本体34とからなるコの字構造により取り囲まれるように支持されている。第2保持部本体34は、Y軸方向に延びて形成された第1部材34aと、X軸方向に延びて形成された第2部材34bとを備えている。上記第2回転軸32bは、第2保持部本体34の第2部材34bの先端に支持されており、上記駆動部36は第1部材34aの先端に支持されている。また、第2保持部本体34の第1部材34aには、上記半円弧状の保持部30のY軸方向の中心に対応する位置に、第3回転軸32cが接続されている。そしてこの第3回転軸32cは、図示しない駆動部に接続されており、第1部材34aをX軸周りの方向T2に回転させる。これにより、第1保持部本体32および第2保持部本体34を介して、被加工物5を方向T2に回転させることができる。すなわち、保持部30は、被加工物5を、方向T1および方向T2で回転可能に保持している。また、第2保持部本体34は、図示しない他の駆動部により、X軸方向に移動可能とされている。これにより、被加工物5を、第1保持部本体32および第2保持部本体34を介してX軸方向に沿って移動させることができる。
次いで、切削機構40について説明する。図6に示すように、切削機構40は、加工ツール42と、スピンドル44と、移動装置46とを備えている。被加工物5の切削加工には、棒状の加工ツール42が用いられる。加工ツール42には、フランジ42cが設けられている。図7に示すように、加工ツール42はマガジン48の所定のストッカー48aに収容される。加工ツール42は、ストッカー48aに収容された状態において、フランジ42cよりも上方の上端部42aがストッカー48aから突出している。加工ツール42のフランジ42cよりも下方には、刃物部42b(図6参照)が設けられている。移動装置46は、スピンドル44をY軸方向とZ軸方向とで自在に移動可能に構成されている。また、マガジン48は、上述のとおり、保持部30とともに、図示しない駆動装置によりX軸方向で移動可能に構成されている。このことにより、スピンドル44は、マガジン48および保持部30に対して、相対的な位置を自在に変化させることができる。スピンドル44は、加工ツール42の上端部42aを把持する把持機能を備えている。スピンドル44は、マガジン48のストッカー48aに収容された任意の加工ツール42の上端部42aを把持することができる。スピンドル44は、加工ツール42を把持した状態で把持機能を回転させることで、加工ツール42を軸周りに回転させることができる。加工ツール42は、スピンドル44によって軸周りに回転される。スピンドル44は、さらに、回転状態にある加工ツール42の刃物部42bを、保持部30に固定された被加工物5に当接させることで、被加工物5に対する切削加工を行うことができる。このとき、保持部30は、例えば保持している被加工物5をT1方向およびT2方向で自在に回転させることができる。このことにより、加工ツール42は、被加工物5の任意の位置に対して、刃物部42bを任意の角度で当接することができる。これにより、例えば第1被加工物5aは、任意の位置に加工ツール42が任意の角度で当接されることによって、切削加工される。
加工ツール42は、被加工物5の材質に応じて適切な材質および形状の刃物部42bを備えることができる。例えば、第1被加工物5aが半焼結のジルコニア系歯科用セラミック材料である場合、この第1被加工物5aを切削するための加工ツール42として、例えば、ステンレス等の金属性の刃物部42bが備えられた切削ツール等を具備することができる。また、例えば、第2被加工物5bが築盛材である場合、この第2被加工物5bを切削するための加工ツール42として、例えば、刃物部42bに微細なダイヤモンド粒子が電着された電着ダイヤモンド研削ツール等を具備することができる。
前述したように、切削装置1の背面エリアには、記憶部20および制御部50が備えられている(図1参照)。記憶部20は、データ作成装置70が作成した第1データと、第2データと、を記憶する。記憶部20は、CPU(中央演算処理装置)が各種の計算処理や制御処理を行うためのプログラムやデータ等も記憶することができる。また、記憶部20は、CPUの作業領域として用いられ、各種の入力データ、CPUによる読み取りデータ、受信データ、CPUが各種プログラムに従って実行した演算結果等を一時的に記憶するためにも使用され得る。記憶部20は、例えばハードディスクやメモリ、回路等により実現可能である。制御部50は、保持部30、切削機構40の駆動を制御する。制御部50は、図1に示すように、第1制御部52と第2制御部54とを備えている。このような制御部50およびその各部は、ハードウェアで構成されていてもよく、CPUがコンピュータプログラムを実行することにより機能的に実現されるようになっていてもよい。制御部50は、例えば、公知のパーソナルコンピュータや汎用コンピュータなどに設けられるCPUと、CPUが実行するプログラム等が格納されたROM(リードオンリーメモリ)およびRAM(ランダムアクセスメモリ)等により実現可能である。前記のROMには、切削装置1を用いて歯冠補綴物CCを作製するためのプログラムが記憶されている。前記プログラムは、例えば各種の記録媒体からROMに読み込むことができる。記録媒体は、例えば、CD(コンパクトディスク)やDVD(デジタルバーサタイルディスク)、USBメモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、コンピュータを上記の各部として機能させるためのプログラムが記憶されている。そして、例えばCPUは、記録媒体に記憶されているプログラムを実行することで、第1制御部52および第2制御部54等として機能する。なお、前記プログラムは、有線又は無線の通信手段を介して、インターネットを通じてダウンロードするようにしてもよい。また、制御部50は、切削装置1や被加工物に関する各種の情報をディスプレイ70aに表示させることができる。
切削工程では、第1制御部52が、記憶部20に記憶された第1データに基づき、切削機構40および保持部30の動作を制御する。これにより、第1切削制御部52は、保持部30に保持されている第1被加工物5aを第1データにしたがって切削する。具体的には、例えば、第1切削制御部52は、マガジン48の所定のストッカー48aに収容された、ステンレス製の切削ツールを加工ツール42として把持するようスピンドル44を制御する。第1制御部52は、例えば、所定のプログラムおよび処理条件等に基づき、上記スピンドル44の動作すべきタイミングやその内容等を制御することができる。このとき、例えば、スピンドル44の動作と共に、保持部30の各部の動作を全体として統括的に制御する。これにより、例えば、第1被加工物5aと加工ツール42との相対的な位置関係を3次元で変化させて、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、X軸周り、Y軸周りの5軸制御による高精度切削加工を実現することができる。第1切削制御部52は、例えば、第1データに基づき、ステンレス製切削ツールが第1被加工物5aの所定の位置に、所定の角度およびパスで当接するよう切削機構40を制御する。このことにより、第1部材P1が形成される。すなわち、例えば、円盤状のジルコニア半焼結体から、フレーム部Fにサポート部Sを付与した形態の第1部材P1を削り出すことができる。具体的には、凹部を有するフレーム部Fと、フレーム部Fから突出するサポート部Sとを、一体的に削り出すことができる。
なお、第1部材P1は、フレーム部Fがサポート部Sを介して第1被加工物5aに一体的に固定された状態で削り出される。したがって、第1部材P1を次工程の築盛工程に供するために、作業者は、第1被加工物5aとサポート部Sとの境界部を切削することで、第1被加工物5aから第1部材P1を取り外すことができる。サポート部Sの切削は、これに限定されるものではないが、例えば、マイクロモーター(歯科技工用電気エンジン)等と呼ばれる小型ハンディタイプの回転切削器具により実施することができる。
S3.築盛工程
築盛工程において、作業者は、切削装置1により形成された第1部材P1のフレーム部Fの外表面を覆うように、第2部材を形成するための第2被加工物5bを供給する(図9参照)。すなわち、適切な色調のシェードベース陶材やエナメル陶材などの築盛材をフレーム部Fの表面に盛り付ける。このとき、作業者は、所望の色調の第2部材P2を形成できるように、色調や質感に注意を払って陶材を盛り付ければよい。例えば、最終形態や咬合性については、厳密に調整する必要はない。陶材は、次工程で切削されるため、多少過剰に盛り付けることが好ましい。例えば、厚さが4mm以上となるように盛り付けて築盛させることが好ましい。これにより、第1部材P1上に一体的に第2被加工物5bを形成することができる。なお、必要であれば、シェードベース陶材やエナメル陶材を焼成して第2被加工物5bを形成してもよい。
築盛工程において、作業者は、切削装置1により形成された第1部材P1のフレーム部Fの外表面を覆うように、第2部材を形成するための第2被加工物5bを供給する(図9参照)。すなわち、適切な色調のシェードベース陶材やエナメル陶材などの築盛材をフレーム部Fの表面に盛り付ける。このとき、作業者は、所望の色調の第2部材P2を形成できるように、色調や質感に注意を払って陶材を盛り付ければよい。例えば、最終形態や咬合性については、厳密に調整する必要はない。陶材は、次工程で切削されるため、多少過剰に盛り付けることが好ましい。例えば、厚さが4mm以上となるように盛り付けて築盛させることが好ましい。これにより、第1部材P1上に一体的に第2被加工物5bを形成することができる。なお、必要であれば、シェードベース陶材やエナメル陶材を焼成して第2被加工物5bを形成してもよい。
S4.被加工物のサポート部での保持
第4工程において、作業者は、上記で得られた築盛後の第1部材P1および第2被加工物5bを、切削装置1の保持部30に保持させる。築盛後の第1部材P1は、サポート部Sにて保持部30に保持される。図8は、円盤状とは異なる形状の被加工物5を、サポート固定治具60を介して保持部30に保持させた様子を示す平面図である。被加工物5は、例えば、築盛により第1部材P1の外表面に一体的に備えられた第2被加工物5bである。第2被加工物5bは、上述のように、フレーム部Fとサポート部Sとからなる第1部材P1のフレーム部Fに、第2部材用材料が築盛されることで構成されている。サポート部Sは、面取りした三角柱状のサポート部本体Saと、サポート部本体Saの表面から外側に向けて鍔状に突出する突起部Sbとから構成されている。サポート固定治具60は、例えば、平面視で略U字形状に形成されたアダプター62を備えている。
第4工程において、作業者は、上記で得られた築盛後の第1部材P1および第2被加工物5bを、切削装置1の保持部30に保持させる。築盛後の第1部材P1は、サポート部Sにて保持部30に保持される。図8は、円盤状とは異なる形状の被加工物5を、サポート固定治具60を介して保持部30に保持させた様子を示す平面図である。被加工物5は、例えば、築盛により第1部材P1の外表面に一体的に備えられた第2被加工物5bである。第2被加工物5bは、上述のように、フレーム部Fとサポート部Sとからなる第1部材P1のフレーム部Fに、第2部材用材料が築盛されることで構成されている。サポート部Sは、面取りした三角柱状のサポート部本体Saと、サポート部本体Saの表面から外側に向けて鍔状に突出する突起部Sbとから構成されている。サポート固定治具60は、例えば、平面視で略U字形状に形成されたアダプター62を備えている。
アダプター62は、前後方向に延びる第1部分62aと、第1部分62aの後端から左方に延びる第2部分62bと、第1部分62aの前端から左方に延びる第3部分62cとを有している。第2部分62bおよび第3部分62cには、被加工物5に形成されたサポート部Sのサポート部本体Saを挿入するための挿入孔66が所定の位置に複数形成されている。挿入孔66の断面形状は、サポート部本体Saの断面形状に対応している。サポート部本体Saは、例えば、挿入孔66に緩みや隙間なく嵌まり合うように構成されている。サポート部本体Saは、例えば、突出部Sbが第2部分62bまたは第3部分62cに当接するように、一定の挿入深さで挿入されている。また、第2部分62bおよび第3部分62cの上面には、ねじ(図示せず)が挿入される複数のねじ孔66bが形成されている。ねじ孔66bは、挿入孔66と連通している。挿入孔66に挿入されたサポート部本体Saは、ねじ孔66bに挿入されたねじによって固定される。このことにより、第2被加工物5bを保持部30の所定の位置に保持することができる。
S5.第2切削工程
第2切削工程では、第2切削制御部54が、記憶部20に記憶された第2データに基づき、切削機構40および保持部30の駆動を制御する。第2被加工物5bは、上述のように、第1部材P1上に備えられている。また、第1部材P1は、サポート部Sを介して保持部30に固定されている。切削機構40は、保持部30に保持された第2被加工物5bを切削する。このとき、第2切削制御部54は、例えば、スピンドル44がマガジン48の所定のストッカー48aに収容された、電着ダイヤモンド研削ツールを加工ツール42として把持するよう制御する。第2切削制御部54は、例えば、第2データに基づき、電着ダイヤモンド研削ツールが第2被加工物5bの所定の位置に、所定の角度およびパスで当接するよう切削機構40を制御する。これにより、第2被加工物5bは切削されて、第2部材P2が形成される。
第2切削工程では、第2切削制御部54が、記憶部20に記憶された第2データに基づき、切削機構40および保持部30の駆動を制御する。第2被加工物5bは、上述のように、第1部材P1上に備えられている。また、第1部材P1は、サポート部Sを介して保持部30に固定されている。切削機構40は、保持部30に保持された第2被加工物5bを切削する。このとき、第2切削制御部54は、例えば、スピンドル44がマガジン48の所定のストッカー48aに収容された、電着ダイヤモンド研削ツールを加工ツール42として把持するよう制御する。第2切削制御部54は、例えば、第2データに基づき、電着ダイヤモンド研削ツールが第2被加工物5bの所定の位置に、所定の角度およびパスで当接するよう切削機構40を制御する。これにより、第2被加工物5bは切削されて、第2部材P2が形成される。
なお、ここで、第2部材P2は第1部材P1と一体化されている。また、第1部材P1には、サポート部Sが接合されている。したがって、目的の歯冠補綴物CCを得るために、作業者は、第2部材P2および第1部材P1から突出しているサポート部Sを削除することができる。サポート部Sの削除は、例えば、上述のマイクロモーターにより実施することができる。これにより、目的の歯冠補綴物CCを得ることができる。
以上のように、本実施形態によれば、CAD/CAM技術により、フレーム部F(デンティン部C1)をデザインするだけでなく、築盛部分(エナメル質部C2)についてもデザインしておく。また、フレーム部Fには、舌側にサポート部Sを一つ形成するよう設計しておく。このことにより、第1切削工程において、フレーム部Fをサポート部Sにより第1被加工物5aに固定した状態で、切削装置1により作製することができる。次いで、エナメル陶材等の築盛に際しては、このサポート部Sを除去することなく、サポート部Sをつけたまま作業を行う。このことにより、このサポート部Sを被保持部として切削装置1に固定することで、引き続きCAD/CAM技術による切削加工を行うことができる。したがって、築盛後の歯冠補綴物CCの造形についても、3次元データに基づき、切削装置1により切削加工を機械的に精確に実施することができる。
なお、本実施形態によると、築盛されたエナメル陶材(第2被加工物5b)についても、CAD/CAM技術により予め設計した第2データに基づいて、切削装置1が機械的に精密に切削加工する。これにより、審美性が高く、かつ、設計通りの咬合性が実現された歯冠補綴物CCを、手間や時間を従来ほど要することなく作製することができる。例えば、技工士の経験や技量によることなく、高品質な歯冠補綴物CCを得ることができる。また、人手による作業と比較して、ムラのない均質な歯冠補綴物CCを作成することができる。なお、上記工程は、第1データおよび第2データに基づき機械的に実現される。したがって、同一性状の歯冠補綴物CCを複数作製することも可能となる。さらに、第1データおよび第2データは位置情報を含んでいるため、例えばサポート部Sを除去する前であれば、複数回にわたって第2切削工程を行うことも可能とされる。
また、本実施形態によれば、サポート部Sは、フレーム部Fの舌側から突出するように形成される。これにより、第2切削工程後にサポート部Sを除去したときに、サポート部Sの除去部が歯冠補綴物CCの審美性を損なうことを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、サポート部Sは、フレーム部Fから突出する、断面が多角形の柱状に形成されている。これにより、保持部は、第1部材P1を適切な姿勢で保持することができる。したがって、第2切削工程における切削位置のずれを防止して、第2データに対応した正確な切削を実施することができる。
上記実施形態では、保持部30は、保持部本体32と、サポート固定治具60とを備えていた。そして第1部材P1は、サポート部Sをサポート固定治具60に固定された状態で、保持部本体32に保持される。このことにより、サポート部Sが第2切削工程における切削時の振動等で破損するのを防止することができる。したがって、第2切削工程を好適に実施することができる。
上記実施形態では、データ作成装置70は、予め設計されたフレーム部Fに関する3次元形状のひな形を備えている。作業者は、このひな形を利用して、上記第1データを作成することができる。これにより、第1データの設計を簡便かつ迅速に行うことができる。
上記実施形態では、第1被加工物5aとして、ジルコニア半焼結体を用いるように構成されている。これにより、高強度なフレーム部Fを、切削時の負担を抑えて作製することができる。
上記実施形態では、第1被加工物として、円盤状であって、異なる色で層状に着色されているグラデーションディスクを使用するよう構成されていた。これにより、築盛工程における陶材の供給量を削減した場合であっても、審美性に優れた歯冠補綴物を作成することができる。
上記実施形態において、切削機構40は、被加工物5を切削する加工ツール42と、被加工物5に対する加工ツール42の相対位置を変化させる移動装置46と、を備えていた。また移動装置46は、加工ツール42を少なくとも異なる2つの方向である第1方向および第2方向に沿って移動可能に構成されていた。また、保持部30は、被加工物5を第1方向および第2方向とは異なる第3方向に沿って移動可能に構成されており、かつ、少なくとも異なる2つの方向を軸として回転可能に構成されていた。このことにより、保持部30は、加工ツール42に対して被加工物5を相対的に5軸で自由に移動させることができ、自由度の高い切削加工を実施することができる。延いては、意匠性に優れた歯冠補綴物CCを作製することができる。
上記実施形態において、サポート部Sは、サポート部本体Saと突出部Sbとを備えていた。しかしながら、突出部Sbは必ずしも必要ではない。サポート部Sは、サポート部本体Saのみから構成されていてもよい。このような場合、ここに開示される保持部30は、アダプター62に加えて、取付治具64を備えるサポート固定治具60を介して第2被加工物5bをサポート部S(サポート部本体Saであり得る。)で保持するようにしてもよい。図9(a)は、第2被加工物5bが取付治具64に固定された様子を示す斜視図である。取付治具64は、円盤形のサポート受部64aと、サポート受部64aの一の円形面から突出するように設けられたピン64bとを備えている。サポート受部64aの他の円形面には、サポート部Sを挿入するための図示しない凹部が設けられている。図9(a)に示された例では、サポート部Sの断面形状は二等辺三角形である。また、凹部は、円形面における開口形状が、サポート部Sの断面形状に対応した多角形状である。例えば、凹部の円形面における開口形状は二等辺三角形である。したがって、かかる凹部にサポート部Sの先端を挿入することで、サポート部Sを介して第2被加工物5bが取付治具64に固定される。サポート部Sは、凹部から露出される部分の長さが所定の寸法となるように凹部に挿入される。また、サポート受部64aのピン64bが備えられた円形面の表面には、切り欠き部64cが形成されている。
保持部30のアダプター62は、平面視で略U字形状に形成され、前後方向に延びる第1部分62aと、第1部分62aの後端から左方に延びる第2部分62bと、第1部分62aの前端から左方に延びる第3部分62cとを有している(図8参照)。図9(b)は、アダプター62の第3部分62cの先端付近の要部拡大図である。第3部分62cの所定の位置には、被加工物5を保持する複数の挿入孔66が形成されている。挿入孔66は、被加工物5のピン64bが挿入されて、ピン64bと係合するように構成されている。このような挿入孔66は、具体的には図示しないが、第2部分62bの所定の位置にも備えられている。第3部分62cの挿入孔66の周縁には、被加工物5に取り付けられたサポート受部64aの切り欠き部64cと係合する突出部66aが備えられている。また、第3部分62cの上面には、ねじ(図示せず)が挿入される複数のねじ孔66bが形成されている。ねじ孔66bは、挿入孔66と連通している。挿入孔66に挿入されたピン64bは、ねじ孔66bに挿入されたねじによって固定される。これにより、第1切削工程においてサポート部Sに突出部Sbを形成することなく、第2被加工物5bを保持部30の所定の位置に精確に保持することができる。
1 切削装置
20 記憶部
30 保持部
40 切削機構
50 制御装置
70 データ作成装置
100 歯冠補綴物作製システム
20 記憶部
30 保持部
40 切削機構
50 制御装置
70 データ作成装置
100 歯冠補綴物作製システム
Claims (11)
- フレーム部と前記フレーム部の外表面を覆う表面部とを有する歯冠補綴物のうちの前記フレーム部と、前記フレーム部を支持するサポート部と、を有する第1部材についての3次元データである第1データと、前記表面部についての3次元データである第2データと、を作成するデータ作成装置と、
被加工物を保持する保持部と、前記被加工物を切削するための切削機構と、前記保持部および前記切削機構の駆動を制御する制御部と、を備えた切削加工機と、を備え、
前記保持部は、前記被加工物として、前記フレーム部を形成するための第1被加工物を保持できるとともに、前記第1部材の前記サポート部を保持可能に構成されており、
前記制御部は、
前記第1データに基づき前記保持部および前記切削機構を制御して、前記保持部に保持されている前記第1被加工物を切削することで、前記第1部材を形成する第1切削制御部と、
前記第2データに基づき前記保持部および前記切削機構を制御して、前記第1部材の前記フレーム部に築盛された第2被加工物を切削して、前記表面部を形成する第2切削制御部と、
を備える、歯冠補綴物作製システム。 - 前記データ作成装置は、前記フレーム部の舌側に、前記サポート部を一つのみ設けることで前記第1データを作成するように構成されている、請求項1に記載の歯冠補綴物作製システム。
- 前記サポート部は、前記フレーム部から突出する、断面が多角形の柱状に形成されている、請求項1または2に記載の歯冠補綴物作製システム。
- 前記保持部は、保持部本体と、サポート固定治具とを備え、
前記第1部材は、前記サポート部が前記サポート固定治具に固定された状態で、前記保持部本体に保持される、請求項3に記載の歯冠補綴物作製システム。 - 前記データ作成装置は、予め設計された前記フレーム部に関する3次元形状のひな形を備えており、前記ひな形を利用して上記第1データを作成するよう構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の歯冠補綴物作製システム。
- 前記第1被加工物として、ジルコニア半焼結体を用いるように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の歯冠補綴物作製システム。
- 前記第1被加工物として、明度および色彩の少なくとも一つが連続的に異なる複数の層が積層されたグラデーションディスクである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の歯冠補綴物作製システム。
- 前記切削機構は、前記被加工物を切削する加工ツールと、前記被加工物に対する前記加工ツールの相対位置を変化させる移動装置と、を備えており、
前記移動装置は、前記加工ツールを少なくとも異なる2つの方向である第1方向および第2方向に沿って移動可能に構成されており、
前記保持部は、前記被加工物を前記第1方向および前記第2方向とは異なる第3方向に沿って移動可能に構成され、かつ、少なくとも異なる2つの方向を軸として回転可能に構成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の歯冠補綴物作製システム。 - 歯冠補綴物の3次元データを作成するデータ作成装置と、
被加工物を保持する保持部と、前記被加工物を切削するための切削機構と、前記保持部および前記切削機構の駆動を制御する制御部と、を備えた切削加工機と、を備える歯冠補綴物作製システムを用いて歯冠補綴物を作製する方法であって、
フレーム部と前記フレーム部の外表面を覆う表面部とを有する歯冠補綴物のうちの前記フレーム部と、前記フレーム部を支持するサポート部と、を有する第1部材についての3次元データである第1データと、前記表面部についての3次元データである第2データと、を準備すること、
前記保持部に保持されている第1被加工物を、前記第1データに基づき前記切削機構により切削することで、前記第1部材を形成すること、
形成された前記第1部材の前記フレーム部の外表面に前記表面部を構成するための第2被加工物を供給すること、
形成された前記第1部材の前記サポート部にて、前記第1部材を前記保持部に保持させること、
保持された前記第1部材上に備えられた前記第2被加工物を、前記第2データに基づき前記切削機構により切削することで、前記表面部を形成すること、
を含む、歯冠補綴物作製方法。 - 前記第1部材を形成する工程と、前記第2被加工物を供給する工程と、の間に、形成された前記第1部材を焼成する工程をさらに含む、請求項9に記載の歯冠補綴物作製方法。
- 被加工物を保持する保持部と、前記被加工物を切削するための切削機構と、前記保持部および前記切削機構の駆動を制御する制御部と、を備えた切削加工機と、を備える歯冠補綴物作製装置を用いて歯冠補綴物を作製するためのプログラムであって、
コンピュータに、
フレーム部と前記フレーム部の外表面を覆う表面部とを有する歯冠補綴物のうちの前記フレーム部と、前記フレーム部を支持するサポート部と、を有する第1部材についての3次元データである第1データと、前記表面部についての3次元データである第2データと、を記憶すること、
前記保持部に保持されている第1被加工物を、前記第1データに基づき前記切削機構により切削することで、前記第1部材を形成すること、
前記表面部を構成するための第2被加工物であって、前記切削機構により形成された前記第1部材の前記フレーム部の外表面に供給され、さらに、前記サポート部にて前記保持部に保持された前記第1部材上に備えられた前記第2被加工物を、前記第2データに基づき前記切削機構により切削することで、前記表面部を形成すること、
を実行させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
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