JP2018042325A - 回転電機用マイカ絶縁層の製造方法、回転電機用のマイカ絶縁層、回転電機用固定子コイルおよび回転電機 - Google Patents

回転電機用マイカ絶縁層の製造方法、回転電機用のマイカ絶縁層、回転電機用固定子コイルおよび回転電機 Download PDF

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史雄 澤
Fumio Sawa
史雄 澤
崇 原川
Takashi Harakawa
崇 原川
栄仁 松崎
Sakahito Matsuzaki
栄仁 松崎
雅司 小林
Masashi Kobayashi
雅司 小林
直久 大島
Naohisa Oshima
直久 大島
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Abstract

【課題】高熱伝導化を実現する為に必要なマイカテープ中の最低マイカ量を実現しつつ、かつ1/2ラップ巻におけるラップ部のくびれにおいてマイカ層の厚みを保持することのできる回転電機用コイル絶縁の絶縁方法、回転電機用のマイカ絶縁層、回転電機用固定子コイルおよび回転電機を得ることにある。
【解決手段】マイカ層1と、ガラス材上に無機フィラーを配置した高熱伝導充填層2で構成されるマイカテープ5を、回転電機コイルの導体部の外周へ複数回巻き回して絶縁層を形成する回転電機用のマイカ絶縁層14であって、第一のマイカテープ5aとこの第一のマイカテープ5aの内側または外側に接して配置される第二のマイカテープ5bの表裏を異なる配置にし、かつ第一のマイカテープ5aと第二のマイカテープ5bをずらしてマイカ絶縁層を形成することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、高熱伝導と、高い耐電圧特性を有する回転電機用マイカ絶縁層の製造方法、回転電機用のマイカ絶縁層、回転電機用固定子コイルおよび回転電機に関するものである。
発電機や大型の電動機の固定子コイル主絶縁には、複数の素線を束ねた導体の周囲に、電気絶縁性を付与することを目的としてマイカテープを複数回巻き回した後に成形した主絶縁層が形成されている。
このような回転電気で使用される固定子コイル12は図2に示すように、固定子鉄心11に形成されたスロット17に収容され、スペーサー16を介して例えば上下2段に配置されると共に、ウェッジ15によってスロット17内に固定される。固定子コイル12は、コイル導体13と、コイル導体13の外周部にマイカテープ3を巻回し、加圧及び加熱することによって形成されたマイカ絶縁層14とを備える。
このマイカテープ3は図3に示すように、マイカ紙1と裏打ち材であるガラス基材2を貼り合わせ、場合によっては接着材を付与したプリプレグタイプのものや、接着剤を少量付与したドライタイプのものがある。そして、従来の実施の形態においては、上記マイカテープの第一のマイカテープと第二のマイカテープは表裏が同じくするように1/2ラップ巻によって形成されていた。
WO2015−053374 特開2007−95490号公報 特開2015−231322号公報
このような構成のマイカテープを用いることで、無機充填材を用いないマイカテープに比べて高い熱伝導率を発揮することが可能であるが、さらに高い熱伝導率を達成する為には、熱伝導率の低いマイカ層の厚みを減じ、充填剤の付与されている層の厚みの割合を増やすことが必要となる。しかしながら、上述した方法において、マイカテープを巻く際に、通常用いられることのある1/2ラップ巻においては、ラップ部におけるくびれの部位においてマイカ量が減じることがあり、一定の耐電圧特性を発揮する為に必要なマイカ層の厚みを発揮することが不可能となる課題がある。
本実施形態は、マイカ層と、ガラス材上に無機フィラーを配置した高熱伝導充填層で構成されるマイカテープを、回転電機コイルの導体部の外周へ複数回巻き回して絶縁層を形成する回転電機用のマイカ絶縁層であって、第一のマイカテープとこの第一のマイカテープの内側または外側に接して配置される第二のマイカテープの表裏を異なる配置にし、かつ第一のマイカテープと第二のマイカテープをずらしてマイカ絶縁層を形成することを特徴とする。
また本実施形態は、マイカ層と、ガラス材上に無機フィラーを配置した高熱伝導充填層で構成されるマイカテープを、回転電機コイルの導体部の外周へ複数回巻き回して絶縁層を形成する回転電機用コイル絶縁の製造方法であり、前記マイカテープを構成する第一のマイカテープとこの第一のマイカテープの内側または外側に接して配置される第二のマイカテープを巻き回して形成され、第一のマイカテープと第二のマイカテープの表裏を異なる配置にし、かつ第一のマイカテープと第二のマイカテープをずらしながら巻くことを特徴とする。
さらに、本実施形態に係る回転電機用固定子コイルは、上記回転電機用のマイカ絶縁層を用いたことを特徴とする。
さらにまた、本実施形態に係る回転電機は、上記回転電機用固定子コイルを用いたことを特徴とする。
本発明の実施形態は、高熱伝導化を実現する為に必要なマイカテープ中の最低マイカ量を実現しつつ、かつ1/2ラップ巻におけるラップ部のくびれにおいてマイカ層の厚みを保持することのできる回転電機用コイル絶縁の絶縁方法、回転電機用のマイカ絶縁層、回転電機用固定子コイルおよび回転電機を得ることが出来る。
本発明の第1の実施形態の要部を示す回転電機用のマイカ絶縁層の断面図。 回転電機の固定子のスロット出口部の従来例を示す斜視図。 図2に示したマイカテープの絶縁被覆体の断面図。
以下、図面を参照してこの発明に係る実施形態を説明する。 なお、本発明に係る実施形態の説明において図2、図3と同一部分には図1において同一符号を付し、また回転電機用固定子コイルおよび回転電機の構成の説明を省略する。
図1は、本発明の第1の実施形態の要部を示す回転電機用のマイカ絶縁層の断面図である。
図1において、マイカテープ5はマイカ層1と、裏打ち層に充填無機フィラー層を塗布した高熱伝導充填層2から構成される。
このマイカテープ5には、接着性の樹脂、具体的には酸無水物硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物を用い、この樹脂組成物を半硬化状態化(Bステージ化)して、プリプレグ状にしたものを用いている。
また高熱伝導充填層2を構成する無機フィラー層のフィラーには、電気絶縁性を有するフィラーであれば良いが、裏打ち層にガラス材(布、基材)を用いた場合は、モース硬度が1~7の範囲にあるものが良く、熱伝導性に優れたフィラーとして酸化マグネシウムなどが挙げられる。
さらに、マイカテープ5に具備される無機フィラーを配置した高熱伝導充填層2が、この高熱伝導充填層2を構成するガラス布上に配置された第一の無機フィラー層と、さらにその第一の無機フィラー層上へ第二の無機フィラー層を配置し、この第二の無機フィラー層は第一の無機フィラー層よりもモース硬度が低く構成している。
このような構成の無機フィラー層においては、上述の第一のマイカテープ5aと第二のマイカテープ5bの表裏を逆にした構成におけるラップ部のくびれの部位において、第二の無機フィラー層が第一の無機フィラー層間に配置されることになり、しかも第一の無機フィラーよりもモース硬度が低いことがこの部位の過度な力を減じ、ひいてはマイカやガラス布の損傷を抑制する。
また、この第二の無機フィラー層はアスペクト比が5以上であることが望ましい。これは、アスペクト比の高い(5以上)無機フィラー層の場合、テープを巻き回した後の加熱加圧時において、無機フィラー層自身が変形することによって、マイカ層の減肉を抑制する効果による。
マイカ層の厚みとしては熱伝導性の観点からは薄い方が良く、具体的にはマイカ張り込み量が、100g/m2以下のものを使用することが多く、本例ではマイカ張り込み量を60g/mとしたものを用いた。
このような構成にて製作されたマイカテープ5を第一のマイカテープ5aと第二のマイカテープ5bの2巻を同時に角柱状のアルミバーへ所定回数巻き付けた後、加熱加圧処理を行ってマイカ絶縁層14を形成した。この時、第一のマイカテープ5aとこの第一のマイカテープ5aの内側または外側に接して配置される第二のマイカテープ5bは、各々第一のマイカテープ5aと第二のマイカテープ5bの表裏が逆になるように巻くことを実施した。
本発明の実施の形態において製作されたマイカ絶縁層、および従来例の方法によって製作されたマイカ絶縁層を切断し、断面の様相を観察を実施した。
その結果、従来例においては、重ね部の端面におけるくびれのマイカ層の厚みが0.08mmであったのに対し、本発明の第一の実施の形態においてはマイカ層の厚みが0.16mmであった。
次に、本発明の実施のコイルの電気試験を実施し、階段昇圧方法によって絶縁破壊電圧を測定したところ従来例によって製作された絶縁に対して良好な絶縁特性を示した。
よって、本発明の第1の実施形態によって、第一のマイカテープ5aと第二のマイカテープ5bが重なり合う部位における端面でのマイカ層の厚みが2層分確保されることにより、マイカ層の厚みが薄く設計されたマイカテープにおいても、硬化後においても一定のマイカ層厚みが保持され。電圧印加時における耐電圧特性を保持させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。
これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。
これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…マイカ紙(マイカ層)
2…ガラス基材(高熱伝導充填層)
3、5…マイカテープ(絶縁被覆体)
5a…第一のマイカテープ
5b…第二のマイカテープ
11…固定子鉄心
12…固定子コイル
13…コイル導体
14…マイカ絶縁層
15…ウェッジ
16…スペーサー
17…スロット

Claims (8)

  1. マイカ層と、ガラス材上に無機フィラーを配置した高熱伝導充填層で構成されるマイカテープを、回転電機コイルの導体部の外周へ複数回巻き回して絶縁層を形成する回転電機用のマイカ絶縁層であって、第一のマイカテープとこの第一のマイカテープの内側または外側に接して配置される第二のマイカテープの表裏を異なる配置にし、かつ第一のマイカテープと第二のマイカテープをずらしてマイカ絶縁層を形成することを特徴とする回転電機用のマイカ絶縁層。
  2. 前記第一のマイカテープと前記第二のマイカテープはテープ幅の1/2ずらして配置されることを特徴とする請求項1記載の回転電機用のマイカ絶縁層。
  3. 前記マイカテープに具備される無機フィラーを配置した高熱伝導充填層が、この高熱伝導充填層を構成するガラス布上に配置された第一の無機フィラー層と、さらにその第一の無機フィラー層上へ第二の無機フィラー層を配置し、この第二の無機フィラー層は前記第一の無機フィラー層よりもモース硬度が低いことを特徴とする請求項1または請求項2記載の回転電機用のマイカ絶縁層。
  4. 前記第二の無機フィラー層のフィラーは、アスペクト比が5以上であることを特徴とする請求項3記載の回転電機用のマイカ絶縁層。
  5. マイカ層と、ガラス材上に無機フィラーを配置した高熱伝導充填層で構成されるマイカテープを、回転電機コイルの導体部の外周へ複数回巻き回して絶縁層を形成する回転電機用コイル絶縁の製造方法であり、前記マイカテープを構成する第一のマイカテープとこの第一のマイカテープの内側または外側に接して配置される第二のマイカテープを巻き回して形成され、第一のマイカテープと第二のマイカテープの表裏を異なる配置にし、かつ第一のマイカテープと第二のマイカテープをずらしながら巻くことを特徴とする回転電機用マイカ絶縁層の製造方法。
  6. 前記第一のマイカテープと前記第二のマイカテープはテープ幅の1/2ずらしながら巻くことを特徴とする請求項5記載の回転電機用マイカ絶縁層の製造方法。
  7. 請求項1から4のいずれか1項記載の回転電機用のマイカ絶縁層を用いたことを特徴とする回転電機用固定子コイル。
  8. 請求項7記載の回転電機用固定子コイルを用いたことを特徴とする回転電機。
JP2016173054A 2016-09-05 2016-09-05 回転電機用マイカ絶縁層の製造方法、回転電機用のマイカ絶縁層、回転電機用固定子コイルおよび回転電機 Pending JP2018042325A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112564364A (zh) * 2020-12-18 2021-03-26 重庆赛力盟电机有限责任公司 一种高压电机的绝缘结构

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