JP2018041698A - 絶縁電線およびケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】難燃性、機械特性および電線加工性に優れ、燃焼時に有毒ガスを発生させない絶縁電線およびケーブルを提供する。【解決手段】導体と、導体の外周に設けられる絶縁層と、を備え、絶縁層は、導体側に位置する内層と、内層の外周に設けられる外層とを有し、内層は、主鎖に芳香環を有し、窒素原子を含まない熱可塑性樹脂(a1)を含むベースポリマ(A)を含有するノンハロゲン樹脂組成物から形成され、外層は、ポリオレフィン成分を含むベースポリマ(B)とノンハロゲン難燃剤とを含むノンハロゲン難燃性樹脂組成物を架橋させた架橋物から形成され、内層の厚さが0.03mm以上であって絶縁層の厚さの70%以下である、絶縁電線が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁電線およびケーブルに関する。
鉄道車両や自動車、電機機器などに使用される絶縁電線は、火災にあったり、例えば他部材との接触や絶縁電線同士での擦れによって摩耗したりすることがある。そのため、このような条件下でも安定して機能できるように、絶縁電線には難燃性や耐摩耗性が求められている。
絶縁層の難燃性を向上させる方法としては、絶縁層の形成材料に、例えばポリ塩化ビニルなどの難燃性に優れるポリマを用いたり、ハロゲン系難燃剤を配合したりする方法が知られている。しかし、近年、火災時の安全性や環境負荷を低減する観点から、ハロゲンを含まないノンハロゲン材料が使用されるようになっている。
ノンハロゲン材料としては、例えば、ポリオレフィンに金属水酸化物などのノンハロゲン難燃剤を配合した樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
これら樹脂組成物は、絶縁層においてカットスルー特性や耐摩耗性などの機械特性を向上させる観点からは一般に架橋され、架橋度が高くなるようにする。
特開2013−18932号公報
しかしながら、絶縁層においてより高い機械特性を得るために架橋度を向上させると、絶縁電線の電線加工性が損なわれることがある。すなわち、架橋は、ポリマ同士の化学的な結合を強めてポリマにゴム弾性を発現させるが、絶縁層の架橋度を高くすると、絶縁層のゴム弾性が大きくなることで、絶縁層が塑性変形しにくくなり、絶縁電線の電線加工性が低くなるおそれがある。そのため、絶縁電線においては、難燃性、機械特性および電線加工性を高い水準でバランスよく得ることが困難となっている。
また、近年、絶縁電線には燃焼時にシアンガスやNOガスなどの人体に有毒なガスを発生させないことが求められている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、難燃性、機械特性および電線加工性に優れ、燃焼時に有毒ガスを発生させない絶縁電線およびケーブルを提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、
導体と、前記導体の外周に設けられる絶縁層と、を備え、
前記絶縁層は、前記導体側に位置する内層と、前記内層の外周に設けられる外層とを有し、
前記内層は、主鎖に芳香環を有し、窒素原子を含まない熱可塑性樹脂(a1)を含むベースポリマ(A)を含有するノンハロゲン樹脂組成物から形成され、
前記外層は、ポリオレフィン成分を含むベースポリマ(B)とノンハロゲン難燃剤とを含むノンハロゲン難燃性樹脂組成物を架橋させた架橋物から形成され、
前記内層の厚さが0.03mm以上であって前記絶縁層の厚さの70%以下である、絶縁電線が提供される。
本発明の他の態様によれば、
導体の外周に絶縁層が設けられた絶縁電線を含むコアと、
前記コアの外周に設けられるシースと、を備え、
前記絶縁層は、前記導体側に位置する内層と、前記内層の外周に設けられる外層とを有し、
前記内層は、主鎖に芳香環を有し、窒素原子を含まない熱可塑性樹脂(a1)を含むベースポリマ(A)を含有するノンハロゲン樹脂組成物から形成され、
前記外層は、ポリオレフィン成分を含むベースポリマ(B)とノンハロゲン難燃剤とを含むノンハロゲン難燃性樹脂組成物を架橋させた架橋物から形成され、
前記内層の厚さが0.03mm以上であって前記絶縁層の厚さの70%以下である、ケーブルが提供される。
本発明によれば、難燃性、機械特性および電線加工性に優れ、燃焼時に有毒ガスを発生させない絶縁電線およびケーブルが得られる。
本発明の一実施形態に係る絶縁電線の長さ方向に垂直な断面図である。
<絶縁電線の構成>
以下、本発明の一実施形態に係る絶縁電線について図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る絶縁電線の長さ方向に垂直な断面図である。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
図1に示すように、本実施形態の絶縁電線1は、導体11と、内層13および外層14を有する絶縁層12とを備えて構成される。
(導体)
導体11としては、通常用いられる金属線、例えば銅線、銅合金線の他、アルミニウム線、金線、銀線などを用いることができる。また、金属線の外周に錫やニッケルなどの金属めっきを施したものを用いてもよい。さらに、金属線を撚り合わせた集合撚り導体を用いることもできる。
(絶縁層)
上述したように、ポリオレフィン成分を用いて絶縁層を形成する際に、所望の機械特性(例えば耐摩耗性やカットスルー特性など)を得る観点からは架橋度を高くする必要がある。しかし、ポリオレフィン成分を架橋度が高くなるように架橋させると、絶縁層が塑性変形しにくくなり、電線加工性が低くなってしまう。このことから、本実施形態では、絶縁層12を、架橋により塑性変形しにくくなるポリオレフィン成分のみで形成するのではなく、ポリオレフィン成分と比べて架橋させても塑性変形しやすく電線加工性を損ねない、主鎖に芳香環を有する熱可塑性樹脂を用いて形成する。具体的には、絶縁層12を内層13および外層14を有する積層構造とし、その内層13を主鎖に芳香環を有する熱可塑性樹脂で形成し、外層14をポリオレフィン成分で形成する。また、絶縁層12の燃焼時にシアンガスなどの有毒ガスが発生しないように、上記熱可塑性樹脂としては、窒素原子を含まないものを用いる。これにより、絶縁層12の表面を架橋度が高くなるようにして耐摩耗性などの機械特性を高くしつつ、絶縁層12の内部を塑性変形しやすくして電線加工性を維持することができる。また、内層13を窒素原子を含まない熱可塑性樹脂で形成することで、絶縁層12の燃焼時に有毒ガスが発生することを抑制できる。しかも、絶縁層12における外層14を形成するポリオレフィン成分にはノンハロゲン難燃剤を多く配合することができるので、所望の高い難燃性を得ることができる。このように絶縁層12を形成することにより、絶縁層12において、燃焼による有毒ガスの発生を抑制しつつ、難燃性、機械特性および電線加工性を高い水準でバランスよく得ることができる。
以下、絶縁層12を構成する内層13および外層14について具体的にする。
(内層)
内層13は、導体11の外周に設けられている。内層13は、主鎖に芳香環を有し、窒素原子を含まない熱可塑性樹脂(a1)を含むベースポリマ(A)を含有するノンハロゲン樹脂組成物から形成される。例えば、ノンハロゲン樹脂組成物を導体11の外周に押し出して成形することにより形成される。内層13は熱可塑性樹脂(a1)で形成されることで、塑性変形しやすく、絶縁層12の電線加工性を維持することができる。なお、熱可塑性樹脂(a1)は架橋させても塑性変形しやすいので、内層13は架橋させてもよく、ノンハロゲン樹脂組成物を架橋させた架橋物から形成されてもよい。また、本実施形態では、内層13は難燃性に優れる外層14で被覆されるとともに、外層14の厚さを絶縁層12の厚さに対して所定の比率として所望の難燃性を維持するようにしているので、内層13には難燃剤を配合しなくてもよい。
内層13を形成するノンハロゲン樹脂組成物は、主鎖に芳香環を有し、窒素原子を含まない熱可塑性樹脂(a1)(以下、(a1)成分ともいう)を含むベースポリマ(A)を含有する。
主鎖に芳香環を有し、窒素原子を含まない熱可塑性樹脂(a1)は、架橋させてもポリオレフィン成分よりも塑性変形しやすい。それは、(a1)成分が、芳香環同士で相互作用(π−π相互作用)しており、歪を加えたときに隣接する芳香環と相互作用しやすいため、と考えらえる。また、化学構造中に窒素原子を含まないので、燃焼したときでも、窒素原子に由来するシアンガスやNOガスなどの有毒なガスを発生させない。
熱可塑性樹脂(a1)としては、ノンハロゲンであって、主鎖に芳香環を有し、窒素原子を含まないエンジニアリングプラスチックであることが好ましく、例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、およびポリエーテルエーテルケトンの少なくとも1つを用いることができる。この中でも、融点が低く押出成形しやすいことから、ポリブチレンテレフタレートおよびポリブチレンナフタレートの少なくとも1つが好ましい。なお、芳香環を有する熱可塑性樹脂としては、ポリアミドやポリエーテルイミドなども考えられるが、これらは窒素原子を含有し、燃焼時に有毒ガスを発生させてしまう。
ベースポリマ(A)は、内層13の耐熱老化性を向上させる観点から、熱可塑性樹脂(a1)以外に、(a1)成分よりもガラス転移温度の低い加熱脆化抑制剤(a2)(以下、(a2)成分ともいう)を含有することが好ましい。(a1)成分はガラス転移温度Tgが35℃以上であって常温よりも高く硬質であるため、(a1)成分を含む内層13は加熱されたときに結晶化することで脆化するおそれがある。しかし、(a1)成分よりもTgが低い(a2)成分によれば、(a1)成分に比べて軟質であるため、内層13に含有させることで、(a1)成分の結晶化によって内層13に生じる応力を緩和して脆化を抑制でき、内層13の耐熱老化性を向上させることができる。
(a2)成分としては、ガラス転移温度Tgが(a1)成分よりも低く、常温(20℃)以下であり、かつ(a1)成分と相溶しやすい樹脂成分が好ましい。例えば、変性ポリオレフィン共重合体、変性シリコーン、変性スチレン系エラストマなどを用いることができる。具体的には、変性ポリオレフィン共重合体としては、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−ブテン共重合体などのポリオレフィン共重合体を無水マレイン酸、アミノ基、イソシアネート基およびグリシジル基の少なくとも1つで変性したものを用いることができる。変性スチレン系エラストマとしては、例えばブタジエン−スチレン共重合体を変性したものを用いることができる。これらの中でも(a1)成分との相溶性が高いことから、変性ポリオレフィン共重合体が好ましく、グリシジル変性したエチレン−アクリル酸エステル共重合体がより好ましい。この共重合体としては、例えばエチレン−グリシジルメタクリレート等を用いることができる。
加熱脆化抑制剤(a2)の配合量は、特に限定されないが、内層13の耐熱老化性を向上させる観点からは、熱可塑性樹脂(a1)と(a2)成分との合計100質量部に対して5質量部以上とすることが好ましい。一方、(a2)成分の配合量が増えると、(a1)成分の割合が低くなり、内層13の機械特性(特にカットスルー特性)を低下させて破断させやすくするおそれがある。そのため、(a1)成分と(a2)成分の合計100質量部に対して40質量部以下とすることが好ましい。すなわち、(a2)成分の配合量を(a1)成分と(a2)成分の合計100質量部に対して5質量部〜40質量部とすることにより、内層13の耐熱老化性とともに機械特性を向上させることができる。
なお、内層13を形成する樹脂組成物には、架橋方法に応じて架橋剤や架橋助剤を配合させるとよい。架橋方法としては、有機過酸化物や硫黄化合物、あるいはシラン化合物を用いた化学架橋、電子線や放射線による照射架橋、その他の化学反応を利用した架橋法があるが、いずれの架橋方法でも適用することができる。
また、その他の添加剤としては、架橋剤や架橋助剤以外に、難燃剤、難燃助剤、紫外線吸収剤、光安定剤、軟化剤、滑剤、着色剤、補強剤、界面活性剤、無機充填剤、酸化防止剤、可塑剤、金属キレート剤、発泡剤、相溶化剤、加工助剤、安定剤など添加することができる。
(外層)
内層13の外周には外層14が設けられている。外層14は、ポリオレフィン成分を含むベースポリマ(B)とノンハロゲン難燃剤とを含むノンハロゲン難燃性樹脂組成物を架橋させた架橋物から形成される。例えば、ノンハロゲン難燃性樹脂組成物を内層13の外周に押し出して成形し架橋させることにより形成される。外層14は、ポリオレフィン成分を架橋させて形成されており、耐摩耗性やカットスルー特性などの機械特性に優れている。また、外層14はノンハロゲン難燃剤を多く含有するため難燃性に優れている。また、ポリオレフィン成分から形成される外層14は、内層13と同様に窒素原子を含まないので、燃焼時に有毒ガスを発生させない。なお、外層14は、架橋によりゴム弾性が大きく、塑性変形しにくいので、絶縁電線1の電線加工性を損ねるおそれがあるが、本実施形態では、後述するように絶縁層12の一部として厚さが薄くなるように形成されているため、電線加工性を大きく損ねることがない。
外層14を形成するノンハロゲン難燃性樹脂組成物は、ポリオレフィン成分を含むベースポリマ(B)とノンハロゲン難燃剤とを含有する。
ベースポリマ(B)は、ノンハロゲンであるポリオレフィン成分を含む。ポリオレフィン成分としては、特に限定されないが、外層14の機械特性を向上させる観点からは、融点が120℃以上のポリオレフィン(b1)(以下、(b1)成分ともいう)を含むことが好ましい。融点が120℃以上となる(b1)成分は、結晶化度が比較的高く、機械特性に優れている。このような(b1)成分としては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、およびポリプロピレンなどを用いることができる。この中でも、外層14の機械特性をより向上できることからHDPEがより好ましい。なお、本明細書において、融点は、DSC法により測定される融点のピーク温度を示す。
また、ベースポリマ(B)は、(b1)成分とは別に、融点が120℃未満のポリオレフィン(b2)(以下、(b2)成分ともいう)を含有することが好ましい。(b2)成分は、(b1)成分と比べて融点が低く、結晶化度が小さいため、機械特性には劣るものの、添加剤の受容性(いわゆるフィラー受容性)に優れ、ノンハロゲン難燃剤を多く配合することが可能である。すなわち、(b1)成分とともに(b2)成分を併用することにより、外層14に配合するノンハロゲン難燃剤の配合量を増やし、難燃性を向上させることができる。このような(b2)成分としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、およびブタジエン−スチレン共重合体などを用いることができる。この中でも、外層14の難燃性を向上できることからエチレン−アクリル酸エステル共重合体がより好ましい。この共重合体によれば、外層14が燃焼する際に炭化層を形成し燃焼を抑制することができる。
また、ベースポリマ(B)は、(b1)成分および(b2)成分とは別に、酸変性ポリオレフィン(b3)(以下、(b3)成分ともいう)を含有することが好ましい。(b3)成分は、酸変性されていることで(b1)成分や(2b)成分と比べてノンハロゲン難燃剤と強固に結合することができ、外層14の機械特性を向上させることができる。(b3)成分としては、例えば、(b1)成分や(b2)成分を不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性したものを用いることができる。変性させる不飽和カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。この中でも、エチレン−アクリル酸エステル共重合体をマレイン酸変性させた、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体が好ましい。
ベースポリマ(B)は、(b1)成分〜(b3)成分を合計100質量部としたとき、(b1)成分を1質量部〜40質量部、(b2)成分を5質量部〜40質量部、(b3)成分を5質量部〜50質量部、含有することが好ましい。このような比率で(b1)成分〜(b3)成分を含有することにより、外層14において難燃性と機械特性とを高い水準でバランスよく得ることができる。
ベースポリマ(B)に含まれるノンハロゲン難燃剤としては、公知の化合物を用いることができ、例えば、金属水酸化物やクレー、シリカ、スズ酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、ホウ酸カルシウム、水酸化ドロマイド、シリコーンなどを用いることができる。この中でも、金属水酸化物である水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどが好ましく、脱水反応が350℃と他の金属水酸化物よりも高く、難燃性をより向上できることから水酸化マグネシウムがより好ましい。これらノンハロゲン難燃剤は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。なお、金属水酸化物は、ベースポリマ(B)への分散性の観点から、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、ステアリン酸などの脂肪酸などによって表面処理されていてもよい。高い耐熱性が必要とされる場合、シランカップリング剤で表面処理するとよい。
ノンハロゲン難燃剤の配合量は、絶縁電線1に要求される難燃性に応じて適宜変更することができる。絶縁電線1において所望の難燃性を得る観点からはベースポリマ(B)100質量部に対して100質量部以上とすることが好ましい。一方、ノンハロゲン難燃剤の配合量が増えると、外層14の低温特性が低下するおそれがあるので、250質量部以下とすることが好ましい。すなわち、ノンハロゲン難燃剤の配合量をベースポリマ(B)100質量部に対して100質量部〜250質量部とすることにより、外層14において難燃性とともに低温特性を得ることができる。
なお、外層14を形成する難燃性樹脂組成物には、内層13を形成する樹脂組成物と同様に、架橋方法に応じて架橋剤や架橋助剤を配合させるとよい。また、その他の添加剤としては、架橋剤や架橋助剤以外に、難燃助剤、紫外線吸収剤、光安定剤、軟化剤、滑剤、着色剤、補強剤、界面活性剤、無機充填剤、酸化防止剤、可塑剤、金属キレート剤、発泡剤、相溶化剤、加工助剤、安定剤など添加することができる。
(絶縁層の積層構造)
上述したように、内層13は、塑性変形しやすいので絶縁電線1の電線加工性に寄与するが、多くのノンハロゲン難燃剤を配合する外層14に比べて難燃性が低く、絶縁層12の難燃性を低下させるおそれがある。一方、外層14は、絶縁層12の機械特性および難燃性に寄与するが、塑性変形しにくいため電線加工性を低下させるおそれがある。本実施形態では、絶縁層12を内層13および外層14で構成するとともに、内層13の厚さを0.03mm以上であって、絶縁層12の厚さの70%以下とする。内層13の厚さを0.03mm以上とすることで、絶縁層12の塑性変形のしやすさを大きく損なうことなく、電線加工性を維持することができる。また、内層13の厚さを絶縁層12の厚さの70%以下とすることで、難燃性、機械特性および電線加工性を高い水準でバランスよく得ることができる。さらに、内層13および外層14はともに窒素原子を含まないので、燃焼時に有毒なガスを発生させない。なお、絶縁層12の厚さは、内層13および外層14の合計の厚さに対応する。
内層13の厚さは、0.03mm以上であって、絶縁層12の厚さの70%以下であれば、特に限定されないが、絶縁層12の厚さの1%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましい。このような比率とすることにより、絶縁層12において諸特性をバランスよく得ることができる。
<絶縁電線の製造方法>
次に、上述した絶縁電線1の製造方法について説明する。
まず、上述の材料を混練することにより内層13を形成する樹脂組成物を調製する。その方法は公知の手段を用いることができ、例えば、予めヘンシェルミキサー等の高速混合装置を用いてブレンドした後、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールミル等の公知の混練機を用いて混練することにより、樹脂組成物を得る。これと同様にして、外層14を形成する難燃性樹脂組成物も調製する。
続いて、押出機を用いて、導体11の外周上に樹脂組成物を所定の厚さで押し出し、内層13を形成する。さらに、内層13の外周上に、難燃性樹脂組成物を所定の厚さで押し出し、外層14を形成する。その後、例えば、内層13および外層14に電子線を照射して架橋させることにより、本実施形態の絶縁電線1を得る。なお、内層13および外層14は、各樹脂組成物を同時に押し出して形成してもよい。
<ケーブルの構成>
次に、上述した絶縁電線1を備えるケーブルについて説明する。
ケーブルは、例えば、複数本の絶縁電線1を撚り合わせたコアの外周にシースを備えて構成されている。上述したように、絶縁電線1は電線加工性および機械特性に優れているので、複数本の絶縁電線1を撚り合わせてコアを形成する際、絶縁電線1を加工して良好に撚り合わせながらも、絶縁層12の損傷を抑制することができる。
なお、シースは公知の成分で形成することができ、特に限定されない。また、ケーブルのコアを構成する絶縁電線1は複数本に限定されず、1本でもよい。
次に、本発明について実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
実施例および比較例で用いた材料は次のとおりである。
・ポリブチレンテレフタレート(PBT):三菱化学エンジニアリングプラスチック株式会社製「ノバデュラン5026」(融点224℃、ガラス転移温度50℃)
・高密度ポリエチレン(HDPE):プライムポリマ株式会社製「ハイゼックス5305E」(融点131℃)
・エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA):日本ポリエチレン株式会社製「レクスパールA1150」(融点100℃)
・エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸3元共重合体(M−EEA):アルケマ株式会社製「ボンダインLX4110」(融点107℃)
・エチレン−グリシジルメタクリレート(E−GMA):住友化学株式会社製「ボンドファーストE」(ガラス転移温度−26℃)
・ノンハロゲン難燃剤(水酸化マグネシウム):協和化学株式会社製「キスマ5L」
・酸化防止剤(ペンタエスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]):BASF株式会社製「イルガノックス1010」
・酸化防止剤(2’,3−ビス[[3−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジド):BASF株式会社製「イルガノックスMD1024」
・架橋剤(トリメチロールプロパントメタクリレート):新中村化学株式会社製「TMPT」
・加工助剤(ステアリン酸亜鉛):堺化学株式会社製「SZ−P」
・耐加水分解剤(カルボジイミド変性イソシアネート):日清紡ケミカル株式会社製「カルボジイミド」
<絶縁電線の作製>
(実施例1)
まず、上述の材料を用い、内層用のノンハロゲン樹脂組成物、および外層用のノンハロゲン難燃性樹脂組成物をそれぞれ調製した。
具体的には、二軸押出機(スクリュー径30mm、L/D30)を用いて、下記表1に示すように、主鎖に芳香環を有し、窒素原子を含まない熱可塑性樹脂(a1)であるポリブチレンテレフタレート(PBT)を100質量部と、その他の添加剤2として、カルボジイミドを1質量部と、酸化防止剤(イルガノックスMD1024)を1質量部とを混練し、内層用のノンハロゲン樹脂組成物を調整した。
また、14インチオープンロールを用いて、融点が120℃以上のポリオレフィン(b1)であるHDPEを40質量部と、融点が120℃未満のポリオレフィン(b2)であるEEAを30質量部と、酸変性ポリオレフィン(b3)であるM−EEAを30質量部と、ノンハロゲン難燃剤である水酸化マグネシウムを150質量部と、その他の添加剤1として、酸化防止剤(イルガノックス1010)を2質量部と、架橋剤(TMPT)を4質量部と、加工助剤(ステアリン酸亜鉛)を1質量部とを混練し、外層用のノンハロゲン難燃性樹脂組成物を調製した。
続いて、内層用のノンハロゲン樹脂組成物および外層用のノンハロゲン難燃性樹脂組成物を導体の外周に押出成形して内層および外層を形成し、絶縁電線を作製した。
具体的には、導体として、外径が0.18mmの素線を19本撚り合わせた、外径0.88mmの撚り導体を準備した。続いて、この外周上に、内層用のノンハロゲン樹脂組成物および外層用のノンハロゲン難燃性樹脂組成物をそれぞれ所定の厚さで同時に押し出し、これらに電子線を照射して架橋させることにより、内層および外層を形成し、絶縁電線を作製した。実施例1では、内層の厚さが0.1mm、外層の厚さが0.16mmであって、内層の厚さが絶縁層に対して38%であり、外径が1.4mmの絶縁電線を得た。
Figure 2018041698
(実施例2,3)
実施例2,3では、内層および外層のそれぞれの厚さと内層の比率とを、図1に示すように変更した以外は、実施例1と同様に絶縁電線を作製した。
(実施例4,5)
実施例4,5では、表1に示すように、内層用のノンハロゲン樹脂組成物を調製する際、加熱脆化抑制剤(a2)であるE−GMAをPBTに対して所定の比率となるように配合して調製した以外は、実施例1と同様に絶縁電線を作製した。
(実施例6〜9)
実施例6〜9では、表1に示すように、外層用のノンハロゲン難燃性樹脂組成物を調製する際、ノンハロゲン難燃剤の配合量を150質量部から100質量部、80質量部、250質量部、280質量部にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様に絶縁電線を作製した。
(比較例1)
比較例1では、下記表2に示すように、内層用のノンハロゲン樹脂組成物を調製する際、PBTの代わりにHDPEを使用した以外は、実施例1と同様に絶縁電線を作製した。
Figure 2018041698
(比較例2,3)
比較例2,3では、内層および外層のそれぞれの厚さと内層の比率とを、図2に示すように変更した以外は、実施例1と同様に絶縁電線を作製した。
(比較例4)
比較例4では、表2に示すように、外層用のノンハロゲン難燃性樹脂組成物を調製する際、ノンハロゲン難燃剤を配合しない以外は、実施例1と同様に絶縁電線を作製した。
<評価方法>
作製した絶縁電線を以下の方法により評価した。
(電線加工性)
絶縁電線の電線加工性をEN50305.5.6に準拠して評価した。具体的には、まず、長さ200mmの絶縁電線を垂直にして重りをつけ荷重5.5Nで吊るした。続いて、吊るした絶縁電線を80℃で24時間加熱した後、20℃の温度で72時間保持した。その後、重りを取り外し、絶縁電線を直径7mmのマンドレルを支点として折り曲げ、重りを取り付けて絶縁電線を90°に折り曲げた状態で5分間保持した。そして、重りを取り除き、元に戻ったときの絶縁電線の屈曲角度を測定した。本実施例では、絶縁電線の角度が40°以下であれば、電線加工性に優れているものと判断して「○」、そうでなければ「×」とした。
(カットスルー特性)
絶縁電線の機械特性としてカットスルー特性をEN50305.5.6に準拠して評価した。具体的には、絶縁電線を直径0.45mmのニードルに対して十字となるように配置して荷重を1N/sで徐々に加え、荷重により絶縁層が破れ導体とニードルが接触したときの荷重を測定した。本実施例では、荷重が大きいほど機械特性に優れているものと判断し、荷重が100N以上であれば「◎」、100N未満70N以上であれば「○」、70N未満50N以上であれば「△」、50N未満であれば「×」とした。
(難燃性1)
絶縁電線の難燃性を、EN−50265−2−1に準拠した垂直燃焼試験により評価した。具体的には、絶縁電線を垂直に配置し、その上端から475mmの位置にバーナーの炎を絶縁電線に対して角度45°で60秒間当て、バーナーを取り除いて炎を消した後、絶縁層の燃焼の程度として絶縁層における炭化距離を測定した。本実施例では、炭化距離が短いほど難燃性に優れているものと判断し、炭化距離が300mm未満であれば「◎」、300mm以上400mm未満であれば「○」、400mm以上であれば「△」とした。
(難燃性2)
絶縁電線の難燃性を、JIS C3005に準拠した水平燃焼試験により評価した。具体的には、絶縁電線を水平に保持し、中央の下側からバーナーの炎を10秒間当て、バーナーを取り除いて消火するまでの時間を測定した。本実施例では、消火までの時間が短いほど難燃性に優れているものと評価し、15秒以内に自己消火したものを「○」、自己消火しないものを「×」とした。
(低温特性)
絶縁電線の低温特性を、EN60811−1−4.8.1に準拠して評価した。具体的には、−40℃の雰囲気で、絶縁電線を直径φ5.6mmのマンドレルを巻き付け、絶縁層が割れないものを低温特性に優れるものと評価して「○」、割れたものを「△」とした。
(耐熱老化性)
絶縁電線を170℃の雰囲気に曝露して取り出し、直径φ10mmのマンドレルに巻き付け、絶縁層が割れるまでの曝露時間を測定した。本実施例では、曝露時間が長いほど耐熱老化性に優れているものと評価し、曝露時間が300時間以上を「◎」、200時間以上300時間未満を「○」、100時間以上200時間未満を「△」、100時間未満を「×」とした。
(総合評価)
すべての評価項目にて◎および○のものを「◎」とし、○および△のものを「○」とし、×が含まれるものを「×」とした。
<評価結果>
評価結果を表1および表2にそれぞれ示す。
実施例1〜9では、所定の組成を有する内層の厚さを0.03mm以上、かつ内層の厚さの比率を70%以下の範囲内としたため、難燃性、機械特性、電線加工性、低温特性および耐熱老化性をバランスよく得られることが確認された。また、内層および外層をともに窒素原子を含まないように形成しているので、燃焼時に窒素原子に由来するシアンガスなどの有毒なガスの発生がないことが確認されている。
特に、実施例1,2では、実施例3と比べて、難燃性に劣る内層の厚さの比率を小さくしたため、より高い難燃性を得られることが確認された。
実施例4,5では、内層に加熱脆化抑制剤(a2)を配合することにより、配合しない実施例1よりも耐熱老化性を向上できることが確認された。つまり、電線加工性、機械特性、難燃性および低温特性をバランスよく得ながらも、耐熱老化性をさらに向上できることが確認された。
実施例6〜9では、外層に配合するノンハロゲン難燃剤の配合量をそれぞれ100質量部、80質量部,250質量部、280質量部としたが、所望の高い難燃性を得るには100質量部以上とするとよいことが確認された。一方、低温特性を高く維持する観点からはノンハロゲン難燃剤の配合量を250質量部以下とするとよいことが確認された。
比較例1では、内層にHDPEを用いたため、架橋により絶縁層が塑性変形しにくくなり、電線加工性が損なわれることが確認された。
比較例2では、内層の厚さが0.02mmと薄すぎたため、電線加工性を高く維持できないことが確認された。
比較例3では、難燃性に劣る内層の比率を過度に大きくしたため、絶縁層全体での難燃性を高く維持できないことが確認された。
比較例4では、外層にノンハロゲン難燃剤を配合しなかったため、絶縁層全体で難燃性を高く維持できないことが確認された。
以上のように、本発明によれば、絶縁層を所定の内層および外層で構成することにより、難燃性、機械特性および電線加工性を高い水準でバランスよく得られ、しかも燃焼時に有毒ガスを発生させないようにすることができる。
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
[付記1]
本発明の一態様によれば、
導体と、前記導体の外周に設けられる絶縁層と、を備え、
前記絶縁層は、前記導体側に位置する内層と、前記内層の外周に設けられる外層とを有し、
前記内層は、主鎖に芳香環を有し、窒素原子を含まない熱可塑性樹脂(a1)を含むベースポリマ(A)を含有するノンハロゲン樹脂組成物から形成され、
前記外層は、ポリオレフィン成分を含むベースポリマ(B)とノンハロゲン難燃剤とを含むノンハロゲン難燃性樹脂組成物を架橋させた架橋物から形成され、
前記内層の厚さが0.03mm以上であって前記絶縁層の厚さの70%以下である、絶縁電線が提供される。
[付記2]
付記1の絶縁電線において、好ましくは、
前記熱可塑性樹脂が、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、およびポリエーテルエーテルケトンの少なくとも1つである。
[付記3]
付記1又は2の絶縁電線において、好ましくは、
前記熱可塑性樹脂がポリブチレンテレフタレートおよびポリブチレンナフタレートの少なくとも1つである。
[付記4]
付記1〜3のいずれかの絶縁電線において、好ましくは、
前記内層を形成する前記ノンハロゲン樹脂組成物は、前記熱可塑性樹脂(a1)よりもガラス転移温度が低い加熱脆化抑制剤(a2)を前記ベースポリマ(A)100質量部に対して5質量部以上40質量部以下含有する。
[付記5]
付記4の絶縁電線において、好ましくは、
前記加熱脆化抑制剤(a2)は、変性ポリオレフィン共重合体、変性シリコーン、変性スチレン系エラストマの少なくとも1つである。
[付記6]
付記4又は5の絶縁電線において、好ましくは、
前記加熱脆化抑制剤(a2)は、ガラス転移温度が20℃以下である。
[付記7]
付記4〜6のいずれかの絶縁電線において、好ましくは、
前記加熱脆化抑制剤(a2)が、グリシジル変性したエチレン−アクリル酸エステル共重合体である。
[付記8]
付記4〜7のいずれかの絶縁電線において、好ましくは、
前記加熱脆化抑制剤(a2)がエチレン−グリシジルメタクリレートである。
[付記9]
付記1〜8のいずれかの絶縁電線において、好ましくは、
前記ポリオレフィン成分が、融点が120℃以上のポリオレフィン(b1)を1質量部以上40質量部以下と、融点が120℃未満のポリオレフィン(b2)を5質量部以上40質量部以下と、酸変性ポリオレフィン(b3)を5質量部以上50質量部以下とを、合計100質量部となるように含有する。
[付記10]
付記1〜9のいずれかの絶縁電線において、好ましくは、
前記外層を形成する前記ノンハロゲン難燃性樹脂組成物がベースポリマ(B)100質量部に対して前記ノンハロゲン難燃剤を100質量部以上250質量部以下含有する。
[付記11]
付記1〜10のいずれかの絶縁電線において、好ましくは、
前記ノンハロゲン難燃剤が金属水酸化物である。
[付記12]
付記11の絶縁電線において、好ましくは、
前記金属水酸化物が水酸化マグネシウムである。
[付記13]
本発明の他の態様によれば、
導体の外周に絶縁層が設けられた絶縁電線を含むコアと、
前記コアの外周に設けられるシースと、を備え、
前記絶縁層は、前記導体側に位置する内層と、前記内層の外周に設けられる外層とを有し、
前記内層は、主鎖に芳香環を有し、窒素原子を含まない熱可塑性樹脂(a1)を含むベースポリマ(A)を含有するノンハロゲン樹脂組成物から形成され、
前記外層は、ポリオレフィン成分を含むベースポリマ(B)とノンハロゲン難燃剤とを含むノンハロゲン難燃性樹脂組成物を架橋させた架橋物から形成され、
前記内層の厚さが0.03mm以上であって前記絶縁層の厚さの70%以下である、ケーブルが提供される。
1 絶縁電線
11 導体
12 絶縁層
13 内層
14 外層

Claims (8)

  1. 導体と、前記導体の外周に設けられる絶縁層と、を備え、
    前記絶縁層は、前記導体側に位置する内層と、前記内層の外周に設けられる外層とを有し、
    前記内層は、主鎖に芳香環を有し、窒素原子を含まない熱可塑性樹脂(a1)を含むベースポリマ(A)を含有するノンハロゲン樹脂組成物から形成され、
    前記外層は、ポリオレフィン成分を含むベースポリマ(B)とノンハロゲン難燃剤とを含むノンハロゲン難燃性樹脂組成物を架橋させた架橋物から形成され、
    前記内層の厚さが0.03mm以上であって前記絶縁層の厚さの70%以下である、絶縁電線。
  2. 前記熱可塑性樹脂(a1)が、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、およびポリエーテルエーテルケトンの少なくとも1つである、請求項1に記載の絶縁電線。
  3. 前記内層を形成する前記ノンハロゲン樹脂組成物は、前記熱可塑性樹脂(a1)よりもガラス転移温度が低い加熱脆化抑制剤(a2)を前記ベースポリマ(A)100質量部に対して5質量部以上40質量部以下含有する、請求項1又は2に記載の絶縁電線。
  4. 前記加熱脆化抑制剤(a2)は、変性ポリオレフィン共重合体、変性シリコーン、変性スチレン系エラストマの少なくとも1つである、請求項3に記載の絶縁電線。
  5. 前記ポリオレフィン成分が、融点が120℃以上のポリオレフィン(b1)を1質量部以上40質量部以下と、融点が120℃未満のポリオレフィン(b2)を5質量部以上40質量部以下と、酸変性ポリオレフィン(b3)を5質量部以上50質量部以下とを、合計100質量部となるように含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の絶縁電線。
  6. 前記外層を形成する前記ノンハロゲン難燃性樹脂組成物が前記ベースポリマ(B)100質量部に対して前記ノンハロゲン難燃剤を100質量部以上250質量部以下含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の絶縁電線。
  7. 前記ノンハロゲン難燃剤が金属水酸化物である、請求項1〜6のいずれかに記載の絶縁電線。
  8. 導体の外周に絶縁層が設けられた絶縁電線を含むコアと、
    前記コアの外周に設けられるシースと、を備え、
    前記絶縁層は、前記導体側に位置する内層と、前記内層の外周に設けられる外層とを有し、
    前記内層は、主鎖に芳香環を有し、窒素原子を含まない熱可塑性樹脂(a1)を含むベースポリマ(A)を含有するノンハロゲン樹脂組成物から形成され、
    前記外層は、ポリオレフィン成分を含むベースポリマ(B)とノンハロゲン難燃剤とを含むノンハロゲン難燃性樹脂組成物を架橋させた架橋物から形成され、
    前記内層の厚さが0.03mm以上であって前記絶縁層の厚さの70%以下である、ケーブル。
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