JP2018040686A - 吸引回収装置 - Google Patents

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Yuichi Tsukahara
裕一 塚原
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Abstract

【課題】作業員が収容部に近接して作業することを少なくすることができる吸引回収装置を提供する。【解決手段】被回収物11を吸引する吸引部6と、吸引部6で吸引された被回収物11を収容する使い捨て式の収容部7と、吸引部6および収容部7を遠隔操作可能な操作部と、を有する。収容部7には、使い捨て式のフィルタが設けられている。収容部7を揚重可能な揚重部をさらに有し、揚重部は、遠隔操作によって収容部7に着脱可能である。【選択図】図1

Description

本発明は、遠隔操作によって瓦礫などの被回収物を吸引して回収するための吸引回収装置に関する。
福島第一原子力発電所の水素爆発から5年が経過し、原子力発電所の廃止措置工事に着手しつつある中、未だに爆発時に散乱した瓦礫などが放置されている場所が多々ある。これらの瓦礫は高線量であるため、作業員が高線量の瓦礫を直接回収することは困難である。そこで、遠隔作業によって瓦礫などを吸引・収容できる吸引回収装置が出願人によって開発されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−65804号公報
このような吸引回収装置は、吸引した瓦礫を収容するバケットなどの収容部を有している。収容部に収容された瓦礫は、収容部から取り出されて別の容器などに移動されてから処理されている。このため、収容部における瓦礫を取り出すための開口部や開閉機構などに万が一不具合が生じると、作業員が収容部に近接して不具合に対応しなければならない虞がある。
しかしながら、収容部には高線量の瓦礫が収容されているため、作業員が収容部に近接して対応することが困難である。
そこで本発明は、作業員が収容部に近接して行う作業を少なくすることができる吸引回収装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る吸引回収装置は、被回収物を吸引する吸引部と、前記吸引部で吸引された前記被回収物を収容する使い捨て式の収容部と、前記吸引部および前記収容部を遠隔操作可能な操作部と、を有することを特徴とする。
本発明では、収容部が使い捨て式であるため、収容部に収容された被回収物を収容部と共に処分することができる。これにより、収容部に収容された被回収物を収容部から取り出して他の容器などに移す作業が不要となる。このため、被回収物を収容部から取り出す際の不具合が生じることがなく、このような不具合への対応のために作業員が収容部に近接して作業することがない。その結果、作業員が収容部に近接して行う作業を少なくすることができる。
また、本発明に係る吸引回収装置では、前記収容部には、使い捨て式のフィルタが設けられていてもよい。
収容部に設けられているフィルタが使い捨て式のフィルタであることにより、被回収物を処分する際に収容部と共にフィルタも処分することができる。これにより、収容部からフィルタを取り外す作業が不要となり、作業員が収容部に近接して行う作業を少なくすることができる。
また、本発明に係る吸引回収装置では、前記収容部を揚重可能な揚重部をさらに有し、
遠隔操作によって、前記揚重部と前記収容部とが着脱可能に構成されていてもよい。
遠隔操作によって、揚重部と収容部とが着脱可能に構成されているため、作業員が収容部に近接することなく、収容部と揚重部とを着脱することができる。これにより、作業員が収容部に近接することなく、収容部を揚重して所望の位置に移動させることができる。
また、本発明に係る吸引回収装置では、前記揚重部は、揚重された前記収容部を所定の姿勢に維持する姿勢維持機構を有していてもよい。
収容部における被回収物が収容される部分が偏った位置に配置されていると、収容部を揚重した際に収容部が傾く虞がある。また、異なる形態の被回収物が一緒に収容されると、収容部内の重量が均等とならず収容部を揚重した際に収容部が傾く虞がある。これに対し、本発明では、収容部を所定の姿勢に維持する姿勢維持機構を有していることにより、例えば、収容部の姿勢を水平に維持することで揚重した際に収容部が傾くことを防止することができる。
本発明によれば、作業員が収容部に近接して行う作業を少なくすることができる。
本発明の実施形態に係る吸引回収装置を示す側面図である。 本発明の実施形態に係る吸引回収装置を示す正面図である。 揚重部および回収部を示す側面図である。 揚重部および回収部を示す正面図である。 揚重部の取付部および回収部を示す上面図である。
以下、本発明の実施形態に係る吸引回収装置について、図1乃至図5に基づいて説明する。
図1および図2に示す本実施形態による吸引回収装置1は、地面などに散乱した瓦礫などの被回収物11を吸引して回収する装置である。本実施形態では、吸引回収装置1は、放射線の高線量地域に散乱した高線量の被回収物11を吸引して回収するように設定されている。
吸引回収装置1は、被回収物11を吸引して回収する回収部2と、回収部2に電力を供給する動力部3と、回収部2および動力部3が設置される枠部4と、回収部2および動力部3が設置された枠部4を揚重して吊り下げられた状態に支持する支持部5と、作業者が回収部2を遠隔操作可能な操作部(不図示)と、を有している。なお、遠隔操作による作業を確認するための撮影装置などは、適宜設けられている。
図1に示すように、回収部2は、被回収物11を吸引する吸引部6と、吸引部6で吸引された被回収物11を収容する収容部7と、を有している。
吸引部6は、吸引ダクト61と、排気ダクト62と、排気ファン63と、を有している。
吸引ダクト61および排気ダクト62は収容部7と接続されている。排気ファン63が駆動すると、吸引ダクト61から空気が吸引され、吸引ダクト61から吸引された空気が収容部7および排気ファン63を通過して外部へ排出され、吸引ダクト61から空気を吸引する吸引力が発生する。
この吸引力によって、吸引ダクト61の先端から空気と共に被回収物11を吸引するように構成されている。
吸引ダクト61は、延在方向に伸縮可能に構成されている。
排気ファン63は、動力部3から電力が供給されている。
収容部7は、外殻部71と、衝突板72と、収容器73と、第1フィルタ(フィルタ)74と、を有している。衝突板72、収容器73および第1フィルタは、外殻部71の内部に設けられている。
外殻部71は、略直方体の箱状に形成され、吸引ダクト61および排気ダクト62が接続されている。吸引ダクト61から吸引された空気は、外殻部71の内部を通過して排気ダクト62に流れ込むように構成されている。外殻部71は、上部に後述する揚重部8のピン841が挿通可能な孔部711aが形成された吊りピース711が固定されている。本実施形態では、外殻部71の上面の四隅それぞれに吊りピース711が固定されている。
外殻部71は、枠部4に着脱可能で、枠部4に係止された状態と、枠部4の係止が解除された状態と、に切り替え可能に構成されている。これらの切り替えは、作業者が操作部によって遠隔操作することで行われる。
また、吸引ダクト61および排気ダクト62は、外殻部71に着脱可能で、外殻部71に接続された状態と、外殻部71から取り外された状態と、に遠隔操作によって切り替え可能に構成されている。なお、外殻部71から吸引ダクト61および排気ダクト62が取り外されても、外殻部71の内部の被回収物11や空気が外殻部71の外部に流出しないように構成されている。
これにより、収容部7は、吸引ダクト61および排気ダクト62が外され、枠部4の係止が解除されると、枠部4から取り出し可能な状態となる。
衝突板72は、収容部7に吸引された被回収物11が衝突するように被回収物11の動線上に配置されている。衝突板72は、衝突した被回収物11を衝突の衝撃で落下させるために設けられている。図1では、衝突板72には、空気や被回収物11が通過可能な孔部が形成されておらず、空気や被回収物11が通過しないように構成されている。
収容器73は、衝突板72に衝突して落下した被回収物11を収容する容器で、衝突板72の下側に配置されている。
衝突板72と収容器73との間には、吸引部6による空気の流れが形成されている。この空気の流れは、排気ダクト62が接続された外殻部71の排出口712に向かう流れとなっている。このため、衝突板72に衝突して落下した被回収物11が例えば、比較的重量が軽い粉塵などの場合、収容器73まで落下せずに、空気の流れによって衝突板72と収容器73との間を通過して排出口712に向かうことになる。
本実施形態では、排出口712よりも手前側(空気の流れにおける上流側)に第1フィルタ74が設けられている。このため、粉塵などの比較的軽い被回収物11は、第1フィルタ74によって収集される。
第1フィルタ74には、例えばHEPAフィルタ等が用いられている。
このような収容部7は、外殻部71および外殻部71の内部の衝突板72、収容器73、第1フィルタ74などが使い捨て式である。このため、外殻部71から吸引ダクト61および排気ダクト62が取り外されるとともに、外殻部71が枠部4から取り外されると、回収された被回収物11と共に処分することができる。
また、本実施形態では、排気ダクト62に第2フィルタ621が設けられている。第2フィルタ621は、収容部7から排出された空気が通過し、この空気中の粉塵などを収集するように構成されている。第2フィルタ621には、例えばHEPAフィルタなどが用いられている。
枠部4は、鋼材などで組まれていて、内部に回収部2および動力部3が配置されている。本実施形態では、回収部2が上側、動力部3が下側となるように配置されている。
吸引部6の吸引ダクト61は、収容部7の外殻部71に接続された状態で枠部4から突出していて、枠部4に固定された支持部材41に支持されている。
支持部5は、クレーン装置などで、枠部4を吊った状態で、所望の位置に移動するように構成されている。
本実施形態では、排気ダクト62から排気される空気の排気方向を調整可能に構成されている。排気ダクト62から排気される空気の排気方向を調整することにより、支持部5に吊り下げられた状態の枠部4の水平面内における向きを調整可能に構成されている。
具体的には、排気ダクト62の後部側に設けられた旋回ダクト622の向きを調整することで、枠部4の水平面内における向きを調整している。旋回ダクト622は、軸線が略L字形状となるように屈曲した部材で、空気が流入する前部側がその軸線方向が水平方向に延びる向きに配置され、空気が排出される後部側が前部側から上方に延びる向きに配置されている。旋回ダクト622は、前部側の軸線を中心に回動可能に枠部4に設けられている。この旋回ダクト622の前部側の軸線を回動軸線622aとする。
旋回ダクト622の後端部の吹出し口622bから空気が排出されると、排出された空気流の反力によって枠部4が旋回するような偶力が発生する。その結果、枠部4が回収部2および動力部3とともに水平面内において旋回する。枠部4の旋回は、支持部5に吊り下げられた吊り芯を中心としている。
旋回ダクト622を回動軸線622aを中心に回動させることで、後端部の吹出し口622bが開口する向きを調整することができる。これにより、旋回ダクト622から排出される空気流の向きを調整することができ、枠部4の旋回方向を調整することができる。
なお、吹出し口622bが開口する方向を鉛直方向上側とすると、枠部4は水平面内における回動が停止される。
枠部4の向きを変更する場合は、旋回ダクト622から排出される空気流の向きを調整して旋回ダクトを621を回動させる。枠部4の向きが所望の向きとなったら、旋回ダクト622の吹出し口622bを上方に向いた状態として、旋回ダクト622の回動を停止させる。
図3から図5に示すように、本実施形態にかかる吸引回収装置1では、収容部7を枠部4(図1および図2参照)から移動させるための揚重部8を有している。
揚重部8は、収容部7の外殻部71の上部と着脱可能な取付部81と、取付部81を揚重するためのクレーン装置82と、を有している。
取付部81は、クレーン装置82のロープ821が接続される本体部83と、本体部83に支持され収容部7を係止可能な係止部84と、を有している。
本体部83は、平面視形状が外殻部71の上面よりもやや大きい長方形の枠状に形成されている。
係止部84は、本体部83の下側に設けられ、本体部83に支持されている。係止部84は、水平方向に延びるピン841と、ピン841を軸線方向に移動させる電動パワーシリンダ842と、を有している。電動パワーシリンダ842は、操作部による遠隔操作によって駆動可能に構成されている。このため、作業者は、遠隔操作によってピン841を移動させることができる。
取付部81が外殻部71の上部に配置され、電動パワーシリンダ842の駆動によってピン841が移動し、ピン841が吊りピース711の孔部711aに挿通された状態となると、吊りピースがピン841に係止される。これにより、吊りピース711およびピン841を介して取付部81が収容部7に取り付けられた状態となる。この状態において、クレーン装置82で取付部81を揚重すると取付部81と共に収容部7も揚重される。
また、吊りピース711の孔部711aに挿通された状態のピン841を、電動パワーシリンダ842の駆動によって吊りピース711の孔部711aから外すと、取付部81が収容部7から外れた状態となる。
本実施形態では、クレーン装置82には、吊り上げた収容部7を例えば水平姿勢などの所定の姿勢に維持するための姿勢維持機構822が設けられている。姿勢維持機構822は、クレーン装置82のロープ821それぞれに設けられたチェーンブロックで構成されている。姿勢維持機構822は、クレーン装置82のロープ821それぞれの長さを固定可能に構成されている。これにより、収容部7の重心が平面視において偏った位置に配置されていたとしても、収容部7が水平面に対して傾くことを防止できる。例えば、収容部7の収容器73が収容部7の平面視における中心とずれた位置に配置されていて、収容器73に被回収物11が収容された状態となると、長さが可変するロープで吊り上げると、水平面に対して傾くことになる。このような場合に、姿勢維持機構822でロープ821の長さを固定することで収容部7が水平面に対して傾くことを防止できる。
姿勢維持機構822の電源823は、例えば取付部81の上部などに設けられている。
次に、上述した吸引回収装置の作用・効果について図面を用いて説明する。
本実施形態に係る吸引回収装置1では、収容部7が使い捨て式であるため、収容部7に収容された被回収物11を収容部7と共に処分することができる。これにより、収容部7に収容された被回収物11を収容部7から取り出して他の容器などに移す作業が不要となる。このため、被回収物11を収容部7から取り出す際の不具合が生じることがなく、このような不具合への対応のために作業員が収容部7に近接して作業することがない。その結果、作業員が収容部7に近接して行う作業を少なくすることができる。
また、収容部7に設けられている第1フィルタ74が使い捨て式のフィルタであることにより、被回収物11を処分する際に収容部7と共に第1フィルタ74も処分することができる。これにより、収容部7から第1フィルタ74を取り外す作業が不要となり、作業員が収容部7に近接して行う作業を少なくすることができる。
また、収容部7を揚重する揚重部8の取付部81は、遠隔操作によって、収容部7と着脱可能に構成されているため、作業員が収容部7に近接することなく、収容部7と取付部81とを着脱することができる。これにより、作業員が収容部7に近接することなく、収容部7を揚重して所望の位置に移動させることができる。
また、本実施形態に係る吸引回収装置1では、揚重部8は、揚重された収容部7を所定の姿勢に維持する姿勢維持機構822を有している。収容部7において収容器73が偏った位置に配置されていると、収容部7を揚重した際に収容部7が傾く虞がある。また、異なる形態の被回収物11が一緒に収容されると、収容部7の内部の重量が均等とならず収容部7を揚重した際に収容部7が傾く虞がある。これに対し、本実施形態では、収容部7の姿勢を水平に維持する姿勢維持機構822を有していることにより、揚重した際に収容部7が傾くことを防止することができる。
以上、本発明による吸引回収装置の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、被回収物11が放射線で汚染された高線量の瓦礫などであるが、高線量の瓦礫以外でもよい。
また、上記の実施形態では、収容部7に第1フィルタ74が設けられているが、第1フィルタ74が設けられていなくてもよい。また、第1フィルタ74が設けられている場合は第1フィルタ74の形態は上記以外の形態でもよい。また、収容部7の内部についても上記以外の形態でもよい。
また、上記の実施形態では、遠隔操作によって揚重部8の取付部81と収容部7とを着脱可能に構成されているが、作業者が直接揚重部8の取付部81と収容部7とを着脱可能に構成されていてもよい。
また、上記の実施形態では、揚重部8には、揚重された収容部7を所定の姿勢に維持する姿勢維持機構822が設けられているが、姿勢維持機構822が設けられていなくてもよい。姿勢維持機構822はチェーンブロック以外で構成されていてもよい。また、収容部は、姿勢維持機構822によって水平姿勢以外の姿勢に維持されてもよい。
1 吸引回収装置
2 回収部
3 動力部
4 枠部
5 支持部
6 吸引部
7 収容部
8 揚重部
11 被回収物
71 外殻部
72 衝突板
74 第1フィルタ
822 姿勢維持機構

Claims (4)

  1. 被回収物を吸引する吸引部と、
    前記吸引部で吸引された前記被回収物を収容する使い捨て式の収容部と、
    前記吸引部および前記収容部を遠隔操作可能な操作部と、を有することを特徴とする吸引回収装置。
  2. 前記収容部には、使い捨て式のフィルタが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の吸引回収装置。
  3. 前記収容部を揚重可能な揚重部をさらに有し、
    遠隔操作によって、前記揚重部と前記収容部とが着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸引回収装置。
  4. 前記揚重部は、揚重された前記収容部を所定の姿勢に維持する姿勢維持機構を有することを特徴とする請求項3に記載の吸引回収装置。
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