JP2018040536A - 無機繊維質成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリカ含量が70重量%以上のアルカリアースシリケートウールを含み片面加熱で割れ難い無機繊維質成形体を提供することである。
【解決手段】カルシア及びマグネシアから選択される1以上の金属酸化物と、シリカを含み、前記金属酸化物を18〜30重量%、前記シリカを70〜82重量%含む第1の無機繊維と、カルシア及びマグネシアから選択される1以上の金属酸化物と、シリカを含み、前記金属酸化物を18〜50重量%、前記シリカを50重量%以上70重量%未満含む第2の無機繊維とを含む無機繊維質成形体。
【選択図】図4

Description

本発明は、無機繊維質成形体に関する。
アスベストは、軽量で扱いやすく且つ耐熱性に優れるため、断熱材等として使用されていた。しかしアスベストは人体に吸入されて肺に疾患を引き起こすため使用が禁止され、これに代わりに耐熱性セラミック繊維(RCF)が使用されている。耐熱性セラミック繊維は通常シリカを40〜60重量%、アルミナを30〜60重量%含む無機繊維であり、耐熱性がアスベストより高く、健康上の問題はアスベストより低いと考えられているが、依然発がん性が疑われている。そこで、人体に吸入されても問題を起こさない又は起こしにくい生体溶解性無機繊維として様々なアルカリアースシリケート(AES)ウールが開発された。一般的にアルカリアースシリケートウールは、シリカとマグネシア及び/又はカルシアを含む無機繊維であり、通常マグネシアとカルシアを合わせて18〜50重量%、シリカを50〜82重量%含む。
従来の無機繊維は、アスベストと同様に、様々なバインダーや添加物とともに、定形物や不定形物に二次加工されて、熱処理装置、工業窯炉や焼却炉等の炉における目地材、耐火タイル、断熱レンガ、鉄皮、断熱材等として用いられている。使用の際は高温に晒されることが多く、耐熱性を有することが求められている。
さらに、炉内の部材にアルミナが使用されていることが多く、二次加工品に含まれる繊維が、このアルミナと反応し二次加工品や部材が付着したり溶融したりする問題もあった。
AESウールは、一般に耐熱性や耐アルミナ反応性がRCFより劣る。生体溶解性を有しながら、RCFに匹敵する耐熱性及び耐アルミナ反応性を有する無機繊維が研究され開発されている(例えば特許文献1〜3)。これらのAESウールはシリカの含有量が70重量%以上と高く、従来のAESウールに比べ耐熱性が高く、耐熱温度がRCFと同様の1300℃まで達するものもある。
特表2005−515307号公報 特表2005−514318号公報 特開2016−37427号公報
無機繊維を用いた断熱性ボードは、炉内の壁面に貼られることが多く、その場合、炉内側の片面だけが強く加熱され、割れが生じるという問題があった。
本発明の課題は、耐熱性が高いシリカ含量が70重量%以上のAESウールを含み片面加熱で割れ難い無機繊維質成形体を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究の結果、シリカを高含量で含むAESウールからなる成形体では、1100℃まで加熱するとシリカのクリストバライト結晶が生成し、これが割れの原因となることを見い出した。さらに、成形体中におけるこのクリストバライト結晶の生成割合を抑制するために、シリカの含有量の低いAESウールを混合すると、割れを抑えられることを見い出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下の無機繊維質成形体が提供される。
1.カルシア及びマグネシアから選択される1以上の金属酸化物と、シリカを含み、前記金属酸化物を18〜30重量%、前記シリカを70〜82重量%含む第1の無機繊維と、
カルシア及びマグネシアから選択される1以上の金属酸化物と、シリカを含み、前記金属酸化物を18〜50重量%、前記シリカを50重量%以上70重量%未満含む第2の無機繊維と
を含む無機繊維質成形体。
2.前記第1の無機繊維と前記第2の無機繊維の重量比が、第1の無機繊維:第2の無機繊維=5〜95:95〜5である1記載の無機繊維質成形体。
3.前記第1の無機繊維は、前記金属酸化物とシリカを90重量%以上含み、
前記第2の無機繊維は、前記金属酸化物とシリカを90重量%以上含む1又は2記載の無機繊維質成形体。
4.前記第1の無機繊維が以下の成分を以下の含有量で含む1〜3のいずれか記載の無機繊維質成形体。
SiO:70重量%〜82重量%
MgO及びCaOから選択される1以上:18重量%〜30重量%
Al、TiO及びZrOから選択される1以上:0重量%〜6重量%
5.前記第1の無機繊維が以下の成分を以下の含有量で含む1〜4のいずれか記載の無機繊維質成形体。
SiO:72重量%〜82重量%
MgO:8重量%〜22重量%
CaO:4重量%〜14重量%
Al:0重量%〜3重量%
SiO、MgO及びCaOの3成分を主成分とする
6.前記第2の無機繊維が以下の成分を以下の含有量で含む1〜5のいずれか記載の無機繊維質成形体。
SiO:57重量%以上70重量%未満
MgO及びCaOから選択される1以上:30重量%〜43重量%
Al、TiO及びZrOから選択される1以上:0重量%〜3重量%
7.前記第2の無機繊維が以下の成分を以下の含有量で含む1〜6のいずれか記載の無機繊維質成形体。
SiO 58重量%以上70重量%未満
CaO 25〜38重量%
MgO 2〜10重量%
Al 0重量%〜3重量%
8.Si,Ca,Mg及びAlが、ディオプサイド、ワラストナイト、エンスタタイト及びムライトの結晶を最大限生成したと仮定したときの余剰シリカの含有量が50モル%以下である1〜7のいずれか記載の無機繊維質成形体。
9.シリカの含有量が75重量%以下である1〜8のいずれか記載の無機繊維質成形体。
10.1100℃で片面を24時間加熱したとき、割れを生じない1〜9のいずれか記載の無機繊維質成形体。
11.1200℃で片面を24時間加熱したとき、割れを生じない1〜10のいずれか記載の無機繊維質成形体。
本発明によれば、シリカ含量が70重量%以上のAESウールを含み片面加熱で割れ難い無機繊維質成形体が提供できる。
実験例で用いた片面加熱評価炉の概略断面図である。 実験例1(2)で測定した、1100℃で片面加熱したボードの内側、中心、外側部分のXRDチャートである。 実験例3で測定した、混合比が異なるHS1とLS2からなるボードの、1100℃全面加熱後のXRDチャートである。 実験例3で測定した、混合比が異なるHS1とLS2からなるボードの、加熱による収縮率を示すグラフである。
本発明の無機繊維質成形体は、シリカを70重量%以上の高含量で含むAESウールと、シリカを70重量%未満の低含量で含むAESウールを混合して用いたものである。具体的には、本発明の無機繊維質成形体は、カルシア及びマグネシアから選択される1以上の金属酸化物と、シリカを含み、金属酸化物を18〜30重量%、シリカを70〜82重量%含む第1の無機繊維と、カルシア及びマグネシアから選択される1以上の金属酸化物と、シリカを含み、金属酸化物を18〜50重量%、シリカを50重量%以上70重量%未満含む第2の無機繊維とを含む。第1及び第2の無機繊維は、シリカ、カルシア、マグネシア以外に他の酸化物を含むことができる。
第1の無機繊維は、好ましくは以下の成分を以下の含有量で含む。
SiO:70重量%〜82重量%
MgO及びCaOから選択される1以上:18重量%〜30重量%
Al、TiO及びZrOから選択される1以上:0重量%〜6重量%
第1の無機繊維のSiOの含量は、好ましくは70重量%〜82重量%、より好ましくは72重量%〜81重量%、さらに好ましくは73重量%〜80重量%、特に好ましくは75重量%〜80重量%である。
第1の無機繊維のMgO及びCaOから選択される1以上の金属酸化物の含量は、好ましくは18重量%〜29重量%、より好ましくは19重量%〜28重量%、さらに好ましくは20重量%〜27重量%である。
第1の無機繊維のAl、TiO及びZrOから選択される1以上の金属酸化物の含量は、好ましくは0重量%〜4重量%であり、例えば0重量%〜3重量%又は1重量%〜2重量%とできる。
第1の無機繊維は、以下の成分を以下の含有量で含むことができる。
SiO 70重量%〜82重量%
CaO 0.5重量%〜9重量%
MgO 10重量%〜29.5重量%
Al 0重量%〜3重量%
また、第1の無機繊維は、以下の成分を以下の含有量で含むことができる。
SiO 70重量%〜82重量%
CaO 15重量%〜30重量%
MgO 0重量%〜3重量%
Al 0重量%〜5重量%
また、第1の無機繊維は、以下の成分を以下の含有量で含むことができる。この繊維は、耐熱性、耐アルミナ反応性、生体溶解性に優れる。
SiO:72重量%〜82重量%
MgO:8重量%〜22重量%
CaO:4重量%〜14重量%
Al:0重量%〜3重量%
SiO、MgO及びCaOの3成分を主成分とする。
主成分とは、無機繊維が含む全ての成分のうち最も含有量(重量%)の高い3成分(1番含有量が高い成分、2番目に含有量が高い成分、及び3番目に含有量が高い成分の3成分)がSiO、MgO及びCaOであることを意味する。
また、第1の無機繊維は、以下の成分を以下の含有量で含むことができる。この繊維は、耐熱性、耐アルミナ反応性、生体溶解性に優れる。
SiO:73.6重量%〜82重量%
MgO:9.0重量%〜21.3重量%
CaO:5.1重量%〜12.4重量%
Al:0重量%以上2.3重量%未満
Fe:0重量%〜0.50重量%
SiO、MgO及びCaOの3成分を主成分とする。
第1の無機繊維は、MgO及びCaOから選択される1以上とシリカを、好ましくは90重量%以上含み、例えば95重量%以上、97重量%以上、98重量%以上、又は99重量%以上含むことができる。
第2の無機繊維のSiOの含量は、好ましくは55重量%〜69重量%、より好ましくは57重量%〜67重量%、さらに好ましくは58重量%〜65重量%、特に好ましくは59重量%〜64重量%である。
第2の無機繊維のMgO及びCaOから選択される1以上の金属酸化物の含量は、好ましくは20重量%〜45重量%、より好ましくは25重量%〜43重量%であり、例えば30重量%〜43重量%、31重量%〜43重量%、32重量%〜42重量%、又は33重量%〜40重量%とできる。
第2の無機繊維のAl、TiO及びZrOから選択される1以上の金属酸化物の含量は、好ましくは0重量%〜6重量%であり、例えば0重量%〜4重量%又は0.1重量%〜2重量%とできる。
第2の無機繊維は、好ましくは以下の成分を以下の含有量で含む。
SiO:57重量%以上70重量%未満
MgO及びCaOから選択される1以上:30重量%〜43重量%
Al、TiO及びZrOから選択される1以上:0重量%〜3重量%
第2の無機繊維は、さらに好ましくは以下の成分を以下の含有量で含む。
SiO:58重量%〜65重量%
MgO及びCaOから選択される1以上:33重量%〜42重量%
Al、TiO及びZrOから選択される1以上:0重量%〜2重量%
第2の無機繊維は、以下の成分を以下の含有量で含むことができる。
SiO 58重量%以上70重量%未満
CaO 25〜38重量%
MgO 2〜10重量%
Al 0重量%〜3重量%
第2の無機繊維は、MgO及びCaOから選択される1以上とシリカを、好ましくは90重量%以上含み、例えば95重量%以上、97重量%以上、98重量%以上、又は99重量%以上含むことができる。
第1及び第2の無機繊維は、Sc,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Y又はこれらの混合物から選択されるそれぞれの酸化物を含んでも含まなくてもよい。これらの酸化物の量を、それぞれ3.0重量%以下、2.0重量%以下、1.0重量%以下又は0.5重量%以下としてもよい。
第1及び第2の無機繊維は、アルカリ金属酸化物(NaO、LiO、KO等)の各々を含んでも含まなくてもよく、これらはそれぞれ又は合計で、3重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、0.5重量%以下、0.4重量%以下、0.3重量%以下、0.2重量%以下、又は0.10量%以下とすることができる。
第1及び第2の無機繊維は、ZnO、B、P、SrO、Fe、BaO、Crの各々を含んでも含まなくてもよく、それぞれ、3.0重量%以下、2.0重量%以下、1.0重量%以下、0.5重量%以下、0.1重量%未満又は0.05重量%以下とすることができる。
また、上記の各成分の量をそれぞれ任意に組み合わせてもよい。
第1の無機繊維と第2の無機繊維の配合割合(重量比)は、第1の無機繊維:第2の無機繊維が5〜95:95〜5でよく、好ましくは10〜90:90〜10、より好ましくは20〜80:80〜20、さらに好ましくは20〜60:80〜40、特に好ましくは25〜55:75〜45、最も好ましくは30〜50:70〜50である。第1の無機繊維と第2の無機繊維は、それぞれ所定の組成を有する無機繊維を単独又は複数混合して用いることができる。
第1及び第2の無機繊維は溶融法、ゾルゲル法等公知の方法で製造できる。
第1及び第2の無機繊維の平均繊維径は、通常0.1〜50μmであり、例えば0.5〜20μm又は1〜10μmとできる。
第1及び第2の無機繊維は上記の組成を有することにより、pH7.4の生理食塩水に対し溶解する。
溶解速度定数は、実施例記載の測定方法で、好ましくは100ng/cm・h以上、300ng/cm・h以上、500ng/cm・h以上、800ng/cm・h以上、又は1000ng/cm・h以上である。
成形体は、無機繊維の他、有機バインダー、無機バインダー、無機粉体、定着剤、凝集剤、キレート剤等を含むことができる。これらは、本発明の効果を損なわない限り、通常使用されているものを使用できる。有機バインダーとして澱粉、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド、パルプ、アクリルエマルジョン等が、無機バインダーとして、アニオン性のコロイダルシリカ、カチオン性のコロイダルシリカ等のコロイダルシリカ、アルミナゾル、ベントナイト、粘土鉱物等が例示できる。無機粉体として、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素等のセラミックス粉末、カーボンブラック等の炭素粉末等を例示できる。成形体は、好ましくは50重量%以上、より好ましくは75重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上を、第1及び第2の無機繊維から構成できる。
本発明の無機繊維質成形体は、実施例記載の方法で、1100℃又は1200℃で片面を24時間加熱したとき、割れが無いことが好ましい。
本発明の無機繊維質成形体は、耐アルミナ反応性が高いことが好ましい。実施例記載の方法で測定したとき、1200℃8時間の加熱でアルミナペレットと付着しないことが好ましい。また1300℃8時間の加熱でアルミナペレットと接触する部分が溶融しないことが好ましい。
加熱収縮率は、実施例記載の方法で測定したとき、1300℃8時間の加熱において、好ましくは3.5%以下、さらに好ましくは3.3%以下、最も好ましくは3.0%以下である。
無機繊維質成形体が高温で加熱されるとき、Siの単独酸化物の結晶、SiとCa,Mg及び/又はAlとの複合酸化物の結晶が生成する。ボードに含まれる無機繊維及び他のバインダー等の成分のSi,Ca,Mg,Alが、ディオプサイド、ワラストナイト、エンスタタイト及びムライトの結晶を最大限生成したとした際の残りの未反応のシリカを余剰シリカとする。余剰シリカは、生成し得るクリストバライトの量の指標となり得る。無機繊維質成形体の余剰シリカは、好ましくは50モル%以下であり、より好ましくは45モル%以下、さらに好ましくは40モル%以下、特に好ましくは35モル%以下である。
無機繊維質成形体が含むシリカ量は、無機繊維が含むシリカ量と他の成分が含むシリカ量によって決まるが、シリカ量が少ない程余剰シリカが減少する傾向にある。従って、無機繊維質成形体が含むシリカ量は、好ましくは75重量%以下であり、より好ましくは70重量%以下である。
無機繊維質成形体の形状は限定されないが、例えば、ブロック、ボード、モールド、不定形品等が挙げられる。
以下、具体的な実施例を示すが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
実験に用いた繊維の組成を表1に示す。
AES繊維は、MgOやCaOを含むため、RCF繊維と比べ生体溶解性である。
以下の方法で、HS1とRCF1の生体溶解性を測定した。
無機繊維を、メンブレンフィルター上に置き、繊維上にマイクロポンプによりpH7.4の生理食塩水を滴下させ、繊維、フィルターを通った濾液を容器内に溜めた。溜めた濾液を24時間経過後に取り出し、溶出成分をICP発光分析装置により定量し、溶解度を算出した。HS1の測定元素は主要元素であるSi、Mg、Caの3元素であり、RCF1の測定元素は主要元素であるSi、Alの2元素とした。平均繊維径を測定して単位表面積・単位時間当たりの溶出量である溶解速度定数(単位:ng/cm・h)に換算した。
平均繊維径は、400本以上の繊維を、電子顕微鏡で観察・撮影した後、撮影した繊維について、その径を計測し、全計測繊維の平均値とした。
HS1は約1400ng/cm・hであり、RCF1は約20ng/cm・hであった。
実験例1(比較例)
(1)割れの発生
表1に記載の組成を有するHS1を用いて、HS1 100重量部に対し、コロイダルシリカを5.5重量部、澱粉を5重量部、キレート剤を1重量部、凝集剤を0.5重量部を配合して、縦860mm,横450mm,厚み50mmのHS1ボードを製造した。以下の方法でHS1ボードを片面加熱したときの割れの有無を調べた。
表1に記載の組成を有するRCF1を用いた他は上記と同様にしてRCF1ボードを製造した。
4層構造の片面加熱評価炉を作製した。図1は片面加熱評価炉の概略断面図である。この図の片面加熱評価炉1は壁面が4層のボードから構成され、内側の1層11としてHS1ボード(測定対象のサンプル)を用い、層12,13はRCF1ボード、外側の層14はケイ酸カルシウムボードを用いた。内部にあるパネルヒーター20により800,900,1000,1100,1200℃にそれぞれ24時間加熱した。結果を表2に示す。HS1ボードは1100℃で加熱し冷却したとき、割れが発生した。
(2)XRD測定
(1)の1100℃加熱後のHS1ボードの炉内側、中心部、界面側について下記条件でXRD測定をした。その結果を図2に示す。この図に示されるように、炉内側でクリストバライト(SiO)結晶が生成していることが分かった。
また、800,900,1000,1100,1200,1300℃でそれぞれ8時間全面加熱したHS1ボードについて、XRD測定をした。その結果を表2に示す。表2に示されるように、1100℃以上でクリストバライトが多く生成していることが分かる。
XRD測定条件:
測定装置; リガク社製UltimaIII
測定条件; X線:CuKα線、電圧:40KV、電流:30mA、
サンプリング幅; 0.02°、スキャンスピード2.0°/min
実験例2(比較例)
表1に示す組成を有するRCF1,HS2,HS3,HS4,LS1を用いた他は、実験例1(1)と同様にして、ボードを製造し割れの有無を観察した。結果を表2に示す。1100℃24時間片面加熱にてHS2,HS3,HS4を用いたボードに割れが生じ、LS1を用いたボードには割れが無いかわずかであり、RCF1を用いたボードには割れが無かった。
さらに、実験例1(2)と同様にして800,900,1000,1100,1200,1300℃でそれぞれ8時間全面加熱した各ボードについて、XRD測定をした。その結果を表2に示す。表から、クリストバライトの生成と、割れの発生に相関があることが分かる。
実験例3(実施例と比較例)
(1)ボードの製造
使用する繊維として、HS1のみ、LS2のみ、及びHS1とLS2の混合を用いた他は実験例1(1)と同様にしてボードを製造した。混合割合(重量比)は表3に示すように変えた。
(2)割れの評価と結晶
(1)で製造したボードについて、実験例1(1)と同様にして割れの有無を観察した。結果を表3に示す。混合した繊維を用いたボードでは、1200℃の片面加熱でも割れが無いかわずかであり、割れの発生が抑制されていることが分かる。
また、実験例1(2)と同様にして1000,1100,1200,1300℃でそれぞれ8時間全面加熱した各ボードについて、XRD測定をした。その結果を表3に示す。また、1100℃全面加熱したボードのXRDチャートを図3に示す。図3から、LS2の混合割合が増えるとクリストバライトの生成が減少することが分かる。
(3)加熱収縮率と耐アルミナ反応性
(1)で製造したボードについて、加熱収縮率と耐アルミナ反応性を以下の方法で測定した。
(i)加熱収縮率(耐熱性)
製造したボードの表面に白金ピンを2点以上打ち込み、その白金ピン間の距離を加熱前後で測定し、その寸法変化率を加熱収縮率とした。結果を図4に示す。LS2の混合割合が約30〜50重量%であると、HS1 100%の場合より、1300℃における加熱収縮率が減少した。
(ii)耐アルミナ反応性
純度99%以上のアルミナ粉末約1gを、直径17mmの金型でプレス成形しペレットとした。このペレットを、ボード上に置いて、1100〜1300℃で8時間加熱した後の反応性を確認した。ペレットと全く反応していない場合を○、ボードと軽く付着している場合を△、ボードが溶融しペレットを外したとき穴が開いた場合を×とした。結果を、表4に示す。LS2が増えると耐アルミナ反応性が低くなる。
(4)余剰シリカ
(1)で製造したボードについて余剰シリカを計算した(段落0036参照)。その結果を表5に示す。参考として、1100,1200℃の結晶相と片面加熱時の割れのデータを併記する。余剰シリカが少ないと割れが少ないことが分かる。
HS1は、LS2より耐熱性とアルミナ反応性に優れるが、1100℃以上で片面加熱すると割れが生じた。しかしながら、LS2を混合すると、耐熱性とアルミナ反応性をほぼ保ちながら、1100℃以上の片面加熱による割れを抑制できた。
本発明の無機繊維質成形体は、一般高温用断熱材、窯炉の天井、炉壁の断熱材用ライニング材、断熱材、バックアップ材として様々な用途に用いることができる。
1 片面加熱評価炉
11 HS1ボード
12,13,14 RCF1ボード
20 パネルヒーター

Claims (11)

  1. カルシア及びマグネシアから選択される1以上の金属酸化物と、シリカを含み、前記金属酸化物を18〜30重量%、前記シリカを70〜82重量%含む第1の無機繊維と、
    カルシア及びマグネシアから選択される1以上の金属酸化物と、シリカを含み、前記金属酸化物を18〜50重量%、前記シリカを50重量%以上70重量%未満含む第2の無機繊維と
    を含む無機繊維質成形体。
  2. 前記第1の無機繊維と前記第2の無機繊維の重量比が、第1の無機繊維:第2の無機繊維=5〜95:95〜5である請求項1記載の無機繊維質成形体。
  3. 前記第1の無機繊維は、前記金属酸化物とシリカを90重量%以上含み、
    前記第2の無機繊維は、前記金属酸化物とシリカを90重量%以上含む請求項1又は2記載の無機繊維質成形体。
  4. 前記第1の無機繊維が以下の成分を以下の含有量で含む請求項1〜3のいずれか記載の無機繊維質成形体。
    SiO:70重量%〜82重量%
    MgO及びCaOから選択される1以上:18重量%〜30重量%
    Al、TiO及びZrOから選択される1以上:0重量%〜6重量%
  5. 前記第1の無機繊維が以下の成分を以下の含有量で含む請求項1〜4のいずれか記載の無機繊維質成形体。
    SiO:72重量%〜82重量%
    MgO:8重量%〜22重量%
    CaO:4重量%〜14重量%
    Al:0重量%〜3重量%
    SiO、MgO及びCaOの3成分を主成分とする
  6. 前記第2の無機繊維が以下の成分を以下の含有量で含む請求項1〜5のいずれか記載の無機繊維質成形体。
    SiO:57重量%以上70重量%未満
    MgO及びCaOから選択される1以上:30重量%〜43重量%
    Al、TiO及びZrOから選択される1以上:0重量%〜3重量%
  7. 前記第2の無機繊維が以下の成分を以下の含有量で含む請求項1〜6のいずれか記載の無機繊維質成形体。
    SiO 58重量%以上70重量%未満
    CaO 25〜38重量%
    MgO 2〜10重量%
    Al 0重量%〜3重量%
  8. Si,Ca,Mg及びAlが、ディオプサイド、ワラストナイト、エンスタタイト及びムライトの結晶を最大限生成したと仮定したときの余剰シリカの含有量が50モル%以下である請求項1〜7のいずれか記載の無機繊維質成形体。
  9. シリカの含有量が75重量%以下である請求項1〜8のいずれか記載の無機繊維質成形体。
  10. 1100℃で片面を24時間加熱したとき、割れを生じない請求項1〜9のいずれか記載の無機繊維質成形体。
  11. 1200℃で片面を24時間加熱したとき、割れを生じない請求項1〜10のいずれか記載の無機繊維質成形体。
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