JP2018040336A - エンジンの排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インジェクタから排気通路内に噴射された添加剤の濃度の不均一を積極的に解消して、排ガス中に良好に拡散できるエンジンの排気浄化装置を提供する。
【解決手段】排気通路4内に配設した枠体10内に4枚の第1上流フィン11aを並設し、その下流側に6枚の第1下流フィン12aを並設し、各フィン11aを尿素水の噴射軸線L側から反噴射軸線L側且つ下方に傾斜させる。山形に列設された各第1上流フィン11aの頂点にインジェクタ5から尿素水の噴霧を衝突させ、第1上流フィン11aの傾斜に倣って前方及び後方に移動させる。尿素水の一部を間隙15から流下させ、残りの尿素水を前後両側の第1上流フィン11a上でさらに前方及び後方に移動させて間隙15から流下させる。各間隙15から流下した尿素水を第1下流フィン12aで受け止めて前方及び後方に移動させつつ間隙15から流下させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、エンジンの排気浄化装置に係り、詳しくは排気通路内で添加剤噴射手段から噴射された添加剤を排気ミキサにより拡散させて触媒装置に供給する排気浄化装置に関する。
この種のエンジンの排気浄化装置としては、例えば選択還元型のNOx浄化触媒(以下、SCR触媒という)を備えたものがある。周知のようにSCR触媒は排ガス中のNOxを還元・浄化するためにアンモニア(NH)を必要とすることから、排気通路のSCR触媒の上流側に配置したインジェクタから添加剤として尿素水を噴射し、尿素水が排気熱及び排ガス中の水蒸気により加水分解されて生成されるアンモニアを利用してSCR触媒により排ガス中のNOx(窒素酸化物)を還元・浄化している。
SCR触媒のNOx還元作用は尿素水の供給状態の影響を強く受け、良好な還元作用を得るには、排ガス中に尿素水を良好に拡散させて、SCR触媒の各部位に均等にアンモニアを供給する必要がある。このような要望を達成するために、尿素水を拡散させるための排気ミキサに関する種々の対策が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の技術では、排気通路の内壁間に複数の基板部を掛け渡し、基板部から排気下流方向にフィンを延設して所定角度に折り曲げて排気ミキサを構成している。エンジンの運転中において、排気通路内での排ガスの流れが各基板部により整流され、その後に各フィンの折り曲げ方向に流れが変えられて攪拌され、これにより添加剤の排ガス中への拡散を図っている。
特開2013−108438号公報
ところで、一般に尿素水等の添加剤の排気通路内への供給はインジェクタにより行われるため、添加剤はインジェクタの先端部の1点から噴射される。添加剤の拡散を促進するために、例えばインジェクタを3噴孔として異なる3方向に向けて噴射する場合もあるが、噴射箇所がインジェクタの先端部の1点であることに相違はない。このため、噴射された添加剤は排気通路の中央(インジェクタの噴射軸線)側で濃く、外周側で薄くなる傾向がある。
上記した特許文献1の技術では、フィンにより排ガスの流れを変えて攪拌を図っているものの、添加剤の濃度が不均一な傾向を解消するには至らず、従来より添加剤の濃度を積極的に均一化する対策が要望されていた。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、インジェクタから排気通路内に噴射された添加剤の濃度の不均一を積極的に解消することにより、排ガス中に添加剤を良好に拡散させて触媒装置上の各部位に均等に供給することができるエンジンの排気浄化装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明のエンジンの排気浄化装置は、エンジンの排気通路内で排気下流方向に添加剤を噴射する添加剤噴射手段と、前記添加剤噴射手段の排気下流側に配設され、添加剤の供給により前記エンジンの排ガスの浄化作用を奏する触媒装置と、前記添加剤噴射手段から噴射される添加剤を排ガス中に拡散させる排気ミキサとを備えたエンジンの排気浄化装置において、前記排気ミキサが、一対のフィンの一端を前記排気通路内の中央側で対峙させると共に、該中央側から前記排気通路内の外周側且つ排気下流側に向けて傾斜するように前記両フィンを略対称に並設し、並設方向において前記両フィンの対峙箇所が前記添加剤噴射手段からの添加剤の噴射軸線上に存在するよう配設されたことを特徴とする(請求項1)。
このように構成したエンジンの排気浄化装置によれば、添加剤噴射手段から噴射軸線に沿って噴射された添加剤が一対のフィンの対峙箇所に衝突し、両フィンの傾斜に倣って排気通路の外周側に拡散される。このため、排気通路の中央側と外周側との濃度の格差が縮小されて均一化し、添加剤を排ガス中に良好に拡散させることが可能となる。
その他の態様として、前記一対のフィンのそれぞれの前記排気通路内の外周側に、外周側且つ排気下流側に向けて傾斜する少なくとも1枚のフィンをそれぞれ並設することが好ましい(請求項2)。
この態様によれば、添加剤噴射手段からの添加剤が各フィンにより排気通路の外周側へと順次拡散されることから、排気通路の中央側と外周側との濃度の格差が一層縮小される。
その他の態様として、前記一対のフィンの対峙箇所を頂点として、前記各フィンを並設方向に山形をなすように列設することが好ましい(請求項3)。
この態様によれば、一対のフィンの対峙箇所を頂点として各フィンが並設方向に山形をなしているため、添加剤が排気通路の外周側に良好に拡散される。
その他の態様として、前記各フィンを上流フィンとし、前記排気通路内の前記上流フィンの排気下流側に、少なくとも一対の下流フィンを前記上流フィンと同方向に並設すると共に、各下流フィンを前記排気通路内の外周側且つ排気下流側に向けて傾斜させることが好ましい(請求項4)。
この態様によれば、上流フィンに加えて下流フィンでも添加剤が排気通路の外周側に拡散されることから、排気通路の中央側と外周側との添加剤の濃度の格差が一層縮小される。
その他の態様として、前記上流フィンと前記下流フィンとを、前記添加剤噴射手段から見てオーバラップするように並設方向で互い違いに配設することが好ましい(請求項5)。
この態様によれば、各上流フィンの間に形成された間隙の直下に下流フィンが位置することから、上流フィンの間隙を通過した添加剤が下流フィンにより受け止められ、この下流フィンにより排気通路の外周側にさらに拡散される。
その他の態様として、前記排気通路が、前記上流フィン及び下流フィンの並設方向に長く、これと直交する方向に短い扁平状の断面をなすことが好ましい(請求項6)。
この態様によれば、扁平状の断面をなす排気通路では、添加剤の濃度に大きな格差が生じるが、この濃度の格差が、上流フィン及び下流フィンによる添加剤の拡散で縮小される。
その他の態様として、前記上流フィンが、並設方向と直交する前記排気通路内の一側壁から第1上流フィンを延設し、前記排気通路内の他側壁から第2上流フィンを延設し、該第1及び第2上流フィンの先端同士を互いに突き合わせてなることが好ましい(請求項7)。
この態様によれば、排気通路の内壁から片持ち支持されるフィン長さが短縮化されることから、その耐久性を向上可能となる。
その他の態様として、前記添加剤噴射手段が、前記上流フィンの並設方向において前記第1上流フィン上への添加剤の衝突領域と前記第2上流フィン上への添加剤の衝突領域とを異にし、前記第1及び第2上流フィンが、それぞれの添加剤の衝突領域を包含するように並設されることが好ましい(請求項8)。
この態様によれば、添加剤が衝突する領域に必ず上流フィンが存在することになるため、下流側への添加剤の素通りが防止される。
本発明のエンジンの排気浄化装置によれば、インジェクタから排気通路内に噴射された添加剤の濃度の不均一を積極的に解消することにより、排ガス中に添加剤を良好に拡散させて触媒装置上の各部位に均等に供給することができる。
実施形態のディーゼルエンジンの排気浄化装置を示す斜視図である。 同じく排気浄化装置を示す側断面図である。 同じく排気浄化装置を示す図2のIII-III線断面図である。 尿素水の3本の噴霧の衝突領域と排気ミキサの上流フィンとの位置関係を示す図3の部分拡大図である。 排気ミキサによる排ガスの拡散状況を示す図4のV-V線断面図である。 第1及び第2ベース板から排気ミキサの本体部を製作する手順を示す説明図である。
以下、本発明をディーゼルエンジンの排気浄化装置に具体化した一実施形態を説明する。
図1は本実施形態のディーゼルエンジンの排気浄化装置を示す斜視図、図2は同じく排気浄化装置を示す側断面図、図3は同じく排気浄化装置を示す図2のIII-III線断面図、図4は尿素水の3本の噴霧の衝突領域と排気ミキサの上流フィンとの位置関係を示す図3の部分拡大図、図5は排気ミキサによる排ガスの拡散状況を示す図4のV-V線断面図である。以下、説明の便宜上、図1の上下方向を上下、左右方向を左右、紙面と直交する方向を前後として表現する。
本実施形態の排気浄化装置1は、エンジンの冷態始動時等において触媒を早期活性化するために、エンジンに対して近接配置された近接型排気浄化装置として構成されている。
排気浄化装置1は、ディーゼル酸化触媒(以下、DOCという)2、及びSCR・ディーゼルパティキュレートフィルタ3(本発明の触媒装置であり、以下、SDPFという)から構成されている。SDPF3は、ウォールフロー型のディーゼルパティキュレートフィルタ上にSCR触媒を担持させて製作され、排ガス中に含まれるパティキュレートマターを捕集するDPF機能と、アンモニアの供給により排ガス中のNOxを還元・浄化するSCR機能とを兼ね備えている。
但し、本発明は近接型に限るものでもSDPF3に限るものでもなく、例えば床下に配置された排気浄化装置に適用したり、或いはDPFとは別にSCR触媒を備えた構成としたりしてもよい。
DOC2とSDPF3は図示しないエンジンの右側方で、DOC2が上段に配設され、SDPF3が下段に配設されている。DOC2の左端の入口2aにはエンジンからの図示しない排気管が接続され、DOC2の右端の出口2bとSDPF3の右端の入口3aとは、上下方向に延びる排気通路4を介して互いに接続されている。また、SDPF3の右端の出口3bには図示しない排気管が接続され、排気管上には後段酸化触媒や消音器が介装されている。
以上のDOC2及びSDPF3の配置は、エンジンの右側方の限られたスペースに設置するためであり、さらにスペース的な制限に起因して排気通路4の断面形状は左右方向に短く、前後方向に長く、上方より見た平面視において長方形状(いわゆる扁平状)をなしている。
排気通路4の上部には添加剤として尿素水を噴射するインジェクタ5(添加剤噴射手段)が直立姿勢で配設され、インジェクタ5の先端部は排気通路4内に挿入されている。インジェクタ5の噴射軸線Lは、その先端部から排気通路4の中央を下方(排気下流側)に向かうように設定されており、先端部に設けられた3噴孔から噴射軸線Lに沿って尿素水が噴射されるようになっている。噴射された尿素水の3本の噴霧は、図4に示すように噴射軸線Lを取り囲む配置を保ちつつ、下方に向かうに従って次第に噴射軸線Lから離間する。
エンジンの運転中に排出される排ガスは排気管を経てDOC2に流入し、DOC2の酸化作用によりCO(一酸化炭素)及びHC(炭化水素)が浄化されると共に、SDPF3に捕集されたパティキュレートの焼却やSDPF3によるNOx浄化のために有用なNO2が排ガス中のNOから生成される。
DOC2を経て排気通路4内に流入した排ガス中にはインジェクタ5から尿素水が噴射され、後述する排気ミキサ7の作用により排ガス中に尿素水が拡散される。排気通路4を流通する過程で、尿素水は排気熱及び排ガス中の水蒸気により加水分解されてアンモニアを生成し、このアンモニアと共に排ガスがSDPF3に流入する。SDPF3内で排ガス中のパティキュレートが捕集されると共に、排ガス中のアンモニアを利用して排ガス中のNOxが還元・浄化される。SDPF3から排出された排ガスは、排気管を経て外部に排出される。
次いで、上記のように尿素水の拡散作用を奏する排気ミキサについて説明する。
図2,3に示すように排気ミキサ7は、排気通路4内に配設される本体部8と、本体部8を固定するための固定板9とから構成されている。固定板9は四角板状をなし、その中央には透孔9aが貫設されると共に、透孔9aの内周縁の4箇所には溶接片9bが一体形成されている。排気ミキサ7の本体部8は透孔9a内に配設されて各溶接片9bに溶接され、結果として、本体部8の周囲に鍔状をなすように固定板9が配置されている。
一方、排気通路4はフランジ4aを介して上下に2分割されており、互いのフランジ4aが図示しないボルトで締結されることにより一体化されている。排気ミキサ7の固定板9は、このような排気通路4の両フランジ4aの間に挟み込まれて共締めされ、これにより排気通路4内に本体部8が配設されている。本体部8は上方より見た平面視で排気通路4の断面と対応する長方形状をなし、その外周面が排気通路4の内周面とほぼ密着し、全ての排ガスが本体部8の内部を流通するように配慮されている。
全体として排気ミキサ7の本体部8は、外周面を形作る長方形状の枠体10内に多数枚の略四角状をなす上流フィン11及び下流フィン12を突出させた形状をなし、例えばステンレス等の一対の所定形状を成す金属板(以下、第1及び第2ベース板13,14という)を折曲形成した上で、互いに溶接して製作されている。
図6は第1及び第2ベース板13,14から排気ミキサ7の本体部8を製作する手順を示す説明図であり、図中の左方から右方へと打抜工程、折曲工程、溶接工程の順に作業が進行する。
まず打抜工程が実施され、金属板から所定形状の第1及び第2ベース板13,14が切り出される。切り出された各ベース板13,14は、完成後に枠体10となる部位と上流及び下流フィン11,12となる部位とから形作られる。そして第1ベース板13では、枠体10の上部に4枚の上流フィン11が形成され、下部に6枚の下流フィン12が形成され、第2ベース板14では、枠体10の上部に6枚の上流フィン11が形成され、下部に6枚の下流フィン12が形成される。
以下の説明では、第1ベース板13の上流及び下流フィン11,12には「第1」を付して第1上流フィン11a及び第1下流フィン12aと称し、第2ベース板14の上流及び下流フィン11,12には「第2」を付して第2上流フィン11b及び第2下流フィン12bと称して区別する。また、単に上流フィン11或いは下流フィン12と称した場合には、双方(第1及び第2)を指すものとする。
続いて折曲工程が実施され、各ベース板13,14の上流及び下流フィン11,12が同一方向に直角に折曲されると共に、枠体10の両端も同一方向に直角に折曲される。結果として何れのベース板13,14においても、枠体10の長手方向(完成後の前後方向)に上流フィン11及び下流フィン12がそれぞれ並設される。なお、上流及び下流フィン11,12の折曲角度は直角に限るものではなく、他の角度となるように折曲してもよい。
その後に溶接工程が実施され、互いのベース板13,14の枠体10の両端が溶接される。
以上で本体部8の製作が完了し、この本体部8を固定板9に溶接すれば排気ミキサ7が完成する。
このように本実施形態の排気ミキサは、所定形状の第1及び第2ベース板13,14を折曲形成して互いに溶接するだけの簡単な工程で製作できるため、極めて安価なコストにより実施することができる。但し、排気ミキサの製造方法は、以上に限るものではなく任意に変更してもよい。
次いで、このようにして製作された排気ミキサ7の詳細、特にフィン11,12の位置や形状等について説明する。
図4に示すように、インジェクタ5の噴射軸線Lは本体部8の枠体10内の前後方向及び左右方向で共に中央に位置しており、以下に述べるように、この噴射軸線Lを基準として各フィン11,12の位置や姿勢等が設定されている。
上記したように排気ミキサ7は、長方形状の枠体10内に多数枚の上流フィン11及び下流フィン12を突出させた形状をなしている。詳しくは、枠体10内の左側壁(一側壁)から第1上流フィン11a及び第1下流フィン12aが延設され、枠体10内の右側壁(他側壁)から第2上流フィン11b及び第2下流フィン12bが延設されている。そして、第1及び第2上流フィン11a,11bにより、所定の間隙15を介して前後方向に並設された上流フィン11が形作られ、第1及び第2下流フィン12a,12bにより、同じく所定の間隙15を介して前後方向に並設された下流フィン12が形作られている。
このように上流及び下流フィン11,12を2分割しているのは、枠体10の内壁から片持ち支持されるフィン長さを極力短縮化して、耐久性を向上させることを目的としたものである。
上記のように各フィン11,12の間には間隙15が形成されているものの、噴射軸線Lの前後両側に位置する一対の第1上流フィン11aのみは隙間なく配置されている。このフィン配置は、第1上流フィン11aに直接的に衝突する尿素水の素通りを防止する対策である。
そして、左右方向において、第1及び第2上流フィン11a,11bの先端同士は噴射軸線Lを境界として突き合わされ、同じく第1及び第2下流フィン12a,12bの先端同士も噴射軸線Lを境界として突き合わされている。このようなフィン配置も、排気上流側から下流側への尿素水の素通りを防止する対策である。
なお、例えば上流フィン11の突き合わせ位置と下流フィン12の突き合わせ位置とを左右方向にずらしてもよく、この場合には尿素水の素通りを一層防止できる。
また、基本的に前後方向において、上流及び下流フィン11,12は噴射軸線Lを境界として前後に等分配置(第1上流フィン11aは前後に2枚ずつ、他のフィン11b,12a,12bは前後に3枚ずつ)されている。
そして、噴射軸線Lを挟んで前後両側に位置する一対の上流フィン11は、その一端が噴射軸線L側(排気通路4内の中央側)で対峙すると共に、この噴射軸線L側から反噴射軸線L側(排気通路4内の外周側)且つ下方(排気下流側)に向けて傾斜するように略対称に配置されている。換言すると、噴射軸線Lを挟んで前後両側に位置する一対の上流フィン11の対峙箇所が噴射軸線L上に存在している。
また、これらの上流フィン11の傾斜に倣うように、その前後両側に位置する上流フィン11も、それぞれ噴射軸線L側から反噴射軸線L側且つ下方に向けて傾斜するように配置され、その前後両側に位置する上流フィン11(第2上流フィン11bのみ)も、それぞれ噴射軸線L側から反噴射軸線L側且つ下方に向けて傾斜するように配置されている。
下流フィン12についても同様であり、噴射軸線Lを挟んで前後両側に3枚ずつの下流フィン12が並設されているが、それらの下流フィン12は、噴射軸線L側から反噴射軸線L側且つ下方に向けて傾斜するように配置されている。
即ち、全ての上流及び下流フィン11,12は、噴射軸線L側を上方に位置させ、反噴射軸線L側を下方に位置させて傾斜しており、このような各フィン11,12の傾斜は、後述するように、尿素水を噴射軸線Lから離間する方向(以下、単に離間方向という場合もある)に拡散させることを目的とする。
そして、噴射軸線Lを境界とした傾斜については上流フィン11と下流フィン12とで相違はないものの、フィン同士の上下方向の位置関係については異なる配置が採られている。図6の折曲工程後に示すように、上流フィン11は、噴射軸線Lでの一対の上流フィン11の対峙箇所を頂点として、反噴射軸線L側の上流フィン11ほど下方に位置することにより、各上流フィン11が全体として並設方向に山形をなすように列設されている。これに対して下流フィン12は、何れも同一高さで列設されている。
また、上流フィン11と下流フィン12は上方(インジェクタ5側)から見た平面視においてオーバラップするように、前後方向(並設方向)で互い違いに配設されている。結果として、各上流フィン11の間に形成された間隙15の直下には下流フィン12が位置している。
このような上流及び下流フィン11,12の配置は、互いの役割の相違に起因する。即ち、インジェクタ5からの尿素水が直接衝突する上流フィン11は、尿素水を離間方向に拡散させることを最優先としている。このため上流フィン11は、尿素水を離間方向に良好に拡散させるために最も適した山形に列設されている。
これに対して下流フィン12は、離間方向への拡散促進よりも尿素水の素通り防止を優先している。そのために各下流フィン12は、上流フィン11の間隙15の直下に位置すると共に、同一高さで列設されており、これらの要件により、上流フィン11の間隙15を素通りした尿素水が下流フィン12により確実に受け止められる。
一方、図4,5に示すように、インジェクタ5の噴射軸線Lは排気ミキサ7の枠体10の中央(排気通路4の中央でもある)に位置し、その噴射軸線Lを中心とした3本の尿素水の噴霧が排気ミキサ7の各上流フィン11上に衝突する。図4では上流フィン11を識別し易いようにハッチングを付しているが、1本の噴霧は第1上流フィン11a上の領域Eaに衝突し、残りの2本の噴霧は第2上流フィン11b上の領域Eb,Ecに衝突し、前後方向において互いの衝突領域Ea,Eb,Ecを異にしている。
そして第1及び第2上流フィン11bは、それぞれの衝突領域Ea,Eb,Ecを包含するように前後方向に並設されている。詳しくは、前後方向に相対的に短い衝突領域Eaに対応するように、第1上流フィン11aは計4枚が並設され、前後方向に相対的に長い衝突領域Eb,Ecに対応するように、第2上流フィン11bは計6枚が並設されている。結果として、尿素水の噴霧が衝突する領域Ea,Eb,Ecに必ず上流フィン11が存在することになり(フィン間の間隙15は除く)、これにより下流側への尿素水の素通りが防止されている。
次いで、以上のように構成された排気ミキサ7による尿素水の拡散作用について説明する。
図4,5に示すように、排気通路4内を排気ミキサ7へと流れる排ガス中にはインジェクタ5から尿素水が噴射され、排ガスは排気ミキサ7の各上流フィン11及び各下流フィン12の間に形成された間隙15を下流側へと流通する。インジェクタ5の噴射軸線Lは排気ミキサ7の本体部8の中央に位置し(図4に示す)、その噴射軸線Lを中心とした3本の尿素水の噴霧が排気ミキサ7の各上流フィン11に衝突する。
詳しくは図5に示すように、1本の噴霧は、噴射軸線Lを挟んだ前後両側に位置する一対の第1上流フィン11aの間、即ち山形の頂点箇所に衝突する(衝突領域Ea)。これらの第1上流フィン11aは隙間なく配置されているため、尿素水は下流側に素通りすることなく第1上流フィン11aにより受け止められ、その傾斜に倣って第1上流フィン11a上を前方及び後方(反噴射軸線L方向)に移動する。
それらの尿素水の一部は、前後両側に位置する第1上流フィン11aとの間の間隙15から流下し、残りの尿素水は前後両側の第1上流フィン11a上をさらに前方及び後方に移動した後に間隙15から流下する。結果として尿素水は、各第1上流フィン11aにより前後方向に拡散されながら、適宜間隙15を経て第1下流フィン12aへと流下する。
そして、第1上流フィン11aの間隙15の直下には第1下流フィン12aが位置しているため、流下した尿素水は第1下流フィン12aにより受け止められ、上記した第1上流フィン11aの場合と同様に、その傾斜に倣って第1下流フィン12a上を前方及び後方に移動しつつ、それぞれの間隙15の箇所で適宜流下する。
このようにして、第1上流フィン11a上に衝突した尿素水は、第1上流フィン11a及び第1下流フィン12aにより前後方向に拡散される。
一方、残りの2本の噴霧は第2上流フィン11bに衝突する。その衝突位置は、噴射軸線Lを挟んだ前後両側の計4枚の第2上流フィン11bであり、それらの傾斜に倣って前方及び後方に移動しつつ、各間隙15を経て第2下流フィン12bへと流下する。そして、各間隙15の直下に第2下流フィン12bが位置しているため、流下した尿素水は第2下流フィン12bに受け止められ、その傾斜に倣って前方及び後方に移動しつつ、それぞれの間隙15の箇所で適宜流下する。
結果として第2上流フィン11b上に衝突した尿素水は、第2上流フィン11b及び第2下流フィン12bにより前後方向に拡散される。
[発明が解決しようとする課題]で述べたように、尿素水はインジェクタ5の先端部から噴射軸線Lに沿って噴射されるため、噴射軸線L付近の排気通路4の中央側では尿素水が濃く、噴射軸線Lから離間した排気通路4の外周側では薄くなる傾向がある。特に本実施形態では、スペース的な制約から排気通路4が長方形状の断面をなしているため、前後方向において尿素水の濃度に大きな格差が生じる。
排気ミキサ7による尿素水の前後方向への拡散は、このような尿素水の濃度の不均一を積極的に解消する方向に作用する。即ち、尿素水が前後方向に拡散されることで、排気通路4の中央側の濃度は低下し、外周側の濃度は増加するため、結果として濃度の格差が縮小されて均一化される。このため、尿素水が排ガス中に良好に拡散し、尿素水の加水分解により生成されるアンモニアも排ガス中に良好に拡散した状態となることから、SDPF3上の各部位にアンモニアを均等に供給してNOx浄化性能を最大限に発揮させることができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、NOx浄化のために添加剤として尿素水をSDPF3に供給する排気浄化装置に具体化したが、排気浄化装置の種別はこれに限るものではない。例えば、吸蔵型NOx触媒のNOxパージやSOxパージのためにインジェクタから添加剤として燃料を噴射する排気浄化装置に適用してもよい。この場合でも上記実施形態と同様に、排気ミキサにより排ガス中への燃料の拡散を促進して良好にNOxパージやSOxパージを実行することができる。
また、排気ミキサ7の仕様、例えばフィン11,12の枚数、位置、形状等についても、上記実施形態に限るものではなく任意に変更可能である。
3 SDPF(触媒装置)
4 排気通路
5 インジェクタ(添加剤噴射手段)
7 排気ミキサ
11 上流フィン
11a 第1上流フィン
12 下流フィン
12a 第1下流フィン

Claims (8)

  1. エンジンの排気通路内で排気下流方向に添加剤を噴射する添加剤噴射手段と、
    前記添加剤噴射手段の排気下流側に配設され、添加剤の供給により前記エンジンの排ガスの浄化作用を奏する触媒装置と、
    前記添加剤噴射手段から噴射される添加剤を排ガス中に拡散させる排気ミキサと
    を備えたエンジンの排気浄化装置において、
    前記排気ミキサは、一対のフィンの一端を前記排気通路内の中央側で対峙させると共に、該中央側から前記排気通路内の外周側且つ排気下流側に向けて傾斜するように前記両フィンを略対称に並設し、並設方向において前記両フィンの対峙箇所が前記添加剤噴射手段からの添加剤の噴射軸線上に存在するよう配設された
    ことを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
  2. 前記一対のフィンのそれぞれの前記排気通路内の外周側に、外周側且つ排気下流側に向けて傾斜する少なくとも1枚のフィンをそれぞれ並設した
    ことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの排気浄化装置。
  3. 前記一対のフィンの対峙箇所を頂点として、前記各フィンを並設方向に山形をなすように列設した
    ことを特徴とする請求項2に記載のエンジンの排気浄化装置。
  4. 前記各フィンを上流フィンとし、前記排気通路内の前記上流フィンの排気下流側に、少なくとも一対の下流フィンを前記上流フィンと同方向に並設すると共に、各下流フィンを前記排気通路内の外周側且つ排気下流側に向けて傾斜させた
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のエンジンの排気浄化装置。
  5. 前記上流フィンと前記下流フィンとは、前記添加剤噴射手段から見てオーバラップするように並設方向で互い違いに配設された
    ことを特徴とする請求項4に記載のエンジンの排気浄化装置。
  6. 前記排気通路は、前記上流フィン及び下流フィンの並設方向に長く、これと直交する方向に短い扁平状の断面をなす
    ことを特徴とする請求項4または5に記載のエンジンの排気浄化装置。
  7. 前記上流フィンは、並設方向と直交する前記排気通路内の一側壁から第1上流フィンを延設し、前記排気通路内の他側壁から第2上流フィンを延設し、該第1及び第2上流フィンの先端同士を互いに突き合わせてなる
    ことを特徴とする請求項6に記載のエンジンの排気浄化装置。
  8. 前記添加剤噴射手段は、前記上流フィンの並設方向において前記第1上流フィン上への添加剤の衝突領域と前記第2上流フィン上への添加剤の衝突領域とを異にし、
    前記第1及び第2上流フィンは、それぞれの添加剤の衝突領域を包含するように並設された
    ことを特徴とする請求項7に記載のエンジンの排気浄化装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109681300A (zh) * 2019-02-28 2019-04-26 一汽解放汽车有限公司 一种防止尿素结晶的前置挡板混合装置

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