遊技機1は、パチンコ遊技機であり、図1に示すように、前面枠11、外枠12、及び、内枠13を備え、内枠13には遊技盤2が取り付けられている。外枠12は、遊技機1の外郭部となる枠体であり、内枠13は、外枠12に対して開閉可能に取り付けられ、外枠12の内側に配置されている。遊技盤2には、発射ハンドル27の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成され、遊技領域3には、遊技球を誘導する遊技釘(図示せず)が多数突設されている。なお、本明細書中、上下とは、遊技を行うために遊技機1を立設した状態における上下をいい、左右は、遊技盤2の遊技領域3に向かって左右をいうものとする。また、遊技盤2の遊技領域3側を前方とし、その反対側を後方とする。
前面枠11は、内枠13及び外枠12に対して開閉可能に、内枠13の前面側に取り付けられ、遊技盤2を保護するとともに、発射ハンドル27、枠ランプ18及びスピーカ17が配設されている。前面枠11は、遊技領域3や、遊技盤2の遊技領域3外に配置された図柄表示器14及び保留ランプ16を目視できるように、それらの前側を覆う透明なガラス部11aと、そのガラス部11aの下方の皿ユニット部11bとを備え、皿ユニット部11bには、遊技球の貯留皿が設けられるとともに、演出ボタン10が配設されている。
遊技盤2には盤ランプ19が配設され、遊技盤2の中央部には、画像表示器6の表示画面6aが配置されている。画像表示器6は、客待ち用のデモ演出、図柄変動演出、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出などを表示画面6aに表示する。図柄変動演出は、数字等の識別情報を有する装飾図柄を変動させた後停止させ、その停止させた装飾図柄により、大当たり判定の結果を報知する演出である。この図柄変動演出は、後述する特別図柄変動に並行して行われる。
遊技盤2と表示画面6aとの間、即ち、表示画面6aの前側には、後に詳述する可動演出装置としての第1のシャッター装置40Rが表示画面6aの右側に、また第2のシャッター装置40Lが表示画面6aの左側に配設されている。これらシャッター装置40R,40Lは通常時、図1に示すように、遊技盤2に取り付けられた、人に似た生物の顔が描かれている装飾部材30の後側に位置しており、演出に応じて遊技盤2の中央に移動して表示画面6aの一部を遮蔽する。
遊技領域3には、始動入賞装置5が設けられている。始動入賞装置5は、常時開放されている第1始動口5aと、電動チューリップ(以下、「電チュー」という。)5cにより開閉される第2始動口5bとを備えている。電チュー5cは、電チューソレノイド5f(図2参照)により駆動される。第2始動口5bは、電チュー5cが開いているときのみ遊技球が入賞可能となる。
また、遊技領域3には、大入賞装置7と、遊技球が通過可能なゲート8と、複数の普通入賞装置9とが設けられている。大入賞装置7は、大入賞口ソレノイド7c(図2参照)により開閉される大入賞口7aを備えている。各普通入賞装置9に入った遊技球は、その普通入賞装置9内の普通入賞口9aに入賞する。遊技領域3の中央下端部には、いずれの入賞装置にも入賞しなかった遊技球が排出されるアウト口が設けられている。
遊技領域3の外側には、複数のランプからなる図柄表示器14、及び、保留ランプ16が設けられている。図柄表示器14に含まれる第1特別図柄表示器14a及び第2特別図柄表示器14b(図2参照)は、それぞれ、遊技球の第1始動口5a、第2始動口5bへの入賞を契機として行われる大当たり抽選の結果を、変動表示を経て停止表示された図柄(特別図柄)により報知する(これを「特別図柄変動」という)ものである。第1特別図柄表示器14a、第2特別図柄表示器14bに停止表示された図柄(特別図柄)が大当たり図柄又は小当たり図柄であれば、大入賞口7aを所定回数開閉する当たり遊技が行われる。
特別図柄変動の実行中または当たり遊技の実行中に、遊技球が第1始動口5aまたは第2始動口5bに入賞すると、メイン制御基板20(図2参照)は、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の乱数を、保留記憶として記憶する。そして、特別図柄変動を実行可能になったときに、記憶しておいた保留記憶に基づいて大当たりか否かの判定を行い、特別図柄変動を実行する。
保留ランプ16に含まれる第1特別図柄保留ランプ16a及び第2特別図柄保留ランプ16b(図2参照)は、それぞれ、第1始動口5a、第2始動口5bへの入賞に基づく保留記憶の個数を表示するものである。なお、第1始動口5a、第2始動口5bへの入賞に基づく保留記憶の個数は、それぞれ4個が上限とされている。
図柄表示器14に含まれる普通図柄表示器14c(図2参照)は、ゲート8への遊技球の通過を契機として行われる普通図柄抽選の結果を、変動表示を経て停止表示される普通図柄により報知する(これを「普通図柄変動」という)ものである。停止表示された普通図柄が当たり図柄であれば、所定時間及び所定回数、電チュー5cを開く補助遊技が行われる。
普通図柄変動の実行中または補助遊技の実行中に、遊技球がゲート8を通過すると、メイン制御基板20は、その通過に対して取得した当たり乱数を記憶する。そして、普通図柄変動を開始可能な状態になったときに、記憶しておいた当たり乱数を用いて当たりか否かの判定を行い、普通図柄の変動表示を開始して、その判定結果を示す普通図柄を停止表示する。保留ランプ16に含まれる普通図柄保留ランプ16c(図2参照)は、このように記憶されている当たり乱数の個数を表示するものである。なお、記憶される当たり乱数は4個が上限とされている。
次に、図2に基づいて実施形態の遊技機1の電気系統について説明する。実施形態の遊技機1は、メイン制御基板20、払出制御基板21、サブ制御基板25を備え、サブ制御基板25は、演出制御基板22、画像制御基板23、及び、ランプ制御基板24を備えている。そして、払出制御基板21及び演出制御基板22はメイン制御基板20に接続され、画像制御基板23及びランプ制御基板24は演出制御基板22に接続されている。各制御基板は、CPU、ROM、RAM等を備えている。
メイン制御基板20は、大当たりの抽選や遊技状態の移行など主に利益に関わる制御を行うものである。メイン制御基板20には、第1始動口5aに入球した遊技球を検出する第1始動口SW(スイッチ)5d、第2始動口5bに入球した遊技球を検出する第2始動口SW5e、電チュー5cを駆動する電チューソレノイド5f、ゲート8を通過した遊技球を検出するゲートSW8a、大入賞口7aに入球した遊技球を検出する大入賞口SW7b、大入賞口開閉部材を駆動する大入賞口ソレノイド7c、各普通入賞口9aに入球した遊技球を検出する普通入賞口SW9b、第1特別図柄保留ランプ16a、第2特別図柄保留ランプ16b、普通図柄保留ランプ16c、第1特別図柄表示器14a、第2特別図柄表示器14b、普通図柄表示器14cがそれぞれ接続され、図2に矢印で示すように、各スイッチからはメイン制御基板20に信号が入力され、各ソレノイドやランプ等にはメイン制御基板20から信号が出力される。
また、メイン制御基板20は、払出制御基板21に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板21から信号を受信する。払出制御基板21には、図示しない払出装置を駆動する払出駆動モータ26が接続され、払出制御基板21は、メイン制御基板20から受信したコマンドに従って払出駆動モータ26を動作させ、賞球の払出を行わせる。
さらに、メイン制御基板20は、演出制御基板22に対し各種コマンドを送信し、演出制御基板22は、画像制御基板23及びランプ制御基板24との間でコマンドや信号の送受信を行う。演出制御基板22には、演出ボタン10が押下操作されたことを検出する演出ボタン検出SW134が接続されている。画像制御基板23には画像表示器6及びスピーカ17が接続され、画像制御基板23は、演出制御基板22から受信したコマンドに従って、画像表示器6の表示画面6aに画像を表示し、スピーカ17から音声を出力する。ランプ制御基板24には、演出ボタンランプ135、枠ランプ18、盤ランプ19、可動役物装置28、シャッター装置40R,40L等が接続され、ランプ制御基板24は、演出制御基板22から受信したコマンドに従って、演出ボタンランプ135、枠ランプ18、盤ランプ19を点灯・消灯し、可動役物装置28、シャッター装置40R,40Lを動作させる。
次に可動演出装置としてのシャッター装置について詳説する。図3,図4に示すように、本実施形態では4角枠形状のベース枠42の図中右側に第1のシャッター装置40Rが、図中左側に第2のシャッター装置40Lが取り付けられている。
第1のシャッター装置40Rは、ベース枠42に対して左右方向にスライド移動可能に保持された3枚の可動体44と、これら可動体44を左右方向に位置移動させるための駆動ユニット46を有している。尚、3枚の可動体44は前後方向(板厚方法)異なる位置に配置されており、ここでは最も遊技者に近い前側から順に44a、44b、44cとする。
また第2のシャッター装置40Lは、ベース枠42に対して左右方向にスライド移動可能に保持された3枚の可動体144と、これら可動体144を左右方向に位置移動させるための駆動ユニット146とを有している。尚、3枚の可動体144は前後方向異なる位置に配置されており、最も遊技者に近い前側から順に144a、144b、144cとする。これら第1のシャッター装置40R及び第2のシャッター装置40Lは、その基本的な構造が互いに左右対称をなしている。以下の説明では、主に第1のシャッター装置40Rについて説明し、第2のシャッター装置40Lにおいて、第1のシャッター装置40Rと同じ機能を有する要素については、第1のシャッター装置40Rと同番号を付して説明を省略する。
ベース枠42は、図4に示すように、上枠部48、左右一対の側枠部51,52及び下枠部53が一体に連結され、全体として4角枠形状をなし、内部に表示画面6aに対応した大きな開口56が形成されている。尚、ベース枠42の上枠部48は、図4に示すように上枠部本体49と、その前面側に取り付けられる長尺板状のガイドカバー50とを有している。
シャッター装置40R,40Lの正面図である図3で示すように、第1のシャッター装置40Rはベース枠42の右端にて、3枚の可動体44a,44b,44cが前後方向に重なり合った状態となっており、また第2のシャッター装置40Lは、ベース枠42の左端にて、3枚の可動体144a,144b,144cが前後方向に重なり合った状態となっている。本例では、このように各可動体がベース枠42の周辺部、即ち、遊技盤2の周辺部で前後方向に重なり合った状態を閉状態と称する。この閉状態にあっては、ベース枠42の中央の開口56が左右方向に広く維持される。
尚、図1に示す遊技機の正面図は、シャッター装置40R,40Lが閉状態の場合を示しており、遊技者は、左右方向に広く維持された開口56を通じて、表示画面6aに表示される様々な演出を視認することができる。一方、図1において、右端に位置する各可動体44、及び、左端に位置する各可動体144は、いずれも装飾部材30の後側に隠れており、遊技者からはその大部分が視認されない位置にある。
第1のシャッター装置40R及び第2のシャッター装置40Lは、各可動体44,144を遊技盤2の中央に向かって移動させるとともに、各可動体を左右方向に広げた状態の開状態に状態変化させることができる。開状態では図20に示すように各可動体44,144が左右方向に広がって、表示画面6aの一部を遮蔽する。
図5は、第1のシャッター装置40R上部の断面図である。第1のシャッター装置40Rでは前後方向異なる位置に配置された可動体44a,44b,44cがベース枠42に対して左右方向にスライド移動可能に支持されている。
最も後側、即ち、最もベース枠42に近い位置にある第3可動体44cは、ベース枠42を構成する上枠部本体49とガイドカバー50とで前後方向に挟み込まれた状態で、上枠部本体49に向けて突出させたガイドピン116,117(図14参照)の先端を、上枠部本体49に形成されたガイド溝54に対し摺動可能に挿入させており、第3可動体44cは左右方向にスライド移動可能とされている。
一方、第3可動体44cよりも前方に配置されている第1可動体44a及び第2可動体44bは、ガイドカバー50に取り付けられたガイドロッド64を挟んで、前方に第1可動体44aが、後方に第2可動体44bが配置されている。
第1可動体44aの裏面には、ガイドブロック87,88(図10参照)が設けられており、ガイドブロック87,88に形成されたガイド孔87a,88aにガイドロッド64を挿通させることで、第1可動体44aは左右方向にスライド移動可能に支持されている。
また第2可動体44bの前面には、ガイドブロック95,96(図11参照)が設けられており、ガイドブロック95,96に形成されたガイド孔95a,96aに、同じくガイドロッド64を挿通させることで、第2可動体44bは左右方向にスライド移動可能に支持されている。
図5に示す各可動体が前後方向に重なり合った状態の閉状態で、遊技盤2の中央に移動するための駆動力が、駆動ユニット46(図3参照)からラック歯114を介して第3可動体44cに伝達されると、その駆動力は、第3可動体44cの前面に設けられた突出部118と、第2可動体44bの裏面に設けられた回動アーム99の先端部102との当接作用により、詳しくは第3可動体44c側の第2突出部122と第2可動体44b側の係合片106との係合作用により(図16(B)参照)、第2可動体44bに伝達される。
一方、第1可動体44aは、図10(B)で示すように、引張りばね66による遊技盤2の中央側に付勢されており、第2可動体44bが駆動ユニット46からの駆動力により中央に向けて(図10(B)における右方向に)移動すると、これに追従して第1可動体44aも移動する。このため本実施形態によれば、閉状態(前後方向に重なり合った状態)にある可動体44a,44b,44cを遊技盤2の中央に向かって移動させるとき、3枚の可動体44a,44b,44cは重なり合った状態を維持したまま移動を開始する。
次にシャッター装置を構成する各部品について詳述する。
図6は、ガイドカバー50を除いた状態のベース枠42の正面図である。上枠部本体49には、第3可動体44c,144cを左右方向にスライド移動可能に保持するためのガイド溝54が左右方向に延びる形態で右側と左側にそれぞれ形成されている。なお、ガイド溝54の下方には、第3可動体44c,144cの位置を検出するためのフォトセンサ55が複数取り付けられている。
一方、下枠部53には、各可動体の下方部位をスライド移動可能に支持するためのガイドロッド58が左右方向に延びる形態で右側と左側にそれぞれ取り付けられている。
図7は、上枠部本体49の前面に取り付けられるガイドカバー50の正面図である。ガイドカバー50には、前後方向に貫通する横長の開口59が、右側と左側とにそれぞれ形成されている。これら2つの開口59は正面視の形状が左右対称形状とされている。開口59には、図5で示すように、第3可動体44cの前面側に設けられた突出部118や、第2可動体44bの裏面側に取り付けられた回動アーム99の先端部102等が収容される。
図7に示すように、開口59は、下縁側に左右方向に延びる直線部60が形成されている。一方、上縁側には中央寄りの一部に上向き円弧状に切欠かれた切欠凹所62と、これに続いて左右方向に延びる直線部61とが形成されている。この開口59の上縁(詳しくは、直線部61及び切欠凹所62)は、回動アーム99の先端部102(図12参照)と当接して、先端部102の回動方向の位置を規制する。そして切欠凹所62は、後に詳述するように、中央に向けて移動する第2可動体44bを、予め定められた第2の可動体停止位置に位置停止させるために設けられている。
開口59,59の前方には、左右方向に延びるガイドロッド64(図3参照)を保持するための一対の保持溝63が右側と左側にそれぞれ形成されている。
また右側の開口59の上方で、開口59の切欠凹所62よりも周辺部寄りの位置には、中央に向けて移動する第1可動体44aと当接して、第1可動体44aを第1の可動体停止位置で位置停止させるためのストッパ壁70Rが形成されている。同じく左側の開口59の上方で、開口59の切欠凹所62よりも周辺部寄りの位置には、第1可動体144aを第1の可動体停止位置で位置停止させるためのストッパ壁70Lが形成されている。
図8は、第1のシャッター装置40Rの駆動ユニット46を示した図である。72はガイドカバー50の前面に取り付けられる電動モータ(ステッピングモータ)である。電動モータ72は図示しない中継基板を介してランプ制御基板24に接続されている。電動モータ72の出力軸には駆動ギア73が固着されている。74は駆動ギア73と噛合する連結ギアである。75は2枚のギアを同心状に配置した二段ギアで、大径ギア751が図中左側の連結ギア74に噛合し、小径ギア752が図中右側の連結ギア76に噛合している。これら連結ギア74,76及び二段ギア75の軸部両端は、ガイドカバー50と上枠部本体49とにより回転可能に支持されている。そして連結ギア76は後述する第3可動体44cのラック部113に形成されたラック歯114に噛合している。
従って、電動モータ72が駆動することにより駆動ギア73が正逆回転すると、その駆動力は連結ギア74、二段ギア75、連結ギア76を介してラック歯114に伝達され、ラック部113、即ち、第3可動体44cが左右方向に移動せしめられる。即ち、第1のシャッター装置40Rでは、電動モータ72、駆動ギア73、連結ギア74、二段ギア75、連結ギア76及び第3可動体44cのラック部113が、第3可動体44cを左右方向に移動させる駆動手段を構成している。
次に、第1のシャッター装置40Rの可動体44について説明する。図9,図11,図13で示すように各可動体44は、取り付け状態で上下方向に長く、左右方向に短い板状をなし、画像表示器6の表示画面6aの前面に位置することで表示画面6aの一部を遮蔽する本体部78と、本体部78の上部に取り付けられた上側部材80と、本体部78の下部に取り付けられた下側部材82と、をそれぞれ備えている。
本体部78は、内部にLEDを有した基板が収納され、また本体部78の前面は半透明とされており、発光手段としてのLEDからの光が前面を透過するように構成されている。各可動体の本体部78の前面には、装飾部材30(図1参照)にも描かれている人に似た生物の顔が上下方向に複数配されている。その顔は、前方に配置される第1可動体44aにて1つ1つが大きく描かれ、そして後方の可動体、即ち第2可動体44b、更には第3可動体44cになるほど顔1つ1つが小さく、そして数多く描かれている。このため各可動体44a、44b、44cが広がった状態で配置された時、図20に示すように遊技盤2の周辺部から中央に向けて、可動体に描かれた顔が次第に小さくなるように配置され、中央に位置する表示画面6aに向けて奥行感を与える演出を行うことができる。
本実施形態における3つの可動体44a,44b,44cは、何れも内部に収容したLEDを発光させる。このため、最も前側に位置する第1可動体44a、詳しくはその内部に収納されている基板は、その上方から延び出した可撓性を有するフレキシブル配線板81a(図9参照)にてランプ制御基板24と接続されている。また、第2可動体44bは第1可動体44aの下方から延び出したフレキシブル配線板81bにより第1可動体44aと接続され、第3可動体44cは同じく第1可動体44aの下方から延び出したフレキシブル配線板81cにより第1可動体44aと接続されている。そして各可動体は、これらフレキシブル配線板を介して受信したランプ制御基板24からの制御信号に基づいて発光する。
第1可動体44aでは、図9に示すように、略縦長板状の本体部78aの上部に設けられた上側部材80aが、薄い鋼板を折曲げ成形したベース板部84と、ベース板部84の前面に取り付けられたカバー部85とを有している。ベース板部84は本体部78aの上部にねじ部材により締結固定されている。カバー部85は、ランプ制御基板24と接続されたフレキシブル配線板81aの一部を、ベース板部84との間で挟み込んで保護している。
ベース板部84の裏面には、図10に示すように左右方向に離間した2箇所にガイドブロック87,88が取り付けられている。これらガイドブロック87,88には、ガイドロッド64を挿通させるガイド孔87a、88aがそれぞれ形成されている。
また、ベース板部84の上端には、係止爪86が形成されており、この係止爪86に引張りばね66の一端が係止されている。引張りばね66の他端は図3で示すようにベース枠42のブロック49aに係止されており、第1可動体44aは引張りばね66により遊技盤2の中央に向けて付勢されている。
そして、この引張りばね66の付勢力により、第1可動体44aのガイドブロック88が、図10(B)で示すように、同じくガイドロッド64に沿ってスライド移動する第2可動体44b側のガイドブロック95と当接し、第1可動体44aと第2可動体44bとが左右方向に広がる前の、前後方向に重なり合った状態で、一体移動可能に連結される。即ち、引張りばね66、第1可動体44aのガイドブロック88及び第2可動体44bのガイドブロック95が、第1可動体44aと第2可動体44bとを互いに一体移動可能に連結する第1の連結手段を構成している。
また、図10(A)で示すように、ガイドブロック88は、上方に延び出したその上部をベース枠42の側に突出させ、当接部90が形成されている。第1可動体44aは、遊技盤2の中央に向かって移動した際、この当接部90がベース枠42に形成されたストッパ壁70R(図5参照)と当接することで、それ以降の移動が阻止され、第1の可動体停止位置に位置停止する。即ち、ストッパ壁70Rと、第1可動体44aの当接部90が、上記第1の連結手段による連結を解除する第1の連結解除手段を構成している。
一方、図9に示す第1可動体44aの下側部材82aは、樹脂にて略L字形状に成形され、その基端側が本体部78aの下端にねじ部材により締結固定されている。下側部材82aにはガイドロッド58を挿通させるガイド孔91が形成されている。また下側部材82aの内部には、第1可動体44aと第2可動体44bを接続するフレキシブル配線板81bと、第1可動体44aと第3可動体44cを接続するフレキシブル配線板81cとが収容されており、これらフレキシブル配線板の変形を所定長さに亘って規制している。これにより、各可動体の移動に伴ない可動体同士の相対距離が変化した際、フレキシブル配線板81b,81cが意図しない箇所で過度に折れ曲がるのを防止している。
図11は、第2可動体44bを示した図である。本体部78bの上部には上側部材80bが、また本体部78bの下部には下側部材82bが設けられている。
上側部材80bでは、鋼板を折曲げ成形したベース板部94が本体部78bの上部にねじ部材により締結固定されている。ベース板部94の前面側には、左右方向に離間した2箇所にガイドブロック95と96が取り付けられている。ガイドブロック95、96にはそれぞれガイド孔95a、96aが形成されており、取り付け状態においてガイド孔95a、96aにガイドロッド64を挿通させることで、第2可動体44bが左右方向にスライド移動可能に保持される。
また、第2可動体44bの下側部材82bは、樹脂にて成形され、その基端側が本体部78bの下端にねじ部材により締結固定されている。下側部材82bにはガイドロッド58を挿通させるガイド孔97が形成されている。また、下側部材82bの下端には下向きに開口する保持溝101が形成されており、フレキシブル配線板81bが所定長さに亘って保持される。
図12に示すように、上側部材80bには、裏面側から突出する形態で軸ピン98が取り付けられ、回動アーム99がこの軸ピン98周りに回動可能に取り付けられている。回動アーム99は、軸ピン98と嵌合する基部100と、先端部102と、基部100と先端部102とを連結する連結部104とで構成されている。
先端部102は、一方の端面を上側部材80bの裏面に摺接させた太径部102aと、太径部102aの他方の端面から同心状に軸方向に延びる細径部102bを有している。太径部102aは、連結部104との接続部分から先端にかけての上側約半周の周面が円弧形状に形成されている。一方、太径部102aの下側には、下向きに突出する係合片106が形成されている。この係合片106は、第2可動体44bと第3可動体44cとが左右方向に広がる前の、前後方向に重なり合った状態で、第3可動体44cの第2突出部122(図13参照)と係合して、その係合作用により、第2可動体44bと第3可動体44cとが一体移動可能に連結される。即ち、第2可動体44b側の軸ピン98、回動アーム99、第3可動体44cの第2突出部122が、第2可動体44bと第3可動体44cとを互いに一体移動可能に連結する第2の連結手段を構成している。
図12に示すように、回動アーム99の基部100の周りには捩りコイルばね108が装着されている。捩りコイルばね108はその一端をベース板部94に形成された折曲片94aに係止させ、他端を回動アーム99の連結部104の下面に係止させており、捩りコイルばね108の付勢力により回動アーム99の先端部102は図中上向きに付勢されている。尚、回動アーム99及び捩りコイルばね108は、平ワッシャ109及びリテーナ110により軸方向への抜けが防止されている。
この第1のシャッター装置40Rでは、図18(B)で示すように、第2可動体44bの先端部102が、ガイドカバー50の開口59に形成された切欠凹所62に到ると、捩りコイルばね108の付勢力により回動アーム99の先端部102が、切欠凹所62に形成された凹曲面62aに沿って上向きに回動し、第2可動体44bの係合片106と第3可動体44cの第2突出部122との係合が解除され、それまで一体に移動していた第2可動体44bと第3可動体44cとの連結が解除される。即ち、ガイドカバー50の開口59の凹曲面62a、及び、捩りコイルばね108が、第2可動体44bと第3可動体44cとの連結を解除する第2の連結解除手段を構成している。
尚、図12において、112は、可動体を開状態から閉状態に、即ち、遊技盤2の周辺部に向けて後退移動させる際、第3可動体44cからの駆動力を第2可動体44bに伝達するためのブロックである。
図13は、最も後側(表示画面6aに近い側)に位置する第3可動体44cを示した図である。本体部78cの上部には、樹脂で成形された上側部材80cがねじ部材で締結固定されている。また、本体部78cの下部には樹脂で成形された下側部材82cがねじ部材で締結固定されている。
上側部材80cは、その上端部に、左右方向に所定長さ延出させたラック部113を有し、その上面にラック歯114が形成されている。ラック歯114は駆動ユニット46の連結ギア76と噛合して電動モータ72からの駆動力を第3可動体44cに伝達する。116,117は前後方向両側に突出したガイドピンで、図14で示す裏側(ベース枠42の側)に突出する一端側を、上枠部本体49に形成されたガイド溝54に挿入し(図5参照)、また図13で示す前側(ガイドカバー50の側)に突出する他端側をガイドカバー50の開口59に挿入して、第3可動体44cの左右方向へのスライド移動を可能とする一方、第3可動体44cの上下方向の移動を規制する。
尚、図14において、126は、第3可動体44cの位置を、フォトセンサ55を用いて検出するための被検出片である。
図13に示すように、上側部材80cの前面には、ガイドピン116,117の間の位置に、第2可動体44bの側に突出する突出部118が形成されている。突出部118は、部分拡大図で示すように、左右方向に細長く延びる第1突出部120と、第1突出部120の左側(遊技盤2の中央寄り)の突出面から更に前側(第2可動体44bの側)に突出する第2突出部122とを有している。
第1突出部120は、遊技盤2の中央寄りの図中左側が幅広に形成されており、その左側面から上面にかけて円弧状の第1ガイド面120aが形成され、第1ガイド面120aに続いて直線状に延びる第2ガイド面120bが形成されている。これら第1ガイド面120a及び第2ガイド面120bは、図18(B)、図19(B)で示すように、第2可動体44b側の回動アーム99の細径部102bと当接して、第2の可動体停止位置にある第2可動体44bにおける回動アーム99の回動を規制する。
一方、第1突出部120よりも更に第2可動体44bの側に突出する第2突出部122は、図5に示すように、第2可動体44b側の係合片106とその前後方向の高さが重複するようにその高さが設定されており、第2突出部122が第2可動体44b側の係合片106と係合すると(図17(B)参照)その係合作用により、第2可動体44bと第3可動体44cとが、遊技盤2の中央に向かって一体移動可能に連結される。
尚、図13において、124は、第3可動体44cが遊技盤2の周辺部に向けて後退移動の際に、第2可動体44bのブロック112に当接して、駆動力を第2可動体44bに伝達する当接ピンである(図22参照)。
一方、下側部材82cは、樹脂で成形され、ガイドロッド58を内部に挿通させるガイド孔125、及び、フレキシブル配線板81cを内部に収納する収容溝127が形成されている。
以上のように構成された第1のシャッター装置40Rでは、図15で示すように、各可動体を、同図(I)の閉状態から同図(V)の開状態に変化させる。以下ではその動作について説明する。
図15(I)に示す閉状態において、3枚の可動体44a,44b,44cは装飾部材30の後方において前後方向に重なり合って、その大半が遊技者からは視認されない位置にある。
このとき、第1可動体44aと第2可動体44bとの間においては、図16(C)で示すように、第1の連結手段を構成する引張りばね66の付勢力により、第1可動体44aのガイドブロック88の端面が第2可動体44bのガイドブロック95の端面に当接する状態に押付け固定されており、第1可動体44aと第2可動体44bとが一体移動可能に連結されている。
一方、第2可動体44bと第3可動体44cとの間においては、図16(B)で示すように、第2の連結手段を構成する第2可動体44b側の回動アーム99の先端部102が開口59の上縁に接した状態で、先端部102の上向きの回動が規制され、先端部102の係合片106が、第3可動体44c側の第2突出部122と係合して、第2可動体44bと第3可動体44cとが一体移動可能に連結されている。
この状態で、図16(A)で示すように電動モータ72が駆動して、ラック歯114と噛合している連結ギア76が正面視で時計方向に回転すると、ラック部113を介して第3可動体44cに伝達された駆動力により、各可動体44a,44b,44cは重なり合った状態を維持したまま図中左方向にスライド移動する。このため遊技者からは図15(II)に示すように、最前の第1可動体44aが優先して視認され、図中ハッチングで示した装飾部材30の脇から先ず第1可動体44aが延び出すように見える。
次に、各可動体が第1の可動体停止位置まで移動すると、図17(C)に示すように、第1の連結解除手段を構成するストッパ壁70Rに、第1可動体44aの当接部90の端面が当接して、第1可動体44aの移動が阻止され、第1可動体44aが第1の可動体停止位置に位置固定される。
以降は、図17(A),(B)に示すように、第2の連結手段により一体移動可能に連結された第2可動体44b及び第3可動体44cが重なり合った状態で一体に位置移動を継続する。このため遊技者からは、図15(III)に示すように、移動停止した第1可動体44aの脇から第2可動体44bが延び出すように見える。
そして、第2可動体44b及び第3可動体44cが第2の可動体停止位置まで移動すると、図18(B)に示すように、第2の連結解除手段を構成する捩りコイルばね108の付勢力により、回動アーム99の先端部102は、切欠凹所62の凹曲面62aの形状に沿って、図中上向きに回動し、回動アーム99側の係合片106と第3可動体44c側の第2突出部122との係合が解除され、第2可動体44bが第2の可動体停止位置に位置固定される。
以降は、第2可動体44bとの連結状態が解除された第3可動体44cのみが位置移動を継続する。このため遊技者からは図15(IV)に示すように、移動停止した第2可動体44bの脇から第3可動体44cが延び出すように見える。
尚、第2の可動体停止位置にある第2可動体44bは、図18(B)、図19(B)で示すように先端部102(太径102a)の上面が凹曲面62aに当接した状態で先端部102の時計方向の回動が阻止され、また細径部102bが第1ガイド面120a若しくは第2ガイド面120bと当接して先端部102の反時計方向の回動が阻止される。このため、万一、第2の可動体停止位置で移動停止した第2可動体44bに外力が働いても第2可動体44bの移動は有効に防止される。
そして、図19に示すように、第1可動体44aは第1の可動体停止位置に、また第2可動体44bは第2の可動体停止位置に、それぞれ位置停止した状態で、電動モータ72の回転に基づき第3可動体44cのみが移動し、その後、所定の位置にて第3可動体44cが位置停止する。これにより図15(V)に示すように、第1のシャッター装置40Rは、各可動体が左右方向に広がった開状態となって、表示画面6aの一部を遮蔽する。
以上、右側の第1のシャッター装置40Rについての動作を説明したが、この時、左側の第2のシャッター装置40Lにおいても、同期して各可動体が位置移動することから、図20で示すように表示画面6aは左右両側から可動体により遮蔽される。
以上のように本実施形態では、閉状態から開状態に状態変化する過程で、前側の可動体を優先的に遊技者に視認させる。具体的には装飾部材30の後方に隠れていた各可動体のうち、先ず最前の第1可動体44aを装飾部材30の中央寄りの左隣の位置で視認させ、次に第2可動体44bを第1可動体44aの中央寄りの左隣の位置で視認させ、次に第3可動体44cを第2可動体44bの中央寄りの左隣の位置で視認させる。このようにすれば装飾部材30及び各可動体に描かれていた生物の顔が、遊技盤2の中央に向かって小さくなりながら順次現れるので、遊技盤2の周辺部から中央に向けて奥行感を与える演出を行うことができる。
また本実施形態によれば、最前の第1可動体44aが優先的に、長い時間、遊技者に視認される。本例では、図20で示すように、最前の第1可動体44aに生物の顔とともに「じょうじ」の文字が大きく記されており、このようなメッセージを遊技者にいち早く視認させることができる。
次に各可動体が左右方向に広がった開状態から、各可動体が前後方向に重なり合った閉状態に移行する閉動作について、右側の第1のシャッター装置40Rを例に説明する。図21に示すように、先ず電動モータ72が駆動して、ラック歯114と噛合している連結ギア76が正面視で反時計方向に回転すると、ラック部113を介して第3可動体44cに伝達された駆動力により第3可動体44cのみが図中右方向にスライド移動する。
そして、図22に示すように、第3可動体44cが、第2の可動体停止位置で位置停止している第2可動体44bと重なり合った状態となり、第3可動体44c側の第2突出部122が第2可動体44b側の係合片106の下方を通り越すと、第3可動体44cの当接ピン124が、同図(B)に示すように、第2可動体44b側のブロック112に当接する。すると駆動力が第2可動体44bに伝達され、第2可動体44bもまた図中右方向にスライド移動を開始する。この時、回動アーム99の先端部102は凹曲面62aに沿って反時計方向下向きに回動して略水平状態となり、以降、開口59内で回動アーム99の係合片106が、第3可動体44c側の第2突出部122よりも中央寄りの図中左隣に位置した状態で、第2可動体44bと第3可動体44cとが右方向に一体に移動する。
そして、図23に示すように、第2可動体44b及び第3可動体44cが、第1可動体44aが位置停止している第1の可動体停止位置に達すると、第2可動体44bのガイドブロック95の端面が第1可動体44aのガイドブロック88の端面に当接し、第1可動体44aは第2可動体44bにより図中右方向に押圧される。これにより、引張ばね66の付勢力に抗して第1可動体44aが図中右方向に移動する。即ち、これ以降は、各可動体44a,44b,44cが前後(板厚)方向に重なり合った状態で、図16で示す閉状態の原点位置まで移動する。
次に、シャッター装置40R,40Lを用いた演出及び作用について説明する。
以下の例は、図柄変動演出のなかで、遊技者に演出ボタン10の操作を促す際に、シャッター装置40R,40Lを作動させるものである。図柄変動演出では、選択された変動パターンに基づいて、演出制御基板22から画像制御基板23およびランプ制御基板24に所定のコマンドが送信される。そして画像表示器6においては画像データを用いた演出が行なわれる。
ここで演出ボタン10の操作有効期間が到来すると、ランプ制御基板24はシャッター装置40R,40Lを作動させ、左右それぞれの可動体44,144を広げて、これら可動体44,144にて表示画面6aの右側領域および左側領域を遮蔽するとともに、画像制御基板23は表示画面6aの中央部に残された視認可能領域に操作案内画面Gを表示する演出を行う。図20はこのときの状態を示している。同図で示すように、操作案内画面Gはボタンを想起させる円柱体の上面に「PUSH」の文字が表示された画像を有している。
また、画像制御基板23は、操作有効期間が到来すると、操作案内画面Gの表示を開始すると共に、演出制御基板22にその旨を示す信号を送信して、演出制御基板22からランプ制御基板24にコマンドを送信させ、演出ボタン10内の演出ボタンランプ135(図2参照)を発光させる。このようにすることで、かかる表示を見た遊技者は、演出ボタン10を操作すべきであることをすぐに理解することができる。
そして、遊技者が演出ボタン10を押圧すると、演出ボタン10の操作を検出する演出ボタン検出SW134(図2参照)から検出信号が演出制御基板22に送信される。すなわち、押圧操作が受け付けられたこととなる。演出制御基板22は、演出ボタン検出SW134からこの検出信号を受信すると、その信号を画像制御基板23に送信し、画像制御基板23は、操作案内画面Gの表示を終了する。またこれと同時に演出制御基板22はランプ制御基板24にも信号を送信し、ランプ制御基板24は、シャッター装置40R,40Lを作動させ、それぞれの可動体44,144を遊技盤2の周辺部に位置移動させて表示画面6aの視認可能領域を通常の状態に戻す。
そして表示画面6aの視認可能領域が通常に戻った状態で、表示画面6aでは操作案内画面Gに代わって演出ボタン10の押圧操作に対応した演出の画面が表示される。
なお、操作有効期間内に演出ボタン10の押圧操作がなされず、操作有効期間が終了したときも、操作案内画面Gの表示を終了するとともに、各可動体44,144を遊技盤2の周辺部に位置移動させて表示画面6aの視認可能領域を通常に戻す動作が行なわれる。その後に表示画面6aで実行される演出は、操作有効期間内に演出ボタン10の押圧操作がなされたときと、同一としてもよいし、異なるものとしてもよい。
以上のように本例では、操作案内画面Gを表示させる際にシャッター装置40R,40Lを作動させ、表示画面6aの視認可能領域を限定し、その残された視認可能領域に操作案内画面Gを表示することで、遊技者に操作案内画面Gを注目させ演出ボタン10の操作を促すことができる。このようにすることで、遊技者の操作に基づく演出を実現することができ、その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上記の実施形態はシャッター装置40R,40Lを作動させることにより、表示画面6aの視認可能領域を限定するものであったが、各可動体44,144の停止位置を変更する等により、可動体44,144が広がった状態で、右側の第3可動体44c及び左側の第3可動体144cの互いに近接した端部同士を当接または重なり合わせて、表示画面6aを全面に亘って遮蔽することも可能である。
図24は、可動体にて表示画面6aを全面に亘って遮蔽するシャッター装置を用いた演出の一例を示している。この例では、図柄変動演出中、同図(I)で示すように表示画面6aにて所定の演出(第1の演出)に対応した画像を表示させた後、同図(II)で示すようにシャッター装置40R,40Lを作動させ、可動体44,144にて表示画面6aを全面に亘って遮蔽し、その状態を所定時間保持する。その後同図(III)で示すように、可動体44,144を遊技盤2の周辺部に位置移動させて表示画面6aの視認可能領域を通常の状態に戻して、表示画面6aにて第2の演出に対応した画像を表示させる。
ここで、本例では演出実行中、表示画面6aに表示されている背景画像を、第1の演出における枯れ木の画像H1から、第2の演出における葉の茂った木の画像H2に切り替えている。このように本例によれば、演出内容に基づいて表示画面6aに表示される画像が大きく変化する際、一旦、表示画面6aを覆い隠すことで、遊技者に表示画面6aを注目させ、そこに表示される画像の変化を遊技者に強く印象付けることができる。
以上、本発明の実施形態を詳述したが、これはあくまで一例示である。例えば表示画面を遮蔽する可動体の枚数は3枚に限定するものではなく、場合によっては本実施形態の連結手段及び連結解除手段を用いて、可動体の枚数を2枚又は4枚以上とすることも可能である。また、シャッター装置を表示画面の左右両側にそれぞれ備えている場合には、何れか一方のみを作動させて表示画面の一部を遮蔽することも可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた態様で実施可能である。
本発明の請求項1に係る遊技機は、(a)画像を表示する表示画面と、(b)該表示画面の前側に位置する複数の可動体を有し、これら複数の可動体を、前後方向に重なり合った状態の閉状態と、移動方向である左右方向に広がって前記表示画面の少なくとも一部を遮蔽する状態の開状態と、に状態変化させる可動演出装置と、(c)前記可動体の状態変化と連携して、前記表示画面に表示される前記画像を変化させる演出制御手段と、を備え、
前記可動演出装置は、前記閉状態から前記開状態に到る途中に設定された可動体停止位置までの間、前記各可動体を重なり合ったままの状態で移動させ、前記可動体停止位置にて一部の可動体を移動停止させるように構成されていることを特徴とする。
また本発明の請求項2に係る遊技機は、請求項1において、前記前後方向に重なった2つの前記可動体を互いに一体移動可能に連結する連結手段と、前記可動体停止位置において、これら可動体の連結を解除する連結解除手段と、が設けられ、
前記連結手段として、一方の可動体に、前記閉状態で他方の可動体と係合する係合片が設けられており、これら係合片と他方の可動体との係合作用により、前後方向に重なった前記2つの可動体を、これら可動体の進出方向に向かって重なり合ったままの状態で一体移動可能としたことを特徴とする。
また本発明の請求項3に係る遊技機は、請求項1において、前記前後方向に重なった2つの前記可動体を互いに一体移動可能に連結する連結手段と、前記可動体停止位置において、これら可動体の連結を解除する連結解除手段と、が設けられ、
前記連結手段として、一方の可動体を進出方向に付勢する引張りばねを備え、前記閉状態で前記引張りばねの付勢力により、該一方の可動体を他方の可動体と前後方向に重なり合った状態に連結するとともに、該一方の可動体を該他方の可動体の移動に追従させ、前記2つの可動体を、これら可動体の進出方向に向かって重なり合ったままの状態で一体移動可能としたことを特徴とする。