JP2018037139A - 配線連結構造 - Google Patents

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誠 桑原
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正則 臼井
佐藤 敏一
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Abstract

【課題】低温下または高温下でも、電圧変動を抑制した導通を行える電気機器(電子機器を含む)の配線連結構造を提供する。【解決手段】本発明の配線連結構造(5)は、第一接触部(111)を有する第一連結部材(11)と、第一接触部に対向して配置される第二接触部(121)を有して第一接触部および第二接触部を通じて第一連結部材と通電可能に接続される第二連結部材(12)と、第一連結部材と第二連結部材を加圧しつつ固定する固定手段とを備え、第一接触部と第二接触部はそれぞれ、降伏応力が自身と異なる導電材からなる他部材(58)と密着している。例えば、銅製の圧着端子と端子電極の間に、アルミニウム製の平ワッシャを介在させることにより、高温下でも低温下でも電圧変動の抑止または端子電圧の安定化が図られる。【選択図】図4A

Description

本発明は、低温下または高温下でも、電圧変動を抑制した導通を行える電気機器(電子機器を含む)等に用いられる配線連結構造に関する。
電気機器は、通常、一方の配線端部(例えば入力側または出力側の端子等)と他方の配線端部(例えば内部の電極等)を連結した部位(以下、「配線連結部」という。)を備える。配線連結部は、着脱性や耐熱性(例えばハンダ・ロー材の融点以上での保持性)等を確保するため、ハンダ接合またはロー付けではなく、ネジ等を用いて機械的に締結されることも多い。このような場合、配線端部間の機械的な面接触によって通電がなされる。
しかし、そのような配線連結部でも、高温下に曝されると、それを構成している各部材の熱膨張量の相違等によって、配線端部間の接触状態が変化し、配線連結部の両端側で電圧変動(単に「電圧変動」という。)が生じたり、接触抵抗が増加したりし得る。このような現象は、電気機器の作動不良、ノイズ発生、効率低下等の要因となり得る。そこで高温下でも、配線連結部における配線端部間の接触を安定的に維持して、通電を確保する提案が下記の特許文献でなされている。
特開2002−89519号公報
特許文献1は、ボルトとナットを用いてセラミックヒータの電極へ圧着端子を締結する際に、ボルトと圧着端子の間に、ボルトよりも線膨張係数の大きなスペーサを介在させて、高温下でも電極と圧着端子の接触を維持することを提案している。
しかし、特許文献1のような締結方法では、導通自体は確保されても、配線連結部の両端電圧は温度変化等により変動することがわかった。また、特許文献1のような締結方法は、スペーサと周辺部材との一方向(加熱方向)の熱膨張量差を利用しているため、電気機器(特に配線連結部)が高温と低温の両環境下に曝されるような場合には採用し難い。
本発明はこのような事情に鑑みて為されたものであり、高温下または低温下でも、配線連結部で生じる電圧変動を抑制できる電気機器の配線連結構造を提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究した結果、通電させる連結部材(配線端部)同士の接触状態を見直すことにより、高温下でも低温下でも、配線連結部における電圧変動を抑止できることを新たに発見した。この成果を発展させることにより、以降に述べる本発明を完成するに至った。
《配線連結構造》
(1)本発明の配線連結構造は、第一接触部を有する第一連結部材と、該第一接触部に対向して配置される第二接触部を有し、該第一接触部および該第二接触部を通じて該第一連結部材と通電可能に接続される第二連結部材と、該第一連結部材と該第二連結部材を加圧しつつ固定する固定手段と、を備える配線連結構造であって、該第一接触部と該第二接触部はそれぞれ、降伏応力が自身と異なる導電材からなる他部材と密着していることを特徴とする。
(2)本発明に係る第一連結部材と第二連結部材は、固定手段により加圧された状態で固定されており、第一接触部と第二接触部を介して通電される。この際、第一接触部と第二接触部は、それら自身と降伏応力の異なる導電材からなる他部材と密着した状態となっている。
例えば、他部材が第一接触部および第二接触部よりも降伏応力の小さい軟質部材である場合を考えと、塑性変形し易い軟質部材は、第一接触部と第二接触部に強圧されて第一接触部と第二接触部の表面(微細な凹凸面)に食い込んだ状態となっている。こうして第一接触部および第二接触部と軟質部材との接触界面は、機械的に結合した状態となり、いわゆるアンカー効果等によって強固に密着した状態となる。この結果、第一接触部および第二接触部は、高温下でも低温下でも、軟質部材を介して安定した接触状態ひいては通電状態を維持し、配線連結部で起因して生じ得る電圧変動が大幅に抑止される。
この点は、他部材が、第一接触部および第二接触部よりも降伏応力の大きい硬質部材である場合でも同様である。この場合、硬質部材の表面にある微細な凹凸に、第一接触部および第二接触部が食い込んだ状態となり、上述した場合と同様に、両者間で安定した接触状態ひいては通電状態が維持され、電圧変動が抑止される。
なお、他部材は、第一連結部材や第二連結部材と異なる別部材でなくてもよい。すなわち、第一連結部材と第二連結部材の相互間で、一方から見た他方を他部材と考えてもよい。この場合、降伏応力の異なる第一接触部と第二接触部は、その一方が他方の表面に食い込んで接触した状態となり、やはり同様に、第一連結部材と第二連結部材が直接接触している配線連結部に起因して生じ得る電圧変動が大幅に抑止され得る。
《その他》
(1)本明細書でいう降伏応力は、固定手段による加圧力(第一接触部と第二接触部の各接触界面に作用する面圧)、電気機器または配線連結構造の要求仕様等により適宜選択され得るが、例えば、接触界面を構成する一方側(硬質側)の降伏応力(σh)に対する他方側(軟質側)の降伏応力(σs)の比(σs/σh)が0.01〜1さらには0.06〜0.18程度であると好ましい。この場合、第一接触部と第二接触部の面圧は0.1〜1640MPaさらには3〜160MPaであると好ましい。
(2)また線膨張係数は、一方側(低膨張側)の線膨張係数(α1)に対する他方側(高膨張側)の線膨張係数(α2)の比(σ2/σ1)が1.2〜2程度であると好ましい。
(3)本発明は、配線連結部のみを対象とした配線連結構造体として把握してもよいし、その配線連結部を備えた装置(電気機器)として把握してもよい。
(4)本明細書でいう「第一」、「第二」等は、本発明を説明するために便宜的に用いており、それ自体に特段の意味はない。また、本明細書でいう「x〜y」は、特に断らない限り、下限値xおよび上限値yを含む。本明細書に記載した種々の数値または数値範囲に含まれる任意の数値を新たな下限値または上限値として、「a〜b」のような範囲を新設し得る。
電気機器の一例である半導体モジュールを示す模式図である。 その配線連結部を拡大した模式図である。 樹脂製の端子台上で同材質からなる圧着端子と端子電極を直接密着させた配線連結部を有する半導体モジュールを125℃で保持したときに生じる端子電圧の時間変化(電圧変動)を示すグラフである。 それを150℃で保持したときの電圧変動を示すグラフである。 それを−40℃で保持したときの電圧変動を示すグラフである。 端子台をセラミック製に変更して、半導体モジュールを150℃で保持したときの電圧変動を示すグラフである。 それを200℃で保持したときの電圧変動を示すグラフである。 それを−40℃で保持したときの電圧変動を示すグラフである。 構造を変更した配線連結部を拡大して示す模式図である。 アルミニウム製の平ワッシャを挟持する圧着端子と端子電極との各接触面を拡大した模式図である。 その配線連結部を有する半導体モジュールを200℃で保持したときの電圧変動を示すグラフである。 それを−40℃で保持したときの電圧変動を示すグラフである。 圧着端子と端子電極に挟持される平ワッシャをステンレス鋼製として、半導体モジュールを200℃で保持したときの電圧変動を示すグラフである。 それを−40℃で保持したときの電圧変動を示すグラフである。 アルミニウム箔の積層体からなる平ワッシャーを示す模式図である。 アルミニウム箔の積層体からなる平ワッシャーを用いた半導体モジュールを200℃で保持したときの電圧変動を示すグラフである。 それを−40℃で保持したときの電圧変動を示すグラフである。 圧着端子と端子電極の材質を変更した別の配線連結部を拡大して示す模式図である。 圧着端子と平ワッシャの変形例を示す模式図である。 配置を変更した配線連結部の変形例を示す模式図である。 半導体モジュールの変形例を示す模式図である。
上述した本発明の構成要素に、本明細書中から任意に選択した一つまたは二つ以上の構成要素を付加し得る。方法的な構成要素でも物的な構成要素となり得る。いずれの実施形態が最良であるか否かは、対象、要求性能等によって異なる。
《連結部材》
本発明でいう連結部材は、複数の配線の各端部に設けられ、相互に連結することによってそれら配線間を通電させる。各連結部材は同種・同形でも、異種・異形でもよい。連結部材の具体例として、(圧着)端子(第一連結部材)や(端子)電極(第二連結部材)がある。
連結部材の材質は、用途や使用環境等に応じて選択されるが、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケルまたはニッケル合金等からなる。連結部材は、通常、所定の接触面積を確保できる平坦状の部材であるが、金属ワイヤー等からなる環状部材等であってもよい。
接触部は、連結部材の一部であり、連結される他方の連結部材に対向する表面側にある。接触部は、連結部材と同質材である場合の他、異質材からなってもよい。例えば、接触部は、連結部材を構成する基部の表面に形成された被覆材(メッキ等)でもよい。なお、接触部は、通常、面状であることから、接触面部と換言してもよい。但し、連結部材の接触部は、平坦面に限らず、セレート(ギザ)等のように意図的に形成した凹凸面であってもよい。
《他部材》
他部材は、第一連結部材の第一接触部または第二連結部材の第二接触部と、塑性変形を伴って接触する部材である。既述したように、他部材は一方の連結部材から観た他方の連結部材でも良いが、それらとは別部材であると、材質や形態の選択自由度が高くなり好ましい。
他部材が連結部材(特に接触部)よりも降伏応力の小さい軟質部材である場合で、例えば、連結部材(特に接触部)が銅、銅合金、ニッケルまたはニッケル合金のいずれかからなるとき、他部材(軟質部材)は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなると好ましい。このとき、軟質部材は連結部材よりも、線膨張係数が大きいと、温度が変化しても両者間の接触状態が安定的に維持され易くなってより好ましい。ちなみに、本明細書でいうアルミニウムまたはその合金は、降伏応力:11〜35MPa、線膨張係数:23〜24(×10-6/K)である。また本明細書でいう銅またはその合金は、降伏応力:63〜200MPa、線膨張係数:16〜18(×10-6/K)である。さらに本明細書でいうニッケルまたはその合金は、降伏応力:80〜280MPa、線膨張係数:13〜14(×10-6/K)である。
他部材が連結部材(特に接触部)よりも降伏応力の大きい硬質部材である場合で、例えば、連結部材(特に接触部)が銅、銅合金、アルミニウムまたはアルミニウム合金のいずれかからなるとき、他部材(硬質部材)は、鉄または鉄合金からなると好ましい。このとき、硬質部材は連結部材よりも、線膨張係数が小さいと、温度が変化しても両者間の接触状態が安定的に維持され易くなってより好ましい。ちなみに、本明細書でいう鉄合金の一種であるステンレス鋼(例えばSUS304等)は、降伏応力:175〜345MPa、線膨張係数:15〜18(×10-6/K)である。
他部材は、例えば、一つの中実体でも良いし、薄い金属箔からなる積層体や導電性樹脂等でも良い。積層体の各層の材質や厚さは、全て同じでも良いし、層毎に変更しても良い。積層体に用いる金属箔は、例えば、アルミニウム箔、銅箔等であり、その厚さは0.005〜0.2mmであると好ましい。それらの点は後述する緩衝部材についても同様である。
《固定手段》
固定手段は、両連結部材を加圧して、各連結部材の接触部と他部材または両接触部同士を密着させる。固定手段は、種々の形態をとり得るが、ネジ(ビスまたはボルト・ナット)からなると、簡素な構造で配線連結部の着脱性や耐環境性(特に耐熱性)を確保できて好ましい。
また温度が変化しても(高温下や低温下に曝されても)、接触部の接触状態を安定的に維持するために、ネジの端部(ボルト頭またはナット)と少なくとも一方の連結部材との間に、スプリングワッシャ、コイルバネ、形状記憶合金等からなる付勢部材が介装されていると好ましい。すなわち、固定手段は、ネジからなる締結具と、締結具の端部と第一連結部材または第二連結部材との間に配設される付勢部材とを有すると好適である。
さらに、接触部の接触界面における面圧を均一化させるために、固定手段は、付勢部材と第一連結部材または第二連結部材との間に平ワッシャーを有すると好ましい。特に、平ワッシャーは、高剛性な鉄または鉄合金(ステンレス鋼を含む)からなると好ましい。
このような平ワッシャーを設けても、締結具や付勢部材によって連結部材(接触界面)へ印加される荷重分布の均一化が不十分な場合、さらに、平ワッシャーと第一連結部材または第二連結部材との間に、降伏応力または剛性が平ワッシャーよりも小さい緩衝部材を設けると好適である。緩衝部材が優先的に変形することにより、接触界面に作用する面圧のさらなる均一化が図られる。例えば、平ワッシャーが鉄または鉄合金からなる場合なら、緩衝部材は上述した他部材と同様に、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなると好ましい。
《電気機器》
本発明の配線連結構造は、少なくとも配線連結部が高温下や低温下に曝される電気機器に用いられると好適である。配線連結部の温度変化は、電気機器自体の発熱(例えば、パワーMOSFETやダイオード等の半導体素子の発熱)や、電気機器が載置される外部環境(例えば、酷暑環境または厳寒環境、発熱源(エンジン等)が存在する環境等)により生じ得る。
配線連結構造の具体例として、半導体モジュール(電気機器)の端子台に配設された端子電極(連結部材)と、外部配線(入出力配線)に接続された圧着端子(連結部材)とを連結する場合を以下に取り上げて、本発明をさらに詳しく説明する。
《半導体モジュール》
電気機器の一例である半導体モジュールM1を模式的に図1Aに示した。半導体モジュールM1は、配線連結部1、2、素子部3、ベース部4からなる。配線連結部1の拡大模式図を図1Bに示した。なお、図1に示した半導体モジュールM1は、入力側(図右側)と出力側(図左側)の構成が対称的である。このため、その入力側について説明し、出力側の説明を省略する。また、既述した部材と同様な部材には、同符号を付することにより、その説明を省略する。
先ず、ベース部4は、絶縁基板41と、その片面側に固定されている端子台42および銅板43(配線層)とからなる。配線連結部1、2は、その端子台42上に配設されている。
配線連結部1は、被覆された耐熱電線からなる外部配線w1の金属線に圧着された圧着端子11と、端子台42上に配設された端子電極12と、それらを端子台42上に固定するボルト13(締結具)と、ボルト13の頭部(端部)と圧着端子11の間に介装されたスプリングワッシャ14および平ワッシャ15とからなる。
配線連結部2も、基本的に配線連結部1と同様な構成からなり、圧着端子21、ボルト23、スプリングワッシャ24および平ワッシャ25を備える。但し、圧着端子21は、素子部3に伸びる内部配線w2(例えば、φ200μmのAlワイヤー)と圧着されている。
素子部3は、パワーMOSFET等の半導体素子31と、DBA(Direct Brazed Aluminum)基板32と、半導体素子31の電極311(例えば、100μm□)とDBA基板32の上層321(配線層)とをワイヤボンディングした配線w3からなる。なお、半導体素子31の下面は、銅板43上にハンダhで接合されている。また、DBA基板32の下層は、銅板43上に耐熱接着剤gにより接合されている。
《試験例》
図1Aに示した半導体モジュールM1(電気回路)を用いて、半導体素子31(抵抗体)の端子電圧の時間変化(単に「電圧変動」という。)を測定した。この測定は、配線連結部1の配線連結構造と、半導体モジュールM1の温度とを種々変更して行った。なお、端子電圧の測定はデータロガーを用いて、w1の電圧を測定した。また、半導体モジュールM1(特に配線連結部1)の温度設定は冷熱試験機を用いて行った。
[試験例1]
(1)設定条件
圧着端子11は、平坦な端子部分が外径φ9.5mm×内径φ5.3mm×厚さ1mmの銅製とした。端子電極12は、9.8mm×35mm×厚さ1mmの銅製とした。端子台42はポリエステルからなる樹脂製とし、その耐熱温度は280℃であった。ボルト13は、M4mm×首下長さ10mmのステンレス鋼製とした。スプリングワッシャ14は、外径φ9.2mm×内径φ5.1mm×厚さ1.3mmのステンレス鋼製とした。平ワッシャ15は、外径φ8mm×内径φ4.3mm×厚さ0.8mmのステンレス鋼製とした。なお、本実施例でいうステンレス鋼は、SUS304(JIS)であり、降伏応力(σ):205MPa、線膨張係数(α):16×10-6/Kであった。また本実施例でいう(純)銅は、降伏応力(σ):63MPa、線膨張係数(α):16.7×10-6/Kであった。また端子台42の樹脂は線膨張係数(α):84×10-6/Kであった。
(2)測定
上記の条件下で、半導体モジュールM1(特に配線連結部1)の温度を種々変化させたときの測定結果(電圧変動)を図2A〜図2C(これらを併せて単に「図2」という。)に示した。図2Aは、室温(24℃)から昇温して125℃で約3600秒間保持した後、室温まで降温したときの電圧変動を示す。図2Bは、配線連結部1を室温(24℃)から昇温して150℃で約3600秒間保持した後、室温まで降温したときの電圧変動を示す。図2Cは、配線連結部1を室温(24℃)から降温して−40℃で約3600秒間保持した後、室温まで昇温したときの電圧変動を示す。
(3)評価
半導体素子31は抵抗体であるため、その端子電圧は温度変化に応じて変化するが、温度が一定になると端子電圧も安定するはずである。同材質からなる圧着端子11と端子電圧12を直接密着させた配線連結部1(図1B)の場合、図2Aから明らかなように、125℃までの加熱なら、端子電圧が安定しており電圧変動は殆ど生じていない。しかし、図2Bから明らかなように、150℃まで加熱すると、昇温過程および降温過程のみならず、温度を一定に保持しているときでも、端子電圧が大きく変動し得ることがわかった。また図2Cから明らかなように、−40℃まで冷却した場合も、同様に端子電圧がかなり変動することがわかった。
[試験例2]
(1)設定条件および測定
試験例1で用いた端子台42を樹脂製から、セラミック製に変更し、半導体モジュールM1の温度を150℃、200℃または−40℃として、試験例1の場合と同様に電圧変動を測定した。こうして得られた各結果をそれぞれ図3A〜図3C(これらを併せて単に「図3」という。)に示した。
(2)評価
端子台42を樹脂製からセラミック製に変更することにより、図3Aから明らかなように、150℃まで加熱しても電圧変動を抑制できることがわかった。しかし、図3Bから明らかなように、200℃まで加熱すると、その温度を一定に保持していても、端子電圧は大きく変動することがわかった。また図3Cから明らかなように、−40℃まで冷却した場合、降温過程で電圧変動が生じ易いことがわかった。
図2と図3から、樹脂製の端子台42よりもセラミック製の端子台42を用いることにより電圧変動を抑制できることがわかった。これは、そのセラミックの線膨張係数が(9.5×10-6/K)が、その樹脂(試験例1)の線膨張係数(84×10-6/K)よりも相当に小さいことが影響していると考えられる。
しかし、端子台42の材質を変更して熱膨張量変化を抑制したとしても、図1Bに示すような配線連結構造では、電気回路に生じる電圧変動を根本的に抑制し難いことも明らかとなった。
[試験例3]
(1)構成
図1Bに示した配線連結部1を、図4Aに示すような配線連結部5に変更した半導体モジュールM2を用意した。配線連結部5は、配線連結部1に対して、ボルト13の首下とスプリングワッシャ14の間に平ワッシャ16を、平ワッシャ15と圧着端子11の間に平ワッシャ57(緩衝部材)を、圧着端子11と端子電極12との間に平ワッシャ58(他部材、軟質部材)を、それぞれ追加したものである。
(2)設定条件
平ワッシャ16は平ワッシャ15と材質および形態が同じである。平ワッシャ57と平ワッシャ58も、材質(純アルミニウム製)および形態(外径φ10mm×内径φ4.3mm×厚さ0.8mm)が同じである。その他は試験例1と同条件である。なお、本実施例でいう(純)アルミニウムは、降伏応力(σ):35MPa、線膨張係数(α):23×10-6/Kであった。
(3)測定
上記の条件下で、半導体モジュールM2(特に配線連結部5)の保持温度を200℃または−40℃として、試験例2の場合と同様に電圧変動を測定した結果を、それぞれ図5Aと図5B(これらを併せて単に「図5」という。)に示した。
(4)評価
軟質なアルミニウム製の平ワッシャ58を圧着端子11と端子電極12の間に介在させることにより、図5から明らかなように、200℃まで加熱しても−40℃まで冷却しても、電圧変動がなく、端子電圧が安定することがわかった。
配線連結部5のような構造によって電圧変動を抑止でき、端子電圧の安定化を図れた理由は次のように考えられる。図4Bに示すように、対向して配設される圧着端子11(第一連結部材)の接触面111(第一接触部)と端子電極12(第二連結部材)の接触面121とには、表面に微細な凹凸が存在し得る。ここで接触面111、121は、ボルト13による締結力により、軟質な平ワッシャ58の表面に強圧された状態となっている。このため、降伏応力の小さい平ワッシャ58は両表面部分が僅かに塑性変形して、接触面111、121の表面に食い込んだ状態となる。このため圧着端子11と端子電極12は、接触面111、121と平ワッシャ58を介して機械的に密着した接触状態を維持している。この結果、圧着端子11と端子電極12の間の通電が安定してなされ、上述したように電圧変動の抑止または端子電圧の安定化が図られるようになったと考えられる。
なお、本試験例では、スプリングワッシャ14の両端面側に高剛性な平ワッシャ15、16を配設すると共に、平ワッシャ15と圧着端子11の間に平ワッシャ15よりも降伏応力または剛性の小さい平ワッシャ57を配設している。これにより、接触面111、121と平ワッシャ58との接触界面に作用する面圧はより均一化されて、それらの接触状態が改善されたことも、上述した電圧変動の抑止または端子電圧の安定化に寄与していると考えられる。
[試験例4]
(1)設定条件および測定
図4Aに示した配線連結部5の平ワッシャ57、58を、アルミニウム製からステンレス鋼製に変更した半導体モジュールM3を用意した。この温度を200℃または−40℃とし、試験例3の場合と同様に電圧変動を測定した結果を、それぞれ図6Aと図6B(これらを併せて単に「図6」という。)に示した。
(2)評価
図5と図6を比較すると明らかなように、平ワッシャ57、58の材質変更によって、200℃まで加熱した場合でも、−40℃まで冷却した場合でも、電圧変動が大きくなり、端子電圧が不安定となることがわかった。これは、硬質なステンレス鋼からなる平ワッシャ58は、表面部分が塑性変形せず、圧着端子11の接触面111や端子電極12接触面121と密着しなかったためと考えられる。さらにいえば、平ワッシャ57もステンレス鋼製で高降伏応力または高剛性となったため、接触面111、121と平ワッシャ58の接触界面に作用する面圧の均一化が不十分であったことも副次的な理由と考えられる。
[試験例5]
(1)設定条件および測定
図4Aで示した配線連結部5の平ワッシャ57、58を、アルミニウム製の中実体から図7に示す積層体77に変更した半導体モジュールM4を用意した。この積層体77は、接着剤等を用いずに、アルミニウム箔f(縦10mm×横10mm×厚さ0.011mm)を12枚積層したものである。半導体モジュールM4の温度を200℃または−40℃とし、試験例3の場合と同様に電圧変動を測定した結果をそれぞれ図8Aと図8B(これらを併せて単に「図8」という。)に示した。
(2)評価
図8から明らかように、平ワッシャ57、58をアルミニウム箔fの積層体77としても、試験例3の場合と同様に、200℃まで加熱しても、−40℃まで冷却しても、電圧変動がなく、端子電圧が安定することがわかった。
《変形例》
(1)図4Aに示した配線連結部5を、図9に示す配線連結部6に変更してもよい。配線連結部6は、圧着端子61と端子電極62をアルミニウム製とし、平ワッシャ68(他部材、硬質部材)をステンレス鋼として、平ワッシャ57を省略したものである。この配線連結部6でも、配線連結部5と同様な接触状態または加圧状態が得られ、電圧変動の抑止または端子電圧の安定化を図れる。
(2)図4Aに示した圧着端子11と平ワッシャ58は、図10に示すように、圧着端子81とアルミニウム等の軟質材88とを一体化させたものに置換し得る。なお、少なくとも圧着端子81の接触面811側に軟質材88が存在すれば良いが、圧着端子81は軟質材88中に埋設された状態でも良い。
(3)配線連結部は、半導体モジュール内に限らず、図11に示すように、半導体モジュール外にボルト91とナット92を用いて形成してもよい。
(4)半導体モジュールM1のベース部4は、図12に示すように、一体成形した樹脂製の基台45に、セラミック製等の端子台46を設けたものでもよい。
5 配線連結部(配線連結構造)
11 圧着端子(第一連結部材)
12 端子電極(第二連結部材)
13 ボルト(締結具)
57 平ワッシャ(緩衝部材)
58 平ワッシャ(他部材、軟質部材)
111 接触面(第一接触部)
121 接触面(第二接触部)

Claims (13)

  1. 第一接触部を有する第一連結部材と、
    該第一接触部に対向して配置される第二接触部を有し、該第一接触部および該第二接触部を通じて該第一連結部材と通電可能に接続される第二連結部材と、
    該第一連結部材と該第二連結部材を加圧しつつ固定する固定手段と、
    を備える配線連結構造であって、
    該第一接触部と該第二接触部はそれぞれ、降伏応力が自身と異なる導電材からなる他部材と密着していることを特徴とする配線連結構造。
  2. 前記他部材は、前記第一接触部および前記第二接触部よりも降伏応力の小さい軟質部材である請求項1に記載の配線連結構造。
  3. 前記軟質部材は、前記第一連結部材および前記第二連結部材よりも線膨張係数が大きい請求項2に記載の配線連結構造。
  4. 前記第一接触部および前記第二接触部は、銅、銅合金、ニッケルまたはニッケル合金のいずれかからなり、
    前記軟質部材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる請求項2または3に記載の配線連結構造。
  5. 前記他部材は、前記第一接触部および前記第二接触部よりも降伏応力の大きい硬質部材である請求項1に記載の配線連結構造。
  6. 前記硬質部材は、前記第一連結部材および前記第二連結部材よりも線膨張係数が小さい請求項5に記載の配線連結構造。
  7. 前記第一接触部および前記第二接触部は、銅、銅合金、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、
    前記硬質部材は、鉄または鉄合金からなる請求項5または6に記載の配線連結構造。
  8. 前記第一連結部材は端子であり、
    前記第二連結部材は電極である請求項1〜7のいずれかに記載の配線連結構造。
  9. 前記電極は、半導体モジュールの端子台に配設されている請求項8に記載の配線連結構造。
  10. 前記固定手段は、ネジからなる締結具と、該締結具の端部と前記第一連結部材または前記第二連結部材との間に配設される付勢部材とを有する請求項1〜9のいずれかに記載の配線連結構造。
  11. 前記固定手段は、さらに、前記付勢部材と前記第一連結部材または前記第二連結部材との間に平ワッシャーを有する請求項10に記載の配線連結構造。
  12. 前記固定手段は、さらに、前記平ワッシャーと前記第一連結部材または前記第二連結部材との間に、降伏応力または剛性が該平ワッシャーよりも小さい緩衝部材を有する請求項11に記載の配線連結構造。
  13. 前記他部材は、金属箔の積層体からなる請求項1〜12のいずれかに記載の配線連結構造。
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